JP2023039184A - 流路閉塞装置及び流路閉塞方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】閉塞バッグの破損を防止しながら装置のコンパクト化を図ることが可能な流路閉塞装置及び流路閉塞方法を提供する。【解決手段】密閉ケース20と、軸30,4Aと、閉塞バッグ4と、押込操作機構40と、軸芯調整部材50と、軸芯調整部材50の先端面50dとバッグ本体4Bの基端部位4Baとの間で一部が挟持された状態で閉塞バッグ4を覆い、閉塞バッグ4が縮小した状態を保持する保持部22Aを含む保護シート22と、を備え、保護シート22は、押込操作機構40により流体管1内に挿入された閉塞バッグ4が膨張したとき、保持部22Aの保持状態が解除され、閉塞バッグ4の膨張変形に追従して変形する。【選択図】図2
Description
本発明は、流体管の管内流路を閉止する流路閉塞装置及び流路閉塞方法に関する。
従来、流体管に形成された穿孔口に連通する分岐管部及び当該穿孔口を介して、流体管の管内流路に挿入される閉塞バッグを備えた流路閉塞装置が開示されている(特許文献1参照)。そして、閉塞バッグが管内流路に挿入された後、拡径用流体が閉塞バッグ内に供給されることで閉塞バッグが拡径側に膨張変形して、管内流路を閉止できるように構成されている。
特許文献1に記載の流路閉塞装置は、分岐口に連通し弁部材を有する分岐管部に着脱自在に接続される密閉ケースと、密閉ケース内に内嵌される挿入ガイド筒と、密閉ケース及び挿入ガイド筒に亘って、密封状態を維持したまま分岐管部の軸芯に沿って摺動自在に貫設され、内部に通流路を備えた軸と、挿入ガイド筒内に位置する軸の先端部に固設されて、通流路を介して供給される拡径用流体により拡径側に膨張変形自在な閉塞バッグと、流体管内の流体圧に抗して軸を押し込み移動させる押込み操作手段と、挿入ガイド筒内に位置する軸の先端部に固設され、挿入ガイド筒の内面に摺接可能な軸芯調整部材と、を備えている。
ところで、閉塞バッグが穿孔口を介して流体管の管内流路に挿入されるため、挿入の際に、穿孔の際に穿孔口の内面に生じたバリや分岐管部の内面に存在する突起等に接触或いは引っ掛かって、閉塞バッグが傷ついたり破損したりするおそれがあった。閉塞バッグの破損を防止するため、特許文献1に記載の流路閉塞装置では、密閉ケース内に内嵌される挿入ガイド筒を設け、この挿入ガイド筒の内部に閉塞バッグを収容した状態で穿孔口まで挿入ガイド筒を移動させている。
しかしながら、特許文献1に記載の閉塞バッグを回収するとき、一度膨張させた閉塞バッグは、縮小しても挿入ガイド筒の内部に収容可能な筒形状に戻らないため、閉塞バッグと挿入ガイド筒の収容スペースを密閉ケースの内部に確保する必要があった。その結果、密閉ケースの軸芯方向寸法を大きくする必要があり、現場条件によっては流路閉塞装置の設置が困難となるケースも生じている。
そこで、閉塞バッグの破損を防止しながら装置のコンパクト化を図ることが可能な流路閉塞装置及び流路閉塞方法が望まれている。
本発明に係る流路閉塞装置の特徴構成は、流体管に形成されている穿孔口を介して前記流体管内に挿入され、拡径側に膨張変形して前記流体管の管内流路を閉止する閉塞バッグを備えた流路閉塞装置であって、前記穿孔口に連通し弁部材を有する分岐管部に着脱自在に接続される密閉ケースと、密封状態を維持したまま前記分岐管部の軸芯に沿って前記密閉ケースの内部に貫設され、内部に通流路を含む軸と、前記軸の先端部に固設された状態で前記密閉ケースに収容可能な縮小形状を有し、前記通流路を介して供給される拡径用流体により拡径側に膨張変形自在な前記閉塞バッグと、前記流体管内の流体圧に抗して前記軸を押し込み移動させる押込操作機構と、前記軸に外挿され、前記閉塞バッグの基端部位と対向する先端面を有する筒状の軸芯調整部材と、前記先端面と前記基端部位との間で一部が挟持された状態で前記閉塞バッグを覆い、前記閉塞バッグが縮小した状態を保持する保持部を含む保護シートと、を備え、前記保護シートは、前記押込操作機構により前記流体管内に挿入された前記閉塞バッグが膨張したとき、前記保持部の保持状態が解除され、前記閉塞バッグの膨張変形に追従して変形する点にある。
本構成によれば、分岐管部に接続される密閉ケース及び密閉ケースに貫設される軸によって、流体管の管内流路及び分岐管部内を密封状態に維持することができ、流体管の管内流路における流体の通流を維持した不断流状態で、軸の先端部に固設された閉塞バッグにより管内流路の閉止を行うことができる。
また、本構成の流路閉塞装置は、軸芯調整部材の先端面と閉塞バッグの基端部位との間で一部が挟持された状態で閉塞バッグを覆う保護シートを備え、この保護シートは、閉塞バッグが縮小した状態を保持する保持部を含んでいる。このため、閉塞バッグは、保持部により密閉ケースの内部で縮小状態が保持されると共に、保護シートにより穿孔口の内面のバリや分岐管部の内面の突起等に当接して破損することが防止される。
この保護シートは、押込操作機構により流体管内に挿入された閉塞バッグが膨張したとき、保持部の保持状態が解除され、閉塞バッグの膨張変形に追従して変形するため、閉塞バッグの膨張変形を阻害することなく、所望の流路閉塞機能が発揮される。また、保護シートは、軸芯調整部材の先端面と閉塞バッグの基端部位との間で一部が挟持されているため、保護シートが管内流路に落下するといった不都合もない。
これにより、従来の挿入ガイド筒を省略することが可能となり、膨張バッグの収容空間のみ密閉ケースに確保すれば足りるため、密閉ケースの軸芯方向の寸法を小さくすることができる。
このように、不断流状態において閉塞バッグに管内流路を通流する流体の流体圧が作用する場合でも、保護シートにより閉塞バッグを密閉ケースの内面や分岐管部の内面に当接させることなく、分岐管部の軸芯に沿って密閉ケース内及び分岐管部内を移動させることができる。そして、閉塞バッグが管内流路閉塞位置に位置すると、軸芯調整部材の先端面と閉塞バッグの基端部位との間で一部が挟持された保護シートが、流体管の径方向において穿孔口に対応する箇所に存在することとなり、不断流状態において管内流路を通流する流体からの流体圧によって閉塞バッグが下流側に移動するように押圧されたとしても、閉塞バッグは穿孔口の内面のバリ等には接触せず破損が防止される。
よって、閉塞バッグの破損を防止しながら装置のコンパクト化を図ることが可能な流路閉塞装置を得ることができる。
他の特徴構成は、前記保持部は、分割された前記保護シートを縛る紐で構成されており、前記閉塞バッグが膨張したとき、前記紐が解けて前記保持状態が解除される点にある。
本構成のように、保持部を紐で構成すれば、膨張バッグの寸法に応じて紐を縛る箇所を増減させれば良いため、設計自由度が高く、製造コストも低減できる。
他の特徴構成は、前記保持部は、前記保護シートの分割面を結合させる結合テープで構成されており、前記閉塞バッグが膨張したとき、前記結合テープの結合が外れて前記保持状態が解除される点にある。
本構成のように、保持部を保護シートの分割面を結合させる結合テープで構成すれば、閉塞バッグに保護シートを装着する作業効率を高めることができる。
他の特徴構成は、前記保持部は、前記基端部位とは反対側が開口された裾部を有するスカート状一体部材で形成された前記保護シートで構成されており、前記閉塞バッグが膨張したとき、前記裾部が巻回されて前記保持状態が解除される点にある。
本構成のように、基端部位とは反対側が開口された裾部を有するスカート状一体部材で形成された保護シート自体で保持部を構成すれば、閉塞バッグに保護シートを装着する作業効率を高めることができる。しかも、裾部が巻回されて保持状態が解除されるため、閉塞バッグの基端部位付近(穿孔口付近)に保護シートを密集させることが可能となり、閉塞バッグが下流側に移動するように押圧されたとしても、保護シートにより穿孔口に閉塞バッグが当接することを確実に防止できる。
