JP2023040346A - 空調室外機用スライドカバーおよびこれを備えた空調室外機 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造物に近接して設置される空調室外機に取り付け可能で、積雪による空調室外機の不調や倒壊を防止することができる空調室外機用スライドカバーおよびこれを備えた空調室外機を提供する。【解決手段】空調室外機と構造物との隙間に設けられる空調室外機用スライドカバー1であって、隙間の幅以下の奥行きを有する天板部21と、天板部21の両端部から垂下される一対の支持部22,22とを有し、空調室外機の背面に取り付けられるカバー本体2と、天板部21に対して奥行き方向に沿ってスライド自在に設けられるスライド天板3と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、空調室外機と構造物との隙間に設けられる空調室外機用スライドカバーおよびこれを備えた空調室外機に関するものである。
従来、降雪地域においては、空調室外機を積雪から守るための防雪フードが取り付けられている。例えば、実用新案登録第3067381号公報には、空調室外機の上面に設けられる上部フードと、空調室外機の正面および背面に設けられる側面フードとを有する空調室外機用防雪フードが開示されている(特許文献1)。
実用新案登録第3067381号公報
しかしながら、特許文献1に記載された空調室外機用防雪フードを含め、従来の防雪フードは、背面側のフードが側方に張り出してかさばる構造である。このため、空調室外機が構造物に近接して設置されている場合、防雪フードを取り付けるためのスペースを確保できないという問題がある。
また、上記のように、防雪フードが取り付けられない場合、空調室外機と構造物との隙間に雪が入り込む。そうすると、雪によって吸込口が塞がれるため、空調室外機が不調になるおそれがある。また、空調室外機と構造物との隙間に入り込んだ雪が肥大化すると、空調室外機を後方から前方へと押し出し、倒壊させてしまうおそれもある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、構造物に近接して設置される空調室外機に取り付け可能で、積雪による空調室外機の不調や倒壊を防止することができる空調室外機用スライドカバーおよびこれを備えた空調室外機を提供することを目的としている。
本発明に係る空調室外機用スライドカバーは、構造物に近接して設置される空調室外機に取り付け可能で、積雪による空調室外機の不調や倒壊を防止するという課題を解決するために、空調室外機と構造物との隙間に設けられる空調室外機用スライドカバーであって、前記隙間の幅以下の奥行きを有する天板部と、前記天板部の両端部から垂下される一対の支持部とを有し、前記空調室外機の背面に取り付けられるカバー本体と、前記天板部に対して奥行き方向に沿ってスライド自在に設けられるスライド天板と、を有する。
また、本発明の一態様として、側方から吸い込む空気量を確保しつつ、側方から入り込む雪を低減するという課題を解決するために、前記一対の支持部の各上端部には、前記隙間の幅以下の奥行きを有する側板部が設けられているとともに、前記スライド天板の両端部には、前記側板部に対して奥行き方向に沿ってスライド自在なスライド側板が設けられていてもよい。
さらに、本発明の一態様として、空調室外機の振動が構造物へ伝達するのを抑制するという課題を解決するために、前記スライド天板および前記スライド側板において前記構造物と接触する各先端部には、前記空調室外機の振動が前記構造物へ伝達するのを抑制する緩衝材が取り付けられていてもよい。
また、本発明の一態様として、側方から吸い込む空気をできるだけ確保しつつ、側方から入り込む雪をできるだけ低減するのに適した側板部およびスライド側板の大きさを設定するという課題を解決するために、前記空調室外機と前記構造物との隙間空間のうち、前記空調室外機用スライドカバーによって被覆されていない部分の開口面積が、前記空調室外機の背面において熱交換器が占める面積の35%~50%となるように、前記側板部および前記スライド側板の大きさが設定されていてもよい。
本発明に係る空調室外機用スライドカバーを備えた空調室外機は、構造物に近接して設置される場合でも、積雪による空調室外機の不調や倒壊を防止するという課題を解決するために、上述したいずれかの空調室外機用スライドカバーを備えている。
本発明によれば、構造物に近接して設置される空調室外機に取り付け可能で、積雪による空調室外機の不調や倒壊を防止することができる。
