JP2022547308A - ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスを用いてガラスリボンを形成する連続的方法 - Google Patents

ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスを用いてガラスリボンを形成する連続的方法 Download PDF

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Abstract

ガラスリボンを形成する方法は:溶融ガラスを、幅(Wcast)及び厚さ(Tcast)を有する鋳造装置に流し込んで、鋳造ガラスを形成するステップ;上記鋳造装置内の上記鋳造ガラスを、108ポアズ以上の粘度まで冷却するステップ;上記鋳造ガラスを上記鋳造装置から搬送するステップ;ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスを用いて、上記鋳造ガラスを106ポアズ以下の平均粘度まで体積加熱するステップ;並びに上記鋳造ガラスを、上記鋳造装置の上記幅(Wcast)以下の幅(Wgr)及び上記鋳造装置の上記厚さ(Tcast)未満の厚さ(Tgr)を有するガラスリボンへと、ドロー加工するステップを含む。

Description

優先権
本出願は、2019年9月13日出願の米国仮特許出願第62/900,039号に対する優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は依拠され、参照によりその全体が本出願に援用される。
本開示は一般にガラスリボンの作製方法に関し、より詳細には、比較的低い液相粘度を有するガラス組成物から、高い寸法安定性を有するガラスリボンを作製する、連続的な方法に関する。
高い屈折率を有する組成物を含む、低い液相粘度を有するガラス組成物から、光学部品を作製する従来の方法は、極めてコストが高く、これらの方法から得られる溶融ガラスの利用率は低い。典型的には、これらの方法は、上記組成物を、最終製品の厚さより大幅に大きな厚さを有する長いバーへと鋳造するステップを含む。即ちこれらの成形方法は、最終製品の形状及び寸法を得るために追加の加工が必要な、鋳造バーを製造する。
これらの鋳造バーの追加の加工は、多くの場合広範囲に及ぶ。特に、鋳造バーを複数のディスクへと切断する。続いてこれらのディスクを研削して、その外径を最終製品の最終的な外径まで研磨する。次にディスクを、おおよそ最終製品の厚さへとワイヤーソーで切断し、続いて相当な回数の研削及び研磨ステップに供して、最終製品の必要な反り及び寸法均一性を達成する。よって、これらのガラス組成物から光学部品を形成するための従来のプロセスは、コストが高い上に溶融ガラスの利用率が低い。
従って、低い液相粘度を有するガラス組成物から光学部品を作製するための改良された方法が必要とされている。
第1の実施形態によると、ガラスリボンを形成する方法は:溶融ガラスを、幅(Wcast)及び厚さ(Tcast)を有する鋳造装置に流し込んで、鋳造ガラスを形成するステップ;上記鋳造装置内の上記鋳造ガラスを、10ポアズ以上の粘度まで冷却するステップ;上記鋳造ガラスを上記鋳造装置から搬送するステップ;ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスを用いて、上記鋳造ガラスを10ポアズ以下の平均粘度まで体積加熱するステップ;並びに上記鋳造ガラスを、上記鋳造装置の上記幅(Wcast)以下の幅(Wgr)及び上記鋳造装置の上記厚さ(Tcast)未満の厚さ(Tgr)を有するガラスリボンへと、ドロー加工するステップを含む。
第2の実施形態は、体積加熱中、上記鋳造ガラスの温度が15℃/秒以上の加熱速度で上昇する、第1の実施形態に記載の方法を含む。
第3の実施形態は、上記鋳造ガラスを体積加熱する上記ステップが、0.5秒~10秒の加熱期間にわたって行われる、第1の実施形態又は第2の実施形態に記載の方法を含む。
第4の実施形態は、体積加熱中、上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスが、1×10W/m以上の電力強度を有するマイクロ波ビームを生成する、第1~3の実施形態のいずれかに記載の方法を含む。
第5の実施形態は、体積加熱中、上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスが、10GHz~300GHzの周波数を有するマイクロ波ビームを生成する、第1~4の実施形態のいずれかに記載の方法を含む。
第6の実施形態は、上記鋳造ガラスが、第1の大面と、上記第1の大面の反対側の第2の大面と、上記第1の大面から上記第2の大面まで延在し、上記第1の大面及び上記第2の大面から等距離に配置された中央領域を有する、ガラス本体とを有し、上記鋳造ガラスの体積加熱中、上記鋳造ガラスの上記ガラス本体の上記中央領域の温度が、上記鋳造ガラスの上記第1の大面の温度、及び上記鋳造ガラスの上記第2の大面の温度以上である、第1~5の実施形態のいずれかに記載の方法を含む。
第7の実施形態は、体積加熱中、上記鋳造ガラスの上記中央領域が750℃以上の温度に達する、第6の実施形態に記載の方法を含む。
第8の実施形態は、体積加熱中、上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスがマイクロ波ビームを生成し、上記マイクロ波ビームの断面が、上記鋳造装置の上記幅(Wcast)より大きな幅を有する、第1~7の実施形態のいずれかに記載の方法を含む。
第9の実施形態は、上記鋳造装置の上記幅(Wcast)が100mm~1mであり、上記鋳造装置の上記厚さ(Tcast)が10mm~50mmである、第1~8の実施形態のいずれかに記載の方法を含む。
第10の実施形態は、上記鋳造装置から搬送される際、上記鋳造ガラスが12mm以上の厚さ(Tcg)を有する、第1~9の実施形態のいずれかに記載の方法を含む。
第11の実施形態は、上記鋳造ガラスが上記鋳造装置内で、700℃以下50℃以上の温度まで冷却される、第1~10の実施形態のいずれかに記載の方法を含む。
第12の実施形態は、上記鋳造ガラスのいずれの結晶相の最高結晶成長速度が0.01μm/分~10μm/分である、第1~11の実施形態のいずれかに記載の方法を含む。
第13の実施形態は、上記鋳造装置に流れ込む上記溶融ガラスが、ホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、フッケイ酸ガラス、リンケイ酸ガラス、フツリン酸ガラス、硫黄リン酸ガラス、ゲルマン酸ガラス、バナジン酸ガラス、ホウ酸ガラス、又はリン酸ガラスである、第1~12の実施形態のいずれかに記載の方法を含む。
第14の実施形態は、上記鋳造装置に流れ込む上記溶融ガラスが、5×10ポアズ以下の粘度及び1000℃以上の温度を有する、第1~13の実施形態のいずれかに記載の方法を含む。
第15の実施形態は、上記鋳造装置に流れ込む上記溶融ガラスが50ポアズ以下の粘度を有する、第14の実施形態に記載の方法を含む。
第16の実施形態は、上記ガラスリボンの上記厚さ(Tgr)が0.3mm~1mmである、第1~15の実施形態のいずれかに記載の方法を含む。
第17の実施形態は、上記ガラスリボンが1.6~1.9の屈折率を有する、第1~16の実施形態のいずれかに記載の方法を含む。
第18の実施形態は、上記ガラスリボンが、0.01μm~50μmの厚さ変動、及び0.01μm~100μmの反りを有する、第1~17の実施形態のいずれかに記載の方法を含む。
第19の実施形態によると、ガラス成形システムは、溶融装置、鋳造装置、複数の縁部ローラ、及びジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスを含む。上記溶融装置は、ドロー経路に沿って上記鋳造装置の上流に配置され、ガラスを上記鋳造装置に流し込むように構成される。上記鋳造装置は幅(Wcast)及び厚さ(Tcast)を有し、ガラスを冷却するように構成される。上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスは、上記ドロー経路の第1の側部に、上記ドロー経路に沿って上記鋳造装置の下流に配置されたビーム出口を有し、また上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスは、上記ドロー経路に沿って搬送されるガラスを体積加熱するように構成される。上記複数の縁部ローラは、上記ドロー経路に沿って、上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスの上記ビーム出口の下流に配置され、上記ドロー経路の第1の側部に配置された第1の縁部ローラと、上記ドロー経路の第2の側部に配置された第2の縁部ローラとを含む。
第20の実施形態は、上記ドロー経路に沿って、上記鋳造装置の下流かつ上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスの上記ビーム出口の上流に配置された、複数の牽引装置を更に含み、上記複数の牽引装置が、上記ドロー経路の第1の側部に配置された第1の牽引装置と、上記ドロー経路の第2の側部に配置された第2の牽引装置とを含む、第19の実施形態に記載のガラス成形システムを含む。
第21の実施形態は、マイクロ波遮蔽デバイスで取り囲まれたマイクロ波吸収デバイスを有するマイクロ波制御構造を更に含み、上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスの上記ビーム出口が上記マイクロ波制御構造内へと延在する、第19の実施形態又は第20の実施形態に記載のガラス成形システムを含む。
第22の実施形態は、上記溶融装置がオーバーフロー溶融装置である、第19の実施形態~第21の実施形態のいずれかに記載の方法を含む。
