JP2023007136A - 建物のベースユニット、建物の骨組み構造および建物 - Google Patents

建物のベースユニット、建物の骨組み構造および建物 Download PDF

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Abstract

Figure 2023007136000001
【課題】従来の建物と比較して違和感のない、使い勝手が良く、組み立て、解体が容易な建物、そのためのベースユニットおよび骨組み構造を得る。
【解決手段】複数の外周部水平材11Aと、外周部水平材11Aを直角に連結する複数の出隅接合板13Lと、直線上に並ぶ外周部水平材同士11Aを接合する中間接合板14Lと、中間接合板14Lから外周部水平材11Aに対して直角に伸びる複数の内部水平材12と、4個の内部水平材12を接合する内方接合板15Lと、外周部水平材11Aと内部水平材12で形成する四角形および内部水平材12で形成する四角形の対角位置を結ぶ2個の斜め水平材16A、16Bと、を有する
【選択図】図3

Description

本発明は、建物のベースユニット、建物の骨組み構造および建物に関するものである。
簡易な居住空間として増設可能な、あるいは仮設住宅として容易に設置可能な建物の需要がある。例えば、自治体は、災害時の被災者を応急的に収容できる仮設住宅を設置するための資材を備蓄しておくと、住民にとって安心である。
しかし、仮設住宅の資材を災害に備えて備蓄しようとすると、資材の確保や保管スペースの確保に多大な負担がかかる。基礎工事を含めた組み立ておよび解体にかかる手間やコストも大きな負担になる。
そこで、建設資材がコンパクトにまとまって収納性が高く、基礎工事が不要で、人力での組み立ておよび解体が容易な仮設住宅が提案されている。特許文献1に開示されている仮設住宅はその例で、ドーム状の正二十面体で構成されている。正二十面体のうち上部の5個の正三角形で正五角錐の屋根を構成し、中央部の10個の正三角形で壁を構成し、残りの正三角形で床部を構成している。
特許文献2には、構成が簡易で剛性構造を有する移動式簡易住宅が記載されている。特許文献2記載の移動式簡易住宅は、金属製の角パイプを主体に構成したもので、支柱を介して下段枠と上段枠を連結して枠体を構成し、1つの枠体と別の枠体を連結し、ドア、窓、外壁、屋根などを取り付ける。
特開2012-224992号公報 実用新案登録第3171103号公報
特許文献1記載の仮設住宅は、テントに近い構造であるため、建設資材の収納性が高く、基礎工事が不要で、人力での組み立ておよび解体が容易である。特許文献2記載の移動式簡易住宅も、組み立てや分解は容易である。
しかし、特許文献1記載の仮設住宅も、特許文献2記載の移動式簡易住宅も、屋外での長期の使用には耐えられない。また、日常的に使用する住居としては使い勝手が悪い。したがって、ある程度長期間の使用を想定した災害時の仮設住宅としては、耐久性が不足するとともに日常的な居住空間としての使用には耐えられない。また、災害時以外における勉強部屋、個室、離れなど、プライベートな空間としての使用にも適していない。
本出願人は、屋外での長期の使用に耐え、日常的に使用する住居として使い勝手がよく、組み立ておよび解体が容易な建物、そのためのベースユニットおよび骨組み構造に関して先に特許出願した(特願2020-163337参照)。
本発明は、前記特許出願に係る発明の効果を維持しながら、従来の建物と比較して違和感のない、日常的に使用する住居としてより使い勝手が良く、組み立ておよび解体が容易な建物、そのためのベースユニットおよび骨組み構造を得ることを目的とする。
本発明に係る建物のベースユニットは、
複数の外周部水平材と、
前記外周部水平材を直角に連結する複数の出隅接合板と、
直線上に並ぶ前記外周部水平材同士を接合する中間接合板と、
前記中間接合板から前記外周部水平材に対して直角に伸びる複数の内部水平材と、
4個の前記内部水平材を接合する内方接合板と、
前記外周部水平材と前記内部水平材で形成する四角形および前記内部水平材で形成する四角形の対角位置を結ぶ2個の斜め水平材と、
を有することを最も主要な特徴とする。
本発明に係る建物の骨組み構造は、前記ベースユニットの上に立てられた支柱と、各支柱によって支持された天井ユニットとを有し、前記天井ユニットは、前記ベースユニットと同じ構造であることを特徴とする。
本発明に係る建物は、前記骨組み構造を有し、前記ベースユニットと前記天井ユニットの間において、前記各支柱で区画される側面の少なくとも1つに内部への出入口があることを特徴とする。
本発明によれば、複数の外周部水平材、複数の内部水平材、複数の出隅接合板、複数の中間接合板、および斜め水平材のみの簡単な構成によって建物のベースユニットを構成することができる。ベースユニットの上に、支柱を介して天井ユニットを支持することにより建物の骨組み構造を得ることができる。天井ユニットはベースユニットと同じ構造であり、建物の骨組み構造を容易に構築できる。
前記骨組み構造に壁や出入口を形成することにより容易に建物を組み立てることができる。少ない資材で建物を容易に組み立て、分解することができ、必要な資材の保管スペースも少なくてよく、丈夫で長期の使用にも耐える建物のベースユニット、建物の骨組み構造および建物を得ることができる。
本発明の実施例1に係る建物のベースユニットの初期構築段階を基礎とともに示す斜視図である。 図1に示す構築段階に続く次の構築段階の例を示す斜視図である。 図2に示す構築段階に続く次の構築段階の例を示す斜視図である。 実施例1に係る建物の骨組み構造の初期構築段階の例を示す分解斜視図である。 本発明に係る建物の骨組み構造の実施例1を示す斜視図である。 図5に示す建物の骨組み構造に屋根の支持構造を構築した例を示す斜視図である。 実施例1に用いる水平材の例を示すもので、(a)は第1外縁水平材、(b)は第2外縁水平材、(c)は内部水平材の斜視図である。 実施例1に用いる斜め水平材の例を示すもので、(a)は第1斜め水平材、(b)は第2斜め水平材の斜視図である。 実施例1において天井側に用いる水平材の例を示すもので、(a)は天井側第1外縁水平材、(b)は天井側第2外縁水平材の斜視図である。 実施例1に用いる接合板の例を示すもので、(a)は下出隅接合板、(b)は下中間接合板、(c)は下内方接合板の斜視図である。 実施例1に用いる接合板の別の例を示すもので、(a)は上出隅接合板、(b)は上中間接合板、(c)は上内方接合板の斜視図である。 実施例1において天井側に用いる接合板の例を示すもので、(a)は天井側下出隅接合板、(b)は天井側下中間接合板の斜視図である。 天井側に用いる接合板の別の例を示すもので、(a)は天井側上出隅接合板、(b)は天井側上中間接合板、(c)は天井側上内方接合板、(d)は天井側第2上出隅接合板の斜視図である。 実施例1に用いる締結部材であるボルトとナットの例を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は斜視図である。 本発明の実施例2に係る建物のベースユニットの初期構築段階を示す平面図である。 前記建物のベースユニットの初期構築段階を基礎とともに示す斜視図である。 本発明に係る建物の骨組み構造の実施例2を示す斜視図である。 図17に示す建物の骨組み構造に屋根の骨組みを付加した例を示す斜視図である。 実施例2に用いる水平材であって、(a)は外縁水平材を、(b)は第1内部水平材を、(c)は第2内部水平材を示す斜視図である。 実施例2に用いる調整部材であって、(a)第1調整部材を、(b)は第2調整部材を示す斜視図である。 本発明に係る建物の骨組み構造の実施例2の変形例を示す斜視図である。 前記建物の骨組み構造の変形例を示す平面図である。 前記建物の骨組み構造の別の変形例を示す平面図である。 前記建物の骨組み構造の別の変形例を示す斜視図である。 前記建物の骨組み構造のさらに別の変形例を示す斜視図である。 本発明の実施例3に係る建物のベースユニットの初期構築段階を示す平面図である。 前記実施例3の基礎部分を示す分解斜視図である。 