JP2019027315A - 内燃機関の失火判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】共振周波数の影響のない失火判定処理を実現することにより、高精度な失火判定を実行することのできる内燃機関の失火判定装置を提供すること。【解決手段】エンジンのクランクシャフトの回転変動に基づいて当該エンジンの失火判定を行うECUは、クランクシャフトの回転変動における2次周波数成分および3次周波数成分を抽出して1次周波数成分を推定しエンジンの失火判定を行う。【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の気筒毎に発生する失火の判定をする内燃機関の失火判定装置に関する。
特許文献1には、内燃機関と変速機との間に介在するダンパの捩れに基づく共振成分を除いた機関回転数を用いて失火判定をする装置が開示されている。
しかしながら、この特許文献1に記載の内燃機関の失火判定装置にあっては、ダンパの下流側に位置する部材の回転数を用いて共振成分を算出していることから、その周辺部材や外乱の影響を受け易く失火判定の精度にバラツキが生じてしまう可能性がある。
特開2009−144561号公報
そこで、本発明は、共振の影響のない失火判定処理を実現することにより、高精度な失火判定をすることのできる内燃機関の失火判定装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決する内燃機関の失火判定装置の発明の一態様は、内燃機関のクランクシャフトの回転変動に基づいて当該内燃機関の失火判定を行う失火判定装置であって、前記回転変動における2次周波数成分および3次周波数成分を抽出して1次周波数成分を推定する周波数推定部を備え、前記周波数推定部の推定した1次周波数成分を用いて前記内燃機関の失火判定を行うようになっている。
このように本発明の一態様によれば、内燃機関のクランクシャフトの回転変動から共振の影響を受けない2次周波数成分および3次周波数成分を抽出して1次周波数成分を推定し失火判定を行うので、回転変動に含まれる共振周波数成分の影響を受けることなく、内燃機関の失火判定を精度よく行うことができる。
したがって、共振の影響なく失火判定処理をすることができ、高精度な失火判定可能な内燃機関の失火判定装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の失火判定装置を搭載する車両の一例を示す図であり、その要部構成を示す概念図である。 図2は、そのクランクシャフトの回転変動に含まれる周波数成分を示す図であり、(a)はダンパの共振の影響を除いた周波数成分の振幅波形図、(b)はダンパの共振の影響を含む周波数成分の振幅波形図である。 図3は、ダンパの共振の影響のないクランクシャフトの回転特性の取得処理を説明するブロック図である。 図4は、図3に示す取得処理で行われる各処理を説明する処理フロー図である。 図5は、図3に示す取得処理で行われる各処理を実行する個別機能を説明するブロック図である。 図6は、図3〜図5のモデル計算におけるデータ処理を説明する制御関数ブロック図である。 図7は、失火時の周波数成分の振幅強度の出現パターンを説明するグラフであり、(a)は1連失火パターン、(b)は2連失火パターン、(c)は間欠失火パターン、(d)は対向失火パターンを示している。 図8は、図7に示す失火パターンに応じた振幅補正係数の設定処理を説明するフローチャートである。 図9は、図7に示す失火パターンに応じた振幅補正係数の設定処理の他の態様を説明する図であり、(a)は対向失火時に使用するマップ、(b)は2連失火時に使用するマップである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図8は本発明の一実施形態に係る内燃機関の失火判定装置を搭載する車両の一例を示す図である。
図1において、車両100は、内燃機関型のエンジン101と変速機111との間がロックアップ機能付きのダンパ121により連結されている。車両100は、そのダンパ121を介してエンジン101の出力する回転動力が変速機111に伝達されて変速されることによって不図示の駆動輪を回転させて走行する。この車両100は、ECU(Electronic Control Unit)10がメモリ11内に格納する制御プログラムを実行してエンジン101や変速機111やダンパ121など全体を統括制御することにより効率よく、かつ快適に駆動制御されるようになっている。
