JP2023025874A - 皮膚用赤外線照射装置及びそれに用いられる赤外線放射構造体 - Google Patents
皮膚用赤外線照射装置及びそれに用いられる赤外線放射構造体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2023025874A JP2023025874A JP2021131296A JP2021131296A JP2023025874A JP 2023025874 A JP2023025874 A JP 2023025874A JP 2021131296 A JP2021131296 A JP 2021131296A JP 2021131296 A JP2021131296 A JP 2021131296A JP 2023025874 A JP2023025874 A JP 2023025874A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- infrared
- infrared radiation
- skin
- radiation structure
- irradiation device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】特定波長領域の赤外線を人の皮膚に照射して、美容、抗菌等に関して良作用を及ぼす皮膚用赤外線照射装置、及び、赤外線放射構造体を提供すること。【解決手段】皮膚用赤外線照射装置に具備された赤外線放射構造体2から放射される赤外線を人の皮膚に照射して、該人に良作用を及ぼす皮膚用赤外線照射装置であって、該赤外線放射構造体2は、セラミックス中にナノカーボン材料が微分散状態で含有されてなるものであり、該赤外線放射構造体全体に対して0.2~10質量%のナノカーボン材料が、該赤外線放射構造体2の内部において該ナノカーボン材料同士で凝集せずに分散しているものであり、該赤外線放射構造体2は、JFCC法で測定した、25℃における400cm-1以上6000cm-1以下の波数域の赤外線の放射率が、該波数域の何れの波数においても30%以上となるものである皮膚用赤外線照射装置と該装置専用の赤外線放射構造体2。【選択図】図4
Description
本発明は、特定の赤外線放射構造体から放射される特定の波長領域を有する赤外線を人の皮膚に照射して、人に良作用を及ぼす皮膚用赤外線照射装置に関するものであり、また、該皮膚用赤外線照射装置に用いられる特定の赤外線放射構造体に関するものである。
カーボンナノチューブ等のナノサイズの炭素質物と、アルミナ、ジルコニア等のセラミックスの両方を含有する物は知られている。また、ナノサイズの炭素質物とセラミックスを組み合わせる技術も知られている。
特許文献1には、カーボンナノチューブが分散されてなる、電気抵抗率が低いセラミックス焼結体が記載されている。この技術(発明)によれば、セラミックス基板に導電性を付与し(絶縁性を下げて)、静電気(帯電)を抑制して、粉の付着によるパターン不良(による歩留まり低下)を防止できるとされている。また、帯電により電子ビームが曲げられ、電子ビームによるパターン形成に支障が出ることが抑制されると記載されている。
特許文献2には、ジルコニア焼結体中にカーボンナノチューブを0.1~3.0質量%含有させた低体積抵抗率のジルコニア焼結体が記載されている。この技術(発明)によれば、低いカーボンナノチューブの含有で電導性が付与され、また、高い靭性と破壊強度が得られるとされている。
特許文献3には、セラミックス粒子と、該セラミックス粒子の表面に、0.1~3.0質量%の含有量で、単分散状態で存在している微小炭素系物質とを備えたセラミックス焼結体が記載されている。この技術(発明)によれば、該微小炭素系物質の含有によって、電導性と破壊靭性の向上がなされるとされている。
しかしながら、上記特許文献に記載の技術(発明)は、セラミックス基板としての絶縁性は保ちつつ、若干電気抵抗率を下げて(導電性を持たせて)、静電気(基板の帯電)を抑制してセラミックス基板のパターン形成の歩留まりを向上させるものであった。
すなわち、これらの技術(発明)は、電子基板に関するものであり、上記特許文献には赤外線の放射に関する記載はない。
すなわち、これらの技術(発明)は、電子基板に関するものであり、上記特許文献には赤外線の放射に関する記載はない。
特許文献4には、セラミックス粒子中にナノカーボン材料の大部分が凝集体を構成することなく均一に分散したナノカーボン複合セラミックスが記載されている。この技術(発明)によれば、25℃における波長領域1.67μm~25μmの赤外線の放射率が高いので、赤外線放射体として優れたものが得られるとされている。
しかしながら、特許文献4に記載の技術(発明)は、ナノカーボン材料の配合によって、特定波長領域の放射率を高め、加熱又は乾燥に資する赤外線放射体に関するものであった。すなわち、該技術(発明)は、野菜、椎茸、茶、米等の食品の乾燥に好適であると言うものであり、人の皮膚に照射するものではなく、美容に関するものでもなく、抗菌性に関するもの(例えば、特定波長領域の赤外線の抗菌性を利用したもの)でもなかった。
一般に、赤外線を人の皮膚に照射することは知られているが、上記した通り、「特定の赤外線放射構造体」から放射される「特定の波長領域の赤外線」を人の皮膚に照射する技術は、殆ど知られていなかった。
また更に、「セラミックス中にナノカーボン材料が微分散状態で含有されてなる構造体」からの特定の波長領域の赤外放射光を、人の皮膚に照射したり、美容に応用したり、抗菌に利用したりする技術はなく、そのような材料や装置は今までになかった。
また更に、「セラミックス中にナノカーボン材料が微分散状態で含有されてなる構造体」からの特定の波長領域の赤外放射光を、人の皮膚に照射したり、美容に応用したり、抗菌に利用したりする技術はなく、そのような材料や装置は今までになかった。
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、皮膚に照射して、美容、抗菌等に関して良作用を及ぼす皮膚用赤外線照射装置を提供することにあり、また、該皮膚用赤外線照射装置に具備されており、特定領域の赤外線を放射する、該装置専用の赤外線放射構造体を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、セラミックス中にナノカーボン材料が微分散状態で含有されてなる「特定の形態を有し特定の波数領域の赤外線を放射する赤外線放射構造体」は、そこから放射される赤外線が、美顔等の美容に好適であり、また、抗菌性を有し真菌症等に対応できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、皮膚用赤外線照射装置に具備された赤外線放射構造体から放射される赤外線を人の皮膚に照射して、該人に良作用を及ぼす皮膚用赤外線照射装置であって、
該赤外線放射構造体は、セラミックス中にナノカーボン材料が微分散状態で含有されてなるものであり、
該赤外線放射構造体全体に対して0.2質量%以上10質量%以下の含有量のナノカーボン材料が、該赤外線放射構造体の内部において該ナノカーボン材料同士で凝集せずに分散しているものであり、
該赤外線放射構造体は、JFCC法で測定した、25℃における400cm-1以上6000cm-1以下の波数域の赤外線の放射率が、該波数域の何れの波数においても30%以上となるものであることを特徴とする皮膚用赤外線照射装置を提供するものである。
該赤外線放射構造体は、セラミックス中にナノカーボン材料が微分散状態で含有されてなるものであり、
該赤外線放射構造体全体に対して0.2質量%以上10質量%以下の含有量のナノカーボン材料が、該赤外線放射構造体の内部において該ナノカーボン材料同士で凝集せずに分散しているものであり、
該赤外線放射構造体は、JFCC法で測定した、25℃における400cm-1以上6000cm-1以下の波数域の赤外線の放射率が、該波数域の何れの波数においても30%以上となるものであることを特徴とする皮膚用赤外線照射装置を提供するものである。
また、本発明は、前記赤外線放射構造体は、25℃における2500cm-1以上6000cm-1以下の波数域の中赤外線及び近赤外線の平均放射率が、前記ナノカーボン材料を含有することで、含有しないものに比べて、2倍以上に増大しているものである前記の皮膚用赤外線照射装置を提供するものである。
また、本発明は、更に、前記赤外線放射構造体を加熱するための熱源体が、該赤外線放射構造体に埋め込まれている、又は、該赤外線放射構造体の赤外線放射面とは反対側に、密着されている若しくは隣接して具備されている前記の皮膚用赤外線照射装置を提供するものである。
また、本発明は、前記セラミックスが、アルカリ金属のケイ酸塩若しくはアルミン酸塩、金属アルコキシド、又は、シリカゾル、アルミナゾル若しくはジルコニアゾルがセラミックス粒子と共に硬化したものである前記の皮膚用赤外線照射装置(態様1)を提供するものである。
また、本発明は、前記セラミックスが、体積平均粒径が0.03μm以上10μm以下のセラミックス粒子が、該セラミックス粒子が形成する粒界層を介して互いに結合してなるものである前記の皮膚用赤外線照射装置(態様2)を提供するものである。
また、本発明は、前記の皮膚用赤外線照射装置に用いられるものであって、
前記セラミックス中に前記ナノカーボン材料が微分散状態で含有されていることを特徴とする赤外線放射構造体を提供するものである。
前記セラミックス中に前記ナノカーボン材料が微分散状態で含有されていることを特徴とする赤外線放射構造体を提供するものである。
本発明によれば、特定波長領域の赤外線を人の皮膚に照射できるので、美顔、美肌等の美容に効果がある。また、皮膚の温度が好適に上がるので、例えば、代謝や新陳代謝(metabolism)が活発になる、血流が増加する等の効果がある。
また、細菌や真菌に対する抗菌作用も期待されるので、例えば、マラセチア菌等による背中ニキビ;アクネ菌等による顔ニキビ;皮膚糸状菌・白癬菌等による水虫、たむし、しらくも等;カンジダ菌による男女のカンジダ症;等の治療に効果がある。
また、細菌や真菌に対する抗菌作用も期待されるので、例えば、マラセチア菌等による背中ニキビ;アクネ菌等による顔ニキビ;皮膚糸状菌・白癬菌等による水虫、たむし、しらくも等;カンジダ菌による男女のカンジダ症;等の治療に効果がある。
本発明における赤外線放射構造体は、(通常は300℃以下での)縮合反応によって硬化させる態様1であっても、(通常は500℃以上での)焼成によってセラミックス粒子が粒界層を介して互いに結合する態様2であっても、後述するような態様3であっても、セラミックス中にナノカーボン材料が微分散状態で含有されているので、該ナノカーボン材料に起因した特定の波長領域の赤外線が豊富に放射され、皮膚と言った特定の対象物に、該特定の波長領域の赤外線が照射される。それによって、上記した効果が奏される。
本発明では、赤外線を人の皮膚に向かって照射すればよいのであって、皮膚で吸収されて該皮膚に直接的に良作用を与えなくても本発明に含まれる。本発明は、皮膚以外の「人の体」に良作用を及ぼす皮膚用赤外線照射装置である。
本発明における赤外線放射構造体の放射する近赤外線や中赤外線の中には、皮膚での吸光度が低い波長の光がある(皮膚の内部にまで入る光がある)。従って、皮膚に照射された人が、皮膚以外の場所又は体全体に良作用を得る場合も含まれる。
本発明における赤外線放射構造体の放射する近赤外線や中赤外線の中には、皮膚での吸光度が低い波長の光がある(皮膚の内部にまで入る光がある)。従って、皮膚に照射された人が、皮膚以外の場所又は体全体に良作用を得る場合も含まれる。
物体から放射される赤外線のスペクトル(波長や強度)・放射率等は、該物体を構成する物質の化学構造に起因するが、言い換えれば物質固有のものではあるが、物質の種類だけでなく、該物質自体又は該物質を含有する物体の、表面状態、温度(加熱条件)、形状(分散状態等)、マトリックス(分散媒体)(本発明の場合はセラミックス)、等によっても変化する。
本発明における赤外線放射構造体は、特定の波長領域の赤外線が皮膚に照射されることによって、上記した効果が好適に奏される。
本発明における赤外線放射構造体は、特定の波長領域の赤外線が皮膚に照射されることによって、上記した効果が好適に奏される。
本発明の皮膚用赤外線照射装置に具備されている赤外線放射構造体は、赤外線放射構造体全体に対して、0.2質量%以上10質量%以下の含有量の範囲でナノカーボン材料が、該ナノカーボン材料同士で凝集せずに微分散状態でセラミックス中に微分散しているので、炭素(C)と言った物質の種類;ナノカーボン材料と言った物質・物体の形態;セラミックスと言ったマトリックス(分散媒体)の態様;等によって、上記した効果が好適に奏される。
上記ナノカーボン材料としては、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、フラーレン、グラフェン等が挙げられ、それを微分散状態で含有するによって、上記した効果が更に好適に奏される。
また、「赤外線放射構造体を加熱するための熱源体」の、種類・構成・温度(印加電圧等);該赤外線放射構造体との位置関係;等を、後述するように調整することによって、該赤外線放射構造体の加熱条件を最適なものにでき、上記した効果を特に好適に得ることができる。なお、得ようとする効果に合わせて、赤外線放射構造体から「照射対象である皮膚」までの距離を調整できることは言うまでもない。
本発明における赤外線放射構造体からの赤外線放射のスペクトル(波長や強度)・放射率等は、一例を図7の(A)に示した通り、遠赤外光も放射されるが、近赤外光と中赤外光が強く放射される。
後述する赤外線放射構造体の態様1、2、3の如何を問わず、何れの態様でも、同様な(図7の(A)に示したような)赤外線放射のスペクトル(波長や強度)・放射率等が得られる。
後述する赤外線放射構造体の態様1、2、3の如何を問わず、何れの態様でも、同様な(図7の(A)に示したような)赤外線放射のスペクトル(波長や強度)・放射率等が得られる。
一例を図7の(B)に示した(例えば熱源体として使用される)既存のセラミックスヒーターでは、近赤外光と中赤外光の放射が少ない。
本発明における赤外線放射構造体からは、特に既存のヒーターに比べて、1.67μm(6000cm-1)から2.5μm(4000cm-1)までの近赤外線、2.5μm(4000cm-1)から4.0μm(2500cm-1)までの中赤外線、4.0μm(2500cm-1)から25μm(400cm-1)までの遠赤外線が豊富に放射される。
更に、放射波長(エネルギー)に関して、後述するような特徴を有し、それによって全記した本発明の効果が好適に奏される。
