JP2016142505A - 空気調和機 - Google Patents

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【課題】空気調和機の周囲環境や使用方法に柔軟に対応し、能力の立ち上がりを向上しながらも圧縮機を保護することができる空気調和機を提供する。【解決手段】空気調和機は、圧縮機と、四方弁と、室外熱交換器と、膨張弁と、室内熱交換器とが順に冷媒配管によって接続される冷凍サイクル装置と、圧縮機の始動時は、第1の期間(例えば、期間1)において、予め決められた膨張弁開度の上限値と下限値の範囲内で、圧縮機吐出温度に基づいて膨張弁の開度を制御するとともに、第1の期間の次期間である第2の期間(例えば、期間2)の膨張弁開度の上限値と下限値を選択し、第1の期間の経過後第2の期間において、圧縮機吐出温度に基づいて選択された膨張弁開度の上限値と下限値の範囲内で、膨張弁の開度を制御する制御手段と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、空気調和機に関する。
従来、圧縮機モータを可変速制御可能とし凝縮後の減圧を膨張弁にて制御する空気調和機においては、圧縮機の吐出温度を検知し、目標の吐出温度との差に基づいて膨張弁の絞り量を決定し、目標温度になるように制御する。また、室内の温度を検知し、目標の室内温度との差に基づいて圧縮機の回転速度を決定し、温度差が大きければ最大回転速度とし、温度差が小さくなれば最小回転速度になるように制御する。
室外が低温時に暖房運転をおこなうヒートポンプサイクルを用いる空気調和機においては、室外熱交換器に霜が付着すると、室外熱交換器の通風路をふさぎ、通風状態を悪化させるとともに、室外熱交換器の熱交換効率も大幅に低下するため、暖房性能が大幅に低下する。このような事態を防止するために、現在の空気調和機は、冷媒の流れを逆転させ、高温高圧の冷媒を室外熱交換器に流入させて、付着した霜を除去する機能(除霜運転)を備える。
特許文献1は、圧縮機の始動時は、予め決められた所定開度及び所定時間で段階的に電動膨張弁の開度を減少させ、その後、圧縮機の吐出温度に基づいて、電動膨張弁の開度を制御する。これにより室内温度が設定温度に近くなっている場合、他の暖房器具と併用して使用している場合、据え付けられた部屋が想定より小さい場合など、本来必要な負荷よりも実際の負荷が小さい場合に電動膨張弁を絞りすぎてしまうこと(能力の立ち上がりの遅れ)を防止している。
特開2014−85080号公報
特許文献1では、運転開始時の膨張弁開度については、段階的に設定できるが、固定値であるために最適な値にする必要がある。また、始動の一定期間は膨張弁開度が固定値であるため、前記電動膨張弁制御では想定以上の圧縮機吐出温度変動に対応できないという問題があった。想定以上の圧縮機吐出温度変動の要因としては、室外機の周囲が通風の障害となるように囲われている場合、冷媒が抜けている場合、指定とは異なる冷媒が封入されてしまった場合などが考えられる。圧縮機吐出温度が想定以上に加熱されると圧縮機のモータに用いられる永久磁石が減磁するなど信頼性が低下する問題がある。
本発明は、前記の課題を解決するための発明であって、空気調和機の周囲環境や使用方法に柔軟に対応し、能力の立ち上がりを向上しながらも圧縮機を保護することができる空気調和機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の空気調和機は、圧縮機と、四方弁と、室外熱交換器と、膨張弁(例えば、電動膨張弁6)と、室内熱交換器とが順に冷媒配管によって接続される冷凍サイクル装置と、圧縮機の始動時は、第1の期間(例えば、期間1)において、予め決められた膨張弁開度の上限値と下限値の範囲内で、圧縮機吐出温度に基づいて膨張弁の開度を制御するとともに、第1の期間の次期間である第2の期間(例えば、期間2)の膨張弁開度の上限値と下限値を選択し、第1の期間の経過後第2の期間において、圧縮機吐出温度に基づいて選択された膨張弁開度の上限値と下限値の範囲内で、膨張弁の開度を制御する制御手段(例えば、制御装置11)と、を有することを特徴とする。本発明のその他の態様については、後記する実施形態において説明する。
