JP2023035235A - 防湿発泡壁紙 - Google Patents

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伸夫 古沢
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【課題】強力な防湿性を有し施工糊の塗工後の長時間の保存に耐え得る防湿発泡壁紙を提供する。【解決手段】防湿発泡壁紙10は、基材20と発泡樹脂層30と絵柄印刷層40と表面保護層50と、を備え、発泡樹脂層30は水性エマルジョン樹脂を主成分として形成され、基材20は紙層70と防湿層60とを有し、防湿層60において、アンカーコート層61はカルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含み、オーバーコート層64は、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含み、紙層70とアンカーコート層61との間又はアンカーコート層61と蒸着層63との間にポリビニルアルコール系樹脂を含む樹脂層62が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の壁面装飾等に用いる防湿発泡壁紙に関する。
現行のエマルジョン仕様の非塩ビ壁紙は、市場で一般的な塩ビ壁紙が抱える溶剤成分の残留や可塑剤の大量添加の問題を有さないことを特徴とする壁紙である。しかし、現行の壁紙は、透湿性が高いため、裏面に塗工した施工糊の水分を裏打紙経由で素早く表層に放出する特性を有している。この特性は糊付け後に短時間で裏面の糊を乾燥させてしまい、長時間保管した後に施工を行う場合に接着性を喪失する現象、又は裏面の糊面同士を重ね合わせた場合に密着してしまい剥がれる「相剥ぎ」と呼ばれるトラブルを引き起こすおそれがある。
壁紙施工は澱粉系施工糊との密着性が重要であるため、アルミ箔のような密着性のない基材は使用できず、また、リフォームや解体の際には剥がし作業が生じる。このため、剥離性の高いパルプベースの紙を使用したいという要望がある。しかしながら、普通紙は高い透湿性、吸水性を有しており容易に水分を表出させてしまう。
従来、防湿性を有しており且つ施工が問題無く可能な壁紙として、裏打紙と樹脂層の間に防湿性のある不織布などの層を形成する壁紙が知られている(特許文献1参照)。
特開2001‐123398
今までの壁紙関係の技術は住環境改善を目的として壁紙に高い透湿性を付与させるものに集中しており、あえて透湿度を低下させる技術は開発されてこなかった。
しかしながら、近年の施工職人の継続的な減少により、現場で糊塗工を行って即貼るといったその場での即応作業に時間を割けず、現場入り前に壁紙の大半に一斉に糊を塗工して持ち込む、又は使い切らなかった壁紙を翌日に持ち越して使う、といった形態が大半を占めつつあり、高透湿度の壁紙の保管性は大きな課題になっている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、強力な防湿性を有し施工糊の塗工後も長時間の保存に耐え得る防湿発泡壁紙を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様である防湿発泡壁紙は、基材と、前記基材に積層した発泡樹脂層と、前記発泡樹脂層に積層した絵柄印刷層と、前記絵柄印刷層に積層した表面保護層と、を備え、前記発泡樹脂層は、水性エマルジョン樹脂を主成分として形成され、前記基材は、紙層と、前記紙層の前記発泡樹脂層側の一面に積層された防湿層とを有し、前記防湿層は、アンカーコート層と蒸着層とオーバーコート層とが前記紙層側からこの順に積層されてなり、前記アンカーコート層は、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含み、オーバーコート層は、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含み、さらに、前記紙層と前記アンカーコート層との間又は前記アンカーコート層と前記蒸着層との間に、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層が設けられていることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、強力な防湿性を有し施工糊の塗工後も長時間の保存に耐え得る防湿発泡壁紙を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態における発泡壁紙の構成を表す断面図である。
