JP2023034674A - 導体パターンを有する積層体の製造方法、転写フィルム - Google Patents

導体パターンを有する積層体の製造方法、転写フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】めっき処理の前にレジストパターンに対して酸性溶液での洗浄処理を実施した場合でも、所望の形状の導体パターンが製造できる導体パターンを有する積層体の製造方法、および、転写フィルムを提供する。【解決手段】転写フィルムの仮支持体側とは反対側の表面が、表面に金属層を有する基板の金属層と接するように、転写フィルムと基板とを貼合する貼合工程と、感光性組成物層をパターン露光する露光工程と、現像処理を実施して、レジストパターンを形成する現像工程と、レジストパターンを加熱する加熱工程と、加熱されたレジストパターンを酸性溶液で洗浄する洗浄工程と、めっき処理を行うめっき工程と、レジストパターンを剥離する剥離工程と、剥離工程によって露出した金属層を除去し、基板上に導体パターンを形成する除去工程と、をこの順に有し、感光性組成物層が熱架橋剤を含む、導体パターンを有する積層体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、導体パターンを有する積層体の製造方法、及び、転写フィルムに関する。
所定のパターンを得るための工程数が少ないことから、転写フィルムを用いて任意の基板上に感光性組成物層を配置して、この感光性組成物層に対してマスクを介して露光した後に現像する方法が広く使用されている。
特許文献1においては、所定の成分を含む感光性樹脂層を支持体上に積層し、その感光性樹脂層を基材上に転写し、露光処理及び現像処理によりレジストパターンを形成して、更に、めっき処理を施し、回路基板を製造する方法が開示されている。
特開2016-139154号公報
昨今、導体パターンの形状のより微細化が求められており、その形状制御の要求性がより高くなっていた。
本発明者らは、特許文献1に記載の方法を参考にし、めっき処理の前にレジストパターンの汚れを除去するために酸性溶液による洗浄処理を実施して、めっき処理を実施したところ、得られた導体パターンの形状が所望の形状から歪んでおり、改良が必要であることを知見した。
本発明は、めっき処理の前にレジストパターンに対して酸性溶液での洗浄処理を実施した場合でも、所望の形状の導体パターンが製造できる導体パターンを有する積層体の製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、転写フィルムを提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
(1) 仮支持体とネガ型の感光性組成物層とを有する転写フィルムの仮支持体側とは反対側の表面が、表面に金属層を有する基板の金属層と接するように、転写フィルムと基板とを貼合する貼合工程と、
感光性組成物層をパターン露光する露光工程と、
露光された感光性組成物層に対して現像処理を施して、レジストパターンを形成する現像工程と、
レジストパターンを加熱する加熱工程と、
加熱されたレジストパターンを酸性溶液で洗浄する洗浄工程と、
レジストパターンが配置されていない領域にある金属層に対して、めっき処理を行うめっき工程と、
レジストパターンを剥離する剥離工程と、
剥離工程によって露出した金属層を除去し、基板上に導体パターンを形成する除去工程と、をこの順に有し、
貼合工程と露光工程との間、又は、露光工程と現像工程との間に、更に、仮支持体を剥離する仮支持体剥離工程を有し、
感光性組成物層が熱架橋剤を含む、導体パターンを有する積層体の製造方法。
(2) 加熱工程により加熱されたレジストパターンの基板側とは反対側の表面の弾性率が5.0GPa以上である、(1)に記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
(3) 加熱工程により加熱されたレジストパターンの基板側とは反対側の表面の弾性率を弾性率Xとし、
加熱工程により加熱されたレジストパターンの基板側近傍における弾性率を弾性率Yとした際に、
X/Y≦1.2を満たす、(1)又は(2)に記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
(4) 感光性組成物層が、重合性化合物、及び、重合開始剤を含む、(1)~(3)のいずれかに記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
(5) 重合性化合物が、アルキレンオキシド変性ビスフェノール構造を有する、(4)に記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
(6) 熱架橋剤が、ブロックイソシアネート化合物を含む、(1)~(5)のいずれかに記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
(7) 仮支持体のヘイズが1.0%以下である、(1)~(6)のいずれかに記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
(8) 仮支持体の厚みが50μm以下である、(1)~(7)のいずれかに記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
(9) 転写フィルムが仮支持体と感光性組成物層との間に中間層を有する、(1)~(8)のいずれかに記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
(10) 中間層が、水溶性樹脂層である、(9)に記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
(11) 露光工程が、フォトマスクを介してパターン露光を行う工程である、(1)~(10)のいずれかに記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
(12) 露光工程が、フォトマスクの像を投影させた活性光線を用い、レンズを介して感光性組成物層をパターン露光する工程である、(1)~(10)のいずれかに記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
(13) 貼合工程と露光工程との間に仮支持体剥離工程を有し、
露光工程が、仮支持体を剥離して露出した表面とフォトマスクとを接触させて、感光性組成物層をパターン露光する工程である、(1)~(10)のいずれかに記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
(14) 仮支持体と、ネガ型の感光性組成物層とを有する転写フィルムであって、
感光性組成物層が熱架橋剤を含み、
仮支持体のヘイズが、1.0%以下である、転写フィルム。
(15) 仮支持体の厚みが50μm以下である、(14)に記載の転写フィルム。
(16) 感光性組成物層が、重合性化合物、及び、重合開始剤を含む、(14)又は(15)に記載の転写フィルム。
(17) 重合性化合物が、アルキレンオキシド変性ビスフェノール構造を有する、(16)に記載の転写フィルム。
(18) 仮支持体と感光性組成物層との間に中間層を有する、(14)~(17)のいずれかに記載の転写フィルム。
(19) 中間層が、水溶性樹脂層である、(18)に記載の転写フィルム。
本発明によれば、めっき処理の前にレジストパターンに対して酸性溶液での洗浄処理を実施した場合でも、所望の形状の導体パターンが製造できる、導体パターンを有する積層体の製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、転写フィルムを提供できる。
実施形態に係る転写フィルムの層構成の一例を示す概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされる場合があるが、本発明はそのような実施態様に制限されない。
以下、本明細書における各記載の意味を表す。
本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、「工程」の用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば本用語に含まれる。
本明細書において、「透明」とは、波長400~700nmの可視光の平均透過率が、80%以上であることを意味し、90%以上であることが好ましい。
本明細書において、可視光の平均透過率は、分光光度計を用いて測定される値であり、例えば、日立製作所株式会社製の分光光度計U-3310を用いて測定できる。
本明細書において、特段の断りのない限り、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、カラムとして、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、若しくは、TSKgel G2000HxL(いずれも東ソー株式会社製の商品名)、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)、検出器として示差屈折計、及び、標準物質としてポリスチレンを使用し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により測定した標準物質のポリスチレンを用いて換算した値である。
本明細書において、特段の断りがない限り、分子量分布がある化合物の分子量は、重量平均分子量(Mw)である。
本明細書において、特段の断りがない限り、金属元素の含有量は、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)分光分析装置を用いて測定した値である。
本明細書において、特段の断りがない限り、屈折率は、波長550nmでエリプソメーターを用いて測定した値である。
本明細書において、特段の断りがない限り、色相は、色差計(CR-221、ミノルタ株式会社製)を用いて測定した値である。
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロキシ基」は、アクリロキシ基及びメタアクリロキシ基の両方を包含する概念である。
なお、本明細書において、「アルカリ可溶性」とは、22℃において炭酸ナトリウムの1質量%水溶液100gへの溶解度が0.1g以上であることを意味する。
本明細書において「水溶性」とは、液温が22℃であるpH7.0の水100gへの溶解度が0.1g以上であることを意味する。従って、例えば、水溶性樹脂とは、上述の溶解度条件を満たす樹脂を意図する。
本明細書において、組成物の「固形分」とは、組成物を用いて形成される組成物層を形成する成分を意味し、組成物が溶剤(有機溶剤、水等)を含む場合、溶剤を除いたすべての成分を意味する。また、組成物層を形成する成分であれば、液体状の成分も固形分とみなす。
本発明の導体パターンを有する積層体の製造方法の特徴点としては、感光性組成物層が熱架橋剤を含む点が挙げられる。
本発明者らは、従来技術において、上記課題が生じる原因について検討したところ、レジストパターンを酸性溶液で洗浄する際にレジストパターンの剥離や分解が生じしてしまい、結果として、所望の形状の導体パターンが得られないことを知見した。そこで、感光性組成物層に熱架橋剤を含ませて、現像処理後に加熱処理を実施して、レジストパターンを架橋させることにより、酸性溶液に対する耐性が向上し、結果として、所望の形状の導体パターンが得られることを見出した。
<導体パターンを有する積層体の製造方法>
本発明の導体パターンを有する積層体の製造方法は、
仮支持体とネガ型の感光性組成物層とを有する転写フィルムの仮支持体側とは反対側の表面が、表面に金属層を有する基板の金属層と接するように、転写フィルムと基板とを貼合する貼合工程と、
感光性組成物層をパターン露光する露光工程と、
露光された感光性組成物層に対して現像処理を施して、レジストパターンを形成する現像工程と、
レジストパターンを加熱する加熱工程と、
加熱されたレジストパターンを酸性溶液で洗浄する洗浄工程と、
レジストパターンが配置されていない領域にある金属層に対して、めっき処理を行うめっき工程と、
レジストパターンを剥離する剥離工程と、
剥離工程によって露出した金属層を除去し、基板上に導体パターンを形成する除去工程と、をこの順に有し、
貼合工程と露光工程との間、又は、露光工程と現像工程との間に、更に、仮支持体を剥離する仮支持体剥離工程を有する。
以下、各工程について詳述する。
[貼合工程]
貼合工程は、仮支持体とネガ型の感光性組成物層とを有する転写フィルムの仮支持体側とは反対側の表面が、表面に金属層を有する基板の金属層と接するように、転写フィルムと基板とを貼合する工程である。
本工程を実施することにより、基板、金属層、感光性組成物層、及び、仮支持体をこの順に有する感光性組成物層付き基板を得ることができる。
転写フィルムの構成については、後段で詳述する。
表面に金属層を有する基板(金属層付き基板)は、基板と、基板の表面に配置される金属層とを有する。
基板としては、例えば、樹脂基板、ガラス基板、セラミック基板及び半導体基板が挙げられ、国際公開第2018/155193号の段落[0140]に記載の基板が好ましい。
樹脂基板の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー又はポリイミドが好ましい。
樹脂基板の厚みは、5~200μmが好ましく、10~100μmがより好ましい。
金属層は金属を含む層であり、金属としては特に制限されず、公知の金属を使用できる。金属層は、導電性の層であることが好ましい。
金属層の主成分(いわゆる、主金属)としては、例えば、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず及び亜鉛が挙げられる。なお、「主成分」とは、金属層中に含まれる金属のうち、最も含有量が大きい金属を意味する。
金属層の形成方法としては特に制限されず、例えば、金属微粒子を分散した分散液を塗布して、塗膜を焼結する方法、スパッタリング法及び蒸着法等の公知の方法が挙げられる。
金属層の厚みは特に制限されず、50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。上限は、2μm以下が好ましい。
基板上には、1層又は2層以上の金属層を配置してもよい。
2層以上の金属層を配置する場合、2層以上配置される金属層同士は、同一及び不同のいずれであってもよく、異なる材質の金属層であることが好ましい。
上記貼合においては、転写フィルムの感光性組成物層側(仮支持体側とは反対側の表面)を、基板上の金属層に接触させて圧着させることが好ましい。
上記圧着の方法としては特に制限はなく、公知の転写方法、及び、ラミネート方法を使用できる。なかでも、感光性組成物層の表面を、金属層を有する基板に重ね、ロール等による加圧及び加熱が行われることが好ましい。
貼り合せには、真空ラミネーター、及び、オートカットラミネーター等の公知のラミネーターを使用できる。
ラミネート温度としては特に制限されないが、例えば、70~130℃であることが好ましい。
[露光工程]
露光工程は、感光性組成物層をパターン露光する工程である。
「パターン露光」とは、パターン状に露光する形態であり、露光部と未露光部とが存在する形態の露光を意味する。
パターン露光における露光部(露光領域)と未露光部(未露光領域)との位置関係は、適宜調整できる。露光は、感光性組成物層側から行うことが好ましい。
露光工程における露光方式としては、例えば、マスク露光、ダイレクトイメージング露光及び投影露光が挙げられ、マスク露光又は投影露光が好ましい。
つまり、露光工程としては、フォトマスクを介してパターン露光を行う工程が好ましい。
また、露光工程としては、フォトマスクの像を投影させた活性光線を用い、レンズを介して感光性組成物層をパターン露光する工程であることも好ましい。
貼合工程と露光工程との間に後述する仮支持体剥離工程を行った場合、露光工程としては、仮支持体を剥離して露出した表面とフォトマスクとを接触させて、パターン露光する露光工程が好ましい。言い換えれば、仮支持体が剥離された積層体の仮支持体が剥離されることにより露出した露出面とフォトマスクとを接触させて、感光性組成物層にパターン露光する露光工程が好ましい。なお、上記露出面としては、転写フィルムが仮支持体と中間層と感光性組成物層との3層構成である場合、中間層の表面が該当する。
このような露光工程を採用すれば、より高精細なレジストパターンが得られ、最終的に、より高精細な導体パターンを得られる。
このような露光工程は、特に、貼合工程と露光工程との間で、後述する仮支持体剥離工程を行った場合に採用することが好ましい。
なお、露光工程と現像工程との間に後述する仮支持体剥離工程を行う場合、露光工程としては、貼合工程により得られる基板と転写フィルムとの積層体における、転写フィルムの基板を有する側とは反対側の表面とフォトマスクとを接触させて、パターン露光する露光工程が好ましい。
パターン露光する露光工程では、感光性組成物層の露光領域(フォトマスクの開口部に相当する領域)において感光性組成物層に含まれる成分の硬化反応が生じ得る。露光後に現像工程を実施することで感光性組成物層の非露光領域が除去されて、パターンが形成される。
本発明の方法は、露光工程と現像工程との間で、露光工程で用いたフォトマスクを剥離するフォトマスク剥離工程を有することも好ましい。
フォトマスク剥離工程としては、例えば、公知の剥離工程が挙げられる。
パターン露光の光源としては、少なくとも感光性組成物層を硬化し得る波長域の光(例えば、365nm又は405nm)を照射できるものであれば適宜選定して使用できる。なかでも、パターン露光の露光光の主波長は、365nmが好ましい。なお、主波長とは、最も強度が大きい波長である。
光源としては、例えば、各種レーザー、発光ダイオード(LED)、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、及び、メタルハライドランプが挙げられる。
露光量は、5~200mJ/cmが好ましく、10~200mJ/cmがより好ましい。
露光に使用する光源、露光量及び露光方法の好ましい態様としては、例えば、国際公開第2018/155193号の段落[0146]~[0147]に記載があり、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
[仮支持体剥離工程]
貼合工程と露光工程との間、又は、露光工程と現像工程との間に、仮支持体剥離工程が行われる。
なかでも、上記貼合工程と上記露光工程のとの間に、剥離工程を有することが好ましい。
剥離工程は、転写フィルムと金属層付き基板との積層体から仮支持体を剥離する工程である。
仮支持体の剥離方法としては、例えば、公知の剥離方法が挙げられる。具体的には、特開2010-072589号公報の段落[0161]~[0162]に記載されたカバーフィルム剥離機構が挙げられる。
[現像工程]
現像工程は、露光された感光性組成物層に対して現像処理を実施して、レジストパターンを形成する工程である。
上記感光性組成物層の現像は、現像液を用いて行うことができる。
現像液として、アルカリ性水溶液が好ましい。アルカリ性水溶液に含まれ得るアルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、及び、コリン(2-ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)が挙げられる。
現像処理する際の現像液の液温は、10~50℃が好ましく、15~40℃がより好ましく、20~35℃が更に好ましい。
現像処理する際の現像液のpHは、9以上が好ましく、10以上がより好ましく、11以上が更に好ましい。上限は、14以下が好ましく、13未満がより好ましい。pHは、公知のpHメーターを用いて、JIS Z8802-1984に準拠した方法により測定できる。pHの測定温度は25℃とする。
