JP2023001545A - 光電変換素子、光センサ、生体センサおよび光電変換材料 - Google Patents

光電変換素子、光センサ、生体センサおよび光電変換材料 Download PDF

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公平 荻野
Kohei Ogino
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俊平 一杉
Shumpei Hitosugi
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Abstract

【課題】活性層の極大吸収波長が950nm以上であり、かつ光電変換効率および素子寿命に優れた光電変換素子、当該光電変換素子を有する光センサおよび生体センサ、ならびに光電変換材料を提供すること。【解決手段】陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置される活性層とを、有する光電変換素子。前記活性層は、下記一般式(1a)で表される構造を有する光電変換材料を含み、かつ前記活性層の吸収極大波長は950nm以上であり、一般式(1a)において、L1はルイス酸性の基を有するか、または前記活性層はルイス酸性の添加剤を含む。【化1】TIFF2023001545000046.tif20150(一般式(1a)において、D1は電子供与性を有する構造を示し、L1は置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、Aは電子吸引性を有する構造を示す。L1とAとは、単結合または二重結合で結合されており、D1とL1との間で環構造は形成されていない。)【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換素子、光センサ、生体センサおよび光電変換材料に関する。
近年、第一生体窓である900nmまでの近赤外光よりも生体透過性の高い第二生体窓(950~1350nm)での生体センシングが注目を集めている。特に、1400nm以上の光はアイセーフ帯と呼ばれ、網膜を損傷しない低エネルギー光であることから、強いレーザー光を用いたセンシングを可能とするため注目されている。
近赤外領域に感度を有する光電変換素子が、特許文献1~4などに開示されている。
特開2016-134570号公報 特開2020-031198号公報 特開2020-083866号公報 特開2020-083867号公報
本発明者らが検討したところ、特許文献1~4に記載の光電変換素子では、光電変換素子の極大吸収波長が950nm以上になると、所望する光電変換効率や素子寿命が得られないことがあった。
本発明の目的は、活性層の極大吸収波長が950nm以上であり、かつ光電変換効率および素子寿命に優れた光電変換素子、当該光電変換素子を有する光センサおよび生体センサ、ならびに光電変換材料を提供することである。
本発明の一態様における光電変換素子は、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置される活性層とを、有する。前記活性層は、下記一般式(1a)で表される構造を有する光電変換材料を含み、かつ前記活性層の吸収極大波長は950nm以上であり、前記一般式(1a)において、Lはルイス酸性の基を有するか、または前記活性層はルイス酸性の添加剤を含む。
Figure 2023001545000001
(一般式(1a)において、Dは電子供与性を有する構造を示し、Lは置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、Aは電子吸引性を有する構造を示す。LとAとは、単結合または二重結合で結合されており、DとLとの間で環構造は形成されていない。)
本発明の一態様における光センサは、上記光電変換素子を有する。
本発明の一態様における生体センサは、上記光電変換素子を有する。
本発明の一態様における光電変換材料は、下記一般式(1a)で表される構造を有する。
Figure 2023001545000002
(一般式(1a)において、Dは電子供与性を有する構造を示し、Lは置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、Aは電子吸引性を有する構造を示す。Lはルイス酸性の基を有し、LとAとは、単結合または二重結合で結合されており、DとLとの間で環構造は形成されていない。)
本発明によれば、活性層の極大吸収波長が950nm以上であり、かつ光電変換効率および素子寿命に優れた光電変換素子、当該光電変換素子を有する光センサ、生体センサおよび光電変換材料を提供することができる。
以下、本発明の実施形態についてより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
本発明者らは、従来の光電変換素子において、近赤外領域(特に950nm以上)の波長に対するセンサ感度や素子寿命が低い原因は、光電変換素子中で光の照射により励起子を形成する光電変換材料の励起エネルギーが極小であるためだと考えた。つまり、励起エネルギーが極小であるために、エネルギーが発生直後から容易に失活してしまい、そのため励起子(特には電子)の伝導がされにくかったり、失活過程において素子内の材料が損傷を受けたりすることが原因であると考えられる。そこで、本発明者らは、生成した励起エネルギーが失活しにくい光電変換材料を設計することで、発生した励起エネルギーが十分に伝導され、より大きいエネルギーを安定的に取り出すことができると考えた。
上記知見に基づき鋭意検討した結果、本発明者らは、励起された電子が局在する電子吸引部位(電子吸引性を有する部位、一般式(1a)における電子吸引性を有する構造(A))を非共有結合性の相互作用で固定化し、電子吸引部位の振動を抑制して、上記振動による励起エネルギーの失活を抑制する方法に想到した。
1.光電変換素子および光電変換材料
上記想到に基づく本発明の一実施形態は、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置される活性層とを、有する光電変換素子に関する。上記光電変換素子において、上記活性層は、下記一般式(1a)で表される構造を有する光電変換材料を含み、かつ前記活性層の吸収極大波長は950nm以上であり、一般式(1a)において、Lはルイス酸性の基を有するか、または前記活性層はルイス酸性の添加剤を含む。
Figure 2023001545000003
一般式(1a)において、Dは電子供与性を有する構造を示し、Lは置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、Aは電子吸引性を有する構造を示す。LとAとは、単結合または二重結合で結合されており、DとLとの間で環構造は形成されていない。
上記光電変換素子は、吸収極大波長が950nm以上2000nm以下であることが好ましく、1200nm以上1600nm以下であることがより好ましい。このような光電変換素子は、当該波長の光を照射されたときに高い光電変換効率を有する。
以下、上記光電変換素子の具体的な構成について、より詳細に説明する。
1-1.基板
上記光電変換素子は、通常、基板(支持基板)上に設けられる。基板上には、陰極および陽極を含む電極が形成され得る。上記光電変換素子は、支持基板に接合するように陽極が配置される態様(順積層構造)であってもよいし、支持基板に接合するように陰極が配置される態様(逆積層構造)であってもよい。
基板の材料は、有機化合物を含む層を形成する際に化学的に変化しない材料であれば特に限定されない。基板の材料の例には、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、およびシリコンなどが含まれる。
1-2.電極
上記光電変換素子は、陽極および陰極としての少なくとも一対の電極を有する。
電極の材料および構成は特に限定されず、公知の電極と同様にしうる。光電変換効率をより高める観点からは、陽極および陰極の少なくとも一方の電極が透明または半透明であることが好ましい。基板が不透明な材料からなるときには、不透明な基板側に設けられる電極とは反対側の電極(すなわち、基板から遠い側の電極)が透明または半透明の電極とされることが好ましい。