図面を参照して、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という)を以下において説明する。以下の説明で参照する図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係や、各層の厚さの比率等は、現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚さや寸法は、以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
さらに、以下に示す本実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質や、それらの形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」になり、「右」が「左」になることは勿論である。
<防湿発泡壁紙>
以下、図1を参照して、本実施形態に係る防湿発泡壁紙の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る防湿発泡壁紙の構成の一例を模式的に示す断面図である。
本実施形態による防湿発泡壁紙10は、図1中に表すように、基材20と、発泡樹脂層30と、絵柄印刷層40と、表面保護層50を、この順で備える。より具体的には、防湿発泡壁紙10は、基材20と、基材20に積層した発泡樹脂層30と、発泡樹脂層30に積層した絵柄印刷層40と、絵柄印刷層40に積層した表面保護層と50と、を備える。
(基材)
基材20は、発泡樹脂層30を支えるために形成されたシート状の層である。
図1に示すように基材20は、紙層70と、紙層70の発泡樹脂層30側の一面に積層された防湿層60とを有している。
本例において基材20は、紙層70と、アンカーコート層61と、ポリビニルアルコール系樹脂を含む樹脂層62と、蒸着層63と、オーバーコート層64と、がこの順に積層されてなる。基材20において、アンカーコート層61と、ポリビニルアルコール系樹脂を含む樹脂層62と、蒸着層63と、オーバーコート層64とを紙層70側からこの順に積層した積層体が、防湿層60を形成している。
詳しくは後述するが、アンカーコート層61は、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含む層である。
詳しくは後述するが、オーバーコート層64は、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含む層である。
[紙層]
紙層70の素材は特に限定されるものではなく、適用される壁紙の用途に応じて適宜選択すればよい。紙層70の具体例として、薄葉紙、上質紙、アート紙、キャストコート紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙、上質紙、コート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、和紙等が挙げられる。
紙層70の坪量としては特に限定されないが、20g/m未満の場合は強度が不足し、200g/mを超える場合は剛性が強過ぎて巻き取りや施工に不具合を来す場合がある。このため、20g/m以上200g/m以下の範囲内が好ましく、40g/m以上100g/mの範囲内が更に好ましい。
さらに、これらの紙層70については、必要に応じてコロナ処理やプラズマ処理、フレーム処理等の表面処理を行ってもよい。
紙層70には、少なくともアンカーコート層61と接する側にコート層(不図示)を設けてあってもよい。コート層を設けることで、紙層70にアンカーコート層61が染み込むことを防ぐことができるほか、紙の凹凸を埋める目止めの役割を果たすこともでき、アンカーコート層61を欠陥なく均一に製膜することができる。コート層には、例えば、バインダー樹脂として、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、などの各種共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、パラフィン(WAX)等を用い、填料としてクレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等が含まれていてもよい。
コート層の厚みは、特に制限されるものではないが、例えば、1μm以上10μm以下が好ましく、3μm以上8μm以下がより好ましい。
また、紙層70の重量は、防湿層60全体の重量を基準として、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。紙層70の重量が防湿層60全体の重量を基準として、50質量%以上であれば、従来の防湿シート(例えば、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製シートあるいは紙/ポリエチレン/紙からなる防湿シート)に比較してプラスチック材料の使用量を十分に削減することができ、防湿発泡壁紙10における基材20が紙基材であるということができる。
