JP2023016193A - 高電圧貫通型コンデンサ - Google Patents

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Abstract

Figure 2023016193000001
【課題】より一層高い信頼性を有する高電圧貫通型コンデンサを提供する。
【解決手段】高電圧貫通型コンデンサHC1は、貫通コンデンサユニット1と、貫通コンデンサユニット1を覆っている樹脂2と、を備える。貫通コンデンサユニット1は、互いに対向している第一及び第二主面11a,11bを含むと共に第一及び第二主面11a,11bとに開口する貫通孔16が形成されている素体11と、第一及び第二主面11a,11b上にそれぞれ形成されている第一及び第二電極12,15と、貫通孔16に挿通されていると共に第一電極12に電気的に接続されている貫通導体30と、第二電極15に電気的に接続されている端子導体20と、を有する。結合構造5は、貫通コンデンサユニット1の表面1aと、樹脂2の表面2aとを化学的に結合している。
【選択図】図1

Description

本発明は、高電圧貫通型コンデンサに関する。
貫通コンデンサユニットと、貫通コンデンサユニットを覆っている樹脂と、を備えている高電圧貫通型コンデンサが知られている(たとえば、特許文献1参照)。貫通コンデンサユニットは、互いに対向している第一及び第二主面に開口する貫通孔が形成されている素体と、貫通孔に挿通されていると共に、第一主面上の第一電極に電気的に接続されている貫通導体と、第二主面上の第二電極に電気的に接続されている端子導体とを有している。高電圧貫通型コンデンサは、たとえば、電子レンジ用マグネトロンに接続され、電子レンジ用マグネトロンの不要輻射ノイズを防止する。
特開2001-351830号公報
本発明の一つの態様は、より一層高い信頼性を有する高電圧貫通型コンデンサを提供することを目的とする。
本発明者らは、より一層高い信頼性を有する高電圧貫通型コンデンサについて鋭意研究を行った。その結果、本発明者らは、以下の知見を新たに得て、本発明を想到するに至った。
貫通コンデンサユニットと貫通コンデンサユニットを覆っている樹脂との結合が強い構成では、貫通コンデンサユニットと樹脂との間に空隙が生じがたい。この場合、空隙に起因する部分放電が生じがたい。貫通コンデンサユニットと樹脂との結合が強い構成では、貫通コンデンサユニットの表面に沿った放電、いわゆる沿面放電も生じがたい。したがって、貫通コンデンサユニットと樹脂との結合が強い構成が採用された高電圧貫通型コンデンサでは、放電が生じがたく、信頼性が更に向上する。
一つの態様に係る高電圧貫通型コンデンサは、互いに対向している第一及び第二主面を含むと共に第一及び第二主面とに開口する貫通孔が形成されている素体と、第一及び第二主面上にそれぞれ形成されている第一及び第二電極と、貫通孔に挿通されていると共に第一電極に電気的に接続されている貫通導体と、第二電極に電気的に接続されている端子導体とを有している貫通コンデンサユニットと、貫通コンデンサユニットを覆っている樹脂と、を備えている。貫通コンデンサユニットの表面と、樹脂の表面とを化学的に結合する結合構造が設けられている。
上記一つの態様では、貫通コンデンサユニットが樹脂に覆われている構成において、貫通コンデンサユニットの表面と、樹脂の表面とを化学的に結合する結合構造が設けられている。結合構造での化学的な結合は、たとえば、貫通コンデンサユニットの表面の粗さに起因したアンカー効果による、貫通コンデンサユニットの表面と樹脂の表面との結合よりも強い。したがって、上記一つの態様は、貫通コンデンサユニットと樹脂との強い結合を確実に実現する。
上記一つの態様では、貫通コンデンサユニットの表面は、素体において、貫通孔を画成する内壁面を含んでいてもよい。この場合、結合構造は、貫通孔を画成する内壁面と、樹脂の表面とを化学的に結合していてもよい。結合構造が内壁面と樹脂の表面とを化学的に結合している構成では、貫通孔を画成する内壁面と樹脂の表面との結合が強い。したがって、本構成は、貫通孔を画成する内壁面と樹脂との強い結合を確実に実現する。
上記一つの態様では、貫通コンデンサユニットは、貫通導体を被覆していると共に電気絶縁性を有する被覆材を有し、貫通コンデンサユニットの表面は、被覆材の外側面を含んでいてもよい。この場合、結合構造は、被覆材の外側面と、樹脂の表面とを化学的に結合していてもよい。結合構造が被覆材の外側面と樹脂の表面とを化学的に結合している構成では、被覆材の外側面と樹脂の表面との結合が強い。したがって、本構成は、被覆材の外側面と樹脂との強い結合を確実に実現する。
上記一つの態様では、貫通コンデンサユニットの表面は、端子導体の表面を含んでいてもよい。この場合、結合構造は、端子導体の表面と、樹脂の表面とを化学的に結合していてもよい。結合構造が端子導体の表面と樹脂の表面とを化学的に結合している構成では、端子導体の表面と樹脂の表面との結合が強い。したがって、本構成は、端子導体の表面と樹脂との強い結合を確実に実現する。
上記一つの態様では、第一電極は、第一主面上で互いに離間している一対の導体を含み、素体には、一対の導体の間に溝が形成されており、貫通コンデンサユニットの表面は、素体において、溝を画成する壁面を含んでいてもよい。この場合、結合構造は、溝を画成する壁面と、樹脂の表面とを化学的に結合していてもよい。結合構造が溝を画成する壁面と樹脂の表面とを化学的に結合している構成では、溝を画成する壁面と樹脂の表面との結合が強い。したがって、本構成は、溝を画成する壁面と樹脂との強い結合を確実に実現する。
