JP2022542791A - 第1表面または第2表面装飾レドーム - Google Patents

第1表面または第2表面装飾レドーム Download PDF

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Abstract

本発明は、第1側面に第1表面および第2側面に第2表面を有する電波透過性基板と、特に、電波透過性基板上に少なくとも1つの視覚的特徴を提供するための第1表面電波透過性装飾コーティングとを含む、装飾レドームであって、電波透過性装飾コーティングが、金属を備える、および/もしくはこれからなる、または金属を含む合金を備える、および/もしくはこれからなる装飾層を含む、装飾レドーム、ならびに、電波送信機、電波受信機、および発明の装飾レドームを含むレーダシステムを対象とする。【選択図】図4

Description

[0001]本発明は、装飾的な第1表面または第2表面コーティングを含むレドームに関する。特に、レドームは、自動車用途に有用であり、したがって、第1表面または第2表面コーティングは、外部自動車部品に必要とされる厳しい摩耗および強靭性要件を満たす必要があると同時に、レーダ(RADAR:Radio Detection and Ranging)システムに使用される電波周波数の最小限に減衰された送信を可能にするために十分に電波透過性である必要がある。さらには、レドームは、所望の目的のために視覚的に適切でなければならない。
[0002]レーダ(RADAR)システムは、20世紀初めのそれらの開発以降、進化しており、また小型化され、その結果として、現在それらは、様々な日常デバイスに統合されている。レーダの1つの一般的使用は、車両における運転者支援システムである。レーダは、車両内の様々な警告システム、半自律システム、および自律システムに使用される。そのようなシステムは、駐車支援のために使用され得る近接検出、車間距離制御、衝突回避、および死角検出を含む。さらに、レーダは、ライダー(LIDAR:Light Illuminating Detection and Ranging)と組み合わせて、自律および半自律車両のために開発されている検知システムを提供する。
[0003]レーダシステムは、送信機から発せられる照射電波(レーダ信号)が固体物によって反射または散乱されるということに基づいて機能する。これらの反射されたレーダ波は、次いで、一般的には送信機に近接した受信機によって検出されて、レーダシステムが物体を検出することを可能にする。典型的には、電波は、異なる電気伝導性を有する媒体間を進むときに反射される。そのようなものとして、レーダシステムは、特に、金属などの導電性材料を検出することに効果的である。しかしながら、これは、メタリック外観を有するレーダ準拠の材料を開発しようとするときに問題を提示する。
[0004]レーダシステムを外部から見ることは望ましくないため、およびレーダシステムは環境被害から保護される必要があるため、レーダシステムは、典型的には、レドームの裏に位置する。レドームは、実質的に電波透過性である保護カバーであり、したがって、電波信号を実質的に減衰しない。レドームを提供するための好適な材料は、電気絶縁性である合成ポリマー(プラスチックなど)を含む。しかしながら、そのようなプラスチックレドームの統合は、メタリック仕上げが所望されるとき、達成するのが困難であった。プラスチック上のクロム膜など、典型的なメタリック仕上げは、電波信号を反射し、したがって、レドームでの使用に好適ではない。
[0005]従来、自動車の場面では、レーダ送信機および受信機は、車両フロントグリルの上方部分またはその上に、車両の前部に位置付けられる。死角検出(BSD:Blind-Spot Detection)、車線変更支援(LCA:Lane-Change Assist)、フロント/リア・クロストラフィック・アラート(F/RCTA)、自律非常制動(AEB:Autonomous Emergency Braking)、および車間距離制御(ACC:Adaptive Cruise Control)を含む、車両内の複数のレーダベースシステムに対する市場需要は増えている。これは、バンパおよび車体パネルを含むフェイシアの裏など、車両上の多くの異なる位置におけるレーダ送信機およびセンサの位置付けの必要性をかき立てた。自動車の外装に使用され得、かつレーダ準拠である、好適な部品が必要とされる。
[0006]従来の車体部品は、レーダシステムとの使用のための理想的なレドームではない。金属車体パネルは、レーダに準拠せず、したがって、レーダシステムは、プラスチックパネルなどの電波透過性基板の裏に位置付けられる必要がある。しかしながら、車体パネルを作製するために使用される多くのプラスチックは、タルクおよび炭素などのフィルタを含み、これがレーダを著しく減衰する。多くの場合、これは、車両を他のレーダシステムに見えるようにする設計によるものである。基板が電波透過性であるときにさえ、塗料の上塗り層がレーダ送信に影響を及ぼす。効果顔料を含有する人気の塗料およびベースコートの金属成分もまた、パネルのレーダ透過性に影響を及ぼす。さらには、車両の外部パネルの設計制約の多くは、最適レーダ効率とは無関係の、および場合によっては、これと矛盾した因子によって決定される。したがって、車両の外観のわずかな部分だけを構成し、下層のレーダシステムのためのレドームとして作用することができる、レーダ準拠のトリムを提供することが望ましい場合がある。場合によっては、これらのトリム要素がメタリック外観を有することが望ましい。
[0007]メタリック外観を有するプラスチックレドームを提供するために技術およびシステムが開発されてきた。しかしながら、すべてのこれらの技術およびシステムは、メタリック外観の層で挟まれている基板の複雑な層化を必要とする。
[0008]1つの例は、金属成分を含まないナノ層膜積層を利用する、米国特許出願第US2017/0057424 A1号を含む。そのような複雑な膜積層は、それらが表面引っかき傷の影響を受けやすいことから、外部環境から保護される必要がある。そのような複雑な膜の使用、ならびに膜の裏当ておよび保護を提供するための複数の層は、著しい生産費用および時間を結果としてもたらすと同時に、いくつかの品質制御問題および故障点をもたらす。他のレドームは、膜、塗料、溶着金属、および複雑な熱マスキングの複雑な組み合わせを利用し、ここでも、高い生産時間および費用を結果としてもたらす。
[0009]EP1560288は、視覚的に金属のような部品を有するレドームを提供するための代替の手段を説明する。この文書は、透明基板への錫および/または錫の合金の薄膜の堆積を開示する。次いで、基板は、実際には前面層に接着されるさらなる不透明の裏当てプレートを重ね合わせられる。しかしながら、接着剤の使用が、生産複雑性および費用を増加させ、第1層と第2層との間の剥離の影響を受けやすい部品を結果としてもたらし得る。これは、レーダシステムにおける電波減衰および不正確性をもたらす。
[0010]メタリック外観を有する市場のレドームのうちの一部は、装飾コーティングまたは膜の上に接着される第1表面保護ポリマーを含み、以て、それをポリマー層内に閉じ込める。これは、均一の厚さを有するレドームを提供する機能を果たし、また重要なことには、装飾コーティングまたは膜を外部環境から保護する。しかしながら、そのような方法は、車体パネルなどのより大きい装飾部品を提供するのには理想的ではない。
[0011]装飾トリムおよびプラスチックバンパは、レドームバッジのために提案されてきたような、複数のプラスチック層で形成されることは好適ではない。したがって、電波透過性装飾コーティングを提供しかつ十分にロバストである、メタリック外観を有する自動車パネルおよびトリムならびに簡略化された生産プロセスを提供する必要がある。
[0012]過去には、コーティングされた要素の外観をさらに増大させるため、例えば、要素の「サテン」外観を提供するために、異なる手法がなされてきた。例えば、電気めっきが提案された。電気めっきは、遺伝毒性発がん物質である6価クロムの使用を伴う湿式法である。結果的に、この物質は、世界中の地域で廃止されてきた。例えば、欧州連合は、化学物質の登録、評価、認可、および制限(REACH:Registration,Evaluation,Authorisation and Restriction of Chemicals)の制度のもと、6価クロム使用を廃止ししている。
[0013]代替案として6価クロムが議論されたが、それは、比較的柔軟性のないコーティングシステムしか提供しない。例えば、6価クロムは、それが透明ではないことから、背面照明の統合を許さず、サテンおよび光沢仕上げを組み合わせて同じ部分に対する同じコーティングにする能力が制限される。さらには、異なる色の仕上げを作成するその能力が制限される。
[0014]代替案としてPVDコーティング方法が提案されている。ハイエンドの光沢またはサテン仕上げは、重金属損耗なしに、および有害生成物なしに達成可能である。しかしながら、同じ部分においてシームレスなサテンおよび光沢仕上げを伴ったコーティングされた部分を作成するのは困難である。典型的には、PVDサテン仕上げは、反射PVD表面から光を散乱させる、サテン添加剤を伴う上部色合いコーティングにより達成される。サテン添加剤は、散乱の量を調整するために調節され得る。しかしながら、この色合いコーティングもまた、湿式法であり、故に、この技術を使用して光沢PVD表面上に選択的なサテンパターンを作成するのは容易ではない。
[0015]故に、さらに好ましくは作成された表面上のサテンパターンの背面照明を可能にするコーティングを使用して、単一部分に対して最小プロセスで光沢表面上にサテンパターンを作成することが必要とされる。
[0016]上の背景技術の議論は、本発明の文脈を説明するために含まれる。それは、言及される資料のいずれかが、特許請求のうちのいずれか1つの優先日において、公開されたこと、知られていたこと、または共通一般知識の部分であったことを認めるものと解釈されるべきではない。
[0017]本発明は、第1側面に第1表面および第2側面に第2表面を有する電波透過性基板と、特に、電波透過性基板上に少なくとも1つの視覚的特徴を提供するための電波透過性装飾コーティングとを含む、装飾レドームであって、電波透過性装飾コーティングが、金属を含む、および/もしくはこれからなる、または金属を含む合金を含む、および/もしくはこれからなる装飾層を含む、装飾レドームを提供する。
[0018]第1代替案において、電波透過性装飾コーティングは、電波透過性基板の第1側面に、特に第1表面に少なくとも部分的に位置する、第1表面電波透過性装飾コーティングである。
[0019]第2代替案において、電波透過性装飾コーティングは、基板の第2側面に、特に第2表面に少なくとも部分的に位置する、第2表面電波透過性装飾コーティングであり、電波透過性装飾コーティングは、オーバーモールド層で少なくとも部分的に被覆され、特に、オーバーモールド層は、電波透過性ポリマーを備え、および/または基板から離れる方を向いた電波透過性装飾コーティングの側面に位置する。
[0020]結果として、本発明は、第1代替案において、装飾コーティングを保護するために、典型的にはプラスチックのカバー層を含む第2代替案による装飾レドームとは異なり、レドームの外面に電波透過性装飾コーティングを有する装飾レドームを提供する。
[0021]第1表面コーティングを有する簡略化したレドームは、様々な状況で使用され得るより広い範囲の部品を提供するためにより多くの設計自由度を可能にする。特に車両に関しては、そのようなレドームは、車両の中央前部位置に限られない。例えば、運転者支援、半自律および自律能力を提供するためには、車両の360°レーダ探知範囲を提供することが所望される。例えば、レーダ透過性でありかつ外観がメタリックであるトリムを車両の周りに提供することによって、レーダシステムは、車両の見た目を妥協することなく、車両の様々な場所に位置付けられ得る。第2代替案によるレドームのような2つの基板層の間に挟まれた装飾層と比較して、そのようなレーダ透過性トリムが可能になる。
[0022]両方の代替案では、電波透過性基板は、特に、一方では電波透過性装飾コーティングと、および他方では電波透過性基板との間にフォームフィット接続を提供するために、電波透過性装飾コーティングで少なくとも部分的に被覆されている、および/もしくは少なくとも部分的に充填されている少なくとも1つの第1表面構造体を備え、または、電波透過性基板および/もしくは電波透過性装飾コーティングは、特に、一方ではオーバーモールド層と、ならびに他方では電波透過性基板および/もしくは電波透過性装飾コーティングとの間にフォームフィット接続を提供するために、オーバーモールド層で少なくとも部分的に被覆されている、および/または少なくとも部分的に充填されている少なくとも1つの第2表面構造体を備えることが提案される。
[0023]特に、少なくとも1つのアンダーカット部、少なくとも1つの溝、少なくとも1つの陥凹部、少なくとも1つの突出部、少なくとも1つの茸状要素、少なくとも1つのT字状要素、ならびに/または、少なくとも1つの、少なくとも部分的に、特に、電波透過性基板および/もしくは電波透過性装飾コーティング内に、埋め込まれたおよび/もしくはオーバーモールドされたアンカー要素を備える、そのような表面構造体の使用は、レドームの、特に、基板、コーティング、および/または層の、それぞれの要素のコヒーレンスを増大させることを可能にする。要素間の接着剤および/または化学的接続に加えて、要素は、フォームフィット様式で互いに接続される。故に、使用中の互いからの要素の取外しは、はるかに良好な方法で防がれる。そのような取外しは、レドームの透過性に悪影響を及ぼし得る、また埃および/または水分の移動を可能にし得る自由空間をもたらし得る。そのような移動は、レドームの要素、例えば、装飾コーティングを破壊または損傷し得、電波透過性、および可視光に対する反射性のような光学特性に悪影響を及ぼす。さらには、車体パネルなどのより大きい装飾部品を提供することが可能になり、例えば、表面保護ポリマーまたはオーバーモールドの厚さは、ポリマーまたはオーバーモールドの保護特性に悪影響を及ぼすことなく低減され得る。
[0024]第2代替案における要素の接着性を増大させるための別の手段は、電波透過性基板および電波透過性装飾コーティングが、オーバーモールドの前に加熱されること、特に、電波透過性基板および装飾コーティングが、オーバーモールドの前に、少なくとも摂氏70度、または少なくとも摂氏80度に加熱されることである。加えて、オーバーモールドは、任意選択的に、摂氏300度を下回るバレルノズル温度で実施され得る。これらの手段により、結合強度および外観は、さらに向上され得る。
[0025]多くの薄コーティング層は、室温で伸張性があり、これは、プラスチック基板に適用されるとき、昇温に暴露されると視覚的に変形する(例えば、貫入ができる)。これは、典型的にはプラスチック基板と比較して薄コーティング層では3~6倍低いオーダーである熱膨張係数(CTE)の差に起因すると思われる。
[0026]オーバーモールドのプロセスは本質的に、最大300℃の、またはこれを上回るノズル温度で、オーバーモールドプロセスの第2ショット中に適用される溶融プラスチック樹脂と同じくらい、薄コーティングを高温に暴露する。そのようなものとして、薄コーティング(反射層など)を有する基板のオーバーモールドは、薄コーティングおよび基板の熱膨張を引き起こし得、このことが、薄コーティングの視覚的歪みを引き起こし、コーティングの外観を損傷することが予期される。しかしながら、本発明は、装飾層および/またはコーティングを覆う熱マスクの必要性なしに、基板上に堆積される装飾層および/またはコーティングを直接オーバーモールドすることによって、一体の多層物品の生産を可能にする。さらには、オーバーモールドプロセスは、装飾層および/またはコーティングが包囲される層を接着するための接着剤の必要性を除去する。
[0027]堆積した薄コーティング上に直接オーバーモールドすることは、そのような装飾レドームを提供する現在の方法に勝る多くの利点を提供する。物理蒸着(PVD)などの堆積技術による薄コーティングの堆積は、電波信号歪みまたは減衰の可能性を低減する装飾層を提供された基板の単純な高スループット生産を可能にする。さらには、PVDによる薄コーティング堆積は、堆積された層の厚さが実質的に均一であることを可能にする。これは、レーダ信号のいかなる屈折も低減する利点を有する。追加的に、装飾コーティングの直接オーバーモールドは、コーティングを包み込み、以て、コーティングを自然力から保護し、コーティングを電気的に絶縁し、および、接着剤によって結合される多層レドームに見られる問題である、基板とオーバーモールド層との間の水侵入の可能性を低減する。
[0028]オーバーモールドの前に装飾層および/またはコーティングの視覚的歪みの可能性を低減するのを助けるため、本方法のいくつかの実施形態において、基板ならびに装飾層および/またはコーティングは、オーバーモールドの前に加熱される。好ましくは、基板ならびに装飾層および/またはコーティングは、オーバーモールドの前に、少なくとも摂氏60度、または少なくとも摂氏70度、または少なくとも摂氏75度、または少なくとも摂氏80度まで加熱される。これは、オーバーモールドプロセスの第2ショット中の装飾層および/またはコーティングにおける温度変化の速度を低減し、以て、オーバーモールド中の熱膨張の度合いを減少させ、装飾層および/またはコーティングの視覚的歪みの可能性を低減するのを助ける。
[0029]さらに、オーバーモールドプロセスのノズル温度を低減すること、および結果として、指定のノズル温度で流れることができる好適なポリマーを使用することは、装飾層および/またはコーティングの視覚的歪みの可能性を低減する。いくつかの実施形態において、オーバーモールド層は、オーバーモールドプロセス中、摂氏300度以下、または摂氏280度以下、または摂氏250度以下、または摂氏245度以下のバレルノズル温度で形成される。
[0030]本発明の特に望ましい使用は、車両の前部のためのバッジを提供することである。典型的には、そのようなバッジは、従来クロムめっきであるか、またはメタリック外観を有する3次元シンボルからなる。したがって、そのようなバッジをレドームとしての使用に好適である様式で再現することを試みるのが望ましい。
[0031]レドームの外観を向上させるため、特に、そのような3次元(3D)視覚的特徴を提供するため、電波透過性基板が、第2表面および/または第1表面に、反対表面に向かう凹所によって好ましくは形成される軽減部分、および/または電波透過性基板の隆起部分を備え、特に、装飾層が、軽減部分および/または隆起部分に少なくとも部分的に適用されることが提案される。
