JP2023035507A - 認証システム、制御装置、およびコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザによる携帯が可能であるモバイル装置を用いる認証システムの利便性を高める。【解決手段】第一通信装置111は、車室21の少なくとも外側に第一無線通信領域A1を形成する。第二通信装置112は、車室21の少なくとも内側に第二無線通信領域A2を形成する。検出装置は、モバイル装置40を携帯しているユーザ30の車室21に対する進入または退出を検出し、検出結果に対応する検出信号を出力する。制御装置12は、第一通信装置111とモバイル装置40との間でなされる第一無線通信に基づいて施解錠装置23の動作制御を許可し、第二通信装置112とモバイル装置40との間でなされる第二無線通信に基づいてイグニッション電源24の動作制御を許可する。制御装置12は、検出信号に基づいて、第一無線通信と第二無線通信のいずれかを無効化する。【選択図】図1
Description
本発明は、ユーザによる携帯が可能なモバイル装置を用いる認証システムに関連する。本発明は、当該認証システムの一部を構成しうる制御装置、および当該制御装置に搭載された処理部により実行可能なコンピュータプログラムにも関連する。
特許文献1は、移動体の一例としての車両に搭載される認証システムを開示している。当該システムにおいては、車両のドアの施解錠装置の動作を制御する制御装置とユーザに携帯されたモバイル装置との間で、電波による通信を通じて認証が行なわれる。ドアハンドルに設けられたタッチセンサにユーザが触れた状態で認証が成立すると、制御装置による施解錠装置の動作制御が許可される。
本発明の目的は、ユーザによる携帯が可能なモバイル装置を用いる認証システムの利便性を高めることである。
上記の目的を達成するための一態様は、認証システムであって、
規定された領域の少なくとも外側に第一無線通信領域を形成する第一通信装置と、
前記規定された領域の少なくとも内側に第二無線通信領域を形成する第二通信装置と、
モバイル装置を携帯しているユーザの前記規定された領域に対する進入または退出を検出し、検出結果に対応する検出信号を出力する検出装置と、
前記第一通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第一無線通信に基づいて第一被制御装置の動作制御を許可し、前記第二通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第二無線通信に基づいて当該第一被制御装置と異なる第二被制御装置の動作制御を許可する制御装置と、
を備えており、
前記制御装置は、前記検出信号に基づいて、前記第一無線通信と前記第二無線通信のいずれかを無効化する。
規定された領域の少なくとも外側に第一無線通信領域を形成する第一通信装置と、
前記規定された領域の少なくとも内側に第二無線通信領域を形成する第二通信装置と、
モバイル装置を携帯しているユーザの前記規定された領域に対する進入または退出を検出し、検出結果に対応する検出信号を出力する検出装置と、
前記第一通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第一無線通信に基づいて第一被制御装置の動作制御を許可し、前記第二通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第二無線通信に基づいて当該第一被制御装置と異なる第二被制御装置の動作制御を許可する制御装置と、
を備えており、
前記制御装置は、前記検出信号に基づいて、前記第一無線通信と前記第二無線通信のいずれかを無効化する。
上記の目的を達成するための一態様は、制御装置であって、
モバイル装置を携帯しているユーザの規定された領域に対する進入または退出を検出する検出装置から検出結果に対応する検出信号を受け付ける受付部と、
前記規定された領域の少なくとも外側に第一無線通信領域を形成する第一通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第一無線通信に基づいて第一被制御装置の動作制御を許可し、前記規定された領域の少なくとも内側に第二無線通信領域を形成する第二通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第二無線通信に基づいて当該第一被制御装置と異なる第二被制御装置の動作制御を許可する処理部と、
を備えており、
前記処理部は、前記検出信号に基づいて、前記第一無線通信と前記第二無線通信のいずれかを無効化する。
モバイル装置を携帯しているユーザの規定された領域に対する進入または退出を検出する検出装置から検出結果に対応する検出信号を受け付ける受付部と、
