JP2023025698A - かつら用装着部材及びかつら - Google Patents

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麻理子 福田
Mariko Fukuda
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Abstract

Figure 2023025698000001
【課題】安全で違和感なく、かつ容易にかつらを装着することができる新規なかつら用装着部材の提供。
【解決手段】かつらベースに固定される固定部11と、固定部11をかつらベースに固定される方向から見て固定部11から複数の方向へ延び、固定部11を持ち上げて支持する弾性変形可能な複数の脚部12と、脚部12に設けられ、毛髪を係止するための係止部13とを備え、固定部11に対してかつらベースに固定される方向から押圧力が印加されたときに、脚部12が弾性変形して、固定部から互いに異なる方向へ延びた脚部12の先端部12aどうしの間隔が拡大し、押圧力が除去されたときに、固定部11から互いに異なる方向へ延びた脚部12の先端部12aどうしの間隔の距離が縮小する。
【選択図】図3

Description

本発明は、かつら用装着部材及びかつらに係り、より詳細には、かつらを自毛に係止させることによって頭部に装着するためのかつら用装着部材、及びそのかつら用装着部材を備えたかつらに関する。
従来、かつらを頭部に装着する装着部材として、金属製の反転挟持具が多く使用されている。反転挟持具の櫛歯を反らせて自毛を挟持することによって、かつらが頭部へ装着される。
しかし、反転挟持具は固い金属製であり、また、反転挟持具の櫛歯で挟持された自毛が引っ張られて痛みを感じることがあった。そのうえ、反転挟持具でかつらを装着する際には、通常、かつらの複数個所に配置された反転挟持具の櫛歯を反らせて自毛を挟み込む必要があった。
金属製の反転挟持具を用いずにかつらを装着するかつら用装着具の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のかつら用装着具は、基体シートの一側面に突設された多数のモノフィラメントを備えている。かつら装着の際に、モノフィラメントは、装着者の頭部の頭皮と当接し、自毛や他のモノフィラメントと絡み合いながら基体シートの方向へ戻るようにU字状に撓む。その結果、モノフィラメントどうしが自毛を挟みながらランダムに絡み合うことによって、かつらが頭部に固定される。
実用新案登録第3134280号
本発明は、安全で違和感なく、かつ容易にかつらを装着することができる新規なかつら用装着部材、及びその装着部材を備えたかつらを提供することを目的とする。
本発明のかつら用装着部材によれば、かつらベースに固定され、又は前記かつらベースの一部を構成する固定部と、前記固定部から側方に複数の方向へ延び、前記固定部を持ち上げて支持する弾性変形可能な複数の脚部と、前記脚部に設けられ、毛髪を係止するための係止部と、を備え、前記固定部に対して前記かつらベースに固定される方向から押圧力が印加されたときに、前記脚部が弾性変形して、前記固定部から互いに異なる方向へ延びた脚部の先端部どうしの間隔が拡大し、前記押圧力が除去されたときに、前記固定部から互いに異なる方向へ延びた脚部の先端部どうしの間隔が縮小することを特徴としている。
また、本発明のかつらは、かつらベースと、上記のかつら用装着部材とを備えたことを特徴としている。
本発明のかつら用装着部材及びかつらによれば、かつら用装着部材が、固定部に対してかつらベースに固定される方向から押圧力が印加されて押し潰されるときに、脚部が弾性変形して、固定部から互いに異なる方向へ延びた脚部の先端部どうしの間隔が拡大する。また、押圧力が除去されて、脚部が固定部を持ち上げて支持する基本形状に戻るときに、固定部から互いに異なる方向へ延びた脚部の先端部どうしの拡大していた間隔が縮小する。このように、複数の脚部の先端部間の距離が一旦拡大してから縮小することにより、係止部に係止された毛髪をあたかも掴むように捕捉することができる。
本発明によれば、安全で違和感なく、かつ容易にかつらを装着することができる新規なかつら用装着部材及びかつらを提供することができる。
