JP2023027479A - 発酵食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無塩発酵漬物すんきから分離されたラクトバチルス・カゼイの菌株を用いて、菌体外多糖を多く含有する発酵食品を製造するための方法を提供する。【解決手段】すんきから分離された乳酸菌株の中から、菌体外多糖産生能を有するラクトバチルス・カゼイに属する特定の菌株を選び出し、その菌株を、マンガン含有酵母エキスが添加された乳製品原料に接種して培養する。【選択図】なし
Description
この発明は、無塩発酵漬物すんきから分離された乳酸菌を用い、機能性を有する発酵乳、乳製品乳酸菌飲料等の発酵食品を製造するための方法に関する。
発酵乳、乳製品乳酸菌飲料等の発酵食品の製造には、乳酸菌として、耐酸性や乳酸生成能に優れたラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)が主に使用されてきた。そして、近年では、ラブレ菌(ラクトバチルス・ブレビスKB290(Lactobacillus brevis KB290))など、京都の漬物すぐきなどから分離された植物性乳酸菌が、日本人の体質に合った乳酸菌として注目され、乳酸菌飲料として製品化されているものもある。また、長野県内の木曽地方で伝統的に製造されている無塩乳酸発酵の漬物すんきに着目し、すんき漬またはその漬液から分離された植物性乳酸菌を利用し、動物乳またはその加工調製品等の被発酵原料からヨーグルト等の発酵食品を製造する方法が提案されている。例えば、すんきから新規に分離された高い耐酸性を有するラクトバチルス・カゼイの菌株を使用し、その乳酸菌を乳製品原料に接種して培養することにより、血圧上昇抑制作用を示す機能性乳酸菌飲料を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、乳酸菌の中には菌体外多糖(EPS)を産生するものが存在する。乳酸菌が産生する菌体外多糖は、発酵乳(ヨーグルト)に増粘性や離水抑制、良好な食感を付与するなど、優れた物理的機能を発揮するだけでなく、免疫賦活作用を発揮することが報告されており、近年では菌体外多糖が有する生理活性に注目が集まっている。そして、菌体外多糖を産生する乳酸菌株を使用しその菌株を乳製品原料に接種して培養することにより、菌体外多糖を多く含む機能性発酵食品を製造する方法が種々提案されている。
例えば、菌体外多糖を産生する乳酸菌としてラクトバチルス・デルブルエッキー・サブスピーシス・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)やラクトコッカス・ラクティス・クレモリス(Lactococcus lactis cremoris)などを用い、脱脂乳や還元脱脂乳などの乳原料培地にギ酸またはギ酸塩を添加したり乳原料培地を加熱処理したりしてギ酸またはギ酸塩の濃度を増加させた培地で菌体外多糖産生乳酸菌を培養することにより、菌体外多糖の産生量を増加させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。また、生乳、脱脂粉乳、全粉乳等の原料乳に含まれる乳糖を、乳糖分解酵素ラクターゼを用いて分解し、乳糖が分解された原料乳にラクトバチルス・デルブルエッキー・サブスピーシス・ブルガリカス種の乳酸菌およびストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)種の乳酸菌を添加し、乳酸菌が添加された原料乳を発酵させることにより、乳糖が分解されていない原料乳から製造された発酵乳よりも多くの量の菌体外多糖を含有する発酵乳を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特許文献1には、無塩発酵漬物すんきから新規に分離された植物性乳酸菌であるラクトバチルス・カゼイの菌株を用いて乳酸菌飲料を製造する方法が記載されており、その方法で得られる乳酸菌飲料は、血圧上昇抑制といった機能性に優れたものであるが、それ以外の特定の機能性について特許文献1には示されていない。一方、特許文献2、3には、菌体外多糖を産生する乳酸菌としてラクトバチルス・デルブルエッキー・サブスピーシス・ブルガリカスやラクトコッカス・ラクティス・クレモリスなどを用いて、菌体外多糖を含有するヨーグルト等の発酵乳を製造する方法が記載されており、発酵乳中の菌体外多糖の含有量を高めるために、乳酸菌を培養する乳原料培地におけるギ酸またはギ酸塩の濃度を増加させ、また、原料乳に含まれる乳糖を酵素を用いて分解し、乳糖が分解された原料乳に乳酸菌を添加して発酵させる、といった方法が記載されているが、植物性乳酸菌であるラクトバチルス・カゼイの菌株を用いて、菌体外多糖を多く含有する発酵食品を製造する、といったことについては特許文献2、3に示されていない。
