JP2023007622A - 作業車 - Google Patents

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祐介 遠藤
Yusuke Endo
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Abstract

【課題】搭乗者の乗降や移動を妨げることなく、搭乗者の体を精度良く支持することを目的とする。【解決手段】搭乗者が着座できる座席10と、収納状態と使用状態との間で変位することができる支持具53とを備え、支持具53が使用状態の際に、搭乗者は支持具53を保持して身体を支持する。【選択図】図3

Description

本発明は、作業車に関する。
従来、作業車として、例えば、特許文献1に記載の作業車が知られている。特許文献1に記載の作業車は、搭乗部(運転部)に、運転者と同乗者とが着座できる座席(運転座席)を備える。作業車は、圃場等の作業地を走行するため、走行中に揺れが大きく、運転者と同乗者とは自身の体を支える必要がある。運転者は、走行中はステアリングハンドルを把持しており、ステアリングハンドルにより体を支持することができる。同乗者は、ロプス等に設けられたグリップを把持することにより、走行中に体を支持している。
特開2019-217971号公報
座席を、運転者の他に2人の同乗者(以下、運転者と同乗者とを区別しない際には搭乗者と称す)が横並びに着座できる3人掛けにすることが要望されている。横並びに並んだ両端の運転者および同乗者のうち、運転者はステアリングハンドルにより体を支持することができ、同乗者はロプス等に設けられたグリップにより体を支持することができる。真ん中の同乗者が体を支持するためには、ダッシュボードにグリップを設けるか、座席の、運転者と真ん中の同乗者との間、または、端部の同乗者と真ん中の同乗者との間に、グリップを設ける必要がある。
しかしながら、ダッシュボードにグリップを設けると、同乗者からグリップまでの距離があり、適切に体を支持することが困難である。また、ダッシュボードのグリップを同乗者に向かって大きく突出するように設けると、搭乗者の搭乗の際や座席の移動の際に、グリップが邪魔になる。
また、座席の搭乗者間にグリップを設けると、搭乗者が搭乗する際や座席を移動する際に、グリップが邪魔になる。
本発明は、搭乗者の乗降や移動を妨げることなく、搭乗者の体を精度良く支持することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る作業車は、搭乗者が着座できる座席と、収納状態と使用状態との間で変位することができる支持具とを備え、前記支持具が前記使用状態の際に、前記搭乗者は前記支持具を保持して身体を支持する。
このような構成により、搭乗者は使用状態において支持具で体を支持することができ、搭乗者は支持具を収納状態にして座席への乗降、および座席上での移動を行うことができる。その結果、支持具は、搭乗者の乗降や移動を妨げることなく、走行時には搭乗者の体を支持することができる。
また、前記使用状態は、前記支持具が前記座席の背もたれから前記座席の座面の上方位置に向かって突出する状態であり、前記収納状態は、前記使用状態から前記背もたれに近づく方向に前記支持具が変位した状態であっても良い。
このような構成により、使用状態において支持具は搭乗者が容易に保持できる位置に変位し、収納状態において支持具は座席の背もたれに沿う位置に退避し、搭乗者の乗降や移動を妨げることの少ない状態となる。これにより、支持具は、搭乗者の乗降や移動を妨げることなく、効率的に、走行時には搭乗者の体を支持することができる。
また、前記座席はシートフレームに支持され、前記支持具は前記シートフレームに対して揺動できる態様で支持されるレバーであり、前記レバーが揺動することにより、前記支持具は前記収納状態と前記使用状態との間で変位する構成としても良い。
このような構成により、支持具は、簡単な構成で変位することができ、より容易に、搭乗者の乗降や移動を妨げることなく、走行時には搭乗者の体を支持することができる。
また、前記支持具は変位操作具を備え、前記変位操作具を操作した状態において、前記支持具は前記使用状態から前記収納状態に変位することが好ましい。
