JP2023011419A - パネルの取付け構造 - Google Patents

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清一 原田
Seiichi Harada
春樹 古河
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Abstract

【課題】パネルの施工性が向上しやすいパネルの取付け構造を提供する。【解決手段】パネル1と、横架材3と、自重受け具4とを備えている。横架材3は建物躯体2に固定され、建物躯体2から突出する台座部30を有している。自重受け具4は、固定部材41と、支持部材42と、高さ調整ボルト43と、を有している。固定部材41は、パネル1に固定され、パネル1の後方に突出するボルト保持部411を有している。支持部材42は、固定部材41とは別体で形成され、ボルト支持部421を有し、台座部30に引っ掛けて固定されている。ボルト支持部421はボルト保持部411と対向している。高さ調整ボルト43は、固定部材41に設けられ、ボルト保持部411を貫通し、先端がボルト支持部421に当たった状態である。そして、パネル1は、自重受け具4により、横架材3に対して取り付けられている。【選択図】図1

Description

本開示は、パネルの取付け構造に関する。より詳細には、建物躯体へのパネルの取付け構造に関する。
特許文献1には、サンドイッチパネルの取付け構造が記載されている。この取付け構造では、サンドイッチパネルに支持具が取り付けられており、支持具には高さ調整ボルトが設けられている。高さ調整ボルトは、下端が支持台の上に載せられている。支持台は、壁下地に固定したL型アングルである。そして、支持具からの高さ調整ボルトの突出長さを調整することにより、支持台に対するサンドイッチパネルの上下方向の位置を変更することができ、この結果、壁下地に対するサンドイッチパネルの高さを調整することができる。
特開2018-003435号公報
しかし、特許文献1では、支持台が壁下地の固定部に溶接で固定されているので、施工性が低下することがあった。
本開示は、パネルの施工性が向上しやすいパネルの取付け構造を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係るパネルの取付け構造は、パネルと、建物躯体に固定される横架材と、前記横架材に対して前記パネルを取り付ける自重受け具と、を備える。前記横架材は、前記建物躯体から突出する台座部を有する。前記自重受け具は、前記パネルに固定される固定部材と、前記固定部材とは別体で形成され、前記台座部に引っ掛けて固定される支持部材と、高さ調整ボルトと、を有する。前記固定部材は、前記パネルの後方に突出するボルト保持部を有する。前記支持部材は、前記ボルト保持部と対向するボルト支持部を有する。前記高さ調整ボルトは、前記ボルト保持部を貫通し、先端がボルト支持部に当たった状態で高さ位置が調整されている。
本開示によれば、パネルの施工性が向上しやすい、という利点がある。
図1A及びBは、本実施形態に係るパネルの取付け構造を示し、パネルの幅方向の中央部における上下パネル間の断面図である。 図2A及びBは、本実施形態に係るパネルの取付け構造を示し、パネルの幅方向の側部における上下パネル間の断面図である。 図3Aは、本実施形態に係るパネルの取付け構造で使用する自重受け具を示す斜視図である。図3Bは、同上の固定部材と支持部材とが分離した状態を示す斜視図である。 図4は、本実施形態に係るパネルの取付け構造で使用する下係止部材を示す斜視図である。 図5Aは、本実施形態に係るパネルの取付け構造で使用する長尺目地プレートを示す平面図である。図5Bは、同上の側面図である。図5Cは、同上の背面図である。図5Dは、同上の正面図である。図5Eは、同上の底面図である。 図6Aは、本実施形態に係るパネルの取付け構造で使用する短尺目地プレートを示す平面図である。図6Bは、同上の側面図である。図6Cは、同上の背面図である。図6Dは、同上の正面図である。図6Eは、同上の底面図である。 図7は、本実施形態に係るパネルの取付け構造を示す斜視図である。 図8Aは、本実施形態に係るパネルの取付け構造を示し、パネルの幅方向の側部の上下パネル間における断面図である。図8Bは、本実施形態に係るパネルの取付け構造を示し、パネルの幅方向の側部の腰壁における断面図である。 図9は、本実施形態に係るパネルの取付け構造を示し、パネルの幅方向の側部における腰壁の斜視図である。 図10A及びBは、本実施形態に係るパネルの取付け構造を示し、パネルの幅方向の中央部における腰壁の断面図である。 図11A及びBは、本実施形態に係るパネルの取付け構造を示し、パネルの幅方向の側部における腰壁の断面図である。 図12A~Eは、本実施形態に係るパネルの取付け構造で使用する下係止部材を示す概略図である。 図13は、本実施形態に係るパネルの取付け構造を示し、目地部分の概略図である。 図14は、本実施形態に係るパネルの取付け構造を示す上下パネル間の斜視図である。 図15は、本実施形態に係るパネルの取付け構造を示す上下パネル間の斜視図である。
(実施形態1)
(1)概要
本実施形態に係るパネル1の取付け構造は、パネル1と、横架材3と、自重受け具4とを備えている(図1A及び図1B参照)。横架材3は建物躯体2に固定され、建物躯体2から突出する台座部30を有している。自重受け具4は、固定部材41と、支持部材42と、高さ調整ボルト43と、を有している。固定部材41は、パネル1に固定され、パネル1の後方に突出するボルト保持部411を有している。支持部材42は、固定部材41とは別体で形成され、ボルト支持部421を有し、台座部30に引っ掛けて固定されている。ボルト支持部421はボルト保持部411と対向している。高さ調整ボルト43は、固定部材41に設けられ、ボルト保持部411を貫通し、先端がボルト支持部421に当たった状態である。そして、パネル1は、自重受け具4により、横架材3に対して取り付けられている。
