JP2023037367A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】用紙サイズの不一致による用紙の搬送不良の発生を抑制すること。【解決手段】エンジン部202は、コントローラ部201から出力される画像信号の長さに応じた画像形成間隔と、画像信号の長さに対応してMPトレイピックアップローラ51によりMPトレイ50から給送される記録材の給送間隔に基づいて、画像信号が出力されるタイミング、及び記録材が給送されるタイミングを決定し、MP搬送センサ52がMPトレイピックアップローラ51により給送される第1の記録材の先端を検知してから給送間隔が経過するまでに第1の記録材の後端を検知しない場合には(S504~S506)、コントローラ部201から第2の記録材に対する画像信号が出力されるタイミング、及びMPトレイピックアップローラ51によりMPトレイ50に載置された第2の記録材が給送されるタイミングを、第1の記録材の長さに基づいて決定する(S507、S508)。【選択図】図5

Description

本発明は、電子写真プロセス等を利用した画像形成装置に関する。
従来から、電子写真方式の画像形成装置として、中間転写体を有する構成の画像形成装置が知られている。このような画像形成装置は、連続で印刷動作を行う際、一般的にホストコンピュータ等の外部装置から指定された用紙サイズに基づき、画像形成を行う画像形成間隔と用紙を給送する給送間隔を算出する。そして、画像形成装置は、画像形成タイミングと給送タイミングが常に一定のタイミングになるように制御することで、ジャム等の搬送不良が発生する可能性を抑え、正常に印刷動作が行われるように制御している。また、このような画像形成装置では、ユーザがどのようなサイズの用紙でも容易に使用できるように多目的トレイ(以下、MPトレイという)を給紙部として有していることが多い。
中間転写体である中間転写ベルトを有する画像形成装置では、一般的に用紙が載置された給紙部から用紙に画像が転写される二次転写部までの距離よりも、感光ドラム上の画像形成開始位置から二次転写部までの距離の方が長い。そのため、用紙を給紙部から給送する給送動作よりも先に画像形成が開始されることが多い。ところが、画像形成を開始する際、給紙部にどのようなサイズ(搬送方向の用紙の長さ)の用紙が載置されているかがわからない。そのため、画像形成間隔は、ホストコンピュータ等の外部装置から指定された用紙のサイズ(以下、指定サイズという)に基づいて設定される。ところが、MPトレイに載置された用紙のサイズ(以下、載置サイズという)が指定サイズよりも大きかった場合は、指定サイズと載置サイズの不一致により、画像形成動作と給送動作のタイミングに不整合が生じ、ジャム等の搬送不良が発生するおそれがある。ここでいう「タイミングの不整合」とは、「画像形成が指定サイズ」に基づいて行われ、「給送制御が載置サイズ」に基づいて行われることで発生する制御タイミングのずれを指している。
例えば、特許文献1で提案された画像形成装置では、次のような制御を行っている。すなわち、載置サイズが不明な場合には、給紙部に載置可能な用紙の最大サイズを基準に、画像形成制御、給送制御を行う。そして、載置された用紙のサイズが搬送センサによって測定され、用紙サイズが確定したタイミングで、載置された用紙のサイズに合わせ、画像形成制御や給送制御を変更する。これにより、搬送不良を起こすことなく、生産性の低下を抑制して印刷動作を行うことができる。
特開2015-143795号公報
上述した画像形成装置では、不定型サイズの用紙を印刷する際、用紙のサイズは、二次転写部近傍の搬送路上流側に配置された搬送センサによって、用紙の搬送中に測定される。そのため、画像形成装置における印刷制御では、最大サイズを超えた用紙が使用された場合や、サイズの異なる用紙が同一給紙部に載置され、給送された場合には、ジャム等の搬送不良が発生するおそれがある。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、用紙サイズの不一致による用紙の搬送不良の発生を抑制することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明では、以下の構成を備える。
(1)画像形成位置に対し、給紙部に載置された複数の記録材を順次給送する給送手段と、前記画像形成位置において、出力手段から出力される画像信号に応じて、前記給送手段により給送される記録材に画像を形成する画像形成手段と、前記給送手段により給送される記録材を検知する検知手段と、前記出力手段から出力される画像信号の長さに応じた画像形成間隔と、前記給送手段により給送される、前記画像信号の長さに対応した記録材の給送間隔に基づいて、前記出力手段から画像信号が出力されるタイミング、及び前記給送手段により前記記録材が給送されるタイミングを決定する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記検知手段が前記給送手段により給送された第1の記録材の搬送方向の先端を検知してから前記給送間隔が経過するまでに前記第1の記録材の搬送方向の後端を検知しない場合には、前記出力手段から前記第1の記録材の次に給送される第2の記録材に対する画像信号が出力されるタイミング、及び前記給送手段により前記第2の記録材が給送されるタイミングを、前記第1の記録材の搬送方向の長さに基づいて決定することを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、用紙サイズの不一致による用紙の搬送不良の発生を抑制することができる。
実施例1~3の画像形成装置の構成を示す断面図 実施例1~3の画像形成装置のシステム構成を説明するブロック図 実施例との比較のための従来の画像形成制御、給送制御を説明するタイミングチャート 実施例1の画像形成制御、給送制御を説明するタイミングチャート 実施例1の画像形成制御、給送制御の制御シーケンスを示すフローチャート 実施例2の画像形成制御、給送制御を説明するタイミングチャート 実施例2の画像形成制御、給送制御の制御シーケンスを示すフローチャート 実施例3の画像形成制御、給送制御を説明するタイミングチャート 実施例3の画像形成制御、給送制御の制御シーケンスを示すフローチャート
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[画像形成装置の構成]
図1では、実施例1の画像形成装置の例として、レーザビームプリンタの全体構成について説明する。図1に示す画像形成装置は、4つの画像形成ステーションを備えており、図中、左側からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)のトナーを有する画像形成ステーションである。また、図中の符号の末尾のa、b、c、dは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の画像形成ステーションの部材であることを意味する。各画像形成ステーションの構成は同一であり、以下の説明では、特に必要がない限り、a~dの符号は付さないこととする。
(画像形成部)
各画像形成ステーションにおいて、像担持体である感光ドラム1は、駆動モータ(不図示)により駆動され、図中、矢印方向(反時計回り方向)に回転駆動される。帯電手段である帯電ローラ2は、感光ドラム1に当接し、感光ドラム1の回転に伴って従動回転しながら感光ドラム1の表面を均一に帯電する。帯電ローラ2には、直流電圧又は交流電圧を重畳した電圧が印加され、帯電ローラ2と感光ドラム1表面の当接ニップ部を介して感光ドラム1は帯電される。露光手段である走査部11は、レーザ光を回転多面鏡によって偏向し、偏向されたレーザ光が感光ドラム1上を走査するスキャナユニット又はLEDアレイから構成されている。走査部11は、ビデオ信号(画像信号)に基づいて変調された走査ビーム12を感光ドラム1上に照射し、静電潜像を形成させる。現像手段である現像ユニット8は、感光ドラム1に当接された現像ローラ4、現像剤(トナー)5、現像剤塗布ブレード7から構成され、感光ドラム1上に形成された静電潜像をトナーにより現像し、トナー像を形成する。廃トナー容器3は、後述する中間転写ベルト80に転写されず、感光ドラム1上に残ったトナーを回収する。プロセスカートリッジ9は、感光ドラム1、帯電ローラ2、廃トナー容器3、現像ユニット8を内蔵し、画像形成装置から着脱自在な一体型のカートリッジとなっている。また、帯電ローラ2、現像ローラ4は、それぞれ帯電ローラ2への電圧供給手段である帯電電圧電源20、現像ローラ4への電圧供給手段である現像電圧電源21に接続されている。帯電ローラ2を感光ドラム1表面に当接させると共に、帯電電圧電源20から帯電ローラ2に帯電電圧を印加することにより、感光ドラム1表面は一様に帯電される。