前記規定された領域の少なくとも外側に第一無線通信領域を形成する第一通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第一無線通信に基づいて第一被制御装置の動作制御を許可し、前記規定された領域の少なくとも内側に第二無線通信領域を形成する第二通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第二無線通信に基づいて当該第一被制御装置と異なる第二被制御装置の動作制御を許可する処理部と、
を備えており、
前記処理部は、前記検出信号に基づいて、前記第一無線通信と前記第二無線通信のいずれかを無効化する。
上記の目的を達成するための一態様は、制御装置に搭載された処理部により実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
モバイル装置を携帯しているユーザの規定された領域に対する進入または退出を検出する検出装置から検出結果に対応する検出信号を受け付け、
前記規定された領域の少なくとも外側に第一無線通信領域を形成する第一通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第一無線通信に基づいて第一被制御装置の動作制御を行ない、
前記規定された領域の少なくとも内側に第二無線通信領域を形成する第二通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第二無線通信に基づいて当該第一被制御装置と異なる第二被制御装置の動作制御を行ない、
前記検出信号に基づいて、前記第一無線通信と前記第二無線通信のいずれかを無効化する。
実行されることにより、前記制御装置は、
モバイル装置を携帯しているユーザの規定された領域に対する進入または退出を検出する検出装置から検出結果に対応する検出信号を受け付け、
前記規定された領域の少なくとも外側に第一無線通信領域を形成する第一通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第一無線通信に基づいて第一被制御装置の動作制御を行ない、
前記規定された領域の少なくとも内側に第二無線通信領域を形成する第二通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第二無線通信に基づいて当該第一被制御装置と異なる第二被制御装置の動作制御を行ない、
前記検出信号に基づいて、前記第一無線通信と前記第二無線通信のいずれかを無効化する。
上記の各態様に係る構成によれば、ユーザが規定された領域に進入したことが検出されている状況においては、規定された領域の少なくとも外側に第一無線通信領域を形成している第一通信装置とモバイル装置との無線通信が無効化されるので、規定された領域の内側に形成されている第一無線通信領域に基づいて予期せず第一被制御装置の動作制御が許可される事態の発生を回避できる。
同様に、ユーザが規定された領域から退出したことが検出されている状況においては、検出された領域の少なくとも内側に第二無線通信領域を形成している第二通信装置とモバイル装置との無線通信が無効化されるので、規定された領域の外側に形成されている第二無線通信領域に基づいて予期せず第二被制御装置の動作制御が許可される事態の発生を回避できる。
すなわち、ユーザの位置に応じて第一無線通信と第二無線通信のいずれかが無効化されることにより、当該位置においては意図されていない被制御装置の動作制御が許可される事態の発生を回避できる。したがって、ユーザによる携帯が可能なモバイル装置を用いる認証システムの利便性を高めることができる。
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例について以下詳細に説明する。各図においては、例示される各要素を認識可能な大きさとするために、縮尺を適宜に変更している。
図1は、第一実施形態に係る認証システム10の構成を例示している。認証システム10は、ユーザ30による携帯が可能であるモバイル装置40を認証することにより、ユーザ30による車両20の利用を許可するために使用されうる。車両20の形状は、例示に過ぎない。車両20は、移動体の一例である。
認証システム10は、第一通信装置111を含んでいる。第一通信装置111は、車両20の車室21の少なくとも外側に第一無線通信領域A1を形成可能であるアンテナを備えている。第一無線通信領域A1は、モバイル装置40との短距離無線通信を行なうことができる領域である。車室21は、規定された領域の一例である。