[アンカーコート層]
アンカーコート層61は、紙基材である紙層70の表面(発泡樹脂層30側の一面)上に設けられ、紙層70とポリビニルアルコール系樹脂を含む樹脂層62との間の密着性向上のために設けられるものである。アンカーコート層61には、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含む。このようなアンカーコート層61は柔軟性に優れることから、蒸着層63の割れを抑制することができるとともに、紙層70と樹脂層62との密着性を向上させることができる。さらに、アンカーコート層61は、上述した第1のポリオレフィンを含むことで、カルボキシル基等による緻密な膜を形成することが可能となり、水蒸気バリア性に優れる積層体を得ることができる。
アンカーコート層61には、上記第1のポリオレフィンのほかに他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、上記第1のポリオレフィン以外のポリオレフィン、シランカップリング剤、有機チタネート、ポリアクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリウレア、ポリアミド、ポリイミド、メラミン、フェノール等が挙げられる。
アンカーコート層61における第1のポリオレフィンの含有量は、例えば、50質量%以上であってよく、70質量%以上であってよく、90質量%以上であってよく、100質量%であってよい。
アンカーコート層61の厚みは、例えば、1μm以上であってよく、2μm以上であることがより好ましく、また、5μm以下であることが好ましい。アンカーコート層61の厚みが1μm以上であれば、上述した紙基材である紙層70の凹凸を効率的に埋めることができ、樹脂層62及び蒸着層を均一に積層させることができる。また、アンカーコート層61の厚みは、5μmより大きくても防湿に関しては問題ないが、アンカーコート層61の厚みが5μm以下であれば、コストを抑えつつ樹脂層62、蒸着層63の各層を均一に積層させることができる。
アンカーコート層61を設ける方法としては、紙層70上に上述した第1のポリオレフィン及び溶媒を含む塗液を塗布し、乾燥させることで得ることができる。塗液に含まれる溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、特性の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、水が好ましい。また環境の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、水が好ましい。
[ポリビニルアルコール系樹脂を含む樹脂層]
ポリビニルアルコール系樹脂を含む樹脂層62は、アンカーコート層61の紙層70とは反対側の面に設けられ、アンカーコート層61と蒸着層63との間の密着性向上のために設けられるものである。ポリビニルアルコール系樹脂とは、例えば、完全けん化のポリビニルアルコール樹脂、部分けん化のポリビニルアルコール樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂等である。またポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、300以上、1500以下が好ましい。重合度が300以上であれば、防湿層のバリア性や屈曲耐性が良好になり、重合度が1500以下であれば、後述するポリビニルアルコール系樹脂の塗液の粘度が低くなり、塗布性が良好になる。
樹脂層62を設ける方法としては、アンカーコート層61の紙層70とは反対側の面上に上述したポリビニルアルコール系樹脂及び溶媒を含む塗液を塗布し、乾燥させることで得ることができる。塗液に含まれる溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられ、特に水と、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコールとの混合溶媒が好ましい。また前記塗液には、界面活性剤や防腐剤、保存安定剤、シランカップリング剤、有機チタネート等の添加剤を含んでいても構わない。
このような樹脂層62は、柔軟性に優れ、蒸着層63の割れを抑制することができるとともに、アンカーコート層61と蒸着層63との密着性を向上させることができる。
樹脂層62の厚みは、例えば、1μm以上であってよく、2μm以上であることが好ましく、また、5μm以下であることが好ましい。厚みが1μm以上であれば、蒸着層63を均一に積層させることができる。また、また、樹脂層62の厚みは、5μmより大きくても防湿に関しては問題ないが、樹脂層62の厚みが5μm以下であれば、コストを押さえつつ蒸着層63を均一に積層させることができる。