現像液中、水の含有量は、現像液の全質量に対して、50質量%以上100質量%未満が好ましく、90質量%以上100質量%未満がより好ましい。
現像液中、アルカリ性化合物の含有量は、現像液の全質量に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.1~10質量%がより好ましい。
現像の方式としては、例えば、パドル現像、シャワー現像、スピン現像、及び、ディップ現像等の方式が挙げられる。
本明細書において好適に用いられる現像液としては、例えば、国際公開第2015/093271号の段落[0194]に記載の現像液が挙げられ、好適に用いられる現像方式としては、例えば、国際公開第2015/093271号の段落[0195]に記載の現像方式が挙げられる。
現像後、次の工程に移行する前に、金属層付き基板上に残存する現像液を除去するリンス処理を実施するのも好ましい。リンス処理には、水等を使用できる。
現像及び/又はリンス処理の後、余分な液を金属層付き基板上から除去する乾燥処理を行ってもよい。
金属層付き基板上に形成されるレジストパターンの位置及び大きさは特に制限されないが、細線状が好ましい。
具体的には、レジストパターンの線幅は、20μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましく、5μm以下が特に好ましい。下限は、1.0μm以上の場合が多い。
[加熱工程]
加熱工程は、レジストパターンを加熱工程である。本工程を実施することにより、後述する熱架橋剤によりレジストパターン中に架橋構造が形成され、後述する洗浄工程で実施される酸性溶液での洗浄に対する耐性がレジストパターンに付与される。
加熱温度は特に制限されないが、100~200℃が好ましく、120~150℃がより好ましい。
加熱時間は特に制限されないが、10~60分間が好ましく、20~40分間がより好ましい。
加熱工程により加熱されたレジストパターンの基板側とは反対側の表面の弾性率は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、5.0GPa以上が好ましく、5.5GPa以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、7.0GPa以下の場合が多い。
上記弾性率の測定方法は、以下のとおりである。
弾性率は、原子間力顕微鏡(AFM)によって測定される。具体的な手順は次のとおりである。原子間力顕微鏡(例えば、Bruker社製AFM Dimension Icon)を用いて、QNMモードで測定を行う。プローブとして、例えば、RTESPA-150(150KHz、5N/m)を用いる。1視野あたり1μm角で合計5つの視野を測定し、1視野につき10点で計50点のフォースカーブを測定し、戻りのフォースカーブの傾き(最大荷重の20%~90%の領域)からHertz接触理論を用いて弾性率を算出する。なお、AFMプローブの校正の具体例は次のとおりである。反り感度は、事前に石英基板のフォースカーブを測定し、フォースカーブの傾きから算出される。ばね定数は、プローブの熱揺らぎを測定することで算出される。例えば、ばね定数は、Bruker社製AFMのソフトウェアに含まれるThermal Tune法を用いて算出される。先端の曲率は、先端曲率校正用サンプル(RM-12M:Ti Roughness Sample)の形状を測定し、例えば、Bruker社製AFMソフトウェアに付属の画像解析モード(Tip Qualification)を用いて算出される。
加熱工程により加熱されたレジストパターンの基板側とは反対側の表面の弾性率を弾性率Xとし、加熱工程により加熱されたレジストパターンの基板側近傍における弾性率を弾性率Yとした際に、X/Yは特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1.20以下が好ましく、1.10以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、1.05以上が好ましい。
上記弾性率Xの測定方法は、上述した原子間力顕微鏡(AFM)による方法が挙げられる。
上記弾性率Yの測定方法は、以下のとおりである。
レジストパターンを厚み方向に沿ってミクロトームで切削し、レジストパターンの垂直断面を出し、その垂直断面におけるレジストパターンの全体厚みに対する基板から0~20%の高さ位置のいずれかの位置における弾性率を上記弾性率Xと同様の方法にて測定し、上記弾性率Yとする。つまり、レジストパターンの基板側近傍とは、レジストパターンの垂直断面におけるレジストパターンの全体厚みに対する基板から0~20%の高さ位置の範囲を意味する。
[洗浄工程]
洗浄工程は、加熱工程にて加熱されたレジストパターンを酸性溶液で洗浄する工程である。
酸性溶液としては、酸が含まれる溶液ではあれば特に制限されない。
酸性溶液中の酸としては、例えば、硫酸、硝酸、塩化水素、リン酸、フッ酸、スルファミン酸、及び、シュウ酸などが挙げられる。
酸性溶液中における酸の濃度は特に制限されないが、酸成分の濃度が、酸性溶液全質量に対して、5~30質量%が好ましく、10~20質量%がより好ましい。
酸性溶液には、溶媒が含まれることが好ましい。
溶媒としては、水、及び、有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、及び、炭化水素系溶媒が挙げられる。
レジストパターンを酸性溶液で洗浄する方法は特に制限されず、レジストパターンと酸性溶液とを接触させることができればよい。例えば、レジストパターン上に酸性溶液を供給する方法、及び、酸性溶液中にレジストパターンを浸漬する方法が挙げられる。
レジストパターンと酸性溶液との接触時間は特に制限されないが、1~20分間が好ましく、3~10分間がより好ましい。
レジストパターンと酸性溶液とを接触させる際の酸性溶液の液温は、25~50℃が好ましく、30~40℃がより好ましい。
[めっき工程]
めっき工程は、レジストパターンが配置されていない領域にある金属層に対して、めっき処理を行う工程である。
本工程を実施することにより、レジストパターンが配置されていない領域にある金属層上にめっき層が形成される。
めっき処理の方法としては、例えば、電解めっき法及び無電解めっき法が挙げられ、生産性の点から、電解めっき法が好ましい。
めっき工程を実施すると、金属層付き基板上に、レジストパターンが配置されていない領域(レジストパターンの開口部)と同様のパターン形状を有するめっき層が得られる。
めっき層に含まれる金属としては、例えば、公知の金属が挙げられる。
具体的には、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、及び、亜鉛等の金属、並びに、これらの金属の合金が挙げられる。
なかでも、めっき層は、導体パターンの導電性がより優れる点から、銅又はその合金を含むことが好ましい。また、導体パターンの導電性がより優れる点から、めっき層は、主成分として銅を含むことが好ましい。
めっき層の厚みとしては、0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。上限は、20μm以下が好ましい。
[剥離工程]
剥離工程は、レジストパターンを剥離する工程である。
残存するレジストパターンを剥離する方法としては特に制限されないが、薬品処理により除去する方法が挙げられ、剥離液を用いて除去する方法が好ましい。
また、剥離液を使用し、スプレー法、シャワー法及びパドル法等の公知の方法により除去してもよい。
剥離液としては、例えば、無機アルカリ成分又は有機アルカリ成分を、水、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン又はこれらの混合溶液に溶解させた剥離液が挙げられる。無機アルカリ成分としては、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが挙げられる。有機アルカリ成分としては、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物及び第4級アンモニウム塩化合物が挙げられる。アルカリ性有機化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、又は、アルカノールアミン化合物が好ましい
剥離液は、金属層を溶解しないことも好ましい。
レジストパターンの剥離方法としては、液温が好ましくは30~80℃、より好ましくは50~80℃である撹拌中の剥離液に、残存するレジストパターンを有する基板を、1~30分間浸漬する方法が挙げられる。
剥離処理する際の剥離液のpHは、11以上が好ましく、12以上がより好ましく、13以上が更に好ましい。上限は、14以下が好ましく、13.8以下がより好ましい。pHは、公知のpHメーターを用いて、JIS Z8802-1984に準拠した方法により測定できる。pHの測定温度は25℃とする。
剥離処理する際の剥離液の液温は、現像処理する際の現像液の液温よりも高いことが好ましい。具体的には、上記剥離液の液温から上記現像液の液温を引いた値(上記剥離液の液温-上記現像液の液温)は、10℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。上限は、100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。
剥離処理する際の剥離液のpHは、現像処理する際の現像液のpHよりも高いことが好ましい。具体的には、上記剥離液のpHから上記現像液のpHを引いた値(上記剥離液のpH-上記現像液のpH)は、1以上が好ましく、1.5以上がより好ましい。上限は、5以下が好ましく、4以下がより好ましい。
剥離液によりレジストパターンを剥離した後、基板上に残存する剥離液を除去するリンス処理を実施するのも好ましい。リンス処理には、水等を使用できる。
剥離液によるレジストパターンの剥離及び/又はリンス処理の後、余分な液を基板上から除去する乾燥処理を行ってもよい。
[除去工程]
除去工程は、剥離工程によって露出した金属層を除去し、基板上に導体パターンを形成する工程である。
除去工程では、めっき工程によって形成されためっき層をエッチングレジストとして使用し、非パターン形成領域(言い換えると、めっき層で保護されていない領域)に位置する金属層のエッチング処理を行う。
金属層の一部を除去する方法としては特に制限されないが、公知のエッチング液を使用することが好ましい。
公知のエッチング液の一態様としては、例えば、塩化第二鉄溶液、塩化第二銅溶液、アンモニアアルカリ溶液、硫酸-過酸化水素混合液、及び、リン酸-過酸化水素混合液等が挙げられる。
除去工程を行うと、基板上から表面に露出していた金属層が除去されるとともに、パターン形状を有するめっき層(導体パターン)が残存し、導体パターンを有する積層体が得られる。
形成される導体パターンの線幅の上限値としては、8μm以下が好ましく、6μm以下がより好ましい。下限値としては特に制限されないが、1μm以上の場合が多い。
[その他の工程]
導体パターンを有する積層体の製造方法は、上述した工程以外の任意の工程(その他の工程)を含んでもよい。
例えば、国際公開第2019/022089号の段落[0172]に記載の可視光線反射率を低下させる工程、国際公開第2019/022089号の段落[0172]に記載の絶縁膜上に新たな金属層を形成する工程等が挙げられるが、これらの工程に制限されない。
-可視光線反射率を低下させる工程-
導体パターンを有する積層体の製造方法は、基材が有する複数の金属層の一部又は全ての可視光線反射率を低下させる処理を行う工程を含んでいてもよい。
可視光線反射率を低下させる処理としては、酸化処理が挙げられる。基材が銅を含む金属層を有する場合、銅を酸化処理して酸化銅とし、金属層を黒化することにより、金属層の可視光線反射率を低下させることができる。
可視光線反射率を低下させる処理については、特開2014-150118号公報の段落[0017]~[0025]、並びに、特開2013-206315号公報の段落[0041]、段落[0042]、段落[0048]及び段落[0058]に記載されており、これらの公報に記載の内容は本明細書に組み込まれる。
-絶縁膜を形成する工程、絶縁膜の表面に新たな金属層を形成する工程-
導体パターンを有する積層体の製造方法は、回路配線の表面に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜の表面に新たな金属層を形成する工程と、を含むことも好ましい。
上記の工程により、第一の電極パターンと絶縁した第二の電極パターンを形成することができる。
絶縁膜を形成する工程としては、特に制限されず、公知の永久膜を形成する方法が挙げられる。また、絶縁性を有する感光性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターンの絶縁膜を形成してもよい。
導体パターンを有する積層体の製造方法は、基材の両方の表面にそれぞれ複数の金属層を有する基板を用い、基材の両方の表面に形成された金属層に対して逐次又は同時に回路形成することも好ましい。このような構成により、基材の一方の表面に第一の導体パターン、もう一方の表面に第二の導体パターンを形成したタッチパネル用回路配線を形成できる。また、このような構成のタッチパネル用回路配線を、ロールツーロールで基材の両面から形成することも好ましい。
<導体パターンを有する積層体の用途>
導体パターンを有する積層体の製造方法は、タッチパネル、透明ヒーター、透明アンテナ、電磁波シールド材、及び、調光フィルム等の導電膜の製造;プリント配線板及び半導体パッケージの製造;半導体チップやパッケージ間のインターコネクト用のピラー及びピンの製造;メタルマスクの製造;COF(Chip on Film)及びTAB(Tape Automated Bonding)等のテープ基板の製造;等に適用できる。
また、上記タッチパネルとしては、静電容量型タッチパネルが挙げられる。本発明に係る積層体の製造方法は、タッチパネル中の導電膜や周辺回路配線の形成に使用できる。上記タッチパネルは、例えば、有機EL(electro-luminescence)表示装置及び液晶表示装置等の表示装置に適用できる。
<転写フィルム>
本発明の導体パターンを有する積層体の製造方法に用いられる転写フィルムは、仮支持体とネガ型の感光性組成物層とを有し、感光性組成物層が熱架橋剤を含む。
転写フィルムは、仮支持体及び感光性組成物層以外に、その他の層を有していてもよい。
その他の層としては、例えば、後述する中間層が挙げられる。また、転写フィルムは、後述するその他部材(例えば、保護フィルム等)を有していてもよい。
転写フィルムの実施態様としては、例えば、以下の構成(1)又は(2)が挙げられ、構成(2)が好ましい。
(1)「仮支持体/感光性組成物層/保護フィルム」
(2)「仮支持体/中間層/感光性組成物層/保護フィルム」
転写フィルムは中間層を有することが好ましい。
上述した貼合工程における気泡発生抑止の点から、転写フィルムのうねりの最大幅は、300μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、60μm以下が更に好ましい。なお、うねりの最大幅の下限値としては、0μm以上であり、0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。
転写フィルムのうねりの最大幅は、以下の手順により測定される値である。
まず、転写フィルムを縦20cm×横20cmのサイズとなるように主面に垂直な方向に裁断し、試験サンプルを作製する。なお、転写フィルムが保護フィルムを有する場合には、保護フィルムを剥離する。次いで、表面が平滑で且つ水平なステージ上に、上記試験サンプルを仮支持体の表面がステージに対向するように静置する。静置後、試験サンプルの中心10cm角の範囲について、試験サンプルの表面をレーザー顕微鏡(例えば、(株)キーエンス社製 VK-9700SP)で走査して3次元表面画像を取得し、得られた3次元表面画像で観察される最大凸高さから最低凹高さを引き算する。上記操作を10個の試験サンプルについて行い、その算術平均値を「転写フィルムのうねり最大幅」とする。
転写フィルムの感光性組成物層において、感光性組成物層の仮支持体とは反対側の表面に、更に他の組成物層を有する場合、他の組成物層の合計厚みは、感光性組成物層の合計厚みに対して、0.1~30%が好ましく、0.1~20%がより好ましい。
密着性により優れる点から、感光性組成物層の波長365nmの光の透過率は、10%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、50%以上が更に好ましい。上限は、99.9%以下が好ましく、99.0%以下がより好ましい。
転写フィルムの実施形態の例について説明する。
図1に示す転写フィルム10は、仮支持体11と、中間層13及び感光性組成物層15を含む組成物層17と、保護フィルム19とを、この順に有する。
図1で示す転写フィルム10は、中間層13及び保護フィルム19を有する形態であるが、中間層13及び保護フィルム19を有していなくてもよい。
図1においては、仮支持体11上に配置され得る保護フィルム19を除く各層(例えば、感光性組成物層及び中間層等)を、「組成物層」ともいう。
以下、転写フィルムについて、各部材及び各成分を詳細に説明する。
[仮支持体]
転写フィルムは、仮支持体を有する。
仮支持体は、感光性組成物層を支持する部材であり、最終的には剥離処理により除去される。
仮支持体は、単層構造及び多層構造のいずれであってもよい。
仮支持体としては、フィルムが好ましく、樹脂フィルムがより好ましい。また、仮支持体としては、可撓性を有し、かつ、加圧下又は加圧下及び加熱下において、著しい変形、収縮又は伸びを生じないフィルムも好ましく、シワ等の変形及び傷がないフィルムも好ましい。
フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)、ポリメチルメタクリレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリイミドフィルム及びポリカーボネートフィルムが挙げられ、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
仮支持体は、仮支持体を介してパターン露光できるという点から、透明性が高いことが好ましく、365nmの透過率は60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
仮支持体を介するパターン露光時のパターン形成性、及び、仮支持体の透明性の点から、仮支持体のヘイズは小さい方が好ましい。具体的には、仮支持体のヘイズ値が、2.0%以下が好ましく、1.0%以下がより好ましく、0.5%以下が更に好ましい。下限は特に制限されないが、0.1%以上が挙げられる。
仮支持体を介するパターン露光時のパターン形成性、及び、仮支持体の透明性の点から、仮支持体に含まれる微粒子、異物、及び、欠陥の数は少ない方が好ましい。仮支持体中における直径1μm以上の微粒子、異物、及び、欠陥の数は、50個/10mm以下が好ましく、10個/10mm以下がより好ましく、3個/10mm以下が更に好ましく、0個/10mmが特に好ましい。
仮支持体の厚みは、5μm以上がより好ましい。上限は、200μm以下が好ましく、取り扱いやすさ及び汎用性の点から、150μm以下がより好ましく、50μm以下が更に好ましく、20μm以下が特に好ましく、16μm以下が最も好ましい。
仮支持体の厚みは、SEM(走査型電子顕微鏡:Scanning Electron Microscope)による断面観察により測定した任意の5点の平均値として算出する。
仮支持体は、ハンドリング性の点から、仮支持体の片面又は両面に、微粒子を含む層(滑剤層)を有していてもよい。
滑剤層に含まれる微粒子の直径は、0.05~0.8μmが好ましい。