本実施形態に係るパネル1の取付け構造では、支持部材42が台座部30に引っ掛って固定されているため、自重受け具4を横架材3に固定するにあたって、溶接などの固定方法を使用する必要がない。従って、自重受け具4を横架材3に固定する手間が軽減され、パネル1の施工性が向上しやすい。
本実施形態では、固定部材41が、パネル1に固定される固着部412をさらに有し、支持部材42が、固着部412と台座部30とで挟まれる取付部422をさらに有している。そして、支持部材42は横架材3に対して溶接及びビス止めされていない。この場合、溶接及びビス止めの固定作業を支持部材42に対して行う必要がなく、自重受け具4を横架材3に固定する手間が軽減され、パネル1の施工性が向上しやすい。
なお、本実施形態は、独自の接合によるロッキング(パネルの回転)機構が採用されているので、地震時の揺れが吸収され、建物層間変形に追随する。
(2)詳細
本実施形態に係るパネル1の取付け構造は、パネル1と、横架材3と、自重受け具4とを備えている。以下では、横架材3の長手方向を左右方向とし、横架材3に対してパネル1が位置する側を前方とし、その反対側を後方とし、この左右方向及び前後方向に対して直交する方向を上下方向として、各構成について詳しく説明する。
<パネル>
パネル1は、図1A、図1B、図2A及び図2Bに示すように、横架材3に複数取り付けられて建物の外壁を形成するパネルである。パネル1は、一対の金属外皮10,11と、一対の金属外皮10,11の間に位置する芯材12と、を有するサンドイッチパネルである。
パネル1は、前方から見て矩形板状である。パネル1は、上下方向と平行な長手方向と、左右方向と平行な短手方向と、前後方向と平行な厚み方向とを有する。パネル1は、例えば、上下方向の長さが、0.5~6.0mであり、左右方向の長さ(幅)が、0.2~1.5mであり、前後方向の長さ(厚み)が、50~150mmである。
芯材12は、断熱性を有する本体部と、本体部の左右の端部に配置され、本体部よりも耐火性の高い耐火部とを含む。本体部は、例えば、ロックウールやグラスウールなどの繊維状無機材をバインダー等で固めた複数のブロック体を1枚の矩形板状に並べたものである。耐火部は、例えば、石膏ボードや、珪酸カルシウムボードであり、本体部の左右の端部に設けた凹部内に配置される。なお、本体部は、ウレタンフォーム、フェノールフォーム等の発泡系の有機材で形成されてもよいし、スチレンボード、ウレタンボード等であってもよい。
一対の金属外皮10,11のそれぞれは、金属板をロール加工やプレス加工などにより所望の形状に成形することによって得られる。金属板は、例えば、厚みが0.25~2.0mmである。金属板は、塗装鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、エスジーエル(登録商標)鋼板等であるが、これらに限定されない。
一対の金属外皮10,11のうち、前側に位置する金属外皮10は、後側に向けて開口した矩形の箱状である。金属外皮10は、芯材12の前面を覆う矩形板状の本体部100と、芯材12の上面の前側の部分を覆う上壁部101と、芯材12の下面の前側の部分を覆う下壁部103と、芯材12の左右の側面の前側の部分を覆う左右の側壁部と、を有する。一対の金属外皮10,11のうち、後側に位置する金属外皮11は、芯材12の後面を覆う矩形板状の本体部110と、芯材12の左右の側面の後側の部分を覆う左右の側壁部と、を有する。なお、金属外皮11は、芯材12の上面や下面を覆う部分を有さない。金属外皮10,11のそれぞれは、本体部100,110が芯材12の前後の面に接着されて、芯材12と一体化している。
<横架材>
図1、2に示すように、横架材(定規アングル(通し))3は、建物躯体2に固定されているものであり、本実施形態では、側面視L字状のアングル材である。横架材3は、鋼製である。横架材3は、台座部30と、台座部30の下端部から後側に延びた横板部31と、を有する。台座部30は横板部31から略垂直に突出する板状に形成され、その厚み(前後方向の長さ)は、例えば、10mm未満であって、好ましくは、6~9mm程度である。
建物躯体2は、建物の構造体であって、例えば、柱、梁、土台、床、腰壁などを例示することができる。横架材3は、横板部31が建物躯体2に埋められた下地金具21にボルト、ビス又は溶接などの手段で固定される。これにより、台座部30が建物躯体2の表面から突出した状態となる。例えば、横板部31が建物躯体2の上面に露出した下地金具21に固定された場合、台座部30が建物躯体2の上面から上方に突出した状態となる。
<自重受け具>
自重受け具4は、パネル1の重量を受けるための金具である。パネル1は、後面に自重受け具4が設けられた状態で横架材3に取り付けられる。また自重受け具4は、取り付け後のパネル1の幅方向(左右方向)の略中央部に設けられている。さらに自重受け具4は、取り付け後のパネル1の下部に設けられている。自重受け具4は、固定部材41と、支持部材42と、高さ調整ボルト43と、ナット44と、を有している。固定部材41と支持部材42とは、別体(別部材)で形成され、パネル1の取り付け前においては、固定部材41と支持部材42とは、分離している(図3B参照)。高さ調整ボルト43及びナット44は、パネル1の取り付け前及び取り付け後において、固定部材41に設けられている。
図3A及びBに示すように、固定部材41は、パネル1に固定される金具(例えば、鋼製)である。固定部材41は、ボルト保持部411と、固着部412と、受け部413と、を有している。