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、無塩発酵漬物すんきから分離された植物性乳酸菌であるラクトバチルス・カゼイの菌株を用いて、菌体外多糖を多く含有する発酵食品を製造することができる方法を提供することを目的とする。
この発明は、耐酸性や乳酸生成能に優れたラクトバチルス・カゼイの乳酸菌株を無塩発酵漬物すんきから分離し、その分離された菌株のうちから菌体外多糖産生能を有する菌株を選択して用いるとともに、乳製品原料にマンガン含有酵母エキスを添加したものを培地とし、マンガン含有酵母エキスが添加された乳製品原料に前記乳酸菌株を接種して培養する、といった方法により上記目的を達成した。
すなわち、請求項1に係る発明は、無塩発酵漬物すんきから分離されたラクトバチルス・カゼイに属する菌体外多糖産生能を有するL.casei D7株(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託。受託番号:NITE P-03462)(以下、単に「D7株」という)を、マンガン含有酵母エキスが添加された乳製品原料に接種して培養し、菌体外多糖を含む機能性発酵食品を製造することを特徴とする。
すなわち、請求項1に係る発明は、無塩発酵漬物すんきから分離されたラクトバチルス・カゼイに属する菌体外多糖産生能を有するL.casei D7株(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託。受託番号:NITE P-03462)(以下、単に「D7株」という)を、マンガン含有酵母エキスが添加された乳製品原料に接種して培養し、菌体外多糖を含む機能性発酵食品を製造することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発酵食品の製造方法において、乳製品原料中のマンガン含有酵母エキスの濃度を0.05重量%以上とすることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発酵食品の製造方法において、乳製品原料中のマンガン含有酵母エキスの濃度を0.05重量%~0.3重量%とすることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発酵食品の製造方法において、乳製品原料に果糖ブドウ糖液糖および水を配合して培養し、菌体外多糖を含む発酵乳を製造することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発酵食品の製造方法において、乳製品原料に果糖ブドウ糖液糖および水を配合して培養し、得られた発酵乳に安定剤液を添加した後にホモジナイズ処理し、菌体外多糖を含む乳製品乳酸菌飲料を製造することを特徴とする。
請求項1に係る発明の製造方法によると、多くの菌体外多糖が産生され、菌体外多糖を多く含有した機能性発酵食品が得られる。
請求項2に係る発明の製造方法では、多くの菌体外多糖を含む機能性発酵食品が得られ、請求項3に係る発明の製造方法では、多くの菌体外多糖を含む機能性発酵食品が確実に得られる。
請求項4に係る発明の製造方法では、菌体外多糖を含む発酵乳が得られ、請求項5に係る発明の製造方法では、菌体外多糖を含む乳製品乳酸菌飲料が得られる。
以下、この発明の好適な実施形態について説明する。
この発明に係る方法では、無塩発酵漬物すんきから分離されたラクトバチルス・カゼイの種々の菌株の中から、菌体外多糖産生能を有する菌株を見付け出し、菌体外多糖産生能を有するラクトバチルス・カゼイの菌株を用い、その菌株を、マンガン含有酵母エキスが添加された乳製品原料に接種して培養することにより、菌体外多糖を含む機能性発酵食品を製造する。
この発明に係る方法では、無塩発酵漬物すんきから分離されたラクトバチルス・カゼイの種々の菌株の中から、菌体外多糖産生能を有する菌株を見付け出し、菌体外多糖産生能を有するラクトバチルス・カゼイの菌株を用い、その菌株を、マンガン含有酵母エキスが添加された乳製品原料に接種して培養することにより、菌体外多糖を含む機能性発酵食品を製造する。
すんきからの乳酸菌の分離・同定や菌株の選定は、以下のようにして行った。
すんきより20株の乳酸菌を分離し、PCR法を用い、16S rRNAの遺伝子解析および被検菌の炭水化物代謝を試験するためのキット(シスメックス・ビオメリュー(株)製のApi 50 CH)を使用した生化学試験により乳酸菌の同定を行った。すんきから分離されたラクトバチルス・カゼイ乳酸菌の中でも菌体外多糖を産生しないものと産生するものがあり、その産生量にも多寡があるので、分離された20株の乳酸菌について培養試験を行うことにより、菌体外多糖を多く産生する菌株を選抜した。この菌株の選抜は、以下のようにして行った。
