JP2022547755A - 白癬を防止又は処置するための医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022547755000001
本発明の組成物は、白癬を引き起こす紅色白癬菌、毛瘡白癬菌、クロコウジカビ、カンジダ・アルビカンス、有毛表皮糸状菌及びイヌ小胞子菌に対する抗真菌効果、並びに緑色爪症候群の原因菌である緑膿菌に対する抗菌効果を含む、幅広い抗微生物効果を有し、皮膚及び爪への優れた薬物透過性を有するので、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群の治療剤として使用できる。
さらに、本発明の医薬組成物は、65℃にて5週間以上保存された場合でも、物理的性質の変化をきたさないので、組成物の安定性を確保できる。
【選択図】図1

Description

1.発明の分野
本発明は、エフィナコナゾール及びオクテニジンを活性成分として含む、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物に関する。
2.関連技術の説明
白癬は、皮膚、毛髪及び爪の角質層に寄生しつつ、栄養素として角質層の主要成分であるケラチンと呼ばれるタンパク質で、生存及び増殖する皮膚糸状菌によって引き起こされる、皮膚疾患に一般用語である。白癬は、皮膚糸状菌症、表在性真菌症又は水虫とも呼ばれる。
白癬は、発生部位に従って、頭部白癬、体部白癬、股部白癬、白癬性毛瘡、顔面白癬、手白癬、足白癬及び爪白癬に分類される[Byung Ho Oh、Kyu Joong Ahan.「Drug Therapy of Dermatophytosis」J Korean Med Assoc. 2009年、52(11):1109~1114頁]。
韓国食品医薬品安全処からの2017年におけるプレスリリースによれば、国内白癬患者のうち、爪白癬が最も普通で、全白癬患者の46.9%を占め、足白癬30.8%、体部白癬12.9%、手白癬1.4%、その他8.0%が続いた。爪白癬及び足白癬は、全白癬患者の約80%を占めた(食品医薬品安全処プレスリリース、2017年7月5日)。
白癬は、高温多湿の気候、労働環境、汗、栄養障害及び感染者との接触を通して伝染する。人が集まる場所、例えば浴場又はスイミングプールでは、これは、白癬患者の皮膚剥離物、趾爪若しくは残屑を通して、又はタオル若しくはインドアシューズを通した接触により、自分自身の他の部分又は家族に伝染する。いくつかのケースでは、白癬は、皮膚が中等度の湿度及び歩行での機械的刺激によりダメージを受けると、感染することもある。
白癬の原因菌は、患者及び発生部位に応じて変動し得るが、一般に、紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)、毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)、有毛表皮糸状菌(Epidermophyton floccosum)、酵母としてのカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カビとしてのクロコウジカビ(Aspergillus niger)、及び稀にイヌ小胞子菌(Microsporum canis)が存在する。これらのうち、紅色白癬菌は60%を占め、毛瘡白癬菌は20%を占める。詳細には、爪白癬の原因菌として、紅色白癬菌は91.0%を占め、毛瘡白癬菌は7.7%を占める[Uwe Wollina、Holger Haenssle、Dtsch Arztebl Int 2016;113(29~30):509~518頁]。
爪白癬は、爪真菌症又は爪水虫とも呼ばれる、爪又は趾爪に発生する白癬である。爪白癬は、全白癬患者の約半分を占め、再発及び再感染率は、20~25%であり、患者の家族内の伝染危険性は、44~47%と高い。爪白癬の典型的な症状は、爪又は趾爪の肥厚、白化及び脆弱化である。詳細には、爪白癬が長期間進行すると、爪が皮膚から徐々に分離する爪甲剥離症が発生するおそれがある。症状が重度になると、爪の恒久的なダメージ及び変形が、美容的及び機能的損害を引き起こし得、これにより、クオリティオブライフが影響を受ける[Yang Won Lee." Treatment of onychomycosis " J Korean Med Assoc. 2019年7月;62(7):385~391頁]。
指及びつま先を保護する爪は、主に4つの部分:爪甲、爪床、爪郭及び爪母に分けられ得る。爪遠位部の下部は下爪皮であり、近位爪郭における爪甲に接続する部分は、爪上皮(クチクラ)である。爪は、皮膚の角質層より最大100倍厚い。爪の主要成分である硬いアルファ-ケラチンは、耐熱架橋を容易に形成するシステイン含有量が高いことを特徴とする線維性構造タンパク質である。一般に、爪は、分子、例えば原体の浸透にきわめて耐性である。
薬物の吸収は、厚く密度の高い爪甲のため乏しいので、爪白癬の有効な処置のために、高密度のケラチンからなる爪甲へと浸透する薬物の透過性を上昇させることが重要である。
爪白癬は、真菌が爪に浸透する経路及び位置に従って分類され、様々な特性を有する。Association of Korean Medical Clinical DermatologyのDisease Informationによれば、これは、以下のように5つのタイプに分類される(Association of Korean Medical Clinical Dermatology;Disease Information、2017年12月18日)。
{1}DLSO(遠位及び側方爪下爪真菌症):これは、40代~60代の人口の15~20%で見出される普通の症状である。これは、主に趾爪に発生するが、水虫が存在しなければ爪に発生することもある。原因菌は、紅色白癬菌である。原因菌は、爪の遠位部から近位部へと浸透し、爪甲の下を濁らせ、角質層が厚くなるにつれて爪甲剥離症を引き起こす。最終的には、爪甲は破壊され、黄色がかった褐色の異常色素が観察されることが多い。韓国では、趾爪の真菌のタイプが優勢であり、DLSOタイプが81.7%を占める。
{2}PSO(近位爪下爪真菌症):この症状は、感染が、近位爪郭の下側を通して発生した場合に発生する。感染は、近位爪郭、角質層及びクチクラを通して発生する。感染した場合、爪の近位クチクラから白色の斑点が現れ、徐々に遠位部へと広がり、爪の形状は比較的正常である。この症状は、普通ではなく、免疫不全患者、例えばHIV患者において頻繁に発生する傾向がある。
{3}WSO(表在性白色爪真菌症):この症状は、真菌感染が爪の背側を通して発生する場合に発生し、通常、趾爪に限定される。感染した場合、爪甲の背側に明瞭な境界線を有する小さい白色のプレートが現れ、境界線が大きく成長するにつれて、プレートは全体の爪甲に融合し、徐々に侵襲する。患部の表面は白色且つ粗くなり、正常な爪より軟らかくなる。爪甲の破損は稀なので、患者は、病変を認識せずに生活していることが多い。爪甲のみに浸透しているケースでは、小さい白色の島状部分が爪に現れる、特徴的な「白い島」現象が示される。
{4}EO(全層性爪真菌症):これは、最近知られたタイプの爪真菌感染症であり、DLSO(遠位側縁サブアンガル爪真菌症)のように髄質を通して爪を侵襲するが、爪甲剥離症又は肥厚を引き起こさない。爪のケラチンを侵襲することにより、乳白色の斑点が現れ、この形態に感染した細菌は、頭部白癬を引き起こし得る。
{5}TDO(全異栄養性爪真菌症):上の4タイプの病変が進行し続けた場合、続発性のTDO(全異栄養性爪真菌症)が誘導される。すなわち、TDOが発生した場合、爪は壊れ、失われ、肥厚し、爪のケラチン残屑で満たされた異常な爪形状が現れる。原発性のTDOは、免疫低下及び慢性粘膜皮膚カンジダ症を有する患者に頻繁に発生する。TDOが発生した場合、爪は徐々に肥厚し、黄色がかった褐色に変わり、カンジダ菌が爪の周りの皮膚を侵襲し、皮膚の周囲が続発的にケラチン化する。DLSO、PSO及びWSOが終局に達するまで続くタイプがTDOである。爪真菌症が進行するにつれて、全体の爪が破壊され、この症状が長期間放置されたままであれば、これはTDOになる。
体部白癬は、爪以外の皮膚領域に発生する白癬であり、足白癬、手白癬、体部白癬、頭部白癬及び股部白癬を含む。
手白癬及び足白癬は、それぞれ手及び足に症状を有する白癬を指す。これらの症状は、以下の3つの分野:つま先の間における剥離、滲出及びかゆみを伴う趾間タイプ;掌及び足底の皮膚が肥厚し、引っ掻いた場合はケラチンが微粉末になる角質増殖型タイプ;並びに、掌及びつま先にかゆみ及び大小の疱疹を伴う小水疱タイプに分けられ得る。手白癬及び足白癬が処置されない場合、爪及び趾爪の続発的な感染が誘導され得、爪白癬が発生し得る。
頭部白癬は、頭部における白癬であり、主にペット、例えばイヌ及びネコとの接触を通して伝染する。頭部白癬が発生する場合、灰色又は赤色の鱗状病変が頭皮に現れ、脱毛がいくつかの場所で発生し得る。重度の炎症のケースでは、これが、広範な脱毛及び膿袋を引き起こすおそれがある、又はリンパ節腫大が現れるおそれがある。
股部白癬は、皮膚が重なり合う鼠脣部に現れる白癬であり、主に成人男性に発生する。股部白癬は、明確に画定された円形又は半円形の赤褐色鱗屑を有する病変の外観を特徴とする。重度のケースでは、これは生殖器、肛門の周り、臀部及び太腿の内側まで広がり得、鱗屑及び色素沈着が残るおそれがある。
体部白癬は、頭部、手、足及び股間を除いた体の皮膚に発生する白癬である。この症状は、主に、患者自身の爪白癬からの真菌の移動によって引き起こされ、居住空間における湿度制御が不足すること、又はペットを飼うことによっても引き起こされ得る。この症状は、明瞭な境界を有する様々な大きさの円形病変の広がった形態を示し、残屑で覆われた斑点、又は炎症を伴うことがある。
GNS(緑色爪症候群)は、爪白癬に関連する疾患の1つである。これは、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)が浸透し、異常に持ち上げられた爪において繁殖する際に、緑色色素、例えばピオシアニン、ピオベルジン及びピオルビンを生成することにより、爪甲の緑色(緑黄色、緑褐色又は緑黒色)の変色を引き起こす疾患である。
爪白癬に関連する他の疾患は、炎症が、カンジダ・アルビカンス(酵母)及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(グラム陽性菌)によって引き起こされる爪周囲炎;爪が皮膚から分離する爪甲剥離症;爪の一部又はすべてが周期的に剥落する爪甲離脱症;並びに爪の表面が凹凸になる、又は脱色する爪ジストロフィーを含む。
白癬の処置に使用される抗真菌剤は、ポリエン、アゾール、アリルアミン、ベンジルアミン、モルホリン、ヒドロキシピリドン及びオキサボロールを含む。
現在商品化され、且つ流通している局所処置のための抗真菌剤として、ポリエンには、アムホテリシンB(0.1%クリーム剤)が挙げられる。アゾールは、イミダゾール及びトリアゾールに分けられる。イミダゾールには、クロトリマゾール(clotrimazole)(1%クリーム剤/ローション剤)、ケトコナゾール(2%クリーム剤/ゲル剤)、エコナゾール(1%クリーム剤)、ミコナゾール(2%クリーム剤/ゲル剤)、ビホポナゾール(bifonazole)(1%クリーム剤)、オキシコナゾール(oxiconazole)(1%クリーム剤/ローション剤)、チオコナゾ-ル(tioconazole)(1%クリーム剤)、セルタコナゾール(2%クリーム剤)、フルコナゾール(luconazole)(1%クリーム剤)、エバーコナゾール(everconazole)(1%)クリーム剤)、スルコナゾール(1%クリーム剤)、ペンチコナゾール(penticonazole)(2%クリーム剤)などが挙げられる。トリアゾールには、フルコナゾール(0.5%ゲル剤)及びエフィナコナゾール(10%液剤)が挙げられる。ビナフィン(Vinafine)(1%クリーム剤/噴霧剤)及びナフチフィン(naftifine)(1%クリーム剤)。アリルアミンには、テルビナフィン(terbinafine)(1%クリーム剤/噴霧剤)及びナフチフェン(1%クリーム剤)が挙げられる。ベンジルアミンには、ブテナフィン(butenafine)(1%クリーム剤)が挙げられ、モルホリンには、アモロルフィン(amorolphine)(5%ネイルラッカー剤)が挙げられ、ヒドロキシピリドンには、シクロピロクス(ciclopirox)(8%ネイルラッカー剤)が挙げられ、オキサボロールには、タバボロール(tababorol)(5%液剤)が挙げられる(Shital Amin, Poojary.「Topical Antifungals;A Review and their Role Management of Dermatophytoses」Clinical Dermatology Review 2017年;1;s24~s29.)。
これらのうち、アモロルフィン(5%ネイルラッカー剤)、シクロピロクス(8%ネイルラッカー剤)、タバボロール(5%液剤)及びエフィナコナゾール(10%液剤)は、爪白癬の処置剤として長期間市場に出されている。
詳細には、10%エフィナコナゾールを含有する製品であるJUBULIA(2014年にFDAに承認された;Kaken Pharmaveutical Co, Ltd)は、エルゴステロールの生合成経路において、真菌細胞膜の膜流動性及び透過障壁を維持することにより真菌細胞の生存能力に必須の要素ラノステロール14α-デメチラーゼを阻害する活性を有し、爪白癬の処置剤として世界中で幅広く販売されている。
エフィナコナゾールは、既存の局所作用剤の2倍超有効なことが公知なので、爪白癬の治療剤としての需要が増加している。したがって、エフィナコナゾールの安定性及び透過性を上昇させること、並びに製造中の収率を上昇させる方法の研究は続いている。
エフィナコナゾールの従来技術は、以下を含む。韓国特許第10-2181155号、「method for preparation of efinaconazole in ionic liquid medium」は、エフィナコナゾールを製造する場合、有機溶媒の代わりにイオン液体を使用することで、従来の方法と比較して、関連物質を減少させること、及び反応時間を短縮させることにより、高い純度及び高い収率で最終化合物エフィナコナゾールを容易に得ることができる調製方法を開示する。韓国特許公報第10-2020-0140681号、「pharmaceutical compositions for topical administration in the form of solution comprising efinaconazole」は、不揮発性溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテル;又はジエチレングリコールモノエチルエーテル及びミリスチン酸イソプロピルの組合せを含むエフィナコナゾールの、皮膚及び爪への浸透速度及び透過性を著しく上昇させる、エフィナコナゾール液剤を開示する。さらに、韓国特許公報第10-2016-0068812号、「stabilized efinaconazole compositions」は、エフィナコナゾール、ブチル化ヒドロキシトルエン、エチレンジアミン四酢酸の塩及びクエン酸を含有する、安定性が上昇したエフィナコナゾール組成物を開示する。