[蒸着層]
蒸着層63は、金属又は無機化合物を蒸着した層である。蒸着層63としては、アルミニウムを蒸着して得られたものであってもよく、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ケイ素(SiOx)等を含むものであってもよい。
蒸着層63の厚みは、使用用途によって適宜設定すればよいが、10nm以上300nm以下の範囲内が好ましく、30nm以上100nm以下の範囲内がより好ましい。蒸着層63の厚みを10nm以上とすることで蒸着層5の連続性を十分なものとしやすく、300nm以下とすることでカールやクラックの発生を十分に抑制でき、十分な防湿性能、ガスバリア性能及び可撓性を達成しやすい。
蒸着層63は、真空成膜手段によって成膜することが、酸素ガスバリア性能や膜均一性の観点から好ましい。成膜手段には、真空蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)などの公知の方法があるが、成膜速度が速く生産性が高いことから真空蒸着法が好ましい。また真空蒸着法の中でも、特に電子ビーム加熱による成膜手段は、成膜速度を照射面積や電子ビーム電流などで制御しやすいことや蒸着材料への昇温降温が短時間で行えることから有効である。
[オーバーコート層]
オーバーコート層64は、蒸着層63の表面上に、蒸着層63に接するように設けられるもので、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含む。
このようなオーバーコート層64は、柔軟性に優れ、蒸着層63の割れを抑制することができるとともに、蒸着層63との密着性に優れる。さらに、上述した第2のポリオレフィンを含むことで、水蒸気バリア性に優れる防湿層60を得ることができる。
オーバーコート層64は、上記の第2のポリオレフィンのほかに、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、シランカップリング剤、有機チタネート、ポリアクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリウレア、ポリアミド、ポリオレフィン系エマルジョン、ポリイミド、メラミン、フェノール等が挙げられる。
オーバーコート層64における上記第2のポリオレフィンの含有量は、例えば、50質量%以上であってよく、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。
第2のポリオレフィンを含むオーバーコート層64の厚みは、例えば、2μm以上であってよく、3μm以上であることが好ましい。またオーバーコート層64の厚みは、10μm以下であってよく、8μm以下が好ましく、5μm以下がさらに好ましい。また、オーバーコート層64の厚みが10μmより大きくても防湿に関しては問題ないが、オーバーコート層64の厚みが10μm以下であれば、コストを抑えつつ蒸着層63との密着性やバリア性を十分に発揮することができる。
オーバーコート層64を設ける方法としては、蒸着層63の、樹脂層62とは逆側の面上に上述した第2のポリオレフィン及び溶媒を含む塗液を塗布し、乾燥させることで得ることができる。塗液に含まれる溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、特性の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、水が好ましい。また環境の観点から、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、水が好ましい。
アンカーコート層61に含まれる第1のポリオレフィン及びオーバーコート層64に含まれる第2のポリオレフィンは、それぞれ同種のものであっても異種のものであってもよいが、製造の容易性等を考慮すれば、それぞれ同種のものであることが好ましい。
以上、本実施形態に係る防湿発泡壁紙10の一実施形態について説明したが、本発明はこれ以外の層を含んでいてもよい。また例えば、図1では、ポリビニルアルコール系樹脂を含む樹脂層62は、アンカーコート層61と蒸着層63との間に配置されているが、紙層70とアンカーコート層61との間に配置されていてもよい。すなわち、樹脂層62は、紙層70とアンカーコート層61との間又はアンカーコート層61と蒸着層63との間に配置されていてもよい。樹脂層62を、紙層70とアンカーコート層61との間に設けることによって、紙層70とアンカーコート層61との間の密着性を向上させることができる。また、樹脂層62を、アンカーコート層61と蒸着層63との間に設けることによって、アンカーコート層61と蒸着層63との間の密着性を向上させることができる。