本発明に係る空調室外機用スライドカバーの一実施形態を示す斜視図である。 本実施形態において、スライド天板およびスライド側板を最も縮めた状態を示す図である。 本実施形態の空調室外機用スライドカバーにおける(a)図1のA-A線断面図、および(b)図2のB-B線断面図である。 本実施形態の空調室外機用スライドカバーを取り付けた空調室外機を示す図である。 構造物との隙間が狭い空調室外機に取り付ける空調室外機用スライドカバーの(a)最短位置の状態、および(b)最長位置の状態を示す図である。 構造物との隙間が広い空調室外機に取り付ける空調室外機用スライドカバーの(a)最短位置の状態、および(b)最長位置の状態を示す図である。
以下、本発明に係る空調室外機用スライドカバーおよびこれを備えた空調室外機の一実施形態について図面を用いて説明する。
本実施形態の空調室外機用スライドカバー1は、空調室外機10と構造物11との隙間に設けられるものであり、図1に示すように、主として、空調室外機10の背面に取り付けられるカバー本体2と、このカバー本体2に対してスライド自在に設けられるスライド天板3およびスライド側板4とを有している。以下、各構成について説明する。なお、以下の説明では、空調室外機10側を前方とし、構造物11側を後方として説明する。
カバー本体2は、空調室外機10の背面に取り付けられるものであり、図1に示すように、略水平状態で設置される天板部21と、この天板部21の両端部から垂下される一対の支持部22,22と、各支持部22,22の上端部に設けられる一対の側板部23,23とを有している。
天板部21は、スライド天板3とともに空調室外機10と構造物11との隙間空間における上面をカバーするものである。本実施形態において、天板部21は、略矩形状の鋼板等によって形成されており、空調室外機10と構造物11との隙間の幅以下の奥行きと、空調室外機10と略同一の横幅とを有している。また、天板部21の前端部は、図1および図2に示すように、上方に向けて略直角に折り曲げられており、空調室外機10の背面に取り付けるための取付部24として構成されている。一方、天板部21の後端部には、図1および図3に示すように、スライド天板3をスライドさせるためのスライド用ビス25が等間隔を隔てて4本固定されている。
一対の支持部22,22は、天板部21を略水平状態で支持するものである。本実施形態において、各支持部22は、長尺状の鋼板等によって形成されており、天板部21の両端部から垂下されている。各支持部22の前端部は、図1および図2に示すように、外側に向けて略直角に折り曲げられており、空調室外機10の背面に取り付けるための取付部24として構成されている。各支持部22の形状は、取り付けようとする空調室外機10の形状に合わせて適宜変更される。
なお、天板部21および支持部22のそれぞれに設けられた取付部24には、空調室外機10の背面に元々設けられている固定用ビス(図示せず)の位置に合わせてビス孔26が形成されている。このため、カバー本体2は、各取付部24を固定用ビスによって固定することで簡単に空調室外機10の背面に取り付けられる。
一対の側板部23,23は、スライド側板4とともに空調室外機10と構造物11との隙間空間における両側面を部分的にカバーするものである。本実施形態において、各側板部23は、略矩形状の鋼板等によって形成されており、各支持部22の上端部に設けられている。各側板部23は、天板部21と同様、空調室外機10と構造物11との隙間の幅以下の奥行きを有している。一方、各側板部23の大きさは、後述するとおり、スライド側板4の大きさも加味し、所定の開口面積となるように設定される。また、各側板部23の後端部には、図1に示すように、スライド側板4をスライドさせるためのスライド用ビス25が上下位置に2本固定されている。
スライド天板3は、天板部21に対して奥行き方向に沿ってスライド自在に設けられ、天板部21とともに空調室外機10と構造物11との隙間空間における上面をカバーするものである。本実施形態において、スライド天板3は、天板部21と略同形状の鋼板等によって形成されており、天板部21の上面に重ねられる。また、スライド天板3には、図1および図2に示すように、天板部21に固定されたスライド用ビス25の位置に合わせて、4つのスライド用長孔31が奥行き方向に沿って形成されている。
スライド側板4は、側板部23に対して奥行き方向に沿ってスライド自在に設けられ、側板部23とともに空調室外機10と構造物11との隙間空間における両側面を部分的にカバーするものである。本実施形態において、スライド側板4は、側板部23と略同形状の鋼板等によって一対で形成されており、スライド天板3の両端部から垂下されて各側板部23の外側面に重ねられる。また、各スライド側板4には、図1および図2に示すように、各側板部23に固定されたスライド用ビス25の位置に合わせて、2つのスライド用長孔41が奥行き方向に沿って形成されている。
