JP2023040656A - 発酵乳及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】洋酒が入った発酵乳であっても洋酒以外に含まれる香料の香りの発現の減弱化を防ぐことを課題とする。【解決手段】洋酒及び香料を含む発酵乳に高甘度甘味料を一定量添加することによって、洋酒による香料の香りの発現の減弱化を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は洋酒と高甘度甘味料と香料を含有する発酵乳に関する発明である。また、洋酒を含む発酵乳の製造方法であって、発酵乳に洋酒、高甘度甘味料及び香料を添加する工程を含む洋酒入り発酵乳の製造方法に関する発明である。【選択図】無し

Description

本発明は、洋酒入り発酵乳および当該発酵乳の製造方法に関する。
近年、日本では、発酵乳を健康増進のために、あるいはデザートとして食することが多い。このため、各乳製品メーカーは、様々な種類の発酵乳を製造・発売しており、発酵乳は年齢や性別を問わず幅広く食生活に取り入れられている。
ところで、大人をターゲットとするようなお酒を含む発酵乳としては、特許文献1,2,3に示すものが知られている。特許文献1には、清酒をアルコール分として2~10容量%含む液状発酵乳が記載されている。また、特許文献2にも日本酒をアルコール濃度で0.1~1.0重量%含むヨーグルトデザートが記載されている。特許文献3には、洋酒を0.2~1.0重量%含有する発酵乳であって、脂肪率4~9%、メディアン径1.0~1.6μm、モード径0.9~1.7μmとすることで、洋酒と発酵乳の風味のバランスが取れることが記載されている。
また、特許文献4には、高甘味度甘味料であるスクラロースの新規用途として、スクラロースを果汁・果実含有食品に添加配合することによってフルーツの風味を引きたたせることができること、また、メントールやカルボンなどの香気成分にスクラロースを配合することによって、香気成分のフレーバー感(香り、清涼感、爽快感)をより一層引き立たせることができることについて開示されている。
また、特許文献5には、ラカンカ抽出物、ステビア抽出物、スクラロース、アスパルテーム、及びソーマチンといった甘味料にバニラフレーバーのバニラ風味を増強する作用があることが開示されている。以上の特許文献1~5には、いずれにも香料と洋酒が含まれる発酵乳における香料の香りの発現については触れられていない。
特開2003-325159号公報 特開昭63-237737号公報 特開2017-42061号公報 特開2018-121638号公報 特開2020-68766号公報
このようにお酒を含んだ発酵乳はすでに存在しており、お酒を含んだ様々な風味の発酵乳の商品化が望まれていた。本発明者らは、洋酒を含んだ発酵乳は、洋酒の風味が強すぎるために洋酒以外に香料を加えた場合に、当該香料の香りの発現が弱められてしまうことが課題であることを見出した。
したがって、本願発明は、洋酒が入った発酵乳であっても洋酒以外に含まれる香料の香りの発現の減弱化が抑制された発酵乳の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、洋酒及び香料を含む発酵乳に高甘度甘味料を一定量添加することによって、洋酒による香料の香りの発現の減弱化を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の洋酒入り発酵乳およびその製造方法を提供する。
<1>洋酒及び香料を含有する発酵乳であって、高甘度甘味料を含むことを特徴とする発酵乳。
<2>発酵乳が攪拌型発酵乳である<1>に記載の発酵乳。
<3>洋酒がブランデー又はラムである<1>又は<2>に記載の発酵乳。
<4>洋酒を0.1~1重量%含有する<1>~<3>のいずれかに記載の発酵乳。
<5>高甘度甘味料がスクラロース又はステビア抽出物である<1>~<4>のいずれかに記載の発酵乳。
<6>スクラロースを0.001~0.005重量%、又はステビア抽出物を0.002~0.01重量%含有する<5>に記載の発酵乳。
<7>香料がイチゴ香料、モモ香料、オレンジ香料、ブルーベリー香料、ブドウ香料、リンゴ香料、バナナ香料、マンゴー香料、キウイ香料、グレープフルーツ香料、ミカン香料、レモン香料、レーズン香料、パイナップル香料、カスタード香料、ウメ香料、メロン香料、グアバ香料、アセロラ香料及びパパイヤ香料からなる群から選ばれる1以上である<1>~<6>のいずれかに記載の発酵乳。
<8>洋酒及び香料を含む発酵乳の製造方法であって、発酵乳に洋酒、香料及び高甘度甘味料を添加する工程を含む洋酒入り発酵乳の製造方法。
<9>洋酒及び香料を含む発酵乳における香料の香りの減弱化の抑制方法であって、発酵乳に洋酒及び香料の他に高甘度甘味料を添加する工程を含む、前記香料の香りの減弱化の抑制方法。
以下、本発明を詳細に説明する。本明細書においては、発明の態様に分けて説明をしているが、それぞれの態様に記載の事項、語句の定義、及び実施形態は、他の態様においても適用可能である。
1.発酵乳の製造方法
(発酵乳)
発酵乳は、「乳等省令」で、乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させ、糊状又は液状にしたもの又はこれらを凍結したもの、と定義されている。本明細書において、「発酵乳」は、乳等省令で定める定義を適用する。
本発明の製造方法で製造される発酵乳は、静置型発酵乳及び攪拌型発酵乳のいずれでもよいが、攪拌型発酵乳であることが好ましい。
本明細書において、静置型発酵乳(後発酵発酵乳、プレーンヨーグルト、ハードヨーグルト、セットヨーグルトとも呼ばれる。)とは飲食用の容器に発酵原料を充填した後発酵させた発酵乳である。すなわち、飲食用の容器に発酵原料を充填してから発酵し、その後攪拌することなく市販に供する発酵乳である。タンパク質含量が、高濃度となるように原料を溶解した、あるいは膜装置などで予め濃縮した発酵原料にて調製した静置型発酵乳は、濃縮型発酵乳(ギリシャヨーグルト)とも呼ばれる。
本明細書において、攪拌型発酵乳(前発酵発酵乳、ソフトヨーグルト、ドリンクヨーグルトとも呼ばれる。)とは、予め製造設備中で発酵させ生じた凝固を破砕し、これに砂糖、香料、果汁、果肉等の副原料を混合してから容器に充填して製造されるものである。
本発明の発酵乳は、静置型発酵乳でも攪拌型発酵乳のいずれでもよく、このうちでも攪拌型発酵乳が好ましい。