本発明における赤外線放射構造体からは、特に既存のヒーターに比べて、1.67μm(6000cm-1)から2.5μm(4000cm-1)までの近赤外線、2.5μm(4000cm-1)から4.0μm(2500cm-1)までの中赤外線、4.0μm(2500cm-1)から25μm(400cm-1)までの遠赤外線が豊富に放射される。
更に、放射波長(エネルギー)に関して、後述するような特徴を有し、それによって全記した本発明の効果が好適に奏される。
なお、本発明においては、それぞれの光の波長に関し、常法に従い、赤色光:0.625μm~0.78μm、近赤外光:0.78μm~2.5μm、中赤外光:2.5μm~4.0μm、遠赤外光:4.0μm以上、と定義する。
本発明の皮膚用赤外線照射装置やそれに具備されている赤外線放射構造体に関し、限定はされないが、態様1、態様2、態様3等が好ましい。
態様1では、縮合反応によって硬化させて赤外線放射構造体を作製し、該赤外線放射構造体を加熱するための熱源体が該赤外線放射構造体に埋め込まれている(図1~4参照)。
一方、態様2では、焼成によって赤外線放射構造体を作製し、該赤外線放射構造体を加熱するための熱源体が、該赤外線放射構造体の赤外線放射面とは反対側に密着されて若しくは隣接して具備されている(図5、6参照)。
態様1では、縮合反応によって硬化させて赤外線放射構造体を作製し、該赤外線放射構造体を加熱するための熱源体が該赤外線放射構造体に埋め込まれている(図1~4参照)。
一方、態様2では、焼成によって赤外線放射構造体を作製し、該赤外線放射構造体を加熱するための熱源体が、該赤外線放射構造体の赤外線放射面とは反対側に密着されて若しくは隣接して具備されている(図5、6参照)。
態様1~3のような態様にすることによって、好適な波長の赤外線が出て皮膚に好作用を及ぼすと共に、美容機器として使用し易く、また、コンパクトな形状にすることも可能である。
また、本発明における赤外線放射構造体は、引っかき強度、鉛筆硬度、モース硬度等の表面硬度に優れ、引張強さ(物体の強度、変形抵抗等)に優れ、靭性(曲げ強度、抗折力、破壊エネルギー等)が大きい。
すなわち、「多孔質ではない通常のセラミックス」に類似した優れた物理的強度を有するので、装置内のメイン機能を有する構造体として、装置を製造し易く、使用に際して劣化もない。
すなわち、「多孔質ではない通常のセラミックス」に類似した優れた物理的強度を有するので、装置内のメイン機能を有する構造体として、装置を製造し易く、使用に際して劣化もない。
以下、本発明について説明するが、本発明は、以下の具体的態様に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
本発明の皮膚用赤外線照射装置は、皮膚用赤外線照射装置に具備された赤外線放射構造体から放射される赤外線を人の皮膚に照射して、該人に良作用を及ぼす皮膚用赤外線照射装置であって、
該赤外線放射構造体は、セラミックス中にナノカーボン材料が微分散状態で含有されてなるものであり、
該赤外線放射構造体全体に対して0.2質量%以上10質量%以下の含有量のナノカーボン材料が、該赤外線放射構造体の内部において該ナノカーボン材料同士で凝集せずに分散しているものであり、
該赤外線放射構造体は、JFCC法で測定した、25℃における400cm-1以上6000cm-1以下の波数域の赤外線の放射率が、該波数域の何れの波数においても30%以上となるものであることを特徴とする。
該赤外線放射構造体は、セラミックス中にナノカーボン材料が微分散状態で含有されてなるものであり、
該赤外線放射構造体全体に対して0.2質量%以上10質量%以下の含有量のナノカーボン材料が、該赤外線放射構造体の内部において該ナノカーボン材料同士で凝集せずに分散しているものであり、
該赤外線放射構造体は、JFCC法で測定した、25℃における400cm-1以上6000cm-1以下の波数域の赤外線の放射率が、該波数域の何れの波数においても30%以上となるものであることを特徴とする。
<赤外線放射構造体>
本発明における赤外線放射構造体2は、セラミックス中にナノカーボン材料が微分散状態で含有されているものであって、上記要件を満たすものである。
<<ナノカーボン材料>>
ここで、上記「ナノカーボン材料」とは、ナノオーダー又はマイクロオーダーに調整された微小な炭素質物のことである。
該ナノカーボン材料としては、無定形炭素やカーボンブラック等も挙げられるが、本発明においては、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、フラーレン、及び、グラフェン若しくはその積層体よりなる群から選ばれた1種又は2種以上のナノカーボン材料が好ましいものとして挙げられる。これらは、1種でも2種以上の配合でもよい。
本発明における赤外線放射構造体2は、セラミックス中にナノカーボン材料が微分散状態で含有されているものであって、上記要件を満たすものである。
<<ナノカーボン材料>>
ここで、上記「ナノカーボン材料」とは、ナノオーダー又はマイクロオーダーに調整された微小な炭素質物のことである。
該ナノカーボン材料としては、無定形炭素やカーボンブラック等も挙げられるが、本発明においては、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、フラーレン、及び、グラフェン若しくはその積層体よりなる群から選ばれた1種又は2種以上のナノカーボン材料が好ましいものとして挙げられる。これらは、1種でも2種以上の配合でもよい。
中でも、前記した本発明の効果を得るため、均一混合が可能であるため、セラミックスに均一に分散させることができる点から、更に好ましくは、カーボンナノチューブ又はカーボンナノファイバーであり、特に好ましくはカーボンナノチューブである。
ここで、カーボンナノチューブは、マルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)であっても、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)であってもよい。
ここで、カーボンナノチューブは、マルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)であっても、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)であってもよい。
カーボンナノチューブとしては、市販品も好適に使用可能である。市販品としては、例えば、ナノサミット株式会社製の「CNT」等が挙げられる。
<<<ナノカーボン材料のサイズと分散状態>>>
上記のナノカーボン材料の大きさ(直径(太さ)、長さ、ベーサル面での面積、ベーサル面に直角方向の厚さ等)は、一般的に知られている範囲や一般に定義されている範囲であって特に限定するものではない。例えば、カーボンナノチューブの直径は、0.4nm~100nm(単層~多層)であり、カーボンナノファイバーの直径は、3nm~500nmである。また、グラフェンの厚さは1nm~10nm(単層~多層)、ベーサル面の差し渡し長さは1μm~30μmである。
上記のナノカーボン材料の大きさ(直径(太さ)、長さ、ベーサル面での面積、ベーサル面に直角方向の厚さ等)は、一般的に知られている範囲や一般に定義されている範囲であって特に限定するものではない。例えば、カーボンナノチューブの直径は、0.4nm~100nm(単層~多層)であり、カーボンナノファイバーの直径は、3nm~500nmである。また、グラフェンの厚さは1nm~10nm(単層~多層)、ベーサル面の差し渡し長さは1μm~30μmである。
赤外線放射構造体2には、上記ナノカーボン材料が、ナノカーボン材料同士で凝集せずに分散しており、微分散状態で存在しているが、該微分散状態におけるナノカーボン材料の大きさは、上記したナノカーボン材料の大きさであることが好ましいが、10個以下で隣接していてもよい。
ここで、「ナノカーボン材料同士で凝集せずに分散している」、「ナノカーボン材料が微分散状態で含有されている」とは、ナノカーボン材料の大部分が上記のような状態で存在していることを言い、特に数値が限定されるものではないが、好ましくはナノカーボン材料全体の70質量%以上、より好ましくはナノカーボン材料全体の80質量%以上、特に好ましくはナノカーボン材料全体の90質量%以上が、上記のような状態で存在している状態を言う。
<<<ナノカーボン材料の含有割合>>>
本発明における赤外線放射構造体には、赤外線放射構造体全体に対して0.2質量%以上10質量%以下のナノカーボン材料が分散状態で含有されている。
ナノカーボン材料の含有割合は、0.4質量%以上9質量%以下が好ましく、0.7質量%以上8質量%以下がより好ましく、1.0質量%以上7質量%以下が特に好ましく、1.3質量%以上6質量%以下が最も好ましい。
なお、複数種類のナノカーボン材料を併用する場合は、上記含有割合は、赤外線放射構造体全体に対するそれら複数種類のナノカーボン材料(の質量)の合計である。
本発明における赤外線放射構造体には、赤外線放射構造体全体に対して0.2質量%以上10質量%以下のナノカーボン材料が分散状態で含有されている。
ナノカーボン材料の含有割合は、0.4質量%以上9質量%以下が好ましく、0.7質量%以上8質量%以下がより好ましく、1.0質量%以上7質量%以下が特に好ましく、1.3質量%以上6質量%以下が最も好ましい。
なお、複数種類のナノカーボン材料を併用する場合は、上記含有割合は、赤外線放射構造体全体に対するそれら複数種類のナノカーボン材料(の質量)の合計である。
ナノカーボン材料が上記下限より少ないときは、得られる赤外線放射構造体の所定の赤外光の強度が下がる場合等がある。
一方、ナノカーボン材料が上記上限より多いときは、セラミックス(粒子)同士の結合力・接着性を低下させ、得られる赤外線放射構造体の靭性が劣ったり、表面硬度が低下したり、緻密な赤外線放射構造体ができず、極端な場合は、テラコッタ、素焼き、チョーク等のようになったりして、物理的強度が低下する場合等がある。
一方、ナノカーボン材料が上記上限より多いときは、セラミックス(粒子)同士の結合力・接着性を低下させ、得られる赤外線放射構造体の靭性が劣ったり、表面硬度が低下したり、緻密な赤外線放射構造体ができず、極端な場合は、テラコッタ、素焼き、チョーク等のようになったりして、物理的強度が低下する場合等がある。
後述する何れの態様の赤外線放射構造体においても、上記したナノカーボン材料の種類や、上記したナノカーボン材料の((特に)好ましい)含有割合や、特定の値範囲をとるときの効果等は、同様である(共通である)。
<<セラミックス>>
本発明における赤外線放射構造体は、セラミックス中にナノカーボン材料が微分散状態で含有されてなるものである。ここで、「セラミックス」については、赤外線放射構造体の態様によって異なるので、態様ごとに後述する。
本発明における赤外線放射構造体は、セラミックス中にナノカーボン材料が微分散状態で含有されてなるものである。ここで、「セラミックス」については、赤外線放射構造体の態様によって異なるので、態様ごとに後述する。
<<赤外線放射構造体の放射波数(波長)と強度>>
本発明における該赤外線放射構造体は、JFCC法で測定した、25℃における400cm-1以上6000cm-1以下の波数域の赤外線の放射率が、該波数域の何れの波数においても30%以上となるものであることを特徴とする。言い換えれば、25℃における1.67μm以上25μm以下の波長域の赤外線の放射率が、該波長域の何れの波数においても30%以上となるものであることを特徴とする。
上記値は、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは65%以上、特に好ましくは80%以上である。
本発明における該赤外線放射構造体は、JFCC法で測定した、25℃における400cm-1以上6000cm-1以下の波数域の赤外線の放射率が、該波数域の何れの波数においても30%以上となるものであることを特徴とする。言い換えれば、25℃における1.67μm以上25μm以下の波長域の赤外線の放射率が、該波長域の何れの波数においても30%以上となるものであることを特徴とする。
上記値は、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは65%以上、特に好ましくは80%以上である。
本発明における該赤外線放射構造体によれば、上記値の達成が可能である。
後述する何れの態様の赤外線放射構造体においても、上記した及び下記する((特に)好ましい)値は同様である(共通である)。
なお、測定方法の詳細は実施例に記載した通りである。
後述する何れの態様の赤外線放射構造体においても、上記した及び下記する((特に)好ましい)値は同様である(共通である)。
なお、測定方法の詳細は実施例に記載した通りである。
通常のセラミックスヒーターでは、例えば、2500cm-1~6000cm-1の放射率が50%以下、及び/又は、4000cm-1~6000cm-1の放射率が20%以下と言うように、400cm-1以上6000cm-1以下の波数域の赤外線の放射率が、該波数域の何れの波数においても30%以上とはならない。
また、本発明における赤外線放射構造体2は、JFCC法で測定した、25℃における2500cm-1以上4000cm-1以下の「中赤外線の定義である波数域」の放射率が、該波数域の何れの波数においても50%以上のものであることが好ましい。
上記値は、好ましくは65%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。
本発明における該赤外線放射構造体2によれば、上記値の達成が可能である。
通常のセラミックスヒーターでは、例えば図7に示したように、中赤外線の放射率が、該波数域の何れの波数においても上記値以上とはなり難い。
上記値は、好ましくは65%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。
本発明における該赤外線放射構造体2によれば、上記値の達成が可能である。
通常のセラミックスヒーターでは、例えば図7に示したように、中赤外線の放射率が、該波数域の何れの波数においても上記値以上とはなり難い。
前記赤外線放射構造体2は、JFCC法で測定した、25℃における4000cm-1以上6000cm-1以下の波数域の近赤外線の放射率が、該波数域の何れの波数においても30%以上のものであることが好ましい。
上記値は、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは85%以上である。
本発明における該赤外線放射構造体2によれば、上記値の達成が可能である。
