JP2023027789A - 射出成形機の逆流防止装置 - Google Patents

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Yuichiro Arima
昭男 岡本
Akio Okamoto
裕一郎 福田
Yuichiro Fukuda
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Abstract

Figure 2023027789000001
【課題】チェックリング内の溶融樹脂の滞留を抑制することができる、射出成形機の逆流防止装置を提供することを目的とする。
【解決手段】螺旋状のフライト15を有するスクリュ13の先端に配置され、溶融樹脂が通過する流路の開閉を行う射出成形機の逆流防止装置20において、逆流防止装置20は、リアシート21と、小径部と大径部からなるスクリュヘッド25と、前記大径部とリアシート21の間を摺動可能なチェックリング23と、を備え、前記小径部の外周面に、リアシート21から前記大径部に向かって連続する螺旋状の凸部25Fを設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、射出シリンダ内のスクリュの先端に配置され、溶融樹脂が通過する流路の開閉を行う射出成形機の逆流防止装置に関する。
樹脂材料を用いた射出成形機による射出成形は、以下の手順で行われる。先ず、材料供給装置を用いて射出シリンダ内に樹脂材料を供給する。供給された樹脂材料は、螺旋状のフライトを設けたスクリュの回転運動によるせん断発熱と、射出シリンダに設けたヒータ等の熱量によって、可塑化され溶融樹脂となってスクリュ先端の射出シリンダ内に貯蔵される(計量工程)。次いで、スクリュを前進動作させて、射出シリンダ内に貯蔵される溶融樹脂を金型キャビティ内へ射出充填する(射出工程)。溶融樹脂の冷却固化に伴う固化収縮を補う保圧充填(保圧工程)と、金型キャビティ内で冷却保持(冷却工程)を経て、型開して金型キャビティから成形品を取り出す。この一連の成形動作を必要な成形品の個数を得るまで繰り返す。
射出成形機のスクリュの先端には、溶融樹脂が通過する流路を開閉する逆流防止装置が設けられている。この逆流防止装置は、計量工程において流路が開放され、スクリュで可塑化された溶融樹脂をスクリュ前方へ輸送され溶融樹脂が貯蔵される。また、射出工程において流路が閉鎖され、貯蔵された溶融樹脂を適量に射出充填することができる。一般的に、リング状の逆流防止リング(チェックリング)を備え、逆流防止リングの前後進動作により溶融樹脂の流路の開閉を行う逆流防止装置が広く採用されている。また、逆流防止リングの内周面とスクリュヘッドの小径部の外周面との間に流路が形成される(以後は、チェックリング内流路という)。
ここで、射出成形は、1台の射出成形機で多数の樹脂材料が使われることが多い。例えば、自動車内装部品のように、ポリプロピレン(PP)樹脂やポリエチレン(PE)樹脂等の熱可塑性樹脂に、黒や赤や青等の着色剤を添加して部品の色調を調整する。この場合、生産計画に基づいて着色剤の交換が頻繁に行われる。また、部品の用途に基づいて、例えば、可塑剤や難燃剤等の添加剤が樹脂材料に添加される。また、ポリプロピレン(PP)樹脂やポリエチレン(PE)樹脂等の熱可塑性樹脂が、製品の用途に応じて使い分けられ、添加剤や樹脂材料の種類が変わる度に交換を必要とする。ここでは、樹脂材料と添加剤を合わせて樹脂材料といい、樹脂材料の交換を樹脂替えという。
そのために、樹脂替えの作業効率の改善が強く望まれる。樹脂替えの作業後に射出装置を開放点検して、樹脂材料が多く残っている部位を観察する研究が報告されている。これによると、チェックリング内流路に比較的多く樹脂材料が残っていることが確認された。仮に、この状態で射出成形を行うと、チェックリング内流路に残った樹脂材料が新たな樹脂材料と混ざって射出充填される。その結果、本来の樹脂材料とは異なる性質の樹脂材料が成形品に混ざり、成形品の物性等が大きく変化して、製品として使用できないという成形不良が生じる(色混り不良又は色残り不良、総称して樹脂替え不良という)。この樹脂替え不良を改善するために、樹脂替え作業回数を増やして樹脂材料を大量に消費したり、高価な洗浄剤を大量に用いたりすることになる。
