JP2023004586A - 気体分離システム - Google Patents

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Abstract

Figure 2023004586000001
【課題】2種以上の気体から、少なくとも1種を高回収率と高純度を両立して富化する気体分離システムを提供する。
【解決手段】供給側入口11A、透過側入口12A、透過気体排出口12B、及び濃縮気体排出口11Bを有する気体分離膜ユニット1、供給側入口21A、透過気体排出口22B、及び濃縮気体排出口21Bを有する気体分離膜ユニット2、圧縮機3、4、及び真空装置5を有し、供給気体管71は透過側入口12Aと接続しており、連結管72は、圧縮機3を介し、透過気体排出口12B及び供給側入口21Aに連結しており、濃縮気体排出管75は、濃縮気体排出口11Bに接続しており、連結管74は、圧縮機4を介し、濃縮気体排出口21B及び供給側入口11Aに連結しており、透過気体排出管73は、真空装置5を介して、透過気体排出口22Bに接続していることを特徴とする、気体分離システム0。
【選択図】図1

Description

本発明は、気体分離膜を備える気体分離システムに関する。
近年クリーンなエネルギー源として、水素が注目されている。水素は、天然気体及び石炭等の化石燃料を気体化し、主成分として水素と二酸化炭素を含む混合気体から二酸化炭素を除去することによって得られている。処理対象となる気体は水蒸気改質、水性気体シフトを経ており、高温、高圧であることが特徴である。さらに、水素はアンモニアを合成するハーバー・ボッシュ法にも用いられている。これは、水素と窒素を高温、高圧で反応させることでアンモニアを合成する方法であるが、生産プラントにおいて未反応の水素と窒素を分離回収するプロセスが必要である。
低コストで混合気体から特定の気体を濃縮させる方法として、素材の持つ気体透過性の違いを利用して目的気体を選択的に透過させる膜分離法が注目されている。
分離膜を備える気体システムに関し、例えば特許文献1には、前段に1つと後段に2つの気体分離膜ユニットを備え、後段の1つの気体分離膜ユニットから得られる気体の全量を前段の気体分離膜ユニットに循環させる技術が開示されている。
また、特許文献2や3には、前段に1つの気体分離膜ユニットと後段に1つの気体分離膜ユニットを備え、後段から得られる気体の全量を前段の気体分離膜ユニットに循環させる技術が開示されている。
特開2016-187770号公報 特開昭51-147480号公報 特開平09-066217号公報
しかしながら、従来の気体分離膜を備える気体分離システムでは、高回収率かつ高純度を両立して富化することが難しく、精製効率が十分でない問題があった。
そこで本発明は、これらの問題を低減しつつ冨化される成分を高回収率かつ高純度で精製可能な気体分離プロセスを提供することを課題とする。
上記目的を達成するための本発明は、以下である。
(1) 2種以上の気体から少なくとも1種を富化する気体分離システムであって、
上記気体分離システムは、気体分離膜ユニット1、気体分離膜ユニット2、圧縮機A、圧縮機B、及び真空装置を有し、
上記気体分離膜ユニット1は、供給側の入口(以下、供給入口1、という)、透過側の入口(以下、透過入口1、という)、透過気体の排出口(以下、透過出口1、という)、及び濃縮気体の排出口(以下、供給出口1、という)を有し、
上記供給入口1は、上記気体分離膜ユニット1の一方の側の端部に配置され、上記透過入口1は、上記供給入口1が配置されている端部とは異なる側の端部に配置され、
上記気体分離膜ユニット2は、供給側の入口(以下、供給入口2、という)、透過気体の排出口(以下、透過出口2、という)、及び濃縮気体の排出口(以下、供給出口2、という)を有し、
上記気体分離膜ユニット1は、供給気体管、連結菅1、連結菅2、及び濃縮気体排出菅を有し、
上記気体分離膜ユニット2は、上記連結菅1、上記連結菅2、及び透過気体排出菅を有し、
上記供給気体管は、上記透過入口1と接続しており、
上記連結菅1は、上記圧縮機Aを介し、上記透過出口1及び上記供給入口2に連結しており、
上記濃縮気体排出菅は、上記供給出口1に接続しており、
上記連結菅2は、上記圧縮機Bを介し、上記供給出口2及び上記供給入口1に連結しており、
上記透過気体排出菅は、上記真空装置を介して、上記透過出口2に接続していることを特徴とする、
気体分離システム。