[0032]特に、望んだ形態を有する視覚的特徴、例えば、ロゴ、文字、または数字を提供することを可能にするため、電波透過性基板が、装飾層の適用のエリアを、電波透過性基板の第1表面または第2表面の一部分のみに限定するようにマスクされることが提案される。結果として、少なくともいくつかの実施形態において、装飾層は、視覚的特徴を提供するために基板の一部分のみに適用される。この視覚的特徴は、ロゴなどのシンボル、または任意の他の所望のシンボルであり得る。
[0033]レドームとしての使用を可能にするため、装飾コーティングは、可視スペクトル内の電磁放射線を実質的に吸収または反射しながら、電波長電磁周波数(電波)を最小限に減衰または反射しなければならない。これは、1つもしくは複数の電気的に絶縁された、もしくは非導電性の金属薄膜層、または1つもしくは複数の金属合金層を提供することによって達成され得る。
[0034]金属を含む非導電性の合金を提供するため、非金属を含むことが好ましい。したがって、いくつかの実施形態において、金属の合金は、さらに非金属を含む。好ましい非金属としては、ゲルマニウムおよび/またはシリコンが挙げられる。
[0035]金属の合金がゲルマニウムを含む実施形態において、ゲルマニウムの濃度は、少なくとも25重量%ゲルマニウム、または少なくとも40重量%ゲルマニウム、または少なくとも45重量%ゲルマニウム、または少なくとも50重量%ゲルマニウム、または少なくとも55重量%ゲルマニウムであることが好ましい。そのような濃度は、最適な視覚的外観、および十分に低い電波減衰または反射を提供する。
[0036]電波減衰および反射を最小限にするため、装飾層は、薄膜として提供されなければならない。したがって、いくつかの実施形態において、装飾層は、最大100nm厚、または最大50nm厚、または最大40nm厚、または10nm~40nm厚、または20nm~40nm厚、または25nm~35nm厚、または約30nm厚である。
[0037]様々な金属が、金属層の堆積のため、または金属を含む合金の金属成分のために使用され得る。いくつかの実施形態において、金属層は、インジウムまたは錫の群から選択される金属からなる。いくつかの実施形態において、合金は、アルミニウム、銀、錫、インジウム、またはクロムの群から選択される金属を含む。
[0038]好適な電波透過性合金は、ゲルマニウムおよびアルミニウムおよび任意選択的にシリコン、または、ゲルマニウムおよびシリコン、または、ゲルマニウムおよび銀および任意選択的にシリコン、または、ゲルマニウムおよびインジウムおよび任意選択的にシリコン、または、アルミニウムおよびゲルマニウムおよび/もしくはシリコン、または、クロムおよびゲルマニウムおよび/もしくはシリコンを含み得る。
[0039]本発明者らは、第1表面または第2表面装飾コーティングを提供するとき、装飾コーティングの残留応力を制御することが有利であるということを確認した。理論によって制約されるものではないが、装飾コーティングの残留応力が基板(好ましくは、合成ポリマー基板)に準拠する所望の範囲内にあるのが重要であるということが確認されている。
[0040]第1表面または第2表面装飾レドームは、電波透過性装飾コーティングの全体的な残留応力が-120MPa以上、または-50Mpa以上、または-40MPa以上であるとき、耐久性試験において十分な強靭性を呈するということが確認された。より好ましくは、電波透過性装飾コーティングの全体的な残留応力は、中立(0MPa)または引張(>0MPa)である。
[0041]装飾層がアルミニウムおよびゲルマニウムである装飾コーティングの実施形態において、正味残留応力は、好ましくは、-120MPa以上、好ましくは-50MPa以上である。装飾層がクロムおよびゲルマニウムである電波透過性装飾コーティングの実施形態において、正味残留応力は、-70Mpa以上、好ましくは最大+170Mpaであることが好ましい。
[0042]装飾層の残留応力は、堆積パラメータおよび層の厚さを修正することによって、ある程度まで修正され得る。しかしながら、誘電体層またはハードコート層のような追加の層が提供され得、これにより、装飾コーティングの全体的な残留応力を所望の範囲内へとさらに修正することができる。これらのコーティング、特に、誘電体層はまた、電波透過性装飾コーティングの光学性質および視覚的外観を修正することができる。
[0043]結果として、いくつかの実施形態において、第1表面または第2表面装飾レドームは、複数の層を含む。いくつかの実施形態において、装飾コーティングの複数の層は、応力制御層および/または結合層を含む。多層装飾コーティングにおける応力制御層の場所は、任意の好適な場所であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、応力制御層は、電波透過性基板と装飾層との間に提供される。代替的に、または追加的に、応力制御層は、装飾層の第1側面に提供され得る。
[0044]電波透過性装飾コーティングが複数の層を備えるいくつかの実施形態において、電波透過性装飾コーティングは、装飾層に加えて、少なくとも1つの誘電体層を含む。いくつかの実施形態において、この誘電体層は、装飾層と電波透過性基板との間に提供される。いくつかのさらなる実施形態において、電波透過性装飾コーティングの複数の層は、少なくとも2つの誘電体層の間に少なくとも1つの装飾層を含む。いくつかの実施形態において、電波透過性装飾コーティングは、複数の誘電体層および/または複数の装飾層を含む。好ましくは、誘電体層および装飾層は交互である。
[0045]電波透過性装飾コーティングの1つまたは複数の層を基板に適用するために使用され得る好ましい堆積方法は、任意の物理蒸着システムから選択され得る。そのようなシステムは、熱蒸発、電子ビーム蒸発(イオンビーム支援ありまたはなしで)、スパッタ堆積パルスレーザ堆積、電気流体力学堆積の陰極アーク堆積、真空堆積、マグネトロンスパッタリングを含み得るが、追加的または代替的に、装飾層はまた、印刷、好ましくはパッド印刷され得、および/または装飾層は、色付きであり得る。追加的に、電波透過性基板の表面は、まず、装飾層と基板との接着を改善するために、堆積の前に処理を施され得る。いくつかの実施形態において、表面処理は、プラズマ放電、コロナ放電、グロー放電、およびUV放射から選択され得る。
[0046]いくつかの実施形態において、電波透過性装飾コーティングは、その層のうちの1つまたは複数の堆積パラメータを最適化することによって、所望の応力ウィンドウを達成するように調整され得る。これらのパラメータは、スパッタパワー、ガス圧力、ガスドーパント(窒素など)、およびコーティング厚さを含む。応力はまた、基板加熱により熱応力成分を導入することによって、または層もしくは電波透過性装飾コーティングの堆積の直前に前処理を行うことによって、調整され得る。
[0047]装飾コーティング内または個々の層内の残留応力を測定するための手段は、当該技術分野において知られている。例えば、装飾コーティングは、ガラススライドの上に置かれ得、このガラススライドは、層またはコーティングの堆積の前後に、応力測定デバイス(Sigma Physik SIG-500SPなど)内へ置かれ得る。
[0048]残留応力は、堆積されると所望のレベルの応力を生成して装飾層の本質的な残留応力を補う材料の層の堆積によって修正され得る。好適な材料としては、SiO、SiO、CrN、NbO、TaO、およびZrOが挙げられ、式中、xおよびyは共に、好ましくは、0.1~2.0の間である。誘電体層を含むいくつかの実施形態において、誘電体層は、SiOまたは二酸化シリコンである。そのような層は、電波透過性装飾コーティングの全体的な応力を制御するために使用され得、また、電波透過性装飾コーティング内の層の位置付けに応じて、その視覚的性質に影響を及ぼし得る。
[0049]故に、装飾層の所望の光学効果が変更されることが必要とされるとき、装飾コーティングの全体的な残留応力が所望のウィンドウに維持されることを確実にするために、付随する変化が、装飾コーティングの1つまたは複数の追加の層にも必要とされる可能性が高いということは明白である。
[0050]第1代替案によるレドームの第1表面への電波透過性装飾コーティングの提供は、電波透過性装飾コーティングを外部環境へ暴露する。これは、電波透過性装飾コーティングが、UV光、温度限界、雨、埃、泥、および様々な化学物質などの様々な条件に暴露されることを結果としてもたらす。さらに、外部自動車トリムなどの用途において、装飾レドームはさらに、岩屑などの飛んでくる物体に暴露される。したがって、レドームの電波透過性装飾コーティングは、そのような環境で使用されるのに十分に強靭であることが必要とされる。電波透過性装飾コーティングの強靭性を向上させるため、いくつかの実施形態において、電波透過性装飾コーティングは、少なくとも1つの保護ハードコート層を含み得る。典型的には、これは、電波透過性装飾コーティングの最上層であり、したがって下にある層を保護する。しかしながら、いくつかの実施形態において、疎水性、親水性、疎油性、脂溶性、および撥油性、またはそれらの組み合わせなどの特性を提供する追加のキャッピング層が存在し得る。
[0051]さらに、ハードコート層は、多層電波透過性装飾コーティング内の結合層または応力制御層として機能することができる。結果として、いくつかの実施形態において、電波透過性装飾コーティングは、装飾層と電波透過性基板との間にハードコート層を含む。好ましくは、電波透過性装飾コーティングは、電波透過性基板の第1表面または第2表面に提供されるハードコート層を含む。いくつかの実施形態、特に第1代替案において、ハードコート層は、装飾コーティングと電波透過性基板との間にある(しかしながら、電波透過性基板とは直接接触していない場合がある)。
[0052]理論によって制約されるものではないが、ハードコート層は、おそらくは、下にある層または電波透過性基板への後続の層(装飾層など)の結合を向上させ、層間の差応力および電波透過性装飾コーティングの全体的な残留応力を制御するのを助ける。
[0053]追加の層は、電波透過性基板の第1表面または第2表面に適用されたハードコート層と装飾層との間の界面にあり得る。いくつかの実施形態において、誘電体層は、装飾層と保護ハードコートとの間に提供される。
[0054]さらなる実施形態において、少なくとも2つのハードコート層が提供され、好ましくは、第1ハードコート層は、基板と第2ハードコート層との間に位置し、第2ハードコート層は、少なくとも1つの、好ましくはレーザエッチングされた開口部および/または凹所を備える。凹所は、特に、「サテン」外観を提供するために第1ハードコート層内にエッチングすることを可能にする一方で、第1ハードコートの残りの部分の光学特性は変化させない。この目的のため、第1ハードコート層は、少なくとも1つの、特にレーザエッチングによってエッチングされた表面を、特に、第1ハードコーティングの開口部および/または凹所のエリア内に備える。
[0055]視覚的外観をさらに向上させるため、第2ハードコート層は、可視光に対して不透明および/もしくは反射性であり得、ならびに/または第1および/もしくは第2ハードコート層は、可視光のための少なくとも1つの半透明および/または反射性光学コーティングによって少なくとも部分的に被覆される。
[0056]ハードコート層を提供するための好適な材料は、当該技術分野において知られており、例えば、ハードコート層は、有機シリコン、アクリル、ウレタン、メラミン、およびアモルファスSiOxCyHzからなる群から選択される材料を含む1つまたは複数の耐摩耗層を含み得る。
[0057]上に論じられるように、電波透過性装飾コーティングの残留応力を、-120MPa以上、または-70Mpa以上、または-50Mpa以上、または-40MPa以上の最適範囲内に保つことが有利である。保護ハードコート層は、装飾コーティングの全体的な残留応力に影響を及ぼし得るため、いくつかの実施形態において、電波透過性装飾コーティングの全体的な残留応力は、保護ハードコートを伴って測定される。いくつかの実施形態において、全体的な残留応力は、保護ハードコートなしで測定される。
[0058]装飾コーティングのための電波透過性基板は、十分に電波透過性であり、レドームの意図した目的に適合する任意の好適な基板であり得る。しかしながら、好ましくは、電波透過性基板は、アクリロニトリル・エチレン・スチレン(AES)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート(ASA),ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、高流量AES、アクリルニトリル-(エチレン-プロピレン-ジエン)-スチレン(AEPDS)、熱可塑性プラスチックの混合物、またはPC-ABS混合熱可塑性プラスチックなど、合成ポリマーである。いくつかの実施形態において、電波透過性基板は、ポリカーボネートまたはポリプロピレンである。
[0059]電波は、冷条件においてレドーム上で凝結し得る、水、特に、氷によって、著しく減衰され得る。これは特に、レドームが車両の外部パネルを提供するために使用されるときに広く認められる。したがって、レドームから氷を除き、最適機能を可能にするため、本発明の装飾レドームのいくつかの実施形態は、加熱素子を含む。
[0060]好ましい形態では、加熱素子は、抵抗線を含む。抵抗線は、ジュール熱を提供するために使用され得る。電流が抵抗線を通って流れると、線の温度は上昇し、以て熱を提供する。生成される熱の量は、線の抵抗および電流の二乗の積に比例する。好ましくは、線は、加熱素子が、ポリマー内に成形され得る回路を備えるように、ポリマー、特に、オーバーモールド層内に、提供または成形される。ポリマーは、別個の膜であり得、加熱素子は、ポリマー膜内へ成形される。次いで、この膜は、電波透過性基板と電波透過性装飾コーティングとの間に提供され得る。結果として、加熱素子は、電波透過性装飾コーティングによって環境から保護されるが、迅速な氷除去をもたらすために表面に近い。
[0061]電波透過性基板のように、加熱素子のための膜を提供するポリマーは、電波透過性である必要がある。そのようなものとして、ポリマー膜は、電波透過性基板に使用されるものなど、任意の準拠ポリマーから作製され得る。したがって、膜のためのポリマーは、アクリロニトリル・エチレン・スチレン(AES)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート(ASA)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、高流量AES、アクリルニトリル-(エチレン-プロピレン-ジエン)-スチレン(AEPDS)、熱可塑性プラスチックの混合物、またはPC-ABS混合熱可塑性プラスチックから選択され得る。いくつかの実施形態において、ポリマー膜は、ポリカーボネートまたはポリプロピレンである。実際、いくつかの実施形態において、加熱素子は、電波透過性基板に提供される。
[0062]レドームとしての使用に好適であるために、本発明の装飾レドームは、完全に電波透過性である必要はなく、したがって、許容レベルの電波減衰を有し得る。いくつかの特定の実施形態において、装飾レドームは、20~81GHz、もしくは76~81GHz、もしくは76~77GHzの周波数範囲内で、または周波数が約77GHz、もしくは約79GHz、もしくは約81GHzであるとき、信号経路にわたって4dB未満(双方向)、または2dB未満(一方向)、またはより好ましくは、信号経路にわたって2dB(双方向)未満、または1dB未満(一方向)の電波信号減衰を有する。
[0063]十分な電波透過性を達成するため、金属からなる、または金属を含む合金からなる装飾層は、実質的に導電性であってはならない。結果として、いくつかの実施形態において、装飾層は、10オーム/スクエア(Ω/□)より大きいシート抵抗を有する。
[0064]電波透過性基板の最適厚さは、通過する電波の減衰に影響を及ぼし得る。本発明の装飾レドームは、76~81GHzの周波数を発するレーダシステムと共に使用され得るため、ポリカーボネート基板の最適厚さは、約1.15mmの倍数である。したがって、いくつかの実施形態において、電波透過性基板の厚さは、約1.15mm、2.3mm、または2.45mmである。いくつかの実施形態において、特に車両との使用では、電波透過性基板は、2mm~2.6mm厚である。この厚さはまた、数ある設計考慮事項の中でも、重量、費用、成形性、および強靭性に利点を提供する。
[0065]レドームの外観、特に視覚的特徴をさらに向上させるため、ライティングおよび/または照明システムが提案される。本システムは、好ましくは少なくとも1つのLED、少なくとも1つのレーザ、および/または少なくとも1つの光源アレイを備える、少なくとも1つの光源、ならびに光源に接続された少なくとも1つの光導波路を備える。
[0066]レドームの既に存在する要素および/または層をシステムの光導波路として使用するのが本発明の考えである。好ましくは、光導波路は、装飾コーティング、特に、電波透過性基板、ハードコート層、中間層、および/またはオーバーモールド層に隣接して、および/またはこれに接触して位置する層および/または要素によって少なくとも部分的に形成される。
[0067]加えて、または代替的に、光源は、第1表面および/または第2表面の少なくとも一部の法線方向に対して垂直の方向に、光導波路内へ結合され、特に、光源は、レドームの側端に少なくとも部分的に位置し、好ましくは、ブレッツェル(brezzel)またはグリルのような、レドームの支持構造体の裏に位置する。これらの手段により、光源は、電波/レーダ送信エリアの外側に位置し得、その結果として、レドームの透過性に対する悪影響もまた、光源によって回避される。
[0068]本発明は、電波送信機、電波受信機、および本明細書に説明されるような装飾レドームを含むレーダシステムをさらに提供する。電波透過性基板の最適厚さは、電波送信機から発せられる電波の波長、および基板の誘電体実誘電率に依存する。したがって、いくつかの実施形態において、レドームの電波透過性基板の厚さは、
Figure 2022542791000002
の倍数であり、λiは、電波送信機から送信される電波の、基板を通る波長である。好ましくは、電波送信機は、20~81GHz、または76~81GHz、または76~77GHz、または約77GHz、または約79GHz、または約81GHzの周波数にある電波を送信する。
