JP2023003771A - ウイルス試料の濃縮方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い濃縮率で迅速にウイルス試料を濃縮することができるウイルス試料の濃縮方法を提供する。【解決手段】疎水基を有するポリマーから成る固相10にウイルスを含む液体30を流すことによって固相10にウイルス40を保持させ、その後、有機溶媒70によって固相10からウイルス40を溶出させる。【選択図】図2

Description

本発明は、ウイルスを含む試料を濃縮する方法に関する。
人の尿・糞便を含む下水中のウイルス濃度を測定することで、感染症の発生動向を把握しようとする下水疫学という学問分野がある。下水疫学による成果は、ノロウイルスやポリオウイルスによる感染対策において多数報告されており、更には近年感染拡大が深刻化している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についても応用可能と考えられている。
試料中のウイルスは、該ウイルスに特異的なプライマーを使ったポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction:PCR)又は逆転写PCR(reverse transcription PCR:RT-PCR)等の核酸増幅法によって検出される。但し、下水中のウイルス濃度は一般的に低く、核酸増幅法の検出限界を下回る場合が多いため、事前にウイルスを含む試料の濃縮を行う必要がある。
従来、ウイルス試料の濃縮手法としては、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol:PEG)の添加による濃縮沈殿方法(いわゆるPEG沈殿法)が知られている。例えば、非特許文献1には、PEG沈殿法によって下水試料中のウイルス濃度を高くすることが記載されている。
また、近年では、固相抽出法を利用したウイルス試料の濃縮方法も提案されている。固相抽出法とは、液中の標的物質を固相と相互作用させることによって選択的に単離又は濃縮する手法である。例えば、特許文献1には、陰イオン交換能を有する固相を充填したカラムに、ウイルスを含む水を通水することによって該担体にウイルスを吸着させ、その後、該カラムにアルカリ液(pH9以上の緩衝液)を流してウイルスを溶出させることで当該ウイルス試料を濃縮できることが記載されている。
特開2004-129548号公報
しかしながら、感染症の流行初期又は収束期には感染者数が少ないため、必然的に下水中に排出されるウイルス量も少なくなる。そのため、こうした時期における感染状況を鋭敏に捉えるためには、より高い濃縮率でウイルス試料を濃縮可能な手法が必要となる。また、下水疫学を感染拡大対策に活用するためには、感染状況を示す結果を迅速に得る必要があるため、より短時間でウイルス試料を濃縮することのできる手法が求められてきた。
本発明は上記の点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、高い濃縮率で迅速にウイルス試料を濃縮することができるウイルス試料の濃縮方法を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明に係るウイルス試料の濃縮方法は、
疎水基を有するポリマーから成る固相にウイルスを含む液体を接触させることによって前記固相に前記ウイルスを保持させ、その後、前記ウイルスを保持した前記固相に有機溶媒を接触させることによって、前記固相から前記ウイルスを溶出させることを含むものである。
上記本発明に係るウイルス試料の濃縮方法によれば、高い濃縮率で迅速にウイルス試料を濃縮することが可能となる。
本発明の一実施形態における固相へのウイルス吸着工程を示す模式図。 同実施形態におけるウイルス溶出工程を示す模式図。 同実施形態における窒素吹き付け工程を示す模式図。 本発明の実施例におけるN1遺伝子の定量結果を示すグラフ。