すんきより20株の乳酸菌を分離し、PCR法を用い、16S rRNAの遺伝子解析および被検菌の炭水化物代謝を試験するためのキット(シスメックス・ビオメリュー(株)製のApi 50 CH)を使用した生化学試験により乳酸菌の同定を行った。すんきから分離されたラクトバチルス・カゼイ乳酸菌の中でも菌体外多糖を産生しないものと産生するものがあり、その産生量にも多寡があるので、分離された20株の乳酸菌について培養試験を行うことにより、菌体外多糖を多く産生する菌株を選抜した。この菌株の選抜は、以下のようにして行った。
菌株の培養試験は、次のような操作・手順により行った。
脱脂粉乳(スキムミルク)(雪印メグミルク(株)製品)8gおよびグルコース(富士フィルム和光純薬(株)製品)0.8gを原料水に投入し、全量が80gになるまで原料水を加えて攪拌し、液体培地を調製した。したがって、液体培地中の脱脂粉乳の濃度は10重量%で、グルコースの濃度は1重量%である。以下、脱脂粉乳の濃度が10重量%でグルコースの濃度が1重量%である成分構成の液体培地を「基礎培地」と呼ぶこととする。なお、後述するように、脱脂粉乳およびグルコースの他に成分物質A(マンガン含有酵母エキス、乳ペプチドまたは炭酸カルシウム)を添加した液体培地を調製する場合は、脱脂粉乳8gおよびグルコース0.8gを原料水に投入し、さらに成分物質Aを適当量添加し、全量が80gになるまで原料水を加えて攪拌するようにした。このように調製された液体培地を「基礎培地に成分物質Aを添加した培地」と便宜的に呼ぶこととする。上記した基礎培地をオートクレーブにて105℃の温度で4分間加熱することにより殺菌処理し、その後に人肌程度(約37℃)の温度まで冷ます。乳酸菌株を殺菌したMRS液体培地(Oxoid社製品)に接種して37℃の温度で24時間培養したものをスターターとし、このスターター67μlを前記液体培地に接種し、37℃の温度に調節された恒温槽で24時間、乳酸菌を培養した。以下の培養試験においても、菌株の培養は、同じ操作・手順によって行われた。
脱脂粉乳(スキムミルク)(雪印メグミルク(株)製品)8gおよびグルコース(富士フィルム和光純薬(株)製品)0.8gを原料水に投入し、全量が80gになるまで原料水を加えて攪拌し、液体培地を調製した。したがって、液体培地中の脱脂粉乳の濃度は10重量%で、グルコースの濃度は1重量%である。以下、脱脂粉乳の濃度が10重量%でグルコースの濃度が1重量%である成分構成の液体培地を「基礎培地」と呼ぶこととする。なお、後述するように、脱脂粉乳およびグルコースの他に成分物質A(マンガン含有酵母エキス、乳ペプチドまたは炭酸カルシウム)を添加した液体培地を調製する場合は、脱脂粉乳8gおよびグルコース0.8gを原料水に投入し、さらに成分物質Aを適当量添加し、全量が80gになるまで原料水を加えて攪拌するようにした。このように調製された液体培地を「基礎培地に成分物質Aを添加した培地」と便宜的に呼ぶこととする。上記した基礎培地をオートクレーブにて105℃の温度で4分間加熱することにより殺菌処理し、その後に人肌程度(約37℃)の温度まで冷ます。乳酸菌株を殺菌したMRS液体培地(Oxoid社製品)に接種して37℃の温度で24時間培養したものをスターターとし、このスターター67μlを前記液体培地に接種し、37℃の温度に調節された恒温槽で24時間、乳酸菌を培養した。以下の培養試験においても、菌株の培養は、同じ操作・手順によって行われた。
菌株の培養によって得られた培養液中の菌体外多糖の濃度の測定は、次のような操作・手順により行った。
培養液3gを試験管に採取し、トリクロロ酢酸(富士フィルム和光純薬(株)製品)の60w/v%水溶液を1.3ml添加(総液量3.8ml)してボルテックスミキサーで攪拌した後、遠心分離機により回転数3,000rpm、4℃の温度下で10分間遠心分離する。遠心分離後の上清を3ml摂取し、トリクロロ酢酸の20w/v%水溶液を1.4ml添加(総液量4.4ml)してボルテックスミキサーで攪拌した後、1時間氷で冷やす。冷却後の液体1.0mlをエッペンチューブに採取し、微量高速遠心機により回転数15,000rpm、4℃の温度下で10分間遠心分離する。遠心分離後の上清を0.5ml摂取し、冷凍庫内に-30℃の温度で保存した99.5%エタノール(富士フィルム和光純薬(株)製品)を1.45ml添加して攪拌した後、-30℃の冷凍庫内に一昼夜(24時間)静置する。