第23の実施形態は、上記ドロー経路に沿って、上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスの上記ビーム出口の上流に配置された、複数の二次加熱デバイスを更に含む、第19の実施形態~第22の実施形態のいずれかに記載のガラス成形システムを含む。
第24の実施形態は、上記複数の二次加熱デバイスが、1つ以上の対流式ヒータ、1つ以上の赤外線ヒータ、又はこれらの組み合わせを含む、第23の実施形態に記載のガラス成形システムを含む。
更なる特徴及び利点は以下の「発明を実施するための形態」に記載されており、また当業者には「発明を実施するための形態」から容易に明らかとなるか、又は以下の「発明を実施するための形態」、特許請求の範囲、及び添付の図面を含む本明細書に記載されている実施形態を実践することによって、容易に認識されるだろう。
上述の「発明の概要」及び以下の「発明を実施するための形態」の両方は、様々な実施形態を記載し、請求対象の主題の性質及び特徴を理解するための概説又は枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。
添付の図面は、上記様々な実施形態の更なる理解を提供するために含まれており、本明細書の一部に組み込まれて本明細書の一部を構成する。図面は本明細書に記載の上記様々な実施形態を図示し、本説明と併せて、請求対象の主題の原理及び動作を説明する役割を果たす。
本開示の具体的実施形態に関する以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読んだ場合に最もよく理解できる。これらの図面では、類似の構造は類似の参照番号で示されている。
本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、ガラスリボンを作製する方法を示すフローチャート 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、溶融装置、鋳造装置、及びジャイロトロンマイクロ波加熱デバイを有するガラス成形システムのある実施形態の概略側面図 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図2のガラス成形システムの概略正面図 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図3の線A‐Aに沿って得られる図3のガラス成形システムの断面図 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、加熱プロセスに供されている鋳造ガラスの部分斜視図 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、ガラスを流すためのアイソパイプを備えるオーバーフロー溶融装置の概略正面図 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、図6Aのオーバーフロー溶融装置の概略側面図 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、鋳造ガラスの体積加熱中の、鋳造ガラスの厚さにわたる温度プロファイルを示すグラフ 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、異なる熱源を用いた鋳造ガラスの加熱中の、鋳造ガラスの平均温度を示すグラフ 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、単一のジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスを用いた鋳造ガラスの体積加熱中の、鋳造ガラスの体積損失密度分布を示すグラフ 本明細書で図示及び説明される1つ以上の実施形態による、2つのジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスを用いた鋳造ガラスの体積加熱中の、鋳造ガラスの体積損失密度分布を示すグラフ
これより、ガラスリボンを作製するための方法及びシステム、より詳細には、比較的低い液相粘度(例えば<5×10ポアズ)及び/又は比較的高い屈折率を有するガラス組成物から光学部品用のガラスリボンを作製する連続的方法の実施形態について、詳細な言及を行う。一例として、拡張現実システムは、ますます小さな光学系、及び全体として大きな視野を形成する複数のディスプレイを必要としている。拡張現実ディスプレイとしての使用に好適なガラス基板は、薄く(例えば0.3mm~1.0mm)、高い屈折率(例えば1.60~1.80)を有し、可視スペクトルにおいて高い透過率(例えば99%以上)を有し、また合計厚さ変動が小さい(例えば1μm以下)。しかしながら、拡張現実ディスプレイの形成に使用される現行のガラス組成物は、10ポアズ等の極めて低い粘度で溶解するため、現行のフュージョン成形技法を用いたフュージョン成形が困難である。拡張現実ディスプレイ用ガラスといった低粘度で溶解するガラスを成形する現行の方法は、ガラス溶融物を複数のブロックへと鋳造し、これを薄いシートにスライスした後、必要な厚さへと研削及び研磨するステップを含む。しかしながら、このプロセスを用いた拡張現実ディスプレイ用ガラスの成形には極めて高いコストがかかり、大規模産業への採用が限定される。よって、低い液相粘度を有するガラスを成形するための改良された方法が必要とされている。
本明細書に記載の実施形態では、ガラスリボンを形成するための、連続鋳造及びドロー加工方法が説明される。本明細書に記載の実施形態を用いて形成されたガラスリボンは、拡張現実ディスプレイとして有用なガラス組成物等の、低粘度のガラス組成物の成形に使用できる。本明細書に記載の連続鋳造及びドロー加工方法は、溶融ガラスを鋳造装置に流し込んで鋳造ガラスを形成するステップ、上記鋳造ガラスを上記鋳造装置内で冷却するステップ、上記鋳造ガラスを上記鋳造装置から搬送するステップ、及び上記鋳造ガラスを加熱して、薄いガラスリボンへとドロー加工するステップを含む。更に、本明細書に記載の連続鋳造及びドロー加工方法の間、特に有利なことに、再加熱ステップは迅速に、かつ鋳造ガラスの厚さにわたって比較的均一に実施される。というのは、加熱時のガラスの厚さにわたるガラス温度の均一さによって、ガラスの失透及び光学的欠陥の形成が最小限に抑えられる、又は排除されるためである。しかしながら、赤外線加熱等の標準的な加熱方法は、望ましい迅速かつ均一な加熱を達成するには不十分である場合がある。よって本明細書の方法は、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスを使用して、鋳造ガラスが鋳造装置を出た後に、ガラスの狭い領域に加熱を集中させて鋳造ガラスを高速で体積加熱し、その後鋳造ガラスを、欠陥の形成が最小限の薄いガラスリボンへとドロー加工する。本明細書に記載の連続鋳造及びドロー加工方法によって、拡張現実用途のためのディスプレイガラスの大規模製造が、比較的低いコストで可能となる。ガラスリボンは、高い寸法安定性及び小さな反りを有し、拡張現実用途のためのディスプレイガラスといった所望の最終製品の寸法に相当する最終寸法で製造される。従って、ガラスリボンには最小限の後加工しか必要なく、これによって製造コストが低減され、また廃棄物が減少する。本明細書では、ガラスリボンを形成するためのプロセス及びシステムの様々な実施形態を、添付の図面を具体的に参照しながら説明する。
本明細書中で使用される場合、用語「上限液相粘度(upper liquidus viscosity)」及び「上限液相線温度(upper liquidus temperature)」はそれぞれ、本開示の物品及び方法で採用されるガラスの、該ガラスが結晶を含まない均質な溶融物を形成するような粘度及び温度を指す。更に本明細書では、用語「上限液相粘度」と「液相粘度(liquidus viscosity)」とは相互交換可能なものとして使用され、また用語「上限液相線温度」と「液相線温度(liquidus temperature)」とは相互交換可能なものとして使用される。
また本明細書中で使用される場合、「下限液相粘度(lower liquidus viscosity)」及び「下限液相線温度(lower liquidus temperature)」はそれぞれ、本開示の物品及び方法で採用されるガラスの、該ガラスが1つ以上の結晶相の成長に影響され得るような粘度及び温度を指す。
本明細書中で使用される場合、本開示の物品及び方法で採用されるガラスの「失透ゾーン(devitrification zone)」は、上限液相線温度から下限液相線温度までによって与えられる温度範囲、例えば該ガラスが、0.01μm/分を超える1つ以上の結晶相の結晶成長を経験するような温度範囲である。
本明細書中で使用される場合、本開示の物品及び方法で採用されるガラスの「平均粘度(average viscosity)」は、本開示のガラス、ガラスリボン、ガラスシート、又は他の物品の粘度であって、言及されているプロセス又は方法ステップ(例えばドロー加工)の間に、該物品のある範囲に対して、平均粘度値を確認するために十分な持続時間にわたって、本開示の分野の当業者には理解される分析及び測定方法に従って測定された、粘度を指す。本明細書中で使用される場合、粘度及び平均粘度はまず、溶融ガラスと、ガラス中に浸漬される熱電対を備えるスピンドルとを内包する回転るつぼを用いた、ASTM規格(C‐695)実験室内測定を用いて、決定される。ASTM規格(C‐695)実験室内測定は、異なるガラス温度におけるガラス粘度を測定するものである。次に、本明細書に記載の方法の鋳造ステップ(即ち溶融ガラスが鋳造装置を通って流れる際に溶融ガラスを冷却するステップ)の間に、ガラス中及び鋳造装置内の両方に配置された熱電対(例えば合計50個の熱電対)を用いて、ガラス温度を測定する。続いて、ASTM規格(C‐695)実験室内測定からの実験室内測定を用いて、平均粘度等の対応する粘度を決定するために、測定された温度を用いることができる。更に、熱電対が鋳造装置内及びガラス中の両方に配置されていることにより、これらの熱電対を用いて、ガラスの大面におけるガラスの温度と、ガラスの厚さを通るガラスの温度、例えばガラスの中央領域の温度とを測定できる。