オクテニジンは、幅広く使用されている防腐剤及び消毒剤であり、創傷の消毒だけではなく、抗菌及び抗ウイルス目的でも使用される。オクテニジンは、細菌のリン脂質に結合し、細胞膜にダメージを与えて細胞を殺し、全身毒性及びアレルギー反応を有さず、副作用がほとんどないので、これは、妊娠した女性、授乳中の女性及び新生児に使用できる消毒剤になる。
オクテニジンの従来技術は、以下を含む。韓国特許公報第10-2018-0046644号、「compositions for sterilization and disinfection comprising octenidine and benzalconium chloride」は、アンモニウム塩調製物の一タイプである塩化ベンザルコニウムをオクテニジンに添加することにより、病原性微生物、例えば緑膿菌、コレラ菌(Vibrio cholerae)、食中毒菌、大腸菌(Escherichia coli)及び肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)を低濃度で効率的に滅菌できる、滅菌及び消毒のための組成物を開示する。
一方、液体形態の爪白癬治療剤では、揮発性溶媒を添加して、塗布後に溶液を短時間内で乾燥させることにより、粘着性を低下させる。シクロメチコンは、展延性をより良好にするシリコーン油の成分の1つである。シクロメチコンは揮発性を有するので、化粧料及び液体形態の爪白癬処置剤に使用される場合、粘着性を低下させるために、ネイルラッカー剤に添加される。
しかし、欧州化学機関(ECHA)は、シクロメチコンを、難分解性/生体蓄積性/毒性(PBT)及び極難分解性/極生体蓄積性(vPvB)物質として評価しており、これを、化学物質の分類、ラベル及びパッケージングを規制すること(CLP規制)により、Repr.2(生殖毒性の疑いがある物質)及び慢性水生毒性4(水生生物に対し長期の有害効果を引き起こすおそれがある)に分類されている。したがって、近年、シクロメチコンの有害性を考慮して、いくつかの国はその使用を制約している。
爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群の処置に対する研究を実施する間、本発明者らは、エフィナコナゾール及びオクテニジンの組合せ製剤を投与した場合、エフィナコナゾール又はオクテニジンを単体で投与した場合と比較して、爪白癬及び体部白癬に対する治療効果が増大し、緑色爪症候群の原因菌である緑膿菌に対する抗菌効果が増大したことを確認した。さらに、本発明者らは、高温にて長期間保存された場合でも、物理的性質の変化を一切伴わずに、薬物透過性及び薬物浸透速度が上昇し、安定性が維持されたと確認することにより、本発明を完成させた。
本発明の目的は、エフィナコナゾール及びオクテニジンを活性成分として含む、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群を防止又は処置するための使用を提供することである。
本発明の別の目的は、医薬組成物を患部に適用することにより、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群を防止又は処置する方法を提供することである。
上の目的を達成するために、本発明は、エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩;及びオクテニジン又は医薬として許容できるその塩を活性成分として含む、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物を提供する。
医薬組成物は、添加剤をさらに含み、添加剤は、溶媒、抗酸化剤、キレート剤、浸透剤、フィルム形成剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、乳化剤、感圧接着剤、界面活性剤、ゲル化剤、可溶化剤、緩衝剤、湿潤剤、浸透圧調節剤、エーロゾル噴射剤、甘味剤、着色剤、香味剤、安定化剤、ベース、pH改変剤及びビヒクルからなる群から選択される少なくとも1つであり得る。
エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩の含有量は、組成物の総重量に対して、0.001~20重量%であり得る。
エフィナコナゾールの医薬として許容できる塩は、無機イオン性塩、無機酸塩、有機酸塩、スルホン酸塩、アミノ酸塩及びアミン塩からなる群から選択される少なくとも1つであり得る。
オクテニジン又は医薬として許容できるその塩の含有量は、組成物の総重量に対して、0.001~10重量%であり得る。
オクテニジンの医薬として許容できる塩は、無機イオン性塩、無機酸塩、有機酸塩、スルホン酸塩、アミノ酸塩及びアミン塩からなる群から選択される少なくとも1つであり得る。
医薬組成物のpHは、2~10であり得る。
医薬組成物の表面張力は、1~75dyn/cmであり得る。
カールフィッシャー法により測定される医薬組成物の水の含有量は、0.001~95%であり得る。
医薬組成物の一日投与量は、0.0001~300g/日であり得る。
医薬組成物は、液剤、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉末成形体、ペースト剤、スティック剤、貼付剤、パッチ剤、錠剤、散剤、粒剤、カプセル剤、ガム剤、トローチ剤、粘膜付着剤、吸入剤、マイクロカプセル剤、洗剤、浴用剤、注射剤、坐剤、リポソーム剤及び噴霧剤からなる群から選択される剤形を有し得る。
医薬組成物は、吸入又は経口調製物、外用調製物を含む非経口調製物及び注射剤の形態で製剤化され得る。
医薬組成物は、無色又は淡黄色であり、65℃にて少なくとも5週間保存した後でも、同一の色を維持できる。
医薬組成物の密度は、0.001~2g/cm3であり得る。
本発明の組成物は、白癬(例えば、爪白癬及び体部白癬)に対して優れた治療効果を有し、緑色爪症候群も処置できるという点において利点を有する。
本発明の様々な実施形態によれば、本発明の組成物は、従来のエフィナコナゾール単一成分の調製物よりはるかに高い抗真菌効果を有し、グラム陰性菌(例えば緑膿菌)及びグラム陽性菌(例えば黄色ブドウ球菌)に対して優れた抗菌効果を有する。さらに、本発明の組成物は、迅速な抗菌効果のため高い服薬コンプライアンスを示し、皮膚又は爪への素早い薬物浸透速度及び優れた薬物透過性を示す。
さらに、本発明の様々な実施形態によれば、本発明の医薬組成物は、65℃にて5週間以上保存された場合でも、物理的性質の変化(例えば沈殿又は変色の発生、活性成分含有量の変化)をきたさないので、組成物の安定性を確保できる。
すなわち、本発明の組成物は、従来のエフィナコナゾール単一成分の調製物と比較して薬物透過性を上昇させることにより、白癬に対してより優れた治療効果を有し、従来のエフィナコナゾール単一成分の調製物と比較して、熱安定性が改善されるので、長期間安定的に保存できる。
比較例1及び様々な実施例による、in vivo抗真菌実験の結果を示すグラフである。 比較例1及び様々な実施例によるin vivo抗菌効果を示すグラフである。 比較例1及び様々な実施例による、エフィナコナゾールの10日間の累積透過濃度を示すグラフである。 実施例1及び比較例2による、in vivo抗真菌実験の結果を示すグラフである。 実施例1及び比較例2による、in vivo抗菌効果を示すグラフである。 実施例1及び比較例2による、オクテニジン二塩酸塩の10日間の累積透過濃度を示すグラフである。
本明細書では、本発明の「1つ(one)」又は「ある(a)」に関する言及は、必ずしも同一の実施形態ではなく、これらは少なくとも1つを意味することに留意すべきである。
以下の実施形態では、用語、例えば第1、第2は、ある成分を別のものと区別する目的に使用され、限定する意味では使用されない。
以下の実施形態では、単数形の表現は、文脈からそうでないと明らかに示されない限り、複数形の表現を含む。
以下の実施形態では、例えば含む又は有するという用語は、本明細書に記載されている特徴又は成分が存在すること、及び1つ以上の他の特徴又は成分が添加され得る可能性があらかじめ排除されないことを意味する。
本明細書において以後、本発明が詳細に記載されている。
本発明は、エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩;及びオクテニジン又は医薬として許容できるその塩を活性成分として含む、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物を提供する。
爪白癬は、真菌の爪、すなわち、指の爪及び趾爪への侵襲によって引き起こされる疾患である。典型的な症状は、肥厚し、白色且つ壊れやすい爪である。
爪白癬は、紅色白癬菌、毛瘡白癬菌、クロコウジカビ、カンジダ・アルビカンス、エピデルモフィトン・フロッコサム(Epidermophyton floccosum)及びイヌ小胞子菌からなる群から選択される少なくとも1つにより誘導され得る。
診療では、紅色白癬菌は、爪白癬の約90%で原因微生物として検出され、毛瘡白癬菌及びトリコフィトン・エピデルミス(Trichophyton epidermis)も単離される。カンジダは、指の爪から単離されることが多い。
本発明のエフィナコナゾール(CAS登録番号:164650-44-6)は、3個の窒素基を有するトリアゾール系抗真菌剤であり、幅広い病原性真菌に対する活性を呈する。エフィナコナゾールの化学名は、(2R,3R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-3-(4-メチレンピペリジン-1-イル)-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ブタン-2-オールである。エフィナコナゾールの構造式は、以下の式1により表される。
[式1]
Figure 2022547755000002
エフィナコナゾールの分子式は、C18H22F2N4O(分子量:348.39、融点:192~195℃)であり、エフィナコナゾールは、白色又は淡黄色粉末である。
エフィナコナゾールは、紅色白癬菌、毛瘡白癬菌、クロコウジカビ、カンジダ・アルビカンス、エピデルモフィトン・フロッコサム(Epidermophyton floccosum)及びイヌ小胞子菌に対する抗菌効果を有する。
エフィナコナゾールは、エルゴステロールの生合成経路における、真菌細胞の生存能力に必須の要素ラノステロール14α-デメチラーゼを阻害する活性を有する。エフィナコナゾールは、他の薬物と比較して高い可逆性を呈するので、爪の真菌感染症の処置に有効である。
エフィナコナゾールの医薬として許容できる塩は、無機イオン性塩、無機酸塩、有機酸塩、スルホン酸塩、アミノ酸塩及びアミン塩からなる群から選択される少なくとも1つであり得る。
本明細書では、「塩」という用語は、医薬として許容できる遊離酸により形成される酸付加塩を指す。したがって、医薬として許容できる塩は、医薬品産業に普通に使用される塩、例えば、カルシウム、カリウム、ナトリウム若しくはマグネシウムから調製される無機イオン塩;塩酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、ヨウ素酸、過塩素酸若しくは硫酸から調製される無機酸塩;酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、シュウ酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸、マンデル酸、プロピオン酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、ガラクツロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、グルクロン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、炭酸若しくはバニリン酸から調製される有機酸塩;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸、p-トルエンスルホン酸若しくはナフタレンスルホン酸から調製されるスルホン酸塩;グリシン、アルギニン若しくはリジンから調製されるアミノ酸塩;又はトリメチルアミン、トリエチルアミン、アンモニア、ピリジン若しくはピコリンから調製されるアミン塩を意味するが、本明細書における塩のタイプは、上に列挙されているこれらの塩により限定されない。
エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩の含有量は、組成物の総重量に対して、0.001~20重量%であり得る。
エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩の含有量の範囲は、0.001~20重量%、0.01~20重量%、0.05~19重量%、0.1~18重量%、0.5~17重量%、1~16重量%、2~15重量%、3~14重量%、4~13重量%、5~20重量%、8~20重量%、10~16重量%、1~10重量%、5~15重量%又は10~20重量%であり得る。
エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩の含有量は、爪白癬を防止又は処置するために有効な量で適用され得る。爪白癬を防止又は処置するために有効な量のレベルは、疾患のタイプ、重症度、薬物活性、薬物に対する感受性、投与時間、投与経路、排泄速度、処置の持続時間、同時に使用される薬物を含む要因及び医学分野で周知の他の要因に従って判定され得る。
上の要因のすべてを考慮して、副作用を伴わずに、最小量で最大効果を得られる量を投与することが重要であり、これは当業者により容易に判定され得る。
本発明のオクテニジン(CAS登録番号:71251-02-0)は、以下の式2により表される。オクテニジンの分子式は、C36H62N4であり、分子量は550.9である。オクテニジンは抗菌活性を有するので、細菌の滅菌に有効である。
[式2]
Figure 2022547755000003
オクテニジンの医薬として許容できる塩は、無機イオン性塩、無機酸塩、有機酸塩、スルホン酸塩、アミノ酸塩及びアミン塩からなる群から選択される少なくとも1つであり得る。例えば、オクテニジンの医薬として許容できる塩は、カルシウム、カリウム、ナトリウム若しくはマグネシウムから調製される無機イオン塩;塩酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、ヨウ素酸、過塩素酸若しくは硫酸から調製される無機酸塩;酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、シュウ酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸、マンデル酸、プロピオン酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、ガラクツロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、グルクロン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、炭酸若しくはバニリン酸から調製される有機酸塩;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸、p-トルエンスルホン酸若しくはナフタレンスルホン酸から調製されるスルホン酸塩;グリシン、アルギニン若しくはリジンから調製されるアミノ酸塩;又はトリメチルアミン、トリエチルアミン、アンモニア、ピリジン若しくはピコリンから調製されるアミン塩を含み得るが、オクテニジン塩のタイプは、上に列挙されているこれらの塩により限定されない。