(A)は、本発明の第1実施形態に係るかつら用装着部材の斜視図であり、(B)は、その正面図である。 第1実施形態のかつら用装着部材を備えたかつらの模式図であり、かつらベースにおけるかつら用装着部材の装着位置を示す。 (A)は、押圧力を印加したときのかつら用装着部材の正面図であり、(B)は、押圧力を除去したときのかつら用装着部材の正面図である。 (A)は、本発明の第1実施形態の変形例に係るかつら用装着部材の斜視図であり、(B)は、その正面図である。 (A)は、本発明の第2実施形態に係るかつら用装着部材の斜視図であり、(B)は、その正面図である。 (A)は、本発明の第3実施形態に係るかつら用装着部材の斜視図であり、(B)は、その正面図である。 (A)は、本発明の第4実施形態に係るかつら用装着部材の斜視図であり、(B)は、その正面図である。 本発明の第4実施形態に係るかつら用装着部材の係止部の説明図である。 本発明の第4実施形態に係るかつら用装着部材の配置の説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1~図3を参照して、第1実施形態に係るかつら用装着部材、及びそのかつら用装着部材を備えたかつらを説明する。図1(A)は、かつら用装着部材の斜視図であり、図1(B)は、その正面図である。図2は、かつらベースにおけるかつら用装着部材の装着位置を示す模式図である。図3(A)は、押圧力を印加したときのかつら用装着部材の正面図であり、図3(B)は、押圧力を除去したときのかつら用装着部材の正面図である。
図1に示すように、第1実施形態のかつら用装着部材10は、かつらベース(図2参照)に固定される固定部11と、固定部11から側方に延びる弾性変形可能な複数の脚部12と、脚部12に設けられた係止部13とを備えている。
図2に、第1実施形態のかつら用装着部材10を備えたかつらを構成するかつらベース100におけるかつら用装着部材10の装着位置を示す模式図である。図2に示す例では、長方形で模式的に示したかつら用装着部材10を、かつらベース100の頭部に装着する面の周囲に沿って配置している。なお、かつらベース100におけるかつら用装着部材10の配置及び配向方向は、これに限定されない。
図1に示すかつら用装着部材10の固定部11は、帯状部材であり、その上面11aがかつらベース100に固定される。固定部11は、例えば、熱圧着、接着剤による接着、又は逢着等により、かつらベース100に固定することができる。
また、本実施形態では、固定部11は、かつらベース100と同じ材料を使用して、糸部材を編んで帯状部材としている。かつらベース100は、複数のフィラメントを撚り合わせた糸部材を網状に編み込んで形成されている。フィラメントには、例えば、ポリエステル、ナイロン又はポリウレタン(スパンデックス)等の合成樹脂を用いるとよい。固定部11をこのような合成樹脂のフィラメントで形成して接着剤で固めることにより、固定部11にも弾性を与えている。
また、かつらベース100の一部分をそのまま固定部11としてもよい。その場合、固定部11が、かつらベース100の一部を構成するように、かつらベース100と固定部11とが一体に編み込まれて形成されるとよい。
脚部12は、弾性変形可能な線状部材で形成され、固定部11を持ち上げて支持する。脚部12はまた、固定部11をかつらベースに固定される方向(矢印A)から見て固定部11から側方に複数の方向へ延びている。本実施形態では、固定部11の帯状部材の長手方向と交差する両側方向に、かつらベース側から見て(即ち、図1(B)の図面上方から見て)、複数対の脚部12が互いに実質的に平行に配列されて延びている。
脚部12はまた、図1(B)に示すように、かつらベース100側に向かって凸となるように、即ち、上方に凸となるように湾曲している。すなわち、脚部12の付け根部12bは、固定部11の上面とほぼ平行、又は僅かに斜め下方に向けて伸びるように、固定部11に固定され、一方、湾曲した脚部12の先端部12aは、その接線L1と固定部11の上面11aの接線L0と鋭角を成している。先端部12aでの接線L1と上面11aの接線L0との成す角度θ1を直角よりも小さい鋭角とした理由は、かつら用装着部材10を押し潰したときに、脚部12の先端部12aを固定部11から離れる方向へ容易に拡大させるためである。
また、本実施形態では、脚部12も、合成樹脂のフィラメントで固定部11と一体に編んで形成され、接着剤で固めることにより、脚部12に弾性を与えている。
