JP2023006867A - ヒートポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高出力運転及び通常出力運転の相互の切り替え時における安定的な運転動作を実現する。【解決手段】ヒートポンプユニット3の回転数保持部410Dcは、高性能モードへの切替タイミングから遅れた第1タイミングで、室外ファン67の目標ファン回転数の値をそれまでの第1値よりも大きな第2値に変更し、定格モードへの切替タイミングから遅れた第2タイミングで、目標ファン回転数の値をそれまでの第3値よりも小さな第4値に変更する。切替後のモードに対応して圧縮機14の回転数及び電子膨張弁16の開度が先に変更されしばらくたった後に、室外ファン67の回転数が切替後のモードに対応した値に変更される。これにより、高性能モードへの切り替え時に前述の冷媒圧力や沸上温度の急激な上昇により運転が停止したり、定格モードへの切り替え時に前述の沸上温度の急激な低下によりアンダーシュートが発生するのを防止できる。【選択図】図7

Description

この発明は、水冷媒熱交換器を介して湯水の加温を行うヒートポンプ装置に関するものである。
従来よりこの種のヒートポンプ装置においては、特許文献1記載のように、深夜時間帯等の給湯負荷が小さい場合に低い回転数で圧縮機を駆動して予め定めた通常の加熱能力を得る通常出力運転(例えば加熱能力5kW)と、ユーザの使用時等の給湯負荷が大きい場合に高い回転数で圧縮機を駆動して通常出力より大きな加熱能力とする高出力運転(例えば加熱能力10kW)と、を切り替えて実行するものがあった。
特開2007-113897号公報
上記従来のものでは、例えば通常出力運転から高出力運転に切り替わった場合、その切り替えに伴い、圧縮機の回転数が低回転数から高回転数へと切り替えられることとなる。その際、ヒートポンプ装置の出力を迅速に上昇させるために圧縮機の回転数を増大させたとき、場合によっては冷媒圧力や生成される湯水の沸上温度が急激に上昇し、回路保護のために事前に設定されている圧力制限値又は温度制限値に達して運転停止となる恐れがある。
また、逆に高出力運転から通常出力運転に切り替わった場合、その切り替えに伴い、圧縮機の回転数が高回転数から低回転数へと切り替えられることとなる。その際、ヒートポンプ装置の出力を迅速に低下させるために圧縮機の回転数を減少させたとき、場合によっては生成される湯水の沸上温度が急激に低下し目標沸上温度をアンダーシュートしてしまう等、ヒートポンプ装置全体の動作が不安定化するという問題があった。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、冷媒と外気との熱交換を行う空気熱交換器と、圧縮機と、減圧器と、水冷媒熱交換器の冷媒側流路とを冷媒配管で環状に接続して冷媒循環回路を形成し、前記空気熱交換器に外気を送り込む送風ファンを設け、前記水冷媒熱交換器の水側流路を温水循環回路の湯水配管に接続し、予め定められた通常出力により前記湯水配管に温水を生成する通常モードでの運転、及び、前記通常出力よりも大きな出力により前記湯水配管に温水を生成する高出力モードでの運転、を選択的に実行可能なヒートポンプ装置において、前記圧縮機の回転数を、前記通常モードでの運転か前記高出力モードでの運転かに応じて各モードに対応した目標圧縮機回転数となるように、所定の回転数変化率により増減制御する圧縮機制御手段と、前記冷媒循環回路における状態検出値が所望の目標値となるように、前記減圧器の開度を増減制御する減圧器制御手段と、前記送風ファンの回転数を、前記通常モードでの運転か前記高出力モードでの運転かに応じて各モードに対応した目標ファン回転数となるように増減制御するファン制御手段と、前記通常モードでの運転から前記高出力モードでの運転に切り替えられたとき、その切替タイミングから遅れた第1タイミングで、前記ファン制御手段における前記目標ファン回転数の値をそれまでの第1値よりも大きな第2値に変更し、かつ、前記高出力モードでの運転から前記通常モードでの運転に切り替えられたとき、その切替タイミングから遅れた第2タイミングで、前記ファン制御手段における前記目標ファン回転数の値をそれまでの第3値よりも小さな第4値に変更する、ファン回転数保持手段と、を有するものである。
また、請求項2では、前記第1タイミングは、前記通常モードでの運転から切り替えられた後、前記高出力モードでの運転が安定する第1安定化条件が満たされたタイミングであり、前記第2タイミングは、前記高出力モードでの運転から切り替えられた後、前記通常モードでの運転が安定する第2安定化条件が満たされたタイミングであるものである。
また、請求項3では、前記第1安定化条件は、前記通常モードでの運転から前記高出力モードでの運転に切り替えられた後、第1所定時間が経過したことであり、前記第2安定化条件は、前記高出力モードでの運転から前記通常モードでの運転に切り替えられた後、第2所定時間が経過したことであるものである。
また、請求項4では、前記第1安定化条件は、前記通常モードでの運転から前記高出力モードでの運転に切り替えられた後、当該高出力モードに対応する第1目標沸上温度と前記水冷媒熱交換器の水側流路から流出する湯水の第1実沸上温度との温度差が第1温度範囲以内であることであり、前記第2安定化条件は、前記高出力モードでの運転から前記通常モードでの運転に切り替えられた後、当該通常モードに対応する第2目標沸上温度と前記水冷媒熱交換器の水側流路から流出する湯水の第2実沸上温度との温度差が第2温度範囲以内であるものである。
また、請求項5では、前記第1安定化条件は、前記通常モードでの運転から前記高出力モードでの運転に切り替えられた後、前記圧縮機から吐出される冷媒の吐出圧が第1所定値以下であることであり、前記第2安定化条件は、前記高出力モードでの運転から前記通常モードでの運転に切り替えられた後、前記圧縮機から吐出される冷媒の吐出圧が第2所定値以下であることである。
この発明の請求項1によれば、温水生成時には、送風ファンが設けられた空気熱交換器と、圧縮機と、減圧器とを備えた冷媒循環回路を循環する冷媒からの加熱により、水冷媒熱交換器において水側流路の水が加温される。生成された温水は、温水循環回路の湯水配管を介し、例えば給湯設備の貯湯タンクや温水暖房を行う暖房端末等に供給される。
このとき、請求項1のヒートポンプ装置は、所定の通常出力を得る通常モードでの運転と、前記通常出力よりも大きな出力を得る高出力モードでの運転が切り替え可能であり、そのいずれのモードであるかに応じて、前記圧縮機、前記減圧器、及び前記送風ファンが制御される。
すなわち、圧縮機の回転数は、圧縮機制御手段によって、前記通常モード及び前記高出力モードに対応したそれぞれの目標圧縮機回転数となるように増減制御される。この結果、例えば通常モードから高出力モードへ切り替えられた場合には、圧縮機は、相対的に低い目標回転数から相対的に高い目標回転数へと増大制御され、高出力モードから通常モードへ切り替えられた場合には、相対的に高い目標回転数から相対的に低い目標回転数へと減少制御される。
また、減圧器の開度は、減圧器制御手段によって、前記冷媒循環回路における状態検出値が所望の目標値となるように、増減制御される。この結果、例えば通常モードから高出力モードへ切り替えられた場合には、減圧器の開度は、結果として相対的に小さな開度から相対的に大きな開度へと増大制御され、高出力モードから通常モードへ切り替えられた場合には、結果として相対的に大きな開度から相対的に小さな開度へと減少制御されることとなる。
また、送風ファンの回転数は、ファン制御手段によって、前記通常モード及び前記高出力モードに対応したそれぞれの目標ファン回転数となるように増減制御される。この結果、例えば通常モードから高出力モードへ切り替えられた際には、送風ファンは、相対的に低い目標回転数から相対的に高い目標回転数へと増大制御され、高出力モードから通常モードへ切り替えられた際には、相対的に高い目標回転数から相対的に低い目標回転数へと減少制御される。
このように、請求項1によれば、高出力モード及び通常モードの相互間においてモード切り替えが行われた場合、圧縮機の回転数、減圧弁の開度、送風ファンの回転数が増減制御される。これにより、ヒートポンプ装置の出力を比較的迅速に増減することができる。
そして請求項1によれば、上記モード切替の際、ファン回転数保持手段によって、モード切替のタイミングから遅れた第1タイミング又は第2タイミングにおいて目標ファン回転数の切り替えが行われる。
