JP2023005454A - 自動車用構造部品用のプレス成形品、プレス成形品の製造方法、及び自動車用構造部品の製造方法 - Google Patents

自動車用構造部品用のプレス成形品、プレス成形品の製造方法、及び自動車用構造部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フランジ部と縦壁部を備えた成形品について、成形品の基本的形状の自由度の制限発生を抑えつつ、縦壁部の成形高さをより高くすることが可能な技術を提供する。【解決手段】天板部11Aと上記天板部11Aに連続する縦壁部11B及びフランジ部11Cを有し、且つ鋼板からなる自動車用構造部品用のプレス成形品11であって、上記天板部11Aと上記縦壁部11Bとの境界部の延在方向を長手方向としたとき、長手方向に沿った上記縦壁部11Bの少なくとも一部について、上記長手方向に延びる段差部12が形成されている。【選択図】 図6

Description

本発明は、成形性に優れた自動車用構造部品を構成若しくは製造するためのプレス成形品、及びその製造方法に関する技術である。本発明は、特に、高強度鋼板(例えば、引張強度980MPa以上の鋼板)を用いた自動車用構造部品の製造に有効な技術である。
環境汚染対策、燃費向上等の観点から、自動車部品には軽量化が求められている。そのために、従来よりも強度の高い高強度鋼板を用いることで、自動車用構造部品の板厚を薄くし、且つ軽量化を図るといった取り組みがなされている。しかし強度の高い鋼板は、強度の低い鋼板と比較して、一般に伸びが低く成形性が劣る。そのため、従来使用していた鋼板(強度の低い鋼板)では成形可能な部品形状を、高強度鋼板を用いて従来と同様な成形を施すと、割れやしわの発生等の成形不具合が生じるおそれがあるなど、成形が困難となるといった課題がある。
このような課題に対する、各種のプレス成形工法としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載の技術がある。
特許文献1には、天板部と縦壁部及びフランジ部を備える成形部品を成形する方法が記載されている。特許文献1の成形部品は、縦壁部が、弧状に湾曲している部位を有する屈曲部を介して天板部に連結すると共に、上記屈曲部と反対側にフランジ部を連結し、当該縦壁部は弧の外側が上記天板部になっている部品である。そして、特許文献1には、天板部をパッドで加圧しつつ成形し、天板部の材料をスライドさせながら縦壁部を形成することで、断面L字状形状を有するプレス部品の成形方法が開示されている。
また、特許文献2には、金型をプレス方向と直交する方向にスライドさせて縦壁部を形成することにより、形状凍結性に優れた部品を成形することが記載されている。
特許第5168429号公報 特許第6070913号公報
ここで、特許文献1に記載の方法では、天板部の材料をスライドさせるために、縦壁部の逆側に縦壁部を設けることができず、いわゆるハット断面形状の成形品を成形することができない、という課題がある。
また、特許文献2に記載の方法では、金型の構造が複雑となり、金型の製造コストが増加するという課題がある。また、特許文献2では、天板部からの材料流出がないため、高強度鋼板を用いた場合、天板部に対し縦壁部の傾きを起こし過ぎると割れの原因となり、また当該縦壁部の角度を寝かした場合には、しわが発生するおそれがある。このように、特許文献2は、縦壁部の成形高さをより高くすることを図った技術ではない。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、フランジ部と縦壁部を備えた成形品について、成形品の基本的形状の自由度の制限発生を抑えつつ、縦壁部の成形高さを従来よりも高くすることが可能な技術を提供することを目的とする。
発明者は、断面L形状でも断面ハット型形状の成形品であっても、従来よりも、縦壁部の成形高さをより高くすることが可能な技術について、種々検討して、本開示の発明をなした。