本発明によれば、空気調和機の周囲環境や使用方法に柔軟に対応し、能力の立ち上がりを向上しながらも圧縮機を保護することができる。
空気調和機の構成の概略を示す図である。 空気調和機の負荷線図を示す図である。 本実施形態に係る膨張弁制御の動作を示す図である。 圧縮機吐出温度を使用したマトリクス遷移判定を示す図である。 運転開始制御の処理を示すフローチャートである。 通常膨張弁制御の処理を示すフローチャートである。 マトリクス膨張弁制御の処理を示すフローチャートである。 マトリクス膨張弁制御の動作を示す図である。 比較例の従来の膨張弁制御の動作を示す図である。 マトリクス表の他の例を示す図である。
本発明を実施するための実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、空気調和機の構成の概略を示す図である。まず、冷凍サイクル構成について説明する。圧縮機1は、四方弁2と冷媒配管によって接続され、四方弁2の一方は、室外熱交換器8と冷媒配管によって接続される。また、四方弁2の他方は、室内熱交換器3と冷媒配管によって接続される。そして、室外熱交換器8と室内熱交換器3は、電動膨張弁6を介して冷媒配管によって接続される。すなわち、冷凍サイクル装置20は、圧縮機1と、四方弁2と、室外熱交換器8と、電動膨張弁6(膨張弁)と、室内熱交換器3とが順に冷媒配管によって接続される構成である。
暖房運転時、圧縮機1から吐出された高温高圧の冷媒は、接続配管を経由して、四方弁2、室内熱交換器3、電動膨張弁6、室外熱交換器8、四方弁2の順に流れ、低温低圧のガス状の冷媒となって、圧縮機1に吸入される。この間、室内熱交換器3では、室内送風機4の作用により、冷媒は室内空気と熱交換し放熱(凝縮)することで室内の空気を暖める(室内を暖房する)。室外熱交換器8では、室外送風機9の作用により、冷媒は室外空気と熱交換し吸熱蒸発して、室内側暖房のための熱エネルギーを吸収する。なお、冷房運転時は暖房運転と逆の経路となる。
除霜運転時は、四方弁2を切り換え、圧縮機1の吐出する高温冷媒を四方弁2、室外熱交換器8、電動膨張弁6、室内熱交換器3、四方弁2の順に循環させ、圧縮機1に吸入させる。これにより、高温高圧のガス状の冷媒が室外熱交換器8に流入するので、室外熱交換器8に付着した霜を融解して除去することが可能となる。除霜運転後は圧縮機1を停止し、四方弁2を切り換えて再度、圧縮機1を起動させ暖房運転を行う。
次に制御の構成について説明する。制御装置11(制御手段)は、運転中に室内空気温度センサ5、室外空気温度センサ10などの情報を取り込み、最適な条件となるように、室内送風機4、室外送風機9、圧縮機1などの運転、停止、速度制御を行う。また、圧縮機吐出温度センサ7からの情報により電動膨張弁6の開度を制御し圧縮機1の吐出温度が最適な温度になるように制御する。制御装置11内の記憶部12(記憶手段)には、後記する電動膨張弁6の開度範囲を定義するマトリクス表15(図3参照)が記憶されている。なお、記憶部12は、制御装置11とは別個に設けてもよい。
図2は、空気調和機の負荷線図を示す図である。図2に示す例は、空気調和機の暖房時の負荷線図である。部屋の必要な負荷は外気温度が低くなればなるほど高くなり、逆に外気温度が高くなればなるほど低くなる。一方、ヒートポンプサイクルを用いた空気調和機は、外気温度が低くなればなるほど能力が低下し、逆に外気温度が高くなればなるほど能力は高くなる。