透明または半透明の電極の材料の例には、導電性の金属酸化物膜、および半透明の金属薄膜が含まれる。より具体的な例には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ(NESA(「NESA」はピーピージー インダストリーズ社の登録商標)などを含む)、およびこれらの複合体であるインジウムスズオキサイド(ITO)、インジウム亜鉛オキサイド(IZO)、金、白金、銀、ならびに銅などが含まれる。透明または半透明の電極の材料としては、ITO、IZO、および酸化スズが好ましい。また、透明または半透明の電極として、ポリアニリンおよびその誘導体、ならびに、ポリチオフェンおよびその誘導体などの有機化合物が材料として用いられる透明導電膜を用いてもよい。
透明または半透明の電極は、導電性物質のナノ粒子、導電性物質のナノワイヤまたは導電性物質のナノチューブを含む、エマルション(乳濁液)やサスペンション(懸濁液)、金属ペーストなどの分散液、溶融状態の低融点金属等を用いて塗布法により形成されたものであってもよい。上記導電性物質の例には、金および銀などの金属、ITO(インジウムスズ酸化物)などの酸化物、ならびにカーボンナノチューブなどが含まれる。
なお、電極は、特表2010―525526号に記載されているように、導電性物質のナノ粒子またはナノファイバーが、導電性ポリマーなどの所定の媒体中に分散して配置された構成を有していてもよい。
透明または半透明の電極は、陽極であっても陰極であってもよい。また、基板(支持基板)に接合するように設けられる電極は、陽極であっても陰極であってもよい。また、陽極および陰極の両方の電極が透明または半透明であってもよい。
なお、一方の電極が透明または半透明であって、他方の電極は光透過性の低い電極であってもよい。光透過性の低い電極の材料の例には、金属、および導電性高分子が挙げられる。光透過性の低い電極の材料の具体例には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、およびイッテルビウムなどの金属、およびこれらのうちの2種以上の合金、ならびに、これらのうちの1種以上の金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケルおよびタングステンなどの金属との合金、グラファイト、グラファイト層間化合物、ポリアニリンおよびその誘導体、ならびにポリチオフェンおよびその誘導体などが含まれる。上記合金の例には、マグネシウム-銀合金、マグネシウム-インジウム合金、マグネシウム-アルミニウム合金、インジウム-銀合金、リチウム-アルミニウム合金、リチウム-マグネシウム合金、リチウム-インジウム合金、およびカルシウム-アルミニウム合金などが含まれる。
1-3.活性層
上記光電変換素子は、p型半導体材料(電子供与性化合物)およびn型半導体材料(電子受容性化合物)を含み、光の照射により励起エネルギーを生成する活性層を、上記陽極と上記陰極との間に有する。上記活性層は、上述した光電変換材料を含み、かつ吸収極大波長が950nm以上である。
上記活性層は、単層であってもよいし、複数の層が積層された構成であってもよい。単層および複数層のいずれにおいても、p型半導体材料(電子供与性化合物)およびn型半導体材料(電子受容性化合物)が同一の層内に含まれていてもよい。複数層であるときは、活性層は、p型半導体材料(電子供与性化合物)を含む第1の半導体層と、およびn型半導体材料(電子受容性化合物)を含む第2の半導体層と、を有してもよい。このとき、第1の半導体層は、第2の半導体層に対して、陰極側に配置される。
p型半導体材料は、電子供与性化合物であって、上述した光電変換材料に対して、イオン化ポテンシャル(HOMOまたはLUMOのエネルギー準位を基準とする)が小さい有機化合物であればよい。p型半導体材料は、電子供与性のある化合物であれば限定されず、正孔輸送性有機化合物として知られる公知の材料とすることができる。
p型半導体材料の具体例には、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、縮合芳香族炭素環化合物(ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体)、および含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体などが含まれる。
活性層がp型半導体材料を含むとき、上述した光電変換材料は、活性層中でn型半導体材料として作用する。
n型半導体材料は、電子受容性化合物であって、上述した光電変換材料に対して、電子親和力(HOMOまたはLUMOのエネルギー準位を基準とする)が大きい有機化合物であればよい。n型半導体材料は、電子受容性のある化合物であれば限定されず、電子輸送性有機化合物として知られる公知の材料とすることができる。
n型半導体材料の具体例には、フラーレン(たとえば、C60フラーレン、C70フラーレン、C76フラーレン、C78フラーレン、およびC84フラーレンなど)、フラーレン誘導体(たとえば、[6,6]-フェニル-C61酪酸メチルエステル(C60PCBM、[6,6]-Phenyl C61 butyric acid methyl ester)、[6,6]-フェニル-C71酪酸メチルエステル(C70PCBM、[6,6]-Phenyl C71 butyric acid methyl ester)、[6,6」-フェニル-C85酪酸メチルエステル(C84PCBM、[6,6]-Phenyl C85 butyric acid methyl ester)、および[6,6]-チエニル-C61酪酸メチルエステル(C60TCBM、[6,6]-Thienyl C61 butyric acid methyl ester)など]、縮合芳香族炭素環化合物(たとえば、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、およびフルオランテン誘導体など)、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有する5ないし7員環のヘテロ環化合物(たとえば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、キノキサリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、イソキノリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、フェナントロリン、テトラゾール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、トリアゾロピリダジン、トリアゾロピリミジン、テトラザインデン、オキサジアゾール、イミダゾピリジン、ピラリジン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、ジベンズアゼピン、およびトリベンズアゼピンなど)、ポリアリーレン化合物、フルオレン化合物、シクロペンタジエン化合物、シリル化合物、含窒素ヘテロ環化合物を配位子として有する金属錯体、ならびに、文献(例えば、Nat.Commun.2020,11,4612.、Adv.Mater.2019,31, 1903441.、Bull. Chem. Soc. Jpn. 2021, 94, 183.、J.Am.Chem.Soc. 2021,143,11,4281.)に記載されている化合物などが含まれる。
活性層がn型半導体材料を含むとき、上述した光電変換材料は、活性層中でp型半導体材料として作用する。
一般式(1a)で表される構造を有する光電変換材料は、電子吸引性を有する構造(A)の振動が抑制されて、安定した電子供与性を示すことから、p型半導体材料として好適である。そのため、上記活性層は、n型半導体材料と、p型半導体材料としての上述した光電変換材料とを含むことが好ましく、n型半導体材料と、p型半導体材料としての上述した光電変換材料と同一層に含むことがより好ましい。
上記活性層の厚さ(活性層が複数層であるときは、複数層の全体の厚さ)は、1nm以上100μm以下であることが好ましく、10nm以上1000nm以下であることがより好ましく、50nm以上500nm以下であることがさらに好ましい。