本明細書中で使用される場合、用語「連続的(continuous)」は、ガラスシート、リボン、及び他の物品を、アニーリング又は再ドロー加工といったいずれの中間及び/又は冷却後熱加工を必要とすることなく形成するよう構成された、本開示の方法及びプロセスを指す。換言すれば、本開示のプロセス及び方法は、ドロー加工ステップより前には切断又は分割されていない、ガラスシート、ガラスリボン、及び他の物品を形成するよう構成される。
本明細書中で使用される場合、「最高結晶成長速度(maximum crystal growth rate)」は、言及されている温度における、又は言及されている温度範囲内における、本開示の物品及び方法で採用されるガラスのいずれの結晶相の、例えばμm/分を単位とした最高成長速度を指す。理論によって束縛されることを意図したものではないが、最高結晶成長速度を超える速度で成長した結晶によって、ガラスがディスプレイ用途での使用には望ましくないものとなる可能性がある。また本明細書中で使用される場合、「結晶成長速度(crystal growth rate)」は、言及されている温度における、又は言及されている温度範囲内における、本開示の物品及び方法で採用されるガラスのいずれの結晶相の、例えばμm/分を単位とした成長速度を指す。理論によって束縛されることを意図したものではないが、結晶は、溶融ガラスをその液相線温度(これはガラスの組成によって変化する)から冷却したときに形成され得る。典型的には、ガラス中に結晶が存在するのは望ましくない。結晶の形成を最小限に抑えるために、溶融ガラスを、ガラス分子が核形成及び結晶の成長に十分な時間を有しないような高速で冷却してよい。更に、本明細書に記載の結晶成長速度は、X線回折を用いて決定され、これ実験室内での構成で実施できる。特に、溶融ガラスは、実験室において制御された速度で冷却でき、また結晶成長速度は、X線回折を用いて、これらの制御された条件下で決定できる。
本明細書中で使用される場合、本開示のガラスウェハ、ガラスリボン、ガラスシート、又は他の物品の「厚さ変動(thickness variation)」は、ガラスウェハ、ガラスリボン、ガラスシート、又は他の物品の最小厚さと最大厚さとの間の差を、機械的接触キャリパー若しくはマイクロメーター、又は厚さが1mm以上の物品の場合は非接触レーザーゲージによって決定することによって、測定される。
本明細書中で使用される場合、本開示のガラスウェハ、ガラスリボン、ガラスシート、又は他の物品の「反り(warp)」は、物品を囲む2つの平面の間の距離から物品の平均厚さを差し引くことで測定される。特段の記載がない限り、本明細書に記載の「反り」は、Corning Tropel Corporationから入手可能なTropel(登録商標)FlatMaster(登録商標)MSP‐300 Wafer Analysis Systemといった、3D測定システムを用いて測定される。略長方形状の本開示のガラスリボン、ガラスシート、及び他のガラス物品に関しては、反りは、本開示の分野の当業者によって理解される原理に従って測定される。特に反りは、物品のビード間の品質エリアから、各ビードの内縁部から5mm分を差し引いたものによって画定される長さを有する、正方形の測定エリアから評価される。同様に、略円形のディスク状の形状を有する本開示のガラスウェハに関しても、反りは、本開示の分野の当業者によって理解される原理に従って測定される。特に反りは、ウェハの外半径から5mmを差し引いたものによって定義される半径を有する円形測定エリアから評価される。
本明細書中で使用される場合、本開示のガラス、ガラスリボン、ガラスシート、又は他の物品の「臨界冷却速度(critical cooling rate)」は、上記ガラス、ガラスシート、又は他の物品の複数の試料を、様々な選択された冷却速度で、そのガラス転移温度まで溶融させることによって決定される。その後、標準的な分割及び研磨技法に従って切断し、100倍の光学顕微鏡を用いて評価して、体積内並びにその自由表面(即ち上部の露出した表面、及びるつぼ等との接点を有する底面)における結晶の存在を確認する。臨界冷却速度は、結晶がその表面及び体積内に現れない最低の冷却速度に対応する。
本明細書中で使用される場合、「上流(upstream)」及び「下流(downstream)」は、溶融装置に対するドロー経路に沿った、2つの場所又は部品の相対位置を指す。例えば第1の部品は、この第1の部品が第2の部品に比べて、レーザビームが通過する経路に沿ってレーザ光学素子に近接している場合に、この第2の部品から上流にある。
ここで図1~4を参照すると、ガラスリボン30cを形成するための方法100(図1)並びにガラス成形システム10(図2及び3)の概略図が示されている。ガラスリボン30cを形成する方法100は、まず、溶融ガラス30aを、溶融装置15から、幅(Wcast)22及び厚さ(Tcast)24を有する鋳造装置20に流し込んで、鋳造ガラス30bを形成するステップ110を含む。次にステップ120では、鋳造ガラス30bを鋳造装置20内で冷却して、鋳造ガラス30bの粘度を上昇させる。ステップ130では、1つ以上の牽引装置62を用いて、鋳造ガラス30bを鋳造装置20から搬送し、ステップ140では、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50を用いて、鋳造ガラス30bを体積加熱する。更にステップ150では、再加熱された鋳造ガラス30bを、鋳造ガラス30bの幅(Wcast)22未満の幅(Wgr)32、及び厚さ(Tgr)34を有するガラスリボン30cへとドロー加工し、ステップ160では、ガラスリボン30cを環境温度まで冷却する。本明細書中で使用される場合、ガラスリボン30cの幅(Wgr)32及び厚さ(Tgr)34は、冷却後に測定される。よってガラスリボン30cは、ガラスリボン30cの冷却後に、鋳造ガラス30bの幅(Wcast)22未満の幅(Wgr)32を有する。
ガラス30(即ち溶融ガラス30a、鋳造ガラス30b、及びガラスリボン30c)は、ホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、フッケイ酸ガラス、リンケイ酸ガラス、フツリン酸ガラス、硫黄リン酸ガラス、ゲルマン酸ガラス、バナジン酸ガラス、ホウ酸ガラス、リン酸ガラス等を含んでよい。更にガラス30は、拡張現実用途のディスプレイガラスといった光学部品に好適な光学特性(例えば透過率、屈折率、熱膨張係数等)を備える。一例として、ガラス30の組成は:40.2モル%のSiO;2.4モル%のB;11.3モル%のLiO;22.9モル%のCaO;5.4モル%のLa;3.8モル%のZrO;4.8モル%のNb;及び9.3モル%のTiOを含んでよい(この例示的な組成を、本明細書では「ガラスA」と呼ぶ)。別の例として、ガラス30の組成は:42.7モル%のSiO;3.9モル%のB;4.7モル%のBaO;26.6モル%のCaO;4.5モル%のLa;2.2モル%のZrO;6.1モル%のNb;及び9.3モル%のTiOを含んでよい(この例示的な組成を、本明細書では「ガラスB」と呼ぶ)。
更にガラス30は、1.5~2.1、例えば1.6~2.0、1.6~1.9、1.65~1.9、1.7~1.85、又は1.6~1.8、例えば1.5、1.6、1.65、1.7、1.75、1.8、2、2.1、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限若しくは上限として有するいずれの非制限的範囲内の屈折率を有する、ガラス組成に由来するものである。ガラス30は、5ポアズ~50000ポアズ、例えば5×10ポアズ以下、1×10ポアズ以下、5×10ポアズ以下、1×10ポアズ以下、5×10ポアズ以下、1×10ポアズ以下、5×10ポアズ以下、100ポアズ以下、50ポアズ以下、40ポアズ以下、30ポアズ以下、20ポアズ以下、10ポアズ以下、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内の、上限液相粘度を有してよい。
ここで図2~4を参照すると、ガラス成形システム10は、溶融装置15、(図4に断面図が示されている)鋳造装置20、複数の牽引装置62、ビーム出口52を備えるジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50、及び複数の縁部ローラ60を備える。ガラス成形システム10は更にドロー経路11を含み、これは、ガラス30がこれに沿って溶融装置15からガラス成形システム10を通って移動する経路である。ドロー経路11は、第2の側部11bの反対側の第1の側部11a(これらはそれぞれ図2に示されている)、及び第2の縁部11dの反対側の第1の縁部11c(これらはそれぞれ図3に示されている)を含む。ガラス30がドロー経路11に沿って移動しているとき、ドロー経路11の第1の側部11aはガラス30の第1の大面36aに面し、ドロー経路11の第2の側部11bはガラス30の第2の大面36bに面し、ドロー経路11の第1の縁部11cはガラス30の第1の縁部表面38aに面し、ドロー経路11の第2の縁部11dはガラス30の第2の縁部表面38bに面する。