すなわち、課題解決のために、本発明の一態様は、天板部と上記天板部に連続する縦壁部及びフランジ部を有し、且つ鋼板からなる自動車用構造部品用のプレス成形品であって、上記天板部と上記縦壁部との境界部の延在方向を長手方向としたとき、上記長手方向に沿った上記縦壁部の少なくとも一部について、上記縦壁部における高さ方向途中位置からフランジ部側の部分をフランジ部側(外側)に張り出した形状の段差部が形成され、その段差部は、上記長手方向に沿って延在している、ことを要旨とする。
また、本発明の態様は、本発明の一態様の自動車用構造部品用のプレス成形品に対し、上記段差部が平坦若しくは上記段差部が小さくなる方向に、上記縦壁部にプレス成形を行って、成形高さを高くする、ことを要旨とする。
本発明の態様によれば、縦壁部に段差部を設けた部品形状とすることで、ブランク材として高強度鋼板を使用しても、成形品の基本的形状の自由度の制限発生を抑えつつ、つまり、断面L形状の成形品でも断面ハット型形状の成形品でも、割れやシワの発生を抑えつつ、従来の成形部品と比較して、より縦壁部の成形高さを高くすることが可能な自動車用構造部品用の成形品を製造することが可能となる。
また、その段差部を有する成形品に対し、段差部が平坦若しくは段差部が小さくなる方向に、縦壁部にプレス成形を行う場合には、更に縦壁部の成形高さを高くすることが可能となる。
成形の際に発生する割れについて説明する図であって、(a)は模式的断面図(下死点位置での図)、(b)は、成形品の一例を示す図である。 成形の際に発生する、しわについて説明する図であって、(a)は模式的な成形途中の断面図、(b)は下死点となったときに模式的断面である。 本発明に基づく実施形態に係る成形品の断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る成形品の斜視図である。 段差部を有する形状について説明する模式的断面図である。 本実施形態の作用・効果を説明する図であって、(a)は模式的な成形途中の断面図、(b)は下死点となったときに模式的断面である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(発明の経緯)
天板部に縦壁部及びフランジ部が連続する断面L字形状やハット型形状などのプレス成形品(単に、成形品若しくは部品とも呼ぶ)を製造する場合、プレス成形の際に、パンチ底側(天板部側)やフランジ部側から、縦壁部側に向けて材料を流入させる必要がある。
このとき、断面がL字形状のように、パンチ底(天板部11A)に対し縦壁部11Bやフランジ部11Cが片側にしかない部品形状の場合は、パンチ底側から材料を縦壁部11Bに流入させることも可能である。しかし、断面がハット型形状のような部品形状の場合には、パンチ底側から縦壁部11B側への材料流入があまり望めないため、縦壁部11Bへの材料流入はほぼフランジ部11C側からのみとなる(図1)。
特に、長手方向に沿って幅方向(縦壁部11B側)に湾曲する湾曲部11Rを有する部品形状の場合には、当該湾曲部11Rで成形条件が厳しくなる。
これに対し、発明者らは、特に高強度鋼板(強度の高い鋼板)を用いた場合、このような部品形状への成形において、縦壁部11Bの成形高さを律則する位置が、湾曲部11RでのダイR部(縦壁部11Bとフランジ部11Cとの境界部)であるとの知見を得た(図1参照)。この知見は、湾曲部11R以外でも同様である。
その理由は、次の通りである。すなわち、縦壁部11Bが形成される際に、縦壁部11Bの高さ方向に沿う方向には、成形に伴い、パンチ底側あるいはフランジ部11C側から順次材料が供給されるため、ひずみは大きくなりにくく、割れは生じにくい。一方で、ダイRに沿う方向(稜線の円弧に沿った方向)には材料の流入がないか、少ない。このために、割れが発生するおそれがある。
