JP2023019101A - 導電性高分子溶液及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】非セルロース系セパレータを使用した電解コンデンサにおいて高い容量を長時間維持する電解コンデンサを提供する。【解決手段】1-メチル-1-プロパンスルホン酸を置換基として有するポリチオフェン(A)及びそのイオン化物を0.01~10重量%含み、且つ前記のポリチオフェン(A)1重量部に対して、モルホリン化合物(B)を0.001~10重量部含む導電性高分子溶液を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性高分子溶液、さらにはそれらを乾燥させて得られる導電性高分子膜及びその用途に関するものである。
近年、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等に代表されるπ共役系高分子に、電子受容性化合物をドーパントとしてドープした導電性高分子材料が開発されている。そのような導電性高分子材料は、例えば、帯電防止剤、電解コンデンサの固体電解質、導電性塗料、エレクトロクロミック素子、電極材料、熱電変換材料、透明導電膜、化学センサ、アクチュエータ等への応用が検討されている。導電性高分子材料として化学的安定性の面からポリチオフェン系導電性高分子材料が実用上有用である。
ポリチオフェン系導電性高分子材料としては、(i)ドーパントとなるポリスチレンスルホン酸(PSS)の水溶液中で、3,4-エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を重合させることで得られるPEDOT/PSS水分散体溶液、及び(ii)水溶性の付与とドーピング作用を兼ね備えた置換基(スルホ基、スルホネート基等)を直接又はスペーサを介してポリマー主鎖中に有する、いわゆる自己ドープ型導電性高分子(例えば、スルホン化ポリアニリン、PEDOT-S等)等が知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、PEDOT/PSSを使用した電解コンデンサが知られている(特許文献1)。
Advanced Materials, Vol.23(38) 4403-4408 (2011)
特開2017-147466号公報
巻回型電解コンデンサのセパレータにはセルロース系と非セルロース系が存在する。従来公知の自己ドープ型導電性高分子はスルホン酸基を有するためにセルロース系セパレータに対し高い浸透性を示すため高容量なコンデンサが作製可能である。しかし、非セルロース系セパレータに対しては浸透性が悪いため、改善が求められている。そこで本発明の一態様は、非セルロース系セパレータを使用した電解コンデンサにおいて高い容量を長時間維持する電解コンデンサを製造するための導電性高分子溶液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のモルホリン化合物を添加した自己ドープ型水溶性導電性高分子が、高い容量を長時間維持する電解コンデンサを提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様は以下に示すとおりの導電性高分子溶液、及び導電性高分子膜並びにそれを用いた電解コンデンサに関するものである。
[1] 下記一般式(1)で表される構造単位及び下記一般式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)を0.01~10重量%含み、且つ前記ポリチオフェン(A)1重量部に対して、モルホリン化合物(B)を0.001~10重量部含む導電性高分子溶液。
Figure 2023019101000001
[一般式(1)及び(2)において、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3~6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又はフッ素原子を表し、mは1~10の整数を表し、nは0又は1を表す。]
[2] 前記モルホリン化合物(B)が、モルホリン、N-メチルモルホリン、及びN-エチルモルホリンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、[1]に記載の導電性高分子溶液。
[3] 下記一般式(1)で表される構造単位及び下記一般式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)と、モルホリン化合物(B)を含み、前記ポリチオフェン(A)1重量部に対して、前記モルホリン化合物(B)の含有量が、0.001~10重量部であることを特徴とする導電性高分子膜。
Figure 2023019101000002
[一般式(1)及び(2)において、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3~6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又はフッ素原子を表し、mは1~10の整数を表し、nは0又は1を表す。]
[4] [1]又は[2]に記載の導電性高分子溶液を基材に塗布し、乾燥させる工程を含むことを特徴とする、導電性高分子膜の製造方法。
[5] [3]に記載の導電性高分子膜を備えることを特徴とする電解コンデンサ。
本発明の一態様によれば、非セルロース系セパレータを使用した電解コンデンサにおいて高い容量を長時間維持する電解コンデンサを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。