係止部13は、毛髪を係止するために、脚部12に設けられている。本実施形態では、係止部13は、脚部12の先端部12aに設けられ、固定部11の長手方向に延在するT字形状を有している。
また、本実施形態では、係止部13も、合成樹脂のフィラメントで固定部11及び脚部12と一体に編んで形成され、接着剤で固めることにより、係止部13にも弾性を与えている。
このように、かつら用装着部材10は、脚部12が弾性変形可能な材料で形成されているため、固い金属製の反転挟持具と比較して、安全で違和感なくかつらを装着することができる。また、固定部11及び係止部13も弾性変形可能な材料で形成することにより、より一層、安全で違和感なくかつらを装着することができる。
次に、図3を参照して、かつらを頭部に装着する際のかつら用装着部材10の働きについて説明する。図3(A)は、かつらベース側から押圧力を印加したときのかつら用装着部材の正面図であり、図3(B)は、押圧力を除去したときのかつら用装着部材の正面図である。
かつらベース100にかつら用装着部材10を取り付けたかつらは、頭部に載置して手で軽く押さえつけることによって、以下に詳細に説明するように、かつら用装着部材10の働きによって頭部に容易に装着することができる。
頭部に載置したかつらを手で押さえつけると、かつら用装着部材10には、固定部11に対してかつらベース100に固定される方向(即ち、図3(A)の図面中の上方向)から押圧力Fが印加される。その結果、かつら用装着部材10は一時的に押し潰されて、図3(A)に破線で示した基本形状から実線で示す形状へ弾性変形する。その際に、脚部12が湾曲を開くようにしながら弾性変形して、固定部11から互いに反対方向へ延びた脚部12の先端部12aどうしの間隔が拡大する。このときに、ほぼ平行に配列した脚部12間に毛髪が捕捉される。
続いて、頭部に載置したかつらから手を離すと、かつら用装着部材10に印加されていた押圧力Fが除去される。その結果、弾性変形していたかつら用装着部材10は、図3(A)に破線で示した押し潰された形状から、脚部12が固定部11を持ち上げて支持する実線で示す基本形状に戻る。その際に、固定部11から互いに反対方向へ延びた脚部12の先端部12aどうしの間隔が縮小する。このように、複数の脚部12の先端部12a間の距離が一旦拡大してから縮小するときに、脚部12の先端部12aに設けられた係止部13は、毛髪を係止したまま移動する。これにより、係止部13に係止された毛髪をあたかも掴むように脚部12間に捕捉することができる。
特に、係止部13の設置位置が脚部12の先端へ行くほど、脚部12の先端部12aの間隔が拡大したときと縮小したときとの係止部13の移動距離、即ち、ストロークが大きくなる。このため、係止部13を脚部12の先端部12aに設けることにより、毛髪をより効果的に捕捉することができる。
このように、かつら用装着部材10は、かつらを手で押さえつけるだけで、毛髪をあたかも掴むように確実に捕捉するので、簡単な構造で、安全で違和感なく、かつ容易にかつらを装着することができる。
(変形例)
図4を参照して、第1実施形態の変形例に係るかつら用装着部材を説明する。図4(A)は、変形例のかつら用装着部材の斜視図であり、図4(B)は、その正面図である。
変形例のかつら用装着部材10aは、脚部12c以外の構成は、上述した第1実施形態のかつら用装着部材10の構成と同一であるので、機能の共通する部分には共通した符号を付して、適宜説明を省略する。
図4に示すように、変形例のかつら用装着部材10aでは、固定部11の両側の複数対の脚部12cが、固定部11から斜め下方へ向けて直線状に延びている。
変形例のかつら用装着部材10aも、第1実施形態のかつら用装着部材10と同様に、固定部11に対してかつらベースに固定される方向(図4(B)の図面上方)から押圧力が印加されたときに、脚部12cが撓るように弾性変形して、固定部11から互いに異なる方向へ延びた脚部12cの先端部12aどうしの間隔が拡大する。続いて、押圧力が除去されたときに、固定部11から互いに異なる方向へ延びた脚部12cの先端部12aどうしの間隔が縮小する。
これにより、変形例のかつら用装着部材10aも、第1実施形態のものと同様に、かつらを手で押さえつけるだけで、毛髪をあたかも掴むように確実に捕捉するので、簡単な構造で、安全で違和感なく、かつ容易にかつらを装着することができる。
