JP2023037536A - サイジング剤付着繊維束及びその製造方法 - Google Patents

サイジング剤付着繊維束及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023037536000001
【課題】サイジング剤の付着量が少なくても高い耐擦過性を有するサイジング剤付着繊維束、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】サイジング浴11に繊維束21を浸漬した後、この繊維束21に気体を吹き付けてサイジング剤を繊維束内に含浸させ、サイジング剤付着繊維束におけるサイジング剤の付着量が0.2~1.0質量%であり、サイジング剤が粒子径1μm未満の微細粒子サイジング成分を50体積%以上含むサイジング剤であり、サイジング剤付着繊維束の表面を構成する単繊維のうち、サイジング剤が未付着である単繊維の割合が15%以下であるサイジング剤付着繊維束を製造することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、サイジング剤が付着した繊維束(以下、「サイジング剤付着繊維束」ともいう)、及びその製造方法に関する。
炭素繊維や芳香族ポリアミド繊維等の強化繊維とマトリックス樹脂とからなる複合材料は、その高い比強度、比剛性を利用して、一般産業、自動車、スポーツ・レジャー、航空宇宙等の各分野において広く用いられており、これらの複合材料の工業的な用途は、近年、さらに拡大しつつある。複合材料の用途の拡大とともに、コンポジット物性を高く発現させる複合材料の製造方法に対する要求が高くなっている。
繊維複合材料は、優れた機械的性質を有しているため、価格の低下とともに金属材料から代替されつつある。特に、軽くて強い特徴を生かし、コンクリート構造物の補修材、風力発電用の羽根、輸送用乗り物のボディやシャフトのような構造材、各種FRP製圧力容器等への開発が盛んに行われている。
繊維複合材料に用いる繊維束は、工程中の固定ガイドやローラー等との擦過によって、毛羽立ちや糸切れが生じやすい。繊維束の毛羽立ちや糸切れは、工程通過性や工程安定性を悪化させるだけでなく、最終成形物である繊維複合材料の性能にも悪影響を及ぼす。即ち、高い引張強度を有する繊維束の物性を、複合材料の性能に十分に反映させることができない。そのため、繊維束には、耐擦過性、耐糸切れ性が求められる。
特許文献1には、サイジング剤が付着する繊維束に気体を吹き付けてサイジング剤を除去することにより、繊維束の樹脂含浸性が向上することが記載されている。サイジング剤浴へ複数回浸漬することにより、繊維束内部へのサイジング剤の含浸性を向上させている。
特許文献2には、サイジング剤が付着する繊維束に気体を吹き付けることが開示されているが、サイジング剤の付着状態については何も開示されていない。
特開2018-009280号公報 特開2015-200051号公報
本発明の目的は、サイジング剤の付着量が少なくても高い耐擦過性を有する、サイジング剤付着繊維束を提供することにある。また、本発明の他の目的は、このようなサイジング剤付着繊維束を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、サブミクロン粒子を含むサイジング剤を用いるとともに、当該サブミクロン粒子を均一に付着させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決する本発明を以下に記載する。
〔1〕 繊維束と、前記繊維束に付着するサイジング剤とから成るサイジング剤付着繊維束であって、
前記サイジング剤付着繊維束における前記サイジング剤の付着量が0.2~1.0質量%であり、
前記サイジング剤付着繊維束の表面を構成する単繊維のうち、サイジング剤が未付着である単繊維の割合が15%以下であることを特徴とするサイジング剤付着繊維束。
〔2〕 前記サイジング剤が25℃で固体である〔1〕に記載のサイジング剤付着繊維束。
〔3〕 前記サイジング剤の数平均分子量が1000~50000である〔1〕または〔2〕に記載のサイジング剤付着繊維束。
〔4〕 前記サイジング剤の融点が180℃以下である〔1〕乃至〔3〕の何れかに記載のサイジング剤付着繊維束。
〔5〕 前記サイジング剤がポリアミド樹脂である〔1〕乃至〔4〕の何れかに記載のサイジング剤付着繊維束。
