JP2023005442A - ポリアリーレンエーテルケトン樹脂及びその製造方法、並びに樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

ポリアリーレンエーテルケトン樹脂及びその製造方法、並びに樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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Yurika Miyamae
展行 岩楯
Nobuyuki Iwadate
拓也 曽根
Takuya SONE
十志和 高田
Toshikazu Takada
智 小川
Satoshi Ogawa
宏樹 村岡
Hiroki Muraoka
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Abstract

【課題】温和な重合条件の芳香族求電子置換型溶液重縮合反応を用いて得られるポリアリーレンエーテルケトン樹脂(PAEK樹脂)であって、PAEK樹脂の本来の優れた特性を有しつつ、高分子量のPAEK樹脂であることにより、機械的強度に優れたポリアリーレンエーテルケトン樹脂(PAEK樹脂)を提供する。【解決手段】ポリエーテルケトン構造単位、ポリフェニレンエーテル構造単位、トリアリールエーテル構造単位を含む分岐ポリアリーレンエーテルケトン樹脂(PAEK樹脂)である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂及びその製造方法、並びに樹脂組成物及び成形体に関する。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂(以下「PAEK樹脂」と略すことがある。)は、耐熱性、耐薬品性、強靭性等に優れ、高温で連続使用可能な結晶性スーパーエンプラとして、電気電子部品、自動車部品、医療用部品、繊維、フィルム用途等に幅広く利用されている。
従来、PAEK樹脂としては、4,4’-ジフルオロベンゾフェノンとハイドロキノンの2つのモノマーを、ジフェニルスルホン中で炭酸カリウムを用いた芳香族求核置換型溶液重縮合反応(例えば、特許文献1参照)により製造される、1つの繰り返し単位中に2つのエーテル基と1つのケトン基を持つポリエーテルエーテルケトン樹脂(以下「PEEK樹脂」と略すことがある。)がよく知られている。
また、ハイドロキノンの代わりに、4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノンを使用することで製造される、1つの繰り返し単位中にエーテル基、ケトン基を1つずつ持つポリエーテルケトン樹脂(以下「PEK樹脂」と略すことがある。)や、1つの繰り返し単位中に1つのエーテル基、2つのケトン基を有するポリエーテルケトンケトン樹脂(以下「PEKK樹脂」と略すことがある。)もある。
しかしながら、これらのPAEK樹脂の製造に用いられている芳香族求核置換型溶液重縮合反応は、モノマーに高価な4,4’-ジフルオロベンゾフェノンを使用するため原料費が高く、かつ、反応温度が300℃以上で製造工程費も高いという欠点があり、樹脂の価格が高くなる傾向にある。
そこで、モノマーに4,4’-ジフルオロベンゾフェノンを用いることなく、かつ、温和な重合条件で、PAEK樹脂を製造する芳香族求電子置換型溶液重縮合反応が知られている。
芳香族求電子置換型溶液重縮合反応を用いた例として、4-フェノキシ安息香酸クロリドをフッ化水素-三フッ化ホウ素の存在下で反応させる方法によるPEK樹脂(例えば、特許文献2参照)、テレフタル酸クロリドとジフェニルエーテルをルイス酸の存在下で反応させる方法によるPEKK樹脂(例えば、特許文献3参照)、4-フェノキシ安息香酸をメタンスルホン酸と五酸化二リンの混合物存在下で反応させる方法によるPEK樹脂(例えば、特許文献4参照)等がある。
米国特許第4320224号明細書 米国特許第3953400号明細書 米国特許第3065205号明細書 特開昭61-247731号公報
しかしながら、芳香族求電子置換型溶液重縮合反応は、主反応の重縮合反応以外の副反応が起こりやすく、芳香族求核置換型溶液重縮合反応よりも重合度の高いPAEK樹脂を得ることは難しい傾向にあり、十分な分子量のPAEK樹脂を得ることは困難であった。
そこで、本発明は、温和な重合条件の芳香族求電子置換型溶液重縮合反応を用いて得られるポリアリーレンエーテルケトン樹脂(PAEK樹脂)であって、PAEK樹脂の本来の優れた特性を有しつつ、高分子量のPAEK樹脂であることにより、機械的強度に優れたポリアリーレンエーテルケトン樹脂(PAEK樹脂)を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、温和な重合条件の芳香族求電子置換型溶液重縮合反応において、PAEK樹脂を製造する際、特定の構造式で表される分岐剤を含有させることにより、高分子量のPAEK樹脂が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を包含するものである。
[1] 下記一般式(1-1)、(2-1)及び(3-1)で表される繰り返し単位を有するポリアリーレンエーテルケトン樹脂。
Figure 2023005442000001
