JP2023023376A - 座屈拘束ブレース - Google Patents

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Fumihisa Yoshida
学 中川
Manabu Nakagawa
智裕 薮田
Tomohiro Yabuta
拓馬 西
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Abstract

【課題】木造建築物等の架構内に組み込んで使用するのに好適であり、例えば大地震時に架構と座屈拘束ブレースが構面外に変形し、座屈拘束ブレースを形成する芯材が木製拘束材を形成する拘束板を押し込み、拘束板に引っ張られた側板に割れが生じることを解消できる、座屈拘束ブレースを提供すること。【解決手段】鋼製でプレート状の芯材10と、芯材10の有する二つの広幅面11aに対向するように配設されている木製で一対の拘束板21と、芯材10の有する二つの狭幅面11bに対向するように配設され、一対の拘束板21に接続されている木製で一対の側板22とにより形成される木製拘束材20とを備える座屈拘束ブレース100において、一対の拘束板21の端部が、端部拘束材29Aにより繋がれている。【選択図】図3

Description

本発明は、座屈拘束ブレースに関する。
従来より、建物の架構(柱・梁架構、屋根架構等)を形成するブレースとして、座屈防止措置が講じられた座屈拘束ブレースが適用されている。座屈拘束ブレースとしては、鋼製の芯材の周囲を鋼板のみで補剛した形態、鋼製の芯材の周囲をRC(Reinforced Concrete:鉄筋コンクリート)で補剛した形態、鋼製の芯材の周囲を鋼材とモルタルで被覆した形態など、多様な補剛形態が存在する。
ところで、昨今、木造建築物(木造住宅、木造の倉庫、木造の競技場など)の耐火性能や耐震性能の向上が図られている。木造住宅は本来的に、間取りやデザインの自由度の高さ、自然物の木材による癒し効果、木材の有する調湿効果、住宅などの建物用途によっては鉄骨造やRC造に比べて建設費用が一般に安価であるといった利点を備えているが、上記する耐火性や耐震性の向上が木造住宅をはじめとする木造建築物の注目度を高めている一つの要因である。このような木造住宅の架構内に上記する従来の座屈拘束ブレースを組み込む場合、木製の柱や梁と、金属製もしくはコンクリート製の補剛材を有する座屈拘束ブレースとが混在することになり、不釣合いな外観となることが否めない。
そこで、座屈拘束ブレースの全体を木製もしくは紙製のパネル等で覆うことにより、金属製もしくはコンクリート製の補剛材を外部から視認できないようにする方策が考えられるが、この方策には多大な作業手間を要することから建設費の増加が懸念される。また、従来の座屈拘束ブレースは、金属やコンクリート、モルタル等が多用されていることから、重量が重くなる傾向にあり、木造住宅を構成する軽量な木製の梁や柱の中に重量のある座屈拘束ブレースを取り付けることは構造的にも不釣合いである。
そこで、木造住宅をはじめとする木造建築物の架構内に組み込んで使用するのに適した座屈拘束ブレースが提案されている。具体的には、芯材と、芯材の両面に沿って配置した一対の拘束材とを有する座屈拘束ブレースであり、芯材を鋼材にて形成し、一対の拘束材を木材にて形成し、この拘束材に集成材を適用し、集成材は芯材と平行にラミナが積層されたものとした座屈拘束ブレースである(例えば、特許文献1参照)。
特許第4901491号公報
座屈拘束ブレースを形成する鋼製の芯材を包囲する木製拘束材は、芯材の二つの広幅面に対向する一対の拘束板と、一対の拘束板の端部同士を繋ぐ一対の側板とにより構成されるが、座屈拘束ブレースに対して、例えば大地震時に架構と架構に組み込まれた座屈拘束ブレースが大きく構面外に変形した際に、芯材が拘束板を押し込み、芯材に押し込まれた拘束板が側板を引っ張ることにより、側板に割れが生じるといった課題がある。特許文献1には、このように座屈拘束ブレースの構面外の変形の際に、芯材に押し込まれた拘束板が側板を引っ張ることにより側板に割れが生じることを防止する措置についての言及がない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、木造建築物等の架構内に組み込んで使用するのに好適であり、例えば大地震時に架構と座屈拘束ブレースが構面外に変形し、座屈拘束ブレースを形成する芯材が木製拘束材を形成する拘束板を押し込み、拘束板に引っ張られた側板に割れが生じることを解消できる、座屈拘束ブレースを提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による座屈拘束ブレースの一態様は、
鋼製でプレート状の芯材と、
前記芯材の有する二つの広幅面に対向するように配設されている木製で一対の拘束板と、前記芯材の有する二つの狭幅面に対向するように配設され、前記一対の拘束板に接続されている木製で一対の側板と、により形成される木製拘束材と、を備え、
前記一対の拘束板の端部が、端部拘束材により繋がれていることを特徴とする。
本態様によれば、木製で一対の側板とともに木製拘束材を形成する、木製で一対の拘束板の端部が端部拘束材によって繋がれて補強されていることにより、架構と座屈拘束ブレースが構面外に変形した際に、芯材から最も強い押し込み力を受ける一対の拘束板の端部に対応する位置に接続されている側板の端部に生じ得る割れ(割裂)を抑制することが可能になる。
本態様においては、一対の拘束板同士は一対の側板にて接続されて、四つの面材による閉合構造を有する木製拘束材が形成され、鋼製の芯材が木製拘束材にて包囲されている。この構成により、本態様の座屈拘束ブレースを木造建築物の架構に適用した場合でも、架構構成部材と不釣合いな外観を与える恐れはない。ここで、木製拘束材と側板は、無垢材により形成されてもよいし、ラミナが積層された集成材により形成されてもよい。
さらに、本態様においては、木製拘束材が、一対の拘束板に対して一対の側板が接続される構成を有していることから、木製拘束材の加工が容易になる。例えば、特許文献1に記載の座屈拘束ブレースは、集成材を加工して断面L型の二つの木製拘束材を製作し、これらを相互に逆さまにして、芯材を挟んだ状態で接続する加工を要する。これに対して、本態様の座屈拘束ブレースは、一対の拘束板に対して一対の側板を接続して木製拘束材を製作し、例えばこの木製拘束材の有する中空に芯材を挿通することにより座屈拘束ブレースを製作することができる。そのため、座屈拘束ブレースの製作がより一層容易になる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様において、
前記端部拘束材が、鎹であることを特徴とする。
本態様によれば、端部拘束材が鎹であることにより、一般に普及していて安価な部材にて一対の拘束板の端部同士を強固に固定することができ、このことによって側板の端部に生じ得る割れを抑制することが可能になる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様において、
前記一対の拘束板に対して前記鎹の二本の突き刺し部が打ち込み固定されている、もしくは、前記一対の拘束板に開設されている固定孔に前記鎹の二本の突き刺し部が挿通され、接着固定されていることを特徴とする。