図2及び3に示されているように、鋳造装置20は溶融装置15の下流に配置され、動作時、溶融ガラス30aは溶融装置15からドロー経路11に沿って鋳造装置20に流れ込むことができる。鋳造装置20は様々な構成を取ることができ、例えば本開示の分野の当業者には理解されるように、追加の冷却能力を備える又は備えない、様々な材料製のものとすることができるが、これは、鋳造装置20が(鋳造ガラス30bになる)溶融ガラス30aを、その失透ゾーンを通過するように冷却でき、これによって鋳造ガラス30bが、例えば複数の牽引装置62によって図2に示されている矢印の方向に搬送されているときに、50℃以上の温度に冷却されることを条件とする。いくつかの実施形態では、鋳造装置20の幅(Wcast)22は、100mm~5m、例えば200mm~5m、250mm~5m、300mm~5m、350mm~5m、400mm~5m、450mm~5m、500mm~5m、100mm~4m、100mm~3m、100mm~2m、100mm~1m、100mm~0.9m、100mm~0.8m、100mm~0.7m、100mm~0.6m、100mm~0.5m、例えば100mm、250mm、500mm、750mm、1m、2m、5m、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限若しくは上限として有するいずれの非制限的範囲内である。いくつかの実施形態では、鋳造装置20の厚さ(Tcast)24は、1mm~500mm、例えば2mm~250mm、5mm~100mm、10mm~50mm等、例えば1mm以上、2mm以上、3mm以上、4mm以上、5mm以上、7mm以上、8mm以上、9mm以上、10mm以上、15mm以上、20mm以上、25mm以上、30mm以上、35mm以上、40mm以上、45mm以上、50mm以上、500mmまでのいずれの厚さ、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内である。鋳造装置20内に位置決めされた鋳造ガラス30bを示すために、鋳造装置20は図2及び3に概略図で示されているが、図4に示されているように、鋳造ガラス30bが鋳造装置20を通って移動できるように鋳造装置20が開いた端部を有しながら、鋳造装置20の側部が連続した構造を形成することを理解されたい。
再び図2及び3を参照すると、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50のビーム出口52は、ドロー経路11に沿って鋳造装置20の下流に配置され、ドロー経路11に沿って搬送されるガラスを体積加熱するように構成される。本明細書中で使用される場合、「体積加熱(volumetric heating)」は、マイクロ波を使用した材料(例えばガラス30)の体積全体の加熱を指し、材料の体積全体にわたって均一に侵入することによって、材料の本体内にエネルギを均一に送達する。対照的に、赤外線照射は熱伝導、表面加熱現象を利用し、従って材料(例えばガラス30)の表面温度が材料の内部よりもはるかに迅速に上昇する。従って赤外線加熱は、材料内の熱均一性に到達するまでに、体積加熱よりも長い加工時間を必要とする。
ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50は、高出力リニアビーム真空管を備えてよく、これは、強磁場中の電子のサイクロトロン共鳴により、ミリメートル波電磁波を発生させる。ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50は、ビーム出口52を含む。動作時、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50はマイクロ波ビーム54を生成し、このマイクロ波ビーム54を、ビーム出口52から鋳造ガラス30bの大面、例えば第1の大面36a又は第2の大面36bに向かって外向きに配向する。図2に示されている実施形態では、ビーム出口52はドロー経路11の第2の側部11bに配置され、従ってビーム出口52はマイクロ波ビーム54を第2の大面36bに向かって配向するが、ビーム出口52を第1の側部11aに配置してもよいことを理解されたい。図5にも示されているように、マイクロ波ビーム54は、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50によって縞形状に集中させることができる。例えば、マイクロ波ビーム54の断面は、加熱時間の短縮及び加熱速度の加速を促進するための、鋳造装置20の幅(Wcast)以上の幅、及び長さを備える。
動作時、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50によって生成されるマイクロ波ビーム54は、1×10W/m以上、例えば2×10W/m以上、3×10W/m以上、4×10W/m以上、5×10W/m以上、6×10W/m以上、7×10W/m以上、8×10W/m以上、9×10W/m以上、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内の電力強度を有してよい。更に、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50によって生成されるマイクロ波ビーム54は、5GHz~500GHz、例えば5GHz~400GHz、5GHz~300GHz、10GHz~300GHz、10GHz~200GHz、25GHz~200GHz、50GHz~200GHz、例えば5GHz、25GHz、50GHz、75GHz、100GHz、150GHz、200GHz、300GHz、400GHz、500GHz、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限若しくは上限として有するいずれの非制限的範囲内の周波数を有してよい。
図2には単一のジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50が図示されているが、複数のジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50を備える実施形態も考えられる。例えばガラス成形システム10は、ドロー経路11の第1の側部11aに配置されたビーム出口を有する第1のジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスと、ドロー経路11の第2の側部11bに配置されたビーム出口を有する第2のジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスとを備えてよい。この実施形態では、マイクロ波ビーム54を、鋳造ガラス30bの第1の大面36a及び第2の大面36bの両方に向かって配向できる。
再び図2及び3を参照すると、ガラス成形システム10は更に、マイクロ波制御構造56を含んでよい。マイクロ波制御構造56は、マイクロ波吸収デバイス57、マイクロ波遮蔽デバイス58、又はこれら両方を備えてよい。例えば図2及び3に示されている実施形態では、マイクロ波制御構造56は、マイクロ波遮蔽デバイス58に取り囲まれたマイクロ波吸収デバイス57を備える。マイクロ波遮蔽デバイス58は、マイクロ波の漏れを低減及び/又は防止するために、ステンレス鋼等の金属材料で構成されていてよい。マイクロ波吸収デバイス57は、炭素ベースのフォーム状マイクロ波吸収材、ウォータージャケット、又はこれらの組み合わせで構成されていてよく、これによっていかなるマイクロ波の漏れも低減及び/又は防止する。更に、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50のビーム出口52はマイクロ波制御構造56内へと延在してよく、これによってマイクロ波ビーム54はマイクロ波制御構造56内に内包され、これはドロー経路11へのマイクロ波ビーム54の配向を補助し、ドロー経路11からのマイクロ波制御構造56外へのマイクロ波の伝播を最小限に抑える。例えばマイクロ波制御構造56は孔を備えてよく、ビーム出口52はこの孔の中へと(又はこの孔を通って)延在するか、又はその他の様式で連結される。マイクロ波制御構造56内に位置決めされた鋳造ガラス30bを示すために、マイクロ波制御構造56は図2及び3に概略図で示されているが、鋳造ガラス30bがマイクロ波制御構造56を通って流れることができるようにマイクロ波制御構造56が開いた端部を有しながら、マイクロ波制御構造56の側部が連続した構造を形成してよいことを理解されたい。
図2及び3に示されているように、ガラス成形システム10のいくつかの実施形態は、加熱ステップ140を支援できる複数の二次加熱デバイス55を備える。図2及び3に示されているように、複数の二次加熱デバイス55は、ドロー経路11に沿って、例えばドロー経路11の第1の側部11a及び第2の側部11bに沿って、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50のビーム出口52の上流に配置されていてよい。複数の二次加熱デバイス55は、1つ以上の対流式ヒータ、1つ以上の赤外線ヒータ、1つ以上の抵抗ヒータ、1つ以上の誘導ヒータ等を含んでよい。
更に、複数の縁部ローラ60は、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50のビーム出口52の下流に配置され、ドロー経路11の第1の側部11aに配置された少なくとも1つの第1の縁部ローラ60aと、ドロー経路11の第2の側部11bに配置された少なくとも1つの第2の縁部ローラ60bとを含む。動作時、少なくとも1つの第1の縁部ローラ60aは、鋳造ガラス30bの第1の大面36aに係合してよく、少なくとも1つの第2の縁部ローラ60bは、鋳造ガラス30bの第2の大面36bに係合してよく、少なくとも1つの第1の縁部ローラ60a及び少なくとも1つの第2の縁部ローラ60bは回転して、鋳造ガラス30bに牽引力を印加することにより、鋳造ガラス30bをガラスリボン30cへとドロー加工する。複数の牽引装置62は、鋳造装置20とジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50のビーム出口52との間の、鋳造装置20の下流、かつジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50のビーム出口52及び複数の縁部ローラ60の両方の上流に配置される。複数の牽引装置62は、鋳造装置20を通って移動して鋳造装置20を出る際の、鋳造ガラス30bの速度を制御するためのローラを含む。複数の牽引装置62は、ドロー経路11の第1の側部11aに配置された1つ以上の第1の牽引装置62aと、ドロー経路11の第2の側部11bに配置された1つ以上の第2の牽引装置62bとを含む。
