JP2023002074A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ねじれ速度成分を高精度に算出できるようにした内燃機関の失火検出装置を提供する。【解決手段】CPUは、クランク軸の回転速度であるクランク側速度ωeと、ダンパのうちのクランク軸とは逆側の速度である後段側速度ωoutとの差を差分速度ωdampに代入する(S46)。CPUは、差分速度ωdampの積算処理によってねじれ角θdampを算出する(S48)。CPUは、ねじれ角θdampにダンパ剛性値Kを乗算したものの積算処理に基づき、ダンパのねじれに起因したクランク軸の速度成分であるねじれ速度成分ωrを算出する(S58)。CPUは、ねじれ速度成分ωrに基づき、失火の判定に利用するクランク軸の速度を示す変数として時間T30を算出する(S60)。CPUは、アイドル時であるか否かに応じてダンパ剛性値Kの値を切り替える(S50~S54)。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の失火検出装置に関する。
たとえば下記特許文献1にはクランク軸がダンパを介して駆動輪側に機械的に連結された内燃機関に適用される失火検出装置が記載されている。この装置は、クランク軸の回転速度と、ダンパのうちの駆動輪側の回転速度である後段側速度との差を入力とする物理モデルに基づき、クランク軸の回転速度のうちの共振によるねじれ速度成分を算出する。そしてこの装置では、クランク軸の回転速度からねじれ速度成分を除去した値に基づき、失火の有無を判定する。
上記物理モデルは、ダンパのねじれ角にダンパ剛性値を乗算した値が、ダンパに加わるトルクとなることを用いたモデルである。ここで、上記差の積算値は、ダンパのねじれ角を示す。そのため、上記積算値にダンパ剛性値を乗算することによって、ダンパに加わるトルクを算出できる。そして、このトルクは、ねじれ角の変化速度を定めることから、これに基づき、ねじれ速度成分を算出できる。
特開2008-248877号公報
ところで、ねじれ角とダンパに加わるトルクとの関係は変動するため、ダンパ剛性値を固定値としたのでは、対象とする特性を物理モデルによって正確に表現できないことがある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
複数の気筒を有した内燃機関に適用され、前記内燃機関のクランク軸は、ねじれ剛性体に連結されており、クランク側取得処理、後段側取得処理、ねじれ速度成分算出処理、判定用変動量算出処理、および判定処理を実行し、前記クランク側取得処理は、クランク信号に基づき、前記クランク軸の回転速度を示す変数であるクランク側速度変数を取得する処理であり、前記後段側取得処理は、前記ねじれ剛性体のうちの前記クランク軸とは反対側における回転速度を示す変数である後段側速度変数を取得する処理であり、前記ねじれ速度成分算出処理は、前記クランク側速度変数および前記後段側速度変数の差を入力とし、ダンパ剛性値に基づき前記ねじれ剛性体のねじれに起因した速度成分であるねじれ速度成分を算出する処理であって、剛性値可変処理を含み、前記判定用変動量算出処理は、前記クランク側速度変数の値から前記ねじれ速度成分を除去したものに基づき、判定用変動量を算出する処理であり、前記判定用変動量は、失火の判定に用いる回転変動量を示す量であり、前記回転変動量は、前記クランク側速度変数の変化量であり、前記判定処理は、前記判定用変動量の大きさに基づき前記内燃機関の失火の有無を判定する処理であり、前記剛性値可変処理は、前記内燃機関の負荷の大きさに基づき、前記ダンパ剛性値を変更する処理である内燃機関の失火検出装置である。
ダンパ剛性体のねじれ角とトルクとの関係は、非線形性を有する。一方、内燃機関の負荷が大きい場合には小さい場合と比較すると、内燃機関に加わるトルクが大きいために、ねじれ角の変動中心が、ゼロからずれる傾向がある。変動中心がゼロからずれる場合、失火検出装置がねじれ角がゼロであると認識する角度が、実際のゼロ点からずれるおそれがある。そのため、負荷が大きい場合と小さい場合とでダンパ剛性値として同一の比例定数を用いたのでは、ねじれ剛性体の物理特定を物理モデルによって精度良く表現できない。そこで上記構成では、内燃機関の負荷の大きさに基づきダンパ剛性値を変更することにより、内燃機関の負荷の大小にかかわらず、ねじれ剛性体の物理特性を高精度に表現できる。したがって、上記構成では、ねじれ速度成分を高精度に算出できることから、失火を高精度に検出できる。