上記活性層は、基本的には上述した光電変換材料の吸収極大波長に応じた波長に、吸収極大波長を有する。本実施形態では、上記活性層の吸収極大波長は950nm以上であり、950nm以上2000nm以下であることが好ましく、1200nm以上1600nm以下であることがより好ましい。吸収極大波長が上記範囲である光電変換素子は、当該波長の光を照射されたときに高い光電変換効率を有する。
なお、上記活性層は、紫外線吸収剤、酸化防止剤、吸収した光により電荷を発生させる機能を増感するためのため増感剤、および紫外線に対する安定性を増すための光安定剤などを含んでもよい。これらの成分の含有量は、上記活性層の吸収極大波長が上記範囲になり、かつ上記活性層の光電変換効率を顕著に低下させない限度において、任意に定めることができる。
1-3-1.光電変換材料
上記活性層は、下記一般式(1a)で表される構造を有する光電変換材料を含み、かつ吸収極大波長が950nm以上である。
Figure 2023001545000004
一般式(1a)において、Dは電子供与性を有する構造を示し、Lは置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、Aは電子吸引性を有する構造を示す。DとLとの間で環構造は形成されていない。
1-3-2.電子供与性を有する構造(D
電子供与性を有する構造(D)は、電子供与性の官能基を有する構造であるか、それ自体が電子供与性の性質を有する構造であればよい。
は、たとえば、電子供与性基で置換されたアリール基、置換されていてもよい電子供与性のヘテロアリール基、および置換されていてもよいアミノ基などを有する構造とすることができる。
としての上記電子供与性基で置換されたアリール基は、任意のアリール基が電子供与性基で置換された官能基であればよい。
上記アリール基は、炭素数が6以上24以下の芳香族炭化水素基またはこれらから誘導される基であることが好ましい。上記炭素数が6以上24以下の芳香族炭化水素の例には、ベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、アズレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、アセナフチレン環、ビフェニレン環、ナフタセン環、ピレン環、ペンタレン環、アセアントリレン環、ヘプタレン環、トリフェニレン環、as-インダセン環、クリセン環、s-インダセン環、プレイアデン環、フェナレン環、フルオランテン環、ペリレン環、アセフェナントリレン環、ビフェニル環、ターフェニル環、およびテトラフェニル環、などが含まれる。これらのうち、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ビフェニレン環、クリセン環、ピレン環、トリフェニレン環、クリセン環、フルオランテン環、ペリレン環、ビフェニル環、およびターフェニル環が好ましい。
上記アリール基を置換する電子供与性基の例には、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアミノ基、および置換されていてもよい電子供与性のヘテロアリール基などが含まれる。これらのうち、置換されていてもよいアミノ基、および置換されていてもよい電子供与性基のヘテロアリール基が好ましい。
上記電子供与性基としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状、および環状のいずれのアルキル基であってもよい。上記アルキル基の例には、炭素数1以上20以下の直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基が含まれる。より具体的には、上記アルキル基の例には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、2-ヘキシルオクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-イコシル基、およびアダマンチル基などが含まれる。これらのうち、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、シクロヘキシル基、2-エチルヘキシル基、2-ヘキシルオクチル基、およびアダマンチル基が好ましい。
上記電子供与性基としてのアルコキシ基は、直鎖状、分岐状、および環状のいずれのアルコキシ基であってもよい。上記アルキル基の例には、炭素数1以上20以下の直鎖状、分岐状、および環状のアルコキシ基が含まれる。より具体的には、上記アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、n-ウンデシルオキシ基、n-ドデシルオキシ基、n-トリデシルオキシ基、n-テトラデシルオキシ基、2-n-ヘキシル-n-オクチルオキシ基、n-ペンタデシルオキシ基、n-ヘキサデシルオキシ基、n-ヘプタデシルオキシ基、n-オクタデシルオキシ基、n-ノナデシルオキシ基、およびn-イコシルオキシ基などがふくまれる。これらのうち、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t-ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、および2-ヘキシルオクチルオキシ基が好ましい。
上記電子供与性基としての電子供与性のヘテロアリール基は、炭素数が4以上24以下の任意の電子供与性の複素環またはこれらから誘導される基であることが好ましい。上記複素環の例には、ピロール環、チオフェン環、フラン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、カルバゾール環、インドロインドール環、9,10-ジヒドロアクリジン環、10,11-ジヒドロジベンゾアゼピン環、5,10-ジヒドロジベンゾアザシリン環、5,10-ジヒドロジフェナジン環、6,13-ジヒドロジベンゾフェナジン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ベンゾフリルインドール環、ベンゾチエノインドール環、インドロカルバゾール環、ベンゾフリルカルバゾール環、ベンゾチエノカルバゾール環、ベンゾチエノベンゾチオフェン環、ベンゾカルバゾール環、ジベンゾカルバゾール環、テトラチアフルバレン環、チアントレン環、および準平面または平面に固定されたトリアリールアミン環などが含まれる。これらのうち、ピロール環、チオフェン環、フラン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、カルバゾール環、インドロインドール環、9,10-ジヒドロアクリジン環、5,10-ジヒドロジフェナジン、6,13-ジヒドロジベンゾフェナジン、フェノキサジン環、フェノチアジン環、ジベンゾチオフェン環、ベンゾフリルインドール環、ベンゾカルバゾール環、ジベンゾフラン環、ならびに、酸素、窒素、硫黄および炭素原子などの1原子架橋または単結合により準平面または平面に固定されたトリアリールアミン環が好ましい。なお、電子供与性の複素環は、同一のまたは異なる2以上の上記ヘテロアリール環を連結したものであってもよい。
これらの電子供与性基を置換してもよい置換基の例には、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルキル基で置換されていてもよいアリール環、置換されていてもよいアルコキシ基で置換されていてもよいアリール環、置換されていてもよい電子供与性のヘテロアリール基で置換されていてもよいアリール環、および置換されていてもよいアミノ基で置換されていてもよいアリール環などが含まれる。
電子供与性を有する構造(D)としての上記置換されていてもよい電子供与性のヘテロアリール基の例には、上記電子供与性基としての電子供与性のヘテロアリール基として説明した各ヘテロアリール基、および、上記電子供与性基を置換してもよい置換基として説明した各置換基でこれらのヘテロアリール基が置換された基が含まれる。
電子供与性を有する構造(D)としての上記置換されていてもよい電子供与性のアミノ基の例には、アミノ基、および上記電子供与性基を置換してもよい置換基として説明した各置換基で置換されたアミノ基が含まれる。