本発明では、オクテニジンの医薬として許容できる塩は、オクテニジン二塩酸塩(CAS登録No.70775-75-6)として適用され得る。オクテニジン二塩酸塩は、白色又は淡黄色の粉末であり、ピリジン系化合物である。
オクテニジン二塩酸塩の化学名は、N-オクチル-1-[10-(4-オクチルイミノピリジン-1-イル)デシル]ピリジン-4-イミン二塩酸塩である。オクテニジン二塩酸塩の分子式は、C36H64Cl2N4(分子量:623.84、融点:215~217℃)である。オクテニジン二塩酸塩の構造式は、以下の式3により表される。
[式3]
Figure 2022547755000004
オクテニジン二塩酸塩は、アニオンを呈する細菌の細胞表面に強力に吸着することにより、細胞膜におけるリン脂質及びアニオン性ポリサッカリドに結合し、原形質膜の漏出を引き起こし、ミトコンドリア機能を阻害して細胞機能を低下させ、それにより優れた滅菌効果を呈する。
オクテニジン又は医薬として許容できるその塩の含有量は、組成物の総重量に対して、0.001~10重量%であり得る。
オクテニジン又は医薬として許容できるその塩の含有量の範囲は、0.001~10重量%、0.01~10重量%、0.05~9重量%、0.1~8重量%、0.5~7重量%、1~6重量%、2~5重量%又は3~4重量%であり得る。
オクテニジン又は医薬として許容できるその塩の含有量は、上に記載されている範囲に限定されず、爪白癬を防止又は処置するために有効な量で適用され得る。
爪白癬を防止又は処置するための本発明の医薬組成物は、真菌及び細菌を複合的な抗菌作用により強力に滅菌できるので、単一の各作用剤と比較して、きわめて優れた抗菌効果を呈する。
爪白癬を防止又は処置するための本発明の医薬組成物は、添加剤をさらに含み得る。
添加剤は、溶媒、抗酸化剤、キレート剤、浸透剤、フィルム形成剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、乳化剤、感圧接着剤、界面活性剤、ゲル化剤、可溶化剤、緩衝剤、湿潤剤、浸透圧調節剤、エーロゾル噴射剤、甘味剤、着色剤、香味剤、安定化剤、ベース、pH改変剤及びビヒクルからなる群から選択される少なくとも1つであり得る。
本明細書では、「崩壊剤」という用語は、固体が、吸収される前に消化管において分解されるように膨張するのに必要な成分を意味する。
本明細書では、「結合剤」という用語は、均一な接着、凝固及び/又は稠度(consistency)を混合物に付与する物質を意味する。
本明細書では、「滑沢剤」という用語は、錠剤の調製中に滑り性を生じることにより、打錠パンチへの接着を低下させるために使用される物質を意味する
本明細書では、「乳化剤」という用語は、非混和性液体物質の分離を防止するための物質を意味する。
本明細書では、「感圧接着剤」という用語は、他の材料と互いに十分に接着し、その後取り外し可能な物質を意味する。
本明細書では、「可溶化剤」という用語は、物質の溶解度を上昇させる物質を意味する。
本明細書では、「緩衝剤」という用語は、水素イオン濃度指数を制御するために添加される物質を意味する。
本明細書では、「甘味剤」という用語は、甘味を与える物質を意味する。
本明細書では、「香味剤」という用語は、特定の香味を添加するために医薬品及び/又は食品に添加される物質を意味する。
本明細書では、「安定化剤」という用語は、酸、湿度、光などによる分解を防止するために添加される物質を意味する。
本明細書では、「ベース」という用語は、活性な医薬製品に対するビヒクルとして使用され得る不活性成分を意味する。
本明細書では、「pH改変剤」という用語は、酸-アルカリ平衡を変化させる物質を意味する。
溶媒は、アルカン、アルケン、アルコール、エステル、ケトン及びエーテル溶媒からなる群から選択される少なくとも1つの有機溶媒であり得る。例えば、溶媒は、エタノール、イソプロピルアルコール、フェノキシエタノール、アセトン、酢酸ブチル及び酢酸エチルを含み得る。好ましくは、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトンなどは、溶媒として使用され得る。
抗酸化剤は、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、アスコルビン酸、トコフェロール、コーヒー酸、フェルラ酸、没食子酸プロピル、システイン、N-アセチルシステイン、亜硫酸ナトリウム及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つであり得る。好ましくは、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸、トコフェロール、コーヒー酸、フェルラ酸などは、抗酸化剤として使用され得る。
キレート剤は、酸素、窒素又は様々な金属イオンに結合して、それらを不活化する金属イオン封鎖剤である。キレート剤は、グルタミン酸、メチルグリシン、ピロリン酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、EDTA四ナトリウム及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つであり得る。好ましくは、グルタミン酸、ピロリン酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、EDTA四ナトリウムなどは、キレート剤として使用され得る。
浸透剤は、薬物の爪又は皮膚への浸透を増加させることにより、治療効果を向上させるために添加される物質である。浸透剤は、アジピン酸ジエチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、コハク酸ジエチルヘキシル、オレイン酸オレイル、ラウリル硫酸ナトリウム、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、チオグリコール酸、メルカプトエタノール、1,2-ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つであり得る。好ましくは、1,2-ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、メチルプロパンジオール、セバシン酸ジエチル、コハク酸ジエチルヘキシル、オレイン酸オレイル、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、プロピレングリコールなどは、浸透剤として使用され得る。
フィルム形成剤は、ポビドン、コポビドン、キトサン、メタクリル酸コポリマー、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つであり得る。好ましくは、ポビドン、コポビドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースなどは、フィルム形成剤として使用され得る。
pH改変剤は、塩酸、リン酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、アルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩(carbonate)、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、エタノールアミン、ラウリルグルコシド、ココグルコシド、リジン、アルギニン、トリアミンエタノール、クエン酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、ジイソプロピルアミン及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つであり得る。好ましくは、クエン酸、酒石酸、水酸化ナトリウム又はクエン酸ナトリウムは、組成物のpH範囲を2~10に調整するために使用され得る。
ビヒクルは、組成物の形状を維持できる添加剤である。ビヒクルは、注射用水(WFI)、精製水、生理食塩水、グリセリン、ミネラル油、大豆油、ラノリン油、ソルビトール、カルボキシルメチルセルロース、ゼラチン(gellatin)、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、エチルセルロース、オクチルアクリルアミド/アクリレートコポリマー及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つであり得る。好ましくは、精製水、グリセリン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム又はソルビトールは、ビヒクルとして使用され得る。
医薬組成物は、改善した使用感、改善した体内投与、及び/又は製剤の安定性のために、可塑剤、徐放剤、発泡剤、硬化剤、安定剤、遮光剤、マスキング剤、粘度調節剤などをさらに含み得る。上で言及されている可塑剤、徐放剤、発泡剤、硬化剤、安定剤、遮光剤、マスキング剤及び粘度調節剤として、当業界で普通に使用される成分が使用され得、その例は、文献(Raymond C. Rowe. Handbook of Pharmaceutical Excipients、第7版)で列挙されている。さらに、上で言及されている可塑剤、徐放剤、発泡剤、硬化剤、安定剤、遮光剤、マスキング剤及び粘度調節剤は、意図される使用及び条件に従って、それらを様々な組成物に添加することにより調製され得、好ましくは0.01~5重量%の量で添加され得る。
本発明の実施形態では、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物は、0.001~20重量%のエフィナコナゾール、0.001~10重量%のオクテニジン二塩酸塩、1~90重量%の溶媒(例えばエタノール)、0.001~3重量%の抗酸化剤、0.0001~3重量%のキレート剤、1~20重量%の第1の浸透剤(例えば1,2-ヘキサンジオール)、1~20重量%の第2の浸透剤(例えばメチルプロパンジオール)、0.01~3重量%のpH改変剤(例えばコハク酸)及び1~95重量%のビヒクルを含有する液剤の形態で製剤化され得る。
本発明の別の実施形態では、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物は、0.001~20重量%のエフィナコナゾール、0.001~10重量%のオクテニジン二塩酸塩、1~90重量%の溶媒(例えばエタノール)、0.001~3重量%の抗酸化剤、0.0001~3重量%のキレート剤、1~20重量%の第1の浸透剤(例えば1,2-ヘキサンジオール)、1~20重量%の第2の浸透剤(例えばメチルプロパンジオール)、1~15重量%のフィルム形成剤(例えばポビドン)、0.01~3重量%のpH改変剤(例えばコハク酸)及び1~95重量%のビヒクルを含有する液剤の形態で製剤化され得る。
本発明の別の実施形態では、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物は、0.001~20重量%のエフィナコナゾール、0.001~10重量%のオクテニジン二塩酸塩、1~90重量%の溶媒(例えばエタノール)、0.001~3重量%の抗酸化剤、0.0001~3重量%のキレート剤、1~20重量%の第1の浸透剤(例えばジプロピレングリコール)、1~20重量%の第2の浸透剤(例えばメチルプロパンジオール)、0.01~3重量%のpH改変剤(例えばコハク酸)及び1~95重量%のビヒクルを含有する液剤の形態で製剤化され得る。
本発明の別の実施形態では、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物は、0.001~20重量%のエフィナコナゾール、0.001~10重量%のオクテニジン二塩酸塩、1~90重量%の溶媒(例えばエタノール)、0.001~3重量%の抗酸化剤、0.0001~3重量%のキレート剤、1~20重量%の第1の浸透剤(例えばジプロピレングリコール)、1~20重量%の第2の浸透剤(例えばメチルプロパンジオール)、1~15重量%のフィルム形成剤(例えばポビドン)、0.01~3重量%のpH改変剤(例えばコハク酸)及び1~95重量%のビヒクルを含有する液剤の形態で製剤化され得る。
爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物のpHは、2~10であり得る。
組成物のpH範囲は、2~10、4~10、5~7、5~6又は5~10であり得る。
爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物の表面張力は、1~75dyn/cmであり得る。
組成物の表面張力の範囲は、1dyn/cm~75dyn/cm、5dyn/cm~60dyn/cm、10dyn/cm~50dyn/cm、15dyn/cm~65dyn/cm、20dyn/cm~60dyn/cm、10dyn/cm~40dyn/cm、15dyn/cm~30dyn/cm、25dyn/cm~55dyn/cm、30dyn/cm~50dyn/cm、41dyn/cm~50dyn/cm、42dyn/cm~50dyn/cm、43dyn/cm~50dyn/cm、44dyn/cm~50dyn/cm、45dyn/cm~50dyn/cm、41dyn/cm~45dyn/cm、41dyn/cm~44dyn/cm、41dyn/cm~43dyn/cm又は50dyn/cm~75dyn/cmであり得る。
本明細書では、「表面張力」という用語は、全般的に、液体表面の単位面積を増加させる、又は、2つの液体の間における、若しくは液体とガスとの間における界面の単位面積を増加させるのに必要とされる力を意味するdyn/cmの単位で言及される。
本明細書に記載されている表面張力は、KRUESSにより販売されている表面張力計(Easy Dyne表面張力計モデルK20)を使用するDu Nouy Ring法により測定した。
カールフィッシャー法により測定される医薬組成物の水の含有量は、0.001~95%であり得る。
組成物の水の含有量の範囲は、0.001~95%、0.1~85%、0.5~75%、1~70%、2~5%、3~5%、5~85%、7~60%、8~55%、9~50%、10~45%、10~20%、10~15%、10~13%、15~40%又は20~35%であり得る。
本明細書では、「水の含有量」という用語は、医薬組成物に含有される水の割合を指す。本明細書に記載されている水の含有量は、Metrohm水分計(Metrohm 901 KF Titrando)を使用して、カールフィッシャー滴定により測定した。
