JP2005118041A - 核酸を単離する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機質支持体のような基材への核酸の結合を促進するため、水性吸着溶液中の別の物質を使用する、核酸の精製の代替方法を提供すること。
【解決手段】(a)(i)水性緩衝液、(ii)高濃度の塩、(iii)式I
【化1】

(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物、および(iv)核酸を含む組成物由来の核酸を基材上に吸着する工程;(b)吸着された核酸を有する基材を洗浄溶液で任意に洗浄する工程;その後(c)工程(a)の組成物と比較して低濃度の塩を含む溶液と吸着された核酸を有する基材を接触させ、それにより基材から核酸を脱着する工程;ならびに(d)脱着された核酸を有する溶液を基材から分離し、それにより核酸を精製する工程;ならびに、任意に(e)脱着された核酸を工程(d)の溶液から沈殿させ、沈殿した核酸を単離し、それにより核酸をさらに精製する工程を含む、核酸の精製のための方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、核酸の精製に関する。特に、本発明は、水性吸着溶液中に存在する核酸を、固形基材に吸着させる方法に関する。
多くの生物学的物質、特に核酸は、それらの自然環境からそれらを単離する点で特別の負荷を生じる。一方では、それらは、非常に低い濃度で存在する場合も多く、そして他方では、多くの場合は、例えば、細胞の溶解の後に、多くの他の固形物および溶解物質の存在下で見出される。これにより、特に、特異的核酸の検出、または核酸の特定の特性の検出を可能にする生物特異的アッセイにおいて、それらを単離または測定することは困難である。このような生物特異的アッセイは、研究および開発における診断および生物分析の分野で重要な役割を果す。生物特異的アッセイについての例は、ハイブリダイゼーションアッセイ、免疫アッセイおよび受容体−リガンドアッセイである。ハイブリダイゼーションアッセイは、核酸分析物、例えば、RNAおよびDNAの分子検出のための特異的塩基対を使用する。したがって、18から20個のヌクレオチドの長さのオリゴヌクレオチドプローブは、例えば、ヒトゲノム中で選択された相補的配列を特異的に認識することができる。2つのオリゴヌクレオチドプライマーの選択性結合を必要とする別のアッセイは、特許文献1に記載されているポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。この方法では、数回のサイクルでデスオキシヌクレオチド3リン酸塩の存在下で、熱安定性ポリメラーゼにより検出可能なレベルにまで、特異的な核酸領域を選択的に増幅することができる。
上記のように、核酸が、上記のアッセイのうちの1つで分析されるか、または他の方法のために使用されうる前に、核酸は、例えば、タンパク質様および非タンパク質様成分として、種々の成分の複雑な混合物を含む生物学的サンプルから単離または精製されなければならない。多くの場合には、第一工程には、目的の成分、すなわち、核酸の富化を可能にする方法が使用される。多くの場合は、核酸は、細菌細胞、真菌細胞、ウイルス粒子、またはヒト血液細胞または植物細胞のようないっそう複雑な生物の細胞に含まれている。目的の成分としての核酸は、「標的成分」とも称されうる。
上記の細胞または粒子の内容物を放出させるために、細胞または粒子は、酵素または化合物で処理されて、このような生物の細胞壁および細胞膜が溶解、分解または変性させられる。この方法は、一般に溶解と称される。このような溶解させられた材料を含む得られた溶液は、溶解物と称される。溶解の間にしばしば生じる問題は、標的成分を分解する他の酵素、例えば、核酸を分解するデオキシリボヌクレアーゼまたはリボヌクレアーゼが、溶解の間に標的成分と接触することである。これらの分解酵素は、細胞の外側にも存在する場合があり、また、溶解の前には異なる細胞区画で空間的に分離されており、そしてここで、標的成分と接触するようになる場合もある。このプロセスの間に放出される他の成分は、例えば、細胞に対して毒性であり、そしてヒトまたは動物での治療に使用されることが意図される製品に関して問題を引き起しうるリポ多糖のファミリーに属する内毒素である場合もある。
溶解工程に続くサンプルの調製の次の工程では、核酸は、さらに富化させられる。核酸は、通常は、複雑な溶解混合物から抽出され、その後、プローブに基づくアッセイで使用される。核酸の抽出のためには、いくつかの方法がある。配列依存性または生物特異的方法としては、例えば、アフィニティークロマトグラフィーまたは固定したプローブに対するハイブリダイゼーションが挙げられる。配列とは無関係な方法または物理化学的方法としては、例えば、フェノール−クロロホルムを用いた液−液抽出、純エタノールまたはイソプロパノールを用いた沈殿、濾紙を用いた抽出、セチル−トリメチル−アンモニウム−ブロマイドのようなミセル形成剤を用いた抽出、アクリジン誘導体のような固定されたインターカレート色素への結合、シリカゲルまたは二原子性土類のような基材への吸着、カオトロピック条件下での磁性誘引性ガラス粒子(MGP)または有機シラン粒子への吸着が挙げられる。シリカ表面を有する材料のような基材への核酸の直接結合は、特に、核酸が修飾される必要がなく、そして自然界に存在する核酸も結合させられうるので好ましい。
抽出目的にとって特に興味深いのは、ガラス表面への核酸の吸着であるが、他の表面も可能である。
近年、ガラス表面のような基材へのそれらの結合作用の使用により核酸をそれらの自然環境から単離するための多くの方法が提案されてきた。例えば、チオシアン酸グアニジンのようなカオトロピック剤、または核酸が、遊離させられることが意図される場合には、陰イオン、陽イオン、両極性または非イオン性界面活性剤が使用されることが一般的である。これらの酵素または望まれていないタンパク質を迅速に分解するプロテアーゼを使用することも、好都合である。例えば、細胞溶解および/またはミトコンドリア、色素体、核または他の核酸を含有しているオルガネラのような細胞オルガネラ(細胞小器官)の溶解の後に、遊離とされた核酸を、無機質支持体のような基材に結合させ、核酸が結合した無機質支持体が洗浄され、そして核酸が無機質支持体から放出、すなわち脱離させられることにより精製されうる。洗浄工程については、核酸が無機質支持体に吸着されたままである条件が当業者によって選択される。好ましくは、40%より多く、さらに好ましくは50%より多く、さらに好ましくは70%より多く、さらに好ましくは80%より多く、いっそうさらに好ましくは90%より多く、さらにいっそう好ましくは95%より多く、さらにいっそう好ましくは99%より多くの核酸が、無機質支持体に吸着したままとされる。脱離工程については、核酸が無機質支持体から脱離させられる条件が当業者によって選択される。好ましくは、40%より多く、さらに好ましくは50%より多く、さらに好ましくは70%より多く、さらに好ましくは80%より多く、いっそうさらに好ましくは90%より多く、いっそうさらに好ましくは95%より多く、いっそうさらに好ましくは99%より多くの核酸が、無機質支持体から脱離させられる。
カオトロピック塩の存在下でのガラス粒子またはシリカ粒子への核酸の吸着は、当該分野で知られており(非特許文献1)、そして核酸のクロマトグラフィー精製および分離法に関する概念が提供されている。さらに、当該分野で知られているのは、高濃度のカオトロピック塩、例えば、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウムおよびチオシアン酸グアニジン(非特許文献2;非特許文献3)を使用して、溶解物からRNAおよびDNAを単離および精製する方法である。過塩素酸ナトリウムの存在下でのガラス粉末上での細菌からのプラスミドDNAの精製は、非特許文献4に記載されている。特許文献2では、酢酸を用いてファージ粒子を沈殿させることによるガラス繊維フィルター上での一本鎖M13ファージDNAの単離、および過塩素酸塩を用いたファージ粒子の溶解が記載されている。ガラス繊維フィルターに結合させられた核酸が洗浄され、そしてその後、メタノールを含有しているトリス/EDTA緩衝液で溶出させられる。ラムダファージからDNAを精製する類似の方法は、非特許文献5に記載されている。その方法は、カオトロピック塩溶液中でのガラス表面への核酸の選択的な結合、およびアガロース、タンパク質または細胞残渣のような混入物から核酸を分離することを必然的に伴う。混入物からガラス粒子を分離するためには、粒子は遠心分離されるか、または流動体がガラス繊維フィルターを通して排出される。しかし、これは律速工程であり、この方法により多量のサンプルを加工することは困難である。
塩およびエタノールを添加することによる沈殿の後に核酸を固定するために磁性粒子を使用することはさらに好都合であり、そして例えば、非特許文献6および特許文献3に記載されている。この方法では、核酸は磁性粒子と一緒に凝集されられる。凝集物に磁場がかけられ、そして洗浄工程が行われて、もとの溶媒から分離される。1回の洗浄工程の後、核酸はTris緩衝液に溶解させられる。しかし、この方法は、沈殿が核酸について選択的でないという欠点がある。むしろ、多様な固形および溶解物質が同様に凝集されられる。結果として、この方法では、明らかな量の起こりうる特異的酵素反応のあらゆる阻害剤を除去するためには使用できない。孔中に、特にガラスマトリックス中に複数の磁性粒子を含み、ストレプトアビジンを含む層でコーティングされている磁性多孔性粒子ガラスも市販されている。この製品は、生物学的材料、例えば、タンパク質または核酸を単離するために使用することができ、生物学的物質は複雑な調製工程で修飾されて、その結果、ビオチンに共有結合する。磁性を持たせることができる特定の吸着剤は自動サンプル調製に非常に有効であり、そして適切であることが立証されている。フェリ磁性およびフェロ磁性並びにスーパーパラ磁性顔料は、この目的のために使用される。もっとも好ましいMGPは、特許文献4に記載されているものである。
高濃度の塩の存在下で、無機質基材のような基材に核酸を吸着させることによる核酸の精製は、他の複雑な混合物にも使用される。そのような混合物の例は、分子生物学の当業者に知られており、そして例えば、PCR、制限酵素消化、ライゲーション反応などのような核酸のインビトロ合成後の反応混合物である。非特許文献7では、例えば、グランドフリントガラス(ground flint glass)に対して、下塗りしたヨウ化ナトリウムの存在下で、アガロースゲルから核酸を結合させる方法が提案されている。高濃度の塩の存在下で、無機質基材のような基材に核酸を吸着させることにより核酸を精製する別の用法は、核酸にカップリングしている可能性がある発熱性混入物の除去である。
核酸がカオトロピック剤の存在下で無機質支持体に結合する機構は、完全には明らかではない。核酸と溶媒の間の相互作用は、核酸が無機質支持体に吸着しそして変性するように影響を与えると考えられる。高濃度のカオトロピック剤の存在下で、反応はほぼ定量的である。吸着させられた核酸は、低イオン強度の緩衝液を無機質支持体に加えることによって溶出させることができる。
特許文献5には、クロマトグラフィー精製による核酸のクロマトグラフィー精製の方法が記載されている。核酸は、好ましくはカオトロピック剤を含む高塩濃度の水性吸着溶液から、基材、すなわち、無機質支持体に吸着させられる。水性吸着溶液は、1%〜50%のC1〜C5の鎖長を有する脂肪族アルコールおよび/またはポリエチレングリコール、ならびに/あるいは疎水性の無機および/または有機重合体、ならびに/あるいはトリクロロ酢酸のような有機酸を含む。
米国特許第4,683,195号明細書 独国特許発明第3724442号明細書 国際公開第91/00212号パンフレット 国際公開第01/37291号パンフレット 欧州特許第0658164号明細書 Vogelstein,B.およびGillespie,D.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76巻(1979年)615-619頁 Boom,R.ら、J.Clin.Microbiol.28巻(1990年)495-503頁 Yamada,O.ら、J.Virol.Methods 27巻(1990年)203-209頁 Marko,M.A.ら、Anal.Biochem.121巻(1982年)382-387頁 Jakobi,R.ら、Anal.Biochem.175巻(1988年)196-201頁 Alderton,R.P.ら、Anal.Biochem.201巻(1992年)166-169頁 Vogelstein,B.およびGillespie,D.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA76巻(1979年)615−619頁
当該分野での現状の核酸の単離/精製の方法は、ある種の欠点を有する。このような欠点は、例えば、純度、選択性、回収率、実験室安全性および便宜性、並びに単離/精製方法の速度に関する。
例えば、フェノール/クロロホルム抽出を使用したプロトコールでは、残留フェノールが多くの場合において、所定の単離後の手順に、特に制限酵素での消化のような酵素反応、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、またはリガーゼによる反応において問題となる。一般に、精製/単離方法による高い残留試薬濃度は、問題を生じる可能性がある。したがって、精製手順の間に使用される試薬の残余量を、精製された核酸中で可能な限り低く維持することが望ましい。純度に関して生じる可能性がある別の問題は、吸着マトリックスからの特定の物資の共抽出(浸出)である。したがって、浸出による精製手順の間に遊離させられる化合物の残余量を、精製された核酸中で可能な限り低く維持することが望ましい。
吸着溶液においてエタノールまたはイソプロパノールを使用する当該分野の現状のプロトコールの別の欠点は、このようなアルコールの高い揮発性および可燃性である。一方で、これらの可燃性アルコールは、実験室実施で多大な危険を生じる。さらに、国の規制により、可燃性アルコールは、貯蔵および輸送の認可に関して兵站(logistical)上の問題がありうる。さらに、揮発性アルコールは、それらの蒸気圧のため、正確に投与することが困難である。したがって、危険が低い、および/またはあまり兵站上の問題がない物質で、可燃性アルコールを置き換えることが望ましい。
核酸のサンプル調製用の市販されている代表的なキットは、「High Pure」製品ライン(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany)である。吸着溶液を、「High Pure」カラムに移し、そしてガラス繊維材料を含むフリースを通過させる。このプロセスの間に、核酸はガラス材料に吸着させられる。Rocheの「High Pure」キットのカラムおよび吸着溶液中でエタノールを利用する血清からの核酸単離/精製のためのプロトコールを使用した場合には、血清中の高いトリグリセリド濃度により、吸着溶液をガラス繊維フリースに通すのに時間がかかってしまうことが注目された(実施例6も参照)。したがって、トリグリセリド濃度が高い血清からのサンプルの調製を考えると、吸着溶液をガラス繊維フリースに通すのに必要な時間を短縮する、エタノールに取って代わるものを見出すことが望ましい。