中間転写ベルト80は、張架部材である二次転写対向ローラ86、駆動ローラ14、テンションローラ15の3つのローラにより支持されており、適当なテンションが維持される構成になっている。そして、駆動ローラ14の駆動により、中間転写ベルト80は、図中、矢印方向(時計回り方向)に略同速度で移動する。また、一次転写ローラ81は中間転写ベルト80を介して感光ドラム1と反対側に配置され、一次転写ローラ81への電圧供給手段である一次転写電圧電源84に接続されている。そして、一次転写ローラ81に一次転写電圧を印加することにより、感光ドラム1上(像担持体上)のトナー像が感光ドラム1に接触中の中間転写ベルト80に順次転写され、中間転写ベルト80上に多色画像が形成される。更に、各一次転写ローラ81の中間転写ベルト80の移動方向下流側には、除電部材23が配置されている。駆動ローラ14、テンションローラ15、除電部材23a、及び後述する二次転写対向ローラ86は電気的に接地されている。
(カセット給送部)
給紙カセット16には、記録材である用紙P1が載置されている。用紙P1(以下、単に用紙ともいう)を給送する際には、不図示のステッピングモータ(以下、給紙モータという)でカセットピックアップローラ17を駆動して、給紙カセット底板29を上昇させ、給紙カセット16内に載置された用紙P1を押し上げる。押し上げられた用紙P1の最上位の一枚が、カセットピックアップローラ17と当接し、カセットピックアップローラ17の回転により、一枚ずつ用紙P1が分離給送される。給送された用紙P1は、搬送手段であるレジストレーションローラ18(以下、レジストローラ18という)まで搬送される。そして、記録材を検知する記録材検知手段であるレジストレーションセンサ35(以下、レジセンサ35という)が用紙P1の搬送方向の先端を検知すると、給紙モータ(不図示)は駆動を停止し、用紙P1の搬送が一旦停止される。レジストローラ18で一旦停止している用紙P1は、中間転写ベルト80上に形成されたトナー像と、用紙P1上のトナー像が転写される位置(画像形成位置)が、二次転写部で一致するようなタイミングで搬送が再開(再給送ともいう)される。また、用紙P1が再給送されたタイミング(時点)から、レジセンサ35が用紙P1の搬送方向の後端を検知したタイミング(時点)までの経過時間に基づいて、用紙P1のサイズ(搬送方向の長さ。以下、用紙サイズという)が確定される。
(MPトレイ給送部)
MPトレイ50(給紙部)には記録材である用紙P2が載置されている。用紙P2(以下、単に用紙ともいう)を給送する際には、上述した給紙モータ(不図示)でMPトレイピックアップローラ51(給送手段)を駆動して、用紙P2の最上位の一枚が、MPトレイピックアップローラ51と当接し、機内に給送される。給送された用紙P2は、搬送パス(搬送路)内の検知手段であるMP搬送センサ52を通過し、レジストローラ18まで搬送される。レジストローラ18まで搬送された後は、上述した動作で印刷が行われる。また、MPトレイ50から連続して用紙(記録材)を順次給送する場合、後続紙の給送は、MP搬送センサ52が先行紙の搬送方向の後端の通過を検知してから行われる。
(二次転写部)
各画像形成ステーションの感光ドラム1上に形成されたトナー像が転写された中間転写ベルト80は、駆動ローラ14により図中矢印方向(時計回り方向)に移動する。中間転写ベルト80上に転写されたトナー像は、二次転写ローラ82と中間転写ベルト80の当接部である二次転写部まで搬送される。そして、二次転写ローラ82と、二次転写ローラ82に対向して設置された二次転写対向ローラ86とが、用紙Pと中間転写ベルト80とを挟持搬送すると共に、二次転写電圧電源85から二次転写ローラ82に電圧が印加される。これにより、中間転写ベルト80上のトナー像が用紙Pに転写される。
(定着部)
定着手段である定着部19は、用紙P上に転写されたトナー像に、熱及び圧力を加えることにより、トナー像を用紙Pに定着させる。定着部19は、定着ベルト19aと加圧ローラ19bとを有し、加圧ローラ19bはベルトガイド部材(不図示)と所定の圧接力により定着ベルト19aを挟むことにより、定着ニップ部を形成している。定着ニップ部が所定の温度に温度調整された状態において、未定着のトナー像が転写された用紙Pが、定着ニップ部の定着ベルト19aと加圧ローラ19bとの間に、画像面が上向き、即ち定着ベルト19a面に対向して導入される。そして、定着ニップ部では、用紙Pの画像面は定着ベルト19aの外面に密着し、用紙Pは定着ニップ部を挟持搬送されていく。定着ニップ部を定着ベルト19aにより用紙Pが挟持搬送されていく過程において、用紙P上のトナー像は定着ベルト19aで加熱されて用紙P上に定着され、トナー像が定着された用紙Pは排出トレイ36に排出される。
[画像形成装置のシステム構成]
図2は、本実施例の画像形成装置のシステム構成全体を説明するブロック図である。図2において、画像形成装置は、コントローラ部201及びエンジン部202を備えている。コントローラ部201は、外部装置であるホストコンピュータ200、及びエンジン部202と相互に通信が可能となっている。画像信号の出力手段であるコントローラ部201は、ホストコンピュータ200から画像情報(印刷データ)と印刷条件等を含む印刷命令を受信し、受信した印刷データに基づいたビットマップデータ(画像データ)を展開する。コントローラ部201は、ビットマップデータの展開が終了すると、ビデオインタフェース部203を介して、CPU204へ、ホストコンピュータ200からの印刷命令に従って、画像サイズ情報や印刷予約コマンドを送信する。そして、エンジン部202が印刷可能な状態(画像形成可能な状態)となったタイミングで、コントローラ部201は、CPU204へ印刷開始コマンドを送信する。
制御手段であるエンジン部202は、ビデオインタフェース部203、CPU204、画像処理GA(ゲートアレイ)205、画像制御部206、定着制御部207、用紙搬送部208から構成されている。CPU204、画像処理GA205、画像制御部206、定着制御部207、用紙搬送部208は双方向バスを介して接続され、双方向バスを介して相互にデータの送受信を行う。ビデオインタフェース部203は、エンジン部202-コントローラ部201間の信号(コマンド、/TOP信号、ビデオ信号)の中継を行う。画像制御部206は、上述した画像形成部である各画像形成ステーションの制御を行う。定着制御部207は、上述した定着部19の制御を行い、用紙搬送部208は上述したカセット給送部及びMPトレイ給送部の制御を行う。
コントローラ部201とのコマンド等のデータの送受信を行うCPU204は、コントローラ部201から用紙サイズ指定コマンドや印刷予約コマンドを受信すると、印刷ジョブの実行準備を行う。そして、CPU204は、コントローラ部201から印刷開始コマンドが送信されるのを待つ。CPU204は、印刷開始コマンドを受信すると、指定された用紙サイズなど印刷予約コマンドの情報に基づいて、各制御部(画像制御部206、定着制御部207、用紙搬送部208)に印刷動作(以下、プリント動作ともいう)の開始を指示する。なお、CPU204は、ROM、RAMを有しており、ROMには、CPU204が実行する制御プログラムやデータが格納されており、RAMは、CPU204が実行する制御プログラムが一時的に情報を保存するために使用されるメモリである。また、画像制御部206や用紙搬送部208等も不図示のCPU、ROM、RAMを備えており、CPU204と同様に、ROMには制御プログラムやデータが格納されており、RAMは制御プログラムが一時的に情報を保存するために使用される。
画像制御部206は、CPU204から印刷動作開始の指示を受信すると、画像形成準備を開始する。CPU204は、画像制御部206から画像形成準備が完了した旨の通知を受信すると、ビデオインタフェース部203を介してコントローラ部201に、ビデオ信号を出力する基準タイミングとなるタイミング信号である/TOP信号を出力する。コントローラ部201は、CPU204から/TOP信号を受信すると、/TOP信号を受信したタイミングを基準にして、ビットマップデータから生成されたビデオ信号(画像信号)を指定された用紙サイズ分、画像処理GA205に出力する。画像処理GA205は、コントローラ部201からビデオ信号を受信すると、受信したビデオ信号を画像形成用のデータに変換し、画像制御部206に送信する。画像制御部206は、画像処理GA205から受信した画像形成用のデータに基づいて画像形成を行う。なお、連続印刷を行う際の画像形成において、画像制御部206は、コントローラ部201から受信した印刷予約コマンドで指定された用紙サイズに基づいて、/TOP信号が出力される時間間隔(周期)である画像形成間隔を決定する。そして、画像制御部206は、決定した画像形成間隔に合わせて、CPU204に/TOP信号の送信を指示する。