(式中、kは0~2のいずれかの整数である。)
Figure 2023005442000002
(式中、nは0~1のいずれかの整数である。)
Figure 2023005442000003
(式中、Ar、Ar、及びArは、下記一般式(4-1)で表される2価の有機基である。Ar、Ar、及びArのmの値は同じであっても、異なっていてもよい。
Figure 2023005442000004
(式中、mは0~2の整数である。))
[2] 前記ポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、下記一般式(5)で表される主鎖構造を有する、[1]に記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂。
Figure 2023005442000005
(式中、Xは下記一般式(5-1)、Yは下記一般式(5-2)で表される。
Figure 2023005442000006
(式中、nは0~1のいずれかの整数である。)
Figure 2023005442000007
(式中、kは0~2のいずれかの整数である。))
[3] 前記一般式(3-1)で表される繰り返し単位が、下記一般式(6)で表される繰り返し単位である、[1]又は[2]に記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂
Figure 2023005442000008
(式中、Arは、下記一般式(4-1)で表される2価の有機基である。
Figure 2023005442000009
(式中、mは0~2の整数である。))
[4] 前記ポリアリーレンエーテルケトン樹脂に対する前記一般式(3-1)で表される繰り返し単位の含有量が、0.01~100mmol/kgである、[1]~[3]のいずれかに記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂。
[5] 下記一般式(3-1)を構成単位とする分岐構造を有するポリアリーレンエーテルケトン樹脂であって、
前記ポリアリーレンエーテルケトン樹脂に対する前記一般式(3-1)で表される分岐構造の含有量が、0.01~100mmol/kgである、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂。
Figure 2023005442000010
(式中、Ar、Ar、及びArは、下記一般式(4-1)で表される2価の有機基である。Ar、Ar、及びArのmの値は同じであっても、異なっていてもよい。
Figure 2023005442000011
(式中、mは0~2の整数である。))
[6] 前記一般式(3-1)で表される繰り返し単位が、下記一般式(6)で表される繰り返し単位である、[5]に記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂。
Figure 2023005442000012
(式中、Arは、下記一般式(4-1)で表される2価の有機基である。
Figure 2023005442000013
(式中、mは0~2の整数である。))
[7] 下記一般式(1-2)で表されるモノマー(1-2)と、下記一般式(2-2)で表されるモノマー(2-2)と、下記一般式(3-2)で表されるモノマー(3-2)とを、有機スルホン酸及び五酸化二リンの存在下で反応させる、[1]~[4]のいずれかに記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂の製造方法。
Figure 2023005442000014
(式中、kは0~2のいずれかの整数である。)
Figure 2023005442000015
(式中、nは0~1のいずれかの整数である。)
Figure 2023005442000016
(式中、Ar、Ar、及びArは、下記一般式(4-2)で表される。Ar、Ar、及びArのmの値は同じであっても、異なっていてもよい。
Figure 2023005442000017
(式中、mは0~2の整数である。))
[8] 前記モノマー(1-2)が下記モノマー(1-2-A)であり、前記モノマー(2-2)が下記モノマー(2-2-A)であり、前記モノマー(3-2)が下記モノマー(3-2-A)である、[7]に記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂の製造方法。
Figure 2023005442000018
Figure 2023005442000019
Figure 2023005442000020
(式中、Arは、下記一般式(3-2-B)で表される。)
Figure 2023005442000021
[9] 有機スルホン酸及び五酸化二リンの混合液に、前記モノマー(1-2)、及び前記モノマー(2-2)を添加し、混合し、反応させ、次に、前記モノマー(3-2)を添加し、混合し、反応させる、[7]または[8]に記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂の製造方法。
[10] [1]~[6]のいずれかに記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂を含有する樹脂組成物。
[11] さらに、強化繊維を含有する、[10]に記載の樹脂組成物。