ここで、パンチ底側から縦壁部11Bへの材料流入を無視し、縦壁部11Bへの材料がフランジ部11C側からのみ流入してくると仮定する。この場合、縦壁部11Bの角度(プレス方向(図1の上下方向)に対する縦壁部11Bの外方(フランジ部11C側)への傾き)をθ[度]、平面視での成形後の湾曲部11RでのパンチRをR1[mm]、縦壁部11Bの成形高さをh1[mm]とした場合(図1参照)、ダイRの円弧に沿う方向の伸びεは、おおよそ(1)式で見積もることができる。
ε=(R1-tanθ)/(R1-h1/cosθ)-1 ・・・(1)
この場合、ダイRに沿う方向の変形は、ほぼ平面ひずみ状態となっているため、この伸びεの値と、その材料の平面ひずみ状態での限界ひずみとが等しくなるときの縦壁部11Bの成形高さh1が、成形可能な最大高さとなる。なお、平面ひずみ状態での限界ひずみは、ナカジマ法、マルシニアック法等の公知の手法で得ることができる。
また、(1)式から分かるように、角度θが大きくなるほどεは小さくなる。すわなち、縦壁部11Bの傾きを寝かせるほど、稼げる成形高さh1は高くなる。しかし、部品形状の制約から縦壁部11Bを寝かせられる量には限界がある。また、成形の面からも、縦壁部11Bを寝かせると成形中に縦壁部11Bへの材料流入に伴う材料余りを抑えられず、縦壁部11Bにしわができるおそれがあるという課題がある(図2参照)。
なお、特許文献2に記載の方法では、天板部11Aからの材料流出がないためダイR部のひずみ量は前述の(1)式にあらわされるものと同じとなる。
本開示は、以上のことに鑑みてなされたものであり、断面がL字形状でもハット型形状であっても適用でき、縦壁部11Bにシワや割れの発生を抑制しつつ、縦壁部11Bの成形高さを従来よりも稼ぐことが可能とする技術である。
また、本開示は、引張強度が980MPa以上の高強度鋼板(ハイテンション材)からなる自動車用構造部品用のプレス成形品11に対し、特に好適な技術である。
(構成)
本実施形態の成形品11は、図3に示すように、天板部11Aの両側にそれぞれ縦壁部11B及びフランジ部11Cが連続した断面ハット型形状の成形品11である。なお、本開示の成形品11は、断面ハット型形状に限定されず、断面L字形状の場合であっても適用可能である。断面L字形状とは、天板部11Aの片側にのみ縦壁部11B及びフランジ部11Cを有する形状である。
更に、本実施形態の成形品11は、図4に示すように、平面視で、長手方向に沿って、一方の縦壁部11B側(天板部11Aの幅方向)に凸若しくは凹に湾曲した湾曲部11Rを有する。なお、本開示は、湾曲部11Rを有しない部品形状であっても適用可能であるが、湾曲部11Rを有する場合に特に好適である。
なお、本開示は、平面視において、長手方向に沿って天板部11Aの幅が一定の場合でない、例えば平面視L字状やT字状などの成形品11であっても適用可能である。
また、長手方向とは、天板部11Aと縦壁部11Bとの境界部の延在方向、つまり天板部11Aの延在方向を指す。
<段差部12>
更に、本実施形態の成形品11は、図3及び図4に示すように、長手方向に沿った縦壁部11Bの少なくとも一部について、長手方向に延びる段差部12が形成されている。なお、段差部12の延在方向は、天板部11Aと縦壁部11Bとの境界部の延在方向と平行である必要はない。
図3では、段差部12が左側の縦壁部11Bにのみ形成する場合を例示しているが、右側の縦壁部11Bにも段差部12が形成されていてもよい。
段差部12は、少なくとも湾曲部11Rを成す縦壁部11Bの部分に設けられていることが好ましい。特に、湾曲部11Rの平面視凹となる縦壁部11B側に段差部12があることが好ましい。段差部12を湾曲部11Rに設ける理由は、湾曲部11Rに割れやしわが発生しやすいからである。
場合によっては、段差部12は、湾曲部11Rの縦壁部11Bだけに形成しても良い。この場合、湾曲部11Rの平面視凹となる縦壁部11B側にだけ段差部12を形成するようにしてもよい。
また、後工程において、この段差部12を平坦に若しくは小さくする成形を施す場合には、段差部12は、縦壁部11Bの長手方向全体に形成されていることが好ましい。
