JP2022552516A - 第1表面装飾要素 - Google Patents

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Abstract

本発明は、第1側面に第1表面および第2側面に第2表面を有する、好ましくは電波透過性の基板と、基板上の好ましくは電波透過性の第1表面装飾コーティングとを含む、装飾車両要素であって、装飾コーティングが、金属からなる、または金属を含む合金からなる装飾層を含む、装飾車両要素、ならびに、電波送信機、電波受信機、および装飾要素、特にレドームを含むレーダシステムを対象とする。【選択図】図4

Description

[0001]本発明は、装飾的な第1表面コーティングを含む、要素、特にレドームに関する。特に、当該要素は、自動車用途に有用であり、したがって、第1表面コーティングは、外部自動車部品に必要とされる厳しい摩耗および強靭性要件を満たす必要があると同時に、レドームの場合、レーダ(RADAR:Radio Detection and Ranging)システムに使用される電波周波数の最小限に減衰された送信を可能にするために十分に電波透過性である必要がある。さらには、当該要素は、所望の目的のために視覚的に適切でなければならない。
[0002]自動車産業が始まって以来、装飾要素は、車両において使用される。さらには、20世紀初めのそれらの開発以降、レーダ(RADAR)システムは、進化しており、また小型化され、その結果として、現在それらは、様々な日常デバイスに統合されている。レーダの1つの一般的使用は、車両における運転者支援システムである。レーダは、車両内の様々な警告システム、半自律システム、および自律システムに使用される。そのようなシステムは、駐車支援のために使用され得る近接検出、車間距離制御、衝突回避、および死角検出を含む。さらに、レーダは、ライダー(LIDAR:Light Illuminating Detection and Ranging)と組み合わせて、自律および半自律車両のために開発されている検知システムを提供する。
[0003]レーダシステムは、送信機から発せられる照射電波(レーダ信号)が固体物によって反射または散乱されるということに基づいて機能する。これらの反射されたレーダ波は、次いで、一般的には送信機に近接した受信機によって検出されて、レーダシステムが物体を検出することを可能にする。典型的には、電波は、異なる電気伝導性を有する媒体間を進むときに反射される。そのようなものとして、レーダシステムは、特に、金属などの導電性材料を検出することに効果的である。しかしながら、これは、メタリック外観を有するレーダ準拠の材料を開発しようとするときに問題を提示する。
[0004]レドームの場合はレーダシステムのような、装飾要素の裏のシステムを外部から見ることは望ましくないため、およびシステム、特にレーダシステムは環境被害から保護される必要があるため、レーダシステムのようなシステムは、典型的には、装飾要素、特にレドームの裏に位置する。レドームは、実質的に電波透過性である保護カバーの形態にある装飾要素の一例であり、したがって、電波信号を実質的に減衰しない。レドームを提供するための好適な材料は、電気絶縁性である合成ポリマー(プラスチックなど)を含む。しかしながら、そのようなプラスチック要素、特にレドームの統合は、メタリック仕上げが所望されるとき、達成するのが困難であった。プラスチック上のクロム膜など、典型的なメタリック仕上げは、電波信号を反射し、したがって、レドームでの使用に好適ではない。
[0005]従来、自動車の場面では、レーダ送信機および受信機は、車両フロントグリルの上方部分またはその上に、車両の前部に位置付けられる。死角検出(BSD:Blind-Spot Detection)、車線変更支援(LCA:Lane-Change Assist)、フロント/リア・クロストラフィック・アラート(F/RCTA)、自律非常制動(AEB:Autonomous Emergency Braking)、および車間距離制御(ACC:Adaptive Cruise Control)を含む、車両内の複数のレーダベースシステムに対する市場需要は増えている。これは、バンパおよび車体パネルを含むフェイシアの裏など、車両上の多くの異なる位置におけるレーダ送信機およびセンサの位置付けの必要性をかき立てた。自動車の外装に使用され得、かつレーダ準拠である、好適な部品が必要とされる。
[0006]従来の車体部品は、レーダシステムとの使用のための理想的なレドームではない。金属車体パネルは、レーダに準拠せず、したがって、レーダシステムは、プラスチックパネルなどの電波透過性基板の裏に位置付けられる必要がある。しかしながら、車体パネルを作製するために使用される多くのプラスチックは、タルクおよび炭素などのフィルタを含み、これがレーダを著しく減衰する。多くの場合、これは、車両を他のレーダシステムに見えるようにする設計によるものである。基板が電波透過性であるときにさえ、塗料の上塗り層がレーダ送信に影響を及ぼす。効果顔料を含有する人気の塗料およびベースコートの金属成分もまた、パネルのレーダ透過性に影響を及ぼす。さらには、車両の外部パネルの設計制約の多くは、最適レーダ効率とは無関係の、および場合によっては、これと矛盾した因子によって決定される。したがって、車両の外観のわずかな部分だけを構成し、下層のレーダシステムのためのレドームとして作用することができる、レーダ準拠のトリムを提供することが望ましい場合がある。場合によっては、これらのトリム要素がメタリック外観を有することが望ましい。