(2) 上記気体分離システムは、動力回収装置を有し、
上記濃縮気体排出菅は、上記動力回収装置を介して、上記供給出口1に接続していることを特徴とする、
(1)に記載の気体分離システム。
(3) 上記供給気体管は、合流部を有し、
上記濃縮気体排出菅は分岐部を有し、
上記分岐部及び上記合流部は、分岐管により連結している、(2)に記載の気体の分離システム。
(4) (1)~(3)のいずれかに記載の気体分離システムを用いた、2種以上の気体から少なくとも1種を富化する気体分離方法。
本発明によって、2種以上の気体から、少なくとも1種の気体に対して高回収率と高純度を両立しながら富化することができる。
本発明の気体分離システムの一例を示すフロー図である。 本発明の気体分離システムの一例を示すフロー図である。 本発明の気体分離システムの一例を示すフロー図である。
本発明は、2種以上の気体から少なくとも1種を富化する気体分離システムであって、前記気体分離システムは、気体分離膜ユニット1、気体分離膜ユニット2、圧縮機A、圧縮機B、及び真空装置を有し、前記気体分離膜ユニット1は、供給側の入口(以下、供給入口1、という)、透過側の入口(以下、透過入口1、という)、透過気体の排出口(以下、透過出口1、という)、及び濃縮気体の排出口(以下、供給出口1、という)を有し、前記供給入口1は、前記気体分離膜ユニット1の一方の側の端部に配置され、前記透過入口1は、前記供給入口1が配置されている端部とは異なる側の端部に配置され、前記気体分離膜ユニット2は、供給側の入口(以下、供給入口2、という)、透過気体の排出口(以下、透過出口2、という)、及び濃縮気体の排出口(以下、供給出口2、という)を有し、前記気体分離膜ユニット1は、供給気体管、連結菅1、連結菅2、及び濃縮気体排出菅を有し、前記気体分離膜ユニット2は、前記連結菅1、前記連結菅2、及び透過気体排出菅を有し、前記供給気体管は、前記透過入口1と接続しており、前記連結菅1は、前記圧縮機Aを介し、前記透過出口1及び前記供給入口2に連結しており、前記濃縮気体排出菅は、前記供給出口1に接続しており、前記連結菅2は、前記圧縮機Bを介し、前記供給出口2及び前記供給入口1に連結しており、前記透過気体排出菅は、前記真空装置を介して、前記透過出口2に接続していることを特徴とする気体分離システムである。以下、このような本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
<気体分離システム>
本発明の気体分離システムは、気体分離膜ユニット1(1)、気体分離膜ユニット2(2)、圧縮機A(3)、圧縮機B(4)、及び真空装置(5)を有する気体分離システム(0)である。以下、これについて説明する。
図1~3に示すように、気体分離膜ユニット1(1)は、供給側の入口である供給入口1(11A)、供給側の出口であり濃縮気体の排出口である供給出口1(11B)、透過側の入口である透過入口1(12A)、及び透過側の出口である透過出口1(12B)を有し、気体分離膜ユニット2(2)は、供給側の入口である供給入口2(21A)、供給側の出口であり濃縮気体の排出口である供給出口2(21B)及び透過側の出口である透過出口2(22B)を有する。
また、気体分離膜ユニット1(1)は、供給気体管(71)、連結菅1(72)、連結菅2(74)、及び濃縮気体排出菅(75)を有し、気体分離膜ユニット2は、連結菅1(72)、連結菅2(74)、及び透過気体排出菅(73)を有する。
供給気体管(71)は、透過入口1(11A)と接続しており、連結菅1(72)は、圧縮機A(3)を介し、透過出口1(12B)及び供給入口2(21A)に連結しており、濃縮気体排出菅(75)は、供給出口1(11B)に接続しており、連結菅2(74)は、圧縮機B(4)を介し、供給出口2(21B)及び供給入口1(11A)に連結しており、透過気体排出菅(73)は、真空装置(5)を介して、透過出口2(22B)に接続している。

本発明の気体分離膜システムは、供給気体管(71)より供給気体を供給する。なお、供給気体管へ供給する供給気体は2種以上の気体を含む混合気体である。
気体分離膜ユニット1の一方の側の端部には供給入口1(11A)が配置され、透過入口1(12A)は、供給入口1(11A)が配置されている端部とは異なる側の端部に配置される。透過入口1(12A)は、分離対象となる供給気体が送り込まれる空間の入り口であり、気体分離膜を透過した気体と共に透過出口1(12B)に移動する。
