JP2023027715A - 医薬組成物、及び貼付剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】エステル型局所麻酔薬の加水分解物の生成を抑制すること。【解決手段】(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩と、(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルと、を含むことを特徴とする医薬組成物である。【選択図】なし
Description
本発明は、医薬組成物、及び貼付剤に関する。
皮膚に適用する局所麻酔製剤は、注射針や静脈留置針の穿刺、皮膚小手術などの医療処置時に生じる疼痛を軽減させる目的で広く使用されている。例えば欧米では、テトラカインを有効成分としたゲル剤(商品名:AMETOP(R))が市販されている。しかし、ゲル剤は使用後に拭き取りの必要があることから、医療現場では簡便に扱える製剤の開発が求められている。そこで、貼付剤を利用することが考えられる。
例えば、特許文献1には、テトラカイン含有貼付剤が開示されており、熱可塑性エラストマー、高級脂肪酸エステル、及び多価アルコールの脂肪酸モノエステルを添加剤として使用することで、前記貼付剤が医薬品として実用的な皮膚透過性、凝集力、粘着力を示すことが開示されている。
例えば、特許文献1には、テトラカイン含有貼付剤が開示されており、熱可塑性エラストマー、高級脂肪酸エステル、及び多価アルコールの脂肪酸モノエステルを添加剤として使用することで、前記貼付剤が医薬品として実用的な皮膚透過性、凝集力、粘着力を示すことが開示されている。
テトラカインのようなエステル型局所麻酔薬は、皮膚から体内に入って薬効を示した後、エステラーゼ等の酵素や水と反応して加水分解されて消失する。
しかしながら、前記加水分解が速すぎると、エステル型局所麻酔薬が十分な麻酔の強さが得られなかったり、麻酔効果の持続時間が不十分となったりするという問題がある。
しかしながら、前記加水分解が速すぎると、エステル型局所麻酔薬が十分な麻酔の強さが得られなかったり、麻酔効果の持続時間が不十分となったりするという問題がある。
そこで、発明者らが鋭意検討した結果、エステル型局所麻酔薬を含有した組成物に脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルを添加すれば、エステル型局所麻酔薬の加水分解物の生成を抑制できることを見出した。
本発明者らが、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩と、(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルと、を含むことを特徴とする医薬組成物により、エステル型局所麻酔薬の加水分解物の生成を抑制できることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下のとおりである。即ち、
<1> (a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩と、(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルと、を含むことを特徴とする医薬組成物である。
<1> (a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩と、(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルと、を含むことを特徴とする医薬組成物である。
本発明によると、エステル型局所麻酔薬の加水分解物の生成を抑制することができる。
(医薬組成物)
前記医薬組成物は、(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩と、(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルと、を含み、さらにその他の成分(A)を含むことができる。
前記医薬組成物は、(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩と、(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルと、を含み、さらにその他の成分(A)を含むことができる。
<(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩>
前記エステル型局所麻酔薬とは、芳香環、エステル基、及び炭素数が2以上の炭化水素鎖を含むものをいう。前記炭素数が2以上の炭化水素鎖は、第3級アミンを含むアルキル鎖であっても良い。
前記エステル型局所麻酔薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラカイン、プロカイン、クロロプロカイン、ベンゾカイン、コカインなどが挙げられる。
これらの中でも、テトラカインが好ましい。
これらの中でも、テトラカインが好ましい。
前記薬学的に許容される塩としては、特に限定されず、無機塩であっても有機塩であってもよい。
前記無機塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩などが挙げられ、前記有機酸塩としては、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩などが挙げられる。
これらの中でも、入手性の観点から塩酸線が好ましい。
前記無機塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩などが挙げられ、前記有機酸塩としては、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩などが挙げられる。
これらの中でも、入手性の観点から塩酸線が好ましい。
前記(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩は、吸水して水和物となったり、精製処理で用いる溶媒と溶媒和物を形成したりする可能性があり、また、複数の結晶多型を有する可能性がある。本発明では、このような水和物や溶媒和物、結晶多型も含まれる。
前記医薬組成物における前記(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の含有量、即ち、前記医薬組成物の構成成分の合計100質量%に占める前記(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩が、析出することなく、医薬組成物中に均一に保持される観点から、下限値は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上がさらに好ましく、2質量%以上が特に好ましく、上限値は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
<(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステル>
前記脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カプリロカプロイルマクロゴール-8 グリセリド、リノレオイルマクロゴール-6 グリセリド、オレオイルマクロゴール-6 グリセリド、ラウロイルマクロゴール-6 グリセリドなどが挙げられる。
これらの中でも、カプリロカプロイルマクロゴール-8 グリセリド、又はリノレオイルマクロゴール-6 グリセリドが好ましく、カプリロカプロイルマクロゴール-8 グリセリドがより好ましい。
前記脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カプリロカプロイルマクロゴール-8 グリセリド、リノレオイルマクロゴール-6 グリセリド、オレオイルマクロゴール-6 グリセリド、ラウロイルマクロゴール-6 グリセリドなどが挙げられる。
これらの中でも、カプリロカプロイルマクロゴール-8 グリセリド、又はリノレオイルマクロゴール-6 グリセリドが好ましく、カプリロカプロイルマクロゴール-8 グリセリドがより好ましい。
前記カプリロカプロイルマクロゴール-8 グリセリドの市販品としては、例えば、Gattefosse社製「LABRASOL」などが挙げられる。
前記リノレオイルマクロゴール-6 グリセリドの市販品としては、例えば、Gattefosse社製「LABRAFIL M 1944CS」などが挙げられる。
前記オレオイルマクロゴール-6 グリセリドの市販品としては、例えば、Gattefosse社製「LABRAFIL M 2125CS」などが挙げられる。
前記ラウロイルマクロゴール-6 グリセリドの市販品としては、例えば、Gattefosse社製「LABRAFIL M 2130CS」などが挙げられる。
前記リノレオイルマクロゴール-6 グリセリドの市販品としては、例えば、Gattefosse社製「LABRAFIL M 1944CS」などが挙げられる。
前記オレオイルマクロゴール-6 グリセリドの市販品としては、例えば、Gattefosse社製「LABRAFIL M 2125CS」などが挙げられる。
前記ラウロイルマクロゴール-6 グリセリドの市販品としては、例えば、Gattefosse社製「LABRAFIL M 2130CS」などが挙げられる。