部屋の必要負荷線と空気調和機の能力負荷線との交点は、いわゆる製品仕様の能力であり設計点となる。設計点より高い外気温度の時は100%の能力を必要としない領域を持つ。また、設計点より低い外気温度の時は、100%の能力を出しても部屋の必要負荷にならないので他の暖房機器を併用することになる。なお、部屋の必要負荷に対して実際に据え付けられた部屋の負荷が小さい場合は更に100%の能力を必要としない領域が増える。100%の能力を必要としない領域では、圧縮機の回転速度を低下させ能力を部屋の必要負荷に近づけるようにし、場合によっては運転を停止させる。
図3は、本実施形態に係る膨張弁制御の動作を示す図である。図9は、比較例の従来の膨張弁制御の動作を示す図である。最初に、図9を参照して、従来の膨張弁制御の問題点を説明する。
図9は、従来の膨張弁制御を表す動作図である。運転開始時(圧縮機始動時)、膨張弁は始動開度Pで所定時間固定され、始動開度Pの後に絞り過ぎを防止するために、予め決められた所定開度(例えば、固定開度P,P,P)及び所定時間(例えば、所定時間T1,T2,T3)で固定して段階的に電動膨張弁の開度を減少させる。固定開度はこれ以上絞ってはいけないという絞り量であり、これにより100%の能力を必要としないときに、圧縮機回転速度が低い状態で膨張弁の始動が絞り過ぎているために冷媒が適切に循環しないため、圧縮機吐出温度が上がらず、能力の立ち上がりが悪くなることを防止している。
始動動作の後(例えば、所定時間T3後)、通常動作となる。通常動作では、圧縮機の吐出温度を検知し、目標の吐出温度との差によって絞り量を決定し、最終的に目標温度になるように制御される。なお、通常動作時も絞り過ぎを防止するために最小開度Pが設定される。
しかしながら、図9の制御では、予め決められた時間(例えば、所定時間T1,T2,T3)は膨張弁開度を固定しているため、開度固定期間中は想定以上の圧縮機吐出温度変動に対応できないという問題があった。想定以上の圧縮機吐出温度変動の要因は、例えば、室外機が想定よりも高温の環境に据え付けられていた場合、冷媒が抜けたことで冷媒循環量が減っている場合、指定とは異なる冷媒が封入されている場合などである。
前記などの要因で、圧縮機吐出温度が目標吐出温度を超え、異常高温になった時、圧縮機を保護するため、圧縮機回転速度を減速、または停止の制御を行い、圧縮機吐出温度を下げる。しかし、これでは快適な空調を提供することができない。
そのため、この課題を解決するために本実施例の空気調和機は、図3に示すように電動膨張弁6(図1参照)が制御される。図3において、始動動作時に膨張弁開度は従来と同じ様に所定時間固定されるが、その後、期間ごとに膨張弁開度の上限値と下限値を設け、上限値と下限値の範囲内で膨張弁開度を調整することができるようにした。なお、詳細な動作は、図8を参照して後記する。
図3に示すように本実施形態においては、期間1、期間2、期間3に分けた時間軸と、A〜Dに分けた膨張弁開度軸によりマトリクス(matrix)化している。すなわち、図3に示すマトリクス表15では、期間1〜期間3(列に対応)と、膨張弁開度の段数(行に対応)をA〜Dの4段の計12のセル(構成要素)に分割している。図3に示すマトリクス表15では、セルが格子状に規則正しく並んでいる構造であり、以下、A行1列のセルをセルA1という。
上限値と下限値の設定については、例えば、期間1について、セルB1で制御されている場合、セルB1の膨張弁開度の下限値はC1の上限値でもあり、またセルB1の膨張弁開度の上限値はセルA1の下限値でもある。
制御装置11は、圧縮機1の始動時に、マトリクス表15の各セルの範囲内で膨張弁開度を調整する制御を行う。始動期間は、複数の期間に分けられ、現在期間(現在、制御が行われている期間)の終盤において圧縮機吐出温度を基に、次期間(現在、制御が行われている次の期間)のセルを選択し遷移させる制御を行う。これにより周囲環境や使用方法に応じて、マトリクス表15に基づき膨張弁開度の上限値と下限値を変えることにより、圧縮機吐出温度変動に柔軟に対応することができる。
