JP2023008278A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

ロータリ圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2023008278A
JP2023008278A JP2021111710A JP2021111710A JP2023008278A JP 2023008278 A JP2023008278 A JP 2023008278A JP 2021111710 A JP2021111710 A JP 2021111710A JP 2021111710 A JP2021111710 A JP 2021111710A JP 2023008278 A JP2023008278 A JP 2023008278A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
suction
peripheral surface
inner peripheral
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021111710A
Other languages
English (en)
Inventor
崇洋 佐々木
Takahiro Sasaki
大貴 片山
Daiki Katayama
秀人 内海
Hideto Uchiumi
基信 古川
Motonobu Furukawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu General Ltd
Original Assignee
Fujitsu General Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu General Ltd filed Critical Fujitsu General Ltd
Priority to JP2021111710A priority Critical patent/JP2023008278A/ja
Publication of JP2023008278A publication Critical patent/JP2023008278A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

Figure 2023008278000001
【課題】冷媒の吸入工程の初期においてシリンダ内に形成される吸入室内が負圧になることを防ぐと共に、シリンダの機械的強度の低下を抑える。
【解決手段】ロータリ圧縮機の圧縮部は、シリンダと、シリンダの内周面に沿って公転してシリンダの内周面との間に冷媒を吸入して圧縮するシリンダ室を形成するピストンと、シリンダ室を吸入室と圧縮室に区画するベーンと、ベーンが配置されるベーン溝と、シリンダの内周面に設けられた冷媒の吸入口と、を有する。シリンダの内周面には、吸入口からベーン溝に向かって延びる吸入溝が形成される。吸入溝は、シリンダの内周面の上端及び下端のそれぞれから間隔をあけて形成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、ロータリ圧縮機に関する。
ロータリ圧縮機が備える圧縮部は、環状のシリンダと、シリンダの内周面に沿って公転しシリンダ内にシリンダ室を形成する環状のピストンと、シリンダに設けられたベーン溝からシリンダ室内に突出してピストンと接することでシリンダ室を吸入室と圧縮室に区画するベーンと、を有する。シリンダの内周面と、ピストンの外周面と、ベーンとによって包囲される吸入室には、シリンダの内周面に開口する吸入孔から冷媒が吸入される。
この種のロータリ圧縮機としては、シリンダの内周面における吸入孔とベーン溝との間に、シリンダの上端面と下端面に開口する凹部が内周面の周方向に沿って形成されたものが知られている。このロータリ圧縮機は、上下の2つのシリンダに吸入孔がぞれぞれ設けられており、各吸入孔の位置がシリンダの周方向にずらして形成されている。このように各吸入孔が形成された場合であっても、シリンダの内周面に、吸入孔から延びる凹部を形成することで、各シリンダの吸入容積を同一にすることが可能にされている(特許文献1)。
特開2012-57558号公報