(第2実施形態)
図5を参照して、第2実施形態に係るかつら用装着部材を説明する。図5(A)は、かつら用装着部材の斜視図であり、図5(B)は、その正面図である。
以下に説明する各実施形態では、機能の共通する分部には、末尾に共通した符号を付して、適宜説明を省略する。
本実施形態のかつら用装着部材20は、固定部21が、線状部材である点で、第1実施形態のものと異なる。
固定部21は、例えば、熱圧着、接着剤による接着、又は逢着等により、かつらベース100に固定することができる。また、固定部21は、例えば、かつらベース100と同じ線状部材を使用して形成してもよい。また、固定部21も、脚部22と同様に弾性変形可能な材料で形成することが好ましい。
また、本実施形態においても、固定部21の線状部材をかつらベース100の一部としてもよい。
本実施形態のかつら用装着部材20も、第1実施形態のかつら用装着部材10と同様に、固定部21に対してかつらベースに固定される方向(図5(B)の図面上方)から押圧力が印加されたときに、脚部22が弾性変形して、固定部21から互いに異なる方向へ延びた脚部22の先端部22aどうしの間隔が拡大する。続いて、押圧力が除去されたときに、固定部21から互いに異なる方向へ延びた脚部22の先端部22aどうしの間隔が縮小する。
これにより、本実施形態のかつら用装着部材10aも、第1実施形態のものと同様に、かつらを手で押さえつけるだけで、毛髪をあたかも掴むように確実に捕捉するので、簡単な構造で、安全で違和感なく、かつ容易にかつらを装着することができる。
(第3実施形態)
図6を参照して、第3実施形態に係るかつら用装着部材を説明する。図6(A)は、かつら用装着部材の斜視図であり、図6(B)は、その正面図である。
図6に示すように、本実施形態のかつら用装着部材30は、複数の脚部32が、四つの互いに異なる方向へ延び、複数の脚部を互いに交差させ部分を固定部31とした点で、第1実施形態のものと異なる。
具体的には、本実施形態のかつら用装着部材30では、アーチ形状の弾性変形可能な線状部材で形成された二組の脚部32が、アーチ形状の頂点付近で十字に交差している。
そして、この十字に交差した部分付近が、固定部31として、かつらベースに固定される。固定部31は、かつらベース100の一部を構成するようにしてもよい。その場合、固定部31は、かつらベース100と一体に編み込まれるとよい。また、かつら用装着部材30は、かつらベース100の材料と同じ線状部材を使用して形成してもよい。
アーチ形状に湾曲した脚部32の先端部32aでの接線L2は、固定部31としてのアーチの頂点での接線L0と鋭角を成す。先端部32aでの接線L2と頂点での接線L0との成す角度θ2を直角よりも小さい鋭角としたことにより、かつら用装着部材30のアーチ形状を押し潰したときに、脚部32の先端部32aが、交差部分から離れる方向へ容易に拡大する。
本実施形態のかつら用装着部材30も、第1実施形態のかつら用装着部材10と同様に、固定部31に対してかつらベースに固定される方向から押圧力が印加されたときに、脚部32が弾性変形して、固定部31から互いに異なる方向へ延びた脚部32の先端部32aどうしの間隔が拡大する。続いて、押圧力が除去されたときに、固定部31から互いに異なる方向へ延びた脚部32の先端部32aどうしの間隔の距離が縮小する。このとき、脚部32の先端部に設けた係止部33は、アーチ形状の内側に向いたフック形状を有しているので、係止部33に係止された毛髪をあたかも掴むように捕捉することができる。
これにより、本実施形態のかつら用装着部材30も、第1実施形態のものと同様に、かつらを手で押さえつけるだけで、毛髪をあたかも掴むように確実に捕捉するので、簡単な構造で、安全で違和感なく、かつ容易にかつらを装着することができる。
(第4実施形態)
図7~図9を参照して、第4実施形態に係るかつら用装着部材を説明する。
本実施形態のかつら用装着部材(以下、「装着部材」とも称する。)40は、固定部41の両側に延びる脚部421,422の長さが固定部41の両側で異なる点で、第1実施形態のものと異なる。