電子供与性を有する構造(D)は、1個以上5個以下の、電子供与性の窒素原子を有することが好ましく、1個以上3個以下の電子供与性の窒素原子を有することがより好ましい。上記窒素原子は、3級アミノ基を構成する窒素原子であってもよいし、ヘテロアリール環を構成する窒素原子であってもよい。電子供与性の窒素原子を有し得るヘテロアリール環の例には、ピロール環、インドール環、カルバゾール環、インドロインドール環、9,10-ジヒドロアクリジン環、10,11-ジヒドロジベンゾアゼピン環、5,10-ジヒドロジベンゾアザシリン環、5,10-ジヒドロジフェナジン環、6,13-ジヒドロジベンゾフェナジン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、ベンゾフリルインドール環、ベンゾチエノインドール環、インドロカルバゾール環、ベンゾフリルカルバゾール環、ベンゾチエノカルバゾール環、ベンゾカルバゾール環、ジベンゾカルバゾール環、および準平面または平面に固定されたトリアリールアミン環などが含まれる。上記電子供与性の窒素原子は、これらのうち、ピロール環、カルバゾール環、インドロインドール環、9,10-ジヒドロアクリジン環、5,10-ジヒドロジフェナジン環、6,13-ジヒドロジベンゾフェナジン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、ベンゾカルバゾール環、ジベンゾカルバゾール環、準平面または平面に固定されたトリアリールアミン環、および3級アミノ基に含まれる窒素原子であることが好ましい。なお、上記ヘテロアリール環やアミノ基は、置換されていてもよく、また同一のまたは異なる2以上の上記ヘテロアリール環やアミノ基を連結したものであってもよい。
電子供与性を有する構造(D)が有し得る、電子供与性の窒素原子を有する構造の好ましい例には、下記一般式(100a)~(100b)、(110а)~(110b)、(120a)~(120b)、(130a)~(130b)、(140a)~(140b)、および(150a)~(150b)で表される構造が含まれる。
Figure 2023001545000005
一般式(100a)~(100b)、(110а)~(110b)、(120a)~(120b)、(130a)~(130b)、(140a)~(140b)、および(150a)~(150b)において、KはC(R、Si(R、NR、OまたはSを示し、RはH、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。上記置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルキル基、および置換されていてもよいヘテロアリール基の具体例には、アリール基を置換する電子供与性基について説明した各構造が含まれる。
1-3-3.電子吸引性を有する構造(A)
電子吸引性を有する構造(A)は、電子吸引性の官能基を有する構造であるか、または、それ自体が電子吸引性の性質を有する構造であればよい。また、電子吸引性を有する構造(A)は、非共有電子対を有する構造である。
電子吸引性を有する構造(A)の具体例には、カルボニル基、カルボニルアニオン基、ニトロ基、スルホキシド基、ジスルホキシド基、シアノ基、および電子吸引性の窒素原子を含む基、ならびにこれらの基を含む官能基などが含まれる。これらのうち、カルボニル基、カルボニルアニオン基、シアノ基、電子吸引性の窒素原子を含む基が好ましい。
上記カルボニル基、カルボニルアニオン基、ニトロ基、スルホキシド基、ジスルホキシド基、またはシアノ基を有する官能基の例には、スクアリリム基、クロコニウム基、エタンジオン基、キノン環、フッ素化されたキノン環、ジベンゾチオフェンオキシド環、ジベンゾチオフェンジオキシド環、ジベンゾホスホールオキシド環、テトラシアノキノジメタン環、および準平面または平面に固定されたトリアリールホスフィンオキシド環などが含まれる。
上記電子吸引性の窒素原子を含む基は、置換されていてもよい電子吸引性のヘテロアリール基であることが好ましい。上記電子吸引性のヘテロアリール基の例には、チアゾール環、オキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、イミダゾール、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサリン環、フタラジン環、プテリジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、アザカルバゾール環、ジアザカルバゾール環、ジアザジベンゾフラン環、ジアザジベンゾフラン環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾセレナジアゾール環、ベンゾビスチアジアゾール環、ベンゾビスセレナジアゾール環、チアゾロキノキサリン環、チアジアゾロジベンゾフェナジン環などを有する基が含まれる。これらのうち、チアゾール環、オキサゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、イミダゾール、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾチアジアゾール環、ベンゾセレナジアゾール環、ベンゾビスチアジアゾール環、ベンゾビスセレナジアゾール環、チアゾロキノキサリン環、およびチアジアゾロジベンゾフェナジン環を有する基が好ましい。なお、これらの官能基を構成するヘテロアリール環は、置換されていてもよく、また同一のまたは異なる2以上の上記ヘテロアリール環を連結したものであってもよい。
1-3-4.リンカー(L
リンカー(L)は、電子供与性を有する構造(D)と電子吸引性を有する構造(A)とを接続する接続部位である。一般式(1a)で表される構造を有する光電変換材料においては、リンカー(L)は、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基である。
上記置換されていてもよいアリール基、および置換されていてもよいヘテロアリール基の具体例には、電子供与性を有する構造(D)のアリール基を置換する電子供与性基について説明した各構造が含まれる。
一般式(1a)で表される構造を有する光電変換材料では、電子供与性を有する構造(D)とリンカー(L)との間で環構造は形成されていない。本発明者らの知見によると、電子供与性を有する構造(D)とリンカー(L)との間で環構造が形成されると、分子構造が剛直になるため、活性層の極大吸収波長が短波長側に移行してしまう。また、リンカーを緩衝とする励起状態における電荷分離が生じにくくなるため、光電変換素子の光電変換効率および素子寿命が低下してしまう。これに対し、電子供与性を有する構造(D)とリンカー(L)との間で環構造を形成しないことにより、活性層の極大吸収波長を950nm以上とし、かつ光電変換素子の光電変換効率および素子寿命をより高めることができる。
1-3-5.相互作用
本実施形態に係る光電変換素子において、リンカー(L)は、ルイス酸性の基を有するか、または上記活性層は、ルイス酸性の添加剤を含む。これにより、電子吸引性を有する構造(A)が、分子内で上記ルイス酸性の基との間、または上記添加剤との間に非共有結合性の相互作用を形成することができる。
上記非共有結合性の相互作用は、一般式(1a)で表される構造を有する光電変換材料を含む光電変換素子の光電変換効率を向上させる。この理由について、上記非共有結合性の相互作用が電子吸引性を有する構造(A)を固定化してその振動を抑制して励起状態を安定化することは知られているが、本発明者らは新たに、上記振動抑制による励起状態の安定化によって電子吸引部に局在する電子を失活させることなく隣接分子にホッピングさせることができるため、高効率で電気エネルギーに変換されることを見出した。
また、本発明者らの新たな知見によれば、上記非共有結合性の相互作用は、一般式(1a)で表される構造を有する光電変換材料を含む光電変換素子の素子寿命をも向上させる。これは、上記振動の抑制により、安定的に光エネルギーを電気エネルギーに変換できることから、素子の使用による一般式(1a)で表される構造を有する光電変換材料の破壊が抑制されるためだと考えられる。
上記非共有結合性の相互作用の種類は特に限定されないが、形成が容易であり、かつ光電変換効率への影響が少ないことから、水素結合および配位結合が好ましい。すなわち、リンカー(L)は、Aと水素結合または配位結合を形成するようなルイス酸性の基を有するか、または前記活性層はAと水素結合または配位結合を形成するようなルイス酸性の添加剤を含むことが好ましい。たとえば、酸素原子と水素原子との間、酸素原子とホウ素原子との間、水素原子と窒素原子との間、または窒素原子とホウ素原子との間に、上記非共有結合性の相互作用を生じさせることができる。