通常のセラミックスヒーターでは、例えば図7に示したように、近赤外線の内の上記波数域の放射率が、該波数域の何れの波数においても上記値以上とはなり難い。
上記値は、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは85%以上である。
本発明における該赤外線放射構造体2によれば、上記値の達成が可能である。
通常のセラミックスヒーターでは、例えば図7に示したように、近赤外線の内の上記波数域の放射率が、該波数域の何れの波数においても上記値以上とはなり難い。
本発明における赤外線放射構造体2は、25℃における2500cm-1以上6000cm-1以下の波数域の中赤外線及び近赤外線の[%]が、前記ナノカーボン材料を含有することで、含有しないものに比べて、「%」の値として2倍以上に増大させたものが好ましい。ここで、「平均」とは、上記波数範囲に亘っての平均と言う意味である。
本発明における該赤外線放射構造体2によれば、上記値の達成が可能である。
本発明における該赤外線放射構造体2によれば、上記値の達成が可能である。
<赤外線放射構造体の態様>
本発明における赤外線放射構造体は、上記した要件を満たす態様の構造体でありさえすれば、更に具体的な形状等の態様や製造方法等は特に限定はされないが、後述する態様1、態様2又は態様3が好ましい。
また、赤外線放射構造体は、何れの態様においても、本発明の効果を損なわない範囲において、表面の機械的強度や接着強度、安全性、電気絶縁性、防汚性、デザイン性等を向上させるために、かかる性能向上塗膜(例えば、ポリアルキレン、シリコーン等)で覆うこともできる。
以下、「赤外線放射構造体」を、単に「構造体」と略記することがある。
本発明における赤外線放射構造体は、上記した要件を満たす態様の構造体でありさえすれば、更に具体的な形状等の態様や製造方法等は特に限定はされないが、後述する態様1、態様2又は態様3が好ましい。
また、赤外線放射構造体は、何れの態様においても、本発明の効果を損なわない範囲において、表面の機械的強度や接着強度、安全性、電気絶縁性、防汚性、デザイン性等を向上させるために、かかる性能向上塗膜(例えば、ポリアルキレン、シリコーン等)で覆うこともできる。
以下、「赤外線放射構造体」を、単に「構造体」と略記することがある。
<<態様1>>
本発明における赤外線放射構造体の態様1は、前記セラミックスが、アルカリ金属のケイ酸塩若しくはアルミン酸塩、金属アルコキシド、又は、シリカゾル、アルミナゾル若しくはジルコニアゾルがセラミックス粒子と共に硬化したものである。
具体的には、例えば、ケイ素含有物に限って言うと、前記セラミックスが、アルカリ金属のケイ酸塩、シリカゾル等が有するシラノール基間の脱水縮合反応で分子間に、及び/又は、アルカリ金属のケイ酸塩、シリカゾル等がセラミックス粒子との間に、(シロキサン)結合を生じさせて硬化したものである。
本発明における赤外線放射構造体の態様1は、前記セラミックスが、アルカリ金属のケイ酸塩若しくはアルミン酸塩、金属アルコキシド、又は、シリカゾル、アルミナゾル若しくはジルコニアゾルがセラミックス粒子と共に硬化したものである。
具体的には、例えば、ケイ素含有物に限って言うと、前記セラミックスが、アルカリ金属のケイ酸塩、シリカゾル等が有するシラノール基間の脱水縮合反応で分子間に、及び/又は、アルカリ金属のケイ酸塩、シリカゾル等がセラミックス粒子との間に、(シロキサン)結合を生じさせて硬化したものである。
態様1の赤外線放射構造体2は、上記した硬化前のもの(セラミックスの原料)に、ナノカーボン材料を加えて加熱硬化して得られる。
上記した硬化前のもの(セラミックスの原料)は、一般に「セラミックス接着剤」、「耐熱接着剤」、「セラミックス塗料」、「耐熱塗料」等と呼ばれることがあり、焼成せずに低温(例えば100℃~300℃)で加熱すれば硬化して、セラミックスを形成するものである。
上記した硬化前のもの(セラミックスの原料)は、一般に「セラミックス接着剤」、「耐熱接着剤」、「セラミックス塗料」、「耐熱塗料」等と呼ばれることがあり、焼成せずに低温(例えば100℃~300℃)で加熱すれば硬化して、セラミックスを形成するものである。
以下、態様1の赤外線放射構造体2を構成するセラミックスの「上記した硬化前のもの(セラミックスの原料)」を、単に「セラミックス接着剤」と略記する。
該セラミックス接着剤は、限定はされないが、水系のもの(分散媒である水に分散しているもの)が好ましい。
該セラミックス接着剤は、限定はされないが、水系のもの(分散媒である水に分散しているもの)が好ましい。
セラミックス接着剤は、アルカリ金属のケイ酸塩若しくはアルミン酸塩、金属アルコキシド、又は、シリカゾル、アルミナゾル若しくはジルコニアゾルを含有するが、本発明において態様1の赤外線放射構造体を調製するためには、限定はされないが、上記の中でも、シリカゾル、アルカリ金属のケイ酸塩が好ましく、アルカリ金属のケイ酸塩が特に好ましい。
上記セラミックス接着剤は、更に、セラミックス粒子(フィラー)を含有する。
該セラミックス粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、酸化カルシウム、ムライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、及び、コーディエライトからなる群より選ばれた1種以上のセラミックス粒子を含有することが好ましい。セラミックス接着剤がセラミックス粒子を含有することによって、硬化後のセラミックスの強度向上、接着性・成型性の向上、体積増大等の効果がある。
該セラミックス粒子の体積平均粒径は、0.03μm~30μmが好ましく、0.1μm~10μmがより好ましく、0.3μm~3μmが特に好ましい。
該セラミックス粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、酸化カルシウム、ムライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、及び、コーディエライトからなる群より選ばれた1種以上のセラミックス粒子を含有することが好ましい。セラミックス接着剤がセラミックス粒子を含有することによって、硬化後のセラミックスの強度向上、接着性・成型性の向上、体積増大等の効果がある。
該セラミックス粒子の体積平均粒径は、0.03μm~30μmが好ましく、0.1μm~10μmがより好ましく、0.3μm~3μmが特に好ましい。
セラミックス接着剤がセラミックス粒子を含有する場合、該セラミックス粒子の含有量は、セラミックス接着剤の固形分全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、55質量%以上90質量%以下がより好ましく、70質量%以上85質量%以下が特に好ましい。
態様1の赤外線放射構造体には、他に、ナノカーボン材料の微分散に寄与する分散剤、塗布性・成型性改良剤、(構造)粘性調整剤、他の有機物、pH調整剤等を含有させることができる。
「アルカリ金属のケイ酸塩若しくはアルミン酸塩、又は、シリカゾル、アルミナゾル若しくはジルコニアゾルが、それらが有するシラノール基間の脱水縮合反応で分子間にシロキサン結合が生じて硬化したもの」と「セラミックス粒子」とを含有して、前記した「セラミックス」が構成される。
セラミックス接着剤としては、市販のものを使用できる。市販品としては、朝日化学工業株式会社製、ボンド・エックスBX-70・80系、BX-91系、AZ-341N系、スミセラムS-17系、S-18系、S-301系;東亜合成化学株式会社製、アロンセラミックE、D;帝国窯業株式会社製、SIMシリーズ;等が挙げられる。
態様1の赤外線放射構造体は、上記したセラミックスの中にナノカーボン材料が微分散状態で含有されてなるものである。態様1の赤外線放射構造体2に含有されるナノカーボン材料の割合は、<<<ナノカーボン材料の含有割合>>>で前記した通りである。
<<<態様1の赤外線放射構造体の製造方法>>>
態様1の赤外線放射構造体2の製造方法は、以下の通りである。
態様1の赤外線放射構造体2の製造方法は、以下の通りである。
(1)セラミックス接着剤とナノカーボン材料を混合して混合液を調製する工程
(2)工程1で得られた混合液を塗布する若しくは流し込む工程
(3)工程2で得られたものを硬化させる工程
(2)工程1で得られた混合液を塗布する若しくは流し込む工程
(3)工程2で得られたものを硬化させる工程
また、上記工程2としては、以下の工程(2-1)(2-2)又は(2-3)が挙げられる。
(2-1)熱源体3に上記混合液を塗布する工程
(2-2)基板に上記混合液を塗布する工程
(2-3)上記混合液を乾燥させて成型する工程
(2-1)熱源体3に上記混合液を塗布する工程
(2-2)基板に上記混合液を塗布する工程
(2-3)上記混合液を乾燥させて成型する工程
[工程1]
工程1では、ナノカーボン材料を所定の(固形分)割合で、セラミックス接着剤に加えて均一に撹拌する。複数種類のナノカーボン材料を使用するときは、同時に配合しても別々に配合してもよい。ナノカーボン材料をセラミックス接着剤のスラリーに配合してもよいし、一旦、ナノカーボン材料の分散液をマスターバッチとして調製し、それをセラミックス接着剤のスラリーに配合してもよい。
工程1では、ナノカーボン材料を所定の(固形分)割合で、セラミックス接着剤に加えて均一に撹拌する。複数種類のナノカーボン材料を使用するときは、同時に配合しても別々に配合してもよい。ナノカーボン材料をセラミックス接着剤のスラリーに配合してもよいし、一旦、ナノカーボン材料の分散液をマスターバッチとして調製し、それをセラミックス接着剤のスラリーに配合してもよい。
上記配合の際、前記した分散剤、塗布性・成型性改良剤、(構造)粘性調整剤、他の有機物、追加の水若しくは有機溶媒等の「他の成分」を配合させることができる。
混合液を均一にする方法や、前記ナノカーボン材料や上記セラミックス粒子等の固体粒子を均一に分散させる方法としては、特に限定はないが、(回転)撹拌翼を使用した(分散)方法、ボールミル若しくはビーズミルを用いた(分散)方法、オリフィスを用いた(分散)方法等が挙げられる。
[工程2]
工程2では、工程1で得られた混合液を熱源体3若しくは基板に塗布する、又は、型に流し込む。工程2としては、以下の工程2-1、工程2-2、又は、工程2-3が挙げられる。
工程2では、工程1で得られた混合液を熱源体3若しくは基板に塗布する、又は、型に流し込む。工程2としては、以下の工程2-1、工程2-2、又は、工程2-3が挙げられる。
[[工程2-1]]
工程2-1では、熱源体3に上記混合液を塗布する。熱源体3の全体に上記混合液を塗布して赤外線放射構造体2を形成させてもよいし、熱源体3の一部に上記混合液を塗布して赤外線放射構造体2を形成させてもよい。
工程2-1では、熱源体3に上記混合液を塗布する。熱源体3の全体に上記混合液を塗布して赤外線放射構造体2を形成させてもよいし、熱源体3の一部に上記混合液を塗布して赤外線放射構造体2を形成させてもよい。
赤外線放射構造体(の塗膜)の厚さは、熱源体3の種類にもより、特に限定はないが、乾燥させ硬化(固化)をさせた後の厚さとして、50μm以上2mm以下が好ましく、100μm以上1mm以下がより好ましく、200μm以上400μm以下が特に好ましい。
塗布の方法は、塗布される対象の熱源体3の種類にも依存し、好適な厚さに均一に塗布できれば、特に限定はないが、具体的には、例えば、ディッピング(浸漬塗布)、刷毛(筆)塗り、スプレー塗布、カーテンコーター塗布、スクリーン印刷塗布、スピナー(ホワラー)回転塗布、タンポ印刷塗布等が挙げられる。
該熱源体3としては、具体的には、例えば、シーズヒーター、セラミックヒーター、赤外線ランプ、カーボンランプ、ハロゲンランプ、カーボンヒーター、ガラス管ヒーター、電磁誘導を利用した誘導加熱ヒーター(IHヒーター)、ニクロム線等の電気抵抗発熱体等が挙げられる。
工程2-1で使用される熱源体3がセラミックヒーターである場合の該熱源体(セラミックヒーター)の一例の写真を図2に示す。
工程2-1で使用される熱源体3がセラミックヒーターである場合の該熱源体(セラミックヒーター)の一例の写真を図2に示す。
上記熱源体3には、態様2における(高温の)焼成に耐えられないものがある。
態様1のセラミックス接着剤(上記混合液)を用いれば、例えば100℃から300℃の比較的低温でも硬化するので、該混合液を該熱源体3に塗布して、該熱源体3ごと加熱することができる。
態様1のセラミックス接着剤(上記混合液)を用いれば、例えば100℃から300℃の比較的低温でも硬化するので、該混合液を該熱源体3に塗布して、該熱源体3ごと加熱することができる。
上記のようにすれば、該熱源体3上に又は該熱源体3を埋め込んで、態様2の赤外線放射構造体を形成(構成)させることができる(図1参照)。
セラミックヒーターの表裏の略全体に態様2の混合液を塗布して硬化させた後の「熱源体(セラミックヒーター)が埋め込まれた赤外線放射構造体」の写真を図3に示す。
なお、この形態は、「高温での焼成を必要とする後述する態様1」では、熱源体3ごと焼成することにより熱源体3が劣化することがあるので、採用し難い場合がある。
セラミックヒーターの表裏の略全体に態様2の混合液を塗布して硬化させた後の「熱源体(セラミックヒーター)が埋め込まれた赤外線放射構造体」の写真を図3に示す。
なお、この形態は、「高温での焼成を必要とする後述する態様1」では、熱源体3ごと焼成することにより熱源体3が劣化することがあるので、採用し難い場合がある。
[[工程2-2]]
工程2-1は、基板に上記混合液を塗布する工程である。基板に上記混合液を塗布して硬化させれば、基板とは反対側が赤外線放射構造体2の表(おもて)面となり、そこから所定の波長域(波数域)の赤外線が放射される。
こうして調製された赤外線放射構造体2は、例えば、図6に示したような「熱源体3が赤外線放射構造体2の赤外線放射面とは反対側に密着されている若しくは隣接して具備されている形態」をとることができる。
なお、この形態は、熱源体3とは分けて焼成することができるので(赤外線放射構造体だけを焼成できるので)、後述する態様2でもとることができる。
工程2-1は、基板に上記混合液を塗布する工程である。基板に上記混合液を塗布して硬化させれば、基板とは反対側が赤外線放射構造体2の表(おもて)面となり、そこから所定の波長域(波数域)の赤外線が放射される。
こうして調製された赤外線放射構造体2は、例えば、図6に示したような「熱源体3が赤外線放射構造体2の赤外線放射面とは反対側に密着されている若しくは隣接して具備されている形態」をとることができる。