前記実施例3に係る建物のベースユニットを示す斜視図である。 本発明の実施例3に係る建物の骨組み構造の構築途中の例を示す分解斜視図である。 本発明の実施例3に係る建物の骨組み構造を示す斜視図である。 前記実施例3に係る建物の骨組み構造の変形例を示す斜視図である。 前記実施例3に用いる水平材であって、(a)は第1外部水平材を、(b)は第2外部水平材を、(c)は外縁水平材を示す斜視図である。 前記実施例3に用いる水平材であって、(a)は外周第1斜め水平材を、(b)は外周第2斜め水平材を、(c)は外部水平材を示す斜視図である。 前記実施例3に用いる接合板であって、(a)は外縁出隅接合板を、(b)は外縁中間接合板を、(c)は外縁接合板を、(d)は内部接合板を示す斜視図である。 前記実施例3に用いる外縁繋ぎ材を示す斜視図である。 前記外縁繋ぎ材の配置を示す平面図である。 本発明に係る建物の骨組み構造のさらに別の変形例を示す斜視図である。 図37のA部分を拡大して示す斜視図である。 図37のB部分を拡大して示す斜視図である。 前記建物の骨組み構造のさらに別の変形例に用いる部材であって、(a)は第1連結板を、(b)は第2連結板を示す斜視図である。 本発明に係る建物のベースユニットのさらに別の変形例を示す平面図である。 前記建物のベースユニットのさらに別の変形例に支柱を立てた様子を示す斜視図である。 前記建物のベースユニットのさらに別の変形例を用いた建物の骨組み構造の例を示す斜視図である。
以下、本発明に係る建物のベースユニット、建物の骨組み構造および建物の実施形態について、図面を参照しながら組み立て手順に従って説明する。
[建物のベースユニットの実施例1]
図1に示すように、まず、建物の土台となる基礎30を、コンクリート、石材、レンガ、その他適宜の素材で構築する。図示の実施例における基礎30は平面形状長方形に構築されている。
基礎30の各辺の上面には、細長い板状の基礎パッキン31を載せる。基礎30の四隅の後で説明する下出隅接合板13Lの設置位置および下中間接合板14Lの設置位置に、円形の基礎パッキン32を固着する。板状の基礎パッキン31の上には、後で図3等について説明する第1外縁水平材11A、第2外縁水平材11Bを載せ、アンカーボルトによって前記各水平材を基礎30に固着する。
基礎30の内方には、同じ長さの複数の束33を、所定の相互間隔で、垂直に立てた姿勢で配列する。各束33は、後で説明する下内方接合板15Lの位置、および第1斜め水平材16Aと第2斜め水平材16Bとが交差する位置にある。各束33の材質は任意であるが、プラスチック製にするとよい。
次に、図2に示すように、基礎30の四隅の円形の基礎パッキン32の上に下出隅接合板13Lを、そのほかの各円形の基礎パッキン32の上に下中間接合板14Lを載せる。図示の例では、基礎30の上に、長辺に沿って3個の下中間接合板14Lが、短辺に沿って2個の下中間接合板14Lが載っている。
前記束33は、基礎30の相対向する辺の下中間接合板14L相互を結ぶマトリクス状の仮想線の各交点に配置するとともに、前記仮想線が形成する各正方形の対角線の交点にも配置する。前記マトリクス状の仮想線の各交点に位置する束33の上端には下内方接合板15Lを載せて固着する。図示の例では、列をなす3個の前記下内方接合板15Lを2列配置している。前記各正方形の対角線の交点に位置する束33は、後で説明する第1斜め水平材16Aと第2斜め水平材16Bとの交差位置を支持する。
図10は、下出隅接合板13L、下中間接合板14L、下内方接合板15Lの詳細な形状を示す。いずれの接合板も材質は問わないが、実施例では、適宜の厚さの構造用合板、すなわち木質系を用いた。
下出隅接合板13Lは、図10(a)に示すように、正方形の板の1つの頂点部分を平面で切除した形の変形5角形で、直角に交わる2辺を除く他の3辺に対応した位置に孔13L1を有している。下出隅接合板13Lは、直角に交わる2辺を、図2に示すように基礎30の直角に交わる2辺に合わせて配置する。
下中間接合板14Lは、図10(b)に示すように、正方形の板の1辺の両端に位置する2つの頂点部分を斜めに切除した形の変形6角形で、底辺に相当する1辺を除く他の5辺に対応した位置に孔14L1を有している。下中間接合板14Lの底辺に相当する1辺は、図2に示すように、基礎30の1辺に合わせて配置する。
下内方接合板15Lは、図10(c)に示すように、正8角形の板で、各辺に対応した位置に孔15L1を有している。
図3は、図2に続く建物のベースユニットの組み立て途中の例を示す。基礎30の四隅の下出隅接合板13Lには、前記基礎パッキン31の上に載せて互いに直交させた2個の第1外縁水平材11Aの各一端部を集合させる。そのほかのパッキン31の上には第2外縁水平材11Bを載せる。第1外縁水平材11Aと第2外縁水平材11Bは、基礎30の上に基礎パッキン31を挟んでアンカーボルトによって固定する。
各下中間接合板14Lには、第1外縁水平材11Aの他端部と第2外縁水平材11Bの一端部、または2つの第2外縁水平材11Bの一端部を集合させる。下中間接合板14Lと下内方接合板15L(図2参照)との間および隣り合う下内方接合板15L相互間に内部水平材12を掛け渡す。各内部水平材12は、第1外縁水平材11Aおよび第2外縁水平材11Bに対して直角に伸びる。
図7は、第1外縁水平材11A、第2外縁水平材11B、内部水平材12の詳細な形状を示す。いずれの水平材も材質は任意であるが、実施例では木質系の角材を用いた。
第1外縁水平材11Aは、図7(a)に示すように両端部が上下の両面側から切除されて薄肉部11A1、11A2になっており、薄肉部11A1、11A2は幅方向の一側が斜めに切除されている。前記一方の薄肉部11A1の外端は外縁水平材11の長さ方向に対し直角をなす面11A5になっており、他方の薄肉部11A2の外端は前記斜めの面に対しさらに斜めに切断されることによって傾斜面11A6が形成されている。第1外縁水平材11Aは、各薄肉部11A1、11A2に上下方向の孔11A4を有し、第1外縁水平材11A本体の両端近くに孔11A3を有している。孔11A3の周囲は座繰り穴になっている。
第2外縁水平材11Bは、図7(b)に示すように両端部が上下の両面側から切除されて薄肉部11B1、11B2になっている。これらの薄肉部11B1、11B2は幅方向の一側が外縁水平材11の長さ方向に対し傾斜するとともに、これらの薄肉部11B1、11B2の外端は外縁水平材11Bの長さ方向に対し直角をなす面11B5,11B6になっている。第2外縁水平材11Bは、各薄肉部11B1、11B2に上下方向の孔11B4を有し、第2外縁水平材11B本体の両端近くに孔11B3を有している。孔11B3の周囲は座繰り穴になっている。第2外縁水平材11Bの両端部は対称形になっている。
内部水平材12は、図7(c)に示すように、両端部が上下の両面側から切除されて薄肉部121、122になっている。これらの薄肉部121、122の外端部は幅方向両側から斜めに切除されて楔状になっている。内部水平材12は、各薄肉部121、122に孔124を有している。内部水平材12の両端部は対称形になっている。
図3に示すように、互いに直角をなす2個の第1外縁水平材11Aと、この2個の第1外縁水平材11Aに下中間接合板14Lを介して繋がる2つの内部水平材12とで正方形を描く。1個の第2外縁水平材11Bと、この第2外縁水平材11Bに下中間接合板14Lを介して繋がる2つの内部水平材12と、この2つの内部水平材12に2つの下内方接合板15Lを介して繋がる1つの内部水平材12とで、別の正方形を描く。下内方接合板15L相互を繋ぐ4個の内部水平材12もさらに別の正方形を描く。
長方形の基礎30の一対の対角位置にある各下出隅接合板13Lには第1斜め水平材16Aの一端部を接合し、この第1斜め水平材16Aの他端部は、前記4個の水平材で描かれる正方形の対角位置にある下内方接合板15Lに接合する。長方形の基礎30の前記一対の対角位置とは別の対角位置にある下出隅接合板13Lを挟む2個の第1外縁水平材11Aと第2外縁水平材11Bを繋ぐ2個の下中間接合板14L相互間にも第1斜め水平材16Aを渡す。この第1斜め水平材16Aの両端部はそれぞれ前記2個の下中間接合板14Lに接合する。
