JP2023004377A - 絶縁ゲートバイポーラトランジスタおよびゲートドライバ回路 - Google Patents

絶縁ゲートバイポーラトランジスタおよびゲートドライバ回路 Download PDF

Info

Publication number
JP2023004377A
JP2023004377A JP2021106005A JP2021106005A JP2023004377A JP 2023004377 A JP2023004377 A JP 2023004377A JP 2021106005 A JP2021106005 A JP 2021106005A JP 2021106005 A JP2021106005 A JP 2021106005A JP 2023004377 A JP2023004377 A JP 2023004377A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gate
type
layer
base layer
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021106005A
Other languages
English (en)
Inventor
一郎 大村
Ichiro Omura
弘貴 大森
Hirotaka Omori
宏哉 江頭
Hiroya Egashira
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyushu Institute of Technology NUC
Original Assignee
Kyushu Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyushu Institute of Technology NUC filed Critical Kyushu Institute of Technology NUC
Priority to JP2021106005A priority Critical patent/JP2023004377A/ja
Publication of JP2023004377A publication Critical patent/JP2023004377A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】p型ベース層と高濃度n型層との接合部の電圧を抑え、耐ノイズ性の向上と導通抵抗の低減を図ることで、高性能な絶縁ゲートバイポーラトランジスタおよびゲートドライバ回路を提供する。【解決手段】IGBT100は、n型ベース層101の厚み方向の一方の面側に、コレクタ電極Cと導通するp型コレクタ層103が配置され、n型ベース層の厚み方向の他方の面に高濃度n型層104と、エミッタ電極Eに接続されたp型ベース層105およびn型ソース層106とが積層され、n型ベース層101に至る深さに形成されたトレンチ107の内面を覆う絶縁膜108の内部にゲート109が形成されている。ゲート109は、ゲート電極Gと接続された第1ゲート109aと、エミッタ電極Eの電位に固定された第2ゲート109bとを備えている。高濃度n型層104の不純物濃度は、第1ゲート109aの下端位置から深さ方向に向かうに従って濃度が高くなる。【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタおよびこれを駆動するゲートドライバ回路に関するものである。
絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下、IGBTと称することがある。)においては、ゲートが深さ方向に2つに分割されたものが、特許文献1に記載されたIGBTとして知られている。このようなIGBTを図8および図9に基づいて説明する。
図8に示す特許文献1に記載のIGBT1は、コレクタ電極10と、エミッタ電極11と、p+形コレクタ層12と、n-形ベース層13と、n形バリア層14と、p形ベース層15と、n+形エミッタ層16と、ゲート電極17と、第1フィールドプレート電極19とを備えている。
この従来のIGBT1における第1フィールドプレート電極19は、図示しない領域でエミッタ電極と電気的に接続され、エミッタ電極と同じ電位を有する。
n形バリア層14は、n形半導体層であり、n-形ベース層13のn形不純物濃度よりも高いn形不順物濃度を有し、その不純物総量は1×1012~1×1014cm-2程度である。
特開2019-12813号公報
富士電機株式会社,"富士IGBTモジュールApplication manual",[online],2020年12月,Rev.f,p.7-5,[令和3年6月29日検索],インターネット<URL:https://www.fujielectric.co.jp/products/semiconductor/model/igbt/application/box/doc/pdf/RH984e/RH984f_JP.pdf>
特許文献1に記載のIGBT1は、第1フィールドプレート電極19が、ゲート電極17に対してシールドとして機能するため、耐ノイズ性を高める遮蔽効果が得られる。
しかし、特許文献1に記載のIGBT1は、n形バリア層14(高濃度n型層)の不純物濃度が高濃度であり、p形ベース層15の不純物濃度を高濃度とすると、p形ベース層15とn形バリア層14とよるpn接合のジャンクション位置で電界が臨界電界を超えて高電界となってしまうため、破壊するおそれがある。
この電圧のピークは、図9(A)から同図(C)に示すように、一方のトレンチのゲート表面から他方のトレンチのゲート表面までの電界により導き出すことができる。なお、図9(A)においては、第1フィールドプレート電極は省略している。
まず、メサ幅Wmesaの中央位置におけるVcenterの電圧は、図9(C)に示す電界を示すグラフの面積Sxとなるため、式(1)から求められる。
但し、toxは酸化膜の厚み、Eoxは酸化膜中の電界、ESiはシリコン半導体層(n形バリア層14)の酸化膜との界面近傍の電界である。
Figure 2023004377000002
ここで、酸化膜中の電界Eoxは、次の式(2)から求められる。
但し、εSiはシリコン半導体層の誘電率、εoxは絶縁膜の誘電率である。
Figure 2023004377000003
そこで、上記式(1)の酸化膜中の電界Eoxに式(2)を代入すると、式(3)となる。
Figure 2023004377000004
シリコン半導体層の電界ESiは、次の式(4)から求められる。
但し、qは素電荷数、Nはn形バリア層14の不純物濃度である。
Figure 2023004377000005
そのため、式(4)を式(3)に代入すると、式(5)が得られる。
Figure 2023004377000006
この式(5)から電圧は、構造と濃度とから決定されることが判る。従って、n形バリア層の濃度を高濃度としてしまうと電界の面積Sxが広くなることが判る。その結果、高いNの値と、高いVcenterの値の双方の効果により、式(6)のようにP形ベース層15とn形バリア層14との間の電界ESi-jが上昇する。
Figure 2023004377000007
そのため、特許文献1に記載のIGBT1は、オン電圧が低くスイッチングロスを低減するためのものであるが、耐電圧を低減させてしまい、性能低下を招いてしまう。
そこで本発明は、p型ベース層と高濃度n型層との接合部の電圧を抑え、耐ノイズ性の向上と導通抵抗の低減を図ることで、高性能な絶縁ゲートバイポーラトランジスタおよびゲートドライバ回路を提供することを目的とする。
