JP2022543420A - アムホテリシンbのハイブリッドアミド誘導体 - Google Patents
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Abstract
AmBと比較して低減された毒性ならびに改善された臨床有効性を特徴とする、C2’-エピ-アムホテリシンB(C2’epiAmB)のC16アミド誘導体およびアムホテリシンB(AmB)のC16アミド誘導体が開示される。また、いずれかのタイプのC16アミド誘導体を含む医薬組成物、およびいずれかのタイプのC16アミド誘導体を用いる治療方法;ならびに、C2’-エピ-アムホテリシンBのC16アミド誘導体の製造方法も開示される。
Description
本出願は、2019年8月8日に出願された米国仮特許出願第62/884,464号、および2019年12月20日に出願された米国仮特許出願第62/951,753号に対する優先権の利益を主張する。これらの出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、米国国立衛生研究所によって承認された許可番号第GM118185およびAI135812の下で政府の支援により行われた。政府は本発明に一定の権利を有する。
侵襲性真菌感染による罹患率および死亡率はかなり高くであり、主に2つの属:カンジダ(Candida)属およびアスペルギルス(Aspergillus)属の真菌病原体によって引き起こされる。カンジダ種は、全ての血流感染で単離された4番目に多い病原体である。侵襲性カンジダ症の治療の成功率は限られており(50~70%)、この成功は典型的には最も健康な患者においてのみである。侵襲性カンジダ症に起因する死亡率はかなり高い(20~30%)。アスペルギルス・フミガーツス(A.fumigatus)による侵襲性アスペルギルス症の発生率は、ここ10年で3倍に増加しており、その死亡率は300%以上上昇している。さらに、侵襲性アスペルギルス症のための現在の治療法の治療成功率は40~50%と低い。侵襲性アスペルギルス症は、一貫して、免疫無防備状態の患者における主要な死因であるが、侵襲性糸状菌感染症(フサリウム症(fusariosis)、スケドスポリウム症(scedosporosis)、およびムーコル症(mucromycosis))はさらに高い死亡率を有し、有効な治療選択肢がない。侵襲性アスペルギルス症ならびにほとんどの他の侵襲性糸状菌感染症のための現在のガイドライン推奨第一選択治療薬は、トリアゾール系抗真菌薬のボリコナゾールである。しかしながら、アスペルギルス属(Aspergillus)における汎トリアゾオル耐性は、一部の地域や特定の高リスクの患者群では30%にも達している。このように有効な治療法がないことを受けて、米国感染症学会は、アスペルギルス・フミガーツス(A.fumigatus)を「実質的なブレークスルーが緊急に必要な」6つの病原体のうちの1つとして取り上げた。
アムホテリシンB(AmB)は、この薬物が広範囲の真菌病原体に対して強力かつ用量依存的な殺真菌活性を有し、半世紀以上にわたり耐性を回避してきたため、非常に有望な出発点である。AmBの殺真菌(fungicidal)活性は、静真菌(fungistatic)活性とは異なり、感染を除去するための強固な免疫系を欠く免疫無防備状態の患者には不可欠である。病原体の特定ができず、直ちに経験的治療が必要な重篤な患者においては、幅広い抗真菌活性が特に重要である。国際専門家パネルは、耐性の問題がないAmBを中心とした新しい治療アプローチが必要とされることを義務付けた。問題は、AmBは非常に毒性が強いため、低用量での使用に限られ、疾患を根絶できないことが多いことである。
半世紀にわたって現場を逃れたAmBのパラダイムシフトともいえる新たなメカニズムの解明に成功した。以前の研究は、AmBがステロールに結合することを報告し、この結合は主に、真菌細胞とヒト細胞の両方を殺す膜透過性孔の形成を駆動すると考えられていた。しかしながら、この天然物の集中的な合成による原子レベルでの研究と最先端のSSNMR実験を10年間行った後、それに代わって、AmBは主に殺細胞性の膜外ステロールスポンジを形成することにより、真菌細胞とヒト細胞の両方を死滅させることが見出された。この大きな凝集体は、脂質二重層の表面上に座し、膜ステロールを迅速に抽出し、細胞死をもたらす。膜の透過化は必要ない。この新しいメカニズムと、ますます洗練されてきた構造情報に基づき、小分子ベースのリガンド選択的アロステリック効果が、コレステロールよりもエルゴステロールの選択的結合を可能にし得ることが提案されている。このモデルに導かれて、新しい誘導体であるC2’epiAmBの形で、コレステロール結合ひいては哺乳動物への毒性の排除が達成された。
しかしながら、C2’epiAmBには、臨床的に重要な数多くの酵母や糸状菌に対する効力がないという限界がある。強力で広いスペクトルおよび耐性を回避した殺真菌活性を保持し、かつ用量制限毒性のないAmB誘導体は、臨床的有効性が改善された新たな高用量治療パラダイムを可能にするであろう。
特定の態様において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される:
式中、
R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、
R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成し;
R3は、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換の尿素、置換もしくは非置換のカルバメート、または置換もしくは非置換のグアニジニルであり;
R4は、水素、または置換もしくは非置換のC1-6アルキルである。
R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、
R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成し;
R3は、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換の尿素、置換もしくは非置換のカルバメート、または置換もしくは非置換のグアニジニルであり;
R4は、水素、または置換もしくは非置換のC1-6アルキルである。
特定の態様において、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される:
式中、
R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、
R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成し;
R3は、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換の尿素、置換もしくは非置換のカルバメート、または置換もしくは非置換のグアニジニルであり;
R4は、水素、または置換もしくは非置換のC1-6アルキルである。
R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、
R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成し;
R3は、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換の尿素、置換もしくは非置換のカルバメート、または置換もしくは非置換のグアニジニルであり;
R4は、水素、または置換もしくは非置換のC1-6アルキルである。
特定の態様では、本明細書で提供される化合物;および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物が提供される。
ある特定の態様では、真菌感染症を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の本明細書に提供される化合物を投与し、それによって真菌感染症を治療することを含む方法が提供される。
特定の態様において、スキーム1に示される変換に従ってC2’-エピ-アムホテリシンBのC16アミドを製造する方法が提供される:
スキーム中、
1は、
を表し、
塩基は第三級アミン(例えば、トリアルキルアミン[Et3Nなど])であり;
ペプチドカップリング試薬は、固相ペプチド合成に使用されるペプチドカップリング試薬(例えば、PyBOP、BOP、HATU、HBTU、DEPBT、DCC、またはEDCI)であり;
Rは、Hまたはアミン保護基(例えば、Fmoc、t-Boc、alloc、およびCbzからなる群より選択されるカルバメート保護基)であり;
R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成する。
1は、
塩基は第三級アミン(例えば、トリアルキルアミン[Et3Nなど])であり;
ペプチドカップリング試薬は、固相ペプチド合成に使用されるペプチドカップリング試薬(例えば、PyBOP、BOP、HATU、HBTU、DEPBT、DCC、またはEDCI)であり;
Rは、Hまたはアミン保護基(例えば、Fmoc、t-Boc、alloc、およびCbzからなる群より選択されるカルバメート保護基)であり;
R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成する。
AmBは通常、ストレプトマイセス・ノドサス(Streptomyces nodosus)の菌株から得られる。現在、米国では、とりわけ、全身性または深部組織のカンジダ症、アスペルギルス症、クリプトコッカス症、ブラストミセス症、コクシジオイデス症、ヒストプラズマ症、ムーコル症などの、進行性の生命を脅かす可能性のある真菌感染症の治療に臨床使用が承認されている。それは一般的に静脈内注射用に製剤化されている。アムホテリシンBは、ファンギゾン(Fungizone(登録商標))(Squibb社)、アムホシン(Amphocin(登録商標))(Pfizer社)、アベルセット(Abelcet(登録商標))(Enzon社)、およびアムビゾーム(AmBisome(登録商標))(Astellas社)などとして市販されている。その望ましくない毒性副作用のため、投与量は一般に最大約1.0mg/kg/日に制限され、ヒトにおける総累積投与量は約3gを超えない量に制限される。
AmBは、殺細胞性の膜外ステロールスポンジを形成することにより、真菌細胞およびヒト細胞の両方を殺す。Anderson, T. M. et al., Nat Chem Biol 2014, 10 (5), 400-6。この大きな集合体は、脂質二重層の表面に位置し、膜ステロールを急速に抽出して、細胞死を引き起こす。膜の透過化は必要ない。このメカニズムに基づき、小分子ベースのリガンド選択的アロステリック効果は、コレステロールよりもエルゴステロールの選択的結合を可能にし、(C2’epiAmBの形態で)AmBの哺乳動物毒性を排除するであろう。Wilcock, B. C. et al., J Am Chem Soc 2013, 135 (23), 8488-91を参照されたい。本発明は、AmBステロールスポンジに対するエルゴステロールおよびコレステロールの両方の結合に関するKDsを開示し、これは、この臨床的に重要な天然物の治療指数の合理的な最適化を導くための定量的かつメカニズム的に根拠のある生物物理学的パラメータを提供する。
本発明は、少なくとも部分的に、AmBと比較して改善された治療指数も特徴とするAmBのさらなる誘導体を本発明者らが発見したことに関する。様々な誘導体、すなわち本発明の化合物は、半合成または完全合成であってよい。本発明の一態様は、エルゴステロールの強力な結合を保持するが、コレステロールの検出可能な結合を示さない、AmBの新規な合成誘導体の開発である。この誘導体は、多くの酵母および糸状菌(またはカビ)(mold)に対して殺真菌力を保持するが、検出可能な哺乳動物毒性を示さない。これは、コレステロールよりも高いエルゴステロールの差別的結合が可能であることを実証し、望ましい抗真菌特性を維持するAmBの非毒性バリアント(variant)を提供する。本発明の化合物は、有意に改善された安全性プロファイルで、生命を脅かす侵襲性真菌感染症を根絶するための新しい高用量治療戦略を可能にする。
本発明の化合物および本発明の医薬組成物は、真菌の増殖を阻害するのに有用である。一実施形態では、有効量の本発明の化合物を真菌と接触させ、それによって真菌の増殖を阻害する。一実施形態では、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩は、組織培養培地に添加されるかまたは含まれる。
本発明の化合物および本発明の医薬組成物は、対象における真菌感染症の治療に有用である。一実施形態では、治療有効量の本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩がそれを必要とする対象に投与され、それによって真菌感染症を治療する。
酵母は、真菌界に分類される真核生物である。真菌には、酵母(yeast)、糸状菌(mold)、およびキノコを含むより大きな生物が含まれる。酵母および糸状菌は、感染性病原体として臨床的に関連する。酵母は通常、出芽型の真菌として記載される。本発明に関連して特に重要なのは、哺乳動物宿主において感染を引き起こし得る酵母の種である。このような感染は、感染に対するバリアが損なわれた宿主(例えば、火傷の患者)や免疫系が損なわれた宿主(例えば、化学療法や免疫抑制療法を受けている宿主、HIVに感染した宿主)など、免疫無防備状態の宿主において最もよく起こる。病原性酵母には、カンジダ属ならびにクリプトコッカス属の様々な種が含まれるが、これらに限定されない。カンジダ属の病原性酵母の中でも特に注目すべきは、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)、カンジダ・トロピカリス(C.tropicalis)、カンジダ・ステラトイデア(C.stellatoidea)、カンジダ・グラブラタ(C.glabrata)、カンジダ・クルセイ(C.krusei)、カンジダ・パラシローシス(C.parapsilosis)、カンジダ・ギリエルモンジィ(C.guilliermondii)、カンジダ・ビスワナチイ(C.viswanathii)、およびカンジダ・ルシタニエ(C.lusitaniae)である。クリプトコッカス属には、特に、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)が含まれる。酵母は、粘膜の感染、例えば、ヒトの口腔、食道、および膣の感染症、ならびに骨、血液、尿生殖路(urogenital tract)、および中枢神経系の感染を引き起こし得る。このリストは例示的なものであり、決して限定的ではない。
多くの真菌(酵母以外)は、哺乳動物宿主において感染を引き起こすことができる。このような感染は、感染に対するバリアが損なわれた宿主(例えば、火傷の患者)や免疫系が損なわれた宿主(例えば、化学療法や免疫抑制療法を受けている宿主、HIVに感染した宿主)など、免疫無防備状態の宿主で最もよく起こる。病原性真菌(酵母以外)には、アスペルギルス属(Aspergillus)、リゾプス(クモノスカビ)属(Rhizopus)、ムーコル(ケカビ)属(Mucor)、ヒストプラズマ属(Histoplasma)、コクシジオイデス属(Coccidioides)、ブラストミセス属(Blastomyces)、トリコフィトン属(Trichophyton)、ミクロスポルム属(Microsporum)、およびエピデルモフィトン属(Epidermophyton)の種が含まれるが、これらに限定されない。上記の中で特に注目すべきは、アスペルギルス・フミガーツス(A.fumigatus)、アスペルギルス・フラブス(A.flavus)、アスペルギルス ニガー(A.niger)、ヒストプラズマ・カプスラーツム(H.capsulatum)、コクシジオイデス・イミチス(C.immitis)、およびブラストミセス・デルマティティディス(B.dermatitidis)である。真菌は、いくつか例を挙げると、肺、骨、血液、尿生殖路、および中枢神経系において全身性および深部組織の感染症を引き起こし得る。一部の真菌は、皮膚や爪の感染症の原因である。
定義
特定の官能基および化学用語の定義を以下により詳細に説明する。化学元素は、Periodic Table of the Elements, CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.の見返しの記載にしたがって同定され、特定の官能基は、一般に、本明細書に記載されるように定義される。さらに、有機化学の一般原理、ならびに特定の官能基部分および反応性は、Thomas Sorrell, Organic Chemistry, University Science Books, Sausalito, 1999; Smith and March, March’s Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001; Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;およびCarruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。
特定の官能基および化学用語の定義を以下により詳細に説明する。化学元素は、Periodic Table of the Elements, CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.の見返しの記載にしたがって同定され、特定の官能基は、一般に、本明細書に記載されるように定義される。さらに、有機化学の一般原理、ならびに特定の官能基部分および反応性は、Thomas Sorrell, Organic Chemistry, University Science Books, Sausalito, 1999; Smith and March, March’s Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001; Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;およびCarruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。
本明細書に記載の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含むことができ、したがって、様々な異性体形態、例えば、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーで存在し得る。例えば、本明細書に記載の化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは幾何異性体の形態であってよく、またはラセミ混合物、および1つまたは複数の立体異性体が濃縮された混合物を含む、立体異性体の混合物の形態であってもよい。異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPFC)、ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む、当業者に公知の方法によって混合物から単離することができ;あるいは、好ましい異性体を不斉合成によって調製することができる。例えば、Jacques et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981); Wilen et al., Tetrahedron 33:2725 (1977); Eliel, Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962);および Wilen, Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.F. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)を参照されたい。
本発明はさらに、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体として、あるいは様々な異性体の混合物としての本明細書に記載の化合物を包含する。
値の範囲が列挙される場合、その範囲内の各値および部分範囲を包含することが意図される。例えば、「C1-6アルキル」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1-6、C1-5、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C2-5、C2-4、C2-3、C3-6、C3-5、C3-4、C4-6、C4-5、およびC5-6アルキルを包含することが意図される。
以下の用語は、下記に提示される意味を有することが意図され、本発明の説明および意図される範囲を理解するのに有用である。化合物、そのような化合物を含む医薬組成物、ならびにそのような化合物および組成物を使用する方法を含み得る本発明を記載する場合、以下の用語は、存在する場合、別段の指示がない限り以下の意味を有する。本明細書に記載される場合、以下に定義される部分のいずれも、種々の置換基で置換され得ること、およびそれぞれの定義は、以下に記載されるような範囲内のそのような置換された部分を含むことが意図されることも理解されたい。特に明記しない限り、「置換された」という用語は、以下に記載されるように定義される。さらに、「基」および「ラジカル」という用語は、本明細書で使用される場合、交換可能であると見なされ得ることを理解されたい。冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、本明細書では、その冠詞の文法上の対象物の1つまたは複数(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用され得る。例として、「アナログ」は、1つのアナログまたは複数のアナログを意味する。
「アルキル」は、1~20個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖飽和炭化水素基のラジカル(「C1-20アルキル」)を指す。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~12個の炭素原子を有する(「C1-12アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~10個の炭素原子を有する(「C1-10アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~9個の炭素原子を有する(「C1-9アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~8個の炭素原子を有する(「C1-8アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~7個の炭素原子を有する(「C1-7アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~6個の炭素原子を有する(「C1-6アルキル」、本明細書において「低級アルキル」とも呼ばれる)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~5個の炭素原子を有する(「C1-5アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~4個の炭素原子を有する(「C1-4アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~3個の炭素原子を有する(「C1-3アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~2個の炭素原子を有する(「C1-2アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(「C1アルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2-6アルキル」)。C1-6アルキル基の例としては、メチル(C1)、エチル(C2)、n-プロピル(C3)、イソプロピル(C3)、n-ブチル(C4)、tert-ブチル(C4)、sec-ブチル(C4)、イソブチル(C4)、n-ペンチル(C5)、3-ペンタニル(C5)、アミル(C5)、ネオペンチル(C5)、3-メチル-2-ブタニル(C5)、第三級アミル(C5)、およびn-ヘキシル(C6)が挙げられる。アルキル基のさらなる例としては、n-ヘプチル(C7)、n-オクチル(C8)などが挙げられる。別段の指定がない限り、アルキル基の各事例は、独立して、任意選択で置換されており、すなわち、非置換であるか(「非置換アルキル」)、あるいは1つまたは複数の置換基、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基、または1個の置換基で置換されている(「置換アルキル」)。ある特定の実施形態では、アルキル基は、非置換C1-10アルキル(例えば、-CH3)である。特定の実施形態では、アルキル基は、置換C1-10アルキルである。一般的なアルキル略語には、Me(-CH3)、Et(-CH2CH3)、i-Pr(-CH(CH3)2)、n-Pr(-CH2CH2CH3)、n-Bu(-CH2CH2CH2CH3)、またはi-Bu(-CH2CH(CH3)2)が含まれる。
「アルキレン」は、2つの水素が除去されて2価のラジカルを提供するアルキル基を指し、それは置換されていても置換されていなくてもよい。非置換アルキレン基としては、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン(-CH2CH2CH2-)、ブチレン(-CH2CH2CH2CH2-)、ペンチレン(-CH2CH2CH2CH2CH2-)、ヘキシレン(-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-)などが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な置換アルキレン基、例えば、1つまたは複数のアルキル(メチル)基で置換されたアルキレン基としては、置換メチレン(-CH(CH3)-、(-C(CH3)2-))、置換エチレン(-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2-、-CH2C(CH3)2-)、置換プロピレン((-CH(CH3)CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-、-CH2CH2CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2CH2-、-CH2C(CH3)2CH2-、-CH2CH2C(CH3)2-))などが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルケニル」は、2~20個の炭素原子、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合(例えば、1個、2個、3個または4個の炭素-炭素二重結合)、および任意選択で1つまたは複数の炭素-炭素三重結合(例えば、1個、2個、3個、または4個の炭素-炭素三重結合)を有する直鎖または分枝鎖炭化水素基のラジカル(「C2-20アルケニル」)を指す。特定の実施形態において、アルケニルは、いかなる三重結合も含まない。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~10個の炭素原子を有する(「C2-10アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基は2~9個の炭素原子を有する(「C2-9アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~8個の炭素原子を有する(「C2-8アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~7個の炭素原子を有する(「C2-7アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2-6アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~5個の炭素原子を有する(「C2-5アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基は2~4個の炭素原子を有する(「C2-4アルケニル」)。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~3個の炭素原子を有する(「C2-3アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2個の炭素原子を有する(「C2アルケニル」)。1つまたは複数の炭素-炭素二重結合は、内部にあっても(2-ブテニルなど)または末端にあっても(1-ブテニルなど)よい。C2-4アルケニル基の例としては、エテニル(C2)、1-プロペニル(C3)、2-プロペニル(C3)、1-ブテニル(C4)、2-ブテニル(C4)、ブタジエニル(C4)などが挙げられる。C2-6アルケニル基の例としては、前述のC2-4アルケニル基、ならびにペンテニル(C5)、ペンタジエニル(C5)、ヘキセニル(C6)などが挙げられる。アルケニルのさらなる例としては、ヘプテニル(C7)、オクテニル(C8)、オクタトリエニル(C8)などが挙げられる。別段の指定がない限り、アルケニル基の各例は、独立して、任意選択で置換されており、すなわち、非置換であるか(「非置換アルケニル」)、あるいは1つまたは複数の置換基、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基、または1個の置換基で置換されている(「置換アルケニル」)。特定の実施形態では、アルケニル基は、非置換C2-10アルケニルである。特定の実施形態では、アルケニル基は置換C2-10アルケニルである。
