JPH10317479A - ドーム型建物 - Google Patents

ドーム型建物

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JPH10317479A
JPH10317479A JP9148470A JP14847097A JPH10317479A JP H10317479 A JPH10317479 A JP H10317479A JP 9148470 A JP9148470 A JP 9148470A JP 14847097 A JP14847097 A JP 14847097A JP H10317479 A JPH10317479 A JP H10317479A
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JP
Japan
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dome
segments
segment
plane
shaped building
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JP9148470A
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Inventor
Norio Furuya
憲男 古屋
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PATENT ISLAND KK
Patent Island Co Ltd
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PATENT ISLAND KK
Patent Island Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 簡素な構造とすることによって一層の低価格
化を実現すると共に、居住利用者が自分で容易に組み立
てることの可能な建物を提供する。 【解決手段】 水平面に対する投影形状がほぼ正八角形
をなすと共に鉛直面に対する投影形状が略半円をなす木
造のドーム構造体10である。ドーム構造体10は、多
数のセグメント11を積み上げて互いに連結することに
よって構築されたものであり、その天頂部には通気屋根
部材12が設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一戸建ての住居用
としてのほか、店舗、集会所、公共施設等として利用可
能な組立式のドーム型の建物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年は、例えば一戸建て住宅の場合、在
来工法による木造建築では建築期間が長く、建築費用が
嵩み、しかも作業者の技量等によって品質のばらつきが
大きいことから、プレハブ建築等による住宅も普及しつ
つある。しかし、プレハブ建築等による住宅は、鉄骨や
内装材、外装材等が組み込まれた壁、床等の構造要素を
工場で大量に生産し、現場ではこれらの構造要素を組み
立てるだけであるため、建築期間が短くなり、安価であ
り、品質のばらつきも少ないといった利点があるが、居
住者自身が建てることは不可能であり、専門の建築業者
に依頼せざるを得ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な事情のもとになされたもので、その技術的課題とする
ところは、簡素な構造とすることによって一層の低価格
化を実現すると共に、居住利用者が自分で容易に組み立
てることの可能な建物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題を有
効に解決するための手段として、本発明に係るドーム型
建物は、水平面に対する投影形状が多角形状をなすと共
に鉛直面に対する投影形状が略半円をなす伏椀状のドー
ム構造体を、その軸心及び前記多角形の各頂点を通る平
面と、この平面に直交すると共に前記軸心上のドーム中
心を通る平面とで経度方向及び緯度方向に分割した形状
の多数のセグメントを互いに連結して形成される。な
お、ここでいう「緯度」「経度」とは、前記ドーム構造
体を惑星表面に見立て、その天頂部を惑星の一方の極に
見立てて表現したものである。
【0005】すなわち本発明のドーム型建物は、各セグ
メントがドーム構造体の内側へ向けて倒れ込もうとする
力が、隣接するセグメントの互いの衝合面を圧接させる
ように作用し、これによって各セグメントが支持される
ので、基本的には柱や梁による支持が不要であり、伏椀
状(半球状)の構造物は強度が大きいため、地震や強風
等による外力に対して優れた強度を発揮する。また、上
側のセグメントほど経度方向の幅が小さくなって重量が
減少するので、組立が容易である。
