JPH09157282A - 核酸吸着剤 - Google Patents

核酸吸着剤

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JPH09157282A
JPH09157282A JP7315463A JP31546395A JPH09157282A JP H09157282 A JPH09157282 A JP H09157282A JP 7315463 A JP7315463 A JP 7315463A JP 31546395 A JP31546395 A JP 31546395A JP H09157282 A JPH09157282 A JP H09157282A
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雅幸 服部
Kakun Han
可君 范
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 核酸を酵素が共存する糸から選択的に、且つ
容易に吸着分離可能な核酸吸収剤を提供する。 【解決手段】 窒素含有塩基性ビニルモノマーを20〜
95重量%および20℃における水に対する溶解度が1
0重量%以下である疎水性ビニルモノマーを5〜80重
量%含有するモノマーを重合して得られた共重合ポリマ
ーよりなることを特徴とする核酸吸着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、pH応答性の核酸
吸着剤に関する。さらに詳しくは、酵素の精製工程にお
ける核酸の除去や核酸の抽出などに使用することができ
る核酸を吸着分離可能なpH応答性核酸吸着剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、酵素反応が洗浄剤、繊維、食品、
種々の産業分野および診断薬のような医療分野にて利用
されるようになっており、酵素を低コストで高活性を維
持したまま回収する精製方法の開発が望まれている。目
的とする酵素の回収・精製は、まず酵素を生産させた細
菌を破壊して無細胞化した後、酵素タンパクとしての変
性を防ぐため、温度、pH、イオン強度、基質や補助因
子の共存などに留意しつつ、また微生物の汚染も避けな
がら実施する必要がある。酵素の精製は、存在する他の
物質から酵素タンパクを分離する一連の分画法である
が、一般には除核酸、安定性による分画、溶解度による
分画、分別吸着、カラムクロマトグラフィーによる分
画、電気泳動による分画、密度勾配超遠心法による分
画、二相分離法などによる分画法がある。
【0003】酵素の精製においては、通常核酸が酵素と
親和性を有し、複合体を形成しやすいため除核酸の工程
が不可欠である。この除核酸を効率的に行なうことは、
さらに他の精製方法を行う場合においても非常に重要で
ある。従来、除核酸の方法としては、主に塩基性水溶性
ポリマーなどからなる核酸吸着剤に核酸を吸着させる方
法が使用されてきた。
【0004】この塩基性水溶性ポリマーとしては、具体
的にはポリエチレンイミンやポリアミノアルキルメタク
リレート類、アミノアクリルメタクリレートとアクリル
アミドの共重合体、ポリビニルイミダゾリンのようなカ
チオン性ポリマーが知られているが、核酸の吸着後の状
態がハイドロゲルのような状態であるため酵素と核酸の
分離が困難であり、遠心分離を十分おこなっても酵素の
回収率は低かった。また、核酸吸着剤の分子量が高いた
め、酵素が核酸吸着剤のハイドロゲル状ポリマーに物理
的に沈澱物として取り込まれる割合が高いことも収率の
低い原因となっている。
【0005】さらに除核酸の方法としては、硫酸プロタ
ミンまたは硫酸ストレプトマイシンなどの除核酸剤と核
酸を結合させた後、沈澱させて分離する結合沈澱法が知
られているが、いずれも沈澱が不十分なため、多量の除
核酸剤を必要とし、コストが高くなるという問題があっ
た。その他、除核酸の方法として、水性2相分配法、硫
酸アンモニウム分画、pH処理、熱処理などにより粗分
画抽出液にすることもできるが、いずれも精製度合いの
低いものしか得ることができず、さらに各種クロマトグ
ラフィー処理工程が必須で、各工程での酵素濃縮、脱塩
なども必要となり、最終的にコストが高くなる問題があ
った。
【0006】一方、近年生体試料から核酸の抽出操作が
工業的に広くに行われている。例えば遺伝子工学やDN
Aプローブの作製においては、目的とするタンパク質を
生産する細胞からmRNAやDNAを抽出する操作が、
またDNAプローブを用いて例えばウィルスDNA(R
NA)を検出する臨床診断においては、生体試料から検
出されるべきDNA(RNA)を抽出する操作が行われ
る。従来、核酸の抽出は、苛性試薬添加後、フェノール
などで抽出操作を数回繰り返し、実施後エタノール沈澱
を行なう方法が知られているが、危険な溶剤を使用し、
また操作も繁雑で時間がかかり、また、得られる核酸の
収率も低いという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
技術的課題を背景になされたもので、酵素活性を維持し