上記一つの態様では、結合構造では、貫通コンデンサユニットの表面と樹脂の表面とは、シランカップリング剤に由来するケイ素原子を介して、化学的に結合されていてもよい。貫通コンデンサユニットの表面と樹脂の表面とが、シランカップリング剤に由来するケイ素原子を介して化学的に結合されている構成では、貫通コンデンサユニットの表面と樹脂の表面との結合が、たとえば、ケイ素原子を介する共有結合によって行われる。したがって、本構成は、貫通コンデンサユニットと樹脂との強い結合をより確実に実現する。
上記一つの態様では、シランカップリング剤は、貫通コンデンサユニットの表面への付与または樹脂への混合により導入されていてもよい。シランカップリング剤が貫通コンデンサユニットの表面への付与または樹脂への混合により導入されている構成では、貫通コンデンサユニットの表面と樹脂の表面との化学的な結合が、ケイ素原子によって更に確実に形成される。したがって、本構成は、貫通コンデンサユニットと樹脂との強い結合を更により確実に実現する。
上記一つの態様では、結合構造では、貫通コンデンサユニットの表面と樹脂の表面とは、ホスホン酸誘導体に由来するリン原子を介して、化学的に結合されていてもよい。貫通コンデンサユニットの表面と樹脂の表面とが、ホスホン酸誘導体に由来するリン原子を介して化学的に結合されている構成では、貫通コンデンサユニットの表面と樹脂の表面との結合が、たとえば、リン原子を介する共有結合によって行われる。したがって、本構成は、貫通コンデンサユニットと樹脂との強い結合をより確実に実現する。
上記一つの態様では、ホスホン酸誘導体は、貫通コンデンサユニットの表面への付与または樹脂への混合により導入されていてもよい。ホスホン酸誘導体が貫通コンデンサユニットの表面への付与または樹脂への混合により導入されている構成では、貫通コンデンサユニットの表面と樹脂の表面との化学的な結合が、リン原子によって更に確実に形成される。したがって、本構成は、貫通コンデンサユニットと樹脂との強い結合を更により確実に実現する。
上記一つの態様では、結合構造では、貫通コンデンサユニットの表面と樹脂の表面とは、キレート錯体に由来する中心金属原子を介して、化学的に結合されていてもよい。貫通コンデンサユニットの表面と樹脂の表面とが、キレート錯体に由来する中心金属原子を介して化学的に結合されている構成では、貫通コンデンサユニットの表面と樹脂の表面との結合が、たとえば、中心金属原子を介する共有結合によって行われる。したがって、本構成は、貫通コンデンサユニットと樹脂との強い結合をより確実に実現する。
上記一つの態様では、キレート錯体は、貫通コンデンサユニットの表面への付与または樹脂への混合により導入されていてもよい。キレート錯体が貫通コンデンサユニットの表面への付与または樹脂への混合により導入されている構成では、貫通コンデンサユニットの表面と樹脂の表面との化学的な結合が、中心金属原子によって更に確実に形成される。したがって、本構成は、貫通コンデンサユニットと樹脂との強い結合を更により確実に実現する。
本発明の一つの態様は、より一層高い信頼性を有する高電圧貫通型コンデンサを提供する。
図1は、一実施形態に係る高電圧貫通型コンデンサを示す断面図である。 図2は、本実施形態に係る高電圧貫通型コンデンサを示す分解斜視図である。 図3は、シランカップリング剤によって設けられた結合構造を示す図である。 図4は、ホスホン酸誘導体によって設けられた結合構造を示す図である。 図5は、キレート錯体によって設けられた結合構造を示す図である。
添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1及び図2を参照しながら、高電圧貫通型コンデンサHC1の構成を説明する。高電圧貫通型コンデンサHC1は、貫通コンデンサユニット1を備えている。貫通コンデンサユニット1は、貫通コンデンサ10、端子導体20、及び貫通導体30を有している。高電圧貫通型コンデンサHC1は、たとえば、電子レンジ用マグネトロンに接続され、電子レンジ用マグネトロンの不要輻射ノイズを防止する。貫通コンデンサ10は、不要輻射ノイズを防止するためのフィルタとして機能する。
貫通コンデンサ10は、素体11を含んでいる。素体11は、互いに対向している第一及び第二主面11a,11bを含んでいる。本実施形態では、第一及び第二主面11a,11bは、第一方向D1で互いに対向している。第一及び第二主面11a,11bは、素体11の第一方向D1での両端面を規定している。素体11は、側壁面11cを含んでいる。側壁面11cは、第一及び第二主面11a、11bを互いに連結するように第一方向D1に延在している。側壁面11cは、第一方向D1から見て、素体11の外周を画成している。素体11は、たとえば、絶縁材料からなる。素体11は、たとえば、セラミックを含んでいる。素体11に含まれるセラミックは、たとえば、BaTiО3、BaZrO3、CaTiO3、又はMgTiOを主成分として含んでいる。素体11は、セラミックに添加される添加物を含んでいてもよい。添加物は、たとえば、Si、Mg、Zr、Zn、Y、V、Al、又はMnを有している。本明細書では、第二主面11bから第一主面11aに向かう方向が上方向であり、第一主面11aは、第二主面11bより上方に位置している。
貫通コンデンサ10は、第一電極12及び第二電極15を有している。第一電極12は、第一主面11a上に形成されており、第二電極15は、第二主面11b上に形成されている。第一電極12は、たとえば、一対の導体13,14を含んでいる。導体13,14は、第一主面11a上で互いに離間している。本実施形態では、導体13,14は、第一方向D1に交差する第二方向D2で互いに離間している。導体13,14のそれぞれは、第二電極15と、第一方向D1で互いに対向している。
