JP2023011369A - 冷却装置の製造方法、冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に製造可能であるとともに薄型化を実現することができる技術を提供する。【解決手段】冷却液の流路となる、流入凹部21、流出凹部22および流通凹部23と、流入貫通孔31および流出貫通孔32とが形成された1枚の基板140を成形する工程と、流入凹部21、流出凹部22および流通凹部23の開口部を塞ぐように、基板140を折り曲げる折り曲げ工程と、折り曲げにより形成された折り曲げ部143とは異なる部位であって、折り曲げ部143とともに流入凹部21、流出凹部22および流通凹部23を囲む部位に対してレーザ溶接を施す溶接工程と、を備える。【選択図】図4
Description
本発明は、冷却装置の製造方法および冷却装置に関する。
近年、アルミニウムまたはアルミニウム合金等のアルミニウム材料を用いて成形された部材同士が突き合わせられた状態でレーザ溶接にて接合することが提案されている。
例えば、特許文献1に記載された液冷式冷却装置は、内部に冷却液が流通する装置本体と、装置本体を流通する冷却液の流通方向を変更する変更部材と、を備えている。そして、変更部材は、装置本体側の端面と、変更部材の長手方向の端面とが突き合わせられた状態で、突き合わせ部にレーザ溶接が施されることにより接合されている。
例えば、特許文献1に記載された液冷式冷却装置は、内部に冷却液が流通する装置本体と、装置本体を流通する冷却液の流通方向を変更する変更部材と、を備えている。そして、変更部材は、装置本体側の端面と、変更部材の長手方向の端面とが突き合わせられた状態で、突き合わせ部にレーザ溶接が施されることにより接合されている。
冷却装置を薄型化することが望まれている。また、冷却装置を薄型化するにあたっても、容易に製造可能であることが望ましい。
本発明は、容易に製造可能であるとともに薄型化を実現することができる冷却装置の製造方法等を提供することを目的とする。
本発明は、容易に製造可能であるとともに薄型化を実現することができる冷却装置の製造方法等を提供することを目的とする。
かかる目的のもと完成させた本発明は、冷却液の流路となる複数の凹部と複数の貫通孔とが形成された1枚の基板を成形する工程と、前記複数の凹部の開口部を塞ぐように、前記基板を折り曲げる折り曲げ工程と、折り曲げにより形成された折り曲げ部とは異なる部位であって、当該折り曲げ部とともに前記複数の凹部を囲む部位に対してレーザ溶接を施す溶接工程と、を備える冷却装置の製造方法である。
ここで、前記複数の凹部は、前記冷却液が流入する流入凹部と、当該冷却液が流出する流出凹部と、当該流入凹部と当該流出凹部との間で当該冷却液が通る流通凹部とを有し、前記折り曲げ工程は、前記基板における前記流入凹部および前記流出凹部が形成された板である第1板と、前記流通凹部が形成された板である第2板とを重ねるように折り曲げても良い。
また、前記折り曲げ工程は、前記基板における前記複数の貫通孔が形成された板である第1板と、前記複数の凹部が形成された板である第2板とを重ねるように折り曲げても良い。
また、前記溶接工程は、前記折り曲げ部の上方に配置した治具にて重ね合わされた前記第1板と前記第2板とを拘束した状態で、重ね合わされた部位の端部形状に沿ってレーザ光を照射しても良い。
また、前記複数の貫通孔の内の第1の貫通孔に対応する部位に、前記冷却液を内部に流入させる流入部材を接合する工程と、前記複数の貫通孔の内の第2の貫通孔に対応する部位に、前記冷却液を内部から流出させる流出部材を接合する工程と、を備えても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、冷却液の流路となる複数の凹部および複数の貫通孔が形成された1枚の基板が折り曲げられた折り曲げ部と、前記基板が折り曲げられることによって重ね合わせられた部位であって前記折り曲げ部とともに前記複数の凹部を囲む部位に対してレーザ溶接が施された溶接部と、を備える冷却装置である。
ここで、前記複数の凹部は、前記冷却液が流入する流入凹部と、当該冷却液が流出する流出凹部と、前記折り曲げ部と平行な方向に延びて一方の端部が当該流入凹部に連通するとともに他方の端部が当該流出凹部に連通する流通凹部とを有し、前記溶接部は、前記基板における前記流入凹部および前記流出凹部が形成された板である第1板と、前記流通凹部が形成された板である第2板とが重ね合わせられた部位に対してレーザ溶接が施された部位であっても良い。
また、前記複数の凹部は、前記冷却液が流入する流入凹部と、当該冷却液が流出する流出凹部と、前記折り曲げ部と平行な方向に延びて一方の端部が当該流入凹部または当該流出凹部に連通する複数の流通凹部と、当該複数の流通凹部の他方の端部を連通する連通凹部とを有し、前記溶接部は、前記基板における、前記流入凹部、前記流出凹部および前記連通凹部が形成された板である第1板と、前記複数の流通凹部が形成された板である第2板とが重ね合わせられた部位に対してレーザ溶接が施された部位であっても良い。
また、前記溶接部は、前記基板における前記複数の貫通孔が形成された板である第1板と、前記複数の凹部が形成された板である第2板とが重ね合わせられた部位に対してレーザ溶接が施された部位であっても良い。
また、前記複数の凹部は、前記冷却液が流入する流入凹部と、当該冷却液が流出する流出凹部と、前記折り曲げ部と平行な方向に延びて一方の端部が当該流入凹部に連通するとともに他方の端部が当該流出凹部に連通する流通凹部とから構成される組を2組有し、前記溶接部は、前記基板における前記2組の前記流入凹部および前記流出凹部が形成された板である第1板と、前記2組の内の一の組の前記流通凹部が形成された板である第2板とが重ね合わせられた部位と、当該第1板と当該2組の内の他の組の当該流通凹部が形成された板である第3板とが重ね合わせられた部位とに対してレーザ溶接が施された部位であっても良い。
また、前記複数の貫通孔の内の第1の貫通孔に対応する部位に接合されて、前記冷却液を内部に流入させる流入部材と、前記複数の貫通孔の内の第2の貫通孔に対応する部位に接合されて、前記冷却液を内部から流出させる流出部材と、をさらに備えても良い。
ここで、前記複数の凹部は、前記冷却液が流入する流入凹部と、当該冷却液が流出する流出凹部と、当該流入凹部と当該流出凹部との間で当該冷却液が通る流通凹部とを有し、前記折り曲げ工程は、前記基板における前記流入凹部および前記流出凹部が形成された板である第1板と、前記流通凹部が形成された板である第2板とを重ねるように折り曲げても良い。
また、前記折り曲げ工程は、前記基板における前記複数の貫通孔が形成された板である第1板と、前記複数の凹部が形成された板である第2板とを重ねるように折り曲げても良い。
また、前記溶接工程は、前記折り曲げ部の上方に配置した治具にて重ね合わされた前記第1板と前記第2板とを拘束した状態で、重ね合わされた部位の端部形状に沿ってレーザ光を照射しても良い。
また、前記複数の貫通孔の内の第1の貫通孔に対応する部位に、前記冷却液を内部に流入させる流入部材を接合する工程と、前記複数の貫通孔の内の第2の貫通孔に対応する部位に、前記冷却液を内部から流出させる流出部材を接合する工程と、を備えても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、冷却液の流路となる複数の凹部および複数の貫通孔が形成された1枚の基板が折り曲げられた折り曲げ部と、前記基板が折り曲げられることによって重ね合わせられた部位であって前記折り曲げ部とともに前記複数の凹部を囲む部位に対してレーザ溶接が施された溶接部と、を備える冷却装置である。
ここで、前記複数の凹部は、前記冷却液が流入する流入凹部と、当該冷却液が流出する流出凹部と、前記折り曲げ部と平行な方向に延びて一方の端部が当該流入凹部に連通するとともに他方の端部が当該流出凹部に連通する流通凹部とを有し、前記溶接部は、前記基板における前記流入凹部および前記流出凹部が形成された板である第1板と、前記流通凹部が形成された板である第2板とが重ね合わせられた部位に対してレーザ溶接が施された部位であっても良い。
また、前記複数の凹部は、前記冷却液が流入する流入凹部と、当該冷却液が流出する流出凹部と、前記折り曲げ部と平行な方向に延びて一方の端部が当該流入凹部または当該流出凹部に連通する複数の流通凹部と、当該複数の流通凹部の他方の端部を連通する連通凹部とを有し、前記溶接部は、前記基板における、前記流入凹部、前記流出凹部および前記連通凹部が形成された板である第1板と、前記複数の流通凹部が形成された板である第2板とが重ね合わせられた部位に対してレーザ溶接が施された部位であっても良い。
また、前記溶接部は、前記基板における前記複数の貫通孔が形成された板である第1板と、前記複数の凹部が形成された板である第2板とが重ね合わせられた部位に対してレーザ溶接が施された部位であっても良い。
また、前記複数の凹部は、前記冷却液が流入する流入凹部と、当該冷却液が流出する流出凹部と、前記折り曲げ部と平行な方向に延びて一方の端部が当該流入凹部に連通するとともに他方の端部が当該流出凹部に連通する流通凹部とから構成される組を2組有し、前記溶接部は、前記基板における前記2組の前記流入凹部および前記流出凹部が形成された板である第1板と、前記2組の内の一の組の前記流通凹部が形成された板である第2板とが重ね合わせられた部位と、当該第1板と当該2組の内の他の組の当該流通凹部が形成された板である第3板とが重ね合わせられた部位とに対してレーザ溶接が施された部位であっても良い。
また、前記複数の貫通孔の内の第1の貫通孔に対応する部位に接合されて、前記冷却液を内部に流入させる流入部材と、前記複数の貫通孔の内の第2の貫通孔に対応する部位に接合されて、前記冷却液を内部から流出させる流出部材と、をさらに備えても良い。