一昼夜置いた液体をボルテックスミキサーで攪拌した後、微量高速遠心機により回転数15,000rpm、4℃の温度下で10分間遠心分離し、遠心分離後の上清を全て捨て、冷凍庫内に-30℃の温度で保存した70w/v%エタノールを1.5ml、沈殿物に添加してボルテックスミキサーで攪拌した後、微量高速遠心機により回転数15,000rpm、4℃の温度下で10分間遠心分離する。遠心分離後の上清を全て捨て、沈殿物をデシケータで1時間乾燥させる。乾燥物に水を0.5ml添加して攪拌し、その液体0.5mlを試験管に採取し、試験管内に5w/v%フェノール溶液(富士フィルム和光純薬(株)製品)を0.5ml添加し、さらに濃硫酸(富士フィルム和光純薬(株)製品)を3ml添加する。このサンプル液を室温で20分間置いた後、このサンプルの波長490nmにおける吸光度(A490nm)を吸光度計((株)島津製作所製UV-1700)により測定する。予め、グルコース(富士フィルム和光純薬(株)製品)の濃度(Glucose(重量%))を種々に変えて(0.001重量%、0.005重量%、0.01重量%および0.03重量%)、A490nmの変化を測定することにより検量線を作成しておき、その検量線を用いて、サンプルにおける菌体外多糖のグルコース換算濃度(重量%)を求め、その値から培養液における菌体外多糖のグルコース換算濃度(mg/100g)を算出した。以下の培養試験においても、培養液中の菌体外多糖の濃度測定は、同じ操作・手順によって行われた。
培養液3gを試験管に採取し、トリクロロ酢酸(富士フィルム和光純薬(株)製品)の60w/v%水溶液を1.3ml添加(総液量3.8ml)してボルテックスミキサーで攪拌した後、遠心分離機により回転数3,000rpm、4℃の温度下で10分間遠心分離する。遠心分離後の上清を3ml摂取し、トリクロロ酢酸の20w/v%水溶液を1.4ml添加(総液量4.4ml)してボルテックスミキサーで攪拌した後、1時間氷で冷やす。冷却後の液体1.0mlをエッペンチューブに採取し、微量高速遠心機により回転数15,000rpm、4℃の温度下で10分間遠心分離する。遠心分離後の上清を0.5ml摂取し、冷凍庫内に-30℃の温度で保存した99.5%エタノール(富士フィルム和光純薬(株)製品)を1.45ml添加して攪拌した後、-30℃の冷凍庫内に一昼夜(24時間)静置する。一昼夜置いた液体をボルテックスミキサーで攪拌した後、微量高速遠心機により回転数15,000rpm、4℃の温度下で10分間遠心分離し、遠心分離後の上清を全て捨て、冷凍庫内に-30℃の温度で保存した70w/v%エタノールを1.5ml、沈殿物に添加してボルテックスミキサーで攪拌した後、微量高速遠心機により回転数15,000rpm、4℃の温度下で10分間遠心分離する。遠心分離後の上清を全て捨て、沈殿物をデシケータで1時間乾燥させる。乾燥物に水を0.5ml添加して攪拌し、その液体0.5mlを試験管に採取し、試験管内に5w/v%フェノール溶液(富士フィルム和光純薬(株)製品)を0.5ml添加し、さらに濃硫酸(富士フィルム和光純薬(株)製品)を3ml添加する。このサンプル液を室温で20分間置いた後、このサンプルの波長490nmにおける吸光度(A490nm)を吸光度計((株)島津製作所製UV-1700)により測定する。予め、グルコース(富士フィルム和光純薬(株)製品)の濃度(Glucose(重量%))を種々に変えて(0.001重量%、0.005重量%、0.01重量%および0.03重量%)、A490nmの変化を測定することにより検量線を作成しておき、その検量線を用いて、サンプルにおける菌体外多糖のグルコース換算濃度(重量%)を求め、その値から培養液における菌体外多糖のグルコース換算濃度(mg/100g)を算出した。以下の培養試験においても、培養液中の菌体外多糖の濃度測定は、同じ操作・手順によって行われた。
すんきから分離されたラクトバチルス・カゼイ乳酸菌の20の菌株について培養試験を行った結果、菌体外多糖を最も多く産生した菌株はD7株であった。図1は、すんきから分離されたD7株およびNo.10株について菌体外多糖の産生量を比較したグラフである。グラフの縦軸は、培養液100g中に含有される菌体外多糖の量(mg)、すなわち培養液中の菌体外多糖の含有濃度(mg/100g)の値を示す。No.10株の培養液中の菌体外多糖の濃度3.75mg/100gに対し、D7菌の培養液中の菌体外多糖の濃度は6.34mg/100gであり、D7株の菌体外多糖産生能が高いことが分かる。
次に、菌体外多糖産生能が高かったD7株を用い、培地の構成を変えて培養試験を行った。すなわち、基礎培地(培地I)、基礎培地にマンガン含有酵母エキス(以下、「酵母エキスMn」と表示)(オリエンタル酵母工業(株)の商品名「ミネラル酵母マンガン1.2%」)を、培地中の濃度が0.2重量%となるように添加したもの(培地II)、基礎培地に乳蛋白質分解物である乳ペプチド((株)第一化成の商品名「リッチプロP」)を、培地中の濃度が0.2重量%となるように添加したもの(培地III)、および、基礎培地に炭酸カルシウム(CaCO3)(ナカライテスク(株)の製品)を、培地中の濃度が1重量%となるように添加したもの(培地IV)の4種類の培地を使用してそれぞれD7株を培養した。