そのため、気体分離膜ユニット1は、供給入口1(11A)を介して送り込まれた気体の進行方向に対し、透過入口1(12A)を介して送り込まれた気体および透過気体の進行方向が向流方向となる構造を有する。向流とは、気体分離膜を介し、供給気体と透過気体が互いに平行に流れ、さらにそれらの流れ方向が180°逆向きであることを意味する。なお、供給気体と透過気体が互いに平行に流れ、それらの流れ方向が同じ方向である場合を並流と呼び、通常のスパイラル型モジュールのように流れ方向が90°異なる場合を十字流と呼ぶ。供給気体と透過気体が向流であることで、供給気体と透過気体の富化させたい成分の分圧差を最大化することができ、透過が促進される。
気体分離膜ユニット1の透過側出口である透過出口1(12B)を透過した気体は、圧縮機A(3)によって加圧される。加圧処理がされなければエネルギー消費は小さいが、回収する気体にふくまれる富化される成分純度が低くなるため、適度な加圧処理がされることが重要となる。なお、圧縮機Aを用いて加圧する際の圧力は特に限定されないが、120kPa以上300kPa以下が好ましく、120kPa以上170kPa以下が更に好ましい。
圧縮機A(3)にて加圧された気体は、気体分離膜ユニット2(2)の供給入口2(21A)に供給される。
気体分離膜ユニット2の供給側出口である供給出口2(21B)を透過した気体は、圧縮機Bによって加圧される。供給気体中の富化される成分純度が低下しているため、気体分離膜ユニット1でのろ過を促進するために加圧処理が重要となる。なお、圧縮機Bを用いて加圧する際の圧力は特に限定されないが、本発明の気体分離システムを稼働するための消費エネルギーと富化される成分の純度のバランスの観点から、圧縮機Bを用いて加圧する際の圧力は、500kPa以下が好ましく、450kPa以下が更に好ましく、320kPaが特に好ましい。また圧縮機Bを用いて加圧する際の圧力の下限は特に限定されないものの、150kPa以上であることが好ましい。
また、同様の理由から、圧縮機Aの圧力に対する圧縮機Bの圧力の比率、つまり気体分離膜ユニット2へ供給される供給気体の圧力に対する気体分離膜ユニット1へ供給される供給気体の圧力の比率(「圧縮機B通過後の圧力」/「圧縮機A通過後の圧力」であり、圧力比とよぶ)は、1.1以上3.5以下が好ましく、1.1以上2.0以下がさらに好ましい。
また本発明の気体分離システムは、動力回収装置を有し、濃縮気体排出菅が、動力回収装置を介して、供給出口1に接続していることも好ましい態様である。これについて説明する。図2、3に示すように、気体分離膜ユニット1の供給出口1(11B)から排出された気体を動力回収装置(6)に送り込み、圧縮機への動力を回収することでシステムのエネルギー消費を抑えることができる。供給出口より排出された気体は、膜を透過していないため高い圧力を有しており、減圧膨張時に動力を回収することが可能である。この際、気体温度が高いほど、高い効率で動力を回収することが可能であるため、動力回収装置に入る気体を、ヒーターや熱交換器といった加熱装置を用いて高温にしても良い。動力回収装置は、圧縮機によって加圧した動力を回収するため、少なくとも濃縮気体排出菅(75)に設置することが好ましい。図3の気体分離システムの場合、分岐部(81)で気体流量を分断した後、濃縮気体排出菅(75)と分岐管(90)の2箇所に動力回収装置を配置しても良い。また、供給気体がもともと高圧である場合には、供給気体管(71)に動力回収装置を配置しても良い。

気体分離膜ユニット1(1)では、気体分離膜ユニット2(2)と比較して、高圧側気体中の目的成分の分圧が低下している。特に濃縮気体の排出口(つまり供給出口)付近では、目的成分の分圧が低く、透過が進行しづらいため、分離効率が著しく低下する。
本発明の気体分離システムでは、供給気体管が合流部を有し、濃縮気体排出菅は分岐部を有し、分岐部及び合流部が、分岐管により連結していることも好ましい態様である。これを表す図3に示す気体分離システムでは、供給気体管(71)は、合流部(82)を有し、濃縮気体排出菅(75)は分岐部(81)を有し、分岐部及び合流部は、分岐管(90)により連結している。
分岐管(90)は、流れてくる気体を異なる方向へ分岐する配管であり、合流部(82)は、分岐部(81)から分岐管(90)を流れてきた気体と、システム供給気体管1(71)に流れている気体が合流する配管である。合流部(82)は、気体を効率良く混合させる混合器を備えていても良い。