本実施形態において、スライド天板3のスライド用長孔31と、スライド側板4のスライド用長孔41とは同一長さに形成されている。また、各スライド用ビス25の固定位置や、スライド用長孔31およびスライド用長孔41の両端部の位置は、互いに奥行き方向において一致されている。このため、スライド天板3およびスライド側板4のスライド量は、スライド用長孔31およびスライド用長孔41の長さに応じて規定される。
以上の構成により、本実施形態の空調室外機用スライドカバー1は、カバー本体2に対してスライド天板3およびスライド側板4が、奥行き方向に沿ってスライド自在に設けられる。このため、スライド天板3およびスライド側板4は、最も伸ばした最長位置(図1)と、最も縮めた最短位置(図2)との範囲内で、所望の位置にスライドさせられるようになっている。
また、本実施形態において、スライド天板3およびスライド側板4には、図1および図2に示すように、構造物11と接触する各先端部に緩衝材5が取り付けられている。この緩衝材5は、ゴムスポンジや防振ゴム等によって構成されており、空調室外機10の振動が構造物11へ伝達するのを抑制するようになっている。
なお、防雪の観点のみから見れば、空調室外機10と構造物11との隙間空間における上面のみならず、その両側面も広めにカバーした方がよい。しかしながら、当該両側面をカバーし過ぎると、空調室外機10が吸込口から吸い込む空気量が低減してしまう。そこで、本実施形態では、空調室外機10と構造物11との隙間空間のうち、空調室外機用スライドカバー1によって被覆されていない部分の開口面積が、空調室外機10の背面において熱交換器が占める面積の35%~50%となるように、側板部23およびスライド側板4の大きさが設定されている。
上記開口面積の割合が35%以上であれば、側方から吸い込まれる空気によって、空調室外機10が必要とする空気量が確保される。一方、上記の割合が50%以下であれば、側方から入り込む雪が効果的に低減され、空調室外機10の不調や倒壊が抑制される。
つぎに、本実施形態の空調室外機用スライドカバー1およびこれを備えた空調室外機10による作用について説明する。
まず、本実施形態の空調室外機用スライドカバー1を使用する場合、スライド天板3およびスライド側板4を最短位置に縮めた状態で、空調室外機10の背面にカバー本体2を取り付ける。このとき、本実施形態では、天板部21および支持部22のそれぞれに取付部24が設けられているため、簡単かつ迅速にカバー本体2の取り付け作業が完了する。
つぎに、図4に示すように、スライド天板3を後方へ引き出し、緩衝材5が構造物11に接触するまでスライドさせる。これにより、設置位置の誤差や設置現場の違い等によって、空調室外機10と構造物11との隙間幅が様々に異なる場合でも、スライド天板3が天板部21とともに空調室外機10と構造物11との隙間空間における上面を隙間無くカバーする。このため、構造物11に近接して設置され、従来の防雪フードを取り付けるスペースがない空調室外機10であっても、雪で吸込口が塞がれにくくなり、積雪による空調室外機10の不調や倒壊が防止される。
また、本実施形態では、スライド天板3のスライド動作に伴い、スライド側板4も同様に、緩衝材5が構造物11に接触するまでスライドする。これにより、スライド側板4が側板部23とともに空調室外機10と構造物11との隙間空間における両側面の上方を部分的にカバーする。このため、側方から吸い込まれる空気量を確保しつつ、側方から入り込む雪が低減されるため、積雪による空調室外機10の不調や倒壊が一層防止される。
さらに、本実施形態では、スライド天板3およびスライド側板4の先端部に設けられた緩衝材5が、空調室外機10の振動が構造物11へ伝達するのを抑制する。また、緩衝材5は、地震等による振動によって、スライド天板3やスライド側板4のスライド位置がずれるのを防止する。このため、空調室外機10と構造物11との間に予期しない隙間が形成されにくくなり、空調室外機用スライドカバー1の防雪機能が保持される。
また、本実施形態では、空調室外機10と構造物11との隙間空間のうち、空調室外機用スライドカバー1によって被覆されていない部分の開口面積が、空調室外機10の背面において熱交換器が占める面積の35%~50%となるように、側板部23およびスライド側板4の大きさが設定されている。このため、空調室外機10が側方から吸い込む空気をできるだけ確保しつつ、側方から入り込む雪をできるだけ低減する。