電解コンデンサ分野では電子機器の高速化、高周波化に伴って、高容量な電解コンデンサが強く要望されている。この要望を満たす導電性高分子材料として化学的安定性の面からポリチオフェン系導電性高分子材料が実用上有用である。しかし、特許文献1に記載されたようなPEDOT/PSSは粒子状で存在するために拡張処理を行った電解コンデンサ誘電体表面を隅々まで覆うことが出来ず電解コンデンサの容量を十分に引き出すことが困難であることが知られている。当該課題を解決する方法として、水溶性で、電解コンデンサ誘電体表面を隅々まで覆う潜在能力がある自己ドープ型導電性高分子の開発が行われている。
本実施形態は、低抵抗な導電性高分子膜を作製できる新規な導電性高分子膜を提供すること、及びそれを用いた高容量な電解コンデンサを提供することを目的としたものである。詳細には、高い導電性を有する特定の自己ドープ型導電性高分子とモルホリン化合物を含むことを特徴とする新規な導電性高分子溶液、さらにはそれらを乾燥させて得られる導電性高分子膜及びその用途に関するものである。
本実施形態は、下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)を0.01~10重量%含み、且つ前記のポリチオフェン(A)1重量部に対して、モルホリン化合物(B)を0.001~10重量部含む導電性高分子溶液である。
Figure 2023019101000003
[一般式(1)及び(2)において、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3~6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又はフッ素原子を表し、mは1~10の整数を表し、nは0又は1を表す。]
なお、本明細書において、前記のポリチオフェン(A)と、モルホリン化合物(B)とを含む組成物を、導電性高分子組成物とも称する。前記の導電性高分子溶液は、当該導電性高分子組成物を含む溶液であるとも言える。
上記一般式(1)及び(2)中、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3~6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又はフッ素原子を表す。
炭素数3~6の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、シクロペンチル基、n-へキシル基、2-エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記のRについては、成膜性の点で、水素原子、メチル基、エチル基、又はフッ素原子であることが好ましい。
上記一般式(1)及び(2)中、mは、1~10の整数を表し、成膜性の点で、1~6の整数であることが好ましく、1~4の整数であることがより好ましく、2又は3であることがより好ましい。
上記一般式(1)及び(2)中、nは、0又は1を表し、導電性に優れる点で、nは1であることが好ましい。
上記式(2)で表される構造単位は、上記式(1)で表される構造単位のドーピング状態を表す。
ドーピングにより絶縁体-金属転移を引き起こすドーパントは、アクセプタとドナーに分けられる。前者は、ドーピングにより導電性ポリマーの高分子鎖の近くに入り主鎖の共役系からπ電子を奪う。結果として、主鎖上に正電荷(正孔、ホール)が注入されるため、p型ドーパントとも呼ばれる。また、後者は、逆に主鎖の共役系に電子を与えることになり、この電子が主鎖の共役系を動くことになるため、n型ドーパントとも呼ばれる。
本実施形態におけるドーパントは、ポリマー分子内に共有結合で結びついたスルホ基又はスルホナート基であり、p型ドーパントである。このように外部からドーパントを添加することなく導電性を発現するポリマーは自己ドープ型高分子と呼ばれている。
本実施形態のポリチオフェン(A)は、下記一般式(3)で表されるチオフェンモノマーを、水又はアルコール溶媒中、酸化剤の存在下に重合させ、次いで必要に応じて酸処理することで製造することができる。
Figure 2023019101000004
[一般式(3)において、Mは、水素イオン、又は金属イオンを表す。Rは、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3~6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又はフッ素原子を表し、mは1~10の整数を表し、nは0又は1を表す。]
式(3)におけるMで表される金属イオンとしては、特に限定するものではないが、遷移金属イオン、貴金属イオン、非鉄金属イオン、アルカリ金属イオン(例えば、Liイオン、Naイオン、及びKイオン)、アルカリ土類金属イオン等が挙げられる。
一般式(3)で表されるチオフェンモノマーの重合後に得られるポリマーが金属塩である場合、得られた金属塩ポリマーを酸処理することでMを水素イオンへ変換することができる。
