以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態に係る権利管理システムのハードウェア構成について説明する。
図1は、権利管理システム1の全体構成を示す図である。権利管理システム1は、ゲーム等のコンテンツに関する権利を管理するための処理を実行するシステムであり、「情報処理システム」の一例である。権利管理システム1は、P2Pネットワーク2と、通信回線3と、取引所4と、複数のBCノード装置10と、ゲームサーバ装置20と、第1ゲーム端末30-1および第2ゲーム端末30-2(各々を区別しない場合「ゲーム端末30」と言う)と、NFT管理サーバ装置40と、第1取引者端末50-1、第2取引者端末50-2および第3取引者端末50-3(各々を区別しない場合「取引者端末50」と言う)とを備える。
P2Pネットワーク2(P2P=Peer to Peer)は、端末同士が互いの持つデータや機能を利用しあうために対等な関係で直に接続しあっている分散型のネットワークである。通信回線3は、インターネット等を含み、自回線に接続する装置同士のデータのやり取りを仲介する。なお、P2Pネットワーク2は、通信回線3の一部であることが通常であるが、図1では、説明を分かりやすくするため別々に表している。複数のBCノード装置10(BC=Block Chain=ブロックチェーン)は、P2Pネットワーク2によって互いに接続され、BCシステム100を形成する。
BCシステム100は、過去の処理の履歴等を示すトランザクションデータを一定容量のブロックに区切り、それらのブロックを順番に並べて繋げたブロックチェーンを生成する。BCシステム100は、各ブロックに直前のブロックのハッシュ値を持たせ、生成したブロックチェーンを複数のBCノード装置10のそれぞれに分散させて記憶させる。これにより、BCシステム100は、ブロックチェーンの耐改ざん性を向上させている。これら複数のBCノード装置10が接続されたP2Pネットワーク2は、ブロックチェーンを共有するネットワークである。
ゲームサーバ装置20は、ゲーム端末30を介してプレイヤにゲームの機能を提供する装置である。ゲーム端末30は、ゲームのプレイヤが使用する装置であり、ゲームサーバ装置20から提供されるゲームの画面を表示する。NFT管理サーバ装置40は、P2Pネットワーク2に接続することで、ブロックチェーンを共有するネットワークに参加して、NFT(ノンファンジブルトークン:Non-Fungible Token)を管理する処理を行う。
NFTとは、ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークン(「非代替性トークン」とも呼ばれる)である。NFT管理サーバ装置40は、例えば、ゲームに関する権利の内容を記述したNFTを生成してブロックチェーンに登録することで、そのゲームに関する権利を管理する。また、NFT管理サーバ装置40は、取引所4を介してゲームに関する権利を取引する。取引所4は、ブロックチェーンを用いた取引を仲介するシステムである。NFT管理サーバ装置40は、取引所4で用いられる仮想通貨を購入してウォレットW1で保管しておき、ウォレットW1を取引所4に接続することでNFTの登録等に必要なコストを仮想通貨で支払う。
取引者端末50は、ゲームに関する権利の取引を行う取引者が使用する装置である。本実施形態では、ゲームに関する権利として、プレイヤがプレイしたゲームのリプレイ動画を所有する権利(以下「リプレイ権」と言う)が取引される。ゲームに関する権利の取引には、ゲーム端末30を用いることも可能である。例えば、プレイヤがゲーム端末30を操作して、自分がプレイしたゲームのリプレイ動画を記録させ、記録させたリプレイ動画のリプレイ権を売りに出すことができる。
図2は、BCノード装置10のハードウェア構成を示す図である。BCノード装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、バス14とを備える。バス14は、BCノード装置10が備える各部を電気的に接続する。なお、ゲームサーバ装置20およびNFT管理サーバ装置40は、性能および細かな仕様等は異なっていてもよいが、BCノード装置10と同様のハードウェア構成を備える。
(制御部11)
制御部11は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部11は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、権利管理システム1に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部11は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部11を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
(記憶部12)
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部11によって実行される権利管理システム1に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部11によって実行される権利管理システム1に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
(通信部13)
通信部13は、BCノード装置10から種々の電気信号を外部の構成要素に送信可能に構成される。また、通信部13は、外部の構成要素からBCノード装置10への種々の電気信号を受信可能に構成される。さらに好ましくは、通信部13がネットワーク通信機能を有し、これによりP2Pネットワーク2または通信回線3を介して、BCノード装置10と外部機器との間で種々の情報を通信可能に実施してもよい。
図3は、ゲーム端末30のハードウェア構成を示す図である。ゲーム端末30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、表示部35と、バス36とを備える。バス36は、ゲーム端末30が備える各部を電気的に接続する。なお、取引者端末50は、性能および細かな仕様等は異なっていてもよいが、ゲーム端末30と同様のハードウェア構成を備える。
(入力部34)
入力部34は、キー、ボタンおよびタッチスクリーン等を有し、ユーザによる入力を受け付ける。ゲーム端末30の場合は、ゲームのプレイに適したコントローラーが入力部34としてよく用いられる。
(表示部35)
表示部35は、ディスプレイ等を有し、表示面に画像を表示する。なお、表示部35がゲームに登場するキャラクタ、アイテムおよび背景等の各種の画像を表示することを「ゲーム画面を表示する」とも言う。
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、各装置の記憶部に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部によって具体的に実現されることで、制御部に含まれる各機能部が実行されうる。
図4は、各装置の制御部の機能構成を示す図である。BCノード装置10の制御部は、BC記憶部111と、マイニング処理部112と、BC通信部113とを備える。ゲームサーバ装置20の制御部は、ゲーム通信部211と、ゲーム処理部212と、ゲームデータ記憶部213とを備える。ゲーム端末30の制御部は、ゲーム通信部311と、ゲーム処理部312と、権利処理部313と、BC通信部314とを備える。NFT管理サーバ装置40の制御部は、コンテンツ記憶部411と、BC処理部412と、権利処理部413と、対価処理部414と、BC通信部415とを備える。取引者端末50の制御部は、権利処理部511と、BC通信部512とを備える。