図3においては、現在期間の終盤、例えば期間の終わりまでの20秒間(適宜時間)を判定期間Tcとし、圧縮機吐出温度から、次期間はどのマトリクスに遷移すればよいか自動的に判定し、最適なセルに遷移する。圧縮機吐出温度から最適なセル(構成要素)に遷移する判定方法としては、図4を参照して後記する。
本実施形態では、同じ段(行)においてセルの上限値と下限値を現在期間と次期間で同じ値としているが、期間ごとに上限値と下限値を設定してもよい。また、上限値と下限値の段数(行)をA〜Dの4段としているが、期間ごとに変更してもよい。その例を図10に示す。
図10は、マトリクス表の他の例を示す図である。図10に示すマトリクス表15Aは、図3に示すマトリクス15と比較して、期間2の膨張弁開度の段数が5であることが異なっている。期間1においては、セルA1,B1,C1,D1から構成されている。期間2においては、セルA2,B2,C2,D2,E2から構成されている。期間3においては、セルA3,B3,C3,D3から構成されている。図10に示すマトリクス表15Aの場合、現在期間の判定期間Tc中に、次期間はどのマトリクスに遷移すればよいか制御装置11が自動的に判定し、最適なマトリクスに遷移する。例えば、期間1のセルB1において、セルB2,C2,D2への遷移が判定(選択)される。同様に、期間2のセルC2において、セルB3,C3,D3への遷移が判定される。
図4は、圧縮機吐出温度を使用したマトリクス遷移判定を示す図である。圧縮機吐出温度Hを、段数を上に1段遷移させる高温温度帯(H≧H2)と、段数を上下させず、同じ行で横に遷移させる中間温度帯(H2>H>H1)と、段数を下に1段遷移させる低温温度帯(H1≧H)の3つの温度帯に分け、現在期間の判定期間Tc(図3参照)において、圧縮機吐出温度Hが、どの温度帯にいるかを判定し、次期間のセルを確定する。
または、圧縮機吐出温度を経過的に計測し、判定期間Tcにおいて、圧縮機吐出温度上昇または下降の傾き(温度変化率)を演算し、次期間のセルを確定してもよい。
温度変化率:K=dH/dt ・・・(1)
とすると、段数を上に1段遷移させる温度変化率帯(K≧K2)と、段数を上下させず、同じ行で横に遷移させる温度変化率帯(K2>K>K1)と、段数を下に1段遷移させる温度変化率帯(K1≧K)の3つの温度変化率帯に分け、現在期間の判定期間Tc(図3参照)において、温度変化率Kが、どの温度変化率帯にいるかを判定し、次期間のセルを確定する。
図4において、マトリクスをMATとし、次期間の上のセルへ遷移する場合MAT+1と表記し、次期間の横のセルへ遷移する場合MAT±0と表記し、次期間の下のセルへ遷移する場合MAT−1と表記する。
具体的には、図3において、現期間がセルB1の場合、MAT+1のときセルA2に遷移し、MAT±0のときセルB2に遷移し、MAT−1のときセルC2に遷移する。同様に、現期間がセルC2の場合、MAT+1のときセルB3に遷移し、MAT±0のときセルC3に遷移し、MAT−1のときセルD3に遷移する。
前記のように、圧縮機の始動時は、予め決められた所定開度及び所定時間で制御し、その後、開度の上限値と下限値の範囲内で膨張弁開度を調整する制御を行う(マトリクス膨張弁制御へ移行する)。さらにその後、圧縮機の吐出温度に基づいて、電動膨張弁の開度を制御する(通常動作へ移行する)。本実施形態では期間を3段階に、マトリクスの上限値と下限値をA〜Dの4段階に設定したが、状況に応じて段数を設定してよい。また、本実施形態ではマトリクスの上限値と下限値を現在期間と次期間で同じ値としているが、期間ごとに上限値と下限値を設定しても、期間ごとに段数を変更してもよい。