ボルト保持部411は、板状に形成され、パネル1の後方に突出している。ボルト保持部411は、パネル1の後面を構成する金属外皮11の本体部110の表面に対して略垂直に突出している。ボルト保持部411には高さ調整ボルト43が設けられている。高さ調整ボルト43は、ボルト保持部411を厚み方向で貫通する雌ねじ部(タップ切り部)414に結合している。また高さ調整ボルト43は、ボルト保持部411の上面に設けたナット44にも結合している。すなわち、高さ調整ボルト43は、ボルト保持部411を上下方向で貫通しており、高さ調整ボルト43の頭部は、ボルト保持部411及びナット44の上方に位置し、高さ調整ボルト43の先端(下端)は、ボルト保持部411の下方に位置している。高さ調整ボルト43の胴部は雌ねじ部414及びナットに結合している。
固着部412は、板状に形成され、パネル1の後面に沿って配置されている。固着部412は、ビス等の固定具で金属外皮11の本体部110に固定されている。固着部412は、ボルト保持部411の前端部から略垂直下方に突出するように形成されている。言い換えると、ボルト保持部411は固着部412の上端から後方に向かって略垂直に突出するように形成されている。
受け部413は、板状に形成され、パネル1の下面に沿って配置されている。受け部413は、ビス等の固定具で金属外皮10の下壁部103に固定されている。受け部413は、固着部412の下端部から略垂直前方に突出するように形成されている。言い換えると、固着部412は受け部413の後端から上方に向かって略垂直に突出するように形成されている。
支持部材42は、側面視L字状のアングル材である。支持部材42は、例えば、鋼製である。支持部材42は、ボルト支持部421を有し、ボルト支持部421の前端部から下方に向かって延びた取付部422と、を有している。支持部材42は、パネル1の取り付け後において、固定部材41の受け部413の下方で、かつ固着部412の後方に配置される。このとき、ボルト支持部421は、ボルト保持部411の下方に位置し、ボルト保持部411と対向している。また取付部422は、固着部412の後面に沿って配置されている。そして、固定部材41に設けられた高さ調整ボルト43は、先端がボルト支持部421に当たった状態になっている。このため、高さ調整ボルト43はボルト支持部421で下側から支持されている。なお、ボルト支持部421及び取付部422は板状に形成され、その厚みは、例えば、10mm未満であって、好ましくは、6~9mm程度である。
<上取付部材>
本実施形態に係るパネル1の取付け構造は、上取付部材5をさらに備えている。図2に示すように、上取付部材5は、上ベースプレート50とアッパープレート51とを備えている。
上ベースプレート50は、側面視L字状の部材である。上ベースプレート50は、例えば、金属外皮10,11よりも厚みの大きい鋼板を折り曲げて形成される。上ベースプレート50は、パネル1の後面の上端部に沿う第一片部501と、第一片部501の上端部から前方に延長され、パネル1の上面に沿う第二片部502と、を有する。第一片部501と第二片部502のそれぞれは、矩形板状である。第一片部501は、パネル1の金属外皮11の本体部110の上端部にビス等の固定具で固定されている。第二片部502は、その前端部がパネル1の金属外皮10の上壁部101にビス等の固定具で固定されている。第一片部501には、ボルト52が結合される固定孔が設けられている。
アッパープレート51は、矩形板状である。アッパープレート51は、例えば、金属外皮10,11よりも厚みの大きい鋼板で形成される。アッパープレート51は、その下部にボルト52が挿入される挿入孔が設けられている。アッパープレート51は、アッパープレート51の下部が上ベースプレート50の第一片部501にボルト52で固定され、アッパープレート51の上部がパネル1の上面よりも上方に突出している。アッパープレート51のうち、パネル1の上面よりも上方に突出する突出部分510は、横架材3に固定される部分である。ボルト52は、パネル1の金属外皮11の本体部110を貫通して、その先端部が芯材12に埋め込まれる。
上取付部材5は、一つのパネル1に対して複数設けられる。2つの上取付部材5を使用する場合、一方の上取付部材5は、パネル1の一方の側端面の近傍に設けられ、他方の上取付部材5は、パネル1の他方の側端面の近傍に設けられる。すなわち、パネル1の左右方向の両側端部のそれぞれに上取付部材5が配置されている。
<下係止部材>
本実施形態に係るパネル1の取付け構造は、下係止部材6をさらに備えている。下係止部材6は、下ベースプレート60とファスナー61とを備えている。
図4に示すように、下ベースプレート60は、側面視L字状の部材である。下ベースプレート60は、例えば、金属外皮10,11よりも厚みの大きい鋼板を折り曲げて形成される。下ベースプレート60は、パネル1の後面の下端部に沿う第一片部601と、第一片部601の下端部から前方に延長され、パネル1の下面に沿う第二片部602と、を有する。第一片部601と第二片部602のそれぞれは、矩形板状である。第一片部601は、パネル1の金属外皮11の本体部110の下端部にビス等の固定具で固定されている。第二片部602は、その前端部がパネル1の金属外皮10の下壁部103にビス等の固定具で固定されている。第一片部601には、ボルト63が結合される固定孔64が設けられている。固定孔64は、上下方向に並んで2つ設けられている。また第一片部601は、位置マーク617を有している。位置マーク617は、第一片部601の両方の側端部に2つずつ設けられている。位置マーク617は切り欠きで形成することができる。上側の位置マーク617は、上側の固定孔64に対応する位置に形成されており、下側の位置マーク617は、下側の固定孔64に対応する位置に形成されている。