本明細書に記載されている水の含有量は、以下の数式1により計算される。
[数式1]
水量(%)=V(mL)×f(mg/mL)×100/試料の質量(mg)
(本明細書において、Vは、試料の滴定で消費される水測定試薬の量であり、fは、水測定試薬1mLに相当する水のmg数である。)
数式1におけるfは、以下の数式2により計算される。
[数式2]
f(mg/mL)=水量(mg)/水滴定で消費される水測定試薬の量(mL)
爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物の一日投与量は、0.0001~300g/日であり得る。
組成物の一日投与量の範囲は、0.0001~300g/日、0.001~50g/日、0.01~50g/日、0.1~50g/日、0.001~1g/日、0.01~0.5g/日、0.05~0.1g/日、1~50g/日、5~45g/日、10~40g/日、15~35g/日、20~30g/日、25~100g/日、70~150g/日、120~250g/日又は200~300g/日であり得る。
さらに、一日投与量は、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物が、吸入若しくは経口調製物、外用調製物を含む非経口調製物又は注射剤として適用されるケースを考慮して適切に調整され得る。
爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物は、液剤、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉末成形体、ペースト剤、スティック剤、貼付剤、パッチ剤、錠剤、散剤、粒剤、カプセル剤、ガム剤、トローチ剤、粘膜付着剤、吸入剤、マイクロカプセル剤、洗剤、浴用剤、注射剤、坐剤、リポソーム剤及び噴霧剤からなる群から選択される剤形として製剤化され得る。
さらに、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物は、吸入又は経口調製物、外用調製物を含む非経口調製物及び注射剤の形態で製剤化され得る。
本明細書では、「粉末成形体」という用語は、医薬組成物を粉砕し、圧力をかけて粉末を圧縮することにより調製される剤形を指す。医薬組成物が粉砕される場合、従来の噴霧乾燥法又はフリーズドライ法を使用できるが、本発明はそれらに限定されず、他の公知の粉砕法を使用できる。
本明細書では、「スティック剤」という用語は、固体の棒の形状に作られた剤形を指し、同一の意味を有する用語は、「棒剤」である。
本明細書では、「貼付剤」という用語は、主な成分及びベース又は添加剤の混合物を布又はプラスチックフィルムに広げること、又は封入することにより調製される局所外用調製物を指し、それらを皮膚表面の患部に接着させ、その結果、活性成分は、皮膚を通して局所患部に達することができる。
本明細書では、「パッチ剤」という用語は、経口投与又は注射ではなく皮膚へと適用され、全身に対して作用する薬効を継続的に呈する外用調製物を指す。
本明細書では、「カプセル剤」という用語は、カプセルを液体、懸濁液、半固体、粉末、顆粒の形態の薬若しくは成形された薬物で満たすこと、又は薬品をカプセルベースに封入することにより調製される剤形を指す。本明細書では、カプセル剤は、ハードカプセル剤及びソフトカプセル剤の少なくとも1つを含む。
本明細書では、「マイクロカプセル」という用語は、医薬製品を、高分子材料、例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロースの薄膜の内側に封入する小粒子の凝集物を指す。
本明細書では、「リポソーム剤」という用語は、活性成分をリポソーム剤の水性又は脂質膜に封入することにより調製される剤形を指す。
爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物は、無色又は淡黄色であり、65℃にて少なくとも5週間保存した後でも、同一の色を維持できる。すなわち、医薬組成物は、65℃にて少なくとも5週間保存した後でも、最初に製剤化された場合の組成物の色を保つことができる。
爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物の密度は、0.001~2g/cm3であり得る。
組成物の密度の範囲は、0.001g/cm3~2g/cm3、0.01g/cm3~1.5g/cm3、0.1g/cm3~1g/cm3、0.5g/cm3~1.5g/cm3又は0.7g/cm3~1g/cm3であり得る。
本明細書では、「密度」という用語は、単位体積当たりの質量を指し示す値を意味し、一般的にg/cm3の単位で表現される。
一方、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物が、外用調製物として調製され、局所的に適用される場合、組成物を適切な量で患者の罹患部位に適用する、噴霧する、又は付着させる方法が使用され得る。
本発明は、エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩;及びオクテニジン又は医薬として許容できるその塩を活性成分として含む、体部白癬を防止又は処置するための医薬組成物も提供する。
体部白癬は、皮膚及び毛髪の最外層である角質層に感染する真菌によって引き起こされる疾患である。症状として、皮膚は化膿し、水分で膨潤するようになり、白色になり、ひび割れ、剥脱する。汗の量が多ければ、不快な足の匂い及びかゆみを伴うことがある。
体部白癬は、紅色白癬菌、毛瘡白癬菌、クロコウジカビ、カンジダ・アルビカンス、エピデルモフィトン・フロッコサム及びイヌ小胞子菌からなる群から選択される少なくとも1つにより誘導され得る。
本明細書において以後、体部白癬を防止又は処置するための医薬組成物の詳細な説明は、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物の説明と重複するので、それらの説明は省略する。
体部白癬を防止又は処置するための医薬組成物における、エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩の含有量、及びオクテニジン又は医薬として許容できるその塩の含有量は、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物におけるものと同一の量で適用され得る。
エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩の含有量は、組成物の総重量に対して、0.001~20重量%であり得る。
オクテニジン又は医薬として許容できるその塩の含有量は、組成物の総重量に対して、0.001~10重量%であり得る。
エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩の含有量の範囲、及びオクテニジン又は医薬として許容できるその塩の含有量の範囲は、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物における範囲と重複するので、これらは省略する。
体部白癬を防止又は処置するための本発明の医薬組成物は、真菌及び細菌を複合的な抗菌作用により強力に滅菌できるので、単一の各作用剤と比較して、きわめて優れた抗菌効果を呈する。
体部白癬を防止又は処置するための本発明の医薬組成物は、添加剤をさらに含み得る。
添加剤は、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物におけるものと同一なので、重複する説明は省略する。
医薬組成物は、改善した使用感及び製剤の安定性のために、界面活性剤、フレグランス、染料、粘度調節剤などをさらに含み得、上で言及されている爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物におけるものと同一の手段で適用され得る。
本発明の実施形態では、体部白癬を防止又は処置するための医薬組成物は、0.001~20重量%のエフィナコナゾール、0.001~10重量%のオクテニジン二塩酸塩、1~90重量%の溶媒(例えばエタノール)、0.001~3重量%の抗酸化剤、0.0001~3重量%のキレート剤、1~20重量%の第1の浸透剤(例えば1,2-ヘキサンジオール)、1~20重量%の第2の浸透剤(例えばメチルプロパンジオール)、0.01~3重量%のpH改変剤(例えばコハク酸)及び1~95重量%のビヒクルを含有する液剤の形態で製剤化され得る。
本発明の別の実施形態では、体部白癬を防止又は処置するための医薬組成物は、0.001~20重量%のエフィナコナゾール、0.001~10重量%のオクテニジン二塩酸塩、1~90重量%の溶媒(例えばエタノール)、0.001~3重量%の抗酸化剤、0.0001~3重量%のキレート剤、1~20重量%の第1の浸透剤(例えば1,2-ヘキサンジオール)、1~20重量%の第2の浸透剤(例えばメチルプロパンジオール)、1~15重量%のフィルム形成剤(例えばポビドン)、0.01~3重量%のpH改変剤(例えばコハク酸)及び1~95重量%のビヒクルを含有する液剤の形態で製剤化され得る。
本発明の別の実施形態では、体部白癬を防止又は処置するための医薬組成物は、0.001~20重量%のエフィナコナゾール、0.001~10重量%のオクテニジン二塩酸塩、1~90重量%の溶媒(例えばエタノール)、0.001~3重量%の抗酸化剤、0.0001~3重量%のキレート剤、1~20重量%の第1の浸透剤(例えばジプロピレングリコール)、1~20重量%の第2の浸透剤(例えばメチルプロパンジオール)、0.01~3重量%のpH改変剤(例えばコハク酸)及び1~95重量%のビヒクルを含有する液剤の形態で製剤化され得る。
本発明の別の実施形態では、体部白癬を防止又は処置するための医薬組成物は、0.001~20重量%のエフィナコナゾール、0.001~10重量%のオクテニジン二塩酸塩、1~90重量%の溶媒(例えばエタノール)、0.001~3重量%の抗酸化剤、0.0001~3重量%のキレート剤、1~20重量%の第1の浸透剤(例えばジプロピレングリコール)、1~20重量%の第2の浸透剤(例えばメチルプロパンジオール)、1~15重量%のフィルム形成剤(例えばポビドン)、0.01~3重量%のpH改変剤(例えばコハク酸)及び1~95重量%のビヒクルを含有する液剤の形態で製剤化され得る。
体部白癬を防止又は処置するための医薬組成物のpHは、2~10であり得る。
体部白癬を防止又は処置するための医薬組成物の表面張力は、1~75dyn/cmであり得る。
体部白癬を防止又は処置するための医薬組成物の水の含有量は、0.001~95%であり得る。
具体的な範囲は、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物における範囲と重複するため省略する。
体部白癬を防止又は処置するための医薬組成物の一日投与量は、0.0001~300g/日であり得る。
体部白癬を防止又は処置するための医薬組成物は、液剤、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉末成形体、ペースト剤、スティック剤、貼付剤、パッチ剤、錠剤、散剤、粒剤、カプセル剤、ガム剤、トローチ剤、粘膜付着剤、吸入剤、マイクロカプセル剤、洗剤、浴用剤、注射剤、坐剤、リポソーム剤及び噴霧剤からなる群から選択される剤形として製剤化され得る。
さらに、体部白癬を防止又は処置するための医薬組成物は、吸入又は経口調製物、外用調製物を含む非経口調製物及び注射剤の形態で製剤化され得る。
体部白癬を防止又は処置するための医薬組成物は、無色又は淡黄色であり、65℃にて少なくとも5週間保存した後でも、同一の色を維持できる。すなわち、医薬組成物は、65℃にて少なくとも5週間保存した後でも、最初に製剤化された場合の組成物の色を保つことができる。
体部白癬を防止又は処置するための医薬組成物の密度は、0.001~2g/cm3であり得る。
一方、体部白癬を防止又は処置するための医薬組成物が、外用調製物として調製され、局所的に適用される場合、組成物を適切な量で患者の罹患部位に適用する、噴霧する、又は付着させる方法が使用され得る。
さらに、本発明は、エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩;及びオクテニジン又は医薬として許容できるその塩を活性成分として含む、緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物を提供する。
一方、緑色爪症候群(GNS)は、爪の黒緑色又は青緑色の変色を示すグラム陰性菌である緑膿菌によって引き起こされる感染性疾患である。GNSは主に、大量の水と接触する仕事をしている者に発生する。疾患、例えば爪周囲炎、爪甲剥離症、爪甲脱落症及び爪ジストロフィーを伴う場合、GNS発症の確率は上昇する。
本明細書において以後、緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物の詳細な説明は、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物の説明と重複するので、これらの説明は省略する。
緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物におけるエフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩の含有量、及びオクテニジン又は医薬として許容できるその塩の含有量は、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物におけるものと同一の量で適用され得る。
エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩の含有量は、組成物の総重量に対して、0.001~20重量%であり得る。
オクテニジン又は医薬として許容できるその塩の含有量は、組成物の総重量に対して、0.001~10重量%であり得る。
エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩の含有量の範囲、及びオクテニジン又は医薬として許容できるその塩の含有量の範囲は、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物における範囲と重複するので、これらは省略する。
緑色爪症候群を防止又は処置するための本発明の医薬組成物は、真菌及び細菌を複合的な抗菌作用により強力に滅菌できるので、単一の各作用剤と比較して、きわめて優れた抗菌効果を呈する。
緑色爪症候群を防止又は処置するための本発明の医薬組成物は、添加剤をさらに含み得る。
添加剤は、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物におけるものと同一なので、重複する説明は省略する。
医薬組成物は、改善した使用感及び製剤の安定性のために界面活性剤、フレグランス、染料、粘度調節剤などをさらに含み得、上で言及されている爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物におけるものと同一の手段で適用され得る。
