JP2023037910A - メモリデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチング素子の劣化を抑制する。【解決手段】一実施形態のメモリデバイスは、直列に接続された抵抗変化素子及びスイッチング素子を含むメモリセルと、制御回路と、を備える。制御回路は、第1電流に基づき抵抗変化素子を第1抵抗値にする第1動作と、第2電流に基づき抵抗変化素子を第1抵抗値と異なる第2抵抗値にする第2動作と、第3電流に基づき抵抗変化素子が第1抵抗値か第2抵抗値かを判定する第3動作と、を実行するように構成される。制御回路は、少なくとも1つの動作において、互いに異なる極性を有する2つの電流をメモリセルに交互に流すように構成される。【選択図】図4

Description

実施形態は、メモリデバイスに関する。
抵抗変化素子を記憶素子として用いたメモリデバイスが知られている。抵抗変化素子は、スイッチング素子と直列接続されてメモリセルとして機能する。スイッチング素子には、2端子型のスイッチング素子が用いられる。
特開2013-58779号公報 特開2007-4924号公報 米国特許第6522578号明細書
スイッチング素子の劣化を抑制する。
実施形態のメモリデバイスは、直列に接続された抵抗変化素子及びスイッチング素子を含むメモリセルと、制御回路と、を備える。上記制御回路は、第1電流に基づき上記抵抗変化素子を第1抵抗値にする第1動作と、第2電流に基づき上記抵抗変化素子を上記第1抵抗値と異なる第2抵抗値にする第2動作と、第3電流に基づき上記抵抗変化素子が上記第1抵抗値か上記第2抵抗値かを判定する第3動作と、を実行するように構成される。上記制御回路は、少なくとも1つの動作において、互いに異なる極性を有する2つの電流を上記メモリセルに交互に流すように構成される。
第1実施形態に係るメモリデバイスを含むメモリシステムの構成の一例を示すブロック図。 第1実施形態に係るメモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図。 第1実施形態に係る抵抗変化素子の構成の一例を示す断面図。 第1実施形態に係るメモリデバイスにおける一連の動作の一例を示すフローチャート。 第1実施形態に係るメモリデバイスにおけるライト動作の一例を示すタイミングチャート。 第1実施形態に係るメモリデバイスにおけるライト動作の一例を示すタイミングチャート。 第1実施形態に係るメモリデバイスにおけるリード動作の一例を示すタイミングチャート。 第1実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおける一連の動作の一例を示すフローチャート。 第1実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおけるリード動作を伴うライト動作の第1例を示すタイミングチャート。 第1実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおけるリード動作を伴うライト動作の第2例を示すタイミングチャート。 第1実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおけるリード動作を伴うライト動作の第3例を示すタイミングチャート。 第2実施形態に係るメモリデバイスにおける一連の動作の一例を示すフローチャート。 第2実施形態に係るメモリデバイスにおけるライト動作の一例を示すタイミングチャート。 第2実施形態に係るメモリデバイスにおけるライト動作の一例を示すタイミングチャート。 第2実施形態に係るメモリデバイスにおけるリード動作の一例を示すタイミングチャート。 第2実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおける一連の動作の一例を示すフローチャート。 第2実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおけるリード動作を伴うライト動作の第1例を示すタイミングチャート。 第2実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおけるリード動作を伴うライト動作の第2例を示すタイミングチャート。 第2実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおけるリード動作を伴うライト動作の第3例を示すタイミングチャート。 第2実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおけるリード動作を伴うライト動作の第4例を示すタイミングチャート。 第3実施形態に係るメモリデバイスにおける一連の動作の一例を示すフローチャート。 第4実施形態に係るメモリデバイスにおける一連の動作の一例を示すフローチャート。 第5実施形態に係るメモリコントローラの構成の一例を示すブロック図。 第5実施形態に係るメモリコントローラにおける一連の動作の一例を示すフローチャート。 第5実施形態に係るメモリデバイスにおけるリフレッシュ動作の一例を示すタイミングチャート。 第5実施形態の変形例に係るメモリコントローラにおける一連の動作の一例を示すフローチャート。 その他の変形例に係るメモリデバイスにおけるライト動作の一例を示すタイミングチャート。 その他の変形例に係るメモリデバイスにおけるライト動作の一例を示すタイミングチャート。 その他の変形例に係るメモリデバイスにおけるライト動作の一例を示すタイミングチャート。 その他の変形例に係るメモリデバイスにおけるライト動作の一例を示すタイミングチャート。
以下、図面を参照していくつかの実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。また、共通する参照符号を有する複数の構成要素を区別する場合、当該共通する参照符号に添え字を付して区別する。
1.第1実施形態
第1実施形態について説明する。
1.1 構成
1.1.1 メモリシステム
まず、第1実施形態に係るメモリデバイスを含むメモリシステムの構成について説明する。図1は、第1実施形態に係るメモリデバイスを含むメモリシステムの構成の一例を示すブロック図である。
メモリシステム1は、記憶装置である。メモリシステム1は、データのライト動作、及びリード動作を実行する。メモリシステム1は、メモリデバイス2及びメモリコントローラ3を含む。
メモリデバイス2は、例えば、磁気メモリデバイス(MRAM:Magnetoresistive Random Access Memory)である。メモリデバイス2は、不揮発にデータを記憶する。メモリデバイス2は、記憶素子として磁気抵抗効果素子を含む。磁気抵抗効果素子は、磁気トンネル接合(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)によって磁気抵抗効果(Magnetoresistance effect)を有する抵抗変化素子の一種である。磁気抵抗効果素子は、MTJ素子とも称される。
メモリコントローラ3は、例えば、SoC(System-on-a-Chip)のような集積回路で構成される。メモリコントローラ3は、外部の図示せぬホスト機器からの要求に応じて、メモリデバイス2に対してライト動作及びリード動作等を実行させる。ライト動作に際して、メモリコントローラ3は、書き込むデータをメモリデバイス2に送信する。また、リード動作に際して、メモリコントローラ3は、メモリデバイス2から読み出されたデータを受信する。
1.1.2 メモリデバイス
次に、引き続き図1を参照して、第1実施形態に係るメモリデバイスの内部構成について説明する。
メモリデバイス2は、メモリセルアレイ10、ロウ選択回路11、カラム選択回路12、デコード回路13、書込み回路14、読出し回路15、電圧生成回路16、入出力回路17、及び制御回路18を備える。
メモリセルアレイ10は、メモリデバイス2におけるデータの記憶部である。メモリセルアレイ10は、複数のメモリセルMCを備える。複数のメモリセルMCの各々は、行(row)及び列(column)の組に対応付けられる。同一行にあるメモリセルMCは、同一のワード線WLに接続され、同一列にあるメモリセルMCは、同一のビット線BLの組に接続される。
ロウ選択回路11は、メモリセルアレイ10の行を選択する回路である。ロウ選択回路11は、ワード線WLを介してメモリセルアレイ10と接続される。ロウ選択回路11には、デコード回路13からのアドレスADDのデコード結果(ロウアドレス)が供給される。ロウ選択回路11は、アドレスADDのデコード結果に基づいた行に対応するワード線WLを選択する。以下において、選択されたワード線WLは、選択ワード線WLと言う。また、選択ワード線WL以外のワード線WLは、非選択ワード線WLと言う。
カラム選択回路12は、メモリセルアレイ10の列を選択する回路である。カラム選択回路12は、ビット線BLを介してメモリセルアレイ10と接続される。カラム選択回路12には、デコード回路13からのアドレスADDのデコード結果(カラムアドレス)が供給される。カラム選択回路12は、アドレスADDのデコード結果に基づいた列に対応するビット線BLを選択する。以下において、選択されたビット線BLは、選択ビット線BLと言う。また、選択ビット線BL以外のビット線BLは、非選択ビット線BLと言う。