素体11には、貫通孔16が形成されている。貫通孔16は、第一主面11aと第二主面11bとに開口している。貫通コンデンサユニット1の表面1aは、素体11において、貫通孔16を画成する内壁面16aを含んでいる。表面1aは、貫通コンデンサユニット1単体の状態で、貫通コンデンサユニット1外に露出している面である。本実施形態では、貫通孔16は、二つの貫通孔17,18からなり、内壁面16aは、貫通孔17を画成する内壁面17aと貫通孔18を画成する内壁面18aとを含んでいる。貫通孔17は、第一主面11aと第二主面11bとに開口している。本実施形態では、貫通孔17は、第一方向D1で、第一主面11aから第二主面11bまで貫通している。貫通孔17は、たとえば、導体13及び第二電極15をも貫通している。貫通孔18は、第一主面11aと第二主面11bとに開口している。本実施形態では、貫通孔18は、第一方向D1で、第一主面11aから第二主面11bまで貫通している。貫通孔18は、たとえば、導体14及び第二電極15をも貫通している。貫通孔17は、導体13と第二電極15とを貫通していなくてもよく、貫通孔18は、導体14と第二電極15とを貫通していなくてもよい。貫通孔17,18は、第一方向D1から見て、たとえば、円形状を呈している。
第一及び第二電極12,15は、たとえば、導電性金属材料からなる。第一及び第二電極12,15を構成する導電性金属材料は、たとえば、Agを含んでいる。第一及び第二電極12,15は、導電性金属材料に加えて、たとえば、磁性材料を含んでいてもよい。磁性材料は、たとえば、Fe、Co、Ni、Cu、若しくはSr、又は、それらの組み合わせである。第一及び第二電極12,15は、たとえば、素体11の第一及び第二主面11a,11bに付与された導電性ペーストを焼き付けることにより形成される。第一及び第二電極12,15を形成するための導電性ペーストは、たとえば、上記導電性金属材料を含んでいる。
素体11には、溝19が形成されている。本実施形態では、溝19は、素体11の第一主面11a側であって、導体13,14の間に形成されている。溝19には、電極は形成されていない。貫通コンデンサユニット1の表面1aは、素体11において、溝19を画成する壁面19aを含んでいる。溝19は、たとえば、第一方向D1及び第二方向D2に対向している第三方向D3に延在している。溝19は、たとえば、第一主面11aの第三方向D3での両端に達している。本実施形態では、第一方向D1、第二方向D2、及び第三方向D3は、互いに直交している。
端子導体20は、第二電極15に電気的に接続されている。端子導体20は、たとえば、貫通コンデンサ10を支持しており、突起部21と、周辺部22とを有している。周辺部22は、第一方向D1から見て、突起部21を囲んでいる。突起部21は、第二方向D2から見て、周辺部22から貫通コンデンサ10に向かって突出している。突起部21には、たとえば、開口23が形成されている。開口23は、第一方向D1で、突起部21を貫通している。開口23は、第一方向D1から見て、たとえば、突起部21の中央領域に位置している。
貫通コンデンサ10は、第二電極15が端子導体20に電気的に接続されるように配置されている。本実施形態では、貫通コンデンサ10は、突起部21が第二電極15と接するように、端子導体20によって支持されている。端子導体20は、たとえば、接地される。突起部21と第二電極15とは、たとえば、はんだを介して接続される。端子導体20は、表面20aを有し、貫通コンデンサユニット1の表面1aは、表面20aを含んでいる。
端子導体20は、第一方向D1から見て、たとえば、矩形状を呈している。本明細書での「矩形状」は、たとえば、各角が面取りされている形状、及び、各角が丸められている形状を含む。端子導体20は、たとえば、導電性金属材料からなる。端子導体20を構成する導電性金属材料は、たとえば、Fe、Cu、又はCu-Zn合金(真鍮)を含んでいる。
貫通導体30は、貫通孔16に挿通されていると共に、第一電極12電気的に接続されている。本実施形態では、貫通コンデンサユニット1は、二つの貫通導体30と、二つの電極接続体31とを有している。貫通導体30は、貫通部32と、タブ部33と、かしめ34とを含んでいる。貫通部32は、導電体からなり、第一方向D1から見て、たとえば、円柱形状を呈している。タブ部33は、タブ接続子として機能する。かしめ34は、貫通部32とタブ部33とを電気的かつ物理的に接続する。
一方の貫通導体30は、導体13に電気的に接続されている。一方の貫通導体30では、貫通部32は、電極接続体31、貫通孔17及び開口23に挿通される。一方の電極接続体31は、タブ部33及びかしめ34と、導体13との間に配置されている。一方の電極接続体31は、タブ部33及びかしめ34と、導体13とを電気的に接続している。
他方の貫通導体30は、導体14に電気的に接続されている。他方の貫通導体30では、貫通部32は、電極接続体31、貫通孔18及び開口23に挿通される。他方の電極接続体31は、タブ部33及びかしめ34と、導体14との間に配置されている。他方の電極接続体31は、タブ部33及びかしめ34と、導体14とを電気的に接続している。