前記医薬組成物における前記(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルの含有量、即ち、前記医薬組成物の構成成分の合計100質量%に占める(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルの割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、エステル型局所麻酔薬の分解抑制効率を高める観点から、下限値は、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、1質量%以上が特に好ましく、医薬組成物の形状維持性を高める観点、又は貼付剤の凝集力を高める観点から、上限値は、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下が特に好ましい。
<その他の成分(A)>
前記医薬組成物における、前記その他の成分(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、甘味剤、香料、流動化剤、着色剤、安定化剤、pH調整剤、コーティング剤などが挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上混合して使用してもよい。
前記医薬組成物における、前記その他の成分(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、甘味剤、香料、流動化剤、着色剤、安定化剤、pH調整剤、コーティング剤などが挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上混合して使用してもよい。
(貼付剤)
前記貼付剤は、前記医薬組成物を含み、さらにその他の成分(B)を含むことができる。
前記医薬組成物は、上述のとおりである。
前記貼付剤は、上記各構成成分の混合物であり、製造時に使用した溶媒は、前記貼付剤の構成成分の合計100質量%に対し0.5質量%以下が好ましく、0質量%がより好ましい。
前記貼付剤は、前記医薬組成物を含み、さらにその他の成分(B)を含むことができる。
前記医薬組成物は、上述のとおりである。
前記貼付剤は、上記各構成成分の混合物であり、製造時に使用した溶媒は、前記貼付剤の構成成分の合計100質量%に対し0.5質量%以下が好ましく、0質量%がより好ましい。
前記貼付剤における前記(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の含有量、即ち、前記貼付剤の構成成分の合計100質量%に占める前記(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩が、析出することなく、貼付剤中に均一に保持される観点から、下限値は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上がさらに好ましく、2質量%以上が特に好ましく、上限値は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
<その他の成分(B)>
前記貼付剤における、前記その他の成分(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基材ポリマー、可塑剤、溶解剤/吸収促進剤、解塩剤、軟化剤、吸着剤、粘着付与剤、抗酸化剤などが挙げられる。
前記貼付剤における、前記その他の成分(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基材ポリマー、可塑剤、溶解剤/吸収促進剤、解塩剤、軟化剤、吸着剤、粘着付与剤、抗酸化剤などが挙げられる。
-基材ポリマー-
前記基剤ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性エラストマーや熱硬化性エラストマーなどが挙げられる。
前記熱可塑性エラストマーとは、熱を加えると軟化して流動性を示し、冷却すればゴム状弾性体に戻る熱可塑性を示すエラストマーであり、ウレタンエラストマー、アクリルエラストマー、スチレンエラストマー、オレフィンエラストマー、シリコーンエラストマーなど、各種の熱可塑性エラストマーが知られている。
前記熱硬化性エラストマーとは、熱を加えても軟化することのない、比較的耐熱性が高いエラストマーであり、アクリルエラストマー、シリコーンエラストマーや、天然ゴムなど、各種の熱硬化性エラストマーが知られている。
なお、前記各種のエラストマーには、その誘導体が含まれる。
これらの中でも、貼付剤の製造効率を高める観点(熱を加えると軟化して流動性を示すことから、混合効率が上がる)、及び貼付剤の粘着力や凝集力を大きく損なわずに、前記有機酸、前記アミド類、前記アルコール類、前記エステル類、前記エーテル類などの添加剤を配合できる観点から、熱可塑性エラストマーが好ましく、スチレン系の熱可塑性エラストマーがより好ましく、スチレン系ブロック共重合体がさらに好ましい。
前記基剤ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性エラストマーや熱硬化性エラストマーなどが挙げられる。
前記熱可塑性エラストマーとは、熱を加えると軟化して流動性を示し、冷却すればゴム状弾性体に戻る熱可塑性を示すエラストマーであり、ウレタンエラストマー、アクリルエラストマー、スチレンエラストマー、オレフィンエラストマー、シリコーンエラストマーなど、各種の熱可塑性エラストマーが知られている。
前記熱硬化性エラストマーとは、熱を加えても軟化することのない、比較的耐熱性が高いエラストマーであり、アクリルエラストマー、シリコーンエラストマーや、天然ゴムなど、各種の熱硬化性エラストマーが知られている。
なお、前記各種のエラストマーには、その誘導体が含まれる。
これらの中でも、貼付剤の製造効率を高める観点(熱を加えると軟化して流動性を示すことから、混合効率が上がる)、及び貼付剤の粘着力や凝集力を大きく損なわずに、前記有機酸、前記アミド類、前記アルコール類、前記エステル類、前記エーテル類などの添加剤を配合できる観点から、熱可塑性エラストマーが好ましく、スチレン系の熱可塑性エラストマーがより好ましく、スチレン系ブロック共重合体がさらに好ましい。
前記スチレン系ブロック共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン/ブチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン/ブチレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン/プロピレンブロック共重合体、スチレン・エチレン/プロピレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソブチレンブロック共重合体、スチレン・イソブチレン・スチレンブロック共重合体などが挙げられる。
なお、前記「エチレン/ブチレン」はエチレン及びブチレンの共重合体ブロックを示し、前記「エチレン/プロピレン」はエチレン及びプロピレンの共重合体ブロックを示す。
これらスチレン系ブロック共重合体は、1種のみを用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、前記「エチレン/ブチレン」はエチレン及びブチレンの共重合体ブロックを示し、前記「エチレン/プロピレン」はエチレン及びプロピレンの共重合体ブロックを示す。
これらスチレン系ブロック共重合体は、1種のみを用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記スチレン系ブロック共重合体のうち、十分な皮膚粘着性及び貼付剤の凝集力向上による糊残り抑制の両立のほか、貼付剤用製品の入手性や取り扱い性の観点から、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、及びスチレン・イソプレンブロック共重合体からなる群より選択される1種又は2種以上が特に好ましく用いられる。前記スチレン系ブロック共重合体としては、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体とスチレン・イソプレンブロック共重合体との混合物であることが最も好ましい。
前記スチレン系ブロック共重合体として前記スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体とスチレン・イソプレンブロック共重合体との混合物を使用する場合、前記混合物中のスチレン・イソプレンブロック共重合体の含有量は15質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であるものがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましく、40質量%以上であることがさらに一層好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。前記混合物中のスチレン・イソプレンブロック共重合体の含有量の上限は80質量%以下であることが好ましい。
前記スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体におけるスチレン含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下限値としては、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。上限値としては、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。また、前記スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20,000以上500,000以下が好ましく、30,000以上300,000以下がより好ましい。