したがって、本発明の根底にある課題は、無機質支持体のような基材への核酸の結合を促進するため、水性吸着溶液中の別の物質を使用する、核酸の精製の代替方法を提供することである。
すなわち、本発明の要旨は以下である:
〔1〕(a)(i)水性緩衝液
(ii)高濃度の塩
(iii)式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物、および
(iv)核酸
を含む組成物由来の核酸を基材上に吸着する工程;
(b)吸着された核酸を有する基材を洗浄溶液で任意に洗浄する工程;その後
(c)工程(a)の組成物と比較して低濃度の塩を含む溶液と吸着された核酸を有する基材を接触させ、それにより基材から核酸を脱着する工程;ならびに
(d)脱着された核酸を有する溶液を基材から分離し、それにより核酸を精製する工程;ならびに、任意に
(e)脱着された核酸を工程(d)の溶液から沈殿させ、沈殿した核酸を単離し、それにより核酸をさらに精製する工程
を含む、核酸の精製のための方法;
〔2〕官能基がオキソ基、スルホキソ基、シアノ基、およびカルバモイル官能基のカルボニル基からなる群より選択されるか、またはカルボキシ官能基に属さないアミドであることを特徴とする、前記〔1〕記載の方法;
〔3〕水混和性非酸性有機化合物がアセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択されることを特徴とする、前記〔2〕記載の方法;
〔4〕工程(a)の組成物が1〜50体積パーセントの水混和性非酸性有機化合物を含むことを特徴とする、前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の方法;
〔5〕工程(a)の組成物が3〜30体積パーセントの水混和性非酸性有機化合物を含むことを特徴とする、前記〔4〕記載の方法;
〔6〕工程(a)の組成物中の塩が1〜8Mの濃度のカオトロピック塩であり、該カオトロピック塩が過塩素酸ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、およびヨウ化ナトリウムからなる群より選択されることを特徴とする、前記〔1〕〜〔5〕いずれか記載の方法;
〔7〕工程(a)の組成物中の塩が1〜10Mの濃度であり、該塩が塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素、およびその混合物からなる群より選択されることを特徴とする、前記〔1〕〜〔5〕いずれか記載の方法;
〔8〕工程(b)の洗浄溶液が水混和性非酸性有機化合物を含むことを特徴とする、前記〔1〕〜〔7〕いずれか記載の方法;
〔9〕工程(b)の洗浄溶液が1〜100体積パーセントの水混和性非酸性有機化合物を含むことを特徴とする、前記〔8〕記載の方法;
〔10〕基材が、シリカゲル、ガラス繊維、石英繊維、およびゼオライトからなる群より選択される多孔性または非多孔性無機質基材を含むことを特徴とする、前記〔1〕〜〔9〕いずれか記載の方法;
〔11〕基材がガラスでコーティングされた磁性誘引粒子を含むことを特徴とする、前記〔1〕〜〔9〕いずれか記載の方法;
〔12〕(a)高濃度の塩および式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物を含む水溶液に核酸を提供する工程であって、
該官能基がオキソ基、スルホキソ基、シアノ基、およびカルバモイル官能基のカルボニル基からなる群より選択されるか、またはカルボキシ官能基に属さないアミドであり、
該水混和性非酸性有機化合物がアセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される、工程;次いで
(b)工程(a)の水溶液を基材に添加する工程
を含む、核酸を基材上に吸着するための方法;
〔13〕工程(a)の水溶液が1〜50体積パーセントの水混和性非酸性有機化合物を含むことを特徴とする、前記〔12〕記載の方法;
〔14〕工程(a)の水溶液が3〜30体積パーセントの水混和性非酸性有機化合物を含むことを特徴とする、前記〔13〕記載の方法;
〔15〕工程(a)の水溶液中の塩が1〜8Mの濃度のカオトロピック塩であり、該カオトロピック塩が過塩素酸ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、およびヨウ化ナトリウムからなる群より選択されることを特徴とする、前記〔12〕〜〔14〕いずれか記載の方法;
〔16〕工程(a)の水溶液中の塩が1〜10Mの濃度であり、該塩が塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素、およびその混合物からなる群より選択されることを特徴とする、前記〔12〕〜〔14〕いずれか記載の方法;
〔17〕基材が、シリカゲル、ガラス繊維、石英繊維、およびゼオライトからなる群より選択される多孔性または非多孔性無機質基材を含むことを特徴とする、前記〔12〕〜〔16〕いずれか記載の方法;
〔18〕基材がガラスでコーティングされた磁性誘引粒子を含むことを特徴とする、前記〔12〕〜〔17〕いずれか記載の方法;
〔19〕(a)高濃度の塩を含む水溶液に核酸を提供する工程;
(b)基材を粉末状材料の形態で提供する工程;
(c)式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物を提供する工程であって、
工程(c)の水混和性非酸性有機化合物の官能基がオキソ基、スルホキソ基、シアノ基、およびカルバモイル官能基のカルボニル基からなる群より選択されるか、またはカルボキシ官能基に属さないアミドであり、
工程(c)の水混和性非酸性有機化合物がアセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される、工程;次いで
(d)工程(c)の水混和性非酸性有機化合物に工程(b)の基材を分散して該基材の懸濁物を形成する工程;ならびに
(e)工程(d)の懸濁物と工程(a)の水溶液を混合する工程
を含む、核酸を基材上に吸着するための方法;
〔20〕工程(e)で得られた混合物が1〜50体積パーセントの水混和性非酸性有機化合物を含むことを特徴とする、前記〔19〕記載の方法;
〔21〕工程(e)得られた混合物が3〜30体積パーセントの水混和性非酸性有機化合物を含むことを特徴とする、前記〔20〕記載の方法;
〔22〕工程(a)の水溶液中の塩が1〜8Mの濃度のカオトロピック塩であり、該カオトロピック塩が過塩素酸ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、およびヨウ化ナトリウムからなる群より選択されることを特徴とする、前記〔19〕〜〔21〕いずれか記載の方法;
〔23〕工程(e)得られた混合物中の塩が1〜10Mの濃度であり、該塩が塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素、およびその混合物からなる群より選択されることを特徴とする、前記〔19〕〜〔21〕いずれか記載の方法;
〔24〕基材が、シリカゲル、ガラス、石英、およびゼオライトからなる群より選択される粉末状多孔性または非多孔性無機質基材を含むことを特徴とする、前記〔19〕〜〔23〕いずれか記載の方法;
〔25〕基材がガラスでコーティングされた磁性誘引粒子を含むことを特徴とする、前記〔19〕〜〔24〕いずれか記載の方法;
〔26〕式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物中に分散した粉末状材料の形態の基材を含有する懸濁物であって、
該官能基がオキソ基、スルホキソ基、シアノ基、およびカルバモイル官能基のカルボニル基からなる群より選択されるか、またはカルボキシ官能基に属さないアミドであり、
該水混和性非酸性有機化合物がアセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される、懸濁物;
〔27〕基材がシリカゲル、ガラス、石英、およびゼオライトからなる群より選択される粉末状多孔性または非多孔性無機質基材を含むことを特徴とする、前記〔26〕記載の懸濁物;
〔28〕基材がガラスでコーティングされた磁性誘引粒子を含むことを特徴とする、前記〔26〕〜〔27〕いずれか記載の懸濁物;
〔29〕前記〔1〕〜〔25〕いずれか記載の方法を実施するための、式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物の使用であって、
該官能基がオキソ基、スルホキソ基、シアノ基、およびカルバモイル官能基のカルボニル基からなる群より選択されるか、またはカルボキシ官能基に属さないアミドであり、
該水混和性非酸性有機化合物がアセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される、使用;
〔30〕前記〔19〕〜〔25〕いずれか記載の方法を実施するための、前記〔26〕〜〔28〕いずれか記載の懸濁物の使用;
〔31〕(a)緩衝塩ならびに過塩素酸ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、およびヨウ化ナトリウムからなる群より選択されるカオトロピック塩の濃縮ストック溶液;
(b)アセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される水混和性非酸性有機化合物;
(c)緩衝溶液;ならびに
(d)クロマトグラフィー材料および濾過材料
を含む、パーツキット;
〔32〕(a)緩衝塩ならびに塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素、およびその混合物からなる群より選択される塩の濃縮ストック溶液;
(b)アセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される水混和性非酸性有機化合物;
(c)緩衝溶液;
(d)クロマトグラフィー材料および濾過材料
を含む、パーツキット;
〔33〕(a)緩衝塩ならびに過塩素酸ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、およびヨウ化ナトリウムからなる群より選択されるカオトロピック塩の濃縮ストック溶液;
(b)前記〔26〜28いずれか記載の懸濁物;
(c)緩衝溶液
を含む、パーツキット;
〔34〕(a)緩衝塩ならびに塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素、およびその混合物からなる群より選択される塩の濃縮ストック溶液;
(b)前記〔26〕〜〔28〕いずれか記載の懸濁物;
(c)緩衝溶液
を含む、パーツキット;
〔35〕(a)生物学的試料を溶解する工程;
(b)(i)工程(a)の溶解した生物学的試料、
(ii)水性緩衝液、
(iii)高濃度の塩
(iv)式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物
を含む組成物を形成する工程;
(c)工程(b)の組成物を基材と接触させ、それにより該核酸を該基材へ吸着する工程;
(d)吸着された核酸を有する基材を洗浄溶液で任意に洗浄する工程;その後
(e)工程(a)の組成物と比較して低濃度の塩を含む溶液と吸着された核酸を有する基材を接触させ、それにより基材から核酸を脱着する工程;ならびに
(f)脱着された核酸を有する溶液を基材から分離する工程;ならびに
(g)工程(f)の溶液中で核酸の存在を検出し、それにより核酸の存在を測定する工程
を含む、生物学的試料中の核酸の存在を測定するための方法;
〔36〕核酸がRNAまたはDNAであることを特徴とする、前記〔35〕記載の方法;ならびに
〔37〕核酸がRNAであり、工程(g)が(i)RNAを逆転写してcDNAを形成する工程、(ii)その後ポリメラーゼ連鎖反応により該cDNAを増幅する工程、(iii)cDNAの存在を検出し、それにより核酸の存在を測定する工程を含むことを特徴とする、前記〔35〕〜〔36〕いずれか記載の方法。
本発明によれば、無機質支持体のような基材への核酸の結合を促進するため、水性吸着溶液中の別の物質を使用する、核酸の精製方法を提供することができる。
発明の詳細な説明
驚くべきことに、イオン強度の高い吸着溶液が式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物を含む場合、核酸が基材に結合され
得ることが見出されている。
したがって本発明により、第一の態様において、a)(i)水性緩衝液、(ii)高濃度の塩および(iii)式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物、および(iv)核酸を含有する組成物から核酸を基材に吸着させ;b)任意に、核酸が吸着している基材を洗浄溶液で洗浄し、続いてc)核酸が吸着している基材を、工程(a)の組成物と比べて塩濃度の低い溶液と接触させ、それにより基材から核酸を脱離させ、d)脱離した核酸を含む溶液を基材から分離し、それにより核酸を精製し、そして任意に、(e)脱離した核酸を工程(d)の溶液から沈殿させ、そして沈殿した核酸を単離し、それによりさらに核酸を精製する工程を含む、核酸の精製のための方法が提供される。
本発明の別の態様は、(a)塩濃度の高い水溶液中の核酸、および式I(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物を準備し;続いて、(b)工程(a)の水溶液を、基材に添加する工程を含む、基材に核酸を吸着させる方法である。
本発明のさらに別の態様は、(a)核酸を塩濃度の高い水溶液中に準備し;(b)粉末状材料の形態で基材を準備し;(c)式I(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物を準備し;続いて、工程(c)の水混和性非酸性有機化合物中に工程(b)の基材を分散させて、上記基材の懸濁液を形成し;(e)工程(a)の水溶液を工程(d)の懸濁液と混合する工程を含む、基材に核酸を吸着させる方法である。
本発明のさらに別の態様は、式I(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物中に分散した粉末状材料の形態の基材を含む懸濁液である。
本発明のさらに別の態様は、本明細書中に記載される本発明の方法を行うための、式I(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物の使用である。本発明のさらに別の態様は、水混和性非酸性有機化合物中に基材を分散させて、上記基材の懸濁液を形成することにより懸濁液を調製するための、式I(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物の使用である。本発明のさらに別の態様は、本発明の方法を行うための本発明の懸濁液の使用である。