〔6〕 前記繊維束が炭素繊維束であり、前記サイジング剤付着繊維束の嵩密度が100g/L以上である〔1〕乃至〔5〕の何れかに記載のサイジング剤付着繊維束。
〔7〕 MPFが500μg/m以下である〔1〕乃至〔6〕の何れかに記載のサイジング剤付着繊維束。
上記〔1〕に記載のサイジング剤付着繊維束は、サイジング剤が繊維束に0.2~1.0質量%付着して成る。サイジング剤付着繊維束の表面を構成する単繊維のうち、サイジング剤が未付着である単繊維の割合は15%以下であり、繊維束全体に略均一に付着している。
サイジング剤は25℃で固体であることが好ましい。
サイジング剤は数平均分子量が1000~50000であることが好ましい。
サイジング剤は融点が180℃以下であることが好ましい。
サイジング剤がポリアミド樹脂であることが好ましい。
繊維束は炭素繊維束であり、且つサイジング剤付着繊維束の嵩密度が100g/L以上であることが好ましい。
サイジング剤付着繊維束はMPFが500μg/m以下であることが好ましい。
〔8〕 〔1〕乃至〔7〕の何れかに記載のサイジング剤付着繊維束の製造方法であって、
粒子径1μm未満の微細粒子サイジング成分が分散するサイジング剤サスペンジョン浴中に繊維束を浸して繊維束にサイジング剤サスペンジョンを含浸させる工程と、
前記サイジング剤サスペンジョン浴中に一部が浸っている繊維束引揚ロールを用いて繊維束を引き揚げる工程と、
前記サイジング剤サスペンジョン浴外で前記サイジング剤サスペンジョンが含浸している前記繊維束に気体を吹き付ける工程と、
を含むことを特徴とするサイジング剤付着繊維束の製造方法。
〔9〕 前記繊維束への気体の吹き付けが、
前記繊維束引揚ロールと前記繊維束とが非接触である箇所であり、且つ繊維束引揚ロールの上端部以下で行われる〔5〕に記載のサイジング剤付着繊維束の製造方法。
〔10〕 前記繊維束に吹き付ける気体の風速が10~60m/秒である〔5〕又は〔6〕に記載のサイジング剤付着繊維束の製造方法。
上記〔1〕乃至〔7〕のサイジング剤付着繊維束は、サブミクロンの微粒子をサイジング成分とするサイジング剤サスペンジョン浴中に繊維束を浸してサイジング剤サスペンジョンを含浸させ、この繊維束に気体を吹き付けることによって、前記繊維束から前記サイジング剤サスペンジョンの一部を除去するとともに、繊維束表面に留まっている微粒子のサイジング成分を繊維束内に押し込むように含浸させることにより製造することができる。
気体の吹き付けは、サイジング剤サスペンジョン浴の最後に設置された繊維束引揚ロールから繊維束が離れた直後に行うことが好ましい。具体的には、繊維束引揚ロールから繊維束が離れた後であり、且つ気体の吹きつけ方向における繊維束の背面に繊維束引揚ロールが存在している段階で行うことが好ましい。
繊維束に吹き付ける気体の風速は、10~60m/秒であることが好ましい。
本発明のサイジング剤付着繊維束は、繊維束の表面に略均一に微粒子のサイジング剤が付着するとともに、繊維束の内部に微粒子のサイジング剤が含浸しているため、耐擦過性が高い。
図1は、本発明のサイジング剤付着繊維束の製造方法におけるサイジング工程を示す説明図である。
以下、本発明のサイジング剤付着繊維束、及びその製造方法について説明する。
(1) サイジング剤付着繊維束
本発明のサイジング剤付着繊維束は、繊維束と、当該繊維束に付着するサイジング剤と、から成るサイジング剤付着繊維束であって、
サイジング剤付着繊維束におけるサイジング剤の付着量が0.2~1.0質量%であり、
サイジング剤付着繊維束の表面を構成する単繊維のうち、サイジング剤が未付着である単繊維の割合が15%以下であることを特徴とする。
(繊維束)
本発明のサイジング剤付着繊維束を構成する繊維束は、どのような繊維であっても良く、ガラス繊維やアラミド繊維、炭素繊維が例示される。以下、例示として、炭素繊維を用いる場合について説明する。
炭素繊維は特に限定されないが、ピッチ系、レーヨン系、ポリアクリルニトリル(PAN)系等の炭素繊維が使用できる。操作性及び工程通過性、機械強度を向上させるには、PAN系の炭素繊維が好ましい。また、炭素繊維束の単繊維数は、1000~50000本が好ましく、3000~30000本が特に好ましい。単繊維の直径は、4~15μmが好ましく、5~11μmが特に好ましい。ストランド引張強度は、400~600kgf/mmが好ましく、450~550kgf/mmが特に好ましい。弾性率は、20~35kgf/mmが好ましく、24~30kgf/mmが特に好ましい。