本態様によれば、拘束板に対する鎹の固定形態として、鎹の突き刺し部が打ち込み固定されている形態と、拘束板に開設されている固定孔に突き刺し部が挿通されて接着固定されている形態のいずれか一方が適用されることにより、いずれの固定形態であっても拘束板の端部に対して鎹を強固に固定することができる。
例えば、鎹の突き刺し部が打ち込み固定される形態では、拘束板の端部に対して鎹を簡単に固定することができる。ここで、鎹の突き刺し部は、側板の端部に突き刺された後に拘束板の端部に突き刺される。すなわち、コの字状の鎹の二つの突き刺し部が、側板の両端近傍に突き刺された後、一対の拘束板の端面に突き刺されることから、側板と一対の拘束板の双方の端部が鎹を介して固定される。
一方、拘束板に開設されている固定孔に突き刺し部が挿通されて接着固定される形態では、鎹を打ち込む際の打ち込み力によって側板や拘束板の端部を破損させるといった恐れが無く、鎹による固定箇所周辺の側板と拘束板双方の初期の剛性を保持することができる。すなわち、側板の両端近傍と、一対の拘束板の端面には、双方に連通する固定孔が固定され、固定孔に鎹の突き刺し部が挿通されて接着固定されることにより、突き刺し部は側板と拘束板の双方に接着固定され、側板と一対の拘束板の双方の端部が鎹を介して固定される。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様において、
前記端部拘束材が、一対の拘束板に跨がる一つもしくは複数の帯状の鋼板もしくは繊維補強材であり、前記鋼板もしくは前記繊維補強材と一対の拘束板が接続されている、もしくは、複数の前記鋼板同士もしくは複数の前記繊維補強材同士が接続されることによって前記一対の拘束板同士が間接的に繋がれている、ことを特徴とする。
本態様によれば、端部拘束材が、一対の拘束板に跨がる一つもしくは複数の帯状の鋼板もしくは繊維補強材であることにより、一対の拘束板と一対の側板の全体(木製拘束材)を巻き込んだ態様で拘束板の端部を強固に補強することができる。ここで、鋼板もしくは繊維補強材を一対の拘束板に跨がるようにして被覆し、拘束板の端部に対して直接接続してもよいし、例えば二枚の鋼板にて木製拘束材の周囲を被覆し、二枚の鋼板の端部同士を接続することにより、間接的に拘束板の端部同士を拘束(補強)してもよい。また、繊維補強材には、例えば、炭素繊維強化プラスチック板(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)やガラス繊維強化プラスチック板(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)等の繊維強化プラスチック板や、炭素繊維補強プラスチックシートやガラス繊維強化プラスチックシート等の繊維強化プラスチックシートが挙げられる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様において、
前記拘束板の端部には、前記芯材の前記広幅面と接触しない非接触溝が設けられており、
前記拘束板の前記非接触溝以外の領域と前記芯材の前記広幅面が接触していることを特徴とする。
本態様によれば、拘束板の端部には芯材の広幅面と接触しない非接触溝が設けられ、拘束板の非接触溝以外の領域と芯材の広幅面が接触していることにより、架構と座屈拘束ブレースが構面外に変形した際に、芯材から最も強い押し込み力を受ける拘束板の端部に非接触溝が設けられていることによって、芯材と拘束板の接触が解消もしくは緩和され、この拘束板の端部に対応する位置に接続されている側板の端部に生じ得る割れを抑制することが可能になる。特に、既述する、一対の拘束板の端部(と側板の端部)が端部拘束材により繋がれている構成と、拘束板の端部において芯材の広幅面と接触しない非接触溝が設けられている構成が相俟って、側板の端部に生じ得る割れの抑制効果が一層高められる。ここで、芯材の二つの広幅面に対向する一対の拘束板のそれぞれの端部において、座屈拘束ブレースの構面外への変形時に芯材が拘束板に当接し得る領域に非接触溝が設けられる。
拘束板の端部にある非接触溝により、拘束板の端部と芯材の当接が解消もしくは緩和(強く当接しないこと)される一方で、拘束板における非接触溝以外の領域は芯材と当接することにより、拘束板による芯材の座屈防止性能が保証される。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様において、
前記芯材は、その長手方向の中央側において前記広幅面の幅が相対的に狭い狭幅部を有し、その長手方向の端部側において前記広幅面の幅が相対的に広い広幅部を有しており、
前記非接触溝は、前記拘束板の端縁から、前記芯材における前記広幅部と前記狭幅部の境界に対応する位置まで延設していることを特徴とする。
本態様によれば、芯材がその長手方向の中央側において広幅面の幅が相対的に狭い狭幅部を有し、その長手方向の端部側において広幅面の幅が相対的に広い広幅部を有していることにより、中央側の狭幅部を塑性化し易い領域とすることができ、さらに、塑性化領域を中央側の狭幅部に限定させることができる。また、広幅部と狭幅部の境界領域は芯材の平面積及び断面積が変化する変化領域であることから、芯材に作用する付加曲げモーメントをこの変化領域にて吸収することができる。付加曲げモーメント(あるいは、単に、付加曲げ)とは、例えば大地震時に架構と座屈拘束ブレースが大きく変形した際に、この変形に起因して木製拘束材に作用し得る曲げモーメントのことである。このように、本態様においては、芯材に作用する付加曲げモーメントを、芯材の広幅部と狭幅部の境界領域にて効果的に吸収することができる。
芯材が広幅部と狭幅部を有しながら、拘束板においては、その端縁から、芯材における広幅部と狭幅部の境界に対応する位置までの範囲に亘って非接触溝が設けられていることにより、拘束板の端部に対する芯材の当接(押し込み)を高い確度で解消することが可能になる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様において、
前記側板の内側面のうち、前記一対の拘束板との間にある前記非接触溝に対応する対応範囲に、鋼板収容溝が設けられており、
前記一対の拘束板のそれぞれの側面に跨がる補強用鋼板が、該一対の拘束板のそれぞれの側面に固定されており、
前記補強用鋼板が、前記鋼板収容溝の内壁面に接触しない状態で該鋼板収容溝に収容されていることを特徴とする。
本態様によれば、側板の内側面における一対の拘束板との間にある非接触溝に対応する対応範囲に、鋼板収容溝が設けられ、一対の拘束板のそれぞれの側面に跨がって各拘束板に固定されている補強用鋼板が、鋼板収容溝の内壁面に接触しない状態で当該鋼板収容溝に収容されていることにより、拘束板に固定されて側板に接触しない補強用鋼板が側板からの引っ張りに対して有効に抵抗することができる。このことにより、拘束板の端部に非接触溝が設けられていることと相俟って、側板に生じ得る割れをより一層効果的に抑制することが可能になる。また、補強用鋼板が鋼板収容溝の内壁面に接触していないことから、補強用鋼板が側板を押圧して割れを誘発させる恐れは無い。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様において、
前記側板のうち、前記拘束板の前記非接触溝に対応する対応範囲の繊維方向は、該側板の短手方向であり、該対応範囲以外の繊維方向は、該側板の長手方向であることを特徴とする。