なお、この形態は、熱源体3とは分けて焼成することができるので(赤外線放射構造体だけを焼成できるので)、後述する態様2でもとることができる。
[[工程2-3]]
工程2-3は、上記混合液を乾燥させて成型する工程である。例えば、金型や成型容器等に該混合液を流し込み、その後に乾燥させて成型し、次いで、工程3の硬化を行い、態様2の赤外線放射構造体を調製する。
こうして調製された赤外線放射構造体は、例えば、図6に示したような形態にして、該赤外線放射構造体を熱源体3で加熱することができる。
なお、この形態は、熱源体3とは分けて焼成することができるので(赤外線放射構造体だけを焼成できるので)、後述する態様2でもとることができる。
工程2-3は、上記混合液を乾燥させて成型する工程である。例えば、金型や成型容器等に該混合液を流し込み、その後に乾燥させて成型し、次いで、工程3の硬化を行い、態様2の赤外線放射構造体を調製する。
こうして調製された赤外線放射構造体は、例えば、図6に示したような形態にして、該赤外線放射構造体を熱源体3で加熱することができる。
なお、この形態は、熱源体3とは分けて焼成することができるので(赤外線放射構造体だけを焼成できるので)、後述する態様2でもとることができる。
[[工程2の小括]]
態様1のセラミックス接着剤や混合液は、低温(例えば、100℃~300℃)での加熱で硬化することが特長であるので、限定はされないが、該特長を生かすために、熱で劣化する熱源体3に直接付与する工程2-1が、工程2の中では好ましい(図1、3参照)。
態様1のセラミックス接着剤や混合液は、低温(例えば、100℃~300℃)での加熱で硬化することが特長であるので、限定はされないが、該特長を生かすために、熱で劣化する熱源体3に直接付与する工程2-1が、工程2の中では好ましい(図1、3参照)。
[工程3]
工程3は、工程2で得られた未硬化物(塗膜、成型体)を硬化・固化させる工程である。
硬化・固化の温度は、セラミックス接着剤の種類にもよるが、通常は100℃以上500℃以下であり、好ましくは120℃以上300℃以下であり、特に好ましくは140℃以上200℃以下である。
硬化・固化の時間は、セラミックス接着剤の種類や加熱温度にもよるが、通常は10分以上5時間以下であり、好ましくは20分以上3時間以下であり、特に好ましくは30分以上2時間以下である。
工程3は、工程2で得られた未硬化物(塗膜、成型体)を硬化・固化させる工程である。
硬化・固化の温度は、セラミックス接着剤の種類にもよるが、通常は100℃以上500℃以下であり、好ましくは120℃以上300℃以下であり、特に好ましくは140℃以上200℃以下である。
硬化・固化の時間は、セラミックス接着剤の種類や加熱温度にもよるが、通常は10分以上5時間以下であり、好ましくは20分以上3時間以下であり、特に好ましくは30分以上2時間以下である。
温度が高過ぎたり、時間が長過ぎたりすると、工程2-1の場合は、熱源体3ごと加熱するので、赤外線放射構造体2を調製するための加熱硬化中に熱源体3が劣化してしまう場合等がある。一方、温度が低過ぎたり、時間が短過ぎたりすると、硬化反応が完全に進行しない場合等がある。
硬化・固化させるための加熱装置や加熱手段は、特に限定はなく、公知のものが使用される。
硬化・固化させるための加熱装置や加熱手段は、特に限定はなく、公知のものが使用される。
<<態様2>>
本発明における赤外線放射構造体2の態様2は、前記セラミックスが「体積平均粒径が0.03μm以上10μm以下のセラミックス粒子が、該セラミックス粒子が形成する粒界層を介して互いに結合してなるもの」である。
本発明における赤外線放射構造体2の態様2は、前記セラミックスが「体積平均粒径が0.03μm以上10μm以下のセラミックス粒子が、該セラミックス粒子が形成する粒界層を介して互いに結合してなるもの」である。
言い換えれば、本発明における赤外線放射構造体2の態様2は、体積平均粒径が0.03μm以上10μm以下のセラミックス原料、及び、ナノカーボン材料の均一混合物が、成型後に焼成されてなるものが好ましい。
得られた赤外線放射構造体全体に対してのナノカーボン材料の((特に)好ましい)含有割合は、前記した通りであり、すなわち0.2質量%以上10質量%以下のナノカーボン材料が分散状態で含有されているが、製造工程における上記「セラミックス原料及びナノカーボン材料の均一混合物」全体に対するナノカーボン材料の((特に)好ましい)配合割合も、前記した通りである。
得られた赤外線放射構造体全体に対してのナノカーボン材料の((特に)好ましい)含有割合は、前記した通りであり、すなわち0.2質量%以上10質量%以下のナノカーボン材料が分散状態で含有されているが、製造工程における上記「セラミックス原料及びナノカーボン材料の均一混合物」全体に対するナノカーボン材料の((特に)好ましい)配合割合も、前記した通りである。
<<<セラミックス原料及び焼成してなるセラミックス>>>
本発明における赤外線放射構造体2の態様2における「セラミックス原料」としては、焼成してセラミックスになるものであれば、特に限定はないが、例えば、焼成されて、シリカ、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等になるものが挙げられる。
中でも、焼成して、シリカ、アルミナ、ジルコニア、又は、ムライトになるものがより好ましい。言い換えれば、本発明の態様2におけるセラミックス(粒子)は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、及び、ムライトよりなる群から選ばれた1種、又は、2種以上のセラミックスであることがより好ましい。更に、中でも、特に好ましくは、シリカ又はアルミナである。
本発明における赤外線放射構造体2の態様2における「セラミックス原料」としては、焼成してセラミックスになるものであれば、特に限定はないが、例えば、焼成されて、シリカ、アルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディエライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等になるものが挙げられる。
中でも、焼成して、シリカ、アルミナ、ジルコニア、又は、ムライトになるものがより好ましい。言い換えれば、本発明の態様2におけるセラミックス(粒子)は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、及び、ムライトよりなる群から選ばれた1種、又は、2種以上のセラミックスであることがより好ましい。更に、中でも、特に好ましくは、シリカ又はアルミナである。
[シリカ]
焼成されてセラミックス(シリカ)になる「シリカ原料」は、特に限定はないが、火炎中で溶融し球状化した無孔質のものが好ましい。火炎中で溶融温度(1700℃)以上になるため、該球状シリカ原料の表面に活性点であるシラノール基がなくなり、後の工程である焼成が好適に進行する。
ゾルゲル法やケイ酸塩の加水分解で製造されたシリカ原料は、シラノール基が多く表面活性が高いため、焼成によってクリストバライトが生じる場合がある。
従って、「シリカ」の場合、セラミックス原料であるシリカ原料は、球状シリカ原料であることが好ましい。
焼成されてセラミックス(シリカ)になる「シリカ原料」は、特に限定はないが、火炎中で溶融し球状化した無孔質のものが好ましい。火炎中で溶融温度(1700℃)以上になるため、該球状シリカ原料の表面に活性点であるシラノール基がなくなり、後の工程である焼成が好適に進行する。
ゾルゲル法やケイ酸塩の加水分解で製造されたシリカ原料は、シラノール基が多く表面活性が高いため、焼成によってクリストバライトが生じる場合がある。
従って、「シリカ」の場合、セラミックス原料であるシリカ原料は、球状シリカ原料であることが好ましい。
また、シリカ原料は、一般に微量のアルミニウムや鉄を含有することがある。特に限定はないが、本発明におけるシリカ原料が含有するアルミニウムの量は、シリカ原料全体に対して220ppm以下であることが好ましく、本発明におけるシリカ原料が含有する鉄の量は、シリカ原料全体に対して80ppm以下であることが好ましい。
上記上限より多いアルミニウムや鉄の含有は、クリストバライトの生成を誘発し、熱膨張率が大きくなり割れ易くなる等、焼成して得られる赤外線放射構造体2の物理的強度の低下をもたらす場合がある。
また、シリカ原料の場合、アルミニウムや鉄の含有は、焼成後の構造体がガラス状に緻密化することを阻害するので、後述するアルカリ金属(塩)が必要になる場合がある。
上記上限より多いアルミニウムや鉄の含有は、クリストバライトの生成を誘発し、熱膨張率が大きくなり割れ易くなる等、焼成して得られる赤外線放射構造体2の物理的強度の低下をもたらす場合がある。
また、シリカ原料の場合、アルミニウムや鉄の含有は、焼成後の構造体がガラス状に緻密化することを阻害するので、後述するアルカリ金属(塩)が必要になる場合がある。
セラミックス原料全般に共通した(特に)好ましい粒径は後記するが、シリカ原料の体積平均粒径については、0.03μm以上10μmが好ましく、0.10μm以上3μm以下がより好ましく、0.2μm以上1μm以下が特に好ましい。
また、特に限定はないが、球状シリカ原料の比表面積は、2m2/g以上30m2/g以下が好ましく、3m2/g以上20m2/g以下がより好ましく、4m2/g以上10m2/g以下が特に好ましい。
また、特に限定はないが、球状シリカ原料の比表面積は、2m2/g以上30m2/g以下が好ましく、3m2/g以上20m2/g以下がより好ましく、4m2/g以上10m2/g以下が特に好ましい。
[アルミナ]
焼成されてセラミックス(アルミナ)になる「アルミナ原料」は、特に限定はないが、所謂「高純度アルミナ原料」であることが、焼成温度1300~1400℃で緻密に焼成できる等の点から好ましい。
該アルミナ原料の体積平均粒径は、0.1μm以上1.0μm以下が好ましく、比表面積は、8m2/g以上15m2/g以下が好ましい。
焼成されてセラミックス(アルミナ)になる「アルミナ原料」は、特に限定はないが、所謂「高純度アルミナ原料」であることが、焼成温度1300~1400℃で緻密に焼成できる等の点から好ましい。
該アルミナ原料の体積平均粒径は、0.1μm以上1.0μm以下が好ましく、比表面積は、8m2/g以上15m2/g以下が好ましい。
[ジルコニア]
焼成されてセラミックス(ジルコニア)になる「ジルコニア原料」は、1300℃付近の温度で緻密化する、3mol%のイットリア(原料)を均一に分散させた、部分安定化ジルコニア原料が好ましい。
その体積平均粒子径は、0.1μm以上0.5μm以下が好ましく、比表面積は、102/g以上14m2/g以下が好ましい。
焼成されてセラミックス(ジルコニア)になる「ジルコニア原料」は、1300℃付近の温度で緻密化する、3mol%のイットリア(原料)を均一に分散させた、部分安定化ジルコニア原料が好ましい。
その体積平均粒子径は、0.1μm以上0.5μm以下が好ましく、比表面積は、102/g以上14m2/g以下が好ましい。
[ムライト]
焼成されてセラミックス(ムライト)になる「ムライト原料」は、シリカ(原料)とアルミナ(原料)を混合して電融させた電融ムライトが好ましい。
その体積平均粒子径は、0.1μm以上3μm以下が好ましい。
焼成されてセラミックス(ムライト)になる「ムライト原料」は、シリカ(原料)とアルミナ(原料)を混合して電融させた電融ムライトが好ましい。
その体積平均粒子径は、0.1μm以上3μm以下が好ましい。
<<<セラミックス原料の粒径>>>
セラミックス原料の粒径は、体積平均粒径として、0.03μm以上3μm以下であることが、水系スラリーで混合するときには、該水系混合スラリーが調製し易い;良好な焼成が進行する;焼成後に緻密性が上がり物理的強度等の物性が良好になる;セラミックスの表面積を好適範囲として、該表面のナノカーボン材料の量や均一分散性を良いものにする;等の点から好ましい。特に粒径が小さくなり過ぎると、分散性が低下し、分散性の良いスラリーができなくなり、生産性・収率が低下する。
より好ましくは0.08μm以上2.5μm以下であり、更に好ましくは0.10μm以上2.0μm以下であり、更に好ましくは0.15μm以上1.5μm以下であり、最も好ましくは0.2μm以上1.0μm以下である。
セラミックス原料の粒径は、体積平均粒径として、0.03μm以上3μm以下であることが、水系スラリーで混合するときには、該水系混合スラリーが調製し易い;良好な焼成が進行する;焼成後に緻密性が上がり物理的強度等の物性が良好になる;セラミックスの表面積を好適範囲として、該表面のナノカーボン材料の量や均一分散性を良いものにする;等の点から好ましい。特に粒径が小さくなり過ぎると、分散性が低下し、分散性の良いスラリーができなくなり、生産性・収率が低下する。
より好ましくは0.08μm以上2.5μm以下であり、更に好ましくは0.10μm以上2.0μm以下であり、更に好ましくは0.15μm以上1.5μm以下であり、最も好ましくは0.2μm以上1.0μm以下である。
上記セラミックス原料の粒径は、焼成してセラミックスとしても、ほぼ同一である。
本発明における態様2の赤外線放射構造体は、セラミックスの表面に、ナノカーボン材料が均一に分散されて、それが焼成時に成型されてなるものが好ましいが、従って、そのときのセラミックスの粒径、すなわち焼成後の粒径も、前記範囲であることが好ましい。
本発明における態様2の赤外線放射構造体は、セラミックスの表面に、ナノカーボン材料が均一に分散されて、それが焼成時に成型されてなるものが好ましいが、従って、そのときのセラミックスの粒径、すなわち焼成後の粒径も、前記範囲であることが好ましい。
<<<セラミックス(原料)とナノカーボン材料との含有比>>>
本発明における態様2の赤外線放射構造体は、「上記セラミックス原料が焼成されてなるセラミックス」及び「前記ナノカーボン材料」を含有するが、該ナノカーボン材料は、構造体全体に対して、0.2質量%以上10質量%以下で含有する。
該セラミックス原料は、焼成してセラミックスにしても、質量は殆ど変わらない。
本発明における態様2の赤外線放射構造体は、「上記セラミックス原料が焼成されてなるセラミックス」及び「前記ナノカーボン材料」を含有するが、該ナノカーボン材料は、構造体全体に対して、0.2質量%以上10質量%以下で含有する。
該セラミックス原料は、焼成してセラミックスにしても、質量は殆ど変わらない。
上記した好ましい範囲又はより若しくは特に好ましい値の範囲も、前記した共通事項の値の範囲と同様である。また、該値範囲をとるときの効果も同様である。
更に、態様2の赤外線放射構造体においては、ナノカーボン材料の含有割合が多過ぎると、後記するアルカリ金属塩の含有によってセラミックス同士の結合力・接着性を上げているときは、ナノカーボン材料の存在で、該結合力・接着性が低下する場合がある。