[0069]多くの車両バッジのメタリック仕上げを再現するために、装飾層および/またはコーティングは反射層および/またはコーティングであることが望ましい。結果として、いくつかの実施形態において、装飾層および/またはコーティングは、少なくとも35%反射性、または少なくとも45%反射性、または少なくとも50%反射性、または少なくとも55%反射性である反射層および/またはコーティングである。レドームが第2代替案においては2つのポリマー層内に装飾層を包含するように設計されるため、第2表面(すなわち、透明層の外面)から見た反射性を測定することが望ましい。
[0070]レドームを通過する電波信号の過度な屈折および歪みを防ぐため、レドームの少なくとも一部分については、均一の厚さの信号経路を提供するために、形成されたレドームの前面および裏面が平行または実質的に平行であることが好ましい。したがって、いくつかの実施形態において、(一旦配置されると)オーバーモールド層は、レドームの少なくとも一部分にわたって、電波透過性基板の第1表面に平行または実質的に平行である第3表面を提供し、この部分が信号経路を画定する。
[0071]装飾層および/またはコーティングを見ることを可能にするため、いくつかの実施形態において、基板またはオーバーモールド層のいずれかの少なくとも一方は、可視光に対して実質的に透明である。好ましくは、電波透過性基板は、第2代替案において、可視光に対して実質的に透明な層である。1つの特定の好適なポリマーは、ポリカーボネートである。さらに、装飾層のコントラストを改善し、色および反射性を調整し、下にある電子機器が見えている状態を目立たなくするために、透明層に対向する層は、実質的に不透明である。そのようなものとして、いくつかの実施形態において、基板またはオーバーモールド層のいずれかは、可視光に対して実質的に不透明である。
[0072]本発明のレドームは、電波透過性基板の第1または第2表面の少なくとも一部分に中間層をさらに備え得る。中間層は、装飾層および/またはコーティングに加えて、またはこれと組み合わせて、装飾的な役割を果たし得る。例えば、中間層は、色付きであり得、したがって、装飾レドームに色を追加し得る。したがって、少なくともいくつかの実施形態において、中間層は色付きである。
[0073]さらに、少なくともいくつかの実施形態において、装飾層および/またはコーティングは、電波透過性基板への装飾層および/またはコーティングの適用をマスクするように、またはするようにも、作用し得る。そのような実施形態において、中間層ならびに装飾層および/またはコーティングは、中間層が装飾層および/またはコーティングによって、実質的に覆われない、または覆われないように堆積される。そのようなマスキングは、装飾層および/またはコーティングの堆積中のシャドウマスキングが困難であるとき、または、適切な詳細部をシャドウマスキングによって達成することができないときに利用され得る。少なくともいくつかの実施形態において、中間層は、電波透過性基板への装飾層および/またはコーティングの選択的な適用を可能にするためにシャドウマスクと併せて使用される。
[0074]中間層は、任意の好適な層であり得、好ましい実施形態において、中間層は、インク、染料、油、または他の好適な液体である。インクは、好適な印刷方法によって堆積され得る。これらは、染料拡散型熱転写、ワックス熱転写、間接染料拡散型熱転写、スクリーン印刷、インクジェット印刷、またはパッド印刷などのグラビア印刷プロセスを含み得る。いくつかの実施形態において、中間層は、印刷によって堆積される。いくつかの実施形態において、中間層は、パッド印刷によって堆積される。
[0075]上記の観点から、電波透過性基板の第1表面または第2表面への装飾層および/もしくはコーティングまたは中間層の堆積への言及は、ハードコーティングなど、電波透過性基板の第1表面または第2表面上に以前に堆積されたコーティング、層、または膜の上への堆積を含むということが(別途明示的に記載のない限り)理解されるものとする。
[0076]ハードコートは、外部環境に対する保護層として作用して、物理的および化学的損傷を低減する。
[0077]中間層は、任意の好適な層であり得、好ましい実施形態において、中間層は、インク、染料、油、ワックス、滑剤、または他の好適な液体である。好ましい実施形態において、中間層はインクである。
[0078]特定の実施形態は、以下の図によって例証される。以下の説明は、特定の実施形態を説明する目的のためだけであり、説明に関して限定することを意図するものではないことを理解されたい。
[0079]第1代替案による本発明の装飾レドームの実施形態を例証し、電波(長い斜線)がレドームを通過することができると同時に装飾層からの可視光の反射(短い斜線)を示す図である。 [0080]可視光(短い斜線)を散乱させ、以てサテンの見た目を提供する上方コーティングを含む、第1代替案による本発明の装飾レドームの実施形態を例証する図である。 [0081]「サテン」外観を提供するために2つのハードコート層を備える、本発明によるレドームを例証する図である。 [0082]図2aに示されるような「サテン」特徴を含むレドームを見た図である。 [0083]同様に図2aに示されるような「サテン」特徴を含む代替のレドームを見た図である。 [0084]基板と装飾層との間に中間誘電体層を含む、第1代替案による本発明の装飾レドームの実施形態を例証する図である。 [0085]装飾層の上下に誘電体層を含む、第1代替案による本発明の装飾レドームの実施形態を例証する図である。 [0086]複数の装飾層および複数の誘電体層を伴うマルチスタック装飾コーティングを含む、第1代替案による本発明の装飾レドームの実施形態を例証する図である。 [0087]電波透過性基板と装飾コーティングとの間に加熱素子を含む、第1代替案による本発明の装飾レドームの実施形態を例証する図である。 [0088]電波送信機/受信機および第1代替案による本発明によるレドームを含むレーダシステムを例証する図である。 [0089]ポリカーボネート厚さの変化の結果としての、コーティングされていないポリカーボネートを通る77GHz電波の減衰における測定された変化を例証する図である。 [0090]2mm(A)および2.3mm(B)厚さのポリカーボネートにわたる、76~77GHzおよび79~81GHzの電波の平均減衰を例証する図である。 [0091]ポリカーボネート厚さの変化の結果としての、コーティングされていないポリカーボネートと比較した、コーティングされたポリカーボネートを通る77GHz電波の減衰における測定された変化を例証する図である。 [0092]光沢コーティングおよびサテンコーティングされたレドームの測定されたCIELAB色を例証する図である。 [0093]本発明の第2代替案による、レドームを製造する方法の例のフロー図である。 [0094]本発明の第2代替案によるレドームの例の断面図である。 [0095]中間層を含む、本発明の第2代替案によるレドームの例の断面図である。 [0096]フォームフィット接続に達するための第1および第2表面構造体を示す、本発明の第2代替案によるレドームの例の断面図である。 [0097]本発明による照明されたレドームを見た概略断面分解組立図である。 [0098]照明システムを含む、本発明の第2代替案によるレドームの例の断面図である。 [0099]図17に示されるような照明システムによって照明されるレドームを見た図である。
[0100]
[0101]本明細書全体を通して、層に対する言及は、プラスチック基板に関連して、および互いに関連してなされるものとする。したがって、基板に関連したコーティングの空間的関係、およびコーティングに含まれる層同士の空間的関係を規定するために、以下の用語が使用される。
[0102]「第1側面」は、使用中、電波送信または受信デバイスから離れる方を向く、基板、コーティング、または特定の層の側面と理解されるものとする。そのようなものとして、第1側面は、外部環境の方を向いている側面である。車両の特定の文脈において、これは、車両の外側から見える。
[0103]「第2側面」は、第1側面の反対側と理解されるものとする。使用時の文脈において、これは、電波送信デバイスまたは受信デバイスの方を向いている側面である。典型的には、第2側面は、レドームが使用されるときに見えない。
[0104]「第1表面」は、基板、コーティング、または指定の層の第1側面における表面を指すと理解されるものとする。
[0105]「第2表面」は、基板、コーティング、または指定の層の第2側面における表面を指すと理解されるものとする。
[0106]用語「反射性」(「電波」などの修飾なしに)は、典型的にはナノメートル波長および400~800THzの周波数範囲内の可視光の反射を指す。
[0107]本明細書の全体を通じて電波への言及は、典型的には、10MHz~3000GHzの周波数を指す。好ましい実施形態において、および自動車に関連して、周波数は、典型的には、1000MHz~100GHzである。車両のためのレドームに関連したいくつかの特定の実施形態において、周波数は、21GHz~81GHz、または約24GHz~約79GHz、または約77GHz~約79GHz、または約24GHz、約77GHz、または約79GHzである。この文脈において、約の使用は、指定した帯域(例えば、24GHz)への明示的限定を排除しないが、自動車レーダシステムなどの用途において使用される典型的な帯域広がりを予想する。これらの帯域幅は、当該技術分野において知られており、例えば、Haschら、「Millimeter-Wave Technology for Automotive Radar Sensors in the 77GHz Frequency Band」、IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques(Volume:60、Issue:3、2012年3月)を参照されたい。
[0108]用語「透明」および「不透明」は、修飾語句(「電波」または「レーダ」など)なしに使用されるとき、視覚的に透明または不透明を指し、故に、上に規定されるような可視光の透過または吸収への言及である。
[0109]上で論じられるように、本発明の装飾レドームは、第1側面にありかつ基板の第1表面と接触しているか、または第2側面にありかつ基板の第2表面と接触しているコーティングである、第1表面または第2表面コーティングを備える。第1表面または第2表面コーティングは、複数の「スタックされた」層を含み得、各層が第1表面および第2表面を有し、1つの層の第1表面が、上に重なっている層の第2表面に当接し、上に重なっている層自体は第1表面を有する。結果的に、用語「第1側面」、「第2側面」、「第1表面」、および「第2表面」の使用は、それらが使用される相対的文脈において読まれ、解釈される必要がある。
[0110]本発明による装飾レドーム(1)は、図1~図6に例証され、第1側面に第1表面(3)および第2側面に第2表面(4)を有する電波透過性基板(2)と、電波透過性基板(2)の第1表面(3)上の電波透過性装飾コーティング(5)とを含み、電波透過性装飾コーティング(5)は、金属からなる、または金属を含む合金からなる装飾層(6)を含む。
[0111]図1および図2に例証されるように、本発明のレドームは、電波がレドーム(長い破線)を通過することを可能にする一方で、レドーム(1)の外観が色付きまたは反射性であるように、一部の可視光(短い破線)が装飾層(6)から反射される。
電波透過性基板
[0112]本発明のレドーム(1)は、無線通信システムまたはレーダシステムのための送信機および/または受信機の意図した電波経路における使用のためのものであり、そのようなものとして、レドームの設計は、その意図した用途によって決定づけられ得る。結果として、電波透過性基板(2)のための材料の選択は、設計考慮事項によって部分的に決定づけられることとなり、これは、ロバスト性、成形性、極端な温度への耐性、および費用など、無線透過性の度合いだけに基づくわけではない。そのようなものとして、電波透過性基板(2)は、所望の電波周波数を所望の用途のための許容レベルで減衰する任意の基板であり得る。理解されるように、すべての基板は、電波をある程度は減衰および反射することになる。
[0113]しかしながら、本発明のいくつかの実施形態において、基板は、ポリマー、好ましくは合成ポリマーである。当該技術分野において理解されるように、電波透過性基板は、典型的には、電気伝導性に対して耐性を示す(すなわち、絶縁である、または誘電である)。基板(2)のための好適なポリマーは、アクリロニトリル・エチレン・スチレン(AES)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート(ASA)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、高流量AES、アクリルニトリル-(エチレン-プロピレン-ジエン)-スチレン(AEPDS)、熱可塑性プラスチックの混合物、またはPC-ABS混合熱可塑性プラスチックを含む(しかしながら、これらに限定されない)。いくつかの実施形態において、電波透過性基板(2)は、ポリカーボネートまたはポリプロピレンで形成されることになる。
装飾コーティング
[0114]装飾コーティング(5)の装飾層(6)は、好ましくは、反射層であり、また、電波透過性でありながらも所望の反射性または外観を提供する任意の好適な金属または金属を含む合金を含む。いくつかの実施形態において、装飾層(6)を形成する金属は、遷移金属である。いくつかの実施形態において、装飾層(6)を形成する金属は、インジウムまたは錫である。
[0115]装飾層(6)が金属を含む合金であるいくつかの実施形態において、合金は、アルミニウム、錫、インジウム、またはクロムの群から選択される金属を含む。いくつかの実施形態において、装飾層(6)は、非金属を含む。非金属は、シリコン、ボロン、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、および/またはテルルを含む。特に好ましい実施形態において、非金属は、ゲルマニウムまたはシリコンである。最も好ましい実施形態において、非金属は、ゲルマニウムである。好適な非金属/金属合金としては、ゲルマニウムおよびアルミニウムおよび/もしくはシリコン、または、ゲルマニウムおよびシリコン、または、ゲルマニウムおよび銀および任意選択的にシリコン、または、ゲルマニウムおよびインジウムおよび任意選択的にシリコン、または、クロムおよびゲルマニウムおよび/もしくはシリコンが挙げられる。いくつかの明白な実施形態において、合金は、シリコンおよびアルミニウムではない。
[0116]金属合金がゲルマニウムを含む実施形態において、ゲルマニウムの濃度は、少なくとも25重量%ゲルマニウム、または少なくとも40重量%ゲルマニウム、または少なくとも45重量%ゲルマニウム、または少なくとも50重量%ゲルマニウム、または少なくとも55重量%ゲルマニウムであり得る。
[0117]金属からなる、または金属を含む合金からなる装飾層(6)などの薄膜層を提供するための方法は、当該技術分野において知られている。しかしながら、好ましくは、装飾層(6)は、物理蒸着(PVD)によって堆積される。好適なPVD法は、マグネトロンスパッタリング、および抵抗性熱蒸発または電子ビーム蒸発であり得る蒸発を含む。いくつかの実施形態において、装飾層(6)は、マグネトロンスパッタリングによって堆積される。
[0118]いくつかの実施形態において、装飾コーティング(5)は、装飾層(6)が1つまたは複数の追加の層に当接した状態で、複数の層を含む。いくつかの実施形態において、装飾コーティング(5)の複数の層は、結合層を含む。典型的には、結合層は、基板に直接的に当接することになり、したがって、多層スタック内の第1層を形成することになる。例えば、ハードコート層(7)は、装飾コーティング内のさらなる層の追加の前に、基板(2)の第1表面(3)に提供され得る。そのようなハードコート層(7)は、基板(2)への装飾層(6)の結合強度を向上させ、以て、コーティング(5)の基板(2)からの剥離の可能性を低減するように作用する。ハードコート(7)はまた、電波透過性装飾層(5)の全体的な残留応力に影響を及ぼし得、そのようなものとして、少なくとも部分的に、応力制御層として作用し得る。
[0119]いくつかの実施形態において、電波透過性装飾コーティング(5)は、電波透過性装飾層(6)の下にあり得るか、または上にあり得る応力制御層を含む。したがって、図1、図2、図4、図5、および図6に例証されるように、応力制御層(8)は、装飾層(6)の第1側面(好ましくは、第1表面)にある。
[0120]いくつかの実施形態において、図4および図5に例証されるように、電波透過性装飾コーティングは、装飾層(6)の下に応力制御層(8)を含み得る。これらの実施形態において、応力制御層(8)は、電波透過性基板と装飾層(6)との間にある。応力制御層は、電波透過性基板(2)の第1表面(3)上のハードコート(7)の上、および装飾層(6)の下に位置付けられ得る。
[0121]いくつかの実施形態において、電波透過性装飾コーティング(5)の複数の層は、少なくとも1つの誘電体層を含み、例示された実施形態では、この誘電体層は、応力制御層(8)である。しかしながら、誘電体層は、装飾コーティング(5)の視覚的特性も変更し得る。これは、特に、複数の装飾層(6)または最上誘電体層(8)を伴う実施形態において関連がある(図1、図2、図4、図5、および図6)。薄膜堆積のための好適な誘電体は、当該技術分野において知られており、二酸化ハフニウム(HfO)、酸化アルミニウム(Al)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化チタン(TiO)、および二酸化シリコン(SiO)などの酸化物を含む。好ましい形態では、誘電体層は、二酸化シリコン(SiO)である。
[0122]いくつかの実施形態において、電波透過性装飾コーティング(5)は、少なくとも2つの誘電体層(8)の間に、金属または金属を含む合金からなる少なくとも1つの層(6)を含む(図4および図5を参照)。追加的に、図5に例証される実施形態において、装飾コーティング(5)は、交互の誘電体層(8)の間に挟まれた2つの装飾層(6)を含む。これらの多層スタックは、電波透過性装飾コーティング(5)の調整を、その色および残留応力を含め、可能にする。
[0123]異なる視覚的外観は、複数のスタック層を含む電波透過性装飾コーティングを提供することによって達成可能であり得る。可能性のある多層スタックの例としては、以下が挙げられる。
・SiO:AlGe:SiO:AlGe:SiO
・SiO:CrGe:SiO:CrGe:SiO
・AlGe:SiO:AlGe:SiO
・CrGe:SiO:CrGe:SiO
・AlSi:SiO:AlSi:SiO