[12] [10]または[11]に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
本発明は、温和な重合条件の芳香族求電子置換型溶液重縮合反応を用いて得られるポリアリーレンエーテルケトン樹脂(PAEK樹脂)であって、PAEK樹脂の本来の優れた特性を有しつつ、高分子量のPAEK樹脂であることにより、機械的強度に優れたポリアリーレンエーテルケトン樹脂(PAEK樹脂)を提供することができる。
以下、本発明のPAEK樹脂、及び該PAEK樹脂の製造方法について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の一実施態様としての一例であり、これらの内容に特定されるものではない。
(ポリアリーレンエーテルケトン樹脂(PAEK樹脂))
本発明のPAEK樹脂は、下記一般式(3-1)を構成単位とする分岐構造を有することが特徴の一つである。
芳香族求電子置換型溶液重縮合反応を用いて製造する際、この一般式(3-1)で表される分岐構造をPAEK樹脂の主鎖中に導入するようにして製造することにより、高分子量のPAEK樹脂を製造することができる。
Figure 2023005442000022
(式中、Ar、Ar、及びArは、下記一般式(4-1)で表される2価の有機基である。Ar、Ar、及びArのmの値は同じであっても、異なっていてもよい。
Figure 2023005442000023
(式中、mは0~2の整数である。))
本発明のPAEK樹脂の好ましい実施態様としては、下記一般式(1-1)、(2-1)、及び(3-1)で表される繰り返し単位を有するPAEK樹脂が挙げられる。
Figure 2023005442000024
(式中、kは0~2のいずれかの整数である。)
Figure 2023005442000025
(式中、nは0~1のいずれかの整数である。)
Figure 2023005442000026
(式中、Ar、Ar、及びArは、下記一般式(4-1)で表される2価の有機基である。Ar、Ar、及びArのmの値は同じであっても、異なっていてもよい。
Figure 2023005442000027
(式中、mは0~2の整数である。))
本発明のPAEK樹脂のより好ましい実施態様としては、上記一般式(1-1)及び(2-1)からなる下記一般式(5)で表される構造を主鎖構造として有し、かつ上記一般式(3-1)を構成単位とする分岐構造を有するPAEK樹脂が挙げられる。
Figure 2023005442000028
(式中、Xは下記一般式(5-1)、Yは下記一般式(5-2)で表される。
Figure 2023005442000029
(式中、nは0~1のいずれかの整数である。)
Figure 2023005442000030
(式中、kは0~2のいずれかの整数である。))
本発明のPAEK樹脂は、剛直かつ靭性成分である、繰り返し単位(1-1)及び(2-1)からなる上記一般式(5)で表される構造を主鎖構造として有し、かつ上記一般式(3-1)で表される分岐構造が主鎖中に導入されている構造を有する。
このような構造を有することで、本発明のPAEK樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が高く耐熱性に優れ、PAEK樹脂の本来の優れた特性を有しつつ、結晶融点(Tm)を比較的低くすることができ成形加工性に優れ、さらに重合度が高いこと(高分子量)により機械的強度に優れたPAEK樹脂となる。
また、一般に樹脂の高分子量化を図ろうとすると、加熱溶融粘度の上昇を引き起こし、成形加工性が低下するという問題が生じる。しかし、本発明では、上記一般式(3-1)で表される分岐構造を用いてPAEK樹脂の高分子量化を図っており、この分岐構造による高分子量化は、直鎖構造による高分子量化よりも流体力学半径が小さいことから溶融粘度の低下が見込まれる。これにより、本発明のPAEK樹脂は、良好な成形加工性を維持することができる。
本発明のPAEK樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、120~180℃を示すものであることが好ましく、130~170℃を示すものであることがより好ましい。
また、本発明のPAEK樹脂の結晶融点(Tm)は、例えば、250~400℃を示すものであることが好ましく、270~370℃を示すものであることがより好ましい。
本発明のPAEK樹脂の重量平均分子量(Mw)は、20,000以上、より好ましくは、25,000以上とすることができる。
本発明のPAEK樹脂は、上記一般式(3-1)を構成単位とする分岐構造をPAEK樹脂全体に対して少量含有することが特徴の一つである。
これにより、ガラス転移温度(Tg)が高く耐熱性に優れ、PAEK樹脂の本来の優れた特性を有しつつ、結晶融点(Tm)を比較的低くすることができ成形加工性に優れ、さらに重合度が高いこと(高分子量)により機械的強度に優れたPAEK樹脂を得ることができる。
本発明のPAEK樹脂の好ましい実施態様としては、PAEK樹脂に対して、上記一般式(3-1)で表される分岐構造が、0.01~100mmol/kgの割合で含有されているPAEK樹脂が挙げられる。
