JP2023009459A - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた高速走行時の耐摩耗性及び低燃費性の総合性能を向上するゴム組成物及びタイヤを提供する。【解決手段】イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカと、チウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ゴム材料とを含み、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量は、30~150質量部であり、前記イソプレン系ゴムの含有量及び前記ブタジエンゴムの含有量は、下記式(1)を満たすゴム組成物。(1)イソプレン系ゴムの含有量>ブタジエンゴムの含有量【選択図】なし

Description

本開示は、ゴム組成物及びタイヤに関する。
タイヤ等に使用されるゴム組成物には、耐摩耗性、低燃費性などの種々の性能が求められており、改善が要求されている。
本開示は、前記課題を解決し、優れた高速走行時の耐摩耗性及び低燃費性の総合性能を向上するゴム組成物及びタイヤを提供することを目的とする。
本開示は、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカと、チウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ゴム材料とを含み、
前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量は、30~150質量部であり、
前記イソプレン系ゴムの含有量及び前記ブタジエンゴムの含有量は、下記式(1)を満たすゴム組成物に関する。
(1)イソプレン系ゴムの含有量>ブタジエンゴムの含有量
本開示は、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴム(BR)を含むゴム成分と、シリカと、チウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ゴム材料とを含み、かつ所定のシリカ含有量、前記式(1)を満たすゴム組成物である。前記ゴム組成物は、優れた高速走行時の耐摩耗性及び低燃費性の総合性能を向上できる。
このような作用効果が得られるメカニズム(理由)は明らかではないが、以下のように推察される。
一般に、高速走行時はゴムに加わる変形速度が速い為、系内に不均一な部分が発生していると、その部分での変形に対する追従性が損なわれる為、ゴムの破壊に繋がり、耐摩耗性が低下すると考えられる。
本開示では、反応性が高いチウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ゴム材料を、イソプレン系ゴムとブタジエンゴムの混合ゴムに添加しているため、不飽和のイソプレン系ゴム/ブタジエンゴム相に該変性ゴム材料が取り込まれやすく、かつポリマーとの架橋反応性が高くなる。よって、該変性ゴム材料とポリマーとの結合(共有結合など)の形成が促進され、該変性ゴム材料が破壊核になることが防止される。
また、シリカはイソプレン系ゴム相中に偏在しやすいが、イソプレン系ゴムの含有量>ブタジエンゴムの含有量に調整することで、破壊核となることが防止され、また、前記変性ゴム材料が先にイソプレン系ゴムと反応し、イソプレン系ゴム相が速く飽和状態に達しやすくなるため、シリカが入り込みにくくなり、イソプレン系ゴムへのシリカの偏在が抑制される。
更に、イソプレン系ゴムの含有量>ブタジエンゴムの含有量に調整することで、イソプレン系ゴム相中に耐屈曲亀裂性に優れるブタジエンゴム相が島として存在するため、高速走行時の耐摩耗性が向上する。
従って、ゴムに加わる変形速度が速い高速走行時において、系内に不均一な部分が発生しても当該部分の変形に対する追従性を確保できるため、破壊核が減少し、また、シリカの偏在が抑制され、シリカの均一分散が促進されることから、優れた高速走行時の耐摩耗性が付与されると考えられる。更に優れた高速走行時の低燃費性も同時に得られるため、高速走行時の耐摩耗性及び低燃費性の総合性能が顕著に向上すると推察される。
前記ゴム組成物に使用可能なイソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、ゴム工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、ゴム工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
BRは特に限定されず、例えば、高シス含量のハイシスBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR、希土類系触媒を用いて合成したBR(希土類BR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐摩耗性が向上するという理由から、シス含量が90質量%以上のハイシスBRが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
BRは、非変性BRでもよいし、変性BRでもよい。
変性BRとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するBRであればよく、例えば、BRの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性BR(末端に上記官能基を有する末端変性BR)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性BRや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性BR(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性BR)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性BR等が挙げられる。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1~6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシシリル基)が好ましい。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物は、イソプレン系ゴムの含有量(ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量(質量%))、ブタジエンゴムの含有量(ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量(質量%))が、下記式(1)を満たす。