滑剤層の厚みは、0.05~1.0μmが好ましい。
仮支持体と感光性組成物層との密着性を向上させる点から、仮支持体の感光性組成物層と接する面は、表面改質処理されていてもよい。
表面改質処理としては、例えば、UV照射、コロナ放電及びプラズマ等を用いる処理が挙げられる。
UV照射における露光量は、10~2000mJ/cmが好ましく、50~1000mJ/cmがより好ましい。
露光量が上記範囲であれば、ランプ出力及び照度は特に制限されない。
UV照射における光源としては、例えば、150~450nm波長帯域の光を発する低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極放電ランプ及び発光ダイオード(LED)が挙げられる。
仮支持体としては、例えば、膜厚16μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、膜厚12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、及び、膜厚9μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが挙げられる。
また、仮支持体としては、例えば、特開2014-085643号公報の段落[0017]~[0018]、特開2016-027363号公報の段落[0019]~[0026]、国際公開第2012/081680号の段落[0041]~[0057]及び国際公開第2018/179370号の段落[0029]~[0040]も挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
仮支持体の市販品としては、例えば、登録商標ルミラー16KS40及び登録商標ルミラー16FB40(以上、東レ社製);コスモシャインA4100、コスモシャインA4300及びコスモシャインA8300(以上、東洋紡社製)が挙げられる。
[感光性組成物層]
転写フィルムは、ネガ型の感光性組成物層を有する。
以下において、感光性組成物層に含まれる各成分を順に説明する。なお、以下では、本発明の特徴点の一つである熱架橋剤から説明する。
(熱架橋剤)
感光性組成物層は、熱架橋剤を含む。
熱架橋剤としては、メチロール化合物、及びブロックイソシアネート化合物が挙げられる。なかでも、得られる硬化膜の強度、及び得られる未硬化膜の粘着性の点から、ブロックイソシアネート化合物が好ましい。
ブロックイソシアネート化合物は、ヒドロキシ基及びカルボキシ基と反応するため、例えば、樹脂及び/又は重合性化合物等が、ヒドロキシ基及びカルボキシ基の少なくとも一方を有する場合には、形成される膜の親水性が下がり、ネガ型感光性組成物層を硬化した膜を保護膜として使用する場合の機能が強化される傾向がある。
なお、ブロックイソシアネート化合物とは、「イソシアネートのイソシアネート基をブロック剤で保護(いわゆる、マスク)した構造を有する化合物」を指す。
ブロックイソシアネート化合物の解離温度は、特に制限されないが、100~160℃が好ましく、130~150℃がより好ましい。
ブロックイソシアネートの解離温度とは、「示差走査熱量計を用いて、DSC(Differential scanning calorimetry)分析にて測定した場合における、ブロックイソシアネートの脱保護反応に伴う吸熱ピークの温度」を意味する。
示差走査熱量計としては、例えば、セイコーインスツルメンツ社製の示差走査熱量計(型式:DSC6200)を好適に使用できる。但し、示差走査熱量計は、これに限定されない。
解離温度が100~160℃であるブロック剤としては、活性メチレン化合物〔マロン酸ジエステル(マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn-ブチル、マロン酸ジ2-エチルヘキシル等)〕、オキシム化合物(ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、及びシクロヘキサノンオキシム等の分子内に-C(=N-OH)-で表される構造を有する化合物)が挙げられる。
これらのなかでも、解離温度が100~160℃であるブロック剤としては、例えば、保存安定性の点から、オキシム化合物から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
ブロックイソシアネート化合物は、例えば、膜の脆性改良、被転写体との密着力向上等の点から、イソシアヌレート構造を有することが好ましい。
イソシアヌレート構造を有するブロックイソシアネート化合物は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートをイソシアヌレート化して保護することにより得られる。
イソシアヌレート構造を有するブロックイソシアネート化合物のなかでも、オキシム化合物をブロック剤として用いたオキシム構造を有する化合物が、オキシム構造を有さない化合物よりも解離温度を好ましい範囲にしやすく、且つ、現像残渣を少なくしやすいという点から好ましい。
ブロックイソシアネート化合物は、重合性基を有していてもよい。
重合性基としては、特に制限はなく、公知の重合性基を用いることができ、ラジカル重合性基が好ましい。
重合性基としては、(メタ)アクリロキシ基、(メタ)アクリルアミド基、及びスチリル基等のエチレン性不飽和基、並びに、グリシジル基等のエポキシ基を有する基が挙げられる。
なかでも、重合性基としては、エチレン性不飽和基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましく、アクリロキシ基が更に好ましい。
ブロックイソシアネート化合物としては、市販品を使用できる。
ブロックイソシアネート化合物の市販品の例としては、カレンズ(登録商標) AOI-BM、カレンズ(登録商標) MOI-BM、カレンズ(登録商標) MOI-BP等(以上、昭和電工社製)、ブロック型のデュラネートシリーズ(例えば、デュラネート(登録商標) TPA-B80E、デュラネート(登録商標) WT32-B75P、デュラネート(登録商標)SBB-70P等、旭化成社製)が挙げられる。
また、ブロックイソシアネート化合物として、下記の構造の化合物を用いることもできる。
Figure 2023034674000001
熱架橋剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
感光性組成物層中における熱架橋性化合物の含有量は、感光性組成物層の全質量に対して、0.01~10質量%が好ましく、0.1~5質量%がより好ましい。
(樹脂)
感光性組成物層は、樹脂を含んでいてもよい。
感光性組成物層に含まれる樹脂は、アルカリ可溶性樹脂である樹脂Aが挙げられる。
樹脂Aの酸価は、現像液によるネガ型感光性組成物層の膨潤を抑制することにより、解像性がより優れる点から、220mgKOH/g以下が好ましく、200mgKOH/g未満がより好ましく、190mgKOH/g未満が更に好ましい。
樹脂Aの酸価の下限は特に制限されないが、現像性がより優れる点から、120mgKOH/g以上がより好ましく、150mgKOH/g以上が更に好ましく、170mgKOH/g以上が特に好ましい。
なお、酸価(mgKOH/g)とは、試料1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの質量[mg]である。酸価は、例えば、化合物中における酸基の平均含有量から算出できる。樹脂Aの酸価は、樹脂Aを構成する構成単位の種類、及び、後述する酸基を含む構成単位の含有量により調整すればよい。
樹脂Aの重量平均分子量は特に制限されず、5,000~500,000が好ましい。重量平均分子量が500,000以下の場合、解像性及び現像性を向上させる点から好ましい。重量平均分子量は、100,000以下がより好ましく、60,000以下が更に好ましい。一方で、重量平均分子量が5,000以上の場合、現像凝集物の性状、並びにネガ型感光性樹脂積層体とした場合のエッジフューズ性及びカットチップ性等の未露光膜の性状を制御する点から好ましい。重量平均分子量は、10,000以上がより好ましく、20,000以上が更に好ましく、30,000以上が特に好ましい。
エッジフューズ性とは、ネガ型感光性樹脂積層体として転写フィルムをロール状に巻き取った場合に、ロールの端面からの、ネガ型感光性組成物層のはみ出し易さの程度をいう。カットチップ性とは、未露光膜をカッターで切断した場合に、チップの飛び易さの程度をいう。このチップがネガ型感光性樹脂積層体の上面等に付着すると、後の露光工程等でマスクに転写して、不良品の原因となる。
樹脂Aの分散度は、1.0~6.0が好ましく、1.0~5.0がより好ましく、1.0~4.0が更に好ましく、1.0~3.0が特に好ましい。本開示において、
分散度は、数平均分子量に対する重量平均分子量の比(重量平均分子量/数平均分子量)である。本開示において、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィを用いて測定される値である。
樹脂Aのガラス転移温度Tgは、30~135℃が好ましい。135℃以下のTgを有する樹脂Aを使用することによって、露光時の焦点位置がずれたときの線幅太りや解像度の悪化を抑制できる。この点から、アルカリ可溶性重合体のTgは、130℃以下がより好ましく、120℃以下が更に好ましく、110℃以下が特に好ましい。また、30℃以上のTgを有する樹脂Aを使用することは、耐エッジフューズ性を向上させる点から好ましい。この点から、樹脂AのTgは、40℃以上がより好ましく、50℃以上が更に好ましく、60℃以上が特に好ましく、70℃以上が最も好ましい。
-芳香族炭化水素基を有する単量体に由来する構成単位-
また、露光時の焦点位置がずれたときの線幅太りや解像度の悪化を抑制する点から、樹脂Aは、芳香族炭化水素基を有する単量体に由来する構成単位を含むことが好ましい。なお、このような芳香族炭化水素基としては、例えば、置換又は非置換のフェニル基、及び置換又は非置換のアラルキル基が挙げられる。
樹脂Aにおける芳香族炭化水素基を有する単量体に由来する構成単位の含有量は、樹脂Aの全構成単位に対して、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。上限としては特に限定されないが、95質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましい。なお、樹脂Aを複数種類含む場合、芳香族炭化水素基を有する単量体に由来する構成単位の含有量の平均値が上記範囲内になることが好ましい。
芳香族炭化水素基を有する単量体としては、例えば、アラルキル基を有するモノマー、スチレン、及び重合可能なスチレン誘導体(例えば、メチルスチレン、ビニルトルエン、tert-ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、スチレンダイマー、及びスチレントリマー等)が挙げられる。なかでも、アラルキル基を有するモノマー、又はスチレンが好ましい。
芳香族炭化水素基を有する単量体がスチレンである場合、スチレンに由来する構成単位の含有量は、樹脂Aの全構成単位に対して、10~70質量%が好ましく、15~65質量%がより好ましく、20~60質量%が更に好ましく、25~55質量%が特に好ましい。なお、感光性組成物層が複数の種類のアルカリ可溶性重合体を含む場合、芳香族炭化水素基を有する構成単位の含有率は、重量平均値として求められる。
アラルキル基としては、置換基を有していてもよいフェニルアルキル基が挙げられ、置換基を有していてもよいベンジル基が好ましい。
置換基を有していてもよいフェニルアルキル基を有する単量体としては、フェニルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
置換基を有していてもよいベンジル基を有する単量体としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート及びクロロベンジル(メタ)アクリレート等のベンジル基を有する(メタ)アクリレート;ビニルベンジルクロライド及びビニルベンジルアルコール等のベンジル基を有するビニルモノマーが挙げられ、ベンジル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、ベンジル(メタ)アクリレートがより好ましい。
芳香族炭化水素基を有する単量体がベンジル(メタ)アクリレートである場合、ベンジル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量は、樹脂Aの全構成単位に対して、10~90質量%が好ましく、15~85質量%がより好ましい。
-カルボキシ基を有する単量体に由来する構造単位-
樹脂Aは、カルボキシ基を有する単量体に由来する構造単位を有していてもよい。
カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、4-ビニル安息香酸、マレイン酸無水物、及び、マレイン酸半エステルが挙げられる。これらのなかでも、(メタ)アクリル酸が好ましい。
樹脂Aにおけるカルボキシ基を有する単量体に由来する構造単位の含有量は、樹脂Aの全構成単位に対して、5~50質量%が好ましく、10~40質量%がより好ましく、15~30質量%が更に好ましい。
上記含有量を5質量%以上にすることは、良好な現像性を発現させる点、エッジフューズ性を制御する等の点から好ましい。上記含有量を50質量%以下にすることは、レジストパターンの高解像性及びスソ形状の点から、更にはレジストパターンの耐薬品性の点から好ましい。
-非酸性の構成単位-
樹脂Aは、非酸性であり、且つ、分子中に重合性不飽和基を少なくとも1個有する単量体に由来する非酸性の構成単位を含んでいてもよい。
上記単量体(非酸性の単量体)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及び2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;酢酸ビニル等のビニルアルコールのエステル類;並びに(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。なかでも、メチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、又はn-ブチル(メタ)アクリレートが好ましく、メチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
樹脂Aにおける非酸性の単量体に由来する構成単位の含有量は、樹脂Aの全構成単位に対して、1~60質量%が好ましく、2~50質量%がより好ましく、2~40質量%が更に好ましい。
樹脂Aは、側鎖に直鎖構造、分岐構造、及び、脂環構造のいずれかを有してもよい。
本明細書において、「主鎖」とは、樹脂を構成する高分子化合物の分子中で相対的に最も長い結合鎖を表し、「側鎖」とは、主鎖から枝分かれしている原子団を表す。
側鎖に分岐構造を有する基を含む単量体、又は側鎖に脂環構造を有する基を含む単量体を使用することによって、アルカリ可溶性重合体の側鎖に分岐構造や脂環構造を導入することができる。脂環構造を有する基は単環又は多環であってもよい。
側鎖に分岐構造を有する基を含む単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸tert-アミル、(メタ)アクリル酸sec-アミル、(メタ)アクリル酸2-オクチル、(メタ)アクリル酸3-オクチル、及び(メタ)アクリル酸tert-オクチル等が挙げられる。これらのなかでも、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、又はメタクリル酸tert-ブチルが好ましく、メタクリル酸イソプロピル又はメタクリル酸tert-ブチルがより好ましい。
側鎖に脂環構造を有する基を含む単量体の具体例としては、単環の脂肪族炭化水素基を有するモノマー、及び、多環の脂肪族炭化水素基を有する単量体が挙げられる。また、炭素原子数5~20個の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。より具体的な例としては、(メタ)アクリル酸(ビシクロ[2.2.1]ヘプチル-2)、(メタ)アクリル酸-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3-メチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3,5-ジメチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3-エチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸-3-メチル-5-エチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3,5,8-トリエチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-3,5-ジメチル-8-エチル-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸2-メチル-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸2-エチル-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシ-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ-4,7-メンタノインデン-5-イル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ-4,7-メンタノインデン-1-イルメチル、(メタ)アクリル酸-1-メンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、(メタ)アクリル酸-3-ヒドロキシ-2,6,6-トリメチル-ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、(メタ)アクリル酸-3,7,7-トリメチル-4-ヒドロキシ-ビシクロ[4.1.0]ヘプチル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸-2,2,5-トリメチルシクロヘキシル、及び(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。これら(メタ)アクリル酸エステルのなかでも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸-2-アダマンチル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸1-メンチル、又は(メタ)アクリル酸トリシクロデカンが好ましく、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸-2-アダマンチル、又は(メタ)アクリル酸トリシクロデカンがより好ましい。
-重合性基を有する構成単位-
樹脂Aは、重合性基を有していてもよく、重合性基を有する構成単位を有していてもよい。
重合性基としては、ラジカル重合性基が好ましく、エチレン性不飽和基がより好ましい。また、樹脂Aがエチレン性不飽和基を有している場合、樹脂Aは、側鎖にエチレン性不飽和基を有する構成単位を有することが好ましい。
エチレン性不飽和基としては、アリル基又は(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
重合性基を有する構成単位としては、式(P)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2023034674000002