本発明の実施形態では、緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物は、0.001~20重量%のエフィナコナゾール、0.001~10重量%のオクテニジン二塩酸塩、1~90重量%の溶媒(例えばエタノール)、0.001~3重量%の抗酸化剤、0.0001~3重量%のキレート剤、1~20重量%の第1の浸透剤(例えば1,2-ヘキサンジオール)、1~20重量%の第2の浸透剤(例えばメチルプロパンジオール)、0.01~3重量%のpH改変剤(例えばコハク酸)及び1~95重量%のビヒクルを含有する液剤の形態で製剤化され得る。
本発明の別の実施形態では、緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物は、0.001~20重量%のエフィナコナゾール、0.001~10重量%のオクテニジン二塩酸塩、1~90重量%の溶媒(例えばエタノール)、0.001~3重量%の抗酸化剤、0.0001~3重量%のキレート剤、1~20重量%の第1の浸透剤(例えば1,2-ヘキサンジオール)、1~20重量%の第2の浸透剤(例えばメチルプロパンジオール)、1~15重量%のフィルム形成剤(例えばポビドン)、0.01~3重量%のpH改変剤(例えばコハク酸)及び1~95重量%のビヒクルを含有する液剤の形態で製剤化され得る。
本発明の別の実施形態では、緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物は、0.001~20重量%のエフィナコナゾール、0.001~10重量%のオクテニジン二塩酸塩、1~90重量%の溶媒(例えばエタノール)、0.001~3重量%の抗酸化剤、0.0001~3重量%のキレート剤、1~20重量%の第1の浸透剤(例えばジプロピレングリコール)、1~20重量%の第2の浸透剤(例えばメチルプロパンジオール)、0.01~3重量%のpH改変剤(例えばコハク酸)及び1~95重量%のビヒクルを含有する液剤の形態で製剤化され得る。
本発明の別の実施形態では、緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物は、0.001~20重量%のエフィナコナゾール、0.001~10重量%のオクテニジン二塩酸塩、1~90重量%の溶媒(例えばエタノール)、0.001~3重量%の抗酸化剤、0.0001~3重量%のキレート剤、1~20重量%の第1の浸透剤(例えばジプロピレングリコール)、1~20重量%の第2の浸透剤(例えばメチルプロパンジオール)、1~15重量%のフィルム形成剤(例えばポビドン)、0.01~3重量%のpH改変剤(例えばコハク酸)及び1~95重量%のビヒクルを含有する液剤の形態で製剤化され得る。
緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物のpHは、2~10であり得る。
緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物の表面張力は、1~75dyn/cmであり得る。
緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物の水の含有量は、0.001~95%であり得る。
具体的な範囲は、爪白癬を防止又は処置するための医薬組成物における範囲と重複するため省略する。
緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物の一日投与量は、0.0001~300g/日であり得る。
緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物は、液剤、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉末成形体、ペースト剤、スティック剤、貼付剤、パッチ剤、錠剤、散剤、粒剤、カプセル剤、ガム剤、トローチ剤、粘膜付着剤、吸入剤、マイクロカプセル剤、洗剤、浴用剤、注射剤、坐剤、リポソーム剤及び噴霧剤からなる群から選択される剤形として製剤化され得る。
さらに、緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物は、吸入又は経口調製物、外用調製物を含む非経口調製物及び注射剤の形態で製剤化され得る。
緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物は、無色又は淡黄色であり、65℃にて少なくとも5週間保存した後でも、同一の色を維持できる。すなわち、医薬組成物は、65℃にて少なくとも5週間保存した後でも、最初に製剤化された時の組成物の色を保つことができる。
緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物の密度は、0.001~2g/cm3であり得る。
一方、緑色爪症候群を防止又は処置するための医薬組成物が、外用調製物として調製され、局所的に適用される場合、組成物を適切な量で患者の罹患部位に適用する、噴霧する、又は付着させる方法が使用され得る。
本発明者らは、エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩;及びオクテニジン又は医薬として許容できるその塩を活性成分として含む本発明の組成物(実施例1~31)の、6種のテスト株(紅色白癬菌、毛瘡白癬菌、クロコウジカビ、カンジダ・アルビカンス、緑膿菌及び黄色ブドウ球菌)及び爪白癬及び緑色爪症候群を有する患者から単離された4種の株(紅色白癬菌、毛瘡白癬菌、カンジダ・アルビカンス及び緑膿菌)に対する感受性を測定した。結果として、本発明の組成物は、比較例1のエフィナコナゾール単一成分の調製物及び比較例2のオクテニジン単一成分の調製物と比較して、著しく上昇した抗真菌(紅色白癬菌、毛瘡白癬菌、クロコウジカビ及びカンジダ・アルビカンス)効果を有していたことが確認された。本発明の組成物は、グラム陰性菌である緑膿菌及びグラム陽性菌である黄色ブドウ球菌に対して、優れた抗菌効果を有していたことも確認された(表5、6、7、8及び9)。
カンジダ・アルビカンス及び黄色ブドウ球菌は、爪白癬を伴い、爪の周りに炎症を引き起こすと公知である。したがって、本発明の組成物は、白癬及び緑色爪症候群の処置に有効なだけではなく、爪の周りの炎症によって引き起こされる爪に関連した疾患、例えば爪周囲炎、爪甲剥離症、爪甲剥離症及び爪ジストロフィーの処置にも有効であった。
本発明者らは、本発明の組成物が、高い抗真菌及び抗菌効果を有することをin vitroテストにより確認した。本発明者らは、本発明の組成物が、モルモットを使用した白癬及び緑色爪症候群の動物モデルにおいて、爪白癬及び緑色爪症候群に対して、エフィナコナゾール単一成分の調製物又はオクテニジン単一成分の調製物よりも良好な治療効果を有することも確認した(図1、2、4及び5)。
さらに、ヒト皮膚、ウシ蹄及び人体から単離された爪で、エフィナコナゾールの透過性を測定した。結果として、本発明の組成物である、エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩を含有する組合せ調製物は、エフィナコナゾール単体のものより高い浸透濃度を示したことが確認された(表10及び11及び図3)。オクテニジンの透過性も測定した。結果として、本発明の組成物は、オクテニジン単体のものより高い浸透濃度を呈したことが確認された(表15及び16、並びに図6)。
上の結果から、本発明の組成物は、白癬又は緑色爪症候群を、エフィナコナゾール又はオクテニジン単体より急速且つ効率的に処置できることが指し示される。
さらに、本発明者らは、本発明の組成物を65℃にて5週間保存した後で吸光度を測定することにより、物理的性質の変化、例えば変色を確認した。結果として、本発明の組成物の熱安定性は、エフィナコナゾール又はオクテニジン単体のものと比較して十分に維持されたことが確認された(表12、13、14、17、18及び19)。
さらに、抗菌活性を、オクテニジン及びエフィナコナゾールの含有量に従って評価した。結果として、6種のテスト株(紅色白癬菌、毛瘡白癬菌、クロコウジカビ、カンジダ・アルビカンス、緑膿菌及び黄色ブドウ球菌)に対する抗真菌及び抗菌効果は、エフィナコナゾール単体と比較して、0.001~20重量%のエフィナコナゾールの範囲、及び0.001~10重量%のオクテニジンの範囲で上昇したことが確認された(表21)。
上に記載されているように、本発明の組成物は、抗真菌及び抗菌効果を含む幅広い抗菌効果を有し、皮膚及び爪に対する優れた薬物透過性を有するので、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群の治療剤として使用され得る。さらに、熱安定性は高温にて維持され、物理的性質の変化、例えば変色は発生しないので、組成物を長期間安定的に保存できる。
本発明の医薬組成物は、白癬及び/又は緑色爪症候群に適用される場合、爪を削ることなく、ブラシ、綿棒、ガーゼ、綿、ローラー、ボール又は噴霧器を通して患部に直接的に適用できるため、使用に都合がよい。
さらに、本発明の組成物は、シクロメチコン成分を含有しないので、シクロメチコンによって引き起こされる有害な問題を解決することが可能である。
本明細書において以後、本発明は、以下の実施例により詳細に記載される。
しかし、以下の実施例は、本発明を例証するためのものにすぎず、本発明の内容はそれらに限定されない。
[実施例1~31]
エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩を含有する溶液(実施例1~31)は、表1、2、3及び4に示されている成分及び組成物に従って調製した。表1、2、3及び4に示されている各成分の含有量は、溶液全体の重量%を表す。
比較例1では、エフィナコナゾールのみを賦形剤に溶解し、比較例2では、オクテニジン二塩酸塩のみを賦形剤に溶解した。
まず、ストック溶液は、エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩をエタノールに溶解することにより調製した。エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩を含有するエタノール溶液を、室温にて容器に入れた後で、1,2-ヘキサンジオール、メチルプロパンジオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ブチルヒドロキシアニソール、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、コハク酸、ポビドン及び精製水を順次添加した。エタノールを、それにさらに添加して、総重量%(100w/w%)を調整し、混合物を0.45μmフィルターで濾過して、透明溶液を調製した。調製した溶液のpHは、5~7であった。各溶液50グラムの表面張力は、表面張力計(Easy Dyne K20、KRUESS)を使用して室温(21~25℃)にて測定した。結果として、調製した溶液の密度は、0.7~0.95g/cm3であり、表面張力は、18~35dyn/cmであった。
Figure 2022547755000005
Figure 2022547755000006
Figure 2022547755000007
Figure 2022547755000008
<実験例1>抗微生物活性を評価する感受性テスト
一般に、臨床処置の結果は、抗真菌及び抗菌剤の感受性テストを通して予測できる。抗微生物活性を評価するための感受性テストのテスト株は、紅色白癬菌、毛瘡白癬菌、クロコウジカビ、カンジダ・アルビカンス、緑膿菌、黄色ブドウ球菌であり、これらは、表在性真菌感染症及び緑色爪症候群の原因微生物である。上で言及されている6種の微生物の株に対する抗微生物活性を評価するために、この実験を管希釈技術により実施した。抗微生物活性の評価では、各微生物に対する比較例1及び2、並びに実施例1~31の最小阻害濃度(MIC90)を比較し、結果は、表5、6、7及び8に示されている。最小阻害濃度テストは、CLSI(臨床検査標準協会)の標準に基づく分類に従って行った。具体的には、紅色白癬菌、毛瘡白癬菌及びクロコウジカビ(真菌)を、CLSI M38-A2:2008テスト法によりテストし、カンジダ・アルビカンス(酵母)を、CLSI M27-A3:2008テスト法によりテストし、緑膿菌(グラム陰性菌)及び黄色ブドウ球菌(グラム陽性菌)を、CLSI M07-A10:2015テスト法により、以下のようにテストした。
1)テスト微生物の前培養
{1}紅色白癬菌、毛瘡白癬菌、クロコウジカビ:微生物をOA(オートミール6%、寒天1.25%、pH6.0)培地に塗抹し、30±2℃にて4~5日間インキュベートした。
{2}カンジダ・アルビカンス:微生物を、SDA(Sabouraudデキストロース寒天)培地に接種し、35±2℃にて20~24時間インキュベートした。
{3}緑膿菌、黄色ブドウ球菌:微生物を、TSA(トリプチックソイ(Tryptic Soy)寒天)培地に接種し、35±2℃にて16~24時間インキュベートした。
2)テスト細胞溶液及び胞子懸濁液の調製
{1}紅色白癬菌、毛瘡白癬菌、クロコウジカビ:RPMI1640培地(Gibco)中において、0.165mol/LのMOPS(3-N-モルホリノプロパンスルホン酸)で緩衝後、(2~3)×103 CFU/mlの胞子懸濁液を調製し、テスト細胞溶液として使用した。
{2}カンジダ・アルビカンス:RPMI1640培地(Gibco)において、0.165mol/LのMOPS(3-N-モルホリノプロパンスルホン酸)で緩衝後、5.0×102~2.5×103 CFU/mlの胞子懸濁液を調製し、テスト細胞溶液として使用した。
{3}緑膿菌、黄色ブドウ球菌:微生物を、CAMHB(カチオン調整Muller-Hintonブロス)中で1×106 CFU/mlに希釈し、テスト細胞溶液として使用した。
3)テスト細胞溶液の接種
{1}紅色白癬菌、毛瘡白癬菌、クロコウジカビ:テスト細胞溶液を、テスト溶液が濃度に従って分注されているウェル中に接種した(1ml/ウェル)。RPMI1640培地(0.165mol/LのMOPSで緩衝した)中の0.2mlのテスト溶液(比較例1及び2、実施例1~31)をそれぞれ含有するウェルを、陰性対照として使用し、RPMI1640培地(0.165mol/LのMOPSで緩衝した)中の0.1mlのテスト溶液(比較例1及び2、実施例1~31)及び0.1mlのテスト細胞溶液をそれぞれ含有するウェルを、陽性対照として使用した。テスト細胞溶液で処理した管を、35±2℃にて46~50時間インキュベートした。
{2}カンジダ・アルビカンス:テスト細胞溶液を、テスト溶液が濃度に従って分注されているウェル中に接種した(0.9ml/ウェル)。RPMI1640培地(0.165mol/LのMOPSで緩衝した)中の1.0mlのテスト溶液(比較例1及び2、実施例1~31)をそれぞれ含有するウェルを、陰性対照として使用し、RPMI1640培地(0.165mol/LのMOPSで緩衝した)中の0.1mlのテスト溶液(比較例1及び2、実施例1~31)及び0.9mlのテスト細胞溶液をそれぞれ含有するウェルを、陽性対照として使用した。テスト細胞溶液で処理した管を、35±2℃にて24~48時間インキュベートした。