基礎培地のみで培養したときは、培養液中の菌体外多糖の濃度7.25mg/100g、基礎培地に酵母エキスMnを添加した培地で培養したとき、基礎培地に乳ペプチドを添加した培地で培養したとき、および、基礎培地にCaCO3を添加した培地で培養したときの培養液中の菌体外多糖の濃度はそれぞれ30.30mg/100g、9.28mg/100g、8.23mg/100gであった。それらを比較したグラフを図2に示す。
図2に示したグラフから、基礎培地に酵母エキスMnを添加した培地でD7株を培養したときに菌体外多糖を際立って多く産生することが分かる。この結果より、この発明に係る方法では、D7株を、乳製品原料に酵母エキスMnを添加した培地に接種して培養することとした。
次に、酵母エキスMnを添加した培地と、マンガン以外のミネラルを含有した酵母エキスを添加した培地とを比較するための培養試験を行った。比較試験は、基礎培地に、酵母エキスMn(オリエンタル酵母工業(株)の商品名「ミネラル酵母マンガン1.2%」)、鉄含有酵母エキス(酵母エキスFe)(同社の商品名「ミネラル酵母鉄1.5%」)、亜鉛含有酵母エキス(酵母エキスZn)(同社の商品名「ミネラル酵母亜鉛5.75%」)および銅含有酵母エキス(酵母エキスCu)(同社の商品名「ミネラル酵母銅1.1%」)を、それぞれ培地中の濃度が0.2重量%となるように添加したものの4種類の培地を使用し、それぞれD7株を培養した。なお、酵母エキスMn、酵母エキスFe、酵母エキスZnおよび酵母エキスCuにおいて、それぞれのミネラル含有量に差がある。これは、市販品として入手可能な商品の種類が限られているためであるが、酵母エキスFeおよび酵母エキスCuについては、酵母エキスMnとミネラル含有量がそれほど大きくは変わらず、また、酵母エキスZnについては、酵母エキスMnよりミネラル含有量が多いので、酵母エキスに含有されるミネラルの違いによる菌体外多糖の産生量の多寡を認定することは可能であると判断した。
基礎培地に酵母エキスMnを添加した培地でD7株を培養したときは、培養液中の菌体外多糖の濃度34.58mg/100gであったのに対し、基礎培地に酵母エキスFeを添加した培地で培養したとき、基礎培地に酵母エキスZnを添加した培地で培養したとき、および、基礎培地に酵母エキスCuを添加した培地で培養したときの培養液中の菌体外多糖の濃度はそれぞれ20.96mg/100g、17.45mg/100g、6.00mg/100gであった。それらを比較したグラフを図3に示す。
図3に示したグラフから、基礎培地に酵母エキスMnを添加した培地でD7株を培養したときの菌体外多糖の産生量が、基礎培地に酵母エキスFe、酵母エキスZnおよび酵母エキスCuをそれぞれ添加した培地でD7株を培養したときの菌体外多糖の産生量に比べて一段と多いことが分かる。この結果より、この発明に係る方法では、乳製品原料に添加するミネラル含有酵母エキスを酵母エキスMnとすることとした。酵母エキスMn中のマンガンの含有量は少量でもよく、例えば酵母エキスMn中のMn濃度は1.0重量%以上、好ましくは1.0重量%~5.0重量%とすればよい。
次に、すんきから分離したラクトバチルス・カゼイのD7株、No.10株、C11株およびC12株ならびにラクトバチルス・カゼイの他社A株および他社B株について、菌体外多糖産生能を比較するための培養試験を行った。各菌株の培養には、基礎培地に酵母エキスMnを、培地中の濃度が0.2重量%となるように添加した培地をそれぞれ使用した。
D7株、No.10株、C11株およびC12株では、培養液中の菌体外多糖の濃度がそれぞれ33.97mg/100g、23.78mg/100g、21.22mg/100g、21.57mg/100gであり、他社A株および他社B株では、それぞれ19.93mg/100g、7.59mg/100gであった。それらを比較したグラフを図4に示す。
図4に示したグラフから、他社A株や他社B株に比べて、すんきから分離したラクトバチルス・カゼイのD7株、No.10株、C11株およびC12株が同等もしくはより多くの菌体外多糖を産生し、その中でも特にD7株が多くの菌体外多糖を産生することが分かる。
次に、培地中の酵母エキスMnの濃度を変えてD7株を培養し、菌体外多糖の産生量の変化を調べた。