第1の発明の絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、n型ベース層と、前記n型ベース層の厚み方向の一方の面側に配置され、コレクタ電極と導通するp型コレクタ層と、前記n型ベース層の厚み方向の他方の面に積層され、不純物濃度の平均濃度が前記n型ベース層よりも高い高濃度n型層と、前記高濃度n型層に積層されたp型ベース層と、前記p型ベース層に積層されたn型ソース層と、前記p型ベース層および前記n型ソース層に接続されたエミッタ電極と、前記n型ソース層から前記n型ベース層に至る深さ方向に向かって形成されたトレンチの内面を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜の内部に形成されたゲートとを備え、前記ゲートは、ゲート電極と接続され、前記n型ソース層から前記高濃度n型層に至る深さ位置まで形成された第1ゲートと、前記第1ゲートより前記トレンチの深い位置に分離用絶縁膜を介して形成され、前記エミッタ電極の電位に固定された第2ゲートとを備え、前記絶縁膜は、前記第2ゲートに対応する位置の厚みがほぼ一定に形成され、前記高濃度n型層の不純物濃度は、前記第1ゲートの下端位置側よりも、前記第2ゲートの下端側の方が高くなる領域を有することを特徴とする。
第1の発明の絶縁ゲートバイポーラトランジスタによれば、第2ゲートに対応する位置の絶縁膜の厚みがほぼ一定に形成され、高濃度n型層の不純物濃度が、第1ゲートの下端位置側よりも、前記第2ゲートの下端側の方が高くなる領域を有している。そうすることで、p型ベース層と高濃度n型層との接合部におけるトレンチ間の電界は、高濃度n型層の下部より不純物濃度が低濃度である。従って、-qN/εに示される電界の傾きが緩やかになるので、接合部の電圧を抑えることができる。また、高濃度n型層の下部は高濃度にドープされているため、十分に電子を供給することができ、正孔の通過を抑止することができる。従って、導通抵抗を抑えることができる。更に、高濃度n型層の上部側が低濃度のため、第1ゲートと高濃度n型層の間の寄生容量も低減でき、ノイズによる誤動作を防止できる。
第1の発明においては、前記絶縁膜は、前記第1ゲート部分に対応する位置の上部絶縁膜の厚みが、前記第2ゲート部分に対応する位置の下部絶縁膜より薄く形成されたものとすることができる。
上部絶縁部の厚みが薄く形成されていることで、低いゲート電圧で十分な反転層の電子密度(電子層の電子の量が多い)が確保でき、チャンネル抵抗を低減し導通損失を低減することができる。
第2の発明の絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、n型ベース層と、前記n型ベース層の厚み方向の一方の面側に配置され、コレクタ電極と導通するp型コレクタ層と、前記n型ベース層の厚み方向の他方の面に積層され、不純物濃度の平均濃度が前記n型ベース層よりも高い高濃度n型層と、前記高濃度n型層に積層されたp型ベース層と、前記p型ベース層に積層されたn型ソース層と、前記p型ベース層および前記n型ソース層に接続されたエミッタ電極と、前記n型ソース層から前記n型ベース層に至る深さ方向に向かって形成されたトレンチの内面を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜の内部に形成されたゲートとを備え、前記ゲートは、ゲート電極と接続され、前記n型ソース層から前記高濃度n型層に至る深さ位置まで形成された第1ゲートと、前記第1ゲートより前記トレンチの深い位置に分離用絶縁膜を介して形成され、前記エミッタ電極の電位に固定された第2ゲートとを備え、前記絶縁膜は、前記第2ゲートに対応する位置の前記p型ベース層側が薄く、前記p型ベース層から離れた側の厚みが厚く形成され、前記高濃度n型層は、前記第1ゲートの下端位置から所定深さまでに、最も高い不純物濃度の領域が形成され、前記領域よりも前記第2ゲートの下端側における前記不純物の濃度が低くなることを特徴とする。
第2の発明の絶縁ゲートバイポーラトランジスタによれば、絶縁膜について、第2ゲートに対応する位置のp型ベース層側が薄く、p型ベース層から離れた側の厚みが厚く形成されている。また、高濃度n型層が、第1ゲートの下端位置から所定深さまでに、最も高い不純物濃度の領域が形成されている。そうすることで、p型ベース層と高濃度n型層との接合部におけるトレンチ間の電界は、高濃度n型層のp型ベース層側が高濃度になるが、絶縁膜が薄いため、絶縁膜中の電界の面積が狭いものとすることができるので、接合部が高電圧となることを抑えることができる。
また、高濃度n型層のn型ベース層側は、絶縁膜が厚いため、エミッタ電極に接続された第2ゲートへのリーク電流を抑えることができ、ゲート絶縁膜の高信頼化を図ることができる。
第2の発明においては、前記トレンチは、溝幅が一定に形成され、前記第2ゲートは、深さ方向に向かって前記トレンチの内壁面から離れる傾斜面が形成されることで、前記絶縁膜の厚みが深さ方向に向かうに従って厚く形成されたものとすることができる。そうすることで、トレンチの溝幅を一定としても、第2ゲートに対応する位置の絶縁膜のp型ベース層側を薄く、厚みが深さ方向に向かうに従って厚く形成することができる。
第1または第2の発明においては、前記トレンチ間の距離は、0.6μm以上、1.2μm以下に形成されたものとすることができる。トレンチ間の距離を1.2μm以下に接近させることにより、更に接合部の低電圧化を図ることができる。
本発明のゲートドライバ回路は、本発明の絶縁ゲートバイポーラトランジスタの前記ゲート電極にPWM信号が出力され、スイッチングが制御されるときに、ターンオン時またはターンオフ時に応じてゲート容量に対する電荷を制御する電荷制御回路を有することを特徴とする。
本発明のゲートドライバ回路によれば、PWM信号によるスイッチング時に、ゲート容量に対する電荷を制御する。そのため、ゲート容量の充放電の速度により動作特性が変化することが抑制できるので、スイッチング損失を抑制しつつ、サージ電圧を抑制することができる。
前記電荷制御回路は、ターンオンを示すPWM信号からコレクタ電流の立ち上がりの間のいずれかのタイミングから、コレクタ電流の立ち上がりのピーク前までにゲート電極に電荷を加える第1電荷パルス発生部と、ターンオフを示すPWM信号からコレクタ-エミッタ電圧の立ち上がりの間のいずれかのタイミングから、コレクタ-エミッタ電圧のピーク前までにゲート電極から電荷を引き出す第2電荷パルス発生部とを備えたものとすることができる。
ターンオン時の電荷を加えるタイミングを、ターンオンを示すPWM信号からコレクタ電流の立ち上がりの間のいずれかのタイミングとしたり、ターンオフ時の電荷を引き出すタイミングを、ターンオフを示すPWM信号からコレクタ-エミッタ電圧の立ち上がりの間のいずれかのタイミングとしたりすることで、スイッチング損失を抑制しつつ、サージ電圧を抑制するという効果を得ることができる。
特に、前記第1電荷パルス発生部は、コレクタ電流の立ち上がりから、コレクタ電流の立ち上がりのピーク前までにゲート電極に電荷を加え、前記第2電荷パルス発生部は、コレクタ-エミッタ電圧の立ち上がりから、コレクタ-エミッタ電圧のピーク前までにゲート電極から電荷を引き出すことにより、より効果的に、スイッチング損失の抑制およびサージ電圧の抑制を得ることができる。
前記電荷制御回路は、ターンオン時のコレクタ-エミッタ電圧のテール電圧が残った状態のときにゲート容量に対して電荷を加えることも可能である。
また、前記電荷制御回路は、前記PWM信号が示すターンオンを示すパルスとターンオフを示すパルスとを所定のタイミングまで遅延させる遅延部を備えたものとすることでも、スイッチング損失の抑制およびサージ電圧の抑制を得ることができる。
本発明によれば、高濃度n型層の不純物濃度を調整したり、絶縁膜の厚みを調整したりすることで、p型ベース層と高濃度n型層との接合部の電圧を抑え、耐ノイズ性の向上と導通抵抗の低減を図ることが可能である。