本発明によれば、冷却装置を容易に製造可能であるとともに薄型化を実現することができる。
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る冷却装置1を上方から見た斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る冷却装置1を下方から見た斜視図である。
図3は、図1のIII-III部の断面の一例を示す図である。
第1実施形態に係る冷却装置1は、内部に冷却液が流通する流路が形成された装置本体10と、装置本体10の外部から内部に冷却液を流入させる流入部材60と、装置本体10の内部から外部に冷却液を流出させる流出部材70とを備えている。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る冷却装置1を上方から見た斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る冷却装置1を下方から見た斜視図である。
図3は、図1のIII-III部の断面の一例を示す図である。
第1実施形態に係る冷却装置1は、内部に冷却液が流通する流路が形成された装置本体10と、装置本体10の外部から内部に冷却液を流入させる流入部材60と、装置本体10の内部から外部に冷却液を流出させる流出部材70とを備えている。
(装置本体10)
装置本体10は、冷却液の流路となる複数の凹部20と複数の貫通孔30とが形成された1枚の基板140(図4参照)が折り曲げられた後、複数の凹部20を囲む部位に対してレーザ溶接が施されることにより成形されている。言い換えれば、装置本体10は、冷却液の流路となる複数の凹部20および複数の貫通孔30が形成された1枚の基板140が折り曲げられた折り曲げ部143と、基板140が折り曲げられることによって重ね合わせられた部位であって折り曲げ部143とともに複数の凹部20を囲む部位に対してレーザ溶接が施された溶接部144とを備える。それゆえ、装置本体10は、直方体状の部材であり、かつ、長手方向および短手方向に直交する方向である上下方向の大きさが、長手方向および短手方向の大きさよりも小さくなるように薄型化されている。
装置本体10は、冷却液の流路となる複数の凹部20と複数の貫通孔30とが形成された1枚の基板140(図4参照)が折り曲げられた後、複数の凹部20を囲む部位に対してレーザ溶接が施されることにより成形されている。言い換えれば、装置本体10は、冷却液の流路となる複数の凹部20および複数の貫通孔30が形成された1枚の基板140が折り曲げられた折り曲げ部143と、基板140が折り曲げられることによって重ね合わせられた部位であって折り曲げ部143とともに複数の凹部20を囲む部位に対してレーザ溶接が施された溶接部144とを備える。それゆえ、装置本体10は、直方体状の部材であり、かつ、長手方向および短手方向に直交する方向である上下方向の大きさが、長手方向および短手方向の大きさよりも小さくなるように薄型化されている。
以下の説明において、装置本体10の長手方向、短手方向を、それぞれ、冷却装置1の左右方向、前後方向と称する。また、図3の上下方向を、冷却装置1の上下方向と称する。そして、図3の左側、右側、下側、上側を、それぞれ、冷却装置1の「左側」、「右側」、「下側」、「上側」とする。また、前後方向においては、図1の下側、上側を、それぞれ、冷却装置1の「前側」、「後側」とする。
複数の凹部20は、冷却液が流入する流入凹部21と、冷却液が流出する流出凹部22と、流入凹部21から流出凹部22へ冷却液が通る複数(第1実施形態においては6つ)の流通凹部23と、にて構成されている。
流入凹部21および流出凹部22は、基板140の板面から直方体状に凹んでいる。流入凹部21および流出凹部22は、いずれか一方が、装置本体10の左右方向の一方の端部に設けられ、他方が、装置本体10の左右方向の他方の端部に設けられている。図1に示した例では、流入凹部21が右側の端部に、流出凹部22が左側の端部にそれぞれ設けられている。
流通凹部23は左右方向に延びるように形成されている。左右方向に直交する面で流通凹部23を切断した形状は半円である。図2に示すように流通凹部23は、前後方向に並ぶように複数(図2に示した例では6つ)設けられている。流通凹部23における右側の端部は、流入凹部21に連通しており、流通凹部23における左側の端部は、流出凹部22に連通している。
複数の貫通孔30は、流入凹部21の内部と外部とを連通する流入貫通孔31と、流出凹部22の内部と外部とを連通する流出貫通孔32と、にて構成されている。
(流入部材60)
流入部材60は、円筒状であり中心線方向が上下方向となるように配置される流入パイプ61と、流入パイプ61を保持する保持部材62とを有している。流入部材60は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等のアルミニウム材料にて成形されていることを例示することができる。
流入パイプ61は、下端部が、保持部材62に形成された貫通孔621に挿入された状態で、保持部材62に接合されている。流入パイプ61と保持部材62とを接合する手法は、ろう付やレーザ溶接であることを例示することができる。
なお、流入部材60は、流入パイプ61と保持部材62とが、例えば絞り加工にて一体的に成形されていても良い。
流入部材60は、円筒状であり中心線方向が上下方向となるように配置される流入パイプ61と、流入パイプ61を保持する保持部材62とを有している。流入部材60は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等のアルミニウム材料にて成形されていることを例示することができる。
流入パイプ61は、下端部が、保持部材62に形成された貫通孔621に挿入された状態で、保持部材62に接合されている。流入パイプ61と保持部材62とを接合する手法は、ろう付やレーザ溶接であることを例示することができる。
なお、流入部材60は、流入パイプ61と保持部材62とが、例えば絞り加工にて一体的に成形されていても良い。
(流出部材70)
流出部材70は、流入部材60と同様の部材であり、円筒状であり中心線方向が上下方向となるように配置される流出パイプ71と、流出パイプ71を保持する保持部材72とを有している。流出部材70は、アルミニウム材料にて成形されていることを例示することができる。
流出パイプ71は、下端部が、保持部材72に形成された貫通孔721に挿入された状態で、保持部材72に接合されている。流出パイプ71と保持部材72とを接合する手法は、ろう付やレーザ溶接であることを例示することができる。
なお、流出部材70は、流出パイプ71と保持部材72とが、例えば絞り加工にて一体的に成形されていても良い。
流出部材70は、流入部材60と同様の部材であり、円筒状であり中心線方向が上下方向となるように配置される流出パイプ71と、流出パイプ71を保持する保持部材72とを有している。流出部材70は、アルミニウム材料にて成形されていることを例示することができる。
流出パイプ71は、下端部が、保持部材72に形成された貫通孔721に挿入された状態で、保持部材72に接合されている。流出パイプ71と保持部材72とを接合する手法は、ろう付やレーザ溶接であることを例示することができる。
なお、流出部材70は、流出パイプ71と保持部材72とが、例えば絞り加工にて一体的に成形されていても良い。
(冷却装置1の作用)
以上のように構成された冷却装置1には、図1に示すように、装置本体10の上面であって、左右方向には、流入部材60と流出部材70との間に、この冷却装置1により冷却される被冷却物が載せられる。被冷却物は、複数の直方体状の単電池101からなる組電池100であることを例示することができる。
以上のように構成された冷却装置1には、図1に示すように、装置本体10の上面であって、左右方向には、流入部材60と流出部材70との間に、この冷却装置1により冷却される被冷却物が載せられる。被冷却物は、複数の直方体状の単電池101からなる組電池100であることを例示することができる。
そして、冷却装置1においては、流入部材60の流入パイプ61から装置本体10の流入凹部21内に流入した冷却液が、複数の流通凹部23を通って流出凹部22に至る。流出凹部22に至った冷却液は、その後、流出部材70の流出パイプ71から流出する。このようにして、冷却液が、装置本体10の複数の流通凹部23を流通する間に、装置本体10の上面に載せられた被冷却物を冷却する。
(冷却装置1の製造方法)
図4、図5、図6は、第1実施形態に係る冷却装置1の製造方法の一例を示す図である。
先ず、図4(a)に示すように、アルミニウム材料を用いて成形された矩形の板状の素材に対して、例えばプレス加工を施すことにより、流入凹部21、流出凹部22、複数の流通凹部23、流入貫通孔31および流出貫通孔32が形成された基板140を成形する。
図4、図5、図6は、第1実施形態に係る冷却装置1の製造方法の一例を示す図である。
先ず、図4(a)に示すように、アルミニウム材料を用いて成形された矩形の板状の素材に対して、例えばプレス加工を施すことにより、流入凹部21、流出凹部22、複数の流通凹部23、流入貫通孔31および流出貫通孔32が形成された基板140を成形する。
次に、図4(b)に示すように、基板140における、流通凹部23が延びる方向に直交する二辺の中央部同士を結ぶ中央線にて基板140を折り曲げる。そして、図4(c)に示すように、基板140を180度折り曲げて、基板140における、流入凹部21および流出凹部22が形成された方の板である第1板141と、複数の流通凹部23が形成された方の板である第2板142とを重ね合わせる。これにより、流入凹部21と複数の流通凹部23における右側の端部とが対向し、流出凹部22と複数の流通凹部23における左側の端部とが対向する。