貫通コンデンサユニット1は、被覆材35を有している。被覆材35は、貫通導体30を被覆していると共に、電気絶縁性を有する。被覆材35は、外側面35aを有しており、貫通コンデンサユニット1の表面1aは、被覆材35の外側面35aを含んでいる。本実施形態では、貫通コンデンサユニット1は、二つの被覆材35を有している。一方の被覆材35は、一方の貫通導体30の側面を覆っており、他方の被覆材35は、他方の貫通導体30の側面を覆っている。被覆材35は、絶縁性ゴムを含んでいる。被覆材35を構成する絶縁性ゴムは、たとえば、シリコーンゴムを含んでいる。
本実施形態では、一方の貫通導体30のうち、被覆材35に覆われた領域が、貫通孔17及び開口23に挿通されている。他方の貫通導体30のうち、被覆材35に覆われた領域が、貫通孔18及び開口23に挿通されている。貫通導体30は、たとえば、貫通コンデンサ10への給電端子として機能する。高電圧貫通型コンデンサHC1が、たとえば、マグネトロンに使用された場合、端子導体20は接地され、貫通導体30に高電圧が印加される。貫通導体30を通るノイズは、貫通コンデンサ10のフィルタ作用によって吸収される。貫通導体30は、たとえば、導電性金属材料からなる。貫通導体30を構成する導電性金属材料は、たとえば、Fe、Cu、又はCu-Zn合金(真鍮)を含んでいる。
高電圧貫通型コンデンサHC1は、筐体40,50を備えている。筐体40,50は、たとえば、中空の筒状を呈しており、貫通コンデンサユニット1を収容している。筐体40は、第一方向D1で、端子導体20を挟んで筐体50の反対側に配置されている。筐体40は、筐体50より上方に配置されている。第二方向D2及び第三方向D3から見て、筐体40は、たとえば、突起部21,貫通コンデンサ10、電極接続体31、貫通部32のうち貫通孔16に挿入されている部分、かしめ34、及びタブ部33を囲んでいる。筐体40は、端子導体20に物理的に接続されている。筐体40は、たとえば、当該筐体40の内側面のうち下端部に位置する面が突起部21の外側面に接するように、端子導体20に接続されている。筐体40下端面は、たとえば、周辺部22の上面に接している。
筐体50は、端子導体20に物理的に接続されている。第二方向D2及び第三方向D3から見て、筐体50は、たとえば、貫通導体30のうち貫通孔16に挿入されていない部分を囲んでいる。筐体50は、たとえば、当該筐体50の外側面のうち上端部に位置する面が突起部21の内側面に接するように、端子導体20に接続されている。
筐体40,50は、絶縁材料からなる。筐体40,50は、同一の材料を含んでいてもよい。筐体40,50を構成する絶縁材料は、たとえば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又は変性メラミンを含んでいる。筐体40,50を構成する絶縁材料には、無機物が含まれていてもよい。筐体40,50に含まれる無機物は、たとえば、ガラス粉及びセラミック粉を有している。ガラス粉は、たとえば、工業用ガラス粉を含んでいる。セラミック粉は、たとえば、SiO粉、Al粉、タルク(MgSi10(OH))、窒化アルミニウム(AlN)、若しくは窒化ケイ素(Si)、又は、これらの混合物を含んでいる。
高電圧貫通型コンデンサHC1は、樹脂2を備えている。樹脂2は、筐体40の内側に充填され、貫通コンデンサユニット1を覆っている。筐体40の内側に充填される樹脂2は、貫通コンデンサユニット1の表面1aを覆っている。樹脂2は、筐体40と、貫通コンデンサ10、電極接続体31、タブ部33、かしめ34、及び突起部21との間に配置されている。樹脂2は、筐体40と、貫通コンデンサ10、電極接続体31、タブ部33、かしめ34、及び突起部21との間を埋めている。樹脂2は、溝19をも覆っている。樹脂2の上端縁は、かしめ34が埋まるような高さに達しており、樹脂2の下端縁は、突起部21に達している。本明細書では、樹脂2の第一方向D1での両端縁のうち、上方に位置する端縁が上端縁であり、下方に位置する端縁が下端縁である。
本実施形態では、樹脂2は、筐体50の内側にも充填され、貫通コンデンサユニット1を覆っている。筐体50の内側に充填される樹脂2は、貫通コンデンサユニット1の表面1aを覆っている。樹脂2は、筐体50と、突起部21、内壁面16a、及び被覆材35との間に配置されている。樹脂2は、筐体50と、突起部21、内壁面16a、及び被覆材35との間を埋めている。樹脂2の上端縁は、電極接続体31の下面に達しており、樹脂2の下端縁は、たとえば、周辺部22の下面より下方に位置している。図1において、樹脂2のハッチングは省略されている。
樹脂2は、絶縁材料からなる。樹脂2を構成する絶縁材料は、たとえば、熱硬化性樹脂を含んでいる。樹脂2を構成する熱硬化性樹脂は、たとえば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、又はシリコーン樹脂を含んでいる。筐体40の内側に充填される樹脂2と、筐体50の内側に充填される樹脂2とでは、含有される材料が互いに異なっていてもよい。したがって、たとえば、筐体40の内側に充填される樹脂2が、エポキシ樹脂を含み、筐体50の内側に充填される樹脂2が、シリコーン樹脂を含んでいてもよい。筐体40の内側に充填される樹脂2と、筐体50の内側に充填される樹脂2とが、エポキシ樹脂を含んでいてもよい。
本実施形態では、貫通コンデンサユニット1の表面1aと、樹脂2の表面2aとを化学的に結合する結合構造5が設けられている。結合構造5は、たとえば、表面1aと表面2aとの間に設けられている。表面1aは、結合構造5を介して、表面2aと結合している。表面2aは、結合構造5を介して、表面1aと結合される面である。