用紙搬送部208は、CPU204から印刷動作開始の指示を受信すると、用紙を給送する給送動作を開始する。用紙搬送部208は、給紙モータ(不図示)を駆動して、MPトレイ50や給紙カセット16(以下、給紙部ともいう)に載置された用紙を二次転写部まで搬送すると共に、レジセンサ35(図1)を用いて、搬送される用紙の用紙サイズを検知する。なお、MPトレイ50に載置された用紙を用いて連続印刷を行う際の給送制御において、用紙搬送部208は、次の2つの条件が満足された場合に後続紙を給送する。すなわち、用紙搬送部208は、MP搬送センサ52が先行紙の搬送方向の先端を検知してから所定時間が経過し、かつ、MP搬送センサ52が先行紙の搬送方向の後端が通過したことを検知した場合に、後続紙の給送が可能となるように制御する。なお、以下では、先行紙に続いて給送される用紙を後続紙、又は後続の用紙という。
定着制御部207は、CPU204から印刷動作開始の指示を受信すると、定着処理の準備を開始する。そして、定着制御部207は、トナー像が転写された用紙が定着部19に搬送されてくるタイミングに合わせて、印刷予約コマンドに設定された紙種情報(例えば用紙の厚さ)に従って、定着部19の温度調整を開始する。定着制御部207は、用紙に画像(トナー像)を定着させた後、用紙を機外に搬送(排出)する。
[プリント動作の概要]
次に、MPトレイ50から給送される用紙への印刷において、ホストコンピュータ200から指定された用紙サイズ(指定サイズ)と、実際にMPトレイ50に載置された用紙サイズ(載置サイズ)が異なる場合の印刷動作について説明する。
本実施例の画像形成装置における印刷制御は、次のパラメータに基づいて行うものとする。画像間隔(画像信号と次の画像信号との間の区間の間隔)は220mmとし、用紙間隔(先行紙と後続紙との紙間間隔)は140mmとする。また、搬送速度(用紙が搬送される速度であり、感光ドラム1上に形成された画像が移動する速度でもある)は、150mm/s(1秒間に150mm)とする。更に、給紙モータ(不図示)によって、MPトレイピックアップローラ51が駆動され、MPトレイ50に載置された用紙がMPトレイピックアップローラ51によって動き出すまでに、MPトレイピックアップローラ51が回転する距離は60mmとする。また、MPトレイ50に載置された用紙の搬送方向の先端からMP搬送センサ52が設置された位置までの距離は50mmとする。
本実施例の画像形成装置において、二次転写部からMP搬送センサ52までの距離をAとし、画像形成開始位置(イエローステーションの感光ドラム1上のレーザ露光位置)に形成された画像が二次転写部まで移動する距離をBとする。距離Aと距離Bの大小関係は、距離A≦距離B(距離Aは距離B以下(距離以下))である。
[従来の印刷動作の概要]
まず、画像形成装置における従来の画像形成制御、給送制御について説明する。図3は、従来の画像形成制御、給送制御を説明するためのタイミングチャートである。
(用紙の指定サイズと載置サイズが一致している場合)
図3[A]は、用紙の指定サイズと載置サイズが共にA5サイズの横向き用紙(用紙幅210mm×搬送方向の長さ148mm)であり、用紙の指定サイズと載置サイズが一致している場合の画像形成制御、給送制御を説明するタイミングチャートである。図3[A]において、(a)/TOP信号は、画像制御部206から画像形成準備が完了した旨の通知を受信すると、エンジン部202がコントローラ部201に送信する信号を示している。Timageは、/TOP信号を出力する画像形成間隔(Timage)を示している、(b)Timageタイマは、画像形成間隔(Timage)を計測するタイマのタイマ値の変化を示している。(c)給送開始信号は、MPトレイ50に載置された用紙を給送するために、MPトレイピックアップローラ51を駆動するタイミングを示している。(d)MP搬送センサは、MPトレイ50から搬送される用紙を検知するMP搬送センサ52の検知状態を示しており、オン(ON)状態は用紙を検知している状態を示し、オフ(OFF)状態は用紙を検知していない状態を示している。(e)Tpaperタイマは、MPトレイ50から給送される用紙の給送間隔(Tpaper)を計測するタイマのタイマ値の変化を示している。なお、本実施例での給送間隔(Tpaper)は、MP搬送センサ52がMPトレイ50から給送される用紙の先端を検知してから、給送開始信号が形成されるまでの時間である。また、図3[A]において、横軸方向は時間を示している。
エンジン部202は、コントローラ部201から印刷開始コマンドを受信すると、印刷動作のための画像形成準備動作を行うため、画像制御部206、用紙搬送部208等に印刷動作の開始を指示する。そして、画像制御部206から画像形成準備が完了した旨の通知を受信すると、エンジン部202は、コントローラ部201に1枚目の用紙(第1の記録材)に対する/TOP信号(301)を出力する(図3[A](a))。すると、Timageタイマは、/TOP信号(301)が出力されたタイミング(311)でスタートする(図3[A](b))。Timageタイマのタイマ値が画像形成間隔(Timage)に到達すると(図3[A](b))、エンジン部202は、コントローラ部201に2枚目の用紙(第2の記録材)に対する/TOP信号(302)を出力する(図3[A](a))。以下、同様に、Timageタイマは、/TOP信号(302)が出力されたタイミング(312)でスタートする。そして、Timageタイマのタイマ値が画像形成間隔(Timage)に到達すると、エンジン部202は、コントローラ部201に3枚目の用紙に対する/TOP信号(303)を出力する。
図3[A]における画像形成間隔Timageは、次の(式1)で表される。
画像形成間隔Timage=(用紙の指定サイズの搬送方向の長さ+画像間隔)
/搬送速度・・・(式1)
本実施例では、画像形成間隔Timageは、(用紙の指定サイズの搬送方向の長さ(148mm)+画像間隔(220mm))/150mm/s=368mm/150mm/s≒2.453s(秒)となる。
一方、エンジン部202は給送準備動作が完了すると、給送開始信号(321)のタイミングで(図3[A](c))、MPトレイピックアップローラ51を駆動し、MPトレイ50から用紙を1枚給送する。エンジン部202は、MP搬送センサ52がMPトレイ50から給送された用紙の搬送方向の先端をタイミング(331)で検知すると(図3[A](d))、Tpaperタイマをタイミング(341)でスタートさせる(図3[A](e))。エンジン部202は、Tpaperタイマのタイマ値が給送間隔(Tpaper)に到達し(図3[A](e))、MP搬送センサ52が先行する用紙の搬送方向の後端が通過したことをタイミング(332)で検知する(図3[A](d))。すると、エンジン部202は、給送開始信号(322)のタイミングで(図3[A](c))、MPトレイピックアップローラ51を駆動させ、MPトレイ50から後続の用紙(2枚目の用紙)を1枚給送させる。以下、同様に、MP搬送センサ52がMPトレイ50から給送された後続の用紙の先端をタイミング(333)で検知すると、Tpaperタイマがタイミング(342)でスタートする。そして、エンジン部202はTpaperタイマのタイマ値が給送間隔(Tpaper)に到達し、MP搬送センサ52が先行する用紙の後端が通過したことをタイミング(334)で検知する。すると、エンジン部202は給送開始信号(323)のタイミングで、MPトレイピックアップローラ51を駆動し、MPトレイ50から後続の用紙(3枚目の用紙)を1枚給送する。
図3[A]における給送間隔Tpaperは、図3[A](c)、(d)に基づいて、次の(式2)で表される。
給送間隔Tpaper
=(載置サイズ+用紙間隔-MPトレイピックアップローラ51が駆動されてから
用紙が動き出すまでに回転する距離-MPトレイ50に載置された用紙先端から
MP搬送センサ52までの距離)/搬送速度・・・(式2)
本実施例では、載置サイズ(用紙の載置サイズの搬送方向の長さ)は148mm、用紙間隔は140mmである。また、上述したように、MPトレイピックアップローラ51が駆動されてから用紙が動き出すまでに回転する距離は60mmであり、MPトレイ50に載置された用紙の先端位置からMP搬送センサ52が設置された位置までの距離は50mmである。したがって、(式2)より、給送間隔Tpaperは、(148mm+140mm-60mm-50mm)/150mm/s=178mm/150mm/s≒1.187sとなる。
(用紙の指定サイズと載置サイズが不一致の場合)