本明細書において用いられる「短距離無線通信」という語は、標準規格であるIEEE802.15またはIEEE802.11に準拠しつつ電波を用いて行なわれる非接触通信を意味する。短距離無線通信を実行可能な技術としては、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy(登録商標)、超広帯域無線通信(Ultra Wide Band; UWB)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などが挙げられる。本明細書における「短距離無線通信」は、電磁誘導による結合を通じて情報の送信を行なう非接触通信である「近接無線通信」とは区別される。近接無線通信を実行可能な技術としては、NFC(Near Field Communication)やRF-IDなどが挙げられる。
本明細書において用いられる「信号を電波で送信する」という表現は、上記の短距離無線通信規格において定められる周波数あるいは周波数帯の電波で信号を無線送信することを意味する。
具体的には、第一通信装置111は、車室21の少なくとも外側へ第一トリガ信号TR1(図2を参照して後述する)を電波で送信するようにアンテナの特性と配置が定められている。本例においては、第一通信装置111は、車両20のドアピラーに配置されている。第一通信装置111は、車両20のドア22、ドアハンドル、ドアミラーなどに配置されてもよい。ドア22は、開閉体の一例である。
認証システム10は、第二通信装置112を含んでいる。第二通信装置112は、車室21の少なくとも内側に第二無線通信領域A2を形成可能であるアンテナを備えている。第二無線通信領域A2は、モバイル装置40との短距離無線通信を行なうことができる領域である。
具体的には、第二通信装置112は、車室21の少なくとも内側へ第二トリガ信号TR2(図2を参照して後述する)を電波で送信するようにアンテナの特性と配置が定められている。本例においては、第二通信装置112は、車室21内の適宜の箇所に配置されている。
認証システム10は、制御装置12を含んでいる。本例においては、制御装置12は、車両20に搭載されている。
制御装置12は、第一無線通信領域A1に位置するモバイル装置40を認証する第一認証処理に基づいて、車両20に搭載された施解錠装置23の動作制御を許可するように構成されている。施解錠装置23は、車室21を開閉するドア22を施解錠する装置である。施解錠装置23は、第一被制御装置の一例である。
制御装置12は、第二無線通信領域A2に位置するモバイル装置40を認証する第二認証処理に基づいて、車両20に搭載されたイグニッション電源24の動作制御を行なうように構成されている。イグニッション電源24は、車両20のエンジンを始動させるための電力を供給する装置である。エンジンは、内燃機関と電動モータの少なくとも一方を備えうる。イグニッション電源24は、第二被制御装置の一例である。
図2に例示されるように、モバイル装置40は、第一通信装置111から送信された第一トリガ信号TR1の受信電波強度が閾値を上回る場合に、応答信号RSを電波で送信するように構成されている。応答信号RSは、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
制御装置12は、受付部121を備えている。受付部121は、第一通信装置111を通じて応答信号RSを受け付け可能なインターフェースとして構成されている。応答信号RSがアナログ信号である場合、受付部121は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
制御装置12は、処理部122と出力部123を備えている。処理部122は、第一トリガ信号TR1への応答として受付部121により応答信号RSが受け付けられると、第一通信装置111とモバイル装置40の間で通信リンクが確立されたと判断し、出力部123から第一通信制御信号CC1を出力するように構成されている。第一通信制御信号CC1は、第一通信装置111にモバイル装置40へ第一要求信号RQ1を送信させるように構成されている。第一要求信号RQ1は、モバイル装置40に認証情報AUの送信を要求するように構成されている。第一通信制御信号CC1と第一要求信号RQ1の各々は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
したがって、出力部123は、第一通信制御信号CC1を第一通信装置111へ出力するインターフェースとして構成されている。第一通信制御信号CC1がアナログ信号である場合、出力部123は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
モバイル装置40は、第一要求信号RQ1への応答として認証情報AUを電波で送信するように構成されている。認証情報AUは、ユーザ30とモバイル装置40の少なくとも一方を特定可能な情報である。認証情報AUは、アナログデータの形態であってもよいし、デジタルデータの形態であってもよい。
したがって、制御装置12の受付部121は、第一通信装置111を通じて認証情報AUも受け付け可能なインターフェースとして構成されている。認証情報AUがアナログデータの形態である場合、受付部121は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