本発明に係る流路閉塞装置の特徴構成は、流体管に形成されている穿孔口を介して前記流体管内に挿入され、拡径側に膨張変形して前記流体管の管内流路を閉止する閉塞バッグを備えた流路閉塞装置であって、前記穿孔口に連通し弁部材を有する分岐管部のフランジに連結される連結フランジ部と、当該連結フランジ部に対して前記分岐管部の軸芯に沿って相対移動可能な可動筒と、を有する密閉ケースと、密封状態を維持したまま前記軸芯に沿って前記密閉ケースの内部に貫設され、内部に通流路を含む軸と、前記軸の先端部に固設された状態で前記可動筒に収容可能な縮小形状を有し、前記通流路を介して供給される拡径用流体により拡径側に膨張変形自在な前記閉塞バッグと、前記流体管内の流体圧に抗して前記軸及び前記可動筒を押し込み移動させる押込操作機構と、を備え、前記押込操作機構は、前記可動筒の先端を前記穿孔口まで移動させた後、前記軸を前記可動筒に対して相対移動させ、前記閉塞バッグを前記流体管内に挿入する点にある。
本構成によれば、分岐管部に接続される密閉ケース及び密閉ケースに貫設される軸によって、流体管の管内流路及び分岐管部内を密封状態に維持することができ、流体管の管内流路における流体の通流を維持した不断流状態で、軸の先端部に固設された閉塞バッグにより管内流路の閉止を行うことができる。
また、本構成の流路閉塞装置は、連結フランジ部に対して分岐管部の軸芯に沿って相対移動可能な可動筒を有する密封ケースを備え、この可動筒の内部には、閉塞バッグが縮小した状態で収容されている。そして、押込操作機構は、可動筒の先端を穿孔口まで移動させる。このため、閉塞バッグは、可動筒の内部で縮小状態が保持されると共に、可動筒により穿孔口の内面のバリや分岐管部の内面の突起等に当接して破損することが防止される。
さらに、押込操作機構は、可動筒の先端を穿孔口まで移動させた後、軸を可動筒に対して相対移動させ、閉塞バッグを流体管内に挿入するため、可動筒が閉塞バッグの膨張変形を阻害することなく、所望の流路閉塞機能が発揮される。
これにより、従来の挿入ガイド筒を省略することが可能となり、膨張バッグの収容空間のみ密閉ケース(可動筒)に確保すれば足りるため、密閉ケースの軸芯方向の寸法を小さくすることができる。
このように、不断流状態において閉塞バッグに管内流路を通流する流体の流体圧が作用する場合でも、可動筒により閉塞バッグを分岐管部の内面に当接させることなく、分岐管部の軸芯に沿って分岐管部内を移動させることができる。そして、閉塞バッグが管内流路閉塞位置に位置すると、可動筒の先端が流体管の径方向において穿孔口に対応する箇所に存在することとなり、不断流状態において管内流路を通流する流体からの流体圧によって閉塞バッグが下流側に移動するように押圧されたとしても、閉塞バッグの基端部が可動筒の先端で保護され、破損が防止される。
よって、閉塞バッグの破損を防止しながら装置のコンパクト化を図ることが可能な流路閉塞装置を得ることができる。
他の特徴構成は、前記可動筒の外周面には、前記流体管内の流体圧を受けて前記連結フランジ部の下面に当接することにより、前記可動筒の抜け出しを防止する突出部が形成されている点にある。
本構成のように、可動筒に突出部を設ければ、不断流状態において閉塞バッグに管内流路を通流する流体の流体圧が作用する場合でも、可動筒が連結フランジ部から離脱するといった不都合を防止できる。その結果、姿勢を安定させた可動筒の内部に閉塞バッグを確実に保持することができる。
本発明に係る流路閉塞方法の特徴は、流体管に形成されている穿孔口を介して前記流体管内に挿入され、拡径側に膨張変形して前記流体管の管内流路を閉止する閉塞バッグを備えた流路閉塞装置を用いた流路閉塞方法であって、前記穿孔口に連通し弁部材を有する分岐管部に接続された穿孔装置のカッターにより前記流体管に前記穿孔口を形成する穿孔工程と、前記穿孔装置に代えて前記分岐管部に切削装置を接続し、当該切削装置の切削バイトを前記穿孔口の内周縁に当接させた状態で回転させながら、前記内周縁にあるバリを除去するバリ除去工程と、前記切削装置に代えて前記分岐管部に前記流路閉塞装置を接続し、前記穿孔口を介して前記閉塞バッグを前記流体管内に挿入した後、前記閉塞バッグを膨張させて前記管内流路を閉止する閉塞工程と、を含む点にある。
本方法によれば、閉塞工程により、流体管の管内流路における流体の通流を維持した不断流状態で、穿孔口を介して閉塞バッグを流体管内に挿入した後、閉塞バッグを膨張させて管内流路の閉止を行うことができる。
また、本構成の流路閉塞装置は、穿孔工程と閉塞工程との間に、切削装置の切削バイトを穿孔口の内周縁に当接させた状態で回転させながら、内周縁にあるバリを除去するバリ除去工程を含んでいる。このため、バリが除去された後の穿孔口を介して流体管内に挿入される閉塞バッグは、穿孔口の内面に当接しても破損することが防止される。
これにより、従来の挿入ガイド筒を省略することが可能となり、膨張バッグの収容空間のみ流路閉塞装置に確保すれば足りるため、流路閉塞装置の軸芯方向の寸法を小さくすることができる。
このように、不断流状態において管内流路を通流する流体からの流体圧によって閉塞バッグが下流側に移動するように押圧されたとしても、閉塞バッグはバリが除去された穿孔口に接触するので、破損が防止される。
よって、閉塞バッグの破損を防止しながら装置のコンパクト化を図ることが可能な流路閉塞方法を得ることができる。
以下に、本発明に係る流路閉塞装置及び流路閉塞方法の実施形態について、図面に基づいて説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
図2には、流体配管系統の一部を構成する鋳鉄製の水道管1(流体管の一例)に形成されている穿孔口2を介して水道管1内に挿入され、拡径側に膨張変形して水道管1の管内流路3を閉止する閉塞バッグ4を備えた不断流式の流路閉塞装置Aが示されている。図1~図8には、この流路閉塞装置Aを使用して、水道管1内を通流する上水Q(流体の一例)の通流を維持した不断水状態(不断流状態)のまま管内流路3を閉止する流路閉塞方法が示されている。なお、このような流路閉塞装置Aを用いた流路閉塞方法は、管内流路3において閉塞バッグ4により閉止された箇所よりも下流側の部位で、不断水状態のまま、耐用年数に至ったり、劣化による漏水や故障等により更新時期を迎えたりした水道管1や消火栓(図示せず)等の更新作業・修理作業等を行うために実施される。
本実施形態に掛かる流路閉塞装置Aを装着するに際し、まず、図1に示すように、水道管1において消火栓等の更新作業等を行う箇所の上流側の所定領域(穿孔口2を穿孔する予定箇所を含む領域)に、分割構造の割T字管5を水密状態で装着するとともに、この割T字管5の弁装着口部6に、仕切弁7(弁部材の一例)を水密状態で接続する分岐管部接続工程を実行する。なお、図1では水道管1に穿孔口2が形成されているが、分岐管部接続工程の段階では、未だ穿孔口2が形成されておらず、仕切弁7が開弁状態にある。
割T字管5は、水道管1に対して径方向から外装自在な管周方向で三分割された部分円筒状の分割継手体5Aにより構成されているとともに、各分割継手体5Aの管周方向両端部には、水道管1に外装された分割継手体5Aの隣接端部同士を複数本のボルト8,ナット9を介して脱着自在に固定連結するためのフランジ部5aが一体形成されている。また、各分割継手体5Aの内面に形成されたシール保持溝5bには、水道管1の外周面1aとの間を水密状態に密封する合成ゴム製のシール材5cが装着されている。1つの分割継手体5Aの中央部には、穿孔口2の直径よりも大径の内径を備えた円筒状の弁装着口部6が、水道管1の径方向外側に向けて突出する状態で一体形成されている。なお、割T字管5は、三分割に限定されず、二分割等の複数に分割されていれば良く、固定形態もボルト固定に限定されず、溶接等で固定されていても良い。
弁装着口部6は、水道管1の穿孔口2に連通し且つ穿孔口2の直径よりも大径の内径を備えた管部6aと、管部6aの下流側端部に形成される環状フランジ部6bと、環状フランジ部6bの内径側部位に形成され仕切弁7の筒状部7aの上流側端部を係合可能な環状凹溝6cとを備えている。弁装着口部6の環状フランジ部6bには、仕切弁7の筒状部7aの長手方向中間部位に突出形成された環状フランジ部7Aが、ボルト10,ナット11により脱着自在に締付固定されている。