本発明のPAEK樹脂のより好ましい実施態様としては、上記一般式(1-1)、(2-1)、及び(3-1)で表される繰り返し単位を有するPAEK樹脂に対して、上記一般式(3-1)で表される分岐構造が、0.01~100mmol/kgの割合で含有されているPAEK樹脂が挙げられる。
<一般式(3-1)を構成単位とする分岐構造>
本発明のPAEK樹脂に含有される分岐構造は、上述したように下記一般式(3-1)で表される。
Figure 2023005442000031
一般式(3-1)中、Ar、Ar、及びArは、それぞれ下記一般式(4-1)で表される2価の有機基であるが、Ar、Ar、及びArの基は、それぞれ同じ構造式で表される基であっても、異なる構造式で表される基であってもよい。
Figure 2023005442000032
ただし、入手の容易性やコスト面を考慮すると、Ar、Ar、及びArの基は、同じ構造式で表される基であることがより好ましい。
また、本発明の効果を十分発揮するには、一般式(4-1)中のmは、1であることがより好ましい。
一般式(3-1)を構成単位とする分岐構造のより好ましい実施態様としては、下記一般式(6)で表される分岐構造が挙げられる。
Figure 2023005442000033
(式中、Arは、下記一般式(4-1)で表される2価の有機基である。
Figure 2023005442000034
(式中、mは0~2の整数である。))
一般式(6)で表される分岐構造の中でも、本発明の効果を十分発揮するには、一般式(4-1)中のmは、1であることがより好ましい。
(ポリアリーレンエーテルケトン樹脂(PAEK樹脂)の製造方法)
本発明のPAEK樹脂の製造方法の一の態様は、下記一般式(1-2)で表されるモノマー(1-2)と、下記一般式(2-2)で表されるモノマー(2-2)と、下記一般式(3-2)で表されるモノマー(3-2)とを、有機スルホン酸及び五酸化二リンの存在下で反応させる、PAEK樹脂の製造方法である。
Figure 2023005442000035
(式中、kは0~2のいずれかの整数である。)
Figure 2023005442000036
(式中、nは0~1のいずれかの整数である。)
Figure 2023005442000037
(式中、Ar、Ar、及びArは、下記一般式(4-2)で表される。Ar、Ar、及びArのmの値は同じであっても、異なっていてもよい。
Figure 2023005442000038
(式中、mは0~2の整数である。))
上記モノマー(1-2)としては、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(k=0)、4,4’-オキシビス安息香酸(k=1)、1,4-ビス(4-カルボキシフェノキシ)ベンゼン(k=2)が挙げられる。
上記モノマー(2-2)としては、ジフェニルエーテル(n=0)、1、4-ジフェノキシベンゼン(n=1)、4,4’-オキシビス(フェノキシベンゼン)(n=2)が挙げられる。
上記モノマー(3-2)としては、例えば1,3,5-トリフェノキシベンゼン、1,2,4-トリフェノキシベンゼン、1,3,5-トリ(4-フェノキシフェノキシ)ベンゼン、1,2,4-トリ(4-フェノキシフェノキシ)ベンゼン、1,3,5-トリ(4-(4-フェノキシフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2,4-トリ(4-(4-フェノキシフェノキシ)フェノキシ)ベンゼンが挙げられる。
本発明のPAEK樹脂の製造方法の好ましい実施態様としては、上記モノマー(1-2)が、k=1の場合の下記モノマー(1-2-A)であり、上記モノマー(2-2)が、n=1の場合の下記モノマー(2-2-A)であり、上記モノマー(3-2)が下記モノマー(3-2-A)である、PAEK樹脂の製造方法が挙げられる。
Figure 2023005442000039
Figure 2023005442000040
Figure 2023005442000041
(式中、Arは、下記一般式(3-2-B)で表される。)
Figure 2023005442000042
本発明のPAEK樹脂の製造方法は、芳香族求電子置換型溶液重縮合反応であるので、温和な重合条件で反応させることができ、具体的には、有機スルホン酸及び五酸化二リンを20~100℃で1~40時間で混合してから、一旦所定の温度に調整した後、この混合液に、上記モノマー(1-2)、上記モノマー(2-2)及び上記モノマー(3-2)を添加する。
本発明のPAEK樹脂の製造方法の一実施態様として、有機スルホン酸及び五酸化二リンの混合液に、上記モノマー(1-2)、上記モノマー(2-2)及び上記モノマー(3-2)を添加し、混合し、これらモノマーを一括で反応させる製造方法が挙げられる。
この場合、例えば、有機スルホン酸及び五酸化二リンの混合液を20~100℃で1~40時間で混合し、その後、40~80℃に調整後、上記モノマー(1-2)、上記モノマー(2-2)及び上記モノマー(3-2)を添加し、混合し、1~100時間、反応させることで、PAEK樹脂を製造することができる。
また、本発明のPAEK樹脂の製造方法の他の一実施態様として、有機スルホン酸及び五酸化二リンの混合液に、上記モノマー(1-2)、及び上記モノマー(2-2)を添加し、混合し、反応させてから、次に、上記モノマー(3-2)を添加し、混合し、反応させる製造方法が挙げられる。