そこで、逆流防止装置のチェックリング内流路の樹脂替えの作業効率を高める提案がされている。例えば、特許文献1に示すような、チェックリング流路内のスクリュヘッドの軸部に複数の突起を配置した逆流防止装置が提案されている。また、特許文献2に示すような、チェックリング内流路のチェックリング内周面に複数の螺旋状の突起物を配置した逆流防止装置が提案されている。また、特許文献3に示すような、スクリュヘッド外周面に螺旋状の溝部を設け、この溝部とチェックリング内流路の出口を滑らかに接続した逆流防止装置が提案されている。
特開平2-63538号公報 特開平4-86233号公報 特開平9-70863号公報
先ず、射出シリンダの内部が観察できる可視化装置を用いて、樹脂替え作業時の溶融樹脂の流れを解析し、流動が淀んで樹脂材料が滞留しやすい箇所の評価を行った。その結果、樹脂替え作業後に射出装置を開放点検して観察した結果と同様に、チェックリング内流路に、樹脂材料が多く滞留することが確認できた。これに対して、スクリュには樹脂材料の滞留がほとんど確認されなかった。これは、スクリュ外周面と射出シリンダの内周面の間の流路(スクリュ流路という)に設けられた、スクリュ全域にわたって連続した螺旋状のフライトによる効果と推測される。つまり、この螺旋状のフライトは、樹脂材料の前方輸送と混錬作用を備えており、スクリュ流路内の溶融樹脂に攪拌流動が加わり、流動の淀みが解消された結果と考えられる。スクリュ流路と比較して、チェックリング内流路はフライトも無く滑らかな形状であるので、スクリュ流路のような攪拌流動は生じず、樹脂材料が滞留したものと考えるのが妥当である。
ここで、特許文献1に示す手段は、チェックリング及びスクリュヘッドの軸部にランダムに配置された複数の独立した凹凸を設けるパターンと、スクリュヘッドの軸部に非連続の螺旋状の突起を設けるパターンが示されている。これらは、いずれもチェックリング内流路で溶融樹脂の混錬性を高めることが目的であって、溶融樹脂の前方輸送に関しては全く期待できない構成であることは明白である。従って、特許文献1においては、樹脂替えの作業効率の改善は期待できず、逆に樹脂材料の滞留が懸念される。
また、特許文献2に示す手段は、チェックリングの内周面に連続した螺旋状の突起を設けることが示されている。この突起で、射出開始時にスクリュ前方の溶融樹脂の樹脂圧を受けて、チェックリングは速やかに後退して流路が直ちに閉鎖されるとしている。しかしながら、例えば螺旋状の突起を回転させて攪拌流動を発生させることや、螺旋状の突起が樹脂替え作業に与える改善効果等については全く記載されていない。仮に、螺旋状の突起の回転による樹脂替えの作業効率の改善に効果を示すとしても、チェックリングが回転しなければ攪拌流動は発生せず、チェックリングは必ず回転するものと限定される。なお、突起を利用して、計量時の樹脂材料の混錬性を高めることが記載されており、特許文献1と同様に、樹脂材料の滞留が懸念される。
また、特許文献3に示す手段は、スクリュヘッドに螺旋状の溝を複数設け、スクリュの回転動作を利用して、この溝から溶融樹脂を積極的に前方へ排出させて、樹脂替えの作業効率の改善ができるとされている。しかしながら、樹脂材料の滞留が最も大きいチェックリング内流路に関しては、流路の出口を滑らかに接続する以外は何も工夫がされていない。そのため、チェックリング内流路の溶融樹脂の攪拌流動は全く発生せず、樹脂替えの作業効率の改善は期待できない。
そこで本発明は、チェックリング内の溶融樹脂の滞留を抑制することができる、射出成形機の逆流防止装置を提供することを目的とする。
本発明の射出成形機の逆流防止装置は、螺旋状のフライトを有するスクリュの先端に配置され、溶融樹脂が通過する流路の開閉を行う射出成形機の逆流防止装置において、前記逆流防止装置は、リアシートと、小径部と大径部からなるスクリュヘッドと、前記スクリュヘッドの前記小径部に配置され、前記スクリュヘッドの前記大径部と前記リアシートの間を摺動可能なチェックリングと、を備え、前記小径部の外周面に、前記リアシートから前記大径部に向かって連続する螺旋状の凸部を設ける、ことを特徴とする。