(1)イソプレン系ゴムの含有量>ブタジエンゴムの含有量
前記ゴム組成物では、効果がより良好に得られる観点から、前記イソプレン系ゴムの含有量、前記ブタジエンゴムの含有量が、下記式を満たすことが望ましい。
イソプレン系ゴムの含有量/ブタジエンゴムの含有量≧1.5
イソプレン系ゴムの含有量/ブタジエンゴムの含有量は、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.3以上、更に好ましくは2.8以上、特に好ましくは3.0以上である。上限は、好ましくは6.0以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.5以下、特に好ましくは4.0以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、特に好ましくは75質量%以上である。上限は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上である。上限は、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、特に好ましくは25質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴム及びBRの合計含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上であり、100質量%でもよい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、イソプレン系ゴム、BR以外の他のゴム成分を含んでもよい。他のゴム成分としては、例えば、他のジエン系ゴムを使用できる。他のジエン系ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられる。また、ブチル系ゴム、フッ素ゴムなども挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物に使用可能なシリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
前記ゴム組成物において、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、30質量部以上、好ましくは50質量部以上、より好ましくは80質量部以上、更に好ましくは90質量部以上、特に好ましくは100質量部以上である。上限は、150質量部以下、好ましくは140質量部以下、より好ましくは130質量部以下、更に好ましくは120質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは100m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。また、シリカのNSAは、好ましくは250m/g以下、より好ましくは220m/g以下、更に好ましくは200m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定される値である。
シリカとしては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物は、シリカと共にシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどのスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどのグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。なかでも、効果がより良好に得られる観点から、スルフィド系が好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物において、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは8質量部以上であり、また、好ましくは25質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは15質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物に使用可能なシリカ以外のフィラー(充填剤)としては、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、マイカなどのゴム分野で公知のものが挙げられる。なかでも、カーボンブラックが好ましい。
前記ゴム組成物において、フィラーの含有量(総量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以上、より好ましくは70質量部以上、更に好ましくは90質量部以上、特に好ましくは105質量部以上である。上限は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは140質量部以下、更に好ましくは130質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物に含まれるフィラー100質量%中のシリカ含有率は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下、更に好ましくは97質量%である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物に使用可能なカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等が挙げられるが、特に限定されない。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは20m/g以上、より好ましくは50m/g以上、更に好ましくは70m/g以上である。カーボンブラックのNSAの上限は特に限定されないが、好ましくは150m/g以下、より好ましくは130m/g以下、更に好ましくは120m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物において、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上、更に好ましくは65質量部以上、特に好ましくは70質量部以上である。また、該カーボンブラックの含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは100質量部以下、特に好ましくは90質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物に使用可能なチウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ゴム材料としては特に限定されず、チウラムスルフィド系化合物で変性された任意のゴム材料を使用できる。なかでも、前記変性ゴム材料は、チウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ジエン系ゴム材料が望ましい。