図7(A)に示すように、本実施形態の装着部材40は、かつらベース(図示せず)の一部を構成する固定部41と、固定部41から側方に複数の方向へ延び、固定部41を持ち上げて支持する弾性変形可能な複数の脚部421及び422と、脚部421及び422に設けられ、毛髪を係止するための係止部43とを備えている。
ここで、固定部41は、上述した第1実施形態と同様に、かつらベースと同じ糸部材を編んで帯状部材として形成され、かつらベースの一部として編み込まれている。
また、図7(B)に示すように、固定部41の下面(装着時に被装着者の頭皮と対向する面)41bに、毛髪を係止する係止部材44が設けられている。係止部材44としては、例えば、糸部材をフック形状とした突起を設けてもよいし、面ファスナ、特に雄型面ファスナを設けてもよい。
これにより、装着部材40を設けたかつらを頭部に装着したとき、脚部421及び422の係止部43による自毛の係止に加えて、係止部材44によっても自毛がキャッチされるので、かつら用装着部材40の浮き上がりを抑制し、かつら装着時のフィット感を向上させることができる。
図7(B)に示すように、脚部は、帯状部材の固定部41の長手方向と交差する両側方向の一方に延びている複数の第1の脚部421と、両側方向の他方に延びている複数の第2の脚部422とから構成されている。ここで、第1の脚部421の長さは、第2の脚部522の長さよりも長くなっている。例えば、第1の脚部421の長さが7mmであるのに対し、第2の脚部422の長さは、5mmである。
図8に、第1の脚部421の係止部43を示す。なお、第2の脚部422の係止部43の構造も、第1の脚部421の係止部43と同じである。
本実施形態では、係止部43も、合成樹脂製のフィラメントを撚り合わせた糸部材を接着剤で固めて形成されている。これにより、係止部43にも、固定部41及び第1及び第2の脚部421,422と同様に、弾性が与えられている。
図8に示すように、係止部43は、第1の脚部421の先端部421aに設けられ、固定部41の長手方向に延在するT字形状を有するT字部43aと、T字部43aを含む面内で、錨形状を有する返し部43bとを備えている。これにより、各係止部43のT字部43aと返し部43bとによって、装着時に自毛を効果的に捕捉することができる。
また、本実施形態のかつら用装着部材40も、図2に示した第1実施形態のかつら用装着部材10と同様に、かつらベース100に設けてかつらを構成する。その際、本実施形態の装着部材40も、かつらベース100の頭部に装着する面の周囲に沿って配置される。
ここで、図9に示すように、装着部材40は、第1の脚部421が固定部41からかつらベース100(図9では、図示せず。)の周辺側へ延び、第2の脚部422が固定部41からかつらベースの中央側、即ち、頭部に装着したときの頭頂部側へ延びるように配向させて、かつらベース100に配置される。
一般に、かつらを装着する頭部Hは丸みを帯びており、頭頂部T付近は水平に近く傾斜が小さく、周辺へ行くに従って水平に対する傾斜が大きくなっている。このため、傾斜の大きい側で脚部が長くなり、傾斜の小さい側で脚部が短くなるように装着部材40を配向させて配置することにより、頭部Hの形状に沿った設計とすることができる。
また、脚部の長さの異なる複数種類の装着部材40、40sを用意しておき、各部の自毛の毛量や頭部の形状に応じて、対応するかつらベースの各部に配置する装着部材の脚部の長さを選択してもよい。
具体的には、自毛の毛量が多い箇所には脚部の長い装着部材を配置し、自毛の毛量が少ない箇所には、脚部の短い装着部材を配置するとよい。例えば、前頭部の自毛の毛量が、後頭部の自毛の毛量よりも少ない場合には、図9に示すように、前頭部側に配置する装着部材40sの脚部の長さを、後頭部側に配置する装着部材40の脚部の長さよりも短くすることが好ましい。
また、頭部の曲率が大きな箇所には脚部の長い装着部材を配置し、頭部の曲率が小さな箇所には、脚部の短い装着部材を配置するとよい。
ここで、装着部材40の第1及び第2の脚部421及び422の長さが、それぞれ7mm及び5mmであるのに対し、脚部の短い装着部材40s第1及び第2の脚部421及び422の長さは、例えば、それぞれ5mm及び3mmである。
このように、装着部材40sの脚部を短くすることにより、装着部材の高さが抑制され、毛量が少ない部分や曲率が小さい部分であっても装着部材の厚みが気にならなくなる。また、脚部を短くすることにより、脚部の弾力が低減するので、毛量が少ない自毛に対しても、適度な捕捉力による捕捉を図ることができる。