供給出口1(11B)から排出された気体は、分岐部(81)から分岐管(90)を通じて合流部(82)に到達する循環流と、濃縮気体として排出される気体とに分断される。供給出口1(11B)から排出された気体の一部を、システム供給気体管1に循環させることで、低圧側における目的成分の分圧が低下し、高圧側における目的成分の分圧と低圧側における目的成分の分圧の差が大きくなることで、透過駆動力が大きくなる。

圧縮機B(4)により加圧された気体は、気体分離膜ユニット1の供給入口1(11A)を介して気体分離膜ユニット1(1)に供給される。そのため気体分離膜ユニット2(2)は、供給気体と透過気体の流れ方向が90°異なる通常のスパイラル型モジュールや、供給気体と透過気体の流れ方向が一致する中空糸膜モジュールを用いることができる。
気体分離膜ユニット2(2)において、気体分離膜を透過した透過気体は、透過出口2(22B)から取り出し回収する。
透過出口2の側の圧力は、真空装置(5)により減圧にすることで、富化される成分の膜透過が選択的に促進される。そのため、透過出口2の側の圧力は特に限定されないが、5kPa以上60kPa以下が好ましく、5kPa以上30kPa以下が更に好ましい。
(富化される成分の他の回収方法)
なお、気体分離膜ユニット1(1)および気体分離膜ユニット2(2)に搭載された分離膜が、いずれも冨化される成分を選択的に透過させない場合、すなわち、冨化される成分は濃縮気体に高純度で含まれるため、気体分離膜ユニット2(2)より排出された濃縮気体を回収することができる。
<気体分離膜モジュール>
気体分離膜モジュールでは、入口から供給出口に向かって連続的にろ過が行われる。ろ過が進むと膜を透過する成分の分圧が低下するため、気体分離膜モジュールの供給出口に近づくほど気体が透過しがたくなる。特に気体分離膜ユニット1では、気体分離膜ユニット2に比べてろ過が進んでいるため透過しがたい。そのため、透過抵抗となる膜面での濃度分極を供給気体の高流速化により解消させることが好ましい。その手段としては供給側流路材を薄型化する方法や、平膜の場合では気体分離膜モジュールの端面から供給気体を送り込み外周部から排出する方法が挙げられる。
<気体分離膜ユニット>
気体分離膜ユニット1と気体分離膜ユニット2を総称して気体分離膜ユニットと記すが、気体分離膜ユニットは、一本の気体分離膜モジュールから構成されてもよく、あるいは複数本の気体分離膜モジュールを並列または直列に配列して構成されてよく、循環流を設けるように構成してもよい。気体分離膜モジュールに搭載される膜の形態は平膜や中空糸膜を用いることができ、モジュール化して圧力容器に収納して使用される。
なお前述のとおり、気体分離膜ユニット1は、供給入口1(11A)を介して送り込まれた気体の進行方向に対し、透過入口1(12A)を介して送り込まれた気体および透過気体の進行方向が向流方向となる構造を有する。
一方で気体分離膜ユニット2(2)は、供給気体と透過気体の流れ方向が90°異なる通常のスパイラル型モジュールや供給気体と透過気体の流れ方向が一致する中空糸膜モジュールを用いることができる。
<分離膜>
気体分離膜ユニット1中の分離膜及び気体分離膜ユニット2中の分離膜は、富化される気体の種類に応じて適宜選択できる。分離膜としては、当該技術分野においてこれまで用いられているものと同様のものを特に制限なく用いることができる。例えばシリコーン樹脂、ポリブタジエン樹脂などのゴム状ポリマー材料、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、セルロース、炭素などの高分子膜や、ゼオライトやシリカ、パラジウムなどの無機膜が挙げられる。
また分離膜は、均質膜、均質層と多孔層とからなる非対称膜、微多孔質膜などいずれであってもよい。分離膜の圧力容器への収納形態も、プレートアンドフレーム型、スパイラル型、中空糸型などいずれであってもよい。 水素やヘリウムなどの比較的サイズの小さい気体を透過させる場合、ポリアミド膜やシリカ膜、炭素膜、ゼオライト膜、グラフェン膜を用いることができる。
<供給気体中の富化される成分濃度および供給気体圧力>
本発明の気体分離プロセスにおいては、供給気体中の富化される成分が低濃度の場合や、供給気体の圧力が低い場合、すなわち富化される成分の分圧が低い場合においても高効率に分離を行うことができる。その一例としては供給気体中の富化される成分濃度が20モル%以下である場合や、供給気体中の富化される成分の圧力が2.0MPa以下の場合が挙げられる。