分子内で配位結合による相互作用をするとき、ルイス酸性の基を有するリンカー(L)が、電子吸引性を有する構造(A)が有する非共有電子対との間で上記非共有結合性の相互作用が形成されればよい。
上記ルイス酸性の基の例には、ジフルオロボリル基、および置換されていてもよいジアリールボリル基などが含まれる。上記ジアリールボリル基を置換し得る置換基の例には、フェニル基、トリル基、ペンタフルオロフェニル基などが含まれる。
このとき、上記分子内での非共有結合性の相互作用により、一般式(1a)で表される構造を有する光電変換材料の分子内、かつ電子吸引性を有する構造(A)とリンカー(L)との間に、環構造が形成されることが好ましい。上記環状構造が形成されることにより、電子吸引性を有する構造(A)をより安定的に固定化して振動を抑制し、光電変換効率をより高めることができる。環構造を歪みにくくして電子吸引性を有する構造(A)をより安定的に固定化する観点から、上記環構造は、原子数が5以上7以下の環構造であることが好ましい。すなわち、リンカー(L)は、分子内での相互作用によりLとAとの間に原子数が5以上7以下の環構造を形成するようなルイス酸性の基を有することが好ましい。
上記ルイス酸性の添加剤の例には、ペンタフルオロフェニルホウ素(III)、塩化ホウ素(III)、臭化ホウ素(III)、フッ化ホウ素(III)、スカンジウム(III)トリフラート、スカンジウム(III)トリフリルイミド、スカンジウム(III)トリフリルメチド、トリメチルシリルトリフリルイミド、および塩化ハフニム(IV)・(THF)2錯体などが含まれる。これらのうち、ペンタフルオロフェニルホウ素(III)、およびフッ化ホウ素(III)が好ましい。
1-3-6.化合物の具体例
一般式(1a)で表される構造を有する光電変換材料は、下記一般式(2a)~(10a)のいずれかで示される構造を有することが好ましい。
Figure 2023001545000006
一般式(2a)~(10a)において、XはO、CまたはNRを示し、XがCであるとき、Xは一般式(1a)におけるLに対応するアリール基またはヘテロアリール基と縮合環を形成し、YはHまたはBR を示し、ZはS、SeまたはTeを示し、RはOまたはC(CN)であり、Rは独立して置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルキル基、-CN、-C≡C-Ph、-OMeまたはハロゲン原子を示し、RはH、-(C=O)-R、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、Rは置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基、エチレングリコール基を示す。
およびRとしての置換されていてもよいアリール基は、電子供与性を有する構造(D)のアリール基を置換する電子供与性基について説明した各構造が挙げられ、これらのうち好ましい構造についても、電子供与性を有する構造(D)のアリール基を置換する電子供与性基について説明したものと同様である。
およびRとしての置換されていてもよいアルキル基は、電子供与性を有する構造(D)のアリール基を置換する電子供与性基について説明した各構造が挙げられ、これらのうち好ましい構造についても、電子供与性を有する構造(D)のアリール基を置換する電子供与性基について説明したものと同様である。
としてのヘテロアリール基は、電子供与性を有する構造(D)のアリール基を置換する電子供与性基について説明した各構造が挙げられ、これらのうち好ましい構造についても、電子供与性を有する構造(D)のアリール基を置換する電子供与性基について説明したものと同様である。
上記ハロゲン原子の例には、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素などが含まれる。
より具体的には、一般式(1a)で表される構造を有する光電変換材料は、下記一般式(2b)~(2h)、(3b)~(3e)、(4b)~(4c)、(5b)、(6b)~(6c)、(7b)、(8b)、(9b)~(9n)および(10b)のいずれかで示される構造を有することが好ましい。
Figure 2023001545000007
一般式(2b)~(2h)、(3b)~(3e)、(4b)~(4c)、(5b)、(6b)~(6c)、(7b)、(8b)、(9b)~(9n)および(10b)において、Mは独立してN、O、S、またはベンゼン環または縮合環を形成する2個以上の炭素原子を示し、DおよびDは独立して電子供与性を有する構造を示し、L~Lは置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、Rは独立してH、-(C=O)-R、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、R、RおよびZは独立して、一般式(2a)~(10a)におけるR、RおよびZと同様の原子、官能基または構造を示し、一般式(1a)におけるLに対応するアリール基またはヘテロアリール基は、ハロゲン、-OH、-NHR、アルキル基、アルコキシ基、またはポリエチレングリコール基によって置換されていてもよく、複数のDまたはDが結合されていてもよく、縮合環を形成してもよく、RはH、-(C=O)-tBu、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルキル基、また置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。本明細書において、ポリエチレングリコール基は、-O-(CHCHO)-CH(nは1~20の整数)を表す。
およびDは、電子供与性を有する構造(D)について説明した構造とすることができる。DとDとは、同一の構造であってもよいし、互いに異なる構造であってもよい。
~Lは、リンカー(L)について説明した構造とすることができる。LとLとは、同一の構造であってもよいし、互いに異なる構造であってもよい。
一般式(2b)~(2h)、(3b)~(3e)、(4b)~(4c)、(5b)、(6b)~(6c)、(7b)、(8b)、(9b)~(9n)および(10b)で表される構造を有する光電変換材料の具体例を、以下に示す。
Figure 2023001545000008
Figure 2023001545000009
Figure 2023001545000010
Figure 2023001545000011
Figure 2023001545000012
Figure 2023001545000013
Figure 2023001545000014
Figure 2023001545000015
Figure 2023001545000016
Figure 2023001545000017
Figure 2023001545000018
Figure 2023001545000019
Figure 2023001545000020
Figure 2023001545000021
Figure 2023001545000022
Figure 2023001545000023
Figure 2023001545000024
Figure 2023001545000025
Figure 2023001545000026
Figure 2023001545000027
Figure 2023001545000028
Figure 2023001545000029
Figure 2023001545000030
Figure 2023001545000031
Figure 2023001545000032
Figure 2023001545000033
Figure 2023001545000034
Figure 2023001545000035
1-4.中間層
上記光電変換素子は、上記活性層以外の付加的な中間層を、上記陽極と上記陰極との間に有してもよい。
上記中間層は、光電変換効率などの上記光電変換素子が有する特性をより高めるための層とすることができ、たとえば、電荷輸送層(電子輸送層、正孔輸送層、電子注入層、および正孔注入層)として公知の層であってもよい。