段差部12は、縦壁部11Bの高さ方向途中位置に設けられる。すなわち、段差部12は、高さ方向(プレス方向)において、天板部11Aと縦壁部11Bの境界部(稜線部)、及び縦壁部11Bとフランジ部11Cの境界部(稜線部)の両方から離れた位置に形成される。図3では、段差部12を、高さ方向中央部に形成した場合を例示している。
本実施形態の段差部12は、縦壁部11Bの高さ方向途中位置よりもフランジ部11C側が外側(平面視フランジ部11C側)に向けて張り出すような段差部形状とする。すなわち、段差部12を形成する縦壁部11Bは、図3や図5に示すように、天板部11A側からフランジ部1C側に向けて、上側縦壁部11Ba、段差部12、及び下側縦壁部11Bbからなる。このとき、上側縦壁部11Baと下側縦壁部11Bbのプレス方向(高さ方向)に対する傾きは同じでも良いし、異なっていてもよい。ダイRでの割れ抑制を考えると、上側縦壁部11Baよりも、下側縦壁部11Bbの傾きの方が大きい(壁が寝ている)方が好ましい。
なお、当然に、プレス方向(高さ方向)を基準とした、段差部12の傾きが、上側縦壁部11Baや下側縦壁部11Bbよりも大きい。また、段差部12は、水平である必要はなく、傾いてもよい。
ここで、段差部12を構成する各種形状の要件(図5参照)として、下記の(2)式~(4)式の要件を満たすように設定することが好ましい。
Rd ≧ R1 ≧5mm ・・・(2)
Rp ≧ R2 ≧ 5mm ・・・(3)
R1 + R2 < Rd + Rp ・・・(4)
ここで、
Rd[mm]:ダイR(縦壁部11B(下側縦壁部11Bb)とフランジ部11Cとの境界部(稜線部)でのR(曲率半径))
Rp[mm]:パンチR(縦壁部11B(上側縦壁部11Ba)と天板部11Aとの境界部(稜線部)でのR(曲率半径))
R1[mm]:段差部12と下側縦壁部11Bbの境界部のR(曲率半径)
R2[mm]:段差部12と上側縦壁部11Baの境界部のR(曲率半径)
である。
上記各式の要件について説明する。
R1,R2が5mm未満となると、段差部12を形成するときに割れが発生する危険性が高まる。この観点から(2)式及び(3)式を規定した。
また、R1、R2がそれぞれRd、Rpを超える場合、またはL+R1+R2がRpとRdの和を超える場合は、段差部12が大きくなりすぎ、段差部12の上部、下部それぞれでしわが発生する可能性が高まる。この観点から(2)式~(4)式を規定した。
なお、湾曲部11Rにおいて、平面視凹状となっている縦壁部11Bの部分に設ける段差部12の高さ位置よりも、平面視凸状となっている縦壁部11Bの部分に設ける段差部12の高さの方が、高い位置に形成した方が好ましい。
なお、段差部12よりも下側の縦壁部分の外方への張り出し量L[mm]は、後述の第1段階(成形途中)での縦壁部11Bの角度θに応じて設定すればよい。
なお、段差部12は、延在方向(長手方向)に沿って滑らかに連続した形状とする。
(第1の製造方法)
本実施形態の成形品11の製造方法について説明する。
本実施形態の成形品11の製造は、深絞り成形によるプレス成形で製造することが好ましい。
すなわち、図6のように、フランジ部11Cとなる位置をダイ2とブランクホルダー3で拘束した状態で、相対的に、パンチ1をプレス方向に移動することでプレス成形が実行される。
このとき、パンチ1及びダイ2の縦壁部成形面には、形成する段差部12に応じた段差形成部1A,2Aが形成され、その両者1,2の段差形成部1A,2Aの面に挟み込まれることで、縦壁部11Bに段差部12が形成される。
ここで、パンチ1側の縦壁部成形面は、段差部12を形成する位置よりも下方の面がダイ2側に張り出すようにオフセットすることで、段差形成部1Aが形成されている。ダイ2側の縦壁部成形面は、段差部12となる位置よりも下方の面がパンチ1から離れる方向にオフセットすることで、段差形成部2Aが形成されている。
前述したように、(1)式において、縦壁部11Bの角度θを大きくする、つまり縦壁部11Bの角度を寝かせると、成形可能な高さがより高くなる一方、縦壁部11Bを金型で押さえることができずにしわが発生し易くなる。