上述したロータリ圧縮機では、冷媒の吸入工程において、ピストンが上死点を通過し、ピストンの公転に伴ってシリンダ内に吸入室が形成され始めた初期に、微小な吸入室が吸入孔とつながらないことにより、吸入孔から吸入室に冷媒が吸入されないタイミングが発生する問題がある。このとき、微小な吸入室内が真空に近い負圧になることで、吸入室内に生じる吸引力でピストンの回転負荷が増大し、圧縮効率が低下する。このため、シリンダの内周面における吸入孔とベーン溝との間に、吸入孔から冷媒を流すための吸入溝を形成することによって、吸入室内が負圧になることを防ぐことが考えられる。しかしながら、特許文献1のように、シリンダの上端面及び下端面に開口する大きな凹部を形成した場合には、シリンダの機械的強度が内周面の凹部の周囲で低下する不都合がある。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、冷媒の吸入工程の初期においてシリンダ内に形成される吸入室内が負圧になることを防ぐと共に、シリンダの機械的強度の低下を抑えることができるロータリ圧縮機を提供することを目的とする。
本願の開示するロータリ圧縮機の一態様は、冷媒の吐出管と吸入管が設けられた圧縮機筐体と、圧縮機筐体内に配置され吸入管から吸入された冷媒を圧縮し吐出管から吐出する圧縮部と、圧縮機筐体内に配置され圧縮部を駆動するモータと、を備え、圧縮部は、シリンダと、シリンダの内周面に沿って公転してシリンダの内周面との間に冷媒を吸入して圧縮するシリンダ室を形成するピストンと、シリンダ室を吸入室と圧縮室に区画するベーンと、ベーンが配置されるベーン溝と、シリンダの内周面に設けられた冷媒の吸入口と、を有するロータリ圧縮機において、シリンダの内周面には、吸入口からベーン溝に向かって延びる吸入溝が形成され、吸入溝は、シリンダの内周面の上端及び下端のそれぞれから間隔をあけて形成されている。
本願の開示するロータリ圧縮機の一態様によれば、冷媒の吸入工程の初期においてシリンダ内に形成される吸入室内が負圧になることを防ぐと共に、シリンダの機械的強度の低下を抑えることができる。
図1は、実施例のロータリ圧縮機を示す縦断面図である。 図2は、実施例のロータリ圧縮機の圧縮部を示す分解斜視図である。 図3は、実施例の圧縮部における上シリンダ及び上ピストンを示す平面図である。 図4は、実施例の上シリンダを示す縦断面図である。 図5は、実施例の上シリンダの内周面を示す側面図である。 図6は、実施例の上シリンダの要部を拡大して示す平面図である。 図7は、実施例における吸入溝を更に拡大して示す平面図である。
以下に、本願の開示するロータリ圧縮機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示するロータリ圧縮機が限定されるものではない。
(ロータリ圧縮機の構成)
図1は、実施例のロータリ圧縮機を示す縦断面図である。図2は、実施例のロータリ圧縮機の圧縮部を示す分解斜視図である。以下、2つのシリンダを有する、いわゆる2シリンダ型のロータリ圧縮機を一例として説明する。本実施例のロータリ圧縮機は、2シリンダ型のロータリ圧縮機に限定されず、1つのシリンダを有する、いわゆる1シリンダ型のロータリ圧縮機に適用されてもよい。
図1に示すように、ロータリ圧縮機1は、密閉された縦置き円筒状の圧縮機筐体10内の下部に配置された圧縮部12と、圧縮機筐体10内の上部に配置され、回転軸15を介して圧縮部12を駆動するモータ11と、圧縮機筐体10の外周面に固定された縦置き円筒状のアキュムレータ25と、を備えている。
アキュムレータ25は、縦置き円筒状のアキュムレータ容器26と、アキュムレータ容器26の上部に接続された低圧導入管27と、を備える。アキュムレータ容器26は、上吸入管105及びL字状の低圧連絡管31Tを介して上シリンダ121Tの上シリンダ室130T(図2参照)と接続され、下吸入管104及びL字状の低圧連絡管31Sを介して下シリンダ121Sの下シリンダ室130S(図2参照)と接続されている。上シリンダ室130Tは、上シリンダ121Tの内周面との間に冷媒を吸入して圧縮する。下シリンダ室130Sは、下シリンダ121Sの内周面との間に冷媒を吸入して圧縮する。低圧導入管27は、アキュムレータ容器26の上部を貫通して設けられており、冷凍サイクルにおける冷媒配管の低圧側に接続される。また、アキュムレータ容器26内には、低圧導入管27と低圧連絡管31T、31Sとの間に、低圧導入管27から供給される冷媒から異物を捕らえるフィルタ29が設けられている。
モータ11は、外側に配置されたステータ111と、内側に配置されたロータ112と、を備えている。ステータ111は、圧縮機筐体10の内周面に焼嵌め状態で固定、あるいはステータ111の外周面と圧縮機筐体10の内周面とが溶接で固定されている。ロータ112は、モータ11が駆動する回転軸15に焼嵌め状態で固定されている。