BC記憶部111は、BCシステム100において生成されたブロックチェーンを記憶する。マイニング処理部112は、それまでに生成されたブロックチェーンおよび新たなトランザクションデータに基づいて新たなブロックを生成するというマイニング処理を実行する。図1では、BCノード装置10がブロックB11、B12、B13を有するブロックチェーンB10に追加する新たなブロックB14を生成するマイニング処理を実行している。
複数のBCノード装置10のうち、最も早くマイニング処理を完了したBCノード装置10が生成したブロックB14が、新たにブロックチェーンB10に加えられる。新たなブロックの生成には膨大な計算および冷却等のコストが必要なので、新たなブロックを生成したBCノード装置10にはインセンティブとして仮想通貨等が与えられる。BC記憶部111は、そうしていずれかのBCノード装置10により新たにブロックチェーンが生成されるたびに、その新たなブロックチェーンを含む台帳を登録する。
BC記憶部111は、図1では、ブロックチェーンB10を含む台帳D10を登録している。BC通信部113は、BCシステム100が備える他のBCノード装置10との間で、ブロックチェーンに関する通信を行う。BC通信部113は、例えば、新たなブロックに格納するトランザクションデータ、新たに生成されたブロックチェーンおよびそのブロックチェーンを含む台帳等の通信をブロックチェーンに関する通信として行う。
ゲーム通信部211は、ゲームに関する通信を行う。ゲーム処理部212は、ゲームに関する処理を実行する。ゲームデータ記憶部213は、ゲームに関するデータを記憶する。ゲームサーバ装置20は、これらの機能を用いて、プレイヤにゲームを提供する。ゲームサーバ装置20が提供するゲームは、格闘ゲーム、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、パズルゲーム、レーシングゲームおよび音楽ゲーム等、あらゆるジャンルが対象となりうる。
ゲーム通信部311は、ゲームに関する通信を行う。ゲーム処理部312は、ゲームに関する処理を実行する。権利処理部313は、ゲームに関する権利の管理、取引および行使等を行うための処理(以下「権利処理」と言う)を実行する。BC通信部314は、BCシステム100との間で、ブロックチェーンに関する通信を行う。ゲーム端末30は、これらの機能を用いて、プレイヤにゲームをプレイさせることに加え、ゲームに関する権利の取引を行わせる。
コンテンツ記憶部411は、ブロックチェーンで所有権等の権利を管理する対象となるコンテンツを記憶する。BC処理部412は、ブロックチェーンに関する処理を実行する。BC処理部412は、例えば、NFTをブロックチェーンに登録する処理を実行する。BC処理部412は、他にも、仮想通貨を購入してウォレットW1に保管する処理およびウォレットW1からの支払い処理等を実行する。権利処理部413は、ゲーム端末30と同様に、前述した権利処理を実行する。
対価処理部414は、ゲームに関する権利を有する者に与えられる対価に関する処理を実行する。対価には、例えば、ゲームのリプレイ動画が再生された場合に、そのリプレイ動画のリプレイ権を有する者に与えられる対価等がある。権利の所有者に対する対価は、例えば、BCシステム100で用いられる仮想通貨によって与えられる。なお、対価は、現金、証券または何らかのサービスを利用する権利等の仮想通貨以外の価値で与えられてもよい。また、対価は、権利管理システム1がゲームに関する権利を管理するために用いるNFT以外のNFTで与えられてもよいし、NFTとは異なるトークンで与えられてもよい。
BC通信部415は、BCシステム100および取引所4等との間で、ブロックチェーンに関する通信を行う。NFT管理サーバ装置40は、これらの機能を用いて、ゲームに関する権利の内容を記述したNFTを管理する。権利処理部511は、ゲーム端末30と同様に、前述した権利処理を実行する。BC通信部512は、BCシステム100および取引所4等との間で、ブロックチェーンに関する通信を行う。取引者端末50は、これらの機能を用いて、取引者にゲームに関する権利の取引を行わせる。
3.情報処理
本節では、本実施形態の情報処理について説明する。すなわち、権利管理システム1によるNFT管理処理の流れについて説明する。NFT管理処理は、リプレイ権の初回取得処理と、リプレイ権の全体譲渡処理と、リプレイ権の一部譲渡処理と、リプレイ権の対価処理とを含む。
図5は、リプレイ権の初回取得処理の一例を示すアクティビティ図である。まず、A11において、第1ゲーム端末30-1は、第1プレイヤによって操作され、ゲーム通信部311およびゲーム処理部312により、ゲーム処理を実行する。第1プレイヤは、例えば、このゲーム処理により表示されるキャラクタ等を操作してゲームをプレイする。第1ゲーム端末30-1は、第1プレイヤが行った操作(キー入力、ボタン入力およびタッチスクリーン入力等)およびゲーム内で用いられたパラメータ(HP(ヒットポイント)、MP(マジックポイント)、攻撃力、防御力、所有アイテム、タイムおよびクリア済みステージ等)等を示すプレイ履歴データをゲームサーバ装置20に送信する。
ゲームサーバ装置20は、A12において、ゲーム通信部211およびゲーム処理部212により、受信したプレイ履歴データが示す操作およびパラメータ等を用いた場合のゲーム画面を再生し、再生した動画を示す動画データをリプレイデータとして生成する。ゲームサーバ装置20は、生成したリプレイデータをゲームデータ記憶部213により記憶する。
なお、ゲームサーバ装置20は、プレイ履歴データおよびパラメータ等のリプレイ動画の再生に必要な情報をリプレイデータとして記憶してもよい。その場合、ゲームサーバ装置20は、リプレイ動画の再生時にリプレイデータをゲーム端末30に送信し、ゲーム端末30が受信したリプレイデータを用いてリプレイ動画を再生する。また、ゲームサーバ装置20は、リプレイ動画の再生時にリプレイデータを用いてリプレイ動画を生成してもよい。
また、ゲーム端末30は、ゲームのプレイ中にリアルタイムでゲーム画面を示す動画データを記録してプレイ履歴データとして送信してもよい。その場合、ゲームサーバ装置20は、受信したプレイ履歴データをリプレイデータとして記憶する。ゲームサーバ装置20は、以上のとおり記憶したリプレイデータをNFT管理サーバ装置40に送信する。NFT管理サーバ装置40は、受信したリプレイデータを、A13において、コンテンツ記憶部411により、ブロックチェーンで権利を管理する対象のコンテンツとして記憶する。
NFT管理サーバ装置40は、A14において、権利処理部413により、リプレイ権を発行する処理を上述した権利処理として実行する。NFT管理サーバ装置40は、例えば、まず、リプレイ権の対象となるリプレイデータとリプレイ権の所有者とを対応付けたリプレイ権情報を生成する。リプレイ権の最初の所有者は、本実施形態では、リプレイされるゲームを操作した第1プレイヤであるものとする。NFT管理サーバ装置40は、BC処理部412およびBC通信部415により、生成したリプレイ権情報を示すNFT情報を生成する。
NFT情報とは、ブロックチェーンに登録されるNFTの内容を示す情報である。NFT管理サーバ装置40は、生成したNFT情報を記憶するとともに、そのNFT情報をNFTとしてブロックチェーンに登録することを要求する要求データをBCシステム100に送信する。BCシステム100は、A15において、受信した要求データが示すNFT情報を記述したNFTをトランザクションデータとして新たなブロックを生成し、生成した新たなブロックを追加したブロックチェーンを含む台帳を分散して記録する。
このように、NFT管理サーバ装置40は、NFT情報をブロックチェーンに登録しつつ自装置でも記憶することで、自装置が記憶するNFT情報に基づきゲームの所有権等に関する処理を迅速に行いつつ、そのNFT情報と登録されたNFTとの照合によりそれらの処理で用いる情報の信頼性を高めることができるようにしている。