次に、重ね合わされた、第1板141と第2板142とを、レーザ溶接にて接合する。第1板141と第2板142とを接合するにあたっては、先ず、図5(a)に示すように、第2板142側から治具145にて押さえ、第1板141と第2板142とを拘束する。その際、治具145が、基板140の折り曲げ部143の上方に位置し、その他の部位の上方には位置しないように、治具145を配置する。
その後、第2板142に対して、レーザ装置150のレーザヘッド151からレーザ光Lを照射する。レーザ装置150は、レーザ光Lを、第2板142の板面に対して斜め方向に照射することを例示することができる。そして、レーザヘッド151を、第2板142の端部形状に沿って移動させることで、レーザ光Lを連続的に照射する。より具体的には、図5(b)に示すように、第1板141と第2板142とが重ね合わされた矩形における、折り曲げ部143以外の3辺に沿ってレーザヘッド151を移動させることで、レーザ光Lを連続的に照射する。これにより、第1板141と第2板142とが重ね合わされた矩形における、流入凹部21、流出凹部22および複数の流通凹部23の周囲が密閉されるように、第1板141と第2板142とが接合される。
その後、治具145による拘束を止め、図5(c)に示すように、複数の流通凹部23における、一の流通凹部23と、当該一の流通凹部23に隣接する他の流通凹部23との間において、第1板141と第2板142とをレーザ溶接にて接合する。その際、流入凹部21と流出凹部22との間において、一の流通凹部23と他の流通凹部23との間に、流通凹部23の形状に沿ってレーザヘッド151を移動させてレーザ光Lを連続的に照射する。これにより、一の流通凹部23と他の流通凹部23との間における、第1板141と第2板142とが接合される。
以上が装置本体10を製造する方法である。
なお、隣接する流通凹部23間を接合しなくても良い。ただし、隣接する流通凹部23間を接合することで、第1板141と第2板142とを強固に接合することが可能となる。また、流入凹部21、流出凹部22および複数の流通凹部23の周囲を接合するべく、第1板141と第2板142とが重ね合わされた矩形の端部形状に沿ってレーザ光Lを連続的に照射する際には、第1板141に対して、レーザ光Lを照射しても良い。
なお、隣接する流通凹部23間を接合しなくても良い。ただし、隣接する流通凹部23間を接合することで、第1板141と第2板142とを強固に接合することが可能となる。また、流入凹部21、流出凹部22および複数の流通凹部23の周囲を接合するべく、第1板141と第2板142とが重ね合わされた矩形の端部形状に沿ってレーザ光Lを連続的に照射する際には、第1板141に対して、レーザ光Lを照射しても良い。
装置本体10を製造した後、図6に示すように、装置本体10に対して流入部材60をレーザ溶接にて接合する。より具体的には、流入部材60の流入パイプ61の下端部を装置本体10の流入貫通孔31(図3参照)に挿入し、保持部材62の下面を第1板141に載せた状態(保持部材62と装置本体10とを重ね合わせた状態)で、保持部材62に対してレーザ光Lを照射する。その際、レーザヘッド151を流入パイプ61の周囲に沿って移動させることでレーザ光Lを連続的に照射する。これにより、装置本体10と流入部材60とが接合される。
また、図6に示すように、装置本体10に対して流出部材70をレーザ溶接にて接合する。より具体的には、流出パイプ71の下端部を装置本体10の流出貫通孔32(図3参照)に挿入し、保持部材72の下端面を第1板141に載せた状態(保持部材72と装置本体10とを重ね合わせた状態)で、保持部材72に対してレーザ光Lを照射する。その際、レーザヘッド151を流出パイプ71の周囲に沿って移動させることでレーザ光Lを連続的に照射する。これにより、装置本体10と流出部材70とが接合される。
なお、流入部材60、流出部材70を、装置本体10に接合する順番は特に限定されない。流出部材70を、流入部材60よりも先に装置本体10に接合しても良い。
なお、流入部材60、流出部材70を、装置本体10に接合する順番は特に限定されない。流出部材70を、流入部材60よりも先に装置本体10に接合しても良い。
以上説明したように、冷却装置1の製造方法は、冷却液の流路となる複数の凹部20と複数の貫通孔30とが形成された1枚の基板140を成形する工程と、複数の凹部20の開口部を塞ぐように、基板140を折り曲げる折り曲げ工程と、折り曲げにより形成された折り曲げ部143とは異なる部位であって、折り曲げ部143とともに複数の凹部20を囲む部位に対してレーザ溶接を施す溶接工程と、を備える。
この製造方法によれば、基板140を折り曲げてレーザ溶接を施すことで冷却液の流路となる複数の凹部20を密封するので、冷却装置1を容易に製造可能である。また、冷却装置1の装置本体10の厚みを、略1枚の基板140を折り曲げた分の厚みとすることができるので、薄型化を実現することができる。
そして、溶接工程は、折り曲げ部143の上方に配置した治具145にて重ね合わされた第1板141と第2板142とを拘束した状態で、図5(b)に示すように、重ね合わされた部位の端部形状に沿ってレーザ光Lを照射する。これにより、折り曲げ部143とともに複数の凹部20を囲む部位に対して、熱歪みによる反りを抑制しつつレーザ溶接を施すことができる。すなわち、治具145にて拘束した状態で、複数の凹部20を密封するのに必要な全ての箇所に対してレーザ光Lを照射することができ、また、レーザヘッド151を上下方向に移動させることなく連続的にレーザ光Lを照射することができるので装置本体10を容易に製造可能である。
例えば、矩形状の2枚の板を重ね合わせた後に、この矩形における4辺全てに対してレーザ光Lを照射する方法を考える。この方法の場合には、先ず、その内の1辺の上方に配置した治具145にて2枚の板を拘束した状態で残りの3辺に対してレーザ光Lを照射する。その後、治具145を移動させて当該1辺の上方を開放した後に、当該1辺に対してレーザ光Lを照射する必要がある。そのため、矩形における4辺全てに対してレーザ光Lを照射する場合には、多大な時間と手間がかかってしまう。一方で、重ね合わされた2枚の板に対してレーザ光Lを照射する際に当該2枚の板を拘束しないと熱歪みによる反りが発生するおそれがある。これに対して、本実施形態に係る製造方法によれば、品質を安定しつつ、容易に製造することができる。
なお、冷却装置1においては、上下方向に見た場合の装置本体10の形状は矩形であるが、矩形に限定されない。装置本体10は、上下方向に見た場合の形状が、三角形や、正方形等の他の四角形であっても良いし、五角以上の多角形であっても良い。また、装置本体10は、上下方向に見た場合の形状が、略円形状や楕円形状であっても良い。
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態に係る冷却装置2を上方から見た斜視図である。
図8は、第2実施形態に係る冷却装置2を下方から見た斜視図である。
図9は、図7のIX-IX部の断面の一例を示す図である。
第2実施形態に係る冷却装置2は、第1実施形態に係る冷却装置1に対して、冷却液がUターンするように、流入部材60および流出部材70が設けられている点が異なる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と第2実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
図7は、第2実施形態に係る冷却装置2を上方から見た斜視図である。
図8は、第2実施形態に係る冷却装置2を下方から見た斜視図である。
図9は、図7のIX-IX部の断面の一例を示す図である。
第2実施形態に係る冷却装置2は、第1実施形態に係る冷却装置1に対して、冷却液がUターンするように、流入部材60および流出部材70が設けられている点が異なる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と第2実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
冷却装置2は、装置本体10に相当する装置本体210と、装置本体210の外部から内部に冷却液を流入させる流入部材60と、装置本体210の内部から外部に冷却液を流出させる流出部材70とを備えている。
(装置本体210)
装置本体210は、冷却液の流路となる複数の凹部220と複数の貫通孔230(図10参照)とが形成された1枚の基板240(図10参照)が折り曲げられた後、複数の凹部220を囲む部位に対してレーザ溶接が施されることにより成形されている。言い換えれば、装置本体210は、冷却液の流路となる複数の凹部220および複数の貫通孔230が形成された1枚の基板240が折り曲げられた折り曲げ部243と、基板240が折り曲げられることによって重ね合わせられた部位であって折り曲げ部243とともに複数の凹部220を囲む部位に対してレーザ溶接が施された溶接部244とを備える。それゆえ、装置本体210は、上下方向の大きさが、左右方向および前後方向の大きさよりも小さくなるように薄型化されている。
装置本体210は、冷却液の流路となる複数の凹部220と複数の貫通孔230(図10参照)とが形成された1枚の基板240(図10参照)が折り曲げられた後、複数の凹部220を囲む部位に対してレーザ溶接が施されることにより成形されている。言い換えれば、装置本体210は、冷却液の流路となる複数の凹部220および複数の貫通孔230が形成された1枚の基板240が折り曲げられた折り曲げ部243と、基板240が折り曲げられることによって重ね合わせられた部位であって折り曲げ部243とともに複数の凹部220を囲む部位に対してレーザ溶接が施された溶接部244とを備える。それゆえ、装置本体210は、上下方向の大きさが、左右方向および前後方向の大きさよりも小さくなるように薄型化されている。