[0124]そのような視覚的スタックは、電波透過性装飾コーティング(5)の残留応力を所望のウィンドウ内で最適化するために応力制御層を含み得る。好ましくは、この応力ウィンドウは、-120MPa以上、または-70Mpa以上、または-50Mpa以上、または-40MPa以上である。応力を制御するための好適な材料は、さらなる二酸化シリコン層などの誘電体層を含み、これは、装飾コーティングの視覚的外観を変更することなく、所望の応力範囲を提供するように(例えば、厚さおよび堆積条件を変更することによって)調整され得る。
保護ハードコート
[0125]レドームの本質的な機能は、環境からのレーダ設備に対する保護を提供することである。そのようなものとして、レドームは、劣化、摩耗、および損傷の影響を受けやすい。この暴露は、レドームが、比較的高い速度、研磨、飛んでくる物体、ならびに洗浄に使用される化学物質に日常的に暴露される車両の前部に位置付けられるときにさらに増幅される。
[0126]結果として、本発明の好ましい実施形態において、装飾コーティング(5)の最外層は、保護ハードコート(9)である。この点に関して、「ハードコート」であると言われるコーティングは、下にある層よりも硬く、より強靭性のある(例えば、化学的強靭性のある)コーティングであり、これにより、レドームの耐摩耗性、環境損傷に対する耐性、または耐化学性を増大させる。
[0127]上で論じられるように、装飾コーティング(5)の中間層もまた、ハードコート層(7)を含み得る。これは、保護ハードコート(9)と同じ材料または異なる材料のハードコートであり得る。
[0128]いくつかの実施形態において、ハードコートは、表面の耐摩耗性を増大させる。耐摩耗性は、ASTM F735「振動砂法を用いた透明プラスチックと被膜の耐摩耗性の標準試験法」、テーバー摩耗試験機による、または既知のスチールウール試験を用いることによる、ASTM D4060「有機被膜の耐摩耗性のための標準試験法」などの標準試験を通じて測定され得る。
[0129]レドームなどの多くの自動車外装部品の要件は、「耐化学性」であることであり、これは、ディーゼル油、石油、電池酸、ブレーキ液、不凍剤、アセトン、アルコール、自動変速機油、作動油、およびアンモニアベースの窓クリーナなどの通常の溶剤への暴露に耐える能力への言及である。この点に関して、ハードコート(7、9)は、理想的には、レドームの少なくとも第1表面にそのような耐化学性を提供する。
[0130]ハードコート(7、9)は、好ましくは、1つまたは複数の耐摩耗層から形成され、下にある層にしっかりと結合して後続の上層のために好ましい表面を形成する下塗層を含み得る。下塗層は、任意の好適な材料によって提供され得、例えば、アクリルポリマー、アクリルモノマーおよびメタクリロキシシランのコポリマー、またはメタクリルモノマーおよびベンゾトリアゾール基もしくはベンゾフェノン基を有するアクリルモノマーのコポリマーなどの有機樹脂であり得る。これらの有機樹脂は、単独で、または2つ以上の組み合わせで使用され得る。
[0131]ハードコート層(7、9)は、好ましくは、有機シリコン、アクリル、ウレタン、メラミン、またはアモルファスSiOかなる群から選択される1つまたは複数の材料から形成される。
[0132]市販のハードコーティングは、Momentive製品:PHC-587B、PHC-587C2、PHCXH100P、AS4700F、UVHC 5000(UV硬化される)、および、PR660(SDC Technologies)の下塗を含み、続いてMP101(SDC Technologies)でコーティングされる二部製品を含む。
[0133]最も好ましくは、ハードコート層(7、9)は、有機シリコン層であるが、それは、その優れた耐摩耗性、および物理蒸着膜との適合性に起因する。例えば、有機シリコンポリマーを含むハードコート層は、以下の化合物:メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトラセトキシシラン(vinyltracetoxysilane)、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ガンマ-クロロプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-クロロプロピルトリエトキシシラン、ガンマ-クロロプロピルトリプロポキシシラン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマ-(ベータ-グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、ベータ-(26,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ベータ-(26,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ガンマ-メタクリルオキシプロピルトリメソシキシラン(gamma-methacryloxypropyltrimethyoxysilane)、ガンマ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-アミノプロピルトリエトキシシラン、ガンマ-メラプトプロピルトリメトキシシラン(gamma-meraptopropyltrimethoxysilane)、ガンマ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N-ベータ(アミノエチル)-ガンマ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ベータ-シアノエチルトリエトキシシラン、および同様のものなどのトリアルコキシシランまたはトリアシロキシシラン、ならびに、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラン、ガンマ-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ-クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ガンマ-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、および同様のものなどのジアルコキシシランまたはジアシルオキシシランから選択される化合物で形成され得る。
[0134]ハードコート層(7、9)は、液体内での浸漬コーティングに続く溶剤蒸発によって、または好適なモノマーによるプラズマ強化化学蒸着(PECVD)、フローコーティング、またはスプレーコーティングによって被覆され得る。ハードコート(7、9)の耐摩耗性を向上させるため、ハードコートの後続コーティングが、先のコーティングの経年劣化および汚染を回避するように好ましくは48時間以内に、追加され得る。
[0135]ハードコート層(7、9)の厚さは、好ましくは、適切な耐摩耗性を提供することを支援するように、または電波透過性基板(2)への後続層の結合を向上させるように選択される。適切な耐摩耗性は、要求される用途およびユーザの要望によって決定される。いくつかの用途において、適切な耐摩耗性は、コーティングされていない電波透過性基板(2)(ポリカーボネートなど)に対して5のバイエル摩耗率であるか、または代替的に、500サイクルでの500g荷重およびCS10Fホイールによる試験後に15%未満のデルタヘイズ(%ヘイズはASTM D1003により測定される)でのテーバー摩耗試験による、と見なされ得る。これらの要件が満たされると、有機シリコンがハードコート層(7、9)として使用されるとき、ハードコートの厚さは、好ましくは、平均で最小少なくとも1μm厚であり、および/または25μm厚の最大厚さを有する。いくつかの実施形態において、第1表面(3)に提供されるハードコート層(7)の厚さは、1μm~15μmである。いくつかの実施形態において、第1表面(3)に提供されるハードコート層(7)の厚さは、2μm~10μm、または2μm~9μmである。いくつかの実施形態において、保護ハードコート層(9)の厚さは、5μm~25μmである。いくつかの実施形態において、保護ハードコート層(9)の厚さは、8μm~20μm、または8μm~16μmである。
[0136]保護ハードコート(9)はまた、装飾層(6)の外観を修正し得る。図2に例証されるように、保護ハードコート(9)は、反射可視光を散乱させるために添加剤を含む。結果として、装飾層(6)は、外面上の「サテン」外観を有する。
[0137]しかしながら、本発明は、完全な装飾コーティングの上に均一のサテン外観を提供することに限られない。本発明は、視覚的特徴を提供することを可能にし、一部のみ、例えば、ロゴが、基板、特に基板2に対するPVDコーティング法によって、特に少なくとも部分的に提供される装飾コーティング内のサテングラフィックまたはパターンを提供する。図2aに示される実施形態において、基板(2’)、およびそのようなサテンパターンを提供する装飾コーティング(5’)を備えるレドーム(1’)が示される。
[0138]装飾コーティング(5’)は、第1ハードコート(9a’)、第2のハードコート(9b’)、ならびにさらなるコーティング層(10’)を含む異なる層構造体を備える。
[0139]サテングラフィックは、まず、ハードコート層(9a’)を、特に、プラスチックおよび/またはポリカーボネート基板(2’)に適用することによって提供される。ハードコート層(9a’)は、ポリシロキサンハードコート、例えば、MomentiveのPHC-587Bを用いた浸漬コーティングによって提供され得る。浸漬コーティングの後、材料は、フラッシュオフおよび硬化される。このやり方では、例えば3μm超の厚さを有するハードコート層(9a’)が提供され得る。
[0140]さらなるステップにおいて、第2のハードコート層(9b’)が提供される。ハードコート層(9b’)は、バッチコーティング真空チャンバを使用してPVDコーティングプロセスによって提供され得る。好ましくは、ハードコート層(9b’)は、可視光に対して不透明である。例えば、シリカおよび金属を伴うハードコート層は、高反射性表面を作成するために提供され得る。
[0141]次のステップにおいて、凹所(10’)が、所望のパターン/グラフィックを提供するために生成される。この凹所(10’)は、選択したエリア内の第2ハードコート層(9b’)からレーザエッチングすることによって生成される。プロセスの部分として、レーザはまた、凹所のエリア内の第2のハードコート層(9b’)の下の第1ハードコート層(9a’)をエッチングする。例えば、1064nm波長で動作するレーザマーキングシステムが、このエッチングプロセスのために使用され得る。例えば、レーザによって、周波数30~80kHzのレーザパルスで500~1200mm/sの速度が使用され得る。
[0142]さらなるステップにおいて、好ましくは可視光半透明のため、特に凹所(10’)のエリア内の、ハードコート層(9b’)およびエッチングされたハードコート層(9a’)を被覆する光学コーティング(11’)が生成される。
[0143]凹所(10’)のエリア内のハードコート層(9a’)のエッチングに起因して、このエリア内のハードコート層(9a’)上に注ぐ光は散乱される。これが、このエリア内にサテン効果を作り出す。ハードコート層(9b’)が適用され、レーザによってエッチングされない場合、好ましくは不透明のハードコート層(9b’)は、高反射性のままである。
[0144]故に、所望の視覚的特徴を提供するために、高反射性およびサテンエリアを組み合わせたパターンを生成することが可能である。ロゴおよびパターンの形態にある視覚的特徴の例は、図2bおよび図2cに示される。このエリア(10’)は、サテン反射効果を提供する一方で、残りのエリア(12’)においては、コーティング(11’)の高反射特性はそのままである。
[0145]図2a~図2cに示される装飾コーティングのさらなる利点は、視覚的特徴の背面照明を可能にすることである。図2aに示されるように、電波/レーダ送受信機(13’)が位置するレドーム(1’)の側面に、照明源(14’)は位置し得る。レドーム(1’)が、例えば、観察者(16’)のためにそれぞれのLEDアレイを備える、光源(14’)によって照明される場合、以下の視覚的効果が達成される。凹所(10’)のエリアにおいて、ハードコート層(9a’)は、このエリア内の表面の散乱効果によって照明される。しかしながら、エリア(12’)内のハードコート層(11’)に起因して、光は減衰され、これらのエリアは、観察者(16’)の目に見えない、またはほとんど見えないが、観察者(16’)の側からその上に注ぐ光については反射性のままである。故に、様々な美的効果は、背景照明による製品スタイング(stying)目的のために実現され得る。ハードコート層(9b’)が不透明である場合、凹所(10’)のエリアの外側にもれるいかなる光も回避され、異なる表面、特にハードコート層(9a’)および(9b’)の表面においてこのエリア内の光の反射から二重結像が発生することはない。
[0146]パワー、経路、速度、および周波数のようなレーザパラメータを変化させることによって、凹所(10’)のエリア内の第1ハードコート層(9a’)に対する異なるタイプのエッチングが達成され得る。例えば、エリア(10’)上に、またはここを通って注ぐ光の散乱および/または拡散の程度を変化させることが可能である。故に、様々なサテン仕上げが実現され得る。
[0147]先行技術において知られる方法であるサテン生成とは対照的に、反射性表面と組み合わせてサテン表面を提供するためのロバストな方法が提供される。
[0148]本発明のレドームの第1代替案の助けを借りて説明されるが、ハードコート層(9a’)および(9b’)を備える、前に説明した装飾コーティングの使用は、本発明のレドーム第2の代替案にも適用され得る。この場合、層(11’)は、オーバーモールド層によって置き換えられ得、ならびに/または第2ハードコート層(9’)は、高反射性および/もしくは不透明である必要はない。
[0149]上で論じられるものへのさらなるコーティングが、レドーム(1)の表面性質を修正するために装飾コーティング(5)の第1表面に適用され得る。例えば、キャップ層も、疎水性、親水性、疎油性、脂溶性、および撥油性、またはそれらの組み合わせを含む特性を有する材料によって提供され得る。
コーティング残留応力
[0150]残留応力の重要性、残留応力を制御することにおける界面層の使用、および残留応力パラメータの決定は、各々「PLASTIC AUTOMOTIVE MIRRORS」と表題の付いた、WO2011/075796および米国特許第US9,176,256 B2号に説明され、これらの各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0151]装飾コーティング(5)の層間、および装飾コーティング(5)と基板(2)との間の高応力下の界面は、理想的には、故障の地点になる高い応力領域を防ぐために回避されなければならない。例えば、圧縮層は、反対方向に引く引張層に対抗する一方向へ引き、界面応力を生成する。この界面応力を制御すること(それを低減すること)によって、装飾コーティング(5)の強靭性が向上され得るということが見出されている。
[0152]故に、本発明者らは、差応力が最小限にされるように、装飾コーティング(5)の内部応力パラメータを制御することが好ましいということを見出した。本発明者らは、正味残留応力が-120MPaを上回るように、装飾コーティング(5)の内部応力パラメータを制御することが好ましいということもさらに見出した。いくつかの実施形態において、正味残留応力は、-70Mpaを上回る、または-50Mpaを上回る、または-40MPaを上回る。いくつかの好ましい実施形態において、正味残留応力は、中立であるか、または引張である(すなわち、0MPaを上回る)。特に、アルミニウムおよびゲルマニウムの装飾層(6)を含む装飾コーティング(5)に関しては、正味残留応力は、-120MPaを上回る、または-50Mpaを上回る、または-40MPaを上回る。装飾層(6)がクロムおよびゲルマニウムである装飾コーティング(5)の実施形態において、正味残留応力は、-70Mpaを上回る、好ましくは最大+170Mpaであることが好ましい。
[0153]内部応力パラメータを制御することができるということに関して、理想的には、コーティング系全体の応力が、大きさおよびモードの両方において制御されることになる。用語「残留応力」は、保護ハードコート(9)を含む場合とそうでない場合とがある装飾コーティング(5)を形成する複数の層の組み合わせた応力を意味するととられるものとする。好ましい実施形態において、残留応力は、保護ハードコート(9)を伴って測定または計算される。
[0154]装飾コーティング(5)内の測定した残留応力の制御を可能にする様式で装飾レドームを製造するために、本発明者らは、個々の層の応力範囲を知ることが有益であり、その結果として、それらが組み合わされるとき、所望の測定された残留応力を結果としてもたらすということを決定した。
[0155]本発明の第2代替案による第2表面装飾コーティングの概念は、図12~図14の助けを借りて説明される。
[0156]具体的には、第2代替案による装飾レドームを生産する方法が、図12に例証され、(電波透過性)基板を準備または提供するステップ(102)を含む。電波透過性基板は、第1表面(122)および第2表面(123、図13を参照)を有することになる。本方法は、装飾層および/またはコーティング(124)を基板(121)の第2表面(123)の一部分、好ましくは軽減部分(125)を含む部分、に適用すること(105)をさらに含み、装飾層および/またはコーティング(124)は、金属、または金属および非金属を含む合金を含む。続いて、本方法は、少なくとも装飾層および/またはコーティング(124)を電波透過性ポリマーでオーバーモールドして、オーバーモールド層(126)を提供すること(107)をさらに含む。
[0157]用語「第2表面」は、以下の説明の文脈で使用される場合、装飾層(124)が適用され得る、およびオーバーモールドされ得る表面に関する。用語「第1表面」は、第2表面に反して使用される。一形態において、電波透過性基板(121)は、形成されるとき実質的に透明であり、使用中、レドームの最前面を提供することになる。この文脈において、用語「第1表面」は、見たときに基板(121)の最前方面に関する。そのようなものとして、および自動車バッジの文脈において、第1表面(122)は、以下の説明においては、自動車の前部から見たときに、バッジの電波透過性基板(121)の前面である。