NFT管理サーバ装置40は、リプレイ権情報を第1ゲーム端末30-1に送信する。第1ゲーム端末30-1は、A16において、受信したリプレイ権情報を表示することで、第1プレイヤがリプレイ権を取得したことを通知する。NFT管理サーバ装置40は、第1ゲーム端末30-1へのリプレイ権情報の送信を、BCシステム100への要求データの送信と同じタイミングで行ってもよいし、NFTのブロックチェーンへの登録が完了してから行ってもよい。
図6は、リプレイ権の全体譲渡処理の一例を示すアクティビティ図である。まず、第1ゲーム端末30-1は、第1プレイヤに通知したリプレイに関する操作を受け付けるためのリプレイ操作画面を表示する。リプレイ操作画面では、リプレイ権を行使してのリプレイの視聴、リプレイ権の売り要求およびリプレイ権の買い要求等の操作を受け付ける。第1ゲーム端末30-1は、リプレイ操作画面においてリプレイ権の売り要求の操作を受け付けた場合、A21において、権利処理部313およびBC通信部314により、リプレイ権の売りを要求する処理を実行する。
第1ゲーム端末30-1は、A16において受信したリプレイ権情報と売りの要求と売る際の料金(例えば所定の額の仮想通貨)とを示す要求データを取引所4に送信することで、第1プレイヤが所有するリプレイ権の売りを要求する。取引所4は、NFTの取引を行うための仲介サイトを提供しており、A22において、受信した要求データが示すリプレイ権を取引対象とした売り要求およびその料金を仲介サイトに公開する。
一方、ゲームサーバ装置20は、図5のA12において記憶したリプレイデータを用いてリプレイ動画を公開する公開サイトを提供しているものとする。公開サイトでは、例えば、リプレイ権を所有していないユーザでも、リプレイ動画の一部を視聴することができる。ユーザは、公開サイトで気に入ったリプレイ動画があると、取引所4の仲介サイトにアクセスし、そのリプレイ動画のリプレイ権を取引対象とした買い要求を公開することができる。A21における売りの要求は、その買い要求を見た第1プレイヤが自分のリプレイ権を売ると判断した場合に行われることもある。
ここで、第1取引者端末50-1が仲介サイトにアクセスしてリプレイ権の一覧を表示する第1取引者の操作を受け付けたとする。第1取引者端末50-1は、A23において、権利処理部511およびBC通信部512により、取引所4から提供される取引対象の一覧を表示する。第1取引者端末50-1は、第1取引者により一覧から指定されたリプレイ権の買い要求の操作を受け付けた場合、A24において、権利処理部313およびBC通信部314により、リプレイ権の買いを要求する処理を実行する。具体的には、第1取引者端末50-1は、指定されたリプレイ権の買い要求を示す要求データを取引所4に送信する。
取引所4は、受信した要求データに基づき、A25において、リプレイ権の譲渡処理を行う。取引所4は、例えば、まず、リプレイ権の対象となるリプレイデータとリプレイ権の譲渡人(=図6の例では第1プレイヤ)および譲受人(=図6の例では第1取引者)と取引関連情報とを対応付けた譲渡情報を生成する。取引引関連情報とは、例えば、取引の方法(図6の例では仮想通貨による取引)と、譲渡されたリプレイ権の取引額と、複数の取引所4が存在する場合に実際に取引が行われた取引所4を識別する情報とを示す情報のことである。この譲渡情報は、リプレイ権の所有者の変更を表している。
取引所4は、接続されている譲受人のウォレットから譲渡人のウォレットへの料金の支払い処理を行う。取引所4および双方のウォレットには、支払いの履歴が記録される。なお、支払い方法は、仮想通貨、NFTまたは現金等、取引所4において定められたものであればどのような方法であってもよい。また、前述した貨幣的価値に限らず、例えば、譲渡人および譲受人がともに承諾するのであれば、不動産のような物的価値または何らかのNFTの使用権のような情報的価値等がリプレイ権の料金として用いられてもよい。
取引所4は、生成した譲渡情報をNFT管理サーバ装置40に送信する。NFT管理サーバ装置40は、A26において、受信した譲渡情報に基づき、リプレイ権の所有者変更および取引関連情報を示すNFT情報を生成する。NFT管理サーバ装置40は、生成したNFT情報を記憶するとともに、そのNFT情報を記述したNFTをブロックチェーンに登録することを要求する要求データをBCシステム100に送信する。BCシステム100は、A27において、受信した要求データが示すNFT情報を記述したNFTをトランザクションデータとして新たなブロックを生成し、生成した新たなブロックを追加したブロックチェーンを含む台帳を分散して記録する。
BCシステム100は、このようにして、リプレイ権の所有者変更および取引関連情報を示すNFTをブロックチェーンに登録する。取引所4は、A25において、生成した譲渡情報を第1取引者端末50-1にも送信する。第1取引者端末50-1は、A28において、受信した譲渡情報を表示することで、第1取引者がリプレイ権を取得したことを通知する。第1取引者端末50-1への譲渡情報の送信は、NFT管理サーバ装置40への送信と同時であってもよいし、NFTのブロックチェーンへの登録が完了してからであってもよい。また、取引者端末50への譲渡情報の送信がNFT管理サーバ装置40によって行われてもよい。
図7は、リプレイ権の一部譲渡処理の一例を示すアクティビティ図である。まず、第1取引者端末50-1は、第1ゲーム端末30-1と同様に図6で述べたリプレイ操作画面を表示する。リプレイ操作画面では、リプレイ権の売り要求の操作を受け付けるが、その際、リプレイ権の全てではなく、リプレイ権の一部の売り要求の操作を受け付けることができる。この操作においては、売り要求をする持ち分の割合と、その持ち分の料金とが指定されるものとする。
第1取引者端末50-1は、リプレイ操作画面においてリプレイ権の一部の売り要求の操作を受け付けた場合、A31において、権利処理部511およびBC通信部512により、リプレイ権の一部の売りを要求する処理を実行する。第1取引者端末50-1は、図6のA28において受信した譲渡情報と売りを要求する持ち分の割合と、その持ち分の料金とを示す要求データを取引所4に送信することで、第1取引者が所有するリプレイ権の一部の売りを要求する。
取引所4は、A32において、受信した要求データが示すリプレイ権の一部およびその料金を取引対象として仲介サイトに公開する。ここで、第2取引者端末50-2が仲介サイトにアクセスしてリプレイ権の一覧を表示する取引者の操作を受け付けたとする。第2取引者端末50-2は、A33において、権利処理部511およびBC通信部512により、取引所4から提供される取引対象の一覧を表示する。第2取引者端末50-2は、第2取引者により一覧から指定されたリプレイ権の一部の買い要求の操作を受け付けた場合、A34において、権利処理部313およびBC通信部314により、リプレイ権の一部の買いを要求する処理を実行する。
具体的には、第2取引者端末50-2は、指定されたリプレイ権の一部と買いの要求とを示す要求データを取引所4に送信する。取引所4は、受信した要求データに基づき、A35において、リプレイ権の譲渡処理を行う。取引所4は、まず、リプレイ権の対象となるリプレイデータとリプレイ権の譲渡人(=図7の例では第1取引者)および譲受人(=図7の例では第2取引者)と、譲渡される持ち分の割合とを対応付けた譲渡情報を生成する。この譲渡情報は、リプレイ権の一部の所有者の変更を表している。また、取引所4は、譲渡される持ち分の料金の支払い処理を行う。
取引所4は、生成した譲渡情報をNFT管理サーバ装置40に送信する。NFT管理サーバ装置40は、A36において、受信した譲渡情報に基づき、リプレイ権の一部の持ち分の所有者変更を示すNFT情報を生成する。NFT管理サーバ装置40は、生成したNFT情報を記憶するとともに、そのNFT情報が示す内容をNFTとしてブロックチェーンに登録することを要求する要求データをBCシステム100に送信する。