具体的には、通常モードから高出力モードへの切替時にはその切り替えタイミングから遅れた前記第1タイミングで、前記目標ファン回転数の値を第1値からそれよりも大きな第2値に変更し、高出力モードから通常モードへの切替時にはその切り替えタイミングから遅れた前記第2タイミングで、前記目標ファン回転数の値を第3値からそれよりも小さな第4値に変更する。
すなわち、モード切り替え時には、切替後のモードに対応して圧縮機の回転数及び減圧器の開度が先に変更されてしばらくたった後に、遅れて送風ファンの回転数が切替後のモードに対応した値に変更される。これにより、通常モードから高出力モードへの切り替え時に前述の冷媒圧力や沸上温度の急激な上昇により運転が停止したり、高出力モードから通常モードへの切り替え時に前述の沸上温度の急激な低下によりアンダーシュートが発生するのを防止できる。
以上のように、請求項1によれば、高出力運転及び通常出力運転の相互の切り替え時における安定的な運転動作を実現することができる。
また、請求項2によれば、第1安定化条件が満たされた第1タイミングで前記目標ファン回転数の値を第1値→第2値へと増大させ、第2安定化条件が満たされた第2タイミングで前記目標ファン回転数の値を第3値→第4値へと減少させる。高出力運転と通常出力運転との間の相互の切り替え時において、安定的な運転動作を確実に実現することができる。
また、請求項3によれば、通常モード→高出力モードの切り替え後、第1所定時間が経過したときに前記目標ファン回転数の値を増大させ、高出力モード→通常モードの切り替え後、第2所定時間が経過したときに前記目標ファン回転数の値を減少させる。このように高出力運転と通常出力運転との間の相互の切り替え後十分な時間が経過してからファン回転数を増減することで、安定的な運転動作を確実に実現することができる。
また、請求項4によれば、通常モード→高出力モードの切り替え後、第1目標沸上温度と第1実沸上温度との温度差が第1温度範囲以内となったときに前記目標ファン回転数の値を増大させ、高出力モード→通常モードの切り替え後、第2目標沸上温度と第2実沸上温度との温度差が第2温度範囲以内となったときに前記目標ファン回転数の値を減少させる。このように高出力運転と通常出力運転との間の相互の切り替え後、実沸上温度が目標沸上温度に十分に近づいてからファン回転数を増減することで、安定的な運転動作を確実に実現することができる。
また、請求項5によれば、通常モード→高出力モードの切り替え後、冷媒吐出圧が第1所定値以下となったときに前記目標ファン回転数の値を増大させ、高出力モード→通常モードの切り替え後、冷媒吐出圧が第2所定値以下となったときに前記目標ファン回転数の値を減少させる。このように高出力運転と通常出力運転との間の相互の切り替え後、吐出圧力が過大とならずに落ち着いた状態となってからファン回転数を増減することで、安定的な運転動作を確実に実現することができる。
本発明の一実施形態のヒートポンプ式給湯装置の概略構成図 加熱制御装置の機能的構成を表す機能ブロック図 圧縮機及び室外ファンの目標回転数のモード別の挙動を表すグラフ図 圧縮機制御部が実行する制御手順を表すフローチャート図 膨張弁制御部が実行する制御手順を表すフローチャート図 室外ファン制御部が実行する制御手順を表すフローチャート図 定格モードから高性能モードへの切り替え時に本発明の一実施形態の制御を実行した場合の挙動を比較例と対比して示すタイムチャート図 高性能モードから定格モードへの切り替え時に本発明の一実施形態の制御を実行した場合の挙動を比較例と対比して示すタイムチャート図
次に、本発明の一実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態は、本発明のヒートポンプ装置を給湯装置に適用した場合の実施形態である。
<概略回路構成>
図1に示すように、本実施形態に係わるヒートポンプ式給湯装置100は、湯水を貯湯する貯湯タンク2を有したタンクユニット1と、ヒートポンプユニット3(ヒートポンプ装置に相当)と、を有している。
前記ヒートポンプユニット3は、前記貯湯タンク2内の湯水を加熱するために水冷媒熱交換器15と、加熱循環ポンプ19(給水ポンプ)と、を備えている。水冷媒熱交換器15は、冷媒を流通させる冷媒側の流路15aと水側の流路15bとを有し、高温高圧の冷媒と貯湯タンク2内の湯水とを熱交換する。すなわち、前記水冷媒熱交換器15の前記水側の流路15aと前記貯湯タンク2とが湯水配管としての加熱往き管5及び加熱戻り管6によって環状に接続され、前記タンクユニット1と前記ヒートポンプユニット3とにわたる湯水循環回路としての加熱循環回路4が形成されている。
加熱往き管5は、前記貯湯タンク2の下部に接続され、加熱戻り管6は、前記貯湯タンク2の上部に接続されている。前記加熱循環ポンプ19は、前記加熱往き管5の途中に設けられ、前記水側の流路15aを介し前記加熱往き管5からの湯水を前記加熱戻り管6へ流通させつつ、貯湯タンク2の湯水を循環させる。なお、前記加熱往き管5には、前記水冷媒熱交換器15の前記水側の流路15aに流入する入水温度T1(湯水の入口温度)を検出する入水温度センサ23が設けられ、前記加熱戻り管6には、前記水側の流路15aから前記貯湯タンク2に向かって流出する沸上温度Tb(第1実沸上温度、第2実沸上温度に相当)を検出する沸上温度センサ24が設けられている。
前記タンクユニット1において、貯湯タンク2の側面には、貯湯タンク2内の湯の温度を検出する貯湯温度センサ12が上下にわたり複数設けられている。前記貯湯タンク2の下部にはまた、貯湯タンク2に水を給水する給水管7が接続され、前記貯湯タンク2の上部にはまた、貯湯されている高温水を出湯する出湯管8が接続され、給水管7からは給水バイパス管9が分岐して設けられている。さらに、出湯管8からの湯と給水バイパス管9からの水とを混合して給湯設定温度の湯とする混合弁10と、混合弁10で混合後の給湯温度を検出する給湯温度センサ11と、が設けられている。
前記ヒートポンプユニット3はまた、冷媒を圧縮する圧縮機14と、四方弁31と、前記水冷媒熱交換器15通過後の冷媒を減圧させる減圧器としての電子膨張弁16と、熱源としての空気と冷媒との熱交換を行う空気熱交換器17と、空気熱交換器17に外気を送り込む室外ファン67(送風ファンに相当)と、を備えている。そして、前記圧縮機14と、前記四方弁31と、前記圧縮機14から吐出された冷媒が流通する前記水冷媒熱交換器15の前記冷媒側の流路15bと、前記電子膨張弁16と、前記空気熱交換器17とが冷媒配管18で環状に接続されることにより冷媒循環回路30が形成されている。
前記四方弁31は4つのポートを備える弁であり、前記冷媒配管18のうち(冷媒主経路を構成する)前記配管部18b,18d用の2つのポートのそれぞれに対して、残りの前記配管部18a,18c用の2つのポートのいずれを接続するかを切り替える。前記配管部18a,18c用の2つのポートどうしは、ループ状に配置された前記配管部18a,18cからなる冷媒副経路によって接続されており、この冷媒副経路上に前記圧縮機14が設けられている。例えば四方弁31は、図1の状態に切り替えられた場合は、前記圧縮機14の吐出側である前記配管部18aを前記水冷媒熱交換器15の入口側である前記配管部18bに連通させることで空気熱交換器17を電子膨張弁16からの低温低圧の冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させ、水冷媒熱交換器15において冷媒配管18内の冷媒から放熱して熱を放出し加熱循環回路4内に温水を生成することができる。また四方弁31が別の状態へ切り替えられた場合は、前記配管部18aを前記空気熱交換器17側である前記配管部18dに連通させ、空気熱交換器17を凝縮器として機能させることができる。
冷媒循環回路30内には、冷媒として例えばR32冷媒が用いられ、ヒートポンプサイクルを構成している。前記圧縮機14と前記水冷媒熱交換器15の冷媒側の流路15bとの間の冷媒配管18には、圧縮機14から吐出される冷媒の吐出温度T0utを検出する吐出温度センサ20が設けられ、前記冷媒側の流路15bと前記電子膨張弁16との間の冷媒配管18には、前記冷媒側の流路15bから流出し前記電子膨張弁16に向かう冷媒の流出温度T2(冷媒の出口温度)を検出する流出温度センサ21が設けられ、前記空気熱交換器17の空気入口側には、外気温度Tairを検出する外気温度センサ22が設けられ、前記空気熱交換器17と前記圧縮機14との間の冷媒配管18には、圧縮機14へ吸入される冷媒の冷媒吸入温度Tinを検出する吸入温度センサ32が設けられている。なお、前記水冷媒熱交換器15には、前記冷媒が前記冷媒側の流路15aにおいて凝縮する際の冷媒凝縮温度Tconを検出する凝縮温度センサ33が設けられている。