なお、選択ワード線WL及び選択ビット線BLによって特定されたメモリセルMCは、選択メモリセルMCと言う。選択メモリセルMC以外のメモリセルMCは、非選択メモリセルMCと言う。選択メモリセルMCには、選択ワード線WL及び選択ビット線BLを介して、所定の電流を流すことができる。
デコード回路13は、入出力回路17からのアドレスADDをデコードするデコーダである。デコード回路13は、アドレスADDのデコード結果を、ロウ選択回路11、及びカラム選択回路12に供給する。アドレスADDは、選択されるカラムアドレス、及びロウアドレスを含む。
書込み回路14は、例えば、書込みドライバ(図示せず)を含む。書込み回路14は、ライト動作において、メモリセルMCへデータを書き込む。
読出し回路15は、例えば、センスアンプ(図示せず)を含む。読出し回路15は、リード動作において、メモリセルMCからデータを読み出す。
電圧生成回路16は、メモリデバイス2の外部(図示せず)から提供された電源電圧を用いて、メモリセルアレイ10の各種の動作のための電圧を生成する。例えば、電圧生成回路16は、ライト動作の際に必要な種々の電圧を生成し、書込み回路14に出力する。また、例えば、電圧生成回路16は、リード動作の際に必要な種々の電圧を生成し、読出し回路15に出力する。
入出力回路17は、メモリコントローラ3との通信を司る。入出力回路17は、メモリコントローラ3からのアドレスADDを、デコード回路13に転送する。入出力回路17は、メモリコントローラ3からのコマンドCMDを、制御回路18に転送する。入出力回路17は、種々の制御信号CNTを、メモリコントローラ3と、制御回路18と、の間で送受信する。入出力回路17は、メモリコントローラ3からのデータDATを書込み回路14に転送する。入出力回路17は、読出し回路15から転送されたデータDATをメモリコントローラ3に出力する。
制御回路18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ、及びROM(Read Only Memory)を含む。制御回路18は、制御信号CNT及びコマンドCMDに基づいて、メモリデバイス2内のロウ選択回路11、カラム選択回路12、デコード回路13、書込み回路14、読出し回路15、電圧生成回路16、及び入出力回路17の動作を制御する。
1.1.3 メモリセルアレイ
次に、第1実施形態に係るメモリデバイスのメモリセルアレイの回路構成について説明する。
図2は、第1実施形態に係るメモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図である。図2では、ワード線WL及びビット線BLの各々が、インデックス(“<>”)を含む添え字によって分類されて示される。
メモリセルアレイ10は、複数のメモリセルMC、複数のワード線WL、及び複数のビット線BLを含む。図2の例では、複数のメモリセルMCは、(M+1)×(N+1)個のメモリセルMC<0,0>、MC<0,1>、…、MC<0,N>、MC<1,0>、…、及びMC<M,N>を含む(M及びNは、2以上の整数)。なお、図2の例では、M及びNが2以上の整数である場合について示したが、これに限られない。M及びNは、0又は1であってもよい。複数のワード線WLは、(M+1)本のワード線WL<0>、WL<1>、…、及びWL<M>を含む。複数のビット線BLは、(N+1)本のビット線BL<0>、BL<1>、…、及びBL<N>を含む。
複数のメモリセルMCは、マトリクス状に配置される。メモリセルMCは、1本のワード線WL、及び1本のビット線BLの組に対応付けられる。すなわち、メモリセルMC<i,j>(0≦i≦M、0≦j≦N)は、ワード線WL<i>、ビット線BL<j>に接続される。メモリセルMC<i,j>は、スイッチング素子SW<i,j>、及び抵抗変化素子SE<i,j>を含む。スイッチング素子SW<i,j>及び抵抗変化素子SE<i,j>は、直列に接続される。
スイッチング素子SWは、2端子型のスイッチング素子である。2端子型のスイッチング素子は、3個目の端子を含まない点において、トランジスタ等の3端子型のスイッチング素子と異なる。より具体的には、例えば、対応するメモリセルMCに印加される電圧が閾値電圧Vth未満の場合、スイッチング素子SWは、抵抗値の大きい絶縁体として電流を遮断する(オフ状態となる)。対応するメモリセルMCに印加される電圧が閾値電圧Vth以上の場合、スイッチング素子SWは、抵抗値の小さい導電体として電流を流す(オン状態となる)。スイッチング素子SWは、2端子間に印加される電圧がどちらの極性でも(流れる電流の方向に依らず)、対応するメモリセルMCに印加される電圧の大きさに応じて、電流を流すか遮断するかを切替える。
以上のような構成により、メモリセルMCが選択されると、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWがオン状態となる。これにより、選択メモリセルMC内の抵抗変化素子SEに電流を流すことができる。
抵抗変化素子SEは、記憶素子である。抵抗変化素子SEは、スイッチング素子SWがオン状態の際に流れる電流に基づき、抵抗値を低抵抗状態と高抵抗状態とに切替えることができる。抵抗変化素子SEは、その抵抗状態の変化によってデータを不揮発に記憶する。
1.1.4 抵抗変化素子
次に、第1実施形態に係る抵抗変化素子の構成について説明する。
図3は、第1実施形態に係る抵抗変化素子の構成の一例を示す断面図である。図3では、抵抗変化素子SEが、磁気抵抗効果素子(MTJ素子)である場合の構成の一例が示される。磁気抵抗効果素子である場合、抵抗変化素子SEは、強磁性層21、非磁性層22、及び強磁性層23を含む。強磁性層21、非磁性層22、及び強磁性層23は、半導体基板(図示せず)の上方に積層される。
強磁性層21は、強磁性を有する導電膜である。強磁性層21は、記憶層(Storage Layer)として使用される。強磁性層21は、積層面に垂直な方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性層21の磁化方向は、可変である。強磁性層21は、鉄(Fe)を含む。強磁性層21は、コバルト(Co)、及びニッケル(Ni)のうちの少なくとも1つの元素を更に含んでもよい。また、強磁性層21は、ボロン(B)を更に含んでもよい。より具体的には、例えば、強磁性層21は、鉄コバルトボロン(FeCoB)又はホウ化鉄(FeB)を含んでもよい。
強磁性層21の膜面上には、非磁性層22が設けられる。非磁性層22は、非磁性を有する絶縁膜である。非磁性層22は、トンネルバリア層(Tunnel Barrier Layer)として使用される。非磁性層22は、強磁性層21と強磁性層23との間に設けられて、これら2つの強磁性層と共に磁気トンネル接合を形成する。また、非磁性層22は、強磁性層21の結晶化処理において、強磁性層21との界面から結晶質の膜を成長させるための核となるシード材としても機能する。非磁性層22は、膜面が(001)面に配向したNaCl結晶構造を有する。非磁性層22は、例えば、酸化マグネシウム(MgO)を含む。
非磁性層22に対して強磁性層21が設けられる膜面と反対側に位置する非磁性層22の膜面上には、強磁性層23が設けられる。強磁性層23は、強磁性を有する導電膜である。強磁性層23は、参照層(Reference Layer)として使用される。強磁性層23は、膜面に垂直な方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性層23の磁化方向は、固定されている。図3の例では、強磁性層23の磁化方向は、強磁性層21の方向を向いている。なお、「磁化方向が固定されている」とは、強磁性層21の磁化方向を反転させ得る大きさのトルクによって、磁化方向が変化しないことを意味する。強磁性層23は、例えば、コバルト白金(CoPt)、コバルトニッケル(CoNi)、及びコバルトパラジウム(CoPd)から選択される少なくとも1つの化合物を含む。
磁気抵抗効果素子は、記憶層及び参照層の磁化方向の相対関係が平行か反平行かによって、低抵抗状態及び高抵抗状態のいずれかを取ることが出来る。以下では、磁気抵抗効果素子の抵抗状態を変化させる方式として、スピン注入書込み方式が用いられる場合について説明する。スピン注入書込み方式では、磁気抵抗効果素子に書込み電流を流すことによってスピントルクを発生させる。そして、発生させたスピントルクによって、参照層の磁化方向に対する記憶層の磁化方向を制御する。
記憶層から参照層に向かって(図3における矢印A1の方向に)磁気抵抗効果素子に書込み電流Iw0を流すと、記憶層及び参照層の磁化方向の相対関係は、平行になる。平行状態の場合、磁気抵抗効果素子は低抵抗状態に設定される。低抵抗状態は、例えば、データ“0”と対応づけられる。低抵抗状態は、「P(Parallel)状態」とも呼ばれる。
また、参照層から記憶層に向かって(図3における矢印A2の方向に)磁気抵抗効果素子に書込み電流Iw0より大きい書込み電流Iw1を流すと、記憶層及び参照層の磁化方向の相対関係は、反平行になる。反平行状態の場合、磁気抵抗効果素子は高抵抗状態に設定される。高抵抗状態は、例えば、データ“1”と対応づけられる。高抵抗状態は、「AP(Anti-Parallel)状態」とも呼ばれる。