本発明の他の態様は、式I(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物を含む成分のキットである。
イオン強度の高い吸着溶液が水混和性環状ジエーテルを含む場合に、核酸が基材に結合され得ることもまた見出されている。
したがって、本発明の別の態様は、a)(i)水性緩衝液、(ii)高濃度の塩、(iii)水混和性環状ジエーテル、(iv)核酸を含有する組成物から核酸を基材に吸着させ;b)任意に、核酸が吸着した基材を洗浄溶液で洗浄し、続いてc)核酸が吸着した基材を、工程(a)の組成物と比べて塩濃度が低い溶液と接触させ、それにより基材から核酸を脱離させ、(d)脱離した核酸を含む溶液を基材から分離し、それにより核酸を精製し、任意に(e)工程(d)の溶液から脱離した核酸を沈殿させ、沈殿した核酸を単離し、それによりさらに核酸を精製する工程を含む、核酸の精製のための方法である。
本発明のさらに別の態様は、(a)核酸を、塩濃度が高く、水混和性環状ジエーテルを含む水溶液中に準備し;(b)基材に工程(a)の水溶液を添加する工程を含む、基材に核酸を吸着させる方法である。
本発明のさらに別の態様は、(a)核酸を塩濃度の高い水溶液中に準備し;(b)粉末状材料の形態で基材を準備し;(c)水混和性環状ジエーテルを準備し;(d)工程(c)の水混和性環状ジエーテル中に工程(b)の基材を分散させて、上記基材の懸濁液を形成し;(e)工程(a)の水溶液を工程(d)の懸濁液と混合する工程を含む、基材に核酸を吸着させる方法である。
本発明のさらに別の態様は、水混和性環状ジエーテル中に分散した粉末状材料の形態の基材を含む懸濁液である。
本発明のさらに別の態様は、本明細書中に記載される本発明の方法を行うための、水混和性環状ジエーテルの使用である。
本発明のさらに別の態様は、水混和性非酸性有機化合物中に基材を分散させて、基材の懸濁液を形成することにより懸濁液を調製するための水混和性環状ジエーテルの使用である。本発明のさらに別の態様は、本発明の方法を行うための、本発明の懸濁液の使用である。
本発明の他の態様は、水混和性環状ジエーテルを含む成分のキットである。
本発明の別の態様は、(a)生物学的サンプルを溶解させ;(b)(i)工程(a)の溶解した生物学的サンプル、(ii)水性緩衝液、(iii)高濃度の塩、(iv)式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物を含む組成物を形成し;(c)工程(b)の組成物を基材と接触させ、それにより基材に核酸を吸着させ;(d)任意に、核酸が吸着した基材を洗浄溶液で洗浄し;続いて(e)核酸が吸着した基材を、工程(a)の組成物と比べて塩濃度が低い溶液と接触させ、それにより基材から核酸を脱離させ、(f)脱離した核酸を含む溶液を基材から分離し;(g)工程(f)の溶液中で核酸の存在を検出し、それにより核酸の存在を決定する工程を含む、生物学的サンプル中の核酸の存在を決定するための方法である。好ましくは、核酸は、特異的プライマー、特異的検出プローブ、および増幅混合物を使用するポリメラーゼ連鎖反応による核酸の増幅により決定され、これによる増幅はリアルタイムでモニターされる。
本発明の別の態様は、(a)生物学的サンプルを溶解させ;(b)(i)工程(a)の溶解した生物学的サンプル、(ii)水性緩衝液、(iii)高濃度の塩、(iv)水混和性環状ジエーテル(Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)を含む組成物を形成し;(c)工程(b)の組成物を基材と接触させ、それにより基材に核酸を吸着させ;(d)任意に、核酸が吸着した基材を洗浄溶液で洗浄し;続いて(e)核酸が吸着した基材を、工程(a)の組成物と比べて塩濃度が低い溶液と接触させ、それにより基材から核酸を脱離させ、(f)脱離した核酸を含む溶液を基材から分離し;(g)工程(f)の溶液中で核酸の存在を検出し、それにより核酸の存在を決定する工程を含む、生物学的サンプル中の核酸の存在を決定するための方法である。
本明細書では、用語「核酸」は、少なくとも1つの核酸を示すと理解される。さらに、用語「核酸」はまた、核酸の混合物も示し得る。用語「核酸」は、RNA、DNA、または両方を包含する。用語「基材」は、水溶液中に実質的に不溶である物質であり、該物質を水溶液に添加すると高イオン強度の水溶液中の核酸を吸着することができる物質を示す。それらの例は、シリカ、ガラス、石英、ゼオライトまたはそれらの混合物のような多孔性または無孔性の無機質粒子である。さらに、用語「基材」は、シリカ、ガラス、石英、またはゼオライトでコーティングされた磁性誘引性の粒子を包含する。さらに、「粉末」または「粉末状」材料の形態の基材は、液体有機化合物または水溶液などの液相に分散すると懸濁液を生じる、微細に分割された材料をいうと理解される。用語「粉末」または「粉末状」材料は、粉末状材料が凝集しているが、しかしなお液体有機化合物または水溶液と混合されると懸濁液とすることができる錠剤を含むと意図される。さらに、用語「高イオン強度」および「高濃度」は、約1Mに等しいか、またはより大きい濃度で塩を溶解させることにより得られる水溶液中のイオン強度または濃度を意味する。好ましくは、1〜10Mの濃度で塩が水溶液中に存在する。さらに好ましくは、1〜8Mの濃度でのカオトロピック塩である。さらに、用語「水混和性」は、室温、常圧で、非水性有機化合物を、1%体積率に等しいかまたはより大きな比で水中に溶解させることができ、均質な液相を形成することができることを示す。用語「非酸性」有機化合物は、カルボキシ官能基を含まない有機化合物を示す。
例えば、ガラス粒子のような基材に(少なくとも1つの)核酸(標的核酸とも称される)を結合させる手段が、以下に詳細に記載される。それは、1〜8mol/Lの濃度、さらに好ましくは2〜6mol/Lの濃度でのカオトロピック塩の存在下で行われることが好ましい。
カオトロピック塩は、ヨウ化ナトリウム、過塩化ナトリウム、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジンまたは塩酸グアニジンであり得る。塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素、およびそれらの混合物などの他の物質もまた可能である。
精製効果は、これらの条件下、すなわち、所定の濃度のカオトロピック剤、および好ましくは水混和性非酸性有機化合物の存在下で、ガラス表面を有する材料に結合するDNAまたはRNAの作用により得られる。サンプルを基材、すなわち核酸に対して親和性を有する材料と接触させるために、サンプルを、材料と混合し、結合を生じさせるのに十分な期間インキュベートする。当業者は通常、磁性を帯びていない粒子で処理するための手順からインキュベーション工程の期間を熟知している。この工程は、種々の時点で、表面に固定された生物学的材料の量を測定することによって、最適化されうる。10秒〜30分のインキュベーション時間が核酸について適切でありうる。インキュベーション後、結合した(少なくとも1つの)標的成分、すなわち核酸が液体から分離される。これは一般的に、重力により行われるか、または磁性ガラス粒子に結合した核酸の場合には、磁界をかけることにより磁性粒子に結合した材料を分離することによって行うことができる。例えば、磁性粒子は、インキュベーションが行われる容器の壁に引っ張られ得る。次いで、磁性粒子に結合されなかったサンプル内容物を含む液体が除去され得る。使用される除去手段は、インキュベーションが行われる容器の型による。適切な工程としては、ピペッティングまたは吸引により液体を除去することが挙げられる。
別の例は、吸着溶液中の核酸をガラスフリースに結合させることである。市販されているキットは、多くの場合は、カラムの底にかかるフリースが用意されている。核酸を含む吸着溶液を、カラムに移し、そして力をかけることによってフリースを通過させる。用語「力」には、重力が含まれ、そして好ましくは遠心力である。遠心分離により加えられる力により、吸着溶液をフィルターに通す「スピンカラム」手段が非常に好ましい。吸着溶液をフリースに通す他の方法としては、加圧および吸引が挙げられる。
次いで、DNAまたはRNAが結合した材料は、少なくとも1回洗浄される。好ましくは、洗浄溶液は、1%体積率より大きく100%体積率より小さい水混和性非酸性有機化合物を含む。また好ましくは、洗浄溶液は、1〜100%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。さらに好ましくは、洗浄溶液は、水中の1〜50%体積率の水混和性非酸性有機化合物の混合物である。別の非常に好ましい洗浄溶液は、水との40〜80%体積率の水混和性非酸性有機化合物の混合物である。別の非常に好ましい洗浄溶液は、水との50〜99%体積率の水混和性非酸性有機化合物の混合物である。さらにいっそう好ましいものは、水との約70%体積率の水混和性非酸性有機化合物の混合物である洗浄溶液である。さらには、用語「洗浄溶液」に含まれると理解される、市販供給業者から入手できるいわゆる純粋な液体化合物である水混和性非酸性有機化合物もまた洗浄に好ましい。
(少なくとも1種の)標的核酸を材料表面から脱離させないが、可能な限り十分に望まれない混入物を洗い流す洗浄溶液が使用される。この洗浄工程は、好ましくは、標的核酸を結合させた材料を洗浄溶液とともにインキュベートすることによって行われる。材料は、好ましくは、この工程の間に再懸濁される。材料が、ガラスフリースまたはカラムにパッキングされたものである場合には、洗浄工程は、カラムを洗浄溶液で洗浄することによって行われることもまた好ましい。好ましくは、洗浄溶液は、加圧、吸引、遠心力または重力によりカラムを通過させられる。上記のものは、水混和性非酸性有機化合物が純粋な形態で使用される場合にも等しく適用される。
汚れた洗浄溶液は、好ましくは、基材材料に核酸を結合させるための上記の工程でほぼ除去される。最後の洗浄工程の後、材料を減圧下で軽く乾燥し得るか、または流動体を蒸散し得る。アセトンを使用する予備処理工程もまた行われうる。
その後、条件が戻され得る、例えば、カオトロピック剤または水混和性非酸性有機化合物の濃度を低下させ、材料に結合したDNAまたはRNAを溶出する。好ましくは、残りのサンプルから基材、例えば、磁性ガラス粒子を分離する方法は、例えば、重力により、または磁性ガラス粒子の場合には磁石を使用して固定された生物学的材料をペレット状にし、そして上清を除去することにより行われる。次いで、生物学的材料と固定された磁性ガラス粒子が、カオトロピック剤および/または水混和性非酸性有機化合物を含まないかまたはごく少量含む水溶液中に再懸濁される。あるいは、懸濁液が、カオトロピック剤および/または水混和性非酸性有機化合物を含まないかまたはごく少量含む溶液で希釈されうる。このような性質の緩衝液は、独国特許発明第3724442号およびJakobi,Rら、Anal.Biochem.175(1988)196〜201により公知である。塩含有量が少ない溶出緩衝液は、特に、0.2mol/l未満の含有量の緩衝液である。好ましくは、溶出緩衝液は、緩衝目的のための物質であるトリスを含む。さらに好ましくは、溶出緩衝液は脱塩水である。ここで、精製されたDNAまたはRNAを含む溶液は、他の反応のために使用することもできる。任意に、例えば核酸をエタノールまたはイソプロパノールを使用して溶液から沈殿させることもできる。沈殿物は、さらなる洗浄工程にも供することができる。この種の方法は、当業者に周知であり、そしてSambrook, FritschおよびManiatis, Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第3版、CSHL Press、2001で詳細に記載されている。
本発明の方法の吸着および洗浄工程については、好ましくは、分子生物学的方法、特に所定の条件下でのガラス粒子へのこれらの物質の結合を利用する、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)の精製方法に適切である液体が使用される。好ましい液体は、式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物を包む。好ましくは、官能基は、オキソ基、スルホキソ基、シアノ基、およびカルバモイル官能基またはアミドのカルボニル基からなるが、カルボキシ官能基には属さない群より選択される。さらに好ましくは水混和性非酸性有機化合物は、アセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される。さらに、水混和性非酸性有機化合物として環状ジエーテルを含む液体もまた本発明に含まれる。好ましくは、環状ジエーテルは、ジオキサンである。
本発明に使用される磁性ガラス粒子は、異なる形態で提供されうる。これらは、錠剤の形態、粉末、または懸濁液として提供することが可能である。磁性ガラス粒子が水混和性非酸性有機化合物中に懸濁されることが非常に好ましい。好ましくは、これらの懸濁液は、5〜60mg/mlの磁性ガラス粒子(MGP)を含む。さらに好ましくは、シリカ含有材料は、任意に、2〜8mol/l、好ましくは4〜6mol/lの濃度のカオトロピック剤を含む水性緩衝溶液中に懸濁される。カオトロピック塩は、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジンまたは塩酸グアニジンである。当業者に公知な他の化合物も可能である。本発明のオトロピック剤は、液体の水の規則正しい構造を破壊し、DNAまたはRNAを含有する溶液中に存在する場合には、DNAまたはRNAを磁性ガラス粒子に結合する効果を示す化学物質である。適切な水性緩衝溶液を生成することは当業者に明らかである。分子生物学目的のために適切な緩衝液系は、例えば、Sambrook, FritschおよびManiatis, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 3版, CSHL Press, 2001に見出され得る。好ましい緩衝物質は、トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタン(TRIS)、リン酸塩、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N'-(2-エタンスルホン酸)(HEPES)、それらの塩または他の適切な物質である。さらに、例えば、NaCl、KClまたはCaCl2のような溶液のイオン強度を変化させるか、またはエチレン-ジアミン-四酢酸(EDTA)またはその塩のような金属陽イオン錯体化剤である物質であってもよい。当業者に公知の他の生物学的物質であってもよい。