また、本発明の発酵乳中の脂肪率は特に限定されるものではないが、0.1~5重量%であり、さらに好ましくは0.1~4重量%、さらにいっそう好ましくは0.1~3重量%であり、もっとも好ましくは0.1~1.5重量%である。脂肪率が低い程、洋酒に起因する渋味などが目立ちやすくなるが、本発明の高甘度甘味料を添加することで洋酒に起因する渋味などの低減も可能となった。
したがって、最近特に脂質の摂食量の低減目的として好まれる低脂肪の発酵乳ほど本発明の効果が強く発揮されることになる。すなわち、洋酒及び香料を含む発酵乳において、香料の香りが減弱されず、かつ、洋酒に起因する渋味なども低減され、ほどよい香料の香りと洋酒の風味を楽しむ発酵乳を提供することができる。
(混合工程)
本発明の発酵乳の製造方法は、任意工程として、混合工程を含むことができる。本明細書において、「混合工程」は、任意の成分を混合及び溶解して、原料混合物溶液を得る工程である。任意の成分としては、生乳、脱脂濃縮乳、クリーム、バター、全粉乳、脱脂粉乳、及びホエイパウダーなどの乳製品、乳タンパク質、洋酒、甘味料、高甘度甘味料、安定剤、香料などが挙げられる。溶解に用いる溶解液は、本発明の効果が得られる限り、限定されることはないが、水が好ましく、温湯がより好ましい。温湯の温度は適宜調整することができる。原料混合物溶液は、無脂乳固形分8重量%~20重量%を含むことが好ましい。
本発明の効果が得られる限り、各々の原料を溶解液に溶解してから混合してもよく、各々の原料を混合してから溶解液に溶解してもよい。必要に応じて、適切な溶解機、例えば、パワーブレンダー、ミキサー、又は高速攪拌機等を使用することが好ましい。
(原料混合物溶液を加温・均質化する工程)
本発明の発酵乳の製造方法は、任意工程として、原料混合物溶液を加温・均質化する工程を含むことができる。原料混合物溶液を加温・均質化する工程は、均質効率を上昇させるために予備加温して、その後均質機等により均質化する工程である。均質化とは、乳脂肪中の脂肪球、及びその他の原料を細かく砕き、安定した状態にすることを意味する。
均質化前に、原料混合物溶液を50℃~85℃に加温することが好ましい。原料混合物溶液が、乳タンパク質分解物及びゲル化剤を含み、これらを共に均質化することが好ましい。均質圧力は、通常の発酵乳の均質圧力を採用することができるが、例えば、10MPa~20MPa、好ましくは12MPa~18MPaである。
(殺菌工程)
本発明の発酵乳の製造方法は、乳タンパク質分解物を含む原料混合物溶液の殺菌工程を備える。本明細書において「殺菌工程」とは、原料混合物溶液を高温で処理することにより、原料混合物溶液中の微生物を減少させることを意味する。
(殺菌条件)
殺菌温度及び時間は、例えば60℃~65℃で30分間程度加熱するLTLT法、75℃~90℃で15分~60分間加熱するHTLT法、70℃~90℃で15秒~60秒間加熱するHTST法、120℃~150℃で1~3秒間加熱するUHT法など、通常の発酵乳製造で用いられる方法に相当する条件であれば制限はない。用いる殺菌装置は、例えば、プレート式熱交換器、チューブ式殺菌機、ダイレクトスチームインジェクション、ダイレクトスチームインフュージョン、サーモシリンダー、ロタサーム、ケトル乳化釜、ステファン乳化釜、ジュール加熱装置、タンクを用いたバッチ式殺菌及びこれらの組み合わせのいずれでも良く、発酵乳製造に用いることができれば制限はない。
また、本発明では、殺菌後、所定の温度まで原料混合物溶液を冷却してもよい。具体的には、例えば、後述する発酵工程における発酵温度付近まで冷却してもよい。
(充填工程)
静置型発酵乳(後発酵発酵乳)を製造する場合には、殺菌工程の後、適切な容器に充填することができる。容器は、紙製又はプラスチック製のカップ状の容器であり、紙、アルミ、又はプラスチック製の上蓋が付いているものを使用することができる。
(発酵工程)
本明細書において、「発酵工程」とは、スターターを用いて原料混合物溶液を発酵させる工程である。原料混合物溶液に添加して混合(接種)するためのスターターの例として、乳酸桿菌である、ラクトバチルス・ブルガリクスや、ラクトバチルス・ラクティス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・パラカゼイ、乳酸球菌である、ストレプトコッカス・サーモフィラス、その他の発酵乳の製造で一般的に用いられる乳酸菌や酵母などから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
スターターの添加量は、公知の発酵乳の製造方法において採用されている添加量に従って、適宜設定することができる。また、スターターの接種方法も、特に制限されることなく、発酵乳の製造で慣用されている方法を適宜用いることができる。発酵に用いる微生物が複数種類ある場合、これらの微生物を原料混合物溶液に接種する順序は特に問わず、全てを同時に投与してもよい。また、これらの微生物のうち任意の微生物を、複数回接種してもよい。
発酵の条件は、発酵乳の種類や所望の風味、使用するスターターの種類などを考慮して、適宜設定することができる。例えば、発酵室内の温度(発酵温度)を30℃~50℃の範囲に維持し、その発酵室内で静置しながら発酵させる方法を挙げることができる。かかる温度条件であれば、一般に乳酸菌が活動しやすいため、効果的に発酵を進めることができる。発酵温度は、通常では30℃~50℃程度、好ましくは35℃~45℃の範囲、より好ましくは37℃~43℃の範囲を挙げることができる。
発酵時間は、発酵乳の乳酸酸度が所定の割合に到達することを目安に、適宜調整することができるが、通常3時間~24時間、又は通常4時間~18時間程度である。なお、仕上げ酸度又は仕上げpHに基づき、発酵時間を決めることもでき、具体的には、発酵乳のpHが4.0~5.0になった後、発酵を停止させることができる。発酵後、10℃以下の温度に冷却することが好ましい。培養温度から10℃への急冷は好ましくは10時間以内、より好ましくは5時間以内、更に好ましくは3時間以内、特に好ましくは1時間以内に行うことが望ましい。
本発明の製造方法により製造される発酵乳が、攪拌型発酵乳である場合、本発明の製造方法は、発酵工程の後に、これらの種類の発酵乳の製造に必要な工程を含んでもよい。必要な工程としては、例えば、発酵工程の後に撹拌することによってカードを破砕する破砕工程、果肉又はフルーツプレザーブ等の固形物又は洋酒、寒天、甘味料、高甘度甘味料、香料、他原料を添加する工程、固形物又は他原料と発酵乳とを撹拌して均質化する工程等が挙げられる。
本発明の製造方法は、発酵工程前後に濃縮工程を含むことができる。濃縮の方法としては、膜濃縮、遠心分離などが挙げられる。
2.発酵乳
(原材料)