仕切弁7は、穿孔口2の内径よりも大径で且つ弁装着口部6の管部6aと略同径に形成された筒状部7aと、筒状部7aの長手方向中間部位に形成され、筒状部7aの上流側端部をOリング(図示せず)を介して弁装着口部6の環状凹溝6cに係合させた水密状態で、ボルト10,ナット11により管部6aの環状フランジ部6bに脱着自在に連結される上流側の環状フランジ部7Aと、後述する流路閉塞装置Aの密閉ケース20の連結フランジ部20Aにボルト12,ナット13を介して脱着自在に水密状態で連結される下流側の環状フランジ部7Bと、環状フランジ部7Aと環状フランジ部7Bとの間の筒状部7aの流路を遮断自在な弁体7Cと、を備えている。つまり、分割継手体5Aにおける弁装着口部6及び仕切弁7が、分岐管部Bとして機能し、分岐管部B内には軸芯Yに沿って水道管1の外周面(穿孔口2を穿孔する予定箇所)に連通する流路が形成されている。なお、仕切弁Vの形状は特に限定されず、環状フランジ部7A,環状フランジ部7B及び弁体7Cを有していれば、軸芯Y方向の寸法を更に小さくしたコンパクト形状であっても良い。
次に、公知の構成であるので説明を簡易にするため図示を省略するが、穿孔装置を仕切弁7の下流側の環状フランジ部7Bに連結し、穿孔装置のホールソー(カッターの一例)により水道管1の管壁に円形状の穿孔口2を穿孔形成する穿孔工程を実行する。この穿孔装置は、仕切弁7の下流側の環状フランジ部7Bにボルト,ナットを介して水密状態で連結可能なフランジ部を有する有底筒状のケーシングと、ケーシングの底部に貫設されて、ケーシング内を当該ケーシングの長手方向に移動自在で且つ駆動回転自在なホールソーとを備えている。穿孔工程では、ケーシングのフランジ部を、弁体7Cが閉弁状態にある仕切弁7の環状フランジ部7Bにボルト,ナットを介して水密状態で連結し、穿孔装置のホールソーを、分岐管部Bの軸芯Yに沿って仕切弁7の筒状部7a、開弁操作された弁体7C及び弁装着口部6の管部6aを介して送り込んで、水道管1の管壁に円形状の穿孔口2を穿孔形成する。なお、穿孔口2を形成した後、ホールソー及び円形状に切断された切片をケーシング内に収容するとともに弁体7Cを閉弁操作して、ケーシングのフランジ部と仕切弁7の環状フランジ部7Bとの連結を解除し、穿孔装置を仕切弁7から撤去する。
〔第一実施形態〕
図2~図8を用いて、穿孔工程の後、仕切弁7に、第一実施形態に係る流路閉塞装置Aを水密状態で接続し、管内流路3を閉止する閉塞工程について説明する。
図2~図8を用いて、穿孔工程の後、仕切弁7に、第一実施形態に係る流路閉塞装置Aを水密状態で接続し、管内流路3を閉止する閉塞工程について説明する。
図2に示すように、流路閉塞装置Aは、穿孔口2に連通し仕切弁7を有する分岐管部Bに着脱自在に接続される密閉ケース20と、密封状態を維持したまま分岐管部Bの軸芯Yに沿って摺動自在に貫設され、内部に通流路30Aを備えた含む筒軸30(軸の一例)と、筒軸30の先端30Bに内嵌される嵌合筒部4aを有する口金部材4A(軸の一例)と、筒軸30及び口金部材4Aで構成される軸の先端部30Eに固設されて、通流路30Aを介して供給される拡径用流体Pにより拡径側に膨張変形自在な閉塞バッグ4と、水道管1内の流体圧に抗して筒軸30を押し込み移動させる押込操作機構40と、筒軸30及び口金部材4Aに外挿され、閉塞バッグ4の基端部位4Baに対向する先端面50dを有する円筒状の軸芯調整部材50と、を備えている。
密閉ケース20は、仕切弁7の筒状部7aの内径と略同径の内径に形成された筒状壁20aと筒状壁20aの下流側端部を閉塞する底壁部20bとを備えた有底筒状に形成され、縮小形状の閉塞バッグ4を収容可能な長さの内部空間21を備えている。筒状壁20aの上流側端部には、仕切弁7の下流側の環状フランジ部7Bにボルト12,ナット13を介して脱着自在に水密状態で連結される連結フランジ部20Aが形成され、底壁部20bには、筒軸30が環状シール部材20cにより密封状態を維持したまま摺動自在に貫設されている。また、密閉ケース20には、筒状壁20aの外周面のうち底壁部20b寄りの箇所で且つ筒軸30を挟んで相対向する部位に、環状係止部20dを備えたアイナット20eが筒状壁20aの外周面に固着されたボルト等で固定されている。
筒軸30は、筒状に形成されて内部に通流路30Aを備え、密閉ケース20の底壁部20bに密封状態を維持したまま分岐管部Bの軸芯Yに沿って摺動自在に貫設されている。筒軸30の先端30Bは、閉塞バッグ4の基端部位4Baに設けられた口金部材4Aの嵌合筒部4aを内嵌可能に構成されているとともに、筒軸30の先端30Bには、止めネジ30aを螺合可能な一対の螺合孔30bが筒軸30の径方向に貫通形成されている。これにより、筒軸30の先端30Bに嵌合筒部4aを内嵌した状態で、止めネジ30aを、止めネジ30aの先端部が嵌合筒部4aに形成された係止段部4bに当接し係止するまで、螺合孔30bに螺合させることで、閉塞バッグ4を筒軸30に水密状態で連結することができる。
筒軸30の後端部30Cは、通流路30Aを閉塞するとともに、回転軸(図示せず)周りで回動自在に軸支された滑車30cを備えた滑車配設部材により構成されており、当該滑車30cを介して密閉ケース20の一対の環状係止部20dに亘って、後述する押込操作機構40のチェーン41(又はワイヤー等)を架け渡し可能に構成されている。筒軸30の後端部30Cの上流側には、拡径用流体Pを筒軸30の外部の供給源(図示せず)から供給バルブ31aを介して通流路30Aに供給する供給路31、及び、通流路30A内の拡径用流体Pを排出バルブ32aを介して排出する排出路32が設けられている。
また、筒軸30の外周面には、筒軸30を挟んで対向する位置に一対の挿入位置規制凸部30Dが筒軸30の径方向外方側に突出形成されている。この挿入位置規制凸部30Dは、筒軸30が分岐管部Bの軸芯Yに沿って摺動した際に、密閉ケース20の底壁部20bの外面(底部外面)に当接して、筒軸30の挿入状態を最大挿入位置に規制する(閉塞バッグ4の水道管1内への挿入状態が管内流路閉塞位置となるように規制する)ように構成されている。
図3に示すように、閉塞バッグ4は、密閉ケース20内に位置する筒軸30及び口金部材4Aの先端部30Eに固設されて、通流路30Aを介して供給される拡径用流体Pにより拡径側に膨張変形自在に構成される。拡径用流体Pとしては、閉塞バッグ4内に供給されることで、閉塞バッグ4を膨張変形させて管内流路3を閉止可能であれば、圧縮空気等の気体や水等の液体を用いることができる。閉塞バッグ4は、拡径用流体Pにより拡径側に膨張変形自在なバッグ本体4Bを備え、流路閉塞装置Aは、軸芯調整部材50の先端面50dとバッグ本体4Bの基端部位4Baとの間で一部(基端側)が挟持された状態で閉塞バッグ4を覆う保護シート22を更に備えている。なお、口金部材4Aは、通流路30Aを介してバッグ本体4B内に拡径用流体Pを供給又は排出可能な流体給排路4cを有している。
バッグ本体4Bは、袋状に形成されて、天然ゴムや合成ゴム等のゴム製の内側バッグ(図示せず)、及び、布等の繊維状部材やゴム等或いはそれらが層状に一体化された可撓性部材等の外側バッグ(図示せず)により、二重構造に構成されている。なお、二重構造ではなく、一重構造や三重構造以上の構成であってもよい。
図2に示すように、保護シート22は、閉塞バッグ4が縮小した状態を保持する保持部22Aを含んでおり、保持部22Aにより閉塞バッグ4が密閉ケース20に収容可能な概略円筒形状に保持される。保護シート22は、ビニール等の樹脂材料や布等の繊維部材で構成されており、周方向の両端部が互いに重なり合うように分割されている。本実施形態の保持部22Aは、この分割された保護シート22を縛る複数の紐22Aaで構成されており、夫々の紐22Aaが保護シート22に設けられた複数の切込み22aに挿入されて、閉塞バッグ4の周方向に沿って巻回されている。紐22Aaの両端部には玉結び部22Aa1が設けられており、紐22Aaの両端部のうち玉結び部22Aa1より切込み22a側で結んだ縛り部22Aa2が設けられている。本実施形態のように保持部22Aを紐22Aaで構成すれば、閉塞バッグ4の寸法に応じて紐22Aaを縛る箇所を増減させれば良いため、設計自由度が高く、製造コストも低減できる。
