JP2023031458A - タイヤ - Google Patents

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拓也 大澤
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Abstract

Figure 2023031458000001
【課題】限界走行での耐摩耗性を確保しながら、転がり抵抗の低減を達成できる、タイヤ2の提供。
【解決手段】トレッド4は、キャップ層30及びベース層32を備える。キャップ層30の30℃での損失正接は0.30以下であり、ベース層32の30℃での損失正接はキャップ層30の30℃での損失正接よりも低い。ベース層32は軸方向においてトレッド4の基準端PTの内側に位置する。定着層24は径方向においてキャップ層30とカーカス12との間に位置する。軸方向において、定着層24の第一端24aはベース層32の端32eの外側に位置する、又は、定着層24の第一端24aの位置はベース層32の端の位置と一致する。定着層24の粘着力はキャップ層30の粘着力よりも高い。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤに関する。
トレッドは、路面と接地するキャップ層と、径方向においてキャップ層の内側に位置するベース層とを備える。キャップ層には、グリップ力や耐摩耗性が考慮されたゴムが用いられる。ベース層には、低発熱性が考慮されたゴムが用いられる。
タイヤの製造では、キャップ層やベース層等の多数の要素を組み合わせて生タイヤ(ローカバーとも称される。)が準備される。生タイヤをモールド内で加圧及び加熱をすることで、タイヤが得られる。
タイヤの構成要素の成形方法として、例えば、ストリップワインド工法が知られている。この工法では、未架橋ゴムからなるストリップを巻き回して所望の形状を有する積層体が形成される(例えば、下記の特許文献1)。
特開2002-160508号公報
環境への配慮から、転がり抵抗を低減することがタイヤには求められている。そこで、キャップ層も転がり抵抗の低減に貢献できるよう、キャップ層に使用するゴムの低発熱化が検討されている。
低発熱性のゴムは発熱性のゴムに比べて粘着性に劣る。タイヤのショルダー部に相当する部分においては、キャップ層がカーカスから剥がれやすい。キャップ層がカーカスから剥がれた場合、生タイヤにエアが残存する恐れがある。エアの残存はベア等の原因になることから、キャップ層とベース層との間、そしてキャップ層とカーカスとの間に粘着性の高いシートを挟み、これらを接合することが検討されている。
転がり抵抗のさらなる低減を図るために、トレッドを薄くしトレッドのボリュームを低減することも検討されている。トレッドにおいてベース層はその全体がキャップ層で覆われる。薄いトレッドが採用されると、ベース層を覆うキャップ層も薄くなる。トレッドは軸方向外側ほど薄いため、前述した粘着シートによる剥離防止技術をタイヤに適用すると、ショルダー部におけるキャップ層の厚みを十分に確保することは難しい。
限界走行(例えば、車両が高速で旋回する場合)では、ショルダー部も路面と接地する。薄いキャップ層では摩耗の進行を十分に抑えることができず、ベース層が露出することが懸念される。ベース層はキャップ層に比べて脆いため、ベース層が露出するとトレッドが剥離する恐れがある。
ショルダー部におけるキャップ層の厚みを確保しながら、生タイヤにおけるキャップ層のカーカスからの剥離を防止できれば、限界走行での耐摩耗性を確保しながら、転がり抵抗の低減を達成できる見込みがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、限界走行での耐摩耗性を確保しながら、転がり抵抗の低減を達成できる、タイヤの提供を目的とする。
本発明の一態様に係るタイヤは、トレッドと、前記トレッドの端に連なり径方向において前記トレッドの内側に位置する一対のサイドウォールと、径方向において前記サイドウォールの内側に位置する一対のビードと、前記トレッド及び前記一対のサイドウォールの内側に位置し、一方のビードと他方のビードとの間を架け渡すカーカスと、径方向において前記トレッドと前記カーカスとの間に位置し、並列した多数のベルトコードを含むベルトと、前記カーカスの内側に位置するインナーライナーと、軸方向に離して配置される一対の定着層と、を備える。前記トレッドに周方向溝が刻まれ、前記周方向溝の溝深さが7.0mm以下である。前記トレッドは、キャップ層と、前記キャップ層で覆われるベース層とを備える。前記キャップ層の30℃での損失正接は0.30以下であり、前記ベース層の30℃での損失正接は前記キャップ層の30℃での損失正接よりも低い。前記ベース層は、軸方向において、前記トレッドの基準端の内側に位置する。前記定着層はそれぞれ、径方向において、前記キャップ層と前記カーカスとの間に位置する。軸方向において、前記定着層の第一端は前記ベース層の端の外側に位置する、又は、前記定着層の第一端の位置は前記ベース層の端の位置と一致する。前記定着層の粘着力は前記キャップ層の粘着力よりも高い。
好ましくは、このタイヤでは、前記トレッドの基準端から前記ベース層の端までの距離は5mm以上15mm以下である。
好ましくは、このタイヤでは、前記定着層の第一端から前記ベース層の端までの距離は5mm以下である。
好ましくは、このタイヤでは、軸方向において、前記定着層の第一端の位置は前記ベース層の端の位置と一致する。