式(P)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。Lは、2価の連結基を表す。Pは、重合性基を表す。
は、水素原子又はメチル基を表す。
としては、水素原子が好ましい。
は、2価の連結基を表す。
上記2価の連結基としては、例えば、-CO-、-O-、-S-、-SO-、-SO-、-NR-、2価の炭化水素基及びそれらを組み合わせた2価の基が挙げられる。Rは、置換基を表す。
上記炭化水素基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基及びアリーレン基が挙げられる。
上記アルキレン基は、直鎖状及び分岐鎖状のいずれであってもよい。上記アルキレン基の炭素数は、1~10が好ましく、2~8がより好ましく、3~5が更に好ましい。上記アルキレン基は、ヘテロ原子を有していてもよく、上記アルキレン基中のメチレン基がヘテロ原子に置き換わってもよい。上記ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
上記シクロアルキレン基は、単環及び多環のいずれであってもよい。上記シクロアルキレン基の炭素数は、3~20が好ましく、5~10がより好ましく、6~8が更に好ましい。
上記アリーレン基は、単環及び多環のいずれであってもよい。上記アリーレン基の炭素数は、6~20が好ましく、6~15がより好ましく、6~10が更に好ましい。上記アリーレン基としては、フェニレン基が好ましい。
上記シクロアルキレン基及び上記アリーレン基は、環員原子としてヘテロ原子を有していてもよい。上記ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
上記炭化水素基は、更に置換基を有していてもよい。
上記置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子等)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基及びアルケニル基が挙げられ、ヒドロキシ基が好ましい。
としては、ヘテロ原子を有していてもよいアルキレン基が好ましい。
Pは、重合性基を表す。
上記重合性基は、上述したとおりである。
重合性基を有する構成単位の一例としては、下記に示すものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2023034674000003
上記構成単位中、Rxは、水素原子又はメチル基を表す。また、上記構成単位中、Ryは、水素原子又はメチル基を表す。
樹脂Aは、重合性基を有する構成単位を1種単独で含んでいても、2種以上含んでいてもよい。
樹脂Aが重合性基を有する構成単位を有する場合、重合性基を有する構成単位の含有量は、本発明の効果がより優れる点から、樹脂Aの全構成単位に対して、5~70質量%が好ましく、10~50質量%がより好ましく、20~40質量%が更に好ましい。
また、樹脂Aにおける反応性基を有する構成単位の含有量は、本発明の効果がより優れる点から、樹脂Aの全構成単位に対して、5~70モル%が好ましく、10~60モル%がより好ましく、20~50モル%が更に好ましい。
重合性基を樹脂Aに導入する手段としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、第一級アミノ基、第二級アミノ基、アセトアセチル基、及び、スルホ基等の官能基に、エポキシ化合物、ブロックイソシアネート化合物、イソシアネート化合物、ビニルスルホン化合物、アルデヒド化合物、メチロール化合物、及び、カルボン酸無水物等の化合物を反応させる方法が挙げられる。
重合性基を樹脂Aに導入する手段の好ましい例としては、カルボキシ基を有するポリマーを重合反応により合成した後、高分子反応により、得られたポリマーのカルボキシ基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基を有する(メタ)アクリレートを反応させて、(メタ)アクリロキシ基をポリマーに導入する手段が挙げられる。別の方法として、水酸基有するポリマーを重合反応により合成した後、高分子反応により、得られたポリマーの水酸基の一部にイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートを反応させて、(メタ)アクリロキシ基をポリマーに導入する手段が挙げられる。
この手段により、側鎖に(メタ)アクリロキシ基を有する樹脂Aを得ることができる。
上記重合反応は、70~100℃の温度条件で行うことが好ましく、80~90℃の温度条件で行うことがより好ましい。上記重合反応に用いる重合開始剤としては、アゾ系開始剤が好ましく、例えば、富士フイルム和光純薬(株)製のV-601(商品名)又はV-65(商品名)がより好ましい。上記高分子反応は、80~110℃の温度条件で行うことが好ましい。上記高分子反応においては、アンモニウム塩等の触媒を用いることが好ましい。
樹脂Aは、1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
2種以上を使用する場合には、芳香族炭化水素基を有する単量体に由来する構成単位を含む樹脂Aを2種類混合して使用すること、又は芳香族炭化水素基を有する単量体に由来する構成単位を含む樹脂Aと芳香族炭化水素基を有する単量体に由来する構成単位を含まない樹脂Aとを混合して使用することが好ましい。後者の場合、芳香族炭化水素基を有する単量体に由来する構成単位を含む樹脂Aの使用割合は、樹脂Aの全質量に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
樹脂Aの合成は、上述された単数又は複数の単量体を、過酸化物系重合開始剤(例えば過酸化ベンゾイル)、及びアゾ系重合開始剤(例えばアゾビスイソブチロニトリル)等のラジカル重合開始剤を用いて重合することで行うことができる。
樹脂Aの含有量は、感光性組成物層の全質量に対して、10~90質量%が好ましく、20~80質量%がより好ましく、30~70質量%が更に好ましく、40~60質量%が特に好ましい。樹脂Aの含有量を90質量%以下にすることは、現像時間を制御する点から好ましい。一方で、樹脂Aの含有量を10質量%以上にすることは、耐エッジフューズ性を向上させる点から好ましい。
感光性組成物層は、上述樹脂A以外のその他の樹脂を含んでもよい。
その他の樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン-アクリル系共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリシロキサン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、及びポリアルキレングリコールが挙げられる。
(重合性化合物)
感光性組成物層は、重合性基を有する重合性化合物を含んでいてもよい。重合性化合物としては、エチレン性不飽和化合物が好ましい。
なお、本明細書において「重合性化合物」とは、後述する重合開始剤の作用を受けて重合する化合物であって、上述した樹脂Aとは異なる化合物を意味する。
重合性化合物が有する重合性基としては、重合反応に関与する基であればよく、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基及びマレイミド基等のエチレン性不飽和基を有する基;エポキシ基及びオキセタン基等のカチオン性重合性基を有する基が挙げられ、エチレン性不飽和基を有する基が好ましく、アクリロイル基又はメタアクリロイル基がより好ましい。
エチレン性不飽和化合物が有するエチレン性不飽和基としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基及びマレイミド基等が挙げられる。エチレン性不飽和基としては、アクリロイル基又はメタアクリロイル基が好ましい。
エチレン性不飽和化合物以外の重合性化合物が有する重合性基としては、重合反応に関与する基であれば特に制限されず、例えば、エポキシ基及びオキセタン基等のカチオン性重合性基を有する基が挙げられる。
以下、エチレン性不飽和化合物について説明する。
エチレン性不飽和化合物は、感光性がより優れる点から、一分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(多官能エチレン性不飽和化合物)が好ましい。
また、解像性及び剥離性により優れる点から、エチレン性不飽和化合物が一分子中に有するエチレン性不飽和基の数は、6つ以下が好ましく、3つ以下がより好ましく、2つ以下が更に好ましい。
感光性組成物層の感光性と解像性及び剥離性とのバランスがより優れる点から、一分子中に2つ又は3つのエチレン性不飽和基を有する2官能又は3官能エチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく、一分子中に2つのエチレン性不飽和基を有する2官能エチレン性不飽和化合物を含むことがより好ましい。
重合性化合物の全質量に対する2官能エチレン性不飽和化合物の含有量は、剥離性に優れる点から、20質量%以上が好ましく、40質量%超がより好ましく、55質量%以上が更に好ましい。上限は特に制限されず、100質量%であってもよい。即ち、重合性化合物が全て2官能エチレン性不飽和化合物であってもよい。
また、エチレン性不飽和化合物としては、重合性基として(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
-重合性化合物B1-
感光性組成物層は、重合性化合物として、芳香環及び2つのエチレン性不飽和基を有する重合性化合物B1を含むことも好ましい。
感光性組成物層中、重合性化合物の全質量に対する重合性化合物B1の含有量の質量比は、解像性がより優れる点から、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、55質量%以上が更に好ましく、60質量%以上が特に好ましい。上限は特に制限されないが、剥離性の点から、例えば100質量%以下であり、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が更に好ましく、85質量%以下が特に好ましい。
重合性化合物B1が有する芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環及びアントラセン環等の芳香族炭化水素環、チオフェン環、フラン環、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環及びピリジン環等の芳香族複素環、並びに、それらの縮合環が挙げられ、芳香族炭化水素環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。なお、上記芳香環は、置換基を有してもよい。
重合性化合物B1は、芳香環を1つのみ有してもよく、2つ以上の芳香環を有してもよい。
重合性化合物B1は、現像液による感光性組成物層の膨潤を抑制することにより、解像性が向上する点から、ビスフェノール構造を有することが好ましい。
ビスフェノール構造としては、例えば、ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)に由来するビスフェノールA構造、ビスフェノールF(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン)に由来するビスフェノールF構造、及びビスフェノールB(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン)に由来するビスフェノールB構造が挙げられ、ビスフェノールA構造が好ましい。
ビスフェノール構造を有する重合性化合物B1としては、例えば、ビスフェノール構造と、そのビスフェノール構造の両端に結合した2つの重合性基(好ましくは(メタ)アクリロイル基)とを有する化合物が挙げられる。
ビスフェノール構造の両端と2つの重合性基とは、直接結合してもよく、1つ以上のアルキレンオキシ基を介して結合してもよく、1つ以上のアルキレンオキシ基を介して結合していることが好ましい。
ビスフェノール構造の両端に付加するアルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基が好ましく、エチレンオキシ基がより好ましい。ビスフェノール構造に付加するアルキレンオキシ基の付加数は特に制限されないが、1分子あたり4~16個が好ましく、6~14個がより好ましい。
ビスフェノール構造を有する重合性化合物B1については、特開2016-224162号公報の段落[0072]~[0080]に記載されており、この公報に記載の内容は本明細書に組み込まれる。
重合性化合物B1としては、ビスフェノールA構造を有する2官能エチレン性不飽和化合物が好ましく、2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンがより好ましい。
2,2-ビス(4-((メタ)アクリロキシポリアルコキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2-ビス(4-(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン(FA-324M、日立化成社製)、2,2-ビス(4-(メタクリロキシエトキシプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン(BPE-500、新中村化学工業社製)、2,2-ビス(4-(メタクリロキシドデカエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン(FA-3200MY、日立化成社製)、2,2-ビス(4-(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン(BPE-1300、新中村化学工業社製)、2,2-ビス(4-(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン(BPE-200、新中村化学工業社製)、エトキシ化(10)ビスフェノールAジアクリレート(NKエステルA-BPE-10、新中村化学工業社製)、及び、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(BPE-100、新中村化学工業社製)が挙げられる。
重合性化合物B1は、1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
重合性化合物B1の含有量は、解像性がより優れる点から、感光性組成物層の全質量に対して、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、転写性及びエッジフュージョン(転写部材の端部から感光性樹脂が滲み出す現象)の点から、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
重合性化合物としては、アルキレンオキシド変性ビスフェノール構造を有する重合性化合物が好ましく、下記一般式(B1)で表される化合物(上記重合性化合物B1にも該当)がより好ましい。
Figure 2023034674000004
一般式(B1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。AはCを表す。BはCを表す。n1及びn3は各々独立に1~39の整数であり、且つ、n1+n3は2~40の整数である。n2及びn4は、それぞれ独立に、0~29の整数であり、且つ、n2+n4は0~30の整数である。-(A-O)-及び-(B-O)-の構成単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。そして、ブロックの場合、-(A-O)-と-(B-O)-とのいずれがビスフェニル基側でもよい。
一態様において、n1+n2+n3+n4は、2~20が好ましく、2~16がより好ましく、4~12が更に好ましい。また、n2+n4は、0~10が好ましく、0~4がより好ましく、0~2が更に好ましく、0が特に好ましい。
感光性組成物層は、上述した重合性化合物以外の他の重合性化合物を含んでもよい。
他の重合性化合物は特に制限されず、公知の化合物の中から適宜選択できる。例えば、一分子中に1つのエチレン性不飽和基を有する化合物(単官能エチレン性不飽和化合物)、芳香環を有さない2官能エチレン性不飽和化合物、及び3官能以上のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
単官能エチレン性不飽和化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
芳香環を有さない2官能エチレン性不飽和化合物としては、例えば、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ウレタンジ(メタ)アクリレート、及びトリメチロールプロパンジアクリレートが挙げられる。
アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(A-DCP、新中村化学工業社製)、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(DCP、新中村化学工業社製)、1,9-ノナンジオールジアクリレート(A-NOD-N、新中村化学工業社製)、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(A-HD-N、新中村化学工業社製)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(4G、9G、14G、及び、23G等、新中村化学工業社製)、アロニックス(登録商標)M-220(東亞合成社製)、アロニックス(登録商標)M-240(東亞合成社製)、アロニックス(登録商標)M-270(東亞合成社製)、エチレングリコールジメタクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレート、及びネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、及びポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ウレタンジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、プロピレンオキサイド変性ウレタンジ(メタ)アクリレート、並びに、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド変性ウレタンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。市販品としては、例えば、8UX-015A(大成ファインケミカル社製)、UA-32P(新中村化学工業社製)、及びUA-1100H(新中村化学工業社製)が挙げられる。
3官能以上のエチレン性不飽和化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトール(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、及びこれらのアルキレンオキサイド変性物が挙げられる。
ここで、「(トリ/テトラ/ペンタ/ヘキサ)(メタ)アクリレート」は、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレート、及びヘキサ(メタ)アクリレートを包含する概念であり、「(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート」は、トリ(メタ)アクリレート及びテトラ(メタ)アクリレートを包含する概念である。