回転軸15は、下偏心部152Sの下方の副軸部151が、下端板160Sに設けられた副軸受部161Sに回転自在に支持され、上偏心部152Tの上方の主軸部153が、上端板160Tに設けられた主軸受部161Tに回転自在に支持され、互いに180度の位相差をつけて設けられた上偏心部152T及び下偏心部152Sにそれぞれ上ピストン125T及び下ピストン125Sが支持されることによって、圧縮部12に対して回転自在に支持されると共に、回転によって上ピストン125T及び下ピストン125Sを、上シリンダ121Tの内周面137T、下シリンダ121Sの内周面137Sに沿ってそれぞれ公転運動させる。
圧縮機筐体10の内部には、圧縮部12において摺動する上ピストン125T及び下ピストン125S等の摺動部の潤滑性を確保し、上圧縮室133T(図2参照)及び下圧縮室133S(図2参照)をシールするために、潤滑油(冷凍機油)18が圧縮部12をほぼ浸漬する量だけ封入されている。圧縮機筐体10の下側には、ロータリ圧縮機1全体を支持する複数の弾性支持部材(図示せず)を引っ掛けるベース部材310(図1参照)が固定されている。
図1に示すように、圧縮機筐体10には、冷媒を吐出する吐出管107が上部に設けられており、冷媒を吸入する上吸入管105及び下吸入管104が側面部に設けられている。圧縮部12は、上吸入管105及び下吸入管104から吸入された冷媒を圧縮し、吐出管107から吐出する。図2に示すように、圧縮部12は、上から、内部に中空空間が形成された膨出部を有する上端板カバー170T、上端板160T、環状の上シリンダ121T、中間仕切板140、環状の下シリンダ121S、下端板160S及び平板状の下端板カバー170Sを積層して構成されている。圧縮部12全体は、上下から略同心円上に配置された複数の通しボルト174,175及び補助ボルト176によって固定されている。
図2に示すように、上シリンダ121Tには、円筒状の内周面137Tが形成されている。上シリンダ121Tの内周面137Tの内側には、上シリンダ121Tの内周面137の内径よりも外径が小さい環状の上ピストン125Tが配置されており、内周面137Tと上ピストン125Tの外周面139Tとの間に、冷媒を吸入し圧縮して吐出する上圧縮室133Tが形成される。下シリンダ121Sには、円筒状の内周面137Sが形成されている。下シリンダ121Sの内周面137Sの内側には、下シリンダ121Sの内周面137Sの内径よりも外径が小さい環状の下ピストン125Sが配置されており、内周面137Sと下ピストン125Sの外周面139Sとの間に、冷媒を吸入し圧縮して吐出する下圧縮室133Sが形成される。
上シリンダ121Tは、円形状の外周部から、円筒状の内周面137Tの径方向に張り出した上側方突出部122Tを有する。上側方突出部122Tには、上シリンダ室130Tから放射状に外方へ延びる上ベーン溝128Tが設けられている。上ベーン溝128T内には、上ベーン127Tが摺動可能に配置されている。下シリンダ121Sは、円形状の外周部から、円筒状の内周面137Sの径方向に張り出した下側方突出部122Sを有する。下側方突出部122Sには、下シリンダ室130Sから放射状に外方へ延びる下ベーン溝128Sが設けられている。下ベーン溝128S内には、下ベーン127Sが摺動可能に配置されている。
上シリンダ121Tには、外側面から上ベーン溝128Tと重なる位置に、上シリンダ室130Tに貫通しない深さで上スプリング穴124Tが設けられている。上スプリング穴124Tには上スプリング126Tが配置されている。下シリンダ121Sには、外側面から下ベーン溝128Sと重なる位置に、下シリンダ室130Sに貫通しない深さで下スプリング穴124Sが設けられている。下スプリング穴124Sには下スプリング126Sが配置されている。
また、下シリンダ121Sには、下ベーン溝128Sの径方向外側と圧縮機筐体10内とを開口部で連通して圧縮機筐体10内の圧縮された冷媒を導入し、下ベーン127Sに冷媒の圧力により背圧をかける下圧力導入路129Sが形成されている。なお、圧縮機筐体10内の圧縮された冷媒は、下スプリング穴124Sからも導入される。また、上シリンダ121Tには、上ベーン溝128Tの径方向外側と圧縮機筐体10内とを開口部で連通して圧縮機筐体10内の圧縮された冷媒を導入し、上ベーン127Tに冷媒の圧力により背圧をかける上圧力導入路129Tが形成されている。なお、圧縮機筐体10内の圧縮された冷媒は、上スプリング穴124Tからも導入される。
上シリンダ121Tの上側方突出部122Tには、上吸入管105が嵌め込まれて接続される貫通孔としての上吸入孔135Tが設けられている。下シリンダ121Sの下側方突出部122Sには、下吸入管104が嵌め込まれて接続される貫通孔としての下吸入孔135Sが設けられている。
上シリンダ室130Tは、その上下をそれぞれ上端板160T及び中間仕切板140で閉塞されている。下シリンダ室130Sは、その上下をそれぞれ中間仕切板140及び下端板160Sで閉塞されている。言い換えると、圧縮部12は、シリンダ室を上シリンダ室130Tと下シリンダ室130Sとに仕切る中間仕切板140を備える。