「アルケニレン」は、2つの水素が除去されて2価のラジカルを提供するアルケニル基を指し、それは置換されていても置換されていなくてもよい。例示的な非置換二価アルケニレン基としては、エテニレン(-CH=CH-)およびプロペニレン(例えば、-CH=CHCH2-、-CH2-CH=CH-)が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な置換アルケニレン基、例えば、1つまたは複数のアルキル(メチル)基で置換されたものには、置換エチレン(-C(CH3)=CH-、-CH=C(CH3)-)、置換プロピレン(例えば、-C(CH3)=CHCH2-、-CH=C(CH3)CH2-、-CH=CHCH(CH3)-、-CH=CHC(CH3)2-、-CH(CH3)-CH=CH-、-C(CH3)2-CH=CH-、-CH2-C(CH3)=CH-、-CH2-CH=C(CH3)-)などが含まれるが、これらに限定されない。
「アルキニル」は、2~20個の炭素原子、1つまたは複数の炭素-炭素三重結合(例えば、1個、2個、3個、または4個の炭素-炭素三重結合)、および任意選択で1つまたは複数の炭素-炭素二重結合(例えば、1個、2個、3個または4個の炭素-炭素二重結合)を有する直鎖または分枝鎖炭化水素基のラジカル(「C2-20アルキニル」)を指す。特定の実施形態では、アルキニルは二重結合を含まない。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2~10個の炭素原子を有する(「C2-10アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基は2~9個の炭素原子を有する(「C2-9アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基は2~8個の炭素原子を有する(「C2-8アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基は2~7個の炭素原子を有する(「C2-7アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基は2~6個の炭素原子を有する(「C2-6アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2~5個の炭素原子を有する(「C2-5アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基は2~4個の炭素原子を有する(「C2-4アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2~3個の炭素原子を有する(「C2-3アルキニル」)。いくつかの実施形態では、アルキニル基は2個の炭素原子を有する(「C2アルキニル」)。1つまたは複数の炭素-炭素三重結合は、内部(2-ブチニル中など)または末端(1-ブチニル中など)であり得る。C2-4アルキニル基の例としては、エチニル(C2)、1-プロピニル(C3)、2-プロピニル(C3)、1-ブチニル(C4)、2-ブチニル(C4)などが挙げられるが、これらに限定されない。C2-6アルケニル基の例としては、前述のC2-4アルキニル基、ならびにペンチニル(C5)、ヘキシニル(C6)などが挙げられる。アルキニルのさらなる例としては、ヘプチニル(C7)、オクチニル(C8)などが挙げられる。別段の指定がない限り、アルキニル基の各例は、独立して任意選択で置換されており、すなわち、非置換であるか(「非置換アルキニル」)、あるいは1つまたは複数の置換基、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基、または1個の置換基で置換されている(「置換アルキニル」)。特定の実施形態では、アルキニル基は、非置換C2-10アルキニルである。特定の実施形態では、アルキニル基は置換C2-10アルキニルである。
「アルキニレン」は、2つの水素が除去されて2価のラジカルを提供する直鎖アルキニル基を指し、それは置換されていても置換されていなくてもよい。例示的な二価アルキニレン基としては、置換もしくは非置換のエチニレン、置換もしくは非置換のプロピニレンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「ヘテロアルキル」という用語は、親鎖内に1つまたは複数(例えば、1、2、3、または4個)のヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素、リン)をさらに含む、本明細書で定義されるアルキル基を指し、1つまたは複数のヘテロ原子は、親炭素鎖内の隣接する炭素原子間に挿入され、および/または1つまたは複数のヘテロ原子は、炭素原子と親分子との間、すなわち、結合点の間に挿入される。特定の実施形態では、ヘテロアルキル基は、1~10個の炭素原子および1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を有する飽和基(「ヘテロC1-10アルキル」)を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキル基は、1~9個の炭素原子および1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を有する飽和基(「ヘテロC1-9アルキル」)である。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキル基は、1~8個の炭素原子および1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を有する飽和基(「ヘテロC1-8アルキル」)である。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1~7個の炭素原子および1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を有する飽和基(「ヘテロC1-7アルキル」)である。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキル基は、1~6個の炭素原子および1個、2個、または3個のヘテロ原子を有する基(「ヘテロC1-6アルキル」)である。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1~5個の炭素原子および1個または2個のヘテロ原子を有する飽和基(「ヘテロC1-5アルキル」)である。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1~4個の炭素原子および/または2個のヘテロ原子を有する飽和基(「ヘテロC1-4アルキル」)である。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1~3個の炭素原子および1個のヘテロ原子を有する飽和基(「ヘテロC1-3アルキル」)である。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1~2個の炭素原子および1個のヘテロ原子を有する飽和基(「ヘテロC1-2アルキル」)である。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1個の炭素原子および1個のヘテロ原子を有する飽和基(「ヘテロC1アルキル」)である。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、2~6個の炭素原子および1個または2個のヘテロ原子を有する飽和基(「ヘテロC2-6アルキル」)である。特に明記しない限り、ヘテロアルキル基の各例は独立して、非置換である(「非置換ヘテロアルキル」)か、あるいは1つまたは複数の置換基で置換されている(「置換ヘテロアルキル」)。特定の実施形態では、ヘテロアルキル基は、非置換ヘテロC1-10アルキルである。特定の実施形態では、ヘテロアルキル基は置換ヘテロC1-10アルキルである。
本明細書で使用される「ヘテロアルケニル」という用語は、1つまたは複数(例えば、1、2、3、または4個)のヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素、リン)をさらに含む、本明細書で定義されるようなアルケニル基を指し、1つまたは複数のヘテロ原子は、親炭素鎖内の隣接する炭素原子間に挿入され、および/または1つまたは複数のヘテロ原子は、炭素原子と親分子との間、すなわち、結合点の間に挿入される。特定の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、2~10個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を有する基(「ヘテロC2-10アルケニル」)を指す。いくつかの実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2~9個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2-9アルケニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2~8個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2-8アルケニル」)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルケニル基は、2~7個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2-7アルケニル」)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルケニル基は、2~6個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1個、2個、または3個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2-6アルケニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2~5個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1個または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2-5アルケニル」)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルケニル基は、2~4個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2-4アルケニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルケニル基は、2~3個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2-3アルケニル」)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルケニル基は、2~6個の炭素原子、少なくとも1個の二重結合、および1個または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2-6アルケニル」)。特に明記しない限り、ヘテロアルケニル基の各例は、独立して、非置換である(「非置換ヘテロアルケニル」)か、あるいは1つまたは複数の置換基で置換されている(「置換ヘテロアルケニル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルケニル基は、非置換ヘテロC2-10アルケニルである。特定の実施形態において、ヘテロアルケニル基は、置換ヘテロC2-10アルケニルである。
本明細書で使用される「ヘテロアルキニル」という用語は、1つまたは複数(例えば、1、2、3、または4個)のヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素、リン)をさらに含む、本明細書で定義されるようなアルキニル基を指し、1つまたは複数のヘテロ原子は、親炭素鎖内の隣接する炭素原子間に挿入され、および/または1つまたは複数のヘテロ原子は、炭素原子と親分子との間、すなわち、結合点の間に挿入される。ある特定の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~10個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を有する基(「ヘテロC2-10アルキニル」)を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~9個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2-9アルキニル」)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~8個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2-8アルキニル」)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~7個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2-7アルキニル」)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~6個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および1個、2個、または3個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2-6アルキニル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキニル基は、2~5個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および1個または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2-5アルキニル」)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~4個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2-4アルキニル」)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~3個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および1個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2-3アルキニル」)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2~6個の炭素原子、少なくとも1個の三重結合、および1個または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2-6アルキニル」)。特に明記しない限り、ヘテロアルキニル基の各例は、独立して、非置換である(「非置換ヘテロアルキニル」)か、あるいは1つまたは複数の置換基で置換されている(「置換ヘテロアルキニル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルキニル基は、非置換ヘテロC2-10アルキニルである。特定の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、置換ヘテロC2-10アルキニルである。
本明細書で使用される場合、「アルキレン」、「アルケニレン」、「アルキニレン」、「ヘテロアルキレン」、「ヘテロアルケニレン」、および「ヘテロアルキニレン」は、それぞれ、アルキル、アルケニル、アルキニル基、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、およびヘテロアルキニル基の二価ラジカルを指す。炭素の範囲または数が、特定の「アルキレン」、「アルケニレン」、「アルキニレン」、「ヘテロアルキレン」、「ヘテロアルケニレン」または「ヘテロアルキニレン」基について提供される場合、その範囲または数は、直鎖炭素二価鎖中の炭素の範囲または数を指すことが理解される。「アルキレン」、「アルケニレン」、「アルキニレン」、「ヘテロアルキレン」、「ヘテロアルケニレン」および「ヘテロアルキニレン」基は、本明細書に記載される1つまたは複数の置換基で置換されていても置換されていなくてもよい。
「アリール」は、単環式または多環式(例えば、二環式または三環式)の4n+2芳香環系(例えば、6、10、または14πの電子が環配列で共有される)の、芳香環系中に提供される6~14個の環炭素原子およびゼロヘテロ原子を有する基(「C6-14アリール」)を指す。いくつかの実施形態において、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「C6アリール」;例えば、フェニル)。いくつかの実施形態において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば、1-ナフチルおよび2-ナフチルなどのナフチル)。いくつかの実施形態において、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」;例えば、アントラシル)。「アリール」はまた、上記で定義されるアリール環が、1つまたは複数のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合している環系を含み、ここで、ラジカルまたは結合点はアリール環上にあり、そのような場合、炭素原子の数は、アリール環系中の炭素原子の数を示し続ける。典型的なアリール基としては、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ-2、4-ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、およびトリナフタレンから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。特に、アリール基には、フェニル、ナフチル、インデニル、およびテトラヒドロナフチルが含まれる。別段の指定がない限り、アリール基の各例は、独立して、任意選択で置換されており、すなわち、非置換である(「非置換アリール」)か、あるいは1つまたは複数の置換基で置換されている(「置換アリール」)。特定の実施形態では、アリール基は、非置換C6-14アリールである。特定の実施形態では、アリール基は置換C6-14アリールである。
ある実施形態では、アリール基は、ハロ、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、C1-8アルコキシ、およびアミノから選択される基の1つまたは複数で置換される。
代表的な置換アリールの例としては、以下のものが挙げられる:
式中、R56およびR57のうちの1つは水素であってよく、R56およびR57のうちの少なくとも1つは、それぞれ独立して、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、4~10員ヘテロシクリル、アルカノイル、C1-8アルコキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、NR58COR59、NR58SOR59NR58SO2R59、COOアルキル、COOアリール、CONR58R59、CONR58OR59、NR58R59、SO2NR58R59、S-アルキル、SOアルキル、SO2アルキル、Sアリール、SOアリール、SO2アリールから選択されるか;あるいは、R57とR56が結合して、5~8個の原子からなる環式環(飽和または不飽和)を形成してもよく、それは、任意選択で、N、O、またはSの群から選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む。R60およびR61は、それぞれ独立して、水素、C1-8アルキル、C1-4ハロアルキル、C3-10カルボシクリル、4~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、置換C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、または置換された5~10員ヘテロアリールである。
縮合ヘテロシクリル基を有する他の代表的なアリール基としては、以下のものが挙げられる:
式中、各Wは、C(R66)2、NR66、OおよびSから選択され;各Yは、カルボニル、NR66、OおよびSから選択され;R66は独立して、水素、C1-8アルキル、C3-10カルボシクリル、4~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、および5~10員ヘテロアリールである。
「縮合アリール」は、第2のアリールもしくはヘテロアリール環またはカルボシクリルもしくはヘテロシクリル環と、その環炭素の2つを共有するアリールを指す。
「アラルキル」は、本明細書で定義されるアルキルおよびアリールのサブセットであり、任意選択で置換されたアリール基によって置換された任意選択で置換されたアルキル基を指す。
「ヘテロアリール」は、芳香族環系内に提供される環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員の単環式または二環式4n+2芳香族環系(例えば、6または10π電子が環配列で共有される)のラジカルを指し、各ヘテロ原子は独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5~10員ヘテロアリール」)。1つまたは複数の窒素原子を含むヘテロアリール基において、結合点は、原子価が許す限り、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール二環式環系は、一方または両方の環に1つまたは複数のヘテロ原子を含み得る。「ヘテロアリール」は、上で定義したヘテロアリール環が1つまたは複数のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合している環系を含み、結合点はヘテロアリール環上にあり、そのような場合、環員の数はヘテロアリール環系中の環員の数を示し続ける。「ヘテロアリール」はまた、上記で定義されるヘテロアリール環が1つまたは複数のアリール基と縮合している環系を含み、結合点は、アリールまたはヘテロアリール環のいずれかにあり、そのような場合、環員の数は、縮合(アリール/ヘテロアリール)環系における環員の数を指定する。一方の環がヘテロ原子を含まない二環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)は、結合点が、いずれかの環、すなわち、ヘテロ原子を有する環(例えば、2-インドリル)またはヘテロ原子を含まない環(例えば、5-インドリル)のいずれかにあり得る。
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香族環系内に提供される環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員芳香族環系であり、各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5~10員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香族環系内に提供される環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~8員芳香族環系であり、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「5~8員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、芳香族環系内に提供される環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員芳香族環系であり、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「5~6員ヘテロアリール」)。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子を有する。別段の指定がない限り、ヘテロアリール基の各例は、独立して、任意選択で置換されており、すなわち、非置換である(「非置換ヘテロアリール」)か、あるいは1つまたは複数の置換基で置換されている(「置換ヘテロアリール」)。特定の実施形態では、ヘテロアリール基は、非置換の5~14員ヘテロアリールである。特定の実施形態では、ヘテロアリール基は、置換された5~14員ヘテロアリールである。
1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基としては、ピロリル、フラニルおよびチオフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。2つのヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基としては、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリルおよびイソチアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基としては、トリアゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。4個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基としては、テトラゾリルが挙げられるが、これに限定されない。1つのヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基としては、ピリジニルが挙げられるが、これに限定されない。2つのヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基としては、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。3個または4個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基としては、それぞれ、トリアジニルおよびテトラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。1つのヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロアリール基としては、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な5,6-二環式ヘテロアリール基としては、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリニル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な6,6-二環式ヘテロアリール基としては、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
代表的なヘテロアリールの例としては、以下のものが挙げられる:
式中、各Yは、カルボニル、N、NR65、OおよびSから選択され;R65は独立して、水素、C1-8アルキル、C3-10カルボシクリル、4~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、および5~10員ヘテロアリールである。
「ヘテロアラルキル」は、本明細書で定義されるアルキルおよびヘテロアリールのサブセットであり、任意選択で置換されたヘテロアリール基によって置換された任意選択で置換されたアルキル基を指す。
「カルボシクリル」または「炭素環式」は、非芳香族環系内に3~10個の環炭素原子(「C3-10カルボシクリル」)およびゼロヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基は、3~8個の環炭素原子を有する(「C3-8カルボシクリル」)。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3-6カルボシクリル」)。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基は、5~6個の環炭素原子を有する(「C5-6カルボシクリル」)。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基は、5~10個の環炭素原子を有する(「C5-10カルボシクリル」)。例示的なC3-6カルボシクリル基としては、シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘキサジエニル(C6)などが挙げられるが、これらに限定されない。例示的なC3-8カルボシクリル基としては、前述のC3-6カルボシクリル基、ならびにシクロヘプチル(C7)、シクロヘプテニル(C7)、シクロヘプタジエニル(C7)、シクロヘプタトリエニル(C7)、シクロオクチル(C8)、シクロオクテニル(C8)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C7)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C8)などが挙げられるが、これらに限定されない。例示的なC3-10カルボシクリル基としては、前述のC3-8カルボシクリル基、ならびにシクロノニル(C9)、シクロノネニル(C9)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ-1H-インデニル(C9)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)などが挙げられるが、これらに限定されない。前述の例が示すように、特定の実施形態では、カルボシクリル基は、単環式(「単環式カルボシクリル」)であるか、または縮合環系、架橋環系もしくはスピロ環系、例えば二環式系(「二環式カルボシクリル」)を含み、飽和であってよく、または部分的に不飽和であってもよい。「カルボシクリル」はまた、上記で定義されるようなカルボシクリル環が、1つまたは複数のアリールまたはヘテロアリール基と縮合している環系であって、結合点がカルボシクリル環上にあるものを含み、そのような場合、炭素の数は、炭素環式環系内の炭素の数を示し続ける。別段の指定がない限り、カルボシクリル基の各例は、独立して、任意選択で置換されており、すなわち、非置換である(「非置換カルボシクリル」)か、あるいは1つまたは複数の置換基で置換されている(「置換カルボシクリル」)。特定の実施形態では、カルボシクリル基は、非置換C3-10カルボシクリルである。特定の実施形態では、カルボシクリル基は、置換C3-10カルボシクリルである。