縛り部22Aa2は、閉塞バッグ4が縮小するように両端部を引っ張ることにより締付力が増し、閉塞バッグ4を膨張させたときに両端部を自由端として解けるような引き解け結び、たて結び等で形成されている。これらの構成から、分割された保護シート22を縛り部22Aa2で縛る紐22Aaを設けることにより、閉塞バッグ4が膨張したとき、保護シート22は、紐22Aa(縛り部22Aa2)が解けて保持部22Aの保持状態が解除され、閉塞バッグ4の膨張変形に追従して変形する。このとき、玉結び部22Aa1が切込み22aに入り込むことができないため、紐22Aaが保護シート22から離脱することが防止される。
口金部材4Aは、一端側が筒軸30の先端30Bに内嵌し且つ他端側がバッグ本体4Bを貫通してバッグ本体4B内に位置する状態で、内部に流体給排路4cを備えた嵌合筒部4aと、バッグ本体4B内に位置して、嵌合筒部4aの他端側の外面に形成された雌ネジ(図示せず)に螺合される円筒状のバッグ内螺合部材4eと、バッグ本体4B外に位置する嵌合筒部4aの一端側に嵌合して、バッグ内螺合部材4eとの間でバッグ本体4Bの一部を挟持する円筒状のバッグ外取付部材4fと、バッグ本体4B外に位置する嵌合筒部4aの一端側の外面に形成された雌ネジ部(図示せず)に螺合して、バッグ外取付部材4fをバッグ内螺合部材4e側に締付固定する固定ナット4gとを備えて構成されている。
嵌合筒部4aの長手方向は、筒軸30の長手方向(分岐管部Bの軸芯Y方向)に沿うように配置されており、バッグ本体4B内に拡径用流体Pが供給されていない状態では、バッグ本体4Bは、バッグ本体4B内に貫通した嵌合筒部4aの他端部が中心となるように棒状に縮小した状態で折り畳むことが可能に構成されている。バッグ本体4Bが棒状に縮小した状態で折り畳まれ、保護シート22の保持部22Aにより縮小形状が保持されると、バッグ本体4Bの外径は密閉ケース20の内径より若干小径となり、密閉ケース20内に収容可能に構成されている(図2参照)。
一方で、バッグ本体4Bは、内部に拡径用流体Pが供給された状態では、拡径側に膨張変形して袋状の概略円筒形状となるように構成され(図6参照)、外周面が管内流路3の内周面に良好に密着できる程度の外径を備えている。即ち、バッグ本体4Bが膨張変形して概略円筒形状になる際には、バッグ本体4Bは、嵌合筒部4aの長手方向(筒軸30の長手方向)では円筒の直径が大きくなるように膨張変形し、嵌合筒部4aの長手方向に直交する方向では円筒の高さが大きくなるように膨張変形するように構成されている。そして、バッグ本体4B(閉塞バッグ4)の外周面において、嵌合筒部4aの長手方向に直交する方向における嵌合筒部4a(筒軸30)の両側に位置する箇所には、閉塞バッグ4が膨張変形した際に、水道管1の内周面に対して周方向の全周に亘って圧接して閉塞バッグ4を摩擦保持する環状シール部4iが突設されている。
図2に示すように、嵌合筒部4aの一端側の外面には、嵌合筒部4aの一端部が筒軸30の先端30Bに内嵌した際、先端30Bに貫通形成された螺合孔30bに対応する位置に、当該外面から内径側に窪み形成される係止段部4bが形成され、当該係止段部4bよりも更に端部側の外面には、筒軸30の先端30Bにおける通流路30Aの内面との間を水密状態に維持する一対のOリング4hが配設されている。バッグ外取付部材4fの外径は、後述する軸芯調整部材50に内嵌するように、軸芯調整部材50の内径よりも若干小径に形成され、バッグ外取付部材4fの外面が、軸芯調整部材50の内面50aに摺接可能に構成されている。
押込操作機構40は、水道管1内の流体圧に抗して筒軸30を押し込み移動させるように構成され、密閉ケース20に設けられた一対の環状係止部20dに係止可能な一対のフック部材42と、筒軸30の後端部30Cに配設された滑車30cを介して、フック部材42により一対の環状係止部20dに亘って架け渡される一本のチェーン41(又はワイヤー等)と、当該チェーン41を緊締側に巻き取り操作する操作レバー43とを備えている。なお、操作レバー43は、チェーン41を緊締側に巻き取り操作するのみならず、チェーン41を緊締した位置で位置保持したり、緊締を解除する解除側に操作したりすることができるレバーブロック(登録商標)により構成されている。
図3に示すように、軸芯調整部材50は、筒軸30の先端30Bに固設され、軸芯調整部材50の外面が密閉ケース20の内面に摺接可能な状態で、筒軸30に外挿されている。具体的には、軸芯調整部材50は、密閉ケース20の内径よりも小径の外径で且つバッグ外取付部材4fの外径よりも若干大径の内径に形成された筒壁部50bと、筒軸30の先端30Bが貫設される底壁部50cとを備えた有底筒状に形成されている。
底壁部50cには、止めネジ51を螺合可能な一対の螺合孔52が軸芯調整部材50の径方向(筒軸30の径方向)に貫通形成されている。これにより、止めネジ51を、止めネジ51の先端部が筒軸30の先端30Bの外周面に当接し係止するまで、螺合孔52に螺合させることで、軸芯調整部材50を筒軸30の先端30Bに固設することができる。このように、軸芯調整部材50が筒軸30の先端30Bに固設された状態では、軸芯調整部材50の筒壁部50bの内面50aの少なくとも一部が、口金部材4Aのバッグ外取付部材4fの外面の径方向外方側に近接した状態で位置している。
このように構成された流路閉塞装置Aの密閉ケース20の連結フランジ部20Aを、仕切弁7の下流側の環状フランジ部7Bにボルト12,ナット13を介して水密状態で連結する。この状態では、密閉ケース20の内部空間21には、保護シート22に覆われた状態で保持部22Aにより縮小形状が維持された閉塞バッグ4が収容されている。
次に、図4に示すように、弁体7Cを開弁操作して、押込操作機構40の操作レバー43によりチェーン41を緊締側に巻き取り操作し、管内流路3を通流する上水Qの流体圧に抗して筒軸30を、分岐管部Bの軸芯Yに沿って仕切弁7の筒状部7a、弁体7C及び弁装着口部6の管部6aを介して管内流路3側に押込み操作する。
このように、筒軸30を分岐管部Bの軸芯Yに沿って移動させると、図4に示すように、筒軸30は、密閉ケース20に対して相対移動し、保護シート22が穿孔口2の外面側周縁部2aに近接する。これにより、不断流状態において閉塞バッグ4に管内流路3を通流する上水Qの流体圧が作用する場合でも、閉塞バッグ4の外面が保護シート22により保護されているため、閉塞バッグ4自体を密閉ケース20の内面や分岐管部Bの内面に当接させることなく、分岐管部Bの軸芯Yに沿って密閉ケース20内及び分岐管部B内を移動させることができる。また、筒軸30が分岐管部Bの軸芯Yに対してずれている場合でも、軸芯調整部材50が、閉塞バッグ4を穿孔口2に挿入する際の案内部材として機能し、密閉ケース20に貫設された筒軸30を分岐管部Bの軸芯Yとを略同軸状態で位置決めすることができる。さらに、保護シート22が穿孔口2に接触するので、保護シート22が穿孔口2の内面側(水道管1の管軸芯X方向に沿う方向における穿孔口2の内面側)を覆う状態となり、穿孔口2を介して水道管1の管内流路3に閉塞バッグ4を移動させる際に、当該閉塞バッグ4が穿孔口2の内面のバリや分岐管部Bの内面の突起等に接触することが無く、閉塞バッグ4の破損をより一層防止することができる。