また、磁気抵抗効果素子に読出し電流Irを流すと、記憶層及び参照層の磁化方向は、変化しない。読出し回路15は、読出し電流Irに基づき、磁気抵抗効果素子の抵抗状態がP状態であるかAP状態であるかを判定する。これにより、読出し回路15は、メモリセルMCからデータを読み出すことができる。
以下では、説明の便宜上、矢印A1の方向に電流を流すための信号の極性を正(positive)とする。矢印A2の方向に電流を流すための信号の極性を負(negative)とする。読出し電流Irの極性は、正とする。
なお、抵抗状態とデータとの対応関係は、上述した例に限られない。例えば、P状態及びAP状態はそれぞれ、データ“1”及び“0”に対応づけられてもよい。また、読出し電流Irの極性は、負であってもよい。
1.2 動作
次に、第1実施形態に係るメモリデバイスにおける一連の動作について説明する。メモリデバイス2における一連の動作は、例えば、メモリコントローラ3からのコマンドに応じて実行される。
1.2.1 フローチャート
図4は、第1実施形態に係るメモリデバイスにおける一連の動作の一例を示すフローチャートである。
メモリコントローラ3からコマンドを受信すると(開始)、メモリデバイス2の制御回路18は、受信したコマンドがライトコマンド又はリードコマンドであるか否かを判定する(S1)。
受信したコマンドがライトコマンド又はリードコマンドである場合(S1;yes)、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、ライトパルス又はリードパルスを印加する(S2)。具体的には、受信したコマンドがライトコマンドである場合、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCにライトパルスを印加する。受信したコマンドがリードコマンドである場合、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCにリードパルスを印加する。
S2の処理の後、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、ライトパルス又はリードパルスの極性と反転する極性を有するリカバリパルスを印加する(S3)。具体的には、S2の処理においてライトパルスが印加された場合、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、ライトパルスの極性と反転する極性を有するリカバリパルスを印加する。S2の処理においてリードパルスが印加された場合、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、リードパルスの極性と反転する極性を有するリカバリパルスを印加する。
S3の処理の後、又は受信したコマンドがライトコマンド及びリードコマンドのいずれでもない場合(S1;no)、メモリデバイス2における一連の動作は終了となる(終了)。
なお、パルスとは、有限の期間において、選択メモリセルMCに印加される信号である。パルスは、選択メモリセルMCに印加される電圧信号を含む。パルスは、電圧信号によって選択メモリセルMCに流れる電流信号を含む。
1.2.2 タイミングチャート
図5及び図6は、第1実施形態に係るメモリデバイスにおけるライト動作の一例を示すタイミングチャートである。図7は、第1実施形態に係るメモリデバイスにおけるリード動作の一例を示すタイミングチャートである。図5に示されるライト動作は、抵抗変化素子SEをP状態にする動作(データ“0”のライト動作)に対応する。図6に示されるライト動作は、抵抗変化素子SEをAP状態にする動作(データ“1”のライト動作)に対応する。
データ“0”を書き込む場合、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWは、書込み電圧Vw0(図示せず)が印加されることにより、オン状態となる。これにより、選択メモリセルMCには、期間Dw0にわたって書込み電流Iw0が印加される。しかる後、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWは、電圧Vrec_w0(図示せず)が印加されることにより、オン状態となる。これにより、選択メモリセルMCには、期間Drec_w0にわたって電流Irec_w0が印加される。期間Dw0と期間Drec_w0との間の期間は、任意の長さにすることができる。書込み電流Iw0が正の極性を有するのに対し、電流Irec_w0は、負の極性を有する。
データ“1”を書き込む場合、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWは、書込み電圧Vw1(図示せず)が印加されることにより、オン状態となる。これにより、選択メモリセルMCには、期間Dw1にわたって書込み電流Iw1が印加される。しかる後、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWは、電圧Vrec_w1(図示せず)が印加されることにより、オン状態となる。これにより、期間Drec_w1にわたって電流Irec_w1が印加される。期間Dw1と期間Drec_w1との間の期間は、任意の長さにすることができる。書込み電流Iw1は、書込み電流Iw0よりも大きく、かつ書込み電流Iw0と反転する極性を有する。期間Dw1は、期間Dw0より長い。書込み電流Iw1が負の極性を有するのに対し、電流Irec_w1は、正の極性を有する。
データを読み出す場合、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWは、読出し電圧Vr(図示せず)が印加されることにより、オン状態となる。これにより、選択メモリセルMCには、期間Drにわたって読出し電流Irが印加される。しかる後、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWは、電圧Vrec_r(図示せず)が印加されることにより、オン状態となる。これにより、期間Drec_rにわたって電流Irec_rが印加される。期間Drと期間Drec_rとの間の期間は、任意の長さにすることができる。読出し電流Irは、書込み電流Iw0及びIw1よりも小さい。期間Drは、期間Dw0及びDw1よりも短い。読出し電流Irが正の極性を有するのに対し、電流Irec_rは、負の極性を有する。
電流Irec_w0、Irec_w1、及びIrec_rの各々は、書込み電流Iw0及びIw1よりも小さい。電流Irec_w0、Irec_w1、及びIrec_rの各々は、読出し電流Irより小さくてもよい。電流Irec_w0、Irec_w1、及びIrec_rは、互いに等しくてもよい。電流Irec_w0、Irec_w1、及びIrec_rは、互いに異なっていてもよい。
期間Drec_w0、Drec_w1、及びDrec_rの各々は、期間Dw0及びDw1よりも短い。期間Drec_w0、Drec_w1、及びDrec_rの各々は、期間Drより短くてもよい。期間Drec_w0、Drec_w1、及びDrec_rは、互いに等しくてもよい。期間Drec_w0、Drec_w1、及びDrec_rは、互いに異なっていてもよい。
また、電圧Vrec_w0、Vrec_w1、及びVrec_rの各々は、書込み電圧Vw0及びVw1よりも小さい。電圧Vrec_w0、Vrec_w1、及びVrec_rの各々は、読出し電圧Vrより小さくてもよい。電圧Vrec_w0、Vrec_w1、及びVrec_rは、互いに等しくてもよい。電圧Vrec_w0、Vrec_w1、及びVrec_rは、互いに異なっていてもよい。
1.3 第1実施形態に係る効果
第1実施形態によれば、メモリデバイス2は、データ“0”のライト動作において、選択メモリセルMCに、互いに異なる極性を有する電流Iw0及びIrec_w0を交互にこの順に印加する。メモリデバイス2は、データ“1”のライト動作において、選択メモリセルMCに、互いに異なる極性を有する電流Iw1及びIrec_w1を交互にこの順に印加する。メモリデバイス2は、リード動作において、選択メモリセルMCに、互いに異なる極性を有する電流Ir及びIrec_rを交互にこの順に印加する。これにより、ライト動作及びリード動作が実行されるたび、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWを、互いに異なる極性を有する2つの信号によって交互にオン状態にすることができる。このため、スイッチング素子SWをオン状態にする信号の極性が正及び負の一方に偏ることを抑制できる。したがって、スイッチング素子SWのエンデュランスの劣化を抑制することができる。
1.4 第1実施形態の変形例
なお、上述の第1実施形態では、全てのライト動作及びリード動作においてリカバリパルスが印加される場合について説明したが、これに限られない。例えば、ライト動作及びリード動作の実行順が予め分かる場合には、リカバリパルスが省略されてもよい。
1.4.1 フローチャート
図8は、第1実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおける一連の動作の一例を示すフローチャートである。
メモリコントローラ3からコマンドを受信すると(開始)、制御回路18は、受信したコマンドがライトコマンドであるか否かを判定する(S11)。