このような構成により、使用状態で体を支持している際に、誤って支持具が変位してしまうことが抑制され、支持具は、より精度良く体を支持することができる。
また、前記支持具はプッシュ式レバーであり、前記変位操作具はボタンであっても良い。
このような構成により、搭乗者はレバーを容易に保持することができ、支持具を変位させる際にも、ボタンを押下しながらレバーを変位させるだけで支持具を変位させることができる。そのため、支持具は、操作性が向上されると共に、搭乗者の乗降や移動を妨げることなく、走行時には搭乗者の体を支持することができる。
また、前記支持具は、駐車ブレーキであり、前記収納状態において機体を制動し、前記使用状態において制動が解除されても良い。
このような構成により、支持具として駐車ブレーキを流用することができ、効率的に支持具を設けることができる。
また、前記支持具とは別に、駐車ブレーキを備えても良い。
このような構成により、駐車ブレーキと支持具とを、それぞれ操作性の高い配置で設けることができる。
また、前記座席は3人以上が横並びで着座でき、前記支持具は、両端に着座した搭乗者以外の搭乗者が着座する前記座席の位置の横側方に設けられても良い。
このような構成により、体を支持するための器具を設けることが困難な、座席の中央部に着座する搭乗者のための支持具を容易に設けることができる。
多目的車両を示す左側面図である。 搭乗部の構成を例示する図である。 レバー式グリップの構成を例示する図である。
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。なお、以下の説明では、図1において、矢印Fの方向を「機体前側」、矢印Bの方向を「機体後側」、矢印Fの方向に向かって左側の方向を「機体左側」、矢印Fの方向に向かって右側の方向を「機体右側」とする。
〔多目的車両の全体構成〕
図1は、本発明に係る作業車に相当するユーティリティビークル(多目的車両)の構成を示す図である。ユーティリティビークルは、走行機体1と、ボンネット2と、乗員が搭乗する搭乗部3と、ダンプ式の荷台4と、水冷式のエンジンEと、変速部5とを備える。走行機体1は、機体フレーム6と、走行装置7とを備える。
走行装置7は、操舵可能、かつ、駆動可能な左右の前輪7Fと、操舵不能、かつ、駆動可能な左右の後輪7B(「駆動輪」に相当)とを備える。走行装置7は、左右の後輪7Bのみが駆動する二輪駆動状態と、左右の前輪7Fおよび左右の後輪7Bが駆動する四輪駆動状態とに切り替え可能に構成される。
ボンネット2は、搭乗部3の前方に配置される。ボンネット2には、エンジンE用の冷却水を冷却するラジエータ8等が収容される。
搭乗部3は、操縦部9と、座席10と、乗員保護用のロプス11とを備える。荷台4は、搭乗部3の後方に配置される。エンジンEおよび変速部5は、荷台4の下方に配置される。変速部5は、エンジンEから走行装置7へ動力を伝達する動力伝達経路上に設けられる。変速部5は、エンジンEから伝達される動力を無段階に変速するベルト式の無段変速装置12と、変速装置13とを備える。
変速装置13には左右の後車軸7Baが接続され、変速装置13から後車軸7Baに動力が伝達可能な態様である。変速装置13から伝達された動力は、左右の後車軸7Baを介して左右の後輪7Bに伝達される。
変速装置13から左右の前輪7Fに動力を伝達する前差動装置14が走行機体1に設けられる。変速装置13と前差動装置14とに亘って、変速装置13から前差動装置14に動力を伝達する伝動軸15が設けられる。前差動装置14には左右の前車軸7Faが接続され、前差動装置14から前車軸7Faに動力が伝達可能な態様である。前差動装置14から伝達された動力は、左右の前車軸7Faを介して左右の前輪7Fに伝達される。
〔操縦部〕
図2に示すように、操縦部9は、左右の前輪7Fを操舵操作するためのステアリングハンドル24と、変速操作を行う変速レバー25等の各種操作具とを備える。ステアリングハンドル24は、運転者(オペレータ)が着座する座席10の前方に設けられる。運転者は、走行中にはステアリングハンドル24を保持することにより、体が支持される。図の例では、座席10は横並びに3人の搭乗者が着座する席を備える。また、運転者は座席10の左端部に着座するが、右端部に着座する構成であっても良い。