(発泡樹脂層30)
発泡樹脂層30は、基材20に積層されている。具体的には、発泡樹脂層30は、図1中において、基材20の上側の面(オーバーコート層64の蒸着層63とは反対側の面)に積層されている。
また、発泡樹脂層30は、樹脂成分と、充填剤と、発泡剤と、発泡助剤と、樹脂分と、有機系抗菌剤と、添加剤と、抗菌剤を含有しており、発泡剤が発泡することで形成されている。
発泡樹脂層30が含有する樹脂成分は、主成分として水性エマルジョン樹脂を含有する。すなわち、発泡樹脂層8は、水性エマルジョン樹脂を主成分として形成されている。
発泡樹脂層8が含有する充填剤としては、例えば、無機充填剤を用いることが可能である。また、無機充填剤は、一種を単独で用いることも、二種類以上を併用して用いることも可能である。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン、カオリン等を用いることが可能である。
発泡樹脂層30が含有する発泡剤(揮発性膨張剤)は、熱膨張性マイクロカプセルの形で発泡樹脂層30が含有する樹脂成分に添加することが、性能(発泡倍率、強度)の観点から好ましい。また、発泡樹脂層8が含有する発泡剤としては、アゾ系、ヒドラジッド系、ニトロソ系等を用いることが可能である。
また、発泡樹脂層30には、必要に応じて、顔料等を添加して着色してもよい。
顔料の添加による着色は、透明であってもよいし、半透明であってもよいし、不透明であってもよい。
顔料としては、例えば、酸化鉄、カーボンブラック等を用いることが可能である。
顔料の添加量は、樹脂層全量を基準として、5質量%以上50質量%以下の範囲内が好ましく、10質量%以上30質量%以下の範囲内がより好ましい。
発泡樹脂層30が含有する抗菌剤としては、水に可溶であること(水溶性)が条件となるため、例えば、チアゾール系を用いることが可能である。
また、発泡樹脂層30が含有する抗菌剤としては、水溶性を有していれば、ニトリル系、イミダゾール系、アルコール系、アルデヒド系、(カルボン酸系、エステル系)、ジスルフィド系、チオカーバメート系、フェノール系等を用いることが可能である。
さらに、発泡樹脂層30が含有する抗菌剤としては、水溶性を有していれば、ピリジン・キノリン系、トリアジン系、イソチアゾロン系、アニリド系、カルボン酸系、エーテル系、過酸化物・エポキシ系、ビグアナイド系、界面活性剤系等を用いることが可能である。
難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属酸化物系難燃剤、リン酸エステル系等のリン系難燃剤、テトラブロモビスフェノールA等の臭素系難燃剤等を用いることが可能である。
(絵柄印刷層40)
絵柄印刷層40は、発泡樹脂層30に積層されている。具体的には、絵柄印刷層40は、図1中において、発泡樹脂層30の上側の面(発泡樹脂層30の基材20とは反対側の面)に積層されている。
また、絵柄印刷層40は、防湿発泡壁紙10へ、所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は、特に限定的されるものではない。
絵柄としては、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等、発泡壁紙10を用いる箇所に適した絵柄を選択することが可能である。
絵柄印刷層40を形成する印刷インキについては、壁紙として一般的に求められるような耐光性、発色性、使用される成分の安全性の用件(顔料や添加剤として、重金属や硫黄化合物を含まない等)を満たしていれば特に限定されるものではない。
本実施形態では、一例として、絵柄印刷層40を形成する印刷インキを、アクリル重合体をベースレジンとする水系のインキとした場合について説明する。
絵柄印刷層40を形成する印刷インキは、上記のような水性エマルジョンから構成され、印刷後に乾燥させることで、絵柄印刷層40の塗膜となる。
また、インキには、絵柄模様を構成する公知の顔料が含まれる。
また、絵柄印刷層40を形成する印刷インキに、顔料を組み合わせて配合することで、絵柄の表現を豊かにすることが可能となる。また、絵柄印刷層40を形成する印刷インキに、紫外線吸収剤や光安定剤等を添加することで、耐候性を良好にすることも可能となる。
絵柄の印刷方法としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷等、既知の印刷方法を用いることが可能である。
特に、全面を同一に着色する場合には、上述した印刷方法の他に、コーティングの手法や装置を用いてもよい。
(表面保護層50)
表面保護層50は、絵柄印刷層40に積層されており、コート層(コーティング層)とも呼称される層である。具体的には、表面保護層50は、図1中において、絵柄印刷層40の上側の面(絵柄印刷層40の発泡樹脂層30とは反対側の面)に積層されている。