本発明の実施の形態1に係るIGBTの構成を説明するための図である。 図1に示すIGBTの高濃度n型層の不純物濃度(ドナー濃度)を説明するための図である。 図2に示す高濃度n型層の不純物濃度の例の図であり、(A)は酸化膜を0.2μmとしたときの濃度分布とメサ領域の図であり、(B)は酸化膜の厚みを0.1μmとしたときの濃度分布とメサ領域の図である。 図1に示すIGBTにおけるp型ベース層と高濃度n型層との接合部の電界を説明するための図であり、(A)は高濃度n型層の低濃度領域の電界を示す図、(B)は上部絶縁膜を薄く形成したときの電界を示す図、(C)はトレンチ間の距離を1μmとしたときの電界を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るIGBTの構成を説明するための図であり、高濃度n型層の不純物濃度(ドナー濃度)を説明するための図である。 (A)は図1に示すIGBTのメサ領域を説明するための図、(B)は高濃度n型層の不純物濃度(ドナー濃度)と接合部の電界およびメサ幅の関係を示すグラフである。 (A)は図5に示すIGBTのメサ領域を説明するための図、(B)は高濃度n型層の不純物濃度(ドナー濃度)と接合部の電界およびメサ幅の関係を示すグラフである。 特許文献1に記載の従来のIGBTの構成を示す図である。 図9に示す従来のIGBTを説明するための図であり、(A)はトレンチ間を示す模式図、(B)はトレンチ間の電位を示す図、(C)はトレンチ間の電界を示す図である。 (A)は非特許文献1に記載のゲートドライバ回路を説明するための図であり、(B)はゲート容量を説明するための図、(C)はサージ電圧とスイッチング損失の関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態3に係るゲートドライバ回路を説明するための図である。 図11に示すゲートドライバ回路の回路例を説明するための図である。 (A)はターンオン時の第1パルスのタイミングを示す図、(B)はターンオフ時の第2パルスのタイミングを示す図である。 図11に示すゲートドライバ回路の動作を説明するための図であり、(A)は第1-1パルスを発生したときのコレクタ電流を示す図、(B)は第1-1パルスおよび第1-2パルスを発生したときのコレクタ電流を示す図、(C)は第2パルスを発生したときのコレクタ電流を示す図である。 (A)はターンオン時のゲート電荷とコレクタ-エミッタ電圧の関係を示すグラフ、(B)はターンオフ時のゲート電荷とコレクタ-エミッタ電圧の関係を示すグラフである。 第2電荷パルス発生部の変形例を示す図である。
本発明の実施の形態に係る高電圧電力用半導体装置を図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態に係る高電圧電力用半導体装置は、一例である絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下、これをIGBTと略す。)を例に説明する。また、本明細書では、半導体層の深さ方向を下方、反対方向を上方として説明することがある。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1に係るIGBT100を図面に基づいて説明する。
図1に示すIGBT100は、n型ベース層101と、n型ベース層101の一方の面に形成されたn型バッファ層102と、n型バッファ層102に積層されたp型コレクタ層103と、コレクタ電極Cとを備えている。
また、IGBT100は、n型ベース層101の他方の面に形成された高濃度n型層104と、高濃度n型層104に積層されたp型ベース層105と、p型ベース層105に積層されたn型ソース層106と、エミッタ電極Eとを備えている。
更に、IGBT100は、n型ソース層106,p型ベース層105,高濃度n型層104およびn型ベース層101の深さ方向F1(厚み方向)に形成された複数のトレンチ107の内面の全域を覆う絶縁膜108と、絶縁膜108の内部に形成されたゲート109(第1ゲート109a,第2ゲート109b)を備えている。当然、トレンチ107の内面の全域を絶縁するように絶縁膜108を設けることが最も好ましい。しかし、場合によっては、デバイスの仕様や他の層等との関係で、トレンチ107の内面の全域ではなく、トレンチ107の内面の一部(より好ましくは、ごく一部)に絶縁膜108を非配置とした構成も取りうる。従って、絶縁膜108は、トレンチ107の内面のほぼ全域を覆うように形成されている。
n型ベース層101は、N型のシリコン基板から形成されたn-層である。n型ベース層101は、シリコン基板だけで形成することができるが、シリコン基板となるウエハにエピ層を形成したものとしてもよい。n型ベース層101の不純物濃度は、例えば、1×1014(atoms/cm)程度とすることができる。
n型バッファ層102は、n型ベース層101よりも不純物濃度(ドナー濃度)の高いn+層である。p型コレクタ層103は、n型バッファ層102の表面に一様に形成された高濃度のp+層である。
高濃度n型層104は、第1ゲート109aと第2ゲート109bの間のギャップを含む深さ方向F1(厚み方向)の範囲に形成されている。本実施の形態では、第1ゲート109aの下端から、第2ゲート109bに対応する位置に形成されている。
高濃度n型層104は、ギャップ部分における表面の不純物濃度の平均濃度がn型ベース層101よりも高いn+層である。
高濃度n型層104の不純物濃度は、第1ゲート109aの下端位置側よりも、第2ゲート109bの下端側の方が高くなる領域を有している。本実施の形態1では、高濃度n型層104の不純物濃度は、第1ゲート109aの下端位置から深さ方向F1に向かうに従って濃度が高くなるように形成されている。
具体的には、図2に示すように、第1ゲート109aの下端位置がn型ベース層101の不純物濃度より高く、深さ方向に向かうに従って更に不純物濃度が高くなり、第2ゲート109bの下部にてピークとなり、高濃度n型層104の下端に向けて不純物濃度が減少するように形成されている。
例えば、高濃度n型層104の濃度のピークは、図3(A)に示すように、第2ゲート109bに位置する絶縁膜108の厚みtoxを0.2μmとし、メサ幅を0.25μmとしたときには、上部領域が3×1016(atoms/cm)に形成され、深さ方向に向かって徐々に増え、深さ0.4μmの位置からの下部領域が5×1016(atoms/cm)に形成されている。そして、下端部にて濃度が減少するように形成されている。
また、高濃度n型層104の濃度は、図3(B)に示すように、第2ゲート109bに位置する絶縁膜108の厚みtoxを0.1μmとし、メサ幅を0.1μmとしたときには、上部領域が7×1016(atoms/cm)に形成され、深さ方向に向かって徐々に増え、深さ0.2μmの位置からの下部領域が1.1×1017(atoms/cm)に形成されている。そして、下端部にて濃度が減少するように形成されている。
このように、第2ゲート109bに位置する絶縁膜108の厚みtoxを0.1μmとし、メサ幅を0.1μmとすることで、不純物濃度を1×1017(atoms/cm)以上とすることができる。
図2に示すp型ベース層105は、エミッタ電極Eと接続され、隣り合うトレンチ107間に選択的に形成されている。p型ベース層105は、厚みであるチャネル長が0.5μm以下に形成されている。
n型ソース層106は、選択的に形成されたp型ベース層105の表面に積層された高濃度のn+層である。
トレンチ107は、深さ方向F1に形成された溝である。トレンチ107は、例えば、溝の領域を反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching;RIE)等の手法により形成することができる。トレンチ107同士の間隔(トレンチ107の中央位置同士の間隔)は、高濃度n型層104の濃度の調整に応じて設定することができるが、本実施の形態1では、トレンチ107間の距離が0.6μm以上、1.2μm以下に形成されている。