本発明の方法は、核酸を含む他の生物学的物質との複雑な混合物からの核酸、すなわち、RNAまたはDNAの精製に適切である。これにより、異なる核酸の混合物も精製することができ、さらには少量しか目的の核酸を含まない混合物さえも精製することができる。したがって、本発明は、標的核酸が、濃度の点で微量成分である(または少量でしか存在しない)特定の核酸の混合物の精製も包含する。
記載される手段は、自然界に存在する核酸または修飾された核酸を単離するために使用することができる。自然界に存在する核酸は、その構造が自然界に存在する核酸と比較して不可逆に変化していない核酸であると理解される。しかしこれは、サンプルの他の成分が修飾され得ないということではない。修飾された核酸は、自然界には存在しない核酸、例えば、反応性の検出可能な、または固定可能な基をそれらに付加することによって修飾されている核酸を含む。この例は、ビオチニル化された核酸である。
上記の工程の後、本発明の方法を使用して単離された核酸は、ここで、さらに必要に応じて使用されうる。例えば、それらは、種々の酵素反応のための基質として使用されうる。核酸は、核酸が関与している場合、配列決定、放射活性または非放射活性標識化、それらが含む1つ以上の配列の増幅、転写、標識プローブ核酸とのハイブリダイゼーション、翻訳またはライゲーションに使用されうる。したがって、本発明はまた、標的核酸に親和性を示す材料から結合した標識核酸を脱離させる工程を含む方法も包含する。望ましい場合には、この方法で精製された標的核酸が上記の材料から分離されうる。
したがって、本発明の第一の態様は、a)(i)水性緩衝液、(ii)高濃度の塩、(iii)式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物、および(iv)核酸を含有する組成物から核酸を基材に吸着させ;b)任意に、核酸が吸着した基材を洗浄溶液で洗浄し;続いてc)核酸が吸着した基材を、工程(a)の組成物と比べて塩濃度が低い溶液と接触させ、それにより基材から核酸を脱離させ;d)脱離した核酸を含む溶液を基材から分離し、それにより核酸を精製し;任意に(e)脱離した核酸を工程(d)の溶液から沈殿させ、沈殿した核酸を単離し、それによりさらに核酸を精製する工程を包含する、核酸の精製のための方法である。官能基は、オキソ基、スルホキソ基、シアノ基、およびカルバモイル官能基またはアミドのカルボニル基からなるが、カルボキシ官能基に属さない群より選択されることが好ましい。水混和性非酸性有機化合物は、アセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択されることがさらにより好ましい。工程(a)の組成物は、(少なくとも1つの)核酸の精製のための自動化方法に利用されることも意図される。ピペッティング装置を有するロボットのような本発明の方法を行う能力のある自動処理装置は、多くの場合、溶液、例えば、保存溶液を含む開放容器を有する。これに関して、溶液の液相が、常圧、常温で、低い蒸発傾向を示す溶媒を含むことが好都合である。したがって、水混和性非酸性有機化合物がジメチルスルホキシドであることが非常に好ましい。水混和性非酸性有機化合物がN−メチル−2−ピロリドンであることもまた、非常に好ましい。
好ましくは、工程(a)の組成物は、1〜50%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。さらに好ましくは、工程(a)の組成物は、2〜35%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。さらにより好ましくは、工程(a)の組成物は、3〜30%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。非常に好ましくは、工程(a)の組成物は、約4%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。非常に好ましくは、工程(a)の組成物は、約15%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。非常に好ましくは、工程(a)の組成物は、約25%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。
好ましくは、工程(a)の組成物中の塩は、1〜8Mの濃度のカオトロピック塩である。さらに好ましくは、上記カオトロピック塩は、過塩素酸ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、およびヨウ化ナトリウムからなる群より選択される。
さらに好ましくは、工程(a)の組成物中の塩は、1〜10Mまでの濃度であり、そして上記塩は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素およびそれらの混合物からなる群より選択される。
好ましくは、洗浄溶液は、水混和性非酸性有機化合物を含む。さらに好ましくは、洗浄溶液は、1〜50%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。さらに好ましくは、洗浄溶液は、2〜35%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。さらにいっそう好ましくは、洗浄溶液は、3〜30%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。非常に好ましくは、洗浄溶液は、約4%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。非常に好ましくは、洗浄溶液は、約15%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。非常に好ましくは、洗浄溶液は、約25%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。
好ましくは、基材として、シリカゲル、ガラス繊維、石英繊維、およびゼオライトからなる群より選択される多孔性または無孔性の無機質基材が挙げられる。さらに好ましくは、基材として、金属酸化物、および/または金属混合酸化物、アルミナ、チタニア、ジルコニア、および大部分ガラスから構成されている材料からなる群より選択される多孔性または無孔性の無機質基材が挙げられる。無機質基材は、0.1μmから1,000μmまでの粒子サイズを示すことも好ましい。使用される際に、多孔性無機質支持体材料は、2から1,000nmまでの孔サイズを示すことも好ましい。さらに好ましものは、多孔性または無孔性の支持体材料、特にゼオライトの粗くパッキングされた形態である。さらにいっそう好ましくは、無機質基材は、ガラス、石英またはセラミックフィルターシート、ならびに/あるいはシリカゲルおよび/または無機質支持体の粒子または繊維および石英またはガラスウールの織物を含む膜の形態のフィルターシートから構成される。基材が磁気誘因性粒子を包含することも好ましい。さらに好ましくは、磁気誘因性粒子は、シリカゲル、ガラス、石英およびゼオライトからなる群より選択される無機質基材でコーティングされる。いっそうさらに好ましくは、基材には、ガラスでコーティングされた磁気誘因性粒子が含まれる。標的核酸を検出し決定することができる。上記の精製方法には、測定または検出工程が続くことが、また精製方法には、増幅および測定または検出工程が続くことが好ましい。標的核酸または目的の核酸は、非標的核酸のマトリックス中に含まれる場合があり、そしてさらには特異的核酸の上記混合物中での微量成分である場合もある。適切なDNA検出方法は、当業者に知られており、そしてSambrook, FritschおよびManiatis、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,3版、CSHL Press、2001年;およびAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology、ジェイ.ウイリー・アンド・サンズ、NY,1987年のような標準的なテキストに記載されている。DNA検出工程が行われる前に、さらに精製工程、例えば沈殿工程が行われる場合もある。検出方法としては、それに限定されないが、二本鎖DNAにインターカレート、そしてその後その蛍光が変化するエチジウムブロマイドのような特定の色素の結合またはインターカレートが挙げられうる。精製されたDNAは、必要に応じて制限消化の後、電気泳動方法によっても分離され、そしてその後可視化されうる。特異的配列に対するオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションおよびそれに続くハイブリッドの検出を活用するプローブに基づくアッセイもある。当業者に知られているさらなる工程の後、DNAを配列決定することも可能である。
他の方法では、特異的プローブが結合したシリコンチップに多様なDNA配列を適用し、これは相補的配列が結合するとシグナルを生じる。
本発明には、核酸を含む非タンパク質様成分とタンパク質様成分との混合物も含まれ、ここで核酸は、DNAまたはRNAあるいはその両方である。
本発明には、生物学的サンプル(そこから核酸が精製される)も含まれ、サンプルとしては、ウイルスまたは細菌細胞、並びに例えば、白血球のようなヒトおよび動物細胞のような多細胞生物から単離された細胞、ならびに、ハプテン、抗原、抗体および核酸、血漿、脳脊髄液、痰、便、生検標本、骨髄、口腔洗浄液、血清、組織、尿またはその混合物のような免疫学的に活性な低および高分子化合物が挙げられる。本発明はまた、ヒトまたは動物の体内からの体液のような生物学的サンプルを含む;好ましくは、生物学的サンプルは、血液、血漿、血清または尿である。血漿は、好ましくは、EDTA、ヘパリンまたはクエン酸血漿である。本発明の1つの態様では、生物学的サンプルは、細菌細胞、真核細胞、ウイルスまたはそれらの混合物を包含する。上記のような、好ましくは溶解物のような処理された形態である生物学的サンプルは、組成物((標的)核酸が、そこから基材に吸着させられる)の一部でありうる。
核酸およびタンパク質様材料の混合物が、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)あるいはその両方を包含することも好ましく、好ましくは、DNAまたはRNAあるいはその両方は、ウイルスまたは(少なくとも1つの)微生物に由来する。ウイルスは、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)またはパルボウイルスB19でありうる。
標的核酸成分および他の核酸は、基本的に上記のように精製されることも好ましい。その後、標的核酸成分は、さらに操作され、そして検出される、すなわち、標的配列を検出可能な量まで特異的に増幅するポリメラーゼ連鎖反応において、標的核酸が増幅される。他の可能な増幅反応は、リガーゼ連鎖反応(LCR、Wu,D.Y.およびWallace,R.B.、Genomics 4巻(1989年)560-569頁、およびBarany,F.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA88巻(1991年)189−193頁);ポリメラーゼ・リガーゼ連鎖反応(Barany,F.、PCR Methods and Applic.1巻(1991年)5−16頁);Gap-LCR(国際公開公報第WO90/01069号);修復連鎖反応(欧州特許公報EP0439182A2号)、3SR(Kwoh,D.Y.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA86巻(1989年)1173-1177頁;Guatelli,J.C.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA87巻(1990年)1874-1878頁;国際公開公報第WO92/08800号)、およびNASBA(米国特許番号第5,130,238号)である。さらに、標準置換増幅(SDA)、転写媒介性増幅(TMA)、およびQ-β-増幅(概要については例えば、Whelen,A.C.、およびPersing,D.H.、Annu.Rev.Microbiol.50巻(1996年)349-373頁;Abramson,R.D.およびMyers,T.W.、Curr.Opin.Biotechnol.4巻(1993年)41−47頁を参照)がある。
特に好ましくは、国際公開公報第WO92/02638号および対応の米国特許番号第5,210,015号;米国特許番号第5,804,375号;米国特許番号第5,487,972号に開示されているTaqMan(登録商標)検出法である。この方法は、ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性を活用して、信号を発生させる。詳細には、標的核酸成分は、サンプルを標的核酸成分の領域に相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド、および同じ標的核酸成分の配列鎖の第二領域に相補的な配列を含むが、しかし第一のオリゴヌクレオチドにより定義される核酸配列を含まない標識オリゴヌクレオチドと、サンプルを接触させてハイブリダイゼーション条件下で二本鎖の混合物を形成させることにより検出される。ここでは、二本鎖は、第一のオリゴヌクレオチドの3'末端が標識オリゴヌクレオチドの5'末端に隣接して存在するように、第一のオリゴヌクレオチドおよび標識オリゴヌクレオチドにアニーリングした標的核酸を含む。その後、5'-3'までのヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼが、アリーリングした標識オリゴヌクレオチドを切断して標識されたフラグメントを放出するために十分な条件下で、5'-3'のヌクレアーゼ活性を有するテンプレート依存性核酸ポリメラーゼでこの混合物が処理される。標識オリゴヌクレオチドの加水分解によって生じる信号が検出および/または測定される。TaqMan(登録商標)技術は、固相に結合した反応複合体を形成させ、これを検出できるようにする必要性を排除する。さらに一般的な用語では、標的核酸成分の精製、それに続く検出工程に関する手順が開示されており、ここでは増幅および/または検出反応は均質な溶液相である。