複数の凹部220は、冷却液が流入する流入凹部221と、冷却液が流出する流出凹部222と、冷却液が通る複数(第2実施形態においては4つ)の流通凹部223と、複数の流通凹部223の右側の端部を連通する連通凹部224と、にて構成されている。
流入凹部221および流出凹部222は、基板240の板面から直方体状に凹んでいる。流入凹部221および流出凹部222は、ともに、装置本体210の左右方向の一方の端部に設けられている。そして、流入凹部221および流出凹部222は、いずれか一方が、装置本体210の前後方向の前側に設けられ、他方が、後側に設けられている。図7に示した例では、流入凹部221および流出凹部222は左側の端部に設けられ、流入凹部221が前側、流出凹部222が後側に設けられている。
流通凹部223は、左右方向に延びるように形成されている。左右方向に直交する面で流通凹部223を切断した形状は半円である。流通凹部223は、前後方向に並ぶように複数(図8に示した例では4つ)設けられている。複数の流通凹部223の内、中央より前側に設けられた流通凹部223の左側の端部は流入凹部221に連通し、中央より後側に設けられた流通凹部223の左側の端部は流出凹部222に連通している。
連通凹部224は、基板240の板面から直方体状に凹んでいる。連通凹部224は、複数の流通凹部223全ての右側の端部に連通している。
連通凹部224は、基板240の板面から直方体状に凹んでいる。連通凹部224は、複数の流通凹部223全ての右側の端部に連通している。
複数の貫通孔230は、流入凹部221の内部と外部とを連通する流入貫通孔231と、流出凹部222の内部と外部とを連通する流出貫通孔232(図10参照)と、にて構成されている。
(冷却装置2の作用)
以上のように構成された冷却装置2には、装置本体210の上面であって、左右方向には、流入部材60および流出部材70と連通凹部224との間に、この冷却装置2により冷却される被冷却物が載せられる。被冷却物は、組電池100(図1参照)であることを例示することができる。
以上のように構成された冷却装置2には、装置本体210の上面であって、左右方向には、流入部材60および流出部材70と連通凹部224との間に、この冷却装置2により冷却される被冷却物が載せられる。被冷却物は、組電池100(図1参照)であることを例示することができる。
以上のように構成された冷却装置2においては、流入部材60の流入パイプ61から装置本体210の流入凹部221内に流入した冷却液が、前側2つの流通凹部223を通って連通凹部224に至る。連通凹部224に至った冷却液は、その後、後側2つの流通凹部223を通って流出凹部222に至り、流出部材70の流出パイプ71から流出する。このようにして、冷却液が、装置本体210の複数の流通凹部223を流通する間に、装置本体210の上面に載せられた被冷却物を冷却する。
(冷却装置2の製造方法)
図10、図11は、第2実施形態に係る冷却装置2の製造方法の一例を示す図である。
先ず、図10(a)に示すように、アルミニウム材料を用いて成形された矩形の板状の素材に対して、例えばプレス加工を施すことにより、流入凹部221、流出凹部222、複数の流通凹部223、連通凹部224、流入貫通孔231および流出貫通孔232が形成された基板240を成形する。
図10、図11は、第2実施形態に係る冷却装置2の製造方法の一例を示す図である。
先ず、図10(a)に示すように、アルミニウム材料を用いて成形された矩形の板状の素材に対して、例えばプレス加工を施すことにより、流入凹部221、流出凹部222、複数の流通凹部223、連通凹部224、流入貫通孔231および流出貫通孔232が形成された基板240を成形する。
次に、図10(b)に示すように、基板240における、流通凹部223が延びる方向に直交する二辺の中央部同士を結ぶ中央線にて基板240を折り曲げる。そして、図10(c)に示すように、基板240を180度折り曲げて、基板240における、流入凹部221、流出凹部222および連通凹部224が形成された方の板である第1板241と、複数の流通凹部223が形成された方の板である第2板242とを重ね合わせる。これにより、流入凹部221および流出凹部222と複数の流通凹部223における左側の端部とが対向し、連通凹部224と複数の流通凹部223における右側の端部とが対向する。
次に、重ね合わされた、第1板241と第2板242とを、レーザ溶接にて接合する。第1板241と第2板242とを接合するにあたっては、先ず、図11(a)に示すように、第2板242側から治具145にて押さえ、第1板241と第2板242とを拘束する。その際、治具145が、基板240の折り曲げ部243の上方に位置し、その他の部位の上方には位置しないように、治具145を配置する。
その後、第2板242に対して、レーザ装置150のレーザヘッド151からレーザ光Lを照射する。レーザ装置150は、レーザ光Lを、第2板242の板面に対して斜め方向に照射することを例示することができる。そして、レーザヘッド151を、第2板242の端部形状に沿って移動させることで、レーザ光Lを連続的に照射する。より具体的には、図11(b)に示すように、第1板241と第2板242とが重ね合わされた矩形における、折り曲げ部243以外の3辺に沿ってレーザヘッド151を移動させることで、レーザ光Lを連続的に照射する。これにより、第1板241と第2板242とが重ね合わされた矩形における、流入凹部221、流出凹部222、連通凹部224および複数の流通凹部223の周囲が密閉されるように、第1板241と第2板242とが接合される。
その後、治具145による拘束を止め、図11(c)に示すように、流通凹部223が延びる方向に直交する二辺の中央部同士を結ぶ中央線に沿ってレーザヘッド151を移動させてレーザ光Lを連続的に照射する。これにより、複数の流通凹部223の内の、前側の流通凹部223と、後側の流通凹部223との間における、第1板241と第2板242とが接合される。
以上が装置本体210を製造する方法である。
なお、その他の隣接する流通凹部223間にレーザ光Lを照射することで、第1板241と第2板242とを接合しても良い。これにより、第1板241と第2板242とを強固に接合することが可能となる。また、流入凹部221、流出凹部222、連通凹部224および複数の流通凹部223の周囲を接合するべく、第1板241と第2板242とが重ね合わされた矩形の端部形状に沿ってレーザ光Lを連続的に照射する際には、第1板241に対して、レーザ光Lを照射しても良い。
なお、その他の隣接する流通凹部223間にレーザ光Lを照射することで、第1板241と第2板242とを接合しても良い。これにより、第1板241と第2板242とを強固に接合することが可能となる。また、流入凹部221、流出凹部222、連通凹部224および複数の流通凹部223の周囲を接合するべく、第1板241と第2板242とが重ね合わされた矩形の端部形状に沿ってレーザ光Lを連続的に照射する際には、第1板241に対して、レーザ光Lを照射しても良い。
装置本体210を製造した後、第1実施形態に係る冷却装置1の製造方法と同様の方法にて、装置本体210に、流入部材60および流出部材70をレーザ溶接にて接合する。
以上説明したように、冷却装置2の製造方法は、冷却液の流路となる複数の凹部220と複数の貫通孔230とが形成された1枚の基板240を成形する工程と、複数の凹部220の開口部を塞ぐように、基板240を折り曲げる折り曲げ工程と、折り曲げにより形成された折り曲げ部243とは異なる部位であって、折り曲げ部243とともに複数の凹部220を囲む部位に対してレーザ溶接を施す溶接工程と、を備える。この製造方法によれば、冷却装置2を容易に製造可能であるとともに薄型化を実現することができる。
そして、溶接工程は、折り曲げ部243の上方に配置した治具145にて重ね合わされた第1板241と第2板242とを拘束した状態で、図11(b)に示すように、重ね合わされた部位の端部形状に沿ってレーザ光Lを照射する。これにより、折り曲げ部243とともに複数の凹部220を囲む部位に対して、熱歪みによる反りを抑制しつつレーザ溶接を施すことができるので、品質を安定しつつ、容易に製造することができる。
<第3実施形態>
図12は、第3実施形態に係る冷却装置3を上方から見た斜視図である。
図13は、第3実施形態に係る冷却装置3を下方から見た斜視図である。
図14、図15は、第3実施形態に係る冷却装置3の製造方法の一例を示す図である。
第3実施形態に係る冷却装置3は、第1実施形態に係る冷却装置1に対して、冷却装置1が並列に2つ並べられている点が異なる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と第3実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
図12は、第3実施形態に係る冷却装置3を上方から見た斜視図である。
図13は、第3実施形態に係る冷却装置3を下方から見た斜視図である。
図14、図15は、第3実施形態に係る冷却装置3の製造方法の一例を示す図である。
第3実施形態に係る冷却装置3は、第1実施形態に係る冷却装置1に対して、冷却装置1が並列に2つ並べられている点が異なる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と第3実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
冷却装置3は、装置本体10に相当する装置本体310と、装置本体310の外部から内部に冷却液を流入させる2つの流入部材60と、装置本体310の内部から外部に冷却液を流出させる2つの流出部材70とを備えている。
(装置本体310)