本発明の射出成形機の逆流防止装置において、前記凸部の螺旋方向は前記フライトの螺旋方向と同じ、または前記フライトの螺旋角度よりも大きい、ことが好ましい。
本発明によれば、チェックリング内の溶融樹脂の滞留を抑制することができ、これにより、樹脂替えの作業効率を改善し、樹脂替え作業に使用する樹脂材料及び洗浄剤の消費量を抑制し、さらに計量時間の短縮効果を得る、射出成形機の逆流防止装置を提供することができる。
本発明に係る射出成形機の概念図である。 本発明に係る逆流防止装置の詳細図である。 図2の逆流防止装置を用いた樹脂材料の流動を模式的に示す図である。 樹脂替え作業を示すフロー図である。 従来の逆流防止装置の詳細図である。 従来の逆流防止装置を用いた樹脂材料の流動を模式的に示す図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが、各請求項に係る発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、本実施形態においては、各構成要素の尺度や寸法が誇張されて示されている場合や、一部の構成要素が省略されている場合がある。
[射出成形機]
先ず、本実施形態に係る射出成形機について、図1を用いて説明する。図1は射出成形機の概念図を示す。なお、以下の説明では、本実施形態に係る射出成形機として、横型のインライン式射出成形機をベースとしたが、これに限定されるものではない。
図1に示す射出成形機100は、射出装置10と、射出制御部40と、射出制御部40の制御指令に基づいて射出装置10を駆動する射出駆動部30と、射出成形金型50と、を備える。
射出成形金型50は、固定金型51と可動金型53が図示しない型締装置に支持され、可動金型53と固定金型51を型締して金型キャビティ55が形成される。
射出装置10は、円筒状の射出シリンダ11と、射出シリンダ11内に配置され、軸を中心に回転動作と軸方向に前後進動作するスクリュ13と、スクリュ13の先端に配置される逆流防止装置20と、を備える。射出装置10により、金型キャビティ55に向けて溶融樹脂を射出充填することで樹脂成形品が射出成形される。
射出シリンダ11は、外周面に複数のヒータ16が所定の間隔で配置され、図示しない温度調節装置によりヒータ16を温度制御して、射出シリンダ11を所定の温度に管理する。このヒータ16による温度管理は、後述する計量工程において、供給された樹脂材料の予熱と、可塑化時の樹脂材料への熱量付与と、可塑化された溶融樹脂の温度管理に利用される。射出シリンダ11と金型キャビティ55は、シリンダヘッド18とノズル19と、図示しないランナ回路を介して接続される。また、射出シリンダ11には、金型キャビティ55と反対の位置に材料ホッパ17を備え、図示しない材料供給装置等により樹脂材料を材料ホッパ17から射出シリンダ11内に供給する。
スクリュ13は、射出シリンダ11内に配置され、射出駆動部30と連結し、射出駆動部30により回転動作と前後進動作を射出シリンダ11内で行う。ここで、スクリュ13の動作に関して、金型キャビティ55に近い方向を前方F、前方Fへの動作を前進動作、金型キャビティ55から離れる方向を後方B、後方Bの動作を後退動作と定義する。また、スクリュ13には、後方Bから前方Fに向かって螺旋状のフライト15を備えている。射出駆動部30によるスクリュ13の回転動作の回転方向に対して、材料ホッパ17から供給した樹脂材料や溶融樹脂等を前方Fへ回転輸送できるように、フライト15の螺旋状の向きと角度を設定する。なお、図1に示すように、フライト15は一定の間隔で一定の角度で1条の配置としたが、これに限定されることなく、例えば、間隔や角度を可変してもよく、複数条の配列としても良い。あるいは、スクリュ13の一部の範囲のみフライト15を複数条の配列としても良い。
