JP2023032007A - 内燃機関用のスパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】プラグカバーの過熱を抑制することができる内燃機関用のスパークプラグを提供すること。【解決手段】スパークプラグ1において、プラグカバー5には噴孔51が形成されている。ハウジング2の外周には、呼び径がM14以下であるネジ部21が形成されている。また、プラグカバー5は、周壁部52と底壁部53とを有する。周壁部52は、副燃焼室50の外周側の少なくとも一部を覆うと共に基端部がハウジング2に固定されている。底壁部53は、副燃焼室50の先端側を覆う。周壁部52の厚みt1は底壁部53の厚みt0以上である。また、底壁部53は法線方向がプラグ軸方向Zを向く先端平坦面531を有する。プラグカバー5の平均厚みをtとし、プラグカバー5のプラグ軸方向Zにおける高さをhとする。このとき、スパークプラグ1は下記式(1)を満たす。h/t≦11.2 ・・・(1)【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関用のスパークプラグに関する。
例えば、特許文献1に開示されているように、先端に副燃焼室を備えた内燃機関用のスパークプラグが知られている。特許文献1に記載のスパークプラグは、絶縁碍子の副燃焼室に面する外周面の表面積に対する、ハウジング及びプラグカバーの副燃焼室に面する内壁面の合計表面積の比率を規定している。これにより、副燃焼室が高温になることを抑え、スパークプラグによる放電の発生よりも前に混合気が着火すること(すなわちプレイグニッション)を抑制しようとしている。
特開2020-184435号公報
しかしながら、特許文献1に記載のスパークプラグにおいて、プラグカバーの先端面は、先端側に凸となるよう湾曲した凸曲面形状を呈している。それゆえ、プラグカバーは、主燃焼室への突き出し量が大きくなりやすく、主燃焼室の燃焼によって受熱しやすい。そのため、プラグカバーの過熱を抑制し、プレイグニッションを抑制する観点から、更なる改善の余地があるといえる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、プラグカバーの過熱を抑制することができる内燃機関用のスパークプラグを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、筒状の絶縁碍子(3)と、
該絶縁碍子の内周側に保持されると共に該絶縁碍子から先端側に突出した中心電極(4)と、
上記絶縁碍子を内周側に保持する筒状のハウジング(2)と、
上記中心電極との間に放電ギャップ(G)を形成する接地電極(6)と、
上記放電ギャップが配される副燃焼室(50)を覆うよう上記ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、を有し、
上記プラグカバーには、上記副燃焼室と外部とを連通させる噴孔(51)が形成されており、
上記ハウジングの外周には、呼び径がM14以下であるネジ部(21)が形成されており、
上記プラグカバーは、上記副燃焼室の外周側の少なくとも一部を覆うと共に基端部が上記ハウジングに固定された周壁部(52)と、上記副燃焼室の先端側を覆う底壁部(53)と、を有し、
上記周壁部の厚み(t1)は上記底壁部の厚み(t0)以上であり、
上記底壁部は法線方向がプラグ軸方向(Z)を向く先端平坦面(531)を有し、
上記プラグカバーの平均厚みをtとし、上記プラグカバーのプラグ軸方向における高さをhとしたとき、下記式(1)を満たす、内燃機関用のスパークプラグ(1)にある。
h/t≦11.2 ・・・(1)
上記スパークプラグは、上記式(1)を満たすと共に、先端平坦面を有する。また、周壁部の厚みは底壁部の厚み以上である。それゆえ、プラグカバーの主燃焼室への突き出し量が少なくなりやすいと共に、プラグカバーの熱を外部に放熱させやすい。その結果、プラグカバーの過熱を抑制することができる。
以上のごとく、上記態様によれば、プラグカバーの過熱を抑制することができる内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、スパークプラグの先端部付近の、プラグ軸方向に沿った断面図であって、図2のI-I線矢視断面相当図。 図1のII-II線矢視断面相当図。 図1のIII矢視図。 実施形態1における、先端平坦面のプラグ径方向における最大幅と、副燃焼室の最大径とを示す断面図。 実施形態1における、スパークプラグが設置された内燃機関の断面図。 実験例1における、プラグカバーの温度と、プレイグニッションが発生したときの、MBTからの進角量との関係を示すグラフ。 実験例1における、式(3)から算出した値kと、プレイグニッションが発生したときの、MBTからの進角量との関係を示すグラフ。 実験例2における、h/tの値と、プレイグニッションが発生したときの、MBTからの進角量との関係を示すグラフ。