上記一般式(3)で表されるチオフェンモノマーとしては、特に限定するものではないが、具体的には、6-(2,3-ジヒドロ-チエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)ヘキサン-1-スルホン酸、6-(2,3-ジヒドロ-チエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)ヘキサン-1-スルホン酸ナトリウム、6-(2,3-ジヒドロ-チエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)ヘキサン-1-スルホン酸リチウム、6-(2,3-ジヒドロ-チエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)ヘキサン-1-スルホン酸カリウム、8-(2,3-ジヒドロ-チエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)オクタン-1-スルホン酸、8-(2,3-ジヒドロ-チエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)オクタン-1-スルホン酸ナトリウム、及び8-(2,3-ジヒドロ-チエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イル)オクタン-1-スルホン酸カリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-プロパンスルホン酸カリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-エチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-プロピル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-ブチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-ペンチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-ヘキシル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-イソプロピル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-イソブチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-イソペンチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-フルオロ-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸カリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸アンモニウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸トリエチルアンモニウム、4-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-ブタンスルホン酸ナトリウム、4-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-ブタンスルホン酸カリウム、4-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-ブタンスルホン酸ナトリウム、4-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-ブタンスルホン酸カリウム、4-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-フルオロ-1-ブタンスルホン酸ナトリウム、及び4-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-フルオロ-1-ブタンスルホン酸カリウム等が例示される。
本実施形態においてポリチオフェン(A)の導電率は、特に限定するものではないが、フィルム状態での導電率(電気伝導度)として、10S/cm以上であることが好ましい。
なお、本実施形態におけるポリチオフェン(A)については、公知情報に基づいて合成したものを用いることもできる。
本実施形態の導電性高分子溶液において、前述した一般式(1)で表される構造単位及び一般式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)の含有量については、0.01~10重量%であることを特徴とするが、低ESR(等価直列抵抗)に優れる点で、0.05~8重量%であることが好ましく、0.1~7重量%であることがより好ましい。
本実施形態におけるモルホリン化合物(B)としては、特に限定するものではないが、容量に優れる点で、モルモリン、N-メチルモルホリン、及びN-エチルモルホリンがより好ましい。
本実施形態の導電性高分子溶液において、前述したモルホリン化合物(B)の含有量については、上記のポリチオフェン(A)1重量部に対して、上記のポリチオフェン(A)のモルホリン化合物(B)が0.001~10重量部であることが好ましく、コンデンサ特性に優れる点で、0.001~5重量部であることが好ましく、0.01~1重量%であることがより好ましい。
本実施形態の導電性高分子溶液については、容量に優れる点で、そのpHが、1.5~10.0の範囲であることが好ましく、2.0~8.0の範囲であることがより好ましく、2.5~7.0の範囲であることがより好ましい。
本実施形態の導電性高分子溶液については、上記以外の成分(C)を含んでいてもよい。
前記の上記以外の成分(C)としては、特に限定するものではないが、例えば、バインダー、界面活性剤等を挙げることができる。
前記のバインダーとしては、特に限定するものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース、水溶性ポリエステル樹脂化合物、水溶性ポリウレタン樹脂化合物、又は多価アルコールとカルボキシル基を2つ以上持つ有機酸の混合物等が挙げられる。