この場合、例えば、有機スルホン酸及び五酸化二リンの混合液を20~100℃で1~40時間で混合し、その後、40~80℃に調整後、上記モノマー(1-2)、及び上記モノマー(2-2)を添加し、混合し、1~50時間反応させ、その後、上記モノマー(3-2)を添加し、混合し、1~50時間、反応させることで、PAEK樹脂を製造することができる。
高分子量のPAEK樹脂を製造しやすいという観点からは、モノマー(1-2)とモノマー(2-2)を反応させてから、次に、モノマー(3-2)を添加して反応させることによりPAEK樹脂を製造する方法が好ましい。
本発明のPAEK樹脂の製造方法は、下記実施例でも示す通り、重合工程が100℃以下という温和な条件で実施可能である。また副生成物が環境への負担のない水のみである。本発明のPAEK樹脂の製造方法は、反応モノマーや溶媒にフッ素を含有しない。例えば、反応工程において、トリフルオロメタンスルホン酸を使用しなくてはいけないとすると、廃棄処理において、フッ素イオンを含むガスが発生し、環境負荷が大きい。しかし、例えば、反応工程において、メタンスルホン酸を使用する限りにおいては、かような環境負荷の問題は発生しない。
有機スルホン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸等が挙げられる。中でも、脂肪族スルホン酸が好ましい。より具体的には、有機スルホン酸として、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸(トシル酸)等が挙げられる。
有機スルホン酸の添加量と、五酸化二リンの添加量との割合は、質量比で、100:35~100:1の範囲であることが好ましく、100:30~100:5の範囲であることがより好ましく、100:25~100:5の範囲であることがさらに好ましい。
上記モノマー(1-2)、上記モノマー(2-2)及び上記モノマー(3-2)の合計の添加量と、有機スルホン酸及び五酸化二リンの合計の添加量との割合は、質量比で、1:100~50:100の範囲であることが好ましく、2:100~45:100の範囲であることがより好ましく、5:100~40:100の範囲であることがさらに好ましい。
本発明のPAEK樹脂の製造において、有機スルホン酸(例えば、特にメタンスルホン酸)及び五酸化二リンを用いることにより、良好な特性を示すPAEK樹脂を製造することができる。例えば、有機スルホン酸と五酸化二リンを用いる代わりに、無水塩化アルミニウムを用いてPAEK樹脂を製造しようとすると、重合速度が速すぎて、ポリマーシーケンスの制御が困難になる。
上記反応工程における上記モノマー(1-2)の添加量と、上記モノマー(2-2)の添加量との割合は、モル比で、100:90~100:110の範囲であることが好ましく、100:92~100:108の範囲であることがより好ましい。
上記モノマー(3-2)の添加量は、上述したように、PAEK樹脂に対し、モノマー(3-2)の占める割合が、0.01~100mmol/kg、好ましくは0.1~50mmol/kgとなるように含有させる。
<ポリアリーレンエーテルケトン樹脂(PAEK樹脂)を含有する樹脂組成物>
本発明に係るPAEK樹脂は、他の配合物と合わせて樹脂組成物を作製することができる。
他の配合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、他の配合物の好ましい実施態様として、無機フィラー、有機フィラー等のフィラーが挙げられる。
フィラーの形状としては、特に限定はなく、例えば、粒子状、板状、繊維状等のフィラーが挙げられる。
また、本発明に係るPAEK樹脂を含有する樹脂組成物の好ましい実施態様として、本発明のPAEK樹脂と強化繊維とを含有する樹脂組成物が挙げられる。
ここで、強化繊維としては、カーボン繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリ繊維、ステンレス繊維、ガラス布、ガラス不織布、ガラスマット、ガラスロービング布、等の無機繊維のほか、紙、アラミド紙、アラミド布、アラミド繊維、芳香族エステル繊維のような植物繊維といった有機繊維を用いてもよい。中でも、カーボン繊維とガラス繊維は、産業上利用範囲が広いため、好ましい。これらのうち、一種類のみ用いてもよく、複数種を同時に用いてもよい。
強化繊維は、繊維の集合体であってもよく、織布状であっても、不織布状であってもかまわない。また、繊維を一方方向に整列した繊維束でもよく、繊維束を並べたシート状であってもよい。また、繊維の集合体に厚みを持たせた立体形状であってもかまわない。
<ポリアリーレンエーテルケトン樹脂(PAEK樹脂)を含む成形体>
本発明に係るPAEK樹脂は、耐熱性に優れ高いガラス転移温度(Tg)を有するとともに、低融点化が可能で、良好な成形加工性を有する。また、高分子量であるため、機械的強度にも優れる。そのため、ニートレジンとしての使用や、ガラス繊維、炭素繊維、フッ素樹脂等のコンパウンドとしての使用が可能である。そして、本発明に係るPAEK樹脂、あるいは該PAEK樹脂を含有する樹脂組成物を成形することで、ロッド、ボード、フィルム、フィラメント等の一次加工品や、各種射出加工品、各種切削加工品、ギア、軸受、コンポジット、インプラント、3D成形品等の二次加工品を製造することができ、これらの本発明に係るPAEK樹脂を成形してなる成形品は、自動車、航空機、電気電子、医療用部材等の利用が可能である。