【0006】上記構成において一層好ましい手段として
は、緯度方向に互いに隣接して接合される各セグメント
内には前記各セグメント同士に緯度方向の引張荷重を付
与する引張バネが連設される。すなわち上述のように、
各セグメントは、ドーム構造体の内側へ向けて倒れ込も
うとする力によって隣接する他のセグメントと圧接する
が、その圧接力を、前記引張バネの引張荷重によって補
い、建物の強度を増大することができる。また、経度方
向に互いに隣接した各セグメントは、緊結手段を介して
互いに緊結することによって、経度方向に対するセグメ
ントの接合を確実に行うことができる。
【0007】上記構成において一層好ましい他の手段と
しては、各セグメントにおける緯度方向一端面には凸ほ
ぞを突設し、他端面には前記凸ほぞと対応する凹ほぞが
凹設する。このようにすれば、各セグメントを緯度方向
に積み上げて組み立てる際に、既設セグメントの高緯度
側の端面における凸ほぞ(又は凹ほぞ)に、新設セグメ
ントの低緯度側の端面における凹ほぞ(又は凸ほぞ)を
差し込むようにして組み立てることができ、接合強度も
増大する。
【0008】上記構成において一層好ましい他の手段と
しては、最も天頂側に連結されたセグメントの内周に形
成される多角形状の空間に天頂部材を密嵌する。この天
頂部材は、最も天頂側に連結されたセグメントの内周形
状と対応する多角錐状の嵌合面を有するもので、これを
嵌合することによって、前記天頂側へ向けて収束するよ
うに組み立てられた各セグメントが安定する。なお、前
記天頂部材は単なる盲蓋状であっても良いが、屋根付き
の通気孔とすることなどが考えられる。
【0009】上記構成において一層好ましい他の手段と
しては、緯度方向に並んだセグメント群からなる壁面の
うち任意の壁面には開口部が形成され、この開口部には
窓要素もしくは玄関要素が嵌め込まれる。例えば、窓要
素をどの方位の壁面に設けるかは、日射の季節変化等を
考慮して最も効率の良い採光を行うことができるように
適切に選定することができる。また、玄関要素は、隣接
位置に構築した他のドーム型建物との連絡通路として連
結することもできる。
【0010】上記構成において一層好ましい他の手段と
しては、ドーム構造体が、水平面に対する前記ドーム構
造体の投影形状に対応する多角筒状壁体の上に組み立て
られ、前記多角筒状壁体はその軸心及び各頂点を通る平
面と、前記軸心に直交する平面とで分割された形状の多
数のセグメントからなるものである。このようにすれ
ば、この多角筒状壁体の高さによって当該ドーム型建物
全体の高さを自在に設定することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図11を参照しな
がら、本発明に係るドーム型建物の好ましい一実施形態
について説明する。すなわちこのドーム型建物は、図1
及び図2に示すように、水平面に対する投影形状が、一
辺が約3.7m、対辺距離が約9mのほぼ正八角形(底面面積
が約24坪)をなすと共に鉛直面に対する投影形状が略半
円をなす伏椀状もしくはコウモリ傘状に構築されるドー
ム構造体10からなる。このドーム構造体10は、基本
的には木造であって、多数のセグメント11を積み上げ
て互いに連結することによって構築されたものであり、
その天頂部には、天頂部材としての通気屋根部材12が
設けられている。
【0012】セグメント11は、ドーム構造体10を、
その天頂部を惑星の極に見立てた場合にその天頂部から
正八角形の投影形状の各頂点へ向けて延びる子午線(縦
目地10a)を通る平面、すなわちドーム構造体10の
軸心O及び前記子午線を通る平面と、この平面に直交す
ると共に前記軸心O上のドーム中心Pを通る平面とで経
度方向及び緯度方向に分割した形状を呈する。なお前記
ドーム中心Pは、低緯度側から3段目のセグメント11
3 ,113a,113bの上面(高緯度側の面)と同一の平
面上にあり、前記3段目までのセグメントは、後述のよ
うに八角筒状に連結されている。各縦目地10a,10
a間には、図3に示すように緯度方向に連結されたセグ
メント11のみからなる第一の壁面10Aと、図4に示
すように窓ユニット13又は玄関ユニット14が嵌め込
まれる逆U字形の開口部10bを有する第二の壁面10
Bが経度方向交互に構成される。
【0013】各セグメント11は、図5及び図6にその
内部構造を示すように、木製の外側板111及び木製の
内側板112を、経度方向両端の木製のエンドピース1
13及び内側の木製の中桟114を挟むように固定した
構造を有し、エンドピース113と中桟114の間には
断熱材115が内蔵されている。各セグメント11の緯
度方向の幅及び厚さは全て等しく、例えば外側板111
における緯度方向の幅W2 は230mm 、厚さTは150mm で
ある。中桟114,114間にはほぞ形成桟116が介
在されており、このほぞ形成桟116と外側板111と