装置本体310は、冷却液の流路となる複数の凹部320と複数の貫通孔330とが形成された1枚の基板340(図14参照)が折り曲げられた後、複数の凹部320を囲む部位に対してレーザ溶接が施されることにより成形されている。言い換えれば、装置本体310は、冷却液の流路となる複数の凹部320および複数の貫通孔330が形成された1枚の基板340が折り曲げられた第1折り曲げ部343および第2折り曲げ部344とを備える。また、装置本体310は、基板340が折り曲げられることによって重ね合わせられた部位であって第1折り曲げ部343とともに複数の凹部320を囲む部位に対してレーザ溶接が施された第1溶接部345と、第2折り曲げ部344とともに複数の凹部320を囲む部位に対してレーザ溶接が施された第2溶接部346とを備える。それゆえ、装置本体310は、上下方向の大きさが、左右方向および前後方向の大きさよりも小さくなるように薄型化されている。
装置本体310は、冷却液の流路となる複数の凹部320と複数の貫通孔330とが形成された1枚の基板340(図14参照)が折り曲げられた後、複数の凹部320を囲む部位に対してレーザ溶接が施されることにより成形されている。言い換えれば、装置本体310は、冷却液の流路となる複数の凹部320および複数の貫通孔330が形成された1枚の基板340が折り曲げられた第1折り曲げ部343および第2折り曲げ部344とを備える。また、装置本体310は、基板340が折り曲げられることによって重ね合わせられた部位であって第1折り曲げ部343とともに複数の凹部320を囲む部位に対してレーザ溶接が施された第1溶接部345と、第2折り曲げ部344とともに複数の凹部320を囲む部位に対してレーザ溶接が施された第2溶接部346とを備える。それゆえ、装置本体310は、上下方向の大きさが、左右方向および前後方向の大きさよりも小さくなるように薄型化されている。
複数の凹部320として、冷却液が流入する流入凹部321と、冷却液が流出する流出凹部322と、流入凹部321と流出凹部322との間で冷却液が通る複数(図13においては6つ)の流通凹部323とが、それぞれ2組形成されている。
複数の貫通孔330として、流入凹部321の内部と外部とを連通する流入貫通孔331と、流出凹部322の内部と外部とを連通する流出貫通孔332とが、それぞれ2組形成されている。
複数の貫通孔330として、流入凹部321の内部と外部とを連通する流入貫通孔331と、流出凹部322の内部と外部とを連通する流出貫通孔332とが、それぞれ2組形成されている。
流入凹部321、流出凹部322、流通凹部323、流入貫通孔331、流出貫通孔332は、それぞれ、第1実施形態に係る流入凹部21、流出凹部22、流通凹部23、流入貫通孔31、流出貫通孔32と同様であるので詳細な説明は省略する。
(冷却装置3の作用)
以上のように構成された冷却装置3には、装置本体310の上面であって、左右方向には、流入部材60と流出部材70との間に、この冷却装置1により冷却される被冷却物が載せられる。被冷却物は、組電池100(図1参照)であることを例示することができる。組電池100は、2つの流入部材60と2つの流出部材70との間に、1列に並べられていても良いし、2列に並べられていても良い。
以上のように構成された冷却装置3には、装置本体310の上面であって、左右方向には、流入部材60と流出部材70との間に、この冷却装置1により冷却される被冷却物が載せられる。被冷却物は、組電池100(図1参照)であることを例示することができる。組電池100は、2つの流入部材60と2つの流出部材70との間に、1列に並べられていても良いし、2列に並べられていても良い。
そして、冷却装置3においては、各流入部材60から流入凹部321内に流入した冷却液が、複数の流通凹部323を通って各流出凹部322に至る。各流出凹部322に至った冷却液は、その後、各流出部材70から流出する。このようにして、冷却液が、装置本体310の複数の流通凹部323を流通する間に、装置本体310の上面に載せられた被冷却物を冷却する。
(冷却装置3の製造方法)
先ず、図14(a)に示すように、アルミニウム材料を用いて成形された矩形の板状の素材に対して、例えばプレス加工を施すことにより、流入凹部321、流出凹部322、流通凹部323、流入貫通孔331および流出貫通孔332が2組形成された基板340を成形する。
先ず、図14(a)に示すように、アルミニウム材料を用いて成形された矩形の板状の素材に対して、例えばプレス加工を施すことにより、流入凹部321、流出凹部322、流通凹部323、流入貫通孔331および流出貫通孔332が2組形成された基板340を成形する。
次に、図14(b)に示すように、基板340における、流通凹部323が延びる方向に直交する二辺の一方の端部から1/4の長さの部位同士を結ぶ線341にて基板340を折り曲げる。また、基板340における、流通凹部323が延びる方向に直交する二辺の他方の端部から1/4の長さの部位同士を結ぶ線342にて基板340を折り曲げる。そして、図14(c)に示すように、基板340をそれぞれ180度折り曲げて、基板340における、流入凹部321および流出凹部322が形成された板である第1板351と、第1板351に対して一方側にある第2板352および第1板351に対して他方側にある第3板353とを重ね合わせる。これにより、第1板351に形成された流入凹部321と、第2板352および第3板353それぞれに形成された複数の流通凹部323における右側の端部とが対向する。また、第1板351に形成された流出凹部322と、第2板352および第3板353それぞれに形成された複数の流通凹部323における左側の端部とが対向する。
次に、重ね合わされた、第1板351と第2板352とを、レーザ溶接にて接合する。第1板351と第2板352とを接合するにあたっては、先ず、図15(a)に示すように、第2板352側から治具145にて押さえ、第1板351と第2板352とを拘束する。その際、治具145が、基板340の第1折り曲げ部343の上方に位置し、その他の部位の上方には位置しないように、治具145を配置する。その後、図5(b)を用いて説明した方法と同様に、第1板351と第2板352とが重ね合わされた矩形における、第1折り曲げ部343以外の3辺に沿ってレーザヘッド151を移動させることで、レーザ光Lを連続的に照射する。
次に、重ね合わされた、第1板351と第3板353とを、レーザ溶接にて接合する。第1板351と第3板353とを接合するにあたっては、先ず、図15(b)に示すように、第3板353側から治具145にて押さえ、第1板351と第3板353とを拘束する。その際、治具145が、基板340の第2折り曲げ部344の上方に位置し、その他の部位の上方には位置しないように、治具145を配置する。その後、第1板351と第3板353とが重ね合わされた矩形における、第2折り曲げ部344以外の3辺に沿ってレーザヘッド151を移動させることで、レーザ光Lを連続的に照射する。
なお、図15(b)においては、治具145を移動させているが、特にかかる態様に限定されない。例えば、第1板351と第2板352とを接合した後に、基板340の板面に直交する線を回転中心として基板340を180度回転させた後に、同じ位置に設けられた治具145にて拘束しても良い。
あるいは、第1板351と第2板352、および、第1板351と第3板353を同時に拘束した状態で、第1板351と第2板352との接合と、第1板351と第3板353との接合とを同じ工程で行っても良い。すなわち、第1板351と、第2板352および第3板353とが重ね合わされた矩形の右側の端部の直線形状に沿ってレーザヘッド151を移動させることでレーザ光Lを第2板352および第3板353に対して連続的に照射して、第1板351に対して第2板352および第3板353の右端の端部を接合する。また、第1板351と、第2板352および第3板353とが重ね合わされた矩形の左側の端部の直線形状に沿ってレーザヘッド151を移動させることでレーザ光Lを第2板352および第3板353に対して連続的に照射して、第1板351に対して第2板352および第3板353の左端の端部を接合する。そして、第1板351と、第2板352および第3板353とが重ね合わされた矩形の前後方向の中央部において、左右方向にレーザヘッド151を移動させることでレーザ光Lを第2板352に対して連続的に照射して、第1板351に対して第2板352を接合するとともに、左右方向にレーザヘッド151を移動させることでレーザ光Lを第3板353に対して連続的に照射して、第1板351に対して第3板353を接合する。なお、第1板351と、第2板352および第3板353とが重ね合わされた矩形の前後方向の中央部において、レーザ光Lの照射位置が、第2板352と第3板353との境界線の一方側に配置された第2板352および他方側に配置された第3板353に交互に移動するように照射しても良い。その際、照射位置が円形となるとともに、当該円の中心が、境界線に沿って左右方向に移動するように照射することを例示することができる。あるいは、照射位置が直線的に境界線に対して傾斜する方向となり、折り返し点が第2板352と第3板353とに交互になるように照射しても良いし、照射位置が8の字となるとともに、当該8の字の中心が、境界線に沿って左右方向に移動するように照射しても良い。
その後、治具145による拘束を止め、図15(c)に示すように、第1実施形態に係る冷却装置1の製造方法と同様の方法にて、隣接する流通凹部323間を接合する。
以上が装置本体310を製造する方法である。
なお、隣接する流通凹部323間を接合しなくても良い。ただし、隣接する流通凹部323間を接合することで、第1板351と、第2板352および第3板353とを強固に接合することが可能となる。
以上が装置本体310を製造する方法である。
なお、隣接する流通凹部323間を接合しなくても良い。ただし、隣接する流通凹部323間を接合することで、第1板351と、第2板352および第3板353とを強固に接合することが可能となる。