ファスナー61は、側面視Z字状の板状の部材である。ファスナー61は、例えば、金属外皮10,11よりも厚みの大きい鋼板を折り曲げて形成される。ファスナー61は、矩形板状のパネル固定部611と、パネル固定部611の下端部に連続し、パネル固定部611に対して傾いた矩形板状の連結部612と、連結部612の下端部に連続する引っ掛け部613と、を有する。パネル固定部611には、ボルト63が挿入される挿入孔631が設けられている。挿入孔631は、上下方向に沿って延びる長孔である。また引っ掛け部613は、矩形板状ではなく、先端(連結部612と反対側の端部)の角部が除去されたような板形状に形成されている。すなわち、引っ掛け部613の先端の角部は、斜めにカットされた面取り部614に形成されている。
パネル固定部611は、ボルト63によって、下ベースプレート60の第一片部601に仮止め又は固定される部分である。ボルト63は、2つの固定孔64のうちのいずれか一方に結合される。これにより、下ベースプレート60に対するファスナー61の上下方向の位置を調整することができ、パネル1に対するファスナー61の固定位置を複数の段階に変更することができる。またファスナー61には表示部616が設けられている。表示部616は、ファスナー61の側端部に設けた切り欠きで形成することができる。そして、表示部616が目安になって、ボルト63が上側の固定孔64に結合されているか、下側の固定孔64に結合されているかを判断しやすくなる。
ボルト63は、パネル固定部611を下ベースプレート60の第一片部601に固定した状態で、パネル1の金属外皮11の本体部110を貫通して、その先端部が芯材12に埋め込まれる。引っ掛け部613は、下ベースプレート60の第一片部601から後方に離れて位置する。下ベースプレート60の第一片部601と連結部612と引っ掛け部613とは、下方に向けて開口した挿入溝615を囲んで形成している。
下係止部材6は、一つのパネル1に対して複数設けられる。2つの下係止部材6を使用する場合、一方の下係止部材6は、パネル1の一方の側端面の近傍に設けられ、他方の下係止部材6は、パネル1の他方の側端面の近傍に設けられる。すなわち、パネル1の左右方向の両側端部のそれぞれに下係止部材6が配置されている。
そして、パネル1の両方の側端部には、それぞれ、上取付部材5と下係止部材6とが上下方向に一直線上に並ぶように配置されている。
<目地プレート>
目地プレート7は、パネル1と横架材3の間に配置されるものである。目地プレート7は、パネル1と横架材3との間隔を一定にするスペーサの作用を有する。従って、目地プレート7により、複数のパネル1を上下左右に並べて配置して施工した際に、複数のパネル1の表面の前後方向の位置が決めやすくなり、パネル1の施工性が向上する。
目地プレート7は、例えば、金属外皮10,11と同程度の厚みの鋼板を折り曲げて形成される。図5A~E及び図6A~Eに示すように、目地プレート7は、基板部71、当接部72及びフック73を備えている。
基板部71は、上下方向に延びる矩形板状に形成されている。当接部72は、基板部71の両方の側端から後方に向かって突出する片状に形成されている。フック73は、基板部71の上端から後方に向かって突出する突出片730と、突出片730の先端(後端)から下方に向かって突出する係止片731とを備えている。フック73が弾性を有するものとするために、係止片731は上端から下端に向かうほど前方(基板部71に近づく方向)に傾斜している。
また目地プレート7には、マーキング70が設けられている。マーキング70は、パネル1を施工する位置の目安にするものである。本実施形態では、マーキング70はスリットで形成されている。このスリットは、基板部71の上部から突出片730の前部までにわたって形成されている。またスリットは、基板部71及び突出片730の幅方向(左右方向)の略中央部に形成されている。またスリットの幅寸法は、左右方向で隣接するパネル1の目地幅とほぼ同じに形成されている。
目地プレート7には、長尺目地プレート7a(図5A~E参照)と、短尺目地プレート7b(図6A~E参照)との二種類がある。短尺目地プレート7bは長尺目地プレート7aに比べて、上下方向の寸法が短い。短尺目地プレート7bは、パネル1の下端が腰壁2aのところで納まる場合に使用される。短尺目地プレート7bの上下方向の長さは、横架材3の上下方向の寸法内(例えば、定規(通し)アングルL-65×65内)で納まる長さである。一方、下段のパネル1の上部側に上段のパネル1が重なっていく場合、横架材3(定規アングル(通し))は、下段のパネル1の上端部より上にあるため、長尺目地プレート7aは、横架材3の上下方向の寸法と、上下段のパネルの間の水平目地の幅(上下寸法)と、下段のパネル1のかかり代の長さが必要である。
<パネルの施工>
本実施形態に係るパネル1の取付け構造は、以下のようにして形成される。
図7に示すように、パネル1は、自重受け具4、上取付部材5及び下係止部材6により横架材3に取り付けられる。自重受け具4の固定部材41は、取り付け前のパネル1の下端部で、パネル1の左右方向の略中央部に取り付けられる。自重受け具4の支持部材42は、パネル1を取り付ける前では固定部材41と分離しており、横架材3に取り付けられる。下係止部材6は、パネル1の下端部で、パネル1の左右方向の両側端部の近傍に一つずつ取り付けられる。従って、自重受け具4とパネル1の一方の側端部との間に一つの下係止部材6が取り付けられ、自重受け具4とパネル1の他方の側端部との間にもう一つの下係止部材6が取り付けられる。また上取付部材5は、パネル1の上端部で、パネル1の左右方向の両側端部の近傍に一つずつ取り付けられる。パネル1の両方の側端部では、それぞれ、上取付部材5と下係止部材6とが上下方向に一直線上に並んで取り付けられている。
<<建物躯体が腰壁の場合>>