なお、本明細書において、チウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ゴム材料は、前記ゴム成分に該当しないものとする。
チウラムスルフィド系化合物としては特に限定されず、例えば、アルキルチウラムスルフィド、アリールチウラムスルフィド、ヘテロ環式チウラムスルフィド、チウラムジスルフィド、チウラムポリスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラアルキルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチルチウラムモノスルフィド等を例示できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
チウラムスルフィド系化合物で官能化されるゴム(骨格を形成するゴム)は特に限定されず、例えば、前述のジエン系ゴムなどのゴム成分などが挙げられる。
前記チウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ゴム材料としては、ライフサイクルアセスメント(LCA)の観点からは、変性再生ゴムを好適に使用できる。本明細書において、「変性再生ゴム」とは、タイヤ等の使用済みのゴム製品(廃ゴム製品)の一部を粉砕処理した後、脱硫処理を行い、更に、チウラムスルフィド系化合物で官能化することで得られたゴム材料である。チウラムスルフィド系化合物で官能化された変性再生ゴムを用いることで、効果がより良好に得られる傾向がある。
変性再生ゴムは、脱硫および官能化によりゴム中の架橋構造の一部が切断されて反応性が高まっているため、再生材料を用いた場合に懸念される補強性の低下等の問題を改善するのに有利な材料であり、例えば、再生ゴムや加硫ゴム粉末(粉末ゴム)のうち、未加硫のジエン系ゴムに作用可能な官能基を有しているものを変性用化合物で官能化処理する(変性用化合物を導入する)ことで作製される。ここで、再生ゴムは、特に限定されず、常温又は冷凍状態で機械的に粉砕された粉砕ゴム、更に脱硫処理した脱硫ゴム、JIS K6313に規定された自動車用タイヤ、チューブ及びその他のゴム製品の使用済みのゴムなどを再生したもの並びにこれと同等の性状を有する再生ゴム等が挙げられる。
なお、変性再生ゴムは、Lehigh社等の製品を使用できる。
前記変性ゴム材料は、効果がより良好に得られる観点から、ジエン部(ジエン系モノマー単位)におけるチウラムスルフィド系化合物による変性率が5.0%以上であることが好ましい。前記変性率は、より好ましくは7.0%以上、更に好ましくは9.0%以上、特に好ましくは10.0%以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは30.0%以下、より好ましくは25.0%以下、更に好ましくは20.0%以下である。
変性率を増加させること、特に5.0%以上に調整することで、このような作用効果が得られるメカニズム(理由)は明らかではないが、以下のように推察される。
前記のとおり、前記変性ゴム材料と、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分とを混合すると、該変性ゴム材料とポリマーとの結合の形成が促進するが、該変性ゴム材料の変性率が高くなることで、これとポリマーとの反応点が多くなり、反応が更に促進される。従って、高速走行時の耐摩耗性及び低燃費性の総合性能がより向上すると推察される。
前記ゴム組成物では、チウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ゴム材料の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは25質量部以上、特に好ましくは30質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、特に好ましくは45質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物には、粉末再生ゴムを配合してもよい。「粉末再生ゴム」は、常温又は冷凍状態で機械的に粉砕された粉砕ゴム、更に脱硫処理した脱硫ゴム、JIS K6313に規定された自動車用タイヤ、チューブ及びその他のゴム製品の使用済みのゴムなどを再生したもの並びにこれと同等の性状を有する再生ゴムで、かつ脱硫処理や官能化等の変性処理は施されていない材料である。
なお、本明細書において、粉末再生ゴムは、ゴム成分に該当しないものとする。また、チウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ゴム材料は、粉末再生ゴムに該当しないものとする。
前記ゴム組成物が粉末再生ゴムを含む場合、該粉末再生ゴムの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは6質量部以上、更に好ましくは8質量部以上、特に好ましくは10質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは15質量部以下、特に好ましくは13質量部以下である。
前記ゴム組成物は、可塑剤を含有してもよい。
本明細書において、可塑剤とは、ゴム成分に可塑性を付与する材料であり、液体可塑剤(25℃で液体(液状)の可塑剤)及び固体可塑剤(25℃で固体の可塑剤)を含む概念である。具体的には、ゴム組成物からアセトンを用いて抽出されるような成分などである。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ゴム組成物では、可塑剤(液体可塑剤及び固体可塑剤の合計含有量)の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5.0質量部以上、より好ましくは8.0質量部以上、更に好ましくは10.0質量部以上、特に好ましくは12.0質量部以上である。上限は、好ましくは50.0質量部以下、より好ましくは30.0質量部以下、更に好ましくは20.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、可塑剤の含有量には、ゴム(油展ゴム)、硫黄(オイル含有硫黄)などに含まれるオイルの量も含まれる。