絶縁膜108は、例えば、シリコン酸化膜により形成することができる。絶縁膜108は、第1ゲート109a部分に対応する位置の上部絶縁膜108aの厚みが、第2ゲート109b部分に対応する位置の下部絶縁膜108bより薄く形成されている。
例えば、上部絶縁膜108aの厚みを33nm、下部絶縁膜108bを100nmとすることができる。下部絶縁膜108bにおいては、深さ方向F1に沿ったトレンチ107の厚みが、ほぼ一定に形成されている。製造工程の誤差や、あるいは意図的に、この上部絶縁膜108aの膜厚は、多少変化してもよい。ここで、一定とは、下部絶縁膜108bの平均膜厚の±10%の厚みである。また、ほぼ一定とは、平均膜厚の±10%の厚みより局所的にオーバーしても許容されることを示している。
ゲート109は、例えば、n型不純物がドープされたポリシリコンから形成することができる。電極材料の抵抗低減のためには、n型のポリシリコンを用いることができる。
ゲート109は、ゲート電極Gと接続された第1ゲート109aと、所定電位に固定され、第1ゲート109aよりトレンチ107の深い位置に分離用絶縁膜108cを介して形成された第2ゲート109bとを備えている。
第1ゲート109aには、ゲート電極Gと接続され、例えば、0V~5Vが印加される。第2ゲート109bは、例えば、図示しない接続によりエミッタ電極Eに接続されている。
第1ゲート109aは、第2ゲート109bより幅広に形成されている。そのため、溝幅が等幅のトレンチ107の内面に形成された絶縁膜108は、上述したように、上部絶縁膜108aの厚みが、下部絶縁膜108bより薄く形成される。
コレクタ電極Cは、p型コレクタ層103に形成され、第1電極として機能するものである。
エミッタ電極Eは、p型ベース層105およびn型ソース層106に接続されている。
ゲート電極Gは、チップ表面に形成されている。ゲート電極Gと、第1ゲート109aとは、第1ゲート109aにコンタクトしたプラグ電極(図示せず)と、プラグ電極上部の配線部とを介して、トレンチ構造の長手方向に引き出され、接続されている。
以上のように構成された本発明の実施の形態1に係るIGBT100の動作について、図面に基づいて説明する。
図1に示すゲート電極Gに正電圧が印加されると、p型ベース層105に反転層ができる。そうすると、N型MOSFETと同様に、n型ソース層106,p型ベース層105および高濃度n型層104を含むn型ベース層101とがオン状態となる。
N型MOSがオン状態になるとコレクタ電極Cが正電位であるため、コレクタ側のp型コレクタ層103からn型バッファ層102を経由してn型ベース層101に正孔(ホール)が注入される。この注入された正孔によりエミッタ電極E側からの電子の注入が加速される。
これにより、高抵抗層であったn型ベース層101における電子量および正孔量であるキャリア量が増加することで、n型ベース層101における抵抗値を下げる。
このとき、高濃度に不純物がドープされた高濃度n型層104が十分な電子を注入するため、p型コレクタ層103から十分な正孔を注入する。また、高濃度n型層104が正孔の通過を阻止するバリア層として機能する。従って、導通したときの電圧降下を抑えることができるため、導通抵抗を抑えることができる。
スイッチングの際に、ゲート109とコレクタ電極Cとの間の帰還容量により、変位電流がゲート109からゲート電極Gに流れる。ゲート電極Gと制御回路との間に接続された抵抗の電圧降下によりゲート電極Gの電圧が上昇して誤動作の原因になる。
本実施の形態1では、ゲート109が第1ゲート109aと第2ゲート109bとに分かれており、第2ゲート109bは、エミッタ電極Eに接続されている。従って、変位電流は第2ゲート109bに流れ、エミッタ電極Eに流れるため、第1ゲート109aに対する変位電流による影響を回避することができる。
また、絶縁膜108は、第2ゲート109aに対応する位置の厚みが一定に形成され、高濃度n型層104の不純物濃度が、第1ゲート109aの下端位置から深さ方向に向かうに従って濃度が高くなるように形成されている。そのため、図4(A)に示すように、p型ベース層105と高濃度n型層104との接合部におけるトレンチ107間の電界は、高濃度n型層104の下部より不純物濃度が低濃度であるため、図9(C)に示すグラフと比較して、qN/εに示される傾きが緩やかなので、絶縁膜中の電界も抑えることができる。
従って、図4(A)に示すグラフに囲まれた面積S1は、図9(C)に示すグラフの面積Sxより小さいものとすることができるので、接合部の電圧を抑えることができる。
また、高濃度n型層104の下部は高濃度にドープされているため、十分に電子を供給することができ、正孔の通過を抑止することができる。従って、p型ベース層105と高濃度n型層104との接合部の電圧を抑えつつ、導通抵抗を抑えることができる。更に、高濃度n型層104の上部側が低濃度のため、第1ゲート109aと高濃度n型層104の間の寄生容量も低減でき、ノイズによる誤動作を防止できる。
また、上部絶縁膜108aの厚みが、第2ゲート109b部分に対応する位置の下部絶縁膜108bより薄く形成されている。
従って、図4(B)に示すように、電界を示すグラフの傾きは変わらないが、絶縁膜中の電界の面積が狭くなるため、p型ベース層105と高濃度n型層104との接合部の電圧を抑えることができる。また、低いゲート電圧で十分な反転層の電子密度(電子層の電子の量が多い)が確保でき、チャンネル抵抗を低減し導通損失を低減することができる。
更に、トレンチ107同士の間隔が0.6μm以上、1.2μm以下に形成されている。そのため、トレンチ107同士の間隔が1.2μmより大きいものより、図4(C)に示すように、電界を示すグラフの傾斜部分の間隔が狭くなるので、グラフの面積S3を狭くすることができる。従って、トレンチ107同士の間隔(メサ領域の幅)を狭くすることでも、p型ベース層105と高濃度n型層104との接合部の電圧を抑えることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る高電圧電力用半導体装置を図面に基づいて説明する。なお、図5においては、図1と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図5に示すIGBT110は、第2ゲート119bに対応する位置の絶縁膜118の厚みが、p型ベース層105側が薄く、p型ベース層105から離れた側の厚みが厚く形成されている。本実施の形態2におけるp型ベース層105は、深さ方向F1に向かうに従って厚く形成されている。
また、高濃度n型層114は、第1ゲート109aの下端位置から所定深さまでに、最も高い不純物濃度の領域が形成され、この領域よりも第2ゲート109bの下端側における不純物の濃度が低くなるように形成されている。本実施の形態2における高濃度n型層114は、第1ゲート109aの下端位置から所定深さまでに、最も高い不純物濃度の領域が形成されている。
この高濃度n型層114の高濃度の領域は、1×1017(atoms/cm)以上とすることができる。
図5に示すIGBT110では、トレンチ107は、溝幅が一定に形成されている。そして、第2ゲート119bは、深さ方向F1に向かってトレンチ107の内壁面から離れる傾斜面119cが形成されることで、絶縁膜118の厚みが深さ方向に向かうに従って厚く形成されている。
このようにIGBT110が形成されていることで、第2ゲート119bに対応する位置の絶縁膜118(下部絶縁膜118b)の上部の厚みが最薄に形成される。そのため、高濃度n型層114が、第1ゲート109aの下端位置から最も高い不純物濃度の領域が形成されていても、図4(B)の電界を示すグラフと同様に、電圧を抑えることができる。従って、IGBT110は、耐電圧を向上させることができる。