建物躯体2として建物の腰壁2aにパネル1を取り付ける場合について説明する。
図8B及び図9に示すように、腰壁2aに固定した横架材3には、目地プレート7が取り付けられる。ここで、腰壁2aに固定した横架材3には、短尺目地プレート7bが使用される。短尺目地プレート7bは、左右方向で隣接するパネル1の間に形成される目地に対応する位置に配置される。短尺目地プレート7bは、横架材3の台座部30に取り付けられる。すなわち、図9に示すように、当接部72とフック73の係止片731との間に台座部30を挟むようにして、短尺目地プレート7bが台座部30に取り付けられる。この場合、短尺目地プレート7bの基板部71は台座部30の前側に位置している。
また、腰壁2aに固定した横架材3には、自重受け具4の支持部材42が取り付けられる。支持部材42は固定部材41と分離した状態で横架材3の台座部30に取り付けられる。支持部材42は横架材3に前方から近づけられ、台座部30に引っ掛けられる。すなわち、支持部材42のボルト支持部421が台座部30の上端部に載置され、支持部材42の取付部422が台座部30の前面に沿って配置されることにより、支持部材42は台座部30に引っ掛けられる。支持部材42は、横架材3に両面テープ、接着剤等で仮留めされる。
この後、上記のパネル1が横架材3に前方から近づけられ、図10A及び図10Bに示すように、パネル1の後面に配置された固定部材41が横架材3に取り付けた支持部材42に配置される。すなわち、支持部材42が、パネル1に取り付けた固定部材41の受け部413の下方で、かつ固着部412の後方に位置するように、固定部材41を設けたパネル1が配置される。また、取付部422は固定部材41の固着部412と台座部30との間で、取付部422が挟まれて固定される。このようにしてパネル1の幅方向の略中央部は、自重受け具4により横架材3の台座部30に固定される。
またパネル1の幅方向の両端部は、図11A及び図11Bに示すように、下係止部材6により横架材3の台座部30に固定される。この場合、挿入溝615内に台座部30を位置させて、ボルト63を締め付けることにより、下ベースプレート60の第一片部601とファスナー61の引っ掛け部613との間で台座部30を挟み込むようにする。ここで、第一片601と台座部30との間には、支持部材42の取付部422の厚みと同等の隙間が生じやすいため、第一片601と対向する位置において、台座部30の前面にはスペーサプレート32が設けられている。従って、挿入溝615内に台座部30とスペーサプレート32とを位置させて、ボルト63を締め付けることにより、第一片部601と引っ掛け部613との間で台座部30とスペーサプレート32を挟み込むようにして、パネル1の幅方向の両端部は、下係止部材6により横架材3の台座部30に固定される。
また、挿入溝615内に台座部30を位置させるにあたっては、次のようにして行う。まず、図12Aに示すように、ボルト63を中心としてファスナー61を回転させ、引っ掛け部613がパネル固定部611及び連結部612よりも上に位置する状態にする。このとき、ボルト63は強く締め付けていない状態である。この後、パネル1を横架材3に前方から近づけ、台座部30の上方にファスナー61を位置させる。次に、図12B及び図12Cのように、ボルト63を中心としてファスナー61を回転させ、引っ掛け部613が徐々にパネル固定部611及び連結部612よりも下に位置する状態にする。このとき、引っ掛け部613の先端が面取り部614として形成されているので、引っ掛け部613の先端に角がある場合に比べて、引っ掛け部613の先端が横架材3の横板部31に引っ掛かりにくく、ファスナー61がスムーズに回転することができる。そして、図12Dのように、ファスナー61が自重によりボルト63にぶら下がった状態(引っ掛け部613が台座部30と対向する状態)になるまでファスナー61を回転させた後、図12Eのように、ファスナー61の上下方向の位置を微調整し、その後、ボルト63を締め付けてファスナー61が回転しないようにする。このようにして、挿入溝615内に台座部30及びスペーサプレート32を位置させて、下ベースプレート60の第一片部601とファスナー61の引っ掛け部613との間で台座部30及びスペーサプレート32を挟み込む。これにより、パネル1を横架材3に取り付ける場合にファスナー61が邪魔になりにくく、パネル1の施工性が向上する。
図13に示すように、パネル1の側端部は、台座部30に取り付けた上記短尺目地プレート7bの前側に配置される。この場合、パネル1の側端縁部112が短尺目地プレート7bの基板部71のマーキング70に沿うようにする。マーキング70がスリットの場合、スリットの左右方向に並ぶ縁部のうちの一方(パネル1に近い方の縁部)に、パネル1の側端縁部112を上下方向に沿って配置する。これにより、パネル1の左右方向の位置決めを容易に行うことができる。またパネル1の後面が短尺目地プレート7bの基板部71の表面に接触している。このため、パネル1の前面の前後方向の位置が短尺目地プレート7bにより規定される。
そして、上記と同様にして、複数のパネル1を左右方向に並べて腰壁2aの横架材3に取り付けていく。ここで、左右方向に隣接するパネル1の間には上下方向に延びる目地(縦目地)が形成されるが、本実施形態では、全ての目地の目地幅がほぼ一定に形成しやすい。すなわち、左右方向に隣接するパネル1は、それぞれ、側端縁部112がマーキング70であるスリットの縁部に沿って配置される。つまり、短尺目地プレート7bは、左右に隣接するパネル1にわたって配置される。従って、図13に示すように、左右方向に隣接するパネル1の間には、スリットの幅寸法に対応する隙間113が形成されることになり、この隙間を目地とすることができる。よって、左右方向に並べる複数のパネル1の位置決めを短尺目地プレート7bのマーキング70を目安にして行うことによって、全ての目地(縦目地)の目地幅がほぼ一定に形成しやすくなり、パネル1の施工性が向上する。なお、マーキング70は、例えば、スリット幅6mmに形成することができる。これは、パネル1の後側(内皮側)の目地幅と同じである。また、パネル1を取付る前に、建物躯体2側の横架材3にパネル目地芯を墨出しするが、その墨出しをスリット越しに確認すると、パネル1の取付位置がずれることはない。