本発明の発酵乳は、生乳、脱脂乳、ホエイなどの他に、その加工品(例えば、全脂粉乳、全脂濃縮乳、脱脂粉乳、脱塩脱脂粉乳、脱脂濃縮乳、練乳、ホエイ粉、ホエイ濃縮粉、クリーム、バター、チーズなど)を含むことができる。本発明の発酵乳は、乳成分の他にも、砂糖、糖類、洋酒、甘味料、高甘度甘味料、香料、果汁、果肉、ビタミン、ミネラル、植物油脂、乳化剤などの、食品もしくは食品成分及び食品添加物などを含むことができる。また、発酵乳の原料は、必要に応じて、安定剤、澱粉、加工デンプン、デキストリンなどを含むことができる 。
(洋酒)
本発明の洋酒とは、ウイスキー、ウォッカ、ジン、ビタース、ブランデー、ラム、リキュール、ビール、ワイン、果実酒、紹興酒等をいう。使用する洋酒は1種とは限らず、複数を組み合わせることも出来る。また、上記の洋酒と組み合わせて、日本酒、焼酎、梅酒等を用いることも可能である。本発明の発酵乳における洋酒の含有量は、0.1~1重量%が好ましく、0.2~0.8重量%がさらに好ましく、0.3~0.6重量%がよりいっそう好ましい。洋酒の量が0.1重量%を下回る場合には、得られる発酵乳の発酵風味が強く洋酒の風味が感じられにくい。一方、洋酒の量が1重量%を超える場合には、得られる発酵乳に洋酒自体の渋味が強すぎて好ましくない。
(高甘度甘味料)
本発明に用いられる高甘度甘味料としては、相対甘味度が100以上である甘味剤を使用でき、発酵乳において香料の香りの減弱化を抑制でき、また洋酒の苦味を低減できるものであればいずれでもよい。
ここで、相対甘味度とは、スクロース(砂糖)の甘味度を1.0とした時の相対甘味度である。厚生労働省の「e-ヘルスネット」(厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト、https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp)において、う蝕の原因とならない代用甘味料の利用法に、代用甘味料のスクロース(ショ糖)に対する相対甘味度として記載されている。
本発明における高甘度甘味料としては、具体的にスクラロース(相対甘味度;600)、ステビア抽出物(相対甘味度;300~450)、アスパルテーム(相対甘味度;100~200)、アセスルファムカリウム(相対甘味度;200)、サッカリン(相対甘味度;400~500)、サッカリン塩(サッカリンナトリウム等、相対甘味度;400~500)、ソーマチン(相対甘味度;2,000~3,000)等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。中でも、スクラロース及びステビア抽出物が好ましい。
(スクラロース)
本発明において用いられるスクラロース(Sucralose)の化学名は1,6-Dichloro-1,6-dideoxy-β-D-fructofuranosy l-4-chloro-4-deoxy-α-D-galactopyranosideであり、ショ糖のおよそ600倍の甘味度を有する合成甘味料である。水に溶けやすく、水溶液中では耐酸性・耐熱性を示し、耐光性・保存安定性を有する。そのため、飲食品の甘味料として一般に用いられ、市販もされているので、そのような市販品を用いればよい。例えば三栄源エフ・エフ・アイ株式会社から「サンスイート(登録商標)SU-100」等の名称で市販されている。
本発明におけるスクラロースの含有量は、添加する洋酒の濃度及び香料の濃度に応じて香料の濃度がほどよく維持される濃度であればよい。本発明においてスクラロースの下限としては、発酵乳中0.001重量%以上含有することが好ましい。0.001重量%未満では洋酒の濃度が例え少量であっても、香料の香りがかき消されてしまうことを防ぐことができないからである。また、上限としてはスクラロースによると思われる甘味料由来の苦味が感じられない程度が好ましく、0.006重量%以下が好ましく、0.005重量%以下がさらに好ましい。スクラロースの好ましい範囲としては0.001~0.005重量%が挙げられる。
(ステビア抽出物)
本発明に用いられるステビア抽出物は、ステビアレバウディアナ・ベルトニ(Stevia Rebaudiana Bertoni)と呼ばれる南米パラグアイを原産地とするキク科ステビア属に属する植物の抽出物である。本発明が対象とするステビア抽出物は、産地の別を問わず、ステビアの葉又は茎などから、水またはエタノール等の有機溶媒を用いて抽出されたレバウディオサイドAを含有する抽出物である。レバウディオサイドAは、ステビア抽出物に含まれているステビオール配糖体であり、ショ糖の300~450倍の甘味度を有していることが知られている甘味成分である。
本発明で用いられるステビア抽出物のレバウディオサイドA含有量は、本発明の効果を奏することを限度として、特に制限されない。言い換えれば、本発明において、レバウディオサイドAは、ステビア抽出物から精製された状態で使用することもできるし、また、ステビア抽出物に含まれるレバウディオサイドA以外のステビオール配糖体(ステビオサイド、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドM、ズルコサイドA、レブソサイド、ステビオールビオサイドなど)と混合した状態で使用することもできる。本発明において「ステビア抽出物」の用語には、これらの両方の意味が包含される。ステビア抽出物中のレバウディオサイドAの含有量は、制限されないが、全体の90重量%以上であることが好ましい。なお、本発明が対象とするステビア抽出物には、α-グルコシルトランスフェラーゼ等を用いて、上記ステビア抽出物にグルコースやフルクトース等の糖を転移した酵素処理ステビア抽出物も含まれる。また、本発明で対象とするレバウディオサイドAには、α-グルコシルトランスフェラーゼ等を用いてレバウディオサイドAにグルコースやフルクトース等の糖を転移した酵素処理レバウディオサイドAも含まれる。好ましくは酵素非処理ステビア抽出物であり、また好ましくは酵素非処理レバウディオサイドAである。
こうしたステビア抽出物は、ステビアの葉や茎等を原料として抽出し、さらに必要に応じて精製処理することで調製することも可能であるが、簡便には商業的に入手することができる。例えば、市販されているステビア抽出物として、「レバウディオAD」(守田化学工業(株)製)などを挙げることができる。この製品はレバウディオサイドAを90重量%以上の割合で含有するレバウディオサイドA含有製品(ステビア抽出物)である。