ここで図3を参照すると、いくつかの実施形態では、溶融装置15は、出口要素4が、溶融ガラス30aが溶融装置15を出る際に溶融ガラス30aを分配するオリフィス4aであるような、溶融器で構成される。オリフィス4aは、5m以下であってよい最大寸法12を有する。オリフィス4aの最大寸法12は、鋳造装置20の幅(Wcast)22以下とすることができる。溶融装置15から流出する溶融ガラス30aの粘度に応じて、鋳造装置20の幅(Wcast)22は、オリフィス4aの最大寸法12と同一であるか又はこれより小さな幅を有することができる。従って、オリフィス4aの最大寸法12は鋳造装置20の幅(Wcast)22以下とすることができる。他の実施形態では、例えば上限液相粘度が比較的低い(例えば5ポアズ~50000ポアズである)溶融ガラス30aの組成に関して、オリフィス4aの最大寸法12は鋳造装置20の幅(Wcast)22より大きくすることができる。特に、溶融した直後のこれらのガラス(即ち溶融ガラス30a)は、溶融装置15のオリフィス4aを出る際に「細くなる(neck)」ことができ、これによって上記ガラスは、溶融装置15のオリフィス4aの最大寸法12未満の寸法の幅(Wcast)22を有する鋳造装置20内へと流れ込むことができる。他の実施形態では、鋳造装置20の幅(Wcast)は、出口要素4の最大寸法12以上であってよい。
他の実施形態では、図6A及び6Bに示されているように、溶融装置15はオーバーフロー溶融装置15aで構成され、ここでは出口要素4が溶融ガラス30aを分配する役割を果たす。オーバーフロー溶融装置15aは、容器6と、堰を含んでよいアイソパイプ8とを備える。動作時、ガラスを溶融ガラス30aへと溶解させて、容器6からアイソパイプ8へと流し込むことができる。溶融ガラス30aがアイソパイプ8の堰又は類似の側面から溢れ出すと、溶融ガラス30aはアイソパイプ8を越えて鋳造装置20へと流れ落ちる(図2~4)。容器6は、ガラスの溶融に関して本開示の分野の当業者が理解する多様な加熱素子のうちのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、オーバーフロー溶融装置15aはアイソパイプ8内に堰を含むことができ、これにより溶融ガラス30aを溢れさせて、アイソパイプ8の1つ以上の外面に沿って広げることができる。このような実施形態では、溶融ガラス30aは、アイソパイプ8の一方又は両方の側部において、幅4bまで広がることができる。幅4bは5m以下であってよく、また鋳造装置20の幅(Wcast)22以下であってよい。図6A及び6Bに示されているように、アイソパイプ8は、垂直から角度9だけ角度を付けられた1つの側部を有する。この角度9は0°~30°、例えば0°~20°である。
ここで図1~6Bを参照して、方法100を詳細に説明する。ステップ110では、溶融装置15は、溶融装置15を出て鋳造装置20に流れ込む際の溶融ガラス30aのおおよその幅である最大寸法12を有する出口要素4を介して、溶融ガラス30aを送達できる。いくつかの実施形態では、例えばガラス30が比較的低い上限液相粘度(例えば5ポアズ~5000ポアズ)を有する場合に、鋳造装置20の幅(Wcast)22は出口要素4の最大寸法12以下であってよい。ステップ110の間、溶融ガラス30aを1000℃以上の温度で、例えば1000℃~1500℃、例えば1000℃~1400℃、1000℃~1300℃、1000℃~1250℃、1000℃~1200℃、1000℃~1150℃、例えば1000℃、1050℃、1100℃、1150℃、1200℃、1300℃、1400℃、1500℃、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限若しくは上限として有するいずれの非制限的範囲内の温度で、溶融装置15から流出させてよい。更に溶融ガラス30aは、溶融装置15から流出する際に、10ポアズ~100,000ポアズ、例えば10ポアズ~50,000ポアズ、例えば5×10ポアズ以下、1×10ポアズ以下、5×10ポアズ以下、1×10ポアズ以下、5×10ポアズ以下、100ポアズ以下、50ポアズ以下、40ポアズ以下、30ポアズ以下、20ポアズ以下、10ポアズ以下、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内の粘度を有してよい。
次にステップ120は、鋳造装置20内の溶融ガラス30aを鋳造ガラス30bへと冷却するステップを含む。理論によって束縛されることを意図したものではないが、溶融ガラス30aを鋳造ガラス30bへと冷却するステップによって、鋳造ガラス30b内、従ってガラスリボン30c内での結晶の形成が最小限に抑えられる。鋳造装置20は溶融ガラス30aを、10ポアズ以上、例えば5×10ポアズ以上、10ポアズ以上、5×10ポアズ以上、1010ポアズ以上、5×1010ポアズ、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内の粘度を有する鋳造ガラス30bへと冷却する。更に上記鋳造装置は溶融ガラス30aを、50℃以上、例えば100℃以上、150℃以上、200℃以上、250℃以上、300℃以上、350℃以上、400℃以上、450℃以上、500℃以上、及びこれらの最小閾値レベルの間の全ての温度値、例えば800℃~50℃の範囲、700℃~50℃、650℃~750℃の範囲、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限として有するいずれの非制限的範囲内の温度を有する、鋳造ガラス30bへと冷却する。冷却ステップ120は、鋳造ガラス30bが50℃未満に下がらないことが保証されるような様式で実施され、これによって方法100は、後続の搬送ステップ130、加熱ステップ140、及びドロー加工ステップ150のそれぞれの間に行われる追加の加熱を考慮した場合に連続的なものとなり続けることができることが保証される。更に鋳造装置20は溶融ガラス30aを、鋳造ガラス30bに関する臨界冷却速度以上(かつ50℃以上)の温度を有する鋳造ガラス30bへと冷却する。
鋳造装置20内の鋳造ガラス30bを冷却する際、いずれの結晶相の最高成長速度は、ガラス30の上限液相粘度から下限液相粘度まで(本明細書では「失透ゾーン」とも呼ばれる)において10μm/分以下、例えば9μm/分以下、8μm/分以下、7μm/分以下、6μm/分以下、5μm/分以下、4μm/分以下、3μm/分以下、2μm/分以下、1μm/分以下、0.5μm/分以下、0.1μm/分以下、0.01μm/分以下、例えば0.01μm/分~10μm/分、0.01μm/分~5μm/分、0.01μm/分~2μm/分、0.01μm/分~1μm/分、0.1μm/分~1μm/分、0.01μm/分~0.5μm/分、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを上限として有するいずれの非制限的範囲内である。特に、ガラスA組成物及びガラスB組成物に関する最高結晶成長速度(Vmax)は、それぞれ1030℃において6~7μm/分及び1050℃において2~3μm/分である。従って、ガラス30がガラスA又はガラスBで構成される場合、冷却ステップ120中のガラス30の結晶成長速度は、ガラスA又はガラスBそれぞれの上述の最高結晶成長速度(Vmax)値未満となり得る。
引き続き図1~6Bを参照すると、搬送ステップ130中に、鋳造ガラス30bは1つ以上の牽引装置62を用いて鋳造装置20から搬送される。動作時、鋳造ガラス30bをステップ130中に、複数の牽引装置62によって、鋳造装置20の端部からジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50及び1つ以上の縁部ローラ60に向かって移動させることができるか、又はその他の様式で搬送できる。動作時、牽引装置62は、鋳造ガラス30bの速度を、鋳造ガラス30bの流量の変動が1%未満となるように制御できる。いくつかの実施形態では、鋳造装置20から搬送される際、鋳造ガラス30bは、5mm以上、例えば8mm以上、10mm以上、12mm以上、15mm以上、20mm以上、25mm以上等、例えば5mm~30mm、5mm~25mm、5mm~20mm、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限として有するいずれの非制限的範囲内の厚さ(Tcg)を有する。
引き続き図1~5を参照すると、加熱ステップ140は、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50を用いて鋳造ガラス30bを体積加熱するステップを含む。図5は、体積加熱されている鋳造ガラス30bの一部分を示す。図5に示されているように、鋳造ガラス30bは、第1の大面36a、第1の大面36aの反対側の第2の大面36b、第1の大面36aから第2の大面36bまで延在するガラス本体35、並びにガラス本体35内において第1の大面36a及び第2の大面36bから等距離に配置された中央領域37を備える。加熱ステップ140は体積加熱に依存するものであるため、鋳造ガラス30bの中央領域37は、鋳造ガラス30bの第1の大面36a及び第2の大面36bと均等に、又はこれらより迅速に加熱され、鋳造ガラス30bの中央領域37の温度は、鋳造ガラス30bの第1の大面36aの温度及び鋳造ガラス30bの第2の大面36bの温度以上となる。