そして、前記タンクユニット1には、前記した各センサ12,11の検出結果が入力される貯湯制御装置40が設けられている。同様に、前記ヒートポンプユニット3には、前記した各センサ20,22,32,23,24,21,33の検出結果が入力される加熱制御装置50が設けられている。加熱制御装置50及び貯湯制御装置40は、互いに通信可能に接続されており、前記各センサ23,24,12,11,20,22,32,33の検出結果等に基づき、相互に連携しつつ、前記タンクユニット1及び前記ヒートポンプユニット3内の各機器の動作を制御する。
なお、加熱制御装置50と貯湯制御装置40との間に制御上の主従関係があり、例えばセンサ12,11の検出結果に基づく運転指令を貯湯制御装置40が加熱制御装置50へ出力し、加熱制御装置50はこの運転指令と各センサ20,22,32,23,24,21,33の検出結果とに基づきヒートポンプユニット3内の各機器の動作を制御するようにしてもよい。以下、本明細書においては、このような場合を例にとって説明する。
次に、前記ヒートポンプユニット3に備えられた前記加熱制御装置50について説明する。加熱制御装置50は、詳細な図示を省略するが、各種のデータやプログラムを記憶する記憶部と、演算・制御処理を行う制御部とを備えている。この加熱制御装置50の機能的構成を図2により説明する。
図2に示すように、前記加熱制御装置50は、四方弁制御部410Aと、圧縮機制御部410Bと、膨張弁制御部410Cと、室外ファン制御部410Dと、モード設定部410Eと、ポンプ制御部410Fと、を機能的に備えている。
本実施形態のヒートポンプユニット3では、予め定められた定格出力(例えば2.5kW程度。通常出力に相当)により貯湯タンク2への温水を生成する定格モード(通常モードに相当)と、この定格出力よりも大きな高出力(例えば4.0kW程度、通常出力より大きな出力に相当)により温水を生成する高性能モード(高出力モードに相当)と、の2つのモードが選択的に実行可能に用意されている。このいずれのモードでヒートポンプユニット3を運転するかは、貯湯制御装置40から出力される運転指令に基づき決定される。
すなわち、モード設定部410Eには、前記貯湯制御装置40により出力された運転指令が入力される。モード設定部410Eは、前記運転指令に応じて、実際にヒートポンプユニット3を、上記2つのモードのうちいずれのモードで運転を行うか、及び、空気熱交換器17を蒸発器として機能させるか又は凝縮器として機能させるか、を決定する(定格モード及び高性能モードの詳細については後述)。そして、モード設定部410Eは、その決定結果に対応する運転情報を、前記四方弁制御部410A、前記圧縮機制御部410B、膨張弁制御部410C、室外ファン制御部410D、及び、ポンプ制御部410Fに出力する。なおこの運転情報には、適宜に決定された目標沸上温度Tboが含まれる。
四方弁制御部410Aには、モード設定部410Eから、空気熱交換器17を蒸発器として機能させるか又は凝縮器として機能させるか、を表す前記運転情報が入力される。そして、四方弁制御部410Aは、前記運転情報が表す運転態様に対応する開閉信号を四方弁31へ出力し、四方弁31を切り替える。
圧縮機制御部410Bは、目標回転数設定部410Baと、駆動信号出力部410Bbと、変化率変更部410Bcと、を備える。圧縮機制御部410Bには、前記外気温度センサ22により検出された前記外気温度Tairと、前記沸上温度センサ24により検出された前記沸上温度Tbと、前記貯湯制御装置40の運転指令に対応した前記運転情報と、が入力される(直接入力される場合のほか、間接的に入力するようにしてもよい。以下同様)。
目標回転数設定部410Baは、前記運転情報の表す各モード(定格モード又は高性能モード)と、入力された前記外気温度Tairと、に基づき、前記圧縮機14の目標回転数(圧縮機目標回転数)を設定する。
目標回転数設定部410Baによる目標回転数の設定の一例を図3(a)により説明する。図3(a)は、横軸に前記外気温度Tairをとって圧縮機14の目標回転数の値の挙動を表した図である。
図示のように、定格モード時においては、0[℃]以下では目標回転数は約60[rps]の一定値に設定され、0[℃]からは外気温度Tairの上昇と共に徐々に低下し、外気温度Tair=7[℃]で約50[rps]となった後さらに低下し、外気温度Tair=30[℃]で約20[rps]に設定される。外気温度Tairが30[℃]以上では20[rps]の一定値に設定される。
これに対して、高性能モードにおいては、外気温度Tairのすべての温度域において、定格モードよりも高回転数側に設定される。すなわち、0[℃]以下では目標回転数は約110[rps]の一定値に設定され、0[℃]からは外気温度Tairの上昇と共に徐々に低下し、外気温度Tair=7[℃]で約100[rps]となった後さらに低下し、外気温度Tair=30[℃]で約75[rps]に設定される。外気温度Tairが30[℃]以上では75[rps]の一定値に設定される。
図2に戻り、駆動信号出力部410Bbは、圧縮機14の回転数を、目標回転数設定部410Baにより設定された目標回転数とするための駆動信号(制御値)を生成して圧縮機14へと出力することで、圧縮機14の回転数を増減制御する(詳細な制御内容は後述)。その増減制御の際は、駆動信号出力部410Bbは、圧縮機14の回転数が予め定めた所定の回転数変化率(例えば毎秒当たり1.0[rps])で増減するように、駆動信号を生成する。
目標回転数設定部410Baと駆動信号出力部410Bbとが、圧縮機制御手段として機能する。変化率変更部410Bcについては後述する。
膨張弁制御部410Cは、目標温度差算出部410Caと、駆動信号出力部410Cbと、操作周期変更部410Ccと、タイマー410Cdと、タイマーリセット部410Ceと、を備える。膨張弁制御部410Cには、前記吐出温度センサ20により検出された前記冷媒吐出温度T0utと、前記流出温度センサ21により検出された前記冷媒流出温度T2と、前記外気温度センサ22により検出された前記外気温度Tairと、前記入水温度センサ23により検出された前記入水温度T1と、前記貯湯制御装置40の運転指令に対応した前記運転情報と、が入力される。
目標温度差算出部410Caは、いわゆる目標温度差制御を行うための目標温度差を算出する。すなわち本実施形態の膨張弁制御部410Cでは、前記圧縮機14からの冷媒吐出温度T0utと前記水冷媒熱交換器15から流出する冷媒流出温度T2との温度差(冷媒循環回路における状態検出値に相当)が、所定の目標温度差△H(所望の目標値に相当)となるように前記電子膨張弁16の開度を制御する、いわゆる目標温度差制御が行われる。そのために、目標温度差算出部410Cでは、前述の運転情報に対応するモード(定格モード又は高性能モード)に応じて適宜に決定される目標沸上温度Tboと、外気温度Tairと、水冷媒熱交換器15に流入する湯水の入水温度T1とに基づいて、前記の目標温度差△Hが算出される。
駆動信号出力部410Cbは、目標温度差算出部410Caにより算出された目標温度差△Hを実現するための電子膨張弁16の駆動信号(制御パルス)を生成して出力することで、電子膨張弁16の開度を増減制御する。
なお、電子膨張弁16の開度の増減制御の際は、駆動信号出力部410Cbは、前記駆動信号の出力を、予め定めた所定の操作周期(例えば80秒ごと)で出力する。なお、この操作周期をカウントするためにタイマー410Cdが設けられており、1つの駆動信号の出力から操作周期が経過して次の駆動信号の出力タイミングが到来したことがタイマー410Cdによって検知されると、その旨が駆動信号出力部410Cbに通知される。これによって、駆動信号出力部410Cbが駆動信号を電子膨張弁16へ当該操作周期ごとに出力することができる。
目標温度差算出部410Caと駆動信号出力部410Cbとが、減圧器制御手段として機能する。操作周期変更部410Cc及びタイマーリセット部410Ceについては後述する。