例えば、図1に示すIGBT100では、図6(A)に示すように、第2ゲート109bに位置する絶縁膜108の厚みは一定である。このときの絶縁膜108の厚みtOXを0.2μmとする。そうすると、図6(B)に示すように、p型ベース層105と高濃度n型層104との接合部におけるPN接合破壊電界に従えば、不純物濃度は、2.5×1016(atoms/cm)が限界であり、メサ幅Wmesaの微細化も0.4μmが限界である。
図7(A)に示すように、高濃度n型層114の上端部となるp型ベース層105側に位置する絶縁膜118の厚みtOXを薄く0.1μmとし、下端部となるn型ベース層側に位置する絶縁膜118の厚みtOXを0.2μmとする。
そうした場合には、図7(B)に示すように、高濃度n型層114の不純物濃度を2倍(5×1016(atoms/cm))にできる。このように、高濃度にできるので、電子注入を促進して導通損失を低減できる。
また、同じ導通損失であっても、トレンチの深さを浅くできる(NDとN層の厚さの積が同じであればほぼ同じ性能)、例えば、p型ベース層105から下のトレンチ107を0.6-1.0μm程度にすることができる。
更に、エミッタ電極Eに接続された第2ゲート119bへのリーク電流を抑えることができ、ゲート絶縁膜の高信頼化が図れる。
また、第2ゲート119bの側面が深さ方向F1に沿った傾斜面119cに形成されているので、トレンチ107の溝幅を一定としても、第2ゲート119bに対応する位置の絶縁膜118の厚みが、p型ベース層105側を薄く、深さ方向F1に向かうに従って厚く形成することができる。
本実施の形態1,2では、トレンチ107にゲート電極Eに接続されたゲート109を設けることでトレンチゲートとしている。
しかし、トレンチにゲート(第1ゲートおよび第2ゲート)と同様の構造のダミーゲートを形成し、ダミーゲートをエミッタ電極に接続したダミートレンチを形成するようにしてもよい。
1200V以上の高耐圧IGBTの場合、エミッタ電極Eに接続されたダミーゲートを設けることで、電子注入を増加させる効果が得られる。
これは、エミッタ電極Eが部分的にしかp型ベース層105へのコンタクトを形成していないため、p型コレクタ層103から注入された正孔がp型ベース層105を介してエミッタ電極Eに流入する量が低減できる。また、正孔電流が減少するので電子注入量を増加させることができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係るゲートドライバ回路を図面に基づいて説明する。
本実施の形態3に係るゲートドライバ回路は、IGBTやMOS FETのゲートをPWMにより制御する際に用いられるものである。
まず、従来のゲートドライバ回路を非特許文献1に基づいて説明する。
非特許文献1では、図10(A)に示すように、基本的なゲートドライバ回路が図示されている。ゲートドライバ回路ではトーテムポール型の出力に直列にゲート抵抗Rが接続され、ゲート抵抗RがIGBTのゲート電極に接続されている。
このようなゲートドライバ回路では、高速動作時にはスイッチング損失が低減する反面、サージ電圧が増大し、故障や誤動作リスクが増大する。また、低速動作時にはサージ電圧が低減し、スイッチング損失が増大する反面、電力変換効率が低下する。
ゲート抵抗の抵抗値を調整しても、同様になるため、抵抗値の調整だけでは対応できない。
これは、図10(B)に示すように、IGBTのゲート容量(Cgc,Cge)の充放電の速度により動作特性が変化するためである。
そのため、ゲート抵抗Rによりスイッチング特性が変化し、図10(C)に示すように、スイッチング時の損失とサージ電圧とがトレードオフの関係となってしまうからである。
そこで、図11に示すように、本実施の形態3に係るゲートドライバ回路200では、PWM駆動回路210と、電荷制御回路220とを備えている。
PWM駆動回路210は、従来のゲートドライバ回路と同様である。PWM駆動回路210は、図示しないPWM制御回路からのPWM信号を増幅するPWM増幅回路211と、PWM増幅回路221の出力に直列接続された第1抵抗Rg1および第2抵抗Rg2とを備えている。
電荷制御回路220は、IGBT100のゲート電極GにPWM信号が出力され、スイッチングが制御させるときに、ターンオン時またはターンオフ時に応じてゲート容量に対する電荷を制御するものである。
電荷制御回路220は、PWM信号が示すターンオンを示すパルスとターンオフを示すパルスとを所定のタイミングまで遅延させる遅延回路221と、遅延回路221により遅延させたパルスのタイミングで、ターンオフ時にゲート電極Gから電荷を引き出し、ターンオン時にゲート電極Gに電荷を加える電荷パルス発生回路222とを備えている。
この電荷パルス発生回路222は、例えば、図12に示すような回路により構成することができる。
図12に示す電荷制御回路220は、遅延回路221がターンオン用の第1遅延部221aと、ターンオフ用の第2遅延部221bとを備えている。
また、電荷制御回路220は、電荷パルス発生回路222が、ターンオン用の第1電荷パルス発生部222aと、ターンオフ用の第2電荷パルス発生部222bとを備えている。
第1電荷パルス発生部222aは、ターンオンを示すPWM信号からコレクタ電流Icの立ち上がりの間のいずれかのタイミングから、コレクタ電流Icの立ち上がりのピーク前までにゲート電極に電荷を加えるものである。本実施の形態3では、第1電荷パルス発生部222aは、コレクタ電流Icの立ち上がり後からコレクタ電流の立ち上がりのピーク前までにゲート電極Gに電荷を加えている。
第1電荷パルス発生部222aは、第1遅延部221aにベースが接続されると共に、エミッタが接地され、コレクタに抵抗R1が接続されたトランジスタTr1と、トランジスタTr1と抵抗R1を介して接続され、トランジスタTr1に流れる電流に応じて電源Vccから電流を流し込み、電荷としてゲート電極Gに加える第1パルスを発生する、カレントミラー回路を構成する一対のトランジスタTr21,Tr22とを備えている。
また、第2電荷パルス発生部222bは、ターンオフを示すPWM信号からコレクタ-エミッタ電圧VCEの立ち上がりの間のいずれかのタイミングから、コレクタ-エミッタ電圧VCEのピーク前までにゲート電極Gから電荷を引き出すものである。本実施の形態3では、コレクタ-エミッタ電圧VCEの立ち上がり後、コレクタ-エミッタ電圧VCEのピーク前までにゲート電極から電荷を引き出している。
第2電荷パルス発生部222bは、第2遅延部221bにベースが接続されると共に、エミッタが接地され、コレクタに分割抵抗Rxが接続されることでレベルシフターとして機能するトランジスタTr3と、分割抵抗Rxにベースが接続されると共に、エミッタが電源Vccに接続されたトランジスタTr4と、トランジスタTr4のコレクタに抵抗R2を介して接続され、トランジスタTr4からの流れ込み応じた電流を電荷としてゲート電極Gから引き込む第2パルスを発生する、カレントミラー回路を構成する一対のトランジスタTr51,Tr52とを備えている。
なお、Vccは一般的には、ゲート駆動電圧と同一としている。例えば、ゲート駆動電圧が0V-5Vの場合、Vccは5V,GNDは0Vとしている。IGBT100のゲート閾値が高く、5Vまでの電圧差が十分に確保できない場合や、ターンオン時の第1パルスの電流値を大きくとり、パルス幅を小さくするなどの場合には、10Vなどゲート駆動電圧より高いVccを選択してもよい。同様にゲート閾値が低い場合や、ターンオフ時にゲート容量から引き抜く電流を大きくとりパルス幅を短くしたい場合には、GNDをマイナス5Vなど負電圧にしてもよい。なお、同等の機能を、電圧・電流変換回路で実現してもよい。
以上のように構成された本発明の実施の形態3に係るゲートドライバ回路200の動作を図面に基づいて説明する。
まず、IGBT100のターンオン時およびターンオフ時のコレクタ電流Iとコレクタ-エミッタ間電圧VCEと各変化時間を測定する。そして、測定された各時間に基づいて遅延回路221の時間設定を行う。