以上、本発明のかつら用装着部材の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係るかつら用装着部材は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能である。上述した実施形態では、係止部を脚部の先端部に設けた例を説明したが、本発明では、係止部は、脚部の途中に設けてもよい。
また、係止部の形状は、T字形状やフック形状に限定されず、例えば、矢印形状等の種々の突起形状としてもよい。また、突起形状の突出方向は、毛髪を係止可能であれば特に限定されない。
また、第1実施形態では、対となった脚部どうしが反対方向に延びた例を説明し、第3実施形態では、脚部が四つの互いに異なる方向に延びた例を説明したが、脚部の延びる方向はこれに限定されず、例えば、三方向に延びてもよいし、五つ以上の方向に延びてもよい。
また、上述した第1~第4実施形態では、帯状部材又は線状部材の両側に、脚部を対になるように設けた例を説明したが、本発明では、脚部を、帯状部材又は線状部材の両側に交互に設けてもよい。
10、10a、20、30、40、40s かつら用装着部材
11、21、31、41 固定部
11a 上面
12、12c、22、32 脚部
12a、32a 先端部
12b 付け根部
13、23,33、43 係止部
41a 上面
41b 下面
421、421s 第1の脚部
421a 先端部
422、422s 第2の脚部
44 係止部材
H 頭部
T 頭頂部

Claims (10)

  1. かつらベースに固定され、又は前記かつらベースの一部を構成するための固定部と、
    前記固定部から側方に複数の方向へ延び、前記固定部を持ち上げて支持する弾性変形可能な複数の脚部と、
    前記脚部に設けられ、毛髪を係止するための係止部と、
    を備え、
    前記固定部に対して前記かつらベースに固定される方向から押圧力が印加されたときに、前記脚部が弾性変形して、前記固定部から互いに異なる方向へ延びた脚部の先端部どうしの間隔が拡大し、前記押圧力が除去されたときに、前記固定部から互いに異なる方向へ延びた脚部の先端部どうしの間隔が縮小する
    ことを特徴とする、かつら用装着部材。
  2. 前記固定部は、帯状部材又は線状部材であり、
    前記帯状部材又は線状部材の長手方向と交差する両側方向に、複数対の前記脚部が延びている
    ことを特徴とする、請求項1記載のかつら用装着部材。
  3. 前記複数の脚部は、前記固定部から側方に三つ以上の互いに異なる方向へ延びている
    ことを特徴とする、請求項1記載のかつら用装着部材。
  4. 複数の前記脚部を互いに交差させた部分を前記固定部とした
    ことを特徴とする、請求項1に記載のかつら用装着部材。
  5. 前記脚部は、前記かつらベース側に凸となるように湾曲している
    ことを特徴とする、請求項1記載のかつら用装着部材。
  6. 前記係止部は、前記脚部の前記先端部に設けられている
    ことを特徴とする、請求項1記載のかつら用装着部材。
  7. かつらベースと、
    請求項1~6のいずれかに記載の前記かつら用装着部材と
    を備えたことを特徴とする、かつら。
  8. 前記固定部は、帯状部材であり、
    前記帯状部材の長手方向と交差する両側方向の一方に延びている複数の第1の脚部と、前記両側方向の他方に延びている複数の第2の脚部とから構成され、
    前記第1の脚部の長さが、前記第2の脚部の長さよりも長い
    ことを特徴とする、請求項1記載のかつら用装着部材。
  9. 前記固定部の下面に、毛髪を係止する係止部材を設けた
    ことを特徴とする、請求項8記載のかつら用装着部材。
  10. かつらベースと、
    請求項8又は9記載の前記かつら用装着部材と、
    を備え、
    前記かつら用装着部材は、前記第1の脚部が前記固定部から前記かつらベースの周辺側へ延び、かつ前記第2の脚部が前記固定部から前記かつらベースの中央側へ延びるように、前記かつらベースに配置される
    ことを特徴とする、かつら。
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