[0158]本発明の第2代替案について説明されるが、基板、中間層、ハードコート、シャドウマスキング、装飾層および/もしくはコーティング、ならびに/または表面コーティングの提供に関して、また加熱に関して、以下の段落において説明される手段は、本発明の第1代替案によるレドームに対しても少なくとも部分的に使用され得る。
[0159]1-基板の提供/準備
[0160]電波透過性基板(121)は、任意の所望の方法によって提供され得る。いくつかの実施形態において、基板(121)は、所望の形状を形成するように射出成形される。いくつかの実施形態において、基板(121)は、既に形成されて受容され得る。好ましくは、基板(121)は、基板(121)の第2表面(123)上の3次元視覚的特徴を画定する軽減部分(125)を含む。軽減部分(125)は、基板(121)の第1表面(122)に向かう凹所によって提供され得る。
[0161]基板(121)およびオーバーモールド層(126)は、任意の好適な材料で形成され得るが、好ましくは、プラスチックである。当該技術分野において理解されるように、電波透過性基板は、典型的には、電気伝導性に対して耐性を示す(すなわち、絶縁である、または誘電である)。基板(121)またはオーバーモールド層(126)のための好適なポリマーとしては、アクリロニトリル・エチレン・スチレン(AES)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、高流量AES、アクリルニトリル-(エチレン-プロピレン-ジエン)-スチレン(AEPDS)、熱可塑性プラスチックの混合物、またはPC-ABS混合熱可塑性プラスチックが挙げられる。いくつかの実施形態において、基板(121)は、ポリカーボネートで形成されることになる。
[0162]重要なことには、基板(121)、またはオーバーモールド層(126)のいずれか一方は、実質的に透明である。これは、透明層を通じて装飾層および/またはコーティング(124)を見ることを可能にする。好ましくは、他方の層は、可視光に対して実質的に不透明である。不透明層は、レドームの裏に位置付けられた設備をマスクし、装飾層および/またはコーティング(124)の視覚的態様を修正または改善することができる。例えば、装飾層および/またはコーティング(124)を通って伝達する光を最小限にすることによって、装飾層および/またはコーティング(124)の色または反射性を向上させる。使用中、例えば、本発明によるレドーム(本発明の方法によって生産されるレドームなど)が自動車のバッジとして装備されるとき、透明層は、最も外側の(前方の)層である。好ましい実施形態において、電波透過性基板(121)は、透明であり、オーバーモールド層(126)は、不透明である。
[0163]2-中間層の適用
[0164]いくつかの実施形態において、本方法は、電波透過性基板(121)の第2表面の少なくとも一部分に中間層(129)を提供するステップを含む。いくつかの実施形態において、中間層(129)は、装飾層および/またはコーティング(124)の適用前に適用され、第2表面コーティング(128)の堆積(これが適用される実施形態において)の前に、またはそれに続いて、適用され得る。
[0165]中間層(129)は、本発明の方法によって生産される装飾レドームの外観に影響を及ぼすために使用され得る。中間層(129)は、装飾レドームに可視色を適用する色付きの層であり得る。中間層(129)はまた、電波透過性基板(121)の望ましくない部分への装飾層および/またはコーティング(124)の適用を防ぐことを助けるマスキング層(オーバーモールドの前に除去可能であり得るか、または透き通っており、生産後に装飾レドームに留まり得る)であり得る。そのような実施形態において、中間層(129)は、レドームが完成したときに、装飾層および/またはコーティング(124)で実質的に覆われない、または覆われない。そのようなマスキングは、装飾層および/またはコーティング(124)の適用中のシャドウマスキングが困難であるとき、または、適切な詳細部をシャドウマスキングによって達成することができないときに利用され得る。いくつかの実施形態において、中間層(129)は、油、液体、またはインクマスク、例えば、Fomblin(商標)、Krytox(商標)、SpeedMask(商標)であり得る。
[0166]好ましい実施形態において、中間層(129)は、印刷によって適用される。いくつかの実施形態において、中間層は、最低でも5、10、20、30、40、もしくは50秒、または1、1.5、もしくは2分間、150℃、175℃、200℃、220℃、250℃、275℃、または300℃以上の温度に耐えることができる。
[0167]中間層(129)は、任意の好適な層であり得、好ましい実施形態において、中間層(129)は、インク、染料、油、ワックス、滑剤、または他の好適な液体または色付きの膜である。いくつかの実施形態において、中間層はインクである。インクは、任意の好適な方法によって堆積され得る。いくつかの実施形態において、中間層(129)は、印刷される。印刷方法は、染料拡散型熱転写、ワックス熱転写、間接染料拡散型熱転写、スクリーン印刷、インクジェット印刷、またはパッド印刷などのグラビア印刷プロセスを含み得る。いくつかの実施形態において、中間層(129)は、パッド印刷によって適用される。
[0168]電波透過性基板(121)への印刷のための好適な方法は、当該技術分野において知られている。例えば、Procell,Inc.製のNorilit(商標)Uなどの耐熱性インクが、電波透過性基板(121)などの3次元基板上にパッド印刷され得、2分超にわたって最大220℃の温度に耐えることができる。他の好適なインクおよび印刷方法は、当該技術分野において知られており、本明細書に開示される発明に使用され得る。
[0169]3-第2表面コーティングの適用(任意選択)
[0170]いくつかの実施形態において、本方法は、電波透過性基板(121)の第2表面(123)の少なくとも一部分にハードコート(128)を提供するステップをさらに含む。そのような実施形態において、電波透過性基板(121)の第2表面(123)の少なくとも一部分へのハードコートの適用は、電波透過性基板(121)との装飾層および/もしくはコーティング(124)ならびに/または中間層(129)の間の結合を増大させる、またはこれに影響を及ぼすこと、装飾層および/またはコーティング(124)の残留応力および/または熱膨張を制御すること、装飾層および/もしくはコーティング(124)ならびに/または中間層(129)の色、反射性、または他の視覚的外観を調整すること、および/または、電波透過性基板(121)の部分とオーバーモールドされた第2層(126)との間に界面を提供し、以て、2つの間の接着に影響を及ぼすこと(接着層なしに)を含む(しかしながらこれらに限定されない)、有利な機能を提供し得る。
[0171]好適なハードコート層(128)は、項目7「表面コーティングの適用」において以下に説明される。
[0172]4-シャドウマスキングの提供
[0173]物理蒸着(PVD)など、装飾層および/またはコーティング(124)を適用するための方法は、典型的には、装飾層および/またはコーティング(124)を形成する材料の堆積が選択的に電波透過性基板(121)に適用されることを確実にするためにマスキングを必要とする。そのようなものとして、本発明の方法は、シャドウマスクを提供するステップ(104)を含み得る。シャドウマスクは、電波透過性基板(121)に対する装飾層および/またはコーティング(124)の選択的適用を促進する。使用されるシャドウマスクのタイプは、装飾層(124)を適用するために使用される技術に依存することになる。いくつかの実施形態において、シャドウマスクは、PVD、特に、スパッタリングおよび蒸発に準拠する。いくつかの実施形態において、シャドウマスクは、ステンレス鋼である。
[0174]シャドウマスクは、装飾層および/またはコーティング(124)の適用前に各電波透過性基板(121)に装着され得るか、または、PVD機の標的側など、堆積機内に位置付けられ得る。
[0175]5-装飾層および/またはコーティングの適用
[0176]装飾層および/またはコーティング(124)は、電波透過性基板(121)に視覚的特徴を提供するために基板(121)の第2表面(123)の一部分にのみ適用される。いくつかの実施形態において、電波透過性基板(121)に軽減部分(125)を有するため、装飾層および/またはコーティング(124)は、軽減部分(125)に適用される。
[0177]装飾層および/またはコーティング(124)を基板(121)の一部分のみに適用することによって、これは、装飾層および/またはコーティング(124)が提供されない部分において第1(電波透過性基板)層(121)と(第2)オーバーモールド層(126)との間の直接接着結合を可能にする。基板(121)とオーバーモールド層(126)との間のこの直接接触結合がなければ、層は分離し得る。
[0178]装飾層および/またはコーティング(124)は、好ましくは、反射層であり、また、電波透過性でありながら所望の反射性または装飾的な外観を提供する任意の好適な金属、非金属、または金属/非金属合金を含む。いくつかの実施形態において、装飾層および/またはコーティング(124)を形成する金属は、遷移金属を含む。いくつかの実施形態において、装飾層および/またはコーティング(124)を形成する金属は、インジウムまたは錫である。
[0179]いくつかの実施形態において、反射層は、追加の層によって当接される。1つの実施形態において、反射層は、堆積シリコンの2つの層の間にある。これらの多層スタックは、層の調整を、その色および残留応力を含め、可能にする。いくつかの実施形態において、アルミニウム/シリコンの層および次いでシリコンのさらなる層が後に続くシリコンの層を含む、複数の層が、オーバーモールドの前に装飾層および/またはコーティング(124)を形成するために基板(121)に堆積される。
[0180]残留応力の重要性、残留応力を制御することにおける界面層の使用、および残留応力パラメータの決定は、各々「PLASTIC AUTOMOTIVE MIRRORS」と表題の付いた、WO2011/075796および米国特許第9,176,256 B2号に説明され、これらの各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0181]いくつかの好ましい実施形態において、装飾層および/またはコーティング(124)は、非金属を含む。非金属は、シリコン、ボロン、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、および/またはテルルを含む。特に好ましい実施形態において、非金属は、シリコンまたはゲルマニウムである。最も好ましい実施形態において、非金属は、ゲルマニウムである。好適な非金属/金属合金としては、ゲルマニウムおよびアルミニウムおよび任意選択的にシリコン、または、ゲルマニウムおよびシリコン、または、ゲルマニウムおよび銀および任意選択的にシリコン、または、ゲルマニウムおよびインジウムおよび任意選択的にシリコン、または、アルミニウムおよびシリコンが挙げられる。いくつかの実施形態において、ゲルマニウムの合金は、ゲルマニウムおよびアルミニウム、またはゲルマニウムおよびシリコン、またはゲルマニウムおよびアルミニウムおよびシリコンである。いくつかの実施形態において、合金は、シリコンおよびアルミニウムである。
[0182]非金属/金属合金がゲルマニウムを含むとき、合金は、少なくとも25重量%ゲルマニウム、または少なくとも40重量%ゲルマニウム、または少なくとも45重量%ゲルマニウム、または少なくとも50重量%ゲルマニウム、または少なくとも55重量%ゲルマニウムである。
[0183]装飾層および/またはコーティング(124)は、薄コーティング層として提供される。いくつかの実施形態において、装飾層(124)の平均厚さは、20~190nm厚、または40~170nm厚、または60~150nm厚である。そのような薄コーティングは、当該技術分野における複数の方法によって提供され得る。しかしながら、好ましくは、装飾層(124)は、物理蒸着(PVD)によって堆積される。好適なPVD法は、マグネトロンスパッタリング、および抵抗性熱蒸発または電子ビーム蒸発であり得る蒸発を含む。いくつかの実施形態において、装飾層(124)は、マグネトロンスパッタリングによって堆積される。
[0184]理想的には、電波透過性基板(121)の成形(電波透過性基板が成形される実施形態において)、任意の中間層(129)の適用、ならびに装飾層および/またはコーティング(124)の適用は、同じ機械で実施される。代替的に、各ステップは、連続的に動作するように配置される別個の機械によって実施され得る。
[0185]6-基板および装飾層および/またはコーティングの加熱
[0186]第2ショットオーバーモールド層(126)を提供する前に、基板(121)ならびに装飾層および/またはコーティング(124)を加熱することが有利であり得る。そのような加熱(106)は、オーバーモールドプロセス(107)中に遭遇するものよりも遅い速度である程度の熱膨張を可能にし、そのようなものとして、オーバーモールド中の装飾層(124)および基板(121)の温度における変化の速度を制限する。これは、オーバーモールドステップ(107)中、クレージングなどの視覚欠損を低減する。したがって、本発明の方法のいくつかの実施形態において、基板(121)ならびに装飾層および/またはコーティング(124)は、オーバーモールドの前に加熱される。いくつかの実施形態において、基板(121)および装飾層(124)は、オーバーモールドステップ(107)の前に、少なくとも70℃、または少なくとも80℃に加熱される。
[0187]7-オーバーモールド層
[0188]オーバーモールド層(126)は、一旦配置されると、レドームの少なくとも一部分にわたって、電波透過性基板(121)の第1表面(122)に対して平行、または実質的に平行である第3(後)表面(127)を提供する。平行または実質的に平行の部分は、電波が通過することができる電波経路を画定する。重要なことには、第1および第3表面の平行または実質的に平行の性質は、電波がレドームの電波経路の異なる部分を通過する際、電波の屈折における差を最小限にする。
[0189]異なる熱可塑性プラスチック/熱ポリマーは、異なる流れ温度を有し、したがって、射出成形のための異なるバレルノズルを必要とする。典型的には、温度が高いほど、オーバーモールドされたときに装飾層および/またはコーティング(124)における損傷および可視欠陥の可能性が増大することになる。したがって、比較的低いノズル温度、または装飾層および/もしくはコーティング(124)のクレージング点よりも低いノズル温度を有する熱可塑性プラスチック/熱ポリマーを使用することが好ましい。
[0190]様々な一般的な熱可塑性プラスチックについての溶融温度および成形温度が以下の表1に提供される。
Figure 2022542791000003
[0191]熱可塑性材料のさらなる仕様は、国際標準化機構によって提供され、特に、標準カタログ83.080.20に明記される。
[0192]いくつかの実施形態において、オーバーモールド層(126)は、300℃以下のバレルノズル温度で形成される。いくつかの実施形態において、バレルノズルは、オーバーモールドプロセス(107)中、280℃以下である。いくつかの実施形態において、バレルノズルは、オーバーモールドプロセス(107)中、250℃以下である。いくつかの実施形態において、バレルノズルは、オーバーモールドプロセス(107)中、230℃以下である。これらのバレルノズル温度で射出成形されることができる好適なポリマーは、当該技術分野において知られており、それらの溶融温度によって決定される。
[0193]8-表面コーティングの適用
[0194]さらに、本発明の方法のいくつかの実施形態は、電波透過性基板(121)の第1表面(122)にハードコート(128)を提供することを含む。レドームの本質的な機能は、環境からのレーダ設備に対する保護を提供することである。そのようなものとして、レドームは、劣化、摩耗、および損傷の影響を受けやすい。この暴露は、レドームが、比較的高い速度、研磨、飛んでくる物体、ならびに洗浄に使用される化学物質に日常的に暴露される車両の前部に位置付けられるときにさらに増幅される。この点に関して、「ハードコーティング」であると言われるコーティング(128)は、電波透過性基板(121)よりも硬いコーティングであり、これにより、それは電波透過性基板(121)の耐摩耗性を増大させる。
[0195]そのような耐摩耗ハードコーティング(128)は、衝撃および引っかき傷に起因する損傷を低減するものである。耐摩耗性は、ASTM F735「振動砂法を用いた透明プラスチックと被膜の耐摩耗性の標準試験法」、テーバー摩耗試験機による、または既知のスチールウール試験を用いることによる、ASTM D4060「有機被膜の耐摩耗性のための標準試験法」などの標準試験を通じて測定され得る。
[0196]さらには、一部のプラスチックは、特定の溶剤によって損傷され得、例えば、ポリカーボネートは、アセトンによって損傷される。レドームなどの多くの自動車外装部品の要件は、それらが「耐化学性」であることであり、これは、ディーゼル油、石油、電池酸、ブレーキ液、不凍剤、アセトン、アルコール、自動変速機油、作動油、およびアンモニアベースの窓クリーナなどの通常の溶剤への暴露に耐える能力への言及である。この点に関して、ハードコーティングは、理想的には、レドームの少なくとも第1表面にそのような耐化学性を提供する。
[0197]電波透過性基板の第1表面(122)および/または第2表面(123)上のハードコーティング(128)は、好ましくは、1つまたは複数の耐摩耗層から形成され、基板(121)にしっかりと結合して後続の耐摩耗層のための好ましい表面を形成する下塗層を含み得る。下塗層は、任意の好適な材料によって提供され得、例えば、アクリルポリマー、アクリルモノマーおよびメタクリロキシシランのコポリマー、またはメタクリルモノマーおよびベンゾトリアゾール基もしくはベンゾフェノン基を有するアクリルモノマーのコポリマーなどの有機樹脂であり得る。これらの有機樹脂は、単独で、または2つ以上の組み合わせで使用され得る。
[0198]ハードコート層(128)は、好ましくは、有機シリコン、アクリル、ウレタン、メラミン、またはアモルファスSiOかなる群から選択される1つまたは複数の材料から形成される。
[0199]市販のハードコーティングは、Momentive PHC-587B、Momentive UVHC 5000(UV硬化される)、および、PR6600(SDC Technologies)の下塗を含み、続いてMP101(SDC Technologies)で被覆される二部製品を含む。