上シリンダ室130Tは、上ベーン127Tが上スプリング126Tに押圧されて上ピストン125Tの外周面139Tに当接することによって、上吸入孔135Tに連通する上吸入室131Tと、上端板160Tに設けられた上吐出孔190Tに連通する上圧縮室133Tと、に区画される(図3参照)。下シリンダ室130Sは、下ベーン127Sが下スプリング126Sに押圧されて下ピストン125Sの外周面139Sに当接することによって、下吸入孔135Sに連通する下吸入室131Sと、下端板160Sに設けられた下吐出孔190Sに連通する下圧縮室133Sと、に区画される(図3参照)。
図2に示すように、上端板160Tには、上端板160Tを貫通して上シリンダ121Tの上圧縮室133Tと連通する上吐出孔190Tが設けられ、上吐出孔190Tの出口側には、上吐出孔190Tの周囲に上弁座(図示せず)が形成されている。上端板160Tには、上吐出孔190Tの位置から上端板160Tの周方向に溝状に延びる上吐出弁収容凹部164Tが形成されている。
上吐出弁収容凹部164Tには、後端部が上吐出弁収容凹部164T内に上リベット202Tにより固定され前部が上吐出孔190Tを開閉するリード弁型の上吐出弁200T及び後端部が上吐出弁200Tに重ねられて上吐出弁収容凹部164T内に上リベット202Tにより固定され前部が湾曲して(反って)いて上吐出弁200Tの開度を規制する上吐出弁押さえ201T全体が収容されている。
下端板160Sには、下端板160Sを貫通して下シリンダ121Sの下圧縮室133Sと連通する下吐出孔190Sが設けられている。下端板160Sには、下吐出孔190Sの位置から下端板160Sの周方向に溝状に延びる下吐出弁収容凹部(図示せず)が形成されている。
下吐出弁収容凹部には、後端部が下吐出弁収容凹部内に下リベット202Sにより固定され前部が下吐出孔190Sを開閉するリード弁型の下吐出弁200S及び後端部が下吐出弁200Sに重ねられて下吐出弁収容凹部内に下リベット202Sにより固定され前部が湾曲して(反って)いて下吐出弁200Sの開度を規制する下吐出弁押さえ201S全体が収容されている。
互いに密着固定された上端板160Tと、膨出部を有する上端板カバー170Tとの間には、上端板カバー室180Tが形成される。互いに密着固定された下端板160Sと平板状の下端板カバー170Sとの間には、下端板カバー室180S(図1参照)が形成される。下端板160S、下シリンダ121S、中間仕切板140、上端板160T及び上シリンダ121Tを貫通し下端板カバー室180Sと上端板カバー室180Tとを連通する冷媒通路孔136が設けられている。
以下に、回転軸15の回転による冷媒の流れを説明する。上シリンダ室130T内において、回転軸15の回転によって、回転軸15の上偏心部152Tに嵌合された上ピストン125Tが、上シリンダ121Tの内周面137T(上シリンダ室130Tの外周面)に沿って公転することにより、上吸入室131Tが容積を拡大しながら上吸入管105から冷媒を吸入し、上圧縮室133Tが容積を縮小しながら冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒の圧力が上吐出弁200Tの外側の上端板カバー室180Tの圧力よりも高くなると、上吐出弁200Tが開いて上圧縮室133Tから上端板カバー室180Tへ冷媒が吐出される。上端板カバー室180Tに吐出された冷媒は、上端板カバー170Tに設けられた上端板カバー吐出孔172T(図1参照)から圧縮機筐体10内に吐出される。
また、下シリンダ室130S内において、回転軸15の回転によって、回転軸15の下偏心部152Sに嵌合された下ピストン125Sが、下シリンダ121Sの内周面137S(下シリンダ室130Sの外周面)に沿って公転することにより、下吸入室131Sが容積を拡大しながら下吸入管104から冷媒を吸入し、下圧縮室133Sが容積を縮小しながら冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒の圧力が下吐出弁200Sの外側の下端板カバー室180Sの圧力よりも高くなると、下吐出弁200Sが開いて下圧縮室133Sから下端板カバー室180Sへ冷媒が吐出される。下端板カバー室180Sに吐出された冷媒は、冷媒通路孔136及び上端板カバー室180Tを通って上端板カバー170Tに設けられた上端板カバー吐出孔172Tから圧縮機筐体10内に吐出される。
圧縮機筐体10内に吐出された冷媒は、ステータ111外周に設けられた上下を連通する切欠き(図示せず)、又はステータ111の巻線部の隙間(図示せず)、又はステータ111とロータ112との隙間115(図1参照)を通ってモータ11の上方に導かれ、圧縮機筐体10の上部に配置された吐出管107から吐出される。