このような炭素繊維は、市販品を用いてもよいが、以下の方法で前駆体繊維を紡糸し、これを耐炎化及び炭素化して製造することもできる。
炭素繊維の製造に用いる前駆体繊維としては、PAN系繊維が好ましく用いられる。具体的には、アクリロニトリルを90質量%以上、好ましくは95質量%以上含有し、その他の単量体を10質量%以下含有する単量体を単独又は共重合した紡糸原液を紡糸口金から紡出して製造する、PAN系の粗原料繊維が好ましい。その他の単量体としては、イタコン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸エステルが例示される。
紡糸方法としては、湿式、乾湿式、乾式紡糸方法のいずれの方法も用いることができるが、最終的に得られる炭素繊維が表面に襞を形成して樹脂との接着性が期待できるので、湿式紡糸方法が好ましい。なお、紡糸溶液としては、30~60質量%の塩化亜鉛溶液に上記アクリル系重合体を溶解したものが好ましい。
なお、必要に応じて、紡糸ノズルに異型口金(例えば亀甲型)を用いて紡糸しても良い。また、紡糸原液の不純物を除去するために紡糸原液を濾過しても良い。紡糸原液の濾過は、工程安定化、強度・弾性率等の改善に大きく寄与する。そのため、得られる炭素繊維の繊維表面の多孔質化よりも、工程安定化、強度・弾性率等の改善が求められる場合には特に有効である。
上記粗原料繊維は、張力をかけながら洗浄処理及び湿熱延伸処理を施すが、洗浄工程及び湿熱延伸工程におけるトータル延伸倍率は10~15倍とすることが好ましい。
得られた前駆体繊維は、引き続き加熱空気中、220~300℃、好ましくは230~260℃で熱処理して耐炎化繊維を得る。この時の処理は、一般的に、延伸倍率0.85~1.30の範囲で処理されるが、高強度・高弾性率の炭素繊維を得るためには、延伸倍率0.95~1.30がより好ましい。
上記耐炎化繊維は、従来の公知の方法によって炭素化される。例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、好ましくは酸素濃度が0.05体積ppm未満の不活性ガス雰囲気下で昇温し、炭素化炉で徐々に温度を高めると共に、耐炎化繊維の張力を制御して焼成する。焼成温度は、600~2000℃が好ましく、1000~1700℃が特に好ましい。不活性ガスは、窒素が廉価であるため好ましい。
炭素化処理後、表面処理を行うことも好ましい。表面処理の手法は特に限定されないが、薬液を用いる液相酸化、又は電解液溶液中で炭素繊維を陽極として電解処理する電解酸化、気相状態でプラズマ処理する気相酸化等を用いることができる。これらのうち、生産性、処理の均一性、安全性の観点から、電解酸化を用いることが好ましい。電解処理で用いる電解液の電解質は特に限定されないが、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、炭酸等の無機酸; 酢酸、酪酸、シュウ酸、アクリル酸、マレイン酸等の有機酸; 硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸水素アンモニウム、リン酸2水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等のアンモニウム塩又はアンモニア; 水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等のアルカリ水酸化物; 炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等の無機塩; マレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、安息香酸ナトリウム等の有機塩; を単独又は2種類以上の混合物として用いることができる。
電解液の温度は、0~100℃が好ましく、25~45℃が特に好ましい。また、電解質の濃度は、5~25質量%が好ましく、8~12質量%が特に好ましい。電解処理は複数の電解槽を使用して行うことが好ましい。設備及びコスト、条件設定の煩雑さを考慮すれば、2~10槽を使用することが好ましい。電気量は、炭素繊維1gに対して、0.5クーロン以上であることが好ましく、2~100クーロンであることが特に好ましい。