この培養試験は、基礎培地(酵母エキスMnを含まない)の他、基礎培地に酵母エキスMnを、培地中の濃度が0.001重量%、0.003重量%、0.005重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%となるようにそれぞれ添加した培地を調製し、各培地を使用してそれぞれD7株を培養した。その結果を表1および図5に示す。
この培養試験は、基礎培地(酵母エキスMnを含まない)の他、基礎培地に酵母エキスMnを、培地中の濃度が0.001重量%、0.003重量%、0.005重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%となるようにそれぞれ添加した培地を調製し、各培地を使用してそれぞれD7株を培養した。その結果を表1および図5に示す。
表1および図5に示したグラフから分かるように、酵母エキスMn濃度を0.05重量%にすると培養液中の菌体外多糖の濃度が20mg/100gを超え、酵母エキスMn濃度が0.2重量%を超える範囲までは濃度を高くするのに従って菌体外多糖の産生量が増加していき、酵母エキスMn濃度が0.2重量%を超えるとそれ以上濃度を高くしても菌体外多糖の産生量はほとんど増加することがなく、酵母エキスMn濃度を0.3重量%以上にすると逆に菌体外多糖の産生量が減少に転じる。この結果より、乳製品原料中の酵母エキスMnの濃度は、0.05重量%以上とすることが好ましく、酵母エキスMnは比較的高価であるので、製造プロセス的には乳製品原料中の酵母エキスMnの濃度を0.05重量%~0.3重量%とすればよく、0.05重量%~0.2重量%とすることがより好ましい。
発酵食品の製造、例えば発酵乳(ヨーグルト)の製造は、以下のようにして行われる。
乳製品原料、例えば脱脂粉乳、全粉乳、乳清(乳ペプチド)粉末などを水で溶解した溶液に、必要により果糖ブドウ糖液糖などを添加し、さらに酵母エキスMnを添加したもの(培地)に、ラクトバチルス・カゼイのD7株を接種して培養する。酵母エキスMnの添加量は、乳製品原料中の酵母エキスMnの濃度が0.05重量%~0.3重量%、好ましくは0.05重量%~0.2重量%となるようにする。培養時の温度は、例えば34℃~37℃とし、培養の時間は、例えば18時間~96時間とする。そして、培養液のpH値を測定し、所定の値、例えばpH4.5となったことを確認し、これにより発酵乳の製造が完成する。なお、ラクトバチルス・カゼイのD7株は、単独培養してもよいし、他の乳酸菌株と混合培養してもよい。
乳製品原料、例えば脱脂粉乳、全粉乳、乳清(乳ペプチド)粉末などを水で溶解した溶液に、必要により果糖ブドウ糖液糖などを添加し、さらに酵母エキスMnを添加したもの(培地)に、ラクトバチルス・カゼイのD7株を接種して培養する。酵母エキスMnの添加量は、乳製品原料中の酵母エキスMnの濃度が0.05重量%~0.3重量%、好ましくは0.05重量%~0.2重量%となるようにする。培養時の温度は、例えば34℃~37℃とし、培養の時間は、例えば18時間~96時間とする。そして、培養液のpH値を測定し、所定の値、例えばpH4.5となったことを確認し、これにより発酵乳の製造が完成する。なお、ラクトバチルス・カゼイのD7株は、単独培養してもよいし、他の乳酸菌株と混合培養してもよい。
また、乳製品乳酸菌飲料を製造する場合には、上記した方法により得られた発酵乳に安定剤液(シロップ)を添加し、ホモジナイズ(均質化)処理する。この処理により、乳製品乳酸菌飲料の製造が完了する。安定剤液は、例えば、果糖ブドウ糖液糖に安定剤としてペクチン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、大豆多糖類等を加えて攪拌し、安定剤が分散したことを確認した後、水を加えて、例えば95℃の温度で20分間加熱し、果糖ブドウ糖液糖と安定剤を溶解させて殺菌することにより調製される。
次に、この発明のより具体的な実施例について説明する。
[発酵乳の製法例]
表2の(A)欄に成分構成を示すように、脱脂粉乳10g、全粉乳11.6gおよび乳清粉末0.34g、ならびに、酵母エキスMn0.4g、果糖ブドウ糖液糖(固形分75%)20gおよびフレーバー0.2gを約100gの原料水に投入して溶解させ、原料が溶解したことを確認した後、全量が200gとなるまでさらに原料水を追加した。この溶液を乳製品原料とし、その糖度を測定すると18.5であった。この乳製品原料(培地)をオートクレーブにて105℃の温度で5分間加熱することにより殺菌処理し、約37℃の温度まで冷却した。D7株種菌を殺菌した脱脂粉乳の10.00%水溶液に接種して37℃の温度で48時間培養したものをスターターとし、このスターター0.167mlを乳製品原料に接種して37℃の温度で約19時間培養した。培養液のpH値を測定し、所定のpH値(pH4.5±0.3)であることを確認して、発酵乳の製造を完了した。得られた発酵乳の菌体外多糖の濃度を測定・算出した結果、発酵乳中の菌体外多糖の濃度は32.93mg/100gであった。