また、前記スチレン・イソプレンブロック共重合体におけるスチレン含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下限値としては、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。上限値としては、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。また、前記スチレン・イソプレンブロック共重合体のGPCにより測定した重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10,000以上500,000以下が好ましく、20,000以上300,000以下がより好ましい。
また、前記スチレン・イソプレンブロック共重合体におけるスチレン含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下限値としては、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。上限値としては、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。また、前記スチレン・イソプレンブロック共重合体のGPCにより測定した重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10,000以上500,000以下が好ましく、20,000以上300,000以下がより好ましい。
前記スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体及び前記スチレン・イソプレンブロック共重合体は、それぞれ、自体公知の方法により製造した共重合体を用いることができる。また、前記スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体及び前記スチレン・イソプレンブロック共重合体は、それぞれ、上記の特性を満たす市販の製品を使用することがきる。また、前記スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体とスチレン・イソプレンブロック共重合体との混合物も市販されており、上記の特性を満たすスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体とスチレン・イソプレンブロック共重合体とが上記の混合比率で混合された混合物の市販品を好適に使用することができる。
前記市販品としては、例えば、KRATON POLYMERS社製の「KRATON(登録商標) D1111」、「KRATON(登録商標)D1163」、「KRATON(登録商標)D1113」、「KRATON(登録商標)D1119」、JSR社製の「JSR SIS(登録商標)5229」、「JSR SIS(登録商標)5002」、「JSR SIS(登録商標)5403」「JSR SIS(登録商標)5505」、日本ゼオン株式会社製の「Quintac(登録商標)3421」、「Quintac(登録商標)3433N」、「Quintac(登録商標)3520」、「Quintac(登録商標)3450」、「Quintac 3270」などが挙げられる。
これらの中でも、上記トリブロック共重合体とジブロック共重合体との混合比率、及び溶液粘度の観点から、「KRATON(登録商標)D1163」、「KRATON(登録商標)D1113」、「JSR SIS(登録商標)5403」「JSR SIS(登録商標)5505」、「Quintac(登録商標)3433N」、「Quintac(登録商標)3520」が好ましく、「JSR SIS(登録商標)5505」、「Quintac(登録商標)3520」がより好ましい。これらのスチレン系ブロック共重合体は、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体とスチレン・イソプレンブロック共重合体との混合物であり、前記混合物中のスチレン・イソプレンブロック共重合体の含有量が50質量%以上である。
前記貼付剤における前記基剤ポリマーの含有量、即ち、前記貼付剤の構成成分の合計100質量%に占める前記基剤ポリマーの割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、貼付剤の形状の維持、及び皮膚粘着性の観点から、下限値としては、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、上限値としては、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。
-可塑剤-
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、プリスタン、などが挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上混合して使用してもよい。
これらの中でも、流動パラフィンが好ましい。
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、プリスタン、などが挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上混合して使用してもよい。
これらの中でも、流動パラフィンが好ましい。
前記流動パラフィンは、無色無臭で液状の飽和炭化水素の混合物であるが、日本薬局方、米国薬局方等に規定する規格に適合するもの等を好ましく用いることができる。
前記可塑剤の、40℃における動粘度の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、150mm2/s以下が好ましく、100mm2/s以下がより好ましく、70mm2/s以下がさらに好ましく、60mm2/s以下がよりさらに好ましく、40mm2/s以下が特に好ましく、20mm2/s以下が最も好ましい。
前記可塑剤の、40℃における動粘度の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mm2/s以上が好ましく、2mm2/s以上がより好ましく、3mm2/s以上がさらに好ましく、5mm2/s以上が特に好ましい。
前記可塑剤の、40℃における動粘度の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mm2/s以上が好ましく、2mm2/s以上がより好ましく、3mm2/s以上がさらに好ましく、5mm2/s以上が特に好ましい。
ここでいう「動粘度」とは、「第十七改正日本薬局方」の一般試験法の「2.53 粘度測定法」における「第2法 回転粘度計法(2.12 単一円筒形回転粘度計(ブルックフィールド型粘度計)」に準拠して測定した粘度(mPa・s)を動粘度に換算した値である。
前記可塑剤の市販品としては、例えば、カネダ株式会社製の「ハイコール M-52」、カネダ株式会社製の「ハイコールM-72」、カネダ株式会社製の「ハイコールM-172」、Sonneborn社製の「Kaydol」、Sonneborn社製の「Rudol」、Sonneborn社製の「Ervol」、Sonneborn社製の「Benol」、Sonneborn社製の「Blandol」、Sonneborn社製の「Carnation」、Sonneborn社製の「Klearol」、Sonneborn社製の「Lytol」、株式会社岸本特殊肝油工業所製「スクワラン」などが挙げられる。
これらの中でも、カネダ株式会社製の「ハイコール M-52」、カネダ株式会社製の「ハイコールM-72」、カネダ株式会社製の「ハイコールM-172」、Sonneborn社製の「Carnation」、又はSonneborn社製の「Klearol」が好ましい。
これらの中でも、カネダ株式会社製の「ハイコール M-52」、カネダ株式会社製の「ハイコールM-72」、カネダ株式会社製の「ハイコールM-172」、Sonneborn社製の「Carnation」、又はSonneborn社製の「Klearol」が好ましい。
前記貼付剤における、前記可塑剤の含有量、即ち、前記貼付剤の構成成分の合計100質量%に占める前記可塑剤の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下限値としては、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、上限値としては、60質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。
-溶解剤/吸収促進剤-