樹脂2は、内壁面16aを覆っており、結合構造5は、内壁面16aと表面2aとを化学的に結合している。樹脂2は、外側面35aを覆っており、結合構造5は、外側面35aと表面2aとを化学的に結合している。樹脂2は、表面20aを覆っており、結合構造5は、表面20aと表面2aとを化学的に結合している。樹脂2は、壁面19aを覆っており、結合構造5は、壁面19aと表面2aとを化学的に結合している。樹脂2は、側壁面11cを覆っており、結合構造5は、側壁面11cと表面2aとを化学的に結合している。表面1aは、素体11において側壁面11cを含んでいる。樹脂2は、第一及び第二電極12,15をも覆っており、結合構造5は、第一及び第二電極12,15と表面2aとを化学的に結合している。表面1aは、第一及び第二電極12,15の表面を含んでいる。
以下、図3~5を参照しながら、結合構造5について説明する。結合構造5は、表面1aと表面2aとにそれぞれ化学的に結合しており、この結果、表面1aと表面2aとが、結合構造5によって化学的に結合されている。結合構造5は、たとえば、シランカップリング剤、ホスホン酸誘導体、及びキレート錯体の少なくともいずれか一つによって設けられる。図3~5における各結合は、結合構造5での化学的な結合の一例である。
図3に示されるように、シランカップリング剤による結合構造5は、ケイ素(Si)原子を含んでいる。表面1aと表面2aとは、シランカップリング剤に由来するケイ素原子を介して化学的に結合されている。シランカップリング剤は、たとえば、下記一般式(1)で表される化学構造を有している。
Figure 2023016193000002

上記一般式(1)において、Y基は、たとえば、アミノ基、エポキシ基、メタクリル基、ビニル基、又はメルカプト基である。R基は、たとえば、CH基又はC基である。OR基は、たとえば、OCH基、OC基、又はOCOCH基である。上記一般式(1)において、「n」は、0~2の整数であり、OR基中の「О」は、酸素原子である。
シランカップリング剤による結合構造5では、シランカップリング剤を樹脂2に導入した後に、たとえば、シランカップリング剤と樹脂2とに対して加水分解と加熱とを行うことによって、結合構造5が、表面1aと化学的に結合される。シランカップリング剤は、たとえば、表面1aへの付与または樹脂2への混合により導入される。シランカップリング剤のOR基は、加水分解と加熱とによって、たとえば、表面1aに存在する水酸基と化学反応する。シランカップリング剤のOR基と貫通コンデンサユニット1の水酸基との化学反応によって、シランカップリング剤に由来するケイ素原子は、表面1aの酸素原子との間に共有結合を形成する。結合構造5と表面1aとは、シランカップリング剤に由来するケイ素原子を介して、化学的に結合される。
結合構造5と表面2aとの化学的な結合は、たとえば、シランカップリング剤のY基と、樹脂2を構成する原子団との間における化学反応及び分子間相互作用の少なくともいずれか一つによって生じる。Y基と、樹脂2を構成する原子団との化学反応は、たとえば、Y基が、樹脂2を構成する分子と化学反応する原子団を含んでいる場合に生じる。たとえば、Y基が、嵩高い原子団を含んでいる場合、Y基と、樹脂2を構成する原子団との分子間相互作用が生じる。Y基が嵩高い原子団を含んでいる場合には、Y基の立体障害が、シランカップリング剤の化学反応性を有する原子団と、樹脂2の化学反応性を有する原子団との距離を長くする。このため、シランカップリング剤は、樹脂2と化学反応しがたく、結合構造5と表面2aとの化学的な結合は、上記分子間相互作用に支配されやすい。図3において、「Q」は、Y基に由来する原子団(基)を示し、「R」は、表面2aを構成する分子の一部、たとえば、反応性官能基に由来する原子団を示している。Q基とR基とが化学的に結合することによって、結合構造5と表面2aとの化学的な結合が形成される。Q基は、ケイ素原子と共有結合しており、この結果、結合構造5と表面2aとは、シランカップリング剤に由来するケイ素原子を介して、化学的に結合される。本実施形態では、Y基は、樹脂2を構成する分子に合わせて変更され得る。たとえば、樹脂2がエポキシ樹脂である場合には、Y基がアミノ基、エポキシ基、及びカルボニル基の少なくともいずれか一つを有するシランカップリング剤が用いられる。結合構造5と表面2aとの化学的な結合においては、シランカップリング剤に由来するケイ素原子と、R基とは、直に共有結合してもよい。この場合も、結合構造5と表面2aとは、シランカップリング剤に由来するケイ素原子を介して、化学的に結合される。
シランカップリング剤による結合構造5の形成に際しては、たとえば、シランカップリング剤を表面1aに塗布した後に、樹脂2で表面1aを覆い、続いて、シランカップリング剤と樹脂2とに対して化学及び熱処理を行ってもよい。たとえば、シランカップリング剤を樹脂2内に混合させた後に、樹脂2で表面1aを覆い、続いて、シランカップリング剤と樹脂2とに対して化学及び熱処理を行ってもよい。
図4に示されるように、ホスホン酸誘導体による結合構造5は、リン(P)原子を含んでいる。表面1aと表面2aとは、ホスホン酸誘導体に由来するリン原子を介して化学的に結合されている。ホスホン酸誘導体は、たとえば、下記一般式(2)で表される化学構造を有している。
Figure 2023016193000003

上記一般式(2)において、R基は、たとえば、鎖状又は環状の炭素鎖を含むアルキル基である。二つのOR基において、たとえば、少なくともいずれか一つのOR基は、水酸基である。OR基中の「О」は、酸素原子である。