たとえば、上記光電変換素子は、陽極と活性層との間に、正孔輸送層を備えていてもよい。正孔輸送層は、活性層から電極へと正孔を輸送する機能を有する。
陽極に接して設けられる正孔輸送層を、特に正孔注入層という場合がある。陽極に接して設けられる正孔輸送層(正孔注入層)は、陽極への正孔の注入を促進する機能を有する。正孔輸送層(正孔注入層)は、活性層に接していてもよい。
正孔輸送層は、正孔輸送性材料を含む層である。正孔輸送性材料の例には、ポリチオフェンおよびその誘導体、芳香族アミン化合物、芳香族アミン残基を有する構成単位を含む高分子化合物、CuSCN、CuI、NiO、および酸化モリブデン(MoO)などが含まれる。たとえば、正孔輸送層の材料は、PEDOT(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン))とPSS(ポリ(4-スチレンスルホネート))との混合物(PEDOT:PSS)とすることができる。
また、上記光電変換素子は、陰極と活性層との間に、電子輸送層を備えていてもよい。電子輸送層は、活性層から陰極へと電子を輸送する機能を有する。電子輸送層は、陰極に接していてもよい。電子輸送層は活性層に接していてもよい。
電子輸送層は、電子輸送性材料を含む層である。電子輸送性材料の例には、酸化チタンのナノ粒子、酸化亜鉛のナノ粒子、ガリウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子、アルミニウムドープ酸化亜鉛のナノ粒子、ポリアルキレンイミンを主鎖として含み、エチレンオキシドが主鎖中の窒素原子に付加した変性体であるエトキシ化ポリエチレンイミン(PEIE)、およびPFN-P2などが含まれる。
1-5.封止層
上記光電変換素子は、上述した各層を被覆する封止層を有してもよい。
封止層は、たとえば、基板から遠い方の電極に接して、上記電極を含む上述した各層を被覆するように、設けることができる。封止層は、水分を遮断する性質(水蒸気バリア性)または酸素を遮断する性質(酸素バリア性)を有する材料により形成することができる。
2.用途
上述した光電変換素子は、電極間に電圧を印加した状態で、透明または半透明の電極側から光を照射すると、電極間に光電流が流れる。そのため、上記光電変換素子は、光検出素子(光センサ)として動作させることができる。また、上記光センサを複数集積することにより、イメージセンサとすることもできる。さらには、基板にフレキシブルな材料を用いることで、生体などに貼り付けることができるフレキシブルセンサとして用いることができる。
特に、上記活性層の吸収極大波長が950nm以上であることから、上記光電変換素子は、近赤外光センサとして有用である。
上記光センサは、3Dイメージング、VR(仮想現実)、拡張現実(AR)、MR(混合現実)向けのデバイスに適用される光検出素子、撮像素子、イメージセンサとして好適に用いることができる。また、上記光センサは、上記光電変換素子を含むセンシング部を有し、光を受光する面の面積が1cm以上であることが好ましい。1cm以上であることで、広範囲に光をセンシングすることができる。上記センシング部の形状は、特に限定されない。
また、本実施の形態の光電変換素子は、生体センサとして用いることができる。例として、人体の心拍動に伴う動脈血の容積の変化によって生ずる、光の吸光度の変化を透過光または反射光として、上記光電変換素子が受光して、動脈血中の状態を計測する生体センサなどが挙げられる。
また、本実施形態の光電変換素子は、光が照射されることにより、電極間に光起電力を発生させることができ、太陽電池として動作させることができる。太陽電池を複数集積することにより薄膜太陽電池モジュールとすることもできる。
3.光電変換素子の製造方法
上述した光電変換素子の製造方法は、特に限定されず、既に説明した各構成要素の材料として選択された材料に好適な形成方法により製造することができる。
たとえば、上記光電変換素子は、基板上に、電極、中間層、活性層および封止層を、これらの層が積層される順番に形成していく方法により、製造することができる。
3-1.電極の形成
電極は、従来公知の方法により形成することができる。電極の形成方法の例には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、およびめっき法などが含まれる。
3-2.中間層の形成
中間層は、従来公知の方法により形成することができる。中間層が、無機材料または低分子材料により構成されるときには、これらの材料に応じた真空蒸着法および真空加熱蒸着法などの方法により形成することができる。また、中間層が、溶媒に可溶である材料、特に高分子化合物により構成されるときには、インクを用いる塗布法によって製造することもできる。
3-3.活性層の形成
活性層は、従来公知の方法により形成することができる。活性層は、中間層と同様の方法により形成することができるが、インクを用いる塗布法によって製造することが好ましい。
3-4.塗布法について
上記と不法とは、溶媒とを含むインクを塗布対象に塗布して塗膜を得る工程(i)と、該塗膜から溶媒を除去する工程(ii)とにより、該当の層を形成する方法である。
(工程(i)について)
インクを塗布対象に塗布する方法としては、任意好適な塗布法を用いることができる。塗布法の例には、スリットコート法、ナイフコート法、スピンコート法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、インクジェット印刷法、ノズルコート法、およびキャピラリーコート法などが含まれる。これらのうち、スリットコート法、スピンコート法、キャピラリーコート法、バーコート法、およびインクジェット印刷法がより好ましい。
インクは、光電変換素子およびその製造方法に応じて選択された塗布対象に塗布される。インクは、光電変換素子の製造工程において、基板または光電変換素子が有する各層上に塗布されうる。よって、インクの塗布対象は、製造される光電変換素子の層構成および層形成の順序によって異なる。例えば、光電変換素子が、基板/陽極/正孔輸送層/活性層/電子輸送層/陰極の層構成を有しており、より左側に記載された層が先に形成される場合(順積層構造)であって、正孔輸送層を塗布法により形成する場合には、インクの塗布対象は、陽極となる。また、例えば、光電変換素子が、基板/陰極/電子輸送層/活性層/正孔輸送層/陽極の層構成を有しており、より左側に記載された層が先に形成される場合(逆積層構造)であって、正孔輸送層を塗布法により形成する場合には、インクの塗布対象は、活性層となる。
(工程(ii)について)
インクの塗膜から、溶媒を除去する方法、すなわち塗膜から溶媒を除去して固化膜とする方法としては、任意好適な方法を用いることができる。溶媒を除去する方法の例には、ホットプレートを用いて直接的に加熱する方法、熱風乾燥法、赤外線加熱乾燥法、フラッシュランプアニール乾燥法、および減圧乾燥法などの乾燥法が含まれる。
塗布法により各層を形成する工程は、前記工程(i)および工程(ii)以外に、本発明の目的および効果を損なわないことを条件としてその他の工程を含んでいてもよい。
(インクについて)
塗布法に用いられるインクは、溶液であってもよく、分散液、エマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液)等の分散液であってもよい。上記インクは、形成しようとする層に応じた材料(たとえば、活性層を形成するときは、p型半導体材料およびn型半導体材料と、溶媒とを含み得る。
溶媒は、選択された材料に対する溶解性、乾燥条件に対応するための特性(沸点など)を考慮して選択すればよく、溶媒は1種のみでもよく2種以上を含んでいてもよい。
溶媒の例には、ケトン類(メチルエチルケトン、メチルエチルケトン、およびシクロヘキサノンなど)、脂肪酸エステル類(酢酸エチル、酢酸n-プロピル、および安息香酸メチルなど)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、およびо-ジクロロベンゼンなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン、およびメチルナフタレンなど)、脂肪族炭化水素類(シクロヘキサン、デカリン、およびドデカンなど)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、およびアニソールなど)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、およびジメチルスルホキシド(DMSO)などの有機溶媒が含まれる。