各第1斜め水平材16Aには図4に示すように第2斜め水平材16Bを交差させる。第2斜め水平材16Bは、配置位置によって、それぞれの両端部を、下出隅接合板13Lと下内方接合板15Lに、下中間接合板14Lと下内方接合板15Lに、下中間接合板14L相互に、また、下内方接合板15Lに接合する。
図8は第1斜め水平材16Aと第2斜め水平材16Bの形状を示す。いずれの水平材も材質は問わないが、実施例では木質系の角材を用いてこれを加工した。
第1斜め水平材16Aは、図8(a)に示すように、長さ方向両端部が上下の両面側から切除されて薄肉部16A1、16A2になるとともに、幅方向両側から斜めに切除された楔形になっている。各薄肉部16A1、16A2には上下方向に貫通した孔16A4がある。第1斜め水平材16Aは、長さ方向中央部に、上面側から第1斜め水平材16Aの厚さの半分だけ切除された篏合溝16A5を有している。
図8(b)は第2斜め水平材16Bを示す。第2斜め水平材16Bも、第1斜め水平材16A同様に長さ方向両端部の薄肉部16B1、16B2が楔形になっている。各薄肉部16B1、16B2には上下方向の孔16B4がある。第2斜め水平材16Bは、長さ方向中央部に、下面側から第2斜め水平材16Bの厚さの半分だけ切除された篏合溝16B5を有している。第1斜め水平材16Aと第2斜め水平材16Bは、双方の篏合溝16A5、16B5の位置で互いに嵌め合わせて直角に交差させることができる。
図4において、互いに交差する第1斜め水平材16Aと第2斜め水平材16Bは、双方の篏合溝16A5、16B5の位置で互いに嵌まり合うことにより、強固に結合されるとともに、互いに同一面上にある。第1外縁水平材11A、第2外縁水平材11B,内部水平材12も、第1斜め水平材16Aと第2斜め水平材16Bとともに同一面上にある。対をなす第1、第2斜め水平材16A、16Bの交差位置は、図1について説明した束33によって支えられる。
図3に示すように、各下出隅接合板13Lには、2つの第1外縁水平材11Aと、1つの第1斜め水平材16Aまたは第2斜め水平材16Bの各一端部が集結する。各下中間接合板14Lには、1つの第1外縁水平材11Aと1つの第2外縁水平材11B、または2つの第2外縁水平材11Bの一端部と、1つの内部水平材12の一端部と、1つの第1斜め水平材16Aまたは第2斜め水平材16Bの一端部が集結する。各下内方接合板15Lには、4つの内部水平材12と、2つの第1斜め水平材16Aと、2つの第2斜め水平材16Bの各一端部が集結する。
各下内方接合板15Lには合計8個の部材の一端部が集結するため、正8角形になっている。各下出隅接合板13L、下中間接合板14Lは前述の各部材が集結するのに適した形になっている。また、第1外縁水平材11A、第2外縁水平材11B、内部水平材12、第1斜め水平材16Aおよび第2斜め水平材16Bの各一端部は、前記各接合板の上面を隙間なく覆うことができる角度で楔形に形成されている。
各下出隅接合板13Lの上に集結する2つの第1外縁水平材11Aと1つの第1斜め水平材16Aまたは第2斜め水平材16Bの各一端の前記薄肉部の上には、図4に示すように、上出隅接合板13Uを載せる。したがって、各下出隅接合板13Lと各上出隅接合板13Uは、前記各水平材の一端部を挟んだ態様になる。
各下中間接合板14Lには、1つの第1外縁水平材11Aと1つの第2外縁水平材11Bまたは2つの第2外縁水平材11Bの一端部と、1つの内部水平材12の一端部と、1つの第1斜め水平材16Aまたは第2斜め水平材16Bの一端部の前記薄肉部を載せる。これらの水平材の各拍肉部の上に上中間接合板14Uを載せる。したがって、各下中間接合板14Lと各上中間接合板14Uは、前記各水平材の一端部を挟んだ態様になる。
各下内方接合板15Lには、4つの内部水平材12と、2つの第1斜め水平材16Aと、2つの第2斜め水平材16Bの各一端の前記薄肉部を載せ、これらの薄肉部を挟んで上内方接合板15Uを載せる。
図11は、上出隅接合板13U、上中間接合板14U、上内方接合板15Uの詳細な形状を示す。これらの接合板も材質は任意であるが、実施例では、適宜の厚さの構造用合板を用いた。これらの接合板は、前記下出隅接合板13L、下中間接合板14L、下内方接合板15Lと略同様であり、座繰り穴、ほぞ孔を有している点が異なるのみである。
図11(a)に示す上出隅接合板13Uは、3か所の孔13U1の周囲に座繰り穴を有し、2つの側面が直角に交わる付近にほぞ孔13U2を有する。図11(b)に示す上中間接合板14Uは、5か所の孔14U1の周囲に座繰り穴を有し、底面に相当する面の中央付近にほぞ孔14U2を有する。図11(c)に示す上内方接合板15Uは、8か所の孔15U1の周囲に座繰り穴を有する。
各下出隅接合板13Lと各上出隅接合板13Uは、これらの接合板の前記孔13L1、13U1と前記各水平材の一端部の孔にボルトを通し、ボルトにナットをねじ込むことによって締結する。前記各水平材は下出隅接合板13Lと上出隅接合板13Uによって接合される。
同様に、各下中間接合板14Lと各上中間接合板14Uは、前記孔14L1、14U1と前記各水平材の一端部の孔にボルトを通し、ボルトにナットをねじ込むことによって締結する。前記各水平材は下中間接合板14Lと上中間接合板14Uによって接合される。各下内方接合板15Lと各上内方接合板15Uは、前記孔15L1、15U1と前記各水平材の一端部の孔にボルトを通し、ボルトにナットをねじ込むことによって締結する。前記各水平材は下内方接合板15Lと上内方接合板15Uによって接合される。
図14は、締結部材としての前記ボルトとナットの例を示す。図14に示すように、ボルト50とナット60は、締結する対象への接触面積を大きくするためにそれぞれフランジ51,61を有している。ナット60はフランジ61に続いてある程度長い筒部を有し、筒部に形成されている雌ねじをボルト50の雄ねじに螺合する。
以上のようにして建物のベースユニット10Aが構築される。ベースユニット10Aは、水平材として、複数の第1外縁水平材11A、第1外縁水平材の延長線上に位置する第2外縁水平材11B、第1、第2外縁水平材11A,11Bに対して直角に伸びる複数の内部水平材12を有する。また、これら水平材の接合板として、2個の第1外縁水平材11Aを直角に連結する複数の出隅接合板13L、第1、第2外縁水平材11A,11Bまたは第2外縁水平材11B同士を接合する中間接合板14L、4個の内部水平材12を接合する内方接合板15Lを有する。
上下の出隅接合板13U、13L、上下の中間接合板14U、14Lおよび上下の内部接合板15U、15Lの符号の末尾に付した「U」と「L」は、「U」が上側、「L」が下側であることを示している。これら上下の接合板は締結部材としてのボルト50とナット60で締結される。上出隅接合板13U、上中間接合板14U、上内部接合板15Uがナット側、下出隅接合板13L、下中間接合板14L、内部接合板15Lがボルト側である。上出隅接合板13U、上中間接合板14U、上内部接合板15Uは、締結用の孔の周辺がそれぞれナットの頭部またはとボルトの形に適合した座繰り穴になっている。
ベースユニット10Aは、4個の水平材で正方形の平面を形成する構造体が基本構造体をなす。上下の中間接合板14L,14Uと上下の内方接合板15L,15Uの増減および第2外縁水平材12B、内部水平材12の増減によって任意数の基本構造体の集合によるベースユニット10Aを得ることができる。
図示の実施例では、正方形の基本構造体を、2つの第1外縁水平材11Aと2つの内部水平材12で構成し、1個の第2外縁水平材11Bと3つの内部水平材12で構成し、また、4個の内部水平材12で構成している。隣り合う基本構造体は、内部水平材12を共有している。
前記正方形の基本構造体の広さを畳半分の広さすなわち半畳とすると、図4に示す例は、4個の基本構造体が3列で6畳の広さになっている。