内燃機関型のエンジン101は、シリンダ(気筒)102内に形成される燃焼室103において吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程の4サイクルを繰り返し、その燃焼室103内の噴射燃料および吸入空気の混合気を燃焼爆発させることにより、シリンダ102内のピストン104を上下動させてクランクシャフト105を回転させることによって動力(トルク)を出力する。この構造により、エンジン101の回転動力は、シリンダ102毎のピストン104の上下動がクランクシャフト105により回転に切り換えられることから微小に変動しつつ出力されている。このため、何らかの原因で燃焼室103での燃焼に失火が発生した場合には、その回転動力の抜けが発生して回転変動が大きくなる。
ダンパ121は、エンジン101の出力軸であるクランクシャフト105と変速機111の入力軸115との間を、軸心回りに直列状態に配列されている複数個の円弧状のスプリング122をそれぞれ入力側部材121iと出力側部材121ioとの間に挟み込むようにして連結することにより、そのスプリング122を介してエンジン101の回転動力を変速機111に伝達する。この構造により、エンジン101の回転動力に生じる変動は、ダンパ121のスプリング122の弾性力により吸収されつつ変速機111に伝達出力される。このため、伝達する回転動力が大きく変動する場合には、スプリング122も大きく伸縮して振動することになる。なお、ダンパ121は、入力側部材121iと出力側部材121oとを直接締結するロックアップ機構125が設置されて、エンジン101のクランクシャフト105と変速機111の入力軸115との間をスプリング122の弾性力を介在させることなく相対回転不能に連結させる構造を備えている。
このダンパ121は、伸縮振動するスプリング122により構成されていることから構造に応じた固有の共振振動周波数を有している。このため、ダンパ121は、エンジン101の燃焼室103のいずれかに何らかの原因で失火が発生することによって、伝達する回転動力に大きな変動が生じて共振振動してしまう可能性がある。
このことから、ECU10は、出力回転センサ21と入力回転センサ22とが検出情報を受取可能に接続されることにより、その検出情報からダンパ121の入出力される回転特性を取得する。出力回転センサ21は、ダンパ121の上流側に位置するエンジン101のクランクシャフト105の回転速度を検出する。入力回転センサ22は、ダンパ121の下流側に位置する変速機111の入力軸115の回転速度を検出する。なお、出力回転センサ21および入力回転センサ22は、クランクシャフト105および入力軸115のそれぞれと同軸に一体回転する大径の円盤部材21p、22pの外周面の回転位置を検出することにより、それぞれの回転速度を高精度に検出するように組み付けられている。
そして、ECU10は、メモリ11内の制御プログラムを実行してエンジン101や変速機111を効率よく定常駆動させる制御処理を実行するのと並行して、エンジン101のシリンダ102毎の燃焼室103に発生する失火を出力回転センサ21および入力回転センサ22の検出情報に基づいて判定する処理手順を実行する。このECU10は、その失火発生と特定された燃焼室103における燃焼制御をリカバーする調整処理を施してエンジン101の駆動品質の悪化を抑制するようになっている。
ところで、エンジン101のクランクシャフト105は、1次、2次、さらに3次以上の高次の周波数成分の波形を含む回転特性で回転しており、その回転特性を出力回転センサ21が検出している。このクランクシャフト105は、エンジン101のシリンダ102毎のピストン104の上下動によって、例えば、図2(a)に示すように、そのシリンダ102毎の4サイクルに対応する位相で、1次周波数成分、2次周波数成分、3次周波数成分の振幅強度を含む回転特性で回転している。
このとき、エンジン101のシリンダ102毎の燃焼室103のいずれかにおいて失火が発生した場合、クランクシャフト105の回転は、該当シリンダ102の対応箇所の回転位相において回転動力(負荷)の抜けた回転特性となる。ECU10は、そのクランクシャフト105の回転を検出する出力回転センサ21の検出情報に基づいて燃焼室103における失火の発生した該当シリンダ102の回転位相を特定してリカバーする調整処理を施すことによりエンジン101の駆動品質の悪化を抑制する。
また、ダンパ121のスプリング122が固有の共振周波数で伸縮する共振振動をしている場合、クランクシャフト105は、例えば、図2(b)に示すように、2次周波数成分や3次周波数成分の振幅強度に影響ないが、1次周波数成分の振幅強度が増大されて変動する回転特性で回転する。このことから、ECU10がダンパ121の共振振動するタイミングに受け取る出力回転センサ21の検出情報に基づいて、失火の発生する燃焼室103のシリンダ102に対応するクランクシャフト105の回転位相を特定することが難しく、エンジン101の駆動品質の悪化を抑制するリカバー調整処理を適切に実行することができない。