好ましくは、このタイヤでは、前記キャップ層の端から内側に5mm離れた位置から外側に10mm離れた位置までのゾーンに、前記定着層の第二端が位置する。
好ましくは、このタイヤでは、軸方向において、前記定着層の第二端の位置は前記キャップ層の端の位置と一致する、又は、前記定着層の第二端は前記キャップ層の端の外側に位置し、前記キャップ層の端から前記定着層の第二端までの距離は5mm以下である。
好ましくは、このタイヤは、径方向において、前記トレッドと前記ベルトとの間に位置し、らせん状に巻かれたバンドコードを含むバンドを備える。前記バンドは赤道面を挟んで両端が相対するフルバンドである。
好ましくは、このタイヤは、前記カーカスと前記インナーライナーとの間に位置する、一対のインスレーションを備える。軸方向において、それぞれの前記インスレーションの第一端は前記ベルトの端の内側に位置する。径方向において、それぞれの前記インスレーションの第二端は前記ビードの外側に位置する。
本発明によれば、限界走行での耐摩耗性を確保しながら、転がり抵抗の低減を達成できる、タイヤが得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤの一部を示す断面図である。 図2は、ショルダー部を示す拡大断面図である。 図3は、ショルダー部の輪郭を示す拡大断面図である。 図4は、ショルダー部の変形例を示す拡大断面図である。 図5は、比較例1のショルダー部を示す拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
本開示においては、タイヤを正規リムに組み、タイヤの内圧を正規内圧に調整し、このタイヤに荷重をかけない状態は、正規状態と称される。
本開示においては、特に言及がない限り、タイヤ各部の寸法及び角度は、正規状態で測定される。正規リムにタイヤを組んだ状態で測定できないタイヤの子午線断面における各部の寸法及び角度は、回転軸を含む平面に沿ってタイヤを切断することにより得られる、タイヤの断面において、左右のビード間の距離を、正規リムに組んだタイヤにおけるビード間の距離に一致させて、測定される。
正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
正規荷重とは、タイヤが依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最大負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
本開示において、生タイヤは未架橋状態のタイヤを意味する。生タイヤはローカバーとも称される。未架橋状態は未加硫状態とも称される。
本開示において、架橋ゴムとは、ゴム組成物を加圧及び加熱して得られるゴム組成物の成形体である。ゴム組成物は、バンバリーミキサー等の混錬機において、ゴム組成物の成分である基材ゴム及び薬品を混合することにより得られる未架橋状態のゴムである。架橋ゴムは加硫ゴムとも称され、ゴム組成物は未架橋ゴム又は未加硫ゴムとも称される。
基材ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)及びブチルゴム(IIR)が例示される。薬品としては、カーボンブラックやシリカのような補強剤、アロマチックオイル等のような可塑剤、酸化亜鉛等のような充填剤、ステアリン酸のような滑剤、老化防止剤、加工助剤、粘着付与剤、硫黄及び加硫促進剤が例示される。基材ゴム及び薬品の選定、選定した薬品の含有量等は、ゴム組成物が適用される、トレッド、サイドウォール等の各要素の仕様に応じて、適宜決められる。
本開示において、タイヤを構成する要素のうち、架橋ゴムからなる要素の温度30℃での損失正接(tanδとも称される。)は、JIS K6394の規定に準拠し、粘弾性スペクトロメータ((株)岩本製作所製の「VES」)を用いて下記の条件にて測定される。
初期歪み=10%
動歪み=2%
周波数=10Hz
変形モード=引張
この測定では、試験片はタイヤからサンプリングされる。タイヤから試験片をサンプリングできない場合には、測定対象の要素の形成に用いられるゴム組成物を170℃の温度で12分間加圧及び加熱して得られる、シート状の架橋ゴム(以下、ゴムシートとも称される。)から試験片がサンプリングされる。
本開示において、タイヤを構成する要素のうち、架橋ゴムからなる要素のためのゴム組成物のムーニー粘度(ML 1+4)は、JIS K 6300-1の規定に準じたムーニー粘度の測定方法に従い、100℃の温度条件にて、測定される。
本開示において、タイヤを構成する要素のうち、架橋ゴムからなる要素の粘着力は、JIS T 9233の規定に準拠し、東洋精機製作所社製のピクマタックテスタを用いて下記の条件にて測定される、上記要素のためのゴム組成物の粘着力で表される。
圧着荷重:4.9N
引きはがし速度:30mm/min
圧着時間:2.5秒
基準試料寸法:12.7mm×152mm
温度:23℃
湿度:55%
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ2の一部を示す。このタイヤ2は、乗用車用タイヤである。図1において、タイヤ2はリムRに組まれている。リムRは正規リムである。タイヤ2の内部には空気が充填され、タイヤ2の内圧が調整される。図1に示されたタイヤ2は正規状態にある。
リムRに組まれたタイヤ2は、タイヤ-リム組立体とも称される。タイヤ-リム組立体は、リムRと、このリムRに組まれたタイヤ2とを備える。