液体可塑剤としては、オイル、液状ポリマー(ジエン系、オレフィン系、エステル系等)、液状樹脂、テレビン油等の天然物由来の精油、エステル系可塑剤などが挙げられる。固形可塑剤としては、25℃で固形(固体)のタイヤ業界で通常用いられるような固体樹脂類などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、オイル、液状ポリマー、液状樹脂が好ましく、オイルがより好ましく、プロセスオイルが更に好ましい。
オイルとしては特に限定されず、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどのプロセスオイル、TDAE、MES等の低PCA(多環式芳香族)プロセスオイル、植物油脂、及びこれらの混合物等、従来公知のオイルを使用できる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、パラフィン系プロセスオイルが好ましい。
オイルとしては、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
液状樹脂としては、例えば、25℃で液状のテルペン系樹脂(テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂を含む)、ロジン樹脂、スチレン系樹脂、C5系樹脂、C5C9系樹脂、クマロンインデン系樹脂(クマロン、インデン単体樹脂を含む)、オレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
液状樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、RutgersChemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、ENEOS(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
液状ジエン系ポリマーとしては、例えば、25℃で液状の液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)、液状スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(液状SBSブロックポリマー)、液状スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(液状SISブロックポリマー)等が挙げられる。これらは、末端や主鎖が極性基で変性されていても構わない。
液状ジエン系ポリマーとしては、例えば、サートマー社、(株)クラレ等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物では、液体可塑剤(好ましくはオイル)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5.0質量部以上、より好ましくは8.0質量部以上、更に好ましくは10.0質量部以上、特に好ましくは12.0質量部以上である。上限は、好ましくは50.0質量部以下、より好ましくは30.0質量部以下、更に好ましくは20.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、可塑剤の含有量には、ゴム(油展ゴム)、硫黄(オイル含有硫黄)などに含まれるオイルの量も含まれる。
固体可塑剤としては、タイヤ配合物として、通常用いられる固体樹脂類(レジン)を使用できる。具体的には、テルペン系樹脂、ロジン樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、クマロン系樹脂、インデン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等のレジンが挙げられる。これらは、1種でも2種以上の混合物でもよく、また、樹脂自体が複数の由来のモノマー成分を共重合したものでもよい。
固体可塑剤としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、RutgersChemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、ENEOS(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
固体可塑剤の軟化点は、好ましくは30℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは80℃以上であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは160℃以下、更に好ましくは140℃以下、特に好ましくは120℃以下である。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、固体可塑剤の軟化点は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
前記ゴム組成物が固体可塑剤(好ましくはレジン)を含む場合、固体可塑剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5.0質量部以上、より好ましくは8.0質量部以上、更に好ましくは10.0質量部以上、特に好ましくは12.0質量部以上である。上限は、好ましくは50.0質量部以下、より好ましくは30.0質量部以下、更に好ましくは20.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、効果がより良好に得られる観点から、酸化亜鉛を含有することが好ましい。酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物では、酸化亜鉛の含有量は、効果がより良好に得られる観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上、更に好ましくは2.0質量部以上、特に好ましくは2.5質量部以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは7.0質量部以下、更に好ましくは5.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
酸化亜鉛量を増加させること、特に2.0質量部以上に調整することで、このような作用効果が得られるメカニズム(理由)は明らかではないが、以下のように推察される。
前記のとおり、前記変性ゴム材料と、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分とを混合すると、該変性ゴム材料とポリマーとの結合の形成が促進するが、酸化亜鉛を所定量以上に配合することで、該変性ゴム材料とポリマーとの結合の形成の反応が促進される。従って、高速走行時の耐摩耗性及び低燃費性の総合性能がより向上すると推察される。