そこで、本実施形態のECU10は、エンジン101のクランクシャフト105の回転変動における1次周波数成分を、出力回転センサ21の検出情報から抽出する2次周波数成分および3次周波数成分に基づいて推定することにより、共振振動(共振周波数)の影響のないクランクシャフト105の回転特性を取得して失火の発生する燃焼室103のシリンダ102を特定して失火判定を行うように構成されている。すなわち、ECU10が周波数推定部を備える失火判定装置を構成している。ここで、クランクシャフト105の回転特性は、各周波数成分毎の振幅anで表わされ、例えば、1次周波数成分の振幅a1、2次周波数成分の振幅a2、3次周波数成分の振幅a3を用いる関数F(a1、a2、a3)として、失火判定処理などに利用することができる。
このECU10は、図3に示すように、ダンパ121の共振周波数の影響の含まれないクランクシャフト105の回転特性を、各種処理Pc1〜Pc7を実行してエンジン101に発生する失火判定可能な情報として取得する。取得処理Pc1では、出力回転センサ21の検出情報からエンジン101のクランクシャフト105の回転情報Neを取得する。取得処理Pc2では、入力回転センサ22の検出情報から変速機111の入力軸115の回転情報Ntを取得する。フィルタ(抽出)処理Pc3では、取得処理Pc1で取得したクランクシャフト105の回転情報Neから共振周波数の影響のない2次以上の周波数成分を抽出する。振幅推定処理Pc4では、取得処理Pc1で取得したクランクシャフト105の回転情報Neから共振周波数の影響のない2次周波数成分と3次周波数成分とを取得(抽出)して1次周波数成分の振幅を推定する。モデル計算処理Pc5では、取得処理Pc1で取得したクランクシャフト105の回転情報Neと取得処理Pc2で取得した変速機111の入力軸115の回転情報Ntとから共振周波数の影響を排除した1次周波数成分の位相を取得する。復元処理Pc6では、振幅推定処理Pc4とモデル計算処理Pc5で取得した1次周波数成分の振幅と位相とから共振周波数成分の含まれない1次周波数成分を整形(復元)して取得する。合成処理Pc7では、抽出処理Pc3で抽出された2次以上の周波数成分と復元処理Pc6で取得された1次周波数成分とを合成してダンパ121の共振周波数の影響の含まれないクランクシャフト105の回転特性を出力する。
具体的には、図4に示すように、ECU10は、エンジン101のクランクシャフト105の回転情報(出力回転センサ21の検出情報)Neと、変速機111の入力軸115の回転情報(入力回転センサ22の検出情報)Ntと、を用いて第1処理手順Pr1、第2処理手順Pr2および第3処理手順Pr3を並行して行って信号波形の抽出や合成を実行することにより、ダンパ121の共振周波数成分の含まれないクランクシャフト105の回転特性を取得する。これにより、ECU10は、そのクランクシャフト105の回転特性を用いて、エンジン101のシリンダ102を特定しつつ、その燃焼室103における失火判定を信頼性高く行うことができる。
このECU10の実行する第1処理手順Pr1では、出力回転センサ21の検出するエンジン101のクランクシャフト105の回転情報Neから単位時間当たりの回転変化量ΔNeを算出して、デジタルフィルタDF1を通すことにより、ノイズと共に1次周波数成分を除いた2次以上の周波数成分を含むクランクシャフト105の回転変動を取得する。
また、ECU10の実行する第2処理手順Pr2では、算出したクランクシャフト105の回転変化量ΔNeを用いて、デジタルフィルタDF2を通すことにより、ノイズを除去しつつ1次周波数成分の振幅を特定する。
その一方で、ECU10の実行する第3処理手順Pr3では、出力回転センサ21の検出するエンジン101のクランクシャフト105の回転情報Neと、入力回転センサ22の検出する変速機111の入力軸115の回転情報Ntとをそのまま用いて、後述する制御関数、所謂、物理モデルPmに処理させることにより、クランクシャフト105の回転情報Neに含まれる共振周波数成分を除いて、デジタルフィルタDF3を通すことにより、ノイズを除去しつつ1次周波数成分の位相を特定する。ここで、物理モデルPmがクランクシャフト105の回転情報Neに含まれる共振周波数成分を除く処理を行うことから、この処理のみで共振振動の影響のないクランクシャフト105の回転変動としてエンジン101の失火判定をすることも考えられる。しかしながら、出力回転センサ21の検出特性(精度)の課題から、本実施形態では物理モデルPmによる処理結果をデジタルフィルタDF3に通して1次周波数成分の位相を抽出して利用するようにしている。