その後、更に、押込操作機構40の操作レバー43によりチェーン41を緊締側に巻き取り操作して、管内流路3を通流する上水Qの流体圧に抗して筒軸30を分岐管部Bの軸芯Yに沿って押込み操作する。このように、筒軸30を分岐管部Bの軸芯Yに沿って管内流路3側に向かって更に移動させると、図5に示すように、筒軸30及び口金部材4Aで構成される軸の先端部30Eに固設された閉塞バッグ4が分岐管部Bの軸芯Yに沿って管内流路3側に移動する。この状態では、バッグ本体4Bが水道管1の下面に当接して下側部位が自然に膨らみ、保持部22Aにおける一部(下側)の縛り部22Aa2が解け、保持部22A(紐22Aa)の保持状態が一部解除される。その結果、保護シート22は、バッグ本体4Bの下側部位の自然変形に追従して変形し、周方向の両端部が引き裂かれるように裾拡がり状態となる。
図5に示すように、筒軸30の外周面に形成された挿入位置規制凸部30Dが密閉ケース20の底壁部20bに当接した状態では、閉塞バッグ4が管内流路3において所期の管内流路閉塞位置に位置し、軸芯調整部材50が水道管1の径方向において穿孔口2に対応する箇所に位置し、軸芯調整部材50の先端面50dと穿孔口2における水道管1の径方向内方側端とが、水道管1の径方向において同一位置に位置する。
続いて、供給バルブ31aを開弁して、供給路31、通流路30A及び流体給排路4cを介して所定量の拡径用流体Pを、管内流路閉塞位置に位置する閉塞バッグ4のバッグ本体4B内に供給し、バッグ本体4Bを、水道管1の管軸芯X方向及び径方向外方側に膨張変形させる(図2も参照)。そして、図6に示すように、バッグ本体4Bが膨張変形して概略円筒形状になる際には、バッグ本体4Bは、嵌合筒部4aの長手方向(筒軸30の長手方向)を含む平面上では円筒の直径が大きくなるように膨張変形し、嵌合筒部4aの長手方向を含む平面に直交する方向では円筒の高さが大きくなるように膨張変形する。
バッグ本体4Bが管内流路閉塞位置で膨張変形すると、保護シート22は、全ての紐22Aaが解けて保持部22Aの保持状態が解除され、閉塞バッグ4の膨張変形に追従して変形する。つまり、保護シート22は、保持部22Aにおける全ての縛り部22Aa2が解け、バッグ本体4Bの膨張変形に追従して変形し、周方向の両端部が引き裂かれるように閉塞バッグ4の上面側に配置される。このとき、保護シート22が水道管1の内周面における穿孔口2の内面側周縁部を閉塞する状態で、バッグ本体4B(閉塞バッグ4)の外周面において、水道管1の管軸芯X方向において筒軸30の両側に位置する箇所に設けられた環状シール部4iが、水道管1の内周面を周方向の全周に亘って圧接する。本実施形態では、嵌合筒部4aの長手方向を含む平面に直交する方向において、バッグ本体4Bの円筒の高さが保護シート22の長さに比べて若干大きいため、閉塞バッグ4の管軸芯X方向の両端部が水道管1に密着して、止水性能が発揮される。
このように、保護シート22は、押込操作機構40により管内流路3内に挿入された閉塞バッグ4が膨張したとき、保持部22Aの保持状態が解除され、閉塞バッグ4の膨張変形に追従して変形するため、閉塞バッグ4の膨張変形を阻害することなく、所望の流路閉塞機能が発揮される。また、保護シート22は、軸芯調整部材50の先端面50dと閉塞バッグ4の基端部位4Baとの間で一部が挟持されているため、保護シート22が管内流路3に落下するといった不都合もない。しかも、紐22Aaの両端部には玉結び部22Aa1が設けられているため、この玉結び部22Aa1が保護シート22に設けられた複数の切込み22aに係止されて、紐22Aaが管内流路3に落下する事もない(図7も参照)。なお、閉塞バッグ4が十分に膨張変形すると、供給バルブ31aを閉弁する。
次に、閉塞バッグ4により管内流路3を閉止した箇所の下流側等で、消火栓等の交換等の作業が終了すると、図7に示すように、排出バルブ32aを開弁して、バッグ本体4B内の拡径用流体Pを、流体給排路4c、通流路30A及び排出路32を介して外部に排出し、バッグ本体4Bを、水道管1の管軸芯X方向及び径方向内方側に縮小させる。この排出は、ポンプ等により強制的に吸引してもよく、大気開放する構成であってもよい。
閉塞バッグ4が縮小すると、押込操作機構40の操作レバー43により緊締状態にあるチェーン41の位置保持を解除操作して、クレーン等(図示せず)により筒軸30を分岐管部Bの軸芯Yに沿って抜去する。なお、押込操作機構40の操作レバー43により緊締状態にあるチェーン41の位置保持を解除操作することで、管内流路3を通流する上水Qの流体圧により筒軸30を分岐管部Bの軸芯Yに沿って抜去できる場合には、クレーン等を用いる必要はないが、安全のためクレーン等を併用する構成としてもよい。
図7に示すように、筒軸30を抜去すると、閉塞バッグ4が分岐管部Bの軸芯Yに沿って密閉ケース20側に移動する。このとき、閉塞バッグ4が棒状に折り畳まれるように縮小し、この縮小形状に追従してバッグ本体4Bの上側に位置していた保護シート22が再度、閉塞バッグ4を覆うように変形する。この保護シート22は、軸芯調整部材50の先端面50dと閉塞バッグ4の基端部位4Baとの間で一部が挟持されているため、保護シート22の被挟持部位を起点として円滑に変形する。その結果、保護シート22が穿孔口2の内面のバリや分岐管部Bの内面の突起等に接触して閉塞バッグ4の破損を防止することができる。
そして、図8に示すように、閉塞バッグ4の全体が密閉ケース20の内部空間21に完全に収容される。なお、閉塞バッグ4の全体が密閉ケース20の内部空間21に完全に収容されていない状態、即ち、閉塞バッグ4の先端(一部)が、密閉ケース20の内部空間21からはみ出して、仕切弁7の筒状部7a内において弁体7Cに干渉しない位置に位置する状態であってもよい。その後、弁体7Cを閉弁操作して、ボルト12,ナット13の連結を解除し、閉塞バッグ4が内部空間21に収容された密閉ケース20を、仕切弁7の環状フランジ部7Bから撤去する。
よって、閉塞バッグ4は、穿孔口2を介して管内流路3に挿入される際に、穿孔口2のバリ等や分岐管部Bの突起等に接触或いは引っ掛かることが無く、また、密閉ケース20内に収容して離脱等する際に、物体等に接触することが無いため、傷ついたり破損したりすることが無い。また、閉塞バッグ4を回収する時も同様に直接穿孔口2に接触することが無く、良好に再利用することができる。
図9には、保護シート装着治具80が示されている。この保護シート装着治具80は、大重量(大容積)の閉塞バッグ4に対して、保護シート22の保持部22Aを順番に設置するためのものである。保護シート装着治具80は、閉塞バッグ4を吊り上げるバッグ上昇機構81と、ラッパ管形状のバッグ絞り具82とを備えている。バッグ上昇機構81は、固定筐体81aと、筒軸30の上端に設けられた滑車81cと、固定筐体81aの上部に設けられた一対の滑車81bと、一対の滑車81bと筒軸30の滑車81cとに亘って架け渡されてチェーン81d(又はワイヤー等)とを有している。バッグ上昇機構81は、チェーン81dの両端部を固定筐体81aの下部に固定し、レバーブロック(登録商標)等の操作具81eによりチェーン81dを緊締し、閉塞バッグ4を持ち上げることができる。
バッグ絞り具82は、固定筐体81aから閉塞バッグ4に向かって拡径した拡径筒82aと、拡径筒82aの固定筐体81a側で一定の直径を有する筒状部82bとで形成されている。バッグ上昇機構81により持ち上げられた閉塞バッグ4は、拡径筒82aから筒状部82bへと進入するに従い、棒状に折り畳まれた縮小形状に変形する。このとき、閉塞バッグ4は、保護シート22で覆われた状態となっている。そして、筒状部82bの上部に露出した閉塞バッグ4を覆う保護シート22に対して順次、保持部22A(紐22Aa)を装着して、閉塞バッグ4の縮小形状を保持する。
〔変形例〕
図10~図11の第一変形例に示すように、保持部22Aは、保護シート22の分割面22bを結合させるマジックテープ(登録商標)等の結合テープ22Abで構成されており、閉塞バッグ4が膨張したとき、結合テープ22Abの結合が外れて保持状態が解除される。流路閉塞方法については、保持部22Aの構造が異なる点を除いて上述した実施形態と同様であるため、説明を省略する。このように、保持部22Aを保護シート22の分割面22bを結合させる結合テープ22Abで構成すれば、閉塞バッグ4に保護シート22を装着する作業効率を高めることができる。