本発明の別の態様は、(a)塩濃度の高い水溶液中の核酸、および式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物を準備し;および(b)基材に工程(a)の水溶液を添加する工程を含む、基材に核酸を吸着させる方法である。好ましくは、官能基は、オキソ基、スルホキソ基、シアノ基、およびカルバモイル官能基またはアミドのカルボニル基からなるが、しかしカルボキシ官能基には属さない群より選択される。さらに好ましくは、水混和性非酸性有機化合物はアセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される。工程(a)の水溶液を利用するか、または(少なくとも1つの)核酸の精製のための自動化方法に利用されることも意図される。ピペッティング装置を有するロボットのような本発明の方法を行う能力のある自動処理装置は、しばしば、溶液、例えば、保存溶液を含む開放容器を有する。この点については、溶液および/または懸濁液の液相が、常圧、常温で、蒸散に対して低い傾向を示す溶媒を含むことが好都合である。したがって、水混和性非酸性有機化合物がジメチルスルホキシドであることが非常に好ましい。水混和性非酸性有機化合物がN-メチル-2-ピロリドンであることも非常に好ましい。
好ましくは、工程(a)の水溶液は、1〜50%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。さらに好ましくは、工程(a)の水溶液は、2〜35%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。さらにいっそう好ましくは、工程(a)の水溶液は、3〜30%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。非常に好ましくは、工程(a)の水溶液は、約4%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。非常に好ましくは、工程(a)の水溶液は、約15%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。非常に好ましくは、工程(a)の水溶液は、約25%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。
好ましくは、工程(a)の水溶液中の塩は、1〜8Mまでの濃度のカオトロピック塩である。さらに好ましくは、上記カオトロピック塩は、過塩化ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、およびヨウ化ナトリウムからなる群より選択される。
さらに好ましくは、工程(a)の水溶液中の塩は、1〜10Mまでの濃度であり、そして上記塩は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素およびそれらの混合物からなる群より選択される。
好ましくは、基材として、シリカゲル、ガラス繊維、石英繊維、およびゼオライトからなる群より選択される多孔性または無孔性の無機質基材が挙げられる。さらに好ましくは、基材として、金属酸化物、および/または金属混合酸化物、アルミナ、チタニア、ジルコニア、および大部分がガラスから構成されている材料からなる群より選択される多孔性または無孔性の無機質基材が挙げられる。無機質基材は、0.1μm〜1,000μmまでの粒子サイズを示すことも好ましい。使用される際に、多孔性無機質支持体材料が2〜1,000nmまでの孔サイズを示すことも好ましい。さらに好ましいものは、多孔性または無孔性の支持体材料、特にゼオライトの緩くパッキングされた形態である。さらにいっそう好ましくは、無機質基材は、ガラス、石英またはセラミックフィルターシート、ならびに/あるいはシリカゲルおよび/または無機質基材の粒子または繊維および石英またはガラスウールの織物を含む膜の形態にあるフィルターシートから構成される。基材が磁気誘因性粒子を包含することも好ましい。さらに好ましくは、磁気誘因性粒子は、シリカゲル、ガラス、石英およびゼオライトからなる群より選択される無機質基材でコーティングされる。いっそうさらに好ましくは、基材には、ガラスでコーティングされた磁気誘因性粒子が含まれる。
本発明のさらに別の態様は、(a)核酸を塩濃度が高い水溶液として準備し;(b)粉末状材料の形態の基材を準備し;(c)式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物を準備し;(d)工程(c)の水混和性非酸性有機化合物中に工程(b)の基材を分散させて上記基材の懸濁液を調製し;そして(e)工程(a)の水溶液を工程(d)の懸濁液と混合する工程を包含する、基材に核酸を吸着させる方法である。好ましくは、官能基は、オキソ基、スルホキソ基、シアノ基、およびカルバモイル官能基またはアミドのカルボニル基からなるが、しかしカルボキシ官能基に属さない基から選択される。さらに好ましくは水混和性非酸性有機化合物は、アセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される。工程(d)の懸濁液は、(少なくとも1つの)核酸の精製のための自動化方法に使用されることも意図される。ピペッティング装置を有するロボットのような本発明の方法を行う能力のある自動処理装置は、しばしば、溶液、例えば、保存溶液、および工程(d)の懸濁液のような懸濁液を含む開放容器を有する。この点については、溶液および/または懸濁液の液相が、常圧、常温で、蒸散に対して低い傾向を示す溶媒を含むことが好都合である。したがって、水混和性非酸性有機化合物がジメチルスルホキシドであることが非常に好ましい。水混和性非酸性有機化合物がN-メチル-2-ピロリドンであることも非常に好ましい。
好ましくは、工程(e)の組成物は、1〜50%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。さらに好ましくは、工程(e)の組成物は、2〜35%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。さらにいっそう好ましくは、工程(e)の組成物は、3〜30%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。さらにいっそう好ましくは、工程(e)の組成物は、約4%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。さらにいっそう好ましくは、工程(e)の組成物は、約15%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。さらにいっそう好ましくは、工程(e)の組成物は、約25%体積率の水混和性非酸性有機化合物を含む。
好ましくは、工程(e)の組成物中の塩は、1〜8Mまでの濃度のカオトロピック塩である。さらに好ましくは、上記カオトロピック塩は、過塩化ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、およびヨウ化ナトリウムからなる群より選択される。
さらに好ましくは、工程(e)の組成物中の塩は、1〜10Mまでの濃度であり、そして上記塩は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素およびそれらの混合物からなる群より選択される。
好ましくは、基材として、シリカゲル、ガラス、石英、およびゼオライトからなる群より選択される粉末状の多孔性または無孔性の無機質基材が挙げられる。さらに好ましくは、基材として、金属酸化物、および/または金属混合酸化物、アルミナ、チタニア、ジルコニア、および大部分がガラスから構成されている材料からなる群より選択される粉末状の多孔性または無孔性の無機質基材が挙げられる。基材が磁気誘因性粒子を包含することも好ましい。さらに好ましくは、磁気誘因性粒子は、シリカゲル、ガラス、石英およびゼオライトからなる群より選択される無機質基材でコーティングされる。いっそうさらに好ましくは、基材には、ガラスでコーティングされた磁気誘因性粒子が含まれる。
本発明のさらに別の態様は、式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物中に分散させられた粉末状材料の形態の基材を含む懸濁液である。好ましくは、官能基は、オキソ基、スルホキソ基、シアノ基、およびカルバモイル官能基またはアミドのカルボニル基からなるが、しかしカルボキシ官能基に属さない基から選択される。さらに好ましくは、水混和性非酸性有機化合物は、アセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される。本発明の懸濁液は、(少なくとも1つの)核酸の精製のための自動化方法に使用されることも意図される。ピペッティング装置を有するロボットのような本発明の方法を行う能力のある自動処理装置は、しばしば、溶液、例えば、保存溶液、および上に明記される懸濁液のような懸濁液を含む開放容器を有する。この点については、溶液および/または懸濁液の液相が、常圧、常温で、蒸散に対して低い傾向を示す溶媒を含むことが好都合である。したがって、水混和性非酸性有機化合物がジメチルスルホキシドであることが非常に好ましい。水混和性非酸性有機化合物がN-メチル-2-ピロリドンであることも非常に好ましい。
好ましくは、基材として、シリカゲル、ガラス繊維、石英繊維、およびゼオライトからなる群より選択される粉末状の多孔性または無孔性の無機質基材が挙げられる。さらに好ましくは、基材として、金属酸化物、および/または金属混合酸化物、アルミナ、チタニア、ジルコニア、および大部分がガラスから構成されている材料からなる群より選択される粉末状の多孔性または無孔性の無機質基材が挙げられる。基材が磁気誘因性粒子を包含することも好ましい。さらに好ましくは、磁気誘因性粒子は、シリカゲル、ガラス、石英およびゼオライトからなる群より選択される無機質基材でコーティングされる。いっそうさらに好ましくは、基材には、ガラスでコーティングされた磁気誘因性粒子が含まれる。
本発明のさらに別の態様は、本明細書中に記載される本発明の方法を行うための、式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物の使用である。
好ましくは、官能基は、オキソ基、スルホキソ基、シアノ基、およびカルバモイル官能基またはアミドのカルボニル基からなるが、しかしカルボキシ官能基に属さない基から選択される。さらに好ましくは、水混和性非酸性有機化合物は、アセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される。本発明の懸濁液は、(少なくとも1つの)核酸の精製のための自動化方法に使用されることも意図される。ピペッティング装置を有するロボットのような本発明の方法を行う能力のある自動処理装置は、しばしば、溶液、例えば、保存溶液、および上に明記される懸濁液のような懸濁液を含む開放容器を有する。この点については、溶液および/または懸濁液の液相が、常圧、常温で、蒸散に対して低い傾向を示す溶媒を含むことが好都合である。したがって、水混和性非酸性有機化合物がジメチルスルホキシドであることが非常に好ましい。水混和性非酸性有機化合物がN-メチル-2-ピロリドンであることも非常に好ましい。
本発明のさらに別の態様は、水混和性非酸性有機化合物中に基材を分散させて、上記基材の懸濁液を調製することにより懸濁液を調製するための、式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物の使用である。
好ましくは、官能基は、オキソ基、スルホキソ基、シアノ基、およびカルバモイル官能基またはアミドのカルボニル基からなるが、しかしカルボキシ官能基に属さない基から選択される。さらに好ましくは、水混和性非酸性有機化合物はアセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される。本発明の懸濁液は、(少なくとも1つの)核酸の精製のための自動化方法に使用されることも意図される。ピペッティング装置を有するロボットのような本発明の方法を行う能力のある自動処理装置は、しばしば、溶液、例えば、保存溶液、および上に明記される懸濁液のような懸濁液を含む開放容器を有する。この点については、溶液および/または懸濁液の液相が、常圧、常温で、蒸散に対して低い傾向を示す溶媒を含むことが好都合である。したがって、水混和性非酸性有機化合物がジメチルスルホキシドであることが非常に好ましい。水混和性非酸性有機化合物がN-メチル-2-ピロリドンであることも非常に好ましい。
好ましくは、基材として、シリカゲル、ガラス、石英、およびゼオライトからなる群より選択される粉末状の多孔性または無孔性の無機質基材が挙げられる。さらに好ましくは、基材として、金属酸化物、および/または金属混合酸化物、アルミナ、チタニア、ジルコニア、および大部分がガラスから構成されている材料からなる群より選択される粉末状の多孔性または無孔性の無機質基材が挙げられる。基材が磁気誘因性粒子を包含することも好ましい。さらに好ましくは、磁気誘因性粒子は、シリカゲル、ガラス、石英およびゼオライトからなる群より選択される無機質基材でコーティングされる。いっそうさらに好ましくは、基材には、ガラスでコーティングされた磁気誘因性粒子が含まれる。
本発明のさらに別の態様は、上記の本発明の方法を行うための、本発明の懸濁液の使用である。
本発明は、キットも意図する。当該分野で知られているこのようなキットには、例えば、96または384ウェルフォーマットでのマイクロタイタープレート、または例えば、ドイツ国ハンブルグのエッペントルフ(Eppendorf)によって製造されたただ普通の反応管として、サンプル調製方法に使用することができるプラスチック製品、ならびに本発明の方法を行うための全ての他の試薬を包含する。したがって、キットには、さらに、核酸(および(少なくとも1つの)標的核酸成分)に対して親和性を示す材料を含めることができ、好ましくは核酸(および(少なくとも1つの)標的核酸成分)に対して親和性を示す材料として、シリカ表面を有する材料が挙げられる。好ましくは、シリカ表面を有する材料は、ガラスである。最も好ましくは、核酸に親和性を示す材料は、磁性ガラス粒子、すなわち、ガラスでコーティングされた磁性誘引性粒子を含有する組成物である。核酸に対して親和性を示す別の好ましい材料は、陰イオン交換体である。キットには、さらにまたはそのうえ、例えば、細胞を溶解させるカオトロピック剤、界面活性剤またはその混合物を含む溶解緩衝液を含めることができる。本発明のキットのこれらの成分は、管または保存容器中で別個に提供されうる。成分の特性により、これらは、単独の管または保存容器でさえ提供される場合がある。キットには、さらにまたはそのうえ、DNAまたはRNAがそこに結合させられた磁性ガラス粒子の洗浄工程に最適である洗浄溶液を含めることができる。この洗浄溶液は、上記のような本発明の水混和性非酸性有機化合物および/またはカオトロピック剤を含まない緩衝溶液または酸性pHを示す溶液中に、本発明の水混和性非酸性有機化合物および/またはカオトロピック剤を含む場合がある。しばしば、洗浄溶液または他の溶液は、使用の前に希釈されなければならない保存溶液として提供される。キットには、さらにまたはそのうえ、展開液または溶出緩衝液、すなわち、磁性ガラス粒子に結合させたDNAまたはRNAを溶出させるために溶液または緩衝液(例えば、10mMトリス、1mM EDTA、pH8.0)または純水を含めることができる。さらに、別の試薬または緩衝溶液も、核酸、すなわち、DNAまたはRNAの精製方法のために使用することができる。