この後に、ECU10は、第2処理手順Pr2で特定した1次周波数成分の振幅を、第3処理手順Pr3で特定した1次周波数成分の位相に適用して波形整形(合成)処理Fmすることにより、クランクシャフト105の回転変動における共振周波数成分の含まれない1次周波数成分を復元し、さらに、第1処理手順Pr1で抽出した2次以上の周波数成分に合成処理Cpすることにより、クランクシャフト105の共振の影響のない回転変動を推定して取得する。
詳細には、図5に示すように、ECU10は、図3に示す演算処理に図4に示す処理手順を適用すると、出力回転センサ21および入力回転センサ22からクランクシャフト105の回転情報Neと変速機111の入力軸115の回転情報Ntとを並行に取得しつつ、そのクランクシャフト105の回転情報Neから単位時間当たりの回転変化量ΔNeを算出して取得する(取得処理Pc1、Pc2)。
この後に、ECU10は、そのクランクシャフト105の回転変化量ΔNeをデジタルフィルタDF1に通して、ノイズと共に1次周波数成分を除いた2次以上の周波数成分を含むクランクシャフト105の回転変動を取得する(抽出処理Pc3、第1処理手順Pr1)。
一方、ECU10は、そのクランクシャフト105の回転変化量ΔNeをデジタルフィルタDF2に通して、ノイズを除去しつつ含まれる1次周波数成分の振幅を特定する(推定処理Pc4)。このとき、デジタルフィルタDF2では、クランクシャフト105の回転変化量ΔNeに基づく1次周波数成分の分離抽出、2次周波数成分の分離抽出、3次周波数成分の分離抽出をそれぞれ行って、そのうちの1次周波数成分の振幅を2次周波数成分および3次周波数成分の振幅から算出して推定する(推定処理Pc4、第2処理手順Pr2)。
また、ECU10は、クランクシャフト105の回転情報Neおよび変速機111の入力軸115の回転情報Ntを、後述する制御関数、所謂、物理モデルPmに処理させて共振周波数成分を除いた後に、デジタルフィルタDF3に通して、ノイズを除去しつつ含まれる1次周波数成分の位相を特定する(モデル計算処理Pc5、第3処理手順Pr3)。
この後に、ECU10は、特定した振幅と位相とで波形整形して共振周波数の含まれないクランクシャフト105の回転変動における1次周波数成分を復元して(復元処理Pc6、合成処理Fm)、さらに、クランクシャフト105の回転変動から抽出した2次以上の周波数成分に合成させることにより(合成処理Pc7、Cp)、ダンパ121の共振周波数の影響の含まれないクランクシャフト105の理論波形の回転変動を推定して取得する。
この物理モデルPmとして機能するECU10は、エンジン101における燃焼により発生するトルクを推定することにより、デジタルフィルタDF3で処理させる1次周波数成分を抽出する関数処理を実行する。このとき、燃焼トルクTeは次式で表すことができ、燃焼トルクTeとクランクシャフト105の回転変化量ΔNeとが略同等の挙動となるために、そのエンジン101の慣性モーメントIeを利用してクランクシャフト105の回転変化量ΔNeの1次周波数成分を抽出することができる。
Te=Ie・dω Ie:エンジンの慣性モーメント ω:角速度
この物理モデルでは、図6に示すように、まずは、エンジン101のクランクシャフト105の回転情報Neから角速度ωeを導出するとともに、変速機111の入力軸115の回転情報Ntから角速度ωinpを導出して合成(「+」「−」)することにより、ダンパ121の入出力差に伴う振動角速度ωdmpを取得して逆数(1/s)を取ることでダンパ121の捻り角θdmpを算出する。このダンパ121の捻り角θdmpは、上式(1)を変形してダンパ121の定数Kdmpをエンジン101の慣性モーメントIeで除する関数式に演算処理させた後に逆数(1/s)を取ることによって、ダンパ121の影響に起因する角速度ωe_dmpを取得する。このダンパ121の影響の角速度ωe_dmpとダンパ121の共振周波数成分を含むクランクシャフト105の角速度ωeとを合成(「−」「+」)することにより、その共振周波数成分を除いたクランクシャフト105の角速度ωe_Teを取得することができる。