つつ、効率的に核酸を選択的に吸着でき、危険な溶剤を
使用することなく、しかも簡便なプロセスで目的とする
核酸を抽出することができる吸着剤を提供することを目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、窒素含有
塩基性ビニルモノマーを20〜95重量%および20℃
における水に対する溶解度が10重量%以下である疎水
性ビニルモノマーを5〜80重量%含有するモノマーを
重合して得られた共重合ポリマーよりなることを特徴と
する核酸吸着剤によって達成される。本発明の核酸吸着
剤は、酵素を吸着せず、核酸のリン酸基部分を選択的に
吸着し、且つpHの変化により溶解状態から不溶化し析
出するという特性を有している。この析出する状態とし
ては、凝集融着状態であり、核酸が大きな塊状となるた
め酵素と核酸の分離操作も容易であり、しかも分離効率
も高い。本発明における吸着とは、物理的結合および化
学的結合の両方を含むものである。
【0009】以下、本発明の核酸吸着剤(以下、単に
「吸着剤」と略すことがある)について詳細に説明す
る。本発明において吸着剤を形成する共重合ポリマーの
製造に使用することのできる、窒素含有塩基性ビニルモ
ノマーとしては、N,N−ジメチルアミノエチルアクリ
レート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、
4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジンなどが挙げら
れこれらは1種または2種以上で用いられる。
【0010】窒素含有塩基性ビニルモノマーの使用量と
しては、全モノマーの20〜95重量%、好ましくは4
0〜80重量%である。窒素含有塩基性ビニルモノマー
が20重量%より少ない場合は、いかなるpHにおいて
も共重合ポリマーを水に溶解することができず、また9
5重量%を越える場合は、pHを高くしても共重合ポリ
マーの水不溶化が不十分となるため遠心分離によって試
料から分離することが困難となる。
【0011】また本発明の吸着剤を形成する共重合ポリ
マーの製造に使用することのできる、20℃における水
に対する溶解度が10重量%以下である疎水性ビニルモ
ノマー(以下、単に「疎水性ビニルモノマー」と表す)
としては、例えばスチレン、エチルビニルベンゼン、α
−メチルスチレン、フルオロスチレンなど芳香族ビニル
化合物;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
β−アクリロイルオキシエチルハイドロジエンフタレー
ト、グリシジルアクリレートなどのアクリル酸エステル
化合物;メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレー
ト、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、
β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジエンフタレ
ート、グリシジルメタクリレートなどのメタクリル酸エ
ステル化合物、ブタジエン、イソプレンなどの共役二重
結合化合物や酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物、
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化
ビニル化合物、4−メチル−1−ペンテン、その他のα
−オレフィン化合物などが挙げられる。これらは1種ま
たは2種以上で使用される。疎水性ビニルモノマーの使
用量としては、全モノマーの5〜80重量%、好ましく
は10〜50重量%である。疎水性ビニルモノマーが5
重量%より少ない場合は、pHを高くしても共重合ポリ
マーの水不溶化が不十分なため遠心分離によっても除核
酸の効果が得られず、80重量%を越える場合は、いか
なるpHの変化によっても共重合ポリマーを水に溶解さ
せることができないため使用することが困難となる。
【0012】また、吸着剤を形成する共重合ポリマーに
は、前記のモノマー以外に、他のモノマーを少量共重合
することができる。その他のビニルモノマーとしては、
例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコ
ン酸などのモノまたはジカルボン酸化合物;2−ヒドロ
キエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミ
ド、スチレンスルホン酸ナトリウム、イソプレンスルホ
ン酸ナトリウム、無水マレイン酸、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、メ
チレンビスアミドなどのアミド化合物を共重合ポリマー
のpHによる溶解・析出の特性に悪影響しない範囲で使
用することもできる。上記の、その他のモノマーの使用
量は、通常全モノマーの20重量%以下、好ましくは1
0重量%以下である。
【0013】本発明において共重合ポリマーを得るため