4つの水平材は接合板によって強固に接合されるため、正方形の前記構造体は十分な強度を有することができる。図示の実施例では、正方形の基本構造体の対角線に沿って斜め水平材を付加している。斜め水平材は第1斜め水平材16Aと第2斜め水平材16Bからなり、これらの斜め水平材は前記正方形の中央で交差するとともに互いに嵌まり合うため、これらの斜め水平材が補強材となって構造体の強度が格段に増強される。
[建物の骨組み構造の実施例1]
次に、ベースユニット10Aを用いた建物の骨組み構造の実施例1を説明する。本実施例に係る建物の骨組み構造は、前記各出隅接合板13Uおよび前記各中間接合板14Uの上に立てられた支柱37と、各支柱37によって支持された天井ユニット10B(図5参照)とを有する。天井ユニット10Bは、ベースユニット10Aと実質的に同じ構造である。
図5に示すように、ベースユニット10Aを構成する各上出隅接合板13U、各上中間接合板14Uの上に支柱37を立てる。各支柱37は木質系の角材で、それぞれ下端のほぞを上出隅接合板13U、上中間接合板14Uのほぞ孔13U2,14U2(図11参照)に差し込む。上出隅接合板13U、上中間接合板14Uに集結する前記各水平材の端部は、図7を参照して説明した通りの形になっていて、集結した前記各端部の中央に、支柱37のほぞが嵌る隙間、すなわち、ほぞ孔が形成されている。
各上出隅接合板13Uから立ち上がった支柱37の上端には天井側下出隅接合板23Lを結合し、各上中間接合板14Uから立ち上がった支柱37の上端には天井側下中間接合板24Lを結合する。
図12(a)は天井側下出隅接合板23Lを、図12(b)は天井側下中間接合板24Lを示す。天井側下出隅接合板23Lは前記上出隅接合板13Uと同様に3か所に孔23L1を有するとともにほぞ孔23L2を有している。孔23L1の周囲に座繰り穴がなく、この点が天井側下出隅接合板23Lと上出隅接合板13Uとの相違点になっている。
天井側下中間接合板24Lも、前記上中間接合板14Uと同様に5個の孔24L1を有するとともにほぞ孔24L2を有しているが、孔24L1の周囲に座繰り穴がなく、この点が上中間接合板14Uと異なる。
図4、図5に示すように、各上出隅接合板13Uから立ち上がった支柱37の上端のほぞを天井側下出隅接合板23Lのほぞ孔23L2に嵌める。各上中間接合板14Uから立ち上がった支柱37の上端のほぞを天井側下中間接合板24Lのほぞ孔24L2に嵌める。
ベースユニット10Aを上面側から見て長方形の短辺の一方に位置する各天井側下出隅接合板23Lの上に対向して天井側上出隅接合板23Uがあり、上記短辺の他方に位置する各天井側下出隅接合板23Lの上に対向して天井側第2上出隅接合板26Uがある。上下の出隅接合板23L、23Uで、互いに直角をなす2個の天井側第1外縁水平材21Aの一端部を挟持し接合する。同様に、上下の出隅接合板23L、26Uで、互いに直角をなす2個の天井側第1外縁水平材21Aの一端部を挟持し接合する。
各天井側下中間接合板24Lの上に対向して天井側上中間接合板24Uがあり、上下の中間接合板24L、24Uで天井側第1外縁水平材21Aと天井側第2外縁水平材21Bの一端部、または2個の天井側第2外縁水平材21Bの一端部を挟持し接合する。各上下の中間接合板24L、24Uは2個の内部水平材12の一端部も挟持し接合する。
各内部水平材12の他端部または両端部を、上下の天井側内方接合板で挟持し接合する。天井側下内方接合板は前記下内方接合板15Lと同じ構成である。この天井側下内方接合板15Lに対向して天井側上内方接合板25Uがある。
天井側の前記各接合板を図13に示す。図13(a)に示す天井側上出隅接合板23Uは、前記上出隅接合板13U(図11(a)参照)と同様に3個の孔23U1とその周囲の座繰り穴を有するが、ほぞ孔は有していない。
図13(b)に示す天井側上中間接合板24Uは、図12(b)に示す中間接合板24Lの構造に近く5つの孔24L1を有し、これらの孔の周囲に座繰りを有する。また、ほぞ孔24L2を有しているが、ほぞ孔24L2の向きが中間接合板24Lのほぞ孔14U2の向きに対して直交方向であることが異なっている。
図13(c)に示す天井側上内方接合板25Uは、図11(c)に示す天井側上内方接合板25Uと同様に8個の孔25U1を有し、その周囲に座繰りを有している。天井側上内方接合板25Uは、天井側上内方接合板25Uと異なり、中央部にほぞ孔25U2を有している。
図13(d)に示す天井側上出隅接合板26Uは、天井側上出隅接合板23Uと同様に3つの孔26U1を有し、孔26U1の周囲に座繰りを有しているが、ほぞ孔26U2を有していることが天井側上出隅接合板23Uと異なる。
ここまで説明してきた各接合板と、各接合板で接合される水平材とで天井ユニット10Bを構成している。天井ユニット10Bはベースユニット10Aと同様に構成してこれを上下反転させて各支柱37で支持してもよい。ベースユニット10Aと、ベースユニット10Aの上に立てた支柱37と、各支柱37によって支持した天井ユニット10Bによって建物の骨組み構造を得ることができる。天井ユニット10Bはベースユニット10Aと同じ構造にすることができる。
本実施例では、後で説明する片流れ型の屋根を構築するために、天井側の各接合板の構成を、ベース側の各接合板とは若干異なる前述のような構成にしている。次に、上記建物の骨組み構造を用いた建物の実施例について説明する。
[建物の実施例1]
図5に示すように、上下一対の出隅接合板23L,23Uまたは26Uで、中間接合板14U、24L、24Uで、また、中間接合板15L,25Uで、前述の各水平材21A、21B、12、16A、16Bの端部を挟持し接合する。
図6に示すように、各天井側第2上出隅接合板26Uのほぞ孔26U2、各中間接合板14Uのほぞ孔に第1小屋束41のほぞをはめ込み、第1小屋束41を立てる。各第1小屋束41の上端を、例えばほぞとほぞ孔の嵌め合いにより母屋45で繋ぐ。母屋45の長さは、その両端部が外側の第1小屋束41よりも外側に張り出す長さになっている。
天井側第2上出隅接合板26Uに最も近い左右一対の天井側上中間接合板24Uとこれらの接合板24Uで挟まれて内方に位置している2つの天井側上内方接合板25Uのほぞ孔には第2小屋束42のほぞをはめ込み、第2小屋束42を立てる。
同様にして、別の左右一対の天井側上中間接合板24Uとこれらの接合板24Uで挟まれて内方に位置している2つの天井側上内方接合板25Uに第3小屋束43を、さらに別の接合板24U、25Uに第4小屋束44を立てる。各第2小屋束42相互、各第3小屋束43相互、各第4小屋束44相互を、母屋45で繋ぐ。
一対の天井側第2上出隅接合板26Uとは反対側の一対の天井側上出隅接合板23Uと天井側上中間接合板24Uとで接合されている天井側第1外縁水平材21Aと天井側第2外縁水平材21Bに沿って垂木受け46を固着する。垂木受け46の長さは母屋45の長さと同じである。
第1小屋束41、第2小屋束42、各第3小屋束43、各第4小屋束44の長さはこの順に短くなっていて、これらの小屋束でつながれた母屋45と垂木受け46の上面は、図6において右上から左下に向かって下がる一つの傾斜面内にある。
各母屋45と垂木受け46の上にこれらの母屋45と垂木受け46にまたがる複数の垂木47を固着する。各垂木47の長さは、外側に位置する母屋45と垂木受け46との間隔よりも長い。したがって、各垂木47は外側に位置する母屋45と垂木受け46よりも外側すなわち支柱37の位置よりも外側に突き出ている。列をなす複数の垂木47のうち列の両側に位置する各垂木47は、母屋45と垂木受け46の両端位置にも配置され、支柱37の位置よりも外側に突き出た位置にある。
このようにして構築した骨組みに、床板、壁、出入り口、窓、屋根など、建物として必要なものを構築することによって建物が完成する。ベースユニット10Aの上面には床を貼る。各支柱37相互間には、各支柱を支持体として壁を構築し、壁で内部空間を確保する。適宜の支柱37間には建物への出入り口を設ける。壁には窓を設けてもよい。支柱37間には筋交いを入れて補強するとよい。屋根を構築するための前記骨組みによって屋根を構築する。図示の実施例は、構造を簡単にするために片流れ型にしているが、これに限られるものではない。
[実施例1の効果]