本発明のさらに別の態様は、(a)緩衝塩および過塩素酸ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、およびヨウ化ナトリウムからなる群より選択されるカオトロピック塩の濃縮ストック溶液;(b)式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物であって、アセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される、水混和性非酸性有機化合物;(c)緩衝溶液;ならびに(d)クロマトグラフィーおよび濾過用材料を含む、パーツキットである。
本発明のさらに別の態様は、(a)緩衝塩および塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素、およびその混合物からなる群より選択される塩の濃縮ストック溶液;(b)式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物であって、アセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される、水混和性非酸性有機化合物;(c)緩衝溶液;ならびに(d)クロマトグラフィーおよび濾過用材料を含む、パーツキットである。
本発明のさらに別の態様は、(a)緩衝塩および過塩素酸ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、およびヨウ化ナトリウムからなる群より選択されるカオトロピック塩の濃縮ストック溶液;(b)上記の本発明の懸濁液;(c)緩衝溶液を含む、パーツキットである。
本発明のさらに別の態様は、(a)緩衝塩および塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素、およびその混合物からなる群より選択される塩の濃縮ストック溶液;(b)上記の本発明の懸濁液;(c)緩衝溶液を含む、パーツキットである。
本発明の好ましい態様は、例えば、国際公開公報第WO99/16781号に記載されているような自動化可能な方法で本発明の方法またはキットを使用することである。自動化可能な方法は、その方法の工程が、ヒトによる外部制御または影響をほとんどまたは全くなしに操作することができる装置または機械で行われるのに適していることを意味する。自動化方法は、自動化可能な方法の工程が、ヒトによる外部制御または影響をほとんどまたは全くなしに操作することができる装置または機械で行われることを意味する。その方法の調製工程のみが、手動で行われなければならない可能性があり、例えば、保存容器は、充填され、そして定位置に置かなければならず、サンプルの選択は、ヒトにより行われなければならず、さらなる工程は、その分野(例えば、制御コンピューターの操作)の専門家に公知である。装置または機械は、例えば、自動的に液体を添加し、サンプルを混合するか、または特定の温度でインキュベーション工程を行うことができる。典型的には、このような機械または装置は、単一の工程およびコマンドが特定されているプログラムを実行するコンピューターによって制御されたロボットである。好ましい自動化方法は、方法および使用される機械または装置が、短時間でのサンプルのハイスループットのために最適化されることを意味するハイスループットフォーマットで行われるものである。本発明の別の態様では、本発明の方法またはキットは、一部の反応工程が、手動で行われなければならないことを意味する半自動化方法で使用される。本発明の好ましい態様では、本発明のMGP(磁性ガラス粒子)を含む懸濁液を、保存容器から取り出し、そして部分量を、異なる反応容器に加える。反応溶液は、プラスチック製の反応管であり得て、最終的には、マイクロタイタープレートフォーマットで、96または384またはそれより多いウェルが含まれ、ここで反応が行われる。しかし、これらの容器は、他の材料製、例えば、鉄製であってもよい。
本発明によって意図される有機化合物のいくつかは、特定のプラスチック材料を溶解し得ることは、当業者に明らかである。したがって、適切な貯蔵または反応容器の特性を測定する場合、当業者は、限られた数の明らかな実験で、本発明の方法を実行するために、または本発明のキットを生産するために最も適している材料を決定する。
本発明の好ましい態様では、本発明のキットは、研究、生体分析または診断において核酸の精製のために使用される。本発明の好ましい態様では、本発明のキットまたは本発明の方法は、ハイスループットフォーマットで、すなわち、極めて短時間で多数の異なるサンプルの分析ができる自動化法で使用される。
本発明の別の態様は、(a)生物学的サンプルを溶解する工程;(b)(i)工程(a)の溶解させた生物学的サンプル、(ii)水性緩衝液、(iii)高濃度の塩、(iv)式I
(式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物を含む組成物を形成する工程;(c)工程(b)の組成物を基材と接触させ、それにより基材に核酸を吸着する工程;(d)必要に応じて、核酸が吸着している基材を洗浄溶液で洗浄する工程;続いて(e)核酸が吸着している基材を、工程(a)の組成物と比べて低濃度の塩を含む溶液と接触させ、それにより基材から核酸を脱着する工程;ならびに(f)脱着した核酸を含む溶液を基材から分離する工程;ならびに(g)工程(f)の溶液中で核酸の存在を検出し、それにより核酸の存在を決定する工程を包含する、生物学的サンプル中の核酸の存在を決定するための方法である。好ましくは、核酸は、特異的プライマー、特異的検出プローブ、および増幅混合物を使用してポリメラーゼ連鎖反応による核酸の増幅により決定され、これにより増幅はリアルタイムで監視される。好ましくはまた、ハイブリダイゼーションプローブに核酸をハイブリダイズさせ、そしてハイブリッドを検出および/または定量することによって、核酸を決定することである。当業者は、核酸がハイブリダイゼーションプローブとして作用できるだけではなく、1つ以上のヌクレオシドアナログを含む核酸をも使用することができるという事実を承知している。さらに、PNAのような核酸アナログは、核酸を用いて検出可能なハイブリッドを形成し得るということが当該分野で公知である。測定される核酸は、DNAまたはRNAであることが理解される。核酸がRNAであり、そして工程(g)が(i)RNAを逆転写してcDNAを形成する工程、(ii)次いで、ポリメラーゼ連鎖反応によりcDNAを増幅する工程、(iii)cDNAの存在を検出し、それにより核酸の存在を決定する工程を含む、上記の方法が非常に好ましい。
水混和性環状ジエーテルは、本発明の方法を行うために適切な非酸性有機化合物であることも、本発明者らによって見出された。
したがって、本発明の別の態様は、a)(i)水性緩衝液、(ii)高濃度の塩、(iii)水混和性環状ジエーテル、および(iv)核酸を含有する組成物から該核酸を基材に吸着する工程;b)必要に応じて、核酸が吸着している基材を洗浄溶液で洗浄する工程;つづいてc)核酸が吸着している基材を、工程(a)の組成物と比べて低濃度の塩を含む溶液と接触させ、それにより基材から核酸を脱着する工程;ならびにd)脱着した核酸を含む溶液を基材から分離し、それにより核酸を精製する工程;ならびに必要に応じて(e)脱着した核酸を工程(d)の溶液から沈殿させ、そして沈殿した核酸を単離し、それによりさらに核酸を精製する工程を包含する、核酸の精製のための方法である。好ましくは、水混和性環状ジエーテルはジオキサンである。
好ましくは、工程(a)の組成物は、1〜50体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。さらに好ましくは、工程(a)の組成物は、2〜35体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。いっそうさらに好ましくは、工程(a)の組成物は、3〜30体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。非常に好ましくは、工程(a)の組成物は、約4体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。非常に好ましくは、工程(a)の組成物は、約15体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。非常に好ましくは、工程(a)の組成物は、約25体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。
好ましくは、工程(a)の組成物中の塩は、1〜8Mの濃度のカオトロピック塩である。さらに好ましくは、上記カオトロピック塩は、過塩素酸ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、およびヨウ化ナトリウムからなる群より選択される。
好ましくはまた、工程(a)の組成物中の塩は、1〜10Mの濃度であり、そして上記塩は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素およびそれらの混合物からなる群より選択される。
好ましくは、洗浄溶液は、水混和性環状ジエーテルを含む。さらに好ましくは、洗浄溶液は、1〜50体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。さらにより好ましくは、洗浄溶液は、2〜35体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。さらにより好ましくは、洗浄溶液は、3〜30体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。非常に好ましくは、洗浄溶液は、約4体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。非常に好ましくは、洗浄溶液は、約15体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。非常に好ましくは、洗浄溶液は、約25体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。
好ましくは、基材は、シリカゲル、ガラス繊維、石英繊維、およびゼオライトからなる群より選択される多孔性または非多孔性の無機質基材を含む。好ましくはまた、基材は、金属酸化物、および/または金属混合酸化物、アルミナ、チタニア、ジルコニア、および大部分がガラスから構成されている材料からなる群より選択される多孔性または非多孔性の無機質基材を含む。無機質基材は、0.1μm〜1,000μmの粒子サイズを有することも好ましい。使用される際に、多孔性無機質支持体材料が2〜1,000nmの孔サイズを有することも好ましい。さらに好ましくは、多孔性または非多孔性の支持体材料、特にゼオライトは、粗くパッキングの形態である。さらにいっそう好ましくは、無機質基材は、ガラス、石英またはセラミックフィルターシート、および/またはシリカゲルおよび/または無機質支持体の粒子または繊維および石英またはガラスウールの織物を含む膜の形態にあるフィルターシートから構成される。基材が磁性誘引粒子を含むことも好ましい。さらに好ましくは、磁性誘引粒子は、シリカゲル、ガラス、石英およびゼオライトからなる群より選択される無機質基材でコーティングされる。いっそうさらに好ましくは、基材は、ガラスでコーティングされた磁性誘引粒子を含む。
本発明の別の態様は、(a)高濃度の塩および水混和性環状ジエーテルを含む水溶液中に核酸を提供する工程;ならびに(b)基材に工程(a)の水溶液を添加する工程を包含する、基材に核酸を吸着させる方法である。好ましくは、水混和性環状ジエーテルは、ジオキサンである。
好ましくは、工程(a)の水溶液は、1〜50体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。さらに好ましくは、工程(a)の水溶液は、2〜35体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。いっそうさらに好ましくは、工程(a)の水溶液は、3〜30体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。非常に好ましくは、工程(a)の水溶液は、約4体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。非常に好ましくは、工程(a)の水溶液は、約15体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。非常に好ましくは、工程(a)の水溶液は、約25体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。
好ましくは、工程(a)の水溶液中の塩は、1〜8Mの濃度のカオトロピック塩である。さらに好ましくは、上記カオトロピック塩は、過塩素酸ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、およびヨウ化ナトリウムからなる群より選択される。
さらに好ましくは、工程(a)の水溶液中の塩は、1〜10Mの濃度であり、そして上記塩は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素およびそれらの混合物からなる群より選択される。
好ましくは、基材は、シリカゲル、ガラス繊維、石英繊維、およびゼオライトからなる群より選択される多孔性または非多孔性の無機質基材を含む。さらに好ましくは、基材は、金属酸化物、および/または金属混合酸化物、アルミナ、チタニア、ジルコニア、および大部分がガラスから構成されている材料からなる群より選択される多孔性または非多孔性の無機質基材を含む。無機質基材は、0.1μm〜1,000μmの粒子サイズを有することも好ましい。使用される際に、多孔性無機質支持体材料が2〜1,000nmの孔サイズを有することも好ましい。さらに好ましくは、多孔性または非多孔性の支持体材料、特にゼオライトは、粗いパッキングの形態である。さらにいっそう好ましくは、無機質基材は、ガラス、石英またはセラミックフィルターシート、および/またはシリカゲルおよび/または無機質支持体の粒子または繊維および石英またはガラスウールの織物を含む膜の形態であるフィルターシートから構成される。基材が磁性誘引粒子を包むことも好ましい。さらに好ましくは、磁性誘引粒子は、シリカゲル、ガラス、石英およびゼオライトからなる群より選択される無機質基材でコーティングされる。いっそうさらに好ましくは、基材は、ガラスでコーティングされた磁性誘引粒子を含む。
本発明のさらに別の態様は、(a)高濃度の塩を含む水溶液に核酸を提供する工程;(b)粉末状材料の形態で基材を提供する工程;(c)水混和性環状ジエーテルを提供する工程;(d)工程(c)の水混和性環状ジエーテル中に工程(b)の基材を分散させて、上記基材の懸濁液を調製する工程;ならびい(e)工程(a)の水溶液を工程(d)の懸濁液と混合する工程を包含する、基材に核酸を吸着させる方法である。好ましくは、水混和性環状ジエーテルは、ジオキサンである。