前記溶解剤/吸収促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の直鎖飽和脂肪族アルコール;イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール等の分岐鎖飽和脂肪族アルコール;オレイルアルコール、ゲラニオール等の不飽和脂肪族アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール等の多価アルコール;ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、ポリオキシエチレン(2)エチルエーテル(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、モノステアリン酸エチレングリコール等のポリエーテル系アルコール;プロピレングリコールモノカプロエート、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールモノカプレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノミリステート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノパルミトステアレート等のプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル;ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェノキシエタノール、チモール、オイゲノール、2-ナフトール、バニリン等の芳香族アルコール;マルトール、エチルマルトール等の環状アルコール;乳酸エチル、乳酸ラウリル、乳酸セチル等の乳酸アルキル化合物;サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸メチル等のサリチル酸誘導体;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル等のクエン酸誘導体;α-テルピネオール、D-ボルネオール、DL-ボルネオール、L-メントール、DL-メントール等のテルペン類;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート等のソルビタン類;モノオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、モノミリスチン酸グリセリン、モノオレイン酸ジグリセリル、ラウリン酸デカグリセリル、α-モノイソステアリルグリセリルエーテル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル等のグリセリン誘導体、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール等のステアリン酸誘導体、イソ吉草酸イソアミル、イソステアリルパルミテート、2-エチルヘキサン酸セチル(イソオクタン酸セチル)、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、モノステアリン酸バチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸メチル、リノール酸イソプロピル、リノール酸エチル、ココイルカプリルカプレート、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸ヘキサデシル等の脂肪酸と一価の脂肪族アルコールとのエステル;アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル等のジエステル;プロピレングリコールジカプリレート、プロピレングリコールジカプレート、プロピレングリコールジカプリロカプレート、プロピレングリコールジアセテート等のプロピレングリコール系ジエステル;トリアセチン、トリカプリリン(トリオクタン酸グリセリン)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリン、トリイソオクタン酸グリセリン(トリエチルヘキサノイン)、トリグリセロールジイソステアレート、中鎖脂肪酸トリグリセリド等のグリセリン系エステル;O-アセチルクエン酸トリエチル、O-アセチルクエン酸トリブチル等のクエン酸系エステル;エチレンカーボネート、炭酸プロピレン、無水マレイン酸等の環状カーボネート;安息香酸ベンジル、酢酸ベンジル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、ブチルフタリルブチルグリコラート等の芳香族エステル;乳酸、カプリル酸、カプリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、レブリン酸等の有機酸;クロタミトン、N-メチルピロリドン等のアミド類などが挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上混合して使用してもよい。
前記溶解剤/吸収促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の直鎖飽和脂肪族アルコール;イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール等の分岐鎖飽和脂肪族アルコール;オレイルアルコール、ゲラニオール等の不飽和脂肪族アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール等の多価アルコール;ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、ポリオキシエチレン(2)エチルエーテル(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、モノステアリン酸エチレングリコール等のポリエーテル系アルコール;プロピレングリコールモノカプロエート、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールモノカプレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノミリステート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノパルミトステアレート等のプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル;ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェノキシエタノール、チモール、オイゲノール、2-ナフトール、バニリン等の芳香族アルコール;マルトール、エチルマルトール等の環状アルコール;乳酸エチル、乳酸ラウリル、乳酸セチル等の乳酸アルキル化合物;サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸メチル等のサリチル酸誘導体;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル等のクエン酸誘導体;α-テルピネオール、D-ボルネオール、DL-ボルネオール、L-メントール、DL-メントール等のテルペン類;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンテトラオレエート等のソルビタン類;モノオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、モノミリスチン酸グリセリン、モノオレイン酸ジグリセリル、ラウリン酸デカグリセリル、α-モノイソステアリルグリセリルエーテル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル等のグリセリン誘導体、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール等のステアリン酸誘導体、イソ吉草酸イソアミル、イソステアリルパルミテート、2-エチルヘキサン酸セチル(イソオクタン酸セチル)、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、モノステアリン酸バチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸メチル、リノール酸イソプロピル、リノール酸エチル、ココイルカプリルカプレート、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸ヘキサデシル等の脂肪酸と一価の脂肪族アルコールとのエステル;アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル等のジエステル;プロピレングリコールジカプリレート、プロピレングリコールジカプレート、プロピレングリコールジカプリロカプレート、プロピレングリコールジアセテート等のプロピレングリコール系ジエステル;トリアセチン、トリカプリリン(トリオクタン酸グリセリン)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリン、トリイソオクタン酸グリセリン(トリエチルヘキサノイン)、トリグリセロールジイソステアレート、中鎖脂肪酸トリグリセリド等のグリセリン系エステル;O-アセチルクエン酸トリエチル、O-アセチルクエン酸トリブチル等のクエン酸系エステル;エチレンカーボネート、炭酸プロピレン、無水マレイン酸等の環状カーボネート;安息香酸ベンジル、酢酸ベンジル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、ブチルフタリルブチルグリコラート等の芳香族エステル;乳酸、カプリル酸、カプリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、レブリン酸等の有機酸;クロタミトン、N-メチルピロリドン等のアミド類などが挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上混合して使用してもよい。
これらの中でも、薬物の溶解性向上の観点から、オレイルアルコール、プロピレングリコールモノカプリレート、アジピン酸ジイソプロピルが好ましい。
-解塩剤-