処理部122は、第一要求信号RQ1への応答として受付部121により受け付けられた認証情報AUを、不図示の記憶部に予め格納されているモバイル装置40の認証情報と照合するように構成されている。両情報の一致度が閾値を上回る場合、処理部122は、第一認証処理が成立したと判断し、施解錠装置23の動作制御を許可するように構成されている。
例えば、処理部122は、出力部123から施解錠装置23へ第一許可信号EN1を出力する。第一許可信号EN1は、施解錠装置23に施解錠動作を行なわせるものであってもよいし、ユーザ30による施解錠装置23の操作が検出されるまで施解錠動作を待機させるものであってもよい。第一許可信号EN1は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
したがって、出力部123は、第一許可信号EN1を施解錠装置23へ出力するインターフェースとして構成されている。第一許可信号EN1がアナログ信号である場合、出力部123は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
モバイル装置40は、第二通信装置112から送信された第二トリガ信号TR2の受信電波強度が閾値を上回る場合にも応答信号RSを電波で送信するように構成されている。
制御装置12の処理部122は、第二トリガ信号TR2への応答として受付部121により応答信号RSが受け付けられると、第二通信装置112とモバイル装置40の間で通信リンクが確立されたと判断し、出力部123から第二通信制御信号CC2を出力するように構成されている。第二通信制御信号CC2は、第二通信装置112にモバイル装置40へ第二要求信号RQ2を送信させるように構成されている。第二要求信号RQ2は、モバイル装置40に認証情報AUの送信を要求するように構成されている。第二通信制御信号CC2と第二要求信号RQ2の各々は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
したがって、出力部123は、第二通信制御信号CC2を第二通信装置112へ出力するインターフェースとして構成されている。第二通信制御信号CC2がアナログ信号である場合、出力部123は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
モバイル装置40は、第二要求信号RQ2への応答としても認証情報AUを電波で送信するように構成されている。
処理部122は、第二要求信号RQ2への応答として受付部121により受け付けられた認証情報AUを、不図示の記憶部に予め格納されているモバイル装置40の認証情報と照合するように構成されている。両情報の一致度が閾値を上回る場合、処理部122は、第二認証処理が成立したと判断し、イグニッション電源24の動作制御を許可するように構成されている。
例えば、処理部122は、出力部123から施解錠装置23へ第二許可信号EN2を出力する。第二許可信号EN2は、イグニッション電源24にエンジン始動動作を行なわせるものであってもよいし、ユーザ30によるエンジンスイッチの操作が検出されるまでエンジン始動動作を待機させるものであってもよい。第二許可信号EN2は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
したがって、出力部123は、第二許可信号EN2をイグニッション電源24へ出力するインターフェースとして構成されている。第二許可信号EN2がアナログ信号である場合、出力部123は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
認証システム10は、検出装置13を含んでいる。検出装置13は、ユーザ30の乗車と降車を検出するように構成されている。換言すると、検出装置13は、車両20の車室21に対するユーザ30の進入または退出を検出するように構成されている。
ユーザ30の車室21への進入は、様々な手法により検出されうる。例えば、施解錠装置23の解錠動作が許可された後にユーザ30による施解錠装置23の操作またはドア22の開閉が検出された場合、ユーザ30が車室21に進入したと判断されうる。これに加えてあるいは代えて、車室21内に設置された各種のセンサによりユーザ30の存在が検出されてもよい。そのようなセンサの例としては、運転席シートに設置された着座センサ、ステアリングホイールに設置された把持センサ、車室21を撮像するカメラなどが挙げられる。