受信したコマンドがライトコマンドでない場合(S11;no)、メモリデバイス2における一連の動作は終了となる(終了)。
受信したコマンドがライトコマンドである場合(S11;yes)、制御回路18は、ライト動作の前にリード動作を実行する。ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、リードパルスを印加する(S12)。
読出し回路15は、S12の処理で印加されたリードパルスに基づき、選択メモリセルMCからデータを読み出す。制御回路18は、読み出されたデータが、受信したライトコマンドによって書き込まれるデータと、異なるか否かを判定する(S13)。
読み出されたデータが書き込まれるデータと一致する場合(S13;no)、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、リードパルスの極性と反転する極性を有するリカバリパルスを印加する(S14)。S14の処理の後、メモリデバイス2における一連の動作は終了となる(終了)。
読み出されたデータが書き込まれるデータと異なる場合(S13;yes)、制御回路18は、書き込まれるデータに対応するライトパルスの極性が、読み出されたデータに対応するリードパルスの極性と同じか否かを判定する(S15)。
ライトパルスの極性がリードパルスの極性と異なる場合(S15;no)、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCにライトパルスを印加する(S16)。S16の処理の後、メモリデバイス2における一連の動作は終了となる(終了)。
ライトパルスの極性がリードパルスの極性と同じ場合(S15;yes)、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、リードパルスの極性と反転する極性を有するリカバリパルスを印加する(S17)。
S17の処理の後、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCにライトパルスを印加する(S18)。
S18の処理の後、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、ライトパルスの極性と反転する極性を有するリカバリパルスを印加する(S19)。S19の処理の後、メモリデバイス2における一連の動作は終了となる(終了)。
1.4.2 タイミングチャート
図9は、第1実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおけるリード動作を伴うライト動作の第1例を示すタイミングチャートである。図10は、第1実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおけるリード動作を伴うライト動作の第2例を示すタイミングチャートである。図11は、第1実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおけるリード動作を伴うライト動作の第3例を示すタイミングチャートである。第1例は、読み出されたデータが書き込まれるデータと同じ場合に対応する。第2例は、読み出されたデータが書き込まれるデータと異なり、かつライトパルスの極性がリードパルスの極性と同じ場合に対応する。第3例は、読み出されたデータが書き込まれるデータと異なり、かつライトパルスの極性がリードパルスの極性と異なる場合に対応する。
第1例~第3例のいずれにおいても、まず、選択メモリセルMCには、期間Drにわたって読出し電流Irが印加される。
第1例では、書き込まれるデータと同じデータが既に選択メモリセルMCに記憶されている。すなわち、ライトパルスの印加は不要である。このため、期間Drの後、選択メモリセルMCには、期間Drec_rにわたって電流Irec_rが印加される。そして、ライトパルス、及びライトパルスに後続するリカバリパルスは、省略される。
第2例では、例えば、読み出されたデータが“1”であるのに対して、書き込まれるデータが“0”である場合が想定される。すなわち、第2例では、選択メモリセルMCにリードパルスの極性と同じ正の極性を有するライトパルスが印加される。このため、期間Drの後、選択メモリセルMCには、期間Drec_rにわたって電流Irec_rが印加される。そして、期間Drec_rの後、選択メモリセルMCには、期間Dw0にわたって書込み電流Iw0が印加された後、期間Drec_w0にわたって電流Irec_w0が印加される。
第3例では、例えば、読み出されたデータが“0”であるのに対して、書き込まれるデータが“1”である場合が想定される。すなわち、第3例では、選択メモリセルMCにリードパルスの極性と異なる負の極性を有するライトパルスが印加される。このため、リードパルスに後続するリカバリパルス、及びライトパルスに後続するリカバリパルスが省略される。そして、期間Drの後、選択メモリセルMCには、期間Dw1にわたって書込み電流Iw1が印加される。
1.4.3 第1実施形態の変形例に係る効果
第1実施形態の変形例によれば、メモリデバイス2は、ライト動作に先立ってリード動作を実行する。これにより、不要なライト動作を省略することができる。また、ライト動作が必要な場合において、リードパルスの極性とライトパルスの極性とが互いに異なる場合、メモリデバイス2は、当該リードパルスとライトパルスとの間に予定されているリカバリパルス(リードパルスに後続するリカバリパルス)、及びライトパルスに後続するリカバリパルスを省略する。これにより、不要なリカバリ動作を省略しつつ、連続するリード動作とライト動作にわたって、同じ極性のパルスが連続することを抑制することができる。このため、スイッチング素子のエンデュランスの劣化を抑制することができる。
2. 第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、リカバリパルスとライトパルス及びリードパルスとの実行順が反対になる点において、第1実施形態と異なる。以下では、第1実施形態と異なる構成及び動作について主に説明する。第1実施形態と同等の構成及び動作については、説明を適宜省略する。
2.1 フローチャート
図12は、第2実施形態に係るメモリデバイスにおける一連の動作の一例を示すフローチャートである。図12は、第1実施形態における図4に対応する。
メモリコントローラ3からコマンドを受信すると(開始)、制御回路18は、受信したコマンドがライトコマンド又はリードコマンドであるか否かを判定する(S21)。
受信したコマンドがライトコマンド又はリードコマンドである場合(S21;yes)、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、ライトパルス又はリードパルスの極性と反転する極性を有するリカバリパルスを印加する(S22)。具体的には、受信したコマンドがライトコマンドである場合、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、当該ライトコマンドに応じて印加されるライトパルスの極性と反転する極性を有するリカバリパルスを印加する。受信したコマンドがリードコマンドである場合、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、当該リードコマンドに応じて印加されるリードパルスの極性と反転する極性を有するリカバリパルスを印加する。
S22の処理の後、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、ライトパルス又はリードパルスを印加する(S23)。具体的には、受信したコマンドがライトコマンドである場合、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCにライトパルスを印加する。受信したコマンドがリードコマンドである場合、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCにリードパルスを印加する。
S23の処理の後、又は受信したコマンドがライトコマンド及びリードコマンドのいずれでもない場合(S21;no)、メモリデバイス2における一連の動作は終了となる(終了)。
2.2 タイミングチャート
図13及び図14は、第2実施形態に係るメモリデバイスにおけるライト動作の一例を示すタイミングチャートである。図15は、第2実施形態に係るメモリデバイスにおけるリード動作の一例を示すタイミングチャートである。図13~図15はそれぞれ、第1実施形態における図5~図7に対応する。
データ“0”を書き込む場合、選択メモリセルMCには、期間Drec_w0にわたって書込み電流Irec_w0が印加された後、期間Dw0にわたって電流Iw0が印加される。
データ“1”を書き込む場合、選択メモリセルMCには、期間Drec_w1にわたって書込み電流Irec_w1が印加された後、期間Dw1にわたって電流Iw1が印加される。
データを読み出す場合、選択メモリセルMCには、期間Drec_rにわたって読出し電流Irec_rが印加された後、期間Drにわたって電流Irが印加される。
2.3 第2実施形態に係る効果