本態様によれば、側板のうち、拘束板の非接触溝に対応する対応範囲の繊維方向が側板の短手方向であることにより、拘束板からの引っ張りにより側板に生じ得る割れの方向(側板の短手方向)に沿う方向(もしくはある程度沿う方向)に木材の強度の高い繊維方向が配向していることから、割れに対して側板が高い抵抗力にて抵抗することができる。一方、側板のうち、端部の対応範囲以外の繊維方向が側板の長手方向に配向していることにより、曲げ等が卓越する側板の中央部において木材の強度の高い繊維方向が配向していることから、中央部の曲げに対して高い曲げ耐力を有することができる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様において、
前記側板のうち、前記拘束板の前記非接触溝に対応する対応範囲には、前記一対の拘束板側に延設する突き刺し手段が突き刺されていることを特徴とする。
本態様によれば、側板のうち、拘束板の非接触溝に対応する対応範囲において、一対の拘束板側に延設する突き刺し手段が突き刺されていること、より詳細には、拘束板からの引っ張りにより側板に生じ得る割れの方向(側板の短手方向)に沿う方向(もしくはある程度沿う方向)に突き刺し手段が突き刺されていることから、割れに対して突き刺し手段が高い抵抗力にて抵抗することができる。ここで、突き刺し手段には、ビスや釘、ラグスクリューボルトを含むボルト等が挙げられる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様において、
前記一対の拘束板の対応する位置には第一ボルト孔が開設され、対応する該第一ボルト孔により第一ボルト孔ユニットが形成され、複数の該第一ボルト孔ユニットにそれぞれ第一長ボルトが挿通されてナット締めされており、
前記一対の側板と前記拘束板の対応する位置には第二ボルト孔が開設され、対応する該第二ボルト孔により第二ボルト孔ユニットが形成され、複数の該第二ボルト孔ユニットにそれぞれ第二長ボルトが挿通されてナット締めされていることを特徴とする。
本態様によれば、一対の拘束板が複数の第一長ボルトをナット締めすることにより接合され、一対の側板がその間にある拘束板とともに複数の第二長ボルトをナット締めすることにより接合されていることから、一対の拘束板と一対の側板の拘束性の高い木製拘束材を形成することができる。このことにより、作用し得る付加曲げモーメントに対して破損の生じ難い、高剛性の木製拘束材を有する座屈拘束ブレースを形成することができる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様において、
前記拘束板と前記側板の当接面が接着剤により接合され、前記第二長ボルトにより締付けられていることを特徴とする。
本態様によれば、拘束板と側板の当接面が接着剤により接合され、さらに第二長ボルトにより締付けられていることにより、拘束板と側板の当接面である接着面が第二長ボルトにて圧着され、拘束板と側板の接続強度がより一層高い木製拘束材を有する座屈拘束ブレースを形成することができる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様において、
前記芯材の長手方向の端部の前記広幅面には、該広幅面に直交する補強リブが接合されて断面十字状を呈しており、
前記木製拘束材のうち、前記補強リブに対応する位置には該補強リブに干渉しないスリットが設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、芯材の長手方向の端部においては、芯材の広幅面に直交する補強リブが接合されることにより断面十字状を呈していることから、芯材の広幅面が建物の構面に平行に配設されるようにして座屈拘束ブレースがガセットプレートに取り付けられる場合、芯材が構面に平行な広幅面に直交する補強リブを有することにより、芯材の端部において構面外方向の剛性を高めることができる。このように断面十字状の芯材が取り付けられる構面のガセットプレートにおいては、ガセットプレートに対してフィンスチフナが取り付けられ、座屈拘束ブレースの芯材とガセットプレート、補強リブとフィンスチフナがそれぞれスプライスプレートを介してハイテンションボルト等により接合される。本態様においては、木製拘束材の補強リブに対応する位置においてスリットが設けられ、このスリットにより木製拘束材と補強リブが干渉しないように構成されている。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様は、
平面視において、前記スリットと前記補強リブとの間に隙間を有していることを特徴とする。
本態様によれば、スリットと補強リブとの間に隙間が存在することにより、構面の変形に応じて芯材が伸縮した際に、この芯材の伸縮を隙間が吸収することができ、伸縮する芯材がスリットの壁面に接触して木製拘束材が破損に至るといった課題を解消することができる。ここで、この隙間の設定も設計者の裁量に委ねられ、設定された層間変形角に基づいて芯材の伸縮量が算定され、例えば隙間が芯材の伸縮量以上に設定される。尚、ここでの「隙間」は、スリットの長手方向の端部と補強リブの間の隙間の他、スリットの側面と補強リブの間の隙間が含まれ、スリットの側面と補強リブの間の隙間としては、上記する芯材の広幅部の側面と側板の間の隙間と同じ隙間が設定できる。また、その他、拘束板に設けられている非接触溝により、芯材と拘束板との間にも別途の隙間が形成されることになるが、この隙間も、大地震時の座屈拘束ブレースの変形の際に芯材が拘束板を強く押圧しない、もしくは当接しない大きさの隙間に設定される。
また、本態様による座屈拘束ブレースの他の態様は、
前記芯材の前記広幅面と前記拘束板の間に内挿板が介在していることを特徴とする。
本態様によれば、芯材の高次の座屈変形により、芯材から拘束板に局所的に圧縮力等が作用し、この局所的な力に起因して拘束板が破損することを抑制することができる。芯材の広幅面と拘束板の間に内挿板を介在させることにより、芯材の高次の座屈変形の凸部から作用する力は内挿板にまず伝達され、伝達された力は内挿板内に広がり、内挿板内に拡散された力が木製の拘束板に作用することになる。このことにより、芯材から作用する複数の局所的な力による木製の拘束板の破損が効果的に抑制される。
以上の説明から理解できるように、本発明の座屈拘束ブレースによれば、木造建築物等の架構内に組み込んで使用するのに好適であり、例えば大地震時に架構と座屈拘束ブレースが構面外に変形し、座屈拘束ブレースを形成する芯材が木製拘束材を形成する拘束板を押し込み、拘束板に引っ張られた側板に割れが生じることを解消できる。