(ガラス転移点(Tg)及び結晶融点(Tm))
パーキンエルマー製DSC装置(Pyris Diamond)を用いて、50mL/minの窒素流下、20℃/minの昇温条件で40~400℃まで測定を行い、ガラス転移点(Tg)及び結晶融点(Tm)を求めた。
(GPC分子量)
以下の測定条件で分子量を求めた。
装置:Waters2695(Waters製)
カラム:TSKgel GMHHR-N(東ソー製)2本直列接続
カラム温度:30℃
溶離液:ヘキサフルオロイソプロピルアルコール
検出器:Waters2414(RI検出器)
試料濃度:0.2%(wt/wt)
試料注入量:30μL
検量線:標準ポリスチレン(PS)
(実施例1)
窒素導入管、温度計、還流冷却器、および撹拌装置を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、メタンスルホン酸(13.8mL、212mmol)と五酸化二リン(2.04g、14.3mmol)を仕込み、100℃に昇温し、4時間撹拌した。その後60℃まで冷却後、4,4’-オキシビス安息香酸(OBBA)(0.914g、3.54mmol)、1,4-ジフェノキシベンゼン(DPOB)(0.979g、3.73mmol)、1,3,5-トリ(4-フェノキシフェノキシ)ベンゼン(TPOPOB)(0.034g、0.054mmol)を仕込み、22時間反応させた。
その後、室温まで冷却し、反応溶液を強撹拌したメタノール中に注ぎ込み、ポリマーを析出させ、濾過した。更に濾過したポリマーをメタノール、イオン交換水で2回ずつ洗浄した。その後、ポリマーを真空下の180℃で10時間乾燥させた。これにより、PAEK樹脂:収量1.25g、2.59mmol、収率73%を得た。
(実施例2)
窒素導入管、温度計、還流冷却器、および撹拌装置を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、メタンスルホン酸(13.8mL、212mmol)と五酸化二リン(2.04g、14.3mmol)を仕込み、100℃に昇温し、4時間撹拌した。その後60℃まで冷却後、4,4’-オキシビス安息香酸(0.914g、3.54mmol)、1,4-ジフェノキシベンゼン(0.979g、3.73mmol)、1,3,5-トリ(4-フェノキシフェノキシ)ベンゼン(0.045g、0.070mmol)を仕込み、22時間反応させた。
その後、室温まで冷却し、反応溶液を強撹拌したメタノール中に注ぎ込み、ポリマーを析出させ、濾過した。更に濾過したポリマーをメタノール、イオン交換水で2回ずつ洗浄した。その後、ポリマーを真空下の180℃で10時間乾燥させた。これにより、PAEK樹脂:収量1.16g、2.40mmol、収率68%を得た。
(実施例3)
窒素導入管、温度計、還流冷却器、および撹拌装置を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、メタンスルホン酸(13.8mL、212mmol)と五酸化二リン(2.04g、14.3mmol)を仕込み、100℃に昇温し、4時間撹拌した。その後60℃まで冷却後、4,4’-オキシビス安息香酸(0.964g、3.68mmol)、1,4-ジフェノキシベンゼン(0.964g、3.68mmol)、1,3,5-トリ(4-フェノキシフェノキシ)ベンゼン(0.056g、0.089mmol)を仕込み、22時間反応させた。
その後、室温まで冷却し、反応溶液を強撹拌したメタノール中に注ぎ込み、ポリマーを析出させ、濾過した。更に濾過したポリマーをメタノール、イオン交換水で2回ずつ洗浄した。その後、ポリマーを真空下の180℃で10時間乾燥させた。これにより、PAEK樹脂:収量1.34g、2.76mmol、収率78%を得た。
(実施例4)
窒素導入管、温度計、還流冷却器、および撹拌装置を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、メタンスルホン酸(13.8mL、212mmol)と五酸化二リン(2.04g、14.3mmol)を仕込み、100℃に昇温し、4時間撹拌した。その後60℃まで冷却後、4,4’-オキシビス安息香酸(0.912g、3.53mmol)、1,4-ジフェノキシベンゼン(0.926g、3.53mmol)を仕込み、1時間反応させた。その後1,3,5-トリ(4-フェノキシフェノキシ)ベンゼン(0.033g、0.053mmol)を仕込み、21時間反応させた。
その後、室温まで冷却し、反応溶液を強撹拌したメタノール中に注ぎ込み、ポリマーを析出させ、濾過した。更に濾過したポリマーをメタノール、イオン交換水で2回ずつ洗浄した。その後、ポリマーを真空下の180℃で10時間乾燥させた。これにより、PAEK樹脂:収量1.39g、2.86mmol、収率81%を得た。
(実施例5)
窒素導入管、温度計、還流冷却器、および撹拌装置を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、メタンスルホン酸(13.8mL、212mmol)と五酸化二リン(2.04g、14.3mmol)を仕込み、100℃に昇温し、4時間撹拌した。その後60℃まで冷却後、4,4’-オキシビス安息香酸(0.912g、3.53mmol)、1,4-ジフェノキシベンゼン(0.926g、3.53mmol)を仕込み、2時間反応させた。その後1,3,5-トリ(4-フェノキシフェノキシ)ベンゼン(0.033g、0.053mmol)を仕込み、20時間反応させた。