本発明におけるステビア抽出物の含有量は、添加する洋酒の濃度及び香料の濃度に応じて香料の濃度がほどよく維持される濃度であればよい。本発明においてステビア抽出物の下限としては、発酵乳中0.002重量%以上含有することが好ましい。0.002重量%未満では洋酒の濃度が例え少量であっても、香料の香りがかき消されてしまうことを防ぐことができないからである。また、上限としてはステビア抽出物によると思われる甘味料由来の苦味が感じられない程度が好ましく、0.012重量%以下が好ましく、0.01重量%以下がさらに好ましい。ステビア抽出物の好ましい範囲としては0.002~0.01重量%が挙げられる。
(香料)
本発明において用いられる香料は、飲食品(特に発酵乳)に香りを付与できる成分を意味し、天然由来の成分、合成された成分、又はそれらの混合物の何れも用いることができる。本技術に用いる香料は、飲食品に使用できる公知の香料や市販品などを適宜用いることができ、また、公知の製造方法にて製造することができる。
香料として、特に限定されないが、例えば、イチゴ香料、モモ香料、オレンジ香料、ブルーベリー香料、ブドウ香料、リンゴ香料、バナナ香料、マンゴー香料、キウイ香料、グレープフルーツ香料、ミカン香料、レモン香料、レーズン香料、パイナップル香料、カスタード香料、ウメ香料、メロン香料、グアバ香料、アセロラ香料及びパパイヤ香料などが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
本発明における香料の濃度は、特に限定されないが、発酵乳中に0.5重量%以下含有することが好適であり、より好適には0.01~0.3重量%である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。特に説明がない限り、%は重量%を示す。
[試験例1]
洋酒としてブランデー、香料としてイチゴ香料、高甘度甘味料としてスクラロースを添加した発酵乳について、イチゴ香料の香りの減弱化が抑制できることを確認した。
(比較例1)
脱脂粉乳を11%、乳タンパク質を0.5%、砂糖を7%、脂肪分50%のクリームを3.7%となるように水で溶解して得た脂肪分1.9%の水溶液を、80℃まで加熱した後、均質機にて18MPaの均質圧力で均質化を行い、プレート型殺菌機にて93℃6分間殺菌後45℃に冷却した。その後ヨーグルト製造用DVS乳酸菌スターター(ラクトバチルス・ブルガリクス及びストレプトコッカス・サーモフィラスの混合スターター)を500U/2500kgとなるように添加・混合した。その混合物を43℃のステンレス容器で発酵させ、pHが4.6となった時点で、シェアリングバルブでカードを破砕してプレート式冷却装置で10℃に冷却し、発酵を停止させて、破砕した発酵乳を得た。
イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品1を得た。
(比較例2)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を5.0%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品2を得た。
(比較例3)
脱脂粉乳を11%、乳タンパク質を0.5%、砂糖を7%、乳脂肪分50%のクリームを10%となるように水で溶解して得た脂肪分3.8%の水溶液を、80℃まで加熱した後、均質機にて18MPaの均質圧力で均質化を行い、プレート型殺菌機にて93℃6分間殺菌後45℃に冷却した。その後ヨーグルト製造用DVS乳酸菌スターター(ラクトバチルス・ブルガリクス及びストレプトコッカス・サーモフィラスの混合スターター)を500U/2500kgとなるように添加・混合した。その混合物を43℃のステンレス容器で発酵させ、pHが4.6となった時点で、シェアリングバルブでカードを破砕してプレート式冷却装置で10℃に冷却し、発酵を停止させて、破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を5.0%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品3を得た。
(比較例4)
脱脂粉乳を11%、乳タンパク質を0.5%、砂糖を7%、乳脂肪分50%のクリームを15%となるように水で溶解して得た脂肪分3.8%の水溶液を、80℃まで加熱した後、均質機にて18MPaの均質圧力で均質化を行い、プレート型殺菌機にて93℃6分間殺菌後45℃に冷却した。その後ヨーグルト製造用DVS乳酸菌スターター(ラクトバチルス・ブルガリクス及びストレプトコッカス・サーモフィラスの混合スターター)を500U/2500kgとなるように添加・混合した。その混合物を43℃のステンレス容器で発酵させ、pHが4.6となった時点で、シェアリングバルブでカードを破砕してプレート式冷却装置で10℃に冷却し、発酵を停止させて、破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を5.0%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品4を得た。
(比較例5)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を0.5%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品5を得た。
(比較例6)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を2.5%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品6を得た。
(比較例7)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を4.0%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品7を得た。
(比較例8)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を0.5%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.03%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品8を得た。
(比較例9)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を2.5%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.03%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品9を得た。