一態様において、感光性組成物層は、上述した重合性化合物B1及び3官能以上のエチレン性不飽和化合物を含むことも好ましく、上述した重合性化合物B1及び2種以上の3官能以上のエチレン性不飽和化合物を含むことがより好ましい。この場合、重合性化合物B1と3官能以上のエチレン性不飽和化合物の質量比は、(重合性化合物B1の合計質量):(3官能以上のエチレン性不飽和化合物の合計質量)=1:1~5:1が好ましく、1.2:1~4:1がより好ましく、1.5:1~3:1が更に好ましい。
また、一態様において、感光性組成物層は、上述した重合性化合物B1及び2種以上の3官能のエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましい。
3官能以上のエチレン性不飽和化合物のアルキレンオキサイド変性物としては、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物(日本化薬社製KAYARAD(登録商標)DPCA-20、新中村化学工業社製A-9300-1CL等)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(巴工業社製SR454、SR499、及び、SR502等)、アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物(日本化薬社製KAYARAD RP-1040、新中村化学工業社製ATM-35E及びA-9300、ダイセル・オルネクス社製EBECRYL(登録商標) 135等)、エトキシル化グリセリントリアクリレート(新中村化学工業社製A-GLY-9E等)、アロニックス(登録商標)TO-2349(東亞合成社製)、アロニックスM-520(東亞合成社製)、及び、アロニックスM-510(東亞合成社製)が挙げられる。
また、重合性化合物として、酸基(カルボキシ基等)を有する重合性化合物を使用してもよい。上記酸基は酸無水物基を形成していてもよい。酸基を有する重合性化合物としては、アロニックス(登録商標)TO-2349(東亞合成社製)、アロニックス(登録商標)M-520(東亞合成社製)、及びアロニックス(登録商標)M-510(東亞合成社製)が挙げられる。
酸基を有する重合性化合物として、例えば、特開2004-239942号公報の段落[0025]~[0030]に記載の酸基を有する重合性化合物を用いてもよい。
重合性化合物(重合性化合物B1を含む)の分子量(分子量分布を有する場合は重量平均分子量)としては、200~3000が好ましく、280~2200がより好ましく、300~2200が更に好ましい。
重合性化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を同時に使用してもよい。
重合性化合物の含有量は、感光性組成物層の全質量に対し、0~70質量%が好ましく、10~70質量%がより好ましく、20~60質量%が更に好ましい。
(重合開始剤)
感光性組成物層は、重合開始剤を含んでいてもよい。
重合開始剤としては、例えば、重合反応の形式に応じて公知の重合開始剤を使用できる。具体的には、熱重合開始剤及び光重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤は、ラジカル重合開始剤及びカチオン重合開始剤のいずれであってもよい。
感光性組成物層は、光重合開始剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤は、紫外線、可視光線及びX線等の活性光線を受けて、重合性化合物の重合を開始する化合物である。光重合開始剤としては、特に制限されず、公知の光重合開始剤を使用できる。
光重合開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤が挙げられ、光ラジカル重合開始剤が好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル構造を有する光重合開始剤、α-アミノアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤、α-ヒドロキシアルキルフェノン構造を有する光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド構造を有する光重合開始剤、及びN-フェニルグリシン構造を有する光重合開始剤が挙げられる。
また、感光性組成物層は、感光性、露光部及び非露光部の視認性、並びに解像性の点から、光ラジカル重合開始剤として、2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。なお、2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体及びその誘導体における2つの2,4,5-トリアリールイミダゾール構造は、同一であっても異なっていてもよい。
2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体の誘導体としては、例えば、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、及び2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、特開2011-095716号公報の段落[0031]~[0042]、及び、特開2015-014783号公報の段落[0064]~[0081]に記載された重合開始剤を用いてもよい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ジメチルアミノ安息香酸エチル(DBE、CAS No.10287-53-3)、ベンゾインメチルエーテル、アニシル(p,p’-ジメトキシベンジル)、TAZ-110(商品名:みどり化学社製)、ベンゾフェノン、4,4′-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、TAZ-111(商品名:みどり化学社製)、IrgacureOXE01、OXE02、OXE03、OXE04(BASF社製)、Omnirad651及び369(商品名:IGM Resins B.V.社製)、及び2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール(東京化成工業社製)が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、1-[4-(フェニルチオ)]-1,2-オクタンジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)(商品名:IRGACURE(登録商標) OXE-01、BASF社製)、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン-1-(O-アセチルオキシム)(商品名:IRGACURE OXE-02、BASF社製)、IRGACURE OXE-03(BASF社製)、IRGACURE OXE-04(BASF社製)、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン(商品名:Omnirad 379EG、IGM Resins B.V.製)、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(商品名:Omnirad 907、IGM Resins B.V.製)、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン(商品名:Omnirad
127、IGM Resins B.V.製)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタノン-1(商品名:Omnirad 369、IGM Resins B.V.製)、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン(商品名:Omnirad 1173、IGM Resins B.V.製)、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:Omnirad 184、IGM Resins B.V.製)、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(商品名:Omnirad 651、IGM Resins B.V.製)、2,4,6-トリメチルベンゾリル-ジフェニルフォスフィンオキサイド(商品名:Omnirad TPO H、IGM Resins B.V.製)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾリル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:Omnirad 819、IGM Resins B.V.製)、オキシムエステル系の光重合開始剤(商品名:Lunar 6、DKSHジャパン社製)、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビスイミダゾール(2-(2-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体)(商品名:B-CIM、Hampford社製)、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体(商品名:BCTB、東京化成工業社製)、1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-3-シクロペンチルプロパン-1,2-ジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)(商品名:TR-PBG-305、常州強力電子新材料社製)、1,2-プロパンジオン,3-シクロヘキシル-1-[9-エチル-6-(2-フラニルカルボニル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,2-(O-アセチルオキシム)(商品名:TR-PBG-326、常州強力電子新材料社製)、及び3-シクロヘキシル-1-(6-(2-(ベンゾイルオキシイミノ)ヘキサノイル)-9-エチル-9H-カルバゾール-3-イル)-プロパン-1,2-ジオン-2-(O-ベンゾイルオキシム)(商品名:TR-PBG-391、常州強力電子新材料社製)が挙げられる。
光カチオン重合開始剤(光酸発生剤)は、活性光線を受けて酸を発生する化合物である。光カチオン重合開始剤としては、波長300nm以上、好ましくは波長300~450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造は制限されない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光カチオン重合開始剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく使用できる。
光カチオン重合開始剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光カチオン重合開始剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光カチオン重合開始剤がより好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光カチオン重合開始剤が更に好ましい。pKaの下限値は特に定めないが、例えば、-10.0以上が好ましい。
光カチオン重合開始剤としては、イオン性光カチオン重合開始剤及び非イオン性光カチオン重合開始剤が挙げられる。
イオン性光カチオン重合開始剤として、例えば、ジアリールヨードニウム塩類及びトリアリールスルホニウム塩類等のオニウム塩化合物、並びに、第4級アンモニウム塩類が挙げられる。
イオン性光カチオン重合開始剤としては、特開2014-085643号公報の段落[0114]~[0133]に記載のイオン性光カチオン重合開始剤を用いてもよい。
非イオン性光カチオン重合開始剤としては、例えば、トリクロロメチル-s-トリアジン類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、及びオキシムスルホネート化合物が挙げられる。トリクロロメチル-s-トリアジン類、ジアゾメタン化合物及びイミドスルホネート化合物としては、特開2011-221494号公報の段落[0083]~[0088]に記載の化合物を用いてもよい。また、オキシムスルホネート化合物としては、国際公開第2018/179640号の段落[0084]~[0088]に記載された化合物を用いてもよい。
感光性組成物層は、光ラジカル重合開始剤を含むことが好ましく、2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
重合開始剤(好ましくは光重合開始剤)の含有量は、特に制限されないが、感光性組成物層の全質量に対し、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が更に好ましい。上限は特に制限されないが、感光性組成物層の全質量に対し、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
(増感剤)
感光性組成物層は、増感剤を含むことが好ましい。
増感剤は、特に制限されず、公知の増感剤、染料及び顔料を使用できる。増感剤としては、例えば、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、ピラゾリン化合物、アントラセン化合物、クマリン化合物、キサントン化合物、チオキサントン化合物、アクリドン化合物、オキサゾール化合物、ベンゾオキサゾール化合物、チアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、トリアゾール化合物(例えば、1,2,4-トリアゾール)、スチルベン化合物、ジスチリルベンゼン化合物、スチリルピリジン化合物、トリアジン化合物、チオフェン化合物、ナフタルイミド化合物、トリアリールアミン化合物、及び、アミノアクリジン化合物が挙げられる。なお、上記列挙した化合物には、上記化合物の誘導体も含める。
なかでも、増感剤としては、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、アントラセン化合物、ジスチリルベンゼン化合物、又は、スチリルピリジン化合物が好ましく、アントラセン化合物、ジスチリルベンゼン化合物、又は、スチリルピリジン化合物がより好ましく、アントラセン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、又は、スチリルピリジン誘導体が更に好ましい。
増感剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
感光性組成物層が増感剤を含む場合、増感剤の含有量は、目的により適宜選択できるが、光源に対する感度の向上、及び重合速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の点から、感光性組成物層の全質量に対して、0.01~5質量%が好ましく、0.05~1質量%がより好ましい。
(色素)
感光性組成物層は、露光部及び非露光部の視認性、現像後のパターン視認性、及び解像性の点から、発色時の波長範囲400~780nmにおける最大吸収波長が450nm以上であり、且つ、酸、塩基、又はラジカルにより最大吸収波長が変化する色素(「色素N」ともいう)を含むことも好ましい。色素Nを含むと、詳細なメカニズムは不明であるが、隣接する層(例えば水溶性樹脂層)との密着性が向上し、解像性により優れる。
本明細書において、色素が「酸、塩基、又はラジカルにより極大吸収波長が変化する」とは、発色状態にある色素が酸、塩基、又はラジカルにより消色する態様、消色状態にある色素が酸、塩基、又はラジカルにより発色する態様、及び発色状態にある色素が他の色相の発色状態に変化する態様のいずれの態様を意味してもよい。
具体的には、色素Nは、露光により消色状態から変化して発色する化合物であってもよいし、露光により発色状態から変化して消色する化合物であってもよい。この場合、露光により酸、塩基、又はラジカルが感光性組成物層内において発生し作用することにより、発色又は消色の状態が変化する色素でもよく、酸、塩基、又はラジカルにより感光性組成物層内の状態(例えばpH)が変化することで発色又は消色の状態が変化する色素でもよい。また、露光を介さずに、酸、塩基、又はラジカルを刺激として直接受けて発色又は消色の状態が変化する色素でもよい。
なかでも、露光部及び非露光部の視認性並びに解像性の点から、色素Nは、酸又はラジカルにより最大吸収波長が変化する色素が好ましく、ラジカルにより最大吸収波長が変化する色素がより好ましい。
感光性組成物層がネガ型感光性組成物層である場合は、ネガ型感光性組成物層は、露光部及び非露光部の視認性並びに解像性の点から、色素Nとしてラジカルにより最大吸収波長が変化する色素、及び光ラジカル重合開始剤の両者を含むことが好ましい。
また、露光部及び非露光部の視認性の点から、色素Nは、酸、塩基、又はラジカルにより発色する色素であることが好ましい。
色素Nの発色機構の例としては、感光性組成物層に光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤(光酸発生剤)、又は光塩基発生剤を添加して、露光後に光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、又は光塩基発生剤から発生するラジカル、酸、又は塩基によって、ラジカル反応性色素、酸反応性色素、又は塩基反応性色素(例えばロイコ色素)が発色する態様が挙げられる。
色素Nは、露光部及び非露光部の視認性の点から、発色時の波長範囲400~780nmにおける極大吸収波長が、550nm以上であることが好ましく、550~700nmであることがより好ましく、550~650nmであることが更に好ましい。
また、色素Nは、発色時の波長範囲400~780nmにおける極大吸収波長を1つのみ有していてもよく、2つ以上有していてもよい。色素Nが発色時の波長範囲400~780nmにおける極大吸収波長を2つ以上有する場合は、2つ以上の極大吸収波長のうち吸光度が最も高い極大吸収波長が450nm以上であればよい。
色素Nの極大吸収波長は、大気雰囲気下で、分光光度計:UV3100((株)島津製作所製)を用いて、波長400~780nmの範囲で色素Nを含む溶液(液温25℃)の透過スペクトルを測定し、光の強度が極小となる波長(極大吸収波長)を検出することにより、得られる。
露光により発色又は消色する色素としては、例えば、ロイコ化合物が挙げられる。
露光により消色する色素としては、例えば、ロイコ化合物、ジアリールメタン系色素、オキザジン系色素、キサンテン系色素、イミノナフトキノン系色素、アゾメチン系色素、及びアントラキノン系色素が挙げられる。
色素Nとしては、露光部及び非露光部の視認性の点から、ロイコ化合物が好ましい。
ロイコ化合物としては、例えば、トリアリールメタン骨格を有するロイコ化合物(トリアリールメタン系色素)、スピロピラン骨格を有するロイコ化合物(スピロピラン系色素)、フルオラン骨格を有するロイコ化合物(フルオラン系色素)、ジアリールメタン骨格を有するロイコ化合物(ジアリールメタン系色素)、ローダミンラクタム骨格を有するロイコ化合物(ローダミンラクタム系色素)、インドリルフタリド骨格を有するロイコ化合物(インドリルフタリド系色素)、及びロイコオーラミン骨格を有するロイコ化合物(ロイコオーラミン系色素)が挙げられる。
なかでも、トリアリールメタン系色素又はフルオラン系色素が好ましく、トリフェニルメタン骨格を有するロイコ化合物(トリフェニルメタン系色素)又はフルオラン系色素がより好ましい。