右側のロプス11には、操縦部9の内部に向くグリップ51が設けられる。座席10の右端に着座した搭乗者(同乗者)は、グリップ51を保持(把持)することにより体を支持する。
座席10の真ん中の同乗者の着座位置の横側方に、真ん中の同乗者(搭乗者)が体を支持するためのレバーグリップ53(「支持具」に相当)が設けられる。例えば、レバーグリップ53は、座席10の真ん中の同乗者の着座位置と運転者の着座位置との間に設けられる。座席10の真ん中に着座する同乗者は、レバーグリップ53を保持(把持)することにより、体が支持される。
〔レバーグリップ〕
図3に示すように、レバーグリップ53は、座席10の背もたれ10Aから機体前方(ステアリングハンドル24に向かう方向あるいは座席10の座面10Bの上方位置に向かう方向)に突出する使用状態(図3の実線で示された状態)と、座席10の背もたれ10Aに近づく収納状態(図3の一点鎖線で示された状態)とに変位可能な状態で座席10に支持される。
収納状態のレバーグリップ53は、座席10の背もたれ10Aと平行、あるいは平行に近い状態で、背もたれ10Aに近づく。そのため、レバーグリップ53は、座席10の座面10Bの上方にあまり突出せず、搭乗者が座席10を移動することの大きな妨げにはならない。
使用状態のレバーグリップ53は、座席10の座面10Bの上方において、座面10Bに平行あるいは平行に近い状態で、背もたれ10Aから突出する。そのため、座面10Bの真ん中部分に搭乗した同乗者は、容易にレバーグリップ53を把持することができる。一方、上述のように、搭乗者が搭乗する際や搭乗者が座席10を移動する際には、レバーグリップ53を収納状態に変位させることにより、搭乗者の移動を妨げることを抑制することができる。その結果、レバーグリップ53を収納状態に変位させた状態で搭乗者の移動を容易にしながら、レバーグリップ53を使用状態に変位させることにより、真ん中の同乗者(搭乗者)は、レバーグリップ53を把持することにより、容易に体を支持することができる。
レバーグリップ53は、例えば、座席10を支持するシートフレーム54に、ブラケット55を介して支持される。ブラケット55は、シートフレーム54の背もたれ10Aを支持する部分に設けられ、レバーグリップ53は、ブラケット55に、収納状態と使用状態との間で揺動可能な状態で支持される。
レバーグリップ53は、本体部53Aと、把持部53Bと、ボタン53C(「変位操作具」に相当)とを備える。レバーグリップ53の本体部53Aの一端は、揺動可能な態様でブラケット55に支持される。レバーグリップ53の本体部53Aの一端と、ブラケット55とに、機体左右方向に向くピン56が挿通され、レバーグリップ53は、ブラケット55に対して、ピン56の軸芯に沿って揺動する。
レバーグリップ53の把持部53Bは、レバーグリップ53の本体部53Aの他端領域に設けられる。搭乗者は、レバーグリップ53の把持部53Bを把持する。
レバーグリップ53はプッシュ式レバーであり、変位を可能とする状態と変位を不能とする状態とに切り替えるボタン53Cを備える。レバーグリップ53のボタン53Cは、把持部53Bまたは把持部53Bの近傍に設けられ、例えば、ボタン53Cはレバーグリップ53の先端に設けられる。
レバーグリップ53は、図示しないロック機構により、収納状態および使用状態に固定される。そして、ロック機構は、ボタン53Cが押下されている間に解除される。そのため、レバーグリップ53は、ボタン53Cが押下(操作)されているときのみ変位することができる。
ボタン53Cが設けられることにより、レバーグリップ53を変位させる際にはボタン53Cを押下した状態で容易に変位させ、搭乗者が体を支持する際には、レバーグリップ53を使用状態で固定し、適切に搭乗者の体を支持することができる。
〔別実施形態〕
(1)操縦部9に設けられる操作具として、駐車ブレーキが設けられる。駐車ブレーキは、座席10の運転者の横側方に配置される。レバーグリップ53は駐車ブレーキと別に設けられても良い。この場合、駐車ブレーキは、運転者に対するレバーグリップ53が配置される位置に対する逆側の運転者の横側方に配置されることが好ましい。つまり、駐車ブレーキとレバーグリップ53は、運転者に対して互いに左右逆側に配置される。これにより、搭乗者が、駐車ブレーキとレバーグリップ53とを誤って操作することが抑制される。