第2実施形態によれば、メモリデバイス2は、データ“0”のライト動作において、選択メモリセルMCに、互いに異なる極性を有する電流Irec_w0及びIw0を交互にこの順に印加する。メモリデバイス2は、データ“1”のライト動作において、選択メモリセルMCに、互いに異なる極性を有する電流Irec_w1及びIw1を交互にこの順に印加する。メモリデバイス2は、リード動作において、選択メモリセルMCに、互いに異なる極性を有する電流Irec_r及びIrを交互にこの順に印加する。これにより、第1実施形態と同様に、ライト動作及びリード動作が実行されるたび、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWを、互いに異なる極性を有する2つの信号によって交互にオン状態にすることができる。したがって、スイッチング素子SWのエンデュランスの劣化を抑制することができる。
2.4 第2実施形態の変形例
なお、上述の第2実施形態では、全てのライト動作及びリード動作においてリカバリパルスが印加される場合について説明したが、これに限られない。例えば、第1実施形態の変形例と同様に、ライト動作及びリード動作の実行順が予め分かる場合には、リカバリパルスが省略されてもよい。
2.4.1 フローチャート
図16は、第2実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおける一連の動作の一例を示すフローチャートである。図16は、第1実施形態の変形例における図8に対応する。
メモリコントローラ3からコマンドを受信すると(開始)、制御回路18は、受信したコマンドがライトコマンドであるか否かを判定する(S31)。
受信したコマンドがライトコマンドでない場合(S31;no)、メモリデバイス2における一連の動作は終了となる(終了)。
受信したコマンドがライトコマンドである場合(S31;yes)、制御回路18は、書き込まれるデータに対応するライトパルスの極性が、読み出されるデータに対応するリードパルスの極性と同じか否かを判定する(S32)。
ライトパルスの極性がリードパルスの極性と同じ場合(S32;yes)、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、リードパルスの極性と反転する極性を有するリカバリパルスを印加する(S33)。
ライトパルスの極性がリードパルスの極性と異なる場合(S32;no)、又はS33の処理の後、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、リードパルスを印加する(S34)。
読出し回路15は、S34の処理で印加されたリードパルスに基づき、選択メモリセルMCからデータを読み出す。制御回路18は、読み出されたデータが、受信したライトコマンドによって書き込まれるデータと、異なるか否かを判定する(S35)。
読み出されたデータが書き込まれるデータと一致する場合(S35;no)、制御回路18は、書き込まれるデータに対応するライトパルスの極性が、読み出されたデータに対応するリードパルスの極性と同じか否かを判定する(S36)。
ライトパルスの極性がリードパルスの極性と同じ場合(S36;yes)、メモリデバイス2における一連の動作は終了となる(終了)。
ライトパルスの極性がリードパルスの極性と異なる場合(S36;no)、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、リードパルスの極性と反転する極性を有するリカバリパルスを印加する(S37)。S37の処理の後、メモリデバイス2における一連の動作は終了となる(終了)。
読み出されたデータが書き込まれるデータと異なる場合(S35;yes)、制御回路18は、書き込まれるデータに対応するライトパルスの極性が、読み出されたデータに対応するリードパルスの極性と同じか否かを判定する(S38)。
ライトパルスの極性がリードパルスの極性と同じ場合(S38;yes)、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、ライトパルスの極性と反転する極性を有するリカバリパルスを印加する(S39)。
ライトパルスの極性がリードパルスの極性と異なる場合(S38;no)、又はS39の処理の後、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCにライトパルスを印加する(S40)。
S40の処理の後、メモリデバイス2における一連の動作は終了となる(終了)。
2.4.2 タイミングチャート
図17は、第2実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおけるリード動作を伴うライト動作の第1例を示すタイミングチャートである。図18は、第2実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおけるリード動作を伴うライト動作の第2例を示すタイミングチャートである。図19は、第2実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおけるリード動作を伴うライト動作の第3例を示すタイミングチャートである。図20は、第2実施形態の変形例に係るメモリデバイスにおけるリード動作を伴うライト動作の第4例を示すタイミングチャートである。図17及び図18は、第1実施形態の変形例における図9に対応する。図19及び図20はそれぞれ、第1実施形態の変形例における図10及び図11に対応する。
第1例~第4例のいずれにおいても、まず、リードパルスの極性とライトパルスの極性とが一致するか異なるかが判定される。
第1例及び第3例では、書き込まれるデータが“0”である場合が想定される。すなわち、第1例及び第3例では、選択メモリセルMCに印加されるライトパルスの極性は、リードパルスの極性と一致する。このため、選択メモリセルMCには、期間Drec_rにわたって電流Irec_rが印加された後、期間Drにわたって読出し電流Irが印加される。
第2例及び第4例では、書き込まれるデータが“1”である場合が想定される。すなわち、第2例及び第4例では、選択メモリセルMCに印加されるライトパルスの極性は、リードパルスの極性と異なる。このため、リードバルスに先行するリカバリパルスは、省略される。そして、選択メモリセルMCには、期間Drにわたって読出し電流Irが印加される。
リードパルスが印加された後、読み出されたデータが、受信したライトコマンドによって書き込まれるデータと、異なるか否かが判定される。
第1例では、書き込まれるデータと同じデータ“0”が既に選択メモリセルMCに記憶されている。すなわち、ライトパルスの印加は不要である。このため、期間Drの後、ライトパルスに先行するリカバリパルス、及びライトパルスは、省略される。
第2例では、書き込まれるデータと同じデータ“1”が既に選択メモリセルMCに記憶されている。すなわち、ライトパルスの印加は不要である一方、リードパルスに対応するリカバリパルスの印加が要求される。このため、期間Drの後、ライトパルスに先行するリカバリパルス、及びライトパルスは、省略される。そして、選択メモリセルMCには、期間Drec_rにわたって電流Irec_rが印加される。
第3例では、例えば、読み出されたデータが“1”であるのに対して、書き込まれるデータが“0”である場合が想定される。すなわち、第3例では、選択メモリセルMCにリードパルスの極性と同じ正の極性を有するライトパルスが印加される。このため、期間Drの後、選択メモリセルMCには、期間Drec_w0にわたって電流Irec_w0が印加された後、期間Dw0にわたって書込み電流Iw0が印加される。
第4例では、例えば、読み出されたデータが“0”であるのに対して、書き込まれるデータが“1”である場合が想定される。すなわち、第4例では、選択メモリセルMCにリードパルスの極性と異なる負の極性を有するライトパルスが印加される。このため、ライトパルスに先行するリカバリパルスが省略される。そして、期間Drの後、選択メモリセルMCには、期間Dw1にわたって書込み電流Iw1が印加される。
2.4.3 第2実施形態の変形例に係る効果
第2実施形態の変形例によれば、メモリデバイス2は、ライト動作に先立ってリード動作を実行する。これにより、不要なライト動作を省略することができる。また、リードパルスの極性とライトパルスの極性とが互いに異なる場合、メモリデバイス2は、当該リードパルスに先行するリカバリパルス、及びリードパルスとライトパルスとの間に予定されているリカバリパルス(ライトパルスに先行するリカバリパルス)を省略する。これにより、不要なリカバリ動作を省略しつつ、連続するリード動作とライト動作にわたって、同じ極性のパルスが連続することを抑制することができる。このため、スイッチング素子のエンデュランスの劣化を抑制することができる。
3. 第3実施形態
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、データ“1”を書き込むライトパルスに対応するリカバリパルスが、当該ライトパルスの前に印加される点において、第1実施形態と異なる。以下では、第1実施形態及び第2実施形態と異なる構成及び動作について主に説明する。第1実施形態及び第2実施形態と同等の構成及び動作については、説明を適宜省略する。
3.1 フローチャート