いくつかの実施形態では、「カルボシクリル」は、3~10個の環炭素原子を有する単環式飽和カルボシクリル基(「C3-10カルボシクリル」)である。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基は、3~8個の環炭素原子を有する(「C3-8カルボシクリル」)。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3-6カルボシクリル」)。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基は、5~6個の環炭素原子を有する(「C5-6カルボシクリル」)。いくつかの実施形態では、カルボシクリル基は、5~10個の環炭素原子を有する(「C5-10カルボシクリル」)。C5-6カルボシクリル基の例としては、シクロペンチル(C5)およびシクロヘキシル(C5)が挙げられる。C3-6カルボシクリル基の例としては、前述のC5-6カルボシクリル基ならびにシクロプロピル(C3)およびシクロブチル(C4)が挙げられる。C3-8カルボシクリル基の例としては、前述のC3-6カルボシクリル基、ならびにシクロヘプチル(C7)およびシクロオクチル(C8)が挙げられる。特に明記しない限り、カルボシクリル基の各例は、独立して、非置換である(「非置換カルボシクリル」)か、あるいは1つまたは複数の置換基で置換されている(「置換カルボシクリル」)。特定の実施形態では、カルボシクリル基は、非置換C3-10カルボシクリルである。特定の実施形態では、カルボシクリル基は、置換C3-10カルボシクリルである。
「ヘテロシクリル」または「複素環式」は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する3~10員の非芳香族環系のラジカルを指し、各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される(「3~10員ヘテロシクリル」)。1つまたは複数の窒素原子を含むヘテロシクリル基において、結合点は、原子価が許す限り、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)、または縮合環系、架橋環系もしくはスピロ環系(例えば、二環式系(「二環式ヘテロシクリル」))のいずれであってよく、飽和であるか、または部分的に不飽和であってもよい。ヘテロシクリル二環式環系は、一方または両方の環に1つまたは複数のヘテロ原子を含み得る。「ヘテロシクリル」はまた、上記で定義されるヘテロシクリル環が、1つまたは複数のカルボシクリル基と縮合している環系であって、結合点がカルボシクリルまたはヘテロシクリル環上のいずれかにあるもの、または上記で定義されるヘテロシクリル環が、1つまたは複数のアリールまたはヘテロアリール基と縮合している環系であって、結合点がヘテロシクリル環上にあるものを含み、そのような場合、環員の数は、ヘテロシクリル環系内の環員の数を示し続ける。特に明記しない限り、ヘテロシクリルの各例は、独立して、任意選択で置換されており、すなわち、非置換である(「非置換ヘテロシクリル」)か、あるいは1つまたは複数の置換基で置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。特定の実施形態では、ヘテロシクリル基は、非置換の3~10員ヘテロシクリルである。特定の実施形態では、ヘテロシクリル基は、置換された3~10員ヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員の非芳香族環系であり、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から独立して選択される(「5~10員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~8員の非芳香族環系であり、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される(「5~8員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員非芳香族環系であり、各ヘテロ原子は、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される(「5~6員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1つの環ヘテロ原子を有する。
1個のヘテロ原子を含む例示的な3員ヘテロシクリル基としては、アジルジニル、オキシラニル、チオレニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な4員ヘテロシクリル基としては、アゼチジニル、オキセタニルおよびチエタニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基としては、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリルおよびピロリル-2,5-ジオンが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基としては、ジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニル、およびオキサゾリジン-2-オンが挙げられるが、これらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基としては、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基としては、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニルおよびチアニルが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基としては、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基としては、限定されないが、トリアジナニルが挙げられる。1個のヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロシクリル基としては、アゼパニル、オキセパニルおよびチエパニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な8員ヘテロシクリル基としては、アゾカニル、オキセカニルおよびチオカニルが挙げられるが、これらに限定されない。C6アリール環に縮合した例示的な5員ヘテロシクリル基(本明細書では、5,6-二環式複素環式環とも呼ばれる)としては、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アリール環に縮合した例示的な6員ヘテロシクリル基(本明細書では、6,6-二環式複素環式環とも呼ばれる)としては、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
ヘテロシクリル基の特定の例を以下の例示的な例に示す:
式中、各Wは、CR67、C(R67)2、NR67、OおよびSから選択され;各Yは、NR67、OおよびSから選択され;R67は独立して、水素、C1-8アルキル、C3-10カルボシクリル、4~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリールである。これらのヘテロシクリル環は、任意選択で、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル(カルバモイルまたはアミド)、アミノカルボニルアミノ、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、カルボシクリル、ハロゲン、ヒドロキシ、ケト、ニトロ、チオール、-S-アルキル、-S-アリール、-S(O)-アルキル、-S(O)-アリール、-S(O)2-アルキル、および-S(O)2-アリールからなる群より選択される1つまたは複数の基で置換されていてよい。置換基には、カルボニルまたはチオカルボニルが含まれ、それらは、例えばラクタムおよび尿素誘導体を提供する。
化合物または化合物上に存在する基を記載するために使用される場合、「ヘテロ」は、化合物または基の中の1つまたは複数の炭素原子が窒素、酸素または硫黄ヘテロ原子で置き換わっていることを意味する。ヘテロは、1~5個、特に1~3個のヘテロ原子を有する、アルキル(例えばヘテロアルキル)、カルボシクリル(例えばヘテロシクリル)、アリール(例えばヘテロアリール)、シクロアルケニル(例えばシクロヘテロアルケニル)などの上記のヒドロカルビル基のいずれかに適用することができる。
「アシル」は、ラジカル-C(O)R20を指し、ここで、R20は、本明細書で定義された、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールである。「アルカノイル」は、R20が水素以外の基であるアシル基である。代表的なアシル基としては、ホルミル(-CHO)、アセチル(-C(=O)CH3)、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル(-C(=O)Ph)、ベンジルカルボニル(-C(=O)CH2Ph)、-C(O)-C1-8アルキル、-C(O)-(CH2)t(C6-10アリール)、-C(O)-(CH2)t(5~10員ヘテロアリール)、-C(O)-(CH2)t(C3-10カルボシクリル)、および-C(O)-(CH2)t(4~10員ヘテロシクリル)(式中、tは0~4の整数である)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、Rは、ハロまたはヒドロキシで置換されたC1-8アルキル;あるいは、C3-10カルボシクリル、4~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、アリールアルキル、5~10員ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらの各々は、非置換C1-4アルキル、ハロ、非置換C1-4アルコキシ、非置換C1-4ハロアルキル、非置換C1-4ヒドロキシアルキル、または非置換C1-4ハロアルコキシまたはヒドロキシで置換される)である。
「アシルアミノ」は、ラジカル-NR22C(O)R23を指し、ここでR22およびR23の各例は、独立して、本明細書で定義されるような、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールであり、あるいは、R22はアミノ保護基である。例示的な「アシルアミノ」基としては、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘキシルメチル-カルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、およびベンジルカルボニルアミノが挙げられるが、これらに限定されない。特定の例示的な「アシルアミノ」基は、-NR24C(O)-C1-8アルキル、-NR24C(O)-(CH2)t(C6-10アリール)、-NR24C(O)-(CH2)t(5~10員ヘテロアリール)、-NR24C(O)-(CH2)t(C3-10カルボシクリル)、および-NR24C(O)-(CH2)t(4~10員ヘテロシクリル)(式中、tは0~4の整数であり;各R24は、独立して、HまたはC1-8アルキルを表す)である。特定の実施形態において、R25は、H、あるいはハロもしくはヒドロキシで置換されたC1-8アルキル;C3-10カルボシクリル、4~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、アリールアルキル、5~10員ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらの各々は、非置換C1-4アルキル、ハロ、非置換C1-4アルコキシ、非置換C1-4ハロアルキル、非置換C1-4ヒドロキシアルキル、または非置換C1-4ハロアルコキシまたはヒドロキシで置換される)であり;R26は、H、あるいはハロまたはヒドロキシで置換されたC1-8アルキル;C3-10カルボシクリル、4~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、アリールアルキル、5~10員ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらの各々は、非置換C1-4アルキル、ハロ、非置換C1-4アルコキシ、非置換C1-4ハロアルキル、非置換C1-4ヒドロキシアルキル、または非置換C1-4ハロアルコキシ、またはヒドロキシルで置換される)であり;ただし、R25およびR26のうちの少なくとも一方はH以外である。
「アシルオキシ」は、基-OC(O)R27を指し、ここで、R27は、本明細書で定義されるような、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールである。代表的な例としては、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル、およびベンジルカルボニルが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、R28は、ハロまたはヒドロキシで置換されたC1-8アルキル;C3-10カルボシクリル、4~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、アリールアルキル、5~10員ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらの各々は、非置換C1-4アルキル、ハロ、非置換C1-4アルコキシ、非置換C1-4ハロアルキル、非置換C1-4ヒドロキシアルキル、または非置換C1-4ハロアルコキシまたはヒドロキシで置換される)である。
「アルコキシ」は、-OR29の基を指し、ここで、R29は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、または置換もしくは非置換のヘテロアリールである。特定のアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ、および1,2-ジメチルブトキシである。特定のアルコキシ基は、低級アルコキシ、すなわち1~6個の炭素原子を有するアルコキシである。さらに特定のアルコキシ基は、1~4個の炭素原子を有する。
特定の実施形態では、R29は、アミノ、置換アミノ、C6-10アリール、アリールオキシ、カルボキシル、シアノ、C3-10カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、ハロゲン、5~10員ヘテロアリール、ヒドロキシル、ニトロ、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオール、アルキル-S(O)-、アリール-S(O)-、アルキル-S(O)2-、およびアリール-S(O)2-からなる群より選択される1つまたは複数の置換基、例えば1~5個の置換基、特に1~3個の置換基、特に1個の置換基を有する基である。例示的な「置換アルコキシ」基としては、限定はされないが、-O-(CH2)t(C6-10アリール)、-O-(CH2)t(5~10員ヘテロアリール)、-O-(CH2)tC3-10カルボシクリル)、および-O-(CH2)t(4~10員ヘテロシクリル)が挙げられ、式中、tは0~4の整数であり、存在する任意のアリール、ヘテロアリール、カルボシクリルまたはヘテロシクリル基は、それら自体が、非置換C1-4アルキル、ハロ、非置換C1-4アルコキシ、非置換C1-4ハロアルキル、非置換C1-4ヒドロキシアルキル、または非置換C1-4ハロアルコキシまたはヒドロキシによって置換されていてもよい。特定の例示的な「置換アルコキシ」基は、-OCF3、-OCH2CF3、-OCH2Ph、-OCH2-シクロプロピル、-OCH2CH2OH、および-OCH2CH2NMe2である。
「アミノ」は、ラジカル-NH2を指す。
「置換アミノ」は、式-N(R38)2のアミノ基を指し、式中、R38は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、またはアミノ保護基であり、R38の少なくとも1つは水素ではない。特定の実施形態において、各R38は独立して、水素、C1-8アルキル、C3-8アルケニル、C3-8アルキニル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリール、4~10員ヘテロシクリル、またはC3-10カルボシクリル;または、ハロもしくはヒドロキシで置換されたC1-8アルキル;ハロもしくはヒドロキシで置換されたC3-8アルケニル;ハロもしくはヒドロキシで置換されたC3-8アルキニル、または-(CH2)t(C6-10アリール)、-(CH2)t(5~10員ヘテロアリール)、-(CH2)t(C3-10カルボシクリル)、または-(CH2)t(4~10員ヘテロシクリル)(tは0~8の整数であり、これらの各々は、非置換C1-4アルキル、ハロ、非置換C1-4アルコキシ、非置換C1-4ハロアルキル、非置換C1-4ヒドロキシアルキル、または非置換C1-4ハロアルコキシまたはヒドロキシで置換される)から選択されるか;あるいは両方のR基が一緒になってアルキレン基を形成する。
例示的な「置換アミノ」基としては、限定されないが、-NR39-C1-8アルキル、-NR39-(CH2)t(C6-10アリール)、-NR39-(CH2)t(5~10員ヘテロアリール)、-NR39-(CH2)t(C3-10カルボシクリル)、および-NR39-(CH2)t(4~10員ヘテロシクリル)が挙げられ、式中、tは0~4の整数、例えば1または2であり、各R39は、独立して、HまたはC1-8アルキルを表し;存在する任意のアルキル基は、それ自体、ハロ、置換もしくは非置換のアミノ、またはヒドロキシによって置換されていてよく;存在する任意のアリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、またはヘテロシクリル基は、それら自体、非置換C1-4アルキル、ハロ、非置換C1-4アルコキシ、非置換C1-4ハロアルキル、非置換C1-4ヒドロキシアルキル、または非置換C1-4ハロアルコキシまたはヒドロキシによって置換されていてよい。誤解を避けるために、「置換アミノ」という用語には、以下に定義されるような、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、置換アルキルアリールアミノ、アリールアミノ、置換アリールアミノ、ジアルキルアミノ、および置換ジアルキルアミノ基が含まれる。置換アミノは、一置換アミノと二置換アミノ基の両方を包含する。
「アジド」は、ラジカル-N3を指す。
「カルバモイル」または「アミド」は、ラジカル-C(O)NH2を指す。
「置換カルバモイル」または「置換アミド」は、基-C(O)N(R62)2を指し、式中、各R62は独立して、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアルキニル、置換もしくは非置換のカルボシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、またはアミノ保護基であり、R62の少なくとも1つは水素ではない。ある特定の実施形態において、R62は、H、C1-8アルキル、C3-10カルボシクリル、4~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、アラルキル、5~10員ヘテロアリール、およびヘテロアラルキルから選択され;あるいは、ハロもしくはヒドロキシで置換されたC1-8アルキル;または、C3-10カルボシクリル、4~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、アラルキル、5~10員ヘテロアリール、もしくはヘテロアラルキル(これらはそれぞれ、非置換C1-4アルキル、ハロ、非置換C1-4アルコキシ、非置換C1-4ハロアルキル、非置換C1-4ヒドロキシアルキル、または非置換C1-4ハロアルコキシまたはヒドロキシによって置換される)であり;ただし、少なくとも1つのR62はH以外である。
例示的な「置換カルバモイル」基としては、限定されないが、-C(O)NR64-C1-8アルキル、-C(O)NR64-(CH2)t(C6-10アリール)、-C(O)N64-(CH2)t(5~10員ヘテロアリール)、-C(O)NR64-(CH2)t(C3-10カルボシクリル)、および-C(O)NR64-(CH2)t(4~10員ヘテロシクリル)が挙げられ、ここで、tは0~4の整数であり、各R64は独立して、HまたはC1-8アルキルを表し、存在する任意のアリール、ヘテロアリール、カルボシクリルまたはヘテロシクリル基は、それら自体が、非置換C1-4アルキル、ハロ、非置換C1-4アルコキシ、非置換C1-4ハロアルキル、非置換C1-4ヒドロキシアルキルまたは非置換C1-4ハロアルコキシまたはヒドロキシによって置換されていてもよい。
「カルボキシ」は、ラジカル-C(O)OHを指す。
「シアノ」は、ラジカル-CNを指す。
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)、およびヨード(I)を指す。ある特定の実施形態では、ハロ基は、フルオロまたはクロロのいずれかである。
「ヒドロキシ」は、ラジカル-OHを指す。
「ニトロ」は、ラジカル-NO2を指す。
「カルボシクリルアルキル」は、アルキル基がカルボシクリル基で置換されているアルキルラジカルを指す。典型的なカルボシクリルアルキル基としては、限定されないが、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチル、シクロオクチルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘプチルエチル、およびシクロオクチルエチルなどが挙げられる。
「ヘテロシクリルアルキル」は、アルキル基がヘテロシクリル基で置換されているアルキルラジカルを指す。典型的なヘテロシクリルアルキル基としては、限定されないが、ピロリジニルメチル、ピペリジニルメチル、ピペラジニルメチル、モルホリニルメチル、ピロリジニルエチル、ピペリジニルエチル、ピペラジニルエチル、モルホリニルエチルなどが挙げられる。
「シクロアルケニル」は、3~10個の炭素原子を有し、縮合環系および架橋環系を含む、少なくとも1つ、特に1~2つのオレフィン不飽和部位を有する単一の環式環または複数の縮合環を有する、置換もしくは非置換のカルボシクリル基を指す。このようなシクロアルケニル基としては、例として、単環構造、例えばシクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロプロペニルなどが挙げられる。
「縮合シクロアルケニル」とは、その環炭素原子の2つを第2の脂肪族環または芳香環と共有し、シクロアルケニル環に芳香族性を付与するように配置されたオレフィン不飽和を有するシクロアルケニルを指す。
「エチレン」は、置換もしくは非置換の-(C-C)-を指す。
「エテニル」は、置換もしくは非置換の-(C=C)-を指す。
「窒素含有ヘテロシクリル」基は、少なくとも1つの窒素原子を含む4~7員の非芳香族環式基を意味し、例えば、限定されないが、モルホリン、ピペリジン(例えば、2-ピペリジニル、3-ピペリジニルおよび4-ピペリジニル)、ピロリジン(例えば、2-ピロリジニルおよび3-ピロリジニル)、アゼチジン、ピロリドン、イミダゾリン、イミダゾリジノン、2-ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペラジン、およびN-アルキルピペラジン(例えば、N-メチルピペラジン)である。具体例としては、アゼチジン、ピペリドンおよびピペラゾンが挙げられる。
「チオケト」は、=S基を指す。
本明細書で定義されるような、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基は、任意選択で置換されていてもよい(例えば、「置換」または「非置換」アルキル、「置換」または「非置換」アルケニル、「置換「または「非置換」アルキニル、「置換」または「非置換」カルボシクリル、「置換」または「非置換」ヘテロシクリル、「置換」または「非置換」アリールまたは「置換」または「非置換」ヘテロアリール基)。一般に、用語「置換(された)」は、用語「任意選択で」が先行するか否かにかかわらず、基(例えば、炭素または窒素原子)上に存在する少なくとも1つの水素が、許容される置換基、例えば、置換時に安定な化合物(例えば、転位、環化、脱離、または他の反応などにより自発的に転換を受けない化合物)をもたらす置換基で置き換えられていることを意味する。別段の指示がない限り、「置換された」基は、その基の1つまたは複数の置換可能な位置に置換基を有し、任意の所与の構造における複数の位置が置換される場合、その置換基は、各位置において同じであっても異なっていてもよい。用語「置換(された)」は、有機化合物の全ての許容される置換基、安定な化合物の形成をもたらす本明細書に記載の置換基のいずれかでの置換を含むことが意図される。本発明の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基および/またはヘテロ原子の原子価を満たし、安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載の任意の適切な置換基を有することができる。
例示的な炭素原子置換基としては、限定されないが、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORaa、-ON(Rbb)2、-N(Rbb)2、-N(Rbb)-TXk、-N(ORcc)Rbb、-SH、-SRaa、-SSRCC、-C(=O)Raa、-CO2H、-CHO、-C(ORcc)2、-CO2Raa、-OC(=O)Raa、-OCO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-OC(=O)N(Rbb)2、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCO2Raa、-NRbbC(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-OC(=NRbb)N(Rbb)2、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、-C(=O)NRbbSO2Raa、-NRbbSO2Raa、-SO2N(Rbb)2、-SO2Raa、-SO2ORaa、-OSO2Raa、-S(=O)Raa、-OS(=O)Raa、-Si(Raa)3、-OSi(Raa)3、-C(=S)N(Rbb)2、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa、-SC(=S)SRaa、-SC(=O)SRaa、-OC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaa、-SC(=O)Raa、-P(=O)2Raa、-OP(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-OP(=O)(Raa)2、-OP(=O)(ORCC)2、-P(=O)2N(Rbb)2、-OP(=O)2N(Rbb)2、-P(=O)(NRbb)2、-OP(=O)(NRbb)2、-NRbbP(=O)(ORcc)2、-NRbbP(=O)(NRbb)2、-P(RCC)2、-P(RCC)3、-OP(Rcc)2、-OP(Rcc)3、-B(Raa)2、-B(ORcc)2、-BRaa(ORcc)、C1-10アルキル、C1-10パーハロアルキル(perhaloalkyl)、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6-14アリール、および5~14員ヘテロアリールが挙げられ、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されており;
または、炭素原子上の2つのジェミナル水素は、基=O、=S、=NN(Rbb)2、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)2Raa、=NRbb、または=NORccで置き換えられており;
Raaの各例は、独立して、C1-10アルキル、C1-10パーハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6-14アリール、および5~14員ヘテロアリールから選択されるか、または2つのRaa基が一緒になって、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されており;
Rbbの各例は、独立して、水素、-OH、-ORaa、-N(RCC)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(RCC)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、C1-10アルキル、C1-10パーハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6-14アリール、および5~14員ヘテロアリールから選択されるか、または2つのRbb基が一緒になって、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されており;