その後、室温まで冷却し、反応溶液を強撹拌したメタノール中に注ぎ込み、ポリマーを析出させ、濾過した。更に濾過したポリマーをメタノール、イオン交換水で2回ずつ洗浄した。その後、ポリマーを真空下の180℃で10時間乾燥させた。これにより、PAEK樹脂:収量1.49g、3.08mmol、収率87%を得た。
(実施例6)
窒素導入管、温度計、還流冷却器、および撹拌装置を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、メタンスルホン酸(13.8mL、212mmol)と五酸化二リン(2.04g、14.3mmol)を仕込み、100℃に昇温し、4時間撹拌した。その後60℃まで冷却後、4,4’-オキシビス安息香酸(0.912g、3.53mmol)、1,4-ジフェノキシベンゼン(0.926g、3.53mmol)を仕込み、3時間反応させた。その後1,3,5-トリ(4-フェノキシフェノキシ)ベンゼン(0.033g、0.053mmol)を仕込み、19時間反応させた。
その後、室温まで冷却し、反応溶液を強撹拌したメタノール中に注ぎ込み、ポリマーを析出させ、濾過した。更に濾過したポリマーをメタノール、イオン交換水で2回ずつ洗浄した。その後、ポリマーを真空下の180℃で10時間乾燥させた。これにより、PAEK樹脂:収量1.33g、2.75mmol、収率78%を得た。
(実施例7)
窒素導入管、温度計、還流冷却器、および撹拌装置を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、メタンスルホン酸(13.8mL、212mmol)と五酸化二リン(2.04g、14.3mmol)を仕込み、100℃に昇温し、4時間撹拌した。その後60℃まで冷却後、4,4’-オキシビス安息香酸(0.912g、3.53mmol)、1,4-ジフェノキシベンゼン(0.926g、3.53mmol)を仕込み、7時間反応させた。その後1,3,5-トリ(4-フェノキシフェノキシ)ベンゼン(0.033g、0.053mmol)を仕込み、15時間反応させた。
その後、室温まで冷却し、反応溶液を強撹拌したメタノール中に注ぎ込み、ポリマーを析出させ、濾過した。更に濾過したポリマーをメタノール、イオン交換水で2回ずつ洗浄した。その後、ポリマーを真空下の180℃で10時間乾燥させた。これにより、PAEK樹脂:収量1.46g、3.02mmol、収率86%を得た。
実施例1~7に係るPAEK樹脂のガラス転移温度(Tg)、結晶融点(Tm)、及び数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)を測定し、結果を表1及び表2に示した。
Figure 2023005442000043
Figure 2023005442000044
(比較例1)
窒素導入管、温度計、還流冷却器、および撹拌装置を備えた4つ口のセパラブルフラスコに、メタンスルホン酸(13.8mL、212mmol)と五酸化二リン(2.04g、14.3mmol)を仕込み、100℃に昇温し、4時間撹拌した。その後60℃まで冷却後、4,4’-オキシビス安息香酸(0.914g、3.54mmol)、1,4-ジフェノキシベンゼン(1.0g、3.82mmol)を仕込み、22時間反応させた。
その後、室温まで冷却し、反応溶液を強撹拌したメタノール中に注ぎ込み、ポリマーを析出させ、濾過した。更に濾過したポリマーをメタノール、イオン交換水で2回ずつ洗浄した。その後、ポリマーを真空下の180℃で10時間乾燥させた。これにより、PAEK樹脂:収量1.17g、2.40mmol、収率68%を得た。
比較例1に係るPAEK樹脂のガラス転移温度(Tg)、結晶融点(Tm)、及び数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)を測定し、結果を表1に示した。
表1に示されるように、実施例のPAEK樹脂は、ガラス転移温度(Tg)を148℃以上に調整することができる。また、実施例のPAEK樹脂は、このように優れた耐熱性を保持したまま、354℃以下の結晶融点(Tm)に調整することが可能であり、良好な成形加工性を有する。また、実施例のPAEK樹脂は、高分子量のPAEK樹脂であり、機械的強度に優れたものとなっている。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1-1)、(2-1)及び(3-1)で表される繰り返し単位を有するポリアリーレンエーテルケトン樹脂。
    Figure 2023005442000045
    (式中、kは0~2のいずれかの整数である。)
    Figure 2023005442000046
    (式中、nは0~1のいずれかの整数である。)
    Figure 2023005442000047
    (式中、Ar、Ar、及びArは、下記一般式(4-1)で表される2価の有機基である。Ar、Ar、及びArのmの値は同じであっても、異なっていてもよい。
    Figure 2023005442000048
    (式中、mは0~2の整数である。))