以上のような本実施形態の空調室外機用スライドカバー1およびこれを備えた空調室外機10によれば、以下のような効果を奏する。
1.空調室外機用スライドカバー1は、構造物11に近接して設置される空調室外機10に取り付け可能で、積雪による空調室外機10の不調や倒壊を防止することができる。
2.側方から吸い込む空気量を確保しつつ、側方から入り込む雪を低減することができる。
3.空調室外機10の振動が構造物11へ伝達するのを抑制することができる。
4.側方から吸い込む空気をできるだけ確保しつつ、側方から入り込む雪をできるだけ低減することができる。
5.空調室外機用スライドカバー1を備えた空調室外機10は、構造物11に近接して設置される場合でも、積雪による空調室外機10の不調や倒壊を防止することができる。
なお、本発明に係る空調室外機用スライドカバー1およびこれを備えた空調室外機10は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、上述した本実施形態では、側板部23とスライド側板4を設けているが、この構成に限定されるものではなく、少なくとも天板部21とスライド天板3とを有していればよい。例えば、空調室外機10と構造物11との隙間がかなり狭い場合には、吸込口から吸い込める空気量も少なくなる。このような場合には、図5に示すように、側板部23およびスライド側板4を小さくするか、または全く設けないことにより、側方から吸い込める空気量を最大限に確保してもよい。
一方、空調室外機10と構造物11との隙間が広い場合には、図6に示すように、天板部21とスライド天板3、および側板部23,23とスライド側板4のそれぞれが、広い奥行き寸法を有し、隙間幅をカバーしうるスライド量を備えた空調室外機用スライドカバー1を用いればよい。
また、上述した本実施形態では、スライド天板3やスライド側板4の先端部に緩衝材5を設けているが、この構成に限定されるものではなく、構造物11の内部が無人である場合や構造物11の内部への振動の伝達を考慮する必要がない場合等には設けなくてもよい。また、スライド天板3の先端部を構造物11に当接する方向に常時付勢するスプリング等の弾性部材を設け、不慮の外力が加わっても構造物11との間に隙間ができないようにしてもよい。
さらに、上述した本実施形態で使用しているスライド用ビス25、スライド用長孔31およびスライド用長孔41の数は、特に限定されるものではない。また、天板部21および側板部23に対して、スライド天板3およびスライド側板4をスライドさせる機構としては、スライド用ビス25とスライド用長孔31に限定されるものではなく、レール等のように、互いにスライド自在に構成されるものであれば、他のスライド機構でもよい。
1 空調室外機用スライドカバー
2 カバー本体
3 スライド天板
4 スライド側板
5 緩衝材
10 空調室外機
11 構造物
21 天板部
22 支持部
23 側板部
24 取付部
25 スライド用ビス
26 ビス孔
31 スライド用長孔
41 スライド用長孔

Claims (5)

  1. 空調室外機と構造物との隙間に設けられる空調室外機用スライドカバーであって、
    前記隙間の幅以下の奥行きを有する天板部と、前記天板部の両端部から垂下される一対の支持部とを有し、前記空調室外機の背面に取り付けられるカバー本体と、
    前記天板部に対して奥行き方向に沿ってスライド自在に設けられるスライド天板と、
    を有する、空調室外機用スライドカバー。
  2. 前記一対の支持部の各上端部には、前記隙間の幅以下の奥行きを有する側板部が設けられているとともに、前記スライド天板の両端部には、前記側板部に対して奥行き方向に沿ってスライド自在なスライド側板が設けられている、請求項1に記載の空調室外機用スライドカバー。
  3. 前記スライド天板および前記スライド側板において前記構造物と接触する各先端部には、前記空調室外機の振動が前記構造物へ伝達するのを抑制する緩衝材が取り付けられている、請求項2に記載の空調室外機用スライドカバー。
  4. 前記空調室外機と前記構造物との隙間空間のうち、前記空調室外機用スライドカバーによって被覆されていない部分の開口面積が、前記空調室外機の背面において熱交換器が占める面積の35%~50%となるように、前記側板部および前記スライド側板の大きさが設定されている、請求項2または請求項3に記載の空調室外機用スライドカバー。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の空調室外機用スライドカバーを備えた空調室外機。
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