ホスホン酸誘導体による結合構造5では、たとえば、ホスホン酸誘導体を樹脂2に導入した後に、樹脂2に対して加水分解と加熱とを行うことによって形成される。ホスホン酸誘導体は、たとえば、表面1aへの付与または樹脂2への混合により導入される。ホスホン酸誘導体のOR基は、加水分解と加熱とによって、たとえば、表面1aに存在する水酸基と化学反応する。表面1aに存在する水酸基は、たとえば、ホスホン酸誘導体から供給されたプロトンによっても産出され得る。ホスホン酸誘導体のOR基と貫通コンデンサユニット1の水酸基との化学反応によって、ホスホン酸誘導体に由来するリン原子は、表面1aに存在する酸素原子との間に共有結合を形成する。結合構造5と表面1aとは、ホスホン酸誘導体に由来するリン原子を介して、化学的に結合される。
結合構造5と表面2aとの化学的な結合は、たとえば、ホスホン酸誘導体のR基と、樹脂2を構成する原子団との間における化学反応及び分子間相互作用の少なくともいずれか一つによって、結合構造5が、表面2aと化学的に結合される。R基と、樹脂2を構成する原子団との化学反応は、たとえば、R基が、樹脂2を構成する原子団と化学反応する原子団を含んでいる場合に生じる。たとえば、R基が、嵩高い原子団を含んでいる場合、R基と、樹脂2を構成する原子団との分子間相互作用が生じる。R基が嵩高い原子団を含んでいる場合には、R基の立体障害が、ホスホン酸誘導体の化学反応性を有する原子団と、樹脂2の化学反応性を有する原子団との距離を長くする。このため、ホスホン酸誘導体は、樹脂2と化学反応しがたく、結合構造5と表面2aとの化学的な結合は、上記分子間相互作用に支配されやすい。図4において、「Q」は、R基に由来する原子団を示し、「R」は、表面2aを構成する分子の一部、たとえば、反応性官能基に由来する原子団を示している。Q基とR基とが化学的に結合することによって、結合構造5と表面2aとの化学的な結合が形成される。Q基は、リン原子と共有結合しており、この結果、結合構造5と表面2aとは、ホスホン酸誘導体に由来するリン原子を介して、化学的に結合される。結合構造5と表面2aとの化学的な結合においては、ホスホン酸誘導体に由来するリン原子と、R基とは、直に共有結合してもよい。この場合も、結合構造5と表面2aとは、ホスホン酸誘導体に由来するリン原子を介して、化学的に結合される。
ホスホン酸誘導体による結合構造5の形成に際しては、たとえば、ホスホン酸誘導体を表面1aに塗布した後に、樹脂2で表面1aを覆い、続いて、ホスホン酸誘導体と樹脂2とに対して化学及び熱処理を行ってもよい。たとえば、ホスホン酸誘導体を樹脂2内に混合させた後に、樹脂2で表面を覆い、続いて、ホスホン酸誘導体と樹脂2とに対して化学及び熱処理を行ってもよい。
図5に示されるように、キレート錯体による結合構造5は、中心金属原子を含んでいる。表面1aと表面2aとは、キレート錯体に由来する中心金属原子を介して化学的に結合されている。キレート錯体は、たとえば、下記一般式(3)で表される化学構造を有している。キレート錯体では、配位子が中心金属原子に配位結合している。下記一般式(3)及び図5において、破線で表示された結合が、配位結合を示している。
Figure 2023016193000004

上記一般式(3)において、R基は、たとえば、C(CH)CHC(OC)基である。OR基は、たとえば、OC基であり、OR基中の「О」は、酸素原子である。上記一般式(3)では、中心金属原子は、たとえば、Alである。中心金属原子は、Al以外の金属原子、たとえば、Co、Fe、又はTiであってもよい。
キレート錯体による結合構造5では、たとえば、キレート錯体を樹脂2に導入した後に、樹脂2に対して加水分解と加熱とを行うことによって、結合構造5が、表面1aと化学的に結合される。キレート錯体は、たとえば、表面1aへの付与または樹脂2への混合により導入される。キレート錯体のOR基は、加水分解と加熱とによって、たとえば、表面1aに存在する水酸基と化学反応する。キレート錯体のOR基と貫通コンデンサユニット1の水酸基との化学反応によって、キレート錯体に由来する中心金属原子は、表面1aに存在する酸素原子との間に共有結合を形成する。結合構造5と表面1aとは、キレート錯体に由来する中心金属原子を介して、化学的に結合される。
結合構造5と表面2aとの化学的な結合は、たとえば、キレート錯体のR基と、樹脂2を構成する原子団との間における化学反応及び分子間相互作用の少なくともいずれか一つによって生じる。R基と、樹脂2を構成する原子団との化学反応は、たとえば、R基が、樹脂2を構成する原子団と化学反応する原子団を含んでいる場合に生じる。たとえば、R基が、嵩高い原子団を含んでいる場合、R基と、樹脂2を構成する原子団との分子間相互作用が生じる。R基が嵩高い原子団を含んでいる場合には、R基の立体障害が、キレート錯体の化学反応性を有する原子団と、樹脂2の化学反応性を有する原子団との距離を長くする。このため、キレート錯体は、樹脂2と化学反応しがたく、結合構造5と表面2aとの化学的な結合は、上記分子間相互作用に支配されやすい。図5において、「Q」は、R基に由来する原子団を示し、「R」は、表面2aを構成する分子の一部、たとえば、反応性官能基に由来する原子団を示している。Q基とR基とが化学的に結合することによって、結合構造5と表面2aとの化学的な結合が形成される。Q基は、中心金属原子と共有結合しており、この結果、結合構造5と表面2aとは、キレート錯体に由来する中心金属原子を介して、化学的に結合される。結合構造5と表面2aとの化学的な結合においては、キレート錯体に由来する中心金属原子と、R基とは、直に共有結合してもよい。この場合も、結合構造5と表面2aとは、キレート錯体に由来する中心金属原子を介して、化学的に結合される。