一実施形態にかかる制御装置および駆動系を示す図。 同実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる制御装置が実行する処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかるダンパねじれ角とトルクとの関係を示す図。 ダンパの一部の構成を示す断面図。 (a)および(b)は、ダンパのコイルスプリングの状態を示す断面図。 (a)および(b)は、ダンパ剛性値を算出するマップの傾向を示す図。
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、内燃機関10は、4個の気筒#1,#2,#3,#4を有する4ストロークエンジンである。内燃機関10のクランク軸12には、歯部22が設けられたクランクロータ20が結合されている。歯部22は、クランク軸12の複数の回転角度のそれぞれを示す。クランクロータ20には、基本的には、10°CA間隔で歯部22が設けられているものの、隣接する歯部22間の間隔が30°CAとなる箇所である欠け歯部24が1箇所設けられている。これは、クランク軸12の基準となる回転角度を示すためのものである。
クランク軸12には、ダンパ14を介して動力分割装置を構成する遊星歯車機構30が機械的に連結されている。ダンパ14は、コイルスプリングを備えて、弾性力を発揮する。遊星歯車機構30は、内燃機関10、第1モータジェネレータ40、および第2モータジェネレータ50の動力を分割する。遊星歯車機構30のキャリアCには、ダンパ14を介してクランク軸12が機械的に連結されている。遊星歯車機構30のサンギアSには、第1モータジェネレータ40の回転軸42が機械的に連結されている。遊星歯車機構30のリングギアRには、第2モータジェネレータ50の回転軸52が機械的に連結されている。なお、第1モータジェネレータ40の端子には、第1インバータ44の出力電圧が印加される。また、第2モータジェネレータ50の端子には、第2インバータ54の出力電圧が印加される。
遊星歯車機構30のリングギアRには、第2モータジェネレータ50の回転軸52に加えて、さらに、変速装置32を介して駆動輪34が機械的に連結されている。
制御装置60は、制御対象としての内燃機関10の制御量であるトルクや排気成分比率等を制御すべく、内燃機関10の各種操作部を操作する。また、制御装置60は、制御対象としての第1モータジェネレータ40の制御量であるトルクや回転速度等を制御すべく、第1インバータ44を操作する。また、制御装置60は、制御対象としての第2モータジェネレータ50の制御量であるトルクや回転速度等を制御すべく、第2インバータ54を操作する。
制御装置60は、上記制御量を制御する際、クランク角センサ70の出力信号Scrを参照する。また制御装置60は、第1モータジェネレータ40の回転軸42の回転角を検知する第1回転角センサ72の出力信号Sm1を参照する。また、制御装置60は、第2モータジェネレータ50の回転軸52の回転角を検知する第2回転角センサ74の出力信号Sm2を参照する。
制御装置60は、CPU62、ROM64、RAM66および周辺回路68を備えており、それらがローカルネットワーク69を介して通信可能とされている。ここで、周辺回路68は、内部の動作を規定するクロック信号を生成する回路、電源回路、およびリセット回路等を含む。制御装置60は、ROM64に記憶されたプログラムをCPU62が実行することにより制御量を制御する。
図2に、制御装置60が実行する処理の手順を示す。図2に示す処理は、ROM64に記憶されたプログラムをCPU62が所定のクランク角度周期で繰り返し実行することにより実現される。なお、以下では、先頭に「S」が付与された数字によって、各処理のステップ番号を表現する。