(比較例10)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を4.0%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.03%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品10を得た。
(実施例1)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を0.5%、スクラロースを0.005%(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品1を得た。
(実施例2)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を0.5%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.025%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品2を得た。
(実施例3)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を2.5%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.005%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品3を得た。
(実施例4)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を2.5%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.025%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品4を得た。
(実施例5)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を4.0%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.005%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品5を得た。
(実施例6)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を4.0%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.025%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品6を得た。
(実施例7)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を5.0%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.025%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品7を得た。
(実施例8)
比較例3と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、イチゴ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を5.0%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.025%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品8を得た。
[試験例2]
洋酒としてラム酒、香料としてモモ香料を添加した発酵乳について、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を組み合わせることにより、モモ香料の香りの減弱化が抑制できることを確認した。
(比較例11)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。モモ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、モモ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品11を得た
(比較例12)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。モモ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、モモ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ラム酒(合同酒精株式会社製)を5.0%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品12を得た。
(比較例13)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。モモ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、モモ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ラム酒(合同酒精株式会社製)を0.5%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品13を得た。
(比較例14)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。モモ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、モモ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ラム酒(合同酒精株式会社製)を2.5%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品14を得た。
(比較例15)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。モモ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、モモ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ラム酒(合同酒精株式会社製)を4.0%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品15を得た。