以上説明した実施例1に係る建物のベースユニット、建物の骨組み構造およびこれを用いた建物によれば、少ない構成部材で堅牢な建物を得ることができる。より具体的には、複数の水平材と、これらの水平材を接合する接合板によって建物のベースユニットを構築できる。ベースユニットと、ベースユニットと同じ構成の天井ユニットを複数の支柱を介して結合することにより、建物の骨組み構造を構築できる。建物の骨組み構造に建物として必要な屋根、壁、出入り口などを組み付けることにより、建物を構築できる。
本発明の実施例1によれば、出隅接合板が2個の第1外縁水平材を直角に連結し、中間接合板が第1外縁水平材と第2外縁水平材または前記第2外縁水平材同士を接合することによって四角形の平面からなるベースユニットを得ることができる。このベースユニットを用いた建物の骨組み構造および建物も平面形状四角形になり、平面形状多角形の建物と比較すると、空間を無駄なく利用して家具などを設置できる。
[建物のベースユニットの実施例2]
実施例2は、ベースユニットに建物の骨組みを構築し、かつ、建物としての機能を付加する場合でも、十分な強度を確保できるように構造を工夫したものである。図15、図16に示す例では、平面形状長方形の基礎30の上面に沿って複数の外縁水平材11Cを、長辺方向に4個、短辺方向に3個直列的に配置している。基礎30の角遇部において、互いに直角をなす2個の外縁水平材11Cの端部を下出隅接合板13Lの上に集結させる。基礎30の長辺および短辺において複数の外縁水平材11Cが直線的に連続していて、外縁水平材11Cが連続する部分において双方の外縁水平材11Cの端部が下中間接合板14L上に集結している。
下中間接合板14Lから内方に向かって第1内部水平材12Aが外縁水平材11Cに対し直角方向に延び、第1内部水平材12Aの他端部は、実施例1における下内方接合板15Lと同様の内方接合板に至っている。前記内方接合板は実施例1と同様に一定間隔で前後に複数あり、内方接合板相互を第2内部水平材12Bが繋いでいる。図19(c)は第2内部水平材12Bを示す。第2内部水平材12Bの薄肉で楔形の両端部が前記内方接合板に集結している。
2個の外縁水平材11Cと2個の第1内部水平材12Aで正四角形を形成し、1個の外縁水平材11Cと2個の第1内部水平材12Aと1個の第2内部水平材12Bでも、また4個の第2内部水平材12Bでも正四角形を形成している。これら正四角形の対角線を結んで実施例1と同様に第1斜め水平材16Aと第2斜め水平材16Bを配置し、各斜め水平材の端部を前記接合板に接合する。
図19(a)に示すように、外縁水平材11Cは、両端の薄肉部の先端部が外縁水平材11Cの長さ方向に対して直角をなす切断面11C1になっており、前記薄肉部に孔11C2を、本体の両端部に固定用の孔11C3を有している。固定用の孔11C3に基礎30から立ち上がっているアンカーボルトを通し、ナットで締結することにより外縁水平材11Cを基礎30に固定する。
外縁水平材11Cの両端部は切断面11C1になっているため、下出隅接合板13Lの上に2個の外縁水平材11Cの切断面11C1による互いに直角な壁で画される空間が形成される。下中間接合板14Lの上には2個の外縁水平材11Cの切断面11C1による互いに平行な壁で画される空間が形成される。
これらの空間には後で説明する支柱37のほぞが嵌められて支柱37が建てられる。支柱37のほぞは前記空間よりも小さく、これらの空間の残部に調整材を嵌める。下出隅接合板13Lの上の前記空間の残部は上面側から見てL字形で、このL字形の空間の残部に第1調整部材54を嵌める。図20(a)に示すように第1調整部材54は平面形状がL字形で、前記空間の残部が第1調整部材54で埋められる。
下中間接合板14L上の前記空間の残部は上面側から見て四角形で、この四角形の空間の残部に第2調整部材56を嵌める。図20(b)に示すように第2調整部材56は直方体の形をしており、前記空間の残部が第2調整部材56で埋められる。
各下出隅接合板13L、各下中間接合板14Lおよび前記各下内方接合板の上には、上出隅接合板13U、上中間接合板14および上内方接合板15Uを対向させて配置する。上下で相対向する前記接合板相互間には前記水平材の端部が集結する。相対向する前記接合板をボルトとナットによって締結し、集結した前記各水平材の端部を挟持し接合する。
実施例1と同様に、4つの水平材でなる正方形の構造体を構成し、これらの構造体は、ベースユニット20Aの基本構造体を構成している。基本構造体の増減によって、任意の広さのベースユニットを構築できる。互いに隣り合う基本構造体は水平材12A、12Bを共有している。
以上のようにしてベースユニット20Aを構築する。図17に示すように、ベースユニット20Aの上に複数の支柱を立て、各支柱で天井ユニット20Bを支持することにより建物の骨組み構造を構築する。建物の骨組み構造について具体的に説明する前に、各支柱37とベースユニット20Aとの結合構造について説明する。
上出隅接合板13Uおよび上中間接合板14Uは、支柱37のほぞが嵌るほぞ孔を有する。これらのほぞ孔は、前述の下出隅接合板13L上に2個の外縁水平材11Cの切断面11C1で画される空間および下中間接合板14L上に2個の外縁水平材11Cの切断面11C1で画される空間に連通する。支柱37のほぞは、前記接合板13U、14Uのほぞ孔を貫通し、2個の外縁水平材11Cの切断面11C1で画される空間に嵌まる。
前記第1調整部材54および第2調整部材56は2個の外縁水平材11Cの切断面11C1で画される空間の残余の部分に嵌める。さらに、前記各調整部材54,56は適宜の固着手段によって支柱37のほぞの部分に固着し、または、対応する接合板に固着する。このように、第1調整部材54および第2調整部材56を付加したことが実施例1と異なり、このように構成することによって、ベースユニット20Aの上に構築する建物の骨組み構造の強度と耐久性を強化することができる。
接合板と接合板によって接合される水平材で形成する四角形の構造体は、ベースユニット20Aの基本構造体を構成している。基本構造体を増減することによって、任意の広さのベースユニットを構築でき、長方形や正方形あるいはL字形など、任意の平面形状のベースユニットを構築できる。互いに隣り合う基本構造体は水平材12A、12Bを共有している。
[建物の骨組み構造の実施例2]
図17を参照しながら建物の骨組み構造の実施例2を説明する。既に述べたとおり、ベースユニット20Aの上に複数の支柱37を垂直に立てる。各支柱37の上端部もほぞになっていて、これらのほぞに天井ユニット20Bを構成する各接合板のほぞ孔を嵌める。
天井ユニット20Bの構成はベースユニット20Aの構成とほとんど同じで、天井ユニット20Bも、第1、第2調整部材54、56を有している。ただ、上下の出隅接合板がともに上出隅接合板13Uであることと、上下の中間接合板がともに上中間接合板14Uであって、いずれもほぞ孔を有している点がベースユニット20Aと異なっている。
各支柱37の上端部と天井ユニット20Bとの結合構造も、各支柱37の下端部とベースユニット20Aとの結合構造と同様に支柱37側のほぞと、天井ユニット20B側のほぞ孔との嵌まり合う構造である。天井ユニット20B側のほぞ孔は、出隅接合板13Uおよび中間接合板14Uのほぞ孔と、このほぞ孔に連通する第1調整部材54および第2調整板56で画される空間で形成される。
天井ユニット20Bにも第1、第2調整板53、56が付加されることにより、支柱37のほぞと天井ユニット20Bとの篏合強度が強化される。
[建物の実施例2]
天井ユニット20Bの上には、図18に示すように屋根の骨組みを構築する。屋根の骨組みは、第1小屋束41、第2小屋束42、第3小屋束43、第4小屋束44,母屋45、垂木受け46、垂木47で構成される。屋根の骨組み構造は、図6について説明した実施例1における屋根の骨組み構造と同じであるから、詳細な説明は省略する。
実施例1について説明した通り、構築した骨組みに、床板、壁、出入り口、窓、屋根など、建物として必要なものを構築することによって建物が完成する。実施例2も片流れ型の屋根であるが、屋根の形は任意である。
[実施例2の変形例]