図3[B]は、用紙の指定サイズと載置サイズが不一致の場合の画像形成制御、給送制御を説明するタイミングチャートである。図3[B]では、用紙の指定サイズがA5サイズの横向き用紙(用紙幅210mm×搬送方向の長さ148mm)であり、用紙の載置サイズがA5サイズの縦向き用紙(用紙幅148mm×搬送方向の長さ210mm)となっている。MPトレイ50に載置されているA5サイズの用紙は、縦向きに載置されているため、指定サイズに比べて、用紙の搬送方向の長さが大きくなっている。図3[B]の構成は、上述した図3[A]と同様であり、図の見方の説明は省略する。
図3[B]では、エンジン部202は、連続で画像形成を行う際、図3[A]と同様に、コントローラ部201に/TOP信号(306)を出力した後、画像形成間隔Timageが経過すると、2枚目の用紙に対する/TOP信号(307)を出力する。
一方、給送動作に関しては、図3[A]で説明したように、エンジン部202は、給送開始信号(326)のタイミングで(図3[B](c))、画像形成動作に先行して、MPトレイ50から用紙を1枚給送する。エンジン部202は、MP搬送センサ52がMPトレイ50から給送された用紙の搬送方向の先端をタイミング(335)で検知すると(図3[B](d))、Tpaperタイマをタイミング(343)でスタートさせる(図3[B](e))。Tpaperタイマのタイマ値が給送間隔(Tpaper)に到達するが(図3[B](e))、MP搬送センサ52が先行する用紙の後端の通過を検知していないため(図3[A](d))、給送開始信号(327)が生成されない(図3[B](c))。その後、MP搬送センサ52が先行する用紙の搬送方向の後端が通過したことを検知すると(図3[B](d))、通常よりも時間Tgap(329)遅れて、給送開始信号(328)が生成される(図3[B](c))。
MP搬送センサ52を先行する用紙(先行紙)の後端が通過した直後に、後続の用紙(後続紙)の給送動作を行ったときの先行紙と後続紙の最短用紙間隔は、次の(式3)で表される。
最短用紙間隔
=MPトレイピックアップローラ51が駆動されてから用紙が動き出すまでに回転
する距離+MPトレイ50の用紙先端からMP搬送センサ52までの距離
・・・(式3)
本実施例では、最短用紙間隔は、60mm+50mm=110mmとなる。
したがって、図3[B](d)に示す時間Tgap(319)は、次の(式4)で表される。
時間Tgap=(図3[B]の給送間隔-図3[A]の給送間隔)/搬送速度
・・・(式4)
本実施例では、図3[B]の給送間隔は、用紙の載置サイズの搬送方向の長さ(210mm)+最短用紙間隔(110mm)である。一方、図3[A]の給送間隔は、用紙の指定サイズの搬送方向の長さ(148mm)+用紙間隔(140mm)である。その結果、時間Tgapは、((210mm+110mm)-(148mm+140mm))/150mm/s=32mm/150mm/s≒0.213s(秒)となる。画像形成間隔Timageは、図3[A]、[B]において変わらないが、給送間隔は、図3[B]の方が、通常状態である図3[A]と比べて、0.213s(秒)遅くなる。すなわち、図3[B]の場合には、/TOP信号(307)に対して、MPトレイ50から給送される用紙が、通常状態の図3[A]の場合に比べ、0.213s(秒)遅れて搬送されることになる。
上述したように、指定サイズと載置サイズの搬送方向の用紙の長さの不一致が発生し、指定サイズよりも載置サイズの長さが長い場合には、画像形成間隔に対する用紙搬送間隔の搬送マージンが削られ、ジャム等の搬送不良が発生する可能性が大きくなる。そして、ジャムが発生すると、画像形成部で形成されたトナー像が無駄になり、使用されたトナーは廃トナーとなって廃トナー容器に回収される。そして、ジャムの発生回数が増えると、廃トナー容器が溢れてしまうリスクが高くなる。なお、「搬送マージン」とは、給送される用紙が何らかの理由で遅延したとしても、ジャム等の搬送不良を発生させることなく、正常に印刷される時間的な余力のことを指している。
[本実施例の印刷動作の概要]
本実施例では、図3[B]で説明したように、指定サイズと載置サイズのサイズ不一致が起きた場合に、搬送マージンが削られる状況が発生することを防ぐため、次のような制御を行う。すなわち、連続印刷における用紙の給送動作において、先行紙と後続紙との間の給送間隔が、上述した(式2)において載置サイズを指定サイズに置き換えて算出される給送間隔より大きくなる場合には、給送間隔及び画像形成間隔を所定の間隔まで広げる。なお、本実施例では、「所定の間隔」をA4サイズの用紙を使用した場合と同等の間隔とする。A4サイズの用紙は、ユーザの使用頻度が高く、MPトレイ50に載置される可能性が高い最大サイズの用紙である。そのため、本実施例では、ジャム等の発生による生産性の大幅な低下を抑えることも考慮して、所定の間隔としての用紙のサイズをA4サイズに決定した。
図4は、本実施例における画像形成制御、給送制御を説明するタイミングチャートである。図4では、上述した図3[B]と同様に、用紙の指定サイズは、A5サイズの横向き用紙(用紙幅210mm×搬送方向の長さ148mm)とする。そして、MPトレイ50に載置された用紙の載置サイズは、A5サイズの縦向き用紙(用紙幅148mm×搬送方向の長さ210mm)となっているものとする。なお、図4の構成は、上述した図3[A]、[B]と同様であり、図の見方の説明は省略する。
エンジン部202は、コントローラ部201から印刷開始コマンドを受信すると、印刷動作のための画像形成準備動作を行うため、画像制御部206、用紙搬送部208等に印刷動作の開始を指示する。そして、画像制御部206から画像形成準備が完了した旨の通知を受信すると、エンジン部202は、コントローラ部201に1枚目の用紙に対する/TOP信号(401)を出力する(図4(a))。Timageタイマは、基準となる/TOP信号(401)が出力されたタイミング(411)でスタートする(図4(b))。エンジン部202は、画像形成間隔が用紙の指定サイズに応じた画像形成間隔Timage(404)となるように制御する。そして、Timageタイマのタイマ値がTimage(404)に到達すると(図4(b))、エンジン部202は用紙の載置サイズが指定サイズと同じ場合は、コントローラ部201に2枚目の用紙に対する/TOP信号(402)を出力する(図4(a))。なお、図4における画像形成間隔Timageは、図3で説明した(式1)を用いて求めることができる。
一方、エンジン部202は給送準備動作が完了すると、給送開始信号(421)のタイミングで(図4(c))、MPトレイピックアップローラ51を駆動し、MPトレイ50から用紙を1枚給送する。エンジン部202は、所望の給送間隔を用紙の指定サイズと同じ載置サイズに対応した給送間隔Tpaper(424)になるようにしながら、後続の用紙の給送を制御する。図3で説明したように、給送間隔Tpaperは、MP搬送センサ52が先行する用紙の先端を検知したタイミングを基準に制御される。エンジン部202は、MP搬送センサ52がMPトレイ50から給送された用紙の先端をタイミング(431)で検知すると(図4(d))、Tpaperタイマをタイミング(441)でスタートさせる(図4(e))。図4における給送間隔Tpaper(424)は、MPトレイ50から給送される用紙として、指定サイズと同様のA5サイズの横向き用紙が給送された場合の給送間隔であり、図3で説明した(式2)を用いて求めることができる。
エンジン部202は、Tpaperタイマのタイマ値が給送間隔Tpaper(424)に到達したタイミング(図4(e))で、MP搬送センサ52の状態を確認する。本実施例では、MPトレイ50にA5サイズの用紙が横向きで載置されていることを想定して給送制御(給送間隔Tpaper(424)の設定)を行っている。ところが、実際にMPトレイ50に載置されているA5サイズの用紙は縦向きに載置されているため、MPトレイから給送されている用紙の搬送方向の長さは210mmとなる。一方、給送間隔Tpaper(424)を算出する上述した(式2)の分子は178mm(=148mm+140mm-60mm-50mm)であり、A5縦向きの搬送方向の長さ210mmより短い。そのため、Tpaperタイマのタイマ値が給送間隔Tpaper(424)に到達したタイミングにおいて、先行する用紙の搬送方向の後端は、まだMP搬送センサ52を通過していない。