BCシステム100は、A37において、受信した要求データが示すNFT情報を記述したNFTをトランザクションデータとして新たなブロックを生成し、生成した新たなブロックを追加したブロックチェーンを含む台帳を分散して記録する。BCシステム100は、このようにして、リプレイ権の一部の所有者変更を示すNFTをブロックチェーンに登録する。取引所4は、A25において、生成した譲渡情報を第1取引者端末50-1および第2取引者端末50-2にも送信する。
第1取引者端末50-1は、A38において、受信した譲渡情報を表示することで、第1取引者がリプレイ権の一部を喪失したことを通知する。第2取引者端末50-2は、A39において、受信した譲渡情報を表示することで、第2取引者がリプレイ権の一部を取得したことを通知する。これらの譲渡情報の送信は、NFT管理サーバ装置40への送信と同時であってもよいし、NFTのブロックチェーンへの登録が完了してからであってもよい。また、取引者端末50への譲渡情報の送信がNFT管理サーバ装置40によって行われてもよい。
以上で述べたとおり、NFT管理サーバ装置40のBC処理部412は、ゲームのリプレイ動画というコンテンツの所有権に関する記述がされたNFT(=非代替トークン)をブロックチェーンに登録する登録部として機能する。本実施形態では、BC処理部412は、所有権に関する記述として、リプレイ権に関する記述がされたNFTを登録する。このリプレイ権は、図7で述べたように2以上のユーザ(図7の例では第1取引者と第2取引者)が共有者として共有可能である。このような態様によれば、コンテンツの所有権を複数人で共有することができる。
図8は、リプレイ権の対価処理の一例を示すアクティビティ図である。まず、第2ゲーム端末30-2は、上述したリプレイ操作画面を表示して、第2プレイヤから視聴したいリプレイ動画の指定と視聴開始の操作を受け付けるものとする。第2ゲーム端末30-2は、この操作を受け付けると、A41において、ゲーム通信部311およびゲーム処理部312により、指定されたリプレイ動画の再生を要求する要求データをゲームサーバ装置20に送信する。
本実施形態では、リプレイ動画の再生が誰でも自由に可能なものとする。ゲームサーバ装置20は、A42において、受信した要求データが示すリプレイ動画について記憶しているリプレイデータを読み出し、第2ゲーム端末30-2においてそのリプレイ動画を再生させる処理を実行する。具体的には、ゲームサーバ装置20は、ゲーム通信部211およびゲーム処理部212により、読みだしたリプレイデータが示すリプレイ動画をストリーミング再生させるストリーミングデータを第2ゲーム端末30-2に送信する。
第2ゲーム端末30-2は、A43において、ゲーム通信部311およびゲーム処理部312により、受信したストリーミングデータに基づいてリプレイ動画を再生する。なお、リプレイ動画の再生は、リプレイデータのダウンロードにより行われてもよい。ゲームサーバ装置20は、ゲーム端末30によりリプレイ動画が再生されたことをNFT管理サーバ装置40に通知する。NFT管理サーバ装置40は、A44において、通知されたリプレイのリプレイ権を確認する処理を実行する。
具体的には、NFT管理サーバ装置40は、記憶しているNFT情報を参照し、該当するリプレイの所有者を示すNFT情報を読み出す。NFT管理サーバ装置40は、読み出したNFT情報に基づきブロックチェーンに登録されたNFTが示すリプレイ権情報をBCシステム100に要求する。BCシステム100は、A45において、要求されたNFTが登録されたブロックチェーンを参照し、登録されたNFTに表されているリプレイ権情報を読み出してNFT管理サーバ装置40に送信する。
NFT管理サーバ装置40は、A46において、対価処理部414により、受信したリプレイ権情報に基づき、リプレイ権を有する所有者に対して所定のタイミングで提供される対価を算出する。所定のタイミングとは、例えば、リプレイ動画が再生される都度のタイミングや、毎週末または毎月末等の定期的に訪れるタイミングなどである。NFT管理サーバ装置40は、予めリプレイ権の持ち分と対価の関係を示す計算式を記憶しておく。NFT管理サーバ装置40は、受信したリプレイ権情報に示された所有者に対する対価を、その所有者が所有する持ち分と前述した計算式から算出する。
NFT管理サーバ装置40は、本実施形態では、リプレイ権の持ち分の割合に応じて対価を算出する。これにより、リプレイ権の共有者のうち、持ち分の割合が多い共有者ほど多くの対価が提供される。NFT管理サーバ装置40は、権利処理部413およびBC通信部415により、算出した対価をゲーム提供者に提供する対価処理を行う。NFT管理サーバ装置40は、例えば、リプレイ権を有する所有者が使用しているウォレットに対して対価に相当する仮想通貨を振り込む処理を対価処理として行う。
NFT管理サーバ装置40は、対価処理により提供した対価を通知する通知データを取引者端末50に送信する。NFT管理サーバ装置40は、通知データの送信を、例えば、対価が発生するたびに、または、定期的に行う。第1取引者端末50-1は、A47において、受信した通知データが示す対価を表示することで、自端末を使用するリプレイ権の所有者の持ち分に応じた対価をその所有者に通知する。第2取引者端末50-2は、A48において、同様にリプレイ権の所有者の持ち分に応じた対価をその所有者に通知する。
NFT管理サーバ装置40の対価処理部414は、以上で述べたように互いに共有者である2以上のユーザのうち1のユーザの持ち分に応じた対価に関する処理を行う対価部として機能する。対価に関する処理とは、例えば、対価を受け取る1のユーザと、そのユーザの持ち分に応じた対価の額とを対応付ける記述がされたNFTをブロックチェーンに登録する処理である。このような態様によれば、コンテンツの共有者が対価も共有することができる。
また、NFTを用いることで、対価に関する記述が改ざんされる危険が少なく、NFTを用いない場合に比べて安全に対価を提供することができる。また、対価処理部414は、リプレイ権の持ち分の割合に応じて各共有者の対価を定める。このような態様によれば、持ち分に関係なく対価が定められる場合に比べて、妥当な大きさの対価を提供することができる。なお、図8の例では、貨幣的価値によって対価が提供されたが、これに限らず、上述した取引と同様に、物的価値または情報的価値等により対価が提供されてもよい。
図9は、リプレイ権の一部譲渡処理の別の一例を示すアクティビティ図である。図9の例では、第1取引者端末50-1は、図7でリプレイ権の一部を売って残った残りの持ち分のさらに一部または全部の売り要求の操作を受け付ける。第1取引者端末50-1は、A51において、リプレイ権の持ち分の売りを要求する処理を実行する。第1取引者端末50-1は、譲渡情報と持ち分の売りの要求とを示す要求データを取引所4に送信する。
取引所4は、A52において、受信した要求データが示すリプレイ権の持ち分を取引対象として仲介サイトに公開する。ここで、図9の例では、第3取引者端末50-3が、A53において、取引所4から提供される取引対象の一覧を表示する。そして、第3取引者端末50-3は、A54において、第3取引者の操作に基づいて、リプレイ権の持ち分の買いを要求する処理を実行する。取引所4は、A55において、リプレイ権の譲渡処理を行う。
取引所4は、図7のA35と同様に、リプレイ権の対象となるリプレイデータとリプレイ権の譲渡人(=図9の例では第1取引者)および譲受人(=図9の例では第3取引者)と、譲渡される持ち分の割合とを対応付けた譲渡情報を生成する。この譲渡情報は、リプレイ権の持ち分の所有者の変更を表している。また、取引所4は、譲渡される持ち分の料金の支払い処理を行う。NFT管理サーバ装置40は、A56において、リプレイ権の持ち分の所有者変更を示すNFT情報を生成する。BCシステム100は、A57において、生成されたNFT情報に基づき、リプレイ権の持ち分の所有者変更を示すNFTをブロックチェーンに登録する。