図21は、第3実施形態に係るメモリデバイスにおける一連の動作の一例を示すフローチャートである。図21は、第1実施形態における図4に対応する。
メモリコントローラ3からコマンドを受信すると(開始)、制御回路18は、受信したコマンドが、条件Aを満たすライトコマンド、又はリードコマンドであるか否かを判定する(S41)。条件Aは、ライトコマンドが、リードパルスの極性と同じ極性を有するライトパルスに対応することである。
受信したコマンドが条件Aを満たすライトコマンド、又はリードコマンドである場合(S41;yes)、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、ライトパルス又はリードパルスを印加する(S42)。
S42の処理の後、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、ライトパルス又はリードパルスの極性と反転する極性を有するリカバリパルスを印加する(S43)。
受信したコマンドが条件Aを満たすライトコマンド、及びリードコマンドのいずれでもない場合(S41;no)、制御回路18は、受信したコマンドが、条件Bを満たすライトコマンドであるか否かを判定する(S44)。条件Bは、ライトコマンドが、リードパルスの極性と反転する極性を有するライトパルスに対応することである。
受信したコマンドが条件Bを満たすライトコマンドである場合(S44;yes)、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、ライトパルスの極性と反転する極性を有するリカバリパルスを印加する(S45)。
S45の処理の後、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、ライトパルスを印加する(S46)。
S43の処理の後、S46の処理の後、又は受信したコマンドが条件Bを満たすライトコマンドでない場合(S44;no)、メモリデバイス2における一連の動作は終了となる(終了)。
3.2 第3実施形態に係る効果
第3実施形態によれば、メモリデバイス2は、データ“0”のライト動作において、選択メモリセルMCに、互いに異なる極性を有する電流Iw0及びIrec_w0を交互にこの順に印加する。メモリデバイス2は、データ“1”のライト動作において、選択メモリセルMCに、互いに異なる極性を有する電流Irec_w1及びIw1を交互にこの順に印加する。メモリデバイス2は、リード動作において、選択メモリセルMCに、互いに異なる極性を有する電流Ir及びIrec_rを交互にこの順に印加する。これにより、ライト動作及びリード動作が実行されるたび、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWを、互いに異なる極性を有する2つの信号によって交互にオン状態にすることができる。加えて、データ“0”のライト動作又はリード動作と、データ“1”のライト動作と、が連続して実行される場合でも、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWを、互いに異なる極性を有する2つの信号によって交互にオン状態にすることができる。したがって、スイッチング素子SWのエンデュランスの劣化を抑制することができる。
4. 第4実施形態
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、リカバリパルスとライトパルス及びリードパルスとの実行順が反対になる点において、第3実施形態と異なる。以下では、第3実施形態と異なる構成及び動作について主に説明する。第3実施形態と同等の構成及び動作については、説明を適宜省略する。
4.1 フローチャート
図22は、第4実施形態に係るメモリデバイスにおける一連の動作の一例を示すフローチャートである。図22は、第3実施形態における図21に対応する。
メモリコントローラ3からコマンドを受信すると(開始)、制御回路18は、受信したコマンドが、条件Aを満たすライトコマンド、又はリードコマンドであるか否かを判定する(S51)。
受信したコマンドが条件Aを満たすライトコマンド、又はリードコマンドである場合(S51;yes)、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、ライトパルス又はリードパルスの極性と反転する極性を有するリカバリパルスを印加する(S52)。
S52の処理の後、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、ライトパルス又はリードパルスを印加する(S53)。
受信したコマンドが条件Aを満たすライトコマンド、及びリードコマンドのいずれでもない場合(S51;no)、制御回路18は、受信したコマンドが、条件Bを満たすライトコマンドであるか否かを判定する(S54)。
受信したコマンドが条件Bを満たすライトコマンドである場合(S54;yes)、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、ライトパルスを印加する(S55)。
S55の処理の後、ロウ選択回路11及びカラム選択回路12は、選択メモリセルMCに、ライトパルスの極性と反転する極性を有するリカバリパルスを印加する(S56)。
S53の処理の後、S56の処理の後、又は受信したコマンドが条件Bを満たすライトコマンドでない場合(S54;no)、メモリデバイス2における一連の動作は終了となる(終了)。
4.2 第4実施形態に係る効果
第4実施形態によれば、メモリデバイス2は、データ“0”のライト動作において、選択メモリセルMCに、互いに異なる極性を有する電流Irec_w0及びIw0を交互にこの順に印加する。メモリデバイス2は、データ“1”のライト動作において、選択メモリセルMCに、互いに異なる極性を有する電流Iw1及びIrec_w1を交互にこの順に印加する。メモリデバイス2は、リード動作において、選択メモリセルMCに、互いに異なる極性を有する電流Irec_r及びIrを交互にこの順に印加する。これにより、第3実施形態と同様に、データ“0”のライト動作又はリード動作と、データ“1”のライト動作と、が連続して実行される場合でも、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWを、互いに異なる極性を有する2つの信号によって交互にオン状態にすることができる。したがって、スイッチング素子SWのエンデュランスの劣化を抑制することができる。
5. 第5実施形態
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態は、ライト動作及びリード動作以外の動作でリカバリパルスが印加される点において、第1実施形態~第4実施形態と異なる。以下では、第1実施形態~第4実施形態と異なる構成及び動作について主に説明する。第1実施形態~第4実施形態と同等の構成及び動作については、説明を適宜省略する。
5.1 メモリコントローラの構成
図23は、第5実施形態に係るメモリコントローラの構成の一例を示すブロック図である。メモリコントローラ3は、正選択数3a及び負選択数3bを記憶する。
正選択数3aは、メモリセルアレイ10内の複数のメモリセルMCの選択に際して、正の極性を有するパルスを使用した回数である。より具体的には、正選択数3aは、データ“0”のライト動作及びリード動作の総数である。
負選択数3bは、メモリセルアレイ10内の複数のメモリセルMCの選択に際して、負の極性を有するパルスを使用した回数である。より具体的には、負選択数3bは、データ“1”のライト動作の総数である。
メモリコントローラ3は、例えば、正選択数3a及び負選択数3bを、メモリセルアレイ10内の所定のメモリ領域毎に管理する。これにより、メモリコントローラ3は、スイッチング素子SWをオン状態にするために使用されたパルスの極性の偏りを把握することができる。
なお、正選択数3a及び負選択数3bの和は、ライト動作及びリード動作の総数である。これにより、メモリコントローラ3は、スイッチング素子SWをオン状態にした回数の総数を把握することができる。
5.2 メモリコントローラの動作(フローチャート)
図24は、第5実施形態に係るメモリコントローラにおける一連の動作の一例を示すフローチャートである。
データを書き込む旨の要求、又はデータを読み出す旨の要求を外部のホスト機器から受信すると(開始)、メモリコントローラ3は、ライトコマンド又はリードコマンドをメモリデバイス2に送信する(S51)。
メモリコントローラ3は、ライトコマンドに対応するライトパルス、又はリードコマンドに対応するリードパルスの極性は正であるか否かを判定する(S52)。
ライトパルス又はリードパルスの極性が正である場合(S52;yes)、メモリコントローラ3は、正選択数3aをインクリメントする(S53)。具体的には、データ“0”のライト動作の実行を指示するライトコマンド又はリードコマンドを送信した場合、メモリコントローラ3は、正選択数3aをインクリメントする。
ライトパルス又はリードパルスの極性が負である場合(S52;yes)、メモリコントローラ3は、負選択数3bをインクリメントする(S54)。具体的には、データ“1”のライト動作の実行を指示するライトコマンドを送信した場合、メモリコントローラ3は、負選択数3bをインクリメントする。
