JP2023036362A - 多孔質樹脂粒子含有白色組成物及び該多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法 - Google Patents

多孔質樹脂粒子含有白色組成物及び該多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】白色性を向上することができる多孔質樹脂粒子含有白色組成物を提供する。【解決手段】多孔質樹脂粒子含有白色組成物は、平均粒子径15μm以下、比表面積5m2/g以上である多孔質樹脂粒子と、分散媒とを含有する。前記多孔質樹脂粒子の細孔径は200nm以下、細孔容量は0.03cm3/g以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質樹脂粒子含有白色組成物及び該多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法に関する。
一般に、白色を呈する材料は、可視光に吸収のない粒子のような分散質と分散質周辺に存在する分散媒から形成される。白色の度合いは、異なる物質間の反射や散乱に起因するため、基本的には分散質と分散媒の屈折率差が大きいことが好まれる。そのため、前記分散質には、例えば酸化チタンのような高屈折の無機顔料が使用されることが多いが、無機顔料は比重が大きいものが多く、沈降しやすいという問題が存在している。また、一旦沈降すると再分散しにくいため、インキ等の吐出においてノズルが詰まるという問題も存在している。
そのため、近年、無機顔料よりは比重の低い有機材料を用いた検討が行われている。例えば、スチレン系樹脂やアクリル系樹脂を用いた中空樹脂粒子(特許文献1、2)や、アクリル系樹脂や澱粉を用いた多孔質粒子(特許文献3、4)が提案されている。
特開2014-122310号公報 特開2015-134890号公報 特開2014-111728号公報 特表2007-507572号公報
しかしながら、特許文献1~2に示されるような中空樹脂粒子を用いた場合には、中空となっている中心部分と樹脂との界面における反射は得られるものの、分散媒は一般的に樹脂であるので、中空樹脂粒子と分散媒との界面において十分な反射が得られないという課題があった。また、中空樹脂粒子は、中心部分が空洞であるためビーズを用いた分散時や加熱時に変形しやすく、変形によって白色度が変化するという課題もあった。
また、特許文献3に示される樹脂粒子を膨潤させて多孔質化する方法では、孔径が大きくなりやすいため、樹脂粒子の白色性を最大に引き出す粒径には適さないという課題があった。また、多孔質樹脂粒子の孔径が大きいために、分散媒が多孔質樹脂粒子に入り込み、多孔質樹脂粒子と分散媒の界面で十分な反射が得られない問題もあった。特許文献4に示される澱粉は、確かに多孔質粒子そのものは白色性を有しているが、分散媒で使用される一般的な樹脂と屈折率がほぼ同じであるため、インキや塗料にした場合に多孔質粒子と分散媒の反射が相殺されて著しく白色性が低下する問題があった。
本発明は、白色性を向上することができる多孔質樹脂粒子含有白色組成物及び多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、発明者らは鋭意研究を重ねた結果、高密度結晶化法、ナノ粒子析出法、重合誘起相分離法から選択されたいずれかの方法によって多孔質樹脂粒子を製造すると、所定の平均粒子径及び所定の比表面積を有する多孔質樹脂粒子を得ることができ、得られた多孔質樹脂粒子と分散媒とを混合して多孔質樹脂粒子含有組成物とすると、多孔質樹脂粒子と分散媒との界面において十分な反射が生じ、優れた白色性を安定的に発現できることを見出した。また、多孔質樹脂粒子と分散媒の混合物に更に無機酸化物微粒子を混合すると、無機酸化物微粒子の光散乱による反射回数が増大し、また、無機酸化物微粒子と多孔質樹脂粒子との界面でも反射が発生し、その結果白色性が更に向上することを見出した。
すなわち、本発明は以下の構成を提供する。
[1]平均粒子径15μm以下、比表面積5m/g以上である多孔質樹脂粒子と、分散媒とを含有する、多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
[2]前記多孔質樹脂粒子の細孔径が200nm以下、細孔容量が0.03cm/g以上である、上記[1]に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
[3]前記多孔質樹脂粒子の屈折率と前記分散媒の屈折率との差Δnが、0.10以上1.0以下である、上記[1]又は[2]に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
[4]前記多孔質樹脂粒子が、結晶性樹脂からなる、上記[1]~[3]のいずれかに記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
[5]前記多孔質樹脂粒子が、球状を有する、上記[1]~[4]のいずれかに記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
[6]無機酸化物微粒子を更に含有する、上記[1]に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
[7]前記無機酸化物微粒子が、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ゲルマニウムから選択される1種又は2種以上で構成される、上記[6]に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
[8]前記多孔質樹脂粒子に、前記無機酸化物微粒子の1又は複数が担持されている、上記[6]又は[7]に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
[9]前記分散媒が水であり、
前記多孔質樹脂粒子含有白色組成物が、白色水分散体である、上記[1]~[8]のいずれかに記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
[10]前記白色水分散体の明度Lが、20以上である、上記[9]に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
[11]前記分散媒が樹脂であり、
前記多孔質樹脂粒子含有白色組成物が、白色インキ又は白色塗料である、上記[1]~[8]のいずれか1項に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
[12]前記白色インキの明度Lが、30以上である、上記[11]に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
[13]前記白色塗料の明度Lが、50以上である、上記[11]に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
[14]高密度結晶化法、ナノ粒子析出法、重合誘起相分離法から選択されたいずれかの方法により、平均粒子径15μm以下、比表面積5m/g以上である多孔質樹脂粒子を製造し、
前記多孔質樹脂粒子と、分散媒とを混合して、多孔質樹脂粒子含有白色組成物を得る、多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法。
[15]前記高密度結晶化法は、
置換基を有してもよい芳香族環を主鎖に有する高分子化合物を有機溶媒に加熱溶解させて、前記高分子化合物を含む溶液を得る加熱溶解工程と、
前記溶液を冷却してゲルを得るゲル化工程と、
前記ゲルを粉砕して、前記高分子化合物と前記有機溶媒との共結晶を含む多孔質樹脂粒子を得る粉砕工程と、
を有し、
前記有機溶媒の沸点が100℃以上であり、かつ、
前記有機溶媒のハンセン溶解度パラメータの水素結合項が7.4MPa0.5以下であるか、又は、前記水素結合項が7.4MPa0.5を超え、前記ハンセン溶解度パラメータの分極項が11.4MPa0.5未満である、上記[14]に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法。
[16]前記高密度結晶化法、前記ナノ粒子析出法のうちのいずれかの方法によって多孔質樹脂粒子を製造し、
分散質である前記多孔質樹脂粒子と、前記分散媒である樹脂とを混合して、白色インキを得る、上記[14]又は[15]に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法。
[17]前記多孔質樹脂粒子及び前記樹脂に加えて、更に無機酸化物微粒子を混合する、上記[16]に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法。
[18]前記ナノ粒子析出法によって多孔質樹脂粒子を製造し、
分散質である前記多孔質樹脂粒子と、前記分散媒である水とを混合して、白色水分散体を得る、上記[14]又は[15]に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法。
[19]高密度結晶化法、ナノ粒子析出法、重合誘起相分離法から選択されたいずれかの方法によって多孔質樹脂粒子を製造し、