第1実施形態に係る座屈拘束ブレースを形成する芯材の一例をスペーサーとともに示す斜視図である。 第1実施形態に係る座屈拘束ブレースを形成する木製拘束材の一例の斜視図である。 第1実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の斜視図である。 図3のIV方向矢視図である。 図3のV-V矢視図である。 図3のVI-VI矢視図である。 図3のVII-VII矢視図である。 図3のVIII-VIII矢視図である。 木製拘束材の第1変形例を示す斜視図である。 木製拘束材の第2変形例を示す斜視図である。 木製拘束材の第3変形例を示す斜視図である。 木製拘束材の第4変形例を示す斜視図である。 木製拘束材の第5変形例を示す斜視図である。 木製拘束材の第6変形例を示す斜視図である。 第1実施形態に係る座屈拘束ブレースが木造建物等の架構に組み込まれた状態を示す図である。 大地震時における架構の変形態様と、架構の変形に起因する座屈拘束ブレース接合部における付加曲げモーメントを説明する図である。 第2実施形態に係る座屈拘束ブレースを形成する芯材の一例をスペーサーとともに示す斜視図である。 第2実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の縦断面図である。 図18のXIX部の拡大図であって、芯材の表面の凸部から局所的に作用する力が内挿板を介して拡散されて拘束板に伝達されることを説明する図である。 座屈拘束ブレースの全体座屈曲線を示す図である。
以下、各実施形態に係る座屈拘束ブレースについて添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[第1実施形態に係る座屈拘束ブレース]
<芯材>
はじめに、図1を参照して、第1実施形態に係る座屈拘束ブレースを形成する芯材の一例について説明する。ここで、図1は、第1実施形態に係る座屈拘束ブレースを形成する芯材の一例をスペーサーとともに示す斜視図である。
芯材10は、細長でプレート状の平鋼により形成されており、その長手方向の中央側において広幅面11aの幅が相対的に狭い狭幅部13を有し、その長手方向の端部側において広幅面11aの幅が相対的に広い広幅部12を有している。また、芯材10の長手方向の端部の広幅面11aには、広幅面11aに直交する補強リブ14が溶接にて接合されて断面十字状を呈している。
芯材10がその長手方向の中央側に狭幅部13を有し、長手方向の端部側に広幅部12を有することにより、中央側の狭幅部13を塑性化し易い領域とすることができ、さらに、塑性化領域を中央側の狭幅部13に限定させることができる。
また、広幅部12と補強リブ14にはそれぞれ、以下で説明するように、構面に設けられているガセットプレートやガセットプレートに取り付けられているフィンスチフナ(図11参照)にスプライスプレートを介してボルト接合されるためのボルト孔12a、14aが開設されている。芯材10の広幅面11aが建物の構面に平行に配設されるようにして座屈拘束ブレース100がガセットプレートに取り付けられる場合、芯材10が構面に平行な広幅面11aに直交する補強リブ14を有することにより、芯材10の端部において構面外方向の剛性を高めることができる。
芯材10は、SN材(建築構造用圧延鋼材)や、LYP材(極低降伏点鋼材)等の降伏点の低い鋼材にて形成されているのが好ましく、芯材10の降伏による地震エネルギー吸収性が良好になる。
芯材10の狭幅部13の中央位置において、狭幅部13の左右の側面(狭幅部13の周面の一例)から鋼製で円柱状の突起15が張り出している。突起15は、狭幅部13の側面に対して溶接等により接合されている。この突起15は、以下で説明する木製拘束材(図2参照)に開設されている係合孔に係合する。尚、突起15が狭幅部13の上下の平面から張り出している形態であってもよく、この場合は、木製拘束材(図2参照)において拘束板21の対応する位置に係合孔が開設され、ここに突起15が係合する。
狭幅部13の左右の側方に対して、細長の四角柱状のスペーサー16がX1方向に配設され、狭幅部13の左右の側方にスペーサー16が配設された状態で芯材10が以下に示す木製拘束材の内部に収容される。スペーサー16は、鋼製部材と木製部材のいずれであってもよい。また、スペーサー16は、円柱状等、図示例以外の形態であってもよい。尚、スペーサー16には、以下に示す第一長ボルトが挿通される複数(図示例は三つ)のボルト孔16aが、その長手方向に間隔を置いて開設されている。
<木製拘束材>
次に、図2を参照して、第1実施形態に係る座屈拘束ブレースを形成する木製拘束材の一例について説明する。ここで、図2は、第1実施形態に係る座屈拘束ブレースを形成する木製拘束材の一例の斜視図である。
木製拘束材20は、一対の拘束板21と、一対の拘束板21を繋ぐ一対の側板22とを有し、一対の拘束板21の間の隙間25に芯材10が配設されるようになっている。木製で一対の拘束板21は、芯材10の有する二つの広幅面11a(図1参照)に対向するように配設されており、一対の拘束板21に接続されている木製で一対の側板22は、芯材10の有する二つの狭幅面11b(図1参照)に対向するように配設されている。
一対の拘束板21の対応する位置には、それぞれ座ぐりを有する第一ボルト孔21aが開設されており、対応する二つの第一ボルト孔21aにより第一ボルト孔ユニット21bが形成されている。図示例では、第一ボルト孔ユニット21bは、拘束板21の幅方向に二つ設けられ、拘束板21の長手方向に六つ設けられて、総計十二の第一ボルト孔ユニット21bがある。
そして、一対の拘束板21の間の隙間25に芯材10が配設された際に、スペーサー16に開設されている各ボルト孔16aが各第一ボルト孔ユニット21bに対応する位置に位置決めされており、このボルト孔16aも第一ボルト孔ユニット21bを形成する。第一ボルト孔ユニット21bに対して第一長ボルト31が挿通され、ナット33にて締付けられるようになっている。より具体的には、第一ボルト孔ユニット21bを形成する一方の第一ボルト孔21aの座ぐりに座金32が配設され、座金32を介して第一長ボルト31が第一ボルト孔ユニット21bに挿通され、他方の第一ボルト孔21aの座ぐりに座金34が配設され、座金34から外側に張り出した第一長ボルト31の先端の螺子溝にナット33が締付けられるようになっている。
一方、一対の側板22と拘束板21の対応する位置には、それぞれ第二ボルト孔22a、21cが開設されており、対応する第二ボルト孔22a、21cにより第二ボルト孔ユニット22bが形成されている。第二ボルト孔ユニット22bは、第一ボルト孔ユニット21bと干渉しない位置に設けられており、図示例では、側板22の幅方向に二つ設けられ、側板22の長手方向に七つ設けられて、総計十四の第二ボルト孔ユニット22bがある。
そして、各第二ボルト孔ユニット22bに第二長ボルト41が挿通され、ナット43にて締付けられるようになっている。より具体的には、第二ボルト孔ユニット22bを形成する一方の第二ボルト孔22aの座ぐりに座金42が配設され、座金42を介して第二長ボルト41が第二ボルト孔ユニット22bに挿通され、他方の第二ボルト孔22aの座ぐりに座金44が配設され、座金44から外側に張り出した第二長ボルト41の先端の螺子溝にナット43が締付けられる。
また、第二長ボルト41をナット43にて締め付けるに当たり、拘束板21と側板22の当接面には、接着剤が塗布され、接着剤が硬化する前に第二長ボルト41をナット43にて締め付ける加工が行われる。
ここで、接着剤には、ウレタン系接着剤とエポキシ系接着剤等があるが、拘束板21と側板22の当接面に接着剤を塗布した後、接着剤が硬化する前に第二長ボルト41をナット43にて締め付ける加工を行うことを可能とするべく、硬化までにある程度の時間を要する(例えば24時間程度)ウレタン系接着剤を適用するのが好ましい。接着剤が硬化することにより形成される接着面は、第二長ボルト41がナット43にて締め付けられる締付け力により強固に圧着される。