{3}緑膿菌、黄色ブドウ球菌:テスト細胞溶液を、テスト溶液が濃度に従って分注されているウェル中に接種した(1ml/ウェル)。CAMHB(カチオン調整Muller-Hintonブロス)培地中の2mlのテスト溶液(比較例1及び2、実施例1~31)をそれぞれ含有するウェルを、陰性対照として使用し、CAMHB(カチオン調整Muller-Hintonブロス)中の、1mlのテスト溶液(比較例1及び2、実施例1~31)及び1mlのテスト細胞溶液をそれぞれ含有するウェルを、陽性対照として使用した。テスト細胞溶液で処理した管を、35±2℃にて16~24時間インキュベートした。
4)結果決定
インキュベーション後、各管における細胞の成長が視覚的に観察された場合、細胞が成長しなかった最小濃度をMIC90(最小阻害濃度)とみなした。インキュベーション後、細胞成長は、陰性対照群では観察されないはずであり、細胞成長は、陽性対照群で観察されるはずである。抗微生物活性テストにより得られた結果は、表5、6、7及び8に示されている。
Figure 2022547755000009
Figure 2022547755000010
Figure 2022547755000011
Figure 2022547755000012
表5、6、7及び8に示されているように、爪の真菌、グラム陽性及びグラム陰性菌に対する実施例1~31の組成物の抗微生物活性は、オクテニジン二塩酸塩を含有しない比較例1の組成物のものと比較して著しく上昇した。実施例1~31の組成物の抗微生物活性は、比較例1の組成物のものより、爪白癬の原因菌である紅色白癬菌、毛瘡白癬菌及びクロコウジカビに対して2.4~7倍高く、カンジダ・アルビカンス(酵母)に対して4.6~8倍高かった。
さらに、グラム陰性菌である緑膿菌及びグラム陽性菌である黄色ブドウ球菌に対する実施例1~31の組成物の抗微生物活性は、比較例1の組成物のものと比較して5.6~9.4倍上昇した。詳細には、実施例1~31の組成物は、緑色爪症候群の原因微生物である緑膿菌に対して、比較例1の組成物より7.1~10.5倍強力な抗微生物活性を示したので、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群に対するその処置効果は優れていた。実施例1~31の組成物は、それぞれ爪白癬に関連し、爪の周りに炎症を引き起こすカンジダ・アルビカンス及び黄色ブドウ球菌に対して、比較例1の組成物の7倍超の抗微生物効果を示したので、これらは、他の爪に関連する疾患、例えば爪周囲炎(ひょう疽)、爪甲剥離症、爪甲脱落症、爪ジストロフィー及び爪脱落症の処置に有効であった。
表5に示されているように、爪の真菌、グラム陽性及びグラム陰性菌に対する実施例1~7の組成物の抗微生物活性は、エフィナコナゾールを含有しない比較例2の組成物のものと比較して著しく上昇した。詳細には、本発明の組成物は、エフィナコナゾールを組成物に含有することにより、緑色爪症候群の原因微生物である緑膿菌に対するオクテニジン二塩酸塩単体の抗微生物活性を補い、効果は著しく増大した。
上で言及されているように、実施例1~31の医薬組成物は、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群の原因微生物に対する感受性テストの良好な結果を示したので、組成物は、上で言及されている原因微生物を処置でき、同時に臨床処置の優れた結果を示すことができると予想される。
<実験例2>臨床的に単離された株に対するIn vitro感受性テスト
感受性テストは、病院の皮膚科に来診した患者のうち、5名の爪白癬及び緑色爪症候群を有する患者から単離された4種の株(紅色白癬菌、毛瘡白癬菌、カンジダ・アルビカンス及び緑膿菌)に対して行った。比較例1及び2、並びに実施例1、8、16及び24の組成物を感受性テストに使用した。単離株の同定は、顕微鏡法及びPCR-RFLP(ポリメラーゼ連鎖反応-制限酵素断片長多型)分析により実行し、次いで、各株に対し2つを選択し、上に記載されている実験例1の感受性テスト法に従って行った。各株を前培養し、形成された菌糸体は、滅菌ガーゼ及び5ml三角形ガラス漏斗を使用して除去した。テスト細胞溶液及び胞子懸濁液を調製し、接種し、培養して、それらの成長を観察し、最小阻害濃度(MIC90)を判定した。結果は、表9に示されている。
Figure 2022547755000013
表9に示されているように、比較例1及び2、並びに実施例1、8、16及び24の組成物の、爪白癬及び緑色爪症候群を有する患者から単離された4種の株(紅色白癬菌、毛瘡白癬菌、カンジダ・アルビカンス及び緑膿菌)に対する感受性は、実験例1の結果と同様の傾向を示した。
実施例1、8、16及び24の組成物の感受性は、爪白癬の原因微生物である紅色白癬菌に対し、実施例1の組成物のものより3~4.6倍、毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)に対して2~6倍、またカンジダ・アルビカンスに対して6.2~8.3倍まで高かった。したがって、本発明の組成物は、爪白癬及び体部白癬の処置にきわめて有効であったことが確認された。さらに、実施例1、8、16及び24の組成物は、緑色爪症候群の原因微生物である緑膿菌に対して、きわめて強力、且つ比較例1の組成物と比較して7.7~10.8倍まで優れた治療効果を示した。
すなわち、エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩の混合製剤の治療効果は、エフィナコナゾール単一成分の調製物のものよりはるかに有効であった。
実施例1の組成物の感受性は、エフィナコナゾールを含有しない比較例2の組成物のものより、爪白癬の原因微生物である紅色白癬菌に対して239倍、トリコメンタ・グロピテスに対して78倍、またカンジダ・アルビカンスに対して1.62倍まで高かった。したがって、本発明の組成物は、爪白癬及び体部白癬の処置にきわめて有効であったことが確認された。
さらに、実施例1の組成物は、緑色爪症候群の原因微生物である緑膿菌に対して、きわめて強力、且つエフィナコナゾールを含有しない比較例2の組成物と比較して1.7倍まで優れた治療効果を示した。すなわち、エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩の混合製剤の治療効果は、オクテニジン二塩酸塩単一成分の調製物のものよりはるかに有効であった。
上で言及されているように、実施例1~31の医薬組成物は、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群の原因微生物に対する感受性テストの良好な結果を示したので、組成物は、上で言及されている原因微生物を処置でき、同時に臨床処置の優れた結果を示すことができると予想される。
<実験例3>in vivo抗微生物活性の評価
(1)毛瘡白癬菌
主な爪白癬の原因微生物は、紅色白癬菌及び毛瘡白癬菌として公知である。比較例1及び2、並びに実施例1、8、16及び24の化合物は、上の微生物に対して、in vivo抗微生物活性を評価する試料として使用し、モルモット感染モデルを使用した。紅色白癬菌はヒトへの悪影響が少ないため、動物に感染させることが困難であるので、動物モデルテストから排除し、動物への悪影響が少なく、ヒトに感染させることが可能な毛瘡白癬菌(ATCC18748)を適用した。
テスト動物は、重さ400~600gの雄モルモットであった。モルモットは、1群につき動物3匹の3処置群に分けた。毛瘡白癬菌をOA培地(オートミール6%、寒天1.25%、pH6.0)に塗抹し、30±2℃にて4~5日間前培養し、RPMI1640培地(Gibco)において、0.165mol/LのMOPS(3-N-モルホリノプロパンスルホン酸)で緩衝した。1×107 CFU/mlの胞子懸濁液を調製し、テスト細胞溶液として使用した。感染は、100μLの毛瘡白癬菌胞子懸濁液で湿らせた無菌ガーゼを用いて、各モルモットの後足の鉤爪3本に誘導し、これを2日おきに1回交換し、4週間密封した。
30μLの比較例1及び2、並びに実施例1、8、16及び24の本発明の各組成物を、爪ブラシで1日1回4週間局所的に塗布した。感染/未処置群は、陰性対照とみなした。4週間の処置後、動物を屠殺した。次いで、鉤爪を採取し、0.25%(w/v)トリプシン及び10mmmol/LのFeCl2を含有するリン酸緩衝生理食塩水中で均質化し、次いで37℃にて1時間消化した。100μLの均質化した溶液を、200μg/mlのシクロヘキシミド及び20μg/mlのクロラムフェニコールを含有するOA培地に接種し、30℃にて14日間培養した。培養後、生きている真菌のコロニーを計数し、処置効果を、生細胞数の平均値(Log CFU/爪)及び標準偏差により確認した。結果は、図1及び4に示されている。
図1は、比較例1及び様々な実施例によるin vivo抗真菌実験の結果を示すグラフである。図1に示されているように、爪白癬の原因微生物である毛瘡白癬菌に対する比較例1、並びに実施例1、8、16及び24の組成物の抗真菌効果は、処置前と比較して5から13倍上昇した。実施例1、8、16及び24の組成物の抗微生物活性は、比較例1の組成物のものと比較して2.6~3.3倍上昇した。したがって、エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩の混合製剤で構成される実施例1、8、16及び24の組成物は、エフィナコナゾール単一成分の調製物である比較例1の組成物のものよりはるかに有効であったことが確認された。また、爪白癬に対するエフィナコナゾールの抗真菌効果は、エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩の組合せにより上昇した。図1の結果を通して、本発明の様々な実施例による医薬組成物は、爪白癬及び体部白癬の処置にきわめて有効であることが確認された。
図4は、実施例1及び比較例2によるin vivo抗真菌実験の結果を示すグラフである。図4に示されているように、実施例1の組成物は、オクテニジン二塩酸塩単一成分の調製物である比較例2の組成物と比較して、著しく高い抗真菌効果を有していたことが確認された。
(2)緑膿菌
爪白癬に伴う緑色爪症候群の原因微生物である緑膿菌に対する抗微生物活性を確認するために、比較例1及び2、並びに実施例1、8、16及び24の組成物のin vivo抗微生物効能は、モルモット感染モデルを使用して評価した。
緑膿菌(ATCC9027)は、感染性微生物として適用した。テスト動物は、重さ400~600gの雄モルモットであった。モルモットは、1群につき動物3匹の3処置群に分けた。緑膿菌胞子懸濁液をTSA(トリプチックソイ寒天)培地に塗抹し、35±2℃にて16~24時間前培養した。1×107 CFU/mlの胞子懸濁液は、緑膿菌をCAMHB(カチオン調整Muller-Hintonブロス)培地中で希釈することにより調製し、テスト細胞溶液として使用した。感染症は、100μLの緑膿菌胞子懸濁液で湿らせた無菌ガーゼを用いて、各モルモットの後足の鉤爪3本に誘導し、これを2日おきに1回交換し、4週間密封した。30μLの比較例1及び2、並びに実施例1、8、16及び24の本発明の各組成物を、爪ブラシで1日1回4週間局所的に塗布した。感染/未処置群は、陰性対照とみなした。
4週間の処置後、動物を屠殺した。次いで、鉤爪を採取し、0.25%(w/v)トリプシン及び10mmmol/LのFeCl2を含有するリン酸緩衝生理食塩水中で均質化し、次いで37℃にて1時間消化した。100μLの均質化した溶液を、200μg/mlのシクロヘキシミド及び20μg/mlのクロラムフェニコールを含有するCAMHB(カチオン調整Muller-Hintonブロス)培地に接種し、30℃にて14日間培養した。培養した後で、生きている緑膿菌のコロニーを計数し、処置効果は、生細胞数の平均値(Log CFU/爪)及び標準偏差により確認した。結果は、図2及び5に示されている。
図2は、比較例1及び様々な実施例によるin vivo抗菌効果を示すグラフである。図2に示されているように、緑色爪症候群の原因微生物である緑膿菌に対する、比較例1、並びに実施例1、8、16及び24の組成物の抗真菌効果は、処置前と比較して、4から24倍上昇した。実施例1、8、16及び24の組成物の抗微生物活性は、比較例1の組成物のものと比較して、3.3~6.5倍上昇した。したがって、エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩の混合製剤で構成される実施例1、8、16及び24の組成物は、エフィナコナゾール単一成分の調製物である比較例1の組成物のものよりはるかに有効であったことが確認された。
図5は、実施例1及び比較例2によるin vivo抗菌効果を示すグラフである。図5に示されているように、実施例1の組成物は、オクテニジン二塩酸塩単一成分の調製物である比較例2の組成物と比較して、著しく高い抗微生物効果を有していたことが確認された。すなわち、エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩の混合製剤で構成される実施例1の組成物は、オクテニジン二塩酸塩単一成分の調製物である比較例2の組成物のものよりはるかに有効であった。
<実験例4>エフィナコナゾール透過性及び安定性の評価
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、エフィナコナゾールの含有量を分析するために、以下の条件下で行った。
*エフィナコナゾールの含有量の分析
- デバイス:Agilent 1100(DAD);時間に応じた濃度勾配
- カラム:Inertsil ODS3V(250×4.6mm、5.0μm)
- カラム温度:40℃
- 移動相:(a)緩衝液(b)アセトニトリル:メタノール(50:50体積%)
- 流量:1.0ml/分
- 検出器:UV検出器
- 検出波長:210nm
- 試料注射量:10.0μl
- 試料濃度:0.3mg/ml
*(a)緩衝液の調製:1.36gのKH2PO4及び2.16gの1-オクタンスルホン酸ナトリウムを、1,000mlの精製水中に溶解した後で、pHを2.5に調整し、続いて0.45μm膜フィルターで濾過し、脱気して、緩衝液を調製する。
**エフィナコナゾール含有量(重量%)=
試料におけるエフィナコナゾールの面積×標準材料の重量(mg)×100/標準材料におけるエフィナコナゾールの面積×試料の重量(mg)×(100-試料の乾燥における減量)
<実験例4-1>ヒト皮膚を使用した皮膚透過性の評価
エフィナコナゾールのヒト皮膚に対する皮膚透過性は、比較例1、並びに実施例1、8、16及び24の組成物を使用して、Franz拡散セルで評価した。HuSKin(Hans Biomed Co.)を、ヒト皮膚に使用した。これを2時間含水させ、200μlの各テスト試料をドナーコンパートメントに適用し、1.0%(w/v)Tween 80及び0.002%(w/v)硫酸カナマイシンを含有する5mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)をアクセプターコンパートメントに充填した。このとき、拡散面積は1.13cm2であった。試料の採取量は、各測定で200μlであり、アクセプターコンパートメント中の溶液に、採取量と同一の量を補った。撹拌速度は600rpmであり、温度は37±0.5℃であり、テストごとの繰り返し回数は3回であった。試料は、24時間及び48時間おきに採取した。オクテニジン二塩酸塩は、比較例1の組成物に含まれていなかったので、含有量の分析テストから排除し、得られた試料におけるエフィナコナゾールの含有量は、HPLC[Agilent 1100(DAD)]により分析した。