図21乃至図25に示すように、実施例1に構成を付加して機能を付加することができる。この変形例は、天井ユニット20Bの上面を活用するために、ベースユニット20Aから天井ユニット20Bに至る梯子58を掛け、天井ユニット20Bの中央部分に昇降口となる開口60を設けている。梯子58は、折りたたみ可能にして、開口60と同一面をなす態様で収納可能になっている。開口60は、天井ユニット20Bの中央部分から、図17に示す第2内部水平材12B、第1、第2斜め水平材16A、16Bを除去することによって形成している。
図示の変形例では、4つの第2内部水平材12Bからなる正方形の前記基本構造体2個分に相当する開口60が形成されている。天井側内方接合板の一部は、開口60の縁に沿って切除する。開口60の角隅に位置する天井側内方接合板は開口60の角隅に倣って直角に切除する。開口60の直線部に位置する天井側内方接合板は直線部に倣って直線で切除する。
天井ユニット20Bの中央部分の前記水平材12B、16A、16Bを除去することによって天井ユニット20Bの強度が低下する。そこで、図23、図24に示すように、開口60に面する第2内部水平材12Bと、この第2内部水平材12Bにつながる第1内部水平材12Aにまたがって補強テープ64を貼り付け天井ユニット20Bの強度を補う。補強テープ64としてアラミド系樹脂からなる繊維を帯状に織ったものを用いるとよい。もっとも、他の補強手段を用いてもよい。
天井ユニット20Bの上には、図24、図25に示すように、複数の支柱62を介して第2天井ユニット20Cを支持する。支柱62は下の階層の支柱37よりも短く、天井ユニット20Bと第2天井ユニット20Cの間には天井の低い空間が形成される。この空間は屋根裏部屋(あるいはロフト)として使用できる。
各支柱62は天井ユニット20Bの各接合板13U、14Uの上に前記支柱37と同様の嵌め合いによって立てる。第2天井ユニット20Cは天井ユニット20Bと同じ構成で、各支柱62と第2天井ユニット20Cの結合構造は各支柱37と天井ユニット20Bの結合構造と同じである。
第2天井ユニット20Cの上には屋根の骨組み構造を図18について説明した構造と同様に構築する。このようにして構築した建物の骨組み構造に、屋根、壁、出入り口、必要に応じて窓を取り付けて、屋根裏部屋あるいはロフト付きの建物を完成させる。
次に、本発明の実施例3について説明する。実施例3は、ベースユニットの周囲に縁(えん)を有し、天井ユニットの周囲に庇を有している点でこれまでの実施例と異なっている。
[建物のベースユニットの実施例3]
図26は、実施例3に係る建物のベースユニット20Dの組み立ての途中段階を示す。図26に示すように、これまでの実施例に係るベースユニットの周縁部に、第1外部水平材11D、第2外部水平材11Eを付加した点が実施例3の特徴になっている。また、これまでの実施例における外縁水平材11Cに代わって別の形状の外縁水平材11Fを用いる。外縁の接合板もこれまでの実施例のものとは異なる外縁接合板27(図27参照)を用い、内方接合板もこれまでの実施例のものとは異なる内方接合板28を用いる。外縁接合板27と内方接合板28は、上側と下側を共通の形状のものを使用できるため、「U」「L」の添え字を省略している。
外縁接合板27は図34(c)に示すように平面形状が正8角形で、各辺に沿って孔271を有し、中央部にほぞ孔272を有する。図34(d)に示す内方接合板28も正8角形で、各辺に沿って孔281を有するが、ほぞ孔はない。
図26に示すように、第1外部水平材11Dは外縁接合板27から外縁水平材11Fの延長線上に延び出ている。第2外部水平材11Eは外縁接合板27から第1外周斜め水平材16Cの延長線および第2外周斜め水平材16Dの延長線上に延びている。さらに、出隅に位置する外縁接合板27からは、第1外周斜め水平材16Cまたは第2外周斜め水平材16Dに直交する方向にも第2外部水平材11Eが伸び出ている。このようにして、各外縁接合板27には8個の水平材の各一端部が集結している。
図32(a)は第1外部水平材11Dを、図32( b)は第2外部水平材11Eを示す。第1外部水平材11Dは、一端部が上下から切除された薄肉部11D1で平面形状は楔型、他端部が上側半分だけ切除された段部11D2になっている。両端部に接合用孔を有している。
第2外部水平材11Eは、図32(b)に示すように、一端部が鋭角的な楔形の薄肉部11E1、他端部が鈍角的な薄肉部11E2になっている。第2外部水平材11Eの長さは、第1外部水平材11Dの長さに対して約√2倍になっている。
前記外縁水平材11Fは、図32(c)に示すように、両端の薄肉部11F1、11F2がともに楔形で、各端部に接合板との接合用孔を有し、本体部分には基礎に固定するための孔を有している。
隣り合う内方接合板28同士を繋いで正方形を形成する本実施例における水平材を内部水平材12Dとする。内方接合板28を囲んでその外側にある外縁接合板27と内方接合板28を繋ぐ水平材を本実施例では外部水平材12Cとして、内部水平材12Dと区別している。内部水平材12Dは前記実施例における第2内部水平材12Bと同じ構成である。外部水平材12Cは、図33(c)に示すように、薄肉部からなる両端部が楔状になっていて、一端部の薄肉部の先端は潰し部12C1になっている。
図33(a)は第1外周斜め水平材16Cを、図33(b)は第2外周斜め水平材16Dを示す。第1、第2外周斜め水平材16C、16Dは、前記実施例における第1、第2第1斜め水平材16A、16Bと同様に両端部の薄肉部と、長さ方向中央に互いに嵌まり合う溝16C1、16D1を有する。第1外周斜め水平材16Cは、薄肉部の一方の先端部が斜めの切除面16C2になっており、第2外周斜め水平材16Dは、薄肉部の両端部が斜めの切除面16D2になっている。
外部水平材12Cに潰し部12C1を設け、第1外周斜め水平材16Cの一端部に切除面16C2を、第2外周斜め水平材16Dの両端部に斜めの切除面16D2を設けた理由は、集合した8個の水平材の端部でほぞ孔を形成するためである。
実施例3に係る建物のベースユニット20Dの組み立ての初期段階では、まず図27に示すように、平面形状四角形の基礎30の出隅部と、各辺の上面に外縁接合板27を等間隔に固定する。基礎30の各辺の上面には、外縁接合板27間に外縁水平材11Fをアンカーボルトによって固定する。基礎30の内方には、所定長さの束33を介して複数の内方接合板28を、外縁接合板27と同じ高さに配置する。束33は、外周側の第1、第2斜め水平材16C、16Dの交差位置も支持する。
ベースユニット20Dの外縁部において集合した8個の水平材の端部には、図28に示すように外縁接合板27を載せる。ベースユニット20Dの内方において集合した8個の水平材の端部には内方接合板28を載せる。各外縁接合板27、内方接合板28は上下に対をなしていて、これら一対の接合板をボルトとナットで締結することにより、これら一対の接合板の間に、前記集合した8個の水平材の端部を挟持し接合する。
各外縁接合板27の前記ほぞ孔272は、前述の集合した8個の水平材の端部で形成されるほぞ孔に重なっている。各外縁接合板27で囲まれてベースユニット20Dの内方に位置する内方接合板28にはほぞ孔がないので、内方接合板28同士を繋ぐ斜め水平材は、前記実施例における第1、第2斜め水平材16C、16Dを使用している。
図26に示すように、各外縁接合板17から外方に向かって放射状に延びた各第1、第2外部水平材11D、11Eの外端部を結ぶと四角形になる。また、各外縁接合板17において、第1外部水平材11Dの両側から45度の角度で第2外部水平材11Eが延び出ている。隣り合う外縁接合板27から延び出た2つの第2外部水平材11Eの一端部11E2同士がその側面で接触する。双方の第2外部水平材11Eは互いに直角をなしている。
各外縁接合板27から延び出た2個1対の第2外部水平材11Eを繋ぐ外縁繋ぎ材66を、第1外部水平材11Dの先端の段部11D2を経由して配置する。外縁繋ぎ材66は、図35に示すように、長さ方向中央の下面側に篏合溝661を有し、篏合溝661と第1外部水平材11Dの段部11D2を嵌め合わせる。