これに対し、発明者らは、縦壁部11Bを寝かせる効果を得つつ、縦壁部11Bにしわがよらないプレス成形方法について種々検討を行い、次の知見を得た。すなわち、縦壁部11Bに段差部12を設けることで、縦壁部11Bが形成されるプレス成形の工程が2段階の機序で実行され、その結果、縦壁部11Bを寝かせる効果を得つつ、縦壁部11Bにしわがよらないプレス成形が可能となる、との知見を得た。
その成形の機序について説明する。
<第1段階>
第1段階は、ダイ2に対しパンチ1をプレス方向に移動して成形する際における、成形の初期~段差部12が形成される前までの段階である。この段階(成形途中)では、図6(a)に示すように、縦壁部11Bの角度θは、成形完了後の角度よりも大きい状態で成形される。この段階では、縦壁部11Bの角度θが大きく、縦壁部11Bが、成形品11完了後の縦壁部11Bの傾きよりも寝ているため、仮にブランク材に高強度鋼板を採用しても、フランジ部11C及び天板部11A側からの縦壁部11Bへの材料の流入が確保されて、割れが生じ難い。但し、縦壁部11Bに若干のしわが発生しやすい状態となっている。
<第2段階>
更にプレス成形を継続すると、段差部12の形成が開始されて段差部12が成形される。この段階が第2段階となる。この段階では、図3(b)のように、縦壁部11Bは、ダイ2とパンチ1の縦壁部成形面に挟まれることにより、第1段階で発生したしわが伸ばされて、しわ発生が抑制される。すなわち、第1段階で生じた、しわの原因となる材料の余り分が、段差部12の形成で吸収されて、しわが抑制される。また、縦壁部11Bの角度θが第1段階から第2段階となると小さくなる。すなわち、縦壁部11Bとフランジ部11C及び天板部11Aの稜線部での曲率半径が小さくなる。この結果、フランジ部11C及び天板部11A側からの縦壁部11Bへの材料の流入が抑えられるが、第1段階で生じた材料の余り分によって、鋼板に高強度鋼板を採用しても割れが生じ難くなる。
以上のことから、本開示の方法を用いると、縦壁部11Bにしわを発生させることなく、従来よりも成形高さの高い成形品11の成形が可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、高強度鋼板を用いて製造される、縦壁部11Bとフランジ部11Cを持ち、湾曲部11Rを備えた自動車用構造部品について、縦壁部11Bの一部若しくは全体に段差部12を設けることにより従来の成形方法と比較してより縦壁部11Bの成形高さの高い部品を製造することが可能となる。
段差は、少なくとも湾曲部11Rの位置に設ければ良い。
(第2の製造方法)
また、第1の製造方法で製造した、上記縦壁部11Bに段差部12を設けた成形品11を、最終製品(自動車用構造部品)に対する中間品としても良い。
この場合、第1の製造方法に基づく成形工程(第1工程)の後工程(第2工程)として、第1工程で製造した自動車用構造部品用のプレス成形品11に対し、段差部12が平坦若しくは段差部12が小さくなる方向に、上記縦壁部11Bに対しプレス成形を行う。
「段差部12が平坦若しくは段差部12が小さくなる」とは、段差部12の傾きが、上側縦壁部11Ba及び下側縦壁部11Bbの傾き角θと等しくなる、若しくは上側縦壁部11Ba及び下側縦壁部11Bbの傾き角に近づくことを指す。
この処理によって、縦壁部11Bの高さが高くなり、その分、成形品11の成形高さが高くなるという効果を奏する。
この第2工程では、段差部12がない、若しくは段差部12のオフセット量を小さくするので、その分、鋼板に高強度鋼板を採用しても、縦壁部11Bの角度θを、第1工程で成形した縦壁部11Bよりも小さくすることも可能である。
この場合、より成形高さを高くすることが可能となる。