(比較例16)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。モモ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、モモ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ラム酒(合同酒精株式会社製)を0.5%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.03%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品16を得た。
(比較例17)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。モモ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、モモ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ラム酒(合同酒精株式会社製)を2.5%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.03%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品17を得た。
(比較例18)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。モモ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、モモ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ラム酒(合同酒精株式会社製)を4.0%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.03%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品18を得た。
(実施例9)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。モモ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、モモ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ラム酒(合同酒精株式会社製)を0.5%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.005%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品9を得た。
(実施例10)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。モモ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、モモ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ラム酒(合同酒精株式会社製)を0.5%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.025%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品10を得た。
(実施例11)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。モモ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、モモ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ラム酒(合同酒精株式会社製)を2.5%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.005%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品11を得た。
(実施例12)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。モモ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、モモ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ラム酒(合同酒精株式会社製)を2.5%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.025%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品12を得た。
(実施例13)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。モモ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、モモ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ラム酒(合同酒精株式会社製)を4.0%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.005%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品13を得た。
(実施例14)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。モモ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、モモ香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ラム酒(合同酒精株式会社製)4.0%、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を0.025%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品14を得た。
[試験例3]
洋酒としてブランデー、香料としてカスタード香料を添加した発酵乳について、高甘度甘味料としてステビア抽出物を組み合わせることにより、カスタード香料の香りの減弱が抑制できることを確認した。