なお、工業的には、仕込み液の成分構成を表2の(B)欄に示すようにスケールアップし、この仕込み液に、上記と同様の方法により調製したスターター1.67lを接種して、同様の製造プロセスにより発酵乳の製造を行う。ただし、乳製品原料の殺菌処理は、100℃の温度で5分~10分間加熱することにより行うようにする。
[発酵乳の製法例]
表2の(A)欄に成分構成を示すように、脱脂粉乳10g、全粉乳11.6gおよび乳清粉末0.34g、ならびに、酵母エキスMn0.4g、果糖ブドウ糖液糖(固形分75%)20gおよびフレーバー0.2gを約100gの原料水に投入して溶解させ、原料が溶解したことを確認した後、全量が200gとなるまでさらに原料水を追加した。この溶液を乳製品原料とし、その糖度を測定すると18.5であった。この乳製品原料(培地)をオートクレーブにて105℃の温度で5分間加熱することにより殺菌処理し、約37℃の温度まで冷却した。D7株種菌を殺菌した脱脂粉乳の10.00%水溶液に接種して37℃の温度で48時間培養したものをスターターとし、このスターター0.167mlを乳製品原料に接種して37℃の温度で約19時間培養した。培養液のpH値を測定し、所定のpH値(pH4.5±0.3)であることを確認して、発酵乳の製造を完了した。得られた発酵乳の菌体外多糖の濃度を測定・算出した結果、発酵乳中の菌体外多糖の濃度は32.93mg/100gであった。
なお、工業的には、仕込み液の成分構成を表2の(B)欄に示すようにスケールアップし、この仕込み液に、上記と同様の方法により調製したスターター1.67lを接種して、同様の製造プロセスにより発酵乳の製造を行う。ただし、乳製品原料の殺菌処理は、100℃の温度で5分~10分間加熱することにより行うようにする。
[乳製品乳酸菌飲料の製法例1]
上記した方法により得られた発酵乳に、安定剤液(シロップ)を加えた。安定剤液は、果糖ブドウ糖液糖(固形分75%)60gに安定剤としてペクチン2gを加え、それらを攪拌し、安定剤が分散したことを確認した後に原料水137.6gを加え、オートクレーブにて105℃の温度で4分間加熱して、果糖ブドウ糖液糖と安定剤を溶解させ殺菌して調製した。この安定剤液にフレーバー0.4gを添加した液の全量200gを発酵乳200gに加えた後、それらをホモジナイズ処理して乳製品乳酸菌飲料の製造を完了した。得られた乳製品乳酸菌飲料の菌体外多糖の濃度を測定・算出した結果、乳製品乳酸菌飲料中の菌体外多糖の濃度は16.47mg/100gであった。得られた乳製品乳酸菌飲料は、貯蔵タンクに冷蔵して保存する。
なお、工業的には、上記したようにスケールアップした仕込み液2tから、95℃の温度で20分間加熱して、発酵乳を製造し安定剤液2t(ペクチン20kg+果糖ブドウ糖液糖600kg+原料水1,376kg+フレーバー4kg)を加え、同様の製造プロセスにより乳製品乳酸菌飲料4tの製造を行う。
上記した方法により得られた発酵乳に、安定剤液(シロップ)を加えた。安定剤液は、果糖ブドウ糖液糖(固形分75%)60gに安定剤としてペクチン2gを加え、それらを攪拌し、安定剤が分散したことを確認した後に原料水137.6gを加え、オートクレーブにて105℃の温度で4分間加熱して、果糖ブドウ糖液糖と安定剤を溶解させ殺菌して調製した。この安定剤液にフレーバー0.4gを添加した液の全量200gを発酵乳200gに加えた後、それらをホモジナイズ処理して乳製品乳酸菌飲料の製造を完了した。得られた乳製品乳酸菌飲料の菌体外多糖の濃度を測定・算出した結果、乳製品乳酸菌飲料中の菌体外多糖の濃度は16.47mg/100gであった。得られた乳製品乳酸菌飲料は、貯蔵タンクに冷蔵して保存する。
なお、工業的には、上記したようにスケールアップした仕込み液2tから、95℃の温度で20分間加熱して、発酵乳を製造し安定剤液2t(ペクチン20kg+果糖ブドウ糖液糖600kg+原料水1,376kg+フレーバー4kg)を加え、同様の製造プロセスにより乳製品乳酸菌飲料4tの製造を行う。
[乳製品乳酸菌飲料の製法例2]
表3の(A)欄に成分構成を示すように、脱脂粉乳45gならびに酵母エキスMn0.44gおよび果糖ブドウ糖液糖(固形分75%)7.5gを約100gの原料水に投入して溶解させ、原料が溶解したことを確認した後、全量が220gとなるまでさらに原料水を追加し、この溶液を乳製品原料とした。この乳製品原料(培地)をオートクレーブにて120℃の温度で4分間加熱することにより殺菌処理し、約34℃の温度まで冷却した。D7株種菌を殺菌した脱脂粉乳の10.00%水溶液に接種して37℃の温度で48時間培養したものをスターターとし、このスターター0.5mlを乳製品原料に接種して34℃の温度で約96時間培養した。得られた発酵乳の菌体外多糖の濃度を測定・算出した結果、発酵乳中の菌体外多糖の濃度は45.84mg/100gであった。