前記ゴム組成物は、加硫剤を含むことが好ましい。
加硫剤は、ゴム工業において一般的に用いられるものが使用可能で、例えば、硫黄などが挙げられる。硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
加硫剤としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物では、加硫剤(好ましくは硫黄)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、更に好ましくは1.5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは7.0質量部以下、更に好ましくは5.5質量部以下、特に好ましくは4.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、加硫促進剤を含有することが好ましい。
加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
加硫促進剤としては、例えば、川口化学(株)、大内新興化学(株)、ラインケミー社製等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物では、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上、更に好ましくは2.5質量部以上であり、また、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下、更に好ましくは4.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、ステアリン酸を含むことが好ましい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物では、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは3.0質量部以上、更に好ましくは4.0質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは8.0質量部以下、より好ましくは6.0質量部以下、更に好ましくは5.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、老化防止剤を含んでもよい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′-ビス(α,α′-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p-フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、p-フェニレンジアミン系老化防止剤がより好ましい。
老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物では、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上、更に好ましくは2.0質量部以上であり、また、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下、更に好ましくは4.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、ワックスを含んでもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ワックスとしては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物では、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上、更に好ましくは2.0質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは7.0質量部以下、更に好ましくは5.0質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤を配合することができ、硫黄以外の加硫剤(例えば、有機架橋剤、有機過酸化物)等を例示できる。これら各成分の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上であり、好ましくは200質量部以下である。
前記ゴム組成物は、効果がより良好に得られる観点から、チウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ゴム材料とイソプレン系ゴムとの含有比率(ゴム組成物中の前記変性ゴム材料の含有量(質量部)/ゴム組成物中のイソプレン系ゴムの含有量(質量部))が、下記式を満たすことが望ましい。
変性ゴム材料の含有量/イソプレン系ゴムの含有量≦0.60
変性ゴム材料の含有量/イソプレン系ゴムの含有量は、0.50以下が好ましく、0.43以下がより好ましく、0.38以下が更に好ましく、0.33以下が特に好ましい。該含有比率の下限は特に限定されないが、0.10以上が好ましく、0.15以上がより好ましく、0.20以上が更に好ましく、0.25以上が特に好ましい。
このような作用効果が得られるメカニズム(理由)は明らかではないが、以下のように推察される。
イソプレン系ゴムに対する変性ゴム材料の含有比率、特にイソプレン系ゴムに対する変性再生ゴムの含有比率が高くなると、ゴム中の変性再生ゴムの寄与が大きくなり、耐久性が損なわれる懸念があるが、含有比率を所定以下にすると、そのような懸念が少なくなる。従って、高速走行時の耐摩耗性及び低燃費性の総合性能がより向上すると推察される。
前記ゴム組成物は、効果がより良好に得られる観点から、シリカとチウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ゴム材料との含有比率(ゴム組成物中のシリカの含有量(質量部)/ゴム組成物中の前記変性ゴム材料の含有量(質量部))が、下記式を満たすことが望ましい。
シリカの含有量/変性ゴム材料の含有量≧2.0
シリカの含有量/変性ゴム材料の含有量は、2.5以上が好ましく、2.8以上がより好ましく、3.1以上が更に好ましく、3.3以上が特に好ましい。該含有比率の上限は特に限定されないが、7.0以下が好ましく、5.0以下がより好ましく、4.5以下が更に好ましく、4.0以下が特に好ましい。
このような作用効果が得られるメカニズム(理由)は明らかではないが、以下のように推察される。
シリカを変性ゴム材料、特に変性再生ゴムの周りに分散させることで、ゴム全体を補強でき、界面からの破壊を抑制できると考えられる。従って、高速走行時の耐摩耗性及び低燃費性の総合性能がより向上すると推察される。