室外ファン制御部410Dは、目標回転数設定部410Daと、駆動信号出力部410Dbと、回転数保持部410Dcと、を備える。室外ファン制御部410Dには、前記外気温度センサ22により検出された前記外気温度Tairと、前記貯湯制御装置40の運転指令に対応した前記運転情報と、が入力される。
目標回転数設定部410Daは、前記運転情報の表す各モード(定格モード又は高性能モード)と、入力された前記外気温度Tairと、に基づき、前記室外ファン67の目標回転数を設定する。詳細な値は省略するが、高性能モードにおいては、目標回転数は、外気温度Tairのすべての温度域において、定格モードよりも高回転数側に設定される。
目標回転数設定部410Daによる目標回転数の設定の一例を図3(b)により説明する。図3(b)は、横軸に前記外気温度Tairをとって室外ファン67の目標回転数の値の挙動を表した図である。
図示のように、定格モード時においては、-3[℃]以下では目標回転数は約850[rpm]の一定値に設定され、-3[℃]からは外気温度Tairの上昇と共に徐々に低下し、外気温度Tair=7[℃]で約500[rpm]となる。外気温度Tairが7[℃]から22[℃]までは当該500[rpm]の一定値に設定される。外気温度Tairが22[℃]以上となると、外気温度Tairの上昇と共に再び徐々に低下し、外気温度Tair=30[℃]で約200[rpm]に設定される。外気温度Tairが30[℃]以上では200[rpm]の一定値に設定される。
これに対して、高性能モードにおいては、外気温度Tairのすべての温度域において、定格モードよりも高回転数側に設定される。すなわち、-3[℃]以下では目標回転数は約1000[rpm]の一定値に設定され、-3[℃]からは外気温度Tairの上昇と共に徐々に低下し、外気温度Tair=7[℃]で約800[rpm]となる。外気温度Tairが7[℃]から22[℃]までは当該800[rpm]の一定値に設定される。外気温度Tairが22[℃]以上となると、外気温度Tairの上昇と共に再び徐々に低下し、外気温度Tair=30[℃]で約480[rpm]に設定される。外気温度Tairが30[℃]以上では480[rpm]の一定値に設定される。
図2に戻り、駆動信号出力部410Dbは、室外ファン67の回転数を、目標回転数設定部410Daにより設定された目標回転数とするための駆動信号を生成して室外ファン67へと出力することで、室外ファン67の回転数を増減制御する(詳細な制御内容は後述)。
目標回転数設定部410Daと駆動信号出力部41Dbとが、ファン制御手段として機能する。回転数保持部410Dcについては後述する。
ポンプ制御部410Fには、前記沸上温度センサ24により検出された前記沸上温度Tbと、前記貯湯制御装置40の運転指令に対応した前記運転情報と、が入力される。ポンプ制御部410Fは、前記運転情報の表す各モード(定格モード又は高性能モード)と、入力された前記沸上温度Tbとに基づき、前記沸上ポンプ19の回転数を制御する。
<高性能モードと定格モードとの切り替え>
上述したように、高性能モードでは、圧縮機制御部410Bの目標回転数設定部410Ba及び室外ファン制御部410Dの目標回転数設定部410Daにより、圧縮機14の及び室外ファン67の回転数が、定格モードよりも高回転数側にそれぞれ制御されることで、定格出力よりも大きな高出力が実現される。その際、ヒートポンプユニット3の出力を迅速に上昇させるために圧縮機14の回転数を増大させるとき、場合によっては冷媒圧力や生成される湯水の沸上温度が急激に上昇する恐れがある。特に、圧縮機14の回転数の増大と室外ファン67の回転数の増大を同時に行った場合、回路保護のために事前に設定されている圧力制限値又は温度制限値に達して運転停止となる恐れがある。
逆に、高性能モードを終了して定格モードへと再び切り替えられるときには、前記目標回転数設定部410Ba及び前記目標回転数設定部410Daにより、圧縮機14の及び室外ファン67の回転数が低回転数側にそれぞれ制御されることで、定格出力へと復帰する。その際、ヒートポンプユニット3の出力を迅速に低下させるために圧縮機の回転数を減少させるとき、場合によっては生成される湯水の沸上温度が急激に低下する恐れがある。特に、圧縮機14の回転数の減少と室外ファン67の回転数の減少を同時に行った場合、前記沸上温度が目標沸上温度をアンダーシュートしてしまう等、ヒートポンプ装置全体の動作が不安定化する恐れがある。
<実施形態の手法概要>
そこで、本実施形態では、圧縮機制御部410B、膨張弁制御部410C、室外ファン制御部410Dにおいて、変化率変更部410Bc、操作周期変更部及びタイマーリセット部410Ce、回転数保持部410Dc、がそれぞれ設けられ、上記弊害を防止するための制御が行われる。以下、その詳細を順を追って説明する。
<圧縮機制御部での制御>
前述の定格モード及び高性能モード間の相互におけるモード切り替えの際の弊害を防止するために圧縮機制御部410Bにより行われる制御手順を説明する。
<定格モード→高性能モードへの切り替え時>
まず、定格モードから高性能モードへの切り替えの際に圧縮機制御部410Bにより行われる制御手順を、図4(a)のフローチャートにより説明する。
まずS10において、モード設定部410Eからの前記運転情報により、定格モードから高性能モードへの切り替えが指示されたか否かが判定される。高性能モードへの切り替えが指示されていたらYes判定され、S20へ移行する。
S20では、目標回転数設定部410Baにより、圧縮機14の目標回転数が、それまでの定格モードに対応した値から、それよりも高い高性能モードに対応した値に増大設定される(図3(a)参照)。
その後、S30では、変化率変更部410Bcにより、駆動信号出力部410Bbによって圧縮機14の回転数が増減変更されるときの前記回転数変化率が、それまでの値(前述の例では毎秒当たり1.0[rps])から、それよりも小さい値(例えば毎秒当たり0.2[rps])に変更される。すなわちこの場合は単位時間当たりの変化量が1/5に緩慢化するように変更される。
なお、この回転数変化率の変更は、例えば以下の手法により行われる。例えば、圧縮機14の回転数を増減変更するときの最小の増減幅刻み、すなわち分解能が0.1[rps]であったとすると、前回駆動信号の出力後、その駆動信号の値に対しその最小増減幅分だけ増減させた値の今回駆動信号を出力するまでの出力間隔を、上記の例では5倍に増やすことで、前記した変化量1/5の緩慢化を実現する。
あるいは、分解能(上記の例では0.1[rps])に等しい最小増減幅に限られず、所定の増減幅(例えば1[rps])を基準単位として、前回駆動信号の出力後、その駆動信号の値に対し上記所定の増減幅分(1[rps])だけ増減させた値の駆動信号を出力するまでの出力間隔を5倍に増やすことで前記変化量1/5の緩慢化を実現するようにしてもよい。
その後、S60では、変化率変更部410Bcにより、予め定められた、S30から開始されている回転数変化率を低く設定する処理を終了するための条件が成立したか否か、が判定される。この処理終了条件は、例えば、前記S10によりモード切替指示がなされS20で目標回転数の低下設定が開始されてから所定期間が経過したこと、である。あるいは、実際の圧縮機14の回転数がS20で設定された、高性能モードに対応した目標回転数に達したこと、であってもよい。このような処理終了条件が成立していない間はS60がNo判定され、S30に戻り同様の手順が繰り返される。終了処理条件が成立したらS60がYes判定され、S70へ移行する。
S70では、変化率変更部410Bcにより、駆動信号出力部410Bbによって圧縮機14の回転数が増減変更されるときの上記回転数変化率が、前述の小さくされた値(前述の例では毎秒当たり0.2[rps])から、元の値(前述の例では毎秒当たり1.0[rps])に戻され、このフローを終了する。
<高性能モード→定格モードへの切り替え時>
次に、高性能モードから定格モードへの切り替えの際に圧縮機制御部410Bにより行われる制御手順を、図4(b)のフローチャートにより説明する。
まずS10Aにおいて、前記S10と同様、モード設定部410Eからの前記運転情報により、定格モードへの切り替えが指示されたか否かが判定される。定格モードへの切り替えが指示されていたらYes判定され、S20Aへ移行する。
S20Aでは、目標回転数設定部410Baにより、圧縮機14の目標回転数が、それまでの高性能モードに対応した値から、それよりも低い定格モードに対応した値に減少設定される(図3(a)参照)。