(比較例19)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、カスタード香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品19を得た。
(比較例20)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、カスタード香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を5.0%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品20を得た。
(比較例21)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、カスタード香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を0.5%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品21を得た。
(比較例22)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、カスタード香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を2.5%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品22を得た。
(比較例23)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、カスタード香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を4.0%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品23を得た。
(比較例24)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、カスタード香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を0.5%、ステビア抽出物(守田化学工業(株)製)を0.06%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品24を得た。
(比較例25)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、カスタード香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を2.5%、ステビア抽出物(守田化学工業(株)製)を0.06%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品25を得た。
(比較例26)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、カスタード香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を4.0%、ステビア抽出物(守田化学工業(株)製)を0.06%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して比較例品26を得た。
(実施例15)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、カスタード香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を0.5%、ステビア抽出物(守田化学工業(株)製)を0.01%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品15を得た。
(実施例16)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、カスタード香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を0.5%、ステビア抽出物(守田化学工業(株)製)を0.05%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品16を得た。
(実施例17)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、カスタード香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を2.5%、ステビア抽出物(守田化学工業(株)製)を0.01%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品17を得た。
(実施例18)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、カスタード香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を2.5%、ステビア抽出物(守田化学工業(株)製)を0.05%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品18を得た。
(実施例19)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、カスタード香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を4.0%、ステビア抽出物(守田化学工業(株)製)を0.01%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品19を得た。
(実施例20)
比較例1と同様に破砕した発酵乳を得た。イチゴ果肉を40%、砂糖を10%、増粘多糖類を0.5%、カスタード香料(長谷川香料株式会社製)を0.25%、ブランデー(合同酒精株式会社製)を4.0%、ステビア抽出物(守田化学工業(株)製)を0.05%となるように水で溶解して得た水溶液をステンレス缶で95℃5分間殺菌後10℃まで冷却して得たフルーツプレパレーションを破砕した発酵乳と2:8の割合で混合して実施例品20を得た。
3.官能評価
比較例品1~26と実施例品1~20について、保存7日目に官能評価を実施した。香料の香りが感じられて、甘味料由来の苦味と洋酒由来の渋みが少ない発酵乳であるかを判断した。
評価は、訓練された社内パネラー5名で行った。風味の評価項目、評価基準は以下の通りである。