Rccの各例は、独立して、水素、C1-10アルキル、C1-10パーハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6-14アリール、および5~14員ヘテロアリールから選択されるか、または2つのRcc基が一緒になって、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されており;
Rddの各例は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORee、-ON(Rff)2、-N(Rff)2、-N(Rff)3 +X-、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-CO2H、-CO2Ree、-OC(=O)Ree、-OCO2Ree、-C(=O)N(Rff)2、-OC(=O)N(Rff)2、-NRffC(=O)Ree、-NRffCO2Ree、-NRffC(=O)N(Rff)2、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff)2、-OC(=NRff)N(Rff)2、-NRffC(=NRff)N(Rff)2、-NRffSO2Ree、-SO2N(Rff)2、-SO2Ree、-SO2ORee、-OSO2Ree、-S(=O)Ree、-Si(Ree)3、-OSi(Ree)3、-C(=S)N(Rff)2、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)2Ree、-P(=O)(Ree)2、-OP(=O)(Ree)2、-OP(=O)(ORee)2、C1-6アルキル、C1-6パーハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、もしくは5個のRgg基で置換されており、あるいは、2つのジェミナルRdd置換基が一緒になって、=Oもしくは=Sを形成してもよく;
Reeの各例は、独立して、C1-6アルキル、C1-6パーハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10カルボシクリル、C6-10アリール、3~10員ヘテロシクリル、および3~10員ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されており;
Rffの各例は、独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6パーハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C6-10アリールおよび5~10員ヘテロアリールから選択されるか、または2つのRff基が一緒になって3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されており;
Rggの各例は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-OC1-6アルキル、-ON(C1-6アルキル)2、-N(C1-6アルキル)2、-N(C1-6アルキル)2 +X-、-NH(C1-6アルキル)2 +X-、-NH2(C1-6アルキル)+X-、-NH3 +X-、-N(OC1-6アルキル)(C1-6アルキル)、-N(OH)(C1-6アルキル)、-NH(OH)、-SH、-SC1-6アルキル、-SS(C1-6アルキル)、-C(=O)(C1-6アルキル)、-CO2H、-CO2(C1-6アルキル)、-OC(=O)(C1-6アルキル)、-OCO2(C1-6アルキル)、-C(=O)NH2、-C(=O)N(C1-6アルキル)2、-OC(=O)NH(C1-6アルキル)、-NHC(=O)(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)C(=O)(C1-6アルキル)、-NHCO2(C1-6アルキル)、-NHC(=O)N(C1-6アルキル)2、-NHC(=O)NH(C1-6アルキル)、-NHC(=O)NH2、-C(=NH)O(C1-6アルキル)、-OC(=NH)(C1-6アルキル)、-OC(=NH)OC1-6アルキル、-C(=NH)N(C1-6アルキル)2、-C(=NH)NH(C1-6アルキル)、-C(=NH)NH2、-OC(=NH)N(C1-6アルキル)2、-OC(NH)NH(C1-6アルキル)、-OC(NH)NH2、-NHC(NH)N(C1-6アルキル)2、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2(C1-6アルキル)、-SO2N(C1-6アルキル)2、-SO2NH(C1-6アルキル)、-SO2NH2、-SO2C1-6アルキル、-SO2OC1-6アルキル、-OSO2C1-6アルキル、-SOC1-6アルキル、-Si(C1-6アルキル)3、-OSi(C1-6アルキル)3-C(=S)N(C1-6アルキル)2、C(=S)NH(C1-6アルキル)、C(=S)NH2、-C(=O)S(C1-6アルキル)、-C(=S)SC1-6アルキル、-SC(=S)SC1-6アルキル、-P(=O)2(C1-6アルキル)、-P(=O)(C1-6アルキル)2、-OP(=O)(C1-6アルキル)2、-OP(=O)(OC1-6アルキル)2、C1-6アルキル、C1-6パーハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10カルボシクリル、C6-10アリール、3~10員ヘテロシクリル、5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、2つのジェミナルRgg置換基が一緒になって、=Oまたは=Sを形成してもよく;ここで、X-は対イオンである。
または、炭素原子上の2つのジェミナル水素は、基=O、=S、=NN(Rbb)2、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)2Raa、=NRbb、または=NORccで置き換えられており;
Raaの各例は、独立して、C1-10アルキル、C1-10パーハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6-14アリール、および5~14員ヘテロアリールから選択されるか、または2つのRaa基が一緒になって、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されており;
Rbbの各例は、独立して、水素、-OH、-ORaa、-N(RCC)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(RCC)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、C1-10アルキル、C1-10パーハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6-14アリール、および5~14員ヘテロアリールから選択されるか、または2つのRbb基が一緒になって、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されており;
Rccの各例は、独立して、水素、C1-10アルキル、C1-10パーハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6-14アリール、および5~14員ヘテロアリールから選択されるか、または2つのRcc基が一緒になって、3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されており;
Rddの各例は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORee、-ON(Rff)2、-N(Rff)2、-N(Rff)3 +X-、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-CO2H、-CO2Ree、-OC(=O)Ree、-OCO2Ree、-C(=O)N(Rff)2、-OC(=O)N(Rff)2、-NRffC(=O)Ree、-NRffCO2Ree、-NRffC(=O)N(Rff)2、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff)2、-OC(=NRff)N(Rff)2、-NRffC(=NRff)N(Rff)2、-NRffSO2Ree、-SO2N(Rff)2、-SO2Ree、-SO2ORee、-OSO2Ree、-S(=O)Ree、-Si(Ree)3、-OSi(Ree)3、-C(=S)N(Rff)2、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)2Ree、-P(=O)(Ree)2、-OP(=O)(Ree)2、-OP(=O)(ORee)2、C1-6アルキル、C1-6パーハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C6-10アリール、5~10員ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して、0、1、2、3、4、もしくは5個のRgg基で置換されており、あるいは、2つのジェミナルRdd置換基が一緒になって、=Oもしくは=Sを形成してもよく;
Reeの各例は、独立して、C1-6アルキル、C1-6パーハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10カルボシクリル、C6-10アリール、3~10員ヘテロシクリル、および3~10員ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されており;
Rffの各例は、独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6パーハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C6-10アリールおよび5~10員ヘテロアリールから選択されるか、または2つのRff基が一緒になって3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRgg基で置換されており;
Rggの各例は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-OC1-6アルキル、-ON(C1-6アルキル)2、-N(C1-6アルキル)2、-N(C1-6アルキル)2 +X-、-NH(C1-6アルキル)2 +X-、-NH2(C1-6アルキル)+X-、-NH3 +X-、-N(OC1-6アルキル)(C1-6アルキル)、-N(OH)(C1-6アルキル)、-NH(OH)、-SH、-SC1-6アルキル、-SS(C1-6アルキル)、-C(=O)(C1-6アルキル)、-CO2H、-CO2(C1-6アルキル)、-OC(=O)(C1-6アルキル)、-OCO2(C1-6アルキル)、-C(=O)NH2、-C(=O)N(C1-6アルキル)2、-OC(=O)NH(C1-6アルキル)、-NHC(=O)(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)C(=O)(C1-6アルキル)、-NHCO2(C1-6アルキル)、-NHC(=O)N(C1-6アルキル)2、-NHC(=O)NH(C1-6アルキル)、-NHC(=O)NH2、-C(=NH)O(C1-6アルキル)、-OC(=NH)(C1-6アルキル)、-OC(=NH)OC1-6アルキル、-C(=NH)N(C1-6アルキル)2、-C(=NH)NH(C1-6アルキル)、-C(=NH)NH2、-OC(=NH)N(C1-6アルキル)2、-OC(NH)NH(C1-6アルキル)、-OC(NH)NH2、-NHC(NH)N(C1-6アルキル)2、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2(C1-6アルキル)、-SO2N(C1-6アルキル)2、-SO2NH(C1-6アルキル)、-SO2NH2、-SO2C1-6アルキル、-SO2OC1-6アルキル、-OSO2C1-6アルキル、-SOC1-6アルキル、-Si(C1-6アルキル)3、-OSi(C1-6アルキル)3-C(=S)N(C1-6アルキル)2、C(=S)NH(C1-6アルキル)、C(=S)NH2、-C(=O)S(C1-6アルキル)、-C(=S)SC1-6アルキル、-SC(=S)SC1-6アルキル、-P(=O)2(C1-6アルキル)、-P(=O)(C1-6アルキル)2、-OP(=O)(C1-6アルキル)2、-OP(=O)(OC1-6アルキル)2、C1-6アルキル、C1-6パーハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-10カルボシクリル、C6-10アリール、3~10員ヘテロシクリル、5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、2つのジェミナルRgg置換基が一緒になって、=Oまたは=Sを形成してもよく;ここで、X-は対イオンである。
「対イオン」または「アニオン性対イオン」は、電子中性を維持するためにカチオン性第四級アミノ基と会合した負に荷電した基である。例示的な対イオンとしては、ハロゲン化物イオン(例えば、F-、Cl-、Br-、I-)、NO3
-、ClO4
-、OH-、H2PO4
-、HSO4
-、SO4
2-スルホネートイオン(例えば、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、p-トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、10-カンファースルホネート、ナフタレン-2-スルホネート、ナフタレン-1-スルホン酸-5-スルホネート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホネートなど)、およびカルボキシレートイオン(例えば、アセテート、エタノエート、プロパノエート、ベンゾエート、グリセレート、ラクテート、タルトレート、グリコレートなど)が挙げられる。
窒素原子は、原子価が許す限り置換されていても置換されていなくてもよく、1級、2級、3級および4級窒素原子を含む。例示的な窒素原子置換基としては、限定されないが、水素、-OH、-ORaa、-N(RCC)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(RCC)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRcc)0Raa、-C(=NRCC)N(RCC)2、-SO2N(RCC)2、-SO2RCC、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(RCC)2、-P(=O)(NRCC)2、C1-10アルキル、C1-10パーハロアルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6-14アリールおよび5~14員ヘテロアリールが挙げられ、あるいは、窒素原子に結合した2つのRcc基が一緒になって3~14員ヘテロシクリルまたは5~14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4、または5個のRdd基で置換されており、Raa、Rbb、Rcc、およびRddは、上で定義した通りである。
これらおよび他の例示的な置換基は、詳細な説明、実施例および特許請求の範囲においてより詳細に記載されている。本発明は、置換基の上記の例示的なリストによって決して限定されることを意図しない。
他の定義
「薬学的に許容される」は、連邦もしくは州政府の規制当局または米国以外の国における対応する当局によって承認されたまたは承認可能であること、あるいは動物、より具体的にはヒトにおける使用のために米国薬局方または他の一般的に認められている薬局方に列挙されていることを意味する。
「薬学的に許容される」は、連邦もしくは州政府の規制当局または米国以外の国における対応する当局によって承認されたまたは承認可能であること、あるいは動物、より具体的にはヒトにおける使用のために米国薬局方または他の一般的に認められている薬局方に列挙されていることを意味する。
「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容され、親化合物の所望の薬理活性を有する本発明の化合物の塩を指す。特に、このような塩は非毒性であり、無機または有機酸付加塩および塩基付加塩であり得る。具体的には、そのような塩には、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸を用いて形成される酸付加塩、または、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-l-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert-ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸を用いて形成される酸付加塩;あるいは(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、またはアルミニウムイオンで置き換えられたとき;またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミンなどの有機塩基が配位したときに形成される塩が含まれる。塩にはさらに、単なる例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどが含まれ;また、化合物が塩基性官能基を含む場合、非毒性の有機酸または無機酸の塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などが含まれる。
「薬学的に許容されるカチオン」は、酸性官能基の許容されるカチオン性対イオンを指す。このようなカチオンは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムカチオンなどによって例示される(例えば、Berge, et al., J. Pharm. Sci. 66 (1):1-79 (January 77)を参照されたい)。
「薬学的に許容されるビヒクル」は、それと共に本発明の化合物が投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤または担体を指す。
「薬学的に許容される代謝的に切断可能な基」は、in vivoで切断されて、本明細書に示される構造式の親分子を生じさせる基を指す。代謝的に切断可能な基の例としては、-COR、-COOR、-CONRRおよび-CH2ORラジカルが挙げられ、式中、Rは、各出現につき独立して、アルキル、トリアルキルシリル、炭素環式アリール、あるいは、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシもしくはアルコキシの1つもしくは複数で置換された炭素環式アリールから選択される。代表的な代謝的に切断可能な基の具体例としては、アセチル、メトキシカルボニル、ベンゾイル、メトキシメチル、およびトリメチルシリル基が挙げられる。
「プロドラッグ」は、切断可能な基を有し、加溶媒分解によりまたは生理学的条件下で、in vivoで薬学的に活性である本発明の化合物になる、本発明の化合物の誘導体を含む化合物を指す。このような例には、コリンエステル誘導体など、およびN-アルキルモルホリンエステルなどが含まれるが、これらに限定されない。本発明の化合物の他の誘導体は、それらの酸形態および酸誘導体形態の両方において活性を有するが、酸感受性形態において、しばしば、哺乳類生物における溶解性、組織適合性、または遅延放出の利点を提供する(Bundgard, H., Design of Prodrugs, pp. 7-9, 21-24, Elsevier, Amsterdam 1985を参照のこと)。プロドラッグには、当業者に周知の酸誘導体、例えば、親酸と好適なアルコールとの反応によって調製されるエステル、または親酸化合物と置換もしくは非置換のアミンとの反応によって調製されるアミド、または酸無水物、または混合無水物が含まれる。本発明の化合物にペンダントしている酸性基に由来する単純な脂肪族または芳香族エステル、アミドおよび無水物は、特定のプロドラッグである。場合によっては、(アシルオキシ)アルキルエステルまたは(アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルなどの二重エステル型プロドラッグを調製することが望ましい。特に、本発明の化合物のC1-8アルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、アリール、C7-12置換アリール、およびC7-12アリールアルキルエステルである。
「溶媒和物」は、通常は加溶媒分解反応によって、溶媒または水(「水和物」とも呼ばれる)と会合した化合物の形態を指す。この物理的会合は水素結合を含む。一般的な溶媒としては、水、エタノール、酢酸などが挙げられる。本発明の化合物は、例えば、結晶形態で調製され、溶媒和または水和され得る。適切な溶媒和物には、水和物などの薬学的に許容される溶媒和物が含まれ、化学量論的溶媒和物および非化学量論的溶媒和物の両方が含まれる。特定の例において、溶媒和物は、例えば、1つまたは複数の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれたときに単離可能になる。「溶媒和物」は、溶液相と単離可能な溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物としては、水和物、エタノール和物(ethanolate)およびメタノール和物(methanolate)が挙げられる。
投与が企図される「対象」には、ヒト(すなわち、任意の年齢群の男性または女性、例えば、小児対象(例えば、乳児、幼児、青年)または成人対象(例えば、若年成人、中年成人または高齢者))および/または非ヒト動物、例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、げっ歯類、ネコ、および/またはイヌなどの哺乳動物が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、対象はヒトである。ある態様において、対象は非ヒト動物である。「ヒト」、「患者」、および「対象」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
「有効量」は、疾患を治療または予防するために対象に投与した場合に、そのような治療または予防をもたらすのに十分な化合物の量を意味する。「有効量」は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに治療される対象の年齢、体重などに応じて変動し得る。「治療有効量」は、治療的処置のための有効量を指す。「予防的有効量」は、予防的処置のための有効量を指す。
「予防する」または「予防」または「予防的処置」は、疾患または障害を獲得または発症するリスクの低減(すなわち、疾患を引き起こす作用物質にまだ曝露されていないかまたは疾患の発症前の疾患にかかりやすい対象において、疾患の臨床症状の少なくとも1つを発症させないこと)を指す。
「防御(Prophylaxis)」は、「予防(prevention)」に関連し、病気の治療や治癒ではなく、予防を目的とした手段や処置を指す。予防手段の非限定的な例には、ワクチンの投与;体を動かさないために血栓症のリスクがある入院中の患者への低分子ヘパリンの投与;およびマラリアが風土病であるかマラリアに罹患するリスクが高い地域への訪問に先立って行われるクロロキン等の抗マラリア剤の投与が含まれ得る。
任意の疾患または障害の「治療する(treating)」または「治療(treatment)」または「治療的処置」は、一実施形態では、疾患または障害を改善すること(すなわち、疾患を停止すること、またはその臨床症状の少なくとも1つの徴候、程度もしくは重症度を軽減すること)を指す。別の実施形態では、「治療する」または「治療」は、少なくとも1つの身体パラメータを改善することを指し、それは対象により認識可能でなくてもよい。さらに別の実施形態では、「治療する」または「治療」は、身体的に(例えば、認識可能な症状の安定化)、生理学的に(例えば、身体的パラメータの安定化)のいずれかまたはその両方で、疾患または障害を調節することを指す。さらなる実施形態では、「治療する」または「治療」は、疾患の進行を遅らせることに関する。
本明細書で使用される場合、「同位体バリアント」という用語は、そのような化合物を構成する原子の1つまたは複数に不自然な割合の同位体を含む化合物を指す。例えば、化合物の「同位体バリアント」は、例えば重水素(2HまたはD)、炭素13(13C)、窒素15(15N)などの1つまたは複数の非放射性同位体を含み得る。このような同位体置換が行われた化合物では、存在する場合、以下の原子が変動する可能性があり、例えば、任意の水素が2H/Dであってよく、任意の炭素が13Cであってよく、または任意の窒素が15Nであってよく、そのような原子の存在および配置は、当業者の技能の範囲内で決定され得ることが理解されるであろう。同様に、本発明は、例えば、得られた化合物が薬物および/または基質の組織分布研究に使用され得る場合には、放射性同位体を用いた同位体バリアントの調製を含むことができる。放射性同位元素であるトリチウム(3H)および炭素14(14C)は、組み込みが容易でありかつ検出が容易であるという観点から、この目的に特に有用である。さらに、11C、18F、15O、13Nなどの陽電子放出同位体で置換された化合物を調製することもでき、それは基質受容体の占有率を調べるための陽電子放出断層撮影(PET)研究に有用である。本明細書に提供される化合物のすべての同位体バリアントは、放射性物質であるか否かにかかわらず、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
同じ分子式を有するが、原子の結合の性質や順序、空間におけるそれら原子の配置が異なる化合物は「異性体」と呼ばれることも理解されたい。空間における原子の配置が異なる異性体は「立体異性体」と呼ばれる。
互いに鏡像ではない立体異性体は「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いに重ね合わせることができない鏡像であるものは「エナンチオマー(鏡像異性体)」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有し、例えば、それが4つの異なる基に結合する場合、一対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置によって特徴づけられ、CahnおよびPrelogのR-とS-の配列決定規則によって、または分子が偏光面を回転させる様式によって記載され、右旋性または左旋性(すなわち、それぞれ(+)-または(-)-異性体である)として指定される。キラル化合物は、個々のエナンチオマーとしてまたはその混合物として存在することができる。等比率のエナンチオマーを含む混合物は「ラセミ混合物」と呼ばれる。
「互変異性体」は、特定の化合物構造の交換可能な形態であり、水素原子および電子の変位が異なる化合物を指す。したがって、2つの構造は、電子および原子(通常はH)の移動によって平衡状態にあり得る。例えば、エノールとケトンは、酸または塩基のいずれかで処理することによって迅速に相互変換されるため、互変異性体である。互変異性の別の例は、フェニルニトロメタンのアシ(aci)-およびニトロ(nitro)-形態であり、これらは酸または塩基での処理によって同様に形成される。互変異性体は、目的の化合物の最適な化学反応性および生物学的活性の達成に関連し得る。
本明細書で使用される場合、純粋なエナンチオマー化合物は、その化合物の他のエナンチオマーまたは立体異性体を実質的に含まない(すなわち、エナンチオマー過剰である)。言い換えれば、化合物の「S」形態は、化合物の「R」形態を実質的に含まず、したがって、「R」形態のエナンチオマー過剰である。「エナンチオマー的に純粋」または「純粋なエナンチオマー」という用語は、化合物が95重量%超、96重量%超、97重量%超、98重量%超、98.5重量%超、99重量%超、99.2重量%超、99.5重量%超、99.6重量%超、99.7重量%超、99.8重量%超、または99.9重量%超のエナンチオマーを含むことを意味する。ある実施形態では、重量は、化合物のすべてのエナンチオマーまたは立体異性体の総重量に基づく。
本明細書で使用される場合、他に示されない限り、「エナンチオマー的に純粋なR化合物」という用語は、少なくとも約95重量%のR-化合物および最大で約5重量%のS-化合物、少なくとも約99重量%のR-化合物および最大で約1重量%のS-化合物、または少なくとも約99.9重量%のR-化合物および最大で約0.1重量%のS-化合物を指す。ある実施形態では、重量は化合物の総重量に基づく。
本明細書で使用される場合、他に示されない限り、「エナンチオマー的に純粋なS化合物または「S化合物」という用語は、少なくとも約95重量%のS-化合物および最大で約5重量%のR-化合物、少なくとも約99重量%のS-化合物および最大で約1重量%のR-化合物、または少なくとも約99.9重量%のS-化合物および最大で約0.1重量%のR-化合物を指す。ある実施形態では、重量は化合物の総重量に基づく。
本明細書で提供される組成物において、エナンチオマー的に純粋な化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、他の活性成分または不活性成分とともに存在し得る。例えば、エナンチオマー的に純粋なR化合物を含む医薬組成物は、例えば、約90%の賦形剤および約10%のエナンチオマー的に純粋なR化合物を含むことができる。ある実施形態では、このような組成物中のエナンチオマー的に純粋なR化合物は、例えば、化合物の総重量に対して、少なくとも約95重量%のR化合物および最大約5重量%のS化合物を含み得る。例えば、エナンチオマー的に純粋なS-化合物を含む医薬組成物は、例えば、約90%の賦形剤および約10%のエナンチオマー的に純粋なS化合物を含むことができる。ある実施形態では、このような組成物中のエナンチオマー的に純粋なS化合物は、例えば、化合物の総重量に対して、少なくとも約95重量%のS化合物および最大約5重量%のR化合物を含み得る。ある実施形態では、活性成分は、賦形剤または担体をほとんどまたは全く含まずに製剤化することができる。