前記解塩剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアミン類;アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRLなどのアミノアルキル系ポリマー;水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩などが挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上混合して使用してもよい。
これらの中でも、粘着剤層中の成分の溶解性向上の観点から、ジエタノールアミン、又はジイソプロパノールアミンが好ましい。
前記解塩剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアミン類;アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRLなどのアミノアルキル系ポリマー;水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩などが挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上混合して使用してもよい。
これらの中でも、粘着剤層中の成分の溶解性向上の観点から、ジエタノールアミン、又はジイソプロパノールアミンが好ましい。
-軟化剤-
前記軟化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリブテン、ポリイソブチレンなどが挙げられる。
前記軟化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリブテン、ポリイソブチレンなどが挙げられる。
-吸着剤-
前記吸着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸、含水ケイ酸等のケイ素化合物、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、乾燥水酸化アルミニウムゲル、含水ケイ酸アルミニウム等のアルミニウム化合物、カオリン、酸化チタンなどが挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上混合して使用してもよい。
これらの中でも、均一分散性の観点から、軽質無水ケイ酸が好ましい。
前記吸着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸、含水ケイ酸等のケイ素化合物、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、乾燥水酸化アルミニウムゲル、含水ケイ酸アルミニウム等のアルミニウム化合物、カオリン、酸化チタンなどが挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上混合して使用してもよい。
これらの中でも、均一分散性の観点から、軽質無水ケイ酸が好ましい。
-粘着付与剤-
前記粘着付与剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロジンエステル等のロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、クマロン-インデン樹脂、石油系樹脂、テルペン樹脂、テルペン-フェノール樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上混合して使用してもよい。
これらの中でも、薬物の皮膚透過性向上の観点から、テルペン樹脂、又は脂環族飽和炭化水素樹脂が好ましい。
前記粘着付与剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロジンエステル等のロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、クマロン-インデン樹脂、石油系樹脂、テルペン樹脂、テルペン-フェノール樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上混合して使用してもよい。
これらの中でも、薬物の皮膚透過性向上の観点から、テルペン樹脂、又は脂環族飽和炭化水素樹脂が好ましい。
-抗酸化剤-
前記抗酸化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル等のフェノール系抗酸化剤;2-メルカプトベンズイミダゾール、アルファチオグリセリン等の硫黄含有抗酸化剤;アスコルビン酸、リボフラビン、ヘスペリジン、トコフェロール等のビタミン類などが挙げられる。
前記抗酸化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル等のフェノール系抗酸化剤;2-メルカプトベンズイミダゾール、アルファチオグリセリン等の硫黄含有抗酸化剤;アスコルビン酸、リボフラビン、ヘスペリジン、トコフェロール等のビタミン類などが挙げられる。
前記貼付剤の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マトリックス型、リザーバー型などが挙げられるが、マトリックス型が好ましい。
前記貼付剤は、粘着剤層を有し、さらにその他の要素を有する構造であってもよい。
前記貼付剤は、粘着剤層を有し、さらにその他の要素を有する構造であってもよい。
前記粘着剤層は、前記医薬組成物を含み、さらにその他の成分(B)を含むことができる。
前記医薬組成物は、上述のとおりである。前記その他の成分(B)は、前記貼付剤における、前記その他の成分(B)として、上述したとおりである。
前記医薬組成物は、上述のとおりである。前記その他の成分(B)は、前記貼付剤における、前記その他の成分(B)として、上述したとおりである。
前記粘着剤層における前記(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の含有量、即ち、前記粘着剤層の構成成分の合計100質量%に占める前記(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩が、析出することなく、粘着剤層に均一に保持される観点から、下限値は、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上がさらに好ましく、2質量%以上が特に好ましく、上限値は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
前記粘着剤層中における前記基剤ポリマーの含有量、即ち、前記粘着剤層の構成成分の合計100質量%に占める前記基剤ポリマーの割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粘着剤層の形状の維持、及び皮膚粘着性の観点から、下限値としては、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上が好ましく、上限値としては、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。
前記粘着剤層における、前記可塑剤の含有量、即ち、前記粘着剤層の構成成分の合計100質量%に占める前記可塑剤の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下限値としては、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、3質量%以上がさらに好ましく、上限値としては、60質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。
前記粘着剤層における、前記粘着付与剤の含有量、即ち、前記粘着剤層の構成成分の合計100質量%に占める前記粘着付与剤の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下限値としては、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、上限値としては、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。
前記粘着剤層の、乾燥後の平均厚さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粘着剤層の粘着性向上の観点から、下限値としては、50μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましく、200μm以上がさらに好ましく、製造効率の観点から、上限値としては、1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましい。
前記その他の要素としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、支持体、剥離ライナーなどが挙げられる。つまり、本発明の貼付剤は、支持体、粘着剤層、及び剥離ライナーがこの順で積層されたものであってもよい。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、皮膚貼付用粘着シートや経皮吸収製剤に汎用されるものなどを使用することができる。
前記支持体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。
前記支持体の構造としては、1層構造であってもよく、多層構造であってもよい。また、編布、織布、不織布、フィルム、発泡体、多孔質、網目構造、シート状、平板状であってもよい。
前記支持体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。