その後、S30Aで、前記S30と同様、変化率変更部410Bcにより、前記回転数変化率が、それまでの値(前述の例では毎秒当たり1.0[rps])からそれよりも小さい値(例えば毎秒当たり0.2[rps])に、単位時間当たりの変化量が1/5に緩慢化するように変更される。
その後、S60Aでは、前記S60と同様、変化率変更部410Bcにより、予め定められた、S30Aから開始されている処理を終了するための条件が成立したか否か、が判定される。この処理終了条件は、前記S60と同様のもので足りるため説明を省略する。処理終了条件が成立していない間はS60AがNo判定されてS30Aに戻り、終了処理条件が成立したらS60AがYes判定され、S70Aへ移行する。
S70Aでは、前記S70と同様、変化率変更部410Bcにより、前記回転数変化率が、前述の小さくされた値(前述の例では毎秒当たり0.2[rps])から、元の値(前述の例では毎秒当たり1.0[rps])に戻され、このフローを終了する。
<膨張弁制御部での制御>
次に、膨張弁制御部410Cにより行われる制御手順を、図5のフローチャートにより説明する。
<定格モード→高性能モードへの切り替え時>
まず、定格モードから高性能モードへの切り替えの際に膨張弁制御部410Cにより行われる制御手順を、図5(a)のフローチャートにより説明する。
まずS110において、モード設定部410Eからの前記運転情報により、定格モードから高性能モードへの切り替えが指示されたか否かが判定される。高性能モードへの切り替えが指示されていたらYes判定され、S125へ移行する。
なお、このとき、図4のS20において前述したように、高性能モードへの切り替えによって圧縮機14の目標回転数がそれまでよりも高い値に制御されるため冷媒循環回路30のヒートポンプバランスが変わり、前記の冷媒吐出温度Toutと冷媒流出温度T2との温度差が目標温度差△Hからずれる。そのため、前記目標温度差制御により、結果として、電子膨張弁16の開度が開き方向に制御される。すなわち、定格モードから高性能モードへの切り替えに伴い、電子膨張弁16の開度は増大するように制御されることとなる。
その後、S125では、タイマーリセット部410Ceにより、前記タイマー410Cdでカウントしているカウント値がリセットされる。
そして、S130で、操作周期変更部410Ccにより、駆動信号出力部410Cbによって電子膨張弁16の開度が増減変更されるときの前記操作周期が、それまでの値(前述の例では80秒)から、それよりも小さい値(例えば40秒)に変更される。すなわちこの場合は、操作周期が1/2に短縮化するように変更される。なおこのとき、直前の前記S125でタイマー410Cdのカウント値がリセットされているので、S130で変更された後の操作周期1/2が経過して次の駆動信号の出力タイミングが到来するまでのカウントが、タイマー410Cdによって直ちに開始されることとなる。
その後、S160において、操作周期変更部410Ccにより、予め定められた、S130から開始されている開度の操作周期を低く設定する処理を終了するための条件が成立したか否か、が判定される。この処理終了条件は、例えば、前記S110によりモード切替指示がなされてから所定期間(図4を用いて前述した上記所定周期と違う値でも同じ値でもよい)が経過したこと、である。あるいは、前記図4のフローと同様、実際の圧縮機14の回転数がS20で設定された、高性能モードに対応した目標回転数に達したこと、であってもよい。このような処理終了条件が成立していない間はS160がNo判定され、S125に戻り同様の手順が繰り返される。終了処理条件が成立したらS160がYes判定され、S170へ移行する。
S170では、操作周期変更部410Ccにより、駆動信号出力部410Cbによって電子膨張弁16の開度が増減変更されるときの上記操作周期が、前述の小さくされた値(前述の例では毎秒当たり40秒)から、元の値(前述の例では80秒)に戻され、このフローを終了する。
<高性能モード→定格モードへの切り替え時>
次に、高性能モードから定格モードへの切り替えの際に膨張弁制御部410Cにより行われる制御手順を、図5(b)のフローチャートにより説明する。
まずS110Aにおいて、前記S110と同様、モード設定部410Eからの前記運転情報により、定格モードへの切り替えが指示されたか否かが判定される。定格モードへの切り替えが指示されていたらYes判定され、S125Aへ移行する。
なお、このとき、図4のS20Aにおいて前述したように、定格モードへの切り替えによって圧縮機14の目標回転数がそれまでよりも低い値に制御されるため冷媒循環回路30のヒートポンプバランスが変わり、前記の冷媒吐出温度Toutと冷媒流出温度T2との温度差が目標温度差△Hからずれる。そのため、前記目標温度差制御により、結果として、電子膨張弁16の開度が絞り方向に制御される。すなわち、高性能モードから定格モードへの切り替えに伴い、電子膨張弁16の開度は低下するように制御されることとなる。
その後、S125Aでは、前記S125と同様、タイマーリセット部410Ceにより、前記タイマー410Cdのカウント値がリセットされる。
そして、S130Aで、前記S130と同様、操作周期変更部410Ccにより、前記操作周期が、それまでの値(前述の例では80秒)からそれよりも小さい値(例えば40秒)に、1/2に短縮化するように変更される。
その後、S160Aにおいて、前記S160と同様、操作周期変更部410Ccにより、予め定められた、S130Aから開始されている処理を終了するための条件が成立したか否か、が判定される。この処理終了条件は、前記S160と同様のもので足りるため説明を省略する。処理終了条件が成立していない間はS160AがNo判定されてS125Aに戻り、終了処理条件が成立したらS160AがYes判定され、S170Aへ移行する。
S170では、前記S170と同様、操作周期変更部410Ccにより、前記操作周期が、前述の小さくされた値(前述の例では毎秒当たり40秒)から、元の値(前述の例では80秒)に戻され、このフローを終了する。
<室外ファン制御部での制御>
前述の定格モード及び高性能モード間の相互におけるモード切り替えの際の弊害を防止するために室外ファン制御部410Dにより行われる制御手順を、図6のフローチャートにより説明する。
<定格モード→高性能モードへの切り替え時>
まず、定格モードから高性能モードへの切り替えの際に室外ファン制御部410Dにより行われる制御手順を、図6(a)のフローチャートにより説明する。
まずS210において、モード設定部410Eからの前記運転情報により、定格モードから高性能モードへの切り替えが指示されたか否かが判定される。高性能モードへの切り替えが指示されていたらYes判定され、S220へ移行する。なおこの移行するタイミングが切替タイミングに相当する。
S220では、目標回転数設定部410Daにより、室外ファン67の目標回転数が、それまでの定格モードに対応した値(例えば500[rpm]。第1値に相当)から、それよりも高い高性能モードに対応した値(例えば700[rpm]。第2値に相当)に設定される。但しこの時点では、当該目標回転数に対応した駆動信号は駆動信号出力部410Dbからは出力されないため(後述のS280で出力される)、実際の室外ファン67の回転数は、定格モードに対応した値(上記の例では500[rpm])のまま保持される。
その後、S260において、回転数保持部410Dc(ファン回転数保持手段に相当)により、予め定められた、S220で低く設定された目標回転数を出力せず実際の室外ファン67の回転数を定格モードの値のまま保持する処理を終了するための条件が成立したか否か、が判定される。このような保持終了条件(第1安定化条件に相当)は、例えば、前記S210によりモード切替指示がなされS220で目標回転数の増大設定が開始されてから所定期間(例えば5分。第1所定時間に相当。図4若しくは図5を用いて前述した所定期間と違う値でも同じ値でもよい)が経過したこと、である。なお、前記所定期間は、図4若しくは図5を用いて前述した所定期間よりも短いほうが好ましい。その場合、モード切替に要する時間の短縮を図ることができる。