また、表面保護層50は、シリコン系樹脂以外の樹脂成分として、アクリル酸(CH=CHCOOH)及びメタクリル酸(CH=C(CH)COOH)、ないしはそれらのエステルのうちから選択した一種以上のモノマーから形成される重合体、または、重合体に対してスチレン、酢酸ビニル、エチレン及びα-オレフィンのうち一種以上のモノマーないしはブロックコポリマーを共重合させることによって得られる重合体を含むことが好ましい。
なお、表面保護層50の構成は、シリコン系樹脂以外の樹脂成分として、ポリ塩化ビニル等の樹脂を含む構成とすることも可能である。
表面保護層50の坪量は、熱や塩素からの保護、表面強度、耐汚染性等の物性を付与する観点から、1.0g/m以上30.0g/m以下の範囲内であることが好ましい。さらに、表面保護層50の坪量は、5.0g/m以上25.0g/m以下の範囲内であることがより好ましい。
また、表面保護層50の絵柄印刷層40と対向する面と反対の面(図1中における、表面保護層50の上側の面)には、エンボス加工による凹凸形状51が形成されている。
エンボス加工による凹凸形状51としては、例えば、布目、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャー、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等を用いることが可能であり、適宜選択が可能である。
<本発明に基づく実施形態に係る特徴点と効果>
本発明に基づく実施形態の特徴点は、次の通りである。
(第1の特徴点)
第1の特徴点は、本実施形態に係る防湿発泡壁紙10が、基材20と、基材20に積層した発泡樹脂層30と、発泡樹脂層30に積層した絵柄印刷層40と、絵柄印刷層40に積層した表面保護層50と、を備え、発泡樹脂層30は、水性エマルジョン樹脂を主成分として形成され、基材20は、紙層70と、紙層70の発泡樹脂層30側の一面に積層された防湿層60とを有し、防湿層60は、アンカーコート層61と蒸着層63とオーバーコート層64とが紙層70側からこの順に積層されてなり、アンカーコート層61は、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含み、オーバーコート層64は、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含み、さらに、紙層70とアンカーコート層61との間又はアンカーコート層61と蒸着層63との間に、ポリビニルアルコール系樹脂を含む樹脂層62が設けられている点である。
(第1の特徴点の効果)
第1の特徴点によれば、防湿層60を有する基材20によって防湿発泡壁紙10に強力な防湿性が付与され、裏面の施工糊の水分が表層に表出することを防ぎ、糊付け(施工糊の塗工)後の長時間の保管の耐えることが可能となる。つまり、第1の特徴点を有する防湿発泡壁紙10は、強力な防湿層60を有しており、施工糊塗工後の長時間の保存に耐え得る低透湿度のエマルジョン仕様の非塩ビ壁紙であって、施工時の糊の急速な乾燥や相剥ぎ問題の生じない、施工性に優れたエマルジョン仕様の防湿発泡壁紙である。
また、第1の特徴点によれば、アンカーコート層61が、紙層70の上に設けられ、紙層70と蒸着層63との間の密着性向上や、ガスバリア積層体のガスバリア性の向上を図ることができる。
(第2の特徴点)
第2の特徴点は、アンカーコート層61の厚みが、1μm以上5μm以下である点である。
(第2の特徴点の効果)
第2の特徴点によれば、アンカーコート層61の厚みが1μm以上5μm以下であることから、紙層70の凹凸を効率的に埋めることができ、コストを抑えつつ、少なくとも蒸着層63を均一に積層させることができる。
(第3の特徴点)
第3の特徴点は、蒸着層63の厚みが、30nm以上100nm以下である点である。
(第3の特徴点の効果)
第3の特徴点によれば、蒸着層63の厚みを30nm以上とすることで、蒸着層63の連続性を十分なものとしやすく、且つ蒸着層63の厚みを100nm以下とすることで、カールやクラックの発生を十分に抑制でき、十分な防湿性能、ガスバリア性能及び可撓性を達成しやすい。
(第4の特徴点)
第4の特徴点は、オーバーコート層64の厚みが2μm以上10μm以下である点である。
(第4の特徴点の効果)
第4の特徴点によれば、コストを抑えつつ蒸着層63との密着性やバリア性を十分に発揮することができる。
(第5の特徴点)
第5の特徴点は、紙層70の重量が防湿層60全体を基準として50質量%以上である点である。
(第5の特徴点の効果)
第5の特徴点によれば、従来の防湿シートに比較してプラスチック材料の使用量を十分に削減することができ、防湿発泡壁紙10における基材20が紙基材であるということができる。
(第6の特徴点)