ユーザ30の車室21からの退出もまた、様々な手法により検出されうる。例えば、施解錠装置23の施錠動作が許可された後にユーザ30によるドア22の開閉または施解錠装置23の操作が検出された場合、ユーザ30が車室21から退出したと判断されうる。これに加えてあるいは代えて、車室21内に設置された各種のセンサによりユーザ30の不在が検出されてもよい。そのようなセンサの例としては、運転席シートに設置された着座センサ、ステアリングホイールに設置された把持センサ、車室21を撮像するカメラなどが挙げられる。
検出装置13は、検出結果に対応する検出信号DTを制御装置12へ出力するように構成されている。検出信号DTは、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
したがって、制御装置12の受付部121は、検出信号DTを受け付け可能なインターフェースとして構成されている。検出信号DTがアナログ信号である場合、受付部121は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
制御装置12の処理部122は、受付部121により受け付けられた検出信号DTがユーザ30の乗車を示している場合、第一通信装置111からの入力を無効化するように構成されている。受付部121が第一通信装置111を通じて応答信号RSや認証情報AUを受け付け不可能にすることによって無効化がなされてもよいし、第一通信装置111を通じて受付部121により受け付けられた応答信号RSや認証情報AUを無視することによって無効化がなされてもよい。第一通信装置111からの入力の無効化は、第一無線通信の無効化の一例である。
他方、制御装置12の処理部122は、受付部121により受け付けられた検出信号DTがユーザ30の降車を示している場合、第二通信装置112からの入力を無効化するように構成されている。受付部121が第二通信装置112を通じて応答信号RSや認証情報AUを受け付け不可能にすることによって無効化がなされてもよいし、第二通信装置112を通じて受付部121により受け付けられた応答信号RSや認証情報AUを無視することによって無効化がなされてもよい。第二通信装置112からの入力の無効化は、第二無線通信の無効化の一例である。
本明細書で用いられる「無線通信の無効化」という表現は、無線通信自体を不能にする場合と、無線通信自体は可能としつつも通信の結果を活用できなくする場合とを含む意味である。
すなわち、制御装置12の処理部122は、受付部121により受け付けられた検出信号DTに基づいて、第一無線通信と第二無線通信のいずれかを無効化するように構成されている。第一無線通信と第二無線通信の一方が無効化されている間、第一無線通信と第二無線通信の他方は有効化される。
図3を参照しつつ、上記のように構成された制御装置12の処理部122により実行される処理の流れの一例について説明する。モバイル装置40を携帯したユーザ30が車室21の外にいる状態を初期状態とする。
まず、処理部122は、第二通信装置112からの入力を無効化する(STEP10)。換言すると、処理部122は、第一通信装置111からの入力に基づいて動作するように設定される。
続いて、処理部122は、第一通信装置111とモバイル装置40との間でなされる無線通信に基づいて第一認証処理が成立したかを判断する(STEP11)。第一認証処理が成立したと判断されるまで、当該処理が繰り返される(STEP11においてNO)。
第一認証処理が成立したと判断されると(STEP11においてYES)、処理部122は、施解錠装置23に解錠を許可する第一許可信号EN1を、出力部123から出力する(STEP12)。
続いて、処理部122は、検出装置13によりユーザ30の乗車が検出されたかを判断する(STEP13)。具体的には、受付部121によりユーザ30の乗車を示す検出信号DTが受け付けられたかが判断される。受付部121によりユーザ30の乗車を示す検出信号DTが受け付けられたと判断されるまで、当該処理が繰り返される(STEP13においてNO)。
受付部121によりユーザ30の乗車を示す検出信号DTが受け付けられたと判断されるとSTEP13においてYES)、処理部122は、第一通信装置111からの入力を無効化する(STEP14)。換言すると、処理部122は、第二通信装置112からの入力に基づいて動作するように設定される。
続いて、処理部122は、第二通信装置112とモバイル装置40との間でなされる無線通信に基づいて第二認証処理が成立したかを判断する(STEP15)。第二認証処理が成立したと判断されるまで、当該処理が繰り返される(STEP15においてNO)。
第二認証処理が成立したと判断されると(STEP15においてYES)、処理部122は、イグニッション電源24をエンジン始動を許可する第二許可信号EN2を、出力部123から出力する(STEP16)。
続いて、処理部122は、検出装置13によりユーザ30の降車が検出されたかを判断する(STEP17)。具体的には、受付部121によりユーザ30の降車を示す検出信号DTが受け付けられたかが判断される。受付部121によりユーザ30の降車を示す検出信号DTが受け付けられたと判断されるまで、当該処理が繰り返される(STEP17においてNO)。