図1には、タイヤ2の回転軸(図示されず)を含む平面に沿った、タイヤ2の断面(以下、子午線断面とも称される。)の一部が示される。図1において、左右方向はタイヤ2の軸方向であり、上下方向はタイヤ2の径方向である。図1の紙面に対して垂直な方向は、タイヤ2の周方向である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表す。
図1において、符号PWで示される位置はタイヤ2の軸方向外端である。模様や文字等の装飾が外面にある場合、外端PWは、装飾がないと仮定して得られる仮想外面に基づいて特定される。
図1において、符号WAで示される長さはタイヤ2の最大幅、すなわち断面幅(JATMA等参照)である。断面幅WAは、一方の外端PWから他方の外端PWまでの軸方向距離である。外端PWは、このタイヤ2が最大幅を示す位置(以下、最大幅位置)である。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のクリンチ8、一対のビード10、カーカス12、ベルト14、バンド16、インナーライナー18、一対のクッション20、一対のインスレーション22及び一対の定着層24を備える。
トレッド4はその外面において路面と接地する。トレッド4には溝26が刻まれる。これにより、トレッドパターンが構成される。
溝26は、周方向に連続して延びる周方向溝28を含む。このタイヤ2では、軸方向に並列した複数本の周方向溝28がトレッド4に刻まれる。図1に示されたタイヤ2では、3本の周方向溝28がトレッド4に刻まれる。
3本の周方向溝28のうち、軸方向において外側に位置する周方向溝28がショルダー周方向溝28sである。軸方向において、ショルダー周方向溝28sの内側に位置する周方向溝28がミドル周方向溝28mである。このタイヤ2では、ミドル周方向溝28mが赤道面上に位置する。
このタイヤ2では、周方向溝28の溝深さは7.0mm以下である。言い換えれば、トレッド4に刻まれた周方向溝28はいずれも7.0mm以下の溝深さを有する。通常、周方向溝の溝深さは7.0mmを超えるので、このタイヤ2の周方向溝28は浅い。
浅い周方向溝28の採用は、薄いトレッド4の採用を可能とする。薄いトレッド4の採用により、トレッド4のボリュームが低減される。このトレッド4は、転がり抵抗の低減に貢献する。溝深さの下限は排水性や耐摩耗性を考慮して適宜決められる。
このタイヤ2では、トレッド4に刻まれる周方向溝28の配置や溝幅に特に制限はない。これらは、タイヤ2の仕様を考慮して適宜決められる。
トレッド4は、キャップ層30と、ベース層32とを備える。
キャップ層30はトレッド4の外面を形成する。キャップ層30は、耐摩耗性及びグリップ性能が考慮された架橋ゴムからなる。
キャップ層30の30℃での損失正接(以下、キャップ層30の損失正接)は0.30以下である。このキャップ層30では、耐摩耗性及びグリップ性能だけでなく低発熱化も考慮されている。キャップ層30は転がり抵抗の低減に貢献する。この観点から、キャップ層30の損失正接は0.21以下であることが好ましい。
ベース層32は、径方向においてキャップ層30の内側に位置する。ベース層32の端32eは軸方向においてキャップ層30の端30eの内側に位置する。このタイヤ2では、キャップ層30の端30eがトレッド4の端である。
ベース層32はキャップ層30で覆われる。詳細には、径方向において外側からベース層32全体がキャップ層30で覆われる。トレッド4が摩耗してベース層32が露出しない限り、ベース層32は路面と接地しない。ベース層32では、キャップ層30のように耐摩耗性及びグリップ性能は考慮されない。
ベース層32は低発熱性の架橋ゴムからなる。ベース層32の30℃での損失正接(以下、ベース層32の損失正接)はキャップ層30の損失正接よりも低い。ベース層32は転がり抵抗の低減に貢献する。この観点から、ベース層32の損失正接は0.11以下であることが好ましく、0.10以下であることがより好ましい。
このタイヤ2のベース層32は一の要素で構成される。ベース層32が軸方向に離して配置される2つ以上の要素で構成されてもよい。
このタイヤ2では、ベース層32の粘着力を100としたとき、キャップ層30の粘着力は56以上91以下である。キャップ層30はベース層32の粘着力より低い粘着力を有する。
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の端4eに連なる。サイドウォール6は、径方向においてトレッド4の内側に位置する。サイドウォール6は、トレッド4の端4eからクリンチ8に向かってカーカス12に沿って延びる。サイドウォール6は耐カット性を考慮した架橋ゴムからなる。
それぞれのクリンチ8は、径方向においてサイドウォール6の内側に位置する。クリンチ8はリムRと接触する。クリンチ8は耐摩耗性を考慮した架橋ゴムからなる。
それぞれのビード10は、軸方向においてクリンチ8の内側に位置する。ビード10は、径方向においてサイドウォール6の内側に位置する。ビード10は、コア34と、エイペックス36とを備える。コア34はスチール製のワイヤ(図示されず)を含む。エイペックス36は、径方向においてコア34の外側に位置する。エイペックス36は外向きに先細りである。エイペックス36は高い剛性を有する架橋ゴムからなる。
カーカス12は、トレッド4、一対のサイドウォール6及び一対のクリンチ8の内側に位置する。カーカス12は、一方のビード10と他方のビード10との間を架け渡す。カーカス12はラジアル構造を有する。