第6の特徴点は、防湿発泡壁紙10における透湿度が、10.0/m・24hr以下である点である。ここで、透湿度は、JIS Z 0208に規定する透湿度を示す。
(第6の特徴点の効果)
第6の特徴点によれば、従来の塩化ビニル壁紙やエマルジョン仕様の非塩化ビニル壁紙に比べて、本実施形態に係る防湿発泡壁紙10の透湿度をより小さくすることができる。すなわち、第6の特徴点によれば、透湿度を10.0/m・24hr以下に設定することで、防湿発泡壁紙10を長時間の保管でも相剥ぎが生じない結果が得られた。
すなわち、第6の特徴点によれば、防湿層60に改良を加えたことにより、透湿度の抑制と、それによる「相剥ぎ」防止効果が認められ、施工現場での長時間保存に耐えることができる。このため、防湿発泡壁紙10は、施工糊の塗工後の長時間の保存により確実に耐えることができる。
また、防湿発泡壁紙10において、透湿度が0.1g/m2・24hr未満だと、施工時の糊の乾燥が非常に遅くなる場合がある。このため透湿度は、0.1g/m・24hr以上であることが好ましい。
(第7の特徴点)
第7の特徴点は、表面保護層50の絵柄印刷層40と対向する面と反対の面には、エンボス加工による凹凸形状51が形成されている点である。
(第7の特徴点の効果)
第7の特徴点によれば、エンボス加工による凹凸形状51により、防湿発泡壁紙10の装飾性を向上できる。
<実施例>
以下に、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1の防湿発泡壁紙は、以下の構成とした。
[基材]
紙層として、坪量65g/mの壁紙用裏打紙(KJ特殊紙株式会社製 WK665IHT)を用い、その表面上に、カルボキシル基の塩を含む塗液(商品名:ケミパールS500、三井化学製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、アンカーコート層を形成させた。アンカーコート層の厚みは3μmであった。
続いて、アンカーコート層上にけん化度98%、重合度500のポリビニルアルコール樹脂を水/IPA=8/2の溶液に固形分濃度10質量%で溶解したポリビニルアルコール樹脂を含む塗液をバーコーターで塗布し、オーブンで乾燥させ、ポリビニルアルコール樹脂を含む樹脂層を形成させた。樹脂層の厚みは3μmであった。
続いて、ポリビニルアルコール樹脂を含む樹脂層上にAL蒸着を施した。AL蒸着層の厚みは50nmであった。その後、蒸着層上にカルボキシル基の塩を含む塗液(商品名:ケミパールS500、三井化学製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、オーバーコート層を形成させ、防湿層を得た。ポリオレフィンを含むオーバーコート層の厚みは3μmであった。これにより、紙層の上に防湿層が積層された基材を得た。
[発泡樹脂層]
エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA樹脂)を主成分とし、充填剤として炭酸カルシウムを80質量部、カプセル発泡剤を10質量部添加した。そして、発泡倍率を5倍に設定し、坪量が100g/mとなるように基材上に発泡樹脂層を形成した。
さらに、発泡樹脂層には、抗菌剤(BC-477)を含有させ、抗菌剤の発泡樹脂層に対する質量比を0.3%とした。
[絵柄印刷層]
アクリル樹脂系インキを用いて、塗布量が2g/mとなるように、発泡樹脂層上に絵柄印刷層を形成した。
[表面保護層]
アクリル系樹脂及びシリコン系樹脂を主成分とし、坪量が5g/mとなるように、絵柄印刷層上に表面保護層を形成した。
(実施例2)
アンカーコート層の厚みを1μmとし、ポリビニルアルコール樹脂を含む樹脂層の厚みを1μmとした以外は、実施例1と同様の操作によって実施例2を得た。
(実施例3)
アンカーコート層の厚みを5μmとし、オーバーコート層の厚みを2μmとした以外は、実施例1と同様の操作によって実施例3を得た。
(実施例4)
オーバーコート層の厚みを10μmとした以外は、実施例1と同様の操作によって実施例4を得た。
(実施例5)
蒸着層をシリカとし、蒸着層の厚みを30nmとした以外は、実施例1と同様の操作によって実施例5を得た。
(実施例6)
蒸着層をアルミナとし、蒸着層の厚みを30nmとした以外は、実施例1と同様の操作によって実施例6を得た。
(比較例1)
基材の防湿層において蒸着層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様の操作によって比較例1を得た。
(比較例2)
比較例2では以下のようにして実施例1と異なる組成の防湿層を形成した。
坪量65g/mの壁紙用裏打紙(KJ特殊紙株式会社製 WK665IHT)の表面上に、酢酸ビニル系ポリオレフィン樹脂を含む塗液をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、酢酸ビニル系ポリオレフィン樹脂を含む層を形成させた。層の厚みは3μmであった。