本実施形態に係るウイルス試料の濃縮方法(以下「本実施形態の方法」とよぶ)は、固相抽出法を利用して液体試料中のウイルス濃度を高めるものである。本実施形態の方法では、ウイルスを吸着させるための固相として疎水基を有するポリマーから成る固相を使用する。このような固相としては、例えば、HLB固相(hydrophilic lipophilic balanced solid phase)を好適に用いることができるが、これに限定されるものではない。また、本実施形態の方法では、固相に吸着されたウイルスを溶出するための溶媒(以下、「溶出用溶媒」とよぶ)として、有機溶媒を使用する。有機溶媒としては、例えば、メタノール又はエタノールなどのアルコール溶媒を好適に用いることができるが、本発明における有機溶媒は、これに限定されるものではない。なお、本実施形態の方法で対象とするウイルスは、例えば新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)等のコロナウイルス又はインフルエンザウイルス等のエンベロープウイルスが挙げられるが、これに限定されるものではなく、例えば、ノロウイルス又はポリオウイルス等のノンエンベロープウイルスを含む試料の濃縮に本実施形態の方法を適用することもできる。また、本実施形態の方法における「ウイルスを含む液体」は、典型的には下水であるが、これに限定されるものではなく、例えば河川水、海水、又はヒトから採取した体液等を含む液体等であってもよい。
以下、本実施形態の方法における標準的なウイルス濃縮処理の手順について、図1~図3を参照しつつ説明する。
(1)固相へのウイルス吸着
まず、疎水基を有するポリマーから成る固相10を充填したカートリッジ20にコンディショニング用の液体(例えば、メタノール及び純水)を流すことにより、固相10を活性化させておく。なお、固相10に液体を流す方法としては、シリンジ等を利用した加圧方式、吸引マニホールド及び真空ポンプを用いた吸引方式、遠心分離方式、又は自然落下方式などがある。本実施形態の方法では、いずれの方式を用いてもよいが、短時間で通水でき、且つ試料汚染のおそれが少ない吸引方式を採用することが望ましい。その後、所定の場所から採取した下水試料30をカートリッジ20に通水する(図1)。これにより、下水試料30中のウイルス40が、疎水基を有するポリマーから成る固相10に吸着される。一方、下水試料30中の夾雑物50の一部は、固相10に吸着されることなくカートリッジ20から流出する。夾雑物50は粉体や微粒子であり、このような夾雑物50は、後述するPCR等によるウイルス検出を阻害する可能性がある。本実施形態の方法では、固相10にウイルス40を吸着させる過程(及び後述の、固相10からウイルス40を溶出させる過程)において、夾雑物50をウイルス40から分離することができるため、最終的なウイルス検出精度の向上も期待できる。なお、下水試料30は、カートリッジ20に流す前に、予め、遠心分離又はろ過を行って比較的比重又はサイズの大きい夾雑物を除去しておくことが望ましい。
(2)固相からのウイルス溶出
続いて、夾雑物は溶出させるが、ウイルス40は溶出させない溶媒(例えば、純水)を通水して固相中の夾雑物を洗い流し、その後、カートリッジ20に有機溶媒70を流すことによって、固相10に吸着されているウイルス40を溶出させて所定の回収容器80に回収する(図2)。この工程で使用する有機溶媒70の量は、上記(1)の工程でカートリッジ20に流した下水試料30よりも少量(例えば、下水試料30の1/100~1/20程度の量)とする。これにより、カートリッジ20からの溶出液90は、下水試料30よりも高い濃度でウイルス40を含んだものとなる。なお、この工程において有機溶媒によって溶出されなかった夾雑物50は、固相10に吸着されたままカートリッジ20内に残留する。なお、ウイルスをアルコール等の有機溶媒と反応させた場合、ウイルスが破壊されることが知られている。しかし、本発明者は、鋭意研究の結果、本実施形態の方法のように、固相10に吸着されたウイルス40を有機溶媒70によって溶出させた場合であっても、後述するPCR等によるウイルス検出に必要なウイルス核酸(DNA又はRNA)までは破壊することなく溶出できることを発見した。また上記一連の、固相10からのウイルス溶出処理において、処理中の一部のウイルス40が有機溶媒70によって無毒化されることが期待され、実施者のウイルス感染リスクを低減することができる。
(3)窒素の吹き付け