上記電解処理を行うにあたっては、電解処理の前に電解処理で用いる電解液を炭素繊維束に予備含浸させておくことが好ましい。この予備含浸は、電解液を炭素繊維束の内層部に含浸させることができれば、どのような方法で行っても良い。しかし、炭素繊維は表面疎水性が高いため、電解液を単に満たした電解槽に炭素繊維束を通すだけでは、炭素繊維束の内層部に電解液が十分に含浸されない場合がある。そのため、炭素繊維束を電解槽に通すにあたっては、電解槽内の電解液に乱流を生じさせておくことが好ましい。乱流を生じさせる方法としては、シャワー、振動子の使用が挙げられる。
(サイジング剤)
本発明のサイジング剤付着繊維束を構成するサイジング剤としては、複合材料に用いるマトリックス樹脂に応じて選択することが好ましい。例えば、エポキシ樹脂、エポキシ変性ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂等を単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、マトリクス樹脂との接着性の観点から、本発明のサイジング剤としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることが好ましく、ポリアミド樹脂がより好ましく、特に共重合ポリアミドが好ましい。
また、本発明で用いるサイジング剤としては、25℃で固体のサイジング剤であることが好ましい。25℃で固体のサイジング剤を用いると、サイジング剤を付着させた繊維束をローラー搬送等する際に、ローラーやガイドにサイジング剤が固着しにくいため、製造工程での毛羽の発生を抑制でき、耐擦過性がさらに高い炭素繊維束を得ることができる。
本発明で用いるサイジング剤の融点としては、180℃以下であることが好ましく、160℃以下であることがより好ましい。特には60℃から140℃の低融点であることが好ましい。融点が低すぎる場合には、最終的に複合材料とした際の物性が低下する場合がある。逆に融点が高すぎると、繊維束を構成する繊維上にて、サイジング剤の成分を溶融することが困難となり、繊維束表面にサイジング剤を均一に付与しにくくなる場合がある。特に140℃以下の低融点である場合には、150℃程度の通常の熱処理にて、モノフィラメント上でサイジング剤を溶融させることができ、物性が向上することに加え、生産性も向上する。
また、本発明で用いられるサイジング剤の数平均分子量は、1000~50000であることが好ましい。さらには、2000~10000であることが特に好ましい。分子量を大きくすることにより最終的に複合材料にしたときの物性が向上しやすい。しかし、分子量が大きすぎる場合には、マトリックス樹脂との相溶性が低下する傾向にあり、界面剥離の面で問題が生じ、最終的に複合材料にしたときの物性が低下する傾向にある。
なお、本発明において、サイジング剤とは上記の樹脂成分自体を意味する。この樹脂成分は、水等の分散媒に分散したサスペンジョンとして用いられるが、当該分散媒や必要に応じて添加される界面活性剤等の添加剤の質量や体積は、サイジング効果の有無に関わらず、本発明におけるサイジング剤の質量や体積には含まれない。
サイジング剤付着繊維束におけるサイジング剤の付着量は、0.2~1.0質量%であり、0.3~0.9質量%であることが好ましく、0.4~0.8質量%であることがより好ましい。0.2質量%未満である場合、サイジングの効果が不十分となり、繊維束が固定ガイドやローラー等との擦過による損傷を受け易くなる。1.0質量%を超える場合、樹脂等の含浸時における繊維束の開繊が不十分になり易い。その結果、何れの場合も繊維強化複合材料等に加工した際の機械特性が低下し易くなる。
サイジング剤付着繊維束におけるサイジング剤の付着量は、サイジング剤浴の濃度を調整したり、サイジング剤を含むサスペンジョンの付着量を調整したりすることによって制御できる。
本発明のサイジング剤付着繊維束の表面を構成する単繊維のうち、サイジング剤が未付着である単繊維の割合が15%以下であり、13%以下であることが好ましく、9%以下であることがより好ましい。本発明においてサイジング剤が未着である単繊維の割合は、後述の方法で、サイジング剤付着繊維束の外周面におけるサイジング剤付着繊維束の投影面積に対するサイジング剤の投影面積の割合を測定することにより求められる。サイジング剤が未付着である単繊維の割合は、後述の実施例に記載される方法によって測定できる。サイジング剤が未付着である単繊維の割合が15%を超える場合、サイジングの効果が不十分となり、繊維束が固定ガイドやローラー等との擦過による損傷を受け易くなる。