Figure 2022547755000014
表10に示されているように、実施例1、8、16及び24の組成物は、比較例1の組成物と比較して、24時間透過濃度で1.4~1.8倍高く、また48時間透過濃度で1.5~1.7倍透過濃度を呈した。したがって、エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩の混合製剤で構成される実施例1、8、16及び24の組成物は、エフィナコナゾール単一成分の調製物である比較例1の組成物より、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群の処置にはるかに有効であったことが確認された。
<実験例4-2>ウシ蹄を使用した爪透過性テスト
エフィナコナゾールのウシ蹄に対する透過性は、比較例1、並びに実施例1、8、16及び24の組成物を使用して評価した。ウシ蹄を約1.0mmの厚さの切片に切り、Franz拡散セル中に挿入し、2時間含水させた。200μlの各テスト試料をドナーコンパートメントに適用し、1.0%(w/v)Tween 80及び0.002%(w/v)硫酸カナマイシンを含有する5mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)をアクセプターコンパートメントに充填した。このとき、拡散面積は1.13cm2であった。試料の採取量は、各測定で200μlであり、アクセプターコンパートメント中の溶液に、採取量と同一の量を補った。撹拌速度は600rpmであり、温度は37±0.5℃であり、テストごとの繰り返し回数は3回であった。試料は、24時間及び48時間おきに採取した。オクテニジン二塩酸塩は、比較例1の組成物に含まれていなかったので、含有量の分析テストから排除し、得られた試料におけるエフィナコナゾールの含有量は、HPLC[Agilent 1100(DAD)]により分析した。結果は、表11に示されている。
Figure 2022547755000015
表11に示されているように、実施例1、8、16及び24の組成物は、比較例1の組成物と比較して、24時間透過濃度で1.5~1.7倍、また48時間透過濃度で1.5~1.7倍高い透過濃度を呈した。したがって、エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩の混合製剤で構成される実施例1、8、16及び24の組成物は、エフィナコナゾール単一成分の調製物である比較例1の組成物より、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群の処置にはるかに有効であったことが確認された。
<実験例4-3>人体における爪透過性の評価
健常な成人の人体から切った爪を得、PBSで洗浄し、生理食塩水で2時間含水させた。含水させた爪を、Franz拡散セル中に挿入した。100μlの各試料(比較例1、並びに実施例1、8、16及び24の組成物)をドナーコンパートメント中に1日1回10日間適用し、200μlの試料をアクセプターコンパートメントから採取した。1.0%(w/v)Tween 80及び0.002%(w/v)硫酸カナマイシンを含有する5mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)をアクセプターコンパートメントに充填した。このとき、拡散面積は1.13cm2であった。試料の採取量は、各測定で200μlであり、アクセプターコンパートメント中の溶液に、採取量と同一の量を補った。撹拌速度は600rpmであり、温度は32±0.5℃であり、テストごとの繰り返し回数は3回であった。試料を、1日目に1、3、7、13、21及び24時間で、また2日目から10日目に48時間おきに採取した。その間、オクテニジン二塩酸塩の累積透過濃度は、比較例1に含まれていなかったので、含有量の分析テストから排除した。得られた試料におけるエフィナコナゾールの含有量は、HPLC[Agilent 1100(DAD)]により分析した。得られた結果は、累積透過濃度(μg/ml)及び標準偏差の平均値として確認した。結果は、図3に示されている。
図3は、比較例1及び様々な実施例による、10日間蓄積されたエフィナコナゾールの透過濃度を示すグラフである。図3に示されているように、実施例1、8、16及び24の組成物は、比較例1の組成物と比較して、1日目の透過濃度で1.5~1.7倍、2日目の累積透過濃度で1.3~1.7倍、6日目の累積透過濃度で1.4~1.6倍、また10日目の累積透過濃度で1.4~1.5倍高い透過濃度を呈した。したがって、エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩の混合製剤で構成される実施例1、8、16及び24の組成物は、エフィナコナゾール単一成分の調製物である比較例1の組成物より、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群の処置にはるかに有効であったことが確認された。
<実験例4-4>安定性テスト
比較例1(エフィナコナゾール単一成分の調製物)、並びに実施例1~31(エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩の混合製剤)の組成物を、20ml透明バイアル中に入れ(10ml/バイアル)、これに封をし、65℃にて5週間(35日間)保存した。試料のUV/VIS吸収スペクトルは、初期及び65℃にて5週間後に測定した。吸光度は、Mega-800分光計(Scinco、Korea)を使用して様々な波長(400nm、500nm及び600nm)で測定した。吸光度のカットオフ値は、400nmで0.3AU(吸光度単位)、500nmで0.1AU及び600nmで0.1AU以下であった。結果は、表12、13及び14に示されている。
Figure 2022547755000016
Figure 2022547755000017
Figure 2022547755000018
表12~14に示されているように、実施例1~31の組成物は、比較例1の組成物と比較して、約2倍以上の安定性を示した。さらに、実施例8~15の組成物及び実施例24~31の組成物の結果を通して、ポビドンを添加した場合でも、主な成分の含有量に著しい変化はなかったことが確認された。
<実験例5>オクテニジン透過性及び安定性の評価
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、オクテニジン二塩酸塩の含有量を分析するために、以下の条件下で行った。
*オクテニジン二塩酸塩の含有量の分析
- デバイス:Agilent 1100(DAD);時間に応じた濃度勾配
- カラム:Zorbax Eclipse XDB-C8(150×4.6mm、5.0μm)
- カラム温度:15.0℃
- 移動相:メタノール
- 検出器:UV検出器
- 検出波長:220nm
- 試料注射量:5.0μl
- 試料濃度:0.1mg/ml
- 内部標準物質:ブチルパラベン
*オクテニジン二塩酸塩の含有量(重量%)=
内部標準物質の量×オクテニジン二塩酸塩の面積×100×希釈係数/試料の量×内部標準物質の面積
<実験例5-1>ヒト皮膚を使用した皮膚透過性の評価
オクテニジン二塩酸塩のヒト皮膚に対する皮膚透過性は、実施例1及び比較例2の組成物を使用して、Franz拡散セルで評価した。HuSKin(Hans Biomed Co.)をヒト皮膚に使用した。これを2時間含水させ、200μlの各テスト試料をドナーコンパートメント中に適用し、1.0%(w/v)Tween 80及び0.002%(w/v)硫酸カナマイシンを含有する5mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)をアクセプターコンパートメントに充填した。このとき、拡散面積は1.13cm2であった。試料の採取量は、各測定で200μlであり、アクセプターコンパートメント中の溶液に、採取量と同一の量を補った。撹拌速度は600rpmであり、温度は37±0.5℃であり、テストごとの繰り返し回数は3回であった。試料は、24時間及び48時間おきに採取した。得られた試料におけるオクテニジン二塩酸塩の含有量は、HPLC[Agilent 1100(DAD)]により分析した。結果は、表15に示されている。
Figure 2022547755000019
表15に示されているように、実施例1の組成物は、比較例2の組成物と比較して、24時間透過濃度で1.5倍、48時間透過濃度で1.4倍高い透過濃度を呈した。したがって、エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩の混合製剤で構成される実施例1の組成物は、オクテニジン二塩酸塩単一成分の調製物である比較例2の組成物より、緑色爪症候群の処置にはるかに有効であったことが確認された。
<実験例5-2>ウシ蹄を使用した爪透過性テスト
オクテニジン二塩酸塩のウシ蹄に対する透過性は、実施例1及び比較例2の組成物を使用して評価した。ウシ蹄は、約1.0mmの厚さの切片に切り、Franz拡散セル中に挿入し、2時間含水させた。200μlの各テスト試料をドナーコンパートメント中に適用し、1.0%(w/v)Tween 80及び0.002%(w/v)硫酸カナマイシンを含有する5mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)をアクセプターコンパートメントに充填した。このとき、拡散面積は1.13cm2であった。試料の採取量は、各測定で200μlであり、アクセプターコンパートメント中の溶液に、採取量と同一の量を補った。撹拌速度は600rpmであり、温度は37±0.5℃であり、テストごとの繰り返し回数は3回であった。試料は、24時間及び48時間おきに採取した。得られた試料におけるオクテニジン二塩酸塩の含有量は、HPLC[Agilent 1100(DAD)]により分析した。結果は、表16に示されている。
Figure 2022547755000020
表16に示されているように、実施例1の組成物は、比較例2の組成物と比較して、24時間透過濃度で1.4倍、また48時間透過濃度で1.6倍高い透過濃度を呈した。したがって、エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩の混合製剤で構成される実施例1の組成物は、オクテニジン二塩酸塩単一成分の調製物である比較例2の組成物より、緑色爪症候群の処置にはるかに有効であったことが確認された。
<実験例5-3>人体における爪透過性の評価
健常な成人の人体から切った爪を得、PBSで洗浄し、生理食塩水中で2時間含水させた。含水させた爪をFranz拡散セル中に挿入した。100μlの各試料(実施例1及び比較例2の組成物)をドナーコンパートメント中に1日1回10日間適用し、200μlの試料をアクセプターコンパートメントから採取した。1.0%(w/v)Tween 80及び0.002%(w/v)硫酸カナマイシンを含有する5mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)をアクセプターコンパートメントに充填した。このとき、拡散面積は1.13cm2であった。試料の採取量は、各測定で200μlであり、アクセプターコンパートメント中の溶液に、採取量と同一の量を補った。撹拌速度は600rpmであり、温度は32±0.5℃であり、テストごとの繰り返し回数は3回であった。試料を、1日目に1、3、7、13、21及び24時間で、また2日目から10日目に48時間おきに採取した。得られた試料におけるオクテニジン二塩酸塩の含有量は、HPLC[Agilent 1100(DAD)]により分析した。得られた結果は、累積透過濃度(μg/ml)の平均値及び標準偏差として確認した。結果は、図6に示されている。
図6は、実施例1及び比較例2による、10日間蓄積されたオクテニジン二塩酸塩の透過濃度を示すグラフである。図6で示されているように、実施例1の組成物は、比較例1の組成物と比較して、1日目の透過濃度で1.5倍、2日目の累積透過濃度で1.4倍、6日目の累積透過濃度で1.6倍、また10日目の累積透過濃度で1.5倍高い透過濃度を呈した。したがって、エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩の混合製剤で構成される実施例1の組成物は、オクテニジン二塩酸塩単一成分の調製物である比較例2の組成物より、緑色爪症候群の処置にはるかに有効であったことが確認された。
<実験例5-4>安定性テスト
実施例1(エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩の混合製剤)及び比較例2(オクテニジン二塩酸塩単一成分の調製物)の組成物を、20ml透明バイアル(10ml/バイアル)中に入れ、これに封をし、65℃にて5週間(35日間)保存した。試料のUV/VIS吸収スペクトルは、初期及び65℃にて5週間後に測定した。吸光度は、Mega-800分光計(Scinco、Korea)を使用して様々な波長(400nm、500nm及び600nm)で測定した。吸光度のカットオフ値は、400nmで0.3AU(吸光度単位)、500nmで0.1AU及び600nmで0.1AU以下であった。結果は、表17、18及び19に示されている。
Figure 2022547755000021
Figure 2022547755000022
Figure 2022547755000023
表17~19で示されているように、実施例1の組成物は、オクテニジン二塩酸塩単一成分の調製物である比較例2の組成物と比較して、きわめて安定であった。実施例1の組成物の400nmでの吸光度は、6.4%まで上昇した一方、比較例2の組成物は、17.2%まで上昇した。実施例1の組成物の500nmでの吸光度は、8.7%まで上昇した一方、比較例2の組成物は、17.9%まで上昇した。実施例1の組成物の600nmでの吸光度は、8.1%まで上昇した一方、比較例2の組成物は、18.5%まで上昇した。したがって、エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩の混合製剤で構成される実施例1の組成物の安定性は、オクテニジン二塩酸塩単一成分の調製物である比較例2の組成物を上回ることが確認された。
[実施例32~43]
エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩を含有する実施例32~43の溶液を、表20に示されている成分及び組成物に従って調製した。表20において指し示されている各成分の含有量は、溶液全体に対する重量%を表す。まず、ストック溶液は、エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩をエタノールに溶解することにより調製した。エフィナコナゾール及びオクテニジン二塩酸塩を含有するエタノール溶液を、室温にて容器に入れた後で、1,2-ヘキサンジオール、メチルプロパンジオール、グリセリン、ブチルヒドロキシアニソール、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、コハク酸及び精製水を順次添加した。エタノールを、それにさらに添加して、総重量%(100w/w%)を調整し、混合物を0.45μmフィルターで濾過して、透明溶液を調製した。調製した溶液のpHは5~7であった。各溶液50グラムの表面張力は、表面張力計(Easy Dyne K20、KRUESS)を使用して室温にて(21~25℃)測定した。結果として、調製した溶液の密度は、0.7~0.95g/cm3であり、表面張力は、18~35dyn/cmであった。
Figure 2022547755000024
<実験例6>抗微生物活性を評価する感受性テスト
抗微生物活性は、実験例1に記載されているものと同一の手段で評価した。各微生物に対する実施例32~43の組成物の最小阻害濃度(MIC90)を比較し、結果は、表21に示されている。
Figure 2022547755000025
表21で示されているように、爪の真菌、グラム陽性及びグラム陰性菌に対する実施例32~43の組成物の抗微生物活性は、オクテニジン二塩酸塩を含有しない比較例1の組成物のものと比較して著しく上昇した。上で言及されているように、実施例32~43の医薬組成物は、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群の原因微生物に対する感受性テストの良好な結果を示したので、組成物は、上で言及されている原因微生物を処置でき、同時に臨床処置の優れた結果を示すことができると予想される。
上に記載されているように、本発明の組成物は、白癬(例えば、爪白癬及び体部白癬)に対して優れた治療効果を有し、緑色爪症候群も処置できるという点において利点を有する。さらに、本発明の組成物は、従来のエフィナコナゾール単一成分の調製物よりはるかに高い抗真菌効果を有し、グラム陰性菌(例えば緑膿菌)及びグラム陽性菌(例えば黄色ブドウ球菌)に対して優れた抗菌効果を有し、その結果組成物は、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群の少なくとも1つの防止又は処置に適用され得る。さらに、本発明の組成物は、迅速な抗菌効果のため高い服薬コンプライアンスを示し、皮膚又は爪への素早い薬物浸透速度及び優れた薬物透過性を示す。さらに、本発明の医薬組成物は、65℃にて5週間以上保存された場合でも、物理的性質の変化(例えば沈殿又は変色の発生、活性成分含有量の変化)をきたさないので、組成物の安定性を確保できる。
本発明者らは、既存のエフィナコナゾール単一成分の調製物により呈される、爪白癬に対する治療効果をさらに改善するため、また、長期の保存中でも、物理的性質の変化、例えば変色を伴わずに、安定性に優れた医薬組成物を開発するために、様々な研究を実施した。
結果として、本発明者らは、エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩;及びオクテニジン又は医薬として許容できるその塩を活性成分として含む組成物が、グラム陰性菌(例えば緑膿菌)及びグラム陽性菌(例えば黄色ブドウ球菌)に対して、際立って上昇した抗真菌活性、及び優れた抗菌活性を有し、皮膚又は爪への素早い薬物浸透速度を呈し、優れた薬物透過性を有し、65℃にて5週間以上保存された場合でも、優れた安定性を呈すると明らかにすることにより、本発明の医薬組成物の技術を達成した。
すなわち、本発明の様々な実施例の組成物は、抗真菌及び抗菌効果を含む幅広い抗微生物効果を有するので、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群の原因微生物を同時に処置し、優れた治療効果を達成することが可能である。さらに、本発明の組成物は、皮膚及び爪への改善した薬物透過性を呈し、高温にて熱安定性を維持でき、その結果、治療目的のための医薬組成物として、より効率的且つ有用に使用できる。
本発明の様々な実施例によれば、シクロメチコンは、本発明の組成物に含まれていないので、シクロメチコンによる環境への有害性の問題を解決することが可能である。
さらに、本発明の様々な実施例によれば、産業上の安全性(例えば保存、取扱い及び/又は輸送中の安全性)は、ビヒクルの含有量を制御し、その結果可燃性溶媒(例えばエタノール)の含有量が、組成物の総重量内で減少することにより改善できる。
上で言及されているように、本発明は、例を通して詳細に記載されているが、上の記載されている例は、本発明の好ましい例で記載されているだけにすぎないので、本発明が、例にのみ限定されると理解されるべきではなく、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその等価物によって理解されるべきである。
本発明の組成物は、抗真菌及び抗菌効果を含む幅広い抗微生物効果を有するので、爪白癬、体部白癬及び緑色爪症候群の原因微生物を同時に処置し、優れた治療効果を達成することが可能である。さらに、本発明の組成物は、皮膚及び爪への改善した薬物透過性を呈し、高温で熱安定性を維持できるので、治療目的のための医薬組成物としてより効率的且つ有用に使用できる。
さらに、本発明の実施例によれば、産業上の安全性(例えば保存、取扱い及び/又は輸送中の安全性)は、ビヒクルの含有量を制御し、その結果可燃性溶媒(例えばエタノール)の含有量が、組成物の総重量内で減少することにより改善できる。
さらに、本発明の実施例によれば、産業上の安全性(例えば保存、取扱い及び/又は輸送中の安全性)は、ビヒクルの含有量を制御し、その結果可燃性溶媒(例えばエタノール)の含有量が、組成物の総重量内で減少することにより改善できる。
(付記)
(付記1)
エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩、及びオクテニジン又は医薬として許容できるその塩を、活性成分として含む、白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
(付記2)
白癬が、爪白癬、体部白癬又は緑色爪症候群である、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
(付記3)
エフィナコナゾールの医薬として許容できる塩が、無機イオン性塩、無機酸塩、有機酸塩、スルホン酸塩、アミノ酸塩及びアミン塩からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
(付記4)
エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩の含有量が、組成物の総重量に対して、0.001~20重量%である、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
(付記5)
オクテニジンの医薬として許容できる塩が、無機イオン性塩、無機酸塩、有機酸塩、スルホン酸塩、アミノ酸塩及びアミン塩からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
(付記6)
オクテニジン又は医薬として許容できるその塩の含有量が、組成物の総重量に対して、0.001~10重量%である、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
(付記7)
医薬組成物が、添加剤をさらに含み、添加剤が、溶媒、抗酸化剤、キレート剤、浸透剤、フィルム形成剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、乳化剤、感圧接着剤、界面活性剤、ゲル化剤、可溶化剤、緩衝剤、湿潤剤、浸透圧調節剤、エーロゾル噴射剤、甘味剤、着色剤、香味剤、安定化剤、ベース、pH改変剤及びビヒクルからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
(付記8)
カールフィッシャー法により測定される医薬組成物の水の含有量が、0.001~95%である、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
(付記9)
医薬組成物のpHが2~10である、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
(付記10)
医薬組成物の表面張力が、1~75dyn/cmである、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
(付記11)
液剤、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉末成形体、ペースト剤、スティック剤、貼付剤、パッチ剤、錠剤、散剤、粒剤、カプセル剤、ガム剤、トローチ剤、粘膜付着剤、吸入剤、マイクロカプセル剤、洗剤、浴用剤、注射剤、坐剤、リポソーム剤及び噴霧剤からなる群から選択される剤形を有する、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
(付記12)
医薬組成物の密度が、0.001~2g/cm 3 である、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
(付記13)
吸入又は経口調製物、外用調製物を含む非経口調製物及び注射剤の形態で製剤化される、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
(付記14)
医薬組成物の一日投与量が、0.0001~300g/日である、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
(付記15)
無色又は淡黄色であり、65℃にて少なくとも5週間保存した後でも、同一の色を維持する、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
(付記16)
白癬を防止又は処置するための医薬を調製するための、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物の使用。
(付記17)
請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物を、白癬を有する患者に投与することによる、白癬を防止又は処置する方法。

Claims (17)

  1. エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩、及びオクテニジン又は医薬として許容できるその塩を、活性成分として含む、白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
  2. 白癬が、爪白癬、体部白癬又は緑色爪症候群である、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
  3. エフィナコナゾールの医薬として許容できる塩が、無機イオン性塩、無機酸塩、有機酸塩、スルホン酸塩、アミノ酸塩及びアミン塩からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
  4. エフィナコナゾール又は医薬として許容できるその塩の含有量が、組成物の総重量に対して、0.001~20重量%である、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
  5. オクテニジンの医薬として許容できる塩が、無機イオン性塩、無機酸塩、有機酸塩、スルホン酸塩、アミノ酸塩及びアミン塩からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
  6. オクテニジン又は医薬として許容できるその塩の含有量が、組成物の総重量に対して、0.001~10重量%である、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
  7. 医薬組成物が、添加剤をさらに含み、添加剤が、溶媒、抗酸化剤、キレート剤、浸透剤、フィルム形成剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、乳化剤、感圧接着剤、界面活性剤、ゲル化剤、可溶化剤、緩衝剤、湿潤剤、浸透圧調節剤、エーロゾル噴射剤、甘味剤、着色剤、香味剤、安定化剤、ベース、pH改変剤及びビヒクルからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
  8. カールフィッシャー法により測定される医薬組成物の水の含有量が、0.001~95%である、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
  9. 医薬組成物のpHが2~10である、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
  10. 医薬組成物の表面張力が、1~75dyn/cmである、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
  11. 液剤、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、エマルション剤、懸濁液剤、粉末成形体、ペースト剤、スティック剤、貼付剤、パッチ剤、錠剤、散剤、粒剤、カプセル剤、ガム剤、トローチ剤、粘膜付着剤、吸入剤、マイクロカプセル剤、洗剤、浴用剤、注射剤、坐剤、リポソーム剤及び噴霧剤からなる群から選択される剤形を有する、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
  12. 医薬組成物の密度が、0.001~2g/cm3である、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
  13. 吸入又は経口調製物、外用調製物を含む非経口調製物及び注射剤の形態で製剤化される、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
  14. 医薬組成物の一日投与量が、0.0001~300g/日である、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
  15. 無色又は淡黄色であり、65℃にて少なくとも5週間保存した後でも、同一の色を維持する、請求項1に記載の白癬を防止又は処置するための医薬組成物。
  16. 白癬を防止又は処置するための医薬を調製するための、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  17. 請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物を、白癬を有する患者に投与することによる、白癬を防止又は処置する方法。
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