上記腰壁2aには、高面部22と低面部23とを有している。低面部23は高面部22よりも低い位置にある。また低面部23は高面部22よりも前方(屋外側)に形成されている。上記下地金具21は高面部22に設けられている。下地金具21に固定されている横架材3の台座部30は、低面部23の上方に位置している。そして、台座部30に取り付けられたパネル1は、低面部23の上方に位置している。
図10A及び図11Aでは、パネル1の下端面が高面部22よりも低い位置に配置されている。図10B及び図11Bでは、パネル1の下端面が高面部22とほぼ同じ高さに配置されている。図10Aと図10Bから解るように、パネル1の下端面の中央部の高さは、高さ調整ボルト43により調整される。すなわち、図10Aに示すように、ボルト保持部411への高さ調整ボルト43の差し込み量が少ないと、ボルト保持部411とボルト支持部421の間隔が狭くなり、パネル1が低い位置(低面部23に近い位置)で取り付けられる。一方、図10Bに示すように、ボルト保持部411への高さ調整ボルト43の差し込み量が多いと、ボルト保持部411とボルト支持部421の間隔が広くなり、パネル1が高い位置(低面部23より遠い位置)で取り付けられる。
高さ調整ボルト43の高さを調整するにあたっては、まず、高さ調整ボルト43に対してナット44を緩めた状態(ナット44がボルト保持部411から上方に離れた状態)にする。次に、高さ調整ボルト43を雌ねじ部414に対して回転させることによって、ボルト保持部411に対する高さ調整ボルト43の位置(高さ)を調整する。この後、高さ調整ボルト43に対してナット44を締め込んだ状態(ナット44がボルト保持部411の上面に接触した状態)にする。このようにして高さ調整された高さ調整ボルト43は、振動等による緩みが生じにくい。すなわち、高さ調整ボルト43は、ナット44による緩み止め効果により、雌ねじ部414に対して緩みにくく(回転しにくく)、高さ調整ボルト43の高さが振動等により変動しにくい。
また図11Aと図11Bから解るように、パネル1の下端面の両側部の高さは、パネル1に対する下係止部材6の取り付け位置により調整される。すなわち、図11Aに示すように、ファスナー61が下ベースプレート60に設けた上側の固定孔64に固定されている場合は、パネル1が低い位置(低面部23に近い位置)で取り付けられる。一方、図11Bに示すように、ファスナー61が下ベースプレート60に設けた下側の固定孔64に固定されている場合は、パネル1が高い位置(低面部23より遠い位置)で取り付けられる。
また低面部23とパネル1の下端面との間には、耐火材24が充填されている。耐火材24は、例えば、ロックウールなどで形成されている。また低面部23とパネル1の下端面との間には、バックアップ材150が設けられており、バックアップ材150の前方(屋外側)にシーリング151が設けられている。バックアップ材150及びシーリング151は、耐火材24の前方(屋外側)に設けられている。
なお、上記では、建物躯体2が腰壁2aの場合について説明したが、建物躯体2が土台の場合も同様にしてパネル1を取り付けることができる。
<<建物躯体が腰壁以外の場合>>
次に、腰壁2a以外の建物躯体2にパネル1を取り付ける場合について説明する。腰壁2a以外の建物躯体2としては、梁、柱、床などが例示される。本実施形態では、建物躯体2が床2bの場合についてするが、これに限定されない。
上記のように、腰壁2aには、上下方向に並ぶ複数のパネル1のうち、最も下に位置するパネル1の下端部が取り付けられる。一方、図1A、図1B、図2A及び図2Bに示すように、床2bは腰壁2aよりも上方にあるため、床2bには、最も下側に位置するパネル1の上端部、あるいは上下方向に隣接するパネル1の上端部と下端部とが取り付けられる。
パネル1は、上記と同様にして、自重受け具4、上取付部材5及び下係止部材6により、床2bに固定した横架材3に取り付けられる。上記と同様に、自重受け具4の固定部材41は、取り付け前のパネル1の下端部で、パネル1の左右方向の略中央部に取り付けられる。自重受け具4の支持部材42は、パネル1を取り付ける前では固定部材41と分離しており、横架材3に取り付けられる。また、床2bに固定した横架材3には、目地プレート7が取り付けられる。ここで、床2bに固定した横架材3には、長尺目地プレート7aが使用される。長尺目地プレート7aは、左右方向で隣接するパネル1の間に形成される目地に対応する位置に配置される。図14及び図15に示すように、長尺目地プレート7aは、上記と同様にして、横架材3の台座部30に取り付けられる。すなわち、当接部72とフック73の係止片731との間に台座部30を挟むようにして、長尺目地プレート7aが台座部30に取り付けられる。この場合、長尺目地プレート7aの基板部71は台座部30の前側に位置している。また長尺目地プレート7aの下部は、台座部30よりも下方に位置している。