[0007]レドームのような、メタリック外観を有するプラスチック要素を提供するために技術およびシステムが開発されてきた。しかしながら、すべてのこれらの技術およびシステムは、メタリック外観の層で挟まれている基板の複雑な層化を必要とする。
[0008]1つの例は、金属成分を含まないナノ層膜積層を利用する、米国特許出願第US2017/0057424 A1号を含む。そのような複雑な膜積層は、それらが表面引っかき傷の影響を受けやすいことから、外部環境から保護される必要がある。そのような複雑な膜の使用、ならびに膜の裏当ておよび保護を提供するための複数の層は、著しい生産費用および時間を結果としてもたらすと同時に、いくつかの品質制御問題および故障点をもたらす。他のレドームは、膜、塗料、溶着金属、および複雑な熱マスキングの複雑な組み合わせを利用し、ここでも、高い生産時間および費用を結果としてもたらす。
[0009]EP1560288は、視覚的に金属のような部品を有するレドームを提供するための代替の手段を説明する。この文書は、透明基板へのスズおよび/またはスズの合金の薄膜の堆積を開示する。次いで、基板は、実際には前面層に接着されるさらなる不透明の裏当てプレートを重ね合わせられる。しかしながら、接着剤の使用が、生産複雑性および費用を増加させ、第1層と第2層との間の剥離の影響を受けやすい部品を結果としてもたらし得る。これは、レーダシステムにおける電波減衰および不正確性をもたらす。
[0010]メタリック外観を有する市場の要素、特に、レドームの大半は、装飾コーティングまたは膜の上に接着される第1表面保護ポリマーを含み、以て、それをポリマー層内に閉じ込める。これは、均一の厚さを有する当該要素、特にレドームを提供する機能を果たし、また重要なことには、装飾コーティングまたは膜を外部環境から保護する。しかしながら、そのような方法は、車体パネルなどのより大きい装飾部品を提供するのには好適ではない。
[0011]装飾トリムおよびプラスチックバンパは、当該要素、特にレドームバッジのために提案されてきたような、複数のプラスチック層で形成されることは好適ではない。したがって、電波透過性装飾コーティングを提供しかつ十分にロバストである、メタリック外観を有する自動車パネルおよびトリムならびに簡略化された生産プロセスを提供する必要がある。
[0012]上の背景技術の議論は、本発明の文脈を説明するために含まれる。それは、言及される資料のいずれかが、特許請求のうちのいずれか1つの優先日において、公開されたこと、知られていたこと、または共通一般知識の部分であったことを認めるものと解釈されるべきではない。
[0013]本発明は、第1側面に第1表面および第2側面に第2表面を有する、好ましくは電波透過性の基板と、基板上の好ましくは電波透過性の第1表面装飾コーティングとを含む、装飾要素、特にレドームを提供し、装飾コーティングは、金属からなる、または金属を含む合金からなる装飾層を含む。結果的に、本発明は、装飾コーティングを保護するために、典型的にはプラスチックのカバー層を含む現在の装飾要素とは異なり、当該要素の外面に好ましくは電波透過性の装飾コーティングを有する、装飾要素、特にレドームを提供する。
[0014]第1表面コーティングを有する簡略化した当該要素、特にレドームは、様々な状況で使用され得るより広い範囲の部品を提供するためにより多くの設計自由度を可能にする。装飾要素は、特に、少なくとも1つのハンドル、少なくとも1つの制御パネル、少なくとも1つのドアハンドル、少なくとも1つのトリム、少なくとも1つの装飾用細長片、少なくとも1つの装飾パネル、少なくとも1つの装飾カバー、少なくとも1つの鏡面、および/または少なくとも1つのドア波要素として使用され得る。特に車両に関しては、当該要素、特にレドームは、主に車両の中央前部位置に限られる。しかしながら、運転者支援、半自律および自律能力を提供するためには、車両の360°レーダ探知範囲を提供することが所望される。例えば、レーダ透過性でありかつ外観がメタリックであるトリムを車両の周りに提供することによって、レーダシステムは、車両の見た目を妥協することなく、車両の様々な場所に位置付けられ得る。そのようなレーダ透過性トリムは、2つの基板層の間に挟まれた装飾層を用いる、レドームを提供するための従来の技術を使用しては不可能である。
[0015]レドームとしての使用を可能にするため、装飾コーティングは、可視スペクトル内の電磁放射線を実質的に吸収または反射しながら、電波長電磁周波数(電波)を最小限に減衰または反射しなければならない。これは、1つもしくは複数の電気的に絶縁された、もしくは非導電性の金属薄膜層、または1つもしくは複数の金属合金層を提供することによって達成され得る。