図2に示す一連の処理において、CPU62は、まず、クランク軸12が30°CA回転するのに要する時間T30を取得する(S10)。次にCPU62は、「m=0,1,2,3,…」として、時間T30[m+1]に時間T30[m]を代入する処理と、時間T30[0]にS10の処理で新たに取得した時間T30を代入する処理とを実行する(S12)。それらの処理は、時間T30の後のカッコ内の変数を、過去のものほど数字が大きくなるようにするための処理である。それらの処理によって、カッコ内の変数の値が1つ大きい場合、30°CAだけ前の時間T30となる。
次にCPU62は、現在のクランク軸12の回転角度が、気筒#1~#4のいずれかの圧縮上死点を基準としてATDC120°CAであるか否かを判定する(S14)。CPU62は、ATDC120°CAであると判定する場合(S14:YES)、回転変動量ΔT30[m+1]に回転変動量ΔT30[m]を代入し、時間T30[0]から時間T30[4]を減算した値を、回転変動量ΔT30[0]に代入する(S16)。回転変動量ΔT30は、失火の有無の判定対象となる気筒において失火が生じていない場合に負の値となり、失火が生じている場合に正の値となる変数である。ここで、失火の有無の対象となる気筒とは、S14の処理によって、圧縮上死点を120°過ぎたと判定された気筒である。
次にCPU62は、回転変動量ΔT30[0]から回転変動量ΔT30「2」を減算した値が閾値ΔTth以上であるか否かを判定する(S18)。
この処理は、判定対象となる気筒において失火が生じたか否かを判定する処理である。すなわち、失火が生じていない場合、回転変動量ΔT30[0]および回転変動量ΔT30[2]は、同程度の値となることから、それらの差は、絶対値が小さい値となる。これに対し、判定対象となる気筒で失火が生じている場合、回転変動量ΔT30[0]が正の値となる。一方、判定対象となる気筒の360°CA前に圧縮上死点となった気筒で失火が生じていない場合には、回転変動量ΔT30[2]が負の値となる。したがって、判定対象となる気筒で失火が生じている場合、回転変動量ΔT30[0]から回転変動量ΔT30「2」を減算した値は、正で絶対値が大きい値となる。
CPU62は、閾値ΔTth以上であると判定する場合(S18:YES)、失火が生じた旨の仮判定をする(S20)。そして、CPU62は、仮判定の回数をカウントするカウンタCnをインクリメントする(S22)。
CPU62は、S22の処理を完了する場合と、S18の処理において否定判定する場合とには、所定期間が経過したか否かを判定する(S24)。ここで、所定期間の始点は、S18の処理を初めて実行したタイミングと、後述のS32の処理を最後に実行したタイミングとのうちの遅い方のタイミングとする。CPU62は、所定期間が経過したと判定する場合(S24:YES)、カウンタCnが閾値Cth以上であるか否かを判定する(S26)。閾値Cthは、所定期間内に見過ごすことができない失火率で失火が生じた場合の失火率の下限値に応じて設定されている。すなわち、所定期間の長さと、閾値Cthとは、上記下限値に応じて予め定められている。
CPU62は、閾値Cth以上であると判定する場合(S26:YES)、失火が生じた旨、本判定する(S28)。そして、CPU62は、図1に示した警告灯80を操作することによって、ユーザに、失火率が見過ごすことができないレベルで生じた旨を報知する報知処理を実行する(S30)。一方、CPU62は、カウンタCnが閾値Cth未満であると判定する場合(S26:NO)、カウンタCnを初期化する(S32)。
なお、CPU62は、S30,S32の処理が完了する場合と、S14,S24の処理において否定判定する場合と、には、図2に示した一連の処理を一旦終了する。
図3に、クランク軸12が30°CA回転するのに要する時間T30を算出する処理の手順を示す。図3に示す処理は、CPU62が、ROM64に記憶されたプログラムを、クランク軸12が30°CA回転する周期で繰り返し実行することにより実現される。具体的には、たとえばクランク角センサ70が所定の歯部22を検知することをトリガとして繰り返し実行される。なお、所定の歯部22は、30°CA毎に定義されているものとする。
図3に示す一連の処理において、CPU62は、まず直近の30°CAの回転角度領域をクランク軸12が回転するのに要した時間et3txdhを算出する(S40)。この処理は、図1に示すように、クランク角センサ70が30°CAだけ離間した2つの歯部22のいずれか一方を検知してから他方を検知するまでに要した時間の計時処理となる。次にCPU62は、30°CAに対応する角度定数CRを時間et3txdhによって除算することによって、直近の30°CAの回転角度領域におけるクランク軸12の回転速度であるクランク側速度ωeを算出する(S42)。