ここで、後工程において段差部12の上部を拡げるような成形(ダイ2側に広げる成形)を行うことにより、縦壁部11Bに段差部12のない成形品11とすることが可能である。これは、(1)式において成形限界を示すεはダイ2肩のRに沿う方向のひずみであるが、本実施形態では、縦壁部11Bに段差部12をもって成形された成形品11(中間品)を後工程で段差部12上部を拡張しても、ダイ2肩は変形しないため割れは発生せず、段差部12上部は(1)式のh1が小さい状態とみなすことができる。この結果、もともと成形に余裕があるため割れは発生しない。また、押し広げる成形となるため、しわも発生しない。以上の要因により、縦壁部11Bに段差部12がなく、割れ、しわのない成形品11が成形可能となる。
また、段差部12を設ける領域は縦壁部11B全体でも構わないが、特に上面から見て凹形状の湾曲部11Rとなっている部位のダイ2肩R部が割れやすいため、その部位のみに段差部12を設けることも可能である。
(その他)
本開示は、次の構成も取り得る。
(1)天板部と上記天板部に連続する縦壁部及びフランジ部を有し、且つ鋼板からなる自動車用構造部品用のプレス成形品であって、上記天板部と上記縦壁部との境界部の延在方向を長手方向としたとき、上記長手方向に沿った上記縦壁部の少なくとも一部について、上記縦壁部における高さ方向途中位置からフランジ部側の部分をフランジ部側(外側)に張り出した形状の段差部が形成され、その段差部は、上記長手方向に沿って延在している。
(2)平面視で見て、上記天板部と上記縦壁部との境界部の少なくとも一部が上記長手方向に向かうにつれて上記縦壁部側に変位して凹状又は凸状に湾曲した1又は2以上の湾曲部を有する、自動車用構造部品用のプレス成形品であって、上記段差部は、少なくとも上記湾曲部を成す上記縦壁部の部分に設けられている。
(3)段差部を有する本開示の自動車用構造部品用のプレス成形品を、深絞り成形によって成形する。
(4)段差部を有する本開示の自動車用構造部品用のプレス成形品に対し、上記段差部12が平坦若しくは上記段差部が小さくなる方向に、上記縦壁部にプレス成形を行って、成形高さを高くして、自動車用構造部品とする。
1 パンチ
1A 段差形成部
2 ダイ
2A 段差形成部
11 プレス成形品
11A 天板部
11B 縦壁部
11Ba 上側縦壁部
11Bb 下側縦壁部
11C フランジ部
11R 湾曲部
12 段差部
θ 縦壁部の角度

Claims (4)

  1. 天板部と上記天板部に連続する縦壁部及びフランジ部を有し、且つ鋼板からなる自動車用構造部品用のプレス成形品であって、
    上記天板部と上記縦壁部との境界部の延在方向を長手方向としたとき、
    上記長手方向に沿った上記縦壁部の少なくとも一部について、上記縦壁部における高さ方向途中位置からフランジ部側の部分をフランジ部側に張り出した形状の段差部が形成され、その段差部は、上記長手方向に沿って延在している、
    ことを特徴とする自動車用構造部品用のプレス成形品。
  2. 平面視で見て、上記天板部と上記縦壁部との境界部の少なくとも一部が上記長手方向に向かうにつれて上記縦壁部側に変位して凹状又は凸状に湾曲した1又は2以上の湾曲部を有する、自動車用構造部品用のプレス成形品であって、
    上記段差部は、少なくとも上記湾曲部を成す上記縦壁部の部分に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載した自動車用構造部品用のプレス成形品。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の自動車用構造部品用のプレス成形品を、深絞り成形によって成形することを特徴とするプレス成形品の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の自動車用構造部品用のプレス成形品に対し、上記段差部が平坦若しくは上記段差部が小さくなる方向に、上記縦壁部にプレス成形を行って、成形高さを高くする、
    ことを特徴とする自動車用構造部品の製造方法。
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