受付部121によりユーザ30の降車を示す検出信号DTが受け付けられたと判断されるとSTEP17においてYES)、処理部122は、第二通信装置112からの入力を無効化する(STEP18)。換言すると、処理部122は、第一通信装置111からの入力に基づいて動作するように設定される。
続いて、処理部122は、第一通信装置111とモバイル装置40との間でなされる無線通信に基づいて第一認証処理が成立したかを判断する(STEP19)。第一認証処理が成立したと判断されるまで、当該処理が繰り返される(STEP19においてNO)。
第一認証処理が成立したと判断されると(STEP19においてYES)、処理部122は、施解錠装置23に施錠を許可する第一許可信号EN1を、出力部123から出力する(STEP20)。
上記のような構成によれば、ユーザ30が車室21内に進入したことが検出されている状況においては、車室21の少なくとも外側に第一無線通信領域A1を形成している第一通信装置111とモバイル装置40との無線通信が無効化されるので、車室21の内側に形成されている第一無線通信領域A1に基づいて予期せず施解錠装置23の動作制御が許可される事態の発生を回避できる。
同様に、ユーザ30が車室21内から退出したことが検出されている状況においては、車室21の少なくとも内側に第二無線通信領域A2を形成している第二通信装置112とモバイル装置40との無線通信が無効化されるので、車室21の外側に形成されている第二無線通信領域A2に基づいて予期せずイグニッション電源24の動作制御が許可される事態の発生を回避できる。
すなわち、ユーザ30の位置に応じて第一無線通信と第二無線通信のいずれかが無効化されることにより、当該位置においては意図されていない被制御装置の動作制御が許可される事態の発生を回避できる。したがって、ユーザ30による携帯が可能なモバイル装置40を用いる認証システム10の利便性を高めることができる。
図1に例示されるように、第一無線通信領域A1と第二無線通信領域A2は、部分的に重なるように形成されている。
本実施形態に係る構成によれば、第一無線通信と第二無線通信のいずれかがユーザ30の位置に応じて無効化されるので、第一無線通信領域A1と第二無線通信領域A2が重なる領域においても、施解錠装置23の動作制御とイグニッション電源24の動作制御が同時に許可されないようにできる。これにより、第一無線通信領域A1と第二無線通信領域A2の設定自由度を高めることができる。換言すると、第一通信装置111と第二通信装置112に課される仕様上の要件を緩和できる。
本実施形態においては、第一通信装置111と第二通信装置112の双方は、モバイル装置40と短距離無線通信を行なうように構成されている。短距離無線通信は、一般的に無線通信領域の厳密な設定が難しいことが知られているので、前述した効果がより顕著となる。
しかしながら、第一通信装置111と第二通信装置112の少なくとも一方は、短距離無線通信以外の技術を用いてモバイル装置40と無線通信を行なうように構成されてもよい。例えば、相違する周波数帯を用いる無線通信技術が用いられうる。相違する周波数帯の例としては、長波(LF)帯と極超短波(UHF)帯が挙げられる。
図2に例示される制御装置12の出力部123から出力される第一通信制御信号CC1と第二通信制御信号CC2は、それぞれ第一通信装置111と第二通信装置112の動作を停止または開始させる機能を付与されうる。
この場合、制御装置12の処理部122は、受付部121により受け付けられた検出信号DTがユーザ30の乗車を示している場合、第一通信装置111の動作を停止させる第一通信制御信号CC1と第二通信装置112の動作を開始させる第二通信制御信号CC2を出力部123から出力するように構成される。第一通信装置111の動作停止は、第一無線通信の無効化の一例である。
他方、制御装置12の処理部122は、受付部121により受け付けられた検出信号DTがユーザ30の降車を示している場合、第一通信装置111の動作を開始させる第一通信制御信号CC1と第二通信装置112の動作を停止させる第二通信制御信号CC2を出力部123から出力するように構成される。第二通信装置112の動作停止は、第二無線通信の無効化の一例である。
すなわち、制御装置12の処理部122は、受付部121により受け付けられた検出信号DTに基づいて、第一通信装置111と第二通信装置112のいずれかの動作を停止させるように構成されている。第一通信装置111と第二通信装置112の一方の動作が停止されている間、第一通信装置111と第二通信装置112の他方の動作が開始される。
図4は、上記のように構成された処理部122により実行される処理の流れを例示している。図3を参照して説明したものと実質的に同じ処理要素については、同一の参照符号を付与して繰り返しとなる説明を省略する。