サイジング剤が未付着である単繊維の割合は、サイジング剤浴から引き揚げた繊維束に吹き付ける気体の風速や流量等を調整することにより制御できる(後述)。
サイジング剤の投影面積の割合は、サイジング剤のみを染色して画像を取得し、次いでサイジング剤付着繊維束全体を染色して解析することにより算出できる。
サイジング剤の投影面積の割合は、サイジング剤浴の濃度を調整したり、サイジング剤を含むサスペンジョンの付着量を調整したりすることによって制御できる。
本発明のサイジング剤付着繊維束の繊維束が炭素繊維である場合、その嵩密度は100g/L以上であることが好ましい。嵩密度は100g/L未満である場合、サイジングの効果が不十分となり、繊維束が固定ガイドやローラー等との擦過による損傷を受け易くなる場合がある。
本発明のサイジング剤付着繊維束のMPFが500μg/m以下であることが好ましく、400μg/m以下であることがより好ましい。
サイジング剤付着繊維束のMPFは、サイジング剤付着繊維束の耐擦過性を示す指標であり、サイジング剤浴の濃度を調整したり、サイジング剤を含むサスペンジョンの付着量を調整したりすること、及びサイジング剤浴から引き揚げた繊維束に吹き付ける気体の風速や流量等を調整することにより制御できる(後述)。
本発明のサイジング剤付着繊維束は、本発明の目的に反しない限りにおいて、他の添加剤成分等を含んでいても良い。
(2) サイジング剤付着繊維束の製造方法
本発明のサイジング剤付着繊維束は、粒子径1μm未満の微細粒子サイジング成分が分散するサイジング剤サスペンジョン浴中に繊維束を浸してサイジング剤サスペンジョンを含浸させる工程と、
サイジング剤サスペンジョン浴中に一部が浸っている繊維束引揚ロールを用いて繊維束を引き揚げる工程と、
サイジング剤サスペンジョン浴外に設けられた気体吹付装置を用いて、サイジング剤サスペンジョンが含浸している繊維束に気体を吹き付ける工程と、
を含むことを特徴とする。
先ず、市販の繊維束を用いて、又は繊維束の製造における最終工程において、繊維束をサイジング剤が分散するサスペンジョン浴(以下、「サイジング剤サスペンジョン浴」ともいう)中に通じる。
サイジング剤の種類については前述のとおりである。
サスペンジョン浴中のサイジング剤は、粒子径1μm未満の微細粒子サイジング成分を50体積%以上含む。即ち、サイジング剤の体積粒度分布における積算50%粒子径D50は1μm未満である。上記樹脂(サイジング剤)は、粒子径1μm未満の微細粒子サイジング成分を93体積%以上含むことが好ましく、96体積%以上含むことがより好ましい。微細粒子サイジング成分の含有量が50体積%未満である場合、繊維束の内部にサイジング成分を含浸させ難くなる。そのため、サイジングの効果が不十分となり、繊維束が固定ガイドやローラー等との擦過による損傷を受け易くなる。
本発明に用いるサイジング剤としては、積算50%粒子径D50が0.25μm未満である微粒子が含まれているものが好ましい。このような微小粒子を含有することにより、繊維束のストランドの内部にまでサイジング剤が浸透しやすくなり、後の炭素繊維束へのマトリックス樹脂の含浸性が向上する。さらにこのような微小粒子成分としては、微小粒子の積算90%粒子径D90が0.35μm未満であることが好ましい。さらには、積算90%粒子径D90は0.3μm未満であることが好ましい。また、積算10%粒子径D10は0.15μm以下であることが好ましい。
サイジング剤サスペンジョン浴におけるサイジング剤の濃度は、0.5~10質量%であることが好ましく、1.0~5質量%であることがより好ましい。サイジング剤サスペンジョン浴におけるサイジング剤の濃度をこの範囲とし、且つ後述の気体吹き付け工程を組み合わせることにより、サイジング剤付着繊維束におけるサイジング剤の付着量や付着斑を適切な範囲に制御できる。
サイジング剤サスペンジョン浴の溶媒は、通常水であり、少量の有機溶媒が溶解されていても良い。また、サスペンジョンの形態を維持するために、少量の界面活性剤や増粘剤等を含んでいても良い。
繊維束へのサイジング剤の付与方法としては、連続式とバッチ式とが挙げられるが、通常は生産性が高い連続式で行うことが好ましい。
本発明の製造方法においては、炭素繊維束のサイジング浴への浸漬回数は、通常は1回であるが、複数回であってもよい。
サイジング浴への浸漬時間は、特に限定するものではないが、浸漬時間が長くなることは、工程が長くなることと同義であるので、5秒以下であることが好ましい。