図10~図11の第一変形例に示すように、保持部22Aは、保護シート22の分割面22bを結合させるマジックテープ(登録商標)等の結合テープ22Abで構成されており、閉塞バッグ4が膨張したとき、結合テープ22Abの結合が外れて保持状態が解除される。流路閉塞方法については、保持部22Aの構造が異なる点を除いて上述した実施形態と同様であるため、説明を省略する。このように、保持部22Aを保護シート22の分割面22bを結合させる結合テープ22Abで構成すれば、閉塞バッグ4に保護シート22を装着する作業効率を高めることができる。
図12~図14の第二変形例に示すように、保持部22Aは、閉塞バッグ4の基端部位4Baとは反対側が開口された裾部22Ac1を有するスカート状一体部材22Acで形成された保護シート22で構成されており、閉塞バッグ4が膨張したとき、裾部22Ac1が巻回されて保持状態が解除される。図12に示すように、基端部位4Baとは反対側が開口された裾部22Ac1を有するスカート状一体部材22Acで形成された保護シート22自体で保持部22Aを構成すれば、閉塞バッグ4に保護シート22を装着する作業効率を高めることができる。図13に示すように、バッグ本体4Bが水道管1の下面に当接して下側部位が自然に膨らんだ状態では、保持部22Aにおける裾部22Ac1が捲れあがり、保持部22Aの保持状態が一部解除される。その結果、保護シート22は、バッグ本体4Bの下側部位の自然変形に追従して変形し、裾部22Ac1が巻回される。図14に示すように、バッグ本体4Bが管内流路閉塞位置で膨張変形すると、保護シート22が閉塞バッグ4の膨張変形に追従して変形する。具体的には、保護シート22の裾部22Ac1が更に巻回されて保護シート22が閉塞バッグ4の上面に移動し、保持部22Aの保持状態が解除される。その結果、閉塞バッグ4の基端部位4Ba付近(穿孔口2付近)に保護シート22を密集させることが可能となり、閉塞バッグ4が下流側に移動するように押圧されたとしても、保護シート22により穿孔口2に閉塞バッグ4が当接することを確実に防止できる。
〔第二実施形態〕
図15~図18を用いて、穿孔工程の後、仕切弁7に、第二実施形態に係る流路閉塞装置Aaを水密状態で接続し、管内流路3を閉止する閉塞工程について説明する。第一実施形態と同様の部材については、同一の符号及び名称を用いて説明し、詳細な説明を省略する。
図15~図18を用いて、穿孔工程の後、仕切弁7に、第二実施形態に係る流路閉塞装置Aaを水密状態で接続し、管内流路3を閉止する閉塞工程について説明する。第一実施形態と同様の部材については、同一の符号及び名称を用いて説明し、詳細な説明を省略する。
図15に示すように、流路閉塞装置Aaは、穿孔口2に連通し仕切弁7を有する分岐管部Bに着脱自在に接続される密閉ケース200と、密封状態を維持したまま分岐管部Bの軸芯Yに沿って摺動自在に貫設され、内部に通流路30Aを備えた含む筒軸30(軸の一例)と、筒軸30の先端30Bに内嵌される嵌合筒部4aを有する口金部材4A(軸の一例)と、筒軸30及び口金部材4Aで構成される軸の先端部30Eに固設されて、通流路30Aを介して供給される拡径用流体Pにより拡径側に膨張変形自在な閉塞バッグ4と、水道管1内の上水Qの流体圧に抗して筒軸30を押し込み移動させる押込操作機構40と、筒軸30及び口金部材4Aに外挿される円筒状の軸芯調整部材50と、を備えている。本実施形態における密閉ケース200は、流路閉塞装置Aaは、穿孔口2に連通し仕切弁7を有する分岐管部Bの環状フランジ部7B(フランジの一例)に連結される連結フランジ部200Aと、連結フランジ部200Aに対して分岐管部Bの軸芯Yに沿って相対移動可能な可動筒200Bと、を有する分割構造で構成されている。
連結フランジ部200Aは、分岐管部Bの下流側の環状フランジ部7Bにボルト12,ナット13を介して脱着自在に水密状態で連結されるフランジ本体200Aaと、フランジ本体200Aaの内周のうち、上流側端部を径方向内側に突出させた第一環状凸部200Abと、下流側端部を軸芯Yに沿って突出させた第二環状凸部200Acとが一体形成されている。連結フランジ部200Aは、これら第一環状凸部200Ab及び第二環状凸部200Acを有することにより、内周側にシール部材Sが嵌合するシール溝部200Adが形成されており、このシール部材Sが連結フランジ部200Aと可動筒200Bとの間を軸芯Yに沿って封止している。
可動筒200Bは、仕切弁7の筒状部7aの内径と略同径の内径に形成された筒状壁200aと筒状壁200aの下流側端部を閉塞する底壁部200bとを備えた有底筒状に形成され、縮小形状の閉塞バッグ4を収容可能な長さの内部空間21Aを備えている。本実施形態では、閉塞バッグ4の収容空間のみ密閉ケース200(可動筒200B)に確保すれば足りるため、密閉ケース200の軸芯Y方向の寸法を小さくすることができる。なお、仕切弁Vの軸芯Y方向の寸法を更に小さくしたコンパクト形状にすれば、可動筒200Bの軸芯Y方向の寸法を更に小さくすることができる。この場合、可動筒200Bに収容される閉塞バッグ4が、仕切弁7の筒状部7a内において弁体7Cに干渉しない位置まで可動筒200Bの軸芯Y方向の寸法を小さくすることが可能である。
筒状壁200aは、先端側に突出形成された段部200a1と、段部200a1よりも下流側にCリング等の環状部材が外嵌された当接凸部200a2(突出部の一例)、又は、外周面から外側に一体突出形成された当接凸部200a2(突出部の一例)とを有している。段部200a1は、外径側部位の少なくとも一部が穿孔口2の外面側周縁部2aに近接するように構成されている。当接凸部200a2は、連結フランジ部200Aの第一環状凸部200Abに当接可能に構成されている。本実施形態の筒状壁200aは、段部200a1及び当接凸部200a2を設けている以外は、第一実施形態の筒状壁20aと同様であり、底壁部200bは、第一実施形態の底壁部20bと同様であるため、詳細な説明を省略する。なお、段部200a1を省略して、筒状壁20aの先端部を穿孔口2の内径よりも若干小径に構成しても良い。
まず、図15に示すように、流路閉塞装置Aaの密閉ケース200の連結フランジ部200Aを、仕切弁7の下流側の環状フランジ部7Bにボルト12,ナット13を介して水密状態で連結する。この状態では、密閉ケース20の内部空間21には、可動筒200Bにより縮小形状が維持された閉塞バッグ4が収容されている。この状態では、閉塞バッグ4を収容している可動筒200Bが上水Qの流体圧を受けて下流側(上側)移動するが、当接凸部200a2が連結フランジ部200Aの第一環状凸部200Abに当接することにより、可動筒200Bの抜け出しが防止される。
次に、図16に示すように、弁体7Cを開弁操作して、押込操作機構40の下側の操作レバー43によりチェーン41を緊締側に巻き取り操作することにより、管内流路3を通流する上水Qの流体圧に抗して可動筒200Bを分岐管部Bの軸芯Yに沿って管内流路3側に押込み操作する。
このように、可動筒200Bを分岐管部Bの軸芯Yに沿って移動させると、図16に示すように、可動筒200Bは、連結フランジ部200Aに対して相対移動し、段部200a1が穿孔口2の外面側周縁部2aに近接する。これにより、不断流状態において閉塞バッグ4に管内流路3を通流する上水Qの流体圧が作用する場合でも、閉塞バッグ4の外面が可動筒200Bにより保護されているため、閉塞バッグ4自体を密閉ケース20の内面や分岐管部Bの内面に当接させることなく、分岐管部Bの軸芯Yに沿って密閉ケース20内及び分岐管部B内を移動させることができる。なお、段部200a1が穿孔口2の内面側(水道管1の管軸芯X方向に沿う方向における穿孔口2の内面側)を覆う状態となるように、可動筒200Bの先端面に水道管1の外周に沿ったR形状を設けても良い。