まず、処理部122は、第一通信装置111の動作を開始させるとともに、第二通信装置112の動作を停止させる(STEP21)。すなわち、処理部122は、第一通信装置111からの入力に基づいて動作するように設定される。
受付部121によりユーザ30の乗車を示す検出信号DTが受け付けられたと判断されるとSTEP13においてYES)、処理部122は、第一通信装置111の動作を停止させるとともに、第二通信装置112の動作を開始させる(STEP22)。すなわち、処理部122は、第二通信装置112からの入力に基づいて動作するように設定される。
受付部121によりユーザ30の降車を示す検出信号DTが受け付けられたと判断されるとSTEP17においてYES)、処理部122は、第一通信装置111の動作を開始させるとともに、第二通信装置112の動作を停止させる(STEP23)。すなわち、処理部122は、第一通信装置111からの入力に基づいて動作するように設定される。
本例に係る構成によっても、ユーザ30が車室21内に進入したことが検出されている状況においては、車室21の少なくとも外側に第一無線通信領域A1を形成している第一通信装置111とモバイル装置40との無線通信が無効化されるので、車室21の内側に形成されている第一無線通信領域A1に基づいて予期せず施解錠装置23の動作制御が許可される事態の発生を回避できる。
同様に、ユーザ30が車室21内から退出したことが検出されている状況においては、車室21の少なくとも内側に第二無線通信領域A2を形成している第二通信装置112とモバイル装置40との無線通信が無効化されるので、車室21の外側に形成されている第二無線通信領域A2に基づいて予期せずイグニッション電源24の動作制御が許可される事態の発生を回避できる。
これまで説明した様々な機能を有する制御装置12の処理部122は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサによって実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、上述した処理を実行するコンピュータプログラムが記憶されうる。ROMは、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたコンピュータプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。上記のコンピュータプログラムは、汎用メモリにプリインストールされてもよいし、不図示の無線通信ネットワークを介して不図示の外部サーバ装置からダウンロードされた後、汎用メモリにインストールされてもよい。この場合、当該外部サーバ装置は、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
処理部122は、マイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの上記のコンピュータプログラムを実行可能な専用集積回路によって実現されてもよい。この場合、当該専用集積回路に含まれる記憶素子に上記のコンピュータプログラムがプリインストールされる。当該記憶素子は、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。各プロセッサは、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによっても実現されうる。
上記の各実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の各実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
図1においては、第一通信装置111、第二通信装置112、および制御装置12は、車両20における別々の位置に独立して搭載された複数の装置として例示されている。しかしながら、第一通信装置111と第二通信装置112の少なくとも一方は、制御装置12の一部として提供されうる。
制御装置12の処理部122により行なわれる第一認証処理の少なくとも一部と第二認証処理の少なくとも一部は、不図示の無線通信ネットワークを介してモバイル装置40と通信可能な不図示の外部サーバ装置において行なわれうる。
認証処理の結果として制御装置12により制御される被制御装置は、施解錠装置23とイグニッション電源24に限られない。他の被制御装置の例としては、車両20に搭載されたエンジン、空調装置、音響映像機器、照明装置、シートやステアリングホイールの位置調節機構などが挙げられる。
認証システム10は、車両20以外の移動体にも適用されうる。他の移動体の例としては、鉄道、航空機、船舶などが挙げられる。当該移動体は、運転者を必要としなくてもよい。