前記の水溶性ポリエステル樹脂化合物としては、例えば、ポエチレンテレフタラート、又はポリトリメチレンテレフタラート等を挙げることができる。当該水溶性ポリエステル樹脂化合物については、自己乳化型であってもよいし、強化乳化型であってもよいが、耐水性、耐溶剤性の観点から自己乳化型水溶性ポリエステル樹脂化合物であることが好ましい。
前記の水溶性ポリエステル樹脂化合物としては、例えば、東洋紡株式会社製、商品名:バイロナール(登録商標)、高松油脂株式会社製、商品名:ペスレジン、互応化学株式会社製、商品名:プラスコート(登録商標)、東亞合成株式会社製、商品名:アロンメルト(登録商標)、高松油脂株式会社製、商品名:ぺスレジンA、DIC株式会社製、商品名:ウォーターゾール(登録商標)などが商業的に容易に入手することができる。
前記の水溶性ポリエステル樹脂化合物は、1種を単独で用いることができるし、2種以上を混合して用いることもできる。
前記の水溶性ポリウレタン樹脂化合物は、ウレタン樹脂エマルションとして主に産業用途に用いられており、自己乳化型であってもよいし、強化乳化型であってもよいが、耐水性、耐溶剤性の観点から自己乳化型水溶性ポリウレタン樹脂化合物であることが好ましい。自己乳化型としては、アニオン型、カチオン型、非イオン型特が挙げられるが、いずれであってもよい。また、当該水溶性ポリウレタン樹脂化合物については、特に限定するものではないが、ポリエーテル型、ポリエステル型、ポリカーボネート型等が挙げられる。
水溶性ポリウレタン樹脂化合物は、例えば、三洋化成工業株式会社製、商品名:ユーコート(登録商標)、パーマリン(登録商標)、ユープレン(登録商標)、楠本化成株式会社製、商品名:NeoRez(登録商標)、株式会社ADEKA製、商品名:アデカボンタイター(登録商標)、明成化学工業株式会社製、商品名:パスコール(登録商標)、DIC株式会社製、商品名:ハイドラン(登録商標)などが商業的に容易に入手することができる。
前記の水溶性ポリウレタン樹脂化合物は、1種を単独で用いることができるし、2種以上を混合して用いることもできる。
前記の多価アルコールとしては、特に限定するものではないが、例えば、エリスリトール、又はペンタエリトリトール等を挙げることができる。
前記のカルボキシル基を2つ以上持つ有機酸としては、特に限定するものではないが、例えば、アジピン酸、又はフタル酸等を挙げることができる。
前記の界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、又はシリコーン系界面活性剤等が使用できるが、より好ましくは非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
前記のアニオン界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、又はドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記のカチオン界面活性剤としては、特に限定するものではないが、市販品を用いることもできるし、一般公知のものを別途製造して用いることもできる。
前記の非イオン界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレングリコール型界面活性剤、アセチレングリコール型界面活性剤、多価アルコール型界面活性剤、高分子型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
前記のポリエチレングリコール型界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、又はポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
前記のアセチレングリコール型界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、サーフィノール(登録商標)(エアプロダクツ社製)、オルフィン(登録商標)(日信化学工業社製)等が挙げられる。
前記の多価アルコール型界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、高アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
前記の両性界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。ベタイン型両性界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、アルキルジメチルベタイン、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等が挙げられる。
前記のフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキル基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、プラスコート(登録商標) RY-2、パーフルオロアルカン、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、又はパーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