その後、更に、押込操作機構40の上側の操作レバー43によりチェーン41を緊締側に巻き取り操作して、管内流路3を通流する上水Qの流体圧に抗して筒軸30を分岐管部Bの軸芯Yに沿って押込み操作する。このように、筒軸30を分岐管部Bの軸芯Yに沿って管内流路3側に向かって更に移動させると、図17に示すように、筒軸30及び口金部材4Aで構成される軸の先端部30Eに固設された閉塞バッグ4が、穿孔口2に当接して移動しない可動筒200Bに対して分岐管部Bの軸芯Yに沿って相対移動し、管内流路3側に移動する。
可動筒200Bの段部200a1が穿孔口2の外面側周縁部2aに近接する状態では、閉塞バッグ4が管内流路3において所期の管内流路閉塞位置に位置し、可動筒200B及び軸芯調整部材50の先端は、水道管1の径方向において穿孔口2に対応する箇所に位置し、可動筒200Bの段部200a1の先端及び軸芯調整部材50の先端面50dと穿孔口2における水道管1の径方向内方側端とが、水道管1の径方向において近接した位置となる。
続いて、図18に示すように、供給バルブ31aを開弁して、供給路31、通流路30A及び流体給排路4cを介して所定量の拡径用流体Pを、管内流路閉塞位置に位置する閉塞バッグ4のバッグ本体4B内に供給し、バッグ本体4Bを、水道管1の管軸芯X方向及び径方向外方側に膨張変形させる。このとき、バッグ本体4B(閉塞バッグ4)の外周面において、水道管1の管軸芯X方向において筒軸30の両側に位置する箇所に設けられた環状シール部4iが、水道管1の内周面を周方向の全周に亘って圧接する。このように、可動筒200Bの先端が水道管1の径方向において穿孔口2に対応する箇所に存在することとなり、不断流状態において管内流路3内の上水Qの流体圧によって閉塞バッグ4が下流側に移動するように押圧されたとしても、閉塞バッグ4の口金部材4Aに固定された基端部が可動筒200Bの先端で保護され、破損が防止される。
次に、閉塞バッグ4により管内流路3を閉止した箇所の下流側等で、消火栓等の交換等の作業が終了すると、排出バルブ32aを開弁して、バッグ本体4B内の拡径用流体Pを、流体給排路4c、通流路30A及び排出路32を介して外部に排出し、バッグ本体4Bを、水道管1の管軸芯X方向及び径方向内方側に縮小させる。その後の手順は、上述した手順と逆の手順となるので、詳細な説明を省略する。なお、本実施形態においても、第一実施形態における閉塞バッグ4を覆う保護シート22を設けても良い。
〔流路閉塞方法〕
図19~図20を用いて、別実施形態に係る流路閉塞方法を説明する。本実施形態における流路閉塞方法は、穿孔口2に連通し仕切弁7を有する分岐管部Bに接続された穿孔装置のカッターにより水道管1に穿孔口2を形成する穿孔工程と、穿孔装置に代えて分岐管部Bに切削装置Cを接続し、切削装置Cの切削バイト61aを穿孔口2の内周縁2bに当接させた状態で回転させながら、内周縁2bにあるバリを除去するバリ除去工程と、切削装置Cに代えて分岐管部Bに流路閉塞装置Aを接続し、穿孔口2を介して閉塞バッグ4を水道管1内に挿入した後、閉塞バッグ4を膨張させて管内流路3を閉止する閉塞工程と、を含んでいる。穿孔工程は、上述した穿孔工程と同様の手順であり、閉塞工程は、流路閉塞装置Aが、第一実施形態に係る流路閉塞装置Aの保護シート22を省略した以外は同様の手順であるため、説明を省略する。
図19~図20を用いて、別実施形態に係る流路閉塞方法を説明する。本実施形態における流路閉塞方法は、穿孔口2に連通し仕切弁7を有する分岐管部Bに接続された穿孔装置のカッターにより水道管1に穿孔口2を形成する穿孔工程と、穿孔装置に代えて分岐管部Bに切削装置Cを接続し、切削装置Cの切削バイト61aを穿孔口2の内周縁2bに当接させた状態で回転させながら、内周縁2bにあるバリを除去するバリ除去工程と、切削装置Cに代えて分岐管部Bに流路閉塞装置Aを接続し、穿孔口2を介して閉塞バッグ4を水道管1内に挿入した後、閉塞バッグ4を膨張させて管内流路3を閉止する閉塞工程と、を含んでいる。穿孔工程は、上述した穿孔工程と同様の手順であり、閉塞工程は、流路閉塞装置Aが、第一実施形態に係る流路閉塞装置Aの保護シート22を省略した以外は同様の手順であるため、説明を省略する。
図19~図20に示すように、バリ除去工程に用いる切削装置Cは、切削バイト61aを穿孔口2の内周縁2bに当接させた状態と穿孔口2の内周縁2bから離間させた状態とに変更可能な移動機構6Aと、切削バイト61aを穿孔口2の内周縁2bに当接させた状態で回転させる回転機構6Bとを備えている。
移動機構6Aは、切削バイト61aを含み回動軸61bを支点として回動する回動部材61と、分岐管部Bの軸芯Yに沿って上下方向に移動可能な上下移動軸62と、回動部材61に引張力を作用させるスプリング63と、上下移動軸62を保持する基部64aと基部64aから上下移動軸62と平行に延在した延出部64bとを含む保持部材64と、を有している。
回動部材61は、回動軸61bが延出部64bの端部に回動自在に固定されており、この回動軸61bを支点として回動する。回動部材61には、スプリング63の一端が係止される係止軸61cが螺合されており、この係止軸61cは穿孔口2の直径に合わせて位置変更可能に構成されている。上下移動軸62には、スプリング63の他端が係止される係止軸62aが螺合される平坦面を外面に有するナット62bが固定されている。
図20の二点鎖線で示すように、上下移動軸62が最も下側の位置にいる状態では、自然長のスプリング63が回動部材61を下側に垂れた状態とし、切削バイト61aが穿孔口2の内周縁2bから離間させた状態となっている。図20の実線で示すように、上下移動軸62を上側に引き上げることにより、切削バイト61aを穿孔口2の内周縁2bに当接させた状態となり、スプリング63の付勢力により切削バイト61aが穿孔口2の内周縁2bを押圧する。
回転機構6Bは、切削バイト61aを穿孔口2の内周縁2bに当接させた状態で保持部材64及び上下移動軸62を手動で回転するためのハンドル等を含んでいる。なお、回転機構6Bは、保持部材64及び上下移動軸62を回転駆動させるモータ等を含んでいても良い。回転機構6Bが保持部材64及び上下移動軸62を回転させることにより、切削バイト61aを穿孔口2の内周縁2bに沿って回転させることができる。このとき、スプリング63の付勢力により切削バイト61aが穿孔口2の内周縁2bを押圧しているため、切削バイト61aにより穿孔口2のバリが除去される。上述したように、本実施形態における切削装置Cは、スプリング63の付勢力により切削バイト61aが穿孔口2の内周縁2bを押圧し、この切削バイト61aを穿孔口2の内周縁2bに沿って回転させるため、穿孔工程と閉塞工程との間にバリ取り工程を設けることができる。
このように、穿孔工程と閉塞工程との間に、切削装置Cの切削バイト61aを穿孔口2の内周縁2bに当接させた状態で回転させながら、内周縁2bにあるバリを除去するバリ除去工程を含んでいる。このため、バリが除去された後の穿孔口2を介して水道管1内に挿入される閉塞バッグ4は、穿孔口2の内面に当接しても破損することが防止される。よって、不断流状態において管内流路3内の上水Qの流体圧によって閉塞バッグ4が下流側に移動するように押圧されたとしても、閉塞バッグ4はバリが除去された穿孔口2に接触するので、破損が防止される。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、水道管1の外周面に穿孔装置により穿孔口2を穿孔し、当該穿孔口2を介して閉塞バッグ4を挿入する構成としたが、水道管1の外周面に予め形成されている穿孔口2を介して閉塞バッグ4を挿入する構成としてもよい。
(1)上記実施形態では、水道管1の外周面に穿孔装置により穿孔口2を穿孔し、当該穿孔口2を介して閉塞バッグ4を挿入する構成としたが、水道管1の外周面に予め形成されている穿孔口2を介して閉塞バッグ4を挿入する構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、軸を筒軸30及び口金部材4Aで構成したが、軸を筒軸30のみで構成して、筒軸30の先端に閉塞バッグ4を固設しても良い。