中桟114,114とで囲まれて緯度方向に貫通した空
間には引張バネ117が配置されており、この引張バネ
117の一端に形成されたフック117aが、前記中桟
114,114間に架設されたピン118に係止されて
いる。また、外側板111の表面は耐水性及び耐候性の
優れた材料で塗装又は被覆されている。
【0014】各セグメント11におけるほぞ形成桟11
6には、低緯度側の端面11cから陥没した凹ほぞ11
6aと、高緯度側の端面11dから突出した凸ほぞ11
6bが形成されている。凹ほぞ116aは凸ほぞ116
bを嵌入可能な大きさとなっており、このため図7に示
すように、セグメント11を高緯度側に順に連結して行
く際に、新設されるセグメント11の凹ほぞ116aは
その低緯度側の既設セグメント11の凸ほぞ116bと
嵌合状態となる。
【0015】引張バネ117の自由長Lは、各セグメン
ト11の緯度方向の幅W2 よりも小さい。したがって図
7に示すように、引張バネ117の他端のフック117
bを、緯度方向に隣接した他のセグメント11における
ピン118に係止する際にこの引張バネ117が引き伸
ばされるので、緯度方向に隣り合うセグメント11,1
1同士がその重量による圧接力と、前記引張バネ117
の引張荷重による圧接力を受けて、互いにしっかりと衝
合される。
【0016】子午線に相当する縦目地10a,10a間
の間隔は、低緯度側から3段目のセグメント(第一の壁
面10Aにおけるセグメント111 〜113 及び第二の
壁面10Bにおけるセグメント111a,111b〜1
3a,113b)までは互いに平行(鉛直)であるが、4
段目からは高緯度ほど(天頂に近い部分ほど)狭くな
る。したがって、4段目以上のセグメント114 (11
4a,114b)〜1132は、図5に示すように、経度方向
両端面11a,11bが、高緯度側へ向けて経度方向の
幅W1 を減少させるように、かつ背面(後述の内側板1
12)の経度方向の幅W1'を減少させるように傾斜して
おり、経度方向の幅W1 が長い順に高緯度側へ連結して
行くことによって、連続した縦目地10aが形成される
ようになっている。
【0017】先の説明のとおり、水平面に対するドーム
構造体10の投影形状はほぼ正八角形であるから、図3
に示すように、セグメント11における経度方向の両端
面11a,11bの延長面がドーム中心Pで交わる角度
θ1 は、低緯度側から3段目までのセグメント111
113 (111a,111b〜113a,113b)においては
45°であり、4段目のセグメント114 からは、高緯度
側のセグメントほど前記角度θ1 が徐々に小さくなって
行く。このため、各段において経度方向に隣接した各セ
グメント11の衝合角度θ2 は、低緯度側から3段目の
セグメント111 (111a,111b)〜113 (1
3a,113b)においては図8(A)に示すように 135
°であるが、高緯度側ほど前記衝合角度θ2 は図8
(B)に示すように減少し、かつ水平に近くなって行
く。
【0018】一方、図5においてセグメント11の経度
方向の端面11a又は11bが軸心Oを通る平面(鉛直
面)に対してなす傾斜角度θ3 は、低緯度側から3段目
までのセグメント111 〜113 においてはほぼ 0°で
あり、4段目のセグメント114 からは、高緯度側に連
結されるセグメントほど前記傾斜角度θ3 が徐々に大き
くなって22.5°(=45°/2 )に近付いて行く。
【0019】図1及び図2における下側(低緯度側)か
ら3段目までのセグメント111 〜113 (111a,1
1b〜113a,113b)は、低緯度側の端面11c及び
高緯度側の端面11dがドームの軸心Oと直交する平面
(水平面)をなし、すなわち互いに平行に形成されてい
る。これらのセグメント111 〜113 (111a,11
1b〜113a,113b)は、先に説明したように、経度方
向両端面11a,11bが互いに45°をなす傾斜角度で
形成されているため、これを互いに縦横に連結して行く
ことによって、図1及び図4における開口部10bに相
当する部分において不連続の正八角筒状壁体10’が構
築される。
【0020】4段目から高緯度側のセグメント114
(114a,114b)〜1132は、図7に示すように、各
低緯度側の端面11c及び高緯度側の端面11dは、互
いに角度θ4 をなして傾斜しており、例えばθ4 は 3°
である。このため、前記セグメント114 (114a,1
4b)〜1132は、先に述べたように外側板111にお
ける緯度方向の幅W2 が230mm であるのに対し、内側板
112における緯度方向の幅W2'が223mm となってい
る。したがって、4段目から高緯度側のセグメント11
4 (114a,114b)〜1132は、緯度方向に連結して
行くことによって高緯度ほど大きく倒れ込むように傾斜
し、全体として円弧面状に湾曲した第一の壁面10A又
は第二の壁面10Bが構築される。
