JP2023026929A - 調剤監査装置および調剤監査システム - Google Patents
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Abstract
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従来、こうした監査業務は手作業で行われていたが、ヒューマンエラー防止の観点から、提供される薬品について、手作業によるチェックと併用して種類や数量を機械的にチェックするような監査装置を用いることが知られている(例えば特許文献1~3等参照)。
こうした監査装置においては、例えば電子天秤のような秤上に載置された薬品を撮影し、重量により数量を、画像あるいはバーコードチェックによって薬品の種類を、それぞれ記録に残すことで、薬品の取り間違いや規格違い、数量間違い等の事故を防ぐことができる。
図1は本発明に用いられる調剤監査システムである調剤監査システム200及び調剤監査システムを構成する調剤監査装置である監査装置100の全体構成を示す図である。
調剤監査システム200は、監査装置100と、載置された薬品の重量を測定するための電子天秤101と、を有している。
監査装置100は、薬剤Mの表示コードたるバーコード90を読取可能なバーコードリーダである読取部20と、監査内容などを操作者に対して表示可能な表示部30と、を備えた本体部10と、電子天秤101の上方に位置し、電子天秤101上に載置された薬剤Mを撮影可能なカメラ40と、本体部10と、カメラ40とを接続するフレキシブルアーム50と、を有している。
本体部10には、読取部20、表示部30の他、フレキシブルアーム50を取り付けるための本体側接続部51、本体部10の内部において読取部20や表示部30に表示する情報を制御するための制御部80、監査結果等を出力するための印字部60、もそれぞれ設けられている。
読取部20に例えば薬剤Mの外箱あるいはPTPシート等をかざすと、薬品情報取得部82は読み取ったバーコード90から薬剤Mの薬剤情報を取得し、表示部30に薬剤Mが表示される。
なお、ここではバーコード90から薬剤情報を取得するために薬品マスタ情報から薬品情報取得部82が取得する構成について説明するが、かかる構成に限定されるものではない。例えば上位装置から送られてくるデータや、外部記憶装置等を用いて照合しても良い。また、読取部20は、薬剤M等の情報の取得が可能であればよく、バーコードリーダではなく、例えば画像認識によって薬剤Mを同定する手段を「読取部」として機能させても良い。
カメラ40は、本体部10にフレキシブルアーム50を介して接続されており、取得された画像データは画像取得部83によって制御部80に設けられたメモリやHDDなどの記憶手段に保存される。
フレキシブルアーム50は、カメラ40の位置を調整することで、カメラ40が撮影する画像の視野角が、電子天秤101の風袋上に載置された薬剤Mを全て納められるように、適切に設定される。
このように、調剤監査装置100を重量測定部である電子天秤101とは別体として設けた上で、フレキシブルアーム50を用いてカメラ40を自在に移動可能に支持することで、電子天秤101と本体部10との位置関係によらず配置できるため、調剤監査装置100自体の取り回しや配置スペースを自由にすることができる。
まず、図3に示したように、操作者はまず処方箋102に印字されたバーコード90を読取部20に提示することで処方データを取得する(ステップS101)。
なおステップS101においては、例えば読取部20を用いずとも、電子カルテ等の上位システムから処方データを取得するとしても良い。
表示部20には、かかる処方データに基づいて、図5に示すように患者名等の情報や、処方データに含まれる薬剤M1、M2、M3の薬品情報、および数量が併記された状態で表示される(ステップS102)。
ステップS103で薬剤M1のバーコード90を読み取らせた後、操作者は電子天秤101の風袋上に薬剤M1を載置する(ステップS104)。
このとき、電子天秤101と本体部10とは有線または無線でネットワークとして接続されており、電子天秤101の指し示す重量値が安定するか、安定し始めたと重量取得部81が判定したときに、重量取得部81は電子天秤101の指し示す重量値を取得する(ステップS105)。