前記制御により、100%の能力を必要としないときに、圧縮機回転速度が低い状態で膨張弁の開度が絞り過ぎているために冷媒が適切に循環しないことにより、能力の立ち上がりが悪くなることを防止している。さらに、圧縮機吐出温度の異常高温に対応するため、状況に応じて次期間の膨張弁開度の上限値と下限値を自動的に判定することで、想定以上の圧縮機吐出温度変動に柔軟に対応できる。さらに上限値を設けたことにより、膨張弁開度の開き過ぎを防止し、能力の立ち上がりを向上することができる。
次に、本実施形態に係る膨張弁制御について図5〜図8を参照して説明する。
図5は、運転開始制御の処理を示すフローチャートである。図8は、マトリクス膨張弁制御の動作を示す図である。適宜図1を参照する。制御装置11は、運転開始時は入力処理を行い室内温度と設定温度を入力し(ステップS1)、電動膨張弁6の始動開度をPに設定する(ステップS2)。制御装置11は、膨張弁始動制御を行い(ステップS3)、電動膨張弁6は始動開度Pで固定される(図8の始動開度参照)。制御装置11は、膨張弁始動制御が予め決められた所定時間を経過しているか判定し(ステップS4)、所定時間が経過していれば(ステップS4,Yes)ステップS5に移行し、所定時間が経過していなければ(ステップS4,No)、ステップS3に戻る。
ステップS5では、制御装置11は、マトリクス膨張弁制御を行い(図7参照)、マトリクス膨張弁制御が最終期間まで実行され、最終期間の所定時間が経過後、通常膨張弁制御に移行する(ステップS6、図6参照)。制御装置11は、圧縮機の吐出温度と、目標の吐出温度との差によって絞り量を決定し、最終的に目標温度になるように制御する。
膨張弁開度を開く場合は、圧縮機吐出温度が目標吐出温度を超えている場合であり、速度調整においては、圧縮機吐出温度の変動が発散しない程度に、膨張弁を絞る場合より、開く場合を速くすることでより信頼性を向上することができる。
すなわち、本実施形態の制御装置11(制御手段)は、膨張弁開度の調整速度において、開く速度と、絞る速度を個別に設定することができる。
図6は、通常膨張弁制御の処理を示すフローチャートである。図6は、図5のステップS6の通常膨張弁制御の詳細のフローチャートである。通常膨張弁制御は、膨張弁始動制御と、マトリクス膨張弁制御の後に作動する制御で、圧縮機吐出温度を目標の圧縮機吐出温度まで到達させ、安定させるための制御である。
制御装置11は、圧縮機吐出温度と設定吐出温度の入力処理を行い(ステップS11)、入力された圧縮機吐出温度と設定吐出温度を用いて膨張弁開度の演算を行いPmの結果を得る(ステップS12)。
制御装置11は、膨張弁開度Pmが予め設定されている最小開度Pminより大きいか否かを判定し(ステップS13)、膨張弁開度Pmが予め設定されている最小開度Pminより大きい場合(ステップS13,Yes)、膨張弁開度をPmに設定する(ステップS15)。一方、制御装置11は、膨張弁開度Pmが予め設定されている最小開度Pminより小さい場合(ステップS13,No)、膨張弁開度を最小開度Pminに設定する(ステップS14)。
次に、制御装置11は、圧縮機が継続運転しているか否かを判定し(ステップS16)、圧縮機が継続運転していれば(ステップS16,Yes)、インターバルタイマ(例えば20秒)の経過を待つ(ステップS17)。制御装置11は、インターバルタイマ(例えば20秒)が経過したら、再度ステップS11に移行し、繰り返し膨張弁開度を変更しながら圧縮機の吐出温度が目標の温度となるように制御する。一方、圧縮機が継続運転していなければ(ステップS16,No)、通常膨張弁制御S6は終了となる。
図7は、マトリクス膨張弁制御の処理を示すフローチャートである。適宜図8を参照して説明する。図7は、図5のステップS5のマトリクス膨張弁制御の詳細のフローチャートである。マトリクス膨張弁制御は、膨張弁始動制御の後に作動する制御である。