ロイコ化合物としては、露光部及び非露光部の視認性の点から、ラクトン環、スルチン環、又はスルトン環を有することが好ましい。これにより、ロイコ化合物が有するラクトン環、スルチン環、又はスルトン環を、光ラジカル重合開始剤から発生するラジカル又は光カチオン重合開始剤から発生する酸と反応させて、ロイコ化合物を閉環状態に変化させて消色させるか、又はロイコ化合物を開環状態に変化させて発色させることができる。ロイコ化合物としては、ラクトン環、スルチン環、又はスルトン環を有し、ラジカル、又は酸によりラクトン環、スルチン環又はスルトン環が開環して発色する化合物が好ましく、ラクトン環を有し、ラジカル又は酸によりラクトン環が開環して発色する化合物がより好ましい。
色素Nとしては、例えば、以下の染料及びロイコ化合物が挙げられる。
色素Nのうち染料の具体例としては、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、パラメチルレッド、コンゴーフレッド、ベンゾプルプリン4B、α-ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブルーA、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、パラフクシン、ビクトリアピュアブルー-ナフタレンスルホン酸塩、ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学工業社製)、オイルブルー#603(オリヱント化学工業社製)、オイルピンク#312(オリヱント化学工業社製)、オイルレッド5B(オリヱント化学工業社製)、オイルスカーレット#308(オリヱント化学工業社製)、オイルレッドOG(オリヱント化学工業社製)、オイルレッドRR(オリヱント化学工業社製)、オイルグリーン#502(オリヱント化学工業社製)、スピロンレッドBEHスペシャル(保土谷化学工業社製)、m-クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、スルホローダミンB、オーラミン、4-p-ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2-カルボキシアニリノ-4-p-ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2-カルボキシステアリルアミノ-4-p-N,N-ビス(ヒドロキシエチル)アミノ-フェニルイミノナフトキノン、1-フェニル-3-メチル-4-p-ジエチルアミノフェニルイミノ-5-ピラゾロン、及び1-β-ナフチル-4-p-ジエチルアミノフェニルイミノ-5-ピラゾロンが挙げられる。
色素Nのうちロイコ化合物の具体例としては、p,p’,p”-ヘキサメチルトリアミノトリフェニルメタン(ロイコクリスタルバイオレット)、Pergascript Blue SRB(チバガイギー社製)、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、2-(N-フェニル-N-メチルアミノ)-6-(N-p-トリル-N-エチル)アミノフルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-(N-エチル-p-トルイジノ)フルオラン、3,6-ジメトキシフルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-5-メチル-7-(N,N-ジベンジルアミノ)フルオラン、3-(N-シクロヘキシル-N-メチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-6-メチル-7-キシリジノフルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-6-メチル-7-クロロフルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-6-メトキシ-7-アミノフルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-7-(4-クロロアニリノ)フルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-7-クロロフルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-7-ベンジルアミノフルオラン、3-(N,N-ジエチルアミノ)-7,8-ベンゾフロオラン、3-(N,N-ジブチルアミノ)-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-(N,N-ジブチルアミノ)-6-メチル-7-キシリジノフルオラン、3-ピペリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3-ピロリジノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン、3,3-ビス(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、3,3-ビス(1-n-ブチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、3-(4-ジエチルアミノ-2-エトキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-ザフタリド、3-(4-ジエチルアミノフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、及び3’,6’-ビス(ジフェニルアミノ)スピロイソベンゾフラン-1(3H),9’-[9H]キサンテン-3-オンが挙げられる。
色素Nは、露光部及び非露光部の視認性、現像後のパターン視認性、及び解像性の点から、ラジカルにより最大吸収波長が変化する色素であることが好ましく、ラジカルにより発色する色素であることがより好ましい。
色素Nとしては、ロイコクリスタルバイオレット、クリスタルバイオレットラクトン、ブリリアントグリーン、又はビクトリアピュアブルー-ナフタレンスルホン酸塩が好ましい。
色素Nは、1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
色素Nの含有量は、露光部及び非露光部の視認性、現像後のパターン視認性、及び解像性の点から、感光性組成物層の全質量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.1~10質量%がより好ましく、0.1~5質量%が更に好ましく、0.1~1質量%が特に好ましい。
色素Nの含有量は、感光性組成物層の全質量中に含まれる色素Nの全てを発色状態にした場合の色素の含有量を意味する。以下に、ラジカルにより発色する色素を例に、色素Nの含有量の定量方法を説明する。
メチルエチルケトン100mLに、色素0.001g及び0.01gを溶かした溶液を調製する。得られた各溶液に、光ラジカル重合開始剤Irgacure OXE01(商品名、BASFジャパン株式会社)を加え、波長365nmの光を照射することによりラジカルを発生させ、全ての色素を発色状態にする。その後、大気雰囲気下で、分光光度計(UV3100、(株)島津製作所製)を用いて、液温が25℃である各溶液の吸光度を測定し、検量線を作成する。
次に、色素に代えて感光性組成物層3gをメチルエチルケトンに溶かすこと以外は上記と同様の方法で、色素を全て発色させた溶液の吸光度を測定する。得られた感光性組成物層を含む溶液の吸光度から、検量線に基づいて感光性組成物層に含まれる色素の含有量を算出する。
なお、感光性組成物層3gとは、感光性組成物中の全固形分の3gと同様である。
(顔料)
感光性組成物層は、顔料を含んでいてもよい。
感光性組成物層が顔料を含む場合、感光性組成物層は着色樹脂層に該当する。
近年の電子機器が有する液晶表示窓には、液晶表示窓を保護するために、透明なガラス基板等の裏面周縁部に黒色の枠状遮光層が形成されたカバーガラスが取り付けられている場合がある。このような遮光層を形成するために着色樹脂層が使用され得る。
顔料としては、所望とする色相に合わせて適宜選択すればよく、例えば、黒色顔料、白色顔料、並びに、黒色及び白色以外の有彩色の顔料が挙げられ、黒色系のパターンを形成する場合、顔料としては、黒色顔料が好ましい。
黒色顔料としては、例えば、公知の黒色顔料(例えば、有機顔料及び無機顔料等)が挙げられる。
なかでも、光学濃度の点から、黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、チタンカーバイド、酸化鉄、酸化チタン又は黒鉛が好ましく、カーボンブラックがより好ましい。カーボンブラックとしては、表面抵抗の点から、表面の少なくとも一部が樹脂で被覆された表面修飾カーボンブラックが好ましい。
黒色顔料の粒径(数平均粒径)は、分散安定性の点から、0.001~0.1μmが好ましく、0.01~0.08μmがより好ましい。
「粒径」とは、電子顕微鏡で撮影した顔料粒子の写真像から顔料粒子の面積を求め、顔料粒子の面積と同面積の円を考えた場合の円の直径を意味する。また、「数平均粒径」とは、任意の100個の粒子について上記粒径を求め、求められた100個の粒径を平均して得られる平均値を意味する。
白色顔料としては、例えば、無機顔料、特開2005-007765号公報の段落[0015]及び[0114]に記載の白色顔料が挙げられる。
無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、リトポン、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム又は硫酸バリウムが好ましく、酸化チタン又は酸化亜鉛がより好ましく、酸化チタンが更に好ましく、ルチル型又はアナターゼ型の酸化チタンが特に好ましく、ルチル型の酸化チタンが最も好ましい。
また、酸化チタンの表面は、シリカ処理、アルミナ処理、チタニア処理、ジルコニア処理又は有機物処理が施されていてもよく、これらの2つ以上の処理が施されてもよい。これにより、酸化チタンの触媒活性が抑制され、耐熱性及び褪光性が改善できる。
加熱後の感光性組成物層の厚みを薄くする点から、酸化チタンの表面への表面処理としては、アルミナ処理及びジルコニア処理の少なくとも一方を施すことが好ましく、アルミナ処理及びジルコニア処理の両方を施すことがより好ましい。
感光性組成物層が着色樹脂層である場合、転写性の点から、感光性組成物層は、黒色顔料及び白色顔料以外の有彩色の顔料を含むことも好ましい。
有彩色の顔料の粒径(数平均粒径)としては、分散性がより優れる点から、0.1μm以下が好ましく、0.08μm以下がより好ましい。下限は、10nm以上が好ましい。
有彩色の顔料としては、例えば、ビクトリア・ピュアーブルーBO(Color Index(以下、「C.I.」ともいう。)42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメント・エロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)、ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)、モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)及びカーボン、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64及びC.I.ピグメント・バイオレット23が挙げられ、C.I.ピグメント・レッド177が好ましい。
顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上で用いてもよい。
顔料の含有量は、感光性組成物層の全質量に対して、3質量%超40質量%以下が好ましく、3質量%超35質量%以下がより好ましく、5質量%超35質量%以下が更に好ましく、10~35質量%が特に好ましい。
感光性組成物層が黒色顔料以外の顔料(例えば、白色顔料及び有彩色の顔料等)を含む場合、黒色顔料以外の顔料の含有量は、黒色顔料の全質量に対して、30質量%以下が好ましく、1~20質量%がより好ましく、3~15質量%が更に好ましい。
感光性組成物層が黒色顔料を含む場合、黒色顔料(好ましくはカーボンブラック)は、顔料分散液の形態で感光性組成物に導入されることが好ましい。
分散液は、黒色顔料と顔料分散剤とを事前に混合して得られる混合物を、有機溶剤(又はビヒクル)に加えて分散機で分散させることによって調製されるものであってもよい。顔料分散剤は、顔料及び溶剤に応じて選択すればよく、例えば、市販の分散剤を使用することができる。
「ビヒクル」とは、顔料分散液とした場合に顔料を分散させている媒質の部分を意味する。上記ビヒクルは、液状であり、黒色顔料を分散状態で保持するバインダー成分と、バインダー成分を溶解及び希釈する溶剤成分(有機溶剤)とを含む。
分散機としては、例えば、ニーダー、ロールミル、アトライター、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー及びサンドミル等の公知の分散機が挙げられる。
また、機械的摩砕により摩擦力を利用して微粉砕してもよい。分散機及び微粉砕としては、例えば、「顔料の事典」(朝倉邦造著、第一版、朝倉書店、2000年、438頁、310頁)の記載が挙げられる。
(その他の添加剤)
感光性組成物層は、上記成分以外に、必要に応じて公知の添加剤を含んでもよい。
添加剤としては、例えば、ラジカル重合禁止剤、酸化防止剤(例えば、フェニドン等)、防錆剤(例えば、ベンゾトリアゾール類及びカルボキシベンゾトリアゾール類等)、増感剤、界面活性剤、可塑剤、ヘテロ環状化合物(例えば、トリアゾール等)、ピリジン類(例えば、イソニコチンアミド等)及びプリン塩基(例えば、アデニン等)が挙げられる。
また、その他添加剤としては、例えば、金属酸化物粒子、連鎖移動剤、酸化防止剤、分散剤、酸増殖剤、現像促進剤、導電性繊維、紫外線吸収剤、増粘剤、架橋剤、有機又は無機の沈殿防止剤及び特開2014-085643号公報の段落[0165]~[0184]が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
各添加剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
感光性組成物層は、ラジカル重合禁止剤を含んでもよい。
ラジカル重合禁止剤としては、例えば、特許第4502784号公報の段落[0018]に記載された熱重合防止剤が挙げられる。なかでも、フェノチアジン、フェノキサジン、又は4-メトキシフェノールが好ましい。その他のラジカル重合禁止剤としては、ナフチルアミン、塩化第一銅、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、及びジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。感光性組成物層の感度を損なわないために、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩をラジカル重合禁止剤として使用することが好ましい。
ラジカル重合禁止剤の含有量は、重合性化合物全質量に対しては、0.005~5.0質量%が好ましく、0.01~3.0質量%がより好ましく、0.01~1.0質量%が更に好ましい。
ベンゾトリアゾール類としては、例えば、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-クロロ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、ビス(N-2-エチルヘキシル)アミノメチレン-1,2,3-ベンゾトリアゾール、ビス(N-2-エチルヘキシル)アミノメチレン-1,2,3-トリルトリアゾール、及びビス(N-2-ヒドロキシエチル)アミノメチレン-1,2,3-ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
カルボキシベンゾトリアゾール類としては、例えば、4-カルボキシ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-カルボキシ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、N-(N,N-ジ-2-エチルヘキシル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N-(N,N-ジ-2-ヒドロキシエチル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、及びN-(N,N-ジ-2-エチルヘキシル)アミノエチレンカルボキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。カルボキシベンゾトリアゾール類としては、例えば、CBT-1(城北化学工業株式会社、商品名)等の市販品を使用できる。
ベンゾトリアゾール類、及びカルボキシベンゾトリアゾール類の合計含有量は、感光性組成物層の全質量に対して、0.01~3質量%が好ましく、0.05~1質量%がより好ましい。含有量が0.01質量%以上の場合、感光性組成物層の保存安定性がより優れる。一方、含有量が3質量%以下である場合、感度の維持及び染料の脱色を抑制がより優れる。
界面活性剤としては、例えば、特許第4502784号公報の段落[0017]、及び、特開2009-237362号公報の段落[0060]~[0071]に記載の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファック F-171、F-172、F-173、F-176、F-177、F-141、F-142、F-143、F-144、F-437、F-475、F-477、F-479、F-482、F-551-A、F-552、F-554、F-555-A、F-556、F-557、F-558、F-559、F-560、F-561、F-565、F-563、F-568、F-575、F-780、EXP.MFS-330、EXP.MFS-578、EXP.MFS-579、EXP.MFS-586、EXP.MFS-587、EXP.MFS-628、EXP.MFS-631、EXP.MFS-603、R-41、R-41-LM、R-01、R-40、R-40-LM、RS-43、TF-1956、RS-90、R-94、RS-72-K、DS-21(以上、DIC株式会社製)、フロラード FC430、FC431、FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS-382、SC-101、SC-103、SC-104、SC-105、SC-1068、SC-381、SC-383、S-393、KH-40(以上、AGC(株)製)、PolyFox PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(以上、OMNOVA社製)、フタージェント 710FL、710FM、610FM、601AD、601ADH2、602A、215M、245F、251、212M、250、209F、222F、208G、710LA、710FS、730LM、650AC、681、683(以上、(株)NEOS製)、U-120E(ユニケム株式会社)等が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤としては、フッ素原子を含有する官能基を持つ分子構造を有し、熱を加えるとフッ素原子を含有する官能基の部分が切断されてフッ素原子が揮発するアクリル系化合物も好適に使用できる。このようなフッ素系界面活性剤としては、DIC(株)製のメガファック DSシリーズ(化学工業日報(2016年2月22日)、日経産業新聞(2016年2月23日))、例えばメガファック DS-21が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤としては、フッ素化アルキル基又はフッ素化アルキレンエーテル基を有するフッ素原子含有ビニルエーテル化合物と、親水性のビニルエーテル化合物との重合体を用いることも好ましい。