施解錠装置23により施解錠される開閉体は、移動体のドアに限られない。住宅や施設における扉や窓もまた開閉体の一例になりうる。また、住宅や施設における各種設備もまた、被制御装置の一例になりうる。すなわち、第一通信装置111、第二通信装置112、および制御装置12は、移動体に搭載されることを要しない。住宅や施設における適宜の領域は、規定された領域の一例になりうる。
10:認証システム、111:第一通信装置、112:第二通信装置、12:制御装置、121:受付部、122:処理部、13:検出装置、20:車両、21:車室、22:ドア、23:施解錠装置、24:イグニッション電源、30:ユーザ、40:モバイル装置、A1:第一無線通信領域、A2:第二無線通信領域、DT:検出信号
Claims (8)
- 規定された領域の少なくとも外側に第一無線通信領域を形成する第一通信装置と、
前記規定された領域の少なくとも内側に第二無線通信領域を形成する第二通信装置と、
モバイル装置を携帯しているユーザの前記規定された領域に対する進入または退出を検出し、検出結果に対応する検出信号を出力する検出装置と、
前記第一通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第一無線通信に基づいて第一被制御装置の動作制御を許可し、前記第二通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第二無線通信に基づいて当該第一被制御装置と異なる第二被制御装置の動作制御を許可する制御装置と、
を備えており、
前記制御装置は、前記検出信号に基づいて、前記第一無線通信と前記第二無線通信のいずれかを無効化する、
認証システム。 - 前記制御装置は、前記検出信号に基づいて、前記第一通信装置と前記第二通信装置のいずれかの動作を停止させる、
請求項1に記載の認証システム。 - 前記第一無線通信領域と前記第二無線通信領域は、部分的に重なるように形成されている、
請求項1または2に記載の認証システム。 - 前記第一無線通信と前記第二無線通信は、ともに短距離無線通信である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の認証システム。 - 前記第一被制御装置は、前記規定された領域を開閉する開閉体を施解錠する施解錠装置である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の認証システム。 - 前記第一通信装置、前記第二通信装置、前記検出装置、および前記制御装置は、移動体に搭載されている、
請求項1から5のいずれか一項に記載の認証システム。 - モバイル装置を携帯しているユーザの規定された領域に対する進入または退出を検出する検出装置から検出結果に対応する検出信号を受け付ける受付部と、
前記規定された領域の少なくとも外側に第一無線通信領域を形成する第一通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第一無線通信に基づいて第一被制御装置の動作制御を許可し、前記規定された領域の少なくとも内側に第二無線通信領域を形成する第二通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第二無線通信に基づいて当該第一被制御装置と異なる第二被制御装置の動作制御を許可する処理部と、
を備えており、
前記処理部は、前記検出信号に基づいて、前記第一無線通信と前記第二無線通信のいずれかを無効化する、
制御装置。 - 制御装置に搭載された処理部により実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
モバイル装置を携帯しているユーザの規定された領域に対する進入または退出を検出する検出装置から検出結果に対応する検出信号を受け付け、
前記規定された領域の少なくとも外側に第一無線通信領域を形成する第一通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第一無線通信に基づいて第一被制御装置の動作制御を行ない、
前記規定された領域の少なくとも内側に第二無線通信領域を形成する第二通信装置と前記モバイル装置との間でなされる第二無線通信に基づいて当該第一被制御装置と異なる第二被制御装置の動作制御を行ない、
前記検出信号に基づいて、前記第一無線通信と前記第二無線通信のいずれかを無効化する、
コンピュータプログラム。
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JP2021142410A JP2023035507A (ja) | 2021-09-01 | 2021-09-01 | 認証システム、制御装置、およびコンピュータプログラム |
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