[0016]金属を含む非導電性の合金を提供するため、半金属を含むことが好ましい。したがって、いくつかの実施形態において、金属の合金は、さらに半金属を含む。好ましい半金属としては、ゲルマニウムおよび/またはシリコンが挙げられる。
[0017]金属の合金がゲルマニウムを含む実施形態において、ゲルマニウムの濃度は、少なくとも25重量%ゲルマニウム、または少なくとも40重量%ゲルマニウム、または少なくとも45重量%ゲルマニウム、または少なくとも50重量%ゲルマニウム、または少なくとも55重量%ゲルマニウムであることが好ましい。そのような濃度は、最適な視覚的外観、および十分に低い電波減衰または反射を提供する。
[0018]特に電波減衰および反射を最小限にするため、装飾層は、薄膜として提供されなければならない。したがって、いくつかの実施形態において、装飾層は、最大100nm厚、または最大50nm厚、または最大40nm厚、または10nm~40nm厚、または20nm~40nm厚、または25nm~35nm厚、または約30nm厚である。
[0019]様々な金属が、金属層の堆積のため、または金属を含む合金の金属成分のために使用され得る。いくつかの実施形態において、金属層は、インジウムまたはスズの群から選択される金属からなる。いくつかの実施形態において、合金は、アルミニウム、銀、スズ、インジウム、またはクロムの群から選択される金属を含む。
[0020]好適な電波透過性合金は、ゲルマニウムおよびアルミニウムおよび任意選択的にシリコン、または、ゲルマニウムおよびシリコン、または、ゲルマニウムおよび銀および任意選択的にシリコン、または、ゲルマニウムおよびインジウムおよび任意選択的にシリコン、または、アルミニウムおよびゲルマニウムおよび/もしくはシリコン、または、クロムおよびゲルマニウムおよび/もしくはシリコンを含み得る。
[0021]本発明者らは、第1表面装飾コーティングを提供するとき、装飾コーティングの残留応力を制御することが有利であるということを確認した。理論によって制約されるものではないが、装飾コーティングの残留応力が基板(好ましくは、合成ポリマー基板)に準拠する所望の範囲内にあるのが重要であるということが確認されている。
[0022]第1表面装飾要素、特にレドームは、好ましくは電波透過性の装飾コーティングの全体的な残留応力が-120MPa以上、または-50Mpa以上、または-40MPa以上であるとき、耐久性試験において十分な強靭性を呈することになるということが確認された。より好ましくは、好ましくは電波透過性の装飾コーティングの全体的な残留応力は、中立(0MPa)または引張(>0MPa)である。
[0023]装飾層がアルミニウムおよびゲルマニウムである装飾コーティングの実施形態において、正味残留応力は、好ましくは、-120MPa以上、好ましくは-50MPa以上である。装飾層がクロムおよびゲルマニウムである好ましくは電波透過性装飾コーティングの実施形態において、正味残留応力は、-70Mpa以上、好ましくは最大+170Mpaであることが好ましい。
[0024]装飾層の残留応力は、堆積パラメータおよび層の厚さを修正することによって、ある程度まで修正され得る。しかしながら、誘電体層またはハードコート層のような追加の層が提供され得、これにより、装飾コーティングの全体的な残留応力を所望の範囲内へとさらに修正することができる。これらのコーティング、特に、誘電体層はまた、好ましくは電波透過性の装飾コーティングの光学性質および視覚的外観を修正することができる。
[0025]結果的に、いくつかの実施形態において、第1表面装飾要素、特にレドームは、複数の層を含む。いくつかの実施形態において、装飾コーティングの複数の層は、応力制御層および/または結合層を含む。多層装飾コーティングにおける応力制御層の場所は、任意の好適な場所であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、応力制御層は、好ましくは電波透過性の基板と装飾層との間に提供される。代替的に、または追加的に、応力制御層は、装飾層の第1側面に提供され得る。応力制御層および/または結合層は、少なくとも1つの金属、少なくとも1つの金属合金、および/または少なくとも1つの誘電材料を含み得る。
[0026]好ましくは電波透過性の装飾コーティングが複数の層を備えるいくつかの実施形態において、好ましくは電波透過性の装飾コーティングは、装飾層に加えて、少なくとも1つの誘電体層を含む。いくつかの実施形態において、この誘電体層は、装飾層と好ましくは電波透過性の基板との間に提供される。いくつかのさらなる実施形態において、好ましくは電波透過性の装飾コーティングの複数の層は、少なくとも2つの誘電体層の間に少なくとも1つの装飾層を含む。いくつかの実施形態において、好ましくは電波透過性の装飾コーティングは、複数の誘電体層および/または複数の装飾層を含む。好ましくは、誘電体層および装飾層は交互である。