【0021】図5及び図6に示すように、各セグメント
11の経度方向両端のエンドピース113にはそれぞれ
経度方向に貫通した連結孔113aが形成されており、
この連結孔113aには、図9に示すような緊結部材1
19が挿通される。すなわちこの緊結部材119は、ワ
イヤ119aと、その一端に取り付けられた係止金具1
19bと、他端に取り付けられたボルト119cと、こ
のボルト119cに螺合されるナット119dと、ワッ
シャ119e等からなるものであって、各段で経度方向
に隣り合うセグメント11,11のエンドピース11
3,113に跨がって連通した前記連結孔113aに緊
結部材119を挿通し、そのボルト119cにナット1
19dを螺合して締め付けることによって、前記係止金
具119bとナット119dとの間で前記エンドピース
113,113(経度方向両端面11a,11b)が互
いに圧接状態で、経度方向に隣り合うセグメント11,
11が連結される。すなわち、第一の壁面10A及び第
二の壁面10Bは、ドーム内側へ向けて倒れ込もうとす
る力によって、これら各壁面10A,10B同士(各セ
グメント11の経度方向両端面11a,11b同士)が
子午線に相当する縦目地10a,10aにおいて圧接す
るが、前記緊結部材119によって、その圧接力が著し
く大きくなり、経度方向への強固な結合状態が得られ
る。
【0022】通気屋根部材12は、図10に示すよう
に、正八角錐状の外周嵌合面を有する嵌合枠121と、
この嵌合枠121の一つおきの辺から立ち上がる4枚の
壁体122と、この壁体122上に支持された屋根12
3とからなり、各壁体122の間に通気窓124が形成
されている。ドーム構造体10における最も高緯度側に
連結された8ピースのセグメント1132の内周面は、図
2に示すように、ドーム中心Pを頂点とする正八角錐の
一部をなすように形成され、前記通気屋根部材12の嵌
合枠121の外周嵌合面はこれに対応する傾斜面をなす
ように形成されているので、前記嵌合枠121を前記セ
グメント1132の内周空間に嵌合することによって、高
緯度側(天頂)へ向けて収束するように組み立てられた
第一及び第二の壁面10A,10Bの高緯度側の端部が
あたかも兜の天頂部の「八幡座」のようにまとめて結束
され、各セグメント11が安定する。
【0023】図11は窓ユニット13を示すもので、前
記開口部10bに対応するアーチ型屋根部131及びそ
の両端から下方へ延びる一対の垂直枠部132と、前記
アーチ形屋根部131に嵌め込まれた嵌め殺し窓133
と、前記垂直枠部132,132間に横架されたテーブ
ル134と、その下側を塞ぐように設けられた壁面部1
35と、前記嵌め殺し窓133及びテーブル134の間
に設けられた開閉可能な窓サッシ136とからなる。
【0024】アーチ型屋根部131及び垂直枠部132
は、図4に示すように、多数のセグメント131a及び
132aを連結したものである。これらのセグメント1
31a,132aは、基本的には第一及び第二の壁面1
0A,10Bにおけるセグメント11と同様の構造であ
って、すなわち凹ほぞと凸ほぞにより嵌合されると共
に、引張バネ137の引張荷重によって連結される。壁
面部135は第二の壁面10Bの下部と対応する位置に
設けられ、壁面部135の内側におけるテーブル134
の下側空間は収納部として利用することができる。窓サ
ッシ136は、蝶番138によって折り畳み可能な一対
の窓本体136A,136Bを有し、これによって左右
に開閉されるものである。
【0025】また、玄関ユニット14も窓ユニット13
と同様のアーチ型屋根部及びその両端から延びる垂直枠
部を有するものであって、その内側にはドア141が組
み込まれている。
【0026】上述の実施形態によれば、コンクリートの
打設等によって形成した基礎(図示省略)上に、セグメ
ント11を第1段目から順に緯度方向に積み上げて、緯
度方向に対しては凹ほぞ116aと凸ほぞ116bを嵌
合すると共に、引張バネ117を引き伸ばしながらその
フック117bを隣接段のセグメント11のピン118
に係止し、経度方向に隣接するセグメント11同士を緊
結部材119を介して緊結する。また、第二の壁面10
Bにおける低緯度側から13段目までのセグメント11
1a,111b〜1113a ,1113b の組み立てによって形
成される逆U字形の開口部10bには、先に説明したよ
うに、窓ユニット13又は玄関ユニット14を組み立て
て嵌め込む。なお、好ましくは各セグメント11,11
の衝合面間は、適当な止水材によってシールする。
【0027】最も高緯度側のセグメント1132までの全
てのセグメント11の連結が終了したら、前記セグメン
ト1132の内周空間に通気屋根部材12を組み込むこと
によって、対辺距離が9m、底面面積が約24坪、天頂部の
高さが約6mのドーム型建物の組立が完了する。
【0028】上述の作業には、専門的な熟練した建築技