(ロータリ圧縮機の特徴的な構成)
次に、実施例のロータリ圧縮機1の特徴的な構成について説明する。実施例の特徴には、圧縮部12の上シリンダ121T及び下シリンダ121S(以下、シリンダ121とも称する。)の各内周面137T、137Sに、上吸入孔135T及び下吸入孔135Sからシリンダ121内へ冷媒を導くように形成される吸入溝138が含まれる(図5参照)。
以下、上シリンダ121Tの内周面137Tに形成される吸入溝138について説明する。下シリンダ121Sの内周面137Sに形成される吸入溝は、上シリンダ121Tの吸入溝138と同様であるので、下シリンダ121Sの吸入溝については説明を省略する。
図3は、実施例の圧縮部12における上シリンダ121T及び上ピストン125Tを示す平面図である。図4は、実施例の上シリンダ121Tを示す縦断面図であり、図3におけるA-A線に沿う縦断面図である。図5は、実施例の上シリンダ121Tの内周面137Tを示す側面図である。
図3、図4及び図5に示すように、上吸入孔135Tは、上シリンダ121Tの内周面137Tに開口する円形状の吸入口135aを有する。上シリンダ121Tの内周面137Tには、この内周面137Tに沿って上吸入孔135Tから冷媒を導く吸入溝138が、上吸入孔135Tの吸入口135aから上ベーン溝128Tに向かって延びて設けられている。
また、吸入溝138は、回転軸15の軸方向、つまり上シリンダ121Tの上下方向における上シリンダ121Tの上端面121a及び下端面121bのそれぞれから間隔をあけて形成されている。言い換えると、吸入溝138は、上シリンダ121Tの内周面137Tの上端及び下端のそれぞれから間隔をあけて形成されている。したがって、吸入溝138は、上シリンダ121Tの上端面121aと下端面121bとの間の位置に、上端面121a及び下端面121bとつながらないように形成されている。
吸入溝138は、上シリンダ121Tの内周面137Tに沿って吸入口135aから上ベーン溝128Tまで連続するように延びて形成されている。また、吸入溝138は、上シリンダ121Tの内周面137Tの周方向に沿って、上ピストン125Tの公転方向(図3における時計回り)とは逆方向に向かって延びている。
また、吸入溝138は、図5に示すように、モータ11が駆動する回転軸15の軸方向における吸入口135aの中心線M上を通るように配置されている。中心線Mは、吸入口135aの中心Oを通り、上シリンダ121Tの内周面137Tの周方向に沿う直線である。このように吸入溝138が配置されることにより、吸入溝138が中心線Mを通らない場合と比べて、内周面137Tの周方向に対する吸入溝138の長さを短くできる。このため、内周面137Tに吸入溝138が形成される範囲が減らされるので、吸入溝138を形成するに伴って上シリンダ121Tの機械的強度が低下することを抑えられる。
なお、本実施例では、吸入溝138が、吸入口135aから上ベーン溝128Tまで連続するように延びて形成されるが、この構造に限定されない。例えば、吸入溝138は、後述するように上吸入室131T内が負圧になることを防ぐように、吸入溝138の一端が、上ベーン溝128Tの近傍まで延ばされていればよく、上ベーン溝128Tと繋がらなくてもよい。吸入溝138の一端が上ベーン溝128Tと繋がらずないことで、吸入溝138が上ベーン溝128Tまで延びる場合と比べて、内周面137Tの周方向に対する吸入溝138の長さを短くなる。このように内周面137Tに吸入溝138が形成される範囲を減らすことにより、吸入溝138を形成するに伴って上シリンダ121Tの機械的強度が低下することを抑えられる。
図5に示すように、吸入溝138は、上シリンダ121Tの内周面137Tの周方向に沿って延びて形成されており、回転軸15の軸方向における上シリンダ121Tの内周面137Tの高さをH、回転軸15の軸方向における吸入溝138の幅をWとしたとき、吸入溝138が、W≦(1/2)Hを満たす。これより、上吸入孔135Tの吸入口135aから吸入溝138に沿って冷媒を上ベーン溝128T側へスムーズに流すと共に、吸入溝138を形成することに伴って上シリンダ121Tの機械的強度が低下することを抑えて所望の剛性を確保できる。