ここで、駐車ブレーキは、プッシュ式レバーの駐車レバーであることが多い。駐車レバーは、走行の際には水平な状態に操作され、駐車の際には水平状態から揺動されて上方に引き上げられる。また、レバーグリップ53もプッシュ式レバーである。そのため、駐車レバーがレバーグリップ53として流用されても良い。この場合、駐車レバー(レバーグリップ53)は、座席10の、運転者が着座する位置と真ん中の同乗者が着座する位置との間に設けられる。また、レバーグリップ53としても機能する駐車レバーは、ブレーキが解除された状態(レバーグリップ53の使用状態)において、真ん中の同乗者が保持(把持)しやすい高さになるように設けられることが好ましい。
このような構成により、駐車レバーの他にレバーグリップ53を別途設ける必要がなくなり、部品点数が削減できると共に、操縦部9のレイアウトに対する制限を低減することができる。
(2)変位を可能とする状態と変位を不能とする状態とに切り替える変位操作具は、ボタン53Cでなくても、切り替えることができるものであれば、任意の構成とすることができる。これにより、使用状況に応じて操作性の良い変位操作具を用いることができる。
(3)使用状態から収納状態に変位させる際、および収納状態から使用状態に変位させる際の両方で、ボタン53Cの押下を要する構成とされても良いが、使用状態から収納状態に変位させる際にのみボタン53Cの押下が必要とされ、収納状態から使用状態に変位させる際にはボタン53Cの押下が不要とされても良い。使用状態においては、搭乗者の体を支持する必要があるため、レバーグリップ53が容易に変位することは適切でないが、収納状態のレバーグリップ53を固定する必要性は低い。このような構成とすることにより、レバーグリップ53の操作性を向上させることができる。
(4)レバーグリップ53は、プッシュ式レバーに限らず、使用状態と収納状態とに変位でき、かつ、搭乗者が体を支持することに用いることができれば、任意の構成の支持具とすることができる。これにより、使用状況に応じて適切な構成で搭乗者の体を支持することができる。
(5)座席10は、3人掛けに限らず、4人以上が横並びで着座できる座席であっても良い。この場合、レバーグリップ53は、両端に着座した搭乗者を除く搭乗者の着座位置の横側方に設けられる。
本発明は、多目的車両の他、トラクタ、コンバイン、田植機等の農業作業車や建設作業車といった種々の作業車にも利用可能である。
10 座席
10A 背もたれ
10B 座面
53 レバーグリップ(支持具)
53C ボタン(変位操作具)
54 シートフレーム

Claims (8)

  1. 搭乗者が着座できる座席と、
    収納状態と使用状態との間で変位することができる支持具とを備え、
    前記支持具が前記使用状態の際に、前記搭乗者は前記支持具を保持して身体を支持する作業車。
  2. 前記使用状態は、前記支持具が前記座席の背もたれから前記座席の座面の上方位置に向かって突出する状態であり、
    前記収納状態は、前記使用状態から前記背もたれに近づく方向に前記支持具が変位した状態である請求項1に記載の作業車。
  3. 前記座席はシートフレームに支持され、
    前記支持具は前記シートフレームに対して揺動できる態様で支持されるレバーであり、
    前記レバーが揺動することにより、前記支持具は前記収納状態と前記使用状態との間で変位する請求項1または2に記載の作業車。
  4. 前記支持具は変位操作具を備え、前記変位操作具を操作した状態において、前記支持具は前記使用状態から前記収納状態に変位することができる請求項1から3のいずれか一項に記載の作業車。
  5. 前記支持具はプッシュ式レバーであり、前記変位操作具はボタンである請求項4に記載の作業車。
  6. 前記支持具は、駐車ブレーキであり、前記収納状態において機体を制動し、前記使用状態において制動が解除される請求項1から5のいずれか一項に記載の作業車。
  7. 前記支持具とは別に、駐車ブレーキを備える請求項1から5のいずれか一項に記載の作業車。
  8. 前記座席は3人以上が横並びで着座でき、
    前記支持具は、両端に着座した搭乗者以外の搭乗者が着座する前記座席の位置の横側方に設けられる請求項1から7のいずれか一項に記載の作業車。
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