JP2023028438A - セメント混和材およびセメント組成物 - Google Patents

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Shinya Ito
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Abstract

【課題】コンクリートの打設から表面の仕上げまでの時間の短縮が可能であり、かつ中性化抵抗性が維持されるセメント混和材及びセメント組成物を提供すること。【解決手段】非水硬性化合物を含む中性化抑制成分と、硬化促進成分とを含有してなるセメント混和材であって、前記中性化抑制成分中のLiの含有率が酸化物換算で0.001~1.0質量%であり、前記非水硬性化合物が、γ-2CaO・SiO2、3CaO・2SiO2、α-CaO・SiO2、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とするセメント混和材である。【選択図】なし

Description

本発明は、主に、土木・建築業界において使用されるセメント混和材及びセメント組成物に関する。
コンクリート工では、コンクリートを打設した後、表面仕上げを行う。この表面仕上げの良否はコンクリートのひび割れや強度に影響し、最終的にはコンクリート構造物の耐久性にまで影響する。コンクリートの表面仕上げとしては、金属ゴテや木ゴテやプラスティック製のコテや硬質ゴム製のコテ等で平滑にするコテ仕上げ、表面仕上げ用のバイブレータ等で平滑にするバイブレータ仕上げ等が挙げられるが、主にコテを用いて行われる。
このコテ等による表面仕上げについて、最終の表面仕上げ作業の開始時はブリーディングが引き始めた時機が最適な時期とされており、その時機までは作業を行えない。その時機はコンクリートの凝結始発時間の直前であるため、特に外気温の低い寒冷期におけるコンクリート打設では、何時間もの間、左官職人が待機しているのが現状である。この待機時間が、作業効率の低下を招き、ひいては、労働生産性の低下を招来している。
したがって、労働生産性向上の観点から、コンクリートの打設から表面の仕上げまでの時間の短縮が求められている。
具体的には、コンクリートの凝結硬化を促進して凝結始発までの待機時間を短縮する目的で、凝結促進剤をコンクリートに添加する方法、例えば、硫酸アルミニウムを添加する方法等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8-48553号公報
上述の特許文献1に記載される凝結促進剤は、コンクリートの凝結硬化を促進して凝結始発までの待機時間を短くする効果を有する一方で、中性化抵抗性を低下させる場合があり、凝結促進剤を混和しない場合と比較して、中性化抵抗性が劣るという問題があった。特に、薄部材などの建築部材では、中性化による劣化が懸念され、対策が求められていた。
そこで、本発明は、コンクリートの打設から表面の仕上げまでの時間の短縮が可能であり、かつ中性化抵抗性が維持されるセメント混和材及びセメント組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、種々の努力を重ねた結果、特定の中性化抑制成分と特定の硬化促進成分を含有してなるセメント混和材によって、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]非水硬性化合物を含む中性化抑制成分と、硬化促進成分とを含有してなるセメント混和材であって、前記中性化抑制成分中のLiの含有率が酸化物換算で0.001~1.0質量%であり、前記非水硬性化合物が、γ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とするセメント混和材。
[2]前記中性化抑制成分の化学組成が、中性化抑制成分の全量100質量部に対して、LiOを0.001~1.0質量部、CaOを45~70質量部、SiOを29~54質量部、Alを0~10質量部含む上記[1]に記載のセメント混和材。
[3]前記硬化促進成分が、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムを除く硫酸塩、硝酸塩、及びギ酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上と、流動調整剤を含む上記[1]又は[2]に記載のセメント混和材。
[4]セメントと上記[1]~[3]のいずれかに記載のセメント混和材とを含有してなるセメント組成物。
本発明によれば、コンクリートの打設から表面の仕上げまでの時間の短縮が可能であり、かつ中性化抵抗性が維持されるセメント混和材及びセメント組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書における部や%は特に規定しない限り質量基準である。
[セメント混和材]
本発明のセメント混和材は、非水硬性化合物を含む中性化抑制成分と、硬化促進成分とを含有してなる。
<中性化抑制成分>
本発明における中性化抑制成分は、中性化抑制成分中のLiの含有率が酸化物換算で0.001~1.0質量%であり、非水硬性化合物を含み、該非水硬性化合物としては、γ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上を含む。