前記ゴム組成物は、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
混練条件としては、架橋剤(加硫剤)及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常100~180℃、好ましくは120~170℃である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常120℃以下、好ましくは80~110℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理が施される。加硫温度としては、通常140~190℃、好ましくは150~185℃である。
なかでも、効果がより良好に得られる観点から、前記ゴム組成物は、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種と、チウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ゴム材料とを含む混合物を用いて作製されるものが好ましい。なかでも、イソプレン系ゴムと前記変性ゴム材料とを含む混合物を用いて作製されるものがより好ましい。
このような作用効果が得られるメカニズム(理由)は明らかではないが、以下のように推察される。
前記のとおり、前記変性ゴム材料と、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分とを混合すると、該変性ゴム材料とポリマーとの結合の形成が促進するが、更に、予め該変性ゴム材料とイソプレン系ゴム及び/又はBRとを十分に混合して、該変性ゴム材料とイソプレン系ゴム及び/又はBRとを含む混合物(マスターバッチ)を作製することで、これらの成分がより均一に混合し、該変性ゴム材料とポリマーとの結合の形成の反応効率が上がる。従って、高速走行時の耐摩耗性及び低燃費性の総合性能がより向上すると推察される。
前記混合物を用いて作製されるゴム組成物は、例えば、
イソプレン系ゴム及びBRからなる群より選択される少なくとも1種と、チウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ゴム材料とを混練する工程1と、
前記工程1で得られた第一混練物と、シリカとを混練する工程2と、
前記工程2で得られた第二混練物と、加硫剤とを混練する工程3と
を含む製造方法により製造できる。
工程1では、イソプレン系ゴム及びBRからなる群より選択される少なくとも1種と、前記変性ゴム材料とを混練するが、更に他の成分を投入して混練してもよい。工程1により、イソプレン系ゴム及びBRからなる群より選択される少なくとも1種と、前記変性ゴム材料とを含む第一混練物が作製される。なかでも、工程1は、イソプレン系ゴムと、前記変性ゴム材料とを混練することが望ましい。
工程1において、イソプレン系ゴム、BR、前記変性ゴム材料の投入量は、全量(全工程で使用する合計量)であってもよいし、一部であってもよい。効果がより良好に得られる観点から、イソプレン系ゴム、BR、前記変性ゴム材料を工程1で混練する場合、各成分は、工程1で全量を投入して混練することが好ましい。
工程1で使用する混練機としては、密閉型のバンバリーミキサーが好ましい。バンバリーミキサーのローターの形状は、接線式、噛合式のいずれであってもよい。工程1の混練温度は、好ましくは100~180℃、より好ましくは120~170℃である。
工程2は、工程1で得られた第一混練物と、シリカとを混練するが、更に他の成分を投入して混練してもよい。工程2における他の成分としては、シランカップリング剤、カーボンブラック、可塑剤、ステアリン酸、老化防止剤、酸化亜鉛等が挙げられる。工程2により、イソプレン系ゴム、BR、前記変性ゴム材料及びシリカを含む第二混練物が作製される。
工程2において、シリカの投入量は、全量(全工程で使用する合計量)であってもよいし、一部であってもよい。効果がより良好に得られる観点から、シリカは、工程2で全量を投入して混練することが好ましい。
工程2で使用する混練機は、例えば、工程1と同様のものを使用できる。
工程2の混練温度は、好ましくは100~180℃、より好ましくは120~170℃である。
工程3では、工程2で得られた第二混練物と、加硫剤とを混練するが、更に他の成分を投入して混練してもよい。工程3における他の成分としては、加硫促進剤等が挙げられる。工程3により、イソプレン系ゴム、BR、前記変性ゴム材料、シリカ及び加硫剤を含む第三混練物が作製される。そして、工程3で得られた第三混練物を加硫する方法などにより、加硫済のゴム組成物を製造できる。
工程3において、加硫剤の投入量は、全量(全工程で使用する合計量)であってもよいし、一部であってもよい。効果がより良好に得られる観点から、加硫剤は、工程3で全量を投入して混練することが好ましい。
工程3で使用する混練機は、例えば、工程1と同様のものを使用できる。
工程2の混練温度は、好ましくは120℃以下、より好ましくは80~110℃である。
前記ゴム組成物(加硫後のゴム組成物)は、効果がより良好に得られる観点から、ゴム組成物(100質量%)中のアセトン抽出量(AE量)が10.0質量%以上であることが好ましい。該アセトン抽出量は、13.0質量%以上がより好ましく、15.0質量%以上が更に好ましく、16.0質量%以上が特に好ましい。上限は特に限定されないが、25.0質量%以下が好ましく、22.0質量%以下がより好ましく、20.0質量%以下が更に好ましい。
なお、アセトン抽出量(AE量)は、実施例に記載の方法で測定した値である。
AE量を増加させること、特に15.0質量%以上に調整することで、このような作用効果が得られるメカニズム(理由)は明らかではないが、以下のように推察される。
前記のとおり、前記変性ゴム材料と、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分とを混合すると、該変性ゴム材料とポリマーとの結合の形成が促進するが、可塑剤量を増加する等によりAE量を増加させると、該変性ゴム材料と、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分とがより均一に混合し、該変性ゴム材料とポリマーとの結合の形成の反応効率が上がる。従って、高速走行時の耐摩耗性及び低燃費性の総合性能がより向上すると推察される。
前記ゴム組成物は、効果がより良好に得られる観点から、イソプレン系ゴム含有率(ゴム組成物(100質量%)中のイソプレン系ゴム含有率(質量%))、前記AE量(加硫後のゴム組成物100質量%中のアセトン抽出量(質量%))が、下記式を満たすことが望ましい。
イソプレン系ゴム含有率×AE量≧250