上記インクは、公知の方法により調製することができる。例えば、選択された複数種類の溶媒を混合して混合溶媒を調製し、混合溶媒に既に説明した材料を添加して混合し、材料を溶解または分散させることにより、調製することができる。溶媒と材料とを、溶媒の沸点以下の温度で加温して混合してもよい。
溶媒および材料を混合した後、得られた混合物を、フィルターを用いてろ過し、得られたろ液をインクとして用いてもよい。フィルターとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂で形成されたフィルターを用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[光電変換材料の合成]
(光電変換材料No.1)
特開2019-1947号公報に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.2)
特開2000-160042号公報に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.3)
特開2013-199541号公報に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.4)
特開2019-1947号公報に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.5)
Tetrahedron 2007,63,1617に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.6) Org. Lett. 2018, 20, 5135に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.7)
Org. Lett. 2015, 17, 3174に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.8)
Org. Lett. 2018, 20, 5135に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.9)
Chem. Mater. 2008, 20, 6208に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.10)
Chem. Mater. 2008, 20, 6208に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.11)
Chem. Mater. 2008, 20, 6208に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.12)
J. Org. chem. 2016, 81, 4347に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.13)
J. AM. CHEM. SOC. 2009, 131, 10802に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.14)
Macromolecules 2006, 39, 8, 2823に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.15)
特開2019-1947号公報に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.16)
Chem. Mater. 2002, 14, 410に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.17)
J. AM. CHEM. SOC. 2009, 131, 10802に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.18)
J. AM. CHEM. SOC. 2003, 125, 348に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.19)
J. AM. CHEM. SOC. 2003, 125, 348に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.20)
J. AM. CHEM. SOC. 2003, 125, 348に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.21)
特開2019-1947号公報に記載の合成方法と同様に合成した。
(光電変換材料No.22)
J. AM. CHEM. SOC. 2009, 131, 10802に記載の合成方法の通り合成した。
(光電変換材料No.23)
特開2020-83866号公報に記載の合成方法の通り合成した。
(光電変換材料No.24)
特開2020-83867号公報に記載の合成方法の通り合成した。
(光電変換材料No.25)
特開2016-134570号公報に記載の合成方法の通り合成した。
(光電変換材料No.26)
Angew. chem. Int. Ed. 2010, 49, 5523に記載の合成方法の通り合成した。
(光電変換材料No.27)
Adv. Funct. Mater. 2017, 27, 1702485に記載の合成方法の通り合成した。
(光電変換材料No.28)
特開2020-31198号公報に記載の合成方法の通り合成した。
上記光電変換材料No.1~No.28の構造は以下のとおりである。
Figure 2023001545000036
Figure 2023001545000037
Figure 2023001545000038
[光電変換素子1の作製]
上記光電変換材料No.1~No.28を含む、光電変換素子を以下の手順で作製した。
ガラス基板上に、陰極としてのITOを製膜し、パターニングを行った。その後、このITO透明電極を付けたガラス基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った後、20nmのZnO層をスピンコートにより形成した。その後、大気中180℃で30分間アニール処理を行って、電子輸送層(電子注入層)を得た。次に、表1に示される光電変換材料1とC60PCBM([6,6]-Phenyl C61 butyric acid methyl ester)とを1:3の重量比で混合した溶液(クロロホルムとо-ジクロロベンゼンの混合溶液)をスピンコートし、ZnO層上に100~300nmの塗膜を形成した後、窒素下100℃で10分間アニール処理を行い、活性層を形成した。さらに、PEDOT:PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリ(4-スチレンスルホン酸塩)のイソプロパノール溶液を10nmの厚みでスピンコートして、窒素下80℃で5分間アニール処理を行って、正孔輸送層(正孔注入層)を得た。最後に、Agを80nm蒸着して陽極を形成した後、CVDにより1μmのパリレンで覆うことで封止することで光電変換素子1を得た。
[光電変換素子2~28の作製]
同様にして、光電変換材料2~28を用いて、光電変換素子2~28を得た。
光電変換素子1~28の作製に用いた光電変換材料、および当該光電変換材料の特徴を、表1にまとめて示す。なお、表1中、「非共有結合性相互作用」の「構成」には、非共有結合性の相互作用が、分子内での相互作用なのか添加剤との間で作用する相互作用なのか、および、分子内での相互作用であるときは環状構造を形成する原子数を、示す。
Figure 2023001545000039
[極大吸収波長の測定]
得られた光電変換素子1~28について、分光光度計を用いて活性層の吸収スペクトルを測定し、極大吸収波長を確認した。
[外部量子効率・素子寿命]