図7のマトリクス膨張弁制御の処理は、図8のように、膨張弁開度のマトリクスの上限値と下限値をA〜Dの4段階に設定した場合で、以下、図面ではマトリクスをMATと記載する。MAT−B1の上限値はMAT−A1の下限値であり、MAT−B1の下限値はMAT−C1の上限値となるように設定してある。さらに、最適なマトリクスに遷移する判定方法として、図4に示すような圧縮機吐出温度を算出した方法を使用した場合について説明する。
制御装置11は、カウント用の数字Nを3に設定する(ステップS21)。これは、期間を1〜3に設定したためである。図8に示す期間1(N=3)、期間2(N=2)、期間3(N=1)に対応する。
制御装置11は、N=0であるか否かを判定し(ステップS22)、N=0でなければ(ステップS22,No)、ステップS23に進み、N=0であれば(ステップS22,Yes)、マトリクス膨張弁制御S5の処理を終了する。
制御装置11は、圧縮機吐出温度と設定吐出温度の入力処理を行い(ステップS23)、入力された圧縮機吐出温度と設定吐出温度を用いて膨張弁開度の演算を行いPmの結果を得る(ステップS24)。制御装置11は、次期間の遷移マトリクスを判定する判定期間Tc中か否かを判定し(ステップS25)、判定期間Tc中あれば(ステップS25,Yes)、ステップS31に進み、判定期間Tc中でなければ(ステップS25,No)、ステップS26に進む。
ステップS26において、制御装置11は、Pmが所定時間Tの各セル(構成要素)に設定された下限値(P_min)以下であるか否かを判定し、Pmが下限値以下の場合(ステップS26,Yes)、膨張弁開度をP_minに設定し(ステップS27)、ステップS36に進む。一方、下限値以下でない場合(ステップS26,No)、ステップS28に進む。
ステップS28において、制御装置11は、Pmが所定時間Tの各セル(構成要素)に設定された上限値(P_max)以上であるか否かを判定し、Pmが上限値以上の場合(ステップS28,Yes)、膨張弁開度をP_maxに設定し(ステップS29)、ステップS36に進む。一方、Pmが上限値以上でない場合(ステップS28,No)、膨張弁開度をPmに設定し(ステップS30)、ステップS36に進む。
すなわち、ステップS26〜ステップS30において、膨張弁開度Pmが、各セル内の上限値P_maxと下限値P_minの範囲内で設定されることになる。具体的には、図8に示す期間1においては、膨張弁開度PmがセルB1内の上限値P_maxと下限値P_minの範囲内で設定される。
ステップS36において、制御装置11は、圧縮機が運転継続中であるか否かを判定し、圧縮機が運転継続中であれば(ステップS36,Yes)、ステップS37に進み、圧縮機が運転継続中でなければ(ステップS36,No)、マトリクス膨張弁制御S5は終了となる。
ステップS37において、制御装置11は、所定時間Tを経過しているか否かを判定し、所定時間Tを経過していなければ(ステップS37,No)、インターバルタイマ(例えば20秒)の経過を待つ(ステップS39)。制御装置11は、インターバルタイマ(例えば20秒)が経過したら、再度ステップS22に移行し、繰り返し膨張弁開度を変更しながら制御する。一方、ステップS37において、所定時間T経過していれば(ステップS37,Yes)、カウント用の数字NをN−1に設定し(ステップS38)、ステップS39に進む。
制御装置11は、次期間の遷移マトリクスを判定する判定期間Tc中であれば(ステップS25,Yes)、ステップS31において、圧縮機吐出温度Hが、高温温度帯(H≧H2)にあるか否かを判定し、H≧H2であれば(ステップS31,Yes)、次期間に段数を上に1段遷移させるMAT+1に設定し(ステップS32)、ステップS26に進む。一方、H≧H2でなければ(ステップS31,No)、ステップS33に進む。