例えば体積加熱中、鋳造ガラス30bの中央領域37は、670℃以上、例えば680℃以上、690℃以上、700℃以上、710℃以上、720℃以上、730℃以上、740℃以上、750℃以上、760℃以上、770℃以上、780℃以上、790℃以上、800℃以上、810℃以上、820℃以上、830℃以上、840℃以上、850℃以上、860℃以上、870℃以上、880℃以上、890℃以上、900℃以上、例えば670℃~900℃、700℃~900℃、700℃~875℃、700℃~850℃、700℃~825℃、700℃~800℃、700℃~775℃、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限として有するいずれの非制限的範囲内の温度に到達する。更に鋳造ガラス30bは、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50を用いて、10ポアズ以下、例えば5×10ポアズ以下、10ポアズ以下、5×10ポアズ以下、10ポアズ以下、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内の平均粘度まで加熱される。
理論によって制限されることを意図したものではないが、鋳造ガラス30bのガラスリボン30cへのドロー加工を促進するために十分に低い粘度に到達できるよう、鋳造ガラス30bを鋳造ガラス30bのガラス本体35全体にわたって十分に高い温度まで加熱する間、結晶化を最小限に抑える、及び/又は防止するために、加熱期間を最小限にすることが有利となり得る。体積加熱は赤外線加熱等の従来の加熱技法に比べて、鋳造ガラス30bの温度を迅速に上昇させるため、体積加熱は、本明細書に記載されているように、所望の温度及び粘度に到達するために必要な加熱期間を最小限にする。例えば、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50を用いた体積加熱中、鋳造ガラス30bの温度は、5℃/秒以上、例えば10℃/秒以上、20℃/秒以上、30℃/秒以上、40℃/秒以上、50℃/秒以上、60℃/秒以上、70℃/秒以上、80℃/秒以上、90℃/秒以上、100℃/秒以上、例えば5℃/秒~100℃/秒、10℃/秒~90℃/秒、20℃/秒~80℃/秒、30℃/秒~80℃/秒、40℃/秒~80℃/秒、50℃/秒~80℃/秒、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内の加熱速度で上昇する。よって鋳造ガラス30bの中央領域37を、0.1秒~30秒、例えば0.1秒~20秒、0.1秒~10秒、0.1秒~7.5秒、0.5秒~7.5秒、1秒~7.5秒、1.8秒~1.5秒、1.5秒~5秒、0.5秒~5秒、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限若しくは上限として有するいずれの非制限的範囲内の加熱期間で、上述の温度まで加熱できる。一例として、25mmの厚さを有する鋳造ガラス30bは、5秒の加熱期間で670℃から820℃まで加熱できる。本明細書に記載の実施形態では、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50を用いた体積加熱中に生じる加熱速度は、図8に関連して以下で説明されるもの等の、数学的モデル化の結果に基づいて決定できる。
ここで図7を参照すると、グラフ70は、異なる加熱時間後の、単一のジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50を用いて体積加熱された、25mmの厚さを有する例示的な鋳造ガラスの、厚さにわたる温度プロファイルを示す。大面における、及びガラスの厚さ全体にわたるガラスの温度を決定する(即ちガラスの体積温度分布を決定する)ためには、熱電対を使用してもよいが、図7に示されている温度プロファイルは、数学的モデル化の結果から決定された。この例示的なガラスの第1の大面は、位置71で表されており、第2の大面は位置72で表されており、中央領域は位置73で表されている。更に、線74は、10秒の加熱期間に関する、この例示的な鋳造ガラスの厚さにわたる温度プロファイルを示し、線75は、20秒の加熱期間に関する、この例示的な鋳造ガラスの厚さにわたる温度プロファイルを示し、線76は、30秒の加熱期間に関する、この例示的な鋳造ガラスの厚さにわたる温度プロファイルを示し、線77は、40秒の加熱期間に関する、この例示的な鋳造ガラスの厚さにわたる温度プロファイルを示す。図7に示されているように、この例示的な鋳造ガラスの(位置73で表される)中央領域は、線74~77によって示される加熱期間それぞれの後において、(位置71で表される)第1の大面及び(位置72で表される)第2の大面の温度よりも高い温度を有する。更に図7は、(位置73で表される)中央領域と、(位置71で表される)第1の大面及び(位置72で表される)第2の大面それぞれとの間の温度差が、加熱期間の増大に従って増大することを示している。
ここで図8を参照すると、グラフ80は、異なる熱源を用いた加熱ステップ140中の、25mmの厚さを有する例示的な鋳造ガラスの経時的な平均温度を示す。大面における、及びガラスの厚さ全体にわたるガラスの温度を決定する(即ちガラスの体積温度分布を決定する)ためには、熱電対を使用してもよいが、図8に示されている温度プロファイルは、数学的モデル化の結果から決定された。例えば線81は、10W/mの電力強度を有する赤外線熱源を用いた加熱ステップ140中の、例示的な鋳造ガラスの経時的な平均温度を示し、線82は、10W/mの電力強度を有する単一のジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50を用いた加熱ステップ140中の、例示的な鋳造ガラスの経時的な平均温度を示し、線83は、5×10W/mの電力強度を有する単一のジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50を用いた加熱ステップ140中の、例示的な鋳造ガラスの経時的な平均温度を示す。図8に示されているように、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50は赤外線熱源に比べて、同一の電力強度を有している場合であっても高い加熱速度を生成する。例えば、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50を用いた体積加熱の加熱速度は、同一の電力強度の赤外線加熱の加熱速度より7倍速い。
ここで図9及び10を参照すると、グラフ90(図9)及びグラフ92(図10)が図示されており、これらはそれぞれ、例示的な鋳造ガラスの1つの大面にマイクロ波ビーム54を配向する単一のジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50(図9のグラフ90)、又は例示的な鋳造ガラスの各大面にマイクロ波ビーム54を配向する2つのジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50(図10のグラフ92)を用いて加熱された、例示的な25mm厚の鋳造ガラスに関する体積損失密度分布を示す。グラフ90及び92のいずれにおいても、1つ以上のマイクロ波ビーム54は、60GHzの周波数及び10W/mの電力強度を有する1つ以上のジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50によって生成される。グラフ90及び92に示されているように、1つ以上のジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50を用いた体積加熱は、正弦波状の体積損失密度分布を生成し、グラフ92に示されているように、2つの側部から鋳造ガラスを体積加熱すると、この正弦波状の体積損失密度分布の均一性が向上する。正弦波状の体積損失密度分布によって、連続的なエネルギを鋳造ガラスの厚さにわたって印加して、鋳造ガラスの内部に加熱効果を生成でき、また、理論によって束縛されることを意図したものではないが、この正弦波パターンは均一な温度プロファイルを生成し、これは、特に厚い鋳造ガラスの体積加熱中に有益である。
再び図1~6Bを参照すると、ドロー加工ステップ150は、例えばジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50を用いて鋳造ガラス30bを体積加熱している間、複数のジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス50を用いて鋳造ガラス30bを体積加熱した後、又はこれら両方において、鋳造ガラス30bをガラスリボン30cへとドロー加工するステップを含む。鋳造ガラス30bは、1つ以上の縁部ローラ60を用いてガラスリボン30cへとドロー加工できる。いくつかの実施形態では、鋳造ガラス30bは、鋳造装置20の幅(Wcast)22以下の幅(Wgr)32、及び鋳造装置20の厚さ(Tcast)未満の厚さ(Tgr)34を有するガラスリボン30cへとドロー加工される。方法100は更に、ガラスリボン30cを環境温度まで冷却する冷却ステップ160を含む。ガラスリボン30cを冷却するステップ160は、外部冷却を用いて又は用いずに実施できる。いくつかの実施形態では、縁部ローラ60は、冷却ステップ160内の冷却の一部又は全てを実施するための冷却機能を含むことができる。
いくつかの実施形態では、ガラスリボン30cの幅(Wgr)32は、10mm~5mm、20mm~5mm、30mm~5mm、40mm~5mm、50mm~5mm、100mm~5mm、200mm~5mm、250mm~5mm、300mm~5mm、350mm~5mm、400mm~5mm、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限若しくは上限レベルとして有するいずれの非制限的範囲内である。いくつかの実施形態では、厚さ(Tgr)34は、0.1mm~2mm、例えば0.2mm~1.5mm、0.3mm~1mm、0.3~0.9mm、0.3~0.8mm、0.3~0.7mm、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを下限若しくは上限として有するいずれの非制限的範囲内である。