近赤外光波長領域における光電変換素子1~28の分光感度特性を分光感度測定装置を用いて評価した。950nm、1050nm、1200nmの単色光のうち、活性層の極大吸収波長に最も近い波長を有する単色光を照射して、照射直後の分光感度をもとに、初期外部量子効率を評価した。また、光照射を10時間行ったのちの外部量子効率を再度測定し、素子寿命を以下の式で求めた。
[光照射10時間後の外部量子効率]/[初期外部量子効率]
評価結果を表2に示す。
Figure 2023001545000040
表2に示されるように、一般式(1a)で表される構造を有する光電変換材料を含む光電変換素子は、近赤外領域に高い感度を有し、長期にわたり使用可能であることがわかった。
本発明の光電変換素子は、近赤外領域に高い感度を有し、長期にわたり使用可能であるので、近赤外光による撮影が可能な撮像装置に用いられる光センサなどに好適に用いられる。

Claims (18)

  1. 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置される活性層とを、有し、
    前記活性層は、下記一般式(1a)で表される構造を有する光電変換材料を含み、かつ
    前記活性層の吸収極大波長は950nm以上であり、
    一般式(1a)において、Lはルイス酸性の基を有するか、または前記活性層はルイス酸性の添加剤を含む、
    光電変換素子。
    Figure 2023001545000041
    (一般式(1a)において、Dは電子供与性を有する構造を示し、Lは置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、Aは電子吸引性を有する構造を示す。LとAとは、単結合または二重結合で結合されており、DとLとの間で環構造は形成されていない。)
  2. 前記Lは、前記Aと水素結合または配位結合を形成するようなルイス酸性の基を有するか、または前記活性層は前記Aと水素結合または配位結合を形成するようなルイス酸性の添加剤を含む、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記Lは、分子内での相互作用によりLとAとの間に原子数が5以上7以下の環構造を形成するようなルイス酸性の基を有する、請求項1または2に記載の光電変換素子。
  4. 前記活性層は、前記ルイス酸性の添加剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  5. 前記Lは、酸素原子と水素原子との間、窒素原子と水素原子との間、酸素原子とホウ素原子との間、または窒素原子とホウ素原子との間、で作用する相互作用を形成するようなルイス酸性の基を有するか、または前記活性層は酸素原子と水素原子との間、窒素原子と水素原子との間、酸素原子とホウ素原子との間、または窒素原子とホウ素原子との間、で作用する相互作用を形成するようなルイス酸性の添加剤を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  6. 前記光電変換材料は、下記一般式(2a)~(10a)のいずれかで示される構造を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
    Figure 2023001545000042
    (一般式(2a)~(10a)において、XはO、CまたはNRを示し、XがCであるとき、Xは一般式(1a)におけるLに対応するアリール基またはヘテロアリール基と縮合環を形成し、YはHまたはBR を示し、ZはS、SeまたはTeを示し、RはOまたはC(CN)であり、Rは独立して置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルキル基、-CN、-C≡C-Ph、-OMeまたはハロゲン原子を示し、RはH、-(C=O)-R、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、Rは置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基、ポリエチレングリコール基を示す。)
  7. 前記光電変換材料は、下記一般式(2b)~(2h)、(3b)~(3e)、(4b)~(4c)、(5b)、(6b)~(6c)、(7b)、(8b)、(9b)~(9n)および(10b)のいずれかで示される構造を含む、請求項6に記載の光電変換素子。
    Figure 2023001545000043
    (一般式(2b)~(2h)、(3b)~(3e)、(4b)~(4c)、(5b)、(6b)~(6c)、(7b)、(8b)、(9b)~(9n)および(10b)において、Mは独立してN、O、S、またはベンゼン環もしくは縮合環を形成する2個以上の炭素原子を示し、DおよびDは独立して電子供与性を有する構造を示し、L~Lは置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、R、RおよびZは独立して、一般式(2a)~(10a)におけるR、RおよびZと同様の原子、官能基または構造を示し、一般式(1a)におけるLに対応するアリール基またはヘテロアリール基は、ハロゲン、-OH、-NHR、アルキル基、アルコキシ基、またはポリエチレングリコール基によって置換されていてもよく、複数のDまたはDが結合されていてもよく、縮合環を形成してもよく、RはH、-(C=O)-tBu、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルキル基、また置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。)
  8. は、1個以上3個以下の、電子供与性の窒素原子を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  9. は、下記一般式(100a)~(100b)、(110а)~(110b)、(120a)~(120b)、(130a)~(130b)、(140a)~(140b)、および(150a)~(150b)のいずれかで示される構造を有する、請求項8に記載の光電変換素子。
    Figure 2023001545000044
    (一般式(100a)~(100b)、(110а)~(110b)、(120a)~(120b)、(130a)~(130b)、(140a)~(140b)、および(150a)~(150b)において、KはC(R、Si(R、NR、OまたはSを示し、RはH、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルキル基、または置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。)
  10. 前記活性層は、前記光電変換材料を含む、請求項1~9のいずれ1項に記載の光電変換素子。
  11. 前記活性層は、n型半導体材料と、p型半導体材料としての前記光電変換材料とを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  12. 前記活性層は、n型半導体材料と、p型半導体材料としての前記光電変換材料とを、同一の層中に含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の光電変換素子を含む光センサ。
  14. イメージセンサである、請求項13に記載の光センサ。
  15. フレキシブルセンサである、請求項13または14に記載の光センサ。
  16. 前記光電変換素子を含むセンシング部を有し、前記センシング部の、光を受光する部分の面積が1cm以上である請求項13~15のいずれか一項に記載の光センサ。
  17. 請求項1~12のいずれか1項に記載の光電変換素子を含む生体センサ。
  18. 下記一般式(1a)で表される構造を有する光電変換材料。
    Figure 2023001545000045
    (一般式(1a)において、Dは電子供与性を有する構造を示し、Lは置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基を示し、Aは電子吸引性を有する構造を示す。Lはルイス酸性の基を有し、LとAとは、単結合または二重結合で結合されており、DとLとの間で環構造は形成されていない。)
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