<循環比>
分岐部(81)に到達した気体流量に対する、合流部(82)へと循環される気体流量の比率を循環比と呼ぶ。循環比が大きくなるほど気体分離膜ユニット1の透過が高まるが、透過気体中の目的成分の純度が低下するため、気体分離膜ユニット2での透過が抑制されてしまう。そのため、循環比は0.30以下が好ましく、0.20以下が更に好ましく、0.10以下が特に好ましい。循環比の下限は特に限定されないものの、0.02以上であることが好ましい。循環比の調整手段としては、連結管または回収流の配管に設けられたバルブを開度変更が挙げられる。
<圧縮機>
圧縮機Aと圧縮機Bを総称して圧縮機と記す。圧縮機としては、一段圧縮機または多段圧縮機のいずれも用いることができ、往復式、ターボ式、回転式など公知の機器形式を用いることができる。圧縮機は1台で構成されていてもよくあるいは複数台の圧縮機を並列または直列に配列して構成されてよい。
また、動力低減や装置劣化防止のため、圧縮機の外部あるいは内部に冷却装置を備えていてもよい。
<真空装置>
真空装置は目的とする圧力に応じて適宜選択でき、機器形式は、往復式、液封式、油回転式などいずれであってもよい。真空装置は1台で構成されていてもよくあるいは複数台の真空装置を並列または直列に配列して構成されてよい。
また、動力低減や装置劣化防止のため、圧縮機の外部あるいは内部に冷却装置を備えていてもよい。
<動力回収装置>
動力回収装置は、高圧の気体を減圧することで動力を回収できる装置のことを指し、1段のガスエキスパンダー、あるいは多段のガスエキスパンダーなどの公知の動力回収装置を用いることができる。機器形式は、スクリュー形、軸流タービン、ラジアルタービンなどいずれであってもよい。動力回収装置は1台で構成されていてもよくあるいは複数台の動力回収装置を並列または直列に配列して構成されてよい。
また、回収動力を大きくするため、動力回収装置の外部あるいは内部に加熱装置を備えていてもよい。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
(システム)
図1~3の構成の気体分離システムに、気体分離膜ユニットには分離膜モジュールとして中空糸型炭素膜(CO/N選択性:50)を複数本並列に配列し、下記の運転条件は固定した。
供給気体組成:CO/N
供給気体中のCO純度:7モル%
供給気体圧力:100kPa
供給気体温度:150℃
供給気体流量:56000Nm/hr
CO回収率:70体積%(回収した気体中のCO体積/供給気体中のCO体積)
(消費エネルギー比率)
Aspentech社製 Aspen Plus V12を用いて、各実施例における消費エネルギー(GJ/t-CO)を算出し、以下の式により消費エネルギー比率を計算した。消費エネルギー比率が小さいほど、省エネルギーでCOを分離することができる。
消費エネルギー比(-)=各実施例での消費エネルギー/実施例2での消費エネルギー
(CO純度)
Aspentech社製 Aspen Plus V12を用いて、気体分離膜ユニット2を透過する気体中のCO純度を、下記式から算出した。
CO純度(モル%)=透過CO体積(L/分)/透過気体(COと窒素の合計)体積(L/分)×100
(実施例1)
図1の気体分離システムを表の条件で運転し、気体分離システムの性能を評価したところ、結果は表のとおりであった。
Figure 2023004586000002
Figure 2023004586000003
表中、「供給入口1圧力」とは、供給入口1へ供給される際の圧力を意味し、「供給入口2圧力」とは、供給入口2へ供給される際の圧力を意味する。また、「透過出口2圧力」とは、透過出口2から透過した際の圧力を意味する。また、「循環比」とは図3の気体分離システムにおいて、分岐部に到達した気体流量に対する、分岐管から合流部に循環する気体流量の比を意味する。
(実施例2~5)
運転条件を表の通りに変更したこと以外は全て実施例1と同様にして、気体分離システムの性能を評価したところ、結果は表のとおりであった。
(実施例6)
図2の気体分離システムを表の条件で運転し、気体分離システムの性能を評価したところ、結果は表のとおりであった。動力回収装置を設置することで、高圧気体のエネルギーを回収することができ、低エネルギーとなった。
(実施例7、8)
運転条件を表の通りに変更したこと以外は全て実施例6と同様にして、気体分離システムの性能を評価したところ、結果は表のとおりであった。