また、監査支援部84は、ステップS105で測定されたかかる重量値と、ステップS103において取得された薬剤M1の薬剤情報から、載置された薬剤M1の数量を推定する(ステップS106)。このように監査支援部84は、重量値から載置された薬剤M1の数量を推定する数量推定部としての機能をも有している。
かかるステップS106の数量推定ステップにおいては、例えば薬剤M1の薬剤マスタ情報に、薬剤M1の1包装あたりの重量(例えば100g)と数量(例えば7枚)が登録されており、例えば1包装あたりの重量が100gのとき、電子天秤101が200gの重量値を示していると、2包装分の数量(図6では14枚)として数量が推定される。図6は、薬剤M1を2包、電子天秤101上に配置し、実測値として重量値201.74gを得たときの表示部30に表示される情報を例示したものである。
なお、図6で示した電子天秤101の重量値(201.74g)から、かかる1包装あたりの重量は、必ずしも整数倍になるとは限らず、また、かかる数字には包装の個体差や、輪ゴムのような誤差の原因を含んでいる。
そこで、本実施形態では、後述するように監査支援部84が推定する数量には、予め許容されるべき許容重量値が、PTP包装、散薬、錠剤、水薬等、薬剤Mの大枠の種別ごとに設定されており、処方データに含まれる重量の目標値(例えば200g)に対する電子天秤101の実測値(例えば201.74g)がかかる許容重量値内(例えば20g以内)であった場合には、2包装分、14枚として表示部30に表示される。
なお、ここで許容重量値を薬剤M1、M2、M3等の薬品種固有にせず、水剤や錠剤等、薬剤Mの大枠の種別ごとに設定している理由としては、例えば薬剤のPTP包装のように、固体差の大きい薬品が存在するためである。そこで、許容重量値には例えば梱包材ボタン32に示すように、輪ゴムやピローのような、予め登録された梱包材の重量を、数量の増減によって変動させるものを含めても良い。監査支援部84は、例えば梱包材ボタン32が輪ゴム1個を示しているときには、予め登録されている輪ゴム1個分の重量を、電子天秤101の実測値から差し引いた上で、数量の推定を行うとしても良い。
なお、ステップS107において、数量が一致しない場合には、数量が一致するまで待機状態が維持される。
このとき電子天秤101に薬剤M1が追加で載せられると、重量取得部81は電子天秤101の指し示す重量値を更新して、ステップS105から同様の動作が行われる。
よって、かかる画像データは、監査支援部84によって、薬剤M1の種類と数量とを確認された時点でカメラ40によって撮影された画像データであり、操作者が電子天秤101に載置した薬剤M1が正しい種類であること、正しい数量であること、の2点が確認された状態といえる。よって、監査支援部84は、読取部20によって読み取られた薬剤M1のバーコード90と、電子天秤101によって行われた重量測定の結果とが、処方データに入力された薬剤M1と、重量とに一致するかどうかを判別する監査部としても機能する。
かかる構成にすることによれば、本体部10とは別体として設けられた電子天秤101からの重量値を基に、載置された薬剤の数量を判断できて、薬剤の払い出しを正確に行うことができる。
次に、さらに処方箋102に含まれる薬剤M2について監査を行う場合についても述べる。
操作者は、処方データに含まれる薬剤の全てについて、これらステップS103~ステップS108の動作を繰り返す。
このとき薬剤M1に加えて、処方データに含まれる薬剤M2を測定する場合には、操作者は、新たな薬剤M2を読取部20にバーコード90を読み込ませ(ステップS103)、電子天秤101の上に載置する(ステップS104)。
重量取得部81は、電子天秤101が、一度安定した状態から、さらに重量値が変動した場合には、所謂「重ね量り」の処理を行う。
具体的には、風袋には薬剤M1が載置されたまま、新たに載置された薬剤M2について、重量取得部81は図7に示すように重量値の差分を取得する(ステップS105)。
また、監査支援部84は、ステップS105で測定されたかかる重量値の差分と、ステップS103において取得された薬剤M2の薬剤情報から、載置された薬剤M2の数量を推定する(ステップS106)。