カーカス12は、少なくとも1枚のカーカスプライ38を含む。転がり抵抗の低減の観点から、カーカス12は1枚のカーカスプライ38で構成されるのが好ましい。このタイヤ2のカーカス12は1枚のカーカスプライ38からなる。カーカスプライ38は、軸方向において内側から外側に向かってそれぞれのビード10の周りで折り返される。
図示されないが、カーカスプライ38は並列した多数のカーカスコードを含む。これらカーカスコードはトッピングゴムで覆われる。それぞれのカーカスコードは、赤道面と交差する。カーカスコードは有機繊維からなるコードである。有機繊維としては、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト14は、径方向においてトレッド4とカーカス12との間に位置する。ベルト14はカーカス12に積層される。
図1において、符号WRで示される長さはベルト14の軸方向幅である。軸方向幅WRはベルト14の一方の端から他方の端までの軸方向距離である。このタイヤ2では、ベルト14の軸方向幅WRは、断面幅WAの65%以上85%以下である。
ベルト14は、径方向に積層された少なくとも2つの層40で構成される。このタイヤ2のベルト14は、径方向に積層された2つの層40からなる。2つの層40のうち、内側に位置する層40が内側層40aであり、外側に位置する層40が外側層40bである。図1に示されるように、内側層40aは外側層40bよりも幅広い。外側層40bの端から内側層40aの端までの長さは3mm以上10mm以下である。
図示されないが、内側層40a及び外側層40bはそれぞれ、並列した多数のベルトコードを含む。これらベルトコードはトッピングゴムで覆われる。それぞれのベルトコードは赤道面に対して傾斜する。ベルトコードの材質はスチールである。
バンド16は、径方向においてトレッド4とベルト14との間に位置する。バンド16はベルト14に積層される。
図示されないが、バンド16は、らせん状に巻かれたバンドコードを含む。バンドコードはトッピングゴムで覆われる。バンドコードは実質的に周方向に延びる。詳細には、バンドコードが周方向に対してなす角度は、5°以下である。バンド16はジョイントレス構造を有する。このタイヤ2では、有機繊維からなるコードがバンドコードとして用いられる。有機繊維としては、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエステル繊維及びアラミド繊維が例示される。
軸方向において、バンド16の端16eはベルト14の端14eの外側に位置する。ベルト14の端からバンド16の端までの長さは3mm以上7mm以下である。バンド16はベルト14の端14eを拘束する。
このタイヤ2のバンド16は両端が赤道面を挟んで相対するフルバンドである。バンド16はベルト14を覆う。詳細には、バンド16は、径方向において外側からベルト14全体を覆う。バンド16はベルト14全体を拘束する。このタイヤ2では、接地面の形状変化が抑えられる。
図示されないが、このバンド16が、軸方向に離して配置され、ベルト14の端14eの部分を覆うように構成された一対のエッジバンドであってもよい。この場合、このバンド16はタイヤ2の軽量化に貢献する。
トレッド4の剛性を高めるために、このバンド16がフルバンドと一対のエッジバンドとで構成されてもよい。
インナーライナー18はカーカス12の内側に位置する。インナーライナー18は、タイヤ2の内面を構成する。インナーライナー18は、気体透過係数が低い架橋ゴムからなる。インナーライナー18は、タイヤ2の内圧を保持する。
それぞれのクッション20は、軸方向において離して配置される。クッション20は、ベルト14及びバンド16の端と、カーカス12との間に位置する。クッション20は低い剛性を有する架橋ゴムからなる。このタイヤ2においてクッション20は必須の要素ではない。タイヤ2の仕様によってはこのクッション20は設けられなくてもよい。
それぞれのインスレーション22は、カーカス12とインナーライナー18との間に位置する。インスレーション22の一方の端(以下、第一端22a)は、軸方向においてベルト14の端14eの内側に位置する。インスレーション22の他方の端(以下、第二端22b)は、径方向においてビード10の外側に位置し、最大幅位置PWの内側に位置する。インスレーション22は接着性が考慮された架橋ゴムからなる。
このタイヤ2では、インスレーション22が設けられている部分においては、インスレーション22を介してインナーライナー18がカーカス12に接合される。一方のインスレーション22の第一端22aと他方のインスレーション22の第一端22aとの間の部分、及び、インスレーション22の第二端22bから内側部分のように、インスレーション22が設けられていない部分では、インナーライナー18は直接カーカス12に接合される。インナーライナー18全体がインスレーション22によってカーカス12に接合されてもよい。
それぞれの定着層24は、軸方向に離して配置される。定着層24は、タイヤ2のショルダー部Shに設けられる。ショルダー部Shとは、ベルト14の端14eのあたりからトレッド4の端4eのあたりまでの部分をいう。
定着層24は、粘着力が考慮された架橋ゴムからなる。
図2は、図1に示されたタイヤ2の断面の一部を示す。この図2には、タイヤ2のショルダー部Shが示される。