[0027]好ましくは電波透過性の装飾コーティングの1つまたは複数の層を基板に適用するために使用され得る好ましい堆積方法は、任意の物理蒸着システムから選択され得る。そのようなシステムは、熱蒸発、電子ビーム蒸発(イオンビーム支援ありまたはなしで)、スパッタ堆積パルスレーザ堆積、電気流体力学堆積の陰極アーク堆積を含み得る。追加的に、好ましくは電波透過性の基板の表面は、まず、装飾層と基板との接着を改善するために、堆積の前に処理を施され得る。いくつかの実施形態において、表面処理は、プラズマ放電、コロナ放電、グロー放電、およびUV放射から選択され得る。
[0028]いくつかの実施形態において、好ましくは電波透過性の装飾コーティングは、その層のうちの1つまたは複数の堆積パラメータを最適化することによって、所望の応力ウィンドウを達成するように調整され得る。これらのパラメータは、スパッタパワー、ガス圧力、ガスドーパント(窒素など)、およびコーティング厚を含む。応力はまた、基板加熱により熱応力成分を導入することによって、または層もしくは好ましくは電波透過性の装飾コーティングの堆積の直前に前処理を行うことによって、調整され得る。
[0029]装飾コーティング内または個々の層内の残留応力を測定するための手段は、当該技術分野において知られている。例えば、装飾コーティングは、ガラススライドの上に置かれ得、このガラススライドは、層またはコーティングの堆積の前後に、応力測定デバイス(Sigma Physik SIG-500SPなど)内へ置かれ得る。
[0030]残留応力は、堆積されると所望のレベルの応力を生成して装飾層の本質的な残留応力を補う材料の層の堆積によって修正され得る。好適な材料としては、SiO、SiO、CrN、NbO、TaO、およびZrOが挙げられ、式中、xおよびyは共に、好ましくは、0.1~2.0の間である。誘電体層を含むいくつかの実施形態において、誘電体層は、SiOまたは二酸化シリコンである。そのような層は、好ましくは電波透過性の装飾コーティングの全体的な応力を制御するために使用され得、また、好ましくは電波透過性の装飾コーティング内の層の位置付けに応じて、その視覚的性質に影響を及ぼし得る。
[0031]故に、装飾層の所望の光学効果が変更されることが必要とされるとき、装飾コーティングの全体的な残留応力が所望のウィンドウに維持されることを確実にするために、付随する変化が、装飾コーティングの1つまたは複数の追加の層にも必要とされる可能性が高いということは明白である。
[0032]要素、特にレドームの第1表面への好ましくは電波透過性の装飾コーティングの提供は、好ましくは電波透過性の装飾コーティングを外部環境へ暴露する。これは、好ましくは電波透過性の装飾コーティングが、UV光、温度限界、雨、埃、泥、および様々な化学物質などの様々な条件に暴露されることを結果としてもたらす。さらに、外部自動車トリムなどの用途において、装飾要素、特にレドームはさらに、岩屑などの飛んでくる物体に暴露される。したがって、当該要素、特にレドームの好ましくは電波透過性の装飾コーティングは、そのような環境で使用されるのに十分に強靭であることが必要とされる。好ましくは電波透過性の装飾コーティングの強靭性を向上させるため、いくつかの実施形態において、好ましくは電波透過性の装飾コーティングは、少なくとも1つの保護ハードコート層を含み得る。典型的には、これは、好ましくは電波透過性の装飾コーティングの最上層であり、したがって下にある層を保護する。しかしながら、いくつかの実施形態において、疎水性、親水性、疎油性、脂溶性、および撥油性、またはそれらの組み合わせなどの特性を提供する追加のキャッピング層が存在し得る。保護ハードコート層は、装飾要素に光学的特徴を追加し得る。特に、保護ハードコート層は、装飾要素の外観に所望の方式でさらに影響を及ぼすために、少なくとも部分的に光散乱添加剤を含み得る。
[0033]さらに、ハードコート層は、多層の好ましくは電波透過性の装飾コーティング内の結合層または応力制御層として機能することができる。結果的に、いくつかの実施形態において、好ましくは電波透過性の装飾コーティングは、装飾層と好ましくは電波透過性の基板との間にハードコート層を含む。好ましくは、装飾コーティングは、好ましくは電波透過性の基板の第1表面に提供されるハードコート層を含む。いくつかの実施形態において、ハードコート層は、装飾コーティングと好ましくは電波透過性の基板との間にある(しかしながら、好ましくは電波透過性の基板とは直接接触していない場合がある)。
[0034]理論によって制約されるものではないが、ハードコート層は、おそらくは、下にある層または好ましくは電波透過性の基板への後続の層(装飾層など)の結合を向上させ、層間の差応力および好ましくは電波透過性の装飾コーティングの全体的な残留応力を制御するのを助ける。
[0035]追加の層は、好ましくは電波透過性の基板の第1表面に適用されたハードコート層と装飾層との間の界面にあり得る。いくつかの実施形態において、誘電体層は、装飾層と保護ハードコートとの間に提供される。
[0036]ハードコート層を提供するための好適な材料は、当該技術分野において知られており、例えば、ハードコート層は、有機シリコン、アクリル、ウレタン、メラミン、およびアモルファスSiOxCyHzからなる群から選択される材料を含む1つまたは複数の耐摩耗層を含み得る。