<評価項目>
(A)香料の香り
(B)甘味料由来の苦味
(C)洋酒由来の渋味
「香料の香り」
<評価基準>
香料の香りを「ほどよく感じた」か「香りをわずかに感じた、又は、感じなかった」かを判断した。
<5名の評価のまとめ方>
◎ 香料の香りをほどよく感じたパネラーが4~5名
〇 香料の香りをほどよく感じたパネラーが2~3名
× 上記以外
「甘味料由来の苦味」
<評価基準>
苦味を「感じた」か「ほとんど感じない、又は、感じなかった」かを判断した。
◎ 苦味をほとんど感じないか、又は、感じなかったパネラーが4~5名
△ 苦味をほとんど感じないか、又は、感じなかったパネラーが2~3名
× 上記以外
「洋酒由来の渋味」
<評価基準>
渋味を「感じた」か「ほとんど感じない、又は、感じなかった」かを判断した。
◎ 渋味をほとんど感じないか、又は、感じなかったパネラーが4~5名
△ 渋味をほとんど感じないか、又は、感じなかったパネラーが2~3名
× 上記以外
比較例品1~26及び実施例品1~20の評価結果を表1、表2及び表3に示す。実施例品1~8では、保存7日目の時点において、比較例品2~10と比較して風味良好であった。
より詳細に説明する。比較例品1は、ブランデーもスクラロースも含まれていない発酵乳である。この発酵乳では、イチゴ香料の強さがほどよく残り、甘味料由来の苦味と洋酒由来の渋味は無い。
比較例品2、3、4は、ブランデーが1%含まれ、スクラロースが含まれない発酵乳である。これらの発酵乳は、イチゴ香料の香りがブランデーによってかき消されてしまい、香料の香りがわずかであるか、ほとんど感じられない。
比較例品5,6,7,2は、この順番でブランデー濃度が0.1,0.5,0.8,1.0%と濃度が高くなっており、スクラロースは含まれていない。これらの発酵乳では、イチゴ香料の香りがブランデーによってかき消されてしまい、香料の香りがわずかであるか、ほとんど感じられない。
比較例品8,9,10は、比較例品5,6,7に対してスクラロースを0.006%添加した発酵乳である。これらの発酵乳は、イチゴ香料の香りがほどよく感じられた。しかし、スクラロースによると思われる甘味料由来の苦味を感じなかったパネラーもいたが、苦味を感じたパネラーもいた。
本願発明の実施例品1,2は、ブランデー0.1%を含みスクラロースを0.001%と0.005%含む発酵乳である。これらは、スクラロースを含まない比較例品5と比べると、イチゴ香料の香りがほどよく感じられた。また、スクラロースを0.006%含む比較例品8と比べると、イチゴ香料の香りもほどよく、かつ、甘味料由来の苦味もほとんど感じられなかった。
また、同様に実施例品3,4をスクラロースを含まない比較例品6と比べると、ブランデー濃度は同じ0.5%であるが、イチゴ香料の香りがほどよく感じられた。また、スクラロースを0.006%含む比較例9と比べると、ブランデー濃度は同じ0.5%であるが、イチゴ香料の香りもほどよく、かつ、甘味料由来の苦味もほとんど感じられなかった。実施例品5,6と比較例品7,10も同様である。
実施例品7,8は脂肪濃度が1.5%と4.0%であり、ブランデーを1.0%含み、スクラロースを0.005%含む発酵乳である。これらはスクラロースを含まない比較例品2,3と比較するとイチゴ香料の香りもほどよく、かつ、甘味料由来の苦味もほとんど感じられず、かつ、洋酒由来の苦味もほとんど感じられなかった。なお、比較例品4、3は、比較例品2に比べると脂肪分が多く洋酒由来の渋みが感じらない傾向にある。すなわち、低脂肪であるほど洋酒由来の渋みが目立つ傾向にあるところ、本願実施例品8,7のようにスクラロースを添加することで洋酒由来の渋みを低減することも同時に実現することができた。
実施例品9~14と比較例品12~18は、香料としてモモ香料、洋酒としてラム酒を加えた発酵乳であるが、上記実施例品1~6と同様に実施例品9~14では、保存7日目の時点において、比較例品12~18と比較して風味が良好であった。
実施例品15~20と比較例品20~26は、香料としてカスタード香料、洋酒としてブランデー、高甘度甘味料としてステビア抽出物を加えた発酵乳であるが、上記実施例品1~6と同様に実施例品15~20では、保存7日目の時点において、比較例品20~26と比較して風味が良好であった。
以上より、本発明の香料と洋酒を含む発酵乳において、高甘度甘味料を添加することにより、洋酒の強い風味による香料の香りの減弱化を抑制し、ほどよい香りの発酵乳が得られることがわかった。この場合、高甘度甘味料の発酵乳中の添加量をスクラロースの場合は0.001~0.005%に調整することにより、またはステビア抽出物の場合は0.002~0.01%に調整することにより甘味料由来の苦味と洋酒由来の渋味が無い良好な風味の洋酒及び香料入り発酵乳を得ることができた。

Figure 2023040656000001
Figure 2023040656000002
Figure 2023040656000003
本発明によれば、洋酒を含有する発酵乳において、香料の香りの発現の減弱化を抑制した風味の良い発酵乳を提供することができる。

Claims (9)

  1. 洋酒及び香料を含有する発酵乳であって、高甘度甘味料を含むことを特徴とする発酵乳。
  2. 発酵乳が攪拌型発酵乳である請求項1に記載の発酵乳。
  3. 洋酒がブランデー又はラムである請求項1又は2に記載の発酵乳。
  4. 洋酒を0.1~1重量%含有する請求項1~3のいずれかに記載の発酵乳。
  5. 高甘度甘味料がスクラロース又はステビア抽出物である請求項1~4のいずれかに記載の発酵乳。
  6. スクラロースを0.001~0.005重量%含有、又はステビア抽出物を0.002~0.01重量%含有する請求項5に記載の発酵乳。
  7. 香料がイチゴ香料、モモ香料、オレンジ香料、ブルーベリー香料、ブドウ香料、リンゴ香料、バナナ香料、マンゴー香料、キウイ香料、グレープフルーツ香料、ミカン香料、レモン香料、レーズン香料、パイナップル香料、カスタード香料、ウメ香料、メロン香料、グアバ香料、アセロラ香料及びパパイヤ香料からなる群から選ばれる1以上である請求項1~6のいずれかに記載の発酵乳。
  8. 洋酒及び香料を含む発酵乳の製造方法であって、発酵乳に洋酒、香料及び高甘度甘味料を添加する工程を含む洋酒入り発酵乳の製造方法。
  9. 洋酒及び香料を含む発酵乳における香料の香りの減弱化の抑制方法であって、発酵乳に洋酒及び香料の他に高甘度甘味料を添加する工程を含む、前記香料の香りの減弱化の抑制方法。

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