また、圧縮部12では、上圧縮室133T内が高圧となり、上圧縮室133T内よりも上吸入室131T内が低圧となるため、この圧力差によって上ベーン127Tの先端部を上吸入孔135T側に押し込む荷重が発生する(図3参照)。このため、上ベーン127Tの両側の側面(上ベーン127Tと上ベーン溝128Tとの摺動面)のうち、上吸入孔135T側の側面が上ベーン溝128Tに押し付けられように、上ベーン溝128Tに対して上ベーン127Tの進退方向が傾くことで、上ベーン127Tの側面が、上ベーン溝128Tと上シリンダ121Tの内周面137Tで形成される角部の先端と線接触するおそれがある。このとき、吸入溝138の幅Wが大き過ぎる場合、上ベーン溝128Tと上シリンダ121Tの内周面137Tとで形成される角部において、回転軸15の軸方向(上シリンダ121Tの高さ方向)における吸入溝138の上側と下側の幅(H-W)が小さくなり、上述の角部の先端と上ベーン127Tの側面との接触部分が小さくなるのに伴って接触部分における圧力が著しく大きくなるおそれがある。その結果、上ベーン127Tと上ベーン溝128Tとの接触部分の摩擦で焼き付きが生じ、上ベーン127T、上ベーン溝128T等が損傷する問題がある。
これに対して、本実施例は、上述のように上ベーン127Tが傾いた場合であっても、吸入溝138が、W≦(1/2)Hを満たすことにより、傾いた上ベーン127Tの側面と上ベーン溝128Tとの接触部分の幅が(1/2)H以上の適正な幅として確保されるので、接触部分に加わる圧力が著しく増加することを防げる。これにより、吸入溝138の形成に伴って上ベーン127Tと上ベーン溝128Tとの接触部分に焼き付きが生じることが抑えられ、上ベーン127T、上ベーン溝128T等の損傷を防げる。
吸入溝138の幅Wは、(1/2)H以下であり、例えば、2~3[mm]程度に形成されている。上シリンダ121Tの高さHは、例えば、13[mm]程度に形成されている。また、図4に示すように、上シリンダ121Tの径方向における吸入溝138の深さDは、例えば、1~2[mm]程度に形成されている。このように吸入溝138の幅Wは、後述のように吸入溝138を通して冷媒を上吸入室131Tに適正に流通させる作用が得られる大きさ、かつ、上シリンダ121Tの機械的強度の低下を抑えるように(1/2)H以下の小さな大きさに形成されている。
(吸入溝の作用)
図6は、実施例の上シリンダ121Tの要部を拡大して示す平面図である。図7は、実施例における吸入溝138を更に拡大して示す平面図である。以下、上シリンダ121Tの上吸入室131Tについて説明するが、下シリンダ121Sの下吸入室131Sについても同様である。
図6に示すように、圧縮部12は、冷媒の吸入工程の初期において、上ピストン125Tが上死点を通過した直後、上シリンダ121Tの内周面137Tと、上ベーン127Tの先端部と、上ピストン125Tの外周面139Tとによって微小な上吸入室131Tが形成されたとき、上吸入室131Tが上吸入孔135Tの吸入口135aとつながらないタイミングが発生する。このため、従来の圧縮部では、微小な上吸入室が真空に近い負圧になることに伴って、真空空間が上ピストンの回転負荷となり、圧縮効率が低下する問題がある。
一方、本実施例は、図7に示すように、冷媒の吸入工程の初期に微小な上吸入室131Tが形成されたときであっても、微小な上吸入室131Tが、上吸入孔135Tの吸入口135aから延びる吸入溝138とつながる。このため、上吸入孔135Tから供給される冷媒は、吸入溝138を通って、上ベーン溝128T側へ向かって流れて微小な上吸入室131T内に吸入される。
したがって、本実施例における圧縮部12は、冷媒の吸入工程の初期においても、微小な上吸入室131Tに、吸入溝138を介して上吸入孔135Tから冷媒が吸入されるので、上吸入室131T内が負圧になることを防げる。これにより、微小な上吸入室131T内が真空に近い負圧になることで、上吸入室131T内に生じる吸引力が上ピストン125Tの回転負荷になることを避け、圧縮効率の低下を防げる。
また、必要に応じて、上シリンダ121Tの内周面137Tには、複数の吸入溝(図示せず)が形成されてもよい。この場合にも、複数の吸入溝の各幅の合計の大きさが、(1/2)H以下になるように形成される。例えば、上吸入孔135Tの吸入口135aの上側縁と上ベーン溝128Tをつなぐ上吸入溝と、吸入口135aの下側縁と上ベーン溝128Tとをつなぐ下吸入溝がそれぞれ形成されてもよい。また、本実施例における吸入溝138の幅Wは、上ベーン溝128T側に向かって拡がるテーパ状に形成されてもよい。この場合には、テーパ状の吸入溝の最大幅が、(1/2)H以下になるように形成される。
(実施例の効果)