本発明の製造方法においては、炭素繊維束のサイジング浴への浸漬は連続的に行われることが好ましい。
なお、サイジング剤の濃度及び温度や、浸漬時における繊維束の張力等はサイジング剤の付着量が適性範囲内となるように適宜調整される。
サイジング剤サスペンジョン浴に導入された繊維束は、サイジング剤サスペンジョン浴中に一部が浸っている繊維束引揚ロールを用いて、繊維束がサイジング剤サスペンジョン浴から引き揚げられる。この際、サイジング剤が付着した繊維束には、気体が吹き付けられて、サイジング剤サスペンジョンの一部が除去されるとともに、繊維束の内部にサイジング剤が押し込まれるように含浸される。これにより、繊維束全体におけるサイジング剤の付着斑が軽減される。
繊維束への気体の吹き付けは、サイジング剤が付着した炭素繊維束を連続的に走行させながら、炭素繊維束に向けて気体を吹き付けることによって行われる。より具体的には、炭素繊維束を繊維束引揚ロールの外周面に接触させて、繊維束を浴中から引き揚げる際に、繊維束が繊維束引揚ロールから離れた直後に繊維束に向けて気体を吹き付けることによって行われる。これにより、繊維束の表層部に付着しているサイジング剤の一部が除去されるとともに、残部が繊維束の内部に押し込まれるように含浸される。その結果、炭素繊維束の内層部と表層部におけるサイジング剤の付着斑が軽減されたサイジング剤付着繊維束を製造することができる。
繊維束への気体の吹き付けは、繊維束引揚ロールから繊維束が離れる点と、当該繊維束引揚ロールの外接線と繊維束引揚ロール通過後の繊維束とが直交する点と、の間で行われることが好ましい。また、気体の吹きつけ方向は、繊維束引揚ロール通過後の繊維束に直交する方向であることが好ましい。この範囲であれば、繊維束の背面に繊維束引揚ロールが存在している状態となるため、気体を一方向から吹き付けるだけであっても、均一にサイジング剤が付与された繊維束を製造することができる。
図1は、本発明のサイジング剤付着繊維束の製造方法におけるサイジング工程を示す説明図である。サイジング装置100は、サイジング剤サスペンジョン浴11と; 当該サイジング剤サスペンジョン浴11内に注がれたサイジング剤サスペンジョン13と; サイジング剤サスペンジョン13に一部分が液没しているガイドロール15と繊維束引揚ロール17と; ガイドロール19とから構成されている。21はサイジング剤が未付着の状態である繊維束であり、23はサイジング剤付着繊維束である。図中の矢印Cは、繊維束の走行方向を示している。図中の符号Aは、サイジング剤付着繊維束23が繊維束引揚ロール17から離れる点である。図中の符号Bは、繊維束引揚ロール17の外接線(図中の破線で示される線)と繊維束引揚ロール17通過後のサイジング剤付着繊維束23とが直交する点である。25は気体吹き付け装置である。
繊維束21は、ガイドロール15、繊維束引揚ロール17及びガイドロール19を順次経由するように構成されている。
このサイジング装置100を用いてサイジング剤付着繊維束を製造する方法は以下のとおりである。
繊維束21は、ガイドロール15を通ってサイジング剤サスペンジョン浴11内に導入される。サイジング剤サスペンジョン浴11内には、サイジング剤サスペンジョン13が満たされており、繊維束21にサイジング剤サスペンジョン13を付与する。この繊維束21は繊維束引揚ロール17を通ってサイジング剤サスペンジョン浴11から引き揚げられる。この繊維束21には、繊維束引揚ロール17付近に設置された気体吹き付け装置25を用いて気体が吹き付けられ、サイジング剤付着繊維束23となり、ガイドローラー19を通って後工程である乾燥工程に送られる(乾燥工程は不図示)。気体吹き付け装置25を用いて繊維束21に気体が吹き付ける位置としては、点Aと点Bとの間である。
繊維束に吹き付ける気体の風速は、10~60m/秒であることが好ましく、15~40m/秒であることがより好ましい。10m/秒未満であると、サイジング剤を繊維束内部に押し込むことが困難となり、繊維束としての形態保持が困難となる。60m/秒を超える場合、繊維束表面のサイジング剤が過度に除去され易くなる。
サイジング剤付着繊維束の乾燥は公知の方法で行えば良い。乾燥温度はサイジング剤が溶融しない温度である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中の評価方法は、次の通りである。
[サイジング剤中のサブミクロン粒子割合の測定]