また、上記化合物に加えて、本発明の効果を阻害しない範囲で、β型やα型のダイカルシウムシリケート2CaO・SiO、トライカルシウムシリケート3CaO・SiO、β型のワラストナイト(β-CaO・SiO)等のカルシウムシリケート、12CaO・7Al、11CaO・7Al・CaF、3CaO・Al等のカルシウムアルミネート、ゲーレナイト2CaO・Al・SiO、アノーサイトCaO・Al・2SiO等のカルシウムアルミノシリケート、アケルマナイト2CaO・MgO・2SiOとゲーレナイト2CaO・Al・SiOの混晶であるメリライト、遊離石灰、遊離マグネシア、カルシウムフェライト2CaO・Fe、カルシウムアルミノフェライト4CaO・Al・Fe、リューサイト(KO、NaO)・Al・SiO、スピネルMgO・Al、及びマグネタイトFe等を添加することができる。
中性化抑制成分の化学組成は、中性化抑制成分の全量100質量部に対して、LiOを0.001~1.0質量部、CaOを45~70質量部、SiOを29~54質量部、Alを0~10質量部含むことが好ましい。上記範囲であることで、中性化の抑制が効果的に行える。
特にLiOの含有量は本発明の中性化抑制成分においては、極めて重要であり、LiOが0.001質量部未満であると、中性化抵抗性が低下し、また1.0質量部を超えても中性化抵抗性が低下する。なお、LiOの含有量は、凝結、強度、膨張率への影響はほとんどない。
LiOの含有量が0.001~1.0質量部の範囲であると中性化抵抗性が向上するメカニズムについては、明らかではないが、ケイ酸カルシウム水和物が炭酸化される過程で、炭酸カルシウムの1種であるバテライトの生成が促進され、それによってより緻密な硬化状態が得られると推察される。一方、LiOの含有量が上記範囲外であると、バテライトの生成量が下がることがわかっており、緻密化が効果的に寄与せず、中性化抵抗性が低下すると考えている。
<硬化促進成分>
本発明における硬化促進成分としては、セメントを硬化させ得るものであれば特に限定されないが、硫酸アルミニウム、硫酸塩(硫酸アルミニウムを除く)、硝酸塩、及びギ酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましい。
また、本発明においては、硬化促進成分中にさらに流動調整剤を含むことが好ましい。
<<硫酸アルミニウム>>
硫酸アルミニウムは、一般式Al(SO・nHO(n=0~18)で表され、無水硫酸アルミニウム、及び様々な数の結晶水の硫酸アルミニウムが存在するが、本発明ではいずれのものも使用可能である。
また、硫酸アルミニウムは、粉末状のもの、又は、水に溶解して液状としたものがあり、いずれも使用可能である。
<<硫酸塩>>
硫酸塩としては、例えば、硫酸のアルカリ金属塩、硫酸のアルカリ土類金属塩等が挙げられ、より具体的には、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
中でも、硫酸リチウム、硫酸ナトリウムが好ましい。なお、硫酸ナトリウムの無水物は、空気中の水分を吸湿する乾燥剤としての役割も有するので、貯蔵時の安定性にも寄与するので好ましい。
また、硫酸カルシウム、及び硫酸マグネシウムも好ましく、特に、硫酸カルシウムが好ましい。なお、カルシウムの硫酸塩には結晶水の有無で、無水物、半水物、2水物があるが、いずれも使用できる。
<<硝酸塩>>
硝酸塩としては、例えば、硝酸のアルカリ金属塩、硝酸のアルカリ土類金属塩等が挙げられ、より具体的には、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム等が挙げられる。中でも、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウムが好ましく、特に硝酸カルシウムが好ましい。硝酸塩は、1種又は2種以上を併用して使用してもよい。
<<ギ酸塩>>
ギ酸塩としては、例えば、ギ酸のアルカリ金属塩、ギ酸のアルカリ土類金属塩等が挙げられ、より具体的には、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸カルシウム、ギ酸マグネシウム等が挙げられる。中でも、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウムが好ましく、特にギ酸カルシウムが好ましい。ギ酸塩は、1種又は2種以上を併用して使用してもよい。
硫酸アルミニウム、硫酸塩、硝酸塩、及びギ酸塩(以下、「硫酸アルミニウム等」と称することがある。)の硬化促進成分中の含有量としては、70質量%以上であることが好ましい。硫酸アルミニウム等の含有量が70質量%以上であると、本発明の効果を十分に発揮することができる。上限値に関しては、特に制限はない。
なお、硫酸アルミニウム、硫酸塩、硝酸塩、及びギ酸塩のうち、硫酸アルミニウムが最も好ましく、硬化促進成分として、硫酸アルミニウムが100質量%であってもよい。
本発明で使用する硫酸アルミニウム等は、固体で使用する場合には、その平均粒径は、通常、500μm以下が好ましく、325μm以下がより好ましい。硫酸アルミニウムの平均粒径が500μm以下であると、コテ仕上げ性が良好となり、コテ仕上げ後のブリーディングが収まりやすくなる。
<<流動調整剤>>
本発明に使用される流動調整剤とは、硫酸アルミニウム等の急激な凝結・硬化作用をある程度緩慢にすることでコンクリートの適切な流動性を維持しながら均一な凝結・硬化を実現し、コンクリート打設からコテ仕上げが可能となる時間までの短縮を可能とする混和剤をいう。