本発明の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を有し得る;したがって、そのような化合物は、個々の(R)-または(S)-立体異性体として、あるいはそれらの混合物として製造することができる。
別段の指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲における特定の化合物の記載または命名は、個々のエナンチオマーおよびその混合物(ラセミ体またはその他)の両方を含むことが意図されている。立体化学の決定および立体異性体の分離のための方法は、当技術分野でよく知られている。
有機合成の当業者であれば、化学的に実現可能な安定した複素環式環に含まれるヘテロ原子の最大数は、それが芳香族であるか非芳香族であるかにかかわらず、環のサイズ、不飽和度、およびヘテロ原子の価数によって決まることを認識するであろう。一般に、複素環式環は、複素芳香族環が化学的に実現可能でかつ安定である限り、1~4個のヘテロ原子を有し得る。
本発明の化合物
特定の態様において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される:
式中、
R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、
R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成し;
R3は、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換の尿素、置換もしくは非置換のカルバメート、または置換もしくは非置換のグアニジニルであり;
R4は、水素、または置換もしくは非置換のC1-6アルキルである。
特定の態様において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される:
R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、
R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成し;
R3は、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換の尿素、置換もしくは非置換のカルバメート、または置換もしくは非置換のグアニジニルであり;
R4は、水素、または置換もしくは非置換のC1-6アルキルである。
特定の実施形態では、R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、または置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールである。
特定の実施形態では、R1およびR2は独立して、水素、非置換C1-6アルキル、アルコキシC1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、アミノC1-6アルキル、ヘテロシクリルC1-6アルキル、非置換C2-6アルキニル、非置換C3-10カルボシクリル、アミノC3-10カルボシクリル、非置換3~10員ヘテロシクリル、またはヒドロキシル3~10員ヘテロシクリルである。
ある特定の実施形態では、R1およびR2のうちの少なくとも一方は水素である。
特定の実施形態では、R1およびR2のうちの少なくとも一方は水素であり、かつR1およびR2の両方は水素ではない。
特定の実施形態では、R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成する。
特定の実施形態では、R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、非置換の3~10員ヘテロシクリル、アミノ3~10員ヘテロシクリル、ヒドロキシル3~10員ヘテロシクリル、またはヘテロシクリル3~10員ヘテロシクリルを形成する。
特定の実施形態において、R3は-NR5R6であり、ここで、
R5およびR6は独立して、水素、C(O)ORf、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、または置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであり;ここで、Rfは、2-アルケン-1-イル、tert-ブチル、ベンジルおよびフルオレニルメチルからなる群より選択されるか;あるいは、
R5およびR6は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成する。
R5およびR6は独立して、水素、C(O)ORf、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、または置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであり;ここで、Rfは、2-アルケン-1-イル、tert-ブチル、ベンジルおよびフルオレニルメチルからなる群より選択されるか;あるいは、
R5およびR6は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成する。
特定の実施形態では、R5およびR6は独立して、水素、C(O)ORf、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、または置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールである。
特定の実施形態では、R5およびR6は独立して、水素またはC(O)ORfである。
特定の実施形態では、Rfはフルオレニルメチルである。
特定の実施形態では、R5およびR6のうちの少なくとも一方は水素である。
特定の実施形態では、R5およびR6は両方とも水素である。
特定の実施形態において、R4は、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、または置換もしくは非置換のC2-6アルケニルである。
ある特定の実施形態において、R4は、水素、ハロC1-6アルキル、または非置換C2-6アルケニルである。
特定の実施形態において、R4は水素である。
特定の態様において、式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩が提供される:
式中、
R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、
R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成し;
R3は、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換の尿素、置換もしくは非置換のカルバメート、または置換もしくは非置換のグアニジニルであり;
R4は、水素、または置換もしくは非置換のC1-6アルキルである。
R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、
R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成し;
R3は、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換の尿素、置換もしくは非置換のカルバメート、または置換もしくは非置換のグアニジニルであり;
R4は、水素、または置換もしくは非置換のC1-6アルキルである。
特定の実施形態では、R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、または置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールである。
特定の実施形態では、R1およびR2は独立して、水素、非置換C1-6アルキル、ヒドロキシルC1-6アルキル、アミノC1-6アルキル、非置換C3-10カルボシクリルである。
特定の実施形態では、R1およびR2のうちの少なくとも一方は水素である。
特定の実施形態では、R1およびR2のうちの少なくとも一方は水素であり、かつR1およびR2の両方は水素ではない。
特定の実施形態において、R3は-NR5R6であり、ここで、
R5およびR6は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、または置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、
R5およびR6は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成する。
R5およびR6は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、または置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、
R5およびR6は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成する。
特定の実施形態では、R5およびR6は独立して、水素、C(O)ORf、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、または置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであり;
Rfは、2-アルケン-1-イル、tert-ブチル、ベンジルおよびフルオレニルメチルからなる群より選択される。
Rfは、2-アルケン-1-イル、tert-ブチル、ベンジルおよびフルオレニルメチルからなる群より選択される。
特定の実施形態では、R5およびR6は独立して、水素またはC(O)ORfである。
特定の実施形態では、Rfはフルオレニルメチルである。
特定の実施形態では、R5およびR6のうちの少なくとも一方は水素である。
特定の実施形態では、R5およびR6は両方とも水素である。
特定の実施形態において、R4は、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、または置換もしくは非置換のC2-6アルケニルである。
特定の実施形態において、R4は、水素、ハロC1-6アルキル、または非置換C2-6アルケニルである。
特定の実施形態において、R4は水素である。
特定の態様では、本明細書で提供される化合物;および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物が提供される。
特定の実施形態において、医薬組成物は静脈内剤形である。
特定の実施形態において、医薬組成物は経口剤形である。
特定の態様では、真菌感染症を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の本明細書に提供される化合物を投与し、それによって真菌感染症を治療することを含む方法が提供される。
特定の実施形態では、化合物は静脈内投与される。
特定の実施形態では、化合物は経口投与される。
特定の態様において、スキーム1に示される変換に従ってC2’-エピ-アムホテリシンBのC16アミドを製造する方法が提供される:
スキーム中、
1は、
を表し;
塩基は、第三級アミン(例えば、トリアルキルアミン[Et3Nなど])であり;
ペプチドカップリング試薬は、固相ペプチド合成に使用されるペプチドカップリング試薬(例えば、PyBOP、BOP、HATU、HBTU、DEPBT、DCC、またはEDCI)であり;
Rは、Hまたはアミン保護基(例えば、Fmoc、t-Boc、alloc、およびCbzからなる群より選択されるカルバメート保護基)であり;
R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成する。
1は、
塩基は、第三級アミン(例えば、トリアルキルアミン[Et3Nなど])であり;
ペプチドカップリング試薬は、固相ペプチド合成に使用されるペプチドカップリング試薬(例えば、PyBOP、BOP、HATU、HBTU、DEPBT、DCC、またはEDCI)であり;
Rは、Hまたはアミン保護基(例えば、Fmoc、t-Boc、alloc、およびCbzからなる群より選択されるカルバメート保護基)であり;
R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成する。
特定の実施形態において、RはHである。
特定の実施形態において、Rは、Fmoc、t-Boc、alloc、およびCbzからなる群より選択されるカルバメート保護基である。
特定の実施形態において、塩基はトリアルキルアミンである。
特定の実施形態において、塩基はEt3Nである。
特定の実施形態では、ペプチドカップリング試薬は、PyBOP、BOP、HATU、HBTU、DEPBT、DCC、またはEDCIである。
医薬組成物
本発明はまた、医薬組成物およびそれを製造する方法を提供する。
本発明はまた、医薬組成物およびそれを製造する方法を提供する。
本発明の一態様は、本発明の化合物;および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物である。ある実施形態において、本発明は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物である。「薬学的に許容される担体」という用語は、ヒトまたは他の脊椎動物への投与に適した、1つまたは複数の適合性のある固体または液体のフィラー(または充填剤)、希釈剤、または封入物質(encapsulating substance)を意味する。「担体」という用語は、適用を容易にするために有効成分と組み合わされる、天然または合成の有機または無機成分を意味する。医薬組成物の成分はまた、所望の医薬効力を実質的に損なう相互作用がないような様式で、本発明の化合物と、および互いと、混合され得る。
特定の実施形態において、医薬組成物は静脈内剤形である。
特定の実施形態において、医薬組成物は経口剤形である。
特定の実施形態では、医薬組成物は、リポソームに挿入されたまたはリポソームに封入された活性化合物の凍結乾燥製剤である。
特定の実施形態では、医薬組成物は、水性懸濁液中の化合物の脂質複合体である。
本発明の医薬組成物の前述の実施形態は、例示的であることを意味し、限定的ではない。
そのような医薬組成物を製造する方法も提供される。この方法は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体中に入れることを含む。
本発明の方法
本発明の化合物は、特に病原体として臨床的に重要な真菌および酵母を含む、真菌および酵母の増殖を阻害するために有用である。有利なことに、本発明の化合物は、AmBと比較して改善された治療指数を有し、それにより、AmBと比較して改善された効力および低減された毒性を有する薬剤を提供する。本発明の化合物は、特に全身性真菌および酵母感染症を含む、真菌および酵母感染症を治療する方法において有用である。本発明の化合物はまた、特に全身性真菌および酵母感染症を含む、真菌および酵母感染症を治療するための医薬の製造において有用である。本発明はさらに、特に全身性真菌および酵母感染症を含む、真菌および酵母感染症の治療のための本発明の化合物の使用を提供する。
本発明の化合物は、特に病原体として臨床的に重要な真菌および酵母を含む、真菌および酵母の増殖を阻害するために有用である。有利なことに、本発明の化合物は、AmBと比較して改善された治療指数を有し、それにより、AmBと比較して改善された効力および低減された毒性を有する薬剤を提供する。本発明の化合物は、特に全身性真菌および酵母感染症を含む、真菌および酵母感染症を治療する方法において有用である。本発明の化合物はまた、特に全身性真菌および酵母感染症を含む、真菌および酵母感染症を治療するための医薬の製造において有用である。本発明はさらに、特に全身性真菌および酵母感染症を含む、真菌および酵母感染症の治療のための本発明の化合物の使用を提供する。
本発明の一態様は、真菌感染症を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量の本発明の化合物を投与し、それによって真菌感染症を治療することを含む方法である。
本明細書で使用される場合、「阻害する」または「阻害」は、対照と比較して客観的に測定可能な量または程度だけ低減することを意味する。一実施形態では、阻害するまたは阻害は、対照と比較して少なくとも統計的に有意な量だけ低減することを意味する。一実施形態では、阻害するまたは阻害は、対照と比較して少なくとも5パーセント低減することを意味する。様々な個々の実施形態において、阻害するまたは阻害は、対照と比較して、少なくとも10、15、20、25、30、33、40、50、60、67、70、75、80、90、または95パーセント(%)低減することを意味する。
本明細書で使用される場合、「治療する(treat)」および「治療(treating)」という用語は、(a)状態または疾患を発症するリスクがあるか、またはその状態または疾患を有する素因がある可能性があるがまだそれを有すると診断されていない対象において、状態または疾患が発生するのを防ぐ;(b)状態または疾患を阻害する、例えば、その発症を遅延または停止させる;または(c)状態または疾患を軽減または改善する、例えば、状態または疾患の退行を引き起こす;ことをもたらす介入を実施することを意味する。一実施形態では、「治療する」および「治療」という用語は、(a)状態または疾患を阻害する、例えば、その発症を遅らせるまたは停止させる;または(b)状態または疾患を軽減または改善する、例えば、状態または疾患の退行を引き起こす;ことをもたらす介入を実施することを意味する。例えば、一実施形態では、「治療する」および「治療」という用語は、(a)真菌感染症を阻害する、例えば、その発症を遅らせるまたは停止させる;または(b)真菌感染症を軽減または改善する、例えば、真菌感染症の退行を引き起こす;ことをもたらす介入を実施することを意味する。
本明細書で使用される「真菌感染」は、本明細書で定義される真菌による対象の感染を指す。一実施形態では、「真菌感染」という用語は、酵母感染を含む。本明細書で使用される「酵母感染」は、本明細書で定義される酵母による対象の感染を指す。
本明細書で使用される場合、「対象」は、生きている哺乳動物を指す。様々な実施形態において、対象は、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、イヌ、ブタ、ウマ、ウシ、または非ヒト霊長類を含むがこれらに限定されない非ヒト哺乳動物である。一実施形態では、対象はヒトである。
本明細書で使用される場合、「真菌感染を有する対象」は、真菌感染の少なくとも1つの客観的症状を示す対象を指す。一実施形態では、真菌感染を有する対象は、真菌感染を有すると診断され、その治療を必要としている対象である。真菌感染を診断する方法はよく知られており、ここで詳細に説明する必要はない。
本明細書で使用される場合、「酵母感染を有する対象」は、酵母感染の少なくとも1つの客観的徴候を示す対象を指す。一実施形態では、酵母感染を有する対象は、酵母感染を有すると診断され、その治療を必要とする対象である。酵母感染を診断する方法は周知であり、ここでは詳細に記載する必要はない。
特定の実施形態では、化合物は静脈内投与される。
特定の実施形態では、化合物は経口投与される。
特定の実施形態では、化合物は全身投与される。
ある特定の実施形態では、化合物は非経口的に投与される。
ある態様において、化合物は腹腔内投与される。
ある特定の実施形態では、化合物は経腸的に投与される。
特定の実施形態では、化合物は眼内に投与される。
特定の実施形態では、化合物は局所投与される。
本発明の化合物の追加の投与経路も本発明によって企図されており、膀胱内(膀胱)、肺、および髄腔内が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、「有効量」という語句は、所望の生物学的効果を達成するのに十分な任意の量を指す。
本明細書で使用する場合、「治療有効量」という語句は、所望の治療効果を達成するのに十分な量であり、例えば、真菌または酵母感染を治療するのに十分な量を指す。
本明細書に記載の任意の化合物について、治療有効量は、一般に、in vitro研究、動物モデル、またはin vitro研究と動物モデルの両方から最初に決定することができる。in vitroの方法はよく知られており、最小発育阻止濃度(MIC)、最小殺真菌濃度(MFC)、増殖が50%阻害される濃度(IC50)、増殖が90%阻害される濃度(IC90)などの決定を含み得る。治療有効量はまた、ヒトで試験された本発明の化合物のヒトデータ、ならびに他の関連する活性物質(例えば、AmB)などの同様の薬理学的活性を示すことが知られている化合物のヒトデータから、決定することができる。非経口投与には、より高い用量が必要になる場合がある。適用される用量は、投与される化合物の相対的バイオアベイラビリティおよび効力に基づいて調整され得る。本明細書に記載された方法ならびに当技術分野でよく知られている他の方法に基づいて最大の効力を達成するように用量を調整することは、通常の当業者の能力の範囲内である。
本明細書に記載の任意の化合物について、ヒト対象で使用するための治療有効量は、最初に、in vitro研究、動物モデル、またはin vitro研究と動物モデルの両方から決定され得る。ヒト対象で使用するための治療有効量はまた、ヒトで試験された本発明の化合物のヒトデータ、ならびに他の関連する活性剤(例えば、AmB)などの同様の薬理学的活性を示すことが知られている化合物のヒトデータから決定することができる。非経口投与には、より高い用量が必要になる場合がある。適用される用量は、投与される化合物の相対的バイオアベイラビリティおよび効力に基づいて調整され得る。上記の方法ならびに当技術分野で周知の他の方法に基づいて最大の効力を達成するように用量を調整することは、通常の当業者の能力の範囲内である。
投薬および製剤
本発明の化合物は、他の治療薬と組み合わせることができる。本発明の化合物および他の治療薬は、同時にまたは順次に投与することができる。他の治療薬が同時に投与される場合、それらは同じまたは別々の製剤で投与することができるが、それらは実質的に同時に投与される。他の治療薬と本発明の化合物の投与が時間的に分離される場合、他の治療薬は、互いにおよび本発明の化合物と順次に投与される。これらの化合物の投与間の時間間隔は、数分であってよく、またはそれより長くてもよい。
本発明の化合物は、他の治療薬と組み合わせることができる。本発明の化合物および他の治療薬は、同時にまたは順次に投与することができる。他の治療薬が同時に投与される場合、それらは同じまたは別々の製剤で投与することができるが、それらは実質的に同時に投与される。他の治療薬と本発明の化合物の投与が時間的に分離される場合、他の治療薬は、互いにおよび本発明の化合物と順次に投与される。これらの化合物の投与間の時間間隔は、数分であってよく、またはそれより長くてもよい。
他の治療薬の例には、AmBを含む他の抗真菌剤、ならびに他の抗生物質、抗ウイルス剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、および抗がん剤が含まれる。
上述したように、「有効量」は、所望の生物学的効果を達成するのに十分な任意の量を指す。本明細書で提供される教示と組み合わせて、様々な活性化合物から選択し、効力、相対的バイオアベイラビリティ、患者の体重、有害な副作用の重症度、および好ましい投与様式などの因子を重み付けすることにより、実質的な望ましくない毒性を引き起こさないがなお特定の対象を治療するのに有効である、有効な予防的または治療的処置レジメンを計画することができる。任意の特定の適用のための有効量は、処置される疾患または状態、投与される本発明の特定の化合物、対象のサイズ、または疾患または状態の重症度などの因子に応じて変動し得る。当業者は、過度の実験を必要とすることなく、本発明の特定の化合物および/または他の治療薬の有効量を経験的に決定することができる。一般に、最大用量、すなわち、何らかの医学的判断による最高の安全用量を使用することが好ましい。化合物の適切な全身レベルを達成するために、1日あたり複数回投与が企図され得る。適切な全身レベルは、例えば、患者の薬物ピークまたは持続血漿レベルの測定によって決定することができる。「用量(dose)」および「投薬量(dosage)」は、本明細書で交換可能に使用される。
一般に、活性化合物の毎日の経口用量は、ヒト対象の場合、約0.01ミリグラム(mg)/kg/日~1000mg/kg/日であろう。1日1回または数回の投与で、0.5~50mg/kgの範囲の経口用量が、所望の結果をもたらすと予測される。投薬量は、局所または全身など、投与様式に応じて、所望の薬物レベルを達成するために適切に調整され得る。例えば、静脈内投与は、1日あたり1桁から数桁低い用量であることが予想される。対象における応答がそのような用量で不十分である場合、患者の忍容性が許す範囲で、さらに高い用量(または異なるより局所的な送達経路による有効なより高い用量)を使用することができる。適切な化合物の全身レベルを達成するために、1日あたり複数回投与が企図される。
一実施形態では、本発明の化合物の静脈内投与は、典型的には、0.1mg/kg/日~20mg/kg/日であり得る。したがって、静脈内投薬は、AmBの最大耐量(maximal tolerated dose)と同様であるか、または有利にはそれを超える可能性がある。静脈内投薬はまた、AmBの1日最大耐量と同様であるか、または有利にはそれを超える可能性がある。静脈内投薬はまた、AmBの累積最大耐量と同様であるか、または有利にはそれを超える可能性がある。
静脈内投薬はまた、AmBの最大推奨用量と同様であるか、または有利にはそれを超える可能性がある。静脈内投薬はまた、AmBの最大推奨1日用量と同様であるか、または有利にはそれを超える可能性がある。静脈内投薬はまた、AmBの最大推奨累積用量と同様であるか、または有利にはそれを超える可能性がある。
本明細書に記載の任意の化合物について、治療有効量は、最初に動物モデルから決定することができる。治療有効用量はまた、ヒトで試験された本発明の化合物のヒトデータ、ならびに他の関連する活性物質などの同様の薬理学的活性を示すことが知られている化合物のヒトデータから決定することができる。非経口投与には、より高い用量が必要になる場合がある。適用される用量は、投与される化合物の相対的バイオアベイラビリティおよび効力に基づいて調整され得る。上記の方法および当技術分野でよく知られている他の方法に基づいて最大の有効性を達成するように用量を調整することは、当業者の能力の範囲内である。
本発明の製剤は、薬学的に許容される溶液で投与され、それは、通常、薬学的に許容される濃度の塩、緩衝剤、防腐剤、適合性担体、アジュバント、および任意選択で他の治療成分を含んでいてよい。
アムホテリシンBは、デオキシコール酸塩ベース(デオキシコール酸塩ベースと呼ばれることもある)の製剤や脂質ベース(リポソームを含む)の製剤など、多くの製剤で市販されている。本発明のアムホテリシンB誘導体化合物も同様に、例えば、限定はされないが、デオキシコール酸塩ベースの製剤および脂質ベース(リポソームを含む)の製剤として製剤化され得る。
治療に使用するために、有効量の本発明の化合物を、所望の表面に本発明の化合物を送達する任意の様式によって対象に投与することができる。本発明の医薬組成物の投与は、当業者に知られている任意の手段によって達成することができる。投与経路には、経口、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直接注射(例えば、腫瘍または膿瘍への)、粘膜、肺(例えば、吸入)、および局所が含まれるが、これらに限定されない。
静脈内および他の非経口投与経路の場合、本発明の化合物は、一般に、AmBと同様に製剤化され得る。例えば、本発明の化合物は、デオキシコール酸を用いた凍結乾燥製剤として、リポソーム挿入または封入された活性化合物の凍結乾燥製剤として、水性懸濁液中の脂質複合体として、またはコレステリル硫酸塩複合体(cholesteryl sulfate complex)として、製剤化することができる。凍結乾燥された製剤は、一般に、投与の直前に、適切な水溶液、例えば、滅菌水または生理食塩水中で再構成される。
経口投与の場合、化合物(すなわち、本発明の化合物、および他の治療薬)は、活性化合物を当技術分野で周知の薬学的に許容される担体と組み合わせることによって容易に製剤化することができる。そのような担体は、本発明の化合物を、処置対象による経口摂取のために、錠剤、丸薬、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などとして製剤化することを可能にする。経口使用のための医薬調製物は、固体賦形剤として入手でき、任意選択で、得られた混合物を粉砕し、必要に応じて適切な助剤を添加した後、顆粒の混合物を加工して、錠剤または糖衣錠コアを得る。適切な賦形剤は、特に、フィラーであり、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールなどの糖;例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、馬鈴薯デンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース調製物、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などである。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)などの崩壊剤を添加してもよい。任意選択で、経口製剤はまた、生理食塩水または緩衝液、例えば、内部酸状態を中和するためのEDTA中に製剤化してよく、あるいは担体なしで投与してもよい。