分散質である前記多孔質樹脂粒子と、前記分散媒である樹脂とを混合して、白色塗料を得る、上記[14]又は[15]に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法。
[20]前記多孔質樹脂粒子及び前記樹脂に加えて、更に無機酸化物微粒子を混合する、請求項19に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法。
本発明によれば、白色性を向上することができる多孔質樹脂粒子含有白色組成物及び多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る多孔質樹脂粒子含有白色組成物の一例を示す模式図である。 図2は、多孔質樹脂粒子含有白色組成物に含有される多孔質樹脂粒子の外観を示す電子顕微鏡画像である。 図3(a)及び図3(b)は、図1の多孔質樹脂粒子含有白色組成物の変形例を示す模式図である。 図4は、実施例において多孔質樹脂粒子含有白色インキ又は多孔質樹脂粒子含有白色水分散体の明度Lを測定する方法を説明するための模式図である。 図5(a)は、製造例2の高密度結晶化法により製造された多孔質樹脂粒子の外観を示す電子顕微鏡画像であり、図5(b)は、多孔質樹脂粒子の模式図である。 図6(a)は、製造例4のナノ粒子析出法により製造された多孔質樹脂粒子の外観を示す電子顕微鏡画像であり、図6(b)は、多孔質樹脂粒子の模式図である。 図7(a)及び図7(b)は、実施例において多孔質樹脂粒子含有白色塗料の明度Lを測定する方法を説明するための模式図である。 図8(a)は、製造例5の重合誘起相分離法により製造された多孔質樹脂粒子の外観を示す電子顕微鏡画像であり、図8(b)は、多孔質樹脂粒子の模式図である。 図9は、実施例15の混合分散後の多孔質樹脂粒子の外観を示す電子顕微鏡画像である。 図10は、実施例16の混合分散後の多孔質樹脂粒子の外観を示す電子顕微鏡画像である。 図11は、実施例17の混合分散後の多孔質樹脂粒子の外観を示す電子顕微鏡画像である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されない。
<多孔質樹脂粒子含有白色組成物>
図1は、本実施形態に係る多孔質樹脂粒子含有白色組成物の一例を示す模式図である。図1に示すように、多孔質樹脂粒子含有白色組成物1Aは、平均粒子径15μm以下、比表面積5m/g以上である多孔質樹脂粒子2と、分散媒3とを含有する。多孔質微粒子は、主に顔料として多孔質樹脂粒子含有白色組成物に添加され、分散媒中に分散することで白色を呈するものである。
[多孔質樹脂粒子]
図2は、多孔質樹脂粒子含有白色組成物に含有される多孔質樹脂粒子の外観を示す電子顕微鏡画像である。図2に示すように、多孔質樹脂粒子は、孔径および孔の形状がそれぞれ同一であるかまたは異なる複数個の空孔(細孔ともいう)が存在しており、特に上記空孔が粒子表面に形成されている粒子である。上記空孔は、独立している孔(独立孔)であってもよく、あるいは連続している孔(連続孔)であってもよい。尚、樹脂粒子としては例えば中空樹脂粒子があるが、中空樹脂粒子は、略球状などの中空壁と、その内部の中空部(孔)とを有しており、孔数が基本的に1つである。本実施形態で使用される多孔質樹脂粒子は、孔形状、孔数などの孔の形態が異なる中空樹脂粒子を含まない。
本実施形態で使用される多孔質樹脂粒子の平均粒子径は、15μm以下であり、また、10μm以下、5μm以下、或いは2μm以下とすることができる。また、多孔質樹脂粒子の平均粒子径は、0.05μm以上、0.1μm以上、或いは1μm以上とすることができる。多孔質樹脂粒子の平均粒子径を15μm以下とすることにより、多孔質樹脂粒子が多孔質樹脂粒子含有白色組成物中で沈殿し難くなり、優れた白色性を発現することができる。多孔質樹脂粒子の平均粒子径は、レーザー回折法により測定することができる。
多孔質樹脂粒子の屈折率をn、分散媒の屈折率をnとしたとき、多孔質樹脂粒子と分散媒との屈折率差Δn(=n-n)が比較的大きい場合、多孔質樹脂粒子の平均粒子径が小さい方が多孔質樹脂粒子含有白色組成物の白色性がより向上し、また、屈折率差Δnが比較的小さい場合には、多孔質樹脂粒子の平均粒子径が大きい方が多孔質樹脂粒子含有白色組成物の白色性がより向上する傾向がある。よって、多孔質樹脂粒子の平均粒子径は、多孔質樹脂粒子と分散媒との屈折率差Δnに応じて適宜調整されるのが好ましい。
多孔質樹脂粒子の屈折率と分散媒の屈折率との差Δnは、例えば0.10以上1.0以下、0.15以上0.90以下、或いは0.20以上0.70以下とすることができる。
多孔質樹脂粒子の比表面積は、5m/g以上であり、また、10m/g以上、15m/g以上、50m/g以上、或いは60m/g以上とすることができる。多孔質樹脂粒子の比表面積を5m/g以上とすると、白色の発色原理により、屈折率差のある多孔質樹脂粒子と分散媒との界面の面積が増大し、反射性や散乱性が増して、白色性を向上することができる。多孔質樹脂粒子の比表面積は、例えばガス吸着法により測定することができる。
多孔質樹脂粒子の屈折率nは、特に制限されないが、屈折率差Δnの増大による反射性向上の観点からは、1.6以上、1.8以上、或いは2.0以上とすることができる。
多孔質樹脂粒子の細孔径は、特に制限されないが、多孔質樹脂粒子と分散媒との界面の面積をより増大させる観点からは、好ましくは200nm以下である。また、多孔質樹脂粒子の細孔径は、100nm以下、50nm以下、或いは20nm以下とすることができる。更に、多孔質樹脂粒子の細孔径は、0.5nm以上、或いは1.0nm以上とすることができる。
多孔質樹脂粒子の細孔容量は、特に制限されないが、多孔質樹脂粒子と分散媒との界面の面積をより増大させる観点からは、好ましくは0.03cm/g以上である。多孔質樹脂粒子の細孔容量は、0.1cm/g以上、0.2cm/g以上、或いは0.25cm/g以上とすることができる。
本実施形態で使用される多孔質樹脂粒子は、例えば、置換基を有してもよい芳香族環を主鎖に有する高分子化合物と、有機溶媒との共結晶を含み、前記有機溶媒の沸点が100℃以上であり、かつ、前記有機溶媒のハンセン溶解度パラメータの水素結合項が7.4MPa0.5以下であるか、又は、前記水素結合項が7.4MPa0.5を超え、前記ハンセン溶解度パラメータの極性項が11.4MPa0.5未満である。
上記高分子化合物(以下、特定高分子化合物ともいう)としては、上記の特性を有する有機溶媒(以下、特定有機溶媒ともいう)と共結晶をより作りやすく、得られる多孔質樹脂粒子の構造がより安定化しやすい観点で、少なくとも以下の式1Aで表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2023036362000001
式1A中、L、L、及び、Lはそれぞれ独立に、単結合、又は、2価の基を表し、R、R、及び、Rはそれぞれ独立に1価の置換基を表し、あるいは、x、y、及び、zはそれぞれ独立に0~4の整数を表し、mは0以上の整数を表し、nは0~10の整数を表し、nが0のとき、mは1以上の整数であり、n≠0のとき、pは1~3の整数を表し、L、L、及び、Lはそれぞれ同一でも異なってもよく、R、R、及び、Rはそれぞれ同一でも異なってもよく、R、及び、Rは互いに結合して環を形成してもよい。
式1A中、L、及び、Lの2価の基としては、特に制限されないが、置換基を有していてもよいアルキレン基(炭素数1~10個が好ましい。)、カルボニル基、スルホニル基、-O-、-NR-(Rは1価の基を表す。)、-S-、及び、これらの組合せからなる群より選択される少なくとも1種の基が好ましく、-O-、カルボニル基、スルホニル基、-C(CH-、-OC(=O)-、-C(=O)O(CHO-、及び、-S-からなる群より選択される少なくとも1種の基がより好ましく、-O-、-S-、カルボニル基、及び、スルホニル基からなる群より選択される少なくとも1種の基が更に好ましい。
、R、及び、Rの1価の基としては、特に制限されないが、ハロゲン原子、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1~10個の炭化水素基(1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。)、及び、スルホン酸基からなる群より選択される少なくとも1種の基が挙げられる。
、及び、Rが互いに結合して環を形成する場合、ナフチレン基、並びに、L1とともに、ビフェニレンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、アントラセンジイル基、トリフェニレンジイル基、チアントレンジイル基、キサンテンジイル基、フェノキサチインジイル基、カルバゾールジイル基、アクリジンジイル基、フェノチアジンジイル基、及び、フェノキサジンジイル基等を形成してもよい。
mは0以上の整数を表し、特に制限されないが、より効率的に多孔質樹脂粒子が得られる点で、mは1以上の整数が好ましく、3以下の整数がより好ましく、2以下の整数が更に好ましく、1が特に好ましい。
nは0~10の整数を表し、nが0のとき、mは1以上の整数であり、nは0~3の整数が好ましく、1~2の整数が好ましい。pは1~3の整数が好ましく、1又は2が好ましい。