前記のシリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性ポリジメチルシロキサン、ヒドロキシル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アクリル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、又はシリコーン変性アクリル化合物などが挙げられる。
なお、フッ素系界面活性剤、又はシリコーン系界面活性剤はレベリング剤として塗膜の平坦性を改善するのに有効である。
本実施形態の導電性高分子溶液において、前述した成分(C)の含有量については、0.001~20重量%であることが好ましく、操作性に優れる点で、0.01~15重量%であることがより好ましく、0.1~10重量%であることがさらに好ましい。
本実施形態の導電性高分子溶液に含まれる溶媒としては、特に限定するものではないが、水、アルコール、及び非プロトン性極性有機溶媒からなる群の少なくとも1種が挙げられ、好ましくは水である。特に溶媒が水である導電性高分子溶液を導電性高分子水溶液とも称する。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール、エチレングリコール等を挙げることができる。非プロトン性極性有機溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、1-メチル-2-ピロリドン等を挙げることができる。
前記の溶媒は、水と、アルコール及び/又は非プロトン性極性有機溶媒との混合溶媒であってもよい。この場合、導電性高分子溶液中のアルコール及び/又は非プロトン性極性有機溶媒の含有量は、0.001~20重量%であることが好ましく、操作性に優れる点で、0.01~15重量%であることがより好ましく、0.1~10重量%であることがさらに好ましい。
本実施形態の導電性高分子溶液を調製する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、本実施形態のポリチオフェン(A)の溶液又は固体と、モルホリン化合物(B)と、必要に応じて水を混合し、撹拌などによって均一化する方法を挙げることができる。その際、必要に応じてその他添加剤(例えば、上記の成分(C)等)を追加で添加したうえで混合調整することもできるし、一旦ポリチオフェン(A)とモルホリン化合物(B)を含む導電性高分子溶液を調整したうえで、前記のその他添加物を添加混合して調整してもよい。
ここで、混合する際の温度は、特に限定するものではないが、例えば、室温~加温下で行うことができる。好ましくは0℃以上100℃以下が好ましい。
混合する際の雰囲気は、特に限定するものではないが、大気中でも、不活性ガス中でも良い。
本実施形態の導電性高分子溶液を混合する際には、スターラーチップ又は攪拌羽根による一般的な混合溶解操作に加えて、超音波照射、ホモジナイズ処理(例えば、メカニカルホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等の使用)を行ってもよい。ホモジナイズ処理する場合には、ポリマーの熱劣化を防ぐため、冷温しながら行うことが好ましい。
本実施形態の導電性高分子溶液の濃度調整は、配合比で調整しても良いし、配合後に濃縮により調整しても良い。濃縮の方法は、減圧下に溶媒を留去する方法であっても、限外ろ過膜を利用する方法であっても良い。
本実施形態の導電性高分子溶液の中のポリチオフェン(A)の濃度は0.001重量%以上であれば特に限定するものではないが、好ましくは0.01重量%~10重量%の範囲である。なお、本実施形態のポリチオフェン(A)とモルホリン化合物(B)を含む導電性高分子溶液は、塗布後、乾燥・脱水されるため、前記の濃度範囲とすることにより良好な均一膜を得ることができる。
本実施形態の導電性高分子溶液中の固形分の粒子径は、特に限定するものではないが、小さいほど水溶性が良好であり、導電性及び成膜時の均一な膜形成の観点からも望ましい。例えば、室温又は加温下で調製した導電性高分子溶液の固形分濃度が10重量%以下の場合、固形分の粒子径(D50)が0.02μm以下であることが好ましい。
本実施形態の導電性高分子溶液の粘度(20℃)は、200mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは100mPa・s以下であり、さらに好ましくは50mPa・s以下である。
本実施形態の導電性高分子膜については、本実施形態の導電性高分子溶液を用いて形成することができる。本実施形態の導電性高分子膜を形成する方法(製造方法)としては、特に限定するものではないが、例えば、本実施形態の導電性高分子溶液を、基材に塗布し乾燥する工程を含む方法を挙げることができる。
乾燥雰囲気は大気中、不活性ガス中、真空中、又は減圧下のいずれであってもよい。高分子膜の劣化抑制の観点からは、窒素、アルゴン等の不活性ガス中が好ましい。
上記の基材としては、特に限定するものではないが、例えば、ガラス、プラスチック、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、金属酸化物、セラミックス、又はレジスト基板等が挙げられる。
上記の塗布する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、スピンコート法、インクジェット印刷法等が挙げられる。
塗膜の乾燥温度は、均一な導電膜が得られる温度であれば特に限定されないが、室温~300℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは室温~250℃の範囲であり、さらに好ましくは室温~200℃の範囲である。