外縁繋ぎ材66はまた、両端部を互いに直角をなす傾斜面で切断するとともに、この傾斜面形成部において上側の半分を除去して段部662を形成している。これらの段部662の境界面は前記傾斜面に対して直角をなし、したがって双方の段部662の境界面同士でも直角をなしている。図36は本実施例における外縁繋ぎ材66の配置例を示す。各外縁繋ぎ材66は相互間に間隔を置いて配置する。
出隅部で互いに直角をなす2個の外縁繋ぎ材66の段部662を外縁出隅接合板21Cで接合する。直線上に配置する外縁繋ぎ材66相互を外縁中間接合板21Dで接合する。図34(a)は外縁出隅接合板21Cを、図34(b)は外縁中間接合板21Dを示す。外縁出隅接合板21Cも外縁中間接合板21Dも二等辺直角三角形であるが、外縁中間接合板21Dは外縁出隅接合板21Cよりも面積比で約2倍ある。外縁出隅接合板21Cは1つの接合孔を、外縁中間接合板21Dは2つの接合孔を有する。
図28に示すように、外縁出隅接合板21Cも外縁中間接合板21Dも上下2個を一対としている。外縁出隅接合板21Cは、この外縁出隅接合板21Cに向かって伸びた1つの第2外部水平材11Eと互いに直角をなす2つの外縁繋ぎ材66の端部を挟み込んで締結し、これらの部材を接合する。外縁中間接合板21Dは互いに直角をなす2つの第2外部水平材11Eと2つの外縁繋ぎ材66の端部を挟み込んで締結し、これらの部材を接合する。
以上説明した通り、実施例3に係る建物のベースユニット20Dは、もともとのベースユニットから外方に延びた、換言すれば基礎30よりも外方に延びた、縁(えん)に該当する部分を有することを特徴としている。縁に該当する部分は、濡れ縁、縁側、出入り口の沓脱など任意の用途に利用できる。
実施例2までは、出隅接合板、中間接合板が異形の5角形や6角形であり、支柱を立てるほぞ孔が端縁部に近い位置にあった。そのため、支柱の支持強度が不足することが考えられ、強度不足を補うために実施例2では調整部材54、56を付加していた。実施例3に係る建物のベースユニット20Dは、外縁接合板27も正8角形とし、その中央にほぞ孔を形成するため、支柱の支持強度を高めることができる。
[建物の骨組み構造の実施例3]
図28に示す実施例3に係る建物のベースユニット20Dに支柱や天井ユニットを付加することによって実施例3に係る建物の骨組み構造とすることができる。図29に示すように、各外縁接合板27に上に支柱37を立てる。すでに説明したように、各外縁接合板27の位置において集合する各水平材の端部で囲まれてほぞ孔が形成され、このほぞ孔は各外縁接合板27のほぞ孔に連通している。これらのほぞ孔に支柱37の下端のほぞを嵌めこむことによって支柱37を立てる。
図29に示すように、各支柱37の上端には、外縁接合板27を支柱37のほぞと外縁接合板27のほぞ孔との嵌め合いによって結合する。図29には、ベースユニット20Dの各外縁出隅接合板21C、各外縁中間接合板21Dおよび各内方接合板28の上方に、後述の天井ユニットを構成する外縁出隅接合板21C、各外縁中間接合板21D、各内方接合板28が描かれている。
図30に示すように、支柱37によって天井ユニット20Eが支持されている。天井ユニット20Eはベースユニット20Dと同様の構成部材で同様に組み立てられる。したがって、天井ユニット20Eは、第2外部水平材11Fよりも外周側に、外縁出隅接合板21C、外縁中間接合板21D、第1、第2外部水平材11D、11E、外縁繋ぎ材66からなる庇を有している。この庇は、ベースユニット20Dの縁に対応している。
図30に示す建物の骨組み構造に、任意の形状の屋根、出入り口、壁、窓などを構築することによって、縁および庇を有する建物を得ることができる。
[実施例3の変形例1]
図31は、実施例3に係る建物の骨組み構造の変形例を示す。この変形例は、天井ユニットに手を加えて換気と採光のための上屋を設けたものである。図31において、天井ユニット20Eの上面側に、外周縁から内方に向かって枠72を適宜の間隔で数段階にわたって形成する。最も内周に位置する枠74の内方に複数の束78によって複数の桁76を平行に支持する。
最外周の枠72から最内周の枠74に至る天井ユニット20Eの上面は屋根材で覆う。複数の桁76の上面の全部または一部を透光板で覆い、採光可能な天窓とし機能させる。複数の束78の周囲には、少なくとも一部に、換気のために開閉可能な窓を設ける。この窓に透光板を設けることにより採光機能を兼ねさせることもできる。
[実施例3の変形例2]
図37は、実施例3のさらに別の変形例を示す。この変形例は、複数のベースユニットおよび骨組み構造を結合して広い建物を構築するものである。図37は、図31に示す実施例を2つ結合した例である。図38、図39は、結合を実現するための結合部分の構成を示し、図40は結合部分に必要な部材を示す。
図31に示す実施例は、ベースユニット20Dの周囲に縁(えん)があり、天井ユニット20Eの周囲に庇がある。2つのベースユニット20Dおよび天井ユニット20Eを結合するには、双方の縁と庇の部分を互いに結合することになるので、その部分の構成を工夫する必要がある。
図38に示すように、2つのベースユニット20Dの各一辺にある外縁出隅接合板21C、外縁繋ぎ材66(図28、図29参照)を除去して、これらの部材を除去した辺同士を突き合わせる。図38に示すように、突き合わせた双方の第1外部水平材11D同士を第1連結板81で連結する。一方のベースユニット20Dの一対の第2外部水平材11Eと他方のベースユニット20Dの一対の第2外部水平材11Eとを第2連結板82で連結する。双方のベースユニット20Dにおいて除去した外縁出隅接合板21Cの代わりに外縁中間接合板21Dを用いて双方の外縁繋ぎ材66を直線状に連結する。
第1連結板81は、図40(a)に示すように平面形状長方形で、長手方向両端近くに第1外部水平材11D同士を連結する2つの孔811を有する。第2連結板82は、図40(b)に示すように平面形状正方形で、4辺それぞれに沿って4個の第2外部水平材11Eを連結する4つの孔821を有する。
図39は2つの天井ユニット20Eの結合構造の要部を示す。2つの天井ユニット20Eの結合構造も、第1連結板81、第2連結板82を用い、結合部分における外縁出隅接合板21Cに代えて外縁中間接合板21Dを用いる。2つの天井ユニット20Eの結合構造も、2つのベースユニット20Dの結合構造と同じであるから、詳細な説明は省略する。
図37に示す建物の骨組み構造は、これまでの実施例に係る骨組み構造と同様に、屋根、壁、出入り口、窓など、必要な構成を付加することにより建物を構築することができる。
[その他の変形例]
これまで説明してきた各実施例では、支柱37の端部のほぞを、接合板のほぞ孔に嵌めることにより支柱37を立てていたが、水平材にほぞ孔を設け、このほぞ孔に支柱37のほぞを嵌める構成であってもよい。図41、図42はその例を示す。図41、図42に示す例は図26乃至図36に示す実施例3をもとに構成の一部を変形したもので、外縁水平材11Fにほぞ孔11F5を設け、ほぞ孔11F5に支柱37のほぞを嵌めて支柱37を立てる構成になっている。
この変形例では、平面形状四角形のベースユニットの出隅部では、直角に交わる2つの外縁水平材11Fの出隅接合板への近接端部に設けたほぞ孔11F5にそれぞれ支柱37のほぞ孔を嵌めている。したがって、ベースユニットの出隅部では2本の柱37が近接して立っている。ベースユニットの角辺の中間に位置する外縁水平材11Fにも適宜のほぞ孔11F5を設けて柱を立てる。柱37の間隔は任意で、図示の例では柱37の間隔が交互に広狭になるように設定されている。
各柱37の上端には、図41、図42に示すベースユニットと同じ構成の天井ユニットを、前記柱37のほぞと外縁水平材11Fのほぞ孔との篏合構造と同じ篏合構造によって構築する。
図41、図42に示す変形例によれば、接合板のほぞ孔に支柱のほぞを嵌める構造よりも強度および耐久性を高めることができる。支柱の配置位置は接合板の配置位置に制限されず、外縁水平材11Fの任意の位置に、任意の間隔で設定できる。