第1取引者端末50-1は、A58において、第1取引者がリプレイ権の自己の持ち分を喪失したことを通知する。第3取引者端末50-3は、A59において、第3取引者がリプレイ権の一部を取得したことを通知する。以上のとおり、NFT管理サーバ装置40のBC処理部412は、共有者のうちの1のユーザがリプレイ権のうち自身の持ち分について取引を行った場合、その取引による所有権の持ち分の変化を所有権の記述に反映する反映部として機能する。
近年では、インターネット等を含む通信回線を介して様々なコンテンツの取引が行われている。コンテンツによっては、例えばゲームであれば、それぞれが料金を支払って同じゲームを購入し、同時対戦プレイ、同時協力プレイまたは個別のプレイ等をともに楽しむといった場合がある。そのような場合に、本実施形態のような態様によれば、ゲームおよびリプレイ動画のようなコンテンツの所有権を複数人で共有し、各共有者は自分の持ち分を個別に取引することができる。
<その他の実施形態>
(1)コンテンツ
実施形態では、ゲームのリプレイ動画がコンテンツとして権利処理の対象となったが、これに限らず、ゲームそのものがコンテンツであってもよいし、ゲーム内のデータ(キャラクタ、アイテムおよびカード等)であってもよい。他にも、絵画、小説、映画、アニメーション、お笑い動画およびスポーツ動画等がコンテンツであってもよい。
(2)所有権と対価
共有される所有権はリプレイ権に限らず、例えば、ゲームの所有権が共有されてもよい。また、ゲームの実況が行われる場合に、実況動画の所有権が共有されてもよい。その場合に、実況動画の所有権に基づく対価を、所有者だけでなく、実況を行った実況者に対しても提供するようにしてもよい。なお、リプレイ権の所有権に基づく対価についても、所有者だけでなく、リプレイとなるプレイを行ったプレイヤに対しても提供するようにしてもよい。
また、ゲーム以外のコンテンツの所有権が共有されてもよい。また、リプレイ権は、リプレイ動画を単に所有する権利に限らず、リプレイ動画を再生する権利であってもよい。その場合、リプレイ権を有する者でなければ、リプレイ動画を再生することができないように権利処理が行われる。そして、リプレイ権の所有者がリプレイ動画の再生を有償で許可することで、所有者は所有権に基づき直接的に対価を得ることができる。また、リプレイ権は、リプレイ動画を動画サイトなどにアップロードして動画配信を行う権利であってもよい。その場合は、例えば、動画の配信件数に応じた対価が提供される。
また、リプレイ動画または実況動画において、広告を表示することで対価が提供されてもよい。広告は、動画の再生前後または動画の再生途中に表示されてもよいし、動画に重ねて表示されてもよい。広告に基づく対価は、リプレイ動画または実況動画の所有者、リプレイとなったゲームのプレイヤまたは実況者に提供されればよい。
(3)対価の定め方
対価処理部414は、上記実施形態ではリプレイ権の持ち分の割合に応じて各共有者の対価を定めたが、別の方法で対価を定めてもよい。対価処理部414は、例えば、コンテンツの所有権の持ち分の所有期間に応じて対価を定めてもよい。対価処理部414は、例えば、持ち分の所有期間が長いほど仮想通貨の額が高くなるように対価を定めてもよい。この場合、コンテンツの所有権をなるべく長く所有しようとするインセンティブが働く。
また、対価処理部414は、持ち分の所有期間が長いほど仮想通貨の額が低くなるように対価を定めてもよい。この場合、コンテンツの所有権をなるべく流通させようとするインセンティブが働く。また、対価処理部414は、コンテンツの所有権の持ち分の取引実績に応じて対価を定めてもよい。取引実績とは、例えば、取引額、転売の回数または転売による取引額の合計等である。対価処理部414は、例えば、持ち分の取引実績が多いほど仮想通貨の額が高くなるように対価を定めてもよい。この場合、コンテンツの所有権をなるべく流通させようとするインセンティブが働く。
また、対価処理部414は、持ち分の取引実績が少ないほど仮想通貨の額が低くなるように対価を定めてもよい。この場合、コンテンツの所有権をなるべく長く所有しようとするインセンティブが働く。対価処理部414が以上のとおり対価を定めることで、例えば対価が一定である場合に比べて、妥当な大きさの対価を提供することができる。上記の2通りの方法では、共有者の間で、持ち分の割合と対価の割合とが異なっている。
このような態様によれば、持ち分の多少に関係なく対価を提供することができる。その結果、例えば持ち分が少なくてもコンテンツの取引の活性化に繋がるような行動をする所有者の対価を高くして、コンテンツの取引を活性化させることができる。なお、上記の方法以外にも、対価処理部414は、コンテンツの所有権の持ち分の割合、持ち分の所有期間および持ち分の取引実績のうちの2つまたは3つに応じて対価を定めてもよい。また、対価処理部414は、取引が行われた時期、取引所4におけるNFTの取引量およびコンテンツの市場価格等に応じて対価を定めてもよい。
また、対価処理部414は、対価の算定方法として第1算定方法と第2算定方法とがある場合に、それらのうちのいずれかを選択して用いてもよい。例えば、対価の額を固定する第1算定方法と、対価の額を時期により変動させる第2算定方法とがあるものとする。この場合、対価処理部414は、コンテンツの所有権の持ち分の割合、持ち分の所有期間または持ち分の取引実績に応じて使用する算定方法を選択する。
具体的には、対価処理部414は、例えば、コンテンツの所有権の持ち分の割合が所定の閾値未満である場合は第1算定方法を選択し、持ち分の割合が所定の閾値以上である場合に第2算定方法を選択する。この場合、例えば第2算定方法のほうが第1算定方法よりも対価が大きくなりやすいように定めることで、共有者の数が増えすぎないようにすることができる。また、算定方法と対価の関係を反対にすることで、共有者の数が増えやすいようにすることができる。
また、対価処理部414が、持ち分の所有期間が所定の期間以上である場合または持ち分の取引実績が所定の基準未満である場合に金額が大きくなりやすい方の算定方法を選択することで、持ち分が長く保有されやすいようにすることができる。また、算定方法と対価の関係を反対にすることで、持ち分が流通しやすいようにすることができる。いずれの場合も、算定方法を選択しない場合に比べて、所有権の共有状況または所有権の取引状況を望ましい状況に近づけることができる。
(4)共有者の上限
所有権を共有可能な人数に上限が定められていてもよい。所有権は、例えば、コンテンツの所有権の存続期間に応じて定まる人数を上限として共有可能である。この場合、例えば、BC処理部412が、リプレイ権を最初に発行したときに共有者の上限人数を含めたNFT情報を生成しておく。そして、BC処理部412は、そのリプレイ権のNFT情報を生成するたびに現在の共有者の人数をNFT情報に含めておき、上限人数に達したら、その旨を取引所4に通知する。
取引所4は、この通知を受けたリプレイ権については、売りの要求が来ていても、それを受け付けないようにする。そして、BC処理部412は、例えば、リプレイ権の存続期間が長くなるほど、共有可能な人数を増やしていく。また、所有権は、コンテンツの所有権の取引実績に応じて定まる人数を上限として共有可能であってもよい。その場合も、BC処理部412は、例えば、リプレイ権の取引実績が増えていくほど、共有可能な人数を増やしていく。これらの態様によれば、必要に応じて共有者の人数を制限することができる。なお、上限人数を一人にする、すなわち、必ず一人だけが所有権を有するようにしてもよい。その場合、リプレイ権を独占させることができるので、上限人数が2人以上である場合に比べて、売買時の料金を高く設定しやすくなる。
(5)追及権
海外で採用されている著作権における追求権のような権利が共有者に提供されてもよい。すなわち、共有者が持ち分を取引先に譲渡したあと、持ち分の取引先がその持ち分をさらに取引した場合にも、その持ち分の元の所有者に対価が提供されてもよい。例えば、図9の例において、第1取引者端末50-1が、リプレイ権の持ち分の全ての売り要求を行い、第3取引者端末50-3がその持ち分全てを取得したとする。その後の対価処理について図10を参照して説明する。