ところで、エンジン101は、シリンダ102毎の燃焼室103のそれぞれで失火発生の可能性があり、図7に示すように、その失火発生のパターンに応じてクランクシャフト105の回転変動に含まれる周波数特性に差異が生じる。例えば、図7(a)に示すように、シリンダ102のうちのいずれか1気筒に失火が連続的に発生する、所謂、1連失火の場合には、1次周波数成分、2次周波数成分、3次周波数成分の振幅強度がいずれも存在する回転情報Neとなる。図7(b)に示すように、シリンダ102のうちの連続する2気筒に失火が発生する、所謂、2連失火の場合には、1次周波数成分の振幅強度が2次周波数成分よりも大きく(例えば、2倍程度など)、3次周波数成分の振幅強度が含まれない回転情報Neとなる。図7(c)に示すように、シリンダ102の1気筒置きに失火が発生する、所謂、間欠失火の場合には、図7(a)の1連失火と同様に、1次周波数成分、2次周波数成分、3次周波数成分のいずれの振幅強度も存在する回転情報Neとなる。図7(d)に示すように、シリンダ102のうちの対向するレイアウト位置の気筒で失火が発生する、所謂、対向失火の場合には、2次周波数成分の振幅強度のみで、1次周波数成分や3次周波数成分の含まれない回転情報Neとなる。ここで、図7には、6気筒または8気筒の場合における失火パターンを一例として図示している。
このため、ECU10(デジタルフィルタDF2)は、上述の1次周波数成分の振幅強度を算出する推定処理Pc4(第2処理手順Pr2)を実行する際に、クランクシャフト105の回転特性における2次周波数成分および3次周波数成分の振幅を用いることにより、発生した失火パターンを判別して補正係数を決定し、1次周波数成分の振幅を算出して推定する処理を行うようになっている。
具体的には、ECU10は、図8のフローチャートに示す処理手順によって、対向失火パターンまたは2連連続失火パターンあるいはその他の回転特性のいずれであるかを判別して補正係数を決定し、クランクシャフト105の回転特性F(a1、a2a、a3)における各周波数成分の振幅を取得するようになっている。
まず、図8のフローチャートに示すように、ECU10は、取得したクランクシャフト105の回転変化量ΔNeの各周波数成分の振幅を用いる下記の対向失火判別式から判別用の比率poppを算出し(ステップS11)、その比率poppが所定の判別閾値未満であるか否かを確認する(ステップS12)。
popp=[max(1次または3次の周波数成分の振幅)]/2次周波数成分の振幅
max(x1、x2、x3、・・・):カッコ内のうちの最大値を選択
判別閾値:振幅強度のない周波数成分の場合の比率poppを確実に超える値
このステップS12では、図7(d)に示すように、対向失火パターンの場合には1次周波数成分の振幅および3次周波数成分の振幅のいずれも認められずバックグラウンド程度の値を取得することになり、判別用の比率poppは微小な誤差値程度となって、判別閾値未満であることが確認される。
このため、ステップS12においてエンジン101で対向失火が発生して判別用比率poppが判別閾値未満であることを確認したECU10は、振幅補正係数kopp=「0」をメモリ11内に設定する(ステップS13)。
また、ステップS12においてエンジン101で対向失火が発生しておらず判別用比率poppが判別閾値以上であることを確認したECU10は、振幅補正係数kopp=「1」をメモリ11内に設定する(ステップS14)。
次いで、ECU10は、取得したクランクシャフト105の回転変化量ΔNeの各周波数成分の振幅を用いる下記の2気筒連続失火判別式から判別用の比率pdblを算出し(ステップS15)、その比率pdblが所定の判別閾値未満であるか否かを確認する(ステップS16)。
pdbl=3次周波数成分の振幅/2次周波数成分の振幅
このステップS16では、図7(b)に示すように、2連失火パターンの場合には3次周波数成分の振幅が認められずバックグラウンド程度の値を取得することになり、判別用の比率pdblは微小な誤差値程度となって、判別閾値未満であることが確認される。
このため、ステップS16においてエンジン101で2連失火が発生して判別用比率pdblが判別閾値未満であることを確認したECU10は、振幅補正係数kdbl=「KDBL−H」、例えば、「2」をメモリ11内に設定する(ステップS17)。なお、この2連失火パターンでの1次周波数成分の振幅は2次周波数成分の2倍程度の振幅強度になることから、後述する1次周波数成分の振幅a1を算出(推定)する際に2次周波数成分の振幅を2倍にする補正係数としている。
また、ステップS16においてエンジン101で2連失火が発生しておらず判別用比率pdblが判別閾値以上であることを確認したECU10は、振幅補正係数kdbl=「KDBL−L」、例えば、「1」をメモリ11内に設定する(ステップS18)。