前記支持体の構造としては、1層構造であってもよく、多層構造であってもよい。また、編布、織布、不織布、フィルム、発泡体、多孔質、網目構造、シート状、平板状であってもよい。
さらに、支持体に静電気が蓄積することを防止するため、支持体を構成する前記織布、不織布、フィルム等に帯電防止剤を含有させてもよい。また、粘着剤層との良好な投錨性を得るため、支持体として不織布若しくは織布、又はこれらとフィルムの積層体を用いることができる。
前記支持体の平均厚さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フィルムについては、下限値としては、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、上限値としては、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。織布、不織布、発泡性支持体などの多孔性シートについては、下限値としては、50μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましく、上限値としては、2,000μm以下が好ましく、1,000μm以下がより好ましい。
前記剥離ライナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グラシン紙、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレンなどの樹脂フィルム;アルミフィルム;発泡ポリエチレンフィルム又は発泡ポリプロピレンフィルム;前記のうち2種以上の積層物などを用いることができる。また、前記剥離ライナーは、シリコーン加工、フッ素樹脂加工、エンボス加工、親水性加工、疎水性加工などを施したものなどを用いることもできる。
前記剥離ライナーの平均厚さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下限値としては、10μm以上が好ましく、15μm以上がより好ましく、上限値としては、200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましい。
(医薬組成物の製造方法)
前記医薬組成物の製造方法は、(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩と、(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルと、を混合する混合工程を含む。
前記(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩、及び(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルは、上述のとおりである。
前記医薬組成物の製造方法は、(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩と、(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルと、を混合する混合工程を含む。
前記(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩、及び(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルは、上述のとおりである。
<混合工程>
前記混合工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、揮発性溶媒存在下で混合する方法が好ましい。
前記揮発性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン等の芳香族系炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族系炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t-ブチルメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等の酢酸エステル類などが挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上混合して使用してもよい。
これらの中でも、粘着剤層を構成する各成分の溶解性が良好な点から、トルエン等の芳香族系炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族系炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水素を単独もしくは混合して使用することが好ましい。
前記混合工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、揮発性溶媒存在下で混合する方法が好ましい。
前記揮発性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン等の芳香族系炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族系炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、t-ブチルメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等の酢酸エステル類などが挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上混合して使用してもよい。
これらの中でも、粘着剤層を構成する各成分の溶解性が良好な点から、トルエン等の芳香族系炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族系炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水素を単独もしくは混合して使用することが好ましい。
(貼付剤の製造方法)
前記貼付剤の製造方法は、(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩と、(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルと、を混合する混合工程を含み、さらにその他の工程を有することができる。
前記(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩、(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステル、及び混合工程は、上述のとおりである。
前記貼付剤の製造方法は、(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩と、(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルと、を混合する混合工程を含み、さらにその他の工程を有することができる。
前記(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩、(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステル、及び混合工程は、上述のとおりである。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記混合工程後の塗布工程、粘着剤層と剥離ライナーの積層工程、粘着剤層と支持体の積層工程などが挙げられる。
前記支持体、前記粘着剤層、前記剥離ライナーは、上述のとおりである。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記混合工程後の塗布工程、粘着剤層と剥離ライナーの積層工程、粘着剤層と支持体の積層工程などが挙げられる。
前記支持体、前記粘着剤層、前記剥離ライナーは、上述のとおりである。
-前記混合工程後の塗布工程-
前記混合工程で得られた粘着剤層形成用の塗工液の塗布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロールコーター、ダイコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどの慣用のコーターを用いて、前記剥離ライナー上、又は前記支持体上で行うことができる。また、前記塗工液の乾燥は、加熱下、例えば、40℃以上150℃以下の温度で行うことが好ましく、使用する溶媒や使用量によって、乾燥温度や乾燥時間、乾燥方式を調整すればよい。
前記混合工程で得られた粘着剤層形成用の塗工液の塗布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロールコーター、ダイコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどの慣用のコーターを用いて、前記剥離ライナー上、又は前記支持体上で行うことができる。また、前記塗工液の乾燥は、加熱下、例えば、40℃以上150℃以下の温度で行うことが好ましく、使用する溶媒や使用量によって、乾燥温度や乾燥時間、乾燥方式を調整すればよい。
-粘着剤層と剥離ライナーの積層工程-
前記粘着剤層と剥離ライナーの積層工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記粘着剤層形成用の塗工液を剥離ライナー上に展延し、塗工液中の溶媒を乾燥して剥離ライナーの表面に粘着剤層を積層する工程(展延・乾燥工程)、又は、前記粘着剤層と支持体の積層工程後に、前記粘着剤層に前記剥離ライナーを圧着して、積層する工程などが挙げられる。