装置本体310を製造した後、第1実施形態に係る冷却装置1の製造方法と同様の方法にて、装置本体310に、流入部材60および流出部材70をレーザ溶接にて接合する。
以上説明したように、冷却装置3の製造方法は、冷却液の流路となる複数の凹部320と複数の貫通孔330とが形成された1枚の基板340を成形する工程と、複数の凹部320の開口部を塞ぐように、基板340を折り曲げる折り曲げ工程と、折り曲げにより形成された第1折り曲げ部343および第2折り曲げ部344とは異なる部位であって、第1折り曲げ部343または第2折り曲げ部344とともに複数の凹部320を囲む部位に対してレーザ溶接を施す溶接工程と、を備える。この製造方法によれば、冷却装置3を容易に製造可能であるとともに薄型化を実現することができる。
そして、溶接工程は、第1折り曲げ部343または第2折り曲げ部344の上方に配置した治具145にて重ね合わされた第1板351と、第2板352および第3板353とを拘束した状態で、図15に示すように、重ね合わされた部位の端部形状に沿ってレーザ光Lを照射する。これにより、第1折り曲げ部343または第2折り曲げ部344とともに複数の凹部320を囲む部位に対して、熱歪みによる反りを抑制しつつレーザ溶接を施すことができるので、品質を安定しつつ、容易に製造することができる。
<第4実施形態>
図16は、第4実施形態に係る冷却装置4を上方から見た斜視図である。
図17は、第4実施形態に係る冷却装置4を下方から見た斜視図である。
図18は、図16のXVIII-XVIII部の断面の一例を示す図である。
第4実施形態に係る冷却装置4は、第1実施形態に係る冷却装置1に対して、流入凹部21、流出凹部22に相当する、流入凹部421、流出凹部422が形成されている位置が異なる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と第4実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
図16は、第4実施形態に係る冷却装置4を上方から見た斜視図である。
図17は、第4実施形態に係る冷却装置4を下方から見た斜視図である。
図18は、図16のXVIII-XVIII部の断面の一例を示す図である。
第4実施形態に係る冷却装置4は、第1実施形態に係る冷却装置1に対して、流入凹部21、流出凹部22に相当する、流入凹部421、流出凹部422が形成されている位置が異なる。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態と第4実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
冷却装置4は、装置本体10に相当する装置本体410と、装置本体410の外部から内部に冷却液を流入させる流入部材60と、装置本体410の内部から外部に冷却液を流出させる流出部材70とを備えている。
(装置本体410)
装置本体410は、冷却液の流路となる複数の凹部420と複数の貫通孔430(図19参照)とが形成された1枚の基板440(図19参照)が折り曲げられた後、複数の凹部420を囲む部位に対してレーザ溶接が施されることにより成形されている。言い換えれば、装置本体410は、冷却液の流路となる複数の凹部420および複数の貫通孔430が形成された1枚の基板440が折り曲げられた折り曲げ部443と、基板440が折り曲げられることによって重ね合わせられた部位であって折り曲げ部443とともに複数の凹部420を囲む部位に対してレーザ溶接が施された溶接部444とを備える。それゆえ、装置本体410は、上下方向の大きさが、左右方向および前後方向の大きさよりも小さくなるように薄型化されている。
装置本体410は、冷却液の流路となる複数の凹部420と複数の貫通孔430(図19参照)とが形成された1枚の基板440(図19参照)が折り曲げられた後、複数の凹部420を囲む部位に対してレーザ溶接が施されることにより成形されている。言い換えれば、装置本体410は、冷却液の流路となる複数の凹部420および複数の貫通孔430が形成された1枚の基板440が折り曲げられた折り曲げ部443と、基板440が折り曲げられることによって重ね合わせられた部位であって折り曲げ部443とともに複数の凹部420を囲む部位に対してレーザ溶接が施された溶接部444とを備える。それゆえ、装置本体410は、上下方向の大きさが、左右方向および前後方向の大きさよりも小さくなるように薄型化されている。
複数の凹部420は、冷却液が流入する流入凹部421と、冷却液が流出する流出凹部422と、冷却液が通る複数(第4実施形態においては6つ)の流通凹部423と、にて構成されている。
流入凹部421および流出凹部422は、基板440の板面から直方体状に凹んでいる。流入凹部421および流出凹部422は、いずれか一方が、装置本体410の左右方向の一方の端部に設けられ、他方が、装置本体410の左右方向の他方の端部に設けられている。図17に示した例では、流入凹部421が右側の端部に、流出凹部422が左側の端部にそれぞれ設けられている。
流通凹部423は、左右方向に延びて、流入凹部421と流出凹部422とを連通するように形成されている。左右方向に直交する面で流通凹部423を切断した形状は台形であることを例示することができる。流通凹部423は、前後方向に並ぶように複数(図17に示した例では6つ)設けられている。
複数の貫通孔430は、流入凹部421の内部と外部とを連通する流入貫通孔431と、流出凹部422の内部と外部とを連通する流出貫通孔432と、にて構成されている。
(冷却装置4の作用)
以上のように構成された冷却装置4には、装置本体410の上面であって、左右方向には、流入部材60と流出部材70との間に、この冷却装置4により冷却される被冷却物が載せられる。被冷却物は、組電池100(図1参照)であることを例示することができる。
以上のように構成された冷却装置4には、装置本体410の上面であって、左右方向には、流入部材60と流出部材70との間に、この冷却装置4により冷却される被冷却物が載せられる。被冷却物は、組電池100(図1参照)であることを例示することができる。
そして、冷却装置4においては、流入部材60の流入パイプ61から装置本体410の流入凹部421内に流入した冷却液が、複数の流通凹部423を通って流出凹部422に至る。流出凹部422に至った冷却液は、その後、流出部材70の流出パイプ71から流出する。このようにして、冷却液が、装置本体410の複数の流通凹部423を流通する間に、装置本体410の上面に載せられた被冷却物を冷却する。
(冷却装置4の製造方法)
図19、図20は、第4実施形態に係る冷却装置4の製造方法の一例を示す図である。
先ず、図19(a)に示すように、アルミニウム材料を用いて成形された矩形の板状の素材に対して、例えばプレス加工を施すことにより、流入凹部421、流出凹部422、複数の流通凹部423、流入貫通孔431および流出貫通孔432が形成された基板440を成形する。
図19、図20は、第4実施形態に係る冷却装置4の製造方法の一例を示す図である。
先ず、図19(a)に示すように、アルミニウム材料を用いて成形された矩形の板状の素材に対して、例えばプレス加工を施すことにより、流入凹部421、流出凹部422、複数の流通凹部423、流入貫通孔431および流出貫通孔432が形成された基板440を成形する。
次に、図19(b)に示すように、基板440における、流通凹部423が延びる方向に直交する二辺の中央部同士を結ぶ中央線にて基板440を折り曲げる。そして、図19(c)に示すように、基板440を180度折り曲げて、基板440における、流入貫通孔431および流出貫通孔432が形成された方の板である第1板441と、流入凹部421、流出凹部422および複数の流通凹部423が形成された方の板である第2板442とを重ね合わせる。これにより、流入貫通孔431と流入凹部421とが対向し、流出貫通孔432と流出凹部422とが対向する。
次に、重ね合わされた、第1板441と第2板442とを、レーザ溶接にて接合する。第1板441と第2板442とを接合するにあたっては、先ず、図20(a)に示すように、第2板442側から治具145にて押さえ、第1板441と第2板442とを拘束する。その際、治具145が、基板440の折り曲げ部443の上方に位置し、その他の部位の上方には位置しないように、治具145を配置する。
その後、第2板442に対して、レーザ装置150のレーザヘッド151からレーザ光Lを照射する。レーザ装置150は、レーザ光Lを、第2板442の板面に対して斜め方向に照射することを例示することができる。そして、レーザヘッド151を、第2板442の端部形状に沿って移動させることで、レーザ光Lを連続的に照射する。より具体的には、図20(b)に示すように、第1板441と第2板442とが重ね合わされた矩形における、折り曲げ部443以外の3辺に沿ってレーザヘッド151を移動させることで、レーザ光Lを連続的に照射する。これにより、第1板441と第2板442とが重ね合わされた矩形における、流入凹部421、流出凹部422および複数の流通凹部423の周囲が密閉されるように、第1板441と第2板442とが接合される。
その後、治具145による拘束を止め、図20(c)に示すように、複数の流通凹部423における、一の流通凹部423と、当該一の流通凹部423に隣接する他の流通凹部423との間において、第1板441と第2板442とをレーザ溶接にて接合する。その際、流入凹部421と流出凹部422との間において、一の流通凹部423と他の流通凹部423との間であって第1板441と第2板442とが接触している部位に、左右方向にレーザヘッド151を移動させてレーザ光Lを連続的に照射する。これにより、一の流通凹部423と他の流通凹部423との間における、第1板441と第2板442とが接合される。