なお、工業的には、仕込み液の成分構成を表3の(B)欄に示すようにスケールアップし、この仕込み液に、上記と同様の方法により調製したスターター0.247lを接種して、同様の製造プロセスにより発酵乳の製造を行う。ただし、乳製品原料の殺菌処理は、95℃の温度で50~70分間加熱することにより行うようにする。
表3の(A)欄に成分構成を示すように、脱脂粉乳45gならびに酵母エキスMn0.44gおよび果糖ブドウ糖液糖(固形分75%)7.5gを約100gの原料水に投入して溶解させ、原料が溶解したことを確認した後、全量が220gとなるまでさらに原料水を追加し、この溶液を乳製品原料とした。この乳製品原料(培地)をオートクレーブにて120℃の温度で4分間加熱することにより殺菌処理し、約34℃の温度まで冷却した。D7株種菌を殺菌した脱脂粉乳の10.00%水溶液に接種して37℃の温度で48時間培養したものをスターターとし、このスターター0.5mlを乳製品原料に接種して34℃の温度で約96時間培養した。得られた発酵乳の菌体外多糖の濃度を測定・算出した結果、発酵乳中の菌体外多糖の濃度は45.84mg/100gであった。
なお、工業的には、仕込み液の成分構成を表3の(B)欄に示すようにスケールアップし、この仕込み液に、上記と同様の方法により調製したスターター0.247lを接種して、同様の製造プロセスにより発酵乳の製造を行う。ただし、乳製品原料の殺菌処理は、95℃の温度で50~70分間加熱することにより行うようにする。
上記した方法により得られた発酵乳220gに、オートクレーブにて105℃の温度で10分間加熱殺菌した果糖ブドウ糖液糖(固形分75%)230gを混合し、フレーバー1.35gを添加して、ホモジナイズ処理する。その後、ホモジナイズ処理した液とオートクレーブにて105℃の温度で10分間加熱殺菌して冷却した原料水898.483gとを混合することにより、乳製品乳酸菌飲料の製造を完了した。得られた乳製品乳酸菌飲料の菌体外多糖の濃度を測定・算出した結果、乳製品乳酸菌飲料中の菌体外多糖の濃度は7.64mg/100gであった。また、乳製品乳酸菌飲料は、糖度が16.6~17.0、pH値が3.6~3.8であった。
なお、工業的には、上記したようにスケールアップした仕込み液326kgから発酵乳を製造し、果糖ブドウ糖液糖341kgにフレーバー2kgを加え、ホモジナイズ処理後に、原料水1,330.753kgを加え、同様の製造プロセスにより乳製品乳酸菌飲料2tの製造を行う。
なお、工業的には、上記したようにスケールアップした仕込み液326kgから発酵乳を製造し、果糖ブドウ糖液糖341kgにフレーバー2kgを加え、ホモジナイズ処理後に、原料水1,330.753kgを加え、同様の製造プロセスにより乳製品乳酸菌飲料2tの製造を行う。
この発明により、機能性を有する新たな発酵乳、乳製品乳酸菌飲料等の発酵食品を提供することができ、この発明は、食品分野において大いに利用される可能性がある。
Claims (5)
- 無塩発酵漬物すんきから分離されたラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)に属する菌体外多糖産生能を有するL.casei D7株(独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託。受託番号:NITE P-03462)を、マンガン含有酵母エキスが添加された乳製品原料に接種して培養し、菌体外多糖を含む機能性発酵食品を製造することを特徴とする発酵食品の製造方法。
- 乳製品原料中のマンガン含有酵母エキスの濃度が0.05重量%以上である請求項1に記載の発酵食品の製造方法。
- 乳製品原料中のマンガン含有酵母エキスの濃度が0.05重量%~0.3重量%である請求項2に記載の発酵食品の製造方法。
- 乳製品原料に果糖ブドウ糖液糖および水を配合して培養し、菌体外多糖を含む発酵乳を製造する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発酵食品の製造方法。
- 乳製品原料に果糖ブドウ糖液糖および水を配合して培養し、得られた発酵乳に安定剤液を添加した後にホモジナイズ処理し、菌体外多糖を含む乳製品乳酸菌飲料を製造する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発酵食品の製造方法。。
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