レーザー回折型粒度分布測定装置(マイクロトラックMT3300EXII)を用い、測定モード:体積、透過性:透過、粒子屈折率:1.55、粒子形状:非球形、溶媒条件:water、溶媒屈折率:1.333にて、サイジング剤の粒度分布を測定し、1μm以下の大きさの粒子の体積割合をサブミクロン粒子割合とした。
[サイジング剤が未付着である単繊維の割合の測定]
サイジング剤付着炭素繊維束を切り出し、レーザー顕微鏡(キーエンス VK-8710)を用いて100倍の対物レンズにてサイジング剤付着炭素繊維束の表面を107μm×143μmの範囲で撮影した。得られた顕微鏡画像を画像解析ソフトを用いて解析し、画像中の全炭素繊維フィラメントの面積及び、サイジング剤が付着していない炭素繊維フィラメントの面積をそれぞれ算出した。
下式に従い、各画像のサイジング剤が付着していない炭素繊維フィラメントの割合を算出し、その平均値を求めた。
A = 100× B/C
A: サイジング剤未着の炭素繊維フィラメント割合(%)
B: サイジング剤未着の炭素繊維フィラメントの面積
C: 炭素繊維フィラメントの全面積
[サイジング剤付着量の測定方法]
サイジング剤付着炭素繊維束のチョップを約5g採取し、質量(W)を測定した。予め恒量にした坩堝の質量(W)を量った後、前記チョップを坩堝に入れ、窒素雰囲気下で450±5℃の熱風循環式乾燥機内で30分間熱処理を行った。デシケーター内で室温まで冷却し、炭素繊維チョップが入った坩堝の質量(W)を測定した。下式によりサイジング剤付着量を計算した。
サイジング剤付着量(%)=(W+W-W)/(W-W)×100
[MPFの測定方法]
サイジング剤付着炭素繊維束を、200gの張力をかけながら、5本のピンガイドの間を50フィート/分の速度で2分間走行させた後、125gの重りを乗せたウレタンシートの間を通し、ウレタンシートに溜まった炭素繊維量を測定した。
[嵩密度の測定方法]
得られたサイジング剤付着炭素繊維束のボビンをワインダーに掛けモーター駆動のローラーで引っ張りながら14mmの繊維長にカットし、チョップドストランドを得た。次いで300mlメスシリンダー(断面半径2.1cm)に、30gのチョップドストランドを入れ、5回反転させた後、メスシリンダー内のチョップドストランドの高さ(嵩高さ)を測り、下記式に従い嵩密度を算出した。
Figure 2023037536000002
[ポリアミド樹脂の融点の測定]
示差走査熱量分析計(DSC)(Perkin Elmer株式会社製「Diamon
d DSC」)を用いて、昇温速度10℃/分の条件にて測定したときの、結晶融解吸熱
ピークの検出値を融点とした。
[ポリアミド樹脂の分子量の測定]
サンプルを微量のトリフルオロ酢酸ナトリウムを添加したヘキサフルオロイソプロパノールに溶解し、ゲルパミッションクロマトグラフィー(カラム:PL HFIPgel 4.6mm I.D.×25cm×2本、検出器:Waters社 2414示差屈折計)にて定量を行った。
[実施例1]
前駆体繊維であるポリアクリロニトリル系繊維(単繊維繊度0.7dtex、フィラメント数24000)を、空気中250℃で、繊維比重1.35になるまで耐炎化処理を行い、次いで窒素ガス雰囲気下、最高温度650℃で低温炭素化させた。その後、窒素雰囲気下1300℃で高温炭素化させて製造した炭素繊維束を、10.0質量%の硫酸アンモニウム水溶液を用い、電解酸化により表面処理を行い、炭素繊維束(引張強度4000MPa、引張弾性率240GPa、フィラメント数24000本、単繊維直径7μm、繊度1600Tex)を得た。
この炭素繊維束に、図1に示す工程でサイジング剤を付与した。すなわち、繊維処理剤であるサイジング剤としてナイロン6/ナイロン66/ナイロン12の共重合体からなり融点が107℃のアミン系ポリマーを主剤とするサイジング剤を2.0質量%含み、sub-μ粒子割合が99%のサイジング剤(水分散液)を満たしたサイジング剤浴に、炭素繊維束を浸漬し、サイジング剤を炭素繊維束に付着させた。
次いで、繊維束を、サイジング剤浴中に配設した液没ロールの出側で繊維束に浸漬ロールの上部に設置したスリットブロワーを用いて25m/sec.で気体を吹き付け、繊維束にサイジング剤を含浸した。気体を吹き付ける角度はストランドに対して90°、ロールに対する繊維束の抱き角は80°であった。次いで、サイジング剤を付与した繊維束を乾燥させ、サイジング剤付着炭素繊維束を得た。乾燥処理には、熱風乾燥機を用い、サイジング剤付着炭素繊維束を室温から200℃まで8.43℃/secの速度で昇温し、さらに220℃以上で5sec保持後、170℃で59秒乾燥させた。いずれの実施例でもサイジング剤浴出側の液没ロール及び、乾燥にいたるまでの搬送ロールのいずれにもサイジング剤成分の固着は見られず、工程は安定していた。サイジング剤の付着量、スリットブロワーの風速、MPF(毛羽量)、サイジング剤未着CF割合を評価した結果を表1に示した。