S53の処理の後、又はS54の処理の後、メモリコントローラ3は、正選択数3aと負選択数3bとの差が閾値以上であるか否かを判定する(S55)。閾値は、正の整数である。
正選択数3aと負選択数3bとの差が閾値以上である場合(S55;yes)、メモリコントローラ3は、リフレッシュコマンドを送信する(S56)。リフレッシュコマンドは、メモリデバイス2にリフレッシュ動作の実行を指示するコマンドである。リフレッシュ動作は、スイッチング素子SWをオン状態にする際に使用されるパルスの極性の偏りに伴うスイッチング素子SWのエンデュランスの劣化を抑制するための動作である。
S56の処理の後、メモリコントローラ3は、正選択数3a及び負選択数3bを“0”にリセットする(S57)。
正選択数3aと負選択数3bとの差が閾値未満である場合(S55;no)、又はS57の処理の後、メモリコントローラ3における一連の動作は終了となる(終了)。
5.3 メモリデバイスの動作(タイミングチャート)
図25は、第5実施形態に係るメモリデバイスにおけるリフレッシュ動作の一例を示すタイミングチャートである。図25では、メモリコントローラ3からのリフレッシュコマンドに基づいて選択メモリセルMCに印加される電流信号が示される。
リフレッシュコマンドを受信すると、メモリデバイス2は、リフレッシュ動作を実行する。具体的には、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWは、電圧Vrec_p(図示せず)が印加されることにより、オン状態となる。これにより、選択メモリセルMCには、期間Drec_pにわたって書込み電流Irec_pが印加される。しかる後、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWは、電圧Vrec_n(図示せず)が印加されることにより、オン状態となる。これにより、選択メモリセルMCには、期間Drec_nにわたって電流Irec_nが印加される。期間Drec_pと期間Drec_nとの間の期間は、任意の長さにすることができる。書込み電流Irec_pが正の極性を有するのに対し、電流Irec_nは、負の極性を有する。
電流Irec_p及びIrec_nの各々は、書込み電流Iw0及びIw1よりも小さい。電流Irec_p及びIrec_nの各々は、読出し電流Irより小さくてもよい。電流Irec_p及びIrec_nは、互いに等しくてもよい。電流Irec_p及びIrec_nは、互いに異なっていてもよい。
期間Drec_p及びDrec_nの各々は、期間Dw0及びDw1よりも短い。期間Drec_p及びDrec_nの各々は、期間Drより短くてもよい。期間Drec_p及びDrec_nは、互いに等しくてもよい。期間Drec_p及びDrec_nは、互いに異なっていてもよい。
また、電圧Vrec_p、及びVrec_nの各々は、書込み電圧Vw0及びVw1よりも小さい。電圧Vrec_n及びVrec_pの各々は、読出し電圧Vrより小さくてもよい。電圧Vrec_p及びVrec_nは、互いに等しくてもよい。電圧Vrec_p及びVrec_nは、互いに異なっていてもよい。
なお、図25では、リフレッシュ動作において、期間Drec_pにわたって書込み電流Irec_pが印加された後、期間Drec_nにわたって電流Irec_nが印加される場合について示したが、これに限られない。例えば、リフレッシュ動作において、期間Drec_nにわたって書込み電流Irec_nが印加された後、期間Drec_pにわたって電流Irec_pが印加されてもよい。
5.4 第5実施形態に係る効果
第5実施形態によれば、リフレッシュコマンドを受信すると、メモリデバイス2は、リフレッシュ動作を実行する。リフレッシュ動作において、メモリデバイス2は、互いに異なる極性を有する電流Irec_p及びIrec_nを交互に印加する。これにより、ライト動作及びリード動作においてリカバリパルスを印加するか否かに関わらず、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWを、互いに異なる極性を有する2つの信号によって交互にオン状態にする動作を実行することができる。このため、スイッチング素子SWをオン状態にする信号の極性の偏りに伴うスイッチング素子SWの特性の劣化を緩和できる。
また、正選択数3a及び負選択数3bの差が閾値以上である場合、メモリコントローラ3は、リフレッシュコマンドをメモリデバイス2に送信する。これにより、メモリコントローラ3は、スイッチング素子SWをオン状態にする信号の極性の偏りが顕著となる前に、定期的にリフレッシュ動作の実行をメモリデバイス2に指示することができる。したがって、スイッチング素子SWのエンデュランスの劣化を抑制することができる。
5.5 第5実施形態の変形例
なお、上述の第5実施形態では、リフレッシュ動作を実行するか否かが、正選択数3aと負選択数3bとの差に基づいて判定される場合について説明したが、これに限られない。例えば、リフレッシュ動作を実行するか否かは、ライト動作及びリード動作の総数に基づいて判定されてもよい。
5.5.1 メモリコントローラの動作(フローチャート)
図26は、第5実施形態の変形例に係るメモリコントローラにおける一連の動作の一例を示すフローチャートである。
データを書き込む又は読み出す旨の要求を外部のホスト機器から受信すると(開始)、メモリコントローラ3は、ライトコマンド又はリードコマンドをメモリデバイス2に送信する(S61)。
メモリコントローラ3は、ライト動作及びリード動作の総数をインクリメントする(S62)。
メモリコントローラ3は、ライト動作及びリード動作の総数が閾値以上であるか否かを判定する(S63)。閾値は、正の整数である。
ライト動作及びリード動作の総数が閾値以上である場合(S63;yes)、メモリコントローラ3は、リフレッシュコマンドを送信する(S64)。
メモリコントローラ3は、ライト動作及びリード動作の総数を“0”にリセットする(S65)。
ライト動作及びリード動作の総数が閾値未満である場合(S63;no)、又はS65の処理の後、メモリコントローラ3における一連の動作は終了となる(終了)。
5.5.2 第5実施形態の変形例に係る効果
第5実施形態の変形例によれば、ライト動作及びリード動作の総数が閾値以上である場合、メモリコントローラ3は、リフレッシュコマンドをメモリデバイス2に送信する。これにより、第5実施形態と同様に、メモリコントローラ3は、スイッチング素子SWをオン状態にする信号の極性の偏りが顕著となる前に、定期的にリフレッシュ動作の実行をメモリデバイス2に指示することができる。したがって、スイッチング素子SWのエンデュランスの劣化を抑制することができる。
6. その他
上述の第1実施形態~第5実施形態では、MRAMのような磁気メモリデバイスにリカバリパルスが適用される場合を例に説明したが、これに限らない。例えば、MRAMと同様の抵抗変化メモリ、例えばPCRAM(Phase - Change Random Access Memory)、及びReRAM(Resistive Random Access Memory)等の抵抗変化メモリにもリカバリパルスを適用可能である。
PCRAM及びReRAM等の抵抗変化メモリでは、ライト動作の際に抵抗変化素子SEに印加されるパルスの極性は、データによって変化しない。以下では、一例としてPCRAMにリカバリパルスを適用する場合について説明する。
リカバリパルスは、ライトパルスに対して、第1実施形態と同様の順番で印加されてもよい。図27及び図28は、その他の変形例に係るメモリデバイスにおけるライト動作の一例を示すタイミングチャートである。図27及び図28はそれぞれ、第1実施形態における図5及び図6に対応する。
データ“0”を書き込む場合、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWは、書込み電圧Vw0’(図示せず)が印加されることにより、オン状態となる。これにより、選択メモリセルMCには、期間Dw0’にわたって書込み電流Iw0’が印加される。しかる後、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWは、電圧Vrec_w0’(図示せず)が印加されることにより、オン状態となる。これにより、選択メモリセルMCには、期間Drec_w0’にわたって電流Irec_w0’が印加される。期間Dw0’と期間Drec_w0’との間の期間は、任意の長さにすることができる。書込み電流Iw0’が正の極性を有するのに対し、電流Irec_w0’は、負の極性を有する。
データ“1”を書き込む場合、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWは、書込み電圧Vw1’(図示せず)が印加されることにより、オン状態となる。これにより、選択メモリセルMCには、期間Dw1’にわたって書込み電流Iw1’が印加される。しかる後、選択メモリセルMC内のスイッチング素子SWは、電圧Vrec_w1’(図示せず)が印加されることにより、オン状態となる。これにより、選択メモリセルMCには、期間Drec_w1’にわたって電流Irec_w1’が印加される。期間Dw1’と期間Drec_w1’との間の期間は、任意の長さにすることができる。書込み電流Iw1’は、書込み電流Iw0’よりも大きく、かつ書込み電流Iw0’と同じ極性を有する。期間Dw1’は、期間Dw0’より短い。書込み電流Iw1’が正の極性を有するのに対し、電流Irec_w1’は、負の極性を有する。