用紙の載置サイズが指定サイズと同じ場合は、Tpaperタイマのタイマ値が給送間隔Tpaper(424)に到達したタイミングでは、先行する用紙(先行紙)の搬送方向の後端がMP搬送センサ52を通過している(図4[d])。そのため、エンジン部202は、次の用紙を給送するための給送開始信号(422)を生成する(図4(c))。一方、エンジン部202は、Tpaperタイマのタイマ値が給送間隔Tpaper(424)に到達したタイミング(442)で、先行紙の後端がMP搬送センサ52を通過していないと判断すると、給送間隔をTpaperからTpaper’に切り替える。すなわち、エンジン部202は、MPトレイ50から後続の用紙を給送する給送間隔をA5サイズ横向きの用紙の場合の給送間隔Tpaper(424)から、A4サイズ縦向きの用紙の場合の給送間隔Tpaper’(425)に切り替える。そして、エンジン部202は、Tpaperタイマのタイマ値が給送間隔Tpaper’(425)に到達したタイミングで、給送開始信号(423)を生成し、MPトレイピックアップローラ51を駆動し、後続紙の給送を行う。
図4における給送間隔Tpaper’は、次の(式5)で表される。
給送間隔Tpaper’
=(A4サイズ+用紙間隔-MPトレイピックアップローラ51が駆動されてから
用紙が動き出すまでに回転する距離-MPトレイ50に載置された用紙先端から
MP搬送センサ52までの距離)/搬送速度・・・(式5)
本実施例では、A4サイズ(A4サイズの用紙の搬送方向の長さ)は297mm、用紙間隔は140mmである。また、上述したように、MPトレイピックアップローラ51が駆動されてから用紙が動き出すまでに回転する距離は60mmであり、MPトレイ50に載置された用紙の先端位置からMP搬送センサ52までの距離は50mmである。したがって、(式5)より、給送間隔Tpaper’は、(297mm+140mm-60mm-50mm)/150mm/s=327mm/150mm/s=2.180s(秒)となる。
エンジン部202は、Tpaperタイマのタイマ値が給送間隔Tpaper(424)に到達したタイミング(442)で、先行する用紙がMP搬送センサ52を通過していないと判断すると、給送間隔をTpaperからTpaper’に切り替える。また、エンジン部202は、給送間隔をTpaper(424)からTpaper’(425)に切り替えるタイミングで、画像形成間隔もTimage(404)からTimage’(405)へと切り替える。
図4における画像形成間隔Timage’は、次の(式6)で表される。
画像形成間隔Timage’
=(A4サイズ+画像間隔)/搬送速度・・・(式6)
本実施例では、A4サイズ(A4サイズの用紙の搬送方向の長さ)は297mm、画像間隔は220mmである。したがって、(式6)より、画像形成間隔Timage’は、(297mm+220mm)/150mm/s=517mm/150mm/s≒3.447s(秒)となる。
[画像形成制御、及び給送制御の制御シーケンス]
図5は、本実施例における画像形成制御、及び給送制御の制御シーケンスを示すフローチャートである。図5(a)は、MPトレイ50に載置された用紙の給送制御の制御シーケンスを示すフローチャートであり、図5(b)は、給送された用紙に画像形成を行う画像形成制御の制御シーケンスを示すフローチャートである。図5(a)、(b)に示す処理は、エンジン部202が、コントローラ部201から印刷開始コマンドを受信すると起動され、エンジン部202により実行される。なお、エンジン部202は、印刷開始コマンドを受信する前に、コントローラ部201から画像サイズ情報、用紙サイズ指定コマンドや印刷予約コマンドを受信しているものとする。
(給送制御の制御シーケンス)
図5(a)に示す、MPトレイ50に載置された用紙の給送制御の制御シーケンスについて説明する。ステップ(以下、Sとする)500では、エンジン部202は、コントローラ部201から印刷開始コマンドを受信すると、給送準備動作を開始する。S501では、エンジン部202は、MPトレイ50に載置された用紙の給送準備が完了したかどうか判断する。エンジン部202は、給送準備が完了したと判断した場合には処理をS502に進め、給送準備が完了していないと判断した場合には処理をS501に戻す。
S502では、エンジン部202は、MPトレイピックアップローラ51を駆動して、MPトレイ50に載置された用紙を1枚(1枚目の用紙)給送する。S503では、エンジン部202は、MP搬送センサ52の用紙の検知状態を取得し、取得した検知状態(検知結果)に基づき、MP搬送センサ52がMPトレイ50から給送された用紙の搬送方向の先端を検知したかどうか判断する(MP搬送センサ オン?)。エンジン部202は、取得したMP搬送センサ52の検知状態がオン(ON)状態の場合には、MP搬送センサ52が給送された用紙の先端を検知したと判断し、処理をS504に進める。一方、エンジン部202は、取得したMP搬送センサ52の検知状態がオン(ON)状態ではない(オフ(OFF)状態である)の場合には、MP搬送センサ52が給送された用紙を検知していないと判断し、処理をS503に戻す。
S504では、エンジン部202は、用紙サイズ指定コマンドにより指定された用紙のサイズに基づいて、上述した(式2)を用いて給送間隔Tpaperを算出すると共に、給送間隔を計測するTpaperタイマをリセットし、スタートさせる。S505では、エンジン部202は、Tpaperタイマを参照し、給送間隔が経過したかどうか判断する。エンジン部202は、Tpaperタイマのタイマ値に基づいて給送間隔が経過したと判断した場合には処理をS506に進め、給送間隔が経過していないと判断した場合には処理をS505に戻す。
S506では、エンジン部202は、MP搬送センサ52の用紙の検知状態を取得し、MPトレイ50から給送された用紙の搬送方向の後端がMP搬送センサ52を通過したかどうか判断する(MP搬送センサ オフ?)。エンジン部202は、取得したMP搬送センサ52の検知状態がオフ(OFF)状態の場合には、給送された用紙の後端がMP搬送センサ52を通過したと判断し、処理をS509に進める。一方、エンジン部202は、取得したMP搬送センサ52の検知状態がオフ(OFF)状態ではない(オン(ON)状態である)の場合には、給送された用紙の後端がMP搬送センサ52を通過していないと判断し、処理をS507に進める。
S507では、エンジン部202は、MPトレイ50から給送された用紙のサイズは、用紙サイズ指定コマンドにより指定された用紙のサイズよりも大きいと判断する。そして、エンジン部202は、給送間隔を、用紙サイズ指定コマンドにより指定された用紙のサイズに応じた給送間隔Tpaperから、上述した(式5)を用いて算出した、A4サイズの用紙に応じた給送間隔Tpaper’に切り替える。S508では、エンジン部202は、画像形成間隔を画像サイズ情報に応じたTimageから、上述した(式6)を用いて算出した、A4サイズの用紙に応じた画像形成間隔Timage’に切り替える。そして、エンジン部202は、処理をS505に戻す。
S509では、エンジン部202は、エンジン部202は、MPトレイピックアップローラ51を駆動して、MPトレイ50に載置された用紙(後続の用紙)を1枚給送する。S510では、エンジン部202は、後続の用紙に対する印刷予約コマンドに基づいて、全ての用紙の給送が終了しているかどうか判断する。エンジン部202は、印刷予約コマンドを受信している場合には、用紙の給送が終了していないと判断し、処理をS503に戻す。一方、エンジン部202は、印刷予約コマンドを受信していない場合には、全ての用紙の給送が終了していると判断し、処理を終了する。
(画像形成制御の制御シーケンス)
図5(b)に示す、給送された用紙に画像形成を行う画像形成制御の制御シーケンスについて説明する。S520では、エンジン部202は、コントローラ部201から印刷開始コマンドを受信すると、画像形成準備動作を開始する。S521では、エンジン部202は、画像形成準備が完了したかどうか判断する。エンジン部202は、画像形成準備が完了したと判断した場合には処理をS522に進め、画像形成準備が完了していないと判断した場合には処理をS521に戻す。S522では、エンジン部202は、コントローラ部201に1枚目の用紙に対する/TOP信号を出力し、画像形成を開始する。
S523では、エンジン部202は、コントローラ部201から受信した画像サイズ情報に基づいて、上述した(式1)を用いて画像形成間隔Timageを算出すると共に、画像形成間隔を計測するTimageタイマをリセットし、スタートさせる。S524では、エンジン部202は、Timageタイマを参照し、画像形成間隔が経過したかどうか判断する。エンジン部202は、Timageタイマのタイマ値に基づいて画像形成間隔が経過したと判断した場合には処理をS525に進め、画像形成間隔が経過していないと判断した場合には処理をS524に戻す。
S525では、エンジン部202は、コントローラ部201に次の用紙(後続の用紙)に対する/TOP信号を出力し、画像形成を開始する。S526では、エンジン部202は、後続の用紙に対する印刷予約コマンドに基づいて、全ての用紙の印刷が終了しているかどうか判断する。エンジン部202は、印刷予約コマンドを受信している場合には、用紙の印刷が終了していないと判断し、処理をS523に戻す。一方、エンジン部202は、印刷予約コマンドを受信していない場合には、全ての用紙の印刷が終了していると判断し、処理を終了する。