また、フッ素系界面活性剤としては、ブロックポリマーも使用できる。
また、フッ素系界面活性剤としては、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する構成単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する構成単位と、を含む含フッ素高分子化合物も好ましく使用できる。
また、フッ素系界面活性剤としては、エチレン性不飽和結合含有基を側鎖に有する含フッ素重合体も使用できる。メガファック RS-101、RS-102、RS-718K、RS-72-K(以上、DIC株式会社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、環境適性向上の点から、パーフルオロオクタン酸(PFOA)及びパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)等の炭素数が7以上の直鎖状パーフルオロアルキル基を有する化合物の代替材料に由来する界面活性剤であることが好ましい。
ノニオン系界面活性剤としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセロールエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。具体例としては、プルロニック L10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、HYDROPALAT WE 3323(以上、BASF社製)、テトロニック 304、701、704、901、904、150R1(以上、BASF社製)、ソルスパース 20000(以上、日本ルーブリゾール(株)製)、NCW-101、NCW-1001、NCW-1002(以上、富士フイルム和光純薬(株)製)、パイオニン D-1105、D-6112、D-6112-W、D-6315(以上、竹本油脂(株)製)、オルフィンE1010、サーフィノール104、400、440(以上、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマー、及び、側鎖や末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。
シリコーン系界面活性剤の具体例としては、EXP.S-309-2、EXP.S-315、EXP.S-503-2、EXP.S-505-2(以上、DIC株式会社製)、DOWSIL 8032 ADDITIVE、トーレシリコーンDC3PA、トーレシリコーンSH7PA、トーレシリコーンDC11PA、トーレシリコーンSH21PA、トーレシリコーンSH28PA、トーレシリコーンSH29PA、トーレシリコーンSH30PA、トーレシリコーンSH8400(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)並びに、X-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-351A、K354L、KF-355A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、X-22-6191、X-22-4515、KF-6004、KP-341、KF-6001、KF-6002、KP-101KP-103、KP-104、KP-105、KP-106、KP-109、KP-109、KP-112、KP-120、KP-121、KP-124、KP-125、KP-301、KP-306、KP-310、KP-322、KP-323、KP-327、KP-341、KP-368、KP-369、KP-611、KP-620、KP-621、KP-626、KP-652(以上、信越シリコーン株式会社製)、F-4440、TSF-4300、TSF-4445、TSF-4460、TSF-4452(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、BYK300、BYK306、BYK307、BYK310、BYK320、BYK323、、BYK325、BYK330、BYK313、BYK315N、BYK331、BYK333、BYK345、BYK347、BYK348、BYK349、BYK370、BYK377、BYK378、BYK323(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
感光性組成物層が界面活性剤を含む場合、界面活性剤の含有量は、感光性組成物層全質量に対して、0.01~3.0質量%が好ましく、0.01~1.0質量%がより好ましく、0.05~0.80質量%が更に好ましい。
感光性組成物層における水の含有量は、信頼性及びラミネート性を向上させる点から、感光性組成物層全質量に対して、0.01~1.0質量%が好ましく、0.05~0.5質量%がより好ましい。
感光性組成物層の層厚(膜厚)は、一般的には0.1~300μmであり、0.2~100μmが好ましく、0.5~50μmがより好ましく、0.5~15μmが更に好ましく、0.5~10μmが特に好ましく、0.5~8μmが最も好ましい。これにより、感光性組成物層の現像性が向上し、解像性を向上させることができる。
また、一態様において、0.5~5μmが好ましく、0.5~4μmがより好ましく、0.5~3μmが更に好ましい。
(不純物等)
感光性組成物層は、不純物を含む場合がある。
不純物としては、例えば、金属不純物又はそのイオン、ハロゲン化物イオン、残存有機溶剤、及び残存モノマーが挙げられる。
金属不純物としては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、マンガン、銅、アルミニウム、チタン、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、スズ及びこれらのイオン、並びに、ハロゲン化物イオンが挙げられる。
なかでも、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びハロゲン化物イオンは、混入し易い点から、下記の含有量にすることが好ましい。
金属不純物は、転写フィルムに含まれ得る上記粒子(例えば、金属酸化物粒子)と異なる化合物である。
金属不純物の含有量は、感光性組成物層の全質量に対して、80質量ppm以下が好ましく、10質量ppm以下がより好ましく、2質量ppm以下が更に好ましい。下限は、1質量ppb以上が好ましく、0.1質量ppm以上がより好ましい。
不純物の含有量を調整する方法としては、例えば、感光性組成物層の原料として不純物の含有量が少ないものを選択する方法、並びに、感光性組成物層の形成時に不純物の混入を防ぐ方法及び洗浄して除去する方法が挙げられる。
不純物の含有量は、例えば、ICP発光分光分析法、原子吸光分光法及びイオンクロマトグラフィー法等の公知の方法により定量できる。
残存有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、ホルムアルデヒド、トリクロロエチレン、1,3-ブタジエン、四塩化炭素、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びヘキサンが挙げられる。
残存有機溶剤の含有量は、感光性組成物層の全質量に対して、100質量ppm以下が好ましく、20質量ppm以下がより好ましく、4質量ppm以下が更に好ましい。下限は、感光性組成物層の全質量に対して、10質量ppb以上が好ましく、100質量ppb以上がより好ましい。
残存有機溶剤の含有量を調整する方法としては、後述する転写フィルムの製造方法における乾燥処理条件を調整する方法が挙げられる。また、残存有機溶剤の含有量は、例えば、ガスクロマトグラフィー分析等の公知の方法により定量できる。
感光性組成物層における水の含有量は、信頼性及びラミネート性を向上させる点から、感光性組成物層全質量に対して、0.01~1.0質量%が好ましく、0.05~0.5質量%がより好ましい。
[中間層]
転写フィルムは、仮支持体と感光性組成物層との間に中間層を有することが好ましい。
中間層としては、例えば、水溶性樹脂層及び特開平5-072724号公報に「分離層」として記載される酸素遮断機能のある酸素遮断層が挙げられる。
中間層としては、露光時の感度が向上して露光機の時間負荷が低減して生産性が向上する点から、酸素遮断層が好ましく、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液(22℃の炭酸ナトリウムの1質量%水溶液)に分散又は溶解する酸素遮断層がより好ましい。
以下、水溶性樹脂層(中間層)が含み得る各成分について説明する。
水溶性樹脂層(中間層)は、樹脂を含む。
上記樹脂は、その一部又は全部として、水溶性樹脂を含むことが好ましい。
水溶性樹脂として使用可能な樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ゼラチン、ビニルエーテル系樹脂、ポリアミド樹脂、及びこれらの共重合体等の樹脂が挙げられる。
また、水溶性樹脂としては、(メタ)アクリル酸/ビニル化合物の共重合体等も使用できる。(メタ)アクリル酸/ビニル化合物の共重合体としては、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アリルの共重合体が好ましく、メタクリル酸/メタクリル酸アリルの共重合体がより好ましい。
水溶性樹脂が(メタ)アクリル酸/ビニル化合物の共重合体である場合、各組成比(モル%)としては、例えば、90/10~20/80が好ましく、80/20~30/70がより好ましい。
水溶性樹脂の重量平均分子量の下限値としては、5000以上が好ましく、7000以上がより好ましく、10000以上が更に好ましい。また、その上限値としては、200000以下が好ましく、100000以下がより好ましく、50000以下が更に好ましい。
水溶性樹脂の分散度(Mw/Mn)は、1~10が好ましく、1~5がより好ましい。
水溶性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
水溶性樹脂の含有量は特に制限されないが、酸素遮断性、並びに、層間混合抑制能をより向上させる点で、水溶性樹脂層(中間層)の全質量に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、90質量%以上が特に好ましい。なお、その上限値としては特に制限されないが、例えば、99.9質量%以下が好ましく、99.8質量%以下が更に好ましい。
中間層は、上記水溶性樹脂以外に、その他成分を含んでいてもよい。
その他成分としては、多価アルコール類、多価アルコール類のアルキレンオキサイド付加物、フェノール誘導体又はアミド化合物が好ましく、多価アルコール類、フェノール誘導体又はアミド化合物がより好ましい。
また、その他成分としては、例えば、公知の界面活性剤も挙げられる。
多価アルコール類としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン及びジエチレングリコールが挙げられる。
多価アルコール類が有するヒドロキシ基の数としては、2~10が好ましい。
多価アルコール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、上記多価アルコール類にエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基等を付加した化合物が挙げられる。
アルキレンオキシ基の平均付加数は、1~100が好ましく、2~50がより好ましく、2~20が更に好ましい。
フェノール誘導体としては、例えば、ビスフェノールA及びビスフェノールSが挙げられる。
アミド化合物としては、例えば、N-メチルピロリドンが挙げられる。
中間層は、水溶性セルロース誘導体、多価アルコール類、多価アルコール類のオキサイド付加物、ポリエーテル系樹脂、フェノール誘導体及びアミド化合物からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。
その他成分の分子量は、5000未満が好ましく、4000以下がより好ましく、3000以下が更に好ましく、2000以下が特に好ましく、1500以下が最も好ましい。下限は、60以上が好ましい。
その他成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上で用いてもよい。
その他成分の含有量は、中間層の全質量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。上限は、30質量%未満が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。
中間層は、不純物を含んでいてもよい。
不純物としては、例えば、上記感光性組成物層に含まれる不純物が挙げられる。
水溶性樹脂層(中間層)の層厚は、特に制限されないが、0.1~5μmが好ましく、0.5~3μmがより好ましい。水溶性樹脂層(中間層)の厚みが上記の範囲内であると、酸素遮断性を低下させることがなく、層間混合抑制能が優れる。また、更に、現像時の水溶性樹脂層(中間層)除去時間の増大も抑制できる。
[保護フィルム]
転写フィルムは、感光性組成物層上に保護フィルムを有していてもよい。
保護フィルムとしては、耐熱性及び耐溶剤性を有する樹脂フィルムを用いることができ、例えば、ポリプロピレンフィルム及びポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、並びに、ポリスチレンフィルムが挙げられる。
また、保護フィルムとして上述の仮支持体と同じ材料で構成された樹脂フィルムを用いてもよい。
なかでも、保護フィルムとしては、ポリオレフィンフィルムが好ましく、ポリプロピレンフィルム又はポリエチレンフィルムがより好ましく、ポリエチレンフィルムが更に好ましい。
保護フィルムの厚みは、1~100μmが好ましく、5~50μmがより好ましく、5~40μmが更に好ましく、15~30μmが特に好ましい。
保護フィルムの厚みは、機械的強度に優れる点で、1μm以上が好ましく、比較的安価となる点で、100μm以下が好ましい。
また、保護フィルムにおいては、保護フィルム中に含まれる直径80μm以上のフィッシュアイ数が、5個/m以下であることが好ましい。
なお、「フィッシュアイ」とは、材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸及びキャスティング法等の方法によりフィルムを製造する際に、材料の異物、未溶解物、及び、酸化劣化物等がフィルム中に取り込まれたものである。
保護フィルムに含まれる直径3μm以上の粒子の数は、30個/mm以下が好ましく、10個/mm以下がより好ましく、5個/mm以下が更に好ましい。
これにより、保護フィルムに含まれる粒子に起因する凹凸が感光性組成物層又は金属層に転写されることにより生じる欠陥を抑制することができる。
巻き取り性を付与する点から、保護フィルムの感光性組成物層と接する面とは反対側の表面の算術平均粗さRaは、0.01μm以上が好ましく、0.02μm以上がより好ましく、0.03μm以上が更に好ましい。一方で、0.50μm未満が好ましく、0.40μm以下がより好ましく、0.30μm以下が更に好ましい。
保護フィルムは、転写時の欠陥抑制の点から、感光性組成物層と接する面の表面粗さRa、0.01μm以上が好ましく、0.02μm以上がより好ましく、0.03μm以上が更に好ましい。一方で、0.50μm未満が好ましく、0.40μm以下がより好ましく、0.30μm以下が更に好ましい。
[転写フィルムの製造方法]
転写フィルムの製造方法としては特に制限されず、公知の方法が挙げられる。
上記転写フィルム10の製造方法としては、例えば、仮支持体11の表面に中間層形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、更にこの塗膜を乾燥して中間層13を形成する工程と、中間層13の表面に感光性組成物を塗布して塗膜を形成し、更にこの塗膜を乾燥して感光性組成物層15を形成する工程と、を含む方法が挙げられる。
転写フィルム10が保護フィルム19を有する場合、上記製造方法により製造された転写フィルム10の組成物層17上に、保護フィルム19を圧着してもよい。
転写フィルム10の製造方法としては、組成物層17の仮支持体11側とは反対側の面に接するように保護フィルム19を設ける工程を含むことにより、仮支持体11、中間層13、感光性組成物層15及び保護フィルム19を備える転写フィルム10を製造することが好ましい。
上記製造方法により転写フィルム10を製造した後、転写フィルム10を巻き取ることにより、ロール形態の転写フィルムを作製及び保管してもよい。ロール形態の転写フィルム10は、後述するロールツーロール方式での基板との貼合工程にそのままの形態で提供できる。
また、上記転写フィルム10の製造方法は、保護フィルム19上に、組成物層17を形成する方法であってもよい。
(水溶性樹脂組成物及び中間層(水溶性樹脂層)の形成方法)
水溶性樹脂組成物としては、上述した中間層(水溶性樹脂層)を形成する各種成分と溶剤とを含むことが好ましい。なお、水溶性樹脂組成物において、組成物の全固形分に対する各成分の含有量の好適範囲は、上述した水溶性樹脂層の全質量に対する各成分の含有量の好適範囲と同じである。
溶剤としては、水溶性樹脂を溶解又は分散可能であれば特に制限されず、水及び水混和性の有機溶剤からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、水又は水と水混和性の有機溶剤との混合溶剤がより好ましい。
水混和性の有機溶剤としては、例えば、炭素数1~3のアルコール、アセトン、エチレングリコール、及びグリセリンが挙げられ、炭素数1~3のアルコールが好ましく、メタノール又はエタノールがより好ましい。
溶剤を、1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
溶剤の含有量は、組成物の全固形分100質量部に対して、50~2500質量部が好ましく、50~1900質量部がより好ましく、100~900質量部が更に好ましい。
水溶性樹脂層の形成方法は、上記の成分を含む層を形成可能な方法であれば特に制限されず、例えば、公知の塗布方法(スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、及びインクジェット塗布等)が挙げられる。
(感光性組成物及び感光性組成物層の形成方法)
生産性に優れる点で、上述した感光性組成物層を構成する成分(例えば、樹脂A、重合性化合物、重合開始剤、及び、熱架橋剤等)、及び、溶剤を含む感光性組成物を使用して塗布法により形成されることが望ましい。
転写フィルムの製造方法としては、具体的には、中間層上に感光性組成物を塗布して塗膜を形成し、この塗膜に所定温度にて乾燥処理を施して感光性組成物層を形成する方法であることが好ましい。
感光性組成物としては、上述した感光性組成物層を形成する各種成分と溶剤とを含むことが好ましい。なお、感光性組成物において、組成物の全固形分に対する各成分の含有量の好適範囲は、上述した感光性組成物層の全質量に対する各成分の含有量の好適範囲と同じである。
溶剤としては、溶剤以外の各成分を溶解又は分散可能であれば特に制限されず、公知の溶剤を使用できる。具体的には、例えば、アルキレングリコールエーテル溶剤、アルキレングリコールエーテルアセテート溶剤、アルコール溶剤(メタノール及びエタノール等)、ケトン溶剤(アセトン及びメチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素溶剤(トルエン等)、非プロトン性極性溶剤(N,N-ジメチルホルムアミド等)、環状エーテル溶剤(テトラヒドロフラン等)、エステル溶剤(酢酸nプロピル等)、アミド溶剤、ラクトン溶剤、並びにこれらの2種以上を含む混合溶剤が挙げられる。