(実施形態1)
内燃機関用のスパークプラグに係る実施形態について、図1~図5を参照して説明する。
本形態の内燃機関用のスパークプラグ1は、図1~図3に示すごとく、筒状の絶縁碍子3と、中心電極4と、筒状のハウジング2と、接地電極6と、プラグカバー5と、を有する。中心電極4は、絶縁碍子3の内周側に保持されると共に絶縁碍子3から先端側に突出している。ハウジング2は、絶縁碍子3を内周側に保持する。接地電極6は、中心電極4との間に放電ギャップGを形成する。プラグカバー5は、放電ギャップGが配される副燃焼室50を覆うようハウジング2の先端部に設けられている。
プラグカバー5には、副燃焼室50と外部とを連通させる噴孔51が形成されている。また、ハウジング2の外周には、呼び径がM14以下であるネジ部21が形成されている。
また、プラグカバー5は、周壁部52と底壁部53とを有する。周壁部52は、副燃焼室50の外周側の少なくとも一部を覆うと共に基端部がハウジング2に固定されている。底壁部53は、副燃焼室50の先端側を覆う。図1に示すごとく、周壁部52の厚みt1は底壁部53の厚みt0以上である。また、底壁部53は法線方向がプラグ軸方向Zを向く先端平坦面531を有する。
プラグカバー5の平均厚みをtとし、プラグカバー5のプラグ軸方向Zにおける高さをhとする。このとき、スパークプラグ1は下記式(1)を満たす。
h/t≦11.2 ・・・(1)
また、本形態のスパークプラグ1は下記式(2)も満たす。
h/t≦4.5 ・・・(2)
本形態のスパークプラグ1は、例えば、自動車等の内燃機関における着火手段として用いることができる。図5に示すごとく、ハウジング2のネジ部21を、シリンダヘッド71のプラグホール711の雌ネジ部に螺合して、スパークプラグ1が内燃機関10に取り付けられる。スパークプラグ1が内燃機関10に取り付けられた状態において、ハウジング2は、シリンダヘッド71と熱的に接触している。
また、内燃機関10は、シリンダ70内を往復運動するピストン74を備える。主燃焼室101は、ピストン74の往復運動によって、容積変化する。内燃機関10には、吸気ポート721及び排気ポート731が形成されており、それぞれ吸気弁72又は排気弁73が備えられている。
そして、スパークプラグ1の軸方向Zの一端が、内燃機関10の主燃焼室101に配置される。スパークプラグ1の軸方向Zにおいて、主燃焼室101に露出する側を先端側、その反対側を基端側というものとする。また、スパークプラグ1の軸方向Zを、適宜、プラグ軸方向Z、或いは単に、Z方向ともいう。なお、プラグ中心軸Cは、スパークプラグ1の中心軸Cを意味するものとする。また、プラグ径方向とは、プラグ中心軸Cに直交する平面上において、プラグ中心軸Cを中心とする円の半径方向を意味する。また、プラグ中心軸Cは、本形態において、中心電極4の中心軸でもある。
図5に示すごとく、スパークプラグ1が内燃機関10に取り付けられた状態において、プラグカバー5は、副燃焼室50を主燃焼室101と区画している。また、噴孔51は、副燃焼室50と主燃焼室101とを連通させている。
本形態において、副燃焼室50は、図1に示すごとく、絶縁碍子3から先端側に突出した中心電極4の周辺における、ハウジング2の先端部の内周側の空間を含む。また、副燃焼室50は、絶縁碍子3の外周面とハウジング2の内周面との間に形成された環状の空間であるポケット部501をも含む。
本形態において、プラグカバー5の周壁部52は、副燃焼室50の外周側の一部を覆っている。周壁部52の基端部は、ハウジング2の先端部に溶接等によって接合されている。プラグカバー5は、ハウジング2と熱的に接触している。
周壁部52は略円筒形状を呈する。本形態において、周壁部52の厚みは均一となっている。
また、底壁部53は、平板状を呈すると共に、図3に示すごとく、Z方向から見たとき、略円形状を呈している。本形態において、底壁部53の厚みは均一となっている。