図43は、図42、図42に示すベースユニットの変形例を用いた建物の骨組み構造の例を示す。図43において、ベースユニットからはその外縁水平材11Fから支柱37が立ち上がり、支柱37によって天井ユニット20Fが支持されて建物の骨組みユニットが構築されている。天井ユニット20Fは庇84を有している。庇84は、図30、図37などに示す天井ユニット20Eの庇の構造と異なっているので。以下、この点につき説明する。
図30、図37などに示す天井ユニット20Eの庇は、4個の水平材で正方形の平面を形成する前記基本構造体とは別に第1、第2外部水平材11D、11Fなどを付加することによって構成している。かかる構成と異なり、図43に示す庇84は、4個の水平材で正方形の平面を形成する前記基本構造体を四方に拡張した形態になっている。よって、ベースユニット側の縁よりも天井ユニット20Fの庇84の拡張量が約2倍になり、庇としての機能を効果的に発揮する。
図43に示す例ではまた、天井ユニット20Eの中央部に、図31に示す実施例と同様の採光および換気のための構造部分を有している。採光および換気のための構造部分を付加するか否かは任意である。
建物の骨組み構造において、隣り合う支柱相互間に筋交いを設けて骨組みの補強を図るとよい。部材と部材の結合部分にまたがって前述の補強テープを貼り付けることによって補強してもよい。
[実施例の効果]
以上説明した各実施例に係る建物のベースユニットによれば、いくつかの水平材といくつかの接合板とによってベースユニットを構成することができ、組み立て、分解が容易であり、例えば、仮設住宅のベースユニットとして好適である。水平材と接合板との組み合わせによって強固なベースユニットを構成でき、仮設ではない長期にわたり使用する建物のベースユニットとしてもユーザーの希望に応えることができる。
上記の効果を得ることができるベースユニットを用いた本発明に係る建物の骨組み構造および建物も、同様の効果を得ることができる。縁や庇を設けることも容易であり、例えば、離れとして、あるいはセカンドハウスとして利用することもできる。必要に応じて同じ構成のベースユニット、骨組み構造および建物を連結することも容易であるから、新設時の設計の自由度が高い。リフォームも容易である。
本発明に係る各実施例は、一般に広く採用されている平面形状四角形に構成される。したがって、家具や調度品を、空間を有効に利用して設置することができる。
以上説明した本発明によれば、少ない資材による簡単な組み立て手順によって建物を組み立てることができ、分解も容易である。したがって、災害時の仮設住宅や、感染症が蔓延したときの緊急的な隔離棟として利用するのに好適であり、自治体などにおいて資材を備蓄するのに適している。また、法規制の適用外の規模であれば一般家庭において無許可で設置することができ、勉強部屋、離れ、などの個室として利用できる。
10A ベースユニット
10B 天井ユニット
11A 第1外縁水平材
11B 第2外縁水平材
11C 外縁水平材
11D 第1外部水平材
11E 第2外部水平材
11F 外縁水平材
12 内部水平材
12A 第1内部水平材
12B 第2内部水平材
12C 外部水平材
12D 内部水平材
13L 下出隅接合板
13U 上出隅接合板
14L 下中間接合板
14U 上中間接合板
15L 下内方接合板
15U 上内方接合板
16A 第1斜め水平材
16B 第2斜め水平材
16C 外周第1斜め水平材
16D 外周第2斜め水平材
20A ベースユニット
20B 天井ユニット
20C 第2天井ユニット
20D ベースユニット
20E 天井ユニット
20F 天井ユニット
21A 天井側第1外縁水平材
21B 天井側第2外縁水平材
21C 外縁出隅接合板
21D 外縁中間接合板
21E 第2外縁出隅接合板
23L 天井側下出隅接合板
23U 天井側上出隅接合板
24L 天井側下中間接合板
24U 天井側上中間接合板
25U 天井側上内方接合板
26U 天井側第2上出隅接合板
27 外縁接合板
28 内方接合板
30 基礎
31 基礎パッキン
32 基礎パッキン
33 束
37 支柱
41 第1小屋束
42 第2小屋束
43 第3小屋束
44 第4小屋束
45 母屋
46 垂木受け
47 垂木
50 ボルト
52 ナット
54 第1調整部材
56 第2調整部材
58 梯子
60 開口
62 支柱
64 補強テープ
66 外縁繋ぎ材
72 枠
74 枠
76 桁
78 束
81 第1連結板
82 第2連結板
84 庇

Claims (15)

  1. 複数の外周部水平材と、
    前記外周部水平材を直角に連結する複数の出隅接合板と、
    直線上に並ぶ前記外周部水平材同士を接合する中間接合板と、
    前記中間接合板から前記外周部水平材に対して直角に伸びる複数の内部水平材と、
    4個の前記内部水平材を接合する内方接合板と、
    前記外周部水平材と前記内部水平材で形成する四角形および前記内部水平材で形成する四角形の対角位置を結ぶ2個の斜め水平材と、
    を有する建物のベースユニット。
  2. 2個の前記斜め水平材は互いに交差し、交差位置で互いに嵌まり合う請求項1記載の建物のベースユニット。
  3. 前記内方接合板は、正8角形で4個の前記内部水平材と4個の前記斜め水平材を接合する請求項1または2記載の建物のベースユニット。
  4. 前記各外周部水平材、前記各内部水平材、前記各出隅接合板および前記各中間接合板は木製である請求項1、2または3記載の建物のベースユニット。
  5. 前記各出隅接合板と前記各中間接合板の配置位置に、これらの接合板の位置に立てる支柱のほぞを外側から抑える調整部材を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の建物のベースユニット。
  6. 前記各出隅接合板と前記各中間接合板に代わる外縁接合板を有し、前記外縁接合板は、前記外周部水平材および前記内部水平材の延長線上において外方に延び出る複数の外部水平材を接合し、前記各外部水平材の外端部を互いに連結する複数の外縁材を有する請求項1乃至5のいずれかに記載の建物のベースユニット。
  7. 前記外縁接合板は正8角形で中央部にほぞ孔を有する請求項6記載の建物のベースユニット。
  8. 前記外縁材相互の接合部分に、前記外部水平材とともに前記外縁材を接合する外縁接合板を有する請求項7記載の建物のベースユニット。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の建物のベースユニットを有する建物の骨組み構造であって、前記ベースユニットの上に立てられた支柱と、前記各支柱によって支持された天井ユニットとを有し、前記天井ユニットは、前記ベースユニットと同じ構造である建物の骨組み構造。
  10. 請求項6、7または8記載の建物のベースユニットを有する建物の骨組み構造であって、前記ベースユニットの上に立てられた支柱と、前記各支柱によって支持された天井ユニットとを有し、前記ベースユニットの前記複数の外部水平材と複数の外縁材に対応する天井ユニットの構成部分は庇を構成している建物の骨組み構造。
  11. 請求項9または10記載の建物の骨組み構造であって、前記天井ユニットを構成する前記内部水平材の一部が切除されて前記天井ユニットの下方と上方を連通する開口を有する建物の骨組み構造。
  12. 請求項9、10または11記載の建物の骨組み構造であって、前記天井ユニットの上方に前記天井ユニットから間隔をおいて前記天井ユニットと同じ構成の第2天井ユニットを有する建物の骨組み構造。
  13. 請求項9乃至12のいずれかに記載の骨組み構造を有する建物であって、前記ベースユニットと前記天井ユニットの間において、前記各支柱で区画される側面の少なくとも1つに内部への出入口がある建物。
  14. 前記天井ユニットの上には、屋根がある請求項13記載の建物。
  15. 前記天井ユニットの上には、前記天井ユニットの上方に空間をおいて第2天井ユニットがあり、前記第2天井ユニットの上に屋根がある請求項13記載の建物。
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