流動調整剤としては、メラミン系化合物、オキシカルボン酸、及びオキシカルボン酸塩の少なくともいずれかであることが好ましい。
メラミン系化合物としては粉末のメラミン系化合物が好ましく、メチロールメラミン縮合物、メラミンスルホン酸塩、メラミンスルホン酸塩ホルマリン縮合物等が挙げられる。具体的には、日本シーカ(株)製の製品名「シーカメントFF」等が使用可能である。
オキシカルボン酸としては、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等が挙げられ、また、オキシカルボン酸塩としては、上記オキシカルボン酸の塩等が挙げられる。これらは1種類のみ、又は2種類以上を混和させてもよい。
上記の中で特に、メラミン系化合物は、セメント粒子の表面に付着することで、コンクリートに分散性を付与する材料であり、硫酸アルミニウム等とセメント組成物との混合性が良好になり、本発明の効果がより発揮されやすくなる。
したがって、流動調整剤としてはメラミン系化合物が好ましいが、コテ仕上げが可能となるまでの時間の短縮効果の観点からは、メラミン系化合物とオキシカルボン酸及び/又はオキシカルボン酸塩との混合物が好ましい。このときのメラミン系化合物とオキシカルボン酸及び/又はオキシカルボン酸塩との質量比は、[メラミン系化合物]:[オキシカルボン酸及び/又はオキシカルボン酸塩]=40:60~95:5であることが好ましく、80:20~90:10であることがより好ましい。
また、メラミン系化合物と組み合わせるオキシカルボン酸としては、本発明の効果をより高める観点から、酒石酸であることが好ましい。
流動調整剤の硬化促進成分中の含有割合は、5~30質量%の範囲であることが好ましい。流動調整剤の含有割合がこの範囲内であると、セメント組成物の硬化時間が適切となり、高い労働生産性が得られる。以上の観点から、流動調整剤の含有割合は、5~15質量%の範囲であることがさらに好ましい。
なお、コンクリートの打ち込み直後からコテ仕上げが可能となるまでの時間は、環境温度5℃において8時間以下、環境温度20℃において4時間以下であることが好ましい。環境温度5℃において8時間以下、環境温度20℃において4時間以下であることで、良好なコテ仕上げ表面を確保できるとともに、コンクリート打設からコテ仕上げが可能となるまでの時間を短縮することができる。
<中性化抑制成分と硬化促進成分の比率>
中性化抑制成分と硬化促進成分の比率については、両成分の効果を奏する範囲であれば、特に限定されないが、両成分の効果をバランスよく発揮させるとの観点から、中性化抑制成分/硬化抑制成分の比率(質量比)として、30/70~70/30の範囲であることが好ましく、40/60~60/40の範囲であることがさらに好ましい。
[セメント組成物]
本発明のセメント組成物は、セメントと上述のセメント混和材とを含有してなる。セメント混和材の含有量としては、セメント100質量部に対して、0.1~10質量部の範囲であることが好ましく、0.2~5.0質量部の範囲であることがより好ましく、0.3~3.0質量部の範囲であることがさらに好ましく、0.3~2.5質量部の範囲であることが特に好ましい。
なお、本発明におけるセメント組成物とは、セメント、セメントペースト、モルタル、及びコンクリート、コンクリート組成物を総称するものである。
<セメント>
本発明で使用するセメントは、特に限定されるものではなく、普通、早強、超早強、低熱および中庸熱等の各種セメント、これらのセメントに、高炉スラグやフライアッシュやシリカフュームなどを混合した各種混合セメント、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰を原料として製造された環境調和型セメント(エコセメント)、市販されている微粒子セメントなどが挙げられ、各種セメントや各種混合セメントを微粉末化して使用することも可能である。また、通常セメントに使用されている成分(例えば石膏等)量を増減して調整されたものも使用可能である。
本発明では、水和熱、乾燥収縮、充填性の観点から、普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントを選定することが好ましい。
本発明で使用するセメントは、製造コストや強度発現性の観点から、セメントのブレーン比表面積値は、2,500cm/g以上7,000cm/g以下であることが好ましく、2,750cm/g以上6,000cm/g以下であることがより好ましく、3,000cm/g以上4,500cm/g以下であることがさらに好ましい。
ブレーン比表面積値は、JIS R 5201(セメントの物理試験方法)に準拠して求められる。
以下、本発明の実験例に基づいて、本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[評価方法]
(1)凝結始発時間
JIS A 1147:2007に準拠して測定した。
(2)圧縮強度
JIS A 1108:2018に準拠して測定した。なお、測定は、蒸気養生した後、気中で1日、および28日間養生後に行った。
(3)促進中性化
蒸気養生後、材齢28日まで20℃水中養生を施した後、30℃・相対湿度60%・炭酸ガス濃度5%の環境で材齢13週まで促進中性化を行い、コンクリートの割裂断面にフェノールフタレイン1%アルコール溶液を塗布して中性化深さを確認した。