イソプレン系ゴムの含有量×AE量は、好ましくは300以上、より好ましくは350以上、更に好ましくは380以上、特に好ましくは400以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは800以下、より好ましくは700以下、更に好ましくは600以下である。
このような作用効果が得られるメカニズム(理由)は明らかではないが、以下のように推察される。
前記のとおり、前記変性ゴム材料と、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分とを混合すると、該変性ゴム材料とポリマーとの結合の形成が促進するが、可塑剤量を増加する等によりAE量を増加させると、該変性ゴム材料と、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分とがより均一に混合し、該変性ゴム材料とポリマーとの結合の形成の反応効率が上がる。また、イソプレン系ゴム量を増加させることで、イソプレン系ゴムへのシリカ偏在が抑制される。従って、高速走行時の耐摩耗性及び低燃費性の総合性能がより向上すると推察される。
ゴム組成物(加硫後のゴム組成物)は、効果がより良好に得られる観点から、ゴム組成物(100質量%)中のシリカ含有率(質量%)及び前記AE量(質量%)が、下記式を満たすことが望ましい。
シリカ含有率×AE量≧400
シリカ含有率×AE量は、好ましくは450以上、より好ましくは500以上、更に好ましくは550以上、特に好ましくは580以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは1000以下、より好ましくは800以下、更に好ましくは700以下である。
このような作用効果が得られるメカニズム(理由)は明らかではないが、以下のように推察される。
前記のとおり、前記変性ゴム材料と、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分とを混合すると、該変性ゴム材料とポリマーとの結合の形成が促進するが、可塑剤量を増加する等によりAE量を増加させると、該変性ゴム材料と、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分とがより均一に混合し、該変性ゴム材料とポリマーとの結合の形成の反応効率が上がる。また、シリカ含有率を増加させることで、補強性が向上し、耐摩耗性が向上する。従って、高速走行時の耐摩耗性及び低燃費性の総合性能がより向上すると推察される。
前記ゴム組成物は、例えば、タイヤ部材に(タイヤ用ゴム組成物として)使用でき、なかでも、トレッド(キャップトレッド)に好適に用いられる。
本開示のタイヤは、前記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどのタイヤの各部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。
タイヤとしては、特に限定されず、例えば、空気入りタイヤ、ソリッドタイヤ、エアレスタイヤ等が挙げられる。なかでも、空気入りタイヤが好ましい。
タイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用タイヤ、大型SUV用タイヤ、重荷重用タイヤ(トラック・バス用タイヤなど)、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ、スノータイヤ、スタッドタイヤ)、オールシーズンタイヤ、ランフラットタイヤ、航空機用タイヤ、鉱山用タイヤ等として使用できる。
実施例に基づいて、本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含量98質量%)
変性ゴム材料:Lehigh社製のEkoDyne(テトラベンジルチウラムジスルフィドで官能化された変性再生ゴム、変性率5.0%以上)
変性ゴム材料/NRマスターバッチ1:下記製造例(変性ゴム材料:NR=30:70)
変性ゴム材料/NRマスターバッチ2:下記製造例(変性ゴム材料:NR=35:65)
変性ゴム材料/NRマスターバッチ3:下記製造例(変性ゴム材料:NR=25:75)
再生ゴム(非変性):村岡ゴム工業(株)製R-500
再生ゴム/NRマスターバッチ1:下記製造例(再生ゴム:NR=30:70)
シリカ:エボニックデグッサ社製のウルトラジルVN3(NSA175m/g)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(NSA111m/g)
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
オイル:出光興産(株)製のNH-60
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
老化防止剤:住友化学社製のアンチゲン6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油社製のステアリン酸「椿」
ワックス:日本精鑞社製のOzoace0355
硫黄:細井化学工業社製のHK-200-5(5%オイル含有粉末硫黄)
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(ジフェニルグアニジン)
加硫促進剤CZ:大内新興化学工業社製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(製造例:マスターバッチの作製)
バンバリーミキサーを用いて、表1に記載の配合処方に従い、NR、変性ゴム材料、再生ゴム(非変性)を混練し、変性ゴム材料/NRマスターバッチ1~3、再生ゴム/NRマスターバッチ1を作製した。
<実施例及び比較例>
表1に示す配合処方に従い、バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で10分間プレス加硫し、試験用タイヤ(サイズ195/65R15、乗用車用タイヤ)を製造した。得られた試験用タイヤを用いて以下の試験を行った。
得られた試験用タイヤについて、以下の評価を行った。評価結果を表1に示した。なお、表1は、比較例1を基準比較例とした。
(アセトン抽出量(AE量))
上記試験用タイヤのトレッドから切り出したゴム試験片について、JIS K 6229に準拠したアセトン抽出量の測定方法に準拠し、該試験片中に含まれるアセトンにより抽出される物質の量を測定した。
アセトン抽出量(%)=(抽出前のサンプルの質量-抽出後のサンプルの質量)/抽出前のサンプルの質量×100
(高速走行時の耐摩耗性)
各試験用タイヤを車両に装着して、平均時速100kmで50,000km走行後のトレッド部の溝深さを測定した。測定値から、トレッド部の摩耗量を算出し、評価基準を100として指数表示した。指数が大きいほど、摩耗量が少なく、耐摩耗性が良好であることを示す。
(高速走行時の低燃費性)