また、スクリュ13は、円柱形状であるが、後方Bから前方Fに向かって円柱の直径が段階的に大きくなるように設定されている。つまり、スクリュ13と射出シリンダ11との隙間の容積が、後方Bから前方Fに向かって段階的に小さくなるように設定する。これにより、材料ホッパ17から供給された樹脂材料は、スクリュ13とフライト15の回転動作により前方輸送され、容積の縮小により圧縮作用とせん断作用によるせん断発熱が樹脂材料に作用し、ヒータ16からの熱量付与の相乗効果により、樹脂材料は段階的に溶融化し、スクリュ13の前方Fに向かって溶融樹脂が生成され、スクリュ13の前方Fに溶融樹脂が貯蔵される。なお、スクリュ13の段階的な容積の減少は、後方Bから順に、輸送ゾーン、圧縮ゾーン、溶融ゾーン、と呼ばれる。また、樹脂材料の溶融化を可塑化といい、溶融樹脂の貯蔵を計量工程といい、スクリュ13を前進動作させて金型キャビティ55内に貯蔵した溶融樹脂の射出充填を射出工程という。
[逆流防止装置]
次に、本発明に係る射出成形機の逆流防止装置について、図2を用いて説明する。図2は、逆流防止装置20の詳細図を示す。
図2に示す逆流防止装置20は、射出シリンダ11内のスクリュ13の先端に配置され、前方Fに向かって順に、リアシート21と、チェックリング23と、スクリュヘッド25と、を備える。スクリュヘッド25は、図示しないネジ部によりスクリュ13と一体に結合される。リアシート21は、スクリュヘッド25とスクリュ13に挟まれるように、スクリュ13の先端にスクリュヘッド25と一体に固定される。
チェックリング23は、スクリュヘッド25の小径部25Zに配置され、リアシート21とスクリュヘッド25の大径部25Dとの間を摺動可能なリング形状である。チェックリング23の内周面23Nとスクリュヘッド25の小径部25Zの外周面25Gとの間に、溶融樹脂が通過する流路23Rが形成されている。チェックリング23とリアシート21の当接によって流路23Rが閉鎖され、チェックリング23とリアシート21の離間によって流路23Rが開放される。なお、図2に示すチェックリング23は、スクリュ13の回転動作と連動しない非回転式チェックリングとしたが、これに限定されることなく、例えば、チェックリング23に爪部を設け、爪部をスクリュヘッド25の溝部に引っ掛けて、スクリュ13の回転動作と連動して回転する回転式チェクリングとしても良い。また、チェックリング23の内周面23Nは、凹凸の無い滑らかな形状とすることが好ましい。
スクリュヘッド25は、小径部25Zと大径部25Dとで構成され、スクリュ13と一体で回転動作及び前後進動作する。大径部25Dには出口流路25Rが形成され、流路23Rの開放時において、出口流路25Rから前方F側に溶融樹脂が流動する。
ここで、小径部25Zの外周面25Gには、リアシート21から大径部25Dに向かって連続する螺旋状の凸部25Fを設けることを特徴とする。さらに、凸部25Fの螺旋角度25Kは、スクリュ13のフライト15の螺旋角度15Kより大きいことを特徴とする(25K>15K)。あるいは、両者の螺旋角度は同等以上とすることが好ましい(25K≧15K)。また、この凸部25Fは、スクリュ13の回転動作において、流路23R内の溶融樹脂を前方F側に回転輸送することができる螺旋方向とする。なお、図2に示すように、凸部25Fは一定の間隔で一定の角度で1条の配置としたが、これに限定されることなく、例えば、間隔や角度を可変してもよく、複数条の配列としても良い。あるいは、スクリュ13の一部の範囲のみ凸部25Fを複数条の配列としても良い。
ここで、射出成形では、製品の用途や要求特性に応じて、1台の射出成形機で多くの種類の樹脂材料が使われる。例えば、自動車内装部品のように、ポリプロピレン(PP)樹脂やポリエチレン(PE)樹脂等の熱可塑性樹脂に、黒や赤や青等の着色剤を添加して部品の色調を調整することが一般的であり、頻繁に樹脂替えが行われる。その他に、樹脂材料の柔軟性を与える可塑剤、結晶性樹脂に対して結晶化度を制御する核剤や透明化剤、燃焼を抑制する難燃剤、静電気の帯電を抑制する帯電防止剤、樹脂材料の流動性や離型性を改善する滑剤、紫外線による劣化を抑制する対候剤や紫外線劣化防止剤、ガラス繊維や炭素繊維等の強化剤等の各種の添加剤が適宜選択され、その都度、樹脂替えが行われる。また、ポリプロピレン(PP)樹脂やポリエチレン(PE)樹脂等の汎用樹脂、ポリアミド(PA)樹脂やポリカーボネイト(PC)樹脂等のエンジニアリング樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等の超エンジニアリング樹脂等の熱可塑性樹脂が適宜選択される。従って、樹脂材料と添加剤を合わせた樹脂材料が、樹脂替えの前後で混ざることがない、正確で、且つ、作業効率のよい樹脂替えが強く望まれる。