[比較例1]
スリットブロワーの風速を100m/sec.に変更した以外、実施例1と同様に実施した。
[比較例2]
スリットブロワーを用いなかった以外、実施例1と同様に実施した。サイジング剤がほぼ全てストランド表面に付着し内部に含浸していないため、MPFは測定中にロールに巻き付き測定できなかった。また、嵩密度は、繊維束がロールに巻き付き特定繊維長にカットできなかったため測定できなかった。
[比較例3]
スリットブロワー(5)の風速を25m/sec.に変更し、sub-μ粒子が45体積%のサイジング剤を用いた以外、実施例1と同様に実施した。得られたストランドは集束性がなかったため、MPF・嵩密度測定中にロールに巻き付き、測定できなかった。サイジング剤未着CF割合についても、顕微鏡観察時にガラスプレート上に均一に保持することができず、測定することが困難であった。
Figure 2023037536000003
100・・・サイジング装置
11・・・サイジング剤サスペンジョン浴
13・・・サイジング剤サスペンジョン
15・・・ガイドロール
17・・・繊維束引揚ロール
19・・・ガイドロール
21・・・繊維束
23・・・サイジング剤付着繊維束
25・・・気体吹き付け装置
A・・・サイジング剤付着繊維束23が繊維束引揚ロール17から離れる点
B・・・繊維束引揚ロール17の外接線(図中の破線で示される線)と繊維束引揚ロール17通過後のサイジング剤付着繊維束23とが直交する点
C・・・繊維束の走行方向

Claims (10)

  1. 繊維束と、前記繊維束に付着するサイジング剤とから成るサイジング剤付着繊維束であって、
    前記サイジング剤付着繊維束における前記サイジング剤の付着量が0.2~1.0質量%であり、
    前記サイジング剤付着繊維束の表面を構成する単繊維のうち、サイジング剤が未付着である単繊維の割合が15%以下であることを特徴とするサイジング剤付着繊維束。
  2. 前記サイジング剤が25℃で固体である請求項1に記載のサイジング剤付着繊維束。
  3. 前記サイジング剤の数平均分子量が1000~50000である請求項1または2に記載のサイジング剤付着繊維束。
  4. 前記サイジング剤の融点が180℃以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載のサイジング剤付着繊維束。
  5. 前記サイジング剤がポリアミド樹脂である請求項1乃至4の何れか1項に記載のサイジング剤付着繊維束。
  6. 前記繊維束が炭素繊維束であり、前記サイジング剤付着繊維束の嵩密度が100g/L以上である請求項1乃至5の何れか1項に記載のサイジング剤付着繊維束。
  7. MPFが500μg/m以下である請求項1乃至6の何れか1項に記載のサイジング剤付着繊維束。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載のサイジング剤付着繊維束の製造方法であって、
    粒子径1μm未満の微細粒子サイジング剤を50体積%以上含むサイジング剤サスペンジョン浴中に繊維束を浸して繊維束にサイジング剤サスペンジョンを含浸させる工程と、
    前記サイジング剤サスペンジョン浴中に一部が浸っている繊維束引揚ロールを用いて繊維束を引き揚げる工程と、
    前記サイジング剤サスペンジョン浴外で前記サイジング剤サスペンジョンが含浸している前記繊維束に気体を吹き付ける工程と、
    を含むことを特徴とするサイジング剤付着繊維束の製造方法。
  9. 前記繊維束への気体の吹き付けが、
    前記繊維束引揚ロールから前記繊維束が離れる点と、前記繊維束引揚ロールの外接線と前記繊維束引揚ロール通過後の繊維束とが直交する点と、の間で行われる請求項8に記載のサイジング剤付着繊維束の製造方法。
  10. 前記繊維束に吹き付ける気体の風速が10~60m/秒である請求項8又は9に記載のサイジング剤付着繊維束の製造方法。
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