次にCPU62は、ダンパ14のうちのキャリアC側の回転速度である後段側速度ωoutを算出する(S44)。CPU62は、第1モータジェネレータ40の回転軸42の微小回転角度領域における回転速度ωm1と、第2モータジェネレータ50の回転軸52の微小回転角度領域における回転速度ωm2と、に基づき、後段側速度ωoutを算出する。この際、CPU62は、遊星歯車機構30のギア比を参照する。ここで、微小回転角度領域は、1回転よりも小さい回転角度領域とする。また、回転速度ωm1は、第1回転角センサ72の出力信号Sm1に基づきCPU62によって算出される。また、回転速度ωm2は、第2回転角センサ74の出力信号Sm2に基づきCPU62によって算出される。
次にCPU62は、クランク側速度ωeから後段側速度ωoutを減算した値を差分速度ωdampに代入する(S46)。次にCPU62は、差分速度ωdampの積算処理に基づきダンパ14のクランク軸12側とキャリアC側とのねじれ角θdampを算出する(S48)。ここで、CPU62は、積算処理による誤差の累積を抑制すべく、所定期間におけるねじれ角θdampの平均値を、ねじれ角θdampがゼロである点と見なす。これは、大きくは、たとえば、次の3つの処理によって実現できる。第1の処理は、差分速度ωdampの単位区間当たりの積算処理によって、新たにねじれ角θdampを算出する処理である。第2の処理は、今回新たに算出されるねじれ角θdampに基づき、平均値を更新する処理である。第3の処理は、新たに算出されたねじれ角θdampから更新された平均値を減算した値を、最終的なねじれ角θdampとする処理である。
次に、CPU62は、内燃機関10のアイドル運転時であるか否かを判定する(S50)。ここで、アイドル運転時とは、内燃機関10の軸トルクをゼロに制御している運転時とする。換言すれば、内燃機関10のクランク軸12の回転速度が、内燃機関10の燃焼制御のみによって維持されている運転状態とする。
CPU62は、アイドル運転時ではないと判定する場合(S50:NO)、通常マップデータを用いてダンパ剛性値Kをマップ演算する(S52)。これに対し、CPU62は、アイドル運転時であると判定する場合(S50:YES)、アイドルマップデータを用いてダンパ剛性値Kをマップ演算する(S54)。
ここで、アイドル時であるか否かに応じてダンパ剛性値を切り替える理由について説明する。
図4に、ダンパ14のねじれ角θdampと、ダンパ14に生じるトルクであるねじれトルクTdampとの関係を示す。図4に示すように、ねじれ角θdampとねじれトルクTdampとの関係は、非線形性を有する。詳しくは、ねじれ角θdampがゼロから正に代わるときには、急激にセットトルクT1が加わる。また、ねじれ角θdampがゼロから負に切り替わるときには、急激にセットトルク「(-1)・T1」が加わる。セットトルクは、ねじれ角θdampがゼロの場合であってもダンパ14が備えるスプリングが圧縮された状態となるようにして設けられていることに起因して生じるトルクである。
図5に、ダンパ14の一部の断面構成を示す。図5に示すように、コイルスプリング14aの両端は、シート14bに挟まれている。図5には、ねじれ角θdampがゼロの場合を示している。この場合のコイルスプリングの長さL1は、弾性力がゼロとなる自由長さL0よりも短い。
図4に戻り、ダンパ14は、ねじれ角θdampの大きさが閾値θthよりも小さいか大きいかで、ねじれ角θdampの変化量に対するねじれトルクTdampの変化量が大きく変化する。これは、ねじれ角θdampの大小でシート14bに対するコイルスプリング14aの荷重の加わり方が異なることに起因している。
図6(a)は、ねじれ角θdampが閾値θth未満のときのダンパ14の一部の断面を示す。図6(a)に示すように、この場合、コイルスプリング14aの内周側がシート14bに荷重を印加する一方、コイルスプリング14aの外周側は、シート14bに荷重を印加していない。