このように、一対の拘束板21同士が、複数の第一長ボルト31をナット33にて締付けることにより拘束され、一対の側板22と拘束板21が、接着面を介して第二長ボルト41をナット43にて締付けることにより拘束されることにより、拘束板21と側板22が強固に接合された閉合構造の木製拘束材20が形成される。
尚、図示例のような高い接合強度を要求しない場合は、一対の拘束板21と一対の側板22を接着剤のみによって接着することにより、木製拘束材20を形成してもよい。
左右の側板22には、その長手方向の中央位置において、芯材10の有する突起15が係合する係合孔22cが開設されている。芯材10の有する突起15が木製拘束材20に開設されている係合孔22cに係合することにより、木製拘束材20の内部に差し込まれている芯材10が木製拘束材20の一方の端部に偏ることを防止できる。そのため、このように芯材10が木製拘束材20の一方の端部に偏った際に、芯材10が存在しない木製拘束材20の他方の端部が強度上の弱部になるといった課題は生じない。
さらに、スペーサー16が第一ボルト孔ユニット21bを構成するボルト孔16aを有し、このボルト孔16aにも第一長ボルト31が挿通されていることにより、スペーサー16が芯材10の長手方向に移動することが抑止される。以下、図11を参照して説明するように、一般に、座屈拘束ブレースは構面に斜め方向に配設されるため、スペーサー16は斜め下方に移動し易く、このスペーサー16の移動によって斜め上方にはスペーサー16の端部と芯材10の広幅部12の間に大きな隙間が生じ易くなる。そのため、座屈拘束ブレースのうち、スペーサー16の存在しない斜め上方の領域が強度上の弱部となり易いが、図示するようにスペーサー16のボルト孔16aに第一長ボルト31が挿通されることにより、このようなスペーサー16の移動が解消され、スペーサー16の移動に起因した強度上の弱部は生じない。
図2からも明らかなように、一対の拘束板21の端部同士は、接着剤を介して側板22に固定されているものの、第二長ボルト41により固定されないことから、木製拘束材20の端部において強固な閉合構造が形成されているとは言い難い。
そのため、架構に座屈拘束ブレースが組み込まれた状態において、地震時にこれらが構面外に変形した際に、芯材10から最も強い押し込み力を受ける一対の拘束板21の端部に対応する位置に接続されている側板22の端部に割れ(割裂)が生じ得る。
そこで、図2に示すように、一対の拘束板21の端部同士が、複数の鎹29A(端部拘束材の一例)により繋がれるようになっている。
鎹29Aは、全体がコの字状を呈した金具であり、直線状の繋ぎ部29aと、その両端において繋ぎ部29aが直角に折り曲げ加工されている二つの突き刺し部29bとを有する。
コの字状の鎹29Aの二つの突き刺し部29bを、側板22の両端近傍に突き刺した後、一対の拘束板21の端面にさらに突き刺すことにより、側板22と一対の拘束板21の双方の端部が鎹29Aを介して固定される。図示例では、左右の側板22の両端部において、それぞれ三つの鎹29Aが打ち込まれることにより、木製拘束材20の両端部において強固な閉合構造が形成される。
ここで、鎹29Aの固定方法は、打ち込み固定する形態の他に、拘束板21の端面に開設されている不図示の固定孔に対して、突き刺し部29bを挿通し、接着剤にて接着固定する形態であってもよい。より詳細には、側板22の両端近傍と、一対の拘束板21の端面において双方に連通する固定孔を設けておき、この連通する固定孔に突き刺し部29bを挿通し、固定孔に充填された接着剤にて接着固定する。ここで、接着剤には、上記するようにウレタン系接着剤やエポキシ系接着剤が適用される。
また、拘束板21の両端部には、隙間25に収容される芯材10の広幅面11aと接触しない非接触溝23が設けられており、拘束板21における非接触溝23以外の領域(中央側の領域)と芯材10の広幅面11aは接触している。この構成とこの構成により奏される効果については、以下で詳説する。
拘束板21と側板22は、無垢材、又は、ラミナが積層された集成材を含む木質材料のいずれにより形成されてもよい。以下で詳説するように、座屈拘束ブレースの全体座屈を防止できるように、木製拘束材20の断面積や断面剛性、ヤング係数等が設定される。そして、このヤング係数は木材の材質により決定される。木材の材質としては、ヒノキやアカマツ、カラマツ、モミ、エゾマツ等が挙げられる。
拘束板21の端部のうち、隙間25に芯材10が収容された際に補強リブ14に対応する位置には、補強リブ14に干渉しないスリット24が設けられている。そして、拘束板21のスリット24の周囲にも、別途の複数の鎹29A'が打ち込まれることにより、スリット24周りが補強されている。尚、鎹29A'は必要に応じて設けられる部材であり、必須の構成要素ではない。
<座屈拘束ブレース>
次に、図3乃至図14を参照して、これまでに説明した芯材10と木製拘束材20にて形成される、第1実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例について説明する。ここで、図3は、第1実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の斜視図である。また、図4、図5、図6,図7、及び図8はそれぞれ、図3のIV方向矢視図、図3のV-V矢視図、図3のVI-VI矢視図、図3のVII-VII矢視図、及び図3のVIII-VIII矢視図である。
座屈拘束ブレース100は、芯材10の狭幅部13と広幅部12の一部を包囲するように木製拘束材20が配設され、広幅部12の端部の十字状の部分が木製拘束材20の端部から張出すようにしてその全体が構成されており、外側に張り出している広幅部12と補強リブ14の有するボルト孔12a、14aが外部に臨んでいる。
一対の拘束板21の間の隙間25に芯材10が配設され、一対の拘束板21とスペーサー16に対して複数の第一長ボルト31が挿通されてナット33にて締付けられ、一対の側板22と拘束板21に対して第二長ボルト41が挿通されてナット43にて締付けられ、一対の拘束板21の端部同士が側板22の外側から打ち込まれた鎹29Aにて繋がれることにより、座屈拘束ブレース100が形成される。図示するように、第一長ボルト31の延設方向は芯材10の弱軸方向となり、第二長ボルト41の延設方向は芯材10の強軸方向となる。
座屈拘束ブレース100によれば、一対の拘束板21と一対の側板22が複数の第一長ボルト31と第二長ボルト41をナット締めすることによって強固に閉合されてなる木製拘束材20により、芯材10が包囲されている構成を有することから、座屈強度の高い座屈拘束ブレースとなる。また、一対の拘束板21の端部同士が鎹29Aにて繋がれることにより、端部における強固な閉合構造を有する座屈拘束ブレースとなる。さらに、鋼製の芯材10が木製拘束材20にて包囲されていることにより、座屈拘束ブレース100を木造建築物の架構に適用した場合でも、架構構成部材と不釣合いな外観を与えない。
図示する座屈拘束ブレース100において、木製拘束材20の隙間25内には、狭幅部13の左右の側方にスペーサー16が配設された状態で芯材10が収容され、狭幅部13の側面から側方に張り出す突起15が係合孔22cに係合されている。
芯材10の広幅部12の側面と木製拘束材20の側板22の間には、幅t1の隙間G1が設けられている。