[0200]最も好ましくは、ハードコート層(128)は、有機シリコン層であるが、それは、その優れた耐摩耗性、および物理蒸着膜との適合性に起因する。例えば、有機シリコンポリマーを含むハードコーティング層は、以下の化合物:メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトラセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ガンマ-クロロプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-クロロプロピルトリエトキシシラン、ガンマ-クロロプロピルトリプロポキシシラン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマ-(ベータ-グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、ベータ-(26,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ベータ-(26,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ガンマ-メタクリルオキシプロピルトリメソシキシラン、ガンマ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-アミノプロピルトリエトキシシラン、ガンマ-メラプトプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N-ベータ(アミノエチル)-ガンマ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ベータ-シアノエチルトリエトキシシラン、および同様のものなどのトリアルコキシシランまたはトリアシロキシシラン、ならびに、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラン、ガンマ-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ-クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ガンマ-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、および同様のものなどのジアルコキシシランまたはジアシルオキシシランから選択される化合物で形成され得る。
[0201]ハードコート層(128)は、液体内での浸漬コーティングに続く溶剤蒸発によって、または好適なモノマーによるプラズマ強化化学蒸着(PECVD)、フローコーティング、またはスプレーコーティングによって、基板(電波透過性基板(121)など)上に被覆され得る。ハードコーティング(128)の耐摩耗性を向上させるため、ハードコーティングの後続コーティングが、先のコーティングの経年劣化および汚染を回避するように好ましくは48時間以内に、追加され得る。これらの追加的なコーティングは、基板(121)の第1表面(122)または第2表面(123)のいずれかに追加され得る。
[0202]ハードコート層(128)の厚さは、好ましくは、適切な耐摩耗性を提供するのを助けるように選択される。適切な耐摩耗性は、要求される用途およびユーザの要望によって決定されることになる。いくつかの用途において、適切な耐摩耗性は、コーティングされていないプラスチック基板(121、ポリカーボネートなど)に対して5のバイエル摩耗率であるか、または代替的に、500サイクルでの500g荷重およびCS10Fホイールによる試験後に15%未満のデルタヘイズ(%ヘイズはASTM D1003の通りに測定される)でのテーバー摩耗試験による、と見なされ得る。これらの要件が満たされると、有機シリコンがハードコーティング(128)として使用されるとき、ハードコートの厚さは、好ましくは、平均で最小少なくとも6μm厚であり、および/または28μm厚の最大厚さを有する。
[0203]上で論じられるものへのさらなるコーティングが、基板の表面性質を修正するために、上で論じられるものに加えて、電波透過性基板の第1表面に適用され得る。例えば、キャップ層も、疎水性、親水性、疎油性、脂溶性、および撥油性、またはそれらの組み合わせを含む特性を有する材料によって提供され得る。
[0204]装飾レドーム
[0205]本発明は、故に、第2代替案において、電波透過性ポリマーを含む第1層(121)であって、前面(122)を有する第1層(121)と、電波透過性ポリマーを含む第2層(126)であって、後面(127)を有する第2層(126)と、金属、または金属および非金属を含む合金を含む、第1層(121)と第2層(126)との間の装飾層および/またはコーティング(124)とを備える装飾レドームであって、第2層(126)が、装飾層(124)に直接的に当接し、第1層(121)が、第2層(126)に直接的に接着結合され、第1層(121)または第2層(126)のうちの少なくとも一方が、摂氏300度を下回るバレルノズル温度でオーバーモールドされることができるポリマー(熱ポリマー)からなる、装飾レドームを提供する。
[0206]さらに、本発明の装飾レドームは、レドームの第1表面(122)に提供されるハードコート(128)を含み得る。
[0207]用語「直接的に接着結合される」は、第2層(126)と接触状態にある第1層(121)の間に働く分子引力から生じる物理化学現象への言及であり、接着剤だけによって形成される結合を除外すると明示的に見なされるということを理解されたい。
[0208]レドームのそれぞれの要素の間の接続を向上させるため、さらなる手段がとられ得る。本発明によると、特に、それぞれの表面構造体は、特に接着、接着剤および/または化学結合に加えて、フォームフィット接続に至るように提供され得る。そのような表面構造体は、図15の助けを借りて本発明の第2代替案に関して説明されるが、当業者は、本発明の第1代替案においても、そのような表面構造体がフォームフィット接続に至るように使用および実装され得るということを理解するものとする。
[0209]図13に示されるレドームの要素に対応する図15に示されるレドームの要素は、同じ参照番号を有するが、100だけ増加される。
[0210]図15に示されるように、レドーム、より正確には、基板(221)は、装飾コーティング(224)のエリアに、要素(230、232)によって形成される第1表面構造体を備える。要素(230)は、茸状突出部として形成される。装飾コーティング(224)が基板(221)に適用されるとき、コーティング(224)は、フォームフィット接続に至るように突出部(230)を包囲する。要素(232)は、アンダーカット部として形成される。装飾コーティング(224)が基板(221)に適用されるとき、装飾コーティング(224)もまた基板(221)に接続されたフォームフィットであるように、装飾コーティング(224)の部分は、アンダーカット部(232)内に達する。
[0211]基板(221)とオーバーモールド層(226)との増強した接続に至るため、基板(221)はさらに、要素(234、236)を備える第2表面構造体を備える。要素(234)は、溝形状のアンダーカット部として形成される。第2成形ステップにおいて、オーバーモールド層(226)が形成されるとき、オーバーモールド材料もまた、アンダーカット部(234)内へ流れ、こうして基板(221)とオーバーモールド層(226)との間のフォームフィット接続を提供する。基板(221)とオーバーモールド層(226)との間の接続を向上させるため、加えて、茸状突出部(236)が、基板(221)に形成される。層(226)が成形されるとき、オーバーモールド材料が、突出部(236)を包囲して、基板(221)とオーバーモールド層(226)との間のフロムフィット接続を提供する。
[0212]示されない実施形態において、表面構造体は、少なくとも1つの別個に形成されたアンカー要素によって提供され得る。言い換えると、表面構造体は、必ずしも基板および/または装飾コーティングと一体に形成される必要はない。また、表面構造体、特にアンカー要素は、基板および/または装飾コーティングの材料とは異なる材料から形成され得る。アンカー要素は、基板および/または装飾コーティングが形成される前、例えば、型内に位置し得る。このやり方では、アンカー要素は、少なくとも部分的に埋め込まれる、および/またはオーバーモールドされる。
[0213]本発明の装飾レドームは、10MHz~3000GHzの電磁周波数を実質的に減衰しない。具体的には、いくつかの実施形態において、レドームは、信号経路にわたって一方向に2dB(双方向に4dB)未満、好ましくは、信号経路にわたって一方向に1dB(双方向に2dB)未満のレーダ減衰を有する。さらに、金属または金属および非金属の合金を含む装飾層(124)は、10オーム/スクエア(Ω/□)より大きいシート抵抗を有する。
[0214]有利には、第1層(121)と第2層(126)との間に形成される直接接着結合は、接着剤によって結合された層で形成されるレドームと比較して、レドームの耐候性を向上させる。したがって、いくつかの実施形態において、240時間60℃で水中に浸漬されたとき、第1層(121)と第2層(24)との間に水侵入は存在しない。
[0215]第2代替案による装飾レドームは、上に開示された方法に従って生産され得る。代替的に、装飾レドームは、必要とする特許請求した特徴および機能のすべてを提供する任意の好適な方法によって生産され得る。重要なことには、本発明の装飾レドームは、方法に関連して上に開示される構造的および機能的特徴を任意選択的に含むと見なされるべきである。
[0216]本発明の装飾レドーム、または本発明の方法により生産される装飾レドームは、任意の好適な文脈において使用され得る。実施形態において、レドームは、自動車バッジである。いくつかの形態では、自動車バッジは、追加の特徴、機能、および美的要素を含み得る。いくつかの実施形態において、レドームは、照明アセンブリと組み合わせて使用され得るか、または各々「A LIGHT ASSEMBLY AND A VEHICLE DESIGN ELEMENT INCLUDING SUCH A LIGHT ASSEMBLY」と表題の付いた、WO2017/009260および米国特許公開第2018/0202626 A1号に説明されるような追加の特徴を含み得、これらの各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0217]用語「反射性」は、典型的にはナノメートル波長および400~800THzの周波数範囲内の可視光の反射を指す。反射率のパーセンテージは、当該分野における既知の技術を使用して、または以下で論じられるように、測定され得る。
[0218]本明細書の全体を通じて電波への言及は、典型的には、10MHz~3000GHzの周波数を指す。好ましい実施形態において、および自動車に関連して、周波数は、典型的には、1000MHz~100GHzである。車両のためのレドームに関連したいくつかの特定の実施形態において、周波数は、24GHz~79GHz、または77GHz~79GHz、または24GHz、77GHz、または79GHzである。
[0219]用語「透明」および「不透明」は、修飾語句(「電波」または「レーダ」など)なしに使用されるとき、視覚的に透明または不透明を指し、故に、上に規定されるような可視光の透過または吸収への言及である。
レドーム技術特性
[0220]レーダ信号がレドームを通過する際に、レーダ信号の屈折を最小限にするため、前面および後面は、平行または実質的に平行でなければならない。さらに、レドームの内側は、隙間、気泡、または水侵入などの材料密度における著しい変化が存在してはならず、装飾層は、均一の厚さのものでなければならない。
[0221]装飾層の表面抵抗率は、JIS K7194に従った4点プローブを使用した4点法を使用して決定され得る。表面抵抗率は、10Ω/□(オーム/スクエア)を上回って、低い電気伝導性を示さなければならない(すなわち、反射層は、原位置で電気的に絶縁される)。
[0222]電波減衰および反射率は、ユーザの要件、用途、使用される周波数、および使用されている設備によって決定されることになる。しかしながら、好ましくは、典型的に24GHz、77GHz、または79GHzのセンサ動作周波数で、最小で10dB反射、および最大で一方向に1dB(双方向に2dB)の透過損失が存在することになる。
[0223]レドーム減衰および技術特性
[0224]本発明の装飾レドームは、10MHz~3000GHzの電磁周波数を実質的に減衰しない。具体的には、いくつかの実施形態において、レドームは、信号経路にわたって一方向に2dB(双方向に4dB)未満、好ましくは、信号経路にわたって一方向に1dB(双方向に2dB)未満のレーダ減衰を有する。さらに、金属または金属および非金属の合金を含む装飾層(6)は、原位置で10オーム/スクエア(Ω/□)より大きいシート抵抗を有する。装飾層(6)の表面抵抗率は、JIS K7194に従った4点プローブを使用した4点法を使用して決定され得る。
[0225]レーダ信号が第1代替案によるレドーム(1)および/または第2代替案によるレドームを通過する際に、レーダ信号の屈折を最小限にするため、前面および後面は、平行または実質的に平行でなければならない。さらに、レドーム(1)の内側は、隙間、気泡、または水侵入などの材料密度における著しい変化が存在してはならず、装飾層および/またはコーティング(5、124)は、均一の厚さのものでなければならない。
[0226]電波減衰および反射率は、ユーザの要件、用途、使用される周波数、および使用されている設備によって決定されることになる。しかしながら、いくつかの実施形態において、76~81GHzの特定の動作周波数で、最大で一方向に2dB(双方向に4dB)減衰が存在することになる。いくつかの実施形態において、24GHz、77GHz、または79GHzで、一方向に2dB未満の減衰が存在することになる。いくつかの実施形態において、76~81GHzの特定の動作周波数で、最大で一方向に1dB(双方向に4dB)減衰が存在することになる。いくつかの実施形態において、24GHz、77GHz、または79GHzで、一方向に1dB未満の減衰が存在することになる。
レーダシステム
[0227]いくつかの実施形態において、本発明は、電波送信機(10)、電波受信機(10)、および本明細書に説明されるような装飾レドーム(1)を含む、図7に例証されるようなレーダシステムを提供する。
[0228]レドーム(1)は、電波受信機および送信機の両方(1つのデバイスへと統合され得る)の電波経路内に存在し得るか、または、送信機と関連付けられたレドーム、および受信機と関連付けられた別のレドームが存在し得る。
[0229]基板は、電波信号がレドーム(1)を通過する際に、電波信号を減衰する。この減衰の一部分は、送信機から発する電波がレドームを通過するときの基板(2、121)の第1表面(3)または第2表面からの電波信号の反射の産物である。結果的に、反射の結果としての減衰は、電波信号の波長に関連した基板(2、121)(およびコーティング)ならびに潜在的なオーバーモールド層の厚さによって決定される。基板を通る電波の波長は、基板および/またはオーバーモールド層の誘電体実誘電率により様々である。したがって、最小減衰を提供する基板厚は、式
Figure 2022542791000004
によって決定され、式中、mは整数であり、λiは、電波送信機から送信される電波の、基板および/またはオーバーモールド層を通る波長であり、この電波送信機に合わせてレドームが設計される。結果的に、いくつかの実施形態において、レドーム基板および/またはオーバーモールド層の厚さは、
Figure 2022542791000005
の倍数である。
[0230]車両内のレーダシステムは、典型的には、物体の視線検出を提供するためにマイクロ波を使用する。自動車のために現在使用されている3つの周波数は、24GHz、77GHz、および79GHzである。近年、77GHzおよび79GHzが、使用される優位周波数になっており、それは、これらの周波数が、24GHz周波数と比較して向上した範囲および分解能を提供するためである。具体的には、77GHzは、高さおよび幅が3倍小さい(たった9分の1の面積を有する)アンテナサイズを使用しながら、24GHzよりも3倍高い分解能で物体を識別することができる。
[0231]24GHzを使用するレーダシステムは、24.05GHz~24.25GHzの200MHzにわたる狭帯域(NB)、21.65GHz~26.65GHzの5GHzにわたる超広帯域(UWB)の両方を利用し得る。
[0232]ヨーロッパ電気通信標準化協会(ETSI)および米国連邦通信委員会(FCC)によって開発されたスペクトル規制および規格が理由で、UWB帯域の使用は、欧州および米国の両方において、2022年までに廃止されることになる(「停止日」)。
[0233]24GHz NBおよびUWBは、71~81GHzの周波数で置き換えられており、76~77GHz範囲は、長距離レーダ(LRR)を表し、77~81GHzは、短距離レーダ(SRR)を表す。77~81GHz範囲は、最大4GHzの掃引帯域幅を提供し、これは、24GHz NBで利用可能な200MHzよりもはるかに大きい。
[0234]いくつかの実施形態において、レドームは、電波送信機(10)が20GHz~81GHzの周波数にある電波を送信するレーダシステムにおける使用のために設計される、またはこれにおいて使用される。いくつかの実施形態において、レドームは、電波送信機が76~81GHzもしくは76~77GHzの周波数にある電波を送信するか、または約77GHzであるか、または約79GHzであるレーダシステムにおける使用のために設計される、またはこれにおいて使用される。
[0235]減衰を最小限にするため、装飾レドームのいくつかの実施形態において、基板は、2mm~2.6mm厚である。いくつかの実施形態において、基板は、約1.15mm、2.3mm、または2.45mm厚である。
加熱されたレドーム
[0236]電波は、典型的には、水によって減衰され、特に、氷によって減衰される。したがって、レドームの表面への氷形成を防ぐことが望ましい。結果的に、図6に例証されるように、本発明の第1代替案による装飾レドーム(1)は、加熱素子(11)を含む層を含む。そのような加熱層は、本発明の第2代替案によるレドームにおいても提供され得る。加熱層は、追加の層であってもよく、特に追加および/または代替の中間層は、オーバーモールド層によって少なくとも部分的に形成されてもよく、または基板によって少なくとも部分的に形成されてもよい。