上記の1つまたは複数の成分の経口剤形も具体的に企図されている。誘導体の経口送達が効果的であるように、1つまたは複数の成分を化学的に修飾してもよい。一般に、企図される化学修飾は、成分分子自体への少なくとも1つの部分の取り付けであり、前記部分は、(a)酸加水分解の阻害;および(b)胃または腸から血流への取り込み;を可能にする。成分(複数可)の全体的な安定性の上昇および体内での循環時間の増加も望ましい。そのような部分の例には、ポリエチレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、およびポリプロリンが含まれる。Abuchowski and Davis, “Soluble Polymer-Enzyme Adducts”, In: Enzymes as Drugs, Hocenberg and Roberts, eds., Wiley-Interscience, New York, N.Y., pp. 367-383 (1981); Newmark et al., J Appl Biochem 4: 185-9 (1982)。使用できる他のポリマーは、ポリ-1,3-ジオキソランおよびポリ-1,3,6-チオキソカンである。上記のように、医薬用途に好ましいのはポリエチレングリコール部分である。
成分(または誘導体)について、放出の場所は、胃、小腸(十二指腸、空腸、もしくは回腸)、または大腸であり得る。当業者は、胃で溶解しないが、十二指腸または腸の他の場所で物質を放出する利用可能な製剤を有する。好ましくは、その放出は、本発明の化合物(または誘導体)の保護によって、または腸内などの胃環境を超えて生物学的活性物質を放出することによって、胃環境の有害な影響を回避するであろう。
完全な胃抵抗性を確実にするためには、少なくともpH5.0に対して不浸透性のコーティングが不可欠である。腸溶コーティングとして使用されるより一般的な不活性成分の例は、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、HPMCP 50、HPMCP 55、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、Eudragit L30D、Aquateric、酢酸フタル酸セルロース(またはセルロースアセテートフタレート)(CAP)、Eudragit L、Eudragit S、およびシェラック(shellac)である。これらのコーティングは、混合フィルムとして使用され得る。
コーティングまたはコーティングの混合物は、胃からの保護を意図しない錠剤にも使用することができる。これには、糖コーティング、または錠剤を飲み込みやすくするコーティングが含まれる。カプセル剤は、乾燥治療薬(例えば、粉末)を送達するためのハードシェル(ゼラチンなど)から構成され得る;液体形態の場合、ソフトゼラチンシェルを使用することができる。カシェ剤のシェル材料は、厚いでんぷんまたは他の食用紙であってよい。丸薬、トローチ剤、成形錠剤、または湿製錠剤(tablet triturate)の場合、湿式塊化法(moist massing technique)を使用できる。
治療薬は、約1mmの粒子サイズの顆粒またはペレットの形態の微細多粒子として製剤に含めることができる。また、カプセル投与用の材料の製剤は、粉末として、軽く圧縮されたプラグとして、または錠剤としてあり得る。治療薬は、圧縮によって調製することができる。
着色剤および香味剤はすべて含めてよい。例えば、本発明の化合物(または誘導体)は、(リポソームまたはミクロスフェア封入などによって)製剤化することができ、その後に、着色剤および香味剤を含む冷蔵飲料などの食用製品内にさらに含めてよい。
不活性材料で治療薬の量を希釈または増加させてもよい。これらの希釈剤には、炭水化物、特に、マンニトール、α-ラクトース、無水ラクトース、セルロース、スクロース、修飾デキストラン、およびデンプンが含まれ得る。リン酸三カルシウム(calcium triphosphate)、炭酸マグネシウム、塩化ナトリウムなどの特定の無機塩もフィラーとして使用できる。市販の希釈剤には、Fast-Flo、Emdex、STA-Rx 1500、Emcompress、およびAvicellがある。
崩壊剤は、固形剤形の治療薬の製剤に含まれ得る。崩壊剤として使用される材料には、デンプンに基づく市販の崩壊剤であるExplotabなどの、デンプンが含まれるが、これらに限定されない。デンプングリコール酸ナトリウム、アンバーライト(Amberlite)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ウルトラミロペクチン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、オレンジピール、酸型カルボキシメチルセルロース、天然スポンジ、およびベントナイトをすべて使用できる。崩壊剤の別の形態は、不溶性カチオン交換樹脂である。粉末ガムは、崩壊剤および結合剤として使用することができ、これらには、寒天、カラヤまたはトラガカントなどの粉末ガムが含まれ得る。アルギン酸およびそのナトリウム塩も崩壊剤として有用である。
結合剤は、治療薬を一緒に保持して硬質錠剤を形成するために使用することができ、アカシア、トラガカント、デンプンおよびゼラチンなどの天然物由来の材料が含まれ得る。その他には、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、およびカルボキシメチルセルロース(CMC)が含まれる。ポリビニルピロリドン(PVP)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は両方とも、治療薬を造粒するためにアルコール溶液で使用され得る。
製剤化プロセス中の付着を防ぐために、減摩剤(anti-frictional agent)を治療薬の製剤に含めることができる。滑沢剤(lubricant)は、治療薬とダイ壁の間の層として使用することができ、これらには、マグネシウム塩およびカルシウム塩を含むステアリン酸、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、流動パラフィン、植物油、およびワックスが含まれるが、これらに限定されない。ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、様々な分子量のポリエチレングリコール、Carbowax 4000および6000などの、可溶性滑沢剤も使用され得る。
製剤化中の薬物の流動特性を改善し、圧縮中の再配置を助けることができる流動化剤(glidant)も添加してよい。流動化剤には、デンプン、タルク、熱分解法シリカ(pyrogenic silica)、および水和アルミノケイ酸塩が含まれ得る。
水性環境への治療薬の溶解を助けるために、界面活性剤を湿潤剤として添加してもよい。界面活性剤には、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホサクシネート、およびジオクチルソジウムスルホネートなどのアニオン性デタージェントが含まれ得る。カチオン性デタージェントも使用することができ、塩化ベンザルコニウムおよび塩化ベンゼトニウムが含まれ得る。界面活性剤として製剤に含めることができる潜在的な非イオン性デタージェントには、ラウロマクロゴール400、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、50および60、モノステアリン酸グリセロール、ポリソルベート40、60、65および80、スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースが含まれる。これらの界面活性剤は、本発明の化合物または誘導体の製剤中に、単独でまたは様々な比率の混合物として存在し得る。
経口的に使用され得る医薬製剤には、ゼラチンで作られたプッシュフィットカプセル(push-fit capsule)、ならびにゼラチンおよび可塑剤(グリセロールまたはソルビトールなど)で作られた密封されたソフトカプセルが含まれる。プッシュフィットカプセルは、ラクトースなどのフィラー、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および任意選択で安定剤と混合して、活性成分を含むことができる。ソフトカプセルでは、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解または懸濁され得る。さらに、安定剤を加えてもよい。経口投与用に製剤化されたミクロスフェアも使用することができる。そのようなミクロスフェアは、当技術分野で十分に定義されている。経口投与用のすべての製剤は、そのような投与に適した投薬量でなければならない。
口腔内(buccal)投与の場合、組成物は、従来の方法で製剤化された錠剤またはトローチの形態をとることができる。
吸入による投与の場合、本発明に従って使用するための化合物は、適切な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切なガス)を使用して、加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾルスプレー提示の形態で都合よく送達することができる。加圧エアロゾルの場合、投与単位は、計量された量を送達するためのバルブを設けることによって決定され得る。吸入器または吹送器で使用するための例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、化合物と、ラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤との粉末混合物を含むように製剤化され得る。
本明細書では、本発明の化合物(またはその誘導体)の肺送達も企図される。本発明の化合物(または誘導体)は、吸入すると哺乳動物の肺に送達され、肺上皮内層を横切って血流に移動する。吸入される分子の他の報告としては、Adjei et al., Pharm Res 7:565-569 (1990); Adjei et al., Int J Pharmaceutics 63:135-144 (1990) (リュープロレリン酢酸塩); Braquet et al., J Cardiovasc Pharmacol 13(suppl. 5):143-146 (1989) (エンドセリン-1); Hubbard et al., Annal Int Med 3:206-212 (1989) (α1-アンチトリプシン); Smith et al., 1989, J Clin Invest 84:1145-1146 (a-1-プロテイナーゼ); Oswein et al., 1990, "Aerosolization of Proteins", Proceedings of Symposium on Respiratory Drug Delivery II, Keystone, Colorado, March, (組換えヒト成長ホルモン); Debs et al., 1988, J Immunol 140:3482-3488 (インターフェロン-γおよび腫瘍壊死因子α) 、およびPlatzらの米国特許第5,284,656号(顆粒球コロニー刺激因子)が挙げられる。全身効果のための薬物の肺送達のための方法および組成物は、Wongらの1995年9月19日に発行された米国特許第5,451,569号に記載されている。
治療用製品の肺送達用に設計された広範囲の機械的デバイスが、本発明の実施で使用するために企図されており、それには、ネブライザー、定量吸入器、および粉末吸入器が含まれるが、これらに限定されず、これらはすべて当業者によく知られている。
本発明の実施に適した市販のデバイスのいくつかの具体例は、ミズーリ州セントルイスのMallinckrodt社製のウルトラベント(Ultravent)ネブライザー;コロラド州イングルウッドのMarquest Medical Products社製のAcorn IIネブライザー;ノースカロライナ州リサーチトライアングルパークのGlaxo社製のVentolin定量吸入器;マサチューセッツ州ベッドフォードのFison社製のスピンヘラー(Spinhaler)粉末吸入器である。
このようなデバイスはすべて、本発明の化合物(または誘導体)の分配に適した製剤の使用を必要とする。典型的には、各製剤は、使用されるデバイスのタイプに特異的であり、治療に有用な通常の希釈剤、アジュバントおよび/または担体に加えて、適切な推進剤材料の使用を含み得る。また、リポソーム、マイクロカプセルまたはミクロスフェア、包接複合体、または他のタイプの担体の使用が企図される。本発明の化学修飾された化合物はまた、化学修飾のタイプまたは使用されるデバイスのタイプに応じて、異なる製剤で調製され得る。
ネブライザー(ジェットまたは超音波のいずれか)での使用に適した製剤は、典型的には、溶液1mLあたり約0.1~25mgの本発明の生物学的に活性な化合物の濃度で水に溶解された本発明の化合物(または誘導体)を含む。製剤はまた、(例えば、本発明の化合物の浸透圧の安定化および調節のために)緩衝液および単糖を含むことができる。ネブライザー製剤はまた、エアロゾルを形成する際の溶液の噴霧化によって引き起こされる本発明の化合物の表面誘導凝集を低減または防止するために、界面活性剤を含むことができる。
定量吸入デバイスで使用するための製剤は、一般に、界面活性剤の助けを借りて推進剤に懸濁された本発明の化合物(または誘導体)を含む微粉末を含む。推進剤は、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、または炭化水素などの、この目的のために使用される任意の従来の材料であってよく、それには、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノール、および1,1,1,2-テトラフルオロエタン、またはそれらの組み合わせが含まれる。適切な界面活性剤には、ソルビタントリオレエートおよび大豆レシチンが含まれる。オレイン酸も界面活性剤として有用であり得る。
粉末吸入デバイスから分配するための製剤は、本発明の化合物(または誘導体)を含む乾燥微粉末を含み、またデバイスからの粉末の分散を促進する量、例えば製剤の50~90重量%の、ラクトース、ソルビトール、スクロース、またはマンニトールなどの増量剤も含むことができる。本発明の化合物(または誘導体)は、肺深部への最も効果的な送達のために、10マイクロメートル(μm)未満、最も好ましくは0.5~5μmの平均粒径を有する粒子形態で有利に調製されるべきである。
本発明の医薬組成物の経鼻送達もまた企図される。経鼻送達は、肺に製品が堆積する必要なしに、治療用製品を鼻に投与した直後に、本発明の医薬組成物の血流への通過を可能にする。経鼻送達用の製剤には、デキストランまたはシクロデキストランを用いた製剤が含まれる。
経鼻投与の場合、有用なデバイスは、定量噴霧器が取り付けられた小型の硬質ボトルである。一実施形態では、本発明の医薬組成物の溶液を規定された容積のチャンバ内に引き込むことによって計量された用量が送達され、このチャンバは、チャンバ内の液体が圧縮されるとスプレーを形成することによってエアロゾル製剤をエアロゾル化するように寸法決定された開口を有する。チャンバは、本発明の医薬組成物を投与するために圧縮される。ある実施形態では、チャンバはピストン配置である。このようなデバイスは市販されている。
あるいは、圧搾時にスプレーを形成することによってエアロゾル製剤をエアロゾル化するように寸法決定された穴または開口部を備えたプラスチックスクイズボトルが使用される。開口部は通常、ボトルの上部にあり、エアロゾル製剤を効率的に投与するために、上部は一般に鼻腔に部分的に適合するように先細になっている。好ましくは、鼻吸入器は、測定された用量の薬物を投与するために、計量された量のエアロゾル製剤を提供する。
化合物は、全身的に送達することが望ましい場合、注射による(例えば、ボーラス注射または持続注入による)非経口投与用に製剤化され得る。注射用製剤は、例えばアンプルまたは複数回投与容器において、防腐剤を添加して、単位剤形で提供することができる。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、または乳濁液(エマルジョン)などの形態をとることができ、懸濁剤、安定剤および/または分散剤などの製剤化剤を含むことができる。
非経口投与用の医薬製剤には、水溶性形態の活性化合物の水溶液が含まれる。さらに、活性化合物の懸濁液は、適切な油性注射懸濁液として調製することができる。適切な親油性溶媒またはビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルまたはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが含まれる。水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの、懸濁液の粘度を増加させる物質を含んでいてよい。任意選択で、懸濁液はまた、化合物の溶解性を高めて高濃度溶液の調製を可能にする適切な安定剤または物質を含むことができる。
あるいは、活性化合物は、使用前に、適切なビヒクル、例えば、パイロジェンフリーの滅菌水で構成するための粉末形態であってもよい。
化合物はまた、例えば、カカオバターまたは他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を含む、坐剤または停留浣腸などの直腸または膣用組成物に製剤化され得る。
上記の製剤に加えて、化合物はデポー製剤としても製剤化され得る。そのような長時間作用型製剤は、適切なポリマーもしくは疎水性材料(例えば、許容可能な油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂と共に、あるいは難溶性誘導体として(例えば、難溶性塩として)、製剤化され得る。
医薬組成物はまた、適切な固相またはゲル相担体または賦形剤を含むことができる。そのような担体または賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖類、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれるが、これらに限定されない。
適切な液体または固体の医薬製剤の形態は、例えば、吸入用の水溶液または生理食塩水溶液である、マイクロカプセル化されている、渦巻形に内包化されている(encochleated)、微細な金粒子上にコーティングされている、リポソームに内包されている、噴霧化されている、エアロゾルである、皮膚への移植用ペレットである、または皮膚を引っ掻くための鋭器上で乾燥されている。医薬組成物には、顆粒、粉末、錠剤、コーティングされた錠剤、(マイクロ)カプセル、坐剤、シロップ、乳濁液(エマルジョン)、懸濁液、クリーム、液滴、または活性化合物の持続的放出を有する調製物も含まれ、それら調製物において、崩壊剤、結合剤、コーティング剤、膨潤剤、滑沢剤、香味剤、甘味剤または可溶化剤などの、賦形剤および添加剤および/または補助剤が、上記のように慣習的に使用される。医薬組成物は、様々な薬物送達システムでの使用に適している。薬物送達のための方法の簡単なレビューについては、参照により本明細書に組み込まれるLanger R, Science 249:1527-33 (1990)を参照されたい。
本発明の化合物および任意選択で他の治療薬は、それ自体または薬学的に許容される塩の形態で投与することができる。医学で使用される場合、塩は薬学的に許容されるものであるべきであるが、薬学的に許容されない塩が、その薬学的に許容される塩を調製するために好都合に使用され得る。このような塩には、以下の酸から調製されるものが含まれるが、これらに限定されない:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、p-トルエンスルホン酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸、ナフタレン-2-スルホン酸、およびベンゼンスルホン酸。また、そのような塩は、カルボン酸基のナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩などの、アルカリ金属またはアルカリ土類塩としても調製され得る。
適切な緩衝剤には、酢酸および塩(1~2%w/v);クエン酸および塩(1~3%w/v);ホウ酸および塩(0.5~2.5%w/v);リン酸および塩(0.8~2%w/v)が含まれる。適切な防腐剤には、塩化ベンザルコニウム(0.003~0.03%w/v);クロロブタノール(0.3~0.9%w/v);パラベン(0.01~0.25%w/v)およびチメロサール(0.004~0.02%w/v)が含まれる。
本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体中に含まれる、有効量の本発明の化合物、および任意選択で少なくとも1つの追加の治療薬を含む。
特に本発明の化合物を含むがこれに限定されない治療薬は、粒子で提供され得る。本明細書で使用される粒子は、全体的にまたは部分的に本発明の化合物または本明細書に記載の他の治療薬からなり得るナノ粒子またはマイクロ粒子(あるいは場合によってはより大きな粒子)を意味する。粒子は、腸溶コーティングを含むがこれに限定されないコーティングによって囲まれたコア内に治療薬を含んでいてもよい。治療薬はまた、粒子全体に分散されてもよい。治療薬はまた、粒子に吸着されてもよい。粒子は、ゼロ次放出、一次放出、二次放出、遅延放出、持続放出、即時放出、およびそれらの任意の組み合わせなどを含む、任意の次数放出動態であり得る。粒子は、治療薬に加えて、侵食性、非浸食性、生分解性、または非生分解性の材料またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、薬局および医学の分野で日常的に使用される材料のいずれかを含むことができる。粒子は、溶液または半固体状態で本発明の化合物を含むマイクロカプセルであってもよい。粒子は事実上任意の形状であり得る。
非生分解性および生分解性の両方のポリマー材料を、治療薬を送達するための粒子の製造に使用することができる。そのようなポリマーは、天然または合成ポリマーであり得る。ポリマーは、放出が望まれる期間に基づいて選択される。特に関心のある生体接着性ポリマーには、Sawhney H S et al. (1993) Macromolecules 26:581-7に記載されている生体内分解性(bioerodible)ヒドロゲルが含まれ、その教示は本明細書に組み込まれる。これらには、ポリヒアルロン酸、カゼイン、ゼラチン、グルテン(glutin)、ポリ無水物、ポリアクリル酸、アルギン酸塩、キトサン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、およびポリ(オクタデシルアクリレート)が含まれる。
治療薬は、制御放出システムに含まれていてもよい。「制御放出」という用語は、製剤からの薬物放出の様式およびプロファイルが制御されている任意の薬物含有製剤を指すことが意図される。これは、即時放出製剤および非即時放出製剤を指し、非即時放出製剤には、持続放出および遅延放出製剤が含まれるが、これらに限定されない。「持続放出」(「徐放」とも呼ばれる)という用語は、その従来の意味で使用され、長期間にわたって薬物の漸進的放出を提供する製剤を指し、好ましくは、必ずしもそうではないが、長期間にわたって薬物の実質的に一定の血中濃度をもたらす。「遅延放出」という用語は、その従来の意味で用いられ、製剤の投与とそこからの薬物の放出との間に時間遅延がある薬物製剤を指す。「遅延放出」は、長期間にわたる薬物の漸進的放出を伴う場合も伴わない場合もあり、したがって、「持続放出」であってもそうでなくてもよい。
長期持続放出インプラントの使用は、慢性状態の治療に特に好適であり得る。本明細書で使用される「長期」放出は、インプラントが、治療レベルの活性成分を少なくとも7日間、好ましくは30~60日間送達するように構成および配置されることを意味する。長期持続放出インプラントは当業者によく知られており、上記の放出システムのいくつかを含む。
参照による組み込み
本明細書で言及される全ての米国特許出願公開および米国特許は、あたかも個々の刊行物または特許が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されるかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。矛盾する場合、本明細書の任意の定義を含む本出願が優先する。
本明細書で言及される全ての米国特許出願公開および米国特許は、あたかも個々の刊行物または特許が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されるかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。矛盾する場合、本明細書の任意の定義を含む本出願が優先する。
他の実施形態
請求項において、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」などの冠詞は、そうでないと示されない限り、または文脈から明らかでない限り、1つまたは複数を意味し得る。群の1つまたは複数のメンバー間に「または」を含む請求項または説明は、反対の指示がない限り、または文脈から明らかでない限り、群のメンバーの1つまたは複数、あるいは全てが所与の製品またはプロセスに存在し、使用され、または別様に関連していれば、満たされると考えられる。本発明は、群の正確に1つのメンバーが所与の製品またはプロセスに存在し、使用され、または別様に関連している実施形態を含む。本発明は、群メンバーの複数または全てが、所与の製品またはプロセスに存在し、使用され、または別様に関連している実施形態を含む。
請求項において、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」などの冠詞は、そうでないと示されない限り、または文脈から明らかでない限り、1つまたは複数を意味し得る。群の1つまたは複数のメンバー間に「または」を含む請求項または説明は、反対の指示がない限り、または文脈から明らかでない限り、群のメンバーの1つまたは複数、あるいは全てが所与の製品またはプロセスに存在し、使用され、または別様に関連していれば、満たされると考えられる。本発明は、群の正確に1つのメンバーが所与の製品またはプロセスに存在し、使用され、または別様に関連している実施形態を含む。本発明は、群メンバーの複数または全てが、所与の製品またはプロセスに存在し、使用され、または別様に関連している実施形態を含む。
さらに、本発明は、列挙される請求項のうちの1つまたは複数からの1つまたは複数の限定、要素、節、および説明用語が別の請求項に導入された、全ての変形、組み合わせ、および順列を包含する。例えば、別の請求項に従属する任意の請求項は、同じ基本請求項に従属する任意の他の請求項に見られる1つまたは複数の限定を含むように修正することができる。要素がリストとして、例えばマーカッシュ群形式で提示される場合、要素の各部分群も開示され、任意の要素を群から除去することができる。一般的に、本発明または本発明の態様が、特定の要素および/または特徴を含むと言及される場合、本発明または本発明の態様の特定の実施形態は、そのような要素および/または特徴から成る、またはそれから本質的に成ることを理解されたい。簡略化のために、これらの実施形態は、本明細書において具体的に記載されていない。また、「含む(comprising)」および「含有する(containing)」という用語は、開いていることを意図しており、さらなる要素またはステップを含めることを可能にすることにも留意されたい。範囲が与えられる場合、終点が含まれる。さらに、別段の指示がない限り、または文脈および当業者の理解から他に明白でない限り、範囲として表される値は、文脈が他に明確に指示しない限り、範囲の下限の単位の10分の1まで、本発明の異なる実施形態での規定の範囲内の任意の具体的な値または部分範囲を仮定することができる。
本出願は、様々な発行済み特許、公開特許出願、雑誌論文、および他の刊行物に言及しており、これらの全ては、参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた参考文献のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合、本明細書が優先するものとする。加えて、先行技術に含まれる本発明の任意の特定の実施形態は、請求項のいずれか1つまたは複数から明示的に除外することができる。そのような実施形態は、当業者に公知であると考えられるため、たとえ除外が本明細書に明示的に記載されていなくても、除外することができる。本発明の任意の特定の実施形態は、先行技術の存在に関係するか否かにかかわらず、任意の理由で、任意の請求項から除外することができる。
当業者は、日常的な実験以上のものを使用することなく、本明細書に記載される特定の実施形態に対する多くの等価物を認識または確認することができるであろう。本明細書に記載される実施形態の範囲は、上記の説明に限定されることを意図するものではなく、添付の特許請求の範囲に記載される通りである。当業者は、以下の特許請求の範囲に規定される本発明の精神または範囲から逸脱することなく、この説明に対する様々な変更および修正を行うことができることを理解するであろう。
本明細書に記載される本発明をより完全に理解できるようにするために、以下の実施例を記載する。本出願に記載される実施例は、本明細書に提供される化合物、医薬組成物、および方法を例示するために提供され、その範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
実施例1.哺乳動物毒性のない新規な化学設計
フロンティア合成法の開示された開発によって新規なAmB誘導体の効率的な修飾が可能になり、代案として、AmBが主に、それぞれエルゴステロールおよびコレステロールに結合することにより、真菌細胞およびヒト細胞を殺すことが発見された(図1A);チャネル形成は必要ない。すべてのデータは「ステロールスポンジ」モデル(図1B)と合致しており、AmBは自己集合(self-assemble)して大きな膜外集合体になり、真菌およびヒト細胞から生理学的に重要なステロールを迅速に抽出し、それによって細胞死を引き起こす。フロンティアSSNMR研究は、AmBスポンジ-ステロール複合体の構造に対する重要な洞察をさらに明らかにした。Anderson, T. M. et al., Nat Chem Biol 2014, 10 (5), 400-6。