なお、S523では、画像形成間隔Timageをコントローラ部201から受信した画像サイズ情報に基づいて算出している。ところが、指定された用紙のサイズと、MPトレイ50から給送された用紙のサイズとが不一致の場合には、上述したS508の処理で、画像形成間隔がTimageから、A4サイズの用紙に応じた画像形成間隔Timage’に切り替えられる。その結果、MPトレイ50から給送される用紙サイズに応じて、Timageタイマの画像形成間隔がTimageからTimage’に切り替えられる場合がある。これにより、MPトレイ50から搬送される用紙の搬送マージンの減少を防ぎ、ジャム等の搬送不良の発生を抑えることができる。また、ジャムが発生することにより、廃トナーの回収によって廃トナー容器が溢れてしまうリスクを低減させることができる。
本実施例では、用紙の指定サイズと載置サイズが不一致だった場合、画像形成間隔及び給送間隔をA4サイズの用紙の給送間隔と同等まで広げる制御について説明した。本実施例では、広げる給送間隔をA4の給送間隔としたが、その限りではなく、例えば画像形成装置がサポートする最大用紙サイズや、ユーザの使用頻度が高い用紙サイズ等を基準に決めてもよい。また、本実施例では、指定されたサイズと異なるサイズの用紙がMPトレイ50に載置された場合について説明したが、用紙サイズの不一致が生じる場合はこれだけではない。例えば、指定されたサイズの用紙が実際にMPトレイ50に載置されていても、給送された用紙が重送(複数の紙が連なって(重なって)搬送されてしまう状態)した場合も、MP搬送センサ52が各用紙の先端、後端を検知できない。そのため、用紙サイズ不一致と判断される場合があり、本実施例では、用紙サイズの不一致と同様の制御が行われる。
以上説明したように、本実施例によれば、用紙サイズの不一致による用紙の搬送不良の発生を抑制することができる。
実施例1では、MPトレイからの給送される用紙の連続印刷において、先行紙と後続紙との給送間隔が指定サイズ+用紙間隔以上となることが分かった場合に、給送間隔及び画像形成間隔を所定間隔まで広げることにより正常に搬送できる制御について説明した。実施例2では、用紙サイズの不一致が生じた場合、後続紙の給送開始及び画像形成開始をMP搬送センサが先行紙の後端の通過検知に基づいて決定することで、用紙サイズに応じた搬送を行う制御について説明する。なお、本実施例の画像形成装置の構成やシステム構成については、実施例1と同様であり、同じ装置、部材には同じ符号を用いることで説明を省略する。
[本実施例の印刷動作の概要]
図6は、本実施例における画像形成制御、給送制御を説明するタイミングチャートである。図6では、用紙の指定サイズは、A5サイズの横向き用紙(用紙幅210mm×搬送方向の長さ148mm)とする。一方、MPトレイ50に載置された用紙の載置サイズは、LTR(レター)用紙(用紙幅215.9mm×搬送方向の長さ279.4mm)とし、用紙の指定サイズと載置サイズとが不一致で、MPトレイ50に載置された用紙の方が搬送方向の長さが長い。また、画像形成装置及び印刷制御で使用するパラメータについては、実施例1と同様とする。なお、図6の構成は、上述した実施例1の図4と同様であり、図の見方の説明は省略する。
エンジン部202は、コントローラ部201から印刷開始コマンドを受信すると、印刷動作のための画像形成準備動作を行うため、画像制御部206、用紙搬送部208等に印刷動作の開始を指示する。そして、画像制御部206から画像形成準備が完了した旨の通知を受信すると、エンジン部202は、コントローラ部201に1枚目の用紙に対する/TOP信号(601)を出力する(図6(a))。Timageタイマは、基準となる/TOP信号(601)が出力されたタイミング(611)でスタートする(図6(b))。エンジン部202は、画像形成間隔が用紙の指定サイズに応じた画像形成間隔Timage(604)となるように制御する。そして、Timageタイマのタイマ値がTimage(604)に到達すると(図6(b))、エンジン部202は用紙の載置サイズが指定サイズと同じ場合は、コントローラ部201に2枚目の用紙に対する/TOP信号(602)を出力する(図6(a))。なお、図6における画像形成間隔Timageは、実施例1の図3で説明した(式1)を用いて求めることができる。
一方、エンジン部202は給送準備動作が完了すると、給送開始信号(621)のタイミングで(図6(c))、MPトレイピックアップローラ51を駆動し、MPトレイ50から用紙を1枚給送する。エンジン部202は、所望の給送間隔を用紙の指定サイズと同じ載置サイズに対応した給送間隔Tpaper(624)になるようにしながら、後続の用紙の給送を制御する。実施例1と同様に、給送間隔Tpaperは、MP搬送センサ52が先行する用紙の先端を検知したタイミングを基準に制御される。エンジン部202は、MP搬送センサ52がMPトレイ50から給送された用紙の搬送方向の先端をタイミング(631)で検知すると(図6(d))、Tpaperタイマをタイミング(641)でスタートさせる(図6(e))。図4における給送間隔Tpaper(624)は、MPトレイ50から給送される用紙として、指定サイズと同様のA5サイズの横向き用紙が給送された場合の給送間隔であり、実施例1の図3で説明した(式2)を用いて求めることができる。
エンジン部202は、Tpaperタイマのタイマ値が給送間隔Tpaper(624)に到達したタイミング(図6(e))で、MP搬送センサ52の状態を確認する。本実施例では、MPトレイ50にA5サイズの用紙が横向きで載置されていることを想定して給送制御(給送間隔Tpaper(624)の設定)を行っている。ところが、実際にMPトレイ50に載置されている用紙は、LTR(レター)用紙(用紙幅215.9mm×搬送方向の長さ279.4mm)であり、A5サイズ横向きの用紙の搬送方向の長さ148mmよりも長い。そのため、Tpaperタイマのタイマ値が給送間隔Tpaper(624)に到達したタイミング(642)において、先行する用紙の搬送方向の後端は、まだMP搬送センサ52を通過していない。
そのため、エンジン部202は、タイミング(642)において、先行する用紙の搬送方向の後端がMP搬送センサ52を通過していないと判断すると、後続紙の画像形成及び給送を禁止する。エンジン部202は、後続紙の画像形成を禁止しているため、Timageタイマが画像形成間隔Timage(604)に到達しても、/TOP信号(602)を出力せず、後続紙の画像形成を開始しない。その後、エンジン部202は、MP搬送センサ52がMPトレイ50から給送された用紙(先行紙)の搬送方向の後端の通過をタイミング(632)で検知すると(図6(d))、後続紙の画像形成及び給送を許可する。これにより、エンジン部202は、タイミング(632)で、コントローラ部201に2枚目の用紙(後続紙)に対する/TOP信号(603)を出力する(図6(a))。また、エンジン部202は、給送開始信号(623)のタイミングで、MPトレイピックアップローラ51を駆動し、MPトレイ50から後続の用紙(後続紙)を1枚給送する。
[画像形成制御、及び給送制御の制御シーケンス]
図7は、本実施例における画像形成制御、及び給送制御の制御シーケンスを示すフローチャートである。図7(a)は、MPトレイ50に載置された用紙の給送制御の制御シーケンスを示すフローチャートであり、図7(b)は、給送された用紙に画像形成を行う画像形成制御の制御シーケンスを示すフローチャートである。図7(a)、(b)に示す処理は、エンジン部202が、コントローラ部201から印刷開始コマンドを受信すると起動され、エンジン部202により実行される。なお、エンジン部202は、印刷開始コマンドを受信する前に、コントローラ部201から画像サイズ情報、用紙サイズ指定コマンドや印刷予約コマンドを受信しているものとする。また、図7(a)、(b)に示す処理が起動される際は、後述する後続紙に対する画像形成及び給送については、許可が設定されているものとする。
(給送制御の制御シーケンス)
図7(a)に示すMPトレイ50に載置された用紙の給送制御の制御シーケンスについて説明する。S700~S705の処理は、実施例1の図5(a)に示すS500~S505の処理と同様であり、ここでの説明を省略する。