(実施例9)
図3の気体分離システムを表の条件で運転し、気体分離システムの性能を評価したところ、結果は表のとおりであった。濃縮気体排出菅を通る気体を供給気体管に循環させることで、気体分離膜ユニット1の透過が促進され、供給入口圧力1が小さい条件であっても、CO回収率を70体積%とすることが可能となり、低エネルギーになった。
(実施例10、11)
運転条件を表の通りに変更したこと以外は全て実施例9と同様にして、気体分離システムの性能を評価したところ、結果は表のとおりであった。
(比較例1)
真空装置を設けず、気体分離膜ユニット2における透過側を減圧しなかったこと以外は全て実施例1と同様にして気体分離システムを運転したところ、結果は表のとおりであった。すなわち減圧に要するエネルギーが低減されたものの、回収気体のCO純度が大幅に低下した。
(比較例2)
気体分離膜ユニット1を設けずに気体分離膜ユニット2の供給側入口に処理する供給気体を送りこんだこと以外は、全て実施例1と同様にして、気体分離システムを運転したところ、結果は表のとおりであった。すなわち分離効率が低下したため、消費エネルギーが大きくなり、また回収気体のCO2純度が悪化した。
表1および表2に示す結果から明らかなように、実施例1~11における気体分離システムは、2種以上の気体から少なくとも一種を富化する分離に優れているといえる。
本発明の気体分離プロセスは、2種以上の気体から少なくとも1種を富化する分離に好適に用いることができる。
0 気体分離システム
1 気体分離膜ユニット1
11A 供給側入口(供給入口1)
11B 供給側出口(供給出口1)
12A 透過側入口(透過入口1)
12B 透過側出口(透過出口1)
2 気体分離膜ユニット2
21A 供給側入口(供給入口2)
21B 供給側出口(供給出口2)
22B 透過側出口(透過出口2)
3 圧縮機A
4 圧縮機B
5 真空装置
6 動力回収装置
71 供給気体管1
72 連結菅1
73 透過気体排出菅
74 連結菅2
75 濃縮気体排出菅
81 分岐部
82 合流部
90 分岐管

Claims (4)

  1. 2種以上の気体から少なくとも1種を富化する気体分離システムであって、
    前記気体分離システムは、気体分離膜ユニット1、気体分離膜ユニット2、圧縮機A、圧縮機B、及び真空装置を有し、
    前記気体分離膜ユニット1は、供給側の入口(以下、供給入口1、という)、透過側の入口(以下、透過入口1、という)、透過気体の排出口(以下、透過出口1、という)、及び濃縮気体の排出口(以下、供給出口1、という)を有し、
    前記供給入口1は、前記気体分離膜ユニット1の一方の側の端部に配置され、前記透過入口1は、前記供給入口1が配置されている端部とは異なる側の端部に配置され、
    前記気体分離膜ユニット2は、供給側の入口(以下、供給入口2、という)、透過気体の排出口(以下、透過出口2、という)、及び濃縮気体の排出口(以下、供給出口2、という)を有し、
    前記気体分離膜ユニット1は、供給気体管、連結菅1、連結菅2、及び濃縮気体排出菅を有し、
    前記気体分離膜ユニット2は、前記連結菅1、前記連結菅2、及び透過気体排出菅を有し、
    前記供給気体管は、前記透過入口1と接続しており、
    前記連結菅1は、前記圧縮機Aを介し、前記透過出口1及び前記供給入口2に連結しており、
    前記濃縮気体排出菅は、前記供給出口1に接続しており、
    前記連結菅2は、前記圧縮機Bを介し、前記供給出口2及び前記供給入口1に連結しており、
    前記透過気体排出菅は、前記真空装置を介して、前記透過出口2に接続していることを特徴とする、
    気体分離システム。
  2. 前記気体分離システムは、動力回収装置を有し、
    前記濃縮気体排出菅は、前記動力回収装置を介して、前記供給出口1に接続していることを特徴とする、
    請求項1に記載の気体分離システム。
  3. 前記供給気体管は、合流部を有し、
    前記濃縮気体排出菅は分岐部を有し、
    前記分岐部及び前記合流部は、分岐管により連結している、請求項2に記載の気体の分離システム。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の気体分離システムを用いた、2種以上の気体から少なくとも1種を富化する気体分離方法。
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