図10は、リプレイ権の対価処理の一例を示すアクティビティ図である。図10では、リプレイ再生の通知がNFT管理サーバ装置40にされたあとのアクティビティが示されている。まず、NFT管理サーバ装置40は、A61において、通知されたリプレイのリプレイ権を確認して、該当するリプレイ権情報をBCシステム100に要求する。ブロックチェーンには、過去の取引情報が全て残されているので、BCシステム100は、A62において、過去のリプレイ権の所有者も含むリプレイ権情報をブロックチェーンから読み出してNFT管理サーバ装置40に送信する。
NFT管理サーバ装置40は、A63において、対価処理部414により、受信したリプレイ権情報に基づき、リプレイ権を有する所有者およびリプレイ権を過去に有していた所有者に提供される対価を算出する。NFT管理サーバ装置40は、図10の例では、現在持ち分を有している第2取引者端末50-2および第3取引者端末50-3の使用者への対価と、持ち分を全て売った第1ゲーム端末30-1および第1取引者端末50-1の使用者への対価とを算出する。
NFT管理サーバ装置40は、例えば、現在の共有者への対価は通常の算出方法を用いて算出し、過去の共有者への対価は通常の算出方法で算出された値に決められた係数を乗じて算出する。この係数は、一定の値であってもよいし、過去に所有していた持ち分の割合、最後に持ち分を譲渡してから経過した期間、または、最後に譲渡した持ち分に対して行われた取引の回数等に応じて定める値であってもよい。NFT管理サーバ装置40は、例えば、過去に所有していた持ち分の割合が多いほど対価が減りにくいように係数を定めてもよいし、譲渡してから経過した期間が長くなるほど対価が減るように係数を定めてもよい。
また、NFT管理サーバ装置40は、譲渡後に行われた取引の回数が増えるほど対価が増えるように係数を定めてもよい。また、NFT管理サーバ装置40は、コンテンツの最初の所有者(コンテンツの製作者)は対価が減りにくいようにまたは一定以上の対価を保証するように係数を定めてもよい。NFT管理サーバ装置40は、こうして算出した対価を取引者に提供する対価処理を行い、その結果を各取引者端末50に通知する。
第2取引者端末50-2および第3取引者端末50-3は、A66およびA67において、リプレイ権の現在の所有により自端末の使用者が得られる対価を通知する。一方、第1ゲーム端末30-1および第1取引者端末50-1は、A64およびA65において、リプレイ権の過去の所有により自端末の使用者が得られる対価を通知する。このような態様によれば、コンテンツの持ち分を所有していた者は所有権を手放したあともそのコンテンツによる利益を享受することができる。
(6)付帯権利
コンテンツの所有権には、付帯権利を付帯させることが可能である。実施形態では、リプレイ動画をコンテンツとしてリプレイ権がコンテンツの所有権として管理されたが、以下ではゲームをコンテンツとした場合の所有権について説明する。その場合、リプレイ動画を再生する権利は、付帯権利のひとつとなる。付帯権利には、複数の種類があり、リプレイ権の他に、例えば、ゲームの実況を視聴する権利(以下「実況視聴権」と言う)やゲームのリプレイ動画に実況を追加して新たな実況動画を作成する権利(以下「実況作成権」と言う)がある。
また、付帯権利には、ゲーム上で開催されるイベントへの参加権(以下「イベント参加権」と言う)、または、ゲーム内で提供されるアイテムの所有権(以下「アイテム所有権」と言う)等がある。これらの付帯権利は、種類ごとに取引可能である。また、共有者は、各々が異なる種類の付帯権利を自身の持ち分として所有可能である。つまり、或るゲームの所有権を共有している共有者はリプレイ権を有し、別の共有者はイベント参加権を有するということが可能である。
NFT管理サーバ装置40は、BC処理部412により、コンテンツの所有権に、複数種類の付帯権利を付帯させることが可能である。NFT管理サーバ装置40は、例えば、取引者がゲームの所有権を購入した場合、その取引者と購入したゲームとを対応付けた所有権情報を生成し、所有権情報を示すNFT情報を生成する。生成されたNFT情報は、実施形態と同様にブロックチェーンにNFTとして登録される。その後、ゲームに付帯する複数種類の付帯権利のうちの1以上をその取引者が購入したとする。
NFT管理サーバ装置40は、購入された付帯権利と取引者とを対応付けた付帯権利情報を生成し、付帯権利情報と所有権情報とを対応付けたNFT情報を生成する。このNFT情報がブロックチェーンに登録されることで、コンテンツの所有権に付帯する付帯情報がブロックチェーンにおいて管理される。さらに、NFT管理サーバ装置40は、BC処理部412により、共有者の各々の付帯権利の変化を、登録済みのNFTにおける所有権に関する記述に反映する。このような態様によれば、コンテンツの共有者毎に付帯権利を管理することができる。
具体的には、NFT管理サーバ装置40は、共有者の付帯権利に変化があった場合、該当するコンテンツの所有権が記述されてNFTとして登録された所有権情報および付帯権利情報をBCシステム100から取得する。NFT管理サーバ装置40は、付帯権利の変化を付帯権利情報に反映し、反映後の付帯権利情報を示すNFT情報をブロックチェーンに登録させる。
また、付帯権利は、分割して取引可能であってもよい。共有者が付帯権利を分割して取引すると、その共有者が有する付帯権利の持ち分が変化する。NFT管理サーバ装置40は、BC処理部412により、付帯権利の持ち分の変化も所有権に関する記述に反映する。NFT管理サーバ装置40は、付帯権利の持ち分の変化も付帯権利情報に追加することで、NFTとしてブロックチェーンに登録する。このような態様によれば、コンテンツの付帯権利を複数人で共有することができる。
また、付帯権利の保有状況が対価に反映されてもよい。NFT管理サーバ装置40は、対価処理部414により、例えば、対価を受け取る取引者が持ち分を有する所有権に付帯する付帯権利の有無に応じて変化する対価を算出する。具体的には、NFT管理サーバ装置40は、付帯権利を有する場合は第1算出方法を用いて対価を算出し、付帯権利を有しない場合は第2算出方法を用いて対価を算出する。なお、第1算出方法および第2算出方法は、互いに異なる算出方法であればどのような算出方法であってもよい。
また、NFT管理サーバ装置40は、対価処理部414により、対価を受け取る取引者が持ち分を有する所有権に付帯する付帯権利の内容に応じて変化する対価を算出する。具体的には、NFT管理サーバ装置40は、付帯権利がイベント参加権である場合に、参加するイベントが音楽イベントである場合は第1算出方法を用いて対価を算出し、参加するイベントがスポーツイベントである場合は第2算出方法を用いて対価を算出する。このような態様によれば、付帯権利の内容に応じて付帯権利の価値を増減させることができる。
また、NFT管理サーバ装置40は、対価処理部414により、持ち分を有する所有権に付帯する付帯権利の種類に応じて定まる対価を算出する。具体的には、NFT管理サーバ装置40は、付帯権利の種類がリプレイ権、実況視聴権または実況作成権である場合は第1算出方法を用いて対価を算出し、付帯権利の内容がイベント参加権またはアイテム所有権である場合は第2算出方法を用いて対価を算出する。このような態様によれば、付帯権利の種類毎に価値を増減させることができる。
また、共有者によって取引可能な付帯権利の種類が異なっていてもよい。例えば、NFT管理サーバ装置40は、BC処理部412により、コンテンツの所有権の持ち分の割合に応じて取引可能な付帯権利の種類を判断し、取引可能と判断した種類の付帯権利の変化をNFTに反映する。NFT管理サーバ装置40は、例えば、所有権の持ち分が閾値未満の共有者にはリプレイ権だけを取引可能と判断し、所有権の持ち分が閾値以上の共有者には全ての付帯権利を取引可能と判断する。