特定高分子化合物としては、特定有機溶媒と共結晶を更に作りやすく、得られる多孔質樹脂粒子の構造が更に安定化しやすい観点で、少なくとも以下の式1Bで表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2023036362000002
式1B中、L、及び、Lはそれぞれ独立に、単結合、又は、2価の基を表し、R1、R2、及び、R3はそれぞれ独立に1価の置換基を表し、x、y、及び、zはそれぞれ独立に0~4の整数を表し、mは0以上の整数を表し、nは0~10の整数を表し、nが0のとき、mは1以上の整数であり、n≠0のとき、pは1~3の整数を表し、各繰り返し単位にL、及び、Lが複数存在する場合、それぞれ同一でも異なってもよく、各繰り返し単位にR、R、及び、Rが複数存在する場合、それぞれ同一でも異なってもよい。
なお、式1B中の各記号の基及び数の例は、式1A中の各記号の基及び数として説明したのと同義であり、好適形態も同一である。
特定高分子化合物が上記の式1Bで表される繰り返し単位を有する場合、特定有機溶媒は、ニトロベンゼン、及び、1,2-ジメトキシベンゼンからなる群より選択される少なくとも1種であるのが好ましい。
多孔質樹脂粒子は、非結晶性樹脂、結晶性樹脂のいずれで構成されてもよいが、反射性の更なる向上の観点からは、結晶性樹脂で構成されるのが好ましい。多孔質樹脂粒子が結晶性樹脂である場合、結晶性を有する部分の分子領域に複屈折性が生じて高屈折率化が促され、反射性が更に向上すると推察される。
前記非結晶性樹脂としては、例えば、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルホン(PSU)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミドイミド(PAI)から選択される1種又は複数種が挙げられる。
前記結晶性樹脂としては、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)から選択される1種又は複数種が挙げられる。
多孔質樹脂粒子は、後述する高密度結晶化法、公知のナノ粒子析出法、公知の重合有機相分離法から選択されたいずれかの方法によって製造される。多孔質樹脂粒子の形状は、特に制限されないが、粒子同士が付着した連結構造を有していてもよいし、球状を有していてもよい。粒子同士が付着した連結構造を有する多孔質樹脂粒子は、例えば後述する高密度結晶化法又は公知のナノ粒子析出法で製造することができ、球状の多孔質樹脂粒子は、例えば公知の重合有機相分離法で製造することができる。
[分散媒]
本実施形態で使用される分散媒は、特に制限されないが、例えば水、樹脂などが挙げられる。分散媒として水が使用される場合、多孔質樹脂粒子含有白色組成物としては、白色水分散体が挙げられる。分散媒として樹脂が使用される場合、多孔質樹脂粒子含有白色組成物としては、白色インキ又は白色塗料が挙げられる。白色水分散体、白色インキ、白色塗料の詳細については、後述する。
分散媒の屈折率nは、特に制限されないが、屈折率差Δnの増大による反射性向上の観点からは、1.60以下、1.50以下、或いは1.40以下とすることができる。
[無機酸化物微粒子]
図3(a)及び図3(b)は、図1の多孔質樹脂粒子含有白色組成物1Aの変形例を示す模式図である。多孔質樹脂粒子含有白色組成物1Bは、平均粒子径0.1μm以上1.0μm以下である無機酸化物微粒子4を更に含有してもよい(図3(a))。多孔質樹脂粒子含有白色組成物1Bが上記範囲内の平均粒子径を有する無機酸化物微粒子4を含有していると、無機酸化物微粒子4での反射が生じると共に、多孔質樹脂粒子2によって無機酸化物微粒子4での光散乱による反射回数が増大する。また、多孔質樹脂粒子2と分散媒3との界面での反射に加えて無機酸化物微粒子4と多孔質樹脂粒子2との界面でも反射が発生し、白色性を更に向上することができる。
多孔質樹脂粒子含有白色組成物1B中での無機酸化物微粒子4の形態としては、特に制限されないが、例えば多孔質樹脂粒子2に、無機酸化物微粒子4の1又は複数が担持されていてもよい(図3(b))。これにより、多孔質樹脂粒子1と無機酸化物微粒子4との界面の面積が増大し、白色性を更に向上することができる。
無機酸化物微粒子の平均粒子径は、上記の範囲に限らず、0.05μm以上5.0μm以下、或いは0.1μm以上2.0μm以下とすることができる。
無機酸化物微粒子としては、特に制限されないが、例えば酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ゲルマニウムからなる群から選択される1又は複数で構成されるのが好ましい。
<多孔質樹脂粒子含有白色組成物の具体例>
(白色インキ)
白色インキは、上記範囲の平均粒子径及び比表面積を有する分散質としての多孔質樹脂粒子と、分散媒としての樹脂とを含有する。
白色インキの全体質量を100質量%とした場合における多孔質樹脂粒子の含有量は、好ましくは1.0質量%以上60質量%以下、より好ましくは2.0質量%以上50質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以上40質量%以下とすることができる。
白色インキに含有される樹脂としては、特に制限されないが、例えばグラビア印刷用インキやフレキソ印刷用インキ、平版印刷用インキ用に用いられるポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、NC樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、或いは、レジストインキに用いられるポリエステル樹脂やアルカリ可溶性樹脂等が挙げられる。
白色インキは、無機酸化物微粒子を更に含有するのが好ましい。また、白色インキは、油脂、助剤、溶剤などの公知の添加剤の1種又は2種以上を含有していてもよい。
(白色水分散体)
主に水性インクジェット用インキに好適に使用することができる白色水分散体は、上記範囲の平均粒子径及び比表面積を有する分散質としての多孔質樹脂粒子と、分散媒としての水とを含有する。
白色水分散体の全体質量を100質量%とした場合における多孔質樹脂粒子の含有量は、好ましくは2.5質量%以上50質量%以下、より好ましくは5.0質量%以上40質量%以下、更に好ましくは10質量%以上30質量%以下とすることができる。
水としては、例えばイオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の、純水又は超純水を使用することができる。
白色水分散体は、分散剤、溶剤、界面活性剤などの、公知の添加剤の1種又は2種以上を含有していてもよい。
(白色塗料)
白色塗料は、上記範囲の平均粒子径及び比表面積を有する分散質としての多孔質樹脂粒子と、分散媒としての樹脂とを含有する。
白色塗料の全体質量を100質量%とした場合における多孔質樹脂粒子の含有量は、好ましくは1.0質量%以上50質量%以下、より好ましくは3.0質量%以上40質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以上30質量%以下とすることができる。
白色塗料に含有される樹脂としては、特に制限されないが、例えばアクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
白色塗料は、無機酸化物微粒子を更に含有するのが好ましい。また、白色塗料は、分散剤、可塑剤、沈降防止剤、乳化剤、増粘剤、消泡剤、防藻剤、防カビ剤、防腐剤、皮張り防止剤、乾燥剤、たれ防止剤、つや消し剤などの公知の添加剤の1種又は2種以上を含有していてもよい。
<多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法>
本実施形態に係る多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法は、高密度結晶化法、ナノ粒子析出法、重合誘起相分離法から選択されたいずれかの方法により、平均粒子径15μm以下、比表面積5m/g以上である多孔質樹脂粒子を製造し、前記多孔質樹脂粒子と、分散媒とを混合して、多孔質樹脂粒子含有白色組成物を得る。
<多孔質樹脂粒子の製造方法>
[高密度結晶化法]
高密度結晶化法は、例えば加熱溶解工程、ゲル化工程及び粉砕工程を有する。本高密度結晶化法は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、加熱溶解工程の前、各工程間、或いは粉砕工程の後に他の工程を有していてもよい。
(加熱溶解工程)
加熱溶解工程は、特定高分子化合物を特定有機溶媒に加熱溶解させて、特定高分子化合物を含む溶液を得る工程である。本工程により、特定有機溶媒と特定高分子化合物とを含む均一な溶液が調製され、後段の工程において、効率的に多孔質樹脂粒子を製造することができる。
特定有機溶媒は、沸点が100℃以上であり、ハンセン溶解度パラメータの水素結合項が7.4MPa0.5以下の有機溶媒(このような特定有機溶媒を、以下「特定有機溶媒A-1」ともいう。)か、又は、水素結合項が7.4MPa0.5を超え、ハンセン溶解度パラメータの分極項が11.4MPa0.5未満の有機溶媒(このような特定有機溶媒を、以下「特定有機溶媒A-2」ともいう。)である。なかでも、得られる多孔質樹脂粒子の構造がより安定化しやすい観点で、特定有機溶媒は特定有機溶媒A-1であることが好ましい。