例えば図7においては、201.74gの実測値が206.51gに変化したことから、重量取得部81はかかる実測値の差分4.77gを、重ねられた薬剤M2の重量と検知可能である。そこで、監査支援部84が、薬剤M1において行ったのと同様に、かかる差分値から薬剤M2の数量を推定する。
監査支援部84は、ステップS106で推定された数量と、処方データに含まれる薬剤M2の数量とが一致するかどうかを判定し(ステップS107)、かかる判定で一致した場合には、自動で個数データを数量として取り込むとともに、画像取得部83からカメラ40に対して撮影トリガ信号が発信されて、カメラ40が取得した画像データが画像取得部83へと送信される(ステップS108)。
さらに、撮影が終了すると、監査支援部84は、調剤結果を、図8に示すように、印字部60を用いて出力する(ステップS111)。
そのため、例えば監査支援部84が推定する数量は、薬剤の1包装あたりの重量の整数倍となるように、許容誤差を設けている。
しかしながら、かかる許容誤差を以てしても、厳密に1包装あたりの重量情報から数量を推定することには、秤量エラーが生じてしまう場合があり得る。
そこで、本実施形態では、ステップS107において、処方データに含まれる数量に対して、重量取得部81が電子天秤101の上に載置された薬剤の重量が正しくないと判断したときにも、操作者が任意に加減調製を行うことができる(ステップS120)。
かかる加減調製ステップにおいては、処方箋102に記載された薬剤の数量と、実際に電子天秤101の上に載置された薬剤とが一致するかどうかを操作者が確認した上で、例えば重量取得部81が判定した重量値としては不適であったとしても、操作者の権限で秤量結果を正しいものとして認定することが可能である。具体的には、図6、図7に示したような加減ボタン31を押下して、表示される数量を上下して確定しても良い。
さらに、薬剤M1~M3の何れかにおいて、かかるステップS120を経て、秤量値が正しいとされた場合には、ステップS111においてこれらの加減調製が行われたことも一緒に記録されることが好ましい。
かかる構成とすれば、重量取得部81あるいは監査支援部84が何らかの理由で正当に数量が評価できなかった場合であっても、トレーサビリティを維持したまま操作者の判断によって薬剤の提供を可能とすることができる。
かかる構成により、手動による調剤の自由度と、機械による監査支援の利点とを両立することができる。
20 読取部
30 表示部
40 カメラ(撮像部)
80 制御部
81 重量取得部
82 薬品情報取得部
83 画像取得部
84 監査支援部
90 バーコード(表示コード)
100 監査装置
101 電子天秤(重量測定部)
200 監査システム
M(M1、M2、M3) 薬剤
Claims (5)
- 薬剤の表示コードを読取可能であって当該薬剤を特定するための読取部を備えた本体部と、
載置された前記薬剤の重量測定を行い当該本体部とは別体として設けられる重量測定部からの信号に基づいて撮影可能な撮像部と、
前記本体部に取り付けられて前記撮像部が撮影した画像を表示する表示部と、
前記撮像部と、前記本体部とを接続するとともに前記撮像部の位置を可変に支持するフレキシブルアームと、
を有する調剤監査装置。 - 請求項1に記載の調剤監査装置であって、
前記撮像部は、前記重量測定部の計測が確定したと判別された際に撮影を行うとともに、
前記重量測定部が前記計測が確定したと判別した後に再度重量の変化を測定した際にはさらに撮影を行うことを特徴とする調剤監査装置。 - 請求項1または2に記載の調剤監査装置であって、
前記読取部によって読み取られた前記薬剤の前記表示コードと、前記重量測定部によって行われた重量測定の結果とが処方データに入力された薬剤と、重量とに一致するかどうかを判別する監査部を備え、
前記撮像部は、少なくとも前記監査部が前記判別を行った際には前記撮影を行うことを特徴とする調剤監査装置。 - 請求項3に記載の調剤監査装置であって、
前記監査部は、前記重量測定部による重量測定の結果と、前記処方データに入力された重量との差が予め設定された許容重量値以内であった場合には、前記判別において一致すると判別することを特徴とする調剤監査装置。 - 請求項1乃至4の何れか1つに記載の調剤監査装置と、
前記調剤監査装置とは別体に設けられた前記重量測定部と、を有する調剤監査システム。
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