[0237]レドームとの使用に準拠した好適な加熱素子は、DE102014002438A1、DE10156699A1、US20180269569A1に開示され、これらは、あらゆる目的のためにそれらの全体がこの参照により本明細書に組み込まれる。
[0238]好ましい実施形態において、加熱素子(11)は、レドームを実質的に網羅するネットワークを形成するために加熱素子基板(11)内に、埋め込まれ得る、または成形され得る埋め込み式抵抗線回路(12)を伴う、レーダ透過性ポリマーを備える。
[0239]加熱素子(11)は、電波透過性基板(2)と装飾コーティング(5)との間に提供され得る回路(12)を含むポリマー膜によって提供され得る。加熱素子はまた、オーバーモールド層によって少なくとも部分的に形成されてもよい。そのようなものとして、ポリマー膜(11)もまた、電波透過性である必要がある。結果的に、ポリマー膜(11)は、電波透過性基板(2)について開示される任意の好適なポリマーで作製され得る。したがって、ポリマー膜(11)は、アクリロニトリル・エチレン・スチレン(AES)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート(ASA)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、高流量AES、アクリルニトリル-(エチレン-プロピレン-ジエン)-スチレン(AEPDS)、熱可塑性プラスチックの混合物、またはPC-ABS混合熱可塑性プラスチックを含む(しかしながら、これらに限定されない)群から選択されるポリマーで作製され得る。いくつかの実施形態において、回路(12)を含むポリマー膜(11)は、ポリカーボネートまたはポリプロピレンで形成されることになる。
[0240]代替的に、回路は、回路(12)が追加の層の必要なしに電波透過性基板(2)内に提供されるように、レドーム(1)の電波透過性基板(2)内に埋め込まれ得るか、またはその中に成形され得る。
[0241]照明されたレドーム
[0242]自動車エンブレムは、従来、車両のスタイリングおよびブランディングを伝えるために用いられる。本発明によるレドームは、そのような自動車エンブレム、例えば、ロゴを、視覚的特徴として組み込むことを可能にする。ブランド識別を向上させるため、そのような視覚的特徴、特にエンブレムを、照明により強化するという要望がさらに存在する。この照明は、ロゴ自体、エンブレムの周りのリング、または自動車バッジの全体であってもよい。
[0243]しかしながら、照明およびレーダ機能性をバッジ/エンブレムに統合するのは困難である。前に既に論じられたように、レドームは、好ましくは、材料の誘電特性に従って調整された最適な厚さの均一断面を有する。電波透過性に悪影響を及ぼさないように異種材料間に最小界面を有することも望ましい。
[0244]逆に、バッジの照明は、通常、必要な光を透過、拡散、反射、およびパイピングするための追加の部品を使用し、レドームの厚さ全体を増大させることのようなさらなる手段なしに、前に説明した効果に起因した電波透過性の減少をもたらす。故に、照明の実装は、多くの場合、最適な電波/レーダ性能の目的に反する。
[0245]しかしながら、本発明のレドームは、前に説明した問題を回避する照明を提供することを可能にする。この目的は、既存の構造体および要素を少なくとも部分的に照明システムとして使用することによって達成される。特に、それぞれの層またはコーティングは、光源の光が結合される光導波路として使用される。光は、層またはコーティングによって導かれ、視覚的特徴の上に注ぎ、そこから光が反射および/または散乱される。
[0246]図16において、照明システムを含むレドームの分解組立断面図が示される。図13に示されるようなレドームに対応するレドームの要素は、同じ参照番号を有するが、200だけ増加される。図16のレドームは、好ましくは、可視光に対して透過性であるポリカーボネートを備える、成形された基板(321)を備える。基板(321)は、特に、第1ショット成形ステップにおいて提供される。
[0247]基板(321)上には、特に軽減部分(325)のエリアに、視覚的特徴が、特にロゴの形態で、提供される。ロゴは、装飾コーティング(324)によって形成される。コーティング(324)は、特に、レーダ/電波透過性、および可視光に対して反射性であり、PVDコーティングプロセスによって提供されるAlGeを備え得る。
[0248]基板(321)および装飾コーティング(324)は、特に可視光に対して不透明であるが電波/レーダ透過性である、オーバーモールド層(326)によってオーバーモールドされる。オーバーモールド層(326)は、特に、第2ショット成形ステップにおいて提供され、および/または、AES材料、特に、暗い色のAESを備える。オーバーモールド層(326)によって、装飾コーティングは、可視光に対して透明の基板(321)と可視光に対して不透明のオーバーモールド層(326)との間に封入される。
[0249]基板(321)は、さらに、前の実施形態において既に説明されるように、ハードコート(328)、特に熱ハードコートの形態にある第2表面コーティングによって保護される。
[0250]図16において、さらには、特にレーダユニット(340)を備える電波送受信機が示される。レドームの反対側において、レドームを見ている観察者は、目(342)によって、例証の目的のために視覚化される。
[0251]レドームの照明システムは、特にLEDを備える、2つの光源(344)を備える。光源(344)によって、光線(346)は、基板(321)内へ結合される。基板(321)はまた、光導波路として、光が光源(344)から光導波路内へ結合されるように作用するものとして、照明システムの一部も部分的に形成する。光は、矢印(348)によって示されるように、基板(321)を通って導かれる。
[0252]軽減部分(325)では、光は、矢印(350)によって示されるように、装飾コーティング(324)によって観察者(324)の方向へと少なくとも部分的に反射/散乱される。このやり方では、観察者は、照明によって、装飾コーティング(324)によって形成される視覚的特徴、特にロゴをはっきりと見ることができる。特に、矢印(352)に沿ってレドームを見ることは、光に対して反射性であるようにレドームを見せる一方で、矢印(354)に沿ってレドームを見ることは、このエリアに装飾コーティングがないこと、ならびに不透明の、特に暗い色のオーバーモールド層(326)に起因して、レドームを黒光沢に見せる。
[0253]光源(344)は特に、光が、基板(321)の表面の法線方向Nに対して主として垂直である方向に、基板(321)の形態にある光導波路内へ結合されるため、エッジライティング源を表す。基板(321)内の軽減部分(325)は、基板(321)を通って導かれる光のピックアップを最適化するために斜めに設計され得る。エッジライティング源の使用は、光源(344)がレーダ信号送信/受信区域の外側に位置し、故に、レーダ検知要件に影響を及ぼさないという利点を有する。
[0254]加えて、光源は、ベゼル、グリル、または同様のもののようなレドームの支持構造体の裏に隠され得る。
[0255]前に説明された照明システムおよび生産方法によって、最適な電波/レーダ透過性は、異種材料における変化として到達され、空隙は、照明目的のためにレーダ送信エリアに位置しているさらなる要素がないことに起因して、回避される。さらには、照明のために送信エリアに位置するさらなる要素がないため、電波/レーダ送信のための均一の厚さを有する区間を提供することが可能である。
[0256]図17において、照明システムを備える本発明のレドームのさらなる例が示される。図16に示されるレドームの要素に対応する図17に示されるレドームの要素は、同じ参照番号を有するが、100だけ増加される。
[0257]図17に示されるように、照明システムの使用は、平面または平坦レドームに限られない。レドームはまた、照明機能に悪影響を及ぼすことなく、湾曲断面を有し得る。
[0258]光線(446)として示される光源(444)の光は、基板(421)内へ結合される。基板(421)は、基板内の光線が矢印(448)によって示されるように内部反射を経ているため、光導波路として作用する。故に、光は、基板(421)の外へ著しく散乱されず、軽減エリア(425)内の装飾コーティング(424)上に注ぐまで、基板(421)に沿って導かれる。そこから、光は、矢印(450)に沿って基板(421)の外へ反射および/または散乱されて、観察者によって見られる。
[0259]図18において、前に説明されるような照明システムを含む実際のレドームに対する絵が示される。図17に示されるレドームの要素に対応する図18に示されるレドームの要素は、同じ参照番号を有するが、100だけ増加される。図18において、レドームの基板(521)の第2表面を見た図が示される。光源(544)からの光は、基板(521)内へ結合され、装飾コーティング(524)によって反射/散乱され、その結果として、ロゴ(552)の形態にある視覚的特徴が可視となる。ロゴ(552)の外側および装飾コーティング(524)の外側のエリアにおいて、不透明のオーバーモールド層(526)のみが可視であるため、照明は低減される。
[0260]照明システムは、本発明の第2代替案と組み合わせて説明されているが、当業者は、照明システムが第1代替案にも適用可能であることを認識する。第1代替案において、装飾コーティングに隣接する層、またはコーティングの反射層に隣接する装飾コーティングの層が、光導波路として使用される。例えば、応力制御層(8)またはハードコート層(9)は、光が反射および/または散乱される場所から装飾コーティングの反射エリアへの光の誘導を可能にし得る。
基板減衰
基板厚さ
[0261]76~77GHz帯域での電波の減衰に対する基板の影響を査定するため、およそ2、2.3、3、4.5、および6mm(実際の厚さ2.0、2.33、2.92、4.42、および5.84mm)にある裸の(コーティングされていない)ポリカーボネート試料を得て、Rohde-Schwartz(R&S(登録商標))QARシステム内で10度の傾斜角で、製造業者の指示通りに査定した。データを分析し、次いで、最良適合の線を、生成した結果に適用した。77Ghzでのポリカーボネートの仮定される誘電率は2.8である。
[0262]異なる誘電性基板は、異なる誘電率を有し、これが、基板にわたる電波の波長の変動を結果としてもたらす。ポリカーボネートは、77GHzで2.8の比誘電率(εr)を有し、したがって、基板を通る計算された波長は、2.328mmである。
[0263]図8に見られるように、減衰は、傾斜した正弦曲線の後に続き、減衰は、半波長の整数倍(すなわち、基板を通る電波の波長の0.5、1、1.5、2、2.5倍など)である基板厚さで周期的に最小にあり、最大減衰は、最小値からオフセットされた(すなわち、基板を通る電波の波長の0.75、1.25、1.75倍など)四分の一波長であった。さらに、正弦曲線にわたる平均減衰は、シートの厚さが増大するにつれて増大した。
[0264]車両におけるレドーム使用の他の設計要件の観点において、最適な厚さは、最小減衰、ならびに自動車車体部品としての使用のための適切なロバスト性、剛性、および重量を提供した2.3mmで選択された。
77GHz電波対79GHz電波の減衰
[0265]自動車レーダシステムにおいて使用される共通電波周波数での減衰を測定するため、2mm(図9A)および2.3mm(図9B)のポリカーボネート基板を、R&S(登録商標)QARシステムを使用して76-81GHz周波数にわたって、製造業者の指示通りに査定した。
[0266]図9Aに見られるように、76~77GHz周波数にわたる平均減衰は、ポリカーボネート基板が2mmであったとき、76~81GHz周波数にわたる平均減衰のおよそ117%であった。比較により、また図9Bに示されるように、76~77GHz周波数にわたる平均減衰は、ポリカーボネート基板が2.3mmであったとき、76~81GHz周波数にわたる平均減衰のおよそ83%であった。そのようなものとして、2mm基板と2.3mm基板との間の百分率変動は、76~77GHz周波数にわたる平均減衰が76~81GHz周波数にわたる平均減衰と比較されるとき、対立する方向であるとしても、17%であった。
[0267]しかしながら、実際の減衰における差は、基板が2mmであるときの0.14dBと比較して、基板が2.3mmであるときは、ほんの0.06dBであった。したがって、2.3mmは、77GHzおよび79GHz帯域の両方を使用するレーダシステムとの使用のための最も好適な選択のようである。
光沢メタリックの見た目
[0268]電波透過性装飾ポリマーシートを、以下のプロトコル通りに光沢メタリックの見た目を伴って準備した。
基板準備
[0269]洗剤洗浄、粗い洗い流し、細かい洗い流し、さらなる細かい洗い流し、乾燥、冷却、ならびに次いで浸漬コーティングおよびフラッシュオフからなる自動浸漬コーティングプロセスを使用して、Momentive PHC587Bのベースハードコート層を適用することによって、ポリカーボネート基板を準備した。浸漬コーティングプロセスは、ハードコートの厚さを制御するために精密な除去速度でロボット制御された。第1表面がハードコーティングされた基板を、10分間放置して、表面が実質的にタックフリーになるまで溶媒を蒸発させる。続いて、第1表面がコーティングされた基板を、硬化オーブン内で71分間130℃で硬化して、ハードコーティングされた基板を提供した。
装飾コーティング
[0270]アルミニウムおよびゲルマニウム合金の層、ならびに二酸化シリコン(SiO)の上側層を含む装飾コーティングを、以下のパラメータに従って堆積した。
Figure 2022542791000006
保護表面コーティング-透き通ったハードコート
[0271]光沢仕上げを提供するため、および装飾コーティングを保護するため、Momentive PHC587Bの保護表面ハードコート層を、装飾コーティングの上(保護ハードコート)層として適用した。これは、専用の薄膜コーティングスプレーブース内での自動スプレーコーティングプロセスによって完了された。第1表面がコーティングされた基板を、10分間放置して、表面が実質的にタックフリーになるまで溶媒を蒸発させる。続いて、第1表面がコーティングされた基板を、硬化オーブン内で71分間130℃で硬化して、保護ハードコーティングされた表面を提供した。
明るいサテンメタリックの見た目
[0272]電波透過性装飾ポリマーシートを、以下のプロトコル通りにサテンメタリックの見た目を伴って準備した。
基板準備および装飾コーティング
[0273]第1表面ハードコーティングと、上に提示された「光沢メタリックの見た目」のために提示されるようなアルミニウムおよびゲルマニウムの合金の層ならびに二酸化シリコン層を備える装飾コーティングとをポリカーボネート基板に提供した。
保護表面コーティング-サテンハードコート
サテンメタリックの見た目を提供するため、可視光の拡散を結果としてもたらす添加剤を含んだ保護ハードコートを適用した。具体的には、以下のパラメータを使用した。
Figure 2022542791000007
機械試験
[0274]装飾コーティングされたレドームが自動車目的での使用のために十分にロバストであるかどうかを査定するため、上で説明されるように準備される光沢メタリックの見た目およびサテンメタリックの見た目の試料に対して一連の耐久性試験を実施した。
[0275]実施された試験および結果は、以下の表4にまとめられる。
Figure 2022542791000008
コーティングされた基板の減衰
[0276]2.0、2.3、2.92、4.42、および5.84mmのポリカーボネートシートを、上に説明されるような光沢メタリックコーティングまたはサテンメタリックコーティングのいずれかでコートした。76~77GHz帯域内のレーダシングルの反射および減衰における基板厚さの効果を評価するため、コーティングされたポリカーボネートシートを、Rohde-Schwartz(R&S(登録商標))QARシステム内で10度の傾斜角で査定した。適用された装飾コーティングの厚さは、最大0.03mm厚であり得、2.03、2.33、2.95、4.45、および5.87mmの合計厚さを提供する。結果は、以下の表5に示される。
Figure 2022542791000009
[0277]上を見て分かるように、コーティングされた2.33mmポリカーボネートの一方向減衰および反射は、適用されたコーティングに基づいて著しく変化しなかった。さらに、最良の厚さは、1.1dBおよび1.18dB(光沢、サテン)の減衰、ならびに10%および9%(光沢、サテン)の反射で2.33mmであった。
[0278]コーティングされた基板およびコーティングされていない基板の比較的な減衰は、図10に例証される(最良適合の正弦曲線を含むデータを生成した)。見て分かるように、コーティング(光沢またはサテン)の追加が、減衰を増大させる。しかしながら、2.33mmでの減衰は、依然として、自動車レーダシステムに必要とされるものに準拠したレベルにある。
視覚的特性
[0279]2ミリメートルおよび2.3mmポリカーボネート基板は、上に説明されるような光沢メタリックの見た目またはサテンメタリックの見た目を提供するためにコーティングされ、コーティングされた基板の中心における視覚的特性を、発光体A/2により測定した。
[0280]発光体A/2を用いて測定されるCIELAB色チャートは、図11に示され、反射の測定値(鏡面反射を含んだ「Rsin」および鏡面反射を除外した「Rsex」)は、以下の表6に提供される。
Figure 2022542791000010
[0281]鏡面反射および拡散反射光(Rsin)を含む反射性は、光沢メタリックの見た目の試料およびサテンメタリックの見た目の試料の両方について同等であった。しかしながら、2.3mm試料における反射性は、典型的には、2mm試料よりも高かった。これは、A4サイズの2mm試料と比較して、小さい刻板からなる2.3mm試料としてのコーティングプロセスのアーチファクトである可能性が高く、そのようなものとして、2.3mm試料は、堆積中、スプラッタ標的により近かった。
[0282]本明細書に説明されるすべての方法は、本明細書に別途示されるか、文脈により明白に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施され得る。任意およびすべての例の使用、または本明細書に提供される例示的言語(例えば、「など」)は、例となる実施形態をより明らかにすることだけを目的とし、特許請求された発明の範囲に対して本質的に制限を課さない。しかしながら、そのような実施形態は、特許請求された制限の対象であり得るか、またはそれが特許請求の範囲に含まれる場合には、追加の特徴と見なされ得る。本明細書内の言語は、いかなる特許請求されていない要素も必須として示すと解釈されるべきではない。