以上が装置本体410を製造する方法である。
なお、隣接する流通凹部423間を接合しなくても良い。ただし、隣接する流通凹部423間を接合することで、第1板441と第2板442とを強固に接合することが可能となる。また、流入凹部421、流出凹部422および複数の流通凹部423の周囲を接合するべく、第1板441と第2板442とが重ね合わされた矩形の端部形状に沿ってレーザ光Lを連続的に照射する際には、第1板441に対して、レーザ光Lを照射しても良い。
なお、隣接する流通凹部423間を接合しなくても良い。ただし、隣接する流通凹部423間を接合することで、第1板441と第2板442とを強固に接合することが可能となる。また、流入凹部421、流出凹部422および複数の流通凹部423の周囲を接合するべく、第1板441と第2板442とが重ね合わされた矩形の端部形状に沿ってレーザ光Lを連続的に照射する際には、第1板441に対して、レーザ光Lを照射しても良い。
装置本体410を製造した後、第1実施形態に係る冷却装置1の製造方法と同様の方法にて、装置本体410に、流入部材60および流出部材70をレーザ溶接にて接合する。
以上説明したように、冷却装置4の製造方法は、冷却液の流路となる複数の凹部420と複数の貫通孔430とが形成された1枚の基板440を成形する工程と、複数の凹部420の開口部を塞ぐように、基板440を折り曲げる折り曲げ工程と、折り曲げにより形成された折り曲げ部443とは異なる部位であって、折り曲げ部443とともに複数の凹部420を囲む部位に対してレーザ溶接を施す溶接工程と、を備える。この製造方法によれば、冷却装置4を容易に製造可能であるとともに薄型化を実現することができる。
そして、溶接工程は、折り曲げ部443の上方に配置した治具145にて重ね合わされた第1板441と第2板442とを拘束した状態で、図20(b)に示すように、重ね合わされた部位の端部形状に沿ってレーザ光Lを照射する。これにより、折り曲げ部443とともに複数の凹部420を囲む部位に対して、熱歪みによる反りを抑制しつつレーザ溶接を施すことができるので、品質を安定しつつ、容易に製造することができる。
<第5実施形態>
図21は、第5実施形態に係る冷却装置5を上方から見た斜視図である。
図22は、第5実施形態に係る冷却装置5を下方から見た斜視図である。
図23は、図21のXXIII-XXIII部の断面の一例を示す図である。
第5実施形態に係る冷却装置5は、第2実施形態に係る冷却装置2に対して、流入凹部221、流出凹部222、連通凹部224にそれぞれ相当する、流入凹部521、流出凹部522、連通凹部524が形成されている位置が異なる。以下、第2実施形態と異なる点について説明する。第2実施形態と第5実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
図21は、第5実施形態に係る冷却装置5を上方から見た斜視図である。
図22は、第5実施形態に係る冷却装置5を下方から見た斜視図である。
図23は、図21のXXIII-XXIII部の断面の一例を示す図である。
第5実施形態に係る冷却装置5は、第2実施形態に係る冷却装置2に対して、流入凹部221、流出凹部222、連通凹部224にそれぞれ相当する、流入凹部521、流出凹部522、連通凹部524が形成されている位置が異なる。以下、第2実施形態と異なる点について説明する。第2実施形態と第5実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
冷却装置5は、装置本体210に相当する装置本体510と、装置本体510の外部から内部に冷却液を流入させる流入部材60と、装置本体510の内部から外部に冷却液を流出させる流出部材70とを備えている。
(装置本体510)
装置本体510は、冷却液の流路となる複数の凹部520と複数の貫通孔530(図24参照)とが形成された1枚の基板540(図24参照)が折り曲げられた後、複数の凹部520を囲む部位に対してレーザ溶接が施されることにより成形されている。言い換えれば、装置本体510は、冷却液の流路となる複数の凹部520および複数の貫通孔530が形成された1枚の基板540が折り曲げられた折り曲げ部543と、基板540が折り曲げられることによって重ね合わせられた部位であって折り曲げ部543とともに複数の凹部520を囲む部位に対してレーザ溶接が施された溶接部544とを備える。それゆえ、装置本体510は、上下方向の大きさが、左右方向および前後方向の大きさよりも小さくなるように薄型化されている。
装置本体510は、冷却液の流路となる複数の凹部520と複数の貫通孔530(図24参照)とが形成された1枚の基板540(図24参照)が折り曲げられた後、複数の凹部520を囲む部位に対してレーザ溶接が施されることにより成形されている。言い換えれば、装置本体510は、冷却液の流路となる複数の凹部520および複数の貫通孔530が形成された1枚の基板540が折り曲げられた折り曲げ部543と、基板540が折り曲げられることによって重ね合わせられた部位であって折り曲げ部543とともに複数の凹部520を囲む部位に対してレーザ溶接が施された溶接部544とを備える。それゆえ、装置本体510は、上下方向の大きさが、左右方向および前後方向の大きさよりも小さくなるように薄型化されている。
複数の凹部520は、冷却液が流入する流入凹部521と、冷却液が流出する流出凹部522と、冷却液が通る複数(第5実施形態においては6つ)の流通凹部523と、複数の流通凹部523の右側の端部を連通する連通凹部524と、にて構成されている。
流入凹部521および流出凹部522は、基板540の板面から直方体状に凹んでいる。流入凹部521および流出凹部522は、ともに、装置本体510の左右方向の一方の端部に設けられている。そして、流入凹部521および流出凹部522は、いずれか一方が、装置本体510の前後方向の前側に設けられ、他方が、後側に設けられている。図22に示した例では、流入凹部521および流出凹部522は左側の端部に設けられ、流入凹部521が前側、流出凹部522が後側に設けられている。
流通凹部523は、左右方向に延びるように形成されている。左右方向に直交する面で流通凹部523を切断した形状は台形であることを例示することができる。流通凹部523は、前後方向に並ぶように複数(図22に示した例では6つ)設けられている。複数の流通凹部523の内、中央より前側に設けられた流通凹部523の左側の端部は流入凹部521に連通し、中央より後側に設けられた流通凹部523の左側の端部は流出凹部522に連通している。
連通凹部524は、基板540の板面から直方体状に凹んでいる。連通凹部524は、複数の流通凹部523全ての右側の端部に連通している。
連通凹部524は、基板540の板面から直方体状に凹んでいる。連通凹部524は、複数の流通凹部523全ての右側の端部に連通している。
複数の貫通孔530は、流入凹部521の内部と外部とを連通する流入貫通孔531と、流出凹部522の内部と外部とを連通する流出貫通孔532(図24参照)と、にて構成されている。
(冷却装置5の作用)
以上のように構成された冷却装置5には、装置本体510の上面であって、左右方向には、流入部材60および流出部材70と、連通凹部524に対向する部位との間に、この冷却装置5により冷却される被冷却物が載せられる。被冷却物は、組電池100(図1参照)であることを例示することができる。
以上のように構成された冷却装置5には、装置本体510の上面であって、左右方向には、流入部材60および流出部材70と、連通凹部524に対向する部位との間に、この冷却装置5により冷却される被冷却物が載せられる。被冷却物は、組電池100(図1参照)であることを例示することができる。
以上のように構成された冷却装置5においては、流入部材60の流入パイプ61から装置本体510の流入凹部521内に流入した冷却液が、前側3つの流通凹部523を通って連通凹部524に至る。連通凹部524に至った冷却液は、その後、後側3つの流通凹部523を通って流出凹部522に至り、流出部材70の流出パイプ71から流出する。このようにして、冷却液が、装置本体510の複数の流通凹部523を流通する間に、装置本体510の上面に載せられた被冷却物を冷却する。
(冷却装置5の製造方法)
図24、図25は、第5実施形態に係る冷却装置5の製造方法の一例を示す図である。
先ず、図24(a)に示すように、アルミニウム材料を用いて成形された矩形の板状の素材に対して、例えばプレス加工を施すことにより、流入凹部521、流出凹部522、複数の流通凹部523、連通凹部524、流入貫通孔531および流出貫通孔532が形成された基板540を成形する。
図24、図25は、第5実施形態に係る冷却装置5の製造方法の一例を示す図である。
先ず、図24(a)に示すように、アルミニウム材料を用いて成形された矩形の板状の素材に対して、例えばプレス加工を施すことにより、流入凹部521、流出凹部522、複数の流通凹部523、連通凹部524、流入貫通孔531および流出貫通孔532が形成された基板540を成形する。
次に、図24(b)に示すように、基板540における、流通凹部523が延びる方向に直交する二辺の中央部同士を結ぶ中央線にて基板540を折り曲げる。そして、図24(c)に示すように、基板540を180度折り曲げて、基板540における、流入貫通孔531および流出貫通孔532が形成された方の板である第1板541と、流入凹部521、流出凹部522、複数の流通凹部523および連通凹部524が形成された方の板である第2板542とを重ね合わせる。これにより、流入貫通孔531と流入凹部521とが対向し、流出貫通孔532と流出凹部522とが対向する。
次に、重ね合わされた、第1板541と第2板542とを、レーザ溶接にて接合する。第1板541と第2板542とを接合するにあたっては、先ず、図25(a)に示すように、第2板542側から治具145にて押さえ、第1板541と第2板542とを拘束する。その際、治具145が、基板540の折り曲げ部543の上方に位置し、その他の部位の上方には位置しないように、治具145を配置する。