以上で得られた溶出液90に窒素ガスを吹き付けることによって、溶出液90中の有機溶媒の一部を蒸発させる。これにより、溶出液90中のウイルス40の濃度を更に高めることができる。溶出液90は、その大部分が揮発性の高い有機溶媒であるため、水を用いて抽出を行った場合に比べて、高い揮発効果を得ることができる。なお、この工程では、溶出液90を加温しつつ窒素ガスの吹き付けを行うようにしてもよい。この場合、より短時間で有機溶媒を蒸発させることが可能となる。なお、溶出液90を加温する場合の温度は、ウイルス40に含まれる核酸(DNA又はRNA)が破壊されないよう、35℃~41℃程度とすることが望ましい。溶出液90の大部分はアルコールに代表される有機溶媒であるため、上記温度帯で十分に揮発させることができる。
なお、図1~図3ではシリンジ型のカートリッジ20に固相10を充填した例を示したが、カートリッジ20の形状はこれに限らず、コマ型又はディスク型など、いかなるものであってもよい。また、カートリッジ20に代えて、所定のカラムに固相10を充填するようにしてもよい。
また、本実施形態の方法では、必ずしも、窒素吹き付けによる溶出液90の再濃縮(すなわち上記(3)の工程)を行わなくてもよい。その場合には、窒素吹き付けを行った場合に比べると濃縮率は低下するものの、作業時間を短縮することができる。なお、窒素吹き付けを省略する場合には、濃縮率の低下を補うため、上記(2)の工程における有機溶媒の量を、窒素吹き付けを行う場合よりも少量(例えば、下水試料30の1/400~1/100程度の量)とすることが望ましい。
本実施形態の方法によって得られたウイルス濃縮液(すなわち上記(2)で回収された溶出液90、又は該溶出液を上記(3)の窒素吹き付けによって再濃縮したもの)は、核酸増幅法によるウイルス検出に供することができる。例えば、検出対象のウイルスがDNAウイルスである場合には、該ウイルス濃縮液に対してDNA抽出処理を行った上で、検出対象のウイルスに特異的なプライマーを用いたPCRによって、DNAの増幅及び検出を行う。また、検出対象のウイルスがRNAウイルスである場合には、前記ウイルス濃縮液に対してRNA抽出処理を行った上で、検出対象のウイルスに特異的なプライマーを用いたRT-PCRによって、該RNAに相補的なDNA(complementary DNA:cDNA)の合成と、該DNAの増幅及び検出を行う。なお、前記のDNA抽出処理、RNA抽出処理、PCR、及びRT-PCRには、既存の試薬キットを利用することができる。また、PCR又はRT-PCRによる増幅産物の検出は、該増幅産物を電気泳動してバンドの有無や濃さを確認するという旧来の方法で行ってもよいが、近年広く用いられているリアルタイムPCRによって行うことが望ましい。リアルタイムPCRは、増幅されたDNA断片と試薬との相互作用によって生じる蛍光シグナルを、リアルタイムに検出することでDNA濃度を測定する方法であり、PCR又はRT-PCRによる増幅産物を迅速に定量することができる。本実施形態の方法では、下水試料30に含まれる夾雑物50の少なくとも一部を取り除くことができるため、本実施形態の方法で得られたウイルス濃縮液をPCR又はRT-PCRによるウイルス検出に供することにより、ウイルス検出精度を向上させることができる。
上記の通り、本実施形態の方法は、固相抽出法を利用するものであるため、上記従来のPEG沈殿法を利用したウイルス試料の濃縮方法に比べて、操作が簡便でウイルス濃縮に要する時間を大幅に短縮することができ、なお且つ高い濃縮率を達成することができる。具体的には、従来のPEG沈殿法によるウイルス濃縮では、濃縮の完了までに12~24時間程度を要していたところ、本実施形態の方法では、2時間程度でウイルス試料の濃縮を完了することができる。また、本実施形態の方法では、濃縮率が前記PEG沈殿法よりも2.5倍~5倍程度高くなる。更に、本実施形態の方法では、溶出用溶媒として有機溶媒を用いており、窒素吹き付けによって該有機溶媒を容易に蒸発させることができるため、溶出液の再濃縮を容易に行うことができる。そのため、上記従来の固相抽出法によるウイルス試料の濃縮法(例えば、特許文献1を参照)よりも短時間で高い濃縮率を達成することができる。