  2. 前記ポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、下記一般式(5)で表される主鎖構造を有する、請求項1に記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂。
    Figure 2023005442000049
    (式中、Xは下記一般式(5-1)、Yは下記一般式(5-2)で表される。
    Figure 2023005442000050
    (式中、nは0~1のいずれかの整数である。)
    Figure 2023005442000051
    (式中、kは0~2のいずれかの整数である。))
  3. 前記一般式(3-1)で表される繰り返し単位が、下記一般式(6)で表される繰り返し単位である、請求項1又は2に記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂
    Figure 2023005442000052
    (式中、Arは、下記一般式(4-1)で表される2価の有機基である。
    Figure 2023005442000053
    (式中、mは0~2の整数である。))
  4. 前記ポリアリーレンエーテルケトン樹脂に対する前記一般式(3-1)で表される繰り返し単位の含有量が、0.01~100mmol/kgである、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂。
  5. 下記一般式(3-1)を構成単位とする分岐構造を有するポリアリーレンエーテルケトン樹脂であって、
    前記ポリアリーレンエーテルケトン樹脂に対する前記一般式(3-1)で表される分岐構造の含有量が、0.01~100mmol/kgである、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂。
    Figure 2023005442000054
    (式中、Ar、Ar、及びArは、下記一般式(4-1)で表される2価の有機基である。Ar、Ar、及びArのmの値は同じであっても、異なっていてもよい。
    Figure 2023005442000055
    (式中、mは0~2の整数である。))
  6. 前記一般式(3-1)で表される繰り返し単位が、下記一般式(6)で表される繰り返し単位である、請求項5に記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂。
    Figure 2023005442000056
    (式中、Arは、下記一般式(4-1)で表される2価の有機基である。
    Figure 2023005442000057
    (式中、mは0~2の整数である。))
  7. 下記一般式(1-2)で表されるモノマー(1-2)と、下記一般式(2-2)で表されるモノマー(2-2)と、下記一般式(3-2)で表されるモノマー(3-2)とを、有機スルホン酸及び五酸化二リンの存在下で反応させる、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂の製造方法。
    Figure 2023005442000058
    (式中、kは0~2のいずれかの整数である。)
    Figure 2023005442000059
    (式中、nは0~1のいずれかの整数である。)
    Figure 2023005442000060
    (式中、Ar、Ar、及びArは、下記一般式(4-2)で表される。Ar、Ar、及びArのmの値は同じであっても、異なっていてもよい。
    Figure 2023005442000061
    (式中、mは0~2の整数である。))
  8. 前記モノマー(1-2)が下記モノマー(1-2-A)であり、前記モノマー(2-2)が下記モノマー(2-2-A)であり、前記モノマー(3-2)が下記モノマー(3-2-A)である、請求項7に記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂の製造方法。
    Figure 2023005442000062
    Figure 2023005442000063
    Figure 2023005442000064
    (式中、Arは、下記一般式(3-2-B)で表される。)
    Figure 2023005442000065
  9. 有機スルホン酸及び五酸化二リンの混合液に、前記モノマー(1-2)、及び前記モノマー(2-2)を添加し、混合し、反応させ、次に、前記モノマー(3-2)を添加し、混合し、反応させる、請求項7または8に記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂の製造方法。
  10. 請求項1~6のいずれか一項に記載のポリアリーレンエーテルケトン樹脂を含有する樹脂組成物。
  11. さらに、強化繊維を含有する、請求項10に記載の樹脂組成物。
  12. 請求項10または11に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。

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