前記粘着剤層と剥離ライナーの積層工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記粘着剤層形成用の塗工液を剥離ライナー上に展延し、塗工液中の溶媒を乾燥して剥離ライナーの表面に粘着剤層を積層する工程(展延・乾燥工程)、又は、前記粘着剤層と支持体の積層工程後に、前記粘着剤層に前記剥離ライナーを圧着して、積層する工程などが挙げられる。
-粘着剤層と支持体の積層工程-
前記支持体と粘着剤層の積層工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記粘着剤層形成用の塗工液を支持体上に展延し、塗工液中の溶媒を乾燥して支持体の表面に粘着剤層を積層する工程(展延・乾燥工程)、又は、前記粘着剤層と剥離ライナーの積層工程後に、前記粘着剤層に前記支持体を圧着して、積層する工程などが挙げられる。
前記支持体と粘着剤層の積層工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記粘着剤層形成用の塗工液を支持体上に展延し、塗工液中の溶媒を乾燥して支持体の表面に粘着剤層を積層する工程(展延・乾燥工程)、又は、前記粘着剤層と剥離ライナーの積層工程後に、前記粘着剤層に前記支持体を圧着して、積層する工程などが挙げられる。
(加水分解抑制剤)
前記加水分解抑制剤は、エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の加水分解を抑制する加水分解抑制剤であって、脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルを含む。
前記エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩、及び前記脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルは、上述のとおりである。
前記加水分解抑制剤は、エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の加水分解を抑制する加水分解抑制剤であって、脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルを含む。
前記エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩、及び前記脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルは、上述のとおりである。
エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩は、エステラーゼ等の酵素や水と反応して加水分解されるが、前記脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルは、前記エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の加水分解を抑制する。
したがって、前記脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルは、エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の加水分解抑制剤として使用できる。
したがって、前記脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルは、エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の加水分解抑制剤として使用できる。
(加水分解抑制方法)
前記加水分解抑制方法は、エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の加水分解を抑制する加水分解抑制方法であって、前記加水分解抑制剤を用いる方法である。
前記加水分解抑制剤は、上述のとおりである。
前記加水分解抑制方法は、エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の加水分解を抑制する加水分解抑制方法であって、前記加水分解抑制剤を用いる方法である。
前記加水分解抑制剤は、上述のとおりである。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
表1の実施例1に示す処方に従って、粘着剤層を構成する各成分を秤取した。なお、表1の各成分の数値は、質量%を表す。
まず、テトラカイン塩酸塩、ジイソプロパノールアミン(三井化学ファイン株式会社製「ジイソプロパノールアミン」)、プロピレングリコールモノカプリレート(Gattefosse社製「Capryol 90」)、アジピン酸ジイソプロピル(日光ケミカルズ株式会社製「DID」)、及びカプリロカプロイルマクロゴール-8 グリセリド(Gattefosse社製「LABRASOL」)を室温で混合撹拌し、混合物Aを得た。
スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体とスチレン・イソプレンブロック共重合体の混合物(日本ゼオン株式会社製「Quintac 3520」)、脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業株式会社製「アルコンP100」)、及びポリブテン(INEOS Oligomers社製「INDOPOL H-300」)をトルエン中で混合撹拌(内温20~40℃)して溶解した後、混合物Aに加えて室温にて混合撹拌し、更に軽質流動パラフィン(カネダ株式会社製「ハイコール M-52」)を加えて室温にて混合撹拌し、粘着剤層形成用の塗工液を調製した。
表1の実施例1に示す処方に従って、粘着剤層を構成する各成分を秤取した。なお、表1の各成分の数値は、質量%を表す。
まず、テトラカイン塩酸塩、ジイソプロパノールアミン(三井化学ファイン株式会社製「ジイソプロパノールアミン」)、プロピレングリコールモノカプリレート(Gattefosse社製「Capryol 90」)、アジピン酸ジイソプロピル(日光ケミカルズ株式会社製「DID」)、及びカプリロカプロイルマクロゴール-8 グリセリド(Gattefosse社製「LABRASOL」)を室温で混合撹拌し、混合物Aを得た。
スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体とスチレン・イソプレンブロック共重合体の混合物(日本ゼオン株式会社製「Quintac 3520」)、脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業株式会社製「アルコンP100」)、及びポリブテン(INEOS Oligomers社製「INDOPOL H-300」)をトルエン中で混合撹拌(内温20~40℃)して溶解した後、混合物Aに加えて室温にて混合撹拌し、更に軽質流動パラフィン(カネダ株式会社製「ハイコール M-52」)を加えて室温にて混合撹拌し、粘着剤層形成用の塗工液を調製した。
上記塗工液をシリコーン処理したポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム(剥離ライナー、藤森工業株式会社製「フィルムバイナ 75E-0010 BD」)に塗布し、乾燥後の粘着剤層の平均厚みが約350μmとなるように調製した。80℃のオーブンにて30分間乾燥後、該粘着剤層の表面にPET製フィルム(支持体)をラミネートし、貼付剤を得た。
下記のとおり、in vitroラット皮膚透過性試験を行い、各薬物の透過量を測定した。結果を表1に示した。
<in vitroラット皮膚透過性試験>
ヘアレスラット腹部摘出皮膚(日本エスエルシー株式会社、wistar、雄性、5週齢)を縦型フランツ拡散セル(型番「TP-8s」株式会社ビードレックス製)に装着し、前記貼付剤を直径1.0cmの円形に打ち抜き、フランツ拡散セルのラット皮膚上に貼付した。バッファーとして0.01mol/Lリン酸緩衝生理食塩水(pH7.2から7.4)を用い、バッファー温度32℃で試験を行った。試験開始から3時間後にバッファーの一部をサンプリングし、バッファー中のラット皮膚を透過してきた薬物量をHPLCにより定量した。測定は各貼付剤につき3例ずつ行い、測定値の平均値を算出した。
ヘアレスラット腹部摘出皮膚(日本エスエルシー株式会社、wistar、雄性、5週齢)を縦型フランツ拡散セル(型番「TP-8s」株式会社ビードレックス製)に装着し、前記貼付剤を直径1.0cmの円形に打ち抜き、フランツ拡散セルのラット皮膚上に貼付した。バッファーとして0.01mol/Lリン酸緩衝生理食塩水(pH7.2から7.4)を用い、バッファー温度32℃で試験を行った。試験開始から3時間後にバッファーの一部をサンプリングし、バッファー中のラット皮膚を透過してきた薬物量をHPLCにより定量した。測定は各貼付剤につき3例ずつ行い、測定値の平均値を算出した。
下記の結晶析出評価基準により結晶析出評価を行い、貼付剤における結晶析出の有無を評価した。結果を表1に示した。
<結晶析出評価基準>
〇:貼付剤を5℃で1週間保存後、貼付剤の粘着剤層中に結晶は認められなかった。
×:貼付剤を5℃で1週間保存後、貼付剤の粘着剤層中に結晶は認められた。
〇:貼付剤を5℃で1週間保存後、貼付剤の粘着剤層中に結晶は認められなかった。
×:貼付剤を5℃で1週間保存後、貼付剤の粘着剤層中に結晶は認められた。
<実施例2、比較例1から3>