また、拘束板21の端部には、拘束板21が芯材10の広幅部12に当接しないように非接触溝23が形成されており、非接触溝23と広幅部12の間には高さt2の隙間G3が設けられている。この非接触溝23は、図7に詳細に示すように、拘束板21の端縁から、芯材10の付加曲げ吸収エリアA(広幅部12と狭幅部13の境界領域A)に対応する位置までの範囲に設けられている。
図7及び図8に示すように、広幅部12と狭幅部13の境界領域Aは芯材10の平面積及び断面積が変化する変化領域であることから、芯材10に作用する付加曲げモーメントをこの変化領域にて吸収することができる付加曲げ吸収エリアとなっている。このように、芯材10に作用する付加曲げモーメントを芯材10の広幅部12と狭幅部13の境界領域Aにて効果的に吸収し、芯材10と木製拘束材20の側板22の間に設けられた隙間G1により、芯材10に作用する付加曲げモーメントを木製拘束材20の側板22に作用させないようにすることができる。
また、補強リブ14と木製拘束材20の拘束板21の有するスリット24の間には、補強リブ14の長手方向に幅t3であり、補強リブ14の側方に幅t1の隙間G2が設けられている。このように、広幅部12の側面と木製拘束材20の側板22の間に隙間G1を有していることにより、座屈拘束ブレース100が取り付けられている構面が大きく変形した場合に、この隙間G1にて芯材10の変形を吸収し、所謂付加曲げモーメントが木製拘束材20に作用することを解消できる。一方、スリット24と補強リブ14との間に隙間G2が存在することにより、構面の変形に応じて芯材10が伸縮した際に、この芯材10の伸縮を隙間G2が吸収することができ、伸縮する芯材10がスリット24の壁面に接触して木製拘束材20が破損に至るといった課題を解消できる。
座屈拘束ブレース100では、図4及び図5に示すように、拘束板21において、その端縁から、芯材10の付加曲げ吸収エリアAに対応する位置までの範囲に亘り非接触溝23が設けられている。一方、図6に示すように、拘束板21の非接触溝23以外の領域と芯材10の狭幅部13は接触している。
上記構成により、架構S(図11参照)と座屈拘束ブレース100が構面外に変形した際に、芯材10から最も強い押し込み力を受け得る拘束板21の端部では、非接触溝23により、芯材10と拘束板21の接触が解消もしくは緩和(強く当接しないこと)される。
このように、拘束板21に対する芯材10からの押し込みが解消もしくは緩和されることにより、拘束板21の端部に対応する位置に接続されている側板22の端部に生じ得る割れを抑制することが可能になる。ここで、芯材10から拘束板21が押し込まれ、押し込まれた拘束板21からの引っ張りによって側板22に生じる割れは、図4及び図5に示すように木製拘束材20の縦断面における短手方向や短手方向に近似した方向に顕著に生じることになるが、この割れが効果的に解消される。
図示例では、一対の拘束板21の端部同士が側板22の外側から打ち込まれた鎹29Aにて繋がれている(補強されている)ことから、この補強構造と、非接触溝23にて芯材10と拘束板21の接触の解消や緩和が相俟って、拘束板21からの引っ張りによる側板22の割れの抑制効果が一層高くなる。
また、拘束板21の端部にある非接触溝23により、拘束板21の端部と芯材10の当接が解消もしくは緩和される一方で、拘束板21における非接触溝23以外の領域(中央側の領域)は芯材10と当接することにより、拘束板21による芯材10の座屈防止性能が保証される。
図7及び図8に示すように、芯材10の中央側に狭幅部13を設けたことにより、狭幅部13と側板22の間に存在する比較的大きな隙間G4(芯材10の端部側の広幅部12と側板22の間の隙間G1よりも大きな隙間)に対して、この隙間G4にスペーサー16を介在させて隙間G4を閉塞することにより、芯材10の強軸方向(芯材10の広幅面11aに平行な方向)の座屈を防止することができる。そのため、座屈拘束ブレース100の全体座屈が抑制され、座屈拘束ブレース100の圧縮耐力が向上することにより、座屈拘束ブレース100が組み込まれた架構とこの架構を含む建築物に対して優れた耐震補強効果を付与できる。
次に、図9乃至図14を参照して、座屈拘束ブレース100を形成する木製拘束材の第1変形例乃至第5変形例について説明する。ここで、木製拘束材の各変形例はいずれも、側板に特徴を有するものである。
まず、図9に示す木製拘束材20Aは、木製拘束材20Aの端部の周囲に二枚の帯状の鋼板29B(端部拘束材の他の例)が被覆し、二枚の鋼板29Bの端部同士を接続することにより、間接的に一対の拘束板21の端部同士を拘束(補強)している形態である。ここで、図示例の木製拘束材20Aは、一条の帯状の鋼板29Bにて木製拘束材20Aの端部が補強されているが、二条以上の帯状の鋼板29Bにて木製拘束材20Aの端部が補強されてもよい。
このように、帯状の鋼板29Bにて一対の拘束板21の端部同士が拘束されることにより、拘束板21からの引っ張りにより側板22に生じ得る割れを抑制することができる。
図10に示す木製拘束材20Bは、木製拘束材20Bの端部の周囲に二枚の帯状の繊維補強材29C(端部拘束材のさらに他の例)が被覆し、二枚の繊維補強材29Cの端部同士を接続することにより、間接的に一対の拘束板21の端部同士を拘束(補強)している形態である。ここで、図示例の木製拘束材20Cは、二条の帯状の繊維補強材29Cにて木製拘束材20Bの端部が補強されているが、一条、もしくは三条以上の帯状の繊維補強材29Cにて木製拘束材20Bの端部が補強されてもよい。
このように、帯状の繊維補強材29Cにて一対の拘束板21の端部同士が拘束されることにより、拘束板21からの引っ張りにより側板22生じ得る割れを抑制することができる。
図11に示す木製拘束材20Cは、側板22Aが、中央側板26と、中央側板26の両端部にある端部側板27とを有し、中央側板26と端部側板27が接着剤等により接続されている形態である。
端部側板27は、拘束板21の非接触溝23に対応する対応範囲にあり、端部側板27では、木材の繊維方向が側板22Aの短手方向に配向している。一方、中央側板26では、木材の繊維方向が側板22Aの長手方向に配設している。
また、一対の拘束板21の端部同士は、端部側板27の外側から打ち込まれた複数(図示例は三本)の鎹29Aにより繋がれている(補強されている)。
このように、側板22Aのうち、拘束板21の非接触溝23に対応する対応範囲にある端部側板27の繊維方向が側板22Aの短手方向であることにより、拘束板21からの引っ張りにより端部側板27に生じ得る割れの方向(側板22Aの短手方向)に沿う方向(もしくはある程度沿う方向)に木材の強度の高い繊維方向が配向していることから、割れに対して端部側板27が高い抵抗力にて抵抗することができる。一方、側板22Aのうち、端部の対応範囲以外にある中央側板26の繊維方向が中央側板26の長手方向に配向していることにより、曲げ等が卓越する側板22Aの中央部において木材の強度の高い繊維方向が配向していることから、中央部の曲げに対して高い曲げ耐力を有することができる。
さらに、一対の拘束板21の端部同士が鎹29Aによって繋がれていることにより、木製拘束材20Cの端部における強固な閉合構造を形成できる。ここで、鎹29Aに代わり、図9及び図10に示すように、帯状の鋼板29Bや帯状の繊維補強材29Cによって木製拘束材の端部が巻き込まれることにより、端部における強固な閉合構造が形成されてもよい。