(3)上記実施形態では、軸芯調整部材50を筒軸30の先端30Bに固設したが、軸芯調整部材50を閉塞バッグ4の基端部位4Ba(例えば、口金部材4Aのバッグ外取付部材4f)に固設することもできる。有底筒状の軸芯調整部材50ではなく、密閉ケース20の内面に摺接可能な形状の部材であれば、その他の構成を採用することができる。
(4)上記実施形態では、押込操作機構40として、レバーブロック(登録商標)を採用したが、管内流路3からの流体圧に抗して筒軸30を押込み操作することできる構成であれば、その他の構成を採用することができる。
(5)上記実施形態では、流体管として、流体としての上水Qが通流する水道管1を例示したが、流体としては液体や気体であってもよく、流体管としては液体や気体が通流できる管であってもよい。
以上説明したように、本発明は、流体管の管内流路を閉止する流路閉塞装置及び流路閉塞方法に利用することができる。
1 :水道管(流体管)
2 :穿孔口
2b :内周縁
3 :管内流路
4 :閉塞バッグ
4A :口金部材(軸)
4Ba :基端部位
7B :環状フランジ部(フランジ)
20 :密閉ケース
20A :連結フランジ部
22 :保護シート
22A :保持部
22Aa :紐
22Ab :結合テープ
22Ac :スカート状一体部材
22Ac1 :裾部
22b :分割面
30 :筒軸(軸)
30A :通流路
30E :先端部
40 :押込操作機構
50 :軸芯調整部材
50d :先端面
61a :切削バイト
200 :密閉ケース
200A :連結フランジ部
200B :可動筒
200a2 :当接凸部(突出部)
A :流路閉塞装置
Aa :流路閉塞装置
B :分岐管部
C :切削装置
P :拡径用流体
Y :軸芯
2 :穿孔口
2b :内周縁
3 :管内流路
4 :閉塞バッグ
4A :口金部材(軸)
4Ba :基端部位
7B :環状フランジ部(フランジ)
20 :密閉ケース
20A :連結フランジ部
22 :保護シート
22A :保持部
22Aa :紐
22Ab :結合テープ
22Ac :スカート状一体部材
22Ac1 :裾部
22b :分割面
30 :筒軸(軸)
30A :通流路
30E :先端部
40 :押込操作機構
50 :軸芯調整部材
50d :先端面
61a :切削バイト
200 :密閉ケース
200A :連結フランジ部
200B :可動筒
200a2 :当接凸部(突出部)
A :流路閉塞装置
Aa :流路閉塞装置
B :分岐管部
C :切削装置
P :拡径用流体
Y :軸芯
Claims (7)
- 流体管に形成されている穿孔口を介して前記流体管内に挿入され、拡径側に膨張変形して前記流体管の管内流路を閉止する閉塞バッグを備えた流路閉塞装置であって、
前記穿孔口に連通し弁部材を有する分岐管部に着脱自在に接続される密閉ケースと、
密封状態を維持したまま前記分岐管部の軸芯に沿って前記密閉ケースの内部に貫設され、内部に通流路を含む軸と、
前記軸の先端部に固設された状態で前記密閉ケースに収容可能な縮小形状を有し、前記通流路を介して供給される拡径用流体により拡径側に膨張変形自在な前記閉塞バッグと、
前記流体管内の流体圧に抗して前記軸を押し込み移動させる押込操作機構と、
前記軸に外挿され、前記閉塞バッグの基端部位と対向する先端面を有する筒状の軸芯調整部材と、
前記先端面と前記基端部位との間で一部が挟持された状態で前記閉塞バッグを覆い、前記閉塞バッグが縮小した状態を保持する保持部を含む保護シートと、を備え、
前記保護シートは、前記押込操作機構により前記流体管内に挿入された前記閉塞バッグが膨張したとき、前記保持部の保持状態が解除され、前記閉塞バッグの膨張変形に追従して変形する流路閉塞装置。 - 前記保持部は、分割された前記保護シートを縛る紐で構成されており、
前記閉塞バッグが膨張したとき、前記紐が解けて前記保持状態が解除される請求項1に記載の流路閉塞装置。 - 前記保持部は、前記保護シートの分割面を結合させる結合テープで構成されており、
前記閉塞バッグが膨張したとき、前記結合テープの結合が外れて前記保持状態が解除される請求項1に記載の流路閉塞装置。 - 前記保持部は、前記基端部位とは反対側が開口された裾部を有するスカート状一体部材で形成された前記保護シートで構成されており、
前記閉塞バッグが膨張したとき、前記裾部が巻回されて前記保持状態が解除される請求項1に記載の流路閉塞装置。 - 流体管に形成されている穿孔口を介して前記流体管内に挿入され、拡径側に膨張変形して前記流体管の管内流路を閉止する閉塞バッグを備えた流路閉塞装置であって、
前記穿孔口に連通し弁部材を有する分岐管部のフランジに連結される連結フランジ部と、当該連結フランジ部に対して前記分岐管部の軸芯に沿って相対移動可能な可動筒と、を有する密閉ケースと、
密封状態を維持したまま前記軸芯に沿って前記密閉ケースの内部に貫設され、内部に通流路を含む軸と、
前記軸の先端部に固設された状態で前記可動筒に収容可能な縮小形状を有し、前記通流路を介して供給される拡径用流体により拡径側に膨張変形自在な前記閉塞バッグと、
前記流体管内の流体圧に抗して前記軸及び前記可動筒を押し込み移動させる押込操作機構と、を備え、
前記押込操作機構は、前記可動筒の先端を前記穿孔口まで移動させた後、前記軸を前記可動筒に対して相対移動させ、前記閉塞バッグを前記流体管内に挿入する流路閉塞装置。 - 前記可動筒の外周面には、前記流体管内の流体圧を受けて前記連結フランジ部の下面に当接することにより、前記可動筒の抜け出しを防止する突出部が形成されている請求項5に記載の流路閉塞装置。
- 流体管に形成されている穿孔口を介して前記流体管内に挿入され、拡径側に膨張変形して前記流体管の管内流路を閉止する閉塞バッグを備えた流路閉塞装置を用いた流路閉塞方法であって、
前記穿孔口に連通し弁部材を有する分岐管部に接続された穿孔装置のカッターにより前記流体管に前記穿孔口を形成する穿孔工程と、
前記穿孔装置に代えて前記分岐管部に切削装置を接続し、当該切削装置の切削バイトを前記穿孔口の内周縁に当接させた状態で回転させながら、前記内周縁にあるバリを除去するバリ除去工程と、
前記切削装置に代えて前記分岐管部に前記流路閉塞装置を接続し、前記穿孔口を介して前記閉塞バッグを前記流体管内に挿入した後、前記閉塞バッグを膨張させて前記管内流路を閉止する閉塞工程と、を含む流路閉塞方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021146220A JP2023039184A (ja) | 2021-09-08 | 2021-09-08 | 流路閉塞装置及び流路閉塞方法 |
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JP2021146220A JP2023039184A (ja) | 2021-09-08 | 2021-09-08 | 流路閉塞装置及び流路閉塞方法 |
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JP2023039184A true JP2023039184A (ja) | 2023-03-20 |
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JP2021146220A Pending JP2023039184A (ja) | 2021-09-08 | 2021-09-08 | 流路閉塞装置及び流路閉塞方法 |
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-
2021
- 2021-09-08 JP JP2021146220A patent/JP2023039184A/ja active Pending
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