更に、態様2の赤外線放射構造体においては、ナノカーボン材料の含有割合が多過ぎると、後記するアルカリ金属塩の含有によってセラミックス同士の結合力・接着性を上げているときは、ナノカーボン材料の存在で、該結合力・接着性が低下する場合がある。
<<<態様2の赤外線放射構造体の微視的構成>>>
本発明における態様2の赤外線放射構造体は、セラミックス粒子が形成する粒界層に前記ナノカーボン材料が、該ナノカーボン材料同士で凝集せずに均一に分散して存在しているものであることが好ましい。
本発明における態様2の赤外線放射構造体は、セラミックス粒子が形成する粒界層に前記ナノカーボン材料が、該ナノカーボン材料同士で凝集せずに均一に分散して存在しているものであることが好ましい。
体積平均粒径が0.03μm以上3μm以下のセラミックス原料、及び、赤外線放射構造体全体に対して0.2質量%以上10質量%以下の含有量となるようなナノカーボン材料、の均一混合物をプレス成型し、その後に焼成させることによって、更に好ましくは後記する製造方法で製造することによって、前記したセラミックス粒子の表面に、すなわち、該セラミックス粒子が形成する粒界層に、前記したナノカーボン材料が均一に分散して存在しているものができる。
言い換えれば、本発明の赤外線放射構造体2は、体積平均粒径が0.03μm以上3μm以下のセラミックス粒子が、該セラミックス粒子が形成する粒界層を介して互いに結合してなるものであり、該粒界層には、該赤外線放射構造体全体に対して0.2質量%以上10質量%以下の含有量のナノカーボン材料が(望ましくは上記した範囲のナノカーボン材料が)、該ナノカーボン材料同士で凝集せずに均一に存在・分散しているものである。
焼成後の前記セラミックス粒子が、該粒界層を介して互いに結合することで、構造体に物理的強度を与えている。
焼成後の前記セラミックス粒子が、該粒界層を介して互いに結合することで、構造体に物理的強度を与えている。
<<<アルカリ金属の含有>>>
本発明における態様2の赤外線放射構造体は、前記セラミックス原料、及び、前記ナノカーボン材料の均一混合物が、赤外線放射構造体全体に対して、「質量で2ppm以上100ppm以下のアルカリ金属」の塩を更に含有し、前記セラミックス原料が焼成されてなるセラミックス(粒子又は粒界)が、互いに該アルカリ金属を介して接触している態様のものが特に好ましい。
言い換えると、態様2の赤外線放射構造体は、粒界層に、赤外線放射構造体全体に対して質量で2ppm以上100ppm以下のアルカリ金属が存在していることが好ましい。
粒界層に上記範囲のアルカリ金属が存在している赤外線放射構造体を具備した皮膚用赤外線照射装置が好ましい。
本発明における態様2の赤外線放射構造体は、前記セラミックス原料、及び、前記ナノカーボン材料の均一混合物が、赤外線放射構造体全体に対して、「質量で2ppm以上100ppm以下のアルカリ金属」の塩を更に含有し、前記セラミックス原料が焼成されてなるセラミックス(粒子又は粒界)が、互いに該アルカリ金属を介して接触している態様のものが特に好ましい。
言い換えると、態様2の赤外線放射構造体は、粒界層に、赤外線放射構造体全体に対して質量で2ppm以上100ppm以下のアルカリ金属が存在していることが好ましい。
粒界層に上記範囲のアルカリ金属が存在している赤外線放射構造体を具備した皮膚用赤外線照射装置が好ましい。
アルカリ金属の存在によって、得られる構造体の靭性が上がり、緻密な構造体ができ、極端な場合に構造体がチョークのような状態になることを避けることができる。
特に、セラミックス原料が焼成されてなるものがシリカの場合には、シリカ原料にアルミニウムや鉄を含むことがあり、かかる不純物がクリストバライトの生成を誘発し、物理的強度に優れた構造体ができ難くなるが、アルカリ金属の存在によって、該障害を抑制することができる。従って、アルカリ金属の存在は、セラミックスがシリカの場合に特に有効である。
特に、セラミックス原料が焼成されてなるものがシリカの場合には、シリカ原料にアルミニウムや鉄を含むことがあり、かかる不純物がクリストバライトの生成を誘発し、物理的強度に優れた構造体ができ難くなるが、アルカリ金属の存在によって、該障害を抑制することができる。従って、アルカリ金属の存在は、セラミックスがシリカの場合に特に有効である。
上記アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、又は、カリウムが、上記効果をより奏するので好ましく、中でもリチウムが特に好ましい。
アルカリ金属を含有するときは、赤外線放射構造体全体に対して、質量で2ppm以上100ppm以下が好ましく、質量で4ppm以上80ppm以下がより好ましく、質量で5ppm以上40ppm以下が特に好ましい。
上記数値範囲は、赤外線放射構造体全体に対してのものであるが、ナノカーボン材料の含有量は、セラミックス原料の含有量に比べて1桁以上少ないので、上記数値範囲は、セラミックス原料(固形分)全体に対してのものと読み換えることができる。
「アルミニウムや鉄を含むシリカ原料」を焼成してシリカとする際には、上記範囲のアルカリ金属の含有は特に好ましい。
上記数値範囲は、赤外線放射構造体全体に対してのものであるが、ナノカーボン材料の含有量は、セラミックス原料の含有量に比べて1桁以上少ないので、上記数値範囲は、セラミックス原料(固形分)全体に対してのものと読み換えることができる。
「アルミニウムや鉄を含むシリカ原料」を焼成してシリカとする際には、上記範囲のアルカリ金属の含有は特に好ましい。
後述するように、セラミックス原料スラリーと、ナノカーボン材料スラリーとを混合して水系混合スラリーを調製する場合には、該アルカリ金属は、水溶性の塩の形にして、該スラリーに溶解させることが好ましい。
なお、上記した((特に)好ましい)含有量は、製造工程では塩の形で配合したとしても、アルカリ金属自体の(アルカリ金属自体に換算した)含有量である。
なお、上記した((特に)好ましい)含有量は、製造工程では塩の形で配合したとしても、アルカリ金属自体の(アルカリ金属自体に換算した)含有量である。
<<<態様2の赤外線放射構造体の製造方法>>>
態様2の赤外線放射構造体の製造方法は、特に限定はされないが、以下の工程(1)ないし(6)を有する製造方法が好ましい。
態様2の赤外線放射構造体の製造方法は、特に限定はされないが、以下の工程(1)ないし(6)を有する製造方法が好ましい。
(1)焼成されてセラミックスになる前記セラミックス原料を水に分散させてセラミックス原料スラリーを調製する工程と、
(2)前記ナノカーボン材料を水に分散させてナノカーボン材料スラリーを調製する工程と、
(3)該セラミックス原料スラリー、該ナノカーボン材料スラリー、及び、バインダーポリマーを混合して水系混合スラリーを調製する工程と、
(4)該水系混合スラリーから水を留去して、該セラミックス原料、該ナノカーボン材料、及び、該バインダーポリマーを含有する複合粉体を調製する工程と、
(5)該複合粉体を容器に収容しプレス成型して予備成型体を調製する工程と、
(6)該予備成型体を酸素の不存在下で焼成する工程。
(2)前記ナノカーボン材料を水に分散させてナノカーボン材料スラリーを調製する工程と、
(3)該セラミックス原料スラリー、該ナノカーボン材料スラリー、及び、バインダーポリマーを混合して水系混合スラリーを調製する工程と、
(4)該水系混合スラリーから水を留去して、該セラミックス原料、該ナノカーボン材料、及び、該バインダーポリマーを含有する複合粉体を調製する工程と、
(5)該複合粉体を容器に収容しプレス成型して予備成型体を調製する工程と、
(6)該予備成型体を酸素の不存在下で焼成する工程。
[工程(1)]
工程(1)は、「焼成されてセラミックスになる前記セラミックス原料」を、水に分散させてセラミックス原料スラリーを調製する工程である。
セラミックス原料については、前記したものが、本発明の効果を奏する優れた構造体が製造し易い、シリカの場合は球状粒子が得られ易い、安価である、等の点から好ましい。セラミックス原料は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記したセラミックス原料以外のセラミックス原料を併用してもよい。
工程(1)は、「焼成されてセラミックスになる前記セラミックス原料」を、水に分散させてセラミックス原料スラリーを調製する工程である。
セラミックス原料については、前記したものが、本発明の効果を奏する優れた構造体が製造し易い、シリカの場合は球状粒子が得られ易い、安価である、等の点から好ましい。セラミックス原料は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記したセラミックス原料以外のセラミックス原料を併用してもよい。
前記セラミックス原料を、水に分散させてセラミックス原料スラリーを調製する方法や装置は、特に限定はなく、公知の方法や湿式分散機が使用可能である。具体的には、例えば、ボールミル、ビーズミル、ポットミル等が挙げられる。容器の内面の材質、縦型か横型か、回転数、分散時間等については、特に限定はない。
セラミックス原料スラリー中のセラミックス原料の濃度は、分散(安定)性;工程(3)でナノカーボン材料スラリーに混合する際の操作性・特性;工程(4)における水の留去性;プレス成型して得られる予備成型体や最終的な構造体における、セラミックスとナノカーボン材料との比率;等を考慮して決められる。
セラミックス原料を水に分散させる際に同時に、工程(3)で後述する「セラミックス原料でもナノカーボン材料でもアルカリ金属塩でもない配合物」(以下、括弧内を単に「他の配合物」と略記する場合がある)を加えて分散させてもよい。
該「他の配合物」としては、水溶性ポリマーやポリマーの水系エマルジョン(該ポリマーとしてはバインダーポリマー等が挙げられる);各種分散剤;各種界面活性剤;各種水溶性有機化合物;各種ワックス等が挙げられる。
該「他の配合物」としては、水溶性ポリマーやポリマーの水系エマルジョン(該ポリマーとしてはバインダーポリマー等が挙げられる);各種分散剤;各種界面活性剤;各種水溶性有機化合物;各種ワックス等が挙げられる。
[工程(2)]
工程(2)は、前記ナノカーボン材料を水に分散させてナノカーボン材料スラリーを調製する工程である。
ナノカーボン材料については、前記したものが挙げられる。該ナノカーボン材料を水に分散させる方法や装置は、特に限定はなく、公知の方法や湿式分散機が使用可能であるが、例えば、工程(1)で前記した方法や装置が挙げられる。
ナノカーボン材料を水に分散させる際に同時に、前記したような「他の配合物」を加えて分散させてもよい。
工程(2)は、前記ナノカーボン材料を水に分散させてナノカーボン材料スラリーを調製する工程である。
ナノカーボン材料については、前記したものが挙げられる。該ナノカーボン材料を水に分散させる方法や装置は、特に限定はなく、公知の方法や湿式分散機が使用可能であるが、例えば、工程(1)で前記した方法や装置が挙げられる。
ナノカーボン材料を水に分散させる際に同時に、前記したような「他の配合物」を加えて分散させてもよい。
分散に先立ち、予め、ボールミル、ビーズミル等を用いて、ナノカーボン材料に水に対する親和性をもたせる湿潤処理を行うことが、水に分散させてナノカーボン材料スラリーを調製し易くなる、本発明の前記した効果を奏し易くなる、等の点から特に好ましい。
ナノカーボン材料スラリー中のナノカーボン材料の濃度は、分散(安定)性;工程(3)でセラミックス原料スラリーに混合する際の操作性・特性;工程(4)における水の留去性;プレス成型して得られる予備成型体や最終的な構造体における、セラミックスとナノカーボン材料との比率;等を考慮して決められる。
ナノカーボン材料は、凝集体を減らしたり無くしたりして、均一にスラリー中に分散させることが、最終的に得られる構造体中で、前記したような「セラミックスの表面にナノカーボン材料が均一に分散して存在している状態」を現出させるために好ましい。
[工程(3)]
工程(3)は、前記セラミックス原料スラリー、前記ナノカーボン材料スラリー、及び、バインダーポリマーを混合して水系混合スラリーを調製する工程である。
好ましくは、前記した「他の配合物」も混合して水系スラリーを調製する。
なお、バインダーポリマー、アルカリ金属塩、他の配合物等は、水系混合スラリーを調製する工程(3)の個所で記載しているが、工程(1)又は工程(2)の段階で既に配合しておいてもよい。
工程(3)は、前記セラミックス原料スラリー、前記ナノカーボン材料スラリー、及び、バインダーポリマーを混合して水系混合スラリーを調製する工程である。
好ましくは、前記した「他の配合物」も混合して水系スラリーを調製する。
なお、バインダーポリマー、アルカリ金属塩、他の配合物等は、水系混合スラリーを調製する工程(3)の個所で記載しているが、工程(1)又は工程(2)の段階で既に配合しておいてもよい。
[[バインダーポリマー]]
バインダーポリマーは、後述する予備成型体におけるバインダーとしての特性を示すものであれば、特に限定はなく、水溶性ポリマーを配合する、及び/又は、「非水溶性ポリマーの水系エマルジョン」の形で配合する。
バインダーポリマーは、後述する予備成型体におけるバインダーとしての特性を示すものであれば、特に限定はなく、水溶性ポリマーを配合する、及び/又は、「非水溶性ポリマーの水系エマルジョン」の形で配合する。
バインダーポリマーの種類としては、特に限定はないが、(メタ)アクリル酸(エステル)、スチレン、(無水)マレイン酸、酢酸ビニル等のビニル基含有モノマーの、(共)重合体、鹸化物、開環物、塩、誘導体等が挙げられる。なお、上記の括弧内は、あってもなくてもよいことを示す。また、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等も挙げられる。
これらは、水溶性の場合はスラリー中に配合して溶解させ、非水溶性の場合は水系エマルジョンとして配合することが好ましい。
これらは、水溶性の場合はスラリー中に配合して溶解させ、非水溶性の場合は水系エマルジョンとして配合することが好ましい。
バインダーポリマーは、水系混合スラリー全体に対して、2質量%以上20質量%以下で含有させることが好ましく、3質量%以上15質量%以下で含有させることがより好ましく、5質量%以上10質量%以下で含有させることが特に好ましい。
[[アルカリ金属塩]]
工程(1)ないし工程(3)の何れかにおいては、更に、リチウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種のアルカリ金属塩を溶解させて前記水系混合スラリーを調製することが好ましい。工程(1)又は工程(2)で配合することが特に好ましい。