[0283]本明細書に提供される説明は、共通の特性および特徴を共有し得るいくつかの実施形態に関連する。1つの実施形態の1つまたは複数の特徴は、他の実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わせ可能であり得るということを理解されたい。加えて、実施形態の単一の特徴または特徴の組み合わせが、追加の実施形態を構成し得る。
[0284]本明細書で使用される見出し語は、読者の参照を容易にするためだけに含まれ、本開示または特許請求全体を通して見られる主題を限定するために使用されるべきではない。見出し語は、特許請求の範囲または特許請求制限を解釈することに使用されるべきではない。
[0285]当業者は、本明細書に説明される発明が、具体的に説明されるもの以外の変形および修正の影響を受けるということを理解するものとする。本発明は、すべてのそのような変形および修正を含むということを理解されたい。本発明はまた、本明細書内で言及される、または示される、ステップ、特徴、および/または機能のすべてを個々にまたは集合的に、ならびにステップまたは特徴のうちの任意の2つ以上の任意およびすべての組み合わせを含む。
[0286]本明細書全体を通して、文脈が別途要求しない限り、用語「備える(comprise)」、または「備える(comprises)」もしくは「備えること(comprising)」などの変形は、述べられた要素もしくは整数または要素もしくは整数の群の包含を示唆するが、任意の他の要素もしくは整数または要素もしくは整数の群の除外は示唆しないということを理解されたい。
[0287]また、本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が逆のことを既に述べていない限り、複数態様を含むということに留意されたい。
[0288]将来の特許出願は、本出願からの優先権に基づいて、またはこれを主張して、オーストラリアまたは海外において提出され得る。以下の暫定的な特許請求の範囲は、単に例を用いて提供され、いかなるそのような将来の出願において特許請求され得る範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。また、特徴は、本発明をさらに規定または再規定するように、後の日付において暫定的な特許請求の範囲に追加され得るか、またはそこから省略され得る。

Claims (55)

  1. 第1側面に第1表面および第2側面に第2表面を有する電波透過性基板と、
    特に、少なくとも1つの視覚的特徴を提供するための、前記電波透過性基板上の電波透過性装飾コーティングであって、金属を含む、および/もしくはこれからなる、または、金属を含む合金を含む、および/もしくはこれからなる、装飾層を含む、電波透過性装飾コーティングと
    を含む、装飾レドーム。
  2. 前記電波透過性装飾コーティングは、前記電波透過性基板の前記第1側面に、特に前記第1表面に少なくとも部分的に位置する、第1表面電波透過性装飾コーティングである、請求項1に記載の装飾レドーム。
  3. 前記電波透過性装飾コーティングは、前記基板の前記第2側面に、特に前記第2表面に少なくとも部分的に位置する、第2表面電波透過性装飾コーティングであり、前記電波透過性装飾コーティングは、オーバーモールド層で少なくとも部分的に被覆される、請求項1に記載の装飾レドーム。
  4. (i)前記オーバーモールド層は、電波透過性ポリマーを備え、および/もしくは前記基板から離れる方を向いた前記電波透過性装飾コーティングの側面に位置する、ならびに/または
    (ii)前記電波透過性基板および前記電波透過性装飾コーティングは、オーバーモールドの前に加熱され、特に、前記電波透過性基板および前記装飾コーティングは、少なくとも摂氏70度、もしくは少なくとも摂氏80度までオーバーモールドの前に加熱される、請求項3に記載の装飾レドーム。
  5. 前記電波透過性基板は、特に、一方では前記電波透過性装飾コーティングと、および他方では前記電波透過性基板との間にフォームフィット接続を提供するために、前記電波透過性装飾コーティングで、少なくとも部分的に被覆されている、および/もしくは少なくとも部分的に充填されている少なくとも1つの第1表面構造体を備え、または
    前記電波透過性基板および/もしくは前記電波透過性装飾コーティングは、特に、一方では前記オーバーモールド層と、ならびに他方では前記電波透過性基板および/もしくは前記電波透過性装飾コーティングとの間にフォームフィット接続を提供するために、前記オーバーモールド層で、少なくとも部分的に被覆されている、および/または少なくとも部分的に充填されている少なくとも1つの第2表面構造体を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  6. 前記第1表面構造体および/または前記第2表面構造体は、少なくとも1つのアンダーカット部、少なくとも1つの溝、少なくとも1つの陥凹部、少なくとも1つの突出部、少なくとも1つの茸状要素、少なくとも1つのT字状要素、ならびに/または、少なくとも1つの、少なくとも部分的に、特に、前記電波透過性基板および/もしくは前記電波透過性装飾コーティング内に、埋め込まれたおよび/もしくはオーバーモールドされたアンカー要素を備える、請求項5に記載の装飾レドーム。
  7. 前記電波透過性基板は、前記第2表面および/または前記第1表面に、反対表面に向かう凹所によって好ましくは形成される軽減部分、および/または前記電波透過性基板の隆起部分を備え、特に前記装飾層は、前記軽減部分および/または前記隆起部分に少なくとも部分的に適用される、請求項1~6のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  8. 前記電波透過性基板は、前記装飾層の適用のエリアを、前記電波透過性基板の前記第1表面または前記第2表面の一部分のみに限定するようにマスクされる、請求項1~7のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  9. 前記電波透過性基板は、射出成形によって形成され、好ましくはポリカーボネートで少なくとも部分的に形成される、請求項1~8のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  10. 前記オーバーモールドは、摂氏300度を下回るバレルノズル温度で実施される、請求項3~8のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  11. 前記電波透過性装飾コーティングの全体的な残留応力は、-120MPa以上、または-70Mpa以上、または-50Mpa以上、または-40MPa以上である、請求項1~10のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  12. 前記電波透過性装飾コーティングの前記全体的な残留応力は、中立または引張である、請求項1~11のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  13. 金属を含む前記合金は、非金属をさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  14. 非金属は、ゲルマニウムまたはシリコンである、請求項13に記載の装飾レドーム。
  15. 前記金属合金は、ゲルマニウムを含み、ゲルマニウムの濃度は、少なくとも25重量%ゲルマニウム、または少なくとも40重量%ゲルマニウム、または少なくとも45重量%ゲルマニウム、または少なくとも50重量%ゲルマニウム、または少なくとも55重量%ゲルマニウムである、請求項14に記載の装飾レドーム。
  16. 前記装飾層は、最大100nm厚、または最大50nm厚、または最大40nm厚、または10nm~40nm厚、または20nm~40nm厚、または25nm~35nm厚、または約30nm厚である、請求項1~15のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  17. 前記装飾層は、アルミニウム、錫、インジウム、銀、またはクロムの群から選択される金属を含む合金からなる、および/またはこれを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  18. 前記装飾層は、インジウムまたは錫の群から選択される金属からなる、および/またはこれを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  19. 前記電波透過性装飾コーティングは、複数の層を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  20. 前記電波透過性装飾コーティングの前記複数の層は、応力制御層および/または結合層を含む、請求項19に記載の装飾レドーム。
  21. 前記応力制御層は、前記電波透過性基板と前記装飾層との間にあるか、または前記応力制御層は、前記装飾の前記第1側面にある、請求項20に記載の装飾レドーム。
  22. 前記装飾コーティングの前記複数の層は、少なくとも1つの誘電体層を含む、請求項19~21のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  23. 前記電波透過性装飾コーティングの前記複数の層は、少なくとも2つの誘電体層の間に少なくとも1つの装飾層を含み、特に、前記装飾層は、印刷され、好ましくはパッド印刷され、および/または前記装飾層は、色付きである、請求項19~22のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  24. 前記電波透過性装飾コーティングは、少なくとも1つの保護ハードコート層を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  25. 前記保護ハードコートを含む前記電波透過性装飾コーティングの全体的な残留応力は、-120MPa以上、または-70Mpa以上、または-50Mpa以上、または-40MPa以上である、または0MPa以上である、請求項24に記載の装飾レドーム。
  26. 少なくとも2つのハードコート層が提供され、好ましくは、第1ハードコート層は、前記基板と第2ハードコート層との間に位置し、前記第2ハードコート層は、少なくとも1つの、好ましくはレーザエッチングされた開口部および/または凹所を備える、請求項24または25に記載の装飾レドーム。
  27. 前記第2ハードコート層は、可視光に対して不透明および/または反射性である、請求項26に記載の装飾レドーム。
  28. 前記第1ハードコート層は、少なくとも1つの、特にレーザエッチングによってエッチングされた表面を、特に、前記第1ハードコーティングの前記開口部および/または凹所のエリア内に備える、請求項26または27に記載の装飾レドーム。
  29. 前記第1ハードコート層および/または前記第2ハードコート層は、可視光のための少なくとも1つの半透明および/または反射性光学コーティングによって少なくとも部分的に被覆される、請求項26~28のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  30. 前記装飾コーティングは、前記電波透過性基板の前記第1表面または前記第2表面上に提供される少なくとも1つのハードコート層を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  31. 誘電体層が、金属または金属を含む合金からなる、および/またはこれを含む装飾層と、前記電波透過性基板との間に提供される、請求項1~30のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  32. ハードコート層が、前記装飾層と前記電波透過性基板との間に提供される、請求項31に記載の装飾レドーム。
  33. 誘電体層が、前記装飾層と前記保護ハードコートとの間に提供される、請求項24~32のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  34. 前記ハードコートは、有機シリコン、アクリル、ウレタン、メラミン、およびアモルファスSiOxCyHzからなる群から選択される材料を備える1つまたは複数の耐摩耗層を備える、請求項24~30、32または33のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  35. 前記誘電体層は、式SiOによって表されるか、または二酸化シリコンである、請求項22、23、31、または33のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  36. 前記電波透過性装飾コーティングは、金属からなる、または金属を含む合金からなる、複数の誘電体層および/または複数の装飾層を含む、請求項1~35のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  37. 前記電波透過性基板および/または前記オーバーモールド層は、アクリロニトリル・エチレン・スチレン(AES)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート(ASA)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、高流量AES、アクリルニトリル-(エチレン-プロピレン-ジエン)-スチレン(AEPDS)、熱可塑性プラスチックの混合物、またはPC-ABS混合熱可塑性プラスチックからなる群から選択される、請求項1~36のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  38. 前記装飾レドームは、加熱素子を含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  39. 前記加熱素子は、抵抗線を含む、請求項38に記載の装飾レドーム。
  40. 前記抵抗線は、ポリマー、特に、前記オーバーモールド層内に成形される、請求項38または39に記載の装飾レドーム。
  41. 前記抵抗線は、前記電波透過性基板と前記装飾コーティングとの間に提供され得るポリマー膜内に成形される、請求項40に記載の装飾レドーム。
  42. 前記加熱素子は、アクリロニトリル・エチレン・スチレン(AES)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート(ASA)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、高流量AES、アクリルニトリル-(エチレン-プロピレン-ジエン)-スチレン(AEPDS)、熱可塑性プラスチックの混合物、またはPC-ABS混合熱可塑性プラスチックからなる群から選択されるポリマー内にある、請求項40または41に記載の装飾レドーム。
  43. 前記加熱素子は、前記電波透過性基板内に提供される、請求項38~40のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  44. 前記装飾レドームは、信号経路にわたって4dB(双方向)未満の電波信号減衰を有する、請求項1~43のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  45. 前記装飾レドームは、信号経路にわたって2dB(双方向)未満の電波信号減衰を有する、請求項1~43のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  46. 前記装飾層は、10オーム/スクエア(Ω/□)よりも大きいシート抵抗を有する、請求項1~45のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  47. 前記電波透過性基板は、2mm~2.6mm厚である、請求項1~46のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  48. 前記電波透過性基板は、約1.15mm、2.3mm、または2.45mm厚である、請求項1~46のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  49. 前記電波透過性基板は、2mm~2.6mm厚である、請求項1~46のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  50. 好ましくは少なくとも1つのLED、少なくとも1つのレーザ、および/または少なくとも1つの光源アレイを備える、少なくとも1つの光源、ならびに前記光源に光学的に接続された少なくとも1つの光導波路を備える、請求項1~49のいずれか一項に記載の装飾レドーム。
  51. 前記光導波路は、前記装飾コーティング、特に、前記電波透過性基板、前記ハードコート、前記中間層、および/または前記オーバーモールド層に隣接して、および/またはこれに接触して位置する層および/または要素によって少なくとも部分的に形成される、請求項50に記載の装飾レドーム。
  52. 前記光源の光は、前記第1表面および/または前記第2表面の少なくとも一部の法線方向に対して垂直の方向に、前記光導波路内へ結合され、特に、前記光源は、前記レドームの側端に少なくとも部分的に位置し、好ましくは、ブレッツェルまたはグリルのような、前記レドームの支持構造体の裏に位置する、請求項50または51に記載の装飾レドーム。
  53. 電波送信機、電波受信機、および請求項1~52のいずれか一項に記載の装飾レドームを含む、レーダシステム。
  54. 前記レドームの電波透過性基板の厚さは、
    Figure 2022542791000011
    の倍数であり、λiは、前記電波送信機から送信される電波の、前記電波透過性基板を通る波長である、請求項53に記載のレーダシステム。
  55. 前記電波送信機は、20~81GHz、もしくは76~81GHz、もしくは76~77GHzの周波数にある電波を送信するか、または約77GHzであるか、または約79GHzであるか、または約81GHzである、請求項53または54に記載のレーダシステム。
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