上述したように、実施例のロータリ圧縮機1の圧縮部12は、上シリンダ121Tの内周面137T(下シリンダ121Sの内周面137S)に設けられた冷媒の吸入口135aを有する。上シリンダ121Tの内周面137T(下シリンダ121Sの内周面137S)には、吸入口135aから上ベーン溝128T(下ベーン溝128S)に向かって延びる吸入溝138が形成されており、吸入溝138が、上シリンダ121Tの内周面137T(下シリンダ121Sの内周面137S)の上端及び下端のそれぞれから間隔をあけて形成されている。これにより、冷媒の吸入工程の初期に形成される微小な上吸入室131T(下吸入室131S)に、吸入溝138を通って、上吸入孔135T(下吸入孔135S)の吸入口135aから冷媒を吸入することが可能になる。そのため、冷媒の吸入工程の初期において上シリンダ121T(下シリンダ121S)内に形成される上吸入室131T(下吸入室131S)内が負圧になることを防ぐことができる。その結果、上吸入室131T(下吸入室131S)内に生じる負圧の吸引力によって上ピストン125T(下ピストン125S)の回転負荷が生じることが避けられ、圧縮効率の低下を防ぐことができる。すなわち、実施例によれば、圧縮部12の圧縮効率を高められる。加えて、吸入溝138が、上シリンダ121T(下シリンダ121S)の上端面121aと下端面121bに開口しないことで、例えば、上ベーン溝128T(下ベーン溝128S)近傍における上シリンダ121T(下シリンダ121S)の肉厚を適正に保つことが可能になり、吸入溝138を形成することに伴う、上シリンダ121T(下シリンダ121S)の機械的強度の低下を抑えることができる。
また、実施例のロータリ圧縮機1の圧縮部12は、吸入溝138が、上シリンダ121Tの内周面137T(下シリンダ121Sの内周面137S)の周方向に沿って延びて形成されており、回転軸15の軸方向における上シリンダ121Tの内周面137T(下シリンダ121Sの内周面137S)の高さをH、回転軸15の軸方向における吸入溝138の幅をWとしたとき、吸入溝138が、W≦(1/2)Hを満たす。これより、上吸入孔135T(下吸入孔135S)の吸入口135aから吸入溝138に沿って冷媒を上ベーン溝128T(下ベーン溝128S)側へスムーズに流すと共に、吸入溝138を形成することに伴って上シリンダ121T(下シリンダ121S)の機械的強度が低下することを抑えて所望の剛性を確保できる。また、上圧縮室133T(下圧縮室133S)と上吸入室131T(下吸入室131S)との圧力差で上ベーン溝128T(下ベーン溝128S)に対して上ベーン127T(下ベーン127S)が傾斜した場合であっても、W≦(1/2)Hを満たすことにより、傾いた上ベーン127T(下ベーン127S)と上ベーン溝128T(下ベーン溝128S)との接触部分の圧力が著しく増加することを防げる。これにより、吸入溝138の形成に伴って上述の接触部分に焼き付きが生じることが抑えられ、上ベーン127T(下ベーン127S)、上ベーン溝128T(下ベーン溝128S)等の損傷を防げる。
また、実施例のロータリ圧縮機1の圧縮部12は、吸入溝138が、、W≦(1/2)Hを満たし、回転軸15の軸方向における吸入口135aの中心線Mを通るように配置される。これにより、吸入溝138が中心線Mを通らない場合と比べて、内周面137Tの周方向に対する吸入溝138の長さを短くできる。このため、内周面137Tに吸入溝138が形成される範囲が減らされるので、吸入溝138を形成するに伴って上シリンダ121Tの機械的強度が低下することを抑えられる。
1 ロータリ圧縮機
10 圧縮機筐体
11 モータ
12 圧縮部
15 回転軸
105 上吸入管
104 下吸入管
107 吐出管
121T 上シリンダ(シリンダ)
121S 下シリンダ(シリンダ)
121a 上端面
121b 下端面
125T 上ピストン(ピストン)
125S 下ピストン(ピストン)
127T 上ベーン(ベーン)
127S 下ベーン(ベーン)
128T 上ベーン溝(ベーン溝)
128S 下ベーン溝(ベーン溝)
131T 上吸入室(吸入室)
131S 下吸入室(吸入室)
133T 上圧縮室(圧縮室)
133S 下圧縮室(圧縮室)
135T 上吸入孔(吸入孔)
135S 下吸入孔(吸入孔)
135a 吸入口
137T、137S 内周面
138 吸入溝
M 中心線

Claims (4)

  1. 冷媒の吐出管と吸入管が設けられた圧縮機筐体と、前記圧縮機筐体内に配置され前記吸入管から吸入された冷媒を圧縮し前記吐出管から吐出する圧縮部と、前記圧縮機筐体内に配置され前記圧縮部を駆動するモータと、を備え、
    前記圧縮部は、シリンダと、前記シリンダの内周面に沿って公転して前記シリンダの内周面との間に冷媒を吸入して圧縮するシリンダ室を形成するピストンと、前記シリンダ室を吸入室と圧縮室に区画するベーンと、前記ベーンが配置されるベーン溝と、前記シリンダの内周面に設けられた冷媒の吸入口と、を有するロータリ圧縮機において、
    前記シリンダの内周面には、前記吸入口から前記ベーン溝に向かって延びる吸入溝が形成され、
    前記吸入溝は、前記シリンダの内周面の上端及び下端のそれぞれから間隔をあけて形成されている、ロータリ圧縮機。
  2. 前記吸入溝は、前記ベーン溝まで延びる、