あるいは、保持終了条件は、前記沸上温度Tbが安定したこと、例えば、前記目標沸上温度Tboと前記沸上温度Tbとの温度差が、第1温度範囲としての±3[℃]以内となったことであってもよい。若しくは、図示しない適宜のセンサにより検出した圧縮機14から吐出される冷媒の吐出圧Pdが所定値(例えば3.7MPa。第1所定値に相当)以下となったこと、でもよい。この保持終了条件が成立したらS260がYes判定され、S270へ移行する。なお、この保持終了条件の成立が、高性能モードでの運転が安定する第1安定化条件が満たされたことに相当し、この移行するタイミングが第1タイミングに相当する。
S270では、駆動信号出力部410Dbにより、前記S220で前記目標回転数設定部410Daにより設定された室外ファン67の目標回転数、すなわち高い高性能モードに対応した値(前記の例では700[rpm])とするための駆動信号が室外ファン67へ出力され、このフローを終了する。
<高性能モード→定格モードへの切り替え時>
次に、高性能モードから定格モードへの切り替えの際に室外ファン制御部410Dにより行われる制御手順を、図6(b)のフローチャートにより説明する。
まずS210Aにおいて、前記S210と同様、モード設定部410Eからの前記運転情報により、定格モードへの切り替えが指示されたか否かが判定される。定格モードへの切り替えが指示されていたらYes判定され、S220Aへ移行する。なおこの移行するタイミングもまた切替タイミングに相当する。
S220Aでは、目標回転数設定部410Daにより、室外ファン67の目標回転数が、それまでの高性能モードに対応した値(例えば700[rpm]。第3値に相当)から、それよりも高い高性能モードに対応した値(例えば500[rpm]。第4値に相当)に減少設定される。但し前記S220同様、この時点では、当該目標回転数に対応した駆動信号は駆動信号出力部410Dbからは出力されないため(後述のS280Aで出力される)、実際の室外ファン67の回転数は、高性能モードに対応した値(上記の例では700[rpm])のまま保持される。
その後、S260Aにおいて、前記S260と同様、回転数保持部410Dcにより、予め定められた、S220Aから開始されている処理を終了するための条件が成立したか否か、が判定される。この保持終了条件(第2安定化条件に相当)は、前記S220と同様のもので足り、例えば、前記S210Aによりモード切替指示がなされS220Aで目標回転数の減少設定が開始されてから所定期間(例えば5分。第2所定時間に相当。図4若しくは図5を用いて前述した所定期間と違う値でも同じ値でもよい)が経過したこと、である。なお、前記所定期間は、図4若しくは図5を用いて前述した所定期間よりも短いほうが好ましい。その場合、モード切替に要する時間の短縮を図ることができる。
あるいは、保持終了条件は、前記沸上温度Tbが安定したこと、例えば、前記目標沸上温度Tboと前記沸上温度Tbとの温度差が、第2温度範囲としての±3[℃]以内となったことであってもよい(前記第1温度範囲と違う値でも同じ値でもよい)。若しくは、図示しない適宜のセンサにより検出した圧縮機14から吐出される冷媒の吐出圧Pdが所定値(例えば3.7MPa。第2所定値に相当。前記第1所定値と違う値でも同じ値でもよい)以下となったこと、でもよい。この保持終了条件が成立したらS260AがYes判定され、S270Aへ移行する。なお、このときの保持終了条件の成立が、定格モードでの運転が安定する第2安定化条件が満たされたことに相当し、この移行するタイミングが第2タイミングに相当する。
S270Aでは、前記S270と同様、駆動信号出力部410Dbにより、前記S220Aで前記目標回転数設定部410Daにより設定された室外ファン67の目標回転数、すなわち低い定格モードに対応した値(前記の例では500[rpm])とするための駆動信号が室外ファン67へ出力され、このフローを終了する。
<ヒートポンプユニットにおける時間挙動>
上述した制御により前述の定格モード及び高性能モード間の相互におけるモード切り替え時に実現される、本実施形態のヒートポンプユニット3における経時挙動を、そのような制御を行わない比較例と対比させて、図7及び図8により説明する。
<定格モード→高性能モードへの切り替え時>
まず、定格モードから高性能モードへの切り替え時に実現される本実施形態のヒートポンプユニット3における経時挙動を、比較例と対比させて図7により説明する。
<比較例>
図7(a)に示す前記比較例では、時間t0で定格モードから高性能モードへ切り替えられる。圧縮機14の回転数の回転数変化率は、前述した本実施形態の制御が行われないため切替前の値が維持される結果、t11(例えばt1=t0+60秒)までの比較的短時間の間に急激に低下する。例えば、定格モードに対応した50[rps]から、上記時間t11において、高性能モードに対応した100[rps]まで一気に上昇する。すなわちこの場合、目標回転数である100[rps]までの到達時間Ttは(上記の例では)Tt=60秒ということになる。
一方、電子膨張弁16の操作周期についても、前述した本実施形態の制御が行われない結果切替前の値が維持される結果、t11より後のタイミングであるt12(例えばt12=t0+80秒)、その後のt13(例えばt13=t0+160秒)、その後のt14(例えばt14=t0+240秒)、で大開度側へ制御される。すなわち、この例では操作周期Th=80秒の間隔で電子膨張弁16の開き方向への操作が行われている。
室外ファン67の回転数は、時間t0での定格モードから高性能モードへ切り替えに伴い、直ちに、定格モードに対応した値(前記の例では500[rpm]から高性能モードに対応した値(前記の例では700[rpm])へ切り替えられている。
以上のような制御の結果、この比較例では、前記沸上温度Tbが時間t0のモード切り替え時以降急上昇し、この例では前記の時間t11の後のタイミング(例えば前記t11)にて沸上温度Tbと目標沸上温度Tboとの偏差△T(Tb-Tbo)が約5[℃]に達している。この結果、偏差△Tが概ね0となり沸上温度Tbが目標沸上温度Tboと略等しくなるのは概ね前記時間t13(=t0+160秒)以降となっている。
また、この比較例では、前記冷媒吐出圧Pdについても時間t0のモード切り替え時以降急上昇し、この例では前記の時間t11よりも前のタイミング(例えば前記t0+30秒)にて、切替前の吐出圧との偏差△Pが約1.0[MPa]に達している。
<実施形態>
図7(b)に示す本実施形態においても、時間t0で定格モードから高性能モードへ切り替えられる。本実施形態では、圧縮機14の回転数の回転数変化率は、前述の制御により切替前の値から切り替え後の値に緩やかになるように変更され、その結果、t5(例えばt5=t0+130秒)までの比較的長時間でゆっくりと上昇する。例えば、定格モードに対応した50[rps]から、上記時間t5において高性能モードに対応した100[rps]まで上昇する。この結果、圧縮機14の、時間t0におけるモード切り替えから目標回転数である100[rps]までの到達時間Ttは(上記の例では)Tt=130秒となる。
このとき、電子膨張弁16の操作周期は、前述の制御により切替前の値から切り替え後の値に短く変更された結果、t1(例えばt1=t0+40秒)、その後のt2(例えばt2=t0+80秒)、その後のt4(例えばt4=t0+120秒)、その後のt6(例えばt6=t0+160秒)で小刻みに大開度側へ制御される。すなわち、この例では操作周期Th=40秒の間隔で電子膨張弁16の開き方向への操作が行われている。
また、室外ファン67の回転数は、時間t0での定格モードから高性能モードへの切り替えの後、前記時間t2,t4の間の時間t3までの間(この例では例えば100秒)は定格モードに対応した値が保持され、時間t3になってから高性能モードに対応した値へ切り替えられている。
上記により、本実施形態では、前記沸上温度Tbは、時間t0のモード切り替え時以降はゆっくりとわずかに上昇する挙動となり、この例では前記の時間t1,t2の間で沸上温度Tbと目標沸上温度Tboとの偏差△T(Tb-Tbo)が最大値である約2[℃]程度に収まっている。
<高性能モード→定格モードへの切り替え時>
次に、高性能モードから定格モードへの切り替え時に実現される本実施形態のヒートポンプユニット3における経時挙動を、比較例と対比させて図8により説明する。
<比較例>