定着層24の第一端24aは、軸方向においてバンド16の端16eの内側に位置する。定着層24の第一端24aはバンド16に積層され、キャップ層30で覆われる。
定着層24の第二端24bは軸方向においてバンド16の端16eの外側に位置する。定着層24はバンド16の端16eを覆う。定着層24のうち、バンド16の端16eよりも外側の部分は、クッション20及びカーカス12に積層される。定着層24の第二端24bはカーカス12に積層される。
定着層24の第二端24bは軸方向においてトレッド4の端4eの外側に位置する。定着層24の第二端24bはカーカス12とサイドウォール6との間に挟まれる。定着層24のうち、トレッド4の端4eよりも内側の部分にはキャップ層30が積層される。定着層24の第二端24bが、軸方向においてトレッド4の端4eの内側に位置していてもよい。
図3には、子午線断面におけるタイヤ2のショルダー部Shの輪郭が示される。図3に示される輪郭は、正規状態のタイヤ2の外面形状を変位センサーで計測することで得られる。
子午線断面において、タイヤ2の外面(以下、タイヤ外面TS)の輪郭は、直線又は円弧からなる複数の輪郭線をつないで構成される。本開示において、直線又は円弧からなる輪郭線は単に輪郭線と称される。直線からなる輪郭線は直線輪郭線と称され、円弧からなる輪郭線は曲線輪郭線と称される。
タイヤ外面TSは、トレッド面Tと、トレッド面Tの端に連なる一対のサイド面Sとを備える。子午線断面において、トレッド面Tの輪郭には、異なる半径を有する複数の曲線輪郭線が含まれる。このタイヤ2では、トレッド面Tの輪郭に含まれる複数の曲線輪郭線のうち、最小の半径を有する曲線輪郭線が、トレッド面Tの端の部分に位置し、サイド面Sに繋がる。子午線断面において、タイヤ外面TSの輪郭は、トレッド面Tの端の部分に、トレッド面Tの輪郭に含まれる複数の曲線輪郭線のうち、最小の半径を有する円弧からなり、サイド面Sに繋がる曲線輪郭線である、曲線部を含む。図3には、この曲線部が符号RSで示される。
タイヤ外面TSの輪郭において、曲線部RSは、その軸方向内側に隣接する輪郭線(以下、内側隣接輪郭線NT)と接点CTにおいて接する。この曲線部RSは、その軸方向外側に隣接するサイド面Sの輪郭を構成する輪郭線(以下、外側隣接輪郭線NS)と接点CSにおいて接する。このタイヤ外面TSの輪郭は、曲線部RSの軸方向内側に位置しこの曲線部RSに接する内側隣接輪郭線NTと、曲線部RSの軸方向外側に位置しこの曲線部RSに接する外側隣接輪郭線NSとを含む。
図3において、実線LTは、内側隣接輪郭線NTと曲線部RSとの接点CTにおける、曲線部RSの接線である。実線LSは、外側隣接輪郭線NSと曲線部RSとの接点CSにおける、曲線部RSの接線である。符号PTで示される位置は、接線LTと接線LSとの交点を通り径方向に延びる直線とトレッド面Tとの交点である。このタイヤ2では、この交点PTがトレッドの基準端である。トレッド基準端PTは、接線LTと接線LSとの交点に対応するトレッド面T上の位置である。
図1において、両矢印WTで示される長さはトレッド幅である。トレッド幅WTは、一方のトレッド基準端PTから他方のトレッド基準端PTまでの軸方向距離である。このタイヤ2では、トレッド幅WTの、断面幅WAに対する比率(WT/WA)は70%以上90%以下である。
このタイヤ2では、ベルト14の端14eは軸方向においてトレッド基準端PTの内側に位置する。バンド16の端16eの位置は、軸方向において、トレッド基準端PTの位置とほぼ一致する。トレッド4の端4eは、軸方向において、トレッド基準端PTの外側に位置する。
図示されないが、タイヤ2は生タイヤをモールド内で加圧及び加熱することで得られる。タイヤ2の製造では生タイヤが準備される。生タイヤの準備では、例えば、ベース層32のためのゴム組成物を所望の形状に成形することで、未架橋ベース層が形成される。キャップ層30のためのゴム組成物を所望の形状に成形することで、未架橋キャップ層が形成される。未架橋ベース層、未架橋キャップ層等の未架橋要素を組み合わせて、生タイヤが得られる。未架橋要素の組み合わせでは、未架橋要素が有する粘着力が利用される。
低発熱性のゴムは発熱性のゴムに比べて粘着性に劣る。前述したように、このタイヤ2のキャップ層30には低発熱化が考慮されている。キャップ層30の粘着力は低く、タイヤ2のショルダー部Shに相当する部分においてカーカス12は大きく湾曲するので、未架橋キャップ層が未架橋カーカスから剥がれることが懸念される。未架橋キャップ層が未架橋カーカスから剥がれた場合、生タイヤにエアが残存する恐れがある。
エアの残存はベア等の原因になることから、高い粘着力を有する定着層24を、キャップ層30とベース層32との間、そしてキャップ層30とカーカス12との間に挟むことで、生タイヤにおける未架橋キャップ層の未架橋カーカスからの剥がれを防止することが検討されている。
ところで、前述したように、転がり抵抗の低減の観点から、このタイヤ2では、薄いトレッド4が採用される。ベース層32を覆うキャップ層30も従来のキャップ層に比べて薄いため、未架橋キャップ層の未架橋カーカスからの剥がれを防止するために前述の技術を適用すると、ショルダー部Shにおいてキャップ層30の厚さを十分に確保することができない。そのため、ショルダー部Shが路面と接地する限界走行において、ベース層32が露出することが懸念される。ベース層32はキャップ層30に比べて脆いため、ベース層32が露出するとトレッド4が剥離する恐れがある。