表1に記載の処方に従って粘着剤層を構成する各成分を秤取した以外は実施例1と同様の方法で貼付剤を作製し、in vitroラット皮膚透過性試験と結晶析出評価を行った。結果を表1に示した。
表1に記載の処方に従って粘着剤層を構成する各成分を秤取した以外は実施例1と同様の方法で貼付剤を作製し、in vitroラット皮膚透過性試験と結晶析出評価を行った。結果を表1に示した。
表1の結果より、脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルである、カプリロカプロイルマクロゴール-8 グリセリドを用いた実施例1の貼付剤とリノレオイルマクロゴール-6 グリセリドを用いた実施例2の貼付剤では、ラウリルアルコールを用いた比較例1と2、及びジメチルイソソルビドを用いた比較例3の貼付剤と比較して、テトラカインの皮膚透過性が高く、テトラカインの加水分解物の生成が抑制されており、結晶析出は認められなかった。
<試験例1>
前記皮膚透過性試験中、皮膚を透過したテトラカインは生理食塩水で満たされた分析機器内に蓄積されているため、サンプル分析までの間に分解している可能性もあった。
そこで、190μgのテトラカインを3mLのリン酸緩衝生理食塩水(以下PBSと称する)に溶解し、24時間なりゆき室温で撹拌した後、HPLC分析を実施し、テトラカイン加水分解物生成量を測定した。結果を表2に示した。
前記皮膚透過性試験中、皮膚を透過したテトラカインは生理食塩水で満たされた分析機器内に蓄積されているため、サンプル分析までの間に分解している可能性もあった。
そこで、190μgのテトラカインを3mLのリン酸緩衝生理食塩水(以下PBSと称する)に溶解し、24時間なりゆき室温で撹拌した後、HPLC分析を実施し、テトラカイン加水分解物生成量を測定した。結果を表2に示した。
<試験例2>
190μgのテトラカインを3mLのPBSに溶解し、さらに直径1.0cmの円形のヘアレスラット腹部摘出皮膚(日本エスエルシー、wistar、雄性、5週齢)を加えた以外は、試験例1と同様に、HPLC分析を実施し、加水分解物生成量を測定した。結果を表2に示した。
190μgのテトラカインを3mLのPBSに溶解し、さらに直径1.0cmの円形のヘアレスラット腹部摘出皮膚(日本エスエルシー、wistar、雄性、5週齢)を加えた以外は、試験例1と同様に、HPLC分析を実施し、加水分解物生成量を測定した。結果を表2に示した。
<試験例3>
190μgのテトラカイン及び190μgのカプリロカプロイルマクロゴール-8 グリセリドを3mLのPBSに溶解した以外は、試験例1と同様に、HPLC分析を実施し、加水分解物生成量を測定した。結果を表2に示した。
190μgのテトラカイン及び190μgのカプリロカプロイルマクロゴール-8 グリセリドを3mLのPBSに溶解した以外は、試験例1と同様に、HPLC分析を実施し、加水分解物生成量を測定した。結果を表2に示した。
<試験例4>
190μgのテトラカイン及び190μgカプリロカプロイルマクロゴール-8 グリセリドを3mLのPBSに溶解しし、さらに直径1.0cmの円形のヘアレスラット腹部摘出皮膚(日本エスエルシー、wistar、雄性、5週齢)を加えた以外は、試験例1と同様に、HPLC分析を実施し、加水分解物生成量を測定した。結果を表2に示した。
190μgのテトラカイン及び190μgカプリロカプロイルマクロゴール-8 グリセリドを3mLのPBSに溶解しし、さらに直径1.0cmの円形のヘアレスラット腹部摘出皮膚(日本エスエルシー、wistar、雄性、5週齢)を加えた以外は、試験例1と同様に、HPLC分析を実施し、加水分解物生成量を測定した。結果を表2に示した。
表2の結果より、PBS中では、テトラカインの加水分解がほとんど起きていないことが分かった(試験例1)。一方、テトラカインとヘアレスラット皮膚断片をPBS中で共存させた試験例2の検体では加水分解物の顕著な生成が確認された。しかしながら、テトラカイン、カプリロカプロイルマクロゴール-8 グリセリド、及びヘアレスラット皮膚断片をPBS中で共存させた試験例4の検体では試験例2の検体よりも加水分解物の生成が抑制されていた。
したがって、脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルは、皮膚中でのテトラカインの加水分解を抑制していることが示唆された。
したがって、脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルは、皮膚中でのテトラカインの加水分解を抑制していることが示唆された。
本発明の態様としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。
<1> (a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩と、(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルと、を含むことを特徴とする医薬組成物である。
<2> 前記<1>に記載の医薬組成物を含むことを特徴とする貼付剤である。
<3> 熱可塑性エラストマーを含む、前記<2>に記載の貼付剤である。
<4> 前記熱可塑性エラストマーが、スチレン系ブロック共重合体を含む、前記<3>に記載の貼付剤である。
<5> 前記<1>の医薬組成物、又は前記<2>から<4>のいずれかに記載の貼付剤の製造方法であって、(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩と、(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルと、を混合する工程含むことを特徴とする医薬組成物、又は貼付剤の製造方法である。
<6> エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の加水分解を抑制する加水分解抑制剤であって、脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルを含むことを特徴とする加水分解抑制剤である。
<7> エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の加水分解を抑制する加水分解抑制方法であって、前記<6>に記載の加水分解抑制剤を用いることを特徴とする加水分解抑制方法である。
<1> (a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩と、(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルと、を含むことを特徴とする医薬組成物である。
<2> 前記<1>に記載の医薬組成物を含むことを特徴とする貼付剤である。
<3> 熱可塑性エラストマーを含む、前記<2>に記載の貼付剤である。
<4> 前記熱可塑性エラストマーが、スチレン系ブロック共重合体を含む、前記<3>に記載の貼付剤である。
<5> 前記<1>の医薬組成物、又は前記<2>から<4>のいずれかに記載の貼付剤の製造方法であって、(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩と、(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルと、を混合する工程含むことを特徴とする医薬組成物、又は貼付剤の製造方法である。
<6> エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の加水分解を抑制する加水分解抑制剤であって、脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルを含むことを特徴とする加水分解抑制剤である。
<7> エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の加水分解を抑制する加水分解抑制方法であって、前記<6>に記載の加水分解抑制剤を用いることを特徴とする加水分解抑制方法である。
Claims (7)
- (a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩と、
(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルと、を含むことを特徴とする医薬組成物。 - 請求項1に記載の医薬組成物を含むことを特徴とする貼付剤。
- 熱可塑性エラストマーを含む、請求項2に記載の貼付剤。
- 前記熱可塑性エラストマーが、スチレン系ブロック共重合体を含む、請求項3に記載の貼付剤。
- 請求項1の医薬組成物、又は請求項2から4のいずれかに記載の貼付剤の製造方法であって、
(a)エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩と、
(b)脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルと、を混合する工程含むことを特徴とする医薬組成物、又は貼付剤の製造方法。 - エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の加水分解を抑制する加水分解抑制剤であって、
脂肪酸グリセロールマクロゴールエステルを含むことを特徴とする加水分解抑制剤。 - エステル型局所麻酔薬又はその薬学的に許容される塩の加水分解を抑制する加水分解抑制方法であって、
請求項6に記載の加水分解抑制剤を用いることを特徴とする加水分解抑制方法。
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