フロンティア合成法の開示された開発によって新規なAmB誘導体の効率的な修飾が可能になり、代案として、AmBが主に、それぞれエルゴステロールおよびコレステロールに結合することにより、真菌細胞およびヒト細胞を殺すことが発見された(図1A);チャネル形成は必要ない。すべてのデータは「ステロールスポンジ」モデル(図1B)と合致しており、AmBは自己集合(self-assemble)して大きな膜外集合体になり、真菌およびヒト細胞から生理学的に重要なステロールを迅速に抽出し、それによって細胞死を引き起こす。フロンティアSSNMR研究は、AmBスポンジ-ステロール複合体の構造に対する重要な洞察をさらに明らかにした。Anderson, T. M. et al., Nat Chem Biol 2014, 10 (5), 400-6。
この鍵となる発見は、非毒性のAmBバリアント(variant)の合理的開発への道を開いた。ステロール結合におけるその予測される役割を調べるために、マイコサミン付加物のC2’位置のヒドロキシル基を合成的に除去した。得られた誘導体C2’deOAmB(図2A)は、エルゴステロールに結合するが、等温滴定熱量測定(ITC)の検出限界内で、コレテロールに結合しないことが分かった(図2C)。ステロールスポンジモデルと合致して、この誘導体は酵母に対して良好な活性を保持したが、最も重要なこととして、ヒト赤血球および初代(hREC)に対して非毒性であった(図2B)。
2-デオキシグリコシドは、合成が非常に困難であり、C2’deOAmBへのスケーラブルなアクセスを欠くことによりその開発が妨げられてきた。しかしながら、これらの知見は、同様の選択性プロファイルを有するより合成が容易な(または合成的にアクセス可能な)誘導体の開発を導くための予測モデルを我々に導いた。Crich, D. et. al., The Journal of Organic Chemistry 2011, 76 (22), 9193-9209; Hou, D. et al., Carbohyd Res 2009, 344 (15), 1911-1940; Rodriguez, M. A. Et al., The Journal of Organic Chemistry 2005, 70 (25), 10297-10310;およびHou, D., et al., Organic Letters 2007, 9 (22), 4487-4490。具体的には、ヒト細胞と対比した真菌細胞に対するC2’deOAmBの選択的毒性を理論的に説明するために、C2’-OHが、エルゴステロールとコレステロールの両方に容易に結合するAmBの配座異性体(conformer)を安定化するモデルが提案された。このヒドロキシル基の欠失は、エルゴステロールに結合する能力を保持するが、より立体的にかさばるコレステロールに結合する能力は保持しない異なる配座異性体または配座異性体のセットへのシフトに有利に働く。あるいは、このモデルは、AmBのC2’OHの欠失が、リガンド選択的結合をもたらす小分子ベースのアロステリック効果を引き起こすことを示唆する。N-ヨードアシルAmBの高分解能X線結晶構造(図3A)に基づくと、C2’とC13のヒドロキシル基の間に顕著な水架橋水素結合があり、ポリエンマクロライドコアに対するマイコサミン付加物の特定の立体配座を安定化させるのに役立つ可能性がある。この観察結果は、マイコサミン付加物がエルゴステロールおよびコレステロールの両方への結合に重要であるという以前の我々の発見、およびAmBポリエンとエルゴステロールのA/B環との間の直接的な分子間接触のSSNMRによる観察と組み合わせて、我々のすべてのデータと合致する両方のAmB-ステロール複合体のための特異的構造モデルを提案することを可能にした(図3B)。Woerly, E. M. et al, Nat Chem 2014, 6 (6), 484-91; Anderson, T. M. et al., Nat Chem Biol 2014, 10 (5), 400-6。
このモデルに導かれて、より合成的にアクセス可能なC2’ヒドロキシル基の単純なエピマー化が、同様に水架橋C2’OH-C13OH相互作用を排除し、C2’deOAmBで予測されたものと同様のマイコサミン付加物の配向のシフトを引き起こす。得られた誘導体であるC2’epiAmB(図2A)は、エルゴステロールに選択的に結合し、真菌に対して細胞破壊作用を発揮するが、ヒト細胞に対しては発揮しない。特に、C2’epiAmBは、単一原子での立体化学のみがAmBと異なる。
フロンティア部位選択的アシル化法を用いたC2’epiAmBの実用的な11ステップ合成が開発された(図4)。Wilcock, B. C. et al., Nat Chem 2012, 4 (12), 996-1003; Uno, B. E. A synthesis enabled understanding of Amphotericin B leading to derivatives with improved therapeutic indices. University of Illinois at Urbana-Champaign, 2014。次に、ステロール結合および細胞死滅活性が決定された。予測されたように、C2’deOAmBと同様に、C2’epiAmBは、ITCによって、エルゴステロールに結合するが、(検出可能には)コレステロールに結合せず、最も重要なことに、真菌を殺すがヒト細胞は殺さないないことがわかった(図2A~2C)。
これらのITC研究は、S字型の等温線をもたらさず、結合定数およびその他の熱力学的パラメータを決定できなかった。しかしながら、in vitroでの均質なAmBおよびC2’epiAmBのステロールスポンジ集合体の再現可能な形成のための代替方法が開発された。これらの調製物を使用して、AmBおよびC2’epiAmBのエルゴステロールおよびコレステロールへの結合の見かけのKDsを決定するための定量的UV-Visおよび主成分分析(PCA)ベースのアッセイが開発された(図5A~5D)。この天然物の小さな治療指数と合致して、エルゴステロール(KD,erg=120nM)とコレステロール(KD,chol=840nM)の両方へのAmBの強い結合が観察された。in vitroでのC2’epiAmBの評価と合致して、C2’epiAmBのエルゴステロールへの強い結合(KD,erg=150nM)が観察された(図5C)が、コレステロールへの結合はほとんどまたはまったく観察されなかった(図5D)。データは、後者の相互作用についてKDの確信のある割り当てを可能にしなかったが、それは少なくとも>2000nMであると推定された(これは、データを適合させた場合の推定KD,cholである)。C2’epiAmBは哺乳動物毒性を示さないため、これらのメカニズム的に根拠のある生物物理学的パラメータをベンチマークとして使用して、さらなる開発のための新しいハイブリッド誘導体に優先順位を付けることができる。
実施例2.動物毒性が観察されないAmB誘導体
>100mgのC2’epiAmBを調製し、それを対応するデオキシコール酸塩複合体として製剤化し、この誘導体をAmB-デオキシコール酸塩と直接比較して、動物モデルにおいて毒性および有効性を評価した。マウスへのAmB-デオキシコール酸塩の静脈内(IV)投与は、2~4mg/kgで致死的であることがわかった(図6、左)。対照的に、C2’epiAmB-デオキシコール酸塩のIV注射では、128mg/kg(試験した最高用量)でさえ死亡は見られなかった。ラットへのAmB-デオキシコール酸塩のIV投与(2.5mg/kg)は、血中尿素窒素(BUN)、アラニントランスアミナーゼ/アスパラギン酸トランスアミナーゼ(ALT/AST)、および死亡率の有意な上昇を引き起こした(図6、右)。代わりに、2、10、および17.5mg/kg(試験した最高用量)の用量でのC2’epiAmBのIV注射でラットを処置した場合、BUNまたはALT/ASTの上昇および死亡は観察されなかった。17.5mg/kgでのC2’epiAmBのCmaxは、1mg/kgでのAmBのCmaxよりも>16倍高かった。
>100mgのC2’epiAmBを調製し、それを対応するデオキシコール酸塩複合体として製剤化し、この誘導体をAmB-デオキシコール酸塩と直接比較して、動物モデルにおいて毒性および有効性を評価した。マウスへのAmB-デオキシコール酸塩の静脈内(IV)投与は、2~4mg/kgで致死的であることがわかった(図6、左)。対照的に、C2’epiAmB-デオキシコール酸塩のIV注射では、128mg/kg(試験した最高用量)でさえ死亡は見られなかった。ラットへのAmB-デオキシコール酸塩のIV投与(2.5mg/kg)は、血中尿素窒素(BUN)、アラニントランスアミナーゼ/アスパラギン酸トランスアミナーゼ(ALT/AST)、および死亡率の有意な上昇を引き起こした(図6、右)。代わりに、2、10、および17.5mg/kg(試験した最高用量)の用量でのC2’epiAmBのIV注射でラットを処置した場合、BUNまたはALT/ASTの上昇および死亡は観察されなかった。17.5mg/kgでのC2’epiAmBのCmaxは、1mg/kgでのAmBのCmaxよりも>16倍高かった。
ファンギゾン(Fungizone(登録商標))(AmB-デオキシコール酸塩)よりも毒性がやや低いため臨床的に広く使用されているAmBのリポソーム製剤であるアムビゾーム(AmBisome(登録商標))と対比して、C2’epiAmBの毒性を直接比較した(図7)。先例の文献と一致して、AmBisome(登録商標)は、最先端の腎遺伝毒性バイオマーカーによって判断して、48mg/kgでマウスにおいて有意な毒性を示すことを確認した。Kondo, C. et al., J Toxicol Sci 2012, 37 (4), 723-37。代わりに、マウスに同じ高用量(48mg/kg)のC2’epiAmB-デオキシコール酸塩を注射したところ、これら同じバイオマーカーの有意な上昇は見られなかった。したがって、C2’epiAmBは、マウスにおいてAmBisome(登録商標)よりも有意に毒性が低い。
いずれの場合も、C2’epiAmBは、試験した最高用量まで、ヒト赤血球、初代hREC、マウス、およびラットに対して非毒性である。これらの結果は、すべての実験の検出限界内で、C2’epiAmBがコレステロールに結合しないという知見と合致する。
実施例3.部分的に保持されたin vitro抗真菌活性
C2’epiAmBのin vitro抗真菌活性を、Evotec(オックスフォードシャー、英国)での広範な一連のカンジダ属およびアスペルギルス属の臨床分離株(図8A)に対するAmBの抗真菌活性と比較した。C2’epiAmBは、多くのカンジダ菌株およびいくつかのアスペルギルス菌株に対して良好な活性を示した。ただし、C2’epiAmBがAmBよりも4倍効力が低いアスペルギルス・フミガーツス(A.fumigatus)のいくつかの菌株(AF293、A1163、およびATC204305)があり、また1つの菌株(AF91)ではC2’epiAmBは>32倍効力が低かった。アゾール耐性のアスペルギルス・フミガーツス(A.fumigatus)、アスペルギルス・フラブス(A.flavus)、およびアスペルギルス・テレウス(A.terreus)を含む、特に挑戦的である40のアスペルギルス属の臨床分離株の拡大パネルに対する抗真菌試験のために、テキサス大学サンアントニオ校(UT-San Antonio)の米国国立真菌試験研究所(US national Fungus Testing Laboratory)にもC2’epiAmBを送った(図8B)。C2’epiAmBは、AmBよりも2~16倍効力が低いことがわかった(40株すべての平均で5.6倍低い効力)。最近、SteinbachとBurkeは、臨床的に関連する侵襲性糸状菌のさらに広範なパネルに対する、AmB、アムビゾーム(AmBisome(登録商標))、カスポファンギン(Caspofungin)、ボリコナゾール(Voriconazole)、およびC2’epiAmBの活性を直接比較した(図8C)。これらの研究は、汎アゾール(pan-azole)耐性株(F14196)を含む多くの菌株に対するC2’epiAmBの優れた抗真菌効力を再び示したが、アスペルギルス属に対する活性を改善する重要な機会も示した。
C2’epiAmBのin vitro抗真菌活性を、Evotec(オックスフォードシャー、英国)での広範な一連のカンジダ属およびアスペルギルス属の臨床分離株(図8A)に対するAmBの抗真菌活性と比較した。C2’epiAmBは、多くのカンジダ菌株およびいくつかのアスペルギルス菌株に対して良好な活性を示した。ただし、C2’epiAmBがAmBよりも4倍効力が低いアスペルギルス・フミガーツス(A.fumigatus)のいくつかの菌株(AF293、A1163、およびATC204305)があり、また1つの菌株(AF91)ではC2’epiAmBは>32倍効力が低かった。アゾール耐性のアスペルギルス・フミガーツス(A.fumigatus)、アスペルギルス・フラブス(A.flavus)、およびアスペルギルス・テレウス(A.terreus)を含む、特に挑戦的である40のアスペルギルス属の臨床分離株の拡大パネルに対する抗真菌試験のために、テキサス大学サンアントニオ校(UT-San Antonio)の米国国立真菌試験研究所(US national Fungus Testing Laboratory)にもC2’epiAmBを送った(図8B)。C2’epiAmBは、AmBよりも2~16倍効力が低いことがわかった(40株すべての平均で5.6倍低い効力)。最近、SteinbachとBurkeは、臨床的に関連する侵襲性糸状菌のさらに広範なパネルに対する、AmB、アムビゾーム(AmBisome(登録商標))、カスポファンギン(Caspofungin)、ボリコナゾール(Voriconazole)、およびC2’epiAmBの活性を直接比較した(図8C)。これらの研究は、汎アゾール(pan-azole)耐性株(F14196)を含む多くの菌株に対するC2’epiAmBの優れた抗真菌効力を再び示したが、アスペルギルス属に対する活性を改善する重要な機会も示した。
実施例4.in vitro抗真菌活性の保持された主要なメカニズム
ステロールスポンジメカニズムの強力な証拠を提供するために、エルゴステロールを用いてAmBステロールスポンジを事前複合体形成し、それによって酵母細胞からエルゴステロールを抽出する(抜き取る)能力をブロックすることにより、AmBの抗真菌活性が低減されることが以前に実証された。Anderson, T. M. et al., Nat Chem Biol 2014, 10 (5), 400-6。MITのSusan Lindquistと共同で実施された追跡調査では、エルゴステロール標的を変異させると病原性の喪失を引き起こすため、このメカニズムはそれが本質的に臨床的耐性を回避することも示した。Davis, S. A., et al., Nat Chem Biol 2015, 11 (7), 481-7。C2’epiAmBが主に同じステロールスポンジメカニズムを介して細胞を殺すか否かを試験するために、エルゴステロールを用いてC2’epiAmBスポンジを同様に事前複合体形成させた(図9)。エルゴステロールを事前複合体形成させると、AmBおよびC2’epiAmBについて同じ効力の低下が観察された。したがって、C2’epiAmBは同様に、主にステロール結合を介して酵母を死滅させ、ひいては、この出願で対象となる新規化合物は、AmBで過去50年以上観察されてきたのと同様の真菌抵抗性に対するバリアを有すると予想される。
ステロールスポンジメカニズムの強力な証拠を提供するために、エルゴステロールを用いてAmBステロールスポンジを事前複合体形成し、それによって酵母細胞からエルゴステロールを抽出する(抜き取る)能力をブロックすることにより、AmBの抗真菌活性が低減されることが以前に実証された。Anderson, T. M. et al., Nat Chem Biol 2014, 10 (5), 400-6。MITのSusan Lindquistと共同で実施された追跡調査では、エルゴステロール標的を変異させると病原性の喪失を引き起こすため、このメカニズムはそれが本質的に臨床的耐性を回避することも示した。Davis, S. A., et al., Nat Chem Biol 2015, 11 (7), 481-7。C2’epiAmBが主に同じステロールスポンジメカニズムを介して細胞を殺すか否かを試験するために、エルゴステロールを用いてC2’epiAmBスポンジを同様に事前複合体形成させた(図9)。エルゴステロールを事前複合体形成させると、AmBおよびC2’epiAmBについて同じ効力の低下が観察された。したがって、C2’epiAmBは同様に、主にステロール結合を介して酵母を死滅させ、ひいては、この出願で対象となる新規化合物は、AmBで過去50年以上観察されてきたのと同様の真菌抵抗性に対するバリアを有すると予想される。
実施例5.マウス侵襲性カンジダ症における非毒性用量依存的有効性
最後に、侵襲性カンジダ症のマウスモデルにおけるC2’epiAmB-デオキシコール酸塩複合体の用量依存的有効性を試験した(図10)。好中球減少症のICR/Swissマウスに、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)の致死的接種物を外側尾静脈から注射し、その後、AmB-デオキシコール酸塩(1または4mg/kg)、あるいはC2’epiAmB-デオキシコール酸塩(1、4、8、または16mg/kg)の単回IP注射で処置した。Andes研究所の以前の研究は、AmB-デオキシコール酸塩の用量依存的有効性を示す。Andes, D. et al., Antimicrobial agents and chemotherapy 2001, 45 (3), 922-6。実際に、結果と最もよく相関するPDパラメータはCmax-/MICである。その後、侵襲性アスペルギルス症の肺モデルでも同じことが観察された。Wiederhold, N. P. et al., Antimicrobial agents and chemotherapy 2006, 50 (2), 469-73。図10に示すように、C2’epiAmBも用量依存的有効性を示し、16mg/kgの用量で真菌負荷(fungal burden)が著しく減少した。
最後に、侵襲性カンジダ症のマウスモデルにおけるC2’epiAmB-デオキシコール酸塩複合体の用量依存的有効性を試験した(図10)。好中球減少症のICR/Swissマウスに、カンジダ・アルビカンス(C.albicans)の致死的接種物を外側尾静脈から注射し、その後、AmB-デオキシコール酸塩(1または4mg/kg)、あるいはC2’epiAmB-デオキシコール酸塩(1、4、8、または16mg/kg)の単回IP注射で処置した。Andes研究所の以前の研究は、AmB-デオキシコール酸塩の用量依存的有効性を示す。Andes, D. et al., Antimicrobial agents and chemotherapy 2001, 45 (3), 922-6。実際に、結果と最もよく相関するPDパラメータはCmax-/MICである。その後、侵襲性アスペルギルス症の肺モデルでも同じことが観察された。Wiederhold, N. P. et al., Antimicrobial agents and chemotherapy 2006, 50 (2), 469-73。図10に示すように、C2’epiAmBも用量依存的有効性を示し、16mg/kgの用量で真菌負荷(fungal burden)が著しく減少した。
これらの結果は、C2’epiAmBが、アムホテリシン誘導体としては初めての、いくつかのカンジダ菌株およびアスペルギルス菌株に対して強力な抗真菌活性を有しかつ検出可能な哺乳動物毒性のないユニークな抗真菌剤であることを示す。ただし、C2’epiAmBは、効力と病原体範囲に関していくつかの重要な制限を有する。したがって、次の計画は、その毒性の欠如を維持しながら、C2’epiAmBの抗真菌効力および病原体範囲を改善するように設計された新規な一連の「ハイブリッド」誘導体を開発することである。
新たに蒸留したEt3Nを、DMF(500μL)中のアムホテリシンB(10mg;0.01mmol)およびアミン(3当量(eq.))の溶液に、pH=9に達するまで滴下した(pH紙による)。反応混合物を室温で15分間撹拌した。固体PyBOP(1.5当量(eq.);8.4mg)を窒素雰囲気下で添加し、密封したバイアルを室温(RT)で終夜撹拌した。反応の進行を分析HPLCトレースによってモニタリングした。
完了したら、生成物を沈殿させ、無水ジエチルエーテル(10mL)で洗浄した。懸濁液を3000gで5分間遠心分離した。溶媒をデカントし、ペレットをDMSOに溶解させ、C18分取HPLCシステムでの精製のために0.2ミクロンのシリンジフィルターで濾過した。純粋な生成物を凍結乾燥機で黄色がかった粉末として乾燥させ、窒素雰囲気下において-80℃で保存した。
実施例7.例示的なC16アミドAmB誘導体の特徴付けデータ
NMR:1HNMR(500MHz,PyrMeOD)δ6.55(m,2H),6.42(m,1H),6.30(m,7H),6.20(m,3H),5.56(m,1H),5.42-5.37(m,1H),4.88-4.81(m,1H),4.72(s,1H),4.70-4.63(m,2H),4.56(s,1H),4.41-4.33(m,1H),4.18(d,J=3.0Hz,1H),3.87(s,1H),3.78(d,J=11.0Hz,1H),3.49-3.42(m,1H),3.25(d,J=9.5Hz,1H),3.20(m,1H),2.87(m,1H),2.47(d,J=6.5Hz,1H),2.42-2.27(m,4H),2.26-2.19(m,1H),2.11-2.03(m,1H),2.02(s,1H),1.95-1.86(m,2H),1.84-1.66(m,4H),1.63-1.46(m,6H),1.46-1.40(m,2H),1.36(d,J=6.0Hz,3H),1.26(d,J=6.5Hz,3H),1.25-1.16(m,4H),1.14(d,J=6.5Hz,3H),1.07(d,J=7.0Hz,3H),0.76(t,J=7.0Hz,3H)。
LCMS:[M+H]+計算C52H84N2O16、992.5821、found 993.5899。
LCMS:[M+H]+計算C52H84N2O16、992.5821、found 993.5899。
LCMS:[M+H]+計算C52H82N2O16、990.5821、found 991.5743。
LCMS:[M+H]+計算C51H80N2O17、993.5644、found 993.5535。
LCMS:[M+H]+計算(C50H81N3O16+H)+、980.5625、実測(observed)980.5695。
LCMS:[M+H]+計算(C52H85N3O16+H)+、1008.5990、実測1008.6008。
LCMS:[M+H]+計算C49H78N2O16、950.5351、実測951.6876。
LCMS:[M+H]+計算C50H80N2O16S、996.5229、実測997.5206。
LCMS:[M+H]+計算C53H83N3O17、996.5229、実測1034.7296。
NMR:1HNMR(500MHz,1:1 ピリジンd-5:メタノールd-4)δ6.54(ddd,J=21.8,14.8,10.9Hz,2H),6.42(dd,J=14.0,11.1Hz,1H),6.36-6.25(m,7H),6.25-6.13(m,3H),5.59-5.52(m,1H),5.42-5.36(m,1H),4.86-4.79(m,2H),4.65-4.51(m,3H),4.39-4.32(m,2H),3.96(dt,J=13.8,6.7Hz,1H),3.86(t,J=9.7Hz,1H),3.81-3.75(m,2H),3.61(t,J=9.5Hz,1H),3.53-3.46(m,3H),3.27-3.23(m,1H),2.47(td,J=9.7,6.2Hz,1H),2.43-2.35(m,2H),2.31-2.18(m,3H),2.08-1.99(m,1H),1.94-1.85(m,2H),1.79-1.67(m,4H),1.60-1.49(m,3H),1.45-1.38(m,2H),1.34(d,J=6.2Hz,3H),1.26(d,J=6.5Hz,3H),1.15(d,J=6.3Hz,3H),1.07(d,J=7.1Hz,2H)。
LCMS:[M+H]+計算C49H79N3O18S、1029.5079、実測1030.6719。
LCMS:[M+H]+計算C49H79N3O18S、1029.5079、実測1030.6719。
LCMS:[M+H]+計算C50H77F2N3O17、1029.5221、実測1030.6863。
LCMS:[M+H]+計算C51H77F5N2O17、1084.5142、実測1085.6813。
LCMS:[M+H]+計算C52H82N4O17、1034.5675、実測1035.7306。
LCMS:[M+H]+計算C51H78N4O16、1002.5413、実測1003.6988。
LCMS:[M+H]+計算C51H81N3O16、991.5617、実測992.7187。
LCMS:[M+H]+計算C50H79N3O17、993.5409、実測994.6960。
AmBまたはDMSOと比較したC16アミドAmB(AmBHEA;化合物AA)の死滅動態(killing kinetics)(図11)。
SDAプレートからのカンジダ・アルビカンス(C.albicans)SN250のコロニーをRPMI培地に懸濁させ、播種密度を105CFU/mlに維持した。990μLの希釈細胞懸濁液のアリコートを滅菌1.7mLエッペンドルフチューブに添加し、続いて化合物の400μM溶液(DMSO中)10μLを添加した。各エッペンドルフチューブ中のDMSOの濃度は1%であり、1%DMSOのみを使用して生存率を確認するための対照サンプルも実施した。所定の時点(0、0.5、1、2、3、4、5、6、8、10、および24時間)で、10μLのサンプルを各チューブから取り出し、RPMIで連続10倍希釈し、10μLのアリコートをコロニー数決定のためにSDAプレートにプレーティングした。コロニー数が1,000CFU/mL未満であると予想された場合、50μLのアリコートを試験溶液から直接採取し、希釈せずにSDAプレートにプレーティングした。試験前にプレートを37℃(C.albicans)で24時間インキュベートした。全ての実験を二重で行った。
脂肪族環および脂肪族非環式鎖の影響を図16に要約する。
様々な極性官能基の影響を図17に要約する。
新たに蒸留したEt3Nを、DMF(500μL)中のC2’-エピ-アムホテリシンB(10mg;0.01mmol)およびアミン(3当量(eq.))の溶液に、pH=9に達するまで滴下した(pH紙による)。反応混合物を室温で15分間撹拌した。固体PyBOP(1.5当量(eq.);8.4mg)を窒素雰囲気下で添加し、密封したバイアルを室温(RT)で終夜撹拌した。反応の進行を分析HPLCトレースによってモニタリングした。
完了したら、生成物を沈殿させ、無水ジエチルエーテル(10mL)で洗浄した。懸濁液を3000gで5分間遠心分離した。溶媒をデカントし、ペレットをDMSOに溶解させ、C18分取HPLCシステムでの精製のために0.2ミクロンのシリンジフィルターで濾過した。純粋な生成物を凍結乾燥機で黄色がかった粉末として乾燥させ、窒素雰囲気下において-80℃で保存した。
7mLの反応バイアルに、C2’epiAmB(5mg、1当量)およびFmoc-スクシンイミド(3mg、1.5当量)を入れ、これを室温でDMF:MeOHの2:1混合物(150μL)に溶解させた。続いて、ピリジン(3μL、6当量)を添加し、反応物を室温で終夜撹拌した。次いで、反応混合物をジエチルエーテル(5mL)に注ぎ、遠心分離により黄色の固体をペレットとして回収した。この固体をN2流下で2分間乾燥させ、精製することなく次のステップに使用した。
7mLのオーブン乾燥した清浄なバイアル中のDMF(250μL)中のFmoc-epiAmB(A)の撹拌溶液に、23℃で、PyBOP(9mg;1当量)およびDIPEA(1.25μL;2当量)を添加し、5分間撹拌した。その後、THF中のMeNH2の溶液(3.5μL;THF中1(M);1.5当量)を添加し、混合物を2時間撹拌した。反応の進行をHPLCによりモニタリングした。
基質が完全に消費されたら(2時間)、ピペリジン(5μL;2当量)を反応物に添加し、さらに1時間撹拌した。反応の完了をHPLCでモニタリングした。混合物を5mLのジエチルエーテルに注ぎ、得られた黄色の固体を遠心分離(5分;3000g)によってペレットとして回収した。この固体をDMSOに再懸濁し、シングル分取HPLC(C18、5μm、50×250mm、75mL/分、95:5~5:95の15mM NH4OAc(水溶液):MeCN、22分間)によって精製した。HPLCの後、溶媒を減圧下で除去し、化合物をDMSOに再溶解させ、凍結乾燥して、黄白色の固体を得た。化合物を気密バイアル中において-80℃で保存した。全体の収率=35%;質量:実測値[M+H+]=937.5249;計算値[M+H+]=937.5268;実測値[M+Na+]=959.5065;計算値[M+Na+]=950.5087。
7mLの反応バイアルに、C2’epiAmB(5mg、1当量)およびFmoc-スクシンイミド(3mg、1.5当量)を入れ、これを室温でDMF:MeOHの2:1混合物(150μL)に溶解させた。続いてピリジン(3μL、6当量)を添加し、反応物を室温で終夜撹拌した。次いで、反応混合物をジエチルエーテル(5mL)に注ぎ、遠心分離により黄色の固体をペレットとして回収した。固体をN2流下で2分間乾燥させ、精製することなく次のステップに使用した。
7mLのオーブン乾燥した清浄なバイアル中のDMF(250μL)中のFmoc-epiAmBの撹拌溶液に、23℃でPyBOP(2.25mg;1当量)およびDIPEA(1.25μL;2当量)を添加し、5分間撹拌した。固体Fmoc-エチルアミン、HCl塩(2.5mg;1.5当量)を順次添加し、混合物を2時間撹拌した。反応の進行をHPLCによりモニタリングした。