従来タイヤにおいても、ベース層はキャップ層で覆われるが、ベース層の端は軸方向においてトレッド基準端の外側に位置する。これに対して、このタイヤ2では、ベース層32の端32eは、軸方向において、トレッド基準端PTの内側に位置する。言い換えれば、ベース層32は、軸方向において、トレッド基準端PTの内側に位置する。
このタイヤ2では、ショルダー部Shにおけるキャップ層30は、従来タイヤのショルダー部におけるキャップ層よりも厚い。ショルダー部Shにおいて、タイヤ外面TSとベース層32との間に十分な厚さを有するキャップ層30が構成される。ショルダー部Shが路面と接地する限界走行において、ベース層32が露出することが防止される。
このタイヤ2では、限界走行での耐摩耗性が確保される。
このタイヤ2のベース層32は、従来タイヤのベース層に比べて小さなボリュームを有する。そのため、転がり抵抗の増加が懸念される。
しかし前述したように、このタイヤ2のトレッド4は薄い。ベース層32のボリュームが従来タイヤのそれに比べて小さいにもかかわらず、このタイヤ2は転がり抵抗の低減を達成できる。
さらにこのタイヤ2では、径方向において、キャップ層30とカーカス12との間に定着層24が位置する。軸方向において、定着層24の第一端24aはベース層32の端32eの外側に位置する。図4に示されるように、軸方向において、定着層24の第一端24aの位置がベース層32の端32eの位置と一致していてもよい。
このタイヤ2では、定着層24の粘着力はキャップ層30の粘着力よりも高い。
このタイヤ2の製造では、未架橋キャップ層は未架橋定着層を介して未架橋カーカスと十分に接着する。未架橋キャップ層の、未架橋カーカスからの剥がれが防止されるので、生タイヤにエアが残存することが防止される。
このタイヤ2の製造では、高品質なタイヤ2が安定に製造される。言い換えれば、限界走行での耐摩耗性を確保しながら、転がり抵抗の低減を達成できる、タイヤ2が、安定に製造される。
図2において、符号aで示される長さは、トレッド基準端PTからベース層32の端32eまでの距離である。この距離aは軸方向距離で表される。軸方向においてベース層32の端32eがトレッド基準端PTの外側に位置する場合、この距離aは負の数で表される。
このタイヤ2では、トレッド基準端PTからベース層32の端32eまでの距離aは5mm以上15mm以下であることが好ましい。
距離aが5mm以上に設定されることにより、ショルダー部Shにおいてキャップ層30の厚さが確保される。このタイヤ2では、限界走行において、ベース層32が露出することが防止される。この観点から、距離aは7mm以上であることがより好ましく、9mm以上であることがさらに好ましい。
距離aが15mm以下に設定されることにより、ベース層32のボリュームが確保される。このタイヤ2では、ベース層32が転がり抵抗の低減に効果的に貢献できる。この観点から、距離aは13mm以下であることがより好ましく、11mm以下であることがさらに好ましい。
図2において、符号bで示される長さは、定着層24の第一端24aからベース層32の端32eまでの距離である。この距離bは最短距離で表される。軸方向において定着層24の第一端24aがベース層32の端32eの内側に位置する場合、この距離bは負の数で表される。
このタイヤ2では、定着層24の第一端24aからベース層32の端32eまでの距離bは5mm以下であることが好ましい。
距離bが5mm以下に設定されることにより、適正な大きさを有する定着層24が構成される。この定着層24は、ショルダー部Shにおけるキャップ層30のカーカス12からの剥離の防止に効果的に貢献できる。この観点から、距離bは3mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることがさらに好ましい。
定着層24の第一端24aが軸方向においてベース層32の端32eの内側に位置する場合、定着層24がベース層32と重複する部分において薄いキャップ層30が構成されるとともに、定着層24のボリュームが増大する。薄いキャップ層30は限界走行での耐摩耗性を低下させ、大きなボリュームを有する定着層24は転がり抵抗を増大させる恐れがある。限界走行での耐摩耗性を確保しながら転がり抵抗の低減を達成できるタイヤ2を安定に製造できる観点から、図4に示されるように、軸方向において、定着層24の第一端の位置がベース層32の端の位置と一致するのがより好ましい。
図2において、符号cで示される長さは、キャップ層30の端30eから定着層24の第二端24bまでの距離である。この距離cは最短距離で表される。この距離cは、図2に示されるように、軸方向において定着層24の第二端24bがキャップ層30の端30eの外側に位置する場合、正の数で表される。図示されないが、軸方向において定着層24の第二端24bがキャップ層30の端30eの内側に位置する場合、この距離cは負の数で表される。
このタイヤ2では、キャップ層30の端30eから内側に5mm離れた位置から外側に10mm離れた位置までのゾーンに、定着層24の第二端24bが位置するのが好ましい。言い換えれば、キャップ層30の端30eから定着層24の第二端24bまでの距離cは-5mm以上10mm以下であることが好ましい。
距離cが-5mm以上に設定されることにより、適正な大きさを有する定着層24が構成される。ショルダー部Shにおける未架橋キャップ層の未架橋カーカスからの剥離が防止されるので、タイヤ2が安定に製造される。この観点から、距離cは0mm以上がより好ましい。言い換えれば、軸方向において、定着層24の第二端24bの位置がキャップ層30の端30eの位置と一致する、又は、定着層24の第二端24bがキャップ層30の端30eの外側に位置するのがより好ましい。