の重合方法は、好ましくはラジカル重合であり、その形
式は溶液重合、乳化重合または懸濁重合いずれでも良い
が、最も好ましい方法は溶液重合である。溶液重合にお
いて重合溶媒の具体例としては、メチルアルコール、エ
チルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、
テトラヒドフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢
酸エチル、トルエンなどが挙げられる。また、重合溶媒
には、重合中にポリマーが析出しない範囲で水を組み合
わせることもできる。
【0014】重合開始剤としては、通常のラジカル開始
剤が使用でき、アゾイソブチロニトリルのようなアゾ系
開始剤、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物
を使用することができる。重合後、硫酸や塩酸を滴下し
てpHを7以下にコントロールした後、減圧蒸留などの
方法により脱溶剤することにより共重合ポリマー水溶液
を得ることができる。
【0015】本発明で使用する共重合ポリマーの分子量
は、通常1000〜50万、好ましくは2000〜20
万である。分子量が1000未満では沈澱しにくくな
り、一方50万を超えると粘度が高くなりすぎる。
【0016】本発明の吸着剤は、水系媒体中において水
素イオン濃度(pH)の変化により水溶性と不溶性の可
逆形態を有するpH応答性のあるポリマーである。本発
明の吸着剤のpH応答性は、pH3以下では吸着剤の8
0重量%以上が水系媒体に溶解しており、pH9以上に
おいては吸着剤の80重量%以上が水系媒体に不溶性と
なり沈澱するものである。変化するpHは、重合に使用
した窒素含有塩基性ビニルモノマーの種類と量、疎水性
ビニルモノマーの種類と量、その他のビニルモノマーの
種類と量によりコントロールすることができる。その
際、pHの調製は、それ自体公知の如何なる方法によっ
ても実施できる。すなわち、酸性にするためには塩酸、
硫酸、硝酸、リン酸、ほう酸などの無機酸、或いは酢
酸、クエン酸、しゅう酸、乳酸などの有機酸を、一方ア
ルカリ性にするためには水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、アンモニア、エタノールアミンなどのアミンなど
用いることができる。pH調製において、高濃度の酸や
アルカリを用いると局所的に酵素が失活する恐れがある
ので、0.1〜2N程度の濃度で調製することが好まし
い。pHの調整により形成された沈澱は、遠心分離操作
により沈降させることができ上清と沈降ポリマーと分離
することが可能である。pH応答性のない共重合ポリマ
ーの場合は、核酸を吸着した後分離することができない
ため好ましくない。
【0017】本発明の吸着剤を用いて、除核酸すること
により酵素を精製するための試料、および核酸抽出する
ための試料としては、微生物や組織、細胞、血液などの
生体組織が例示できる。これらの試料について、含有さ
れるタンパク質や核酸が吸着剤と接触できない状態、す
なわち、試料が細胞壁や細胞膜を有しているか塊状にな
っている場合などには、必要に応じて例えばホモジナイ
ズ処理あるいは超音波処理を実施すると良い。
【0018】本発明の吸着剤の使用量は目的に応じ異な
るが、酵素の精製のように除核酸剤として用いる場合
は、廃棄物をできるだけ少なくするという点で少ない量
で処理できるように実験的に必要最低量を求めた後使用
することが好ましい。また、DNA診断のような核酸精
製用の場合は、核酸の分子の数の10倍以上の分子数の
過剰量の核酸吸着剤を使用することが確実に回収できる
という点で好ましい。遠心分離の条件としては、例えば
直径20cmの回転ローターを使用した場合、回転数5
000rpm以下、30分以内で、析出ポリマーと上清
の分離できることが生産性および操作性の点で好まし
い。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。 実施例1 (1)500mlガラス製耐圧瓶中で、ジメチルアミノ
エチルアクリレート60gと、メチルメタクリレート4
0gを、メタノール150gに溶解し重合開始剤として
アゾビスイソブチロニトリル2gを加え70℃で12時
間重合した。重合転化率は88%であった。2重量%硫
酸水溶液400g添加した後、減圧蒸留によりメタノー
ルおよび残留モノマーを除去して水溶液とした。調整水
およびpH調整剤を添加することにより固形分濃度10
重量%、pH6.3のポリマー水溶液[ポリマー
(1)]とした。得られたポリマー(1)のpH応答性
を1規定の水酸化ナトリウムを用いて測定したところp
H7以下では透明で溶解し、pH8以上では不溶化によ
り析出した。この変化は可逆的であった。 (2)超音波破砕および遠心分離により得られたPse
udmonas sp. F−126の無細胞抽出液
(0.01Mリン酸カリウム緩衝液、pH6.2)にタン
パク質10gあたり前記pH応答性ポリマー[ポリマー
(1)]10重量%水溶液100gを攪拌しながら滴下
しポリマーに核酸を吸着させた。30分後pH9の0.