実験例1(No.1-1~1-6)
(1)中性化抑制材の作製
試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の二酸化ケイ素とをモル比2:1で混合し、さらに混合物に対してLiの含有量が酸化物(LiO)換算で0.1質量%(内割置換)となるように試薬1級の炭酸リチウムを混合し、1,400℃で2時間熱処理し、室温まで放置して、ブレーン比表面積が4,000cm/gの中性化抑制材(Li含有γ-2CaO・SiO)を作製した。
(2)硬化促進材の作製
試薬の無水硫酸アルミニウム85質量部に、流動調整剤としてメラミン系化合物12質量部とオキシカルボン酸3質量部を配合したものを傾胴ミキサーにて15分間混合し、作製した。
(3)セメント混和材の調製
中性化抑制成分として、上記中性化抑制材を用い、硬化促進成分として上記硬化促進材を用いて、中性化抑制成分/硬化促進成分の比率(質量比)が50/50のセメント混和材、及び中性化抑制成分/硬化促進成分の比率が0/100のセメント混和材を調製した。
(4)コンクリート組成物の調製
水150kg/m、セメント350kg/m、細骨材824kg/m、及び粗骨材1018kg/mを配合し、これに上記セメント混和材をセメント100質量部に対して、表1に示すように、それぞれ0質量部、0.5質量部、2.0質量部、3.0質量部配合し、強制二軸ミキサーを用いて混合して、コンクリート組成物を得た。上記方法にて評価した結果を表1に示す。なお、配合の際の温度は10℃とし、20℃で材齢28日まで水中養生した後、各種測定を行った。
<使用材料>
・セメント:市販の普通ポルトランドセメント 密度3.14g/cm
・水:水道水
・細骨材:新潟県糸魚川市姫川水系川砂、密度2.62g/cm、最大粒径5mm
・粗骨材:新潟県糸魚川市姫川水系川砂利、密度2.64g/cm、最大粒径25mm
Figure 2023028438000001
実験例2(No.2-1~2-6)
(1)中性化抑制材の作製
試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の二酸化ケイ素とをモル比2:1で混合し、さらに混合物に対してLiの含有量が酸化物(LiO)換算で0.0005%、0.002%、0.15%、0.9%、1.0%、1.1%(それぞれ内割置換)となるように試薬1級の炭酸リチウムを混合し、1,400℃で2時間熱処理し、室温まで放置して、ブレーン比表面積が4,000cm/gの中性化抑制材を作製した。
(2)硬化促進材の作製
実験例1と同様である。
(3)セメント混和材の調製
実験例1と同様である。
(4)コンクリート組成物の調製
水150kg/m、セメント350kg/m、細骨材824kg/m、及び粗骨材1018kg/mを配合し、これにLi含有量の異なる上記セメント混和材を、それぞれセメント100質量部に対して、30質量部配合して、コンクリート組成物を得た。上記方法にて評価した結果を表2に示す。なお、コンクリート組成物の調製方法、養生の条件は実施例1と同様とした。
Figure 2023028438000002
表1の結果から、本発明のセメント混和材を用いたセメント組成物は、凝結始発時間が短く、労働生産性を向上させることができることがわかる。また、中性化深さの値が小さく、良好な中性化抵抗性を示すことがわかる。さらに、セメント混和材の含有量を調整することで、圧縮強度を高く維持することもできる。
さらに、表2の結果から、リチウムの含有量が適切な範囲であることによって、極めて良好な中性化抵抗性を示し、凝結始発時間、圧縮強度ともに良好な値を維持することがわかる。
本発明のセメント混和材及び該セメント混和材を用いたセメント組成物によれば、コンクリートの打設から表面の仕上げまでの時間の短縮が可能であり、かつ中性化抵抗性が高い水準で維持される。すなわち、本発明によれば、高い労働生産性と耐久性向上の両立を図ることができる。

Claims (4)

  1. 非水硬性化合物を含む中性化抑制成分と、硬化促進成分とを含有してなるセメント混和材であって、前記中性化抑制成分中のLiの含有率が酸化物換算で0.001~1.0質量%であり、前記非水硬性化合物が、γ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO、及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とするセメント混和材。
  2. 前記中性化抑制成分の化学組成が、中性化抑制成分の全量100質量部に対して、LiOを0.001~1.0質量部、CaOを45~70質量部、SiOを29~54質量部、Alを0~10質量部含む請求項1に記載のセメント混和材。
  3. 前記硬化促進成分が、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムを除く硫酸塩、硝酸塩、及びギ酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上と、流動調整剤を含む請求項1又は2に記載のセメント混和材。
  4. セメントと請求項1~3のいずれか1項に記載のセメント混和材とを含有してなるセメント組成物。
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