転がり抵抗試験機を用い、各試験用タイヤを時速100kmで走行させたときの転がり抵抗を測定し、評価基準を100として指数表示した。指数が大きいほど、転がり抵抗が小さく、低燃費性が良好であることを示す。
Figure 2023009459000001
表1より、イソプレン系ゴム及びBRを含むゴム成分と、シリカと、チウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ゴム材料とを含み、かつ所定のシリカ含有量、前記式(1)を満たす実施例は、高速走行時の耐摩耗性及び低燃費性の総合性能(高速走行時の耐摩耗性、高速走行時の低燃費性の2つの指数の総和で表す)に優れていた。
また、比較例7、1、2、実施例1から、前記変性ゴム材料を用いること及び前記式(1)を満たすことを併用することで、高速走行時の耐摩耗性及び低燃費性の総合性能が相乗的に改善されることも示された。
本開示(1)は、イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカと、チウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ゴム材料とを含み、
前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量は、30~150質量部であり、
前記イソプレン系ゴムの含有量及び前記ブタジエンゴムの含有量は、下記式(1)を満たすゴム組成物に関する。
(1)イソプレン系ゴムの含有量>ブタジエンゴムの含有量
本開示(2)は、前記ゴム組成物が、前記イソプレン系ゴム及び前記ブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種と、前記変性ゴム材料とを含む混合物を用いて作製される本開示(1)記載のゴム組成物である。
本開示(3)は、アセトン抽出量(AE量)が15.0質量%以上である本開示(1)又は(2)記載のゴム組成物である。
本開示(4)は、前記ゴム成分100質量部に対する酸化亜鉛の含有量が2.0質量部以上である本開示(1)~(3)のいずれかに記載のゴム組成物である。
本開示(5)は、前記変性ゴム材料が、ジエン部における前記チウラムスルフィド系化合物による変性率が5.0%以上である本開示(1)~(4)のいずれかに記載のゴム組成物である。
本開示(6)は、前記イソプレン系ゴム及び前記ブタジエンゴムの含有量が下記式を満たす本開示(1)~(5)のいずれかに記載のゴム組成物である。
イソプレン系ゴムの含有量/ブタジエンゴムの含有量≧2.0
本開示(7)は、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が80質量部以上、液体可塑剤の含有量が10.0質量部以上である本開示(1)~(6)のいずれかに記載のゴム組成物である。
本開示(8)は、前記変性ゴム材料と前記イソプレン系ゴムとの含有比率が下記式を満たす本開示(1)~(7)のいずれかに記載のゴム組成物である。
変性ゴム材料の含有量/イソプレン系ゴムの含有量≦0.50
本開示(9)は、前記シリカと前記変性ゴム材料との含有比率が下記式を満たす本開示(1)~(8)のいずれかに記載のゴム組成物である。
シリカの含有量/変性ゴム材料の含有量≧3.1
本開示(10)は、イソプレン系ゴム含有率及び前記AE量が下記式を満たす本開示(3)~(9)のいずれかに記載のゴム組成物である。
イソプレン系ゴム含有率×AE量≧350
本開示(11)は、シリカ含有率(質量%)及び前記AE量(質量%)が下記式を満たす本開示(3)~(10)のいずれかに記載のゴム組成物である。
シリカ含有率×AE量≧500
本開示(12)は、本開示(1)~(11)のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤである。

Claims (12)

  1. イソプレン系ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカと、チウラムスルフィド系化合物で官能化された変性ゴム材料とを含み、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量は、30~150質量部であり、
    前記イソプレン系ゴムの含有量及び前記ブタジエンゴムの含有量は、下記式(1)を満たすゴム組成物。
    (1)イソプレン系ゴムの含有量>ブタジエンゴムの含有量
  2. 前記イソプレン系ゴム及び前記ブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種と、前記変性ゴム材料とを含む混合物を用いて作製される請求項1記載のゴム組成物。
  3. アセトン抽出量(AE量)が15.0質量%以上である請求項1又は2記載のゴム組成物。
  4. 前記ゴム成分100質量部に対する酸化亜鉛の含有量2.0質量部以上である請求項1~3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 前記変性ゴム材料は、ジエン部における前記チウラムスルフィド系化合物による変性率が5.0%以上である請求項1~4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 前記イソプレン系ゴム及び前記ブタジエンゴムの含有量が下記式を満たす請求項1~5のいずれかに記載のゴム組成物。
    イソプレン系ゴムの含有量/ブタジエンゴムの含有量≧2.0
  7. 前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が80質量部以上、液体可塑剤の含有量が10.0質量部以上である請求項1~6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 前記変性ゴム材料と前記イソプレン系ゴムとの含有比率が下記式を満たす請求項1~7のいずれかに記載のゴム組成物。
    変性ゴム材料の含有量/イソプレン系ゴムの含有量≦0.50
  9. 前記シリカと前記変性ゴム材料との含有比率が下記式を満たす請求項1~8のいずれかに記載のゴム組成物。
    シリカの含有量/変性ゴム材料の含有量≧3.1
  10. イソプレン系ゴム含有率及び前記AE量が下記式を満たす請求項3~9のいずれかに記載のゴム組成物。
    イソプレン系ゴム含有率×AE量≧350
  11. シリカ含有率(質量%)及び前記AE量(質量%)が下記式を満たす請求項3~10のいずれかに記載のゴム組成物。
    シリカ含有率×AE量≧500
  12. 請求項1~11のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤ。
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