次に、図4を用いて樹脂替え作業を説明する。樹脂替え作業は、大きく4種類に分類される。なお、図4に示す4種類以外の樹脂替え作業であっても良く、4種類を組合せて樹脂替え作業を行っても良い。
樹脂替え作業Aは、それまで射出成形していた樹脂材料Yの供給を停止し、射出装置10を所定位置に後退させて、樹脂替え作業を行う。予め射出制御部40で設定された樹脂替え条件に基づいて、計量動作と射出動作を繰り返す。射出装置10から樹脂材料Yの排出完了を目視等で確認後、樹脂材料を切り替えて、次の射出成形に使用する樹脂材料Zの供給を行う。その後、同じく計量動作と射出動作を繰り返して、樹脂材料Zへの樹脂替えの完了を目視等で確認して樹脂替え作業を終える。
樹脂替え作業Bは、例えば市販されているスクリュ洗浄等の洗浄剤を用いるパターンである。なお、図4では樹脂材料Yの排出に洗浄剤を用いたが、樹脂材料Zの樹脂替えに洗浄剤を併用しても良い。なお、洗浄剤が残存しないように注意する必要がある。また、樹脂替え作業Cは、例えばスクリュ13を射出シリンダ11の前方F側に固定して、その位置でスクリュを連続回転させるイントルージョン計量手段を用いた樹脂替えを行う方法である。上記の樹脂替え作業A~Cは、射出成形を一時中断して、溶融樹脂を団子状に容器等に排出する。これに対して、樹脂替え作業Dは、樹脂材料Yの供給を停止し、樹脂材料Zの供給を開始して、射出成形を停止せずに連続成形を継続して樹脂替えを行う。この場合、樹脂替え途中の成形品は、粉砕して再利用することもできる。
先ず、従来の逆流防止装置を用いた樹脂替え作業時の溶融樹脂の流動について、図5と図6を用いて説明する。図5は従来の逆流防止装置20Zの詳細図を示し、図6は射出シリンダ11内が観察できる可視化装置を用いて、樹脂替え作業時の溶融樹脂の流れを解析した結果を模式的に示した図である。
図5に示す逆流防止装置20Zの、スクリュヘッド29の小径部29Zの外周面29G、とチェックリング28の内周面28Nで囲まれた流路28Rは、凹凸の無い平滑な形状である。流路28Rは、大径部29Dの出口流路29Rと接続する。また、図6に示すように、流路28R内の溶融樹脂は、流路28Rの中心部の流速が最も速く、外周面29Gと内周面28Nに向かって流速は徐々に遅くなり、粘性流体に類似した攪拌の少ない溶融樹脂の流動29Sを示した。さらに、溶融樹脂の流速が最も遅い内周面28Nと外周面29Gに接している箇所に、樹脂材料の滞留層(28B、29B)が確認された。この滞留層(28B、29B)が樹脂替えの作業効率を大きく低下させる原因であると確認できた。
これに対して、図2に示す逆流防止装置20を用いた樹脂替え作業時の溶融樹脂の流動について、図3を用いて説明する。図3は、図6と同様に、射出シリンダ11内が観察できる可視化装置を用いて、樹脂替え作業時の溶融樹脂の流れを解析した結果を模式的に示したものである。その結果、上記の樹脂替え作業A~Dのいずれにおいても、スクリュ13の回転動作と連動してスクリュヘッド25の凸部25Fも回転動作する。この凸部25Fの回転動作によって、図3に示すように流路23Rの溶融樹脂には、攪拌作用の強い回転流動が生じる(攪拌流動25Mという)。この攪拌流動25Mは、小径部25Zの外周面25Gと、チェックリング23の内周面23Nと凸部25Fとで囲まれた流路23Rの全域において発生し、溶融樹脂の滞留の発生の抑制効果を得る。また、リアシート21からスクリュヘッド25の大径部25Dの流路出口25Rに向かって連続する螺旋状の凸部25Fは、溶融樹脂を前方F側に強制的に流動させて、流路23R内から積極的に溶融樹脂を排出することができる。また、洗浄剤を用いた樹脂替え作業では、樹脂材料と粘度や流動性及び溶解性等が全く異なるので、洗浄剤が流路23R内に残りやすい(洗浄剤残り不良という)。前述した攪拌流動25Mにより、洗浄剤残りも掻き出すことができる。これらによって、樹脂替えの作業効率は大きく改善される。