一方、図12に示す木製拘束材20Dは、側板22Bのうち、拘束板21の非接触溝23に対応する対応範囲において、一対の拘束板側(側板22Bの短手方向)に延設する複数(図示例は三本)の突き刺し手段28が突き刺されている。ここで、突き刺し手段28には、ビスや釘、ラグスクリューボルトを含むボルト等がある。
また、一対の拘束板21の端部同士は、側板22Bの外側から打ち込まれた複数(図示例は三本)の鎹29Aにより繋がれている(補強されている)。
このように、側板22Bのうち、拘束板21の非接触溝23に対応する対応範囲において、一対の拘束板側に延設する突き刺し手段28が突き刺されていること、より具体的には、拘束板21からの引っ張りにより側板22Bに生じ得る割れの方向(側板の短手方向)に沿う方向(もしくはある程度沿う方向)に突き刺し手段28が突き刺されていることにより、割れに対して突き刺し手段28が高い抵抗力にて抵抗することができる。さらに、一対の拘束板21の端部同士が鎹29Aによって繋がれていることにより、木製拘束材20Dの端部における強固な閉合構造を形成できる。
一方、図13に示す木製拘束材20Eは、側板22Cの内側面(非接触溝23に臨む面)のうち、一対の拘束板21との間にある非接触溝23に対応する対応範囲に、内側から見た平面視形状が矩形の鋼板収容溝22eを備えている。そして、一対の拘束板21のそれぞれの側面には、それぞれの側面に跨がる平面視矩形の補強用鋼板45が固定されている。例えば、接着剤やドリルネジ、もしくは双方の固定手段により、補強用鋼板45が一対の拘束板21の側面に固定される。
ここで、補強用鋼板45の平面寸法は、鋼板収容溝22eの平面寸法よりも小さく設定されており、さらに、補強用鋼板45の厚みは、鋼板収容溝22eの溝深さよりも薄く設定されている。
一対の拘束板21の側面に補強用鋼板45が固定され、鋼板収容溝22eに対して補強用鋼板45を収容するようにして一対の拘束板21と側板22が接続されると、鋼板収容溝22eの平面寸法や深さよりも寸法の小さい補強用鋼板45は、鋼板収容溝22eの内壁面に接触しない状態で鋼板収容溝22eに収容される。
一対の拘束板21の左右の側面において、補強用鋼板45が側板22Cに接触しない状態で鋼板収容溝22eに収容され、一対の側板22Cが一対の拘束板21に接続されることにより、木製拘束材20Eが形成される。
このように、一対の拘束板21の側面に対して、側板22Cに接触しない補強用鋼板45が固定されていることにより、側板22からの引っ張りに対して補強用鋼板45が高い抵抗力にて抵抗することができる。この際、補強用鋼板45が鋼板収容溝22eの内壁面に接触していないことから、補強用鋼板45が側板22Cを押圧して割れを誘発させる恐れは無い。
一方、図14に示す木製拘束材20Fは、一対の拘束板21の端部に複数の鎹29Aを打ち込んで一対の拘束板21の端部同士を繋いだ後に、その外側に接着剤を介して側板22が固定されている形態である。
このように、拘束板21の端部同士を繋ぐ複数の鎹29Aの外側に側板22が配設されていることにより、鎹29Aを外側から視認不可に目隠しすることができ、拘束板21からの引っ張りによる側板22の割れの抑制効果に加えて、外観意匠性に優れた木製拘束材20Fとなる。
第1乃至第6の変形例に係る木製拘束材20A,20B,20C,20D,20E,20Fによれば、一対の拘束板21の端部同士が端部拘束材29Aによって繋がれ、さらに、一対の拘束板21がそれらの両端部において、変形する芯材10の広幅部12による押し込みを解消もしくは緩和する非接触溝23を有していることに加えて、側板22A,22Bの端部において、割れの方向に沿う繊維方向の端部側板27や複数の突き刺し手段28、補強用鋼板45にて割れに対する補強がなされていることにより、側板22,22A,22B,22Cに生じ得る割れを、より一層効果的に解消することができる。
<架構への座屈拘束ブレースの適用例>
次に、図15及び図16を参照して、架構への座屈拘束ブレースの適用例について説明する。ここで、図15は、第1実施形態に係る座屈拘束ブレースが木造建物等の架構に組み込まれた状態を示す図である。また、図16は、大地震時における架構の変形態様と、架構の変形に起因する座屈拘束ブレース接合部における付加曲げモーメントを説明する図である。尚、図示例の座屈拘束ブレースは、木造建物の架構以外にも、S造(S:Steel)建物の架構、RC造建物の架構、SRC造(SRC:Steel Reinforced Concrete)建物の架構に組み込まれてもよい。
図15に示す架構Sは、木造建築物等を構成する木製の柱Cと梁Bにより形成されている。対角線位置にある二つの隅角部には、平鋼により形成されるガセットプレートGPが取付けられている。ガセットプレートGPの表面には、該表面に直交するようにフィンスチフナFSが溶接にて接合されている。柱Cの柱芯L1と梁Bの梁芯L2の交点Oに対して、フィンスチフナFSの芯L3が交差するようにしてフィンスチフナFSがガセットプレートGPに接合される。そして、座屈拘束ブレース100も、対角位置にある双方の交点Oを通る線状に配設される。
ガセットプレートGPと芯材10の広幅部12は、スプライスプレートSPを介してハイテンションボルトにより接合され、フィンスチフナFSと補強リブ14は、スプライスプレートSPを介してハイテンションボルトにより接合される。
図16に示すように、大地震時において構面が変形することにより、座屈拘束ブレース接合部においては、接合部を剛と見なした場合に、以下の式(1)に示す付加曲げモーメントが作用し得る。
Figure 2023023376000002
座屈拘束ブレース100によれば、芯材10の広幅部12の側面と木製拘束材20の側板22の間に幅t1の隙間G1が設けられていることにより、座屈拘束ブレース100が取り付けられている構面が大きく変形した場合に、この隙間G1にて芯材10の変形を吸収し、付加曲げモーメントが木製拘束材20に作用することを解消できる。また、補強リブ14と木製拘束材20の拘束板21の有するスリット24の間において、補強リブ14の長手方向に幅t2であり、補強リブ14の側方に幅t1の隙間G2が設けられていることにより、構面の変形に応じて芯材10が伸縮した際に、この芯材10の伸縮を隙間G2が吸収することができ、伸縮する芯材10がスリット24の壁面に接触して木製拘束材20が破損に至るといった課題を解消できる。さらに、芯材10から最も強い押し込み力を受け得る拘束板21の端部同士が複数の端部拘束材29Aにて繋がれ、当該端部にある非接触溝23によって隙間G3が形成され、隙間G3により芯材10と拘束板21の接触が解消もしくは緩和されることにより、拘束板21の端部に対応する位置に接続されている側板22の端部に生じ得る割れを、効果的に抑制することができる。
[第2実施形態に係る座屈拘束ブレース]
次に、図17乃至図19を参照して、第2実施形態に係る座屈拘束ブレースを形成する芯材の一例について説明する。ここで、図17は、第2実施形態に係る座屈拘束ブレースを形成する芯材の一例をスペーサーとともに示す斜視図であり、図18は、第2実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の縦断面図である。また、図19は、図18のXIX部の拡大図であって、芯材の表面の凸部から局所的に作用する力が内挿板を介して拡散されて拘束板に伝達されることを説明する図である。