続いて、酢酸ビニル系ポリオレフィン樹脂を含む層上にAL蒸着を施した。AL蒸着層の厚みは50nmであった。その後、AL蒸着層上にカルボキシル基の塩を含む塗液(商品名:ケミパールS500、三井化学製)をバーコーターで塗工し、オーブンで乾燥させ、ポリオレフィンを含む層を形成させ、防湿層を得た。ポリオレフィンを含む層の厚みは3μmであった。
上記以外は、実施例1と同様の操作によって比較例2を得た。
(性能評価)
実施例1から6の防湿発泡壁紙と、比較例1、2の防湿発泡壁紙とに対し、それぞれ、透湿度及び相剥ぎの確認試験を実施した。
(1)透湿度
JIS Z0208に準拠した。
(2)相剥ぎ試験
発泡壁紙の基材側面にヤヨイ化学製の澱粉糊「ルーアマイルド」を糊:水=55:45で希釈した希釈糊を120g/m塗布し、糊面同士を重ね合わせて折り畳みポリエチレン製の袋に密封して、24時間後に開封して折り畳みを開いた際の基材層の破断の有無を確認した。
Figure 2023035235000002
(評価結果)
表1の結果から明らかなように、実施例1~6の防湿発泡壁紙は、比較例1、2の防湿発泡壁紙と比べて、透湿度が格段に低く、また長時間の保管でも相剥ぎが生じない結果が得られた。
一方、比較例1、2の防湿発泡壁紙は、実施例1~6の防湿発泡壁紙と比べて、透湿度が高く、相剥ぎ試験において破断が発生した。比較例1では、蒸着層が設けられておらず、また比較例2ではアンカーコート層に使用している樹脂を酢酸ビニル系ポリオレフィン樹脂に変更したことから、透湿度が上昇したことが原因と推測できる。
このように、本発明の防湿発泡壁紙は基材層に改良を加えたことにより、透湿度の抑制とそれによる相剥ぎ防止効果が認められ、強力な防湿性を有し、施工現場において施工糊の塗工後の長時間保存に耐えることが可能となった。
10 防湿発泡壁紙
20 基材
30 発泡樹脂層
40 絵柄印刷層
50 表面保護層
51 凹凸形状
60 防湿層
61 アンカーコート層
62 樹脂層
63 蒸着層
64 オーバーコート層
70 紙層

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材に積層した発泡樹脂層と、前記発泡樹脂層に積層した絵柄印刷層と、前記絵柄印刷層に積層した表面保護層と、を備え、
    前記発泡樹脂層は、水性エマルジョン樹脂を主成分として形成され、
    前記基材は、紙層と、前記紙層の前記発泡樹脂層側の一面に積層された防湿層とを有し、
    前記防湿層は、アンカーコート層と蒸着層とオーバーコート層とが前記紙層側からこの順に積層されてなり、
    前記アンカーコート層は、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第1のポリオレフィンを含み、
    オーバーコート層は、カルボキシル基、カルボキシル基の塩、カルボン酸無水物基及びカルボン酸エステルより選ばれる少なくとも1種を有する第2のポリオレフィンを含み、
    さらに、前記紙層と前記アンカーコート層との間又は前記アンカーコート層と前記蒸着層との間に、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層が設けられている
    ことを特徴とする防湿発泡壁紙。
  2. 前記アンカーコート層の厚みが1μm以上5μm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の防湿発泡壁紙。
  3. 前記蒸着層の厚みが30nm以上100nm以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の防湿発泡壁紙。
  4. 前記オーバーコート層の厚みが2μm以上10μm以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の防湿発泡壁紙。
  5. 前記紙層の重量が防湿層全体を基準として50質量%以上である
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の防湿発泡壁紙。
  6. 透湿度が10.0g/m・24hr以下である
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の防湿発泡壁紙。
  7. 前記表面保護層の前記絵柄印刷層と対向する面と反対の面には、エンボス加工による凹凸形状が形成されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の防湿発泡壁紙。
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