図6(b)は、ねじれ角θdampが閾値θthよりも大きいときのダンパ14の一部の断面を示す。図6(b)に示すように、この場合、コイルスプリング14aの内周側および外周側の双方がシート14bに荷重を印加している。そのため、ねじれ角θdampが閾値θthを超えると、閾値θth未満の場合よりも、ねじれ角θdampの変化に対するトルクの変化が大きくなる。
上述したように、CPU62は、ねじれ角θdampの平均値をねじれ角θdampのゼロ点と見なしている。しかし、内燃機関10の軸トルクがゼロよりも大きい状態が継続する場合には、CPU62が認知するねじれ角θdampが、図4に示した実際のゼロ点とは異なる。そのため、内燃機関10の運転状態が非アイドルである場合に、図4に示した特性に基づきダンパ剛性値Kを設定する場合には、ダンパ剛性値Kがダンパ14の正しい特性を表現した値にならない。
以上を踏まえて、ROM64には、通常マップデータと、アイドルマップデータとが記憶されている。
図7(a)に、アイドルマップデータが示すねじれ角θdampの絶対値とダンパ剛性値Kとの関係を示す。図7(a)に示すように、ねじれ角θdampの絶対値がガタ幅θ0以下の場合には、ダンパ剛性値Kは、ゼロとなっている。これは、遊星歯車機構30の機械的なガタに起因してクランク軸12が回転してもダンパ14にねじれを生じさせることなくダンパ14が回転可能な角度範囲を示す。これは、ねじれ角θdampがダンパ14の実際のねじれ角ではなく、計算上のねじれ角であることに起因している。ちなみに、図4は、実際のねじれ角θdampとトルクとの関係を示している。
ねじれ角θdampがガタ幅θ0からセット幅θ1までの領域では、セットトルクによって、ダンパ剛性値が急激に大きくなる。そして、セット幅θ1を超えると、ダンパ剛性値Kは、ほぼ一定値となる。なお、アイドルマップデータに、ねじれ角θdampの絶対値が閾値θthを超える部分のデータを含めてもよい。その場合、ねじれ角θdampが閾値θthを超える場合に、ダンパ剛性値を急激に大きくすればよい。
図7(b)に、通常マップデータが示すねじれ角θdampの絶対値とダンパ剛性値Kとの関係を示す。図7(b)に示すように、ねじれ角θdampの絶対値にかかわらず、ダンパ剛性値Kはほぼ一定となっている。これは、非アイドル運転においては、ねじれ角θdampの実際の値が閾値θthよりも大きいと想定されることに鑑みた設定である。なお、通常マップデータを、ねじれ角θdampが非常に大きい場合に、ダンパ剛性値Kが増加するデータとしてもよい。これにより、実際のねじれ角が閾値θthよりも非常に大きい領域において、図4に示す傾きよりもねじれ角θdampに対するねじれトルクTdampの変化が大きくなる場合に、これを考慮することができる。
上記S52,S54の処理を完了する場合、CPU62は、ねじれ角θdampにダンパ剛性値Kを乗算した値を、ねじれトルクTdampに代入する(図3のS56)。
そしてCPU62は、ねじれトルクTdampの積算処理に基づき、ダンパ14のねじれによって発生するトルクがクランク軸12の回転速度に及ぼす影響分を定量化した速度成分であるねじれ速度成分ωrを算出する(S58)。ここでは、ねじれトルクTdampに比例したクランク軸12の角加速度成分の積算処理によってねじれ速度成分ωrを算出する物理モデルを用いる。そして、CPU62は、クランク側速度ωeからねじれ速度成分ωrを減算した値によって角度定数CRを除算した値を、時間T30に代入する(S60)。
なお、CPU62は、S60の処理を完了する場合には、図3に示した一連の処理を一旦終了する。
ここで、本実施形態の作用および効果について説明する。
CPU62は、クランク側速度ωeからねじれ速度成分ωrを減算した値によって角度定数CRを除算した値である時間T30を用いて失火の検出処理を行う。ここで、CPU62は、ねじれ速度成分ωrの算出において、ダンパ剛性値Kを用いる。そして、CPU62は、内燃機関10のアイドル運転時であるか否かに応じて、ダンパ剛性値Kを互いに異なる値に設定する。これにより、ねじれトルクTdampを高精度に算出できる。
以上説明した本実施形態によれば、さらに以下に記載する作用および効果が得られる。
(1)CPU62は、ねじれ角θdampの絶対値がガタ幅θ0以下の場合、ダンパ剛性値Kをゼロとした。これにより、クランク軸12に繋がる動力伝達系の機械的なガタによって、クランク軸12の回転にかかわらずねじれ角θdampが大きくならない領域を表現できる。