好ましくは、工程(e)の組成物は、1〜50体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。さらに好ましくは、工程(e)の組成物は、2〜35体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。いっそうさらに好ましくは、工程(e)の組成物は、3〜30体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。いっそうさらに好ましくは、工程(e)の組成物は、約4体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。いっそうさらに好ましくは、工程(e)の組成物は、約15体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。いっそうさらに好ましくは、工程(e)の組成物は、約25体積%の水混和性環状ジエーテルを含む。
好ましくは、工程(e)の水溶液中の塩は、1〜8Mの濃度のカオトロピック塩である。さらに好ましくは、上記カオトロピック塩は、過塩素酸ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、およびヨウ化ナトリウムからなる群より選択される。
さらに好ましくは、工程(e)の組成物中の塩は、1〜10Mの濃度であり、そして上記塩は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素およびそれらの混合物からなる群より選択される。
好ましくは、基材は、シリカゲル、ガラス、石英、およびゼオライトからなる群より選択される粉末状の多孔性または非多孔性の無機質基材を含む。さらに好ましくは、基材は、金属酸化物、および/または金属混合酸化物、アルミナ、チタニア、ジルコニア、および大部分がガラスから構成されている材料からなる群より選択される粉末状の多孔性または非多孔性の無機質基材を含む。基材が磁性誘引粒子を含むことも好ましい。さらに好ましくは、磁性誘引粒子は、シリカゲル、ガラス、石英およびゼオライトからなる群より選択される無機質基材でコーティングされる。いっそうさらに好ましくは、基材は、ガラスでコーティングされた磁性誘引粒子を含む。
本発明のさらに別の態様は、水混和性環状ジエーテルに分散させた粉末状材料の形態の基材を含む懸濁液である。好ましくは、水混和性環状ジエーテルは、ジオキサンである。
好ましくは、基材は、シリカゲル、ガラス、石英、およびゼオライトからなる群より選択される粉末状の多孔性または非多孔性の無機質基材を含む。さらに好ましくは、基材は、金属酸化物、および/または金属混合酸化物、アルミナ、チタニア、ジルコニア、および大部分がガラスから構成されている材料からなる群より選択される粉末状の多孔性または非多孔性の無機質基材を含む。基材が磁性誘引粒子を包含することも好ましい。さらに好ましくは、磁性誘引粒子は、シリカゲル、ガラス、石英およびゼオライトからなる群より選択される無機質基材でコーティングされる。いっそうさらに好ましくは、基材は、ガラスでコーティングされた磁性誘引粒子を含む。
本発明のさらに別の態様は、本明細書中に記載される本発明の方法を行うための、水混和性環状ジエーテルの使用である。好ましくは、環状ジエーテルは、ジオキサンである。
本発明のさらに別の態様は、上記の水混和性環状ジエーテル中に基材を分散させて、上記基材の懸濁液を調製することにより懸濁液を調製するための、水混和性環状ジエーテルの使用である。好ましくは、環状ジエーテルは、ジオキサンである。
好ましくは、基材は、シリカゲル、ガラス、石英、およびゼオライトからなる群より選択される粉末状の多孔性または非多孔性の無機質基材を含む。さらに好ましくは、基材は、金属酸化物、および/または金属混合酸化物、アルミナ、チタニア、ジルコニア、および大部分がガラスから構成されている材料からなる群より選択される粉末状の多孔性または非多孔性の無機質基材を含む。基材が磁性誘引粒子を包含することも好ましい。さらに好ましくは、磁性誘引粒子は、シリカゲル、ガラス、石英およびゼオライトからなる群より選択される無機質基材でコーティングされる。いっそうさらに好ましくは、基材は、ガラスでコーティングされた磁性誘引粒子を含む。
本発明のさらに別の態様は、本明細書中に記載されるとおり本発明の方法を行うための、本発明の上記のジオキサン中の懸濁液の使用である。
本発明のさらに別の態様は、(a)緩衝塩および過塩素酸ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、およびヨウ化ナトリウムからなる群より選択されるカオトロピック塩の濃縮ストック溶液、(b)ジオキサン;(c)緩衝溶液;および(d)クロマトグラフィー材料および濾過用材料を含む、パーツキットである。
本発明のさらに別の態様は、(a)緩衝塩および塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素およびそれらの混合物からなる群より選択される塩の濃縮ストック溶液;(b)ジオキサン;(c)緩衝溶液;および(d)クロマトグラフィー材料および濾過用材料を含む、パーツキットである。
本発明のさらに別の態様は、(a)緩衝塩および過塩素酸ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジンおよびヨウ化ナトリウムからなる群より選択されるカオトロピック塩の濃縮ストック溶液;(b)上記の本発明のジオキサン中の懸濁液;(c)緩衝溶液を含む、パーツキットである。
本発明のさらに別の態様は、(a)緩衝塩および塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素およびそれらの混合物からなる群より選択される塩の濃縮ストック溶液;(b)上記の本発明のジオキサン中の懸濁液;(c)緩衝溶液を含む、パーツキットである。
以下の実施例、参考文献および図面は、本発明の理解を助けるために提供され、その真の範囲は、添付の特許請求の範囲で規定される。本発明の概念から逸脱せずに、示された手順に変更することができると理解される。
実施例1
ガラス繊維を用いたDNAの単離
健全なドナー由来の1,000μlの全血を、70℃で10分間、100μlのプロテイナーゼK溶液(Roche識別番号745723号;90mgを4.5ml水に溶解させた)および1,200μlのカオトロピック結合緩衝剤(6Mグアニジニウム-HCl、10mMのTrisHCl、20%Triton X100、pH4.4)とともにインキュベートした。
500μlの(a)イソプロパノール、(b)アセトニトリル、(c)ジメチルスルホキシドまたは(d)メチルメチルケトンを添加した後、溶解物を、ガラス繊維フィルターチューブ(MachereyおよびNagelカタログ番号740954.20号のキットから取り出したフィルターチューブ)に移した。1,900×gで3分間遠心分離した後、流動物質を廃棄し、そしてフィルターチューブを回収チューブに載せた。2,000μlの高イオン性インヒビター除去緩衝液(5Mグアニジニウム-HCl、20mM Tris、60%エタノール、pH6.6)を、ガラス繊維フィルター上にピペッティングし、そして3,000×gで1分間遠心分離した。続いて、2,000μl洗浄緩衝液(20mMのNaCl、2mMのTrisHCl、80%エタノール、pH7.5)で2回洗浄し、3,000×gで5分間遠心分離した。流動物質を廃棄した。新たな回収チューブを使用した。DNAの溶出を、300μlの70℃の高温Tris緩衝液(10mM、pH8.5)を用いて行った。5分間のインキュベーション後、チューブを、3,000×gで5分間遠心分離した。
単離したDNAの分析
DNAの収量を、標準的な分光光度計を用いてOD260nm測定値から計算した。純度を、OD260/280nm比を計算することによって評価した。結果(n=2)を表1に示す。
実施例2
MagNA Pure LC装置でのRNAの単離
106個のHeLa細胞(200μlの体積で)を、MagNA Pure LC装置(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim)のサンプルカートリッジに直接移した。それぞれのプロトコールをソフトウエアから選択し、必要なプラスチック製使い捨て容器およびキット試薬をワークステーションに載せ、そして自動RNA単離を開始した。その後、MagNA Pure LC装置により、特殊な溶解/結合緩衝液での細胞の溶解、プロテイナーゼKでの酵素によるタンパク質の消化、DNase Iでの酵素によるDNA消化、磁性ガラス粒子(MGP)へのRNAの結合、結合していない物質および不純物を除去するための数回の洗浄工程、特殊な溶出緩衝液中の純粋なRNAの溶出、および最後に、冷却した貯蔵カートリッジへの溶出物の移動のような全ての単離および精製工程を自動的に行った。
N-メチル-2-ピロリドンのような非酸性有機化合物を、核酸単離手順での性能に関して分析する場合には、乾燥MGPを、適切な容量のそれぞれの非酸性有機化合物中に懸濁させ、そして懸濁液を、MagNA Pureキット(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim)の全ての他の試薬と一緒に、MagNA Pure LC装置で使用した。
磁性ガラス粒子の懸濁液をN-メチル-2-ピロリドンを用いて調製すると、水と比べて、RNA収量が高いことが分かった。磁性ガラス粒子の懸濁液をN-メチル-2-ピロリドンを用いて調製すると、イソプロピルアルコールと比べて、RNA収量は等しいかまたは高いことが分かった。
結果を図1a(i,ii)および1b(iii,iv)にも示す。
実施例3
MagNA Pure LC装置でのDNAの単離
ヒトの血液(1ml)を、MagNA Pure LC装置(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim)のサンプルカートリッジに直接移した。それぞれのプロトコールをソフトウエアから選択し、必要なプラスチック製使い捨て容器およびキット試薬をワークステーションに載せ、そして自動DNA単離を開始した。その後、MagNA Pure LC装置により、特殊な溶解/結合緩衝液での細胞の溶解、プロテイナーゼKでの酵素によるタンパク質の消化、磁性ガラス粒子(MGP)へのDNAの結合、結合していない物質および不純物を除去するための数回の洗浄工程、特殊な溶出緩衝液中の純粋なDNAの溶出、および最後に、冷却した保存用カートリッジへの溶出物の移動のような全ての単離および精製工程を自動的に行った。
N-メチル-2-ピロリドンのような非酸性有機化合物を、核酸単離手順での性能に関して分析する場合には、乾燥MGPを、適切な容量のそれぞれの非酸性有機化合物中に懸濁させ、そして懸濁液を、MagNA Pureキット(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim)の全ての他の試薬と一緒に、MagNA Pure LC装置で使用した。
単離したDNAの分析
単離したDNAの完全性を、1%アガロースゲル上で調べ、分子量マーカーIII(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim)と一緒に、臭化エチジウムで染色した。DNA収量を、標準的な分光光度計を用いてOD260nm測定値から計算した。純度を、OD260/280nm比を計算することによって評価した。MagNA PureプロトコールおよびN-メチル-2-ピロリドンまたは他の非酸性有機化合物を使用して単離したDNAを確実に増幅するために、例えば、Light Cycler Factor V Mutation DetectionキットまたはLight Cycler Her2neu DNA Quantificationキット(両方ともRoche Diagnostics GmbH, Mannheim)を用いて全てのサンプルについてLight Cycler装置でPCRを行った。増幅は、全ての場合に成功した。
N-メチル-2-ピロリドンを用いた場合のDNA収量は、イソプロピルアルコールと同程度であり、水での収量は、非常に低かった。図2は、これらの結果を示す。
実施例4
血清サンプルからのRNAの単離
溶解および調節
健全な患者から得た200μl容量の血清を、20μlのプロテイナーゼK溶液(酵素活性6,000U/ml、DNaseおよびRNase活性なし)と混合し、そして5分間、37℃でインキュベートした。続いて、600μlの溶解緩衝液を、プロテイナーゼKで処理したサンプルと混合して、溶解溶液を得た。溶解緩衝液には、水に溶解させた以下の化合物を含めた。
続いて、380μlの結合調節剤を、溶解物の溶液に添加し、そして混合して、吸着溶液を得た。100%γ-ブチロラクトン(CAS96-48-0)、100%プロピレンカーボネート(CAS108-32-7)または100%1-メチル-2-ピロリドン(CAS872-50-4)を、結合調節剤として使用した。
固相への吸着
調節した溶解溶液の最初の600μlの試料を、固相としてガラスフリースを有する市販のスピンカラムに移した。好ましくは、High Pure PCR Template Preparationキット(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany,カタログ番号1796828号)から得たHigh Pure Spin Filterチューブをスピンカラムとして使用した。最初の600μlの試料を含むスピンカラムを、4,300×gで1分間遠心分離した。その後、第二の試料を同じスピンカラムに移し、そして遠心分離工程を同じ条件下で繰返した。
洗浄
カラムを3回洗浄し、それぞれ150μlの洗浄緩衝液を使用した。洗浄緩衝液には、水に溶解させた以下の化合物を含めた。
最初の2回の洗浄工程では、洗浄緩衝液の試料をスピンカラムに移し、そしてカラムを4,300×gで1分間遠心分離した。3回目の洗浄工程では、カラムを13,200×gで3分間遠心分離するように変更した。
遠心分離(3回目の洗浄工程、上記を参照)によって洗浄緩衝液を除去する代わりに、固相を、代替として65℃で10分間乾燥させた。
溶出
この工程には、水に溶解させた以下の化合物を含む溶出緩衝液を使用した。
150μl量の溶出緩衝液を、スピンカラムに移し、そしてカラムを4,300×gで1分間遠心分離した。溶出液をさらなる分析のために回収した。
実施例5
RNAの分析
10,000コピーのポジティブコントロールである標的RNA(精製したC型肝炎ウイルスRNA)でスパイクした(spiked)血清サンプルを、実施例4に記載したように処理した。溶出液中の標的RNAの含量をRocheのHCV検出キットを使用してTaqMan PCRにより測定した。