基質が完全に消費されたら(2時間)、ピペリジン(5μL;2当量)を反応物に添加し、さらに1時間撹拌した。反応の完了をHPLCでモニタリングした。混合物を5mLのジエチルエーテルに注ぎ、得られた黄色の固体を遠心分離(5分;3000g)によってペレットとして回収した。固体をDMSOに再懸濁し、シングル分取HPLC(C18、5μm、50×250mm、75mL/分、95:5~5:95の15mM NH4OAC(水溶液):MeCN、22分間)によって精製した。HPLCの後、溶媒を減圧下で除去し、化合物をDMSOに再溶解させ、凍結乾燥して、黄白色の固体を得た。化合物を気密バイアルにおいて-80℃で保存した。全体の収率=29%;質量:実測値[M+Na+]=988.53;計算値[M+Na+]=988.5353。
実施例20.アムビゾーム(AmBisome(登録商標))様の製剤中のAmB、C2’epiAmB、およびC2’epiAmB-L-Hisについてのマウス研究
手順:アムビゾーム様製剤中のAmB、C2’epiAmB、およびC2’epiAmB-L-Hisを用いて実験を行った。全ての化合物を静脈内(IV)注射用にD5W(水中5%デキストロース)に溶解させた。雄のCD-1マウス(群当たり3匹;各体重30g)に薬物/化合物を注射し、死亡または苦痛徴候について24時間モニタリングした。24時間後、マウスを屠殺し、腎臓を採取し、ホモジナイズし、RTPCRによって腎損傷のバイオマーカーについて分析した。
手順:アムビゾーム様製剤中のAmB、C2’epiAmB、およびC2’epiAmB-L-Hisを用いて実験を行った。全ての化合物を静脈内(IV)注射用にD5W(水中5%デキストロース)に溶解させた。雄のCD-1マウス(群当たり3匹;各体重30g)に薬物/化合物を注射し、死亡または苦痛徴候について24時間モニタリングした。24時間後、マウスを屠殺し、腎臓を採取し、ホモジナイズし、RTPCRによって腎損傷のバイオマーカーについて分析した。
結果を図15に要約する。
実施例21.in vitroでの化合物BAの安定性試験
肝ミクロソーム:
作業化合物溶液:9%MeOHおよび1%DMSOを含む50mMリン酸カリウム緩衝液中の10μM
ミクロソーム溶液:作業濃度0.625mg/ml
停止溶液:200ng/mlのトルブタミドおよび200ng/mlのラベタロールを含む冷ACN(4℃)。
肝ミクロソーム:
作業化合物溶液:9%MeOHおよび1%DMSOを含む50mMリン酸カリウム緩衝液中の10μM
ミクロソーム溶液:作業濃度0.625mg/ml
停止溶液:200ng/mlのトルブタミドおよび200ng/mlのラベタロールを含む冷ACN(4℃)。
手順:ウェルプレート(T5、T10、T20、T30、T60、NCF60(補因子なし60))に、10μLの化合物/対照作業溶液を添加し(T0およびマトリックスブランクを除く)、続いてミクロソーム溶液(80μL)を添加し、混合物を37℃で約10分間インキュベートした。リン酸カリウムの溶液(10μlの50mM)をNCF60ウェルに添加し、37℃でインキュベートし、時間カウントを開始した。予熱後、10μlのNADPH再生溶液を各プレートに添加して反応を開始した。異なる時点で300μL/ウェルの停止溶液で反応を終了させる。サンプリングプレートを10分間振盪し、4000rpmで20分間遠心分離した。上清を超純水で半分に希釈し、LCMSを用いて分析した。
血漿安定性:
手順:実験を実行するために、TA分析のための化合物の25μMの作業溶液およびPC分析のための50μMの作業溶液を調製した(2.5%DMSO、20%MeOH、水)。実験前に血漿を37℃に加温し、4000rpmで5分間遠心分離した。サンプルのpHを7.4±0.1に調整した。各種からの96μL/ウェルのブランク血漿を移し、5分間プレインキュベートした。各時点を三重(トリプリケート)でモニタリングした(0、10、30、60および120分)。作業溶液の4μL/ウェルアリコートをブランク血漿と混合し、37℃でインキュベートした。各時点で、200ng/mlのトルブタミドと200ng/mlのラベタロールを1:3の比で含むACN停止溶液でサンプルをクエンチし、シェーカーで10分間よく混合し、次いで4000rpmで15分間遠心分離した。上清の100μlアリコートを100μLの超高純水と混合し、LC-MS/MS分析に供した。
手順:実験を実行するために、TA分析のための化合物の25μMの作業溶液およびPC分析のための50μMの作業溶液を調製した(2.5%DMSO、20%MeOH、水)。実験前に血漿を37℃に加温し、4000rpmで5分間遠心分離した。サンプルのpHを7.4±0.1に調整した。各種からの96μL/ウェルのブランク血漿を移し、5分間プレインキュベートした。各時点を三重(トリプリケート)でモニタリングした(0、10、30、60および120分)。作業溶液の4μL/ウェルアリコートをブランク血漿と混合し、37℃でインキュベートした。各時点で、200ng/mlのトルブタミドと200ng/mlのラベタロールを1:3の比で含むACN停止溶液でサンプルをクエンチし、シェーカーで10分間よく混合し、次いで4000rpmで15分間遠心分離した。上清の100μlアリコートを100μLの超高純水と混合し、LC-MS/MS分析に供した。
CYP阻害:
試験化合物および標準阻害剤の作業溶液をDMSO中に調製した(100x最終濃度)。20μlの基質溶液(1カクテル中5つ)をウェルに添加し、続いて2μlの試験化合物溶液を添加した。158μlのヒト肝ミクロソーム(HLM)を、インキュベートしたプレートの全てのウェルに添加し、10分間37℃に加温した。次いで、20μlのNADPH補因子溶液を、インキュベートしたプレートのすべてのウェルに添加し、37℃で10分間インキュベートした。その時点で、400μLの冷停止溶液を添加することによって反応をクエンチした。サンプルを4000rpmで20分間遠心分離して、タンパク質を沈殿させた。100μlの上清を100μlの超純水で希釈し、LCMSを使用して分析した。
試験化合物および標準阻害剤の作業溶液をDMSO中に調製した(100x最終濃度)。20μlの基質溶液(1カクテル中5つ)をウェルに添加し、続いて2μlの試験化合物溶液を添加した。158μlのヒト肝ミクロソーム(HLM)を、インキュベートしたプレートの全てのウェルに添加し、10分間37℃に加温した。次いで、20μlのNADPH補因子溶液を、インキュベートしたプレートのすべてのウェルに添加し、37℃で10分間インキュベートした。その時点で、400μLの冷停止溶液を添加することによって反応をクエンチした。サンプルを4000rpmで20分間遠心分離して、タンパク質を沈殿させた。100μlの上清を100μlの超純水で希釈し、LCMSを使用して分析した。
実施例22.化合物BAはマウスにおいて忍容性が良好である
手順:市販のファンギゾン(Fungizone)およびアムビゾーム(AmBisome)を用いて実験を行った。化合物BAを、何ら特別な処理なしに精製後に直接使用した。全ての化合物をIV注射用にD5W(水中5%デキストロース)に溶解させた。雌CD-1マウス(群当たり3匹;各体重30g)に薬物/化合物を注射し、死亡または苦痛徴候について24時間モニタリングした。24時間後、マウスを屠殺し、腎臓を採取し、ホモジナイズし、RTPCRによって腎損傷のバイオマーカーについて分析した。
手順:市販のファンギゾン(Fungizone)およびアムビゾーム(AmBisome)を用いて実験を行った。化合物BAを、何ら特別な処理なしに精製後に直接使用した。全ての化合物をIV注射用にD5W(水中5%デキストロース)に溶解させた。雌CD-1マウス(群当たり3匹;各体重30g)に薬物/化合物を注射し、死亡または苦痛徴候について24時間モニタリングした。24時間後、マウスを屠殺し、腎臓を採取し、ホモジナイズし、RTPCRによって腎損傷のバイオマーカーについて分析した。
腎損傷のバイオマーカーを分析し、図19に要約した。
実施例23.化合物BAは、侵襲性カンジダ症のマウスモデルにおいて非常に有効であるが、アムビゾーム(Ambisome(登録商標))よりも効力が低い
手順:市販のアムビゾーム(Ambisome)、C2’epiAmB-デオキシコール酸塩(1:2)、およびBAを用いて実験を行った。雌CD-1マウス(n=3または4/群)を、IV注射によりカンジダ・アルビカンスSN250に感染させた。接種の2時間後、マウスを化合物で処置し、モニタリングした。処置の24時間後、マウスを屠殺し、腎臓を採取し、ホモジナイズした。血清をプレーティングして、腎臓ホモジネート中のカンジダ・アルビカンス(C.albicans)(CFU/mL)を計数した(検出限界~102)。
手順:市販のアムビゾーム(Ambisome)、C2’epiAmB-デオキシコール酸塩(1:2)、およびBAを用いて実験を行った。雌CD-1マウス(n=3または4/群)を、IV注射によりカンジダ・アルビカンスSN250に感染させた。接種の2時間後、マウスを化合物で処置し、モニタリングした。処置の24時間後、マウスを屠殺し、腎臓を採取し、ホモジナイズした。血清をプレーティングして、腎臓ホモジネート中のカンジダ・アルビカンス(C.albicans)(CFU/mL)を計数した(検出限界~102)。
マウス研究の結果を図20に要約する。
実施例24.化合物BAのin vitroおよびin vivo安全性
UV-Vis結合アッセイ(図21A):ステロール結合アッセイ(UV-Vis)のプロトコルは、本発明者らの研究室で開発された。化合物を1mMの最終濃度でDMSOに溶解させた。ステロールを最初にCHCl3(>200mM)に溶解させ、次いでDMSOで1mMの濃度に希釈した。複合体を合成するために、1μlの化合物溶液を清浄なエッペンドルフチューブ(2ml)に入れ、それにステロール溶液(体積は化学量論に依存する)を添加し、DMSOで体積を20μlにした。0.98mlのPBS緩衝液をエッペンドルフチューブに添加し、適切に混合した。30分間のインキュベーション後に溶液の吸光度を測定した。
UV-Vis結合アッセイ(図21A):ステロール結合アッセイ(UV-Vis)のプロトコルは、本発明者らの研究室で開発された。化合物を1mMの最終濃度でDMSOに溶解させた。ステロールを最初にCHCl3(>200mM)に溶解させ、次いでDMSOで1mMの濃度に希釈した。複合体を合成するために、1μlの化合物溶液を清浄なエッペンドルフチューブ(2ml)に入れ、それにステロール溶液(体積は化学量論に依存する)を添加し、DMSOで体積を20μlにした。0.98mlのPBS緩衝液をエッペンドルフチューブに添加し、適切に混合した。30分間のインキュベーション後に溶液の吸光度を測定した。
MHC(図21B):溶血アッセイのプロトコルは、Paquetおよび共同研究者の報告(Chem. Eur. J. 2008, 14, 2465-2481)から適合させた。ヒト全血(ヘパリンナトリウム)をBioreclamation LLC(Westbury,NY)から購入し、4℃で保存し、受領の2日以内に使用した。2.0mLのエッペンドルフチューブに、1mLのヒト全血を添加し、10,000gで2分間遠心分離した。上清を除去し、赤血球ペレットを1mLの滅菌生理食塩水で洗浄し、10,000gで2分間遠心分離した。生理食塩水洗浄を合計3回繰り返した。赤血球ペレットを1mLのRBC緩衝液(10mM NaH2PO4、150mM NaCl、1mM MgCl2、pH7.4)に懸濁させて赤血球ストック懸濁液を形成した。
化合物をDMSO中の>15mMのストック溶液として調製し、DMSOで以下の濃度に連続希釈した:7689、5126、2563、2050、1538、1025、769、513、384、256、205、154、103、77、51、26μM。0.2mLのPCRチューブに、24μLのRBC緩衝液および1μLの化合物ストック溶液を添加し、500、300、200、100、80、60、40、30、20、15、10、8、6、4、3、2、1μMの最終濃度を与えた。0.2mLのPCRチューブに、1μLのDMSOおよびそれぞれMilliQ水またはRBC緩衝液を添加することによって、陽性対照および陰性対照を調製した。各PCRチューブに、0.63μLの赤血球ストック懸濁液を添加し、反転により混合した。サンプルを37℃で2時間インキュベートした。サンプルを反転により混合し、10,000gで2分間遠心分離した。各サンプルからの上清15μLを384ウェルプレートに添加した。Biotek H1 Synergy Hybrid Reader(Wanooski,VT)を使用して540nmで吸光度を読み取った。実験は三重で行われ、報告されたMHCは3つの実験の平均を表す。
in vivo毒性(図21Cおよび図21D):市販のファンギゾン(Fungizone)およびアムビゾーム(AmBisome)を用いて実験を行った。化合物BAを、何ら特別な処理なしに精製後に直接使用した。全ての化合物をIV注射用にD5W(水中5%デキストロース)に溶解させた。雌CD-1マウス(群当たり3匹;各体重30g)に薬物/化合物を注射し、死亡または苦痛徴候について24時間モニタリングした。24時間後、マウスを屠殺し、腎臓を採取し、ホモジナイズし、RTPCRによって腎損傷のバイオマーカーについて分析した。
実施例25.化合物BAを用いたin vivoマウス薬物動態実験
実験室で合成し、分取HPLCで精製した化合物(>91%)を用いて実験を行った。全ての化合物を、IV注射用にD5W(水中5%デキストロース)に溶解させた。雌CD-1マウス(群当たり3匹;体重はそれぞれ約30g)に化合物を注射し(計画された投与量に従って)、血液サンプルを異なる時点で採取し、化合物含有量を以下の手順を使用して分析した。
実験室で合成し、分取HPLCで精製した化合物(>91%)を用いて実験を行った。全ての化合物を、IV注射用にD5W(水中5%デキストロース)に溶解させた。雌CD-1マウス(群当たり3匹;体重はそれぞれ約30g)に化合物を注射し(計画された投与量に従って)、血液サンプルを異なる時点で採取し、化合物含有量を以下の手順を使用して分析した。
機器:Triple Quad 6500+
マトリックス:雄CD-1マウス血漿(EDTA-K2)
検体:化合物BA
内部標準:ACN中の100ng/mLのラベタロールおよび100ng/mLのトルブタミド
MS条件ESI:ポジティブ
SRM検出
化合物BA:[M+H]+ m/z 949.8>732.6
ラベラトール(IS):[M+H]+ m/z 329.2>162.1。
マトリックス:雄CD-1マウス血漿(EDTA-K2)
検体:化合物BA
内部標準:ACN中の100ng/mLのラベタロールおよび100ng/mLのトルブタミド
MS条件ESI:ポジティブ
SRM検出
化合物BA:[M+H]+ m/z 949.8>732.6
ラベラトール(IS):[M+H]+ m/z 329.2>162.1。
UPLC条件
移動相A:水中の0.1%FA
移動相B:ACN中の0.1%FA
時間(分) 移動相B(%)
1.10 98
1.50 98
1.51 15
2.10 ストップ
カラム:Waters ACQUITY UPLC HSS T3 1.8μm 2.1×50mm
流速:0.6000mL/分
保持時間:ラベラトール(IS):0.998分。
移動相A:水中の0.1%FA
移動相B:ACN中の0.1%FA
時間(分) 移動相B(%)
1.10 98
1.50 98
1.51 15
2.10 ストップ
カラム:Waters ACQUITY UPLC HSS T3 1.8μm 2.1×50mm
流速:0.6000mL/分
保持時間:ラベラトール(IS):0.998分。
サンプル調製:
24μLのサンプルのアリコートを120μLのIS溶液(ACN中の100ng/mLラベタロールおよび100ng/mLのトルブタミド)でタンパク質沈殿させ、混合物をよくボルテックス混合し、3900rpmで10分間、4℃で遠心分離した。90μLの上清のアリコートをサンプルプレートに移し、60μLの水と混合し、次いでプレートを800rpmで10分間振盪した。LC-MS/MS分析のために15.0μLの上清を注入した。
24μLのサンプルのアリコートを120μLのIS溶液(ACN中の100ng/mLラベタロールおよび100ng/mLのトルブタミド)でタンパク質沈殿させ、混合物をよくボルテックス混合し、3900rpmで10分間、4℃で遠心分離した。90μLの上清のアリコートをサンプルプレートに移し、60μLの水と混合し、次いでプレートを800rpmで10分間振盪した。LC-MS/MS分析のために15.0μLの上清を注入した。
較正曲線:
雌CD-1マウス血漿(EDTA-K2)中の化合物BAについて1.00~3000ng/mL。
雌CD-1マウス血漿(EDTA-K2)中の化合物BAについて1.00~3000ng/mL。
この実験の結果を図22に示す。
実施例26.開示された化合物の溶解性
試験物品1:実験室で合成した(純度>95%)
D5W:Braun USA(製品番号:L5101)
機器の詳細:
超音波処理器:Branson Ultrasonics 2800;ボルテックス-Genie 2ラボミキサー
UV-Vis:Thermo Fisher Nanodrop oneC。
試験物品1:実験室で合成した(純度>95%)
D5W:Braun USA(製品番号:L5101)
機器の詳細:
超音波処理器:Branson Ultrasonics 2800;ボルテックス-Genie 2ラボミキサー
UV-Vis:Thermo Fisher Nanodrop oneC。
ステップ:*
・6mgのサンプル(UV-Visにより測定)を清浄なオーブン乾燥した7mLのバイアルに入れる
・1.65mLの滅菌D5W(室温で)を添加する
・2分間ボルテックスする
・水浴超音波処理:2分×2
・溶液が透明になるまでステップ3および4を繰り返す
・2mLのエッペンドルフチューブに移し、遠心分離(3000g×2分)して、化合物が完全に溶解させて不溶性部分が存在しないことを確実にする(任意ステップ)
・UV(406nmでの吸光度)により濃度を測定する(任意ステップ)
*量は50mg/kgの投与量のin vivo毒性実験のために調製した溶液に基づく。
・6mgのサンプル(UV-Visにより測定)を清浄なオーブン乾燥した7mLのバイアルに入れる
・1.65mLの滅菌D5W(室温で)を添加する
・2分間ボルテックスする
・水浴超音波処理:2分×2
・溶液が透明になるまでステップ3および4を繰り返す
・2mLのエッペンドルフチューブに移し、遠心分離(3000g×2分)して、化合物が完全に溶解させて不溶性部分が存在しないことを確実にする(任意ステップ)
・UV(406nmでの吸光度)により濃度を測定する(任意ステップ)
*量は50mg/kgの投与量のin vivo毒性実験のために調製した溶液に基づく。
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33. Walsh, T. J.; Anaissie, E. J.; Denning, D. W.; Herbrecht, R.; Kontoyiannis, D. P.; Marr, K. A.; Morrison, V. A.; Segal, B. H.; Steinbach, W. J.; Stevens, D. A.; van Burik, J. A.; Wingard, J. R.; Patterson, T. F., Treatment of aspergillosis: clinical practice guidelines of the Infectious Diseases Society of America. Clinical infectious diseases: an official publication of the Infectious Diseases Society of America 2008, 46 (3), 327-60.
34. Pappas, P. G.; Kauffman, C. A.; Andes, D.; Benjamin, D. K., Jr.; Calandra, T. F.; Edwards, J. E., Jr.; Filler, S. G.; Fisher, J. F.; Kullberg, B. J.; Ostrosky-Zeichner, L.; Reboli, A. C.; Rex, J. H.; Walsh, T. J.; Sobel, J. D., Clinical practice guidelines for the management of candidiasis: 2009 update by the Infectious Diseases Society of America. Clinical infectious diseases: an official publication of the Infectious Diseases Society of America 2009, 48 (5), 503-35.
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Claims (44)
- 式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成し;
R3は、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換の尿素、置換もしくは非置換のカルバメート、または置換もしくは非置換のグアニジニルであり;
R4は、水素、または置換もしくは非置換のC1-6アルキルである]。 - R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、または置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
- R1およびR2は独立して、水素、非置換C1-6アルキル、アルコキシC1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、アミノC1-6アルキル、ヘテロシクリルC1-6アルキル、非置換C2-6アルキニル、非置換C3-10カルボシクリル、アミノC3-10カルボシクリル、非置換3~10員ヘテロシクリル、またはヒドロキシル3~10員ヘテロシクリルである、請求項2に記載の化合物。
- R1およびR2のうちの少なくとも一方は水素である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
- R1およびR2のうちの少なくとも一方は水素であり;かつ、R1およびR2の両方は水素ではない、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
- R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成する、請求項1に記載の化合物。
- R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、非置換の3~10員ヘテロシクリル、アミノ3~10員ヘテロシクリル、ヒドロキシル3~10員ヘテロシクリル、またはヘテロシクリル3~10員ヘテロシクリルを形成する、請求項6に記載の化合物。
- R3は-NR5R6であり、
R5およびR6は独立して、水素、C(O)ORf、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、または置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであり;Rfは、2-アルケン-1-イル、tert-ブチル、ベンジル、およびフルオレニルメチルからなる群より選択されるか;あるいは、
R5およびR6は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成する、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。 - R5およびR6は独立して、水素、C(O)ORf、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、または置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールである、請求項8に記載の化合物。
- R5およびR6は独立して、水素またはC(O)ORfである、請求項9に記載の化合物。
- Rfはフルオレニルメチルである、請求項10に記載の化合物。
- R5およびR6のうちの少なくとも一方は水素である、請求項8~11のいずれか一項に記載の化合物。
- R5およびR6は両方とも水素である、請求項8~12のいずれか一項に記載の化合物。
- R4は、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、または置換もしくは非置換のC2-6アルケニルである、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
- R4は、水素、ハロC1-6アルキル、または非置換C2-6アルケニルである、請求項14に記載の化合物。
- R4は水素である、請求項15に記載の化合物。
- 式(II)の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員のヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、置換もしくは非置換の5~10員のヘテロアリールであるか;あるいは、R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成し;
R3は、置換もしくは非置換のアミノ、置換もしくは非置換の尿素、置換もしくは非置換のカルバメート、または置換もしくは非置換のグアニジニルであり;
R4は、水素、または置換もしくは非置換のC1-6アルキルである]。 - R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、または置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールである、請求項17に記載の化合物。
- R1およびR2は独立して、水素、非置換C1-6アルキル、ヒドロキシルC1-6アルキル、アミノC1-6アルキル、非置換C3-10カルボシクリルである、請求項18に記載の化合物。
- R1およびR2のうちの少なくとも一方は水素である、請求項17~19のいずれか一項に記載の化合物。
- R1およびR2のうちの少なくとも一方は水素であり;かつR1およびR2の両方は水素ではない、請求項17~20のいずれか一項に記載の化合物。
- R3は-NR5R6であり、
R5およびR6は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、または置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、
R5およびR6は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成する、請求項17~21のいずれか一項に記載の化合物。 - R5およびR6は独立して、水素、C(O)ORf、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、または置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであり;
Rfは、2-アルケン-1-イル、tert-ブチル、ベンジル、およびフルオレニルメチルからなる群より選択される、請求項22に記載の化合物。 - R5およびR6は独立して、水素、またはC(O)ORfである、請求項23に記載の化合物。
- Rfはフルオレニルメチルである、請求項24に記載の化合物。
- R5およびR6のうちの少なくとも一方は水素である、請求項22~25のいずれか一項に記載の化合物。
- R5およびR6は両方とも水素である、請求項22~26のいずれか一項に記載の化合物。
- R4は、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、または置換もしくは非置換のC2-6アルケニルである、請求項17~27のいずれか一項に記載の化合物。
- R4は、水素、ハロC1-6アルキル、または非置換C2-6アルケニルである、請求項28に記載の化合物。
- R4は水素である、請求項29に記載の化合物。
- 請求項1~32のいずれか一項に記載の化合物、および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
- 静脈内剤形である、請求項33に記載の医薬組成物。
- 経口剤形である、請求項33に記載の医薬組成物。
- 真菌感染症を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の請求項1~32のいずれか一項に記載の化合物を投与し、それによって真菌感染症を治療することを含む、方法。
- 前記化合物が静脈内投与される、請求項36に記載の方法。
- 前記化合物が経口投与される、請求項36に記載の方法。
- スキーム1に示す変換に従ってC2’-エピ-アムホテリシンBのC16アミドを製造する方法:
1は、
塩基は、第三級アミン(例えば、トリアルキルアミン[Et3Nなど])であり;
ペプチドカップリング試薬は、固相ペプチド合成に使用されるペプチドカップリング試薬(例えば、PyBOP、BOP、HATU、HBTU、DEPBT、DCC、またはEDCI)であり;
Rは、Hまたはアミン保護基(例えば、Fmoc、t-Boc、alloc、およびCbzからなる群より選択されるカルバメート保護基)であり;
R1およびR2は独立して、水素、置換もしくは非置換のC1-6アルキル、置換もしくは非置換のC2-6アルケニル、置換もしくは非置換のC2-6アルキニル、置換もしくは非置換のC3-10カルボシクリル、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のC5-10アリール、置換もしくは非置換の5~10員ヘテロアリールであるか;あるいは、R1およびR2は、それらが結合している窒素と共に、置換もしくは非置換の3~10員ヘテロシクリルを形成する]。 - RはHである、請求項39に記載の方法。
- Rは、Fmoc、t-Boc、allocおよびCbzからなる群より選択されるカルバメート保護基である、請求項39に記載の方法。
- 塩基はトリアルキルアミンである、請求項39~41のいずれか一項に記載の方法。
- 塩基はEt3Nである、請求項42に記載の方法。
- ペプチドカップリング試薬は、PyBOP、BOP、HATU、HBTU、DEPBT、DCC、またはEDCIである、請求項39~43のいずれか一項に記載の方法。
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