また、本形態においては、底壁部53の先端面の全体が、先端平坦面531となっている。先端平坦面531は、Z方向に直交するように形成されている。先端平坦面531は、Z方向から見たとき、略円形状を呈している。
図4に示すごとく、先端平坦面531のプラグ径方向における最大幅D1は、副燃焼室50の最大径D2の1/2以上である。また、先端平坦面531の面積は、Z方向に直交する副燃焼室50の断面積のうち、最大となる面積の1/4以上である。また、最大幅D1は、高さh以上である。
本形態においては、図1に示すごとく、周壁部52の厚みt1と底壁部53の厚みt0とは、互いに同等の厚みとなっている。また、プラグカバー5の平均厚みtと、厚みt1又は厚みt0とは、互いに同等の厚みとなっている。プラグカバー5は、厚みが均一の板状部材を塑性加工することにより形成されている。
また、プラグカバー5は、周壁部52の先端と底壁部53の外周とを曲面状に繋ぐ角部54を有する。噴孔51は、角部54に形成されている。
噴孔51は、先端側へ向かうほどプラグ径方向の外側へ向かうように、プラグ軸方向Zに対して傾斜して開口している。
次に、本形態の作用効果を説明する。
上記スパークプラグ1は、上記式(1)を満たすと共に、先端平坦面531を有する。また、周壁部52の厚みは底壁部53の厚み以上である。それゆえ、プラグカバー5の主燃焼室への突き出し量が少なくなりやすいと共に、プラグカバー5の熱を外部に放熱させやすい。その結果、プラグカバー5の過熱を抑制することができる。
本形態のスパークプラグ1は、放電ギャップGに放電を生じさせることにより、副燃焼室50内の混合気を着火させ、火炎を形成する。そして、副燃焼室50内にて生じた火炎を、噴孔51を介して、主燃焼室101に火炎ジェットとして噴出させる。これにより、主燃焼室101に火炎を伝播させて混合気を燃焼させる。ここで、燃焼時における主燃焼室101の温度は、シリンダ70及びピストン74による冷却の影響から、燃焼の中心、つまり主燃焼室101の中心付近が最も高くなりやすい。したがって、プラグカバー5の部位のうち、主燃焼室101に最も突き出た部位、つまり主燃焼室101の中心に最も近い部位である先端部は、特に高温となりやすい。そのため、高さh(図1参照)を低くし、プラグカバー5の主燃焼室101への突き出し量を少なくするほど、プラグカバー5の受熱を抑えやすく、プラグカバー5の過熱を抑制しやすい。一方、プラグカバー5を小さくして副燃焼室50を小さくしすぎると、副燃焼室50から主燃焼室101に噴出させる火炎ジェットを強化し難くなる。そこで、本形態のスパークプラグ1は、上記式(1)を満たすと共に、先端平坦面531を有する。これにより、プラグカバー5の主燃焼室101への突き出し量を少なくしつつ、副燃焼室50の容積を確保することができる。その結果、プラグカバー5の過熱を抑制しつつ、着火性を確保することができる。
また、プラグカバーの受熱量は、プラグカバーの表面積に比例しやすい。そして、プラグカバーの表面積の大きさは、プラグカバーの外径及び高さhによって決まりやすい。ここで、プラグカバーの外径は、スパークプラグのネジ部の呼び径によって決まりやすい。そのため、スパークプラグのネジ部の呼び径が同じである場合、プラグカバーの受熱量は、プラグカバーの高さhに比例しやすい。また、プラグカバーの熱は、プラグカバーの平均厚みtが厚いほど、ハウジングに移動しやすく、ハウジングを介して外部へと放熱されやすい。それゆえ、h/tの値が小さいほど、プラグカバーの受熱を抑えつつ、プラグカバーの外部への放熱量を確保しやすい。それゆえ、h/tの値が小さいほど、プラグカバーの過熱を抑制することができる。そこで、本形態のスパークプラグ1は、上記式(1)を満たす。これにより、プラグカバー5の過熱を抑制することができる。それゆえ、スパークプラグ1を設置した自動車等の内燃機関は、高負荷運転時等においても、プレイグニッションを抑制することができる。その結果、内燃機関の燃費向上、出力向上を図ることができる。
また、周壁部52の厚みt1は底壁部53の厚みt0以上である。それゆえ、プラグカバー5の先端部の熱を、周壁部52及びハウジング2を介して外部に放熱しやすい。また、主燃焼室に噴出させる火炎ジェットによって受熱した噴孔51の内周面の熱も、周壁部52及びハウジング2を介して外部に放熱しやすい。それゆえ、プラグカバー5の熱を効率的に放熱することができる。その結果、プラグカバー5の過熱を抑制することができる。