例えば、図13(A)に示すように、ターンオン時にて、PWM信号の立ち上がり時間から、コレクタ電流Icが立ち上がるまでの時間を、遅延時間とするように、第1遅延部221aに設定される。
そして、コレクタ電流Iの立ち上がりから、コレクタ電流Iのピークとなるオーバシュートに入る前までの任意の時間をパルス幅とする第1-1パルスを発生するように、第1遅延部221aに設定される。
また、PWM信号の立ち上がり時間から、コレクタ電流Iが一定となり、コレクタ-エミッタ間電圧VCEが立ち下がってテール電圧が残る時間を、遅延時間とするように、第1遅延部221aに設定される。
そして、このコレクタ-エミッタ間電圧VCEのテール電圧が残った状態で任意の時間をパルス幅とする第1-2パルスを発生するように、第1遅延部221aに設定される。
この場合、電荷制御回路220による電荷制御が行われるとコレクタ電流Iおよびコレクタ-エミッタ間電圧VCEの波形が変化するので、電荷制御回路220からIGBT100への第1パルスによる影響を加味しながら、遅延時間およびパルス幅が調整される。
図13(B)に示すように、ターンオフ時にて、PWM信号の立ち下がり時間から、コレクタ-エミッタ間電圧VCEが立ち上がるまでの時間を、遅延時間とするように、第2遅延部221bに設定される。
また、コレクタ-エミッタ間電圧VCEが立ち上がりから、コレクタ-エミッタ間電圧VCEのピークとなるオーバシュートに入る前までの任意の時間をパルス幅とする第2パルスを発生するように、第2遅延部221bに設定される。
なお、パルス幅を決定する上記任意の時間は、ゲートドライバ回路200を動作させて、最小幅から最大幅まで調整するようにしてもよい。
ターンオフの場合もターンオン時と同様に、電荷制御回路220による電荷制御が行われるとコレクタ電流Iおよびコレクタ-エミッタ間電圧VCEの波形が変化するので、電荷制御回路220からIGBT100への第2パルスによる影響を加味しながら、遅延時間およびパルス幅が調整される。
図12に示すように、このように設定された第1遅延部221aおよび第2遅延部221bは、PWM信号が入力されると、ターンオンまたはターンオフを検出する。
ターンオンを検出した第1遅延部221aは、PWM信号が立ち上がるターンオンから遅延させて第1パルスを発生させる。
第1パルスが入力された第1電荷パルス発生部222aは、トランジスタTr1をオンとする。トランジスタTr1がオンとなると、抵抗R1を介してトランジスタTr21がオンとなる。そうすることでトランジスタTr21に流れる電流に応じて、カレントミラー回路を構成するトランジスタTr22がオンとなる。即ち、抵抗R1に流れる電流と同じ値の電流がゲート回路に流れ込む。
このときトランジスタTr52はオフであるため、トランジスタTr22から電流を流し込むことで、IGBT100のゲート電極Gに向かって、第1パルス幅の期間(ミラー期間)に電荷を加える。そうすることで、ゲート容量にすばやく電荷を加えることができる。
この電荷は、図14(A)に示す第1-1パルスによる電荷ΔQ、第1-2パルスによる電荷ΔQは、パルス幅×電圧Vcc/R1となる。または、図14(B)に示す2つの第1パルス(第1-1パルスおよび第1-2パルス)を一緒に生成するようにしてもよい。また、コレクタ-エミッタ電圧VCEが残っていれば、第1-2パルスを長いパルスとしてもよいし、複数回生成するようにしてもよい。
図13に示す方法では、IGBTの動作条件により遅延時間やパルス幅の変更が求められる場合がある。例えば、第1-1パルスと共に、第1-2パルスを生成する場合には、第1-1パルスの幅が長いと、第1-2パルスへの遅延時間は変化する。
図15(A)に示されるゲート電荷Qとゲート―エミッタ間電圧VGEのグラフから、発生パルスの条件である、パルス遅延とパルスタイミングとを決定するとよい。
このグラフは一般に抵抗負荷条件で取得される、L負荷ダブルパルス試験条件で取得すればより正確である。
即ち、ゲート電荷Qに対してゲート―エミッタ間電圧VGEが一旦、平坦(一定)になるが、第1-1パルスは、平坦部分に含まれる範囲とし、平坦部分を超えないように、第1-1パルスを終了することで、図14(A)に示すように、サージ電流や振動を防止しつつ、ターンオン時の電流上昇期間を短縮することで、スイッチング損失を低減することができる。
ゲート―エミッタ間電圧VGEが平坦になる部分までの電荷量は、図15(A)に示す矢印A、Bのように、電流やDC電圧の条件によって変化する。このため、特に大電流での損失低減を重視する場合は、矢印Bのように電荷量を設定する。すなわち第1-1パルスが終了した時点でのゲート電荷量(図14(A)に示されるハッチング部分のパルス終了時点までの面積)が、矢印B(図15(A)参照)に一致するように設定する。この場合、スイッチング期間が短縮されスイッチング損失が低減されるうえ、大電流部分でのサージ電流やノイズは抑制される。
しかし、電流が少ない場合やDC電圧が低下した場合には、第1-1パルス終了時に平坦になる部分を超えノイズが発生する(損失とノイズは減少するが、低電流動作でノイズが発生する。)。
一方、第1-1パルスが終了する時点での電荷量を矢印Aのように設定すると、全ての条件でサージの抑制が図れるが、大電流でのスイッチング損失低減の割合が減少する。
第1-1パルスのΔQ電荷量の最大値は損失低減を優先させるときには、最大電流、最大電圧に対応するグラフを用いることができるが、図15に示すグラフを用いる場合には矢印Bとすることができる。
また、ノイズ抑制を優先させるときには、最小電流、最小電圧に対応するグラフを用いることができるが、図15に示すグラフを用いる場合には、矢印Aの値とすることができる。
そして、カレントミラー回路における抵抗R1(図12参照)とパルス幅を決定する。また、第1遅延部221aによる遅延時間を長くするに従ってΔQを小さくする。抵抗Rg1、Rg2の抵抗値の和と、抵抗R1の抵抗値との比率は5倍以上(Rg1+Rg2>R1×5)であることが望ましい。
これは、抵抗Rg1,Rg2はノイズ抑制の面から大きい値が望まれ、抵抗R1はスイッチング損失低減のため、小さい値が求められるためである。
このように電荷を加えることで、図14(A)のようにコレクタ-エミッタ間電圧VCEを示す波形およびコレクタ電流Iを示す波形となる。このとき、ゲート電荷Qとゲート-エミッタ電圧VGEの関係は、図15(A)に示すグラフのようになる。
図15(A)に示すグラフでは、電圧が低い条件下で、VGE=0Vからゲート回路が動作を始めて、ミラー期間が終わるまでのゲートに流入する電荷量が、矢印Aにて示されている。また、電圧が高い条件下で、VGE=0Vからゲート回路が動作を始めて、ミラー期間が終わるまでのゲートに流入する電荷量が、矢印Bにて示している。
このグラフからも判るように、従来のIGBTと比較して、IGBT100は動作条件によってゲート電荷の値の変化が小さく、ΔQの量とタイミングが変化しない。
これは、スイッチングに伴うn型ベース層101(図1,図5参照)上部の電界の上昇・下降に伴った変位電流は第2ゲート109bに流入し、n型ベース層101から見て第2ゲート109b,119bの「奥」に配置されている第1ゲート109aには、変位電流は流入しないからである(Vcenterの電圧はn型ベース層101の電界に依存しないため、第1ゲート109aにn型ベース層101の電界の変化が伝わらない。)。その結果、動作状態によるゲート電荷量の変化は少ないものとなる。
次に、図13(B)に示すように、PWM信号からターンオフを検出したときに、第2遅延部221b(図12参照)は、PWM信号が立ち下がるターンオフから遅延させて第2パルスを発生させる。
第2パルスが入力された第2電荷パルス発生部222bは、トランジスタTr3をオンとする。トランジスタTr3がオンとなると、分割抵抗RxによりトランジスタTr4がオンとなる。