特定有機溶媒を用いることによって、本発明の効果が得られる機序は必ずしも明らかではないが、本発明者は以下のとおり推測している。
まず、特定有機溶媒は沸点が100℃以上であるため、得られる共結晶の熱的な安定性がより高まりやすく、結果として、より低い温度でゲル化が誘起されるものと推測される。また、ゲル化には、ハンセン溶解度パラメータの分散項以外(分極項、水素結合項)の寄与が大きく、中でも、水素結合項の寄与がより大きいことを、本発明者は実験的に確かめている。
特定高分子化合物は、フェニレン基などの芳香族環を主鎖に有し、剛直で屈曲した分子構造を持つため、密な規則構造である結晶を単独では構成しにくい。このような場合、特定高分子化合物のバルクには空隙が存在している。
このとき、特定高分子化合物を溶解し得る、言い換えれば、ガラス状態の特定高分子化合物に浸透し得る分子サイズを有し、かつ、ハンセン溶解度パラメータの分散項と水素結合項が所定の範囲内である特定有機溶媒は、この空隙に浸入、維持され、結果として、共結晶構造が安定化されやすいものと推測される。
以下は、特定有機溶媒の具体例である。なお、本段落におけるカッコ書の中の数は、それぞれ、順にハンセン溶解度パラメータの分散項、分極項、水素結合項、及び、沸点である。
特定有機溶媒としては、例えば、ニトロベンゼン(20.0、10.6、3.1、210.9)、1,2-ジメトキシベンゼン(19.2、4.4、9.4、206.3)、シクロペンタノン(17.9、11.9、5.2、130.8)、シクロヘキサノン(17.8、8.4、5.1、155.7)、γ-ブチロラクトン(18.0、16.6、7.4、203.9)、及び、モルフォリン(18.0、4.9、11.0、129.0)、アニリン(20.1、5.8、11.2、184.5)等が挙げられ、ニトロベンゼン、1,2-ジメトキシベンゼン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、及び、γ-ブチロラクトンからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、ニトロベンゼン、1,2-ジメトキシベンゼン、及び、γ-ブチロラクトンからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、ニトロベンゼン、及び、1,2-ジメトキシベンゼンから選択される少なくとも1種が更に好ましく、得られる多孔質樹脂粒子の構造がより安定化しすい観点で、特定有機溶媒はニトロベンゼンが特に好ましい。
特定有機溶媒A-1のハンセン溶解度パラメータの水素結合項は、7.4MPa0.5以下であり、6.0MPa0.5以下が好ましく、4.0MPa0.5以下がより好ましく、1.0MPa0.5以上が好ましい。
特定有機溶媒A-2のハンセン溶解度パラメータの分極項は11.4MPa0.5未満であり、10.0MPa0.5以下がより好ましく、5.8MPa0.5以下が更に好ましく、5.0MPa0.5以下が特に好ましく、1.0MPa0.5以上が好ましい。
また、特定有機溶媒の沸点は100℃以上であり、得られる多孔質樹脂粒子がより優れた安定性を有する観点で、沸点が130℃以上がより好ましく、200℃以上が更に好ましい。なお、上限は特に制限されないが、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましい。
なお、特定有機溶媒を2種以上用いる場合には、その混合物の沸点が上記数値範囲内であることが好ましい。
なお、特定有機溶媒の融点としては特に制限されないが、一般に、-60℃以上が好ましく、-45℃以上がより好ましく、-10℃以上が更に好ましく、30℃以下が好ましく、20℃以下がより好ましく、10℃以下が更に好ましい。
特定高分子化合物は、特定有機溶媒と共結晶を形成し、多孔質樹脂粒子の基体を構成する成分である。特定高分子化合物としては、主鎖に置換基を有していてもよい芳香族環を有していれば、特に制限なく公知の高分子化合物を使用できる。
すでに説明したとおり、剛直で屈曲した分子構造を有する高分子化合物は、内部に空隙をより作りやすく、特定有機溶媒との間で共結晶を形成しやすい。
特定高分子化合物としては、特定有機溶媒と共結晶をより作りやすく、得られる多孔質樹脂粒子の構造がより安定化しやすい観点で、少なくとも以下の式1Aで表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2023036362000003
式1A中、L、L、及び、Lはそれぞれ独立に、単結合、又は、2価の基を表し、R、R、及び、Rはそれぞれ独立に1価の置換基を表し、x、y、及び、zはそれぞれ独立に0~4の整数を表し、mは0以上の整数を表し、nは0~10の整数を表し、nが0のとき、mは1以上の整数であり、n≠0のとき、pは1~3の整数を表し、L、L、及び、Lはそれぞれ同一でも異なってもよく、R、R、及び、Rはそれぞれ同一でも異なってもよく、R、及び、Rは互いに結合して環を形成してもよい。
式1A中、L、及び、Lの2価の基としては、特に制限されないが、置換基を有していてもよいアルキレン基(炭素数1~10個が好ましい。)、カルボニル基、スルホニル基、-O-、-NR-(Rは1価の基を表す。)、-S-、及び、これらの組合せからなる群より選択される少なくとも1種の基が好ましく、-O-、カルボニル基、スルホニル基、-C(CH-、-OC(=O)-、-C(=O)O(CHO-、及び、-S-からなる群より選択される少なくとも1種の基がより好ましく、-O-、-S-、カルボニル基、及び、スルホニル基からなる群より選択される少なくとも1種の基が更に好ましい。
、R、及び、Rの1価の基としては、特に制限されないが、ハロゲン原子、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、炭素数1~10個の炭化水素基(1個以上の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。)、及び、スルホン酸基からなる群より選択される少なくとも1種の基が挙げられる。
、及び、Rが互いに結合して環を形成する場合、ナフチレン基、並びに、L1とともに、ビフェニレンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、アントラセンジイル基、トリフェニレンジイル基、チアントレンジイル基、キサンテンジイル基、フェノキサチインジイル基、カルバゾールジイル基、アクリジンジイル基、フェノチアジンジイル基、及び、フェノキサジンジイル基等を形成してもよい。
mは0以上の整数を表し、特に制限されないが、より効率的に多孔質樹脂粒子が得られる点で、mは1以上の整数が好ましく、3以下の整数がより好ましく、2以下の整数が更に好ましく、1が特に好ましい。
nは0~10の整数を表し、nが0のとき、mは1以上の整数であり、nは0~3の整数が好ましく、1~2の整数が好ましい。pは1~3の整数が好ましく、1又は2が好ましい。
特定高分子化合物としては、特定有機溶媒と共結晶を更に作りやすく、得られる多孔質樹脂粒子の構造が更に安定化しやすい観点で、少なくとも以下の式1Bで表される繰り返し単位を有することが好ましい。
Figure 2023036362000004
式1B中、L、及び、Lはそれぞれ独立に、単結合、又は、2価の基を表し、R1、R2、及び、R3はそれぞれ独立に1価の置換基を表し、x、y、及び、zはそれぞれ独立に0~4の整数を表し、mは0以上の整数を表し、nは0~10の整数を表し、nが0のとき、mは1以上の整数であり、n≠0のとき、pは1~3の整数を表し、各繰り返し単位にL、及び、Lが複数存在する場合、それぞれ同一でも異なってもよく、各繰り返し単位にR、R、及び、Rが複数存在する場合、それぞれ同一でも異なってもよい。
なお、式1B中の各記号の基及び数の例は、式1A中の各記号の基及び数として説明したのと同義であり、好適形態も同一である。
以下の式1B-1は、式1Bで表される繰り返し単位の具体例である。但し、式1Bで表される繰り返し単位は、以下の例に限定されない。また、式1B-1中の各記号は、式1B中の各記号と同義である。
Figure 2023036362000005
特定高分子化合物は式1Bで表される繰り返し単位の1種を単独で有していてもよく、2種以上を併せて有していてもよい。また、特定高分子化合物は、式1Bで表される繰り返し単位以外の単位を有していてもよい。
また、特定高分子化合物としては、非晶性高分子化合物でも、結晶性高分子化合物であってもよいが、反射性の更なる向上の観点からは、結晶性高分子化合物であることが好ましい。
特定高分子化合物中における式1Bで表される繰り返し単位の含有量としては特に制限されないが、得られる多孔質樹脂粒子がより優れた安定性を有する観点で、特定高分子化合物の全繰り返し単位に占める式1Bで表される単位のモル単位の含有量(式1Bで表される繰り返し単位を2種以上有する場合は、その合計含有量)が50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上が更に好ましく、100モル%以下が好ましい。