図8(a)に示す前記比較例では、時間t0で高性能モードから定格モードへ切り替えられる。圧縮機14の回転数の回転数変化率は、前述したように切替前の値が維持される結果、t31(例えばt31=t0+60秒)までの比較的短時間の間に急激に低下する。例えば、高性能モードに対応した100[rps]から、上記時間t31において、定格モードに対応した50[rps]まで一気に低下する。すなわち、目標回転数である50[rps]までの到達時間Tt=60秒である。
電子膨張弁16の操作周期は、前述したようにモード切替前の値が維持され、t31より後のタイミングであるt32(例えばt32=t0+80秒)、その後のt33(例えばt33=t0+160秒)、その後のt34(例えばt34=t0+240秒)、で小開度側へ制御される。すなわち操作周期Th=80秒の間隔で電子膨張弁16の絞り方向への操作が行われている。
室外ファン67の回転数は、時間t0での高性能モードから定格モードへ切り替えに伴い、直ちに、高性能モードに対応した値(前記の例では700[rpm]から定格モードに対応した値(前記の例では500[rpm])へ切り替えられている。
以上のような制御の結果、この比較例では、前記沸上温度Tbが時間t0のモード切り替え時以降急降下し、この例では前記時間t31近傍にて沸上温度Tbと目標沸上温度Tboとの偏差△T(Tb-Tbo)が約-5[℃]に達している。この結果、偏差△Tが概ね0となり沸上温度Tbが目標沸上温度Tboと略等しくなるのは概ね前記時間t33(=t0+160秒)以降となっている。
また、この比較例では、前記冷媒吐出圧Pdについても時間t0のモード切り替え時以降急降下し、この例では前記の時間t31よりも前のタイミング(例えば前記t0+30秒)にて、切替前の吐出圧との偏差△Pが約-1.0[MPa]に達している。
<実施形態>
図8(b)に示す本実施形態においても、時間t0で高性能モードから定格モードへ切り替えられる。本実施形態では、圧縮機14の回転数の回転数変化率は、前述の制御により緩やかになるように変更され、その結果、t24(例えばt24=t0+120秒)までの比較的長時間でゆっくりと低下する。例えば、高性能モードに対応した100[rps]から、上記時間t24において定格モードに対応した50[rps]まで低下する。この結果、圧縮機14の、時間t0におけるモード切り替えから目標回転数である50[rps]までの到達時間Tt=120秒となる。
このとき、電子膨張弁16の操作周期は、前述の制御により短く変更された結果、t1(例えばt21=t0+40秒)、その後のt22(例えばt22=t0+80秒)、その後のt24(例えばt24=t0+120秒)で小刻みに小開度側へ制御される。すなわち、この例では操作周期Th=40秒の間隔で電子膨張弁16の絞り方向への操作が行われている。
また、室外ファン67の回転数は、時間t0での高性能モードから定格モードへの切り替えの後、前記時間t22,t24の間の時間t23までの間(この例では例えば110秒)は高性能モードに対応した値が保持され、時間t23になってから定格モードに対応した値へ切り替えられている。
上記により、本実施形態では、前記沸上温度Tbは、時間t0のモード切り替え時以降はゆっくりとわずかに下降する挙動となり、この例では前記の時間t0,t21の間で沸上温度Tbと目標沸上温度Tboとの偏差△T(Tb-Tbo)が最大値である約-2[℃]程度に収まっている。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態においては、温水生成時には、室外ファン67が設けられた空気熱交換器17と、圧縮機14と、電子膨張弁16とを備えた冷媒循環回路30を循環する冷媒からの加熱により、水冷媒熱交換器15において水側流路15aの水が加温される。生成された温水は、加熱循環回路4の加熱往き管5及び加熱戻り管6を介し、タンクユニット1の貯湯タンク2に供給される。
このとき、ヒートポンプユニット3は、所定の通常出力を得る定格モードでの運転と、前記通常出力よりも大きな出力を得る高性能モードでの運転が切り替え可能であり、そのいずれのモードであるかに応じて、前記圧縮機14、前記電子膨張弁16、及び前記室外ファン67が制御される。
すなわち、圧縮機14の回転数は、目標回転数設定部410Ba及び駆動信号出力部410Bbによって、前記定格モード及び前記高性能モードに対応したそれぞれの目標回転数となるように増減制御される。この結果、定格モードから高性能モードへ切り替えられた場合には、圧縮機14は、相対的に低い目標回転数から相対的に高い目標回転数へと増大制御され、高性能モードから定格モードへ切り替えられた場合には、相対的に高い目標回転数から相対的に低い目標回転数へと減少制御される。
また、電子膨張弁16の開度は、目標温度差算出部410Ca及び駆動信号出力部410Cbによって、前記冷媒循環回路における状態検出値が所望の目標値となるように(前述の例では冷媒吐出温度Toutと冷媒流出温度T2との温度差が目標温度差△Hとなるように)、増減制御される。この結果、定格モードから高性能モードへ切り替えられた場合には、電子膨張弁16は、結果として、相対的に小さな開度から相対的に大きな開度へと増大制御され、高性能モードから定格モードへ切り替えられた場合には、結果として、相対的に大きな開度から相対的に小さな開度へと減少制御されることとなる。
また、室外ファン67の回転数は、目標回転数設定部410Da及び駆動信号出力部410Dbによって、前記定格モード及び前記高性能モードに対応したそれぞれの目標ファン回転数となるように増減制御される。この結果、定格モードから高性能モードへ切り替えられた際には、室外ファン67は、相対的に低い目標回転数から相対的に高い目標回転数へと増大制御され、高性能モードから定格モードへ切り替えられた際には、相対的に高い目標回転数から相対的に低い目標回転数へと減少制御される。
このように、本実施形態によれば、高性能モード及び定格モードの相互間においてモード切り替えが行われた場合、圧縮機14の回転数、減圧弁の開度、室外ファン67の回転数が増減制御される。これにより、ヒートポンプユニット3の出力を比較的迅速に増減することができる。
そして本実施形態によれば、上記モード切替の際、室外ファン制御部410Dの回転数保持部410Dcによって、モード切替のタイミングから遅れた第1タイミング又は第2タイミングにおいて目標ファン回転数の切り替えが行われる。
具体的には、定格モードから高性能モードへの切替時にはその切り替えタイミングから遅れた前記第1タイミング(図7の例では時間t3)で、前記目標ファン回転数の値を第1値からそれよりも大きな第2値に変更し、高性能モードから定格モードへの切替時にはその切り替えタイミングから遅れた前記第2タイミング(図8の例では時間t23)で、前記目標ファン回転数の値を第3値からそれよりも小さな第4値に変更する。
すなわち、モード切り替え時には、切替後のモードに対応して圧縮機14の回転数及び電子膨張弁16の開度が先に変更されてしばらくたった後に、遅れて室外ファン67の回転数が切替後のモードに対応した値に変更される。これにより、定格モードから高性能モードへの切り替え時に前述の冷媒圧力や沸上温度の急激な上昇により運転が停止したり、高性能モードから定格モードへの切り替え時に前述の沸上温度の急激な低下によりアンダーシュートが発生するのを防止できる。
以上のように、本実施形態によれば、高出力運転及び通常出力運転の相互の切り替え時における安定的な運転動作を実現することができる。
また、本実施形態では特に、前記定格モードでの運転から切り替えられた後、前記高性能モードでの運転が安定する第1安定化条件が満たされた第1タイミング(図7の例では時間t3)で前記目標ファン回転数の値を第1値→第2値へと増大させる。また、前記高性能モードでの運転から切り替えられた後、前記定格モードでの運転が安定する第2安定化条件が満たされた第2タイミング(図8の例では時間t23)で前記目標ファン回転数の値を第3値→第4値へと減少させる。これにより、高出力運転と通常出力運転との間の相互の切り替え時において、安定的な運転動作を確実に実現することができる。
また、本実施形態では特に、定格モード→高性能モードの切り替え後、第1所定時間(図6(b)の例では100秒)が経過したときに前記目標ファン回転数の値を増大させ、高性能モード→定格モードの切り替え後、第2所定時間(図8(b)の例では110秒)が経過したときに前記目標ファン回転数の値を減少させる。このように高出力運転と通常出力運転との間の相互の切り替え後十分な時間が経過してからファン回転数を増減することで、安定的な運転動作を確実に実現することができる。