アルカリ金属塩の陰イオンは、特に限定はなく、硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、酢酸塩等として配合することが好ましい。
工程(1)ないし工程(3)の何れかにおいては、更に、リチウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種のアルカリ金属塩を溶解させて前記水系混合スラリーを調製することが好ましい。工程(1)又は工程(2)で配合することが特に好ましい。
アルカリ金属塩の陰イオンは、特に限定はなく、硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、酢酸塩等として配合することが好ましい。
アルカリ金属塩の配合割合は、「アルカリ金属」としての構造体全体に対する含有量が前記した範囲(質量で2ppm以上100ppm以下)になるように配合することが望ましい。この範囲の含有量であると、セラミックス粒子がアルカリ金属を含有する粒界層を介して互いに結合することで、構造体に物理的強度を与える。
セラミックス原料がシリカ原料の場合には、該シリカ原料にアルミニウムや鉄を含むことがあり、これらがクリストバライトの生成を誘発し、物理的強度を低下させるが、該アルカリ金属の存在によって、該障害を抑制することができる。アルカリ金属の存在は、セラミックスがシリカの場合に特に有効である。
[[他の配合物]]
前記「他の配合物」としては、各種分散剤;各種界面活性剤;各種(水溶性)有機化合物;各種ワックス等が挙げられる。
該各種分散剤としては、特に限定はなく、長鎖脂肪酸(塩)、(メタ)アクリル酸若しくは無水マレイン酸の(共)重合物の塩(ここで、「塩」としては、アンモニウム塩等の焼成で焼失するものが好ましい)等が挙げられる。また、市販品も好適に用いられる。
該各種界面活性剤としては、特に限定はなく、アニオン系、カチオン系、両系(ベタイン系等)又はノニオン系の界面活性剤が用いられる。
各種水溶性有機化合物としては、特に限定はなく、ポリエーテル等が用いられる。
なお、上記他の配合物やバインダーポリマーは、同一物が他の分類に重複して属している場合もある。
これらは、水溶性の場合はスラリー中に配合して溶解させ、非水溶性の場合は水系エマルジョンとして配合することが好ましい。
なお、上記「他の配合物」の具体例は、ここの工程(3)の項に記載したが、工程(1)ないし工程(3)の何れかの工程で配合してもよく、工程(1)又は工程(3)で配合することが好ましい。
前記「他の配合物」としては、各種分散剤;各種界面活性剤;各種(水溶性)有機化合物;各種ワックス等が挙げられる。
該各種分散剤としては、特に限定はなく、長鎖脂肪酸(塩)、(メタ)アクリル酸若しくは無水マレイン酸の(共)重合物の塩(ここで、「塩」としては、アンモニウム塩等の焼成で焼失するものが好ましい)等が挙げられる。また、市販品も好適に用いられる。
該各種界面活性剤としては、特に限定はなく、アニオン系、カチオン系、両系(ベタイン系等)又はノニオン系の界面活性剤が用いられる。
各種水溶性有機化合物としては、特に限定はなく、ポリエーテル等が用いられる。
なお、上記他の配合物やバインダーポリマーは、同一物が他の分類に重複して属している場合もある。
これらは、水溶性の場合はスラリー中に配合して溶解させ、非水溶性の場合は水系エマルジョンとして配合することが好ましい。
なお、上記「他の配合物」の具体例は、ここの工程(3)の項に記載したが、工程(1)ないし工程(3)の何れかの工程で配合してもよく、工程(1)又は工程(3)で配合することが好ましい。
上記種々の「他の配合物」は、水系混合スラリー全体に対して、種類毎にそれぞれ、0.01質量%以上10質量%以下で含有させることが好ましく、0.03質量%以上5質量%以下で含有させることがより好ましく、0.10質量%以上2質量%以下で含有させることが特に好ましい。
特に限定はされないが、例えば、以下のように、水系混合スラリーを調製することが好ましい。
まず、撹拌容器に、セラミックス原料スラリーを投入して撹拌する。次に、撹拌しながら、ナノカーボン材料スラリーを加える。両者の固形分としての混合比は、前記した(特に)好ましい範囲で行うことが望ましい。
更に、所定時間、撹拌を継続して、水系混合スラリーを調製する。撹拌装置、撹拌(回転)速度、撹拌のトルク、撹拌時間・温度等は、スラリーの、粘度、混合量、混合比等により適宜調節する。
まず、撹拌容器に、セラミックス原料スラリーを投入して撹拌する。次に、撹拌しながら、ナノカーボン材料スラリーを加える。両者の固形分としての混合比は、前記した(特に)好ましい範囲で行うことが望ましい。
更に、所定時間、撹拌を継続して、水系混合スラリーを調製する。撹拌装置、撹拌(回転)速度、撹拌のトルク、撹拌時間・温度等は、スラリーの、粘度、混合量、混合比等により適宜調節する。
[工程(4)]
工程(4)は、前記水系混合スラリーから水を留去して、前記セラミックス原料、前記ナノカーボン材料、及び、前記バインダーポリマーを含有する複合粉体を調製する工程である。
水の留去の方法・装置は、特に限定はないが、凝集させずに、均一な状態を保ったままで水を留去するために、スプレードライ法(装置)が好ましく、回転ディスク式スプレードライ法(装置)が特に好ましい。
工程(4)は、前記水系混合スラリーから水を留去して、前記セラミックス原料、前記ナノカーボン材料、及び、前記バインダーポリマーを含有する複合粉体を調製する工程である。
水の留去の方法・装置は、特に限定はないが、凝集させずに、均一な状態を保ったままで水を留去するために、スプレードライ法(装置)が好ましく、回転ディスク式スプレードライ法(装置)が特に好ましい。
工程(4)では、水系混合スラリーを、装置に投入して水を除去すると共に複合粉体を調製する。以下、この「複合粉体を調製」を「造粒」と言うこともある。
該複合粉体は、前記セラミックス原料の表面に前記ナノカーボン材料が均一に分散して付着するように、水の留去条件を設定する。特に、回転ディスク式スプレードライヤーを使用した場合の、ディスク回転数、入口温度、出口温度、乾燥速度(留去速度)等は、上記態様を満足するように適宜選定する。
該複合粉体は、前記セラミックス原料の表面に前記ナノカーボン材料が均一に分散して付着するように、水の留去条件を設定する。特に、回転ディスク式スプレードライヤーを使用した場合の、ディスク回転数、入口温度、出口温度、乾燥速度(留去速度)等は、上記態様を満足するように適宜選定する。
[工程(5)]
工程(5)は、該複合粉体を容器に収容しプレス成型して予備成型体を調製する工程である。
工程(5)では、工程(4)で「水系混合スラリーから水を留去して調製(造粒)した複合粉体」を、プレス成型して予備成型体を調製する。プレス成型は、常法に従って行えばよいが、乾式金型プレス装置等を用いることが好ましい。また、セラミックス製造用の成型機を使用することが好ましい。
プレス圧力は、良好に予備成型体ができれば特に限定はないが、400kg/cm2以上2000kg/cm2以下が好ましく、700kg/cm2以上1500kg/cm2以下が特に好ましい。
工程(5)は、該複合粉体を容器に収容しプレス成型して予備成型体を調製する工程である。
工程(5)では、工程(4)で「水系混合スラリーから水を留去して調製(造粒)した複合粉体」を、プレス成型して予備成型体を調製する。プレス成型は、常法に従って行えばよいが、乾式金型プレス装置等を用いることが好ましい。また、セラミックス製造用の成型機を使用することが好ましい。
プレス圧力は、良好に予備成型体ができれば特に限定はないが、400kg/cm2以上2000kg/cm2以下が好ましく、700kg/cm2以上1500kg/cm2以下が特に好ましい。
調製された予備成型体は、チョークや落雁のような様相を有している。
予備成型体をプレート状に成型すれば、その後の工程(6)でもプレート状であるので、そのまま又は切断して、本発明の前記プレート状の構造体とすることが可能である。
予備成型体をプレート状に成型すれば、その後の工程(6)でもプレート状であるので、そのまま又は切断して、本発明の前記プレート状の構造体とすることが可能である。
[工程(6)]
工程(6)は、上記予備成型体を、酸素の不存在下で焼成する工程である。該焼成によって全体に固化する。
ナノカーボン材料を有しているので、大気中(酸素の存在下)ではなく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空等、酸素がない状態又は酸素が極めて少ない状態で焼成する。少量の酸素の存在がナノカーボン材料を消失させる(燃す)恐れがあるときは、別途、炭素質物を併置させることも好ましい。
工程(6)は、上記予備成型体を、酸素の不存在下で焼成する工程である。該焼成によって全体に固化する。
ナノカーボン材料を有しているので、大気中(酸素の存在下)ではなく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空等、酸素がない状態又は酸素が極めて少ない状態で焼成する。少量の酸素の存在がナノカーボン材料を消失させる(燃す)恐れがあるときは、別途、炭素質物を併置させることも好ましい。
焼成温度、昇温速度、焼成時間等は、特に限定されないが、温度は、1200℃以上1400℃以下で焼成することが好ましく、1230℃以上1380℃以下で焼成することがより好ましく、1260℃以上1350℃以下で焼成することが特に好ましい。
昇温速度は、特に限定されないが、100℃/h~250℃/hの範囲が好ましい。
焼成時間は、上記焼成温度に達したら、該温度で、0.5時間~2時間の範囲で焼成することが好ましい。
昇温速度は、特に限定されないが、100℃/h~250℃/hの範囲が好ましい。
焼成時間は、上記焼成温度に達したら、該温度で、0.5時間~2時間の範囲で焼成することが好ましい。
<<態様3>>
本発明における赤外線放射構造体2の態様3としては、セラミックスがアルカリ金属ケイ酸塩を使用したジオポリマーである態様が挙げられる。
また、本発明における赤外線放射構造体2の態様3としては、他の釉薬を利用したもの、すなわちセラミックスが釉薬由来のもの等が挙げられる。
また、本発明における赤外線放射構造体2の態様3としては、セラミックス粒子をアルカリ固化反応により硬化してなる態様が挙げられる。
本発明における赤外線放射構造体2の態様3としては、セラミックスがアルカリ金属ケイ酸塩を使用したジオポリマーである態様が挙げられる。
また、本発明における赤外線放射構造体2の態様3としては、他の釉薬を利用したもの、すなわちセラミックスが釉薬由来のもの等が挙げられる。
また、本発明における赤外線放射構造体2の態様3としては、セラミックス粒子をアルカリ固化反応により硬化してなる態様が挙げられる。
<皮膚用赤外線照射装置>
<<態様>>
本発明の皮膚用赤外線照射装置は、赤外線放射構造体2を加熱することで、該赤外線放射構造体2から所定の波数(波長)領域の赤外線を放射する。本発明の皮膚用赤外線照射装置において、赤外線放射構造体2を加熱するための熱源体3は、
(1)該赤外線放射構造体2に埋め込まれているか(図1、図3、図4)、又は、
(2)該赤外線放射構造体2の赤外線放射面とは反対側に、密着されている(図6(a))若しくは隣接して具備されている(図6(b)(c))ことが好ましい。
<<態様>>
本発明の皮膚用赤外線照射装置は、赤外線放射構造体2を加熱することで、該赤外線放射構造体2から所定の波数(波長)領域の赤外線を放射する。本発明の皮膚用赤外線照射装置において、赤外線放射構造体2を加熱するための熱源体3は、
(1)該赤外線放射構造体2に埋め込まれているか(図1、図3、図4)、又は、
(2)該赤外線放射構造体2の赤外線放射面とは反対側に、密着されている(図6(a))若しくは隣接して具備されている(図6(b)(c))ことが好ましい。
前述の態様1の赤外線放射構造体では、上記(1)又は(2)が好ましく、上記(1)が特に好ましい。
一方、前述の態様2の赤外線放射構造体2では、上記(2)が好ましい。
一方、前述の態様2の赤外線放射構造体2では、上記(2)が好ましい。
熱源体3の中には、セラミックスヒーター、赤外線ランプ等のように、赤外線放射構造体2の材料をその表面に付与して高温での焼成をして赤外線放射構造体2を製造すると、該高温によって熱源体自体が変質する又は壊れるものもあり、従って、そのような場合は、低温硬化が可能な態様1で構造体を調製するしかない。また、一方で、上記(1)のように熱源体3を赤外線放射構造体2に埋め込ませることができれば、装置として一体化できてコンパクトになる。
従って、上記(1)が可能であれば、上記(1)が好ましい。態様1ではそれが可能であるが、態様2では不可能である。
従って、上記(1)が可能であれば、上記(1)が好ましい。態様1ではそれが可能であるが、態様2では不可能である。
態様1では、高温での焼成を行わないので、(1)熱源体3を赤外線放射構造体2に埋め込ませることができて、装置として一体化できてコンパクトになる(図1、図3、図4)。また、態様1では、上記(2)の形態も可能である(図6)。
態様2では、高温での焼成が必要なので、熱源体3を赤外線放射構造体2に埋め込ませることができず、上記(2)の形態になるが(図6(a)(b)(c))、物理的強度等の種々の物性に優れたものができる。
態様2では、高温での焼成が必要なので、熱源体3を赤外線放射構造体2に埋め込ませることができず、上記(2)の形態になるが(図6(a)(b)(c))、物理的強度等の種々の物性に優れたものができる。
赤外線放射構造体2の加熱には熱源体3を用いるが、該熱源体としては、「通電、電磁誘導等により発熱する発熱体3a」を熱伝導性絶縁材で前記赤外線放射構造体2から遮断してなるもの、又は、該発熱体3aを熱伝導性絶縁材で覆ってなるものが挙げられる(図1~6)。
上記発熱体3aは、例えばニクロム線のような金属電熱線であることが好ましい。
また、該熱源体3としては、上記以外に、カーボンランプ、ハロゲンランプ等のランプを利用したものが挙げられる(図6(c))。
上記発熱体3aは、例えばニクロム線のような金属電熱線であることが好ましい。
また、該熱源体3としては、上記以外に、カーボンランプ、ハロゲンランプ等のランプを利用したものが挙げられる(図6(c))。
セラミックヒーターは、上記発熱体3aがニクロム線等の金属電熱線であり、上記熱伝導性絶縁材がセラミックスである熱源体3である(図2(a)(b))。
本発明の特に好ましい態様の1つは、熱源体3がセラミックヒーターであり、赤外線放射構造体が態様1の構造体であり、該熱源体3(セラミックヒーター)が上記(1)該赤外線放射構造体に埋め込まれているものである(図1、3、4)。