特定高分子化合物と特定有機溶媒とを混合する方法は特に制限されず、特定有機溶媒に高分子化合物を添加してもよいし、特定高分子化合物に特定有機溶媒を添加してもよい。
この際、特定高分子化合物と特定有機溶媒との混合比としては特に制限されないが、結晶核の生成がより起こりやすく、結果として得られる多孔質樹脂粒子の粒径がより均一化しやすい点で、得られる溶液の全質量に対する特定高分子化合物の含有量の含有質量比が、0.2(20質量%)以上が好ましく、0.3(30質量%)以上がより好ましく、0.4(40質量%)以上が更に好ましい。なお、上限は特に制限されないが、溶液がより流動的で、より均一になりやすい点で、0.6(60質量%)以下が好ましく、0.5(50質量%)以下がより好ましい。
なお、特定高分子化合物、及び/又は、特定有機溶媒を2種以上用いる場合は、その合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
特定高分子化合物と特定有機溶媒との混合物を加熱溶解させる際の加熱温度としては特に制限されないが、特定有機溶媒の融点以上が好ましく、特定有機溶媒の沸点以下が好ましい。
なかでも、粒子を得る際の溶液の温度をより高くできる観点で、加熱温度は5℃より高いことが好ましく、10℃以上がより好ましく、25℃以上が更に好ましく、50℃以上が特に好ましい。
なお、一般に、高分子化合物の有機溶媒への溶解性への影響は、溶解温度と比較して、高分子化合物と有機溶媒との親和性の方が特に大きいことが知られている。
本製造方法は、特定高分子化合物と、特定有機溶媒という特定の組合せを選択したことで両者の優れた親和性を得ている。
なお、エネルギー効率をより高める観点からは、加熱温度は、50~150℃が好ましい。
本工程で得られる溶液は、特定有機溶媒に特定高分子化合物が溶解されたものであり、得られる溶液は無色、又は、有色透明である。
(ゲル化工程)
ゲル化工程は、上記加熱高溶解工程で得られた溶液を冷却してゲルを得る工程である。
冷却方法としては特に制限されず、公知の方法が使用できる。具体的には、加熱攪拌して得られた溶液を、攪拌しながら冷却し、所定の温度で維持する方法等が挙げられる。本工程により、特定高分子化合物と特定有機溶媒との共結晶を含む多孔質樹脂粒子を含むゲルが得られる。
溶液を冷却して保持する温度は特に制限されないが、特定高分子化合物、及び、特定有機溶媒の分子のそれぞれの運動性が共結晶の核生成、及び、成長により適している点、言い換えれば、共結晶の生成速度がより速い点で、使用する特定有機溶媒の融点より高いことが好ましい。
また、本製造方法は、剛直で屈曲した分子構造を有する特定高分子化合物と、特定有機溶媒とを組み合せて用いるもので、これにより、5℃以下に冷却しなくても、ゲル化できる。
保持する温度としては、特に制限されないが、0℃以上が好ましく、5℃を超えることがより好ましく、10℃以上が更に好ましく、15℃以上が特に好ましい。上限は、特定有機溶媒の沸点、及び、溶液のガラス転移温度(特定高分子化合物と特定有機溶媒の含有量比と、それぞれのガラス転移温度から推測される)より低いことが好ましく、例えば、60℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましく、30℃以下が更に好ましい。
また、保持時間は、例えば、1~48時間が好ましい。
(粉砕工程)
粉砕工程は、上記ゲル化工程で得られたゲルを粉砕して、高分子化合物と有機溶媒との共結晶を含む多孔質樹脂粒子を得る工程である。粉砕方法としては特に制限されず、乾式粉砕法、及び、湿式粉砕法のいずれを用いることもできる。
乾式粉砕には、例えば、乳鉢、ジェットミル、ハンマーミル、ピンミル、回転ミル、振動ミル、遊星ミル、及び、ビーズミル等が使用できる。
湿式粉砕には、ボールミル、高速回転粉砕機、ジェットミル、ビーズミル、超音波ホモジナイザー、及び、高圧ホモジナイザー等が使用できる。
上記粉砕工程は、更に、粉砕したゲルを乾燥させる工程を含んでいてもよい。
粉砕したゲルが遊離状態の特定有機溶媒を含有する場合、粉砕して表面積が大きくなったゲルはより効率よく乾燥させることができ、その結果、多孔質樹脂粒子中における共結晶の純度をより向上させることができる。
粉砕したゲルを乾燥させる方法としては特に制限されず、公知の方法が使用できる。例えば、減圧する方法、及び/又は、加熱する方法等が使用できる。乾燥温度としては特に制限されないが、0~100℃が好ましく、0~50℃がより好ましく、10~30℃が更に好ましく、20~30℃が特に好ましい。
また、乾燥時間としては特に制限されないが、1時間~1か月程度が好ましい。
本多孔質樹脂粒子の製造方法は、粉砕したゲルを乾燥させる前に、更に、粉砕したゲルを溶媒(以下、「洗浄溶媒」ともいう。)で洗浄する工程を含むことが好ましい。
洗浄溶媒は、特定有機溶媒と相溶し、高分子化合物の貧溶媒であり、かつ、沸点が特定有機溶媒より低い。そのため、粉砕したゲルを洗浄溶媒で洗浄すると、粉砕したゲルに含まれる遊離状態の特定有機溶媒が洗浄溶媒により希釈、交換される。また、洗浄溶媒は高分子化合物の貧溶媒であるため、得られた多孔質樹脂粒子の構造をより壊しにくい。
ゲルに含まれる特定有機溶媒が洗浄溶媒により希釈、交換されると、多孔質樹脂粒子の乾燥時間をより短くすることができる。
このような洗浄溶媒は、特定高分子化合物、及び、特定有機溶媒との関係で適宜選択されればよいが、例えば、水、及び、アルコール等が挙げられ、特に炭素数が3以下のアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、1-プロパノール、及び、2-プロパノール等が好ましい。
洗浄方法としては特に制限されず、粉砕したゲルと洗浄溶媒とを直接接触させる方法でもよい。一方で、洗浄溶媒は、特定有機溶媒と相溶し、かつ、特定高分子化合物の貧溶媒である。そのため、粉砕したゲルを、一旦特定有機溶媒に懸濁させ、その懸濁液と洗浄溶媒とを接触させて、粒子を洗浄すると、より効率よく遊離状態の(過剰の)特定有機溶媒と洗浄溶媒とを交換できる点で好ましい。
洗浄方法としては、例えば、粉砕したゲルを含有する懸濁液に洗浄溶媒を加え、攪拌した後遠心分離して固形分を回収する方法等が挙げられる。この方法を2回以上繰り返して実施してもよい。
懸濁液中のゲルの含有量としては特に制限されないが、8~25質量%であることが好ましい。
上記工程を経ることにより、平均粒子径15μm以下、比表面積5m/g以上である多孔質樹脂粒子を得る。
[ナノ粒子析出法又は重合誘起相分離法]
多孔質樹脂粒子は、ナノ粒子析出法又は重合誘起相分離法によって製造してもよい。ナノ粒子析出法又は重合誘起相分離法としては、公知の方法を採用することができる。
ナノ粒子析出法では、例えば特定高分子化合物を良溶媒に溶解して溶液を作製し、溶液を貧溶媒に滴下することより、平均粒子径15μm以下、比表面積5m/g以上である多孔質樹脂粒子を得る。
重合誘起相分離法では、例えば特定高分子化合物を構成する重合性モノマーと非重合性液体(造孔剤)とを混合し、混合物中で重合性モノマーを重合させて相分離を誘起することにより、平均粒子径15μm以下、比表面積5m/g以上である多孔質樹脂粒子を得る。
次に、上記高密度結晶化法、ナノ粒子析出法、重合誘起相分離法から選択されたいずれかの方法によって得られた多孔質樹脂粒子と、上述の分散媒とを混合し、多孔質樹脂粒子含有白色組成物を得る。
白色インキを製造する場合、高密度結晶化法、ナノ粒子析出法のうちのいずれかの方法によって多孔質樹脂粒子を製造し、分散質である多孔質樹脂粒子と、分散媒である樹脂とを混合し、必要に応じて1種又は複数種の添加剤を混合して、白色インキを得るのが好ましい。これによりインキとしての所望の白色性が得やすくなる。
また白色インキを製造する際、白色性の更なる向上の観点から、多孔質樹脂粒子及び樹脂に加えて、更に無機酸化物微粒子を混合するのが好ましい。無機酸化物微粒子は、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ゲルマニウムから選択される1種又は2種以上で構成されるのが好ましい。
白色水分散体を製造する場合、ナノ粒子析出法によって多孔質樹脂粒子を製造し、分散質である多孔質樹脂粒子と、分散媒である水とを混合し、必要に応じて1種又は複数種の添加剤を混合して、白色水分散体を得るのが好ましい。これにより水分散体としての所望の白色性が得やすくなる。
白色水分散体を製造する際、白色性の更なる向上の観点から、多孔質樹脂粒子及び樹脂に加えて、更に上記の無機酸化物微粒子を混合するのが好ましい。
白色塗料を製造する場合、高密度結晶化法、ナノ粒子析出法、重合誘起相分離法から選択されたいずれかの方法によって多孔質樹脂粒子を製造し、分散質である前記多孔質樹脂粒子と、前記分散媒である樹脂とを混合し、必要に応じて1種又は複数種の添加剤を混合して、白色塗料を得るのが好ましい。これにより塗料としての所望の白色性が得やすくなる。
白色塗料を製造する際、白色性の更なる向上の観点から、多孔質樹脂粒子及び樹脂に加えて、更に上記の無機酸化物微粒子を混合するのが好ましい。
上記工程を経ることにより、多孔質樹脂粒子含有白色組成物を得る。
上記の製造方法で製造される多孔質樹脂粒子含有白色組成物の明度Lは、好ましくは20以上である。