座屈拘束ブレース100Aは、芯材10の広幅面11aと拘束板21の間に内挿板17が介在している点において、座屈拘束ブレース100と相違している。内挿板17としては、鋼製プレート、木製プレートのいずれを適用してもよく、木製プレートとしては、例えばLVL(Laminated Veneer Lumber:単板積層材)が適用できる。尚、本実施形態においても、突起15が狭幅部13の上下の平面から張り出している形態であってもよい。
内挿板17の広幅面において、その長手方向の端部には、芯材10の有する補強リブ14と対応する位置において、補強リブ14と干渉しないようにスリット18が開設されている。また、内挿板17には、スペーサー16に開設されているボルト孔16aに対応する位置にボルト孔17aが開設されており、図2に示す第一長ボルト31が挿通されるようになっている。
座屈拘束ブレース100Aによれば、芯材10の高次の座屈変形により、図19に示すように、芯材10から拘束板21に局所的に圧縮力Pが作用し、この局所的な力に起因して拘束板21が破損することが抑制できる。このように局所的な力Pが作用することにより、木製の拘束板21が破損に至り得る。そこで、芯材10の広幅面11aと拘束板21の間に内挿板17を介在させることにより、芯材10の高次の座屈変形の凸部10aから作用する力Pは内挿板17にまず伝達され、伝達された力Pは内挿板17内に広がり、内挿板17内に拡散された力が木製の拘束板21に分散力qとして作用することになる。このことにより、芯材10から作用する複数の局所的な力Pによる木製の拘束板21の破損が効果的に抑制される。
[全体座屈の検討]
次に、座屈拘束ブレースの全体座屈を防止するための設計方法について説明する。
座屈拘束ブレースの設計においては、以下の式(2)を満足して座屈拘束ブレースの全体座屈が生じないように設計する。
Figure 2023023376000003
ここで、拘束板の中央に作用する曲げモーメントは、以下の式(3)で示すことができる。
Figure 2023023376000004
木製拘束材の全体座屈を防止する条件は、以下の式(4)を満足することとなる。
Figure 2023023376000005
式(4)を座屈拘束ブレースの全体座屈曲線として図20に示す。図20において、全体座屈曲線の上側は安全域であり、下側は危険域であり、安全域に入るように木製拘束材の設計用軸力、オイラー荷重、芯材の一般部の長さ、及び木製拘束材の降伏曲げ耐力が設定される。尚、図20に示す座屈拘束ブレースの全体座屈曲線は、芯材の弱軸方向の全体座屈、強軸方向の全体座屈の双方に妥当する。
上記する木製拘束材の降伏曲げ耐力と作用する曲げモーメントとの関係を照査することの他にも、短期の木製拘束材の許容曲げ耐力が芯材降伏時に作用する曲げモーメントよりも大きくなることも合せて照査するのがよい(数式は省略)。
<木製拘束材のめり込み破壊の検討>
次に、木製拘束材のめり込み破壊の検討方法について説明する。芯材が木製拘束材に対してめり込むことにより、木製拘束材が破壊することを防止するには、以下の式(5)を満足することを検証する。
Figure 2023023376000006
尚、上記する拘束板のめり込み耐力と作用する補剛力との関係を照査することの他にも、短期の拘束板の許容めり込み耐力が芯材降伏時に作用する補剛力よりも大きくなることも合せて照査するのがよい(数式は省略)。
<第一長ボルト(弱軸方向ボルト)と、第二長ボルト(強軸方向ボルト)の仕様検討>
次に、第一長ボルト(弱軸方向ボルト)と、第二長ボルト(強軸方向ボルト)の仕様の設定方法について説明する。
第一長ボルト(弱軸方向ボルト)と第二長ボルト(強軸方向ボルト)の仕様の設定に際しては、各長ボルトの降伏耐力の総和が、木製拘束材に作用する補剛力の総和以上となるように設定するものとし、以下の式(6)を満足するように各長ボルトの仕様(第一長ボルトや第二長ボルトの降伏応力度や本数、有効断面積(一本当たりの有効断面積と本数による総有効断面積)等)を決定する。
Figure 2023023376000007
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:芯材
11a:広幅面
11b:狭幅面
12:広幅部
12a:ボルト孔
13:狭幅部
14:補強リブ
14a:ボルト孔
15:突起
16:スペーサー
16a:ボルト孔
17:内挿板
17a:ボルト孔
20,20A,20B,20C,20D,20E:木製拘束材
21:拘束板
21a:第一ボルト孔
21b:第一ボルト孔ユニット
21c:第二ボルト孔
22,22A,22B,22C:側板
22a:第二ボルト孔
22b:第二ボルト孔ユニット
22c:係合孔
22d:鋼板収容溝
23:非接触溝
24:スリット
25:隙間
26:中央側板
27:端部側板
28:突き刺し手段
29A:鎹(端部拘束材)
29A':鎹
29B:鋼板(端部拘束材)
29C:繊維補強材(端部拘束材)
29a:繋ぎ部
29b:突き刺し部
31:第一長ボルト
32:座金
33:ナット
34:座金
41:第二長ボルト
42:座金
43:ナット
44:座金
45:補強用鋼板
100,100A:座屈拘束ブレース
G1,G2、G3,G4,G5:隙間
A:付加曲げ吸収エリア(境界領域)
S:架構(構面)
C:柱
B:梁
GP:ガセットプレート
FS:フィンスチフナ
SP:スプライスプレート

Claims (6)

  1. 鋼製でプレート状の芯材と、
    前記芯材の有する二つの広幅面に対向するように配設されている木製で一対の拘束板と、前記芯材の有する二つの狭幅面に対向するように配設され、前記一対の拘束板に接続されている木製で一対の側板と、により形成される木製拘束材と、を備え、
    前記一対の拘束板の端部が、端部拘束材により繋がれていることを特徴とする、座屈拘束ブレース。
  2. 前記端部拘束材が、鎹であることを特徴とする、請求項1に記載の座屈拘束ブレース。
  3. 前記一対の拘束板に対して前記鎹の二本の突き刺し部が打ち込み固定されている、もしくは、前記一対の拘束板に開設されている固定孔に前記鎹の二本の突き刺し部が挿通され、接着固定されていることを特徴とする、請求項2に記載の座屈拘束ブレース。
  4. 前記端部拘束材が、一対の拘束板に跨がる一つもしくは複数の帯状の鋼板もしくは繊維補強材であり、前記鋼板もしくは前記繊維補強材と一対の拘束板が接続されている、もしくは、複数の前記鋼板同士もしくは複数の前記繊維補強材同士が接続されることによって前記一対の拘束板同士が間接的に繋がれている、ことを特徴とする、請求項1に記載の座屈拘束ブレース。
  5. 前記拘束板の端部には、前記芯材の前記広幅面と接触しない非接触溝が設けられており、
    前記拘束板の前記非接触溝以外の領域と前記芯材の前記広幅面が接触していることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の座屈拘束ブレース。
  6. 前記芯材は、その長手方向の中央側において前記広幅面の幅が相対的に狭い狭幅部を有し、その長手方向の端部側において前記広幅面の幅が相対的に広い広幅部を有しており、
    前記非接触溝は、前記拘束板の端縁から、前記芯材における前記広幅部と前記狭幅部の境界に対応する位置まで延設していることを特徴とする、請求項5に記載の座屈拘束ブレース。
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