本形態において、最大幅D1(図4参照)は最大径D2(図4参照)の1/2以上である。それゆえ、副燃焼室50の容積を確実に確保しつつ、プラグカバー5の主燃焼室への突き出し量を少なくすることができる。その結果、着火性を確実に確保しつつ、プラグカバー5の過熱を抑制することができる。
本形態においては、底壁部53の先端面の全体が、先端平坦面531となっている。それゆえ、副燃焼室50の容積を一層確保しつつ、プラグカバー5の主燃焼室への突き出し量を少なくすることができる。その結果、着火性を一層確保しつつ、プラグカバー5の過熱を抑制することができる。
また、本形態のスパークプラグ1は上記式(2)も満たす。それゆえ、プラグカバー5の主燃焼室への突き出し量が一層少なくなりやすいと共に、プラグカバー5の熱を外部に一層放熱させやすい。その結果、プラグカバー5の過熱を一層抑制することができる。
ネジ部21の呼び径はM14以下である。それゆえ、スパークプラグ1を、自動車等の内燃機関に搭載しやすい。その結果、スパークプラグ1を自動車等の内燃機関の着火手段として用いた際、プレイグニッションを抑制することができる。
以上のごとく、本形態によれば、プラグカバー5の過熱を抑制することができる内燃機関用のスパークプラグを提供することができる。
上記実施形態1において、周壁部52及び底壁部53の厚みは、それぞれ均一となっている。ただし、周壁部は、例えば、基端側に向かうほど厚みが厚くなるように形成することもできる。また、底壁部は、例えば、プラグ径方向の外側に向かうほど厚みが厚くなるように形成することもできる。
(実験例1)
本例では、基本構造を実施形態1と同様とする複数のスパークプラグを用いて、図6のグラフに示すごとく、プラグカバーの温度と、プレイグニッションが発生したときの、MBT(Minimum Spark Advance for Best Torqueの略)からの進角量との関係を解析した。一般に、MBTから点火時期を進角させるほど、プレイグニッションが発生しやすい。そのため、本例では、それぞれのスパークプラグを設置した内燃機関につき、MBTから点火時期を徐々に進角させ、プレイグニッションの発生する点火時期を解析した。試験条件は、内燃機関を単気筒の4ストロークエンジンとし、スロットル全開、回転数を6500rpmとした。なお、図6のグラフにおいて、丸印は、それぞれのスパークプラグの解析結果をプロットしたものである。
また、図6のグラフにおいて、プラグカバーの温度は、上記条件にて内燃機関を運転させたときのプラグカバーの先端部の温度である。また、プラグカバーの温度は、CAE(Computer Aided Engineeringの略)解析による温度である。
図6のグラフに示すごとく、プラグカバーの温度が低いほど、プレイグニッションの発生する点火時期がMBTから進角することが分かる。この結果より、プラグカバーの熱を外部に放熱しやすいスパークプラグほど、プレイグニッションを抑制することができると考えられる。
ここで、プレイグニッションは、プラグカバーの過熱などを起因とする早期着火、つまり、燃焼反応である。したがって、プレイグニッションが発生したときの、MBTからの進角量は、単にプラグカバーの温度との関係ではなく、下記のアレニウス型の式(3)から算出した値kとの関係で見る方が妥当と考えられる。そのため、図6のグラフに示すプラグカバーの温度を下記式(3)のTに代入し、当該式を計算することにより値kを算出した。下記式(3)において、Eは活性化エネルギー、Rは気体定数を示し、E/Rの値は、n-ヘプタンの11600Kを用いた。そして、下記式(3)から算出した値kと、プレイグニッションが発生したときの、MBTからの進角量との関係を示すグラフが図7のグラフとなる。また、図7のグラフには、各解析結果のプロットにおける近似直線を示した。そして、後述するように、実験例2において、プレイグニッションが発生したときの、MBTからの進角量の値は、図7のグラフに示す近似直線から求めた。
k=exp[-E/[R(T+273)]] ・・・(3)
(実験例2)
本例では、基本構造を実施形態1と同様としつつ、h/tの値が互いに異なる複数のスパークプラグを用いて、図8のグラフに示すごとく、h/tの値と、プレイグニッションが発生したときの、MBTからの進角量との関係を解析した。その他の試験条件は、実験例1と同様である。