キレート錯体による結合構造5に際しては、たとえば、キレート錯体を表面1aに塗布した後に、樹脂2で表面1aを覆い、続いて、キレート錯体と樹脂2とに対して化学及び熱処理を行ってもよい。たとえば、キレート錯体を樹脂2内に混合させた後に、樹脂2で表面1aを覆い、続いて、キレート錯体と樹脂2とに対して化学及び熱処理を行ってもよい。
以上説明したように、高電圧貫通型コンデンサHC1は、互いに対向している第一及び第二主面11a,11bを含むと共に第一及び第二主面11a,11bとに開口する貫通孔16が形成されている素体11と、第一及び第二主面11a,11b上にそれぞれ形成されている第一及び第二電極12,15と、貫通孔16に挿通されていると共に第一電極12に電気的に接続されている貫通導体30と、第二電極15に電気的に接続されている端子導体20とを有している貫通コンデンサユニット1と、貫通コンデンサユニット1を覆っている樹脂2と、を備えている。貫通コンデンサユニット1の表面1aと、樹脂2の表面2aとを化学的に結合する結合構造5が設けられている。
高電圧貫通型コンデンサHC1では、貫通コンデンサユニット1が樹脂2に覆われている構成おいて、表面1aと表面2aとを化学的に結合する結合構造5が設けられている。結合構造5での化学的な結合は、たとえば、貫通コンデンサユニットの表面の粗さに起因したアンカー効果による、貫通コンデンサユニットの表面と樹脂の表面との結合よりも強い。したがって、高電圧貫通型コンデンサHC1は、貫通コンデンサユニット1と樹脂2との強い結合を確実に実現する。高電圧貫通型コンデンサHC1は、より一層高い信頼性を有する。
本実施形態では、貫通コンデンサユニット1の表面1aは、素体11において、貫通孔16を画成する内壁面16aを含んでいる。結合構造5は、貫通孔16を画成する内壁面16aと、樹脂2の表面2aとを化学的に結合している。この場合、内壁面16aと表面2aとの結合が強い。したがって、高電圧貫通型コンデンサHC1は、内壁面16aと樹脂2との強い結合を確実に実現する。
本実施形態では、貫通コンデンサユニット1は、貫通導体30を被覆していると共に電気絶縁性を有する被覆材35を有し、貫通コンデンサユニット1の表面1aは、被覆材35の外側面35aを含んでいる。結合構造5は、被覆材35の外側面35aと、樹脂2の表面2aとを化学的に結合している。この場合、外側面35aと表面2aとの結合が強い。したがって、高電圧貫通型コンデンサHC1は、外側面35aと樹脂2との強い結合を確実に実現する。
本実施形態では、貫通コンデンサユニット1の表面1aは、端子導体20の表面20aを含んでいる。結合構造5は、端子導体20の表面20aと、樹脂2の表面2aとを化学的に結合している。この場合、表面20aと表面2aとの結合が強い。したがって、高電圧貫通型コンデンサHC1は、表面20aと樹脂2との強い結合を確実に実現する。
本実施形態では、第一電極12は、第一主面11a上で互いに離間している一対の導体13,14を含み、素体11には、一対の導体13,14の間に溝19が形成されており、貫通コンデンサユニット1の表面1aは、素体11において、溝19を画成する壁面19aを含んでいる。結合構造5は、溝19を画成する壁面19aと、樹脂2の表面2aとを化学的に結合している。この場合、壁面19aと表面2aとの結合が強い。したがって、高電圧貫通型コンデンサHC1は、壁面19aと樹脂2との強い結合を確実に実現する。
本実施形態において、結合構造5では、貫通コンデンサユニット1の表面1aと樹脂2の表面2aとは、シランカップリング剤に由来するケイ素原子を介して、化学的に結合されている。この場合、表面1aと表面2aとの結合が、たとえば、ケイ素原子を介する共有結合によって行われる。したがって、高電圧貫通型コンデンサHC1は、貫通コンデンサユニット1と樹脂2との強い結合をより確実に実現する。
本実施形態では、シランカップリング剤は、貫通コンデンサユニット1の表面1aへの付与または樹脂2への混合により導入されている。この場合、表面1aと表面2aとの化学的な結合が、ケイ素原子によって更に確実に形成される。したがって、高電圧貫通型コンデンサHC1は、貫通コンデンサユニット1と樹脂2との強い結合を更により確実に実現する。
本実施形態において、結合構造5では、貫通コンデンサユニット1の表面1aと樹脂2の表面2aとは、ホスホン酸誘導体に由来するリン原子を介して、化学的に結合されている。この場合、表面1aと表面2aとの結合が、たとえば、リン原子を介する共有結合によって行われる。したがって、高電圧貫通型コンデンサHC1は、貫通コンデンサユニット1と樹脂2との強い結合をより確実に実現する。
本実施形態では、ホスホン酸誘導体は、貫通コンデンサユニット1の表面1aへの付与または樹脂2への混合により導入されている。この場合、表面1aと表面2aとの化学的な結合が、リン原子によって更に確実に形成される。したがって、高電圧貫通型コンデンサHC1は、貫通コンデンサユニット1と樹脂2との強い結合を更により確実に実現する。
本実施形態において、結合構造5では、貫通コンデンサユニット1の表面1aと樹脂2の表面2aとは、キレート錯体に由来する中心金属原子を介して、化学的に結合されている。この場合、表面1aと表面2aとの結合が、たとえば、中心金属原子を介する共有結合によって行われる。したがって、高電圧貫通型コンデンサHC1は、貫通コンデンサユニット1と樹脂2との強い結合をより確実に実現する。
本実施形態では、キレート錯体は、貫通コンデンサユニット1の表面1aへの付与または樹脂2への混合により導入されている。この場合、表面1aと表面2aとの化学的な結合が、中心金属原子によって更に確実に形成される。したがって、高電圧貫通型コンデンサHC1は、貫通コンデンサユニット1と樹脂2との強い結合を更により確実に実現する。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