そうすることで、抵抗R2を介してトランジスタTr51に流れる電流に応じて、カレントミラー回路を構成するトランジスタTr52に電流が流れ、抵抗Rgを介してゲート電流Igを引き込むことで、IGBT100のゲート電極Gから第2パルス幅の期間(ミラー期間)に電荷を引き出す。そうすることで、ゲート容量からすばやく電荷を引き出すことができる。
ターンオフの場合も、図15(B)に示されるゲート電荷Qとゲート―エミッタ間電圧VGEのグラフから、パルス遅延とパルスタイミングとを決定するとよい。
図15(B)のグラフ上の曲線においても、一般に抵抗負荷条件で取得されるが、L負荷ダブルパルス試験条件で取得すればより正確である。
第2パルスの終了時点でのゲートからの排出電荷量(図14(C)に示すIのグラスの左端から第2パルスの終了時までのハッチング部分を示すIの時間積分による面積)が、図15(B)の矢印Bの値(矢印Bの両端でのQのそれぞれの値の差)とすることで広い範囲でターンオフ損失(スイッチング損失)を低減できる。
その一方で電圧が低い場合などにノイズが発生する場合がある。そこでノイズ発生抑制効果を高める場合は、図15(B)に示す矢印Aに相当するゲート電荷Qの電荷量を、図14図(C)に示す第2パルスによる部分を含むハッチング部分の面積)と一致させるとよい。
このように、予め第2パルスを発生させ、電荷量を固定する方法の場合には、事前に図15(B)に基づいて、第2パルス発生の遅延やパルスの時間を決めることができる。
しかし、動作条件によって最適条件が変化する場合、効果が限定的になる。一方で予め遅延やパルス幅を決めることで、電流センサ、電圧センサ、温度センサやそれらのデータに基づいて、パルスの遅延や幅を変化させる手段が不要になりゲート制御は容易になる。
第2パルスのΔQの電荷量の最大値は、損失低減を優先させる場合、最大電流、最大電圧に対応するグラフを用いることができるが、図15(B)に示す矢印Bとすることができる。
また、ノイズ抑制を優先させる場合は、最小電流、最小電圧に対応するグラフを用いることができるが、図15に示すグラフを用いる場合には、矢印Aの値とすることができる。
そして、カレントミラー回路の抵抗R2とパルス幅を決定する。第2遅延部221bによる遅延時間を長くするに従ってΔQを小さくする。また抵抗Rg1、Rg2の和と抵抗R2の比率は5倍以上((Rg1+Rg2>R1×5)であることが望ましい。これは抵抗Rg1,Rg2はノイズ抑制の面から大きい値が望まれ、抵抗R2はスイッチング損失低減のため、小さい値が求められるからである。
図15(B)に示すグラフでは、高電流、低電圧条件下で、電流が減少し始めるまでにゲート電極から流れ出す電荷量が、矢印Aにて示されている。また、低電流、高電圧条件下で、電流が減少し始めるまでにゲート電極から流れ出す電荷量が、矢印Bにて示されている。
本実施の形態に係るIGBT100を用いる動作条件によってゲート電荷の値の変化が小さく、ΔQの量とタイミングが変化しないようにすることができる。
このように、ゲートドライバ回路200は、スイッチング時のスイッチング損失やサージ電圧に大きな影響を与えるゲート容量に、ターンオン時に電荷を加えたり、ターンオフ時に電荷を引き出したりすることができる。従って、ゲートドライバ回路200は、スイッチング損失を低減させつつ、サージ電圧も低減させることが可能である。
よって、ゲートドライバ回路200は、遅延時間、パルス時間、抵抗R1,R2などを、IGBTの動作状態に伴って変化させるなどの制御が必要ない。このため、本ゲート駆動回路と、提案するIGBTの組み合わせることで、電流、電圧、温度等のセンサの設置や、信号の伝達、信号処理等の手段を必要とせず、安価で損失低減が可能である。
なお、本実施の形態3では、第1電荷パルス発生部222aは、コレクタ電流Icの立ち上がりからゲート電極Gに電荷を加え、第2電荷パルス発生部222bは、コレクタ-エミッタ電圧VCEの立ち上がりからゲート電極Gから電荷を引き出していた。
しかし、第1電荷パルス発生部222aは、ターンオンを示すPWM信号からコレクタ電流Icの立ち上がりの間のいずれかのタイミングから、また、第2電荷パルス発生部222bは、ターンオフを示すPWM信号からコレクタ-エミッタ電圧VCEの立ち上がりの間のいずれかのタイミングから、電荷を制御するようにしてもよい。
こうすることにより、スイッチング損失の低減とともに、PWM信号の変化からスイッチング終了までの時間の短縮が可能であり、このため、より正確な出力波形を得ることが可能となり、最短スイッチングパルス幅を短くできるためインバータ等の変調率を上げることにより、装置の出力を増大させることができる。また、引き抜く電荷量を図15より直接求めることができるため、電荷制御が容易になる。
図12に示すゲートドライバ回路200では、第2電荷パルス発生部222bからの第2パルスは、第2遅延部221bからのパルス幅で決定されるが、図16に示す第2電荷パルス発生部222cでは、抵抗R2とトランジスタTr51のコレクタとの間にコンデンサC1を接続し、抵抗R2と、トランジスタTr51,Tr52のベースとの間に抵抗R3を接続する。なお、抵抗R3は、コンデンサC2の放電用に大きな抵抗値とする。
このような第2電荷パルス発生部222cとすることで、第2遅延部221bからトリガとしての第2パルスを発生させれば、パルス幅を制御しなくても、コンデンサC2に蓄積した電荷を放電することで常に一定の電荷量のパルスを発生することができる。
なお、本実施の形態3に係るゲートドライバ回路200では、本発明に係るIGBTを例に説明したが、本発明は絶縁ゲート制御型素子であれば適用することができ、従来のIGBTなどにも適用可能である。
本発明のIGBTは、トレンチゲート型のIGBTに好適であり、本発明のゲートドライバ回路は、ゲート電極にて導通制御される素子の駆動回路として好適であり、本発明のIGBTの駆動回路として最適である。
100,110 IGBT
101 n型ベース層
102 n型バッファ層
103 p型コレクタ層
104,114 高濃度n型層
105 p型ベース層
106 n型ソース層
107 トレンチ
108,118 絶縁膜
108a 上部絶縁膜
108b,118b 下部絶縁膜
108c 分離用絶縁膜
109 ゲート
109a 第1ゲート
109b,119b 第2ゲート
119c 傾斜面
C コレクタ電極
G ゲート電極
E エミッタ電極
F1 深さ方向
S1,S2,S3,Sx 面積
200 ゲートドライバ回路
210 PWM駆動回路
211 PWM増幅回路
220 電荷制御回路
221 遅延回路
221a 第1遅延部
221b 第2遅延部
222 電荷パルス発生回路
222a 第1電荷パルス発生部
222b,222c 第2電荷パルス発生部
ゲート抵抗
g1 第1抵抗
g2 第2抵抗
R1,R2 抵抗
Tr1,Tr21,Tr22,Tr3,Tr4,Tr51,Tr52 トランジスタ
Vcc 電源

Claims (10)

  1. n型ベース層と、
    前記n型ベース層の厚み方向の一方の面側に配置され、コレクタ電極と導通するp型コレクタ層と、
    前記n型ベース層の厚み方向の他方の面に積層され、不純物濃度の平均濃度が前記n型ベース層よりも高い高濃度n型層と、
    前記高濃度n型層に積層されたp型ベース層と、
    前記p型ベース層に積層されたn型ソース層と、
    前記p型ベース層および前記n型ソース層に接続されたエミッタ電極と、
    前記n型ソース層から前記n型ベース層に至る深さ方向に向かって形成されたトレンチの内面を覆う絶縁膜と、
    前記絶縁膜の内部に形成されたゲートとを備え、
    前記ゲートは、ゲート電極と接続され、前記n型ソース層から前記高濃度n型層に至る深さ位置まで形成された第1ゲートと、前記第1ゲートより前記トレンチの深い位置に分離用絶縁膜を介して形成され、前記エミッタ電極の電位に固定された第2ゲートとを備え、
    前記絶縁膜は、前記第2ゲートに対応する位置の厚みがほぼ一定に形成され、