例えば、多孔質樹脂粒子含有白色組成物が白色インキである場合、白色インキの明度Lは、好ましくは30以上、より好ましくは40以上、更に好ましくは60以上である。また、白色インキが無機酸化物微粒子を含む場合も、上記と同様、白色インキの明度Lは、好ましくは30以上、より好ましくは40以上、更に好ましくは60以上である。
多孔質樹脂粒子含有白色組成物が白色水分散体である場合、白色水分散体の明度Lは、好ましくは20以上であり、より好ましくは25以上である。
多孔質樹脂粒子含有白色組成物が白色塗料である場合、白色塗料の明度Lは、好ましくは50以上、より好ましくは60以上である。白色塗料が無機酸化物微粒子を含む場合、白色インキの明度Lは、好ましくは60以上、より好ましくは80以上である。
以下、本発明の実施例を説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。実施例中、特段の記載がない限り、表中の数値の単位は質量(g)である。
(高密度結晶化法による多孔質樹脂粒子の製造)
(製造例1)
ポリエーテルスルホン粉末(住友化学社製、商品名「スミカエクセル3600P」)10.0gをニトロベンゼン90.0gに添加し(10質量%)、加熱下で撹拌(100℃、15分)して、溶解させ、溶液を得た。上記ニトロベンゼンのハンセン溶解度パラメータの分散項、分極項、水素結合項及び沸点は、(20.0、10.6、3.1、210.9)であった。次に、この溶液を撹拌下で自然放冷した(室温は25℃)。
室温で一晩放置すると、結晶化が生じて溶液が白濁した。この白濁溶液を室温下で1000mLのメタノールに滴下した。さらに室温で1時間撹拌を継続した後、スラリー溶液を薄膜旋回型高速ミキサー(プライミクス社製、装置名「フィルミックス56-L」)で速度10m/sで5分、30m/sで5分処理し、発生した沈殿を減圧ろ過で回収した。
最後に室温で真空乾燥を一晩実施し、乾燥した多孔質樹脂粒子(PMP14)を回収した。
(製造例2)
ポリエーテルスルホン粉末(住友化学社製、商品名「スミカエクセル3600P」)2.0gをニトロベンゼン18.0gに添加し(10質量%)、加熱下で撹拌(150℃、15分)して、溶解させ、溶液を得た。次に、この溶液を撹拌下で自然放冷してシード溶液とした(室温は25℃)。
ポリエーテルスルホン粉末(住友化学社製、商品名「スミカエクセル3600P」)18.0gをニトロベンゼン62.0gに添加し、加熱下で撹拌(150℃、15分)して、溶解させ、溶液を得た。次に、この溶液を90℃で保持し撹拌下でシード溶液を滴下して20質量%の溶液とし、撹拌下で室温まで自然放冷した(室温は25℃)。
室温で一晩放置すると、溶液が白色ゲル状に固化した。このゲルを粉砕した後、ニトロベンゼン40gを追加し、スラリー状の流動液体として室温下で1000mLのメタノールに滴下した。このスラリー溶液を薄膜旋回型高速ミキサー(プライミクス株式会社、フィルミックス56-L)で速度10m/sで5分、30m/sで5分処理し、スラリー内の沈殿を遠心分離(3500rpm、5min)で回収した。
このメタノール洗浄と遠心分離による回収を3回繰り返し、過剰なニトロベンゼンを除去した。さらに超純水で洗浄した後室温で真空乾燥を一晩実施し、乾燥した多孔質樹脂粒子(PMP28)を回収した。
(ナノ粒子析出法による多孔質樹脂粒子の製造)
(製造例3)
ポリエーテルスルホン粉末(住友化学社製、商品名「スミカエクセル3600P」)10.0gをγ-ブチロラクトン190.0gに添加し(5質量%)、加熱下で撹拌(100℃、15分)して、溶解させ、溶液を得た。次に、室温まで自然放冷したポリエーテルスルホン溶液を等倍のメタノールに滴下し、固形分含有率2.5質量%の溶液を作製した。
前記溶液にメタノール320g、水1280gを加えた後、遠心分離(6000rpm、30分)により固形物を分離し、純水で洗浄して、最後に室温で真空乾燥を一晩実施し、乾燥した多孔質樹脂粒子(NP16)を回収した。
(製造例4)
ポリエーテルスルホン粉末(住友化学社製、商品名「スミカエクセル3600P」)10.0gをγ-ブチロラクトン190.0gに添加し(5質量%)、加熱下で撹拌(100℃、15分)して、溶解させ、溶液を得た。次に、この溶液を等倍の水に滴下し、固形分含有率2.5質量%の固形分含有水溶液を作製した。
水酸化ナトリウム水溶液を使って、この固形分含有水溶液のpHを10に調整した後、遠心分離(3500rpm、5min)により固形物を分離し、超純水で洗浄する工程を水溶液のpHが7になるまで繰り返し、得られた前記水溶液を遠心分離(6000rpm、30分)により固形物を分離し、最後に室温で真空乾燥を一晩実施し、乾燥した多孔質樹脂粒子(NP40)を回収した。
(重合誘起相分離法による多孔質樹脂粒子の製造)
(製造例5)
スチレンモノマー液体(ナカライテスク社製)5.6mLを塩基性カラムに通して重合禁止剤を除去した後に水17mLに分散し、乾燥窒素で5分以上パージした後にオイルバスで70℃に撹拌保持した。ここに重合開始剤4,4‘-アゾビス(4-シアノ吉草酸)(富士フィルム和光純薬社製)90mgと水酸化ナトリウム50.0mg、水5.0gを混合・溶解した重合開始溶液を投入し70℃で一晩反応を行なった。反応開始から2時間以内に白濁が生じ、反応が進行していることが目視で確認できた。70℃で一晩反応を行なった後、室温まで自然放冷しメタノール50mLを添加して吸引ろ過で固形物を分離し、メタノールで洗浄して、最後に室温で真空乾燥を一晩実施し、乾燥した多孔質樹脂粒子(PS-1)を回収した。
(多孔質樹脂粒子含有白色インキの製造)
(実施例1)
ロジン変性フェノール樹脂10.0g、及び重合亜麻仁油6.0gを130℃で混合し、インキ評価用のワニスを16.0g得た。
製造例1にて得られた多孔質樹脂粒子1(PMP14)0.4g、ワニス1.6gをフーバーマーラー試験機のガラス板に乗せ、ヘラで混合した後、100rpmで100回転させた。その後、ガラス板全体に広がった混合物をヘラで集め、100rpmで100回転させた。これを3回繰り返すことで実施例1の多孔質樹脂粒子含有白色インキを得た。
(実施例2)
製造例2で得られた多孔質樹脂粒子(PMP28)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質樹脂粒子含有白色インキを得た。
(実施例3)
製造例3で得られた多孔質樹脂粒子(NP16)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質樹脂粒子含有白色インキを得た。
(実施例4)
製造例4で得られた多孔質樹脂粒子(NP40)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質樹脂粒子含有白色インキを得た。
(実施例5)
多孔質樹脂粒子(PMP28)、ロジン変性フェノール樹脂及び重合亜麻仁油の混合割合を表1の値に変えたこと以外は、実施例2と同様にして多孔質樹脂粒子含有白色インキを得た。
(実施例6)
多孔質樹脂粒子(NP40)、ロジン変性フェノール樹脂及び重合亜麻仁油の混合割合を表1の値に変えたこと以外は、実施例4と同様にして多孔質樹脂粒子含有白色インキを得た。
(中空樹脂粒子含有インキの製造)
(比較例1)
スチレン-アクリル樹脂製の中空樹脂粒子(ダウ・ケミカル社製、商品名「ローペイク(登録商標)OP-62」を用いたこと以外は、実施例1と同様にして中空樹脂粒子含有インキを得た。比較例1で使用した中空樹脂粒子の平均粒子径(平均外径)は0.5μmであり、平均内径の算出値は0.4μmであった。
(多孔質樹脂粒子含有インキの製造)
(比較例2)
特開2014-111728号公報に記載の調整例2で得られた多孔質樹脂粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして多孔質樹脂粒子含有インキを得た。
上記実施例1~6及び比較例1~2で得られたインキを、以下の方法により測定、評価した。
[評価方法]
(平均粒子径)
レーザー回折・散乱方式粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル社製、装置名「MT-3300EX II」)を用い、多孔質樹脂粒子及び中空樹脂粒子の平均粒子径を測定した。
測定条件として、溶剤はエタノールを用い、濃度は上記装置の適正範囲内に調整した。
(比表面積)
ガス吸着測定装置(マイクロトラック・ベル社製、装置名「Belsorp-max」)を用い、多孔質樹脂粒子の比表面積を測定した。比較例1で使用した中空樹脂粒子については、平均粒子径の測定値を用いて算出した。
測定条件として、Nガス吸着法を用い、Nを77Kとした。
(細孔容積)
上記のガス吸着測定装置を用い、比表面積と同様の測定条件にて、多孔質樹脂粒子の細孔容積を測定した。
(平均細孔径)
前記細孔容量測定における50%細孔体積での値を、多孔質樹脂粒子の平均細孔径とした。
(明度)
得られた多孔質樹脂粒子含有白色インキ、中空樹脂粒子含有インキ又は多孔質樹脂粒子含有インキを加熱しながら、図4に示すようなギャップが62μmのガラス板間に注入し、白色濃度測定用のガラスセルを得た。
得られたセルの反対側に市販の黒色紙を置いた状態で、分光光度計(サンカラー社製、装置名「DataColor650」)を用いて明度Lを測定した。尚、前記ガラスセルの影響を除くために、前記分光光度計で得られた反射率からインキを注入する前のガラスセルの反射率を引いた値から明度Lを算出した。また、明度Lは、ガラスセル/黒色紙の反射成分を引いた反射成分で計算した。比較例2の多孔質樹脂粒子含有インキについては、物理ゲル前駆体法から明度Lを推定した。