以下の手順で、ウイルス試料の濃縮及びウイルス由来のRNAの検出を行った。なお、試験数はn=3とした。まず、下水試料100mLに、不活性化された新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2 Stock(Zepto Metrix社)を100μL(9.3×104copy)添加し、3,000rpmで5分間遠心分離を行って上清を採取した。そして、該上清に対して本発明に係る方法によるウイルス試料の濃縮を行った。ウイルス試料の濃縮は、HLB固相を使用して次のようにして行った。すなわち、まず固相にメタノール10mL及び超純水10mLをこの順で通水することによって固相のコンディショニングを行い、その後、前記上清を流速5~10mL/minで固相に通水した。その後、超純水10mLで固相を洗浄した後、メタノール2mLを用いて固相からウイルスを溶出した。得られた溶出液から50μLを分取し、そこにRNase free水5μLを添加した後、40℃で加温しながら窒素の吹き付けを行い、5μLまで再濃縮した。続いて、前記再濃縮後の試料に、新型コロナウイルス用の検出試薬であるAmpdirect 2019-nCoV検出キット(島津製作所)を添加して、RT-PCRを行った。RT-PCRにはLight Cycler96(Roche社)を使用し、リアルタイムで増幅産物由来の蛍光を測定した。
上記の結果、図4に示すように、3試験中の2試験において、新型コロナウイルスに特異的なN1遺伝子の増幅が認められた。このことから、本実施例における固相抽出によって得られた溶出液に、新型コロナウイルス又はそのRNAが含まれることが分かった。本実施例により、HLB固相のような疎水基を有するポリマー固相によって、新型コロナウイルスに代表されるエンベロープウイルスを吸着できることが実験的に確認されたが、同様の固相は、エンベロープウイルス以外のウイルスも吸着できると推定される。なお、本実施例で使用したHLB固相は、疎水基と親水基の両方を持つ固相であるが、疎水基のみを有する固相についても、上記同様に本発明に係るウイルス濃縮方法における固相として使用可能と考えられる。
[種々の態様]
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)本発明の一態様に係るウイルス試料の濃縮方法は、
疎水基を有するポリマーから成る固相にウイルスを含む液体を接触させることによって前記固相に前記ウイルスを保持させ、その後、前記ウイルスを保持した前記固相に有機溶媒を接触させることによって、前記固相から前記ウイルスを溶出させることを含むものである。
(第2項)第1項に記載のウイルス試料の濃縮方法は、前記有機溶媒がアルコール溶媒であってもよい。
(第3項)第1項又は第2項に記載のウイルス試料の濃縮方法は、
更に、前記固相からの溶出液に窒素を吹き付けることによって該溶出液に含まれる前記有機溶媒の少なくとも一部を蒸発させることを含むものであってもよい。
(第4項)第1項~第3項のいずれかに記載のウイルス試料の濃縮方法は、
前記ウイルスがエンベロープウイルスであってもよい。
第1項に記載のウイルス試料の濃縮方法は、固相抽出法を利用するものであるため、上記従来のPEG沈殿法を利用したウイルス試料の濃縮方法に比べて、操作が簡便でウイルス濃縮に要する時間を大幅に短縮することができ、なお且つ高い濃縮率を達成することができる。また、第1項に記載のウイルス試料の濃縮方法では、固相からのウイルスの溶出に有機溶媒を用いることにより、ウイルスの少なくとも一部が有機溶媒によって無毒化されることが期待され、実施者のウイルス感染リスクを低減できるという効果が得られる。
第3項に記載のウイルス試料の濃縮方法によれば、簡便な操作で短時間に、前記溶出液中のウイルス濃度を更に高めることができる。
10…固相
20…カートリッジ
30…下水試料
40…ウイルス
50…夾雑物
70…有機溶媒
80…回収容器
90…溶出液

Claims (4)

  1. 疎水基を有するポリマーから成る固相にウイルスを含む液体を接触させることによって前記固相に前記ウイルスを保持させ、その後、前記ウイルスを保持した前記固相に有機溶媒を接触させることによって、前記固相から前記ウイルスを溶出させることを含むウイルス試料の濃縮方法。
  2. 前記有機溶媒がアルコール溶媒である請求項1に記載のウイルス試料の濃縮方法。
  3. 更に、前記固相からの溶出液に窒素を吹き付けることによって該溶出液に含まれる前記有機溶媒の少なくとも一部を蒸発させることを含む請求項1又は2に記載のウイルス試料の濃縮方法。
  4. 前記ウイルスがエンベロープウイルスである請求項1~3のいずれかに記載のウイルス試料の濃縮方法。
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