[0037]上に論じられるように、好ましくは電波透過性装飾コーティングの残留応力を、-120MPa以上、または-70Mpa以上、または-50Mpa以上、または-40MPa以上の最適範囲内に保つことが有利である。保護ハードコート層は、装飾コーティングの全体的な残留応力に影響を及ぼし得るため、いくつかの実施形態において、好ましくは電波透過性の装飾コーティングの全体的な残留応力は、保護ハードコートを伴って測定される。いくつかの実施形態において、全体的な残留応力は、保護ハードコートなしで測定される。
[0038]装飾コーティングのための電波透過性の基板は、十分に電波透過性であり、当該要素、特にレドームの意図した目的に適合する任意の好適な基板であり得る。しかしながら、好ましくは、好ましくは電波透過性の基板は、アクリロニトリル・エチレン・スチレン(AES)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート(ASA)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、高流量AES、アクリルニトリル-(エチレン-プロピレン-ジエン)-スチレン(AEPDS)、熱可塑性プラスチックの混合物、またはPC-ABS混合熱可塑性プラスチックなど、合成ポリマーである。いくつかの実施形態において、好ましくは電波透過性の基板は、ポリカーボネートまたはポリプロピレンである。
[0039]電波は、冷条件において、当該要素、特にレドーム上で凝結し得る、水、特に、氷によって、著しく減衰され得る。これは特に、当該要素、特にレドームが車両の外部パネルを提供するために使用されるときに広く認められる。したがって、当該要素、特にレドームから氷を除き、最適機能を可能にするため、本発明の装飾要素、特にレドームのいくつかの実施形態は、加熱素子を含む。
[0040]好ましい形態では、加熱素子は、抵抗線を含む。抵抗線は、ジュール熱を提供するために使用され得る。電流が抵抗線を通って流れると、線の温度は上昇し、以て熱を提供する。生成される熱の量は、線の抵抗および電流の二乗の積に比例する。好ましくは、線は、加熱素子が、ポリマー内に成形され得る回路を備えるように、ポリマー内に、提供または成形される。ポリマーは、別個の膜であり得、加熱素子は、ポリマー膜内へ成形される。次いで、この膜は、好ましくは電波透過性の基板と好ましくは電波透過性の装飾コーティングとの間に提供され得る。結果的に、加熱素子は、好ましくは電波透過性の装飾コーティングによって環境から保護されるが、迅速な氷除去をもたらすために表面に近い。
[0041]電波透過性の基板のようなレドームの形態にある要素の場合、加熱素子のための膜を提供するポリマーは、電波透過性である必要がある。そのようなものとして、ポリマー膜は、電波透過性基板に使用されるものなど、任意の準拠ポリマーから作製され得る。したがって、膜のためのポリマーは、アクリロニトリル・エチレン・スチレン(AES)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート(ASA)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、高流量AES、アクリルニトリル-(エチレン-プロピレン-ジエン)-スチレン(AEPDS)、熱可塑性プラスチックの混合物、またはPC-ABS混合熱可塑性プラスチックから選択され得る。いくつかの実施形態において、ポリマー膜は、ポリカーボネートまたはポリプロピレンである。実際、いくつかの実施形態において、加熱素子は、好ましくは電波透過性の基板に提供される。
[0042]レドームとしての使用に好適であるために、本発明の装飾要素は、完全に電波透過性である必要はなく、したがって、許容レベルの電波減衰を有し得る。いくつかの特定の実施形態において、装飾レドームは、20~81GHz、もしくは76~81GHz、もしくは76~77GHzの周波数範囲内で、または周波数が約77GHz、もしくは約79GHz、もしくは約81GHzであるとき、信号経路にわたって4dB未満(双方向)、または2dB未満(一方向)、またはより好ましくは、信号経路にわたって2dB(双方向)未満、または1.5dB未満、好ましくは1dB未満(一方向)の電波信号減衰を有する。
[0043]十分な電波透過性を達成するため、金属からなる、または金属を含む合金からなる装飾層は、実質的に導電性であってはならない。結果として、いくつかの実施形態において、装飾層は、10オーム/スクエア(Ω/□)より大きいシート抵抗を有する。
[0044]電波透過性基板の最適厚さは、通過する電波の減衰に影響を及ぼし得る。本発明の装飾レドームは、76~81GHzの周波数を発するレーダシステムと共に使用され得るため、ポリカーボネート基板の最適厚さは、約1.15mmの倍数である。したがって、いくつかの実施形態において、電波透過性基板の厚さは、約1.15mm、2.3mm、または2.45mmである。いくつかの実施形態において、特に車両との使用では、電波透過性基板は、2mm~2.6mm厚である。この厚さはまた、数ある設計考慮事項の中でも、重量、費用、成形性、および強靭性に利点を提供する。