距離cが10mm以下に設定されることにより、定着層24のボリュームが適切に維持される。このタイヤ2では、定着層24に起因する転がり抵抗の増大が抑制される。この観点から、距離cは5mm以下であることがより好ましい。
このタイヤ2では、定着層24は一様な厚さで構成される。この定着層24の厚さは0.5mm以上2.0mm以下であることが好ましい。
この厚さが0.5mm以上に設定されることにより、未架橋状態において定着層24の剛性が適切に維持される。未架橋定着層が、未架橋キャップ層の未架橋カーカスからの剥離防止に効果的に貢献できる。この観点から、定着層24の厚さは1.0mm以上であることがより好ましい。
この厚さが2.0mm以下に設定されることにより、定着層24に起因する転がり抵抗の増大が抑制される。この観点から、この厚さは1.5mm以下であることがより好ましい。
このタイヤ2では、定着層24のためのゴム組成物のムーニー粘度(ML 1+4)は45以上80以下であることが好ましい。
ムーニー粘度(ML 1+4)が45以上に設定されることにより、未架橋状態において定着層24の剛性が適切に維持される。未架橋定着層が、未架橋キャップ層の未架橋カーカスからの剥離防止に効果的に貢献できる。この観点から、ムーニー粘度(ML 1+4)は60以上であることがより好ましい。
ムーニー粘度(ML 1+4)が80以下に設定されることにより、定着層24の良好な粘着性が維持される。この場合においても、未架橋定着層が、未架橋キャップ層の未架橋カーカスからの剥離防止に効果的に貢献できる。
前述したように、このタイヤ2では、定着層24の粘着力はキャップ層30の粘着力よりも高い。具体的には、定着層24の粘着力の、キャップ層30の粘着力に対する比は、1.30以上であることが好ましい。これにより、未架橋定着層が、未架橋キャップ層の未架橋カーカスからの剥離防止に効果的に貢献できる。この観点から、この比は1.50以上であることがより好ましい。この比は高いほど好ましいので、この比の好ましい上限は設定されない。
このタイヤ2では、定着層24はカーカス12とも接合する。未架橋キャップ層の未架橋カーカスからの剥離が効果的に防止される観点から、定着層24は、カーカス12のトッピングゴムの粘着力よりも高い粘着力を有するのが好ましい。具体的には、定着層24の粘着力の、トッピングゴムの粘着力に対する比は、1.10以上であることが好ましく、1.20以上であることがより好ましい。この比は高いほど好ましいので、この比の好ましい上限は設定されない。
以上説明したように、本発明によれば、限界走行での耐摩耗性を確保しながら、転がり抵抗の低減を達成できる、タイヤ2が得られる。
以下、実施例などにより、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記の表1に示された仕様を備えた乗用車用の空気入りタイヤ(タイヤサイズ=205/55R16 91V)を得た。
トレッドの基準端PTからベース層の端までの距離aは10mmであった。定着層の第一端からベース層の端までの距離bは0mmであった。図4に示されるように、軸方向において定着層の第一端の位置はベース層の端の位置と一致させた。キャップ層の端から定着層の第二端までの距離cは5mmであった。
この実施例1では、ミドル周方向溝の溝深さは6.7mmであった。キャップ層の30℃での損失正接は0.21であった。ベース層の30℃での損失正接は0.10であった。
ベース層の粘着力を100としたとき、キャップ層の粘着力は70であり、カーカスのトッピングゴムの粘着力は96であり、定着層の粘着力は122であった。
定着層の粘着力Yのキャップ層の粘着力Xに対する比(Y/X)は1.74であった。
[比較例1]
ショルダー部を図5に示された構成とした他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを得た。
この比較例1では、距離aは-5mm、距離bは-10mm、距離cは10mmであった。ミドル周方向溝の溝深さは7.7mmであった。
[比較例2]
ミドル周方向溝の溝深さを6.7mmとしてトレッドを薄くした他は比較例1と同様にして、比較例2のタイヤを得た。
[実施例2-3]
距離aを下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2-3のタイヤを得た。
[実施例4及び比較例3]
距離bを下記の表1及び2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例4及び比較例3のタイヤを得た。
[実施例5-7]
距離cを下記の表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例5-7のタイヤを得た。
[実施例8及び比較例4]
定着層の粘着力を変えて比(Y/X)を下記の表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例8及び比較例3のタイヤを得た。
[剥離の発生状況]
生タイヤを100本製作し、トレッドの端付近にエアの残存が発生しているかを目視で確認した。エアの残存を確認しなかった生タイヤの本数を計測し、良品率を算出した。その結果が、比較例1を100とした指数で下記の表1-2に示されている。数値が大きいほど、剥離が防止されている。この評価では、指数が90以上であれば、剥離の発生頻度は低いとして許容される。