    前記高濃度n型層の不純物濃度は、前記第1ゲートの下端位置側よりも、前記第2ゲートの下端側の方が高くなる領域を有する絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。
  2. 前記絶縁膜は、前記第1ゲート部分に対応する位置の上部絶縁膜の厚みが、前記第2ゲート部分に対応する位置の下部絶縁膜より薄く形成された請求項1記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。
  3. n型ベース層と、
    前記n型ベース層の厚み方向の一方の面側に配置され、コレクタ電極と導通するp型コレクタ層と、
    前記n型ベース層の厚み方向の他方の面に積層され、不純物濃度の平均濃度が前記n型ベース層よりも高い高濃度n型層と、
    前記高濃度n型層に積層されたp型ベース層と、
    前記p型ベース層に積層されたn型ソース層と、
    前記p型ベース層および前記n型ソース層に接続されたエミッタ電極と、
    前記n型ソース層から前記n型ベース層に至る深さ方向に向かって形成されたトレンチの内面を覆う絶縁膜と、
    前記絶縁膜の内部に形成されたゲートとを備え、
    前記ゲートは、ゲート電極と接続され、前記n型ソース層から前記高濃度n型層に至る深さ位置まで形成された第1ゲートと、前記第1ゲートより前記トレンチの深い位置に分離用絶縁膜を介して形成され、前記エミッタ電極の電位に固定された第2ゲートとを備え、
    前記絶縁膜は、前記第2ゲートに対応する位置の前記p型ベース層側が薄く、前記p型ベース層から離れた側の厚みが厚く形成され、
    前記高濃度n型層は、前記第1ゲートの下端位置から所定深さまでに、最も高い不純物濃度の領域が形成され、前記領域よりも前記第2ゲートの下端側における前記不純物の濃度が低くなる絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。
  4. 前記トレンチは、溝幅が一定に形成され、
    前記第2ゲートは、深さ方向に向かって前記トレンチの内壁面から離れる傾斜面が形成されることで、前記絶縁膜の厚みが深さ方向に向かうに従って厚く形成された請求項3記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。
  5. 前記トレンチ間の距離は、0.6μm以上、1.2μm以下に形成された請求項1から4のいずれかの項に記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。
  6. 前記請求項1から5のいずれかの項に記載の絶縁ゲートバイポーラトランジスタの前記ゲート電極にPWM信号が出力され、スイッチングが制御されるときに、ターンオン時またはターンオフ時に応じてゲート容量に対する電荷を制御する電荷制御回路を有するゲートドライバ回路。
  7. 前記電荷制御回路は、ターンオンを示すPWM信号からコレクタ電流の立ち上がりの間のいずれかのタイミングから、コレクタ電流の立ち上がりのピーク前までにゲート電極に電荷を加える第1電荷パルス発生部と、ターンオフを示すPWM信号からコレクタ-エミッタ電圧の立ち上がりの間のいずれかのタイミングから、コレクタ-エミッタ電圧のピーク前までにゲート電極から電荷を引き出す第2電荷パルス発生部とを備えた請求項6記載のゲートドライバ回路。
  8. 前記第1電荷パルス発生部は、コレクタ電流の立ち上がりから、コレクタ電流の立ち上がりのピーク前までにゲート電極に電荷を加え、
    前記第2電荷パルス発生部は、コレクタ-エミッタ電圧の立ち上がりから、コレクタ-エミッタ電圧のピーク前までにゲート電極から電荷を引き出す請求項7記載のゲートドライバ回路。
  9. 前記電荷制御回路は、ターンオン時のコレクタ-エミッタ電圧のテール電圧が残った状態のときにゲート容量に対して電荷を加える請求項6から8のいずれかの項に記載のゲートドライバ回路。
  10. 前記電荷制御回路は、前記PWM信号が示すターンオンを示すパルスとターンオフを示すパルスとを所定のタイミングまで遅延させる遅延部を備えた請求項7から9のいずれかの項に記載のゲートドライバ回路。
JP2021106005A 2021-06-25 2021-06-25 絶縁ゲートバイポーラトランジスタおよびゲートドライバ回路 Pending JP2023004377A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021106005A JP2023004377A (ja) 2021-06-25 2021-06-25 絶縁ゲートバイポーラトランジスタおよびゲートドライバ回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021106005A JP2023004377A (ja) 2021-06-25 2021-06-25 絶縁ゲートバイポーラトランジスタおよびゲートドライバ回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023004377A true JP2023004377A (ja) 2023-01-17

Family

ID=85100785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021106005A Pending JP2023004377A (ja) 2021-06-25 2021-06-25 絶縁ゲートバイポーラトランジスタおよびゲートドライバ回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023004377A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7075168B2 (en) Semiconductor device
US8809903B2 (en) Semiconductor device and power conversion apparatus using the same
US10192978B2 (en) Semiconductor apparatus
JP5779025B2 (ja) 半導体装置
JP4602465B2 (ja) 半導体装置
JP5499915B2 (ja) 高耐圧半導体装置
US9412732B2 (en) Semiconductor device
JP5631752B2 (ja) 半導体装置および電力変換装置
JP2006245477A (ja) 半導体装置
JP2004296831A (ja) 半導体装置
JP5293831B2 (ja) 高耐圧半導体装置および駆動回路
JP6340841B2 (ja) 絶縁ゲート型デバイスの駆動回路
JP2018129350A (ja) 半導体装置の制御装置、及び半導体装置とその半導体装置を制御する制御装置を含むシステム
JP2008153389A (ja) 半導体装置
JP6187697B2 (ja) 半導体装置
JP6182875B2 (ja) 半導体装置及びその駆動方法
JP2023004377A (ja) 絶縁ゲートバイポーラトランジスタおよびゲートドライバ回路
JP5195547B2 (ja) 半導体装置
US11764209B2 (en) Power semiconductor device with forced carrier extraction and method of manufacture
JP4945948B2 (ja) 半導体装置
JP2007295543A (ja) スイッチング回路
JP2004281527A (ja) 半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20240614

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20240614