01Mほう酸ナトリウム緩衝液を200g添加してpH
応答性ポリマーを析出させ、その後200メッシュの金
網で核酸を吸着したポリマー凝集体を除去しさらに濾液
の遠心分離により上清を得た。この操作で上清に得られ
たγ−アミノ酪酸トランスアミナーゼの比活性は変化せ
ず、酵素活性の回収率は87%であった。
【0020】比較例1 実施例1(1)において、モノマーとしてジメチルアミ
ノエチルアクリレート100gのみを使用した他は実施
例1と同様な操作でポリマー(2)を得た。ポリマー
(2)のpH応答性を測定したところ、pH7.5以下
で透明で溶解しており、pH9では一部白濁する程度
で、完全に析出させるためにはpH11の強塩基性にす
る必要があった。実施例1(2)と同様にして核酸吸着
剤としての使用を検討したが、pH9においては析出が
不十分なため、核酸と酵素を分離することは不十分であ
った。
【0021】比較例2 実施例1(1)において、モノマーとしてジメチルアミ
ノエチルアクリレート15gおよびメチルメタクリレー
ト85gを使用した他は、実施例1と同様な操作で共重
合ポリマー(3)を得た。しかしpHを3以下に低くし
ても完全に水溶液化することができず核酸吸着剤として
使用することはできなかった。
【0022】実施例2 (1)1Lオートクレーブ中で、4−ビニルピリジン1
80gとスチレン20gを酢酸エチル400gに溶解し
重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド8gを加え
80℃で7時間重合した。重合転化率は92%であっ
た。2重量%硫酸水溶液800gを添加しロータリーエ
バポレーターで酢酸エチルおよび残留モノマーを除去し
た後調製水およびpH調整剤を添加することによりpH
4、固形分濃度10重量%のポリマー水溶液(ポリマー
(4))を得た。得られた共重合ポリマー(4)のpH
応答性を測定したところpH4.2以下で完全に溶解し
透明となり、pH5.5以上で完全に不溶化し塊状に析
出した。 (2)Pseudomonasu graveolen
s IFO 3460(2Kg)から超音波破砕により
調製した無細胞抽出液(500mL)に前記ポリマー
(4)の10重量%水溶液(pH4)を100g添加し
てポリマーに核酸を吸着した。その後水酸化ナトリウム
水溶液を用いてpHを6にしてポリマー(4)を析出さ
せ遠心分離により糖、脂質などの夾雑物と同時にポリマ
ーに核酸抽出液のが結合した状態の沈澱物として核酸を
除去できた。この操作で上清に得られたアルギニンラセ
マーゼの比活性はほとんど変化なく、酵素活性の回収率
は82%で良好であった。
【0023】実施例3 (1)500mlガラス製耐圧瓶中で、ジメチルアミノ
エチルアクリレート80gと、メチルメタクリレート2
0gを、メタノール150gに溶解し重合開始剤として
アゾビスイソブチロニトリル2gを加え70℃で24時
間重合した。重合転化率は91%であった。2重量%硫
酸水溶液500g添加した後減圧蒸留によりメタノール
および残留モノマーを除去して水溶液とした。調整水を
添加することにより固形分濃度10重量%、pH7.1
の共重合ポリマー水溶液[ポリマー(5)]とした。得
られた共重合ポリマー(5)のpH応答性を測定したと
ころpH8以下では透明で溶解して、pH8.9以上で
は不溶化により析出した。この変化は可逆的であった。 (2)ヒト白血球の癌細胞であるK562細胞を1重量
%牛胎児血清を含むPRM1−1640培地で培養し
た。培養懸濁液1mLあたり50万の細胞となった時点
で1mLの懸濁液をサンプリングチューブにとり、50
0rpmで5分間遠心分離し、沈澱に細胞を回収した。
細胞に対し1mLのリン酸カリウム緩衝液pH7.2を
添加した後、超音波処理により、無細胞化した後、30
00rpmで30分間遠心分離を行い上清を得た。この
上清にポリマー(5)の10重量%水溶液を100μL
添加し30分間攪拌後pH9の緩衝液を10mL添加
し、核酸を吸着した状態で沈澱させ、遠心分離により上
清と分離した。沈澱にpH7.2の緩衝液1mlを添加
することにより核酸溶液を得た。以上のように抽出され
た核酸について制限酵素を作用させた結果、制限酵素に
よる反応は阻害されることはなかった。これは、核酸が
十分精製された結果、ヒストンのような制限酵素阻害物
質が除去されたことを示すものである。
【0024】実施例4 実施例3(2)で得たK562細胞溶解液を、それぞれ