制御装置11は、ステップS33において、圧縮機吐出温度Hが、低温温度帯(H≦H1)にあるか否かを判定し、H≦H1であれば(ステップS33,Yes)、次期間に段数を下に1段遷移させるMAT−1に設定し(ステップS34)、ステップS26に進む。一方、H≦H1でなければ(ステップS33,No)、ステップS35に進む。
ステップS35において、制御装置11は、次期間に同じ段(行)で横に遷移させるMAT±0に設定し、ステップS26に進む。
具体的には、図8の期間1の判定期間Tcにおいて、制御装置11は、圧縮機吐出温度Hが、低温温度帯(H≦H1)にあると判定し、次期間である期間2では、段数を1段下に遷移させ、セルC2の上限値P2_maxと下限値P2_minの範囲内で制御している。同様に、図8の期間2の判定期間Tcにおいて、制御装置11は、圧縮機吐出温度Hが、中間温度帯(H1<H<H2)にあると判定し、次期間である期間3では、同じ段(行)で横に遷移させ、セルC3の上限値P1_maxと下限値P1_minの範囲内で制御している。
同様の制御を繰り返し、期間3(N=1)が経過すると、ステップS22の処理でN=0となるため、マトリクス膨張弁制御のステップS5の処理を終了し、図5に示したステップS6の通常膨張弁制御に移行する。
膨張弁開度は、0から480パルスの間で制御し、0パルスが最小開度(最小流量)で480パルスが最大開度(最大流量)となる。本実施形態の例では、図8において、始動開度P=280パルスを30秒、その後のマトリクス膨張弁制御については、
期間1(T3)=50秒、期間2(T2)=40秒、期間3(T1)=30秒とし、
_max=300パルス、P_min=200パルス、
_max=200パルス、P_min=170パルス、
_max=200パルス、P_min=170パルス
とする。
以上のように設定すると、マトリクス膨張弁制御の部分では膨張弁の絞り過ぎを防止し、圧縮機を保護することができる。例えば期間3の時、従来の制御のように予め決められた所定時間、膨張弁開度(例えば160パルスとする)で始動していれば、圧縮機吐出温度はさらに上昇し、例えば120℃を超えると圧縮機のモータに用いられる永久磁石が減磁するなど信頼性が低下する。
しかし、本発明のマトリクス膨張弁制御によれば、期間2の判定期間Tcの圧縮機吐出温度によってMAT−C2(セルC2)からMAT−D3(セルD3)に一段下げて遷移させず、MAT−C3(セルC3)に横に遷移させることができるため、圧縮機吐出温度上昇を抑え、圧縮機を保護することができる。
以上、各項目で設定する数値は、能力クラスや熱交換器の内容積により変わるので予め検討し決定するものである。検討方法は、圧縮機の吐出温度の立ち上り時間を見て適正な膨張弁開度の上限値と下限値を求める。すなわち圧縮機の吐出温度の立ち上りが早いということは能力の立ち上りも早いということである。
本実施形態の空気調和機は、圧縮機1と、四方弁2と、室外熱交換器8と、膨張弁(例えば、電動膨張弁6)と、室内熱交換器3とが順に冷媒配管によって接続される冷凍サイクル装置20と、始動時から通常運転時までを複数の期間に分けて制御するための時間軸とし、膨張弁開度を複数の範囲に分けて制御するための膨張弁開度軸とするマトリクス表15を記憶する記憶手段(例えば、記憶部12)と、圧縮機の始動時は、第1の期間において、マトリクス表を構成するセルの膨張弁開度の範囲内で、圧縮機吐出温度に基づいて膨張弁の開度を制御するとともに、第1の期間の次期間である第2の期間におけるマトリクス表を構成するセルを選択し、第1の期間の経過後第2の期間において、圧縮機吐出温度に基づいて選択されたセルの膨張弁開度の範囲内で、膨張弁の開度を制御する制御手段(例えば、制御装置11)と、を有する。
本実施形態によれば、電動膨張弁6の開度(膨張弁開度)と始動期間とをマトリクス化(例えば、マトリクス表15)し、膨張弁開度の上限値と下限値を設けることによって、上限値と下限値の範囲内で膨張弁開度を調整することができるので、周囲環境や使用方法に柔軟に対応し、膨張弁開度を絞ることが可能な状況では開度を絞り、能力の立ち上がりを向上できる。