本発明の特に好ましい態様の1つは、熱源体3がセラミックヒーターであり、赤外線放射構造体が態様1の構造体であり、該熱源体3(セラミックヒーター)が上記(1)該赤外線放射構造体に埋め込まれているものである(図1、3、4)。
また、本発明の特に好ましい態様の他の1つは、赤外線放射構造体が態様2の構造体であり、熱源体3が上記(2)赤外線放射構造体の赤外線放射面とは反対側に、密着されている(図6(a))若しくは隣接して具備されている(図6(b)(c))ものである。
本発明の皮膚用赤外線照射装置の使用方法と該方法に伴う形態、赤外線放射構造体からの放射光を人の皮膚に照射する態様等は、皮膚に重大な損傷を与えない範囲であれば特に限定はされない。
赤外線放射構造体2から皮膚までの距離は、赤外線放射構造体2の赤外線放射面の面積、設定温度、装置がハンディー型か設置型か、設定照射時間等に依存し、特に限定はされないが、1mm以上1m以下が好ましく、1cm以上60cm以下がより好ましく、3cm以上40cm以下が更に好ましく、5cm以上30cm以下が特に好ましい。
また、赤外線放射構造体2を皮膚にあてる(接触させる)こともできる(赤外線放射構造体2から皮膚までの距離なし(0mm))。
また、赤外線放射構造体2を皮膚にあてる(接触させる)こともできる(赤外線放射構造体2から皮膚までの距離なし(0mm))。
例えば、図4と図6は本発明の皮膚用赤外線照射装置の(使用方法の)概念図であって、このような形態には限定はされず、使用者が使用し易いように変形できる。
例えば、ハンディー型、小型、移動型、赤外線放射構造体と皮膚との距離変動型若しくは調節型、高熱の赤外線放射構造体に直接皮膚等が接触しないようにした火傷等防護型、デザイン重視型等が挙げられる。
赤外線放射構造体自体の形状や赤外線放射面の形状も特に限定されない。図2、3、4、5(a)に示したような直方体(長方形)、図5(b)に示したような円柱状(円形)、楕円柱状(楕円形)、照射部位に合わせた形状等、何れでもよい。
例えば、ハンディー型、小型、移動型、赤外線放射構造体と皮膚との距離変動型若しくは調節型、高熱の赤外線放射構造体に直接皮膚等が接触しないようにした火傷等防護型、デザイン重視型等が挙げられる。
赤外線放射構造体自体の形状や赤外線放射面の形状も特に限定されない。図2、3、4、5(a)に示したような直方体(長方形)、図5(b)に示したような円柱状(円形)、楕円柱状(楕円形)、照射部位に合わせた形状等、何れでもよい。
赤外線放射構造体2の温度は、放射赤外光の強度;安全性;皮膚までの設定距離;設定された照射時間(使用時間);等を勘案して決められる。
ただし、例えば、図7に示した放射赤外光の強度スペクトルは、25℃に換算したものであるが、赤外線放射構造体2の温度は、例えば上記した条件を基に決定できる。
ただし、例えば、図7に示した放射赤外光の強度スペクトルは、25℃に換算したものであるが、赤外線放射構造体2の温度は、例えば上記した条件を基に決定できる。
態様1の熱源体埋め込みタイプの場合には、例えば、赤外線放射構造体2から熱源体3の電線3cを出して、交流電源3b等の電源や変圧器3dに接続できるようにして、皮膚用赤外線照射装置とする。
態様1又は態様2の熱源体密着若しくは接触タイプの場合には、例えば、熱源体3(の発熱体3a)から電線3cを出して、交流電源3b等の電源や変圧器3dに接続できるようにして、皮膚用赤外線照射装置とする。
態様1又は態様2の熱源体密着若しくは接触タイプの場合には、例えば、熱源体3(の発熱体3a)から電線3cを出して、交流電源3b等の電源や変圧器3dに接続できるようにして、皮膚用赤外線照射装置とする。
赤外線放射構造体2の温度は、熱源体3の温度、熱源体3と赤外線放射構造体2の距離等によって調整する。熱源体3の温度は、該熱源体3やその発熱体3aの温度調整機能によって調整するが、(スライド)トランス(変圧器)等が好ましい(図4)。
赤外線放射構造体2を加熱するための熱源体3が該赤外線放射構造体2に埋め込まれている態様のときは、図3に示したように、熱源体3(例えばセラミックスヒーター)からの電源コードを該赤外線放射構造体2の外部に出しておくことが好ましい。
赤外線放射構造体2を加熱するための熱源体3が該赤外線放射構造体2に埋め込まれている態様のときは、図3に示したように、熱源体3(例えばセラミックスヒーター)からの電源コードを該赤外線放射構造体2の外部に出しておくことが好ましい。
<<皮膚用赤外線照射装置の用途>>
本発明の皮膚用赤外線照射装置の用途としては、前記したもの等が挙げられる。
特に、顔や体の美容用、皮膚病の予防・軽減・治療用、(新陳)代謝促進用等として有用である。それぞれ、美容装置・美容器具、皮膚病の予防・軽減・治療装置、(新陳)代謝促進装置等である。
本発明の皮膚用赤外線照射装置の用途としては、前記したもの等が挙げられる。
特に、顔や体の美容用、皮膚病の予防・軽減・治療用、(新陳)代謝促進用等として有用である。それぞれ、美容装置・美容器具、皮膚病の予防・軽減・治療装置、(新陳)代謝促進装置等である。
美容としては、しみ取り、しわ取り、血行促進、アンチエージング等が挙げられる。
皮膚病の予防・軽減・治療としては、(真菌)感染症の予防・軽減・治療が適したものとして挙げられる。真菌の種類や症状は、前記した通りである。
皮膚病の予防・軽減・治療としては、(真菌)感染症の予防・軽減・治療が適したものとして挙げられる。真菌の種類や症状は、前記した通りである。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
製造例1
<熱源体を埋め込んだ態様1の赤外線放射構造体、及び、皮膚用赤外線照射装置の製造>
Y-3型ヒーターに、ヤマキ電器株式会社製のヒーター用原料を付与して、室温から1050℃まで8時間かけて昇温し、1050℃に30分保持して、無釉薬で、図2(a)又は図2(b)に示すようなセラミックスヒーターを製造した。
<熱源体を埋め込んだ態様1の赤外線放射構造体、及び、皮膚用赤外線照射装置の製造>
Y-3型ヒーターに、ヤマキ電器株式会社製のヒーター用原料を付与して、室温から1050℃まで8時間かけて昇温し、1050℃に30分保持して、無釉薬で、図2(a)又は図2(b)に示すようなセラミックスヒーターを製造した。
一方、「アルカリ金属のケイ酸塩若しくはアルミン酸塩、又は、シリカゾル、アルミナゾル若しくはジルコニアゾルが、加熱されることで、それらが有するシラノール基間の脱水縮合反応で分子間にシロキサン結合を生じさせて硬化し、セラミックを形成させるセラミックス接着剤」として、朝日化学工業株式会社製の耐熱接着剤ボンド・エックスBX-83を使用した。BX-83は、「態様1のセラミックス粒子」として、シリカ、アルミナ及びジルコニアが含有されている水系の分散液(スラリー)である。
カーボンナノファイバー1.5質量%、及び、グラフェン0.5質量%で含有するナノカーボン材料分散液を、上記セラミックス接着剤ボンド・エックスBX-83に、ナノカーボン材料として固形分換算で、1.0質量%となるように加え、均一に混合して、態様1の「混合液」を調製した。すなわち、下記で得られる赤外線放射構造体全体に対して1.0質量%のナノカーボン材料が含有されるようになる。
この混合液を、前記セラミックスヒーターの全面(赤外線放射面とその裏面を含む)に、乾燥・硬化後の膜厚として、0.2mm~0.4mm(200μm~400μm)となるように、ディッピングで塗布した。
熱源体3(セラミックスヒーター)と共に、空気存在下のオーブン中で、160℃で1時間加熱し、硬化・固化させた。
このようにして、熱源体3を態様1の赤外線放射構造体2で覆ってなるものを製造した(図1、図3)。すなわち、赤外線放射構造体2を加熱するための熱源体3(図2に示すセラミックスヒーター)が、態様1の赤外線放射構造体2に埋め込まれているものを製造した(図3)。
熱源体3(セラミックスヒーター)と共に、空気存在下のオーブン中で、160℃で1時間加熱し、硬化・固化させた。
このようにして、熱源体3を態様1の赤外線放射構造体2で覆ってなるものを製造した(図1、図3)。すなわち、赤外線放射構造体2を加熱するための熱源体3(図2に示すセラミックスヒーター)が、態様1の赤外線放射構造体2に埋め込まれているものを製造した(図3)。
上記で得られたものを、図4に示したように、電線3cで、変圧器3dを介して、100Vの家庭用電源等の交流電源3bに接続して(接続できるようにして)、皮膚用赤外線照射装置(1)を製造した。
製造例2
<態様2の赤外線放射構造体、及び、熱源体が具備された皮膚用赤外線照射装置の製造>
<<態様2の赤外線放射構造体の製造>>
[工程(1)]
セラミックス原料として、無孔質の球状シリカ原料(デンカ株式会社製、SFP 20M)を用いた。該球状シリカ原料の体積平均粒径は、0.4μmであり、比表面積は、11.2m2/gであった。また、球状シリカ原料全体に対して、アルミニウムを120ppmで、鉄を7ppmで含むものであった。
球状シリカ原料は、球状セラミックス原料スラリー全体に対して、固形分で50質量%配合した。
<態様2の赤外線放射構造体、及び、熱源体が具備された皮膚用赤外線照射装置の製造>
<<態様2の赤外線放射構造体の製造>>
[工程(1)]
セラミックス原料として、無孔質の球状シリカ原料(デンカ株式会社製、SFP 20M)を用いた。該球状シリカ原料の体積平均粒径は、0.4μmであり、比表面積は、11.2m2/gであった。また、球状シリカ原料全体に対して、アルミニウムを120ppmで、鉄を7ppmで含むものであった。
球状シリカ原料は、球状セラミックス原料スラリー全体に対して、固形分で50質量%配合した。
分散剤としては、ポリアクリル酸アンモニウムを、セラミックス原料スラリー全体に対して1.4質量%配合した。
ポットミル中で、純水を配合して水分率50質量%に調整して、撹拌して、球状セラミックス原料(球状シリカ原料)の水スラリーを調製した。
ポットミル中で、純水を配合して水分率50質量%に調整して、撹拌して、球状セラミックス原料(球状シリカ原料)の水スラリーを調製した。
硝酸リチウムを、上記(球状)シリカ原料固形分全体に対して、アルカリ金属(リチウム)のみの質量濃度として、20ppm~25ppmの範囲で配合した。なお、最終的に得られる赤外線放射構造体全体に対しても、20ppm~25ppmの範囲になるように配合したことになる。
[工程(2)]
ナノカーボン材料として、カーボンナノチューブ(ナノサミット株式会社製、CNT)を用いた。
純水を加えて濃度を調整し、ナノカーボン材料スラリーを調製した。該スラリー全体に対して、4質量%のカーボンナノチューブを含有するナノカーボン材料スラリーを調製した。
ナノカーボン材料として、カーボンナノチューブ(ナノサミット株式会社製、CNT)を用いた。
純水を加えて濃度を調整し、ナノカーボン材料スラリーを調製した。該スラリー全体に対して、4質量%のカーボンナノチューブを含有するナノカーボン材料スラリーを調製した。
[工程(3)]
得られたナノカーボン材料スラリーを、セラミックス原料(球状シリカ原料)の固形分全体に対して、固形分で3質量%となるように配合・混合し、更に、下記する「バインダーポリマー」と「他の配合物」を添加して、水系混合スラリーを調製した。
ナノカーボン材料もセラミックス原料(球状シリカ原料)も、その後の工程(6)の焼成では消失しないので(質量減量はないので)、上記配合比は、最終的な赤外線放射構造体中での含有比となる。
得られたナノカーボン材料スラリーを、セラミックス原料(球状シリカ原料)の固形分全体に対して、固形分で3質量%となるように配合・混合し、更に、下記する「バインダーポリマー」と「他の配合物」を添加して、水系混合スラリーを調製した。
ナノカーボン材料もセラミックス原料(球状シリカ原料)も、その後の工程(6)の焼成では消失しないので(質量減量はないので)、上記配合比は、最終的な赤外線放射構造体中での含有比となる。
「バインダーポリマー」及び/又は「他の配合物」として、以下の物質を配合した。
以下に示す「質量%」は、水系混合スラリー中のセラミックス原料(球状シリカ原料)の固形分全体に対する含有割合である。
以下に示す「質量%」は、水系混合スラリー中のセラミックス原料(球状シリカ原料)の固形分全体に対する含有割合である。
イソシアネート変性ポリエーテル系高分子として、三洋化成工業株式会社製、メルポールF-220(バインダーとしても、界面活性剤としても機能する)を、0.4質量%
(メタ)アクリル系共重合体として、ハイケム株式会社製、セランダーAP-2(主にバインダーとして機能する)を、6.7質量%
ステアリン酸エマルジョンとして、中京油脂株式会社製、セロゾール920(主に滑剤として機能する)を、1.1質量%
(メタ)アクリル系共重合体として、ハイケム株式会社製、セランダーAP-2(主にバインダーとして機能する)を、6.7質量%
ステアリン酸エマルジョンとして、中京油脂株式会社製、セロゾール920(主に滑剤として機能する)を、1.1質量%
上記した、ナノカーボン材料スラリー、セラミックス原料(球状シリカ原料)スラリー、バインダー、及び、他の配合物を混合し、次いで、得られた水系混合スラリーの濃度を、水分率70質量%に調整した。
[工程(4)]
スプレードライヤーを用いて、上記工程(3)で調製した水系混合スラリーから、以下の条件で水を留去して、複合粉体を調製した(造粒した)。
入口温度:210℃
出口温度:110℃
差圧:0.7kPa
アトマイザー回転数:17000rpm
スプレードライヤーを用いて、上記工程(3)で調製した水系混合スラリーから、以下の条件で水を留去して、複合粉体を調製した(造粒した)。
入口温度:210℃
出口温度:110℃
差圧:0.7kPa
アトマイザー回転数:17000rpm
[工程(5)]
上記工程(4)で得られた複合粉体を、乾式プレス成型機に付属した容器内に収容し、100MPaの圧力でプレス成型して予備成型体を調製した。
上記工程(4)で得られた複合粉体を、乾式プレス成型機に付属した容器内に収容し、100MPaの圧力でプレス成型して予備成型体を調製した。
[工程(6)]
上記工程(5)で得られた予備成型体を、窒素(N2)雰囲気中で、1320℃まで昇温し、1時間かけて加熱・焼成し、図5(a)に示すような、態様1の赤外線放射構造体2を製造した。
上記工程(5)で得られた予備成型体を、窒素(N2)雰囲気中で、1320℃まで昇温し、1時間かけて加熱・焼成し、図5(a)に示すような、態様1の赤外線放射構造体2を製造した。
<<態様2の赤外線放射構造体と熱源体を具備する皮膚用赤外線照射装置の製造>>