回収率(=処理後に見られる量/処理前の量)の計算のために、標準物を検出手段に供した。図3aおよび3bは、10,000コピー(すなわち、300%の回収率)に対応する「R300」曲線および1,000コピー(すなわち、30%の回収率)に対応する「R30」曲線を示す。
図3aおよび3bは、代表的な実験の結果を示す。結合調節剤なし(「BCなし」)のコントロール実験では非常に低い回収率(標的を見出せなかった)となったが、結合調節剤(「NMP」:N-メチル-2-ピロリドン、「PC」:プロピレンカーボネートまたは「gBL」:γ−ブチロラクトン)を添加すると、コントロールRNAについて50%より大きい回収率が得られた。
溶出液中に不純物が残るサンプル調製手順では、TaqManPCR過程の際にシグナル形成を阻害し得る。したがって、シグナル形成をモニターして、RNA調製物の品質/純度を評価した。最後のPCRサイクルの後の蛍光シグナルの値を、測定値として取った。純水中の既知量のきれいなポジティブコントロールRNA(血清にスパイクしたものと同じ)を参考として使用した。図3aおよび3bは、代表的な実験の結果を示す。蛍光シグナルの形成は結合調節剤を含まない調製物ではわずかであった(おもに回収できなかったことによる)が、結合調節剤を添加することにより、シグナル形成が改善され、これは純粋な標的で見られたシグナル形成に匹敵した。
実施例6
サンプル処理時間
病院から得たトリグリセリド値が高いサンプルを、以下のプロトコルによって処理した。
750μl量の血清を、75μlのプロテイナーゼK溶液(酵素活性6,000U/ml、DNaseおよびRNAse活性なし)とともに、37℃で5分間インキュベートした。その後、1,405μl量の溶解緩衝液(表4による)を添加し、混合した。続いて、880μlのγ−ブチロラクトン、あるいは880μlのエタノール(96%)を添加し、混合し、2つの異なる型の吸着溶液を得た。
それぞれの吸着溶液を、5mmの直径および1mmの厚みのガラスファイバーフリース(Rocheの「High Pure」キットから使用した)を含むカラム装置を通して、+1バールの常圧で処理した。全量をデバイスに通す時間(「結合時間」ともいう)を測定した。結果を表7にまとめる。
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RNAを、それぞれMagNA Pureシステム(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim)のプロトコールおよびキットを使用して8倍複製で106個のHeLa細胞から単離した。これらの単離のために、MGP(磁性ガラス粒子)を、水またはN-メチル-2-ピロリドン(NMP)のいずれかに再懸濁した。その後、精製したRNAを含む溶出物を、アガロースゲル上で分析した。レーン1〜8でのバンド、すなわち、水中に再懸濁したMGPを使用したRNA調製物は、非常に弱く、ほとんど再現できない。Mはサイズマーカーを示す。レーン9〜16は、MGPを再懸濁したNMPを使用した調製物から得られたRNAバンドを示す。 RNAを、それぞれMagNA Pureシステム(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim、カタログ番号3186229号)のプロトコールおよびキットを使用して4倍複製で106個のHeLa細胞から単離した。これらの単離のために、MGP(磁性ガラス粒子)を、イソプロピルアルコール(イソプロパノール)またはN-メチル-2-ピロリドン(NMP)のいずれかに再懸濁した。その後、精製したRNAを含む溶出物を、アガロースゲル上で分析した。 DNAを、それぞれMagNA Pureシステム(Roche Diagnostics GmbH, Mannheim、カタログ番号3186229号)のプロトコールおよびキットを使用して8倍複製で1mlの血液から単離した。これらの単離のために、MGP(磁性ガラス粒子)を、イソプロパノールまたはN-メチル-2-ピロリドンまたは水中のいずれかに再懸濁した。その後、精製したDNAを含む溶出物を、アガロースゲル上で分析した。 TaqMan PCRの間の蛍光シグナル。x軸はPCRのサイクル数を示し、y軸は検出器により測定した蛍光シグナル[mV]を示す。「R300」曲線は、精製水中の10,000コピーのポジティブコントロールである標的RNAを用いて得たシグナルを反映する。「R30」曲線は、精製水中の1,000コピーのポジティブコントロールである標的RNAを用いて得たシグナルを反映する。さらなる曲線は、「NMP」(1-メチル-2-ピロリドン)、「PC」(プロピレンカーボネート)、「yBL」(γ-ブチロラクトン)、および「BCなし」(結合調節剤の添加なし)を示す。 TaqMan PCRの間の蛍光シグナル。x軸はPCRのサイクル数を示し、y軸は検出器により測定した蛍光シグナル[mV]を示す。「R300」曲線は、精製水中の10,000コピーのポジティブコントロールである標的RNAを用いて得たシグナルを反映する。「R30」曲線は、精製水中の1,000コピーのポジティブコントロールである標的RNAを用いて得たシグナルを反映する。さらなる曲線は、「NMP」(1-メチル-2-ピロリドン)、「PC」(プロピレンカーボネート)、「yBL」(γ-ブチロラクトン)、および「BCなし」(結合調節剤の添加なし)を示す。

Claims (20)

  1. (a)(i)水性緩衝液
    (ii)高濃度の塩
    (iii)式I
    (式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
    の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物、および
    (iv)核酸
    を含む組成物由来の核酸を基材上に吸着する工程;
    (b)吸着された核酸を有する基材を洗浄溶液で任意に洗浄する工程;その後
    (c)工程(a)の組成物と比較して低濃度の塩を含む溶液と吸着された核酸を有する基材を接触させ、それにより基材から核酸を脱着する工程;ならびに
    (d)脱着された核酸を有する溶液を基材から分離し、それにより核酸を精製する工程;ならびに、任意に
    (e)脱着された核酸を工程(d)の溶液から沈殿させ、沈殿した核酸を単離し、それにより核酸をさらに精製する工程
    を含む、核酸の精製のための方法。
  2. 基材が、シリカゲル、ガラス繊維、石英繊維、およびゼオライトからなる群より選択される多孔性または非多孔性無機質基材を含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 基材がガラスでコーティングされた磁性誘引粒子を含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  4. (a)高濃度の塩および式I
    (式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
    の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物を含む水溶液に核酸を提供する工程であって、
    該官能基がオキソ基、スルホキソ基、シアノ基、およびカルバモイル官能基のカルボニル基からなる群より選択されるか、またはカルボキシ官能基に属さないアミドであり、
    該水混和性非酸性有機化合物がアセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される、工程;次いで
    (b)工程(a)の水溶液を基材に添加する工程
    を含む、核酸を基材上に吸着するための方法。
  5. 基材が、シリカゲル、ガラス繊維、石英繊維、およびゼオライトからなる群より選択される多孔性または非多孔性無機質基材を含むことを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. 基材がガラスでコーティングされた磁性誘引粒子を含むことを特徴とする、請求項4〜5いずれか記載の方法。
  7. (a)高濃度の塩を含む水溶液に核酸を提供する工程;
    (b)基材を粉末状材料の形態で提供する工程;
    (c)式I
    (式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
    の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物を提供する工程であって、
    工程(c)の水混和性非酸性有機化合物の官能基がオキソ基、スルホキソ基、シアノ基、およびカルバモイル官能基のカルボニル基からなる群より選択されるか、またはカルボキシ官能基に属さないアミドであり、
    工程(c)の水混和性非酸性有機化合物がアセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される、工程;次いで
    (d)工程(c)の水混和性非酸性有機化合物に工程(b)の基材を分散して該基材の懸濁物を形成する工程;ならびに
    (e)工程(d)の懸濁物と工程(a)の水溶液を混合する工程
    を含む、核酸を基材上に吸着するための方法。
  8. 基材が、シリカゲル、ガラス、石英、およびゼオライトからなる群より選択される粉末状多孔性または非多孔性無機質基材を含むことを特徴とする、請求項7記載の方法。
  9. 基材がガラスでコーティングされた磁性誘引粒子を含むことを特徴とする、請求項7〜8いずれか記載の方法。
  10. 式I
    (式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
    の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物中に分散した粉末状材料の形態の基材を含有する懸濁物であって、
    該官能基がオキソ基、スルホキソ基、シアノ基、およびカルバモイル官能基のカルボニル基からなる群より選択されるか、またはカルボキシ官能基に属さないアミドであり、
    該水混和性非酸性有機化合物がアセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される、懸濁物。
  11. 基材がガラスでコーティングされた磁性誘引粒子を含むことを特徴とする、請求項10記載の懸濁物。
  12. 請求項1〜25いずれか記載の方法を実施するための、式I
    (式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
    の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物の使用であって、
    該官能基がオキソ基、スルホキソ基、シアノ基、およびカルバモイル官能基のカルボニル基からなる群より選択されるか、またはカルボキシ官能基に属さないアミドであり、
    該水混和性非酸性有機化合物がアセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される、使用。
  13. 請求項7〜9いずれか記載の方法を実施するための、請求項10〜11いずれか記載の懸濁物の使用。
  14. (a)緩衝塩ならびに過塩素酸ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、およびヨウ化ナトリウムからなる群より選択されるカオトロピック塩の濃縮ストック溶液;
    (b)アセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される水混和性非酸性有機化合物;
    (c)緩衝溶液;ならびに
    (d)クロマトグラフィー材料および濾過材料
    を含む、パーツキット。
  15. (a)緩衝塩ならびに塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素、およびその混合物からなる群より選択される塩の濃縮ストック溶液;
    (b)アセトン、アセチルアセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、イソブチルメチルケトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、プロピレンカーボネート、およびN-メチル-2-ピロリドンからなる群より選択される水混和性非酸性有機化合物;
    (c)緩衝溶液;
    (d)クロマトグラフィー材料および濾過材料
    を含む、パーツキット。
  16. (a)緩衝塩ならびに過塩素酸ナトリウム、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、およびヨウ化ナトリウムからなる群より選択されるカオトロピック塩の濃縮ストック溶液;
    (b)請求項10〜11いずれか記載の懸濁物;
    (c)緩衝溶液
    を含む、パーツキット。
  17. (a)緩衝塩ならびに塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、尿素、およびその混合物からなる群より選択される塩の濃縮ストック溶液;
    (b)請求項10〜11いずれか記載の懸濁物;
    (c)緩衝溶液
    を含む、パーツキット。
  18. (a)生物学的試料を溶解する工程;
    (b)(i)工程(a)の溶解した生物学的試料、
    (ii)水性緩衝液、
    (iii)高濃度の塩
    (iv)式I
    (式中、Wは炭素原子または硫黄原子であり、Zは酸素原子または窒素原子である)
    の官能基を含む水混和性非酸性有機化合物
    を含む組成物を形成する工程;
    (c)工程(b)の組成物を基材と接触させ、それにより該核酸を該基材へ吸着する工程;
    (d)吸着された核酸を有する基材を洗浄溶液で任意に洗浄する工程;その後
    (e)工程(a)の組成物と比較して低濃度の塩を含む溶液と吸着された核酸を有する基材を接触させ、それにより基材から核酸を脱着する工程;ならびに
    (f)脱着された核酸を有する溶液を基材から分離する工程;ならびに
    (g)工程(f)の溶液中で核酸の存在を検出し、それにより核酸の存在を測定する工程
    を含む、生物学的試料中の核酸の存在を測定するための方法。
  19. 核酸がRNAまたはDNAであることを特徴とする、請求項18記載の方法。
  20. 核酸がRNAであり、工程(g)が(i)RNAを逆転写してcDNAを形成する工程、(ii)その後ポリメラーゼ連鎖反応により該cDNAを増幅する工程、(iii)cDNAの存在を検出し、それにより核酸の存在を測定する工程を含むことを特徴とする、請求項18〜19いずれか記載の方法。
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