(2)CPU62は、ねじれ角θdampの絶対値がガタ幅θ0以上であってセット幅θ1以下の領域において、ダンパ剛性値Kを急激に大きくした。これにより、ダンパ14のセットトルクを表現できる。
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。クランク側取得処理は、S40,S42の処理に対応する。後段側取得処理は、S44の処理に対応する。ねじれ速度成分算出処理は、S48~S58の処理に対応する。剛性値可変処理は、S50~S54の処理に対応する。判定用変動量算出処理は、S16の処理に対応する。判定処理は、S18の処理に対応する。
<その他の実施形態>
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
「クランク側速度変数について」
・上記実施形態では、圧縮上死点間の間隔以下のクランク角度領域におけるクランク軸12の回転速度を示す変数であるクランク側速度変数を定義するクランク角度領域を30°CAとしたが、これに限らない。たとえば、10°CAであってもよく、またたとえば圧縮上死点間の間隔自体であってもよい。
・クランク側速度変数としては、時間の次元を有する量に限らず、たとえば速度の次元を有する量であってもよい。
「回転変動量について」
・上記実施形態では、回転変動量ΔT30を、120°CA離間したクランク側速度変数同士の差としたが、これに限らない。たとえば、90°CA離間したクランク側速度変数同士の差としてもよい。
・回転変動量としては、クランク側速度変数同士の差に限らず、クランク側速度変数同士の比であってもよい。
「仮判定処理について」
・仮判定処理としては、互いに360°CAまたは720°CAだけ離間した回転変動量ΔT30同士の差を用いるものに限らない。要は、360°CAの整数倍だけ離間した回転変動量ΔT30同士の差を用いることにより、仮判定の精度がクランクロータ20の歯部22の公差によって低下することを抑制できる。
・仮判定処理としては、互いに360°CAの整数倍だけ離間した回転変動量ΔT30同士の差と閾値との大小比較をするものに限らず、判定対象となる気筒の回転変動量と閾値とを直接大小比較する処理であってもよい。
「車両について」
・ハイブリッド車両としては、シリーズ・パラレルハイブリッド車に限らない。たとえば、パラレルハイブリッド車であってもよい。もっとも、ハイブリッド車に限らず、車両の推力生成装置が内燃機関10のみである車両であってもよい。
10…内燃機関
12…クランク軸
14…ダンパ
14a…コイルスプリング
14b…シート
20…クランクロータ
30…遊星歯車機構
34…駆動輪

Claims (1)

  1. 複数の気筒を有した内燃機関に適用され、
    前記内燃機関のクランク軸は、ねじれ剛性体に連結されており、
    クランク側取得処理、後段側取得処理、ねじれ速度成分算出処理、判定用変動量算出処理、および判定処理を実行し、
    前記クランク側取得処理は、クランク信号に基づき、前記クランク軸の回転速度を示す変数であるクランク側速度変数を取得する処理であり、
    前記後段側取得処理は、前記ねじれ剛性体のうちの前記クランク軸とは反対側における回転速度を示す変数である後段側速度変数を取得する処理であり、
    前記ねじれ速度成分算出処理は、前記クランク側速度変数および前記後段側速度変数の差を入力とし、ダンパ剛性値に基づき前記ねじれ剛性体のねじれに起因した速度成分であるねじれ速度成分を算出する処理であって、剛性値可変処理を含み、
    前記判定用変動量算出処理は、前記クランク側速度変数の値から前記ねじれ速度成分を除去したものに基づき、判定用変動量を算出する処理であり、
    前記判定用変動量は、失火の判定に用いる回転変動量を示す量であり、
    前記回転変動量は、前記クランク側速度変数の変化量であり、
    前記判定処理は、前記判定用変動量の大きさに基づき前記内燃機関の失火の有無を判定する処理であり、
    前記剛性値可変処理は、前記内燃機関の負荷の大きさに基づき、前記ダンパ剛性値を変更する処理である内燃機関の失火検出装置。
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