その後、第2板542に対して、レーザ装置150のレーザヘッド151からレーザ光Lを照射する。レーザ装置150は、レーザ光Lを、第2板542の板面に対して斜め方向に照射することを例示することができる。そして、レーザヘッド151を、第2板542の端部形状に沿って移動させることで、レーザ光Lを連続的に照射する。より具体的には、図25(b)に示すように、第1板541と第2板542とが重ね合わされた矩形における、折り曲げ部543以外の3辺に沿ってレーザヘッド151を移動させることで、レーザ光Lを連続的に照射する。これにより、第1板541と第2板542とが重ね合わされた矩形における、流入凹部521、流出凹部522、連通凹部524および複数の流通凹部523の周囲が密閉されるように、第1板541と第2板542とが接合される。
その後、治具145による拘束を止め、図25(c)に示すように、流入凹部521と流出凹部522との間、および、前側の流通凹部523と後側の流通凹部523との間であって第1板541と第2板542とが接触している部位に、左右方向にレーザヘッド151を移動させてレーザ光Lを連続的に照射する。これにより、複数の流通凹部523の内の、前側の流通凹部523と、後側の流通凹部523との間における、第1板541と第2板542とが接合される。
以上が装置本体510を製造する方法である。
なお、その他の隣接する流通凹部523間にレーザ光Lを照射することで、第1板541と第2板542とを接合しても良い。これにより、第1板541と第2板542とを強固に接合することが可能となる。また、流入凹部521、流出凹部522、連通凹部524および複数の流通凹部523の周囲を接合するべく、第1板541と第2板542とが重ね合わされた矩形の端部形状に沿ってレーザ光Lを連続的に照射する際には、第1板541に対して、レーザ光Lを照射しても良い。
なお、その他の隣接する流通凹部523間にレーザ光Lを照射することで、第1板541と第2板542とを接合しても良い。これにより、第1板541と第2板542とを強固に接合することが可能となる。また、流入凹部521、流出凹部522、連通凹部524および複数の流通凹部523の周囲を接合するべく、第1板541と第2板542とが重ね合わされた矩形の端部形状に沿ってレーザ光Lを連続的に照射する際には、第1板541に対して、レーザ光Lを照射しても良い。
装置本体510を製造した後、第1実施形態に係る冷却装置1の製造方法と同様の方法にて、装置本体510に、流入部材60および流出部材70をレーザ溶接にて接合する。
以上説明したように、冷却装置5の製造方法は、冷却液の流路となる複数の凹部520と複数の貫通孔530とが形成された1枚の基板540を成形する工程と、複数の凹部520の開口部を塞ぐように、基板540を折り曲げる折り曲げ工程と、折り曲げにより形成された折り曲げ部543とは異なる部位であって、折り曲げ部543とともに複数の凹部520を囲む部位に対してレーザ溶接を施す溶接工程と、を備える。この製造方法によれば、冷却装置5を容易に製造可能であるとともに薄型化を実現することができる。
そして、溶接工程は、折り曲げ部543の上方に配置した治具145にて重ね合わされた第1板541と第2板542とを拘束した状態で、図25(b)に示すように、重ね合わされた部位の端部形状に沿ってレーザ光Lを照射する。これにより、折り曲げ部543とともに複数の凹部520を囲む部位に対して、熱歪みによる反りを抑制しつつレーザ溶接を施すことができるので、品質を安定しつつ、容易に製造することができる。
1,2,3,4,5…冷却装置、10,210,310,410,510…装置本体、20,220,320,420,520…複数の凹部、21,221,321,421,521…流入凹部、22,222,322,422,522…流出凹部、23,223,323,423,523…流通凹部、30,230,330,430,530…複数の貫通孔、60…流入部材、70…流出部材、140,240,340,440,540…基板、141,241,351,441,541…第1板、142,242,352,442,542…第2板、143,243,443,543…折り曲げ部、144,244,444,544…溶接部、145…治具、150…レーザ装置、151…レーザヘッド、343…第1折り曲げ部、344…第2折り曲げ部、345…第1溶接部、346…第2溶接部、353…第3板
Claims (11)
- 冷却液の流路となる複数の凹部と複数の貫通孔とが形成された1枚の基板を成形する工程と、
前記複数の凹部の開口部を塞ぐように、前記基板を折り曲げる折り曲げ工程と、
折り曲げにより形成された折り曲げ部とは異なる部位であって、当該折り曲げ部とともに前記複数の凹部を囲む部位に対してレーザ溶接を施す溶接工程と、
を備える冷却装置の製造方法。 - 前記複数の凹部は、前記冷却液が流入する流入凹部と、当該冷却液が流出する流出凹部と、当該流入凹部と当該流出凹部との間で当該冷却液が通る流通凹部とを有し、
前記折り曲げ工程は、前記基板における前記流入凹部および前記流出凹部が形成された板である第1板と、前記流通凹部が形成された板である第2板とを重ねるように折り曲げる
請求項1に記載の冷却装置の製造方法。 - 前記折り曲げ工程は、前記基板における前記複数の貫通孔が形成された板である第1板と、前記複数の凹部が形成された板である第2板とを重ねるように折り曲げる
請求項1に記載の冷却装置の製造方法。 - 前記溶接工程は、前記折り曲げ部の上方に配置した治具にて重ね合わされた前記第1板と前記第2板とを拘束した状態で、重ね合わされた部位の端部形状に沿ってレーザ光を照射する
請求項2または3に記載の冷却装置の製造方法。 - 前記複数の貫通孔の内の第1の貫通孔に対応する部位に、前記冷却液を内部に流入させる流入部材を接合する工程と、
前記複数の貫通孔の内の第2の貫通孔に対応する部位に、前記冷却液を内部から流出させる流出部材を接合する工程と、
を備える請求項1から4のいずれか1項に記載の冷却装置の製造方法。 - 冷却液の流路となる複数の凹部および複数の貫通孔が形成された1枚の基板が折り曲げられた折り曲げ部と、
前記基板が折り曲げられることによって重ね合わせられた部位であって前記折り曲げ部とともに前記複数の凹部を囲む部位に対してレーザ溶接が施された溶接部と、
を備える冷却装置。 - 前記複数の凹部は、前記冷却液が流入する流入凹部と、当該冷却液が流出する流出凹部と、前記折り曲げ部と平行な方向に延びて一方の端部が当該流入凹部に連通するとともに他方の端部が当該流出凹部に連通する流通凹部とを有し、
前記溶接部は、前記基板における前記流入凹部および前記流出凹部が形成された板である第1板と、前記流通凹部が形成された板である第2板とが重ね合わせられた部位に対してレーザ溶接が施された部位である
請求項6に記載の冷却装置。 - 前記複数の凹部は、前記冷却液が流入する流入凹部と、当該冷却液が流出する流出凹部と、前記折り曲げ部と平行な方向に延びて一方の端部が当該流入凹部または当該流出凹部に連通する複数の流通凹部と、当該複数の流通凹部の他方の端部を連通する連通凹部とを有し、
前記溶接部は、前記基板における、前記流入凹部、前記流出凹部および前記連通凹部が形成された板である第1板と、前記複数の流通凹部が形成された板である第2板とが重ね合わせられた部位に対してレーザ溶接が施された部位である
請求項6に記載の冷却装置。 - 前記溶接部は、前記基板における前記複数の貫通孔が形成された板である第1板と、前記複数の凹部が形成された板である第2板とが重ね合わせられた部位に対してレーザ溶接が施された部位である
請求項6に記載の冷却装置。 - 前記複数の凹部は、前記冷却液が流入する流入凹部と、当該冷却液が流出する流出凹部と、前記折り曲げ部と平行な方向に延びて一方の端部が当該流入凹部に連通するとともに他方の端部が当該流出凹部に連通する流通凹部とから構成される組を2組有し、
前記溶接部は、前記基板における前記2組の前記流入凹部および前記流出凹部が形成された板である第1板と、前記2組の内の一の組の前記流通凹部が形成された板である第2板とが重ね合わせられた部位と、当該第1板と当該2組の内の他の組の当該流通凹部が形成された板である第3板とが重ね合わせられた部位とに対してレーザ溶接が施された部位である
請求項6に記載の冷却装置。 - 前記複数の貫通孔の内の第1の貫通孔に対応する部位に接合されて、前記冷却液を内部に流入させる流入部材と、
前記複数の貫通孔の内の第2の貫通孔に対応する部位に接合されて、前記冷却液を内部から流出させる流出部材と、
をさらに備える請求項6から10のいずれか1項に記載の冷却装置。
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---|---|---|---|
JP2021115193A JP2023011369A (ja) | 2021-07-12 | 2021-07-12 | 冷却装置の製造方法、冷却装置 |
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JP2021115193A JP2023011369A (ja) | 2021-07-12 | 2021-07-12 | 冷却装置の製造方法、冷却装置 |
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JP2021115193A Pending JP2023011369A (ja) | 2021-07-12 | 2021-07-12 | 冷却装置の製造方法、冷却装置 |
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