データを読み出す場合の動作は、第1実施形態における図7と同等である。
また、リカバリパルスは、ライトパルスに対して、第2実施形態と同様の順番で印加されてもよい。図29及び図30は、その他の変形例に係るメモリデバイスにおけるライト動作の一例を示すタイミングチャートである。図29及び図30はそれぞれ、第2実施形態における図13及び図14に対応する。
データ“0”を書き込む場合、選択メモリセルMCには、期間Drec_w0’にわたって電流Irec_w0’が印加された後、期間Dw0’にわたって書込み電流Iw0’が印加されてもよい。
データ“1”を書き込む場合、選択メモリセルMCには、期間Drec_w1’にわたって電流Irec_w1’が印加された後、期間Dw1’にわたって書込み電流Iw1’が印加されてもよい。
この場合、データを読み出す場合の動作は、第2実施形態における図14と同等である。
なお、電流Irec_w0’及びIrec_w1’の各々は、書込み電流Iw0’及びIw1’よりも小さい。電流Irec_w0’及びIrec_w1’の各々は、読出し電流Irより小さくてもよい。電流Irec_w0’及びIrec_w1は、互いに等しくてもよい。電流Irec_w0’及びIrec_w1’は、互いに異なっていてもよい。
期間Drec_w0’及びDrec_w1’の各々は、期間Dw0’及びDw1’よりも短い。期間Drec_w0’及びDrec_w1’の各々は、期間Drより短くてもよい。期間Drec_w0’及びDrec_w1’は、互いに等しくてもよい。期間Drec_w0’及びDrec_w1’は、互いに異なっていてもよい。
また、電圧Vrec_w0’、及びVrec_w1’の各々は、書込み電圧Vw0’及びVw1’よりも小さい。電圧Vrec_w0’及びVrec_w1’の各々は、読出し電圧Vrより小さくてもよい。電圧Vrec_w0’及びVrec_w1’は、互いに等しくてもよい。電圧Vrec_w0’及びVrec_w1’は、互いに異なっていてもよい。
以上のように動作することにより、MRAM以外の抵抗変化メモリについても、リカバリパルスを適用することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…メモリシステム
2…メモリデバイス
3…メモリコントローラ
3a…正選択数
3b…負選択数
10…メモリセルアレイ
11…ロウ選択回路
12…カラム選択回路
13…デコード回路
14…書込み回路
15…読出し回路
16…電圧生成回路
17…入出力回路
18…制御回路
21,23…強磁性層
22…非磁性層

Claims (21)

  1. 直列に接続された抵抗変化素子及びスイッチング素子を含むメモリセルと、
    第1電流に基づき前記抵抗変化素子を第1抵抗値にする第1動作と、第2電流に基づき前記抵抗変化素子を前記第1抵抗値と異なる第2抵抗値にする第2動作と、第3電流に基づき前記抵抗変化素子が前記第1抵抗値か前記第2抵抗値かを判定する第3動作と、を実行するように構成された制御回路と、
    を備え、
    前記制御回路は、少なくとも1つの動作において、互いに異なる極性を有する2つの電流を前記メモリセルに交互に流すように構成された、
    メモリデバイス。
  2. 前記少なくとも1つの動作は、前記第1動作を含み、
    前記制御回路は、前記第1動作において、前記第1電流と、前記第1電流の極性と異なる極性を有する第4電流と、を前記メモリセルに交互に流すように構成された、
    請求項1記載のメモリデバイス。
  3. 前記少なくとも1つの動作は、前記第2動作を更に含み、
    前記制御回路は、前記第2動作において、前記第2電流と、前記第2電流の極性と異なる極性を有する第5電流と、を前記メモリセルに交互に流すように構成された、
    請求項2記載のメモリデバイス。
  4. 前記少なくとも1つの動作は、前記第3動作を含み、
    前記制御回路は、前記第3動作において、前記第3電流と、前記第3電流の極性と異なる極性を有する第6電流と、を前記メモリセルに交互に流すように構成された、
    請求項1記載のメモリデバイス。
  5. 前記少なくとも1つの動作は、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作を含み、
    前記制御回路は、
    前記第1動作において、前記第1電流と、前記第1電流の極性と異なる極性を有する第4電流と、を前記メモリセルに交互に流し、
    前記第2動作において、前記第2電流と、前記第2電流の極性と異なる極性を有する第5電流と、を前記メモリセルに交互に流し、
    前記第3動作において、前記第3電流と、前記第3電流の極性と異なる極性を有する第6電流と、を前記メモリセルに交互に流す
    ように構成された、
    請求項1記載のメモリデバイス。
  6. 前記第4電流、前記第5電流、及び前記第6電流の各々は、前記第1電流、及び前記第2電流より小さい、
    請求項5記載のメモリデバイス。
  7. 前記第4電流、前記第5電流、及び前記第6電流の各々は、前記第3電流より小さい、
    請求項6記載のメモリデバイス。
  8. 前記第4電流が流れる期間、前記第5電流が流れる期間、及び前記第6電流が流れる期間の各々は、前記第1電流が流れる期間、及び前記第2電流が流れる期間より短い、
    請求項5記載のメモリデバイス。
  9. 前記第4電流が流れる期間、前記第5電流が流れる期間、及び前記第6電流が流れる期間の各々は、前記第3電流が流れる期間より短い、
    請求項8記載のメモリデバイス。
  10. 前記制御回路は、
    前記第1動作において、前記第1電流の後に前記第4電流を前記メモリセルに流し、
    前記第2動作において、前記第2電流の後に前記第5電流を前記メモリセルに流し、
    前記第3動作において、前記第3電流の後に前記第6電流を前記メモリセルに流す
    ように構成された、
    請求項5記載のメモリデバイス。
  11. 前記制御回路は、前記第2電流の極性及び前記第3電流の極性が互いに異なり、かつ前記第2動作が前記第3動作の後に連続する場合、前記第3電流の後に、前記第6電流を前記メモリセルに流すことなく、前記第2電流を流すように構成された、
    請求項10記載のメモリデバイス。
  12. 前記制御回路は、
    前記第1動作において、前記第1電流の前に前記第4電流を前記メモリセルに流し、
    前記第2動作において、前記第2電流の前に前記第5電流を前記メモリセルに流し、
    前記第3動作において、前記第3電流の前に前記第6電流を前記メモリセルに流す
    ように構成された、
    請求項5記載のメモリデバイス。
  13. 前記制御回路は、前記第2電流の極性及び前記第3電流の極性が互いに異なり、かつ前記第2動作が前記第3動作の後に連続する場合、前記第3電流の後に、前記第5電流を前記メモリセルに流すことなく、前記第2電流を流すように構成された、
    請求項12記載のメモリデバイス。
  14. 前記制御回路は、
    前記第1動作において、前記第1電流の前に前記第4電流を前記メモリセルに流し、
    前記第2動作において、前記第2電流の後に前記第5電流を前記メモリセルに流し、
    前記第3動作において、前記第3電流の前に前記第6電流を前記メモリセルに流す
    ように構成された、
    請求項5記載のメモリデバイス。
  15. 前記制御回路は、
    前記第1動作において、前記第1電流の後に前記第4電流を前記メモリセルに流し、
    前記第2動作において、前記第2電流の前に前記第5電流を前記メモリセルに流し、
    前記第3動作において、前記第3電流の後に前記第6電流を前記メモリセルに流す
    ように構成された、
    請求項5記載のメモリデバイス。
  16. 前記少なくとも1つの動作は、前記第1動作、前記第2動作、及び前記第3動作と異なる第4動作を含み、
    前記制御回路は、前記第4動作において、第7電流と、前記第7電流の極性と異なる極性を有する第8電流と、を前記メモリセルに交互に流すように構成された、
    請求項1記載のメモリデバイス。
  17. 前記第7電流及び前記第8電流の各々は、前記第1電流及び前記第2電流より小さい、
    請求項16記載のメモリデバイス。
  18. 前記第7電流及び前記第8電流の各々は、前記第3電流より小さい、
    請求項17記載のメモリデバイス。
  19. 前記第7電流が流れる期間、及び前記第8電流が流れる期間の各々は、前記第1電流が流れる期間、及び前記第2電流が流れる期間より短い、
    請求項16記載のメモリデバイス。
  20. 前記第7電流が流れる期間、及び前記第8電流が流れる期間の各々は、前記第3電流が流れる期間より短い、
    請求項19記載のメモリデバイス。
  21. 前記制御回路は、コマンドに応じて、前記第4動作を実行するように構成された、
    請求項16記載のメモリデバイス。
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