S706では、エンジン部202は、MP搬送センサ52の用紙の検知状態を取得し、MPトレイ50から給送された用紙の搬送方向の後端がMP搬送センサ52を通過したかどうか判断する(MP搬送センサ オフ?)。エンジン部202は、取得したMP搬送センサ52の検知状態がオフ(OFF)状態の場合には、給送された用紙の後端がMP搬送センサ52を通過したと判断し、処理をS708に進める。一方、エンジン部202は、取得したMP搬送センサ52の検知状態がオフ(OFF)状態ではない(オン(ON)状態である)の場合には、給送された用紙の後端がMP搬送センサ52を通過していないと判断し、処理をS707に進める。S707では、エンジン部202は、先行紙の後端がMP搬送センサ52を通過していないため、MPトレイ50からの後続紙の給送動作、及び画像形成動作を開始しないように、後続紙に対する画像形成及び給送の禁止を設定し、処理をS706に戻す。
S708では、エンジン部202は、S707の処理による後続紙に対する画像形成及び給送の禁止設定がされているかどうか(給送/画像形成禁止?)判断する。エンジン部202は、後続紙に対する画像形成及び給送の禁止が設定されていると判断した場合には処理をS709に進める。一方、エンジン部202は、後続紙に対する画像形成及び給送の禁止が設定されていない(後続紙に対する画像形成及び給送の許可が設定されている)と判断した場合には処理をS710に進める。S709では、エンジン部202は、後続紙に対する画像形成及び給送の許可を設定する。S710、S711の処理は、実施例1の図5(a)に示すS509、S510の処理と同様であり、ここでの説明を省略する。
(画像形成制御の制御シーケンス)
図7(b)に示す、給送された用紙に画像形成を行う画像形成制御の制御シーケンスについて説明する。S720~S723の処理は、実施例1の図5(b)に示すS520~S523の処理と同様であり、ここでの説明を省略する。
S724では、エンジン部202は、Timageタイマを参照し、画像形成間隔が経過したかどうか判断する。エンジン部202は、Timageタイマのタイマ値に基づいて画像形成間隔が経過したと判断した場合には処理をS725に進め、画像形成間隔が経過していないと判断した場合には処理をS724に戻す。S725では、エンジン部202は、上述したS707の処理による後続紙に対する画像形成の禁止設定がされているかどうか(画像形成禁止?)判断する。エンジン部202は、後続紙に対する画像形成の禁止が設定されていると判断した場合には処理をS725に戻す。一方、エンジン部202は、後続紙に対する画像形成の禁止が設定されていない(後続紙に対する画像形成の許可が設定されている)と判断した場合には処理をS726に進める。S726、S727の処理は、実施例1の図5(b)に示すS525、S526の処理と同様であり、ここでの説明を省略する。
本実施例では、用紙の指定サイズに応じた給送間隔Tpaperで、先行紙の後端がMP搬送センサ52を通過していない場合には、先行紙の後端がMP搬送センサ52を通過するまで、後続紙に対する画像形成及び給送を禁止する実施例について説明した。上述したように、MPトレイに載置された用紙の連続印刷を行う際、用紙サイズの不一致によって画像形成動作や給送動作のタイミングに不整合が生じた場合でも、タイミングのずれに応じた制御を行うことで、ジャム等の搬送不良の発生を抑制することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、用紙サイズの不一致による用紙の搬送不良の発生を抑制することができる。
実施例2では、指定された用紙サイズ(指定サイズ)と、MPトレイ50に載置されている用紙サイズ(載置サイズ)が異なる場合には、先行紙がMP搬送センサを通過するタイミングで、後続紙の給送開始及び画像形成開始を決定する制御について説明した。実施例3は、指定された用紙サイズ(指定サイズ)と、MPトレイ50に載置されている用紙サイズ(載置サイズ)が異なる場合には、給送タイミングの遅延量に応じて、後続紙の画像形成開始タイミングを変更する制御について説明する。なお、本実施例の画像形成装置の構成やシステム構成については、実施例1、2と同様であり、同じ装置、部材には同じ符号を用いることで説明を省略する。
[本実施例の印刷動作の概要]
図8は、本実施例における画像形成制御、給送制御を説明するタイミングチャートである。図8では、用紙の指定サイズは、A5サイズの横向き用紙(用紙幅210mm×搬送方向の長さ148mm)とする。一方、MPトレイ50に載置された用紙の載置サイズは、LTR(レター)用紙(用紙幅215.9mm×搬送方向の長さ279.4mm)とし、用紙の指定サイズと載置サイズとが不一致で、MPトレイ50に載置された用紙の方が搬送方向の長さが長い。また、画像形成装置及び印刷制御で使用するパラメータについては、実施例1と同様とする。なお、図6の構成は、上述した実施例1の図4、実施例2の図6と同様であり、図の見方の説明は省略する。
エンジン部202は、コントローラ部201から印刷開始コマンドを受信すると、印刷動作のための画像形成準備動作を行うため、画像制御部206、用紙搬送部208等に印刷動作の開始を指示する。そして、画像制御部206から画像形成準備が完了した旨の通知を受信すると、エンジン部202は、コントローラ部201に1枚目の用紙に対する/TOP信号(801)を出力する(図8(a))。Timageタイマは、基準となる/TOP信号(801)が出力されたタイミング(811)でスタートする(図8(b))。エンジン部202は、画像形成間隔が用紙の指定サイズに応じた画像形成間隔Timage(804)となるように制御する。そして、Timageタイマのタイマ値がTimage(804)に到達すると(図8(b))、エンジン部202は用紙の載置サイズが指定サイズと同じ場合は、コントローラ部201に2枚目の用紙に対する/TOP信号(802)を出力する(図8(a))。なお、図8における画像形成間隔Timageは、実施例1の図3で説明した(式1)を用いて求めることができる。
一方、エンジン部202は給送準備動作が完了すると、給送開始信号(821)のタイミングで(図8(c))、MPトレイピックアップローラ51を駆動し、MPトレイ50から用紙を1枚給送する。エンジン部202は、所望の給送間隔を用紙の指定サイズと同じ載置サイズに対応した給送間隔Tpaper(824)になるようにしながら、後続の用紙の給送を制御する。実施例1、2と同様に、給送間隔Tpaperは、MP搬送センサ52が先行する用紙の搬送方向の先端を検知したタイミングを基準に制御される。エンジン部202は、MP搬送センサ52がMPトレイ50から給送された用紙の搬送方向の先端をタイミング(831)で検知すると(図8(d))、Tpaperタイマをタイミング(841)でスタートさせる(図8(e))。図4における給送間隔Tpaper(824)は、MPトレイ50から給送される用紙として、指定サイズと同様のA5サイズの横向き用紙が給送された場合の給送間隔であり、実施例1の図3で説明した(式2)を用いて求めることができる。
エンジン部202は、Tpaperタイマのタイマ値が給送間隔Tpaper(824)に到達したタイミング(図6(e))で、MP搬送センサ52の状態を確認する。本実施例では、MPトレイ50にA5サイズの用紙が横向きで載置されていることを想定して給送制御(給送間隔Tpaper(824)の設定)を行っている。ところが、実際にMPトレイ50に載置されている用紙は、LTR(レター)用紙(用紙幅215.9mm×搬送方向の長さ279.4mm)であり、A5サイズ横向きの用紙の搬送方向の長さ148mmよりも長い。そのため、Tpaperタイマのタイマ値が給送間隔Tpaper(824)に到達したタイミング(842)において、先行する用紙の搬送方向の後端は、まだMP搬送センサ52を通過していない。
そのため、エンジン部202は、タイミング(842)において、先行する用紙の搬送方向の後端がMP搬送センサ52を通過していないと判断すると、後続紙の画像形成及び給送を禁止する。エンジン部202は、後続紙の画像形成を禁止しているため、Timageタイマが画像形成間隔Timage(804)に到達しても、/TOP信号(802)を出力せず、後続紙の画像形成を開始しない。なお、Tpaperタイマによる時間測定はそのまま継続される。
その後、エンジン部202は、MP搬送センサ52がMPトレイ50から給送された用紙(先行紙)の搬送方向の後端の通過をタイミング(832)で検知すると(図8(d))、次の処理を行う。すなわち、エンジン部202は、現在のTpaperタイマのタイマ値と給紙間隔Tpaperから差分△Tpaper(843)を算出する。そして、エンジン部202は、算出した差分△Tpaper(843)を用いて、Timageタイマの画像形成間隔をTimageから(Timage+△Tpaper(812))に切り替える。また、エンジン部202は、後続紙の画像形成及び給送の禁止設定を許可設定に変更する。