[0045]本発明は、電波送信機、電波受信機、および本明細書に説明されるような装飾レドームを含むレーダシステムをさらに提供する。電波透過性基板の最適厚さは、電波送信機から発せられる電波の波長、および基板の誘電体実誘電率に依存する。したがって、いくつかの実施形態において、レドームの電波透過性基板の厚さは、
Figure 2022552516000002
の倍数であり、λiは、電波送信機から送信される電波の、基板を通る波長である。好ましくは、電波送信機は、20~81GHz、または76~81GHz、または76~77GHz、または約77GHz、または約79GHz、または約81GHzの周波数にある電波を送信する。
[0046]特定の実施形態は、以下の図によって例証される。以下の説明は、特定の実施形態を説明する目的のためだけであり、説明に関して限定することを意図するものではないことを理解されたい。
[0047]本発明の装飾要素、特にレドームの実施形態を例証し、電波(長い斜線)がレドームを通過することができると同時に装飾層からの可視光の反射(短い斜線)を示す図である。 [0048]可視光(短い斜線)を散乱させ、以てサテンの見た目を提供する上方コーティングを含む、本発明の装飾要素、特にレドームの実施形態を例証する図である。 [0049]基板と装飾層との間に中間誘電体層を含む、本発明の装飾要素、特にレドームの実施形態を例証する図である。 [0050]装飾層の上下に誘電体層を含む、本発明の装飾要素、特にレドームの実施形態を例証する図である。 [0051]複数の装飾層および複数の誘電体層を伴うマルチスタック装飾コーティングを含む、本発明の装飾要素、特にレドームの実施形態を例証する図である。 [0052]好ましくは電波透過性の基板と装飾層との間に加熱素子を含む、本発明の装飾要素、特にレドームの実施形態を例証する図である。 [0053]電波送信機/受信機および本発明によるレドームの形態にある要素を含むレーダシステムを例証する図である。 [0054]ポリカーボネート厚さの変化の結果としての、コーティングされていないポリカーボネートを通る77GHz電波の減衰における測定された変化を例証する図である。 [0055]2mm(A)および2.3mm(B)厚さのポリカーボネートにわたる、76~77GHzおよび79~81GHzの電波の平均減衰を例証する図である。 [0056]ポリカーボネート厚さの変化の結果としての、コーティングされていないポリカーボネートと比較した、コーティングされたポリカーボネートを通る77GHz電波の減衰における測定された変化を例証する図である。 [0057]光沢コーティングおよびサテンコーティングされた要素、特にレドームの測定されたCIELAB色を例証する図である。
[0058]本明細書全体を通して、層に対する言及は、プラスチック基板に関連して、および互いに関連してなされるものとする。したがって、基板に関連したコーティングの空間的関係、およびコーティングに含まれる層同士の空間的関係を規定するために、以下の用語が使用される。
[0059]「第1側面」は、使用中、電波送信または受信デバイスから離れる方を向く、基板、コーティング、または特定の層の側面と理解されるものとする。そのようなものとして、第1側面は、外部環境の方を向いている側面である。車両の特定の文脈において、これは、車両の外側から見える。
[0060]「第2側面」は、第1側面の反対側と理解されるものとする。使用時の文脈において、これは、電波送信デバイスまたは受信デバイスの方を向いている側面である。典型的には、第2側面は、当該要素、特にレドームが使用されるときに見えない。
[0061]「第1表面」は、基板、コーティング、または指定の層の第1側面における表面を指すと理解されるものとする。
[0062]「第2表面」は、基板、コーティング、または指定の層の第2側面における表面を指すと理解されるものとする。
[0063]用語「反射性」(「電波」などの修飾なしに)は、典型的にはナノメートル波長および400~800THzの周波数範囲内の可視光の反射を指す。
[0064]本明細書の全体を通じて電波への言及は、典型的には、10MHz~3000GHzの周波数を指す。好ましい実施形態において、および自動車に関連して、周波数は、典型的には、1000MHz~100GHzである。車両のためのレドームに関連したいくつかの特定の実施形態において、周波数は、21GHz~81GHz、または約24GHz~約79GHz、または約77GHz~約79GHz、または約24GHz、約77GHz、または約79GHzである。さらに好ましい周波数は、約1575MHz±200MHzの範囲にある。この文脈において、約の使用は、指定した帯域(例えば、24GHz)への明示的限定を排除しないが、自動車レーダシステムなどの用途において使用される典型的な帯域広がりを予想する。これらの帯域幅は、当該技術分野において知られており、例えば、Haschら、「Millimeter-Wave Technology for Automotive Radar Sensors in the 77GHz Frequency Band」、IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques(Volume:60、Issue:3、2012年3月)を参照されたい。