明度Lが40以上である場合を極めて良好「◎」、30以上40未満である場合を良好「〇」、20以上30未満である場合をやや不良「△」、20未満である場合を不良「×」とした。
(彩度)
上記分光光度計を用いて色度a、bを測定し、C=((a+(b1/2の式から色度Cを算出した。結果を表1に示す。
Figure 2023036362000006
代表して、製造例2の高密度結晶化法により製造された多孔質樹脂粒子の外観の電子顕微鏡画像を図5(a)及び図5(b)に、製造例4のナノ粒子析出法により製造された多孔質樹脂粒子の外観の電子顕微鏡画像を図6(a)及び図6(b)に、それぞれ示す。
図5(a)及び図5(b)に示すように、高密度結晶化法によって多孔質樹脂粒子を製造すると、多孔質樹脂粒子がほぼ球状を有しており、また、粒子同士が付着した連結構造を有していることが分かった。
また、図6(a)及び図6(b)に示すように、ナノ粒子析出法によって多孔質樹脂粒子を製造すると、多孔質樹脂粒子が球状を有しており、また、粒子同士が付着した連結構造を有していることが分かった。
また、表1の結果から、実施例1~6の多孔質樹脂粒子含有白色インキでは、平均粒子径15μm以下、比表面積5m/g以上である多孔質樹脂粒子を含有すると、明度Lが30以上となり、高い白色性を発現することが分かった。
一方、比較例1の中空樹脂粒子含有インキでは、多孔質樹脂粒子ではなく中空樹脂粒子であり、白色性が劣った。
また、比較例2の多孔質樹脂粒子含有インキでは、平均粒子径が20μmであり、白色性が劣った。
また、多孔質樹脂粒子含有白色インキの全体質量を100質量%としたときの、製造例2で得られた多孔質樹脂粒子(PMP28)の濃度を、20質量%及び36.4質量%としたこと以外は、実施例2と同様にして、2種類の多孔質樹脂粒子含有白色インキを製造し、明度Lを測定した。
同様にして、多孔質樹脂粒子含有白色インキの全体質量を100質量%としたときの、製造例4で得られた多孔質樹脂粒子(NP40)の濃度を、20質量%及び45.5質量%としたこと以外は、実施例4と同様にして、2種類の多孔質樹脂粒子含有白色インキを製造し、明度Lを測定した。
その結果、製造例2で得られた多孔質樹脂粒子(PMP28)の濃度が20質量%、36.4質量%の場合、明度Lはそれぞれ39.3、62.8であり、多孔質樹脂粒子の濃度の増大によって白色性がより向上することが分かった。
また、製造例4で得られた多孔質樹脂粒子(NP40)の濃度が20質量%、45.5質量%の場合も同様、明度Lはそれぞれ45.3、61.3であり、多孔質樹脂粒子の濃度の増大によって白色性がより向上することが分かった。
(多孔質樹脂粒子含有白色水分散体の製造)
(実施例7)
製造例3で得られた多孔質粒子1(NP16)2.0g、分散剤(BYK-190)1.0g、グリセリン2.0g、1,3-ブタンジオール3.0g、イオン交換水12.0g、ジルコニアビーズ100gをポリ瓶に入れ、ペイントコンディショナーで90分振とうし、ジルコニアビーズを除去することで多孔質樹脂粒子含有白色水分散体を得た。
(実施例8)
製造例4で得られた多孔質粒子1(NP40)を用いたこと以外は、実施例7と同様にして多孔質樹脂粒子含有白色水分散体を得た。
(中空樹脂粒子含有水分散体の製造)
(比較例3)
スチレン-アクリル樹脂製の中空樹脂粒子(ダウ・ケミカル社製、商品名「ローペイク(登録商標)OP-62」」を用いたこと以外は、実施例7と同様にして中空樹脂粒子含有水分散体を得た。
[評価方法]
(明度)
得られた多孔質樹脂粒子含有白色水分散体又は中空樹脂粒子含有水分散体を加熱しながら、図4に示すようなギャップが10μmのガラス板間に注入し、白色濃度測定用のガラスセルを得た。
得られたセルの反対側に市販の黒色紙を置いた状態で、上記の分光光度計を用いて明度Lを測定した。尚、前記ガラスセルの影響を除くために、前記分光光度計で得られた反射率からインキを注入する前のガラスセルの反射率を引いた値から明度Lを算出した。また、明度Lは、ガラスセル/黒色紙の反射成分を引いた反射成分で計算した。
明度Lが40以上である場合を極めて良好「◎」、20以上40未満である場合を良好「〇」、20未満である場合を不良「×」とした。
(彩度)
上記分光光度計を用いて色度a、bを測定し、C=((a+(b1/2の式から彩度Cを算出した。結果を表2に示す。
Figure 2023036362000007
表2の結果から、実施例7~8の多孔質樹脂粒子含有白色水分散体では、平均粒子径15μm以下、比表面積5m/g以上である多孔質樹脂粒子を含有すると、明度Lが20以上となり、また彩度Cも小さく、高い白色性を発現することが分かった。
一方、比較例3の中空樹脂粒子含有水分散体では、多孔質樹脂粒子ではなく中空樹脂粒子であり、白色性が劣った。
(多孔質樹脂粒子含有白色塗料の製造)
(実施例9)
製造例1で得られた多孔質樹脂粒子1(PMP14)0.393g、アクリル系水性塗料パスタークリアW15.0g、ガラスビーズ40gをポリ瓶に入れ、ペイントコンディショナーで60分振とうし、ガラスビーズを除去することで実施例9の多孔質樹脂粒子含有白色塗料を得た。
(実施例10)
製造例2で得られた多孔質樹脂微粒子(PMP28)を用いたこと以外は、実施例9と同様にして多孔質樹脂粒子含有白色塗料を得た。
(実施例11)
製造例3で得られた多孔質樹脂微粒子(NP16)を用いたこと以外は、実施例9と同様にして多孔質樹脂粒子含有白色塗料を得た。
(実施例12)
製造例4で得られた多孔質樹脂微粒子(NP40)を用いたこと以外は、実施例9と同様にして多孔質樹脂粒子含有白色塗料を得た。
(中空樹脂粒子含有塗料の製造)
(比較例4)
スチレン-アクリル樹脂製の中空樹脂粒子(ダウ・ケミカル社製、商品名「ローペイク(登録商標)OP-62」)を用いたこと以外は、実施例7と同様にして中空樹脂粒子含有塗料を得た。
(多孔質樹脂粒子含有塗料の製造)
(比較例5)
特開2014-111728号公報に記載の調整例2で得られた多孔質樹脂粒子を用いたこと以外は、実施例9と同様にして多孔質樹脂粒子含有塗料を得た。
[評価方法]
(明度)
図7(a)に示すように、得られた多孔質樹脂粒子含有白色塗料、中空樹脂粒子含有塗料又は多孔質樹脂粒子含有塗料をアプリケーターを用いてPETフィルムに塗布し、常温で1時間、140℃で30分乾燥することにより白色濃度測定用の塗膜を得た。塗膜の膜厚は38μmであった。
得られた塗膜のPETフィルム側に市販の黒色紙を敷いた状態で、上記の分光光度計を用いて明度Lを測定した。尚、PETフィルムを影響を除くために、前記分光光度計で得られた反射率からPETフィルムの反射率を引いた値から明度Lを算出した。
明度Lが60以上である場合を極めて良好「◎」、50以上60未満である場合を良好「〇」、40以上50未満である場合をやや不良「△」、20未満である場合を不良「×」とした。
(彩度)
上記分光光度計を用いて色度a、bを測定し、C=((a+(b1/2の式から彩度Cを算出した。結果を表3に示す。
Figure 2023036362000008
表3の結果から、実施例9~12の多孔質樹脂粒子含有白色塗料では、平均粒子径15μm以下、比表面積5m/g以上である多孔質樹脂粒子を含有すると、明度Lが50以上となり、また彩度Cも小さく、高い白色性を発現することが分かった。
一方、比較例4の中空樹脂粒子含有塗料では、多孔質樹脂粒子ではなく中空樹脂粒子であり、白色性が劣った。
また、比較例5の多孔質樹脂粒子含有塗料では、平均粒子径が20μmであり、白色性が劣った。
(多孔質樹脂粒子含有白色インキの製造)
(実施例13)
多孔質樹脂粒子(PMP28)の混合割合を表4の値に変え、更に酸化チタン(石原産業社製、平均粒子径0.21μm)を混合したこと以外は、実施例2と同様にして多孔質樹脂粒子含有白色インキを得た。
(実施例14)
多孔質樹脂粒子(NP40)の混合割合を表4の値に変え、更に酸化チタン(石原産業社製、平均粒子径0.21μm)を混合したこと以外は、実施例4と同様にして多孔質樹脂粒子含有白色インキを得た。
(酸化チタン含有インキの製造)
(比較例6)
多孔質樹脂粒子を混合しなかったこと以外は、実施例13と同様にして酸化チタン含有インキを製造した。
実施例1~6と同様の方法で明度L及び彩度Cを測定、算出した結果を、表4に示す。尚、酸化チタンの彩度Cは、2.3であった。
Figure 2023036362000009
表4の結果から、実施例13~14の多孔質樹脂粒子含有白色塗料では、平均粒子径15μm以下、比表面積5m/g以上である多孔質樹脂粒子を含有すると、明度Lが40以上となり、また彩度Cも小さく、高い白色性を発現することが分かった。
一方、比較例6の酸化チタン含有インキでは、多孔質樹脂粒子が含有されておらず、白色性が劣った。
(多孔質樹脂粒子含有白色塗料の製造)
(実施例15)
更に酸化チタン(石原産業社製、平均粒子径0.21μm)を混合したこと以外は、実施例10と同様にして多孔質樹脂粒子含有白色塗料を得た。
(実施例16)
更に酸化チタン(石原産業社製、平均粒子径0.21μm)を混合したこと以外は、実施例12と同様にして多孔質樹脂粒子含有白色塗料を得た。