エンジン部202は、後続紙の給送の許可設定に伴い、給送開始信号(823)のタイミングで、MPトレイピックアップローラ51を駆動し、MPトレイ50から後続の用紙(後続紙)を1枚給送する。また、エンジン部202は、後続紙の画像形成が許可されて、Timageタイマが画像形成間隔(Timage+△Tpaper)に到達すると、コントローラ部201に2枚目の用紙(後続紙)に対する/TOP信号(803)を出力する(図8(a))。
[画像形成制御、及び給送制御の制御シーケンス]
図9は、本実施例における画像形成制御、及び給送制御の制御シーケンスを示すフローチャートである。図9(a)は、MPトレイ50に載置された用紙の給送制御の制御シーケンスを示すフローチャートであり、図9(b)は、給送された用紙に画像形成を行う画像形成制御の制御シーケンスを示すフローチャートである。図9(a)、(b)に示す処理は、エンジン部202が、コントローラ部201から印刷開始コマンドを受信すると起動され、エンジン部202により実行される。なお、エンジン部202は、印刷開始コマンドを受信する前に、コントローラ部201から画像サイズ情報、用紙サイズ指定コマンドや印刷予約コマンドを受信しているものとする。また、図9(a)、(b)に示す処理が起動される際は、後述する後続紙に対する画像形成及び給送については、許可が設定されているものとする。
(給送制御の制御シーケンス)
図9(a)に示すMPトレイ50に載置された用紙の給送制御の制御シーケンスについて説明する。S900~S910の処理は、実施例2の図7(a)に示すS500~S510の処理と同様であり、ここでの説明を省略する。
S911では、エンジン部202は、MP搬送センサ52が先行紙の搬送方向の後端が通過したタイミングでのTpaperタイマの時間を取得して、給送間隔Tpaperとの差分△Tpaperを算出する。差分△Tpaperは、後続紙を給送するタイミングが先行紙が指定サイズの用紙であった場合のタイミングからどれだけ遅延したかを示している。
差分△Tpaperは、次の(式7)を用いても、算出することができる。
差分△Tpaper
=((載置サイズ+用紙間隔)-(指定サイズ+用紙間隔))/搬送速度
・・・(式7)
本実施例では、載置サイズ(LTR用紙の搬送方向の長さ)は279.4mm、用紙間隔は140mmである。また、指定サイズ(A5サイズの横向き用紙の搬送方向の長さ)は、148mmである。したがって、(式7)より、差分△Tpaperは、((279.4mm+140mm)-(148mm+140m))/150mm/s=131.4mm//150mm/s≒0.876s(秒)となる。
S912では、エンジン部202は、Timageタイマの画像形成間隔を用紙が指定サイズの場合の画像形成間隔Timageから、差分△Tpaperを加算した画像形成間隔(Timage+△Tpaper)に切り替える。S913の処理は、実施例2の図7(a)に示すS711の処理と同様であり、ここでの説明を省略する。
(画像形成制御の制御シーケンス)
図9(b)に示す、給送された用紙に画像形成を行う画像形成制御の制御シーケンスについて説明する。S920~S923の処理は、実施例2の図7(b)に示すS720~S723の処理と同様であり、ここでの説明を省略する。
S924では、エンジン部202は、Timageタイマを参照し、画像形成間隔が経過したかどうか判断する。エンジン部202は、Timageタイマのタイマ値に基づいて画像形成間隔が経過したと判断した場合には処理をS925に進め、画像形成間隔が経過していないと判断した場合には処理をS924に戻す。S925では、エンジン部202は、上述した図9(a)のS907の処理による後続紙に対する画像形成の禁止設定がされているかどうか(画像形成禁止?)判断する。エンジン部202は、後続紙に対する画像形成の禁止が設定されていると判断した場合には処理をS924に戻す。一方、エンジン部202は、後続紙に対する画像形成の禁止が設定されていない(後続紙に対する画像形成の許可が設定されている)と判断した場合には処理をS926に進める。S926、S927の処理は、実施例2の図7(b)に示すS726、S727の処理と同様であり、ここでの説明を省略する。
上述したように、用紙サイズの不一致による制御遅延などによって画像形成や給送動作のタイミングに不整合が生じた場合でも、タイミングのずれに合わせた制御を行うことで、ジャム等の搬送不良の発生を抑制することができる。
以上説明したように、本実施例によれば、用紙サイズの不一致による用紙の搬送不良の発生を抑制することができる。
50 MPトレイ
51 MPトレイピックアップローラ
52 MP搬送センサ
201 コントローラ部
202 エンジン部

Claims (8)

  1. 画像形成位置に対し、給紙部に載置された複数の記録材を順次給送する給送手段と、
    前記画像形成位置において、出力手段から出力される画像信号に応じて、前記給送手段により給送される記録材に画像を形成する画像形成手段と、
    前記給送手段により給送される記録材を検知する検知手段と、
    前記出力手段から出力される画像信号の長さに応じた画像形成間隔と、前記給送手段により給送される、前記画像信号の長さに対応した記録材の給送間隔に基づいて、前記出力手段から画像信号が出力されるタイミング、及び前記給送手段により前記記録材が給送されるタイミングを決定する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記検知手段が前記給送手段により給送された第1の記録材の搬送方向の先端を検知してから前記給送間隔が経過するまでに前記第1の記録材の搬送方向の後端を検知しない場合には、前記出力手段から前記第1の記録材の次に給送される第2の記録材に対する画像信号が出力されるタイミング、及び前記給送手段により前記第2の記録材が給送されるタイミングを、前記第1の記録材の搬送方向の長さに基づいて決定することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記第1の記録材の搬送方向の長さが前記給紙部に載置可能な最大の搬送方向の長さを有する記録材の場合に応じた前記画像形成間隔、及び前記給送間隔に基づいて、前記出力手段から前記第2の記録材に対する画像信号が出力されるタイミング、及び前記給送手段により前記第2の記録材が給送されるタイミングを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記検知手段が前記第1の記録材の搬送方向の後端が通過したことを検知したタイミングで、前記出力手段から前記第2の記録材に対する画像信号を出力させ、前記給送手段により前記第2の記録材を給送させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記出力手段から前記第2の記録材に対する画像信号が出力されるタイミング、及び前記給送手段により前記第2の記録材が給送されるタイミングを、前記検知手段が前記第1の記録材の搬送方向の後端が通過したことを検知したタイミングが前記給送間隔よりも遅延した時間だけずらすことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記画像形成間隔は、前記第1の記録材に対応する画像信号の長さと、前記第1の記録材に対応する画像信号と前記第2の記録材に対応する画像信号との間に設けられた画像信号が出力されない区間の長さと、に基づいて決定されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記給送間隔は、前記第1の記録材の長さと、前記第1の記録材と前記第2の記録材との紙間間隔と、前記給紙部から前記検知手段までの搬送路の距離と、に基づいて決定されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記画像形成手段は、像担持体と、前記像担持体に形成された画像を前記給送手段により給送される記録材に転写する転写部を含み、
    前記転写部から前記検知手段までの距離は、前記像担持体上に画像が形成される位置から前記転写部まで前記画像が移動する距離以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記検知手段と前記転写部との間に設けられ、搬送される記録材を検知する記録材検知手段と、
    前記検知手段と前記転写部との間に設けられ、記録材を搬送する搬送手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記記録材検知手段の検知結果に基づいて、前記搬送手段により搬送される記録材が前記転写部に到達するタイミングを制御することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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