また、本実施形態では特に、定格モード→高性能モードの切り替え後、目標沸上温度Tboと沸上温度Tbとの温度差が第1温度範囲以内(前述の例では±3[℃]以内)となったときに前記目標ファン回転数の値を増大させ、高性能モード→定格モードの切り替え後、目標沸上温度Tboと沸上温度Tbとの温度差が第2温度範囲以内(前述の例では±3[℃]以内)となったときに前記目標ファン回転数の値を減少させる。このように高出力運転と通常出力運転との間の相互の切り替え後、沸上温度Tbが目標沸上温度Tboに十分に近づいてからファン回転数を増減することで、安定的な運転動作を確実に実現することができる。
また、本実施形態では特に、定格モード→高性能モードの切り替え後、冷媒の吐出圧Tpdが第1所定値(前述の例では3.7MPa)以下となったときに前記目標ファン回転数の値を増大させ、高性能モード→定格モードの切り替え後、冷媒の吐出圧Pdが第2所定値(前述の例では3.7MPa)以下となったときに前記目標ファン回転数の値を減少させる。このように高出力運転と通常出力運転との間の相互の切り替え後、吐出圧Pdが過大とならずに落ち着いた状態となってからファン回転数を増減することで、安定的な運転動作を確実に実現することができる。
なお、本発明は以上の態様に限定されることなく、その趣旨を変更しない範囲で適用可能なものである。
例えば、膨張弁制御部410Cにおいて、前述の例では、前記圧縮機14からの冷媒吐出温度Toutと前記水冷媒熱交換器15から流出する冷媒流出温度T2との温度差が所定の目標温度差△Hとなるように、電子膨張弁16の開度を制御する温度差制御を行ったが、これに限られない。すなわち、前記冷媒吐出温度Toutが所定の目標吐出温度に一致するよう電子膨張弁16の弁開度を制御する吐出温度制御を行ってもよい。あるいは、圧縮機14から吐出される冷媒の吐出圧が所望の値となるように電子膨張弁16の弁開度を制御する吐出圧力制御を行ってもよい。あるいは、これら以外に、ヒートポンプユニット3のヒートポンプサイクルにおける適宜の状態検出値が、所望の目標値になるように電子膨張弁16の開度を制御する他の制御を行ってもよい。これらの場合も同様の効果を得る。
また例えば、本発明のヒートポンプユニット3を、前述のような給湯装置への給湯ではなく、温水暖房を行う暖房端末への湯水の加温に適用してもよい。この場合、水冷媒熱交換器15において水側流路15aの水が加温されて生成された温水は、加熱循環回路4の加熱往き管5及び加熱戻り管6を介し、それらに接続された前記暖房端末へと供給される。この場合も、上記実施形態と同様の効果を得る。
また例えば、前記ヒートポンプサイクルとしては、減圧器としてエジェクターを用いたエジェクターサイクルでもよいものである。
また、前記ヒートポンプサイクルでは、水冷媒熱交換器15を通過した後の高圧冷媒と圧縮機14の吸入側の低圧冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器(図示せず)を備えた構成としてもよい。この場合、前記流出温度センサ21は、水冷媒熱交換器15より下流側で、高圧冷媒が通過する前記内部熱交換器より上流側の冷媒温度を検出する位置に配設され、前記吐出温度センサ20の検出する冷媒吐出温度T0utと前記流出温度センサ21の検出する冷媒温度との温度差△Hが所定の目標温度差△Hmとなるように電子膨張弁16の開度が制御され、これによって、前記と同様の効果を得られるものである。
2 貯湯タンク
3 ヒートポンプユニット(ヒートポンプ装置)
4 加熱循環回路(湯水循環回路)
5 加熱往き管(湯水配管)
6 加熱戻り管(湯水配管)
14 圧縮機
15 水冷媒熱交換器
16 電子膨張弁(減圧器)
17 空気熱交換器
18 冷媒配管
30 冷媒循環回路
40 貯湯制御装置
50 加熱制御装置
67 室外ファン(送風ファン)
410B 圧縮機制御部
410Ba 目標回転数設定部(圧縮機制御手段)
410Bb 駆動信号出力部(圧縮機制御手段)
410Bc 変化率変更部
410C 膨張弁制御部
410Ca 目標温度差算出部(減圧器制御手段)
410Cb 駆動信号出力部(減圧器制御手段)
410Cc 操作周期変更部
410Cd タイマー
410Ce タイマーリセット部
410D 室外ファン制御部
410Da 目標回転数設定部
410Db 駆動信号出力部
410Dc 回転数保持部(ファン回転数保持手段)
Tair 外気温度
Tbo 目標沸上温度
Tb 沸上温度(実沸上温度)

Claims (5)

  1. 冷媒と外気との熱交換を行う空気熱交換器と、圧縮機と、減圧器と、水冷媒熱交換器の冷媒側流路とを冷媒配管で環状に接続して冷媒循環回路を形成し、
    前記空気熱交換器に外気を送り込む送風ファンを設け、
    前記水冷媒熱交換器の水側流路を温水循環回路の湯水配管に接続し、
    予め定められた通常出力により前記湯水配管に温水を生成する通常モードでの運転、及び、前記通常出力よりも大きな出力により前記湯水配管に温水を生成する高出力モードでの運転、を選択的に実行可能なヒートポンプ装置において、
    前記圧縮機の回転数を、前記通常モードでの運転か前記高出力モードでの運転かに応じて各モードに対応した目標圧縮機回転数となるように、所定の回転数変化率により増減制御する圧縮機制御手段と、
    前記冷媒循環回路における状態検出値が所望の目標値となるように、前記減圧器の開度を増減制御する減圧器制御手段と、
    前記送風ファンの回転数を、前記通常モードでの運転か前記高出力モードでの運転かに応じて各モードに対応した目標ファン回転数となるように増減制御するファン制御手段と、
    前記通常モードでの運転から前記高出力モードでの運転に切り替えられたとき、その切替タイミングから遅れた第1タイミングで、前記ファン制御手段における前記目標ファン回転数の値をそれまでの第1値よりも大きな第2値に変更し、
    かつ、
    前記高出力モードでの運転から前記通常モードでの運転に切り替えられたとき、その切替タイミングから遅れた第2タイミングで、前記ファン制御手段における前記目標ファン回転数の値をそれまでの第3値よりも小さな第4値に変更する、ファン回転数保持手段と、
    を有することを特徴とするヒートポンプ装置。
  2. 前記第1タイミングは、前記通常モードでの運転から切り替えられた後、前記高出力モードでの運転が安定する第1安定化条件が満たされたタイミングであり、
    前記第2タイミングは、前記高出力モードでの運転から切り替えられた後、前記通常モードでの運転が安定する第2安定化条件が満たされたタイミングである
    ことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ装置。
  3. 前記第1安定化条件は、
    前記通常モードでの運転から前記高出力モードでの運転に切り替えられた後、第1所定時間が経過したことであり、
    前記第2安定化条件は、
    前記高出力モードでの運転から前記通常モードでの運転に切り替えられた後、第2所定時間が経過したことである
    ことを特徴とする請求項2記載のヒートポンプ装置。
  4. 前記第1安定化条件は、
    前記通常モードでの運転から前記高出力モードでの運転に切り替えられた後、当該高出力モードに対応する第1目標沸上温度と前記水冷媒熱交換器の水側流路から流出する湯水の第1実沸上温度との温度差が第1温度範囲以内であることであり、
    前記第2安定化条件は、
    前記高出力モードでの運転から前記通常モードでの運転に切り替えられた後、当該通常モードに対応する第2目標沸上温度と前記水冷媒熱交換器の水側流路から流出する湯水の第2実沸上温度との温度差が第2温度範囲以内であることである
    ことを特徴とする請求項2記載のヒートポンプ装置。
  5. 前記第1安定化条件は、
    前記通常モードでの運転から前記高出力モードでの運転に切り替えられた後、前記圧縮機から吐出される冷媒の吐出圧が第1所定値以下であることであり、
    前記第2安定化条件は、
    前記高出力モードでの運転から前記通常モードでの運転に切り替えられた後、前記圧縮機から吐出される冷媒の吐出圧が第2所定値以下であることである
    ことを特徴とする請求項2記載のヒートポンプ装置。
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