高電圧貫通型コンデンサHC1では、結合構造5は、内壁面16aと表面2aとを化学的に結合していなくてもよい。結合構造5が内壁面16aと表面2aとを化学的に結合している構成では、上述したように、内壁面16aと表面2aとの結合が強い。したがって、本構成は、内壁面16aと樹脂2との強い結合を確実に実現する。
高電圧貫通型コンデンサHC1では、結合構造5は、外側面35aと表面2aとを化学的に結合していなくてもよい。結合構造5が外側面35aと表面2aとを化学的に結合している構成では、上述したように、外側面35aと表面2aとの結合が強い。したがって、本構成は、外側面35aと樹脂2との強い結合を確実に実現する。
高電圧貫通型コンデンサHC1では、結合構造5は、表面20aと表面2aとを化学的に結合していなくてもよい。結合構造5が表面20aと表面2aとを化学的に結合している構成では、上述したように、表面20aと表面2aとの結合が強い。したがって、本構成は、表面20aと樹脂2との強い結合を確実に実現する。
高電圧貫通型コンデンサHC1では、結合構造5は、壁面19aと表面2aとを化学的に結合していなくてもよい。結合構造5が壁面19aと表面2aとを化学的に結合している構成では、上述したように、壁面19aと表面2aとの結合が強い。したがって、本構成は、壁面19aと樹脂2との強い結合を確実に実現する。
1…貫通コンデンサユニット、1a…表面、2…樹脂、2a…表面、5…結合構造、11…素体、11a…第一主面、11b…第二主面、12…第一電極、13…導体、14…導体、15…第二電極、16…貫通孔、16a…内壁面、19…溝、19a…壁面、20…端子導体、20a…表面、30…貫通導体、35…被覆材、35a…外側面、HC1…高電圧貫通型コンデンサ。

Claims (11)

  1. 互いに対向している第一及び第二主面を含むと共に前記第一及び第二主面とに開口する貫通孔が形成されている素体と、前記第一及び第二主面上にそれぞれ形成されている第一及び第二電極と、前記貫通孔に挿通されていると共に前記第一電極に電気的に接続されている貫通導体と、前記第二電極に電気的に接続されている端子導体とを有している貫通コンデンサユニットと、
    前記貫通コンデンサユニットを覆っている樹脂と、を備え、
    前記貫通コンデンサユニットの表面と、前記樹脂の表面とを化学的に結合する結合構造が設けられている、高電圧貫通型コンデンサ。
  2. 前記貫通コンデンサユニットの前記表面は、前記素体において、前記貫通孔を画成する内壁面を含み、
    前記結合構造は、前記貫通孔を画成する前記内壁面と、前記樹脂の前記表面とを化学的に結合している、請求項1に記載の高電圧貫通型コンデンサ。
  3. 前記貫通コンデンサユニットは、前記貫通導体を被覆していると共に電気絶縁性を有する被覆材を更に有し、
    前記貫通コンデンサユニットの前記表面は、前記被覆材の外側面を含み、
    前記結合構造は、前記被覆材の前記外側面と、前記樹脂の前記表面とを化学的に結合している、請求項1又は2に記載の高電圧貫通型コンデンサ。
  4. 前記貫通コンデンサユニットの前記表面は、前記端子導体の表面を含み、
    前記結合構造は、前記端子導体の前記表面と、前記樹脂の前記表面とを化学的に結合している、請求項1~3のいずれか一項に記載の高電圧貫通型コンデンサ。
  5. 前記第一電極は、前記第一主面上で互いに離間している一対の導体を含み、
    前記素体には、前記一対の導体の間に溝が形成されており、
    前記貫通コンデンサユニットの前記表面は、前記素体において、前記溝を画成する壁面を含み、
    前記結合構造は、前記溝を画成する前記壁面と、前記樹脂の前記表面とを化学的に結合している、請求項1~4のいずれか一項に記載の高電圧貫通型コンデンサ。
  6. 前記結合構造では、前記貫通コンデンサユニットの前記表面と前記樹脂の表面とは、シランカップリング剤に由来するケイ素原子を介して、化学的に結合されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の高電圧貫通型コンデンサ。
  7. 前記シランカップリング剤は、前記貫通コンデンサユニットの前記表面への付与または前記樹脂への混合により導入されている、請求項6に記載の高電圧貫通型コンデンサ。
  8. 前記結合構造では、前記貫通コンデンサユニットの前記表面と前記樹脂の表面とは、ホスホン酸誘導体に由来するリン原子を介して、化学的に結合されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の高電圧貫通型コンデンサ。
  9. 前記ホスホン酸誘導体は、前記貫通コンデンサユニットの前記表面への付与または前記樹脂への混合により導入されている、請求項8に記載の高電圧貫通型コンデンサ。
  10. 前記結合構造では、前記貫通コンデンサユニットの前記表面と前記樹脂の表面とは、キレート錯体に由来する中心金属原子を介して、化学的に結合されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の高電圧貫通型コンデンサ。
  11. 前記キレート錯体は、前記貫通コンデンサユニットの前記表面への付与または前記樹脂への混合により導入されている、請求項10に記載の高電圧貫通型コンデンサ。
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