[転がり抵抗係数(RRC)]
転がり抵抗試験機を用い、試作タイヤが下記の条件でドラム上を速度80km/hで走行するときの転がり抵抗係数(RRC)を測定した。その結果が比較例1を100とした指数で下記の表1-2に示されている。数値が大きいほど、タイヤの転がり抵抗は低い。この評価では、指数が90以上であれば、転がり抵抗の増加は抑えられているとして許容される。
リム:16×6.5J
内圧:210kPa
縦荷重:4.82kN
[限界走行]
試作タイヤをリム(サイズ=16×6.5J)に組み、空気を充填してタイヤの内圧を230kPaに調整した。タイヤを試験車両(乗用車(排気量=1300cc))に装着した。ドライ路面のサーキットコースで試験車両を限界速度で走行させた。トレッドに剥離が生じるまでの走行距離を計測した。その結果が比較例1を100とした指数で下記の表1-2に示されている。数値が大きいほど、限界走行での耐摩耗性が確保されている。
[総合評価]
各評価において得た指数の合計値に基づいて総合評価を行った。その結果が、下記の表1-2の「総合」の欄に示されている。この数値が大きいほど、好ましい。
Figure 2023031458000002
Figure 2023031458000003
表1-2に示されるように、実施例では、転がり抵抗の大幅な増加を伴うことなく、制動性能の向上を達成できることが確認されている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された、転がり抵抗の大幅な増加を伴うことなく、制動性能の向上を達成できる技術は種々のタイヤにも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
10・・・ビード
12・・・カーカス
14・・・ベルト
16・・・バンド
18・・・インナーライナー
22・・・インスレーション
24・・・定着層
28・・・周方向溝
30・・・キャップ層
32・・・ベース層

Claims (8)

  1. トレッドと、前記トレッドの端に連なり径方向において前記トレッドの内側に位置する一対のサイドウォールと、径方向において前記サイドウォールの内側に位置する一対のビードと、前記トレッド及び前記一対のサイドウォールの内側に位置し、一方のビードと他方のビードとの間を架け渡すカーカスと、径方向において前記トレッドと前記カーカスとの間に位置し、並列した多数のベルトコードを含むベルトと、前記カーカスの内側に位置するインナーライナーと、軸方向に離して配置される一対の定着層と、を備え、
    前記トレッドに周方向溝が刻まれ、前記周方向溝の溝深さが7.0mm以下であり、
    前記トレッドが、キャップ層と、前記キャップ層で覆われるベース層とを備え、
    前記キャップ層の30℃での損失正接が0.30以下であり、前記ベース層の30℃での損失正接が前記キャップ層の30℃での損失正接よりも低く、
    前記ベース層が、軸方向において、前記トレッドの基準端の内側に位置し、
    前記定着層がそれぞれ、径方向において、前記キャップ層と前記カーカスとの間に位置し、
    軸方向において、前記定着層の第一端が前記ベース層の端の外側に位置する、又は、前記定着層の第一端の位置が前記ベース層の端の位置と一致し、
    前記定着層の粘着力が前記キャップ層の粘着力よりも高い、
    タイヤ。
  2. 前記トレッドの基準端から前記ベース層の端までの距離が5mm以上15mm以下である、
    請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記定着層の第一端から前記ベース層の端までの距離が5mm以下である、
    請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 軸方向において、前記定着層の第一端の位置が前記ベース層の端の位置と一致する、
    請求項3に記載のタイヤ。
  5. 前記キャップ層の端から内側に5mm離れた位置から外側に10mm離れた位置までのゾーンに、前記定着層の第二端が位置する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のタイヤ。
  6. 軸方向において、前記定着層の第二端の位置が前記キャップ層の端の位置と一致する、又は、前記定着層の第二端が前記キャップ層の端の外側に位置し、前記キャップ層の端から前記定着層の第二端までの距離が5mm以下である、
    請求項5に記載のタイヤ。
  7. 径方向において、前記トレッドと前記ベルトとの間に位置し、らせん状に巻かれたバンドコードを含むバンドを備え、
    前記バンドが赤道面を挟んで両端が相対するフルバンドである、
    請求項1から6のいずれか一項に記載のタイヤ。
  8. 前記カーカスと前記インナーライナーとの間に位置する、一対のインスレーションを備え、
    軸方向において、それぞれの前記インスレーションの第一端が前記ベルトの端の内側に位置し、
    径方向において、それぞれの前記インスレーションの第二端が前記ビードの外側に位置する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載のタイヤ。
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