上記で得られた赤外線放射構造体から5mm離して、熱源体3であるセラミックヒーターを設置して、図6(b)に示すような皮膚用赤外線照射装置(2)を製造した。該セラミックヒーターは、変圧器3dを介して家庭用電源に接続できるようにした。
すなわち、赤外線放射構造体2の赤外線放射面とは反対側に隣接して熱源体3を設置して、皮膚用赤外線照射装置(2)を製造した(図6(b))。
上記で得られた赤外線放射構造体から5mm離して、熱源体3であるセラミックヒーターを設置して、図6(b)に示すような皮膚用赤外線照射装置(2)を製造した。該セラミックヒーターは、変圧器3dを介して家庭用電源に接続できるようにした。
すなわち、赤外線放射構造体2の赤外線放射面とは反対側に隣接して熱源体3を設置して、皮膚用赤外線照射装置(2)を製造した(図6(b))。
評価例1
<赤外線の放射強度・放射スペクトルの測定>
一般財団法人ファインセラミックスセンター(JFCC)の方法(以下、「JFCC法」と略記する)で測定した。フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を使用し、室温での測定が可能であり、従来の黒体と試料との放射率の比を取る方法に比べ、ノイズが少なく分解能に優れている。ある波長(波数)の赤外光を試料に照射し、反射光を積分球で集めて強度を測定し、波長(波数)をスキャンしてスペクトルを得る。
吸収エネルギーと放射エネルギーは反比例の等価であるという理論に基づく。室温のスペクトルから指定温度の放射強度を、JISR1693-2に準拠して計算する。
<赤外線の放射強度・放射スペクトルの測定>
一般財団法人ファインセラミックスセンター(JFCC)の方法(以下、「JFCC法」と略記する)で測定した。フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を使用し、室温での測定が可能であり、従来の黒体と試料との放射率の比を取る方法に比べ、ノイズが少なく分解能に優れている。ある波長(波数)の赤外光を試料に照射し、反射光を積分球で集めて強度を測定し、波長(波数)をスキャンしてスペクトルを得る。
吸収エネルギーと放射エネルギーは反比例の等価であるという理論に基づく。室温のスペクトルから指定温度の放射強度を、JISR1693-2に準拠して計算する。
態様1の赤外線放射構造体2の25℃に換算した放射強度スペクトルを図7の(A)に示す。なお、態様2の赤外線放射構造体2でも結果は態様1と同様である。
比較のために、製造例1、2で、熱源体3として使用した(汎用の)セラミックヒーターの同条件の放射強度スペクトルを図7の(B)に示す。
本発明における赤外線放射構造体2では、前記した特定の波長域(波数域)の近赤外線及び中赤外線の強度が高い。
比較のために、製造例1、2で、熱源体3として使用した(汎用の)セラミックヒーターの同条件の放射強度スペクトルを図7の(B)に示す。
本発明における赤外線放射構造体2では、前記した特定の波長域(波数域)の近赤外線及び中赤外線の強度が高い。
評価例2
<抗菌性の測定>
真菌について、製造例1で製造した皮膚用赤外線照射装置(1)、及び、製造例2で製造した皮膚用赤外線照射装置(2)のそれぞれからの放射光を、それぞれ照射して、その真菌に対する抗菌性をin vitro で評価したところ、抗菌性が示唆され、皮膚病の予防・治療に使用できる可能性がある。
<抗菌性の測定>
真菌について、製造例1で製造した皮膚用赤外線照射装置(1)、及び、製造例2で製造した皮膚用赤外線照射装置(2)のそれぞれからの放射光を、それぞれ照射して、その真菌に対する抗菌性をin vitro で評価したところ、抗菌性が示唆され、皮膚病の予防・治療に使用できる可能性がある。
評価例3
<官能試験>
製造例1及び製造例2で製造した皮膚用赤外線照射装置からの放射光を腕の皮膚に照射したところ、気持ちよく温まるので、美容、代謝等に効果を奏する可能性がある。
<官能試験>
製造例1及び製造例2で製造した皮膚用赤外線照射装置からの放射光を腕の皮膚に照射したところ、気持ちよく温まるので、美容、代謝等に効果を奏する可能性がある。
本発明の皮膚用赤外線照射装置は、特定波長領域の赤外線を人の皮膚に照射して、美容、抗菌等に関して良作用を及ぼすので、ナノカーボンやセラミックス等の製造・加工分野、美容・治療機器の製造分野、美容・医療提供分野等に広く利用されるものである。
2 赤外線放射構造体
3 熱源体
3a 発熱体
3b 交流電源
3c 電線
3d 変圧器
3 熱源体
3a 発熱体
3b 交流電源
3c 電線
3d 変圧器
Claims (15)
- 皮膚用赤外線照射装置に具備された赤外線放射構造体から放射される赤外線を人の皮膚に照射して、該人に良作用を及ぼす皮膚用赤外線照射装置であって、
該赤外線放射構造体は、セラミックス中にナノカーボン材料が微分散状態で含有されてなるものであり、
該赤外線放射構造体全体に対して0.2質量%以上10質量%以下の含有量のナノカーボン材料が、該赤外線放射構造体の内部において該ナノカーボン材料同士で凝集せずに分散しているものであり、
該赤外線放射構造体は、JFCC法で測定した、25℃における400cm-1以上6000cm-1以下の波数域の赤外線の放射率が、該波数域の何れの波数においても30%以上となるものであることを特徴とする皮膚用赤外線照射装置。 - 前記赤外線放射構造体は、JFCC法で測定した、25℃における2500cm-1以上4000cm-1以下の波数域の中赤外線の放射率が、該波数域の何れの波数においても50%以上のものである請求項1に記載の皮膚用赤外線照射装置。
- 前記赤外線放射構造体は、JFCC法で測定した、25℃における4000cm-1以上6000cm-1以下の波数域の近赤外線の放射率が、該波数域の何れの波数においても30%以上のものである請求項1又は請求項2に記載の皮膚用赤外線照射装置。
- 前記赤外線放射構造体は、25℃における2500cm-1以上6000cm-1以下の波数域の中赤外線及び近赤外線の平均放射率が、前記ナノカーボン材料を含有することで、含有しないものに比べて、2倍以上に増大しているものである請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の皮膚用赤外線照射装置。
- 前記ナノカーボン材料が、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、フラーレン、及び、グラフェンよりなる群から選ばれた1種、又は、2種以上のナノカーボン材料である請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の皮膚用赤外線照射装置。
- 更に、前記赤外線放射構造体を加熱するための熱源体が、該赤外線放射構造体に埋め込まれている、又は、該赤外線放射構造体の赤外線放射面とは反対側に、密着されている若しくは隣接して具備されている請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の皮膚用赤外線照射装置。
- 前記熱源体が、通電又は電磁誘導により発熱する発熱体を熱伝導性絶縁材で前記赤外線放射構造体から遮断してなるもの、若しくは、該発熱体を熱伝導性絶縁材で覆ってなるもの、又は、カーボンランプ若しくはハロゲンランプを利用したものである請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載の皮膚用赤外線照射装置。
- 前記発熱体が金属電熱線である請求項1ないし請求項7の何れかの請求項に記載の皮膚用赤外線照射装置。
- 前記セラミックスが、アルカリ金属のケイ酸塩若しくはアルミン酸塩、金属アルコキシド、又は、シリカゾル、アルミナゾル若しくはジルコニアゾルがセラミックス粒子と共に硬化したものである請求項1ないし請求項8の何れかの請求項に記載の皮膚用赤外線照射装置。
- 前記セラミックス粒子が、シリカ、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、酸化カルシウム、ムライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、及び、コーディエライトからなる群より選ばれた1種以上のセラミックス粒子である請求項9に記載の皮膚用赤外線照射装置。
- 前記セラミックスが、体積平均粒径が0.03μm以上10μm以下のセラミックス粒子が、該セラミックス粒子が形成する粒界層を介して互いに結合してなるものである請求項1ないし請求項8の何れかの請求項に記載の皮膚用赤外線照射装置。
- 前記粒界層に、前記ナノカーボン材料が、該ナノカーボン材料同士で凝集せずに均一に分散して存在している請求項11に記載の皮膚用赤外線照射装置。
- 前記粒界層に、前記赤外線放射構造体全体に対して質量で2ppm以上100ppm以下のアルカリ金属が存在している請求項11又は請求項12に記載の皮膚用赤外線照射装置。
- 人の美容用である請求項1ないし請求項13の何れかの請求項に記載の皮膚用赤外線照射装置。
- 請求項1ないし請求項14の何れかの請求項に記載の皮膚用赤外線照射装置に用いられるものであって、
前記セラミックス中に前記ナノカーボン材料が微分散状態で含有されていることを特徴とする赤外線放射構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021131296A JP2023025874A (ja) | 2021-08-11 | 2021-08-11 | 皮膚用赤外線照射装置及びそれに用いられる赤外線放射構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021131296A JP2023025874A (ja) | 2021-08-11 | 2021-08-11 | 皮膚用赤外線照射装置及びそれに用いられる赤外線放射構造体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023025874A true JP2023025874A (ja) | 2023-02-24 |
Family
ID=85252082
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021131296A Pending JP2023025874A (ja) | 2021-08-11 | 2021-08-11 | 皮膚用赤外線照射装置及びそれに用いられる赤外線放射構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023025874A (ja) |
-
2021
- 2021-08-11 JP JP2021131296A patent/JP2023025874A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN105294140B (zh) | 多孔陶瓷的制备方法、多孔陶瓷及其应用 | |
JP6255338B2 (ja) | 高光取り出し性能を有する無機粒子散乱フィルム | |
EP3235788B1 (en) | Blanket comprising silica aerogel and manufacturing method therefor | |
Xing et al. | Porous SiO2 hollow spheres as a solar reflective pigment for coatings | |
CN1886350A (zh) | 隔热材料 | |
CN102993749A (zh) | 一种纳米Al2O3复合的耐电晕聚酰亚胺薄膜 | |
JP2009067998A (ja) | 放熱膜用塗料および放熱膜の形成方法 | |
CN104692401B (zh) | 金属或金属氧化物纳米颗粒的二氧化硅复合微球及其制备方法 | |
CN107163294A (zh) | 一种远红外复合粉体 | |
CN105368060B (zh) | 有机硅发热层材料、红外辐射加热体及其制备方法 | |
KR101986332B1 (ko) | 비점착성 세라믹 코팅 조성물 및 그 제조방법 | |
Peng et al. | Preparation of silica encapsulated carbon black with high thermal stability | |
JP2009215088A (ja) | 球状シリカガラス微粒子及びその製法 | |
Cao et al. | Precisely tailored synthesis of hexagonal hollow silica plate particles and their polymer nanocomposite films with low refractive index | |
TW201221364A (en) | Heat insulator and method of producing the same | |
Soranakom et al. | Effect of surfactant concentration on the formation of Fe2O3@ SiO2 NIR-reflective red pigments | |
Tang et al. | Synergetic enhancement of thermal conductivity in the silica-coated boron nitride (SiO 2@ BN)/polymethyl methacrylate (PMMA) composites | |
KR101028946B1 (ko) | 원적외선 방사 세라믹 코팅제 및 이의 제조방법 | |
Kim et al. | Design of SiO2/ZrO2 core–shell particles using the sol–gel process | |
KR20190056767A (ko) | 구형 그래핀 분말을 포함하는 가열조리기구 코팅 조성물 및 가열조리기구 | |
Li et al. | Preparation of organic–inorganic multifunctional nanocomposite coating via sol-gel routes | |
CN108276612A (zh) | 一种石墨烯/硅复合导热硅脂的制备及应用 | |
JP2023025874A (ja) | 皮膚用赤外線照射装置及びそれに用いられる赤外線放射構造体 | |
CN104356937A (zh) | 一种用于地铁车厢内饰的陶瓷涂料的生产方法 | |
JP7340809B2 (ja) | ナノカーボン複合セラミックス及びその製造方法 |