また、想定以上の圧縮機吐出温度変動に対しても膨張弁開度を調整し、圧縮機が異常高温になり、故障を防止することができる。さらに、膨張弁開度の下限値を設けているので、部屋の負荷に対して100%の能力を必要としない場合や、部屋の負荷が想定より小さい場合でも、絞りすぎを防止し、効率良く圧縮機の吐出温度を設定温度まで上げることができる。これにより、快適でより信頼性の高い空気調和機を提供することができる。
本発明では、特に膨張弁開度と圧縮機吐出温度の間に比例関係が成り立たず、制御が困難な冷媒を使用している場合に有効である。
1 圧縮機
2 四方弁
3 室内熱交換器
4 室内送風機
5 室内空気温度センサ
6 電動膨張弁
7 圧縮機吐出温度センサ
8 室外熱交換器
9 室外送風機
10 室外空気温度センサ
11 制御装置(制御手段)
12 記憶部(記憶手段)
15 マトリクス表
20 冷凍サイクル装置
H 圧縮機吐出温度
Pm 膨張弁開度
期間3の期間
期間2の期間
期間1の期間

Claims (5)

  1. 圧縮機と、四方弁と、室外熱交換器と、膨張弁と、室内熱交換器とが順に冷媒配管によって接続される冷凍サイクル装置と、
    前記圧縮機の始動時は、第1の期間において、予め決められた膨張弁開度の上限値と下限値の範囲内で、圧縮機吐出温度に基づいて前記膨張弁の開度を制御するとともに、前記第1の期間の次期間である第2の期間の前記膨張弁開度の上限値と下限値を選択し、前記第1の期間の経過後前記第2の期間において、前記圧縮機吐出温度に基づいて前記選択された膨張弁開度の上限値と下限値の範囲内で、前記膨張弁の開度を制御する制御手段と、を有する
    ことを特徴とする空気調和機。
  2. 前記制御手段は、前記第2の期間の前記膨張弁開度の上限値と下限値を選択するに際し、前記第1の期間の前記圧縮機吐出温度の温度変化率に基づいて、前記第2の期間の前記膨張弁開度の上限値と下限値を選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記制御手段は、前記膨張弁開度の上限値と下限値の範囲を、前記第1の期間と第2の期間とにおいて、それぞれ個別に設定する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和機。
  4. 前記制御手段は、前記膨張弁開度の調整速度において、開く速度と、絞る速度を個別に設定する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和機。
  5. 圧縮機と、四方弁と、室外熱交換器と、膨張弁と、室内熱交換器とが順に冷媒配管によって接続される冷凍サイクル装置と、
    始動時から通常運転時までを複数の期間に分けて制御するための時間軸とし、膨張弁開度を複数の範囲に分けて制御するための膨張弁開度軸とするマトリクス表を記憶する記憶手段と、
    前記圧縮機の始動時は、第1の期間において、前記マトリクス表を構成するセルの前記膨張弁開度の範囲内で、圧縮機吐出温度に基づいて前記膨張弁の開度を制御するとともに、前記第1の期間の次期間である第2の期間における前記マトリクス表を構成するセルを選択し、前記第1の期間の経過後前記第2の期間において、前記圧縮機吐出温度に基づいて前記選択された前記セルの膨張弁開度の範囲内で、前記膨張弁の開度を制御する制御手段と、を有する
    ことを特徴とする空気調和機。
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WO2019012628A1 (ja) * 2017-07-12 2019-01-17 三菱電機株式会社 空気調和機および空気調和機の制御方法

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