なお、NFT管理サーバ装置40は、持ち分の所有期間に応じて取引可能な付帯権利の種類を判断してもよい。NFT管理サーバ装置40は、例えば、持ち分の所有期間が長いほど取引可能な付帯権利の種類を増やすまたは減らすなどしてもよい。また、NFT管理サーバ装置40は、持ち分の取引実績に応じて取引可能な付帯権利の種類を判断してもよい。NFT管理サーバ装置40は、例えば、持ち分の取引実績が多いほど取引可能な付帯権利の種類を増やすまたは減らすなどしてもよい。これらの態様によれば、共有者による付帯権利の取引を管理することができる。
(7)権利行使
コンテンツの所有権を有している所有者は、第三者による利用に対して所有権に基づく権利行使が可能である。権利行使とは、例えば、コンテンツの使用停止および破棄を請求したり、使用許諾料を請求したりする権利である。権利行使は強力な権利であるため、何らかの制限が設けられることがある。本態様では、権利行使を制限するための機能が設けられる。
図11は、各装置の制御部の機能構成を示す図である。NFT管理サーバ装置40は、図4に示す各部に加えて権利行使判定部416を備えている。権利行使判定部416は、コンテンツの所有権の共有状態に応じて権利行使の可否を判定する。所有権を共有する際、持ち分が多い者は持ち分が少ない者よりも自由にコンテンツを利用できるというように、持ち分に応じた制限が設けられることがある。共有状態とは、例えば、そのように共有者が自分の持ち分に応じて課せられている制限の範囲内の利用がされている状態または制限の範囲外の利用がされている状態等を言う。
例えば、リプレイ権であれば、共有者は、自分の持ち分に応じて再生可能な回数の制限または再生可能な期間の制限等が課せられる場合がある。その場合、権利行使判定部416は、その制限内の利用が第三者によって行われた場合は権利行使が可能と判定し、その制限を超えた利用が第三者によって行われた場合は権利行使が不可と判定する。このように判定を行うことで、コンテンツの共有者による権利の濫用を抑えることができる。
なお、リプレイ動画が権利行使の対象であることを示す表示がされてもよい。例えば、ゲームサーバ装置20が、コンテンツの権利に関する情報がブロックチェーンに記録されていることを示すマーク(例えば「権利情報BC記録済」という文字列)を合成したリプレイ動画を再生するためのデータをリプレイデータとして生成し、生成されたリプレイデータをNFT管理サーバ装置40が記憶する。ゲーム端末30は、このリプレイデータを用いてリプレイ動画を再生する。
これにより、動画が無断でコピーまたはスキャンされて再配信されても、配信された動画の権利が、改ざんされる危険が極めて少ないブロックチェーンを用いて厳重に管理されていることを相手に伝えることができ、その結果、違法な動画配信を抑制することができる。また、合成するマークに、ブロックチェーンで用いられているトランザクションデータを識別するトランザクションIDが用いられてもよい。これにより、無断で再配信された動画の出処を掴むことが容易になる。
また、権利行使判定部416は、1のユーザ(=共有者のうちの一人)が自身の持ち分について行わせる利用に対しては権利行使が不可と判定してもよい。ここで言う利用は、共有者が第三者に対して許可した利用であり、共有者の持ち分に応じた制限内での利用である。この判定により、共有者が自身の持ち分の範囲で第三者にコンテンツを利用させる限り他の共有者から権利行使を受けることがない。このような態様によれば、コンテンツの共有者が自身の持ち分を自由に扱えるようにすることができる。
また、所有権が共有されているコンテンツにおいては、権利行使には他の共有者の同意が必要である場合がある。その場合、権利行使判定部416は、コンテンツの第三者による利用に対しては共有者の同意があれば権利行使が可能と判定する。権利行使判定部416は、例えば、共有者全員の宛先を記憶しておき、コンテンツの第三者による利用があったことと、権利行使に同意するか否かを問い合わせる問い合わせデータをそれらの宛先に送信する。
権利行使判定部416は、上記問い合わせに対して全ての共有者からの同意の回答が得られた場合に、権利行使が可能と判定する。なお、権利行使判定部416は、全ての共有者の同意に限らず、一定の割合以上の共有者の同意があった場合に権利行使が可能と判定してもよい。また、権利行使判定部416は、同意があった共有者の持ち分の合計が閾値以上である場合に権利行使が可能と判定してもよい。このような態様によれば、コンテンツの共有者が他の共有者による権利の濫用を抑えることができる。
また、権利行使判定部416は、特定の種類の利用に対しては他の共有者の同意がなくとも権利行使が可能と判定してもよい。特定の種類の利用とは、例えば、他の共有者への影響が大きい種類の利用である。例えば、リプレイ権において、回線が混雑する時間帯の利用は他の共有者への影響が大きいので、権利行使判定部416は、特定の種類の利用と判断して、他の共有者の同意がなくとも権利行使が可能と判定する。このように判定を行うことで、特定の種類の利用については単独でコンテンツを保護することができる。
また、権利行使判定部416は、同意を求めた共有者からの回答が所定の期間ない場合は、その共有者の同意がなくとも権利行使が可能と判定してもよい。共有者によっては、意図的に同意の回答をしてこないことが起こりうる。その場合に権利行使ができないと、悪意をもった共有者が他の共有者の利益を害することができるようになってしまう。そこで、上記のとおり所定の期間回答がなければ権利行使可能とすることで、共有者の不作為があってもコンテンツを保護することができる。
また、権利行使判定部416は、同意を求めた共有者からの回答が特定の事情により得られない場合は、その共有者の持ち分が破棄または他の共有者に譲渡されたものとして権利行使の可否を判定してもよい。特定の事情とは、例えば、共有者の死亡、入院、その他の事情により経済活動に支障をきたしているという事情である。権利行使判定部416は、上記問い合わせへの回答で、「権利行使に同意するか否か」についての回答はされていないが、特定の事情があることが回答されている場合に、共有者からの回答が特定の事情により得られない状況であると判断する。
権利行使判定部416は、共有者の持ち分が破棄されたとみなした場合は、他の共有者の同意があれば、権利行使が可能と判定する。また、権利行使判定部416は、例えば共有者毎に仮の譲渡相手を予め決めておき、特定の事情があることが回答された場合はその共有者の持ち分が仮の譲渡相手に譲渡されたとみなして、あとは通常と同じように判定を行う。このような態様によれば、特定の事情による不作為の場合は妥当な処置をして権利行使の可否を判定することができる。
(8)2次コンテンツ
コンテンツの取引が行われた場合に、その取引自体がコンテンツとして権利処理の対象となってもよい。以下では、取引がされた元のコンテンツを「1次コンテンツ」と言い、その取引自体を「2次コンテンツ」と言う。BC処理部412は、コンテンツの所有権の持ち分について取引が行われた場合、その取引の記録を2次コンテンツとして、その2次コンテンツの所有権に関する記述がされたNFTをブロックチェーンに登録する第2登録部として機能する。
BC処理部412は、例えば、1次コンテンツを識別する情報、1次コンテンツの譲渡人、譲受人、代金および譲渡時期等の取引に関する各種の記録を2次コンテンツの所有権に関する記述として示すNFTを登録する。このような態様によれば、取引の記録を価値化することができる。また、対価処理部414は、2次コンテンツの取引が行われた場合、対応する1次コンテンツの共有者に対する対価に関する記述がされたNFTをブロックチェーンに登録する第2対価部として機能する。
対価処理部414は、例えば、対価を受け取る1次コンテンツの共有者と、その共有者に対する対価の額とを対応付ける記述がされたNFTをブロックチェーンに登録する処理を対価に関する処理として実行する。このような態様によれば、1次コンテンツの取引記録が2次コンテンツとして取引された場合にその1次コンテンツの共有者に価値を提供することができる。なお、対価処理部414は、2次コンテンツの取引が行われた場合に、その2次コンテンツの所有者の対価に関する処理も当然ながら実行してもよい。