0.5mL、3本の2mL遠心チューブに取り、pH5
の10mMリン酸緩衝液で2mLまで希釈した。この希
釈液の中にエイズウイルスDNAを組み込んで培養した
ヒト白血球(NY10株)から取ったHIV−1DNA
をチューブ1、2、3に、0分子、10分子、50分子
をそれぞれ加えた。ボルテックス後、各チューブに実施
例3で使用したポリマー(5)の固形分濃度10重量%
ポリマー水溶液を2μL添加し、室温で5分間回転攪拌
した(10rpm)。次いで、1N NaOHを15μ
L添加してポリマーを析出させた後、3000rpmで
3分間遠心した。上澄みをアスピレーターで吸引して除
去し、得られた沈澱をpH7の10mM Tris−H
Cl緩衝液でリンスした後、25μLのポリメラーゼチ
ェーンリアクション(PCR)反応溶液を加えて、PC
R反応を行った。PCR反応液の組成は下記のとおりで
あった。 10xリアクションバッファ(タカラ製) 2.5μL dNTP mix(1mM)(タカラ製) 5.0μL プライマー SK145A(20mM) 0.5μL プライマー SK451A(20mM) 0.5μL Tag DNAポリメラーゼ(0.5UNIT/mL)(タカラ製) 1.25μL 減菌蒸留水 5.25μL ミネラルオイル(シグマ社製) 1 DROP プライマー SK145Aの配列は、
【0025】 5’CCCACAAGATTTAAACACCA 3’
【0026】プライマー SK451Aの配列は、
【0027】 5’TGAAGGGTACTAGTAGTTCC 3’
【0028】であって、これらのアプライドバイオシス
テム社製DNA合成器381A型を用いて、メーカーマ
ニュアルに従って合成し、HPLCにより精製品を得
た。なお、PCR反応はPERKIN ELMER C
ETUS社製のサーマルサイクラー モデルJP200
0を用いて、次のプログラムで増幅反応を行った。 94℃ 0.5分 55℃ 1.0分 72℃ 1.5分 30サイクル 72℃ 7分
【0029】上記1回目のPCR法による増幅反応の生
成物を5μL取り、同様なプログラムでNested
PCR法の反応を行った。その時のPCR法の反応液の
組成はプライマーSK145の代わりにSK145(タ
カラ製)、SK451Aの代わりにSK451を使用し
た以外は同様に行った。PCR法およびNested
PCR法の反応増幅産物を2重量%のアガロースゲル
(Agarose 1600、和光純薬製)を用いてT
BE緩衝液(50mMホウ酸からなる緩衝液、pH8.
2)中でMupid型電気泳動装置で泳動し、エチジウ
ムブロマイド染色後に紫外線(254nm)照射下で検
出した。その結果を下記表1にまとめて示す。この結果
より、本発明の吸着剤を用いることによりDNAのみ回
収することができるため、PCR法に利用できることが
わかった。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明の核酸吸着剤を使用すると、酵素
反応液のpHを変化させるという簡単な操作で核酸を容
易に回収できるので、酵素の精製が容易に可能となり、
目的とする酵素を効率良く回収できるとともに、酵素の
活性が高いため酵素精製方法が著しく簡略化される効果
がある。また本発明の核酸吸着剤の使用により、核酸を
抽出するにあたり危険な溶剤を使用することなく、簡便
なプロセスで短時間に目的とする核酸を抽出できる効果
がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 226/06 MNM C08F 226/06 MNM C12N 15/09 ZNA 7823−4B C12Q 1/68 A C12Q 1/68 9282−4B C12N 15/00 ZNAA

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素含有塩基性ビニルモノマーを20〜
    95重量%および20℃における水に対する溶解度が1
    0重量%以下である疎水性ビニルモノマーを5〜80重
    量%含有するモノマーを重合して得られた共重合ポリマ
    ーよりなることを特徴とする核酸吸着剤。
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Cited By (5)

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