次に、上下方向に隣接するパネル1のうち、下側のパネル1を施工する。下側のパネル1の下端部は、上記と同様にして、自重受け具4及び下係止部材6により、腰壁2a又は床2bに固定した横架材3に取り付けられる。下側のパネル1の上端部は、床2bに固定した横架材3(下側のパネル1の下端部を取り付けた横架材3よりも上にある別の横架材3)に設けた長尺目地プレート7aの下部により位置決めされる。すなわち、下側のパネル1の上端部の後面が、長尺目地プレート7aの下部の基板部71の表面に接触することにより、下側のパネル1の上端部の表面の前後方向の位置決めがなされる。また下側のパネル1の側端縁部112を長尺目地プレート7aのマーキング70に対して位置合わせする。これにより、下側のパネル1の上端部の左右方向の位置決めがなされる。さらに、下側のパネル1に設けたアッパープレート51の上部が横架材3の台座部30の前側に配置される。
次に、上下方向に隣接するパネル1のうち、上側のパネル1を施工する。上側のパネル1の下端部は、上記と同様にして、自重受け具4及び下係止部材6により、床2bに固定した横架材3に取り付けられる。ここで、横架材3の台座部30の前側には、下側のパネル1の上端部に設けたアッパープレート51の上部が位置している。従って、図1A、図1B、図2A及び図2Bに示すように、挿入溝615内に台座部30及びアッパープレート51の上部を位置させて、ボルト63を締め付けることにより、上側のパネル1の下ベースプレート60の第一片部601とファスナー61の引っ掛け部613との間で台座部30及びアッパープレート51の上部を挟み込むようにする。これにより、下側のパネル1の上端が上取付部材5を介して横架材3に取り付けられる。
また上側のパネル1の側端部は、台座部30に取り付けた上記長尺目地プレート7aの前側に配置される。この場合、上側のパネル1の側端縁部112が長尺目地プレート7aの基板部71のマーキング70に沿うようにする。マーキング70がスリットの場合、スリットの左右方向に並ぶ縁部のうちの一方(パネル1に近い方の縁部)に、パネル1の側端縁部112を上下方向に沿って配置する。これにより、上側のパネル1の左右方向の位置決めを容易に行うことができる。また上側のパネル1の後面が長尺目地プレート7aの基板部71の表面に接触している。このため、上側のパネル1の前面の前後方向の位置が長尺目地プレート7aにより規定される。
このようにして、複数のパネル1を左右方向に並べて床2bの横架材3に取り付けていく。また複数のパネル1を上下方向に並べて施工していく。この後、上下方向及び左右方向で隣接するパネル1の間の目地にバックアップ材150及びシーリング151を設けることにより、建物の外壁が形成される。バックアップ材150及びシーリング151は、パネル1の上端面及び下端面に設けたパッキン152の前方(屋外側)に設けられている。またパネル1の上下方向の位置(高さ位置)は、高さ調整ボルト43により調整することができる。すなわち、高さ調整ボルト43の先端をボルト支持部421に接触させた状態で、高さ調整ボルト43のボルト保持部411よりも下方に突出する部分の長さ調整することにより、横架材3に固定した支持部材42に対してパネル1を上下動させて高さを調整することができる。パネル1の高さの調整幅は、特に限定されないが、約3cmであることが好ましく、高さ調整ボルト43を長くすれば、パネル1の高さの調整幅も大きくなる。
図1A及び図2Aでは、パネル1の下端面が床2bの上面よりも低い位置に配置されている。図1B及び図2Bでは、パネル1の下端面が床2bの上面とほぼ同じ高さに配置されている。図1Aと図1Bから解るように、パネル1の下端面の中央部の高さは、高さ調整ボルト43により調整される。すなわち、図1Aに示すように、ボルト保持部411への高さ調整ボルト43の差し込み量が少ないと、ボルト保持部411とボルト支持部421の間隔が狭くなり、パネル1が低い位置(床2bの上面よりも低い位置)で取り付けられる。一方、図1Bに示すように、ボルト保持部411への高さ調整ボルト43の差し込み量が多いと、ボルト保持部411とボルト支持部421の間隔が広くなり、パネル1が高い位置(床2bの上面とほぼ同じ高さ位置)で取り付けられる。
また図2Aと図2Bから解るように、パネル1の下端面の両側部の高さは、パネル1に対する下係止部材6の取り付け位置により調整される。すなわち、図2Aに示すように、ファスナー61が下ベースプレート60に設けた上側の固定孔64に固定されている場合は、パネル1が低い位置(床2bの上面よりも低い位置)で取り付けられる。一方、図2Bに示すように、ファスナー61が下ベースプレート60に設けた下側の固定孔64に固定されている場合は、パネル1が高い位置(床2bの上面とほぼ同じ高さ位置)で取り付けられる。
そして、本実施形態では、パネル1を施工するにあたって、高さ調整ボルト43を支持するための支持部材42が横架材3に溶接、ボルト留め及びビス留めされていない。従って、例えば、パネル1の施工時の火花が周囲の可燃物に飛散しないようにでき、火災発生のリスク及びパネルの焼け焦げ、溶接機のコードに足を取られて転倒するなどといった事故の発生を抑制することができる。の溶接の準備、溶接作業、溶接部分のタッチアップ(補修)、溶接部分の長さのチェックなどの後工程の作業を省略することができ、パネル1の取付作業を短縮することができる。
(3)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態に係るパネル1の取付構造は、外壁だけでなく、内壁にも適用可能である。
パネル1は、サンドイッチパネルに限らず、合板、ALCパネル、金属板、石膏ボードなどが使用可能である。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係るパネルの取付け構造は、パネル(1)と、建物躯体(2)に固定される横架材(3)と、横架材(3)に対してパネル(1)を取り付ける自重受け具(4)と、を備える。横架材(3)は、建物躯体(2)から突出する台座部(30)を有する。自重受け具(4)は、パネル(1)に固定される固定部材(41)と、固定部材(41)とは別体で形成され、台座部(30)に引っ掛けて固定される支持部材(42)と、高さ調整ボルト(43)と、を有する。固定部材(41)は、パネル(1)の後方に突出するボルト保持部(411)を有する。支持部材(42)は、ボルト保持部(411)と対向するボルト支持部(421)を有する。高さ調整ボルト(43)は、ボルト保持部(411)を貫通し、先端がボルト支持部(421)に当たった状態で高さ位置が調整されている。