また、凸部25Fの螺旋方向とスクリュ13のフライト15の螺旋方向は同じであり、出口流路25Rまで連続した螺旋状の凸部25Fの回転動作により、溶融樹脂の前方F側への輸送能力が助長される。この輸送能力の助長により、計量工程の溶融樹脂の前方F側への貯蔵効率が高まり、計量時間の短縮が図れる。また、凸部25Fの螺旋角度は、スクリュ13のフライト15の螺旋角度と同じ、または前記フライトの螺旋角度より大きいので、スクリュ13で回転輸送された溶融樹脂は、さらに凸部25で前方F側への溶融樹脂の輸送が助長され、流路23R内での溶融樹脂はスムーズに前方F側へ流動し、計量時間の短縮に大きく貢献する。この計量時間の短縮により、生産性の改善効果を得る。
ここで、スクリュ13の回転動作による凸部25Fの回転周速は、チェックリング23の内周面23Nに近づくほど大きくなり、これに伴い溶融樹脂の回転流動もチェックリング23の内周面23Nに近づくほど激しくなる。これにより、仮にスクリュヘッド25の小径部25Zの外周面25Gに溶融樹脂の滞留が発生したとしても、チェックリング23の内周面23Nの方向に飛ばされ、凸部25Fの角部23Pで掻き出すことができ、樹脂材料の滞留は発生しない。また、チェックリング23の内周面23Nに溶融樹脂の滞留が発生したとしても、激しい攪拌龍朗25Mと凸部25Fの角部23Pで掻き取ることができ、樹脂材料の滞留は発生しない。これに対して、特許文献2に示すようにチェックリングの内周面側に螺旋状の突起を設けた場合、突起と突起に挟まれた溝底に溶融樹脂が押し付けられ、流動が停止または大きく減速され、樹脂材料の淀みが発生することが考えらえる。このことから、螺旋状の凸部25Fは、スクリュヘッド25の小径部25Z側に設けるのが正しいと評価される。
このように、図2に示すような逆流防止装置20を用いることにより、流路23R内の溶融樹脂は、図3に示すような強い攪拌流動が発生する。この攪拌流動により、樹脂替えの作業効率は大きく改善され、それによって、樹脂替え作業に使用する樹脂材料や洗浄剤の消費量を抑制できる。さらに、計量時間の短縮効果も得ることができ、生産性の改善効果と生産コストの低減効果を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に記載された範囲には限定されない。上記の実施形態には多様な変更または改良を加えることが可能である。
10 射出装置
11 射出シリンダ
13 スクリュ
15 フライト
15K 螺旋角度
16 ヒータ
17 材料ホッパ
18 シリンダヘッド
19 ノズル
20 逆流防止装置
21 リアシート
23 チェックリング
23N 内周面
23P 角部
23R 流路
25 スクリュヘッド
25Z 小径部
25G 外周面
25R 出口流路
25D 大径部
25F 凸部
25K 螺旋角度
25M 攪拌流動
30 射出駆動部
40 射出制御部
50 射出成形金型
51 固定金型
53 可動金型
55 金型キャビティ
100 射出成形機

Claims (2)

  1. 螺旋状のフライトを有するスクリュの先端に配置され、溶融樹脂が通過する流路の開閉を行う射出成形機の逆流防止装置において、
    前記逆流防止装置は、リアシートと、小径部と大径部からなるスクリュヘッドと、前記スクリュヘッドの前記小径部に配置され、前記スクリュヘッドの前記大径部と前記リアシートの間を摺動可能なチェックリングと、を備え、
    前記小径部の外周面に、前記リアシートから前記大径部に向かって連続する螺旋状の凸部を設ける、ことを特徴とする射出成形機の逆流防止装置。
  2. 前記凸部の螺旋方向は前記フライトの螺旋方向と同じであり、前記凸部の螺旋角度は前記フライトの螺旋角度と同じ、または前記フライトの螺旋角度より大きい、請求項1記載の射出成形機の逆流防止装置。
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