[0065]用語「透明」および「不透明」は、修飾語句(「電波」または「レーダ」など)なしに使用されるとき、視覚的に透明または不透明を指し、故に、上に規定されるような可視光の透過または吸収への言及である。
[0066]上に論じられるように、本発明の装飾要素、特にレドームは、第1側面にありかつ基板の第1表面と接触しているコーティングである第1表面コーティングを備える。第1表面コーティングは、複数の「スタックされた」層を含み得、各層が第1表面および第2表面を有し、1つの層の第1表面が、上に重なっている層の第2表面に当接し、上に重なっている層自体は第1表面を有する。結果的に、用語「第1側面」、「第2側面」、「第1表面」、および「第2表面」の使用は、それらが使用される相対的文脈において読まれ、解釈される必要がある。
[0067]本発明による装飾要素、特にレドーム(1)は、図1~図6に例証され、第1側面に第1表面(3)および第2側面に第2表面(4)を有する、好ましくは電波透過性の基板(2)と、好ましくは電波透過性の基板(2)の第1表面(3)上の好ましくは電波透過性の装飾コーティング(5)とを含み、好ましくは電波透過性の装飾コーティング(5)は、金属からなる、または金属を含む合金からなる装飾層(6)を含む。
[0068]図1および図2に例証されるように、本発明の当該要素、特にレドームは、電波が当該要素、特にレドーム(長い破線)を横切ることを可能にする一方で、当該要素、特にレドーム(1)の外観が色付きまたは反射性であるように、一部の可視光(短い破線)が装飾層(6)から反射される。
電波透過性の基板
[0069]本発明の当該要素、特にレドーム(1)は、無線通信システムまたはレーダシステムのための送信機および/または受信機の意図した電波経路における使用のためであり、そのようなものとして、当該要素、特にレドームの設計は、その意図した用途によって決定づけられ得る。結果として、電波透過性基板(2)のための材料の選択は、設計考慮事項によって部分的に決定づけられることとなり、これは、ロバスト性、成形性、極端な温度への耐性、および費用など、無線透過性の度合いだけに基づくわけではない。そのようなものとして、電波透過性基板(2)は、所望の電波周波数を所望の用途のための許容レベルで減衰する任意の基板であり得る。理解されるように、すべての基板は、電波をある程度は減衰および反射することになる。
[0070]しかしながら、本発明のいくつかの実施形態において、基板は、ポリマー、好ましくは合成ポリマーである。当該技術分野において理解されるように、電波透過性基板は、典型的には、電気伝導性に対して耐性を示す(すなわち、絶縁である、または誘電である)。基板(2)のための好適なポリマーは、アクリロニトリル・エチレン・スチレン(AES)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート(ASA)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、高流量AES、アクリルニトリル-(エチレン-プロピレン-ジエン)-スチレン(AEPDS)、熱可塑性プラスチックの混合物、またはPC-ABS混合熱可塑性プラスチックを含む(しかしながら、これらに限定されない)。いくつかの実施形態において、電波透過性基板(2)は、ポリカーボネートまたはポリプロピレンで形成されることになる。
装飾コーティング
[0071]装飾コーティング(5)の装飾層(6)は、好ましくは、反射層であり、また、好ましくは電波透過性でありながらも所望の反射性または外観を提供する任意の好適な金属または金属を含む合金を含む。いくつかの実施形態において、装飾層(6)を形成する金属は、遷移金属である。いくつかの実施形態において、装飾層(6)を形成する金属は、インジウムまたはスズである。
[0072]装飾層(6)が金属を含む合金であるいくつかの実施形態において、合金は、アルミニウム、スズ、インジウム、またはクロムの群から選択される金属を含む。いくつかの実施形態において、装飾層(6)は、半金属を含む。半金属は、シリコン、ボロン、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、および/またはテルルを含む。特に好ましい実施形態において、半金属は、ゲルマニウムまたはシリコンである。最も好ましい実施形態において、半金属は、ゲルマニウムである。好適な半金属/金属合金としては、ゲルマニウムおよびアルミニウムおよび/もしくはシリコン、または、ゲルマニウムおよびシリコン、または、ゲルマニウムおよび銀および任意選択的にシリコン、または、ゲルマニウムおよびインジウムおよび任意選択的にシリコン、または、クロムおよびゲルマニウムおよび/もしくはシリコンが挙げられる。いくつかの明白な実施形態において、合金は、シリコンおよびアルミニウムではない。