また、2次コンテンツの所有権も、1次コンテンツと同様に、2以上のユーザによって共有されてもよい。その場合、BC処理部412は、2次コンテンツの所有権の共有者とその共有者の持ち分とを示すNFTをブロックチェーンに登録する。また、BC処理部412は、共有者のうちの1のユーザが2次コンテンツの持ち分について取引を行った場合、その取引による持ち分の変化をNFTの記述に反映する。また、対価処理部414は、2次コンテンツの所有権の共有者の持ち分に応じた対価に関する処理を実行する。このような態様によれば、2次コンテンツの所有権も1次コンテンツと同様に複数人で共有することができる。
(9)ゲームプログラム
上述した実施形態では、ゲームサーバ装置20によってゲームの機能が提供されたが、ゲームサーバ装置20およびBCシステム100が協働してゲームの機能が提供されてもよい。その場合、BCシステム100が備える各BCノード装置10に、ゲームトランザクションプログラムがインストールされ、ゲームに関する比較的簡易な処理を実行する。BCノード装置10は、主に、NFTとして登録される情報に関する処理を実行するとよい。
(10)開示のカテゴリ
上述した実施形態の態様は、情報処理方法であってもよい。その情報処理方法は、権利管理システム1のような情報処理システムの各部を備える。また、上述した実施形態の態様は、プログラムであってもよい。そのプログラムは、コンピュータに、同様の情報処理システムの各ステップを実行させる。
<付記>
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
(2)前記情報処理システムにおいて、対価ステップでは、前記1のユーザの前記持ち分に応じた対価に関する処理が行われる、もの。
このような態様によれば、コンテンツの共有者が対価も共有することができる。
(3)前記情報処理システムにおいて、前記対価に関する処理は、前記1のユーザの前記持ち分に応じた対価に関する記述がされた非代替トークンを前記ブロックチェーンに登録する処理である、もの。
このような態様によれば、非代替トークンを用いない場合に比べて安全に対価を提供することができる。
(4)前記情報処理システムにおいて、前記共有者の間で、前記持ち分の割合と前記対価の割合とが異なっている、もの。
このような態様によれば、持ち分の多少に関係なく対価を提供することができる。
(5)前記情報処理システムにおいて、前記対価は、前記持ち分の割合、所有期間または取引実績に応じて定まる、もの。
このような態様によれば、妥当な大きさの対価を提供することができる。
(6)前記情報処理システムにおいて、前記所有権には、付帯権利を付帯させることが可能であり、前記対価は、前記持ち分を有する所有権に付帯する付帯権利の有無または当該付帯権利の内容に応じて変化する、もの。
このような態様によれば、付帯権利の内容に応じて付帯権利の価値を増減させることができる。
(7)前記情報処理システムにおいて、前記付帯権利には、複数の種類があり、前記対価は、前記持ち分を有する所有権に付帯する付帯権利の種類に応じて定まる、もの。
このような態様によれば、付帯権利の種類毎に価値を増減させることができる。
(8)前記情報処理システムにおいて、前記対価は、前記持ち分の取引先が当該持ち分をさらに取引した場合にも提供される、もの。
このような態様によれば、コンテンツの所有権を手放したあともそのコンテンツによる利益を享受することができる。
(9)前記情報処理システムにおいて、前記対価には、第1算定方法と第2算定方法とがあり、前記対価ステップでは、前記持ち分の割合、所有期間または取引実績に応じて使用する算定方法を選択する、もの。
このような態様によれば、所有権の共有状況または所有権の取引状況を望ましい状況に近づけることができる。
(10)前記情報処理システムにおいて、前記所有権は、当該所有権の存続期間または取引実績に応じて定まる人数を上限として共有可能である、もの。
このような態様によれば、必要に応じて共有者の人数を制限することができる。
(11)前記情報処理システムにおいて、前記所有権には、複数種類の付帯権利を付帯させることが可能であり、前記付帯権利は、種類ごとに取引可能であり、前記共有者は、各々が異なる種類の前記付帯権利を自身の持ち分として所有可能であり、前記反映ステップでは、前記共有者の各々の付帯権利の変化を前記所有権に関する記述に反映する、もの。
このような態様によれば、コンテンツの共有者毎に付帯権利を管理することができる。
(12)前記情報処理システムにおいて、前記付帯権利は、分割して取引可能であり、前記反映ステップでは、前記付帯権利の持ち分の変化も前記所有権に関する記述に反映する、もの。
このような態様によれば、コンテンツの付帯権利を複数人で共有することができる。
(13)前記情報処理システムにおいて、前記反映ステップでは、前記持ち分の割合、所有期間または取引実績に応じて取引可能な前記付帯権利の種類を判断し、取引可能と判断した種類の前記付帯権利の変化を反映する、もの。
このような態様によれば、共有者による付帯権利の取引を管理することができる。
(14)前記情報処理システムにおいて、前記コンテンツは、第三者による利用に対して前記所有権に基づく権利行使が可能であり、判定ステップでは、前記所有権の共有状態に応じて権利行使の可否を判定する、もの。
このような態様によれば、コンテンツの共有者による権利の濫用を抑えることができる。
(15)前記情報処理システムにおいて、前記判定ステップでは、前記1のユーザが自身の持ち分について行わせる前記利用に対しては権利行使が不可と判定する、もの。
このような態様によれば、コンテンツの共有者が自身の持ち分を自由に扱えるようにすることができる。
(16)前記情報処理システムにおいて、前記判定ステップでは、前記権利行使には他の共有者の同意が必要である場合に、特定の種類の前記利用に対しては他の共有者の同意がなくとも権利行使が可能と判定する、もの。
このような態様によれば、特定の種類の利用については単独でコンテンツを保護することができる。
(17)前記情報処理システムにおいて、前記判定ステップでは、前記利用に対しては共有者の同意があれば権利行使が可能と判定する、もの。
このような態様によれば、コンテンツの共有者が他の共有者による権利の濫用を抑えることができる。
(18)前記情報処理システムにおいて、前記判定ステップでは、同意を求めた共有者からの回答が所定の期間ない場合は、当該共有者の同意がなくとも権利行使が可能と判定する、もの。
このような態様によれば、共有者の不作為があってもコンテンツを保護することができる。
(19)前記情報処理システムにおいて、前記判定ステップでは、同意を求めた共有者からの回答が特定の事情により得られない場合は、当該共有者の持ち分が破棄または他の共有者に譲渡されたものとして権利行使の可否を判定する、もの。
このような態様によれば、特定の事情による不作為の場合は妥当な処置をして権利行使の可否を判定することができる。
(20)前記情報処理システムにおいて、第2登録ステップでは、前記持ち分について取引が行われた場合、当該取引の記録を2次コンテンツとして、当該2次コンテンツの所有権に関する記述がされた非代替トークンを前記ブロックチェーンに登録する、もの。
このような態様によれば、取引の記録を価値化することができる。
(21)前記情報処理システムにおいて、第2対価ステップでは、前記2次コンテンツの取引が行われた場合、当該2次コンテンツとなった取引がされた元のコンテンツである1次コンテンツの共有者に対する対価に関する記述がされた非代替トークンを前記ブロックチェーンに登録する、もの。
このような態様によれば、1次コンテンツの取引記録が2次コンテンツとして取引された場合にその1次コンテンツの共有者に価値を提供することができる。
もちろん、この限りではない。
また、上述した実施形態および変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。