(実施例17)
製造例5の多孔質樹脂粒子(PS-1)を用い、表5の値で混合したこと以外は、実施例15と同様にして多孔質樹脂粒子含有白色塗料を得た。
(酸化チタン含有塗料の製造)
(比較例7)
多孔質樹脂粒子を混合しなかったこと以外は、実施例15と同様にして酸化チタン含有塗料を製造した。尚、酸化チタンの彩度Cは、7.8であった。
[評価方法]
(明度)
図7(b)に示すように、得られた多孔質樹脂粒子含有白色塗料、中空樹脂粒子含有塗料又は多孔質樹脂粒子含有塗料をアプリケーターを用いて黒色紙に直接塗布し、常温で1時間、140℃で30分乾燥することにより白色濃度測定用の塗膜を得た。塗膜の膜厚は35μmであった。
上記の分光光度計を用いて明度L*を測定した。明度Lが80以上である場合を良好「〇」、60以上80未満である場合をやや不良「△」、60未満である場合を不良「×」とした。
(彩度)
上記分光光度計を用いて色度a、bを測定し、C=((a+(b1/2の式から彩度Cを算出した。結果を表5に示す。
Figure 2023036362000010
代表して、製造例5の重合誘起相分離法により製造された多孔質樹脂粒子の外観の電子顕微鏡画像を図8(a)及び図8(b)に示す。
図8(a)及び図8(b)に示すように、重合誘起相分離法によって多孔質樹脂粒子を製造すると、多孔質樹脂粒子が球状を有していることが分かった。
また、実施例15の混合分散後の多孔質樹脂粒子の外観を図9に、実施例16の混合分散後の多孔質樹脂粒子の外観を図10に、実施例17の混合分散後の多孔質樹脂粒子の外観を図11に、それぞれ示す。
図9に示すように、高密度結晶化法によって製造された多孔質樹脂粒子に酸化チタンを混合すると、多孔質樹脂粒子の粒子同士が付着した連結構造が概ね維持されていた。また、複数の酸化チタン粒子が多孔質樹脂粒子に付着しており、酸化チタン粒子の一部が多孔質樹脂粒子に入り込んでいるのが確認された。
また、図10に示すように、ナノ粒子析出法によって製造された多孔質樹脂粒子に酸化チタンを混合すると、多孔質樹脂粒子の粒子同士が付着した連結構造が解砕していた。また、複数の酸化チタン粒子の一部が多孔質樹脂粒子の解砕物に吸着しているのが確認された。
更に、図11に示すように、重合誘起相分離法によって製造された多孔質樹脂粒子に酸化チタンを混合すると、多孔質樹脂粒子と酸化チタン粒子の単純混合物が形成されているのが確認された。
また、表5の結果から、実施例15~17の多孔質樹脂粒子含有白色塗料では、平均粒子径15μm以下、比表面積5m/g以上である多孔質樹脂粒子を含有すると、明度Lが80以上となり、また彩度Cも小さく、高い白色性を発現することが分かった。
一方、比較例7の酸化チタン含有塗料では、多孔質樹脂粒子が含有されておらず、白色性が劣った。
特に、実施例16及び実施例17の多孔質樹脂粒子含有白色塗料では、酸化チタン換算濃度がそれぞれ4.1%、4.4%であり、比較例7の酸化チタン含有塗料の酸化チタン換算濃度2.5%と比較して非常に大きい。このことから、酸化チタン含有塗料中の酸化チタンの含有量を増大させる代わりに多孔質樹脂粒子を添加することによって、質量の大きい酸化チタンの含有量を抑えつつ、塗料の明度Lを十分に向上できることが分かった。
1A 多孔質樹脂粒子含有白色組成物
1B 多孔質樹脂粒子含有白色組成物
2 多孔質樹脂粒子
3 分散媒
4 無機酸化物微粒子

Claims (20)

  1. 平均粒子径15μm以下、比表面積5m/g以上である多孔質樹脂粒子と、分散媒とを含有する、多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
  2. 前記多孔質樹脂粒子の細孔径が200nm以下、細孔容量が0.03cm/g以上である、請求項1に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
  3. 前記多孔質樹脂粒子の屈折率と前記分散媒の屈折率との差Δnが、0.10以上1.0以下である、請求項1又は2に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
  4. 前記多孔質樹脂粒子が、結晶性樹脂からなる、請求項1~3のいずれか1項に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
  5. 前記多孔質樹脂粒子が、球状を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
  6. 無機酸化物微粒子を更に含有する、請求項1に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
  7. 前記無機酸化物微粒子が、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ゲルマニウムから選択される1種又は2種以上で構成される、請求項6に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
  8. 前記多孔質樹脂粒子に、前記無機酸化物微粒子の1又は複数が担持されている、請求項6又は7に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
  9. 前記分散媒が水であり、
    前記多孔質樹脂粒子含有白色組成物が、白色水分散体である、請求項1~8のいずれか1項に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
  10. 前記白色水分散体の明度Lが、20以上である、請求項9に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
  11. 前記分散媒が樹脂であり、
    前記多孔質樹脂粒子含有白色組成物が、白色インキ又は白色塗料である、請求項1~8のいずれか1項に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
  12. 前記白色インキの明度Lが、30以上である、請求項11に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
  13. 前記白色塗料の明度Lが、50以上である、請求項11に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物。
  14. 高密度結晶化法、ナノ粒子析出法、重合誘起相分離法から選択されたいずれかの方法により、平均粒子径15μm以下、比表面積5m/g以上である多孔質樹脂粒子を製造し、
    前記多孔質樹脂粒子と、分散媒とを混合して、多孔質樹脂粒子含有白色組成物を得る、多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法。
  15. 前記高密度結晶化法は、
    置換基を有してもよい芳香族環を主鎖に有する高分子化合物を有機溶媒に加熱溶解させて、前記高分子化合物を含む溶液を得る加熱溶解工程と、
    前記溶液を冷却してゲルを得るゲル化工程と、
    前記ゲルを粉砕して、前記高分子化合物と前記有機溶媒との共結晶を含む多孔質樹脂粒子を得る粉砕工程と、
    を有し、
    前記有機溶媒の沸点が100℃以上であり、かつ、
    前記有機溶媒のハンセン溶解度パラメータの水素結合項が7.4MPa0.5以下であるか、又は、前記水素結合項が7.4MPa0.5を超え、前記ハンセン溶解度パラメータの分極項が11.4MPa0.5未満である、請求項14に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法。
  16. 前記高密度結晶化法、前記ナノ粒子析出法のうちのいずれかの方法によって多孔質樹脂粒子を製造し、
    分散質である前記多孔質樹脂粒子と、前記分散媒である樹脂とを混合して、白色インキを得る、請求項14又は15に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法。
  17. 前記多孔質樹脂粒子及び前記樹脂に加えて、更に無機酸化物微粒子を混合する、請求項16に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法。
  18. 前記ナノ粒子析出法によって多孔質樹脂粒子を製造し、
    分散質である前記多孔質樹脂粒子と、前記分散媒である水とを混合して、白色水分散体を得る、請求項14又は15に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法。
  19. 高密度結晶化法、ナノ粒子析出法、重合誘起相分離法から選択されたいずれかの方法によって多孔質樹脂粒子を製造し、
    分散質である前記多孔質樹脂粒子と、前記分散媒である樹脂とを混合して、白色塗料を得る、請求項14又は15に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法。
  20. 前記多孔質樹脂粒子及び前記樹脂に加えて、更に無機酸化物微粒子を混合する、請求項19に記載の多孔質樹脂粒子含有白色組成物の製造方法。
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