塗膜の膜厚としては、特に限定するものではないが、10-2~10μmの範囲が好ましい。得られる塗膜の表面抵抗率としては、特に限定するものではないが、1~10Ω/□の範囲のものが好ましい。
本実施形態で得られる導電性高分子膜の導電率としては、特に限定するものではないが、フィルム状態での導電率(電気伝導度)が10S/cm以上であることが好ましい。
本実施形態の導電性高分子膜は、例えば、帯電防止剤、電解コンデンサの固体電解質、導電性塗料、エレクトロクロミック素子、電極材料、熱電変換材料、透明導電膜、化学センサ、アクチュエータ等に使用できる。特に、電解コンデンサの固体電解質として極めて有用である。本実施形態の導電性高分子膜を電解コンデンサに用いた場合、高い容量を長時間維持する電解コンデンサを提供することができる。
また、本実施形態の導電性高分子膜は、上述のように高い容量を長時間維持する電解コンデンサ等を提供できるため、エネルギー効率の改善に貢献し得る。これにより、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献し得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、本発明を実施例によって具体的に記述する。しかし、これらによって本発明は何ら限定して解釈されるものではない。
なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
[NMR測定]
装置:VARIAN製、Gemini-200
[ポリチオフェン(A)の導電率測定]
後述するPEDOT-MPSを含む水溶液0.5mlを25mm角の無アルカリガラス板に塗布し、大気下、ホットプレート上で60℃にて30分加熱し、さらに200℃で60分加熱してポリチオフェン(A)の膜を得た。
上記のポリチオフェン(A)の膜をx方向に6.25mm、y方向に6.25mmピッチの間隔で、切れ目を入れガラス部を露出させ、測定箇所9点の膜厚を25℃50%RH雰囲気で測定した。測定装置としては、BRUKER社製 DEKTAK XTを用いた。
上記のポリチオフェン(A)の膜について、x方向に6.25mm、y方向に6.25mmピッチの間隔で、測定箇所9点の表面抵抗率を25℃50%RH雰囲気で測定した。測定装置としては、三菱化学社製の表面抵抗測定器ロレスタGP MCP-T600を用い、測定プローブをASPとした。
上記の測定方法で測定したポリチオフェン(A)の膜の膜厚及び表面抵抗率から、以下の式に基づき導電率を算出した。
導電率[S/cm]=10/(表面抵抗率[Ω/□]×膜厚[μm])
[固体電解コンデンサの作製]
厚み100μmのアルミニウム箔を用い、アルミニウム箔の表面にエッチング処理を施した。エッチング処理を施した厚み100μmのアルミニウム箔の一部にアルミ箔を溶接し取り出し線を取り付けた。液温が80℃で、濃度が0.2wt%のリン酸2水素アンモニウム水溶液中に、前記のエッチング処理を施したアルミニウム箔を浸漬して、130Vの直流電圧を20分間印加して、酸化アルミニウムの誘電体層を形成した(陽極)。別途、取り出し線が取り付けられたエッチング処理を施した厚み50μmのアルミニウム箔を陰極とし、前記の陽極と当該陰極の間に非セルロース系であるアラミド繊維からなるセパレータを介在させて巻回した巻回素子を作製した。次に、当該巻回素子を導電性高分子水溶液に浸漬させて取出し、次いで、150℃、30分間乾燥を行い固体電解コンデンサ素子(未封止コンデンサ素子)を得た。
[固体電解コンデンサ素子の特性測定]
装置:日置電機社製 LCRメーター IM3536
前記の方法で作製した固体電解コンデンサ素子の特性については、上記装置を用い、初期120Hzの初期容量[μF]を評価した。更に前記の固体電解コンデンサ素子を150℃に放置を行い100時間放置後の120Hzの容量[μF]を評価した。
合成例1
公知文献(特開2019-196443号公報)の合成例1及び合成例2に準拠して、ポリ(3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸)(以下、「PEDOT-MPS」という)の水溶液を作製した。PEDOT-MPSは下記式(4)で表される構造単位を含む重合物であり、ポリチオフェン(A)に該当する。NMR測定から、PEDOT-MPSが得られたことを確認した。当該水溶液に含まれるポリマー量は0.74重量%であった。又、当該水溶液は、鉄イオン、及びナトリウムイオンを、各々44ppm、及び12ppm(対ポリマー)含有していた。本ポリマーの導電率は、導電率342S/cmであった。
Figure 2023019101000005
実施例1
(導電性高分子溶液の作製)
合成例1で得られたPEDOT-MPSの水溶液を減圧脱水し、PEDOT-MPSを2.0重量%含む水溶液を調整した。前記のPEDOT-MPSを2.0重量%含む水溶液 99.5gに、モルホリン 0.5gを加えてよく撹拌混合を行い、pH=3の導電性高分子水溶液を得た。PEDOT-MPS 1重量部に対してモルホリンは約0.25重量部であった。前記導電性高分子水溶液を用いて前述の方法に従って固体電解コンデンサ素子を作製し、特性評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例2
実施例1において、モルホリン 0.5gの代わりに、N-メチルモルホリン 0.5gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、コンデンサ特性評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例3