更に、方法100を用いて形成されるガラスリボン30cは、200μm以下、例えば150μm以下、100μm以下、75μm、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、10μm以下、5μm以下、4μm以下、3μm以下、2μm以下、1μm以下、0.5μm以下等、例えば0.01μm~50μm、0.01μm~25μm、0.01μm~10μm、0.01μm~5μm、0.01μm~1μm、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを上限として有するいずれの非制限的範囲内の厚さ変動を有する。更に、方法100を用いて形成されるガラスリボン30cは、500μm以下、例えば400μm以下、300μm以下、200μm以下、150μm以下、100μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、10μm以下、5μm以下、0.1μm以下、0.05μm以下等、例えば0.01μm~500μm、0.01μm~250μm、0.01μm~100μm、0.1μm~100μm、0.1μm~50μm、0.1μm~25μm、0.01μm~25μm、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを上限として有するいずれの非制限的範囲内の反りを有する。更にガラスリボン30cは、(いずれの後加工の前に測定した場合に)5μm以下、例えば4μm以下、3μm以下、2μm以下、1μm以下、0.75μm以下、0.5μm以下、0.25μm以下、0.1μm以下、50nm以下、わずか10nm、又はこれらの値のうちのいずれか2つを端点として有するいずれの範囲内、又はこれらの値のうちのいずれかを上限として有するいずれの非制限的範囲内の表面粗度(Ra)を有する。
再び図3を参照すると、ガラスリボン30cを冷却した後に、ガラスリボン30cをウェハ40へと分割できる。ウェハ40は、ガラスリボン30cの幅(Wgr)32と同等からガラスリボン30cの幅32の50%までの範囲の最大寸法(例えば直径、幅、又は他の最大寸法)を有する。例えばウェハ40は、2mm以下の厚さ、及び100mm~500mmの最大寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、ウェハ40は、1mm以下の厚さ、及び150mm~300mmの最大寸法を有する。ウェハ40は、1mm~50mm、又は1mm~25mmの範囲の厚さを有することもできる。ウェハ40は、25mm~300mm、50mm~250mm、50mm~200mm、又は100mm~200mmの範囲の最大寸法を有することもできる。方法100に従って形成されたウェハ40は、追加の表面研磨を全く行わない場合、ガラスリボン30cに関して既に概説したものと同一の厚さ変動レベル、表面粗度、及び/又は反りレベルを示すことができる。いくつかの実施形態では、ウェハ40を研削及び研磨に供することによって、例えば拡張現実用途のディスプレイガラスである最終製品の最終的な寸法を得ることができる。ウェハ40は図3ではディスクとして図示されているが、ウェハ40は、正方形、長方形、円形、楕円形等を含むがこれらに限定されない多様な形状のうちのいずれを有してよいことを理解されたい。
以上の説明を考慮すると、本明細書に記載の連続鋳造及びドロー加工法を用いて、拡張現実ディスプレイとして有用なガラス組成物等の、低粘度のガラス組成物から、ガラスリボンを形成できることが理解されるはずである。本明細書に記載の連続鋳造及びドロー加工方法は、溶融ガラスを鋳造装置に流し込んで鋳造ガラスを形成するステップ、上記鋳造ガラスを上記鋳造装置内で冷却するステップ、上記鋳造ガラスを上記鋳造装置から搬送するステップ、及び上記鋳造ガラスを加熱して、薄いガラスリボンへとドロー加工するステップを含む。特に、本明細書中の方法は、鋳造ガラスが鋳造装置を出た後、及び鋳造ガラスを薄いガラスリボンへとドロー加工する前に、ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスを用いて鋳造ガラスを高速で体積加熱することにより、ガラス内での欠陥の形成を最小限に抑える。本明細書に記載の連続鋳造及びドロー加工法によって、最小限の欠陥しか有さない拡張現実用途のためのディスプレイガラス等の、低粘度のガラスから作製される光学部品を、これまでのガラス成形方法と比較した場合に低コストで、大量生産できる。
本明細書中で使用される場合、用語「約(about)」は、量、サイズ、処方、パラメータ、並びに他の量及び特徴が、正確ではなくかつ正確である必要がないものの、必要に応じて許容誤差、換算係数、丸め、測定誤差等、及び当業者に公知のその他の因子を反映した、おおよそのもの、及び/又は大きい若しくは小さいものであってよいことを意味している。用語「約」がある値又はある範囲のある端点を記述する際に使用される場合、言及された具体的な値又は端点は含まれる。本明細書中の数値又は範囲の端点が「約」として記載されているかどうかにかかわらず、2つの実施形態、即ち:「約」で修飾された実施形態、及び「約」で修飾されていない実施形態が記述される。更に、各範囲の端点は、他の端点との関連においても、他の端点とは独立したものとしても、重要であることが理解されるだろう。
本明細書中で使用される、方向に関する用語、例えば「上(up)」、「下(down)」、「右(right)」、「左(left)」、「前(front)」、「後(back)」、「上部(top)」、「底部(bottom)」は、図面に描画された状態を参照して使用されているだけのものであり、絶対的な配向を含意することを意図したものではない。
特段の記載がない限り、本明細書に記載のいずれの方法が、そのステップを特定の順序で実施することを必要とするものとして、又はいずれの装置について特定の配向を必要とするものとして解釈されることは、全く意図されていない。従って、方法クレームが、その複数のステップが従うべき順序を実際に記載していない場合、あるいはいずれの装置クレームが、個々の構成部品に対して順序又は配向を実際に記載していない場合、あるいは特許請求の範囲若しくは明細書において、これらのステップが特定の順序に限定されるべきであること、又は装置の構成部品の特定の順序若しくは配向が必要となることが、具体的に記載されていない場合、順序又は配向が推定されることは、いかなる点でも一切意図されていない。これは:複数のステップの配置、動作フロー、構成部品の順序、又は構成部品の配向に関する論理の問題;文法的構成又は句読点から導出される明白な意味;及び本明細書に記載の実施形態の個数又はタイプを含む、解釈のためのいずれの非明示的根拠にも当てはまる。
本明細書で使用される場合、単数形「ある(a、an)」及び「上記、その(the)」は、文脈上そうでないことが明らかでない限り、複数の指示対象を含む。従って例えば、「ある」構成部品に対する言及は、文脈上そうでないことが明らかでない限り、2つ以上のこのような構成部品を有する態様も含む。
請求対象の主題の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の実施形態に対して様々な修正及び変更を実施できることは、当業者には明らかであろう。従って、本明細書は、本明細書に記載の様々な実施形態の修正及び変更が、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある限りにおいて、このような修正及び変更を包含することを意図している。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
ガラスリボンを形成する方法であって、上記方法は:
溶融ガラスを、幅(Wcast)及び厚さ(Tcast)を有する鋳造装置に流し込んで、鋳造ガラスを形成するステップ;
上記鋳造装置内の上記鋳造ガラスを、10ポアズ以上の粘度まで冷却するステップ;
上記鋳造ガラスを上記鋳造装置から搬送するステップ;
ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスを用いて、上記鋳造ガラスを10ポアズ以下の平均粘度まで体積加熱するステップ;並びに
上記鋳造ガラスを、上記鋳造装置の上記幅(Wcast)以下の幅(Wgr)及び上記鋳造装置の上記厚さ(Tcast)未満の厚さ(Tgr)を有するガラスリボンへと、ドロー加工するステップ
を含む、方法。
実施形態2
体積加熱中、上記鋳造ガラスの温度は15℃/秒以上の加熱速度で上昇する、実施形態1に記載の方法。
実施形態3
上記鋳造ガラスを体積加熱する上記ステップは、0.5秒~10秒の加熱期間にわたって行われる、実施形態1又は2に記載の方法。
実施形態4
体積加熱中、上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスは、1×10W/m以上の電力強度を有するマイクロ波ビームを生成する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態5
体積加熱中、上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスは、10GHz~300GHzの周波数を有するマイクロ波ビームを生成する、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6
上記鋳造ガラスは、第1の大面と、上記第1の大面の反対側の第2の大面と、上記第1の大面から上記第2の大面まで延在し、上記第1の大面及び上記第2の大面から等距離に配置された中央領域を備える、ガラス本体とを備え;
上記鋳造ガラスの体積加熱中、上記鋳造ガラスの上記ガラス本体の上記中央領域の温度は、上記鋳造ガラスの上記第1の大面の温度、及び上記鋳造ガラスの上記第2の大面の温度以上である、実施形態1~5のいずれか1つに記載の方法。
実施形態7
体積加熱中、上記鋳造ガラスの上記中央領域は750℃以上の温度に達する、実施形態6に記載の方法。
実施形態8