これらステップS11〜S18の処理により、メモリ11内に、エンジン101に図7(d)の対向失火が発生している場合には振幅補正係数kopp=「0」が設定され、エンジン101に図7(b)の2連失火が発生している場合には振幅補正係数kdbl=「2」が設定され、エンジン101に図7(a)の1連失火や図7(c)の間欠失火が発生し、あるいは、失火自体が発生していない場合には振幅補正係数kopp=「1」および振幅補正係数kdbl=「1」が設定される。
この後に、ECU10は、メモリ11内の振幅補正係数koppおよび振幅補正係数kdblと取得した2次周波数成分の振幅とを用いる次式の振幅推定式から1次周波数成分の振幅a1を算出して推定する(ステップS19)。
1次周波数成分の振幅a1=2次周波数成分の振幅×kopp×kdbl
これにより、ECU10は、ダンパ121の共振周波数の影響のないクランクシャフト105の回転特性F(a1、a2、a3)を取得することができ、エンジン101における失火の判定処理を信頼性高く実行することができる。
ここで、ステップS11〜S18において振幅補正係数koppとして「0」または「1」を選択設定し、また、振幅補正係数kdblとして「KDBL−H:2」または「KDBL−L:1」を選択設定する場合を一例として説明するが、これに限るものではなく、エンジン101やダンパ121など搭載機器の異なる車両100の車種等に応じて適宜に設定してもよい。例えば、ステップS11、S15で算出する判別用比率popp、pdblの値に応じた振幅補正係数kopp、kdbkを決定するマップをメモリ11内に格納準備しておき、算出した判別用比率popp、pdblに応じた振幅補正係数kopp、kdblを決定してメモリ11内に設定するようにしてもよい。
具体的には、メモリ11内に格納する対向失火用のマップとしては、例えば、図9(a)に示すように、振幅補正係数kopp=「0」とする判別用比率poppの低側閾値を「EOPP−THL」とし、また、振幅補正係数kopp=「1」とする判別用比率poppの高側閾値を「EOPP−THH」として、その判別用比率poppが低側閾値「EOPP−THL」と高側閾値「EOPP−THH」の間の場合には、例えば、「0」〜「1」の間の中間値を振幅補正係数koppとしてメモリ11内に設定するようにしてもよい。
また、メモリ11内に格納する2連失火用のマップとしては、例えば、図9(b)に示すように、振幅補正係数kdbl=「EDBL−THL:2」とする判別用比率pdblの低側閾値を「EDBL−THL」とし、また、振幅補正係数kdbl=「EDBL−THH:1」とする判別用比率pdblの高側閾値を「EDBL−THH」として、その判別用比率pdblが低側閾値「EDBL−THL」と高側閾値「EDBL−THH」の間の場合には、例えば、「KDBK−H:2」〜「KDBK−L:1」の間の中間値を振幅補正係数kdblとしてメモリ11内に設定するようにしてもよい。
これにより、ECU10は、例えば、車両100の車種毎の搭載機器等に応じて振幅補正係数を最適化して、ダンパ121の共振周波数の影響のないクランクシャフト105の回転特性F(a1、a2、a3)をより高精度に取得することができ、エンジン101における失火判定処理をより信頼性高く実行することができる。
このように、本実施形態のECU10においては、エンジン101のクランクシャフト105の1次周波数成分をダンパ121の共振周波数の影響を受けない2次周波数成分と3次周波数成分とから推定して取得するので、ダンパ121を介在させてエンジン101の回転動力を変速機111に伝達する動力伝達経路を有する場合でも、そのダンパ121の共振の影響を受けることなく、エンジン101の失火判定を信頼性高く高精度に実行することができる。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
10……ECU(周波数推定部、失火判定装置)
11……メモリ
21……出力回転センサ
22……入力回転センサ
100……車両
101……エンジン(内燃機関)
102……シリンダ
103……燃焼室
104……ピストン
105……クランクシャフト
111……変速機
115……入力軸
121……ダンパ
122……スプリング

Claims (1)

  1. 内燃機関のクランクシャフトの回転変動に基づいて当該内燃機関の失火判定を行う失火判定装置であって、
    前記回転変動における2次周波数成分および3次周波数成分を抽出して1次周波数成分を推定する周波数推定部を備え、
    前記周波数推定部の推定した1次周波数成分を用いて前記内燃機関の失火判定を行う、内燃機関の失火判定装置。
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