ここで、プレイグニッションの発生する点火時期がMBTから7.5°CA(クランク角の略)以上進角する場合を、低燃費自動車エンジン用として用いる際に充分にプレイグニッションを抑制できる基準としている。そこで、上記解析結果から、当該基準を満たすh/tの値を求めた。また、プレイグニッションの発生する点火時期がMBTから16.5°CA以上進角する場合を、高効率自動車エンジン用として用いる際に充分にプレイグニッションを抑制できる基準としている。そこで、上記解析結果から、当該基準を満たすh/tの値も求めた。ここで、低燃費自動車エンジンは、排気再循環率(以下において、EGR率という。)が20%以下の、EGR装置を備えた自動車エンジン等を示す。また、高効率自動車エンジンは、圧縮比が13以上の高圧縮比化された自動車エンジン、或いはEGR率が25%以上の自動車エンジン等を示す。
具体的には、下記の表1に示すごとく、h/tの値が互いに異なる8個のスパークプラグのそれぞれについて、プラグカバーの温度TをCAE解析した。そして、温度Tの値を上記式(3)に代入し、当該式を計算することにより値kを算出した。さらに、その値kと、実験例1における図7のグラフの近似直線から、表1に示す、プレイグニッションが発生したときの、MBTからの進角量を求めた。
Figure 2023032007000002
図8のグラフは、表1における、h/tの値と、プレイグニッションが発生したときの、MBTからの進角量との関係を示すグラフである。図8のグラフにおいて、丸印は、それぞれのスパークプラグの解析結果をプロットしたものである。また、図8のグラフには、これらのプロットにおける近似直線を示した。
図8のグラフより、h/tの値が小さくなるほど、プレイグニッションの発生する点火時期がMBTから進角することが分かる。この結果より、h/tの値を小さくするほど、プラグカバーの過熱を抑制することができ、プレイグニッションを抑制することができると考えられる。
また、図8のグラフに示す近似直線より、プレイグニッションの発生する点火時期がMBTから7.5°CA以上進角するh/tの値は、11.2以下と推測された。また、プレイグニッションの発生する点火時期がMBTから16.5°CA以上進角するh/tの値は、4.5以下と推測された。この結果から、h/tの値を11.2以下とすることにより、スパークプラグを低燃費自動車エンジンに用いた際、プレイグニッションを抑制することができると考えられる。また、h/tの値を4.5以下とすることにより、スパークプラグを高効率自動車エンジンに用いたとしても、プレイグニッションを抑制することができると考えられる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1…スパークプラグ、2…ハウジング、21…ネジ部、3…絶縁碍子、4…中心電極、5…プラグカバー、50…副燃焼室、51…噴孔、52…周壁部、53…底壁部、531…先端平坦面、6…接地電極、G…放電ギャップ、Z…プラグ軸方向、t1…周壁部の厚み、t0…底壁部の厚み

Claims (2)

  1. 筒状の絶縁碍子(3)と、
    該絶縁碍子の内周側に保持されると共に該絶縁碍子から先端側に突出した中心電極(4)と、
    上記絶縁碍子を内周側に保持する筒状のハウジング(2)と、
    上記中心電極との間に放電ギャップ(G)を形成する接地電極(6)と、
    上記放電ギャップが配される副燃焼室(50)を覆うよう上記ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、を有し、
    上記プラグカバーには、上記副燃焼室と外部とを連通させる噴孔(51)が形成されており、
    上記ハウジングの外周には、呼び径がM14以下であるネジ部(21)が形成されており、
    上記プラグカバーは、上記副燃焼室の外周側の少なくとも一部を覆うと共に基端部が上記ハウジングに固定された周壁部(52)と、上記副燃焼室の先端側を覆う底壁部(53)と、を有し、
    上記周壁部の厚み(t1)は上記底壁部の厚み(t0)以上であり、
    上記底壁部は法線方向がプラグ軸方向(Z)を向く先端平坦面(531)を有し、
    上記プラグカバーの平均厚みをtとし、上記プラグカバーのプラグ軸方向における高さをhとしたとき、下記式(1)を満たす、内燃機関用のスパークプラグ(1)。
    h/t≦11.2 ・・・(1)
  2. 下記式(2)を満たす、請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
    h/t≦4.5 ・・・(2)
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