第1の態様によれば、支持部材(42)は台座部(30)に引っ掛けられて固定されているため、溶接などの固定作業を支持部材(42)に対して行う必要がなく、パネル(1)の施工性が向上しやすい。
第2の態様は、第1の態様に係るパネルの取付け構造であって、固定部材(41)は、パネル(1)に固定される固着部(412)をさらに有する。支持部材(42)は、固着部(412)と台座部(30)とで挟まれる取付部(422)をさらに有し、横架材(3)に対して溶接及びビス止めされていない。
第2の態様によれば、取付部(422)が固着部(412)と台座部(30)とで挟まれた状態で、支持部材(42)が台座部(30)に固定され、横架材(3)に対して溶接及びビス止めされていないため、溶接及びビス止めの固定作業を支持部材(42)に対して行う必要がなく、パネル(1)の施工性が向上しやすい。
第3の態様は、第1又は第2の態様に係るパネル(1)の取付け構造であって、パネル(1)の後方に配置されるファスナー(61)をさらに備える。ファスナー(61)は、面取り部(614)を有し、パネル(1)に対して回転可能に取り付けられ、台座部(30)に引っ掛けられている。
第3の態様によれば、台座部(30)に引っ掛けられたファスナー(61)によりパネル(1)を横架材(3)に取り付けることができ、パネル(1)の施工性が向上しやすい。
第4の態様は、第3の態様に係るパネル(1)の取付け構造であって、ファスナー(61)は、パネル(1)に対する固定位置が上下方向で複数の段階に変更可能に構成されている。
第4の態様によれば、パネル(1)に対するファスナー(61)の固定位置を複数の段階に変更することができ、パネル(1)の施工性が向上しやすい。
第5の態様は、第3又は第4の態様に係るパネル(1)の取付け構造であって、ファスナー(61)は、ボルト(63)によるパネル(1)への固定位置を示す表示部(616)を有している。
第5の態様によれば、表示部(616)によりファスナー(61)の固定位置が決めやすくなり、パネル(1)の施工性が向上しやすい。
第6の態様は、第1~5のいずれか1つの態様に係るパネル(1)の取付け構造であって、パネル(1)と横架材(3)の間に配置される目地プレート(7)をさらに備える。目地プレート(7)は、パネル(1)の側端部において、パネル(1)の後面に接触している。
第6の態様によれば、目地プレート(7)によりパネル(1)の前後方向の位置合わせを行うことができ、パネル(1)の施工性が向上しやすい。
第7の態様は、第6の態様に係るパネル(1)の取付け構造であって、目地プレート(7)は、左右方向で隣接するパネル(1)の目地幅とほぼ同じ幅寸法のマーキング(70)を有する。
第7の態様によれば、左右方向において目地幅の位置とマーキング(70)の位置とを一致させることにより、パネル(1)と目地プレート(7)とを正確な位置に配置しやすくなり、パネル(1)の施工性が向上しやすい。
1 パネル
2 建物躯体
3 横架材
30 台座部
4 自重受け具
41 固定部材
411 ボルト保持部
412 固着部
42 支持部材
421 ボルト支持部
422 取付部
43 高さ調整ボルト
61 ファスナー
63 ボルト
614 面取り部
616 表示部
7 目地プレート
70 マーキング

Claims (7)

  1. パネルと、建物躯体に固定される横架材と、前記横架材に対して前記パネルを取り付ける自重受け具と、を備え、
    前記横架材は、前記建物躯体から突出する台座部を有し、
    前記自重受け具は、前記パネルに固定される固定部材と、前記固定部材とは別体で形成され、前記台座部に引っ掛けて固定される支持部材と、高さ調整ボルトと、を有し、
    前記固定部材は、前記パネルの後方に突出するボルト保持部を有し、
    前記支持部材は、前記ボルト保持部と対向するボルト支持部を有し、
    前記高さ調整ボルトは、前記ボルト保持部を貫通し、先端がボルト支持部に当たった状態で高さ位置が調整されている、
    パネルの取付け構造。
  2. 前記固定部材は、前記パネルに固定される固着部をさらに有し、
    前記支持部材は、前記固着部と前記台座部とで挟まれる取付部をさらに有し、前記横架材に対して溶接、ボルト留め及びビス留めされていない、
    請求項1に記載のパネルの取付け構造。
  3. 前記パネルの後方に配置されるファスナーをさらに備え、
    前記ファスナーは、面取り部を有し、前記パネルに対して回転可能に取り付けられ、前記台座部に引っ掛けられている、
    請求項1又は2に記載のパネルの取付け構造。
  4. 前記ファスナーは、前記パネルに対する固定位置が上下方向で複数の段階に変更可能に構成されている、
    請求項3に記載のパネルの取付け構造。
  5. 前記ファスナーは、ボルトによる前記パネルへの固定位置を示す表示部を有している、
    請求項3又は4に記載のパネルの取付け構造。
  6. 前記パネルと前記横架材の間に配置される目地プレートをさらに備え、
    前記目地プレートは、前記パネルの側端部において、前記パネルの後面に接触している、
    請求項1~5のいずれか一項に記載のパネルの取付け構造。
  7. 前記目地プレートは、左右方向で隣接する前記パネルの目地幅とほぼ同じ幅寸法のマーキングを有する、
    請求項6に記載のパネルの取付け構造。
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