体積加熱中、上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスはマイクロ波ビームを生成し、上記マイクロ波ビームの断面は、上記鋳造装置の上記幅(Wcast)より大きな幅を有する、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態9
上記鋳造装置の上記幅(Wcast)は100mm~1mであり、上記鋳造装置の上記厚さ(Tcast)は10mm~50mmである、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
実施形態10
上記鋳造装置から搬送される際、上記鋳造ガラスは12mm以上の厚さ(Tcg)を有する、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
実施形態11
上記鋳造ガラスは上記鋳造装置内で、700℃以下50℃以上の温度まで冷却される、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
実施形態12
上記鋳造ガラスのいずれの結晶相の最高結晶成長速度は0.01μm/分~10μm/分である、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
実施形態13
上記鋳造装置に流れ込む上記溶融ガラスは、ホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、フッケイ酸ガラス、リンケイ酸ガラス、フツリン酸ガラス、硫黄リン酸ガラス、ゲルマン酸ガラス、バナジン酸ガラス、ホウ酸ガラス、又はリン酸ガラスを含む、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
実施形態14
上記鋳造装置に流れ込む上記溶融ガラスは、5×10ポアズ以下の粘度及び1000℃以上の温度を有する、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
実施形態15
上記鋳造装置に流れ込む上記溶融ガラスは、50ポアズ以下の粘度を有する、実施形態14に記載の方法。
実施形態16
上記ガラスリボンの上記厚さ(Tgr)は0.3mm~1mmである、実施形態1~15のいずれか1つに記載の方法。
実施形態17
上記ガラスリボンは1.6~1.9の屈折率を有する、実施形態1~16のいずれか1つに記載の方法。
実施形態18
上記ガラスリボンは、0.01μm~50μmの厚さ変動、及び0.01μm~100μmの反りを有する、実施形態1~17のいずれか1つに記載の方法。
実施形態19
溶融装置、鋳造装置、複数の縁部ローラ、及びジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスを備える、ガラス成形システムであって、
上記溶融装置は、ドロー経路に沿って上記鋳造装置の上流に配置され、ガラスを上記鋳造装置に流し込むように構成され;
上記鋳造装置は幅(Wcast)及び厚さ(Tcast)を有し、ガラスを冷却するように構成され;
上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスは、上記ドロー経路の第1の側部に、上記ドロー経路に沿って上記鋳造装置の下流に配置されたビーム出口を備え、ここで上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスは、上記ドロー経路に沿って搬送されるガラスを体積加熱するように構成され;
上記複数の縁部ローラは、上記ドロー経路に沿って、上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスの上記ビーム出口の下流に配置され、上記ドロー経路の第1の側部に配置された第1の縁部ローラと、上記ドロー経路の第2の側部に配置された第2の縁部ローラとを備える、ガラス成形システム。
実施形態20
上記ドロー経路に沿って、上記鋳造装置の下流かつ上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスの上記ビーム出口の上流に配置された、複数の牽引装置を更に備え、上記複数の牽引装置は、上記ドロー経路の第1の側部に配置された第1の牽引装置と、上記ドロー経路の第2の側部に配置された第2の牽引装置とを備える、実施形態19に記載のガラス成形システム。
実施形態21
マイクロ波遮蔽デバイスで取り囲まれたマイクロ波吸収デバイスを備えたマイクロ波制御構造を更に備え、上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスの上記ビーム出口は上記マイクロ波制御構造内へと延在する、実施形態19又は20に記載のガラス成形システム。
実施形態22
上記溶融装置はオーバーフロー溶融装置である、実施形態19~21のいずれか1つに記載のガラス成形システム。
実施形態23
上記ドロー経路に沿って、上記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスの上記ビーム出口の上流に配置された、複数の二次加熱デバイスを更に備える、実施形態19~22のいずれか1つに記載のガラス成形システム。
実施形態24
上記複数の二次加熱デバイスは、1つ以上の対流式ヒータ、1つ以上の赤外線ヒータ、又はこれらの組み合わせを備える、実施形態23に記載のガラス成形システム。
4 出口要素
4a オリフィス
4b 幅
6 容器
8 アイソパイプ
9 角度
10 ガラス成形システム
11 ドロー経路
11a 第1の側部
11b 第2の側部
11c 第1の縁部
11d 第2の縁部
12 オリフィス4aの最大寸法
15 溶融装置
15a オーバーフロー溶融装置
20 鋳造装置
22 鋳造装置20の幅(Wcast
24 鋳造装置20の厚さ(Tcast
30 ガラス
30a 溶融ガラス
30b 鋳造ガラス
30c ガラスリボン
32 ガラスリボン30cの幅(Wgr
34 ガラスリボン30cの厚さ(Tgr
35 ガラス本体
36a 第1の大面
36b 第2の大面
37 中央領域
38a 第1の縁部表面
38b 第2の縁部表面
40 ウェハ
50 ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス
52 ビーム出口
54 マイクロ波ビーム
55 二次加熱デバイス
56 マイクロ波制御構造
57 マイクロ波吸収デバイス
58 マイクロ波遮蔽デバイス
60 縁部ローラ
60a 第1の縁部ローラ
60b 第2の縁部ローラ
62 牽引装置
62a 第1の牽引装置
62b 第2の牽引装置

Claims (6)

  1. ガラスリボン(30c)を形成する方法であって、前記方法は:
    溶融ガラス(30a)を、幅(Wcast)(22)及び厚さ(Tcast)(24)を有する鋳造装置(20)に流し込んで、鋳造ガラス(30b)を形成するステップ;
    前記鋳造装置(20)内の前記鋳造ガラス(30b)を、10ポアズ以上の粘度まで冷却するステップ;
    前記鋳造ガラス(30b)を前記鋳造装置(20)から搬送するステップ;
    ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス(50)を用いて、前記鋳造ガラス(30b)を10ポアズ以下の平均粘度まで体積加熱するステップ;並びに
    前記鋳造ガラス(30b)を、前記鋳造装置(20)の前記幅(Wcast)(22)以下の幅(Wgr)(32)及び前記鋳造装置(20)の前記厚さ(Tcast)(24)未満の厚さ(Tgr)(34)を有するガラスリボン(30c)へと、ドロー加工するステップ
    を含む、方法。
  2. 体積加熱中、前記鋳造ガラス(30b)の温度は15℃/秒以上の加熱速度で上昇し、また前記鋳造ガラス(30b)を体積加熱する前記ステップは、0.5秒~10秒の加熱期間にわたって行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 体積加熱中、前記ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイス(50)は、1×10W/m以上の電力強度及び10GHz~300GHzの周波数を有するマイクロ波ビーム(54)を生成する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記鋳造ガラス(30b)は、第1の大面(36a)と、前記第1の大面(36a)の反対側の第2の大面(36b)と、前記第1の大面(36a)から前記第2の大面(36b)まで延在し、前記第1の大面(36a)及び前記第2の大面(36b)から等距離に配置された中央領域(37)を備える、ガラス本体(35)とを備え;
    前記鋳造ガラス(30b)の体積加熱中、前記鋳造ガラス(30b)の前記ガラス本体(35)の前記中央領域(37)の温度は、前記鋳造ガラス(30b)の前記第1の大面(36a)の温度、及び前記鋳造ガラス(30b)の前記第2の大面(36b)の温度以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 体積加熱中、前記鋳造ガラス(30b)の前記中央領域(37)は750℃以上の温度に達する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記ガラスリボン(30c)の前記厚さ(Tgr)は0.3mm~1mmであり;
    前記ガラスリボン(30c)は1.6~1.9の屈折率を有し;
    前記ガラスリボン(30c)は、0.01μm~50μmの厚さ変動、及び0.01μm~100μmの反りを有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
JP2022515846A 2019-09-13 2020-09-09 ジャイロトロンマイクロ波加熱デバイスを用いてガラスリボンを形成する連続的方法 Abandoned JP2022547308A (ja)

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