溶剤としては、アルキレングリコールエーテル溶剤及びアルキレングリコールエーテルアセテート溶剤からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。なかでも、アルキレングリコールエーテル溶剤及びアルキレングリコールエーテルアセテート溶剤からなる群より選択される少なくとも1種と、ケトン溶剤及び環状エーテル溶剤からなる群より選択される少なくとも1種とを含む混合溶剤がより好ましく、アルキレングリコールエーテル、アルキレングリコールエーテルアセテート溶剤、及び、ケトン溶剤の3種を少なくとも含む混合溶剤が更に好ましい。
アルキレングリコールエーテル溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等)、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、及びジプロピレングリコールジアルキルエーテルが挙げられる。
アルキレングリコールエーテルアセテート溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、及びジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが挙げられる。
ケトン溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-ヘプタノン、シクロヘキサノンが挙げられる。
溶剤としては、国際公開第2018/179640号の段落[0092]~[0094]に記載された溶剤、及び特開2018-177889公報の段落[0014]に記載された溶剤を用いてもよく、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
溶剤を、1種単独で使用してもよく、2種以上使用してもよい。
溶剤の含有量は、組成物の全固形分100質量部に対し、50~1900質量部が好ましく、100~1200質量部が更に好ましく、100~900質量部が更に好ましい。
感光性組成物の塗布方法としては、例えば、印刷法、スプレー法、ロールコート法、バーコート法、カーテンコート法、スピンコート法、及び、ダイコート法(すなわち、スリットコート法)が挙げられる。
感光性組成物の塗膜の乾燥方法としては、加熱乾燥及び減圧乾燥が好ましい。
乾燥温度としては、90℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、110℃以上が更に好ましい。また、その上限値としては特に制限されないが、130℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。
また、乾燥時間としては、20秒以上が好ましく、40秒以上がより好ましく、60秒以上が更に好ましい。また、その上限値としては特に制限されないが、450秒以下が好ましく、300秒以下がより好ましい。乾燥温度としては、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。また、その上限値としては130℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。温度を連続的に変化させて乾燥させることもできる。
また、乾燥時間としては、20秒以上が好ましく、40秒以上がより好ましく、60秒以上が更に好ましい。また、その上限値としては特に制限されないが、600秒以下が好ましく、300秒以下がより好ましい。
更に、保護フィルムを感光性組成物層に貼り合わせることにより、転写フィルムを製造できる。
保護フィルムを感光性組成物層に貼り合わせる方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。
保護フィルムを感光性組成物層に貼り合わせる装置としては、真空ラミネーター、及び、オートカットラミネーター等の公知のラミネーターが挙げられる。
ラミネーターはゴムローラー等の任意の加熱可能なローラーを備え、加圧及び加熱ができるものであることが好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により制限的に解釈されるべきものではない。
また、以下の実施例において、樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算で求めた重量平均分子量である。また、酸価は、理論酸価を用いた。
<転写フィルムの作製に使用した材料>
実施例で使用した転写フィルムの作製に使用した材料(感光性組成物、及び、中間層形成用組成物)について説明する。
(感光性組成物の成分)
転写フィルムが有する感光性組成物層は、感光性組成物を使用して形成した。
感光性組成物の調製に使用した成分は以下の通りであり、以下に示す各成分を、後段に示す表2~3の通りの配合で混合し、実施例又は比較例で使用する各感光性組成物を得た。表2~3中の各成分の数値は、質量部である。
なお、感光性組成物を調製する際には、メチルエチルケトン(三協化学社製、60質量部)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(昭和電工社製、40質量部)を含む混合溶剤を調製し、その混合溶剤中に後段に示す表の通りの配合で各成分を添加した。なお、各感光性組成物の固形分濃度は、13質量%であった。
[樹脂]
・化合物1~4:それぞれ、以下に示す通りの特徴の樹脂(化合物)
なお、化合物1~4は、アルカリ可溶性樹脂に該当する。
Figure 2023034674000005
上記表中、「組成」欄には、各樹脂(化合物)について、樹脂が有する構成単位の種類を示し、カッコ内に各構成単位の含有量の質量比を示している。
各構成単位の種類としては、各構成単位の由来となるモノマーの名称を示している。
例えば、化合物1は、スチレンに基づく構成単位と、メタクリル酸に基づく構成単位と、メタクリル酸メチルに基づく構成単位とを、それぞれ、32:28:40の質量比で有する樹脂である。
[重合性化合物]
・BPE-500:エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、新中村化学工業社製
・BPE-200:エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、新中村化学工業社製
・BPE-100:エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、新中村化学工業社製
・重合性化合物1:ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均15モルのエチレンオキサイドと平均2モルのプロピレンオキサイドとを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート
・M-270:アロニックスM-270、ポリプロピレングリコールジアクリレート(n≒12)、東亞合成社製
・A-TMPT:トリメチロールプロパントリアクリラート、新中村化学工業社製
・SR454:エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、アルケマ社製
・SR502:エトキシ化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、アルケマ社製
・A-9300-CL1:カプロラクトン変性トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、新中村化学工業社製
[熱架橋剤]
・SBB-70P:デュラネート、旭化成社製
・TPA-B80E:デュラネート、旭化成社製
[重合開始剤]
・B-CIM:2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビスイミダゾール(2-(2-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体)、黒金化成社製
[添加剤]
・SB-PI 701:4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、三洋貿易社製
・ロイコクリスタルバイオレット:東京化成工業社製
・N-フェニルグリシン:東京化成工業社製
・ブリリアントグリーン:東京化成工業社製
・CBT-1:カルボキシベンゾトリアゾール、城北化学工業社製
・混合物1:1-(2-ジ-n-ブチルアミノメチル)-5-カルボキシルベンゾトリアゾールと1-(2-ジ-n-ブチルアミノメチル)-6-カルボキシルベンゾトリアゾールの1:1(質量比)混合物
・フェノチアジン:富士フイルム和光純薬社製
・Irganox245:BASF社製
・N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩:富士フイルム和光純薬社製
・フェニドン:東京化成工業社製
・F-552:フッ素系界面活性剤、DIC社製
(中間層形成用組成物の成分)
以下の成分を混合し、中間層形成用組成物の調製を行った。なお、各成分の量の単位は、質量部である。
イオン交換水:38.12質量部
メタノール(三菱ガス化学(株)製):57.17質量部
クラレポバール 4-88LA(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製):3.22質量部
ポリビニルピロリドンK-30(日本触媒(株)製):1.49質量部
メガファックF-444(フッ素系界面活性剤、DIC(株)製):0.0035質量部
<転写フィルムの作製>
実施例1、5~7、及び、比較例1に関しては、以下の手順で転写フィルムを作製した。
まず、仮支持体(厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラー16KS40、東レ社製)、ヘイズ:0.6%)の上に、各実施例及び比較例の感光性組成物を、バーコーターを用いて乾燥後の厚みが表2~3に示す厚みになるように塗布し、オーブンを用いて80℃で乾燥させ、感光性組成物層(ネガ型感光性組成物層)を形成した。
得られた感光性組成物層上に、保護フィルムとして厚み16μmのポリエチレンテレフタレート(16KS40、東レ社製)を圧着し、転写フィルムを作製した。
また、実施例2~4、及び、8~10に関しては、以下の手順で転写フィルムを作製した。
まず、仮支持体(厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラー16KS40、東レ社製)、ヘイズ:0.6%)の上に、中間層形成用組成物を、バーコーターを用いて、乾燥後の厚みが表2~3に示す厚みになるように塗布し、オーブンを用いて90℃で乾燥させ、中間層を形成した。
更に、中間層の上に、感光性組成物を、バーコーターを用いて乾燥後の厚みが表2~3に示す厚みになるように塗布し、オーブンを用いて80℃で乾燥させ、感光性組成物層(ネガ型感光性組成物層)を形成した。
得られた感光性組成物層上に、保護フィルムとして厚み16μmのポリエチレンテレフタレート(16KS40、東レ社製)を圧着し、転写フィルムを作製した。
<積層体の製造>
厚さ200μmのPETフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上にスパッタ法にて厚さ500nmの銅層を作製した銅層付きPET基板を使用した
作製した転写フィルムを10cm角にカットし、保護フィルムを剥がして、感光性組成物層がPET基板表面の銅層に接するように、ロール温度90℃、線圧0.8MPa、線速度3.0m/min.のラミネート条件で銅層付きPET基板にラミネートして、積層体を得た。
この時点で、積層体は、転写フィルムが中間層を含まない場合には「PETフィルム-銅層-感光性組成物-仮支持体」の構成を有し、転写フィルムが中間層を含む場合には「PETフィルム-銅層-感光性組成物-中間層-仮支持体」の構成を有する。
次に、得られた積層体から仮支持体を剥離し、ライン(μm)/スペース(μm)が5/5のパターンを有するフォトマスクを、積層体における露出した表面と密着させた。高圧水銀灯露光機(MAP-1200L、大日本科研社製、主波長:365nm)を用いて露光量50mJ/cmで光を照射した。露光量は、現像後に得られるレジストパターンが、フォトマスクのラインアンドスペース形状を再現する露光量とした。
その後、30℃の1.0%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として使用して現像を行った。現像は、具体的には、シャワー処理を40秒間行い、AirKnife(エアナイフ)処理をして現像液を切った後、純水で30秒間シャワー処理をして、更にAirKnife処理を行った。
これにより、ラインアンドスペース形状のレジストパターンを有する積層体を得た。
次に、後述する表2~3に記載される加熱条件(「加熱温度及び加熱時間」)にて、レジストパターンを有する積層体を加熱した。
その後、得られた積層体を、10質量%の硫酸水溶液(液温度:40℃)に3分間浸漬させた。
次に、得られた積層体を、硫酸銅めっき液(硫酸銅75g/L、硫酸190g/L、塩素イオン50質量ppm、メルテックス株式会社製、「カパーグリームPCM」、5mL/L)に入れ、1A/dmの条件で銅めっき処理を行った。
銅めっき処理後の上記積層体を水洗し乾燥した後、50℃の1質量%水酸化カリウム水溶液(pH=13.5)に浸漬することによりレジストパターンを剥離した。
レジストパターン剥離段階後の積層体が有する銅層(シード層)を0.1質量%硫酸、及び、0.1質量%過酸化水素を含む水溶液で除去し、銅配線パターンを得た。銅配線パターンを光学顕微鏡にて観察し、以下の基準に従って導体パターンの形状評価をした。
1:導体パターンが形成されていない、又は、形成された導体パターンの形状が大きく歪んでいる。
2:形成される導体パターンの形状は大凡所望の形状であるが、一部に歪みがみえる。
3:形成される導体パターンの形状が所望の形状であり、歪みがない。
表2~3中、「加熱温度及び加熱時間」欄は、レジストパターンを有する積層体を加熱する際の温度及び時間が記されており、例えば、実施例1では「120℃20分」と記載されており、120℃で20分間加熱することを意味する。
表2~3中、「弾性率X(GPa)」欄は、上述した弾性率X(GPa)を表し、「弾性率X/弾性率Y」欄は、上述したX/Yを表す。
Figure 2023034674000006
Figure 2023034674000007
表に示すように、本発明の方法によれば、所望の効果が得られることが確認された。
10 転写フィルム
11 仮支持体
13 中間層
15 感光性組成物層
17 組成物層
19 保護フィルム

Claims (19)

  1. 仮支持体とネガ型の感光性組成物層とを有する転写フィルムの前記仮支持体側とは反対側の表面が、表面に金属層を有する基板の前記金属層と接するように、前記転写フィルムと前記基板とを貼合する貼合工程と、
    前記感光性組成物層をパターン露光する露光工程と、
    露光された前記感光性組成物層に対して現像処理を施して、レジストパターンを形成する現像工程と、
    前記レジストパターンを加熱する加熱工程と、
    加熱された前記レジストパターンを酸性溶液で洗浄する洗浄工程と、
    前記レジストパターンが配置されていない領域にある前記金属層に対して、めっき処理を行うめっき工程と、
    前記レジストパターンを剥離する剥離工程と、
    前記剥離工程によって露出した前記金属層を除去し、前記基板上に導体パターンを形成する除去工程と、をこの順に有し、
    前記貼合工程と前記露光工程との間、又は、前記露光工程と前記現像工程との間に、更に、前記仮支持体を剥離する仮支持体剥離工程を有し、
    前記感光性組成物層が熱架橋剤を含む、導体パターンを有する積層体の製造方法。
  2. 前記加熱工程により加熱されたレジストパターンの前記基板側とは反対側の表面の弾性率が5.0GPa以上である、請求項1に記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
  3. 前記加熱工程により加熱されたレジストパターンの前記基板側とは反対側の表面の弾性率を弾性率Xとし、
    前記加熱工程により加熱されたレジストパターンの前記基板側近傍における弾性率を弾性率Yとした際に、
    X/Y≦1.2を満たす、請求項1又は2に記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
  4. 前記感光性組成物層が、重合性化合物、及び、重合開始剤を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
  5. 前記重合性化合物が、アルキレンオキシド変性ビスフェノール構造を有する、請求項4に記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
  6. 前記熱架橋剤が、ブロックイソシアネート化合物を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
  7. 前記仮支持体のヘイズが1.0%以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
  8. 前記仮支持体の厚みが50μm以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
  9. 前記転写フィルムが前記仮支持体と前記感光性組成物層との間に中間層を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
  10. 前記中間層が、水溶性樹脂層である、請求項9に記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
  11. 前記露光工程が、フォトマスクを介してパターン露光を行う工程である、請求項1~10のいずれか1項に記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
  12. 前記露光工程が、フォトマスクの像を投影させた活性光線を用い、レンズを介して前記感光性組成物層をパターン露光する工程である、請求項1~10のいずれか1項に記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
  13. 前記貼合工程と前記露光工程との間に前記仮支持体剥離工程を有し、
    前記露光工程が、前記仮支持体を剥離して露出した表面とフォトマスクとを接触させて、前記感光性組成物層をパターン露光する工程である、請求項1~10のいずれか1項に記載の導体パターンを有する積層体の製造方法。
  14. 仮支持体と、ネガ型の感光性組成物層とを有する転写フィルムであって、
    前記感光性組成物層が熱架橋剤を含み、
    前記仮支持体のヘイズが、1.0%以下である、転写フィルム。
  15. 前記仮支持体の厚みが50μm以下である、請求項14に記載の転写フィルム。
  16. 前記感光性組成物層が、重合性化合物、及び、重合開始剤を含む、請求項14又は15に記載の転写フィルム。
  17. 前記重合性化合物が、アルキレンオキシド変性ビスフェノール構造を有する、請求項16に記載の転写フィルム。
  18. 前記仮支持体と前記感光性組成物層との間に中間層を有する、請求項14~17のいずれか1項に記載の転写フィルム。
  19. 前記中間層が、水溶性樹脂層である、請求項18に記載の転写フィルム。
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