実施例1において、モルホリン 0.5gの代わりに、N-エチルモルホリン 0.5gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、コンデンサ特性評価を行った。評価結果を表1に示した。
参考例1
実施例1において、モルホリン 0.5gの代わりに、エタノールアミン 0.5gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、コンデンサ特性評価を行った。評価結果を表1に示した。
参考例2
実施例1において、モルホリン 0.5gの代わりに、1mol/L水酸化ナトリウム0.2gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、コンデンサ特性評価を行った。評価結果を表1に示した。
参考例3
実施例1において、モルホリン 0.5gの代わりに、28%水溶液のアンモニア水0.5gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、コンデンサ特性評価を行った。評価結果を表1に示した。
参考例4
実施例1において、モルホリン 0.5gの代わりに、1-メチルイミダゾール0.5gを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、コンデンサ特性評価を行った。評価結果を表1に示した。
比較例1
ポリスチレンスルホン酸が外部ドープされたポリ3,4-エチレンジオキシチオフェンの分散液(Heraeus製Clevios PH500を使用) 99.8gに、1mol/L水酸化ナトリウム0.2gを加えてよく撹拌混合を行い、pH=3の導電性高分子分散液を得た。前記導電性高分子分散液を用いて前述の方法に従って固体電解コンデンサ素子を作製し、特性評価を行った。評価結果を表1に示した。
実施例4
比較例1にて作製を行った導電性高分子分散液と実施例3にて配合を行った導電性高分子水溶液を重量比3:1で混合しよく撹拌混合を行った。得られた導電性高分子分散液を用いて前述の方法に従って固体電解コンデンサを作製し、特性評価を行った。評価結果を表1に示した。
Figure 2023019101000006
表1に示した結果より、本実施形態の導電性高分子水溶液を用いた実施例1乃至実施例3は、高い容量を出現し、更に耐久性試験を実施しても高い容量維持率を得るという効果を奏するものであった。これは、本実施形態の導電性高分子水溶液が、セパレータに対し高い浸透性を示しコンデンサ素子中に導電性高分子が高充填されたことによる効果と推測される。参考例1乃至参考例3は、高い水溶性に起因して非水溶性のセパレータへの浸透性が悪いために初期容量及び耐久性共に悪い結果であると推測される。参考例4は参考例1乃至参考例3と比較すると非水溶性のセパレータへの浸透性が改善されているが導電性高分子が高充填されるほど浸透性が改善していないために耐久性が悪い結果であると推測される。比較例1のPEDOT:PSSの場合、分散液のために高い容量が得られなかった。しかし、実施例4のように高い浸透性が得られる導電性高分子水溶液と混合することで初期の容量出現率及び耐久性を改善することができる。
上記したとおり、本実施形態の導電性高分子溶液を使用すれば、高い容量を長時間維持する電解コンデンサを提供することができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位及び下記一般式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)を0.01~10重量%含み、且つ前記ポリチオフェン(A)1重量部に対して、モルホリン化合物(B)を0.001~10重量部含む導電性高分子溶液。
    Figure 2023019101000007
    [一般式(1)及び(2)において、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3~6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又はフッ素原子を表し、mは1~10の整数を表し、nは0又は1を表す。]
  2. 前記モルホリン化合物(B)が、モルホリン、N-メチルモルホリン、及びN-エチルモルホリンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の導電性高分子溶液。
  3. 下記一般式(1)で表される構造単位及び下記一般式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)と、モルホリン化合物(B)を含み、前記ポリチオフェン(A)1重量部に対して、前記モルホリン化合物(B)の含有量が、0.001~10重量部であることを特徴とする導電性高分子膜。
    Figure 2023019101000008
    [一般式(1)及び(2)において、Rは、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3~6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又はフッ素原子を表し、mは1~10の整数を表し、nは0又は1を表す。]
  4. 請求項1又は2に記載の導電性高分子溶液を基材に塗布し、乾燥させる工程を含むことを特徴とする、導電性高分子膜の製造方法。
  5. 請求項3に記載の導電性高分子膜を備えることを特徴とする電解コンデンサ。
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