    請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  3. 前記吸入溝は、前記シリンダの前記内周面の周方向に沿って延びて形成され、
    前記モータが駆動する回転軸の軸方向における前記シリンダの内周面の高さをH、前記軸方向における前記吸入溝の幅をWとしたとき、前記吸入溝が、W≦(1/2)Hを満たす、
    請求項1または2に記載のロータリ圧縮機。
  4. 前記吸入溝は、前記回転軸の軸方向における前記吸入口の中心線を通るように配置される、
    請求項3に記載のロータリ圧縮機。
JP2021111710A 2021-07-05 2021-07-05 ロータリ圧縮機 Pending JP2023008278A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021111710A JP2023008278A (ja) 2021-07-05 2021-07-05 ロータリ圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021111710A JP2023008278A (ja) 2021-07-05 2021-07-05 ロータリ圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023008278A true JP2023008278A (ja) 2023-01-19

Family

ID=85112741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021111710A Pending JP2023008278A (ja) 2021-07-05 2021-07-05 ロータリ圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023008278A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6015055B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP6070069B2 (ja) ロータリ圧縮機
EP3236075A1 (en) Rotary compressor
AU2016225795B2 (en) Rotary compressor
AU2016266071A1 (en) Rotary compressor
JP2013076337A (ja) ロータリ圧縮機
CN111033050B (zh) 旋转式压缩机
JP7211034B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP2011043084A (ja) ロータリ圧縮機
JP2012202236A (ja) ロータリ圧縮機
JP6750286B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP2023008278A (ja) ロータリ圧縮機
JP6705317B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP5998522B2 (ja) ロータリ圧縮機
EP3321507B1 (en) Rotary compressor
WO2015129406A1 (ja) ロータリ圧縮機
CN115244300A (zh) 旋转式压缩机
JP6064726B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP5321551B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP6064719B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP6926449B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP7424258B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP5471992B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP2017053316A (ja) ロータリ圧縮機
JP2020180581A (ja) ロータリ圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230630

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240228