術が不要であり、しかも高緯度のセグメントほど小さく
かつ軽量になるため、居住者自身が簡単な工具だけで容
易に組み立てることができる。
【0029】なお、図3に示すように、高緯度側に連結
される経度方向の幅W1 の狭いセグメント1124〜11
32は引張バネ117が緯度方向に一列に連設されるが、
中・低緯度側に連結される経度方向の幅W1 の大きいセ
グメント111 〜1122及び111a,111b〜11
22は、引張バネ117が二列に連設される。また、セグ
メント1123は、引張バネ117が一列の部分と二列の
部分の双方に連設されるように、3本の引張バネ117
が内蔵されるようになっている。
【0030】組み立てられたドーム構造体10の内部
は、半球状の居住空間をなす。このドーム構造体10
は、半球状に連結された各セグメント11で自らの荷重
を支持するものであって、従来の一戸建て住宅のように
内部をいくつかの部屋に区画する壁や柱で支持するもの
ではないため、例えば家族構成の変化や生活様式の変化
に対応して容易に内部のレイアウト等を変えることがで
きる。また、このような内部レイアウトのために、床仕
上げ用キット、壁装用キット、浴室及び便所キット、二
階フロア構築キット、ランドキッチン組立キット、寝室
組立キット、クローゼット組立キット、応接セット組立
キット、照明器具キット、高齢者介護器具用キット等の
各種の生活対応キットが用意されている。
【0031】
【実施例】図12は、本発明によるドーム型建物内の居
住空間の利用形態の例を概略的に示すものである。この
例においては、小家族の生活に適したレイアウトとなっ
ており、すなわち、ドーム構造体10内に壁パネル1や
床パネル2からなる二階フロア構築キットの組立によっ
て、二階の子供部屋S1 や通路S2 等、いくつかの空間
を形成してある。
【0032】また、いわゆる二世帯住宅とする場合は、
基本的には図1と同様の構造を有する二棟のドーム型建
物を隣接して構築し、各ドーム型建物には玄関ユニット
14を2箇所に設け、そのうちの一箇所の玄関ユニット
14同士を図示されていない通路ユニットを介して互い
に連通する。この通路ユニットも、多数のセグメントに
よる組立式とし、あるいはガラス等の透明材を用いるこ
とによって一種のサンルームとすることも考えられる。
【0033】なお、本発明は、図示の例に限定されるも
のではない。例えば、ドーム構造体10の天頂部材とし
ては、通気屋根部材12の代わりに、単なる盲蓋状とし
ても良く、また、ドーム構造体10は、水平面に対する
投影形状を正八角形以外の多角形としても良く、その対
辺距離(直径)も特に限定されない。また、緊結部材1
19も、例えば隣接するセグメント11の連結孔113
aを互いにまっすぐに連通するように形成して長いボル
トを挿通可能とし、このボルトにナットを螺合させて緊
結するといった構成とすることもできる。また、多角筒
状壁体(図1及び図2における正八角筒状壁体10’)
を構成する、低緯度側の端面11c及び高緯度側の端面
11dが水平なセグメントの段数を多くすることによっ
て、ドーム構造体10の天井の高さを高くすることがで
きる。
【0034】また、壁面を伏椀状もしくはコウモリ傘状
に構築するためのセグメント114(114a,114b
〜1132は、それぞれ低緯度側の端面11c及び高緯度
側の端面11dを互いに平行(外側板111及び内側板
112に対して垂直)に形成し、緯度方向に互いに隣接
する各セグメント11の間に防音スペーサ、ウェッジ、
屋根材等、クサビ状のアタッチメントを介在させること
によって互いの傾斜角度θ4 を与えるようにしても良
い。その他、緯度方向に対するセグメントの分割数や、
窓ユニット13及び玄関ユニット14の形状等も図示の
例以外に種々の変更が可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明のドーム型建物によると、次のよ
うな効果が実現される。 (1) 各セグメントが簡単な分割形状であり、その組立に
専門的な建築技術や建設機械が不要であるため、ユーザ
ー自身が容易に組み立てることができ、安価な住宅を提
供できる。 (2) ドーム構造体の内部に天井の高い空間を創出するこ
とができる。 (3) 地震や強風等に対する機械的強度が高い。 (4) 柱や梁等が不要であるため、自在に内部レイアウト
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドーム型建物の一実施形態を示す
外観の斜視図である。
【図2】上記実施形態のドーム型建物の鉛直断面図であ
る。
【図3】上記実施形態における第一の壁面を示すワイヤ
フレームモデル図である。
【図4】上記実施形態における第二の壁面及びこれに嵌
め込まれる窓ユニットの一部を示すワイヤフレームモデ
ル図である。
【図5】上記実施形態におけるセグメントの内部構造を
示すもので、(A)は水平断面図、(B)は鉛直断面図
である。
【図6】上記実施形態におけるセグメントの分解斜視図
である。
【図7】上記実施形態におけるセグメントの緯度方向へ
の連結構造を示す鉛直断面図である。
【図8】上記実施形態におけるセグメントの経度方向の
連結角度が低緯度側(A)と高緯度側(B)で異なるこ
とを示す説明図である。
【図9】上記実施形態におけるセグメントの経度方向へ
の連結構造を示すもので、(A)は連結方向に沿った鉛
直面で切断した断面図、(B)は水平断面図である。
【図10】上記実施形態における通気屋根部材を示す斜
視図である。
【図11】上記実施形態における窓ユニットを示すもの
で、(A)は正面図、(B)は中央鉛直断面図である。
【図12】本発明に係るドーム型建物の利用形態を示す
説明図である。
【符号の説明】
10 ドーム構造体 10’ 正八角筒状壁体(多角筒状壁体) 10A 第一の壁面(壁面) 10B 第二の壁面(壁面) 10a 縦目地(子午線) 10b 開口部 11,111 ,111a,111b〜1132 セグメント 116a 凹ほぞ 116b 凸ほぞ 117 引張バネ 119 緊結部材(緊結手段) 12 通気屋根部材(天頂部材) 13 窓ユニット(窓要素) 14 玄関ユニット(玄関要素) O 軸心 P ドーム中心

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平面に対する投影形状が多角形状をな
    すと共に鉛直面に対する投影形状が略半円をなす伏椀状
    のドーム構造体を、その軸心及び前記多角形の各頂点を
    通る平面と、この平面に直交すると共に前記軸心上のド
    ーム中心を通る平面とで経度方向及び緯度方向に分割し
    た形状の多数のセグメントを互いに連結して形成される
    ことを特徴とするドーム型建物。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、 緯度方向に互いに隣接して接合される各セグメント内に
    は前記各セグメント同士に緯度方向の引張荷重を付与す
    る引張バネが連設されることを特徴とするドーム型建
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の記載において、 各セグメントにおける緯度方向一端面には凸ほぞが突設
    され、 他端面には前記凸ほぞと対応する凹ほぞが凹設されるこ
    とを特徴とするドーム型建物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかの記載におい
    て、 経度方向に互いに隣接した各セグメントは、緊結手段を
    介して互いに緊結されることを特徴とするドーム型建
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかの記載におい
    て、 最も天頂側に連結されたセグメントの内周に形成される
    多角形状の空間に天頂部材が密嵌されることを特徴とす
    るドーム型建物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかの記載におい
    て、 緯度方向に並んだセグメント群からなる壁面のうち任意
    の壁面には開口部が形成され、この開口部には窓要素も
    しくは玄関要素が嵌め込まれることを特徴とするドーム
    型建物。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかの記載におい
    て、 ドーム構造体が、水平面に対する前記ドーム構造体の投
    影形状に対応する多角筒状壁体の上に組み立てられ、前
    記多角筒状壁体はその軸心及び各頂点を通る平面と、前
    記軸心に直交する平面とで分割された形状の多数のセグ
    メントからなることを特徴とするドーム型建物。
JP9148470A 1997-05-23 1997-05-23 ドーム型建物 Withdrawn JPH10317479A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020054067A (ko) * 2000-12-27 2002-07-06 김종모 조립식 건축물
JP2007063987A (ja) * 1999-12-15 2007-03-15 Japan Tsusho:Kk 組立式ドーム
JP3936583B2 (ja) * 1999-12-15 2007-06-27 有限会社ジャパン通商 組立式ドーム
KR101466180B1 (ko) * 2014-05-08 2014-11-28 (주)디자인파크개발 창문이 구비된 캠핑 하우스

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