[0073]金属合金がゲルマニウムを含む実施形態において、ゲルマニウムの濃度は、少なくとも25重量%ゲルマニウム、または少なくとも40重量%ゲルマニウム、または少なくとも45重量%ゲルマニウム、または少なくとも50重量%ゲルマニウム、または少なくとも55重量%ゲルマニウムであり得る。
[0074]金属からなる、または金属を含む合金からなる装飾層(6)などの薄膜層を提供するための方法は、当該技術分野において知られている。しかしながら、好ましくは、装飾層(6)は、物理蒸着(PVD)によって堆積される。好適なPVD法は、マグネトロンスパッタリング、および抵抗性熱蒸発または電子ビーム蒸発であり得る蒸発を含む。いくつかの実施形態において、装飾層(6)は、追加的にまたは代替的に、好ましくは装飾層(6)を化合物の形態で作成するために、特に、反応性ガスおよび/またはモノマーの使用を含む、マグネトロンスパッタリングおよび/または反応性スパッタリングによって堆積される。
[0075]いくつかの実施形態において、装飾コーティング(5)は、装飾層(6)が1つまたは複数の追加の層に当接した状態で、複数の層を含む。いくつかの実施形態において、装飾コーティング(5)の複数の層は、結合層を含む。典型的には、結合層は、基板に直接的に当接することになり、したがって、多層スタック内の第1層を形成することになる。例えば、ハードコート層(7)は、装飾コーティング内のさらなる層の追加の前に、基板(2)の第1表面(3)に提供され得る。そのようなハードコート層(7)は、基板(2)への装飾層(6)の結合強度を向上させ、以て、コーティング(5)の基板(2)からの剥離の可能性を低減するように作用する。ハードコート(7)はまた、好ましくは電波透過性の装飾層(5)の全体的な残留応力に影響を及ぼし得、そのようなものとして、少なくとも部分的に、応力制御層として作用し得る。
[0076]いくつかの実施形態において、好ましくは電波透過性の装飾的コーティング(5)は、好ましくは電波透過性の装飾層(6)の下にあり得るか、または上にあり得る応力制御層を含む。したがって、図1、図2、図4、図5、および図6に例証されるように、応力制御層(8)は、装飾層(6)の第1側面(好ましくは、第1表面)にある。
[0077]いくつかの実施形態において、図4および図5に例証されるように、好ましくは電波透過性の装飾コーティングは、装飾層(6)の下に応力制御層(8)を含み得る。これらの実施形態において、応力制御層(8)は、好ましくは電波透過性の基板と装飾層(6)との間にある。応力制御層は、好ましくは電波透過性の基板(2)の第1表面(3)上のハードコート(7)の上、および装飾層(6)の下に位置付けられ得る。
[0078]いくつかの実施形態において、好ましくは電波透過性の装飾コーティング(5)の複数の層は、少なくとも1つの誘電体層を含み、この例示された実施形態では、この誘電体層は、応力制御層(8)である。しかしながら、誘電体層は、装飾コーティング(5)の視覚的特性も変更し得る。これは、特に、複数の装飾層(6)または最上誘電体層(8)を伴う実施形態において関連がある(図1、図2、図4、図5、および図6)。薄膜堆積のための好適な誘電体は、当該技術分野において知られており、二酸化ハフニウム(HfO)、酸化アルミニウム(Al)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化チタン(TiO)、および二酸化シリコン(SiO)などの酸化物を含む。好ましい形態では、誘電体層は、二酸化シリコン(SiO)である。
[0079]いくつかの実施形態において、好ましくは電波透過性の装飾コーティング(5)は、少なくとも2つの誘電体層(8)の間に、金属または金属を含む合金からなる少なくとも1つの層(6)を含む(図4および図5を参照)。追加的に、図5に例証される実施形態において、装飾コーティング(5)は、交互の誘電体層(8)の間に挟まれた2つの装飾層(6)を含む。これらの多層スタックは、好ましくは電波透過性の装飾コーティング(5)の調整を、その色および残留応力を含め、可能にする。
[0080]異なる視覚的外観は、複数のスタック層を含む、好ましくは電波透過性の装飾コーティングを提供することによって達成可能であり得る。可能性のある多層スタックの例としては、以下が挙げられる。
・SiO:AlGe:SiO:AlGe:SiO
・SiO:CrGe:SiO:CrGe:SiO
・AlGe:SiO:AlGe:SiO
・CrGe:SiO:CrGe:SiO
・AlSi:SiO:AlSi:SiO
[0081]そのような視覚的スタックは、好ましくは電波透過性の装飾コーティング(5)の残留応力を所望のウィンドウ内で最適化するために応力制御層を含み得る。好ましくは、この応力ウィンドウは、-120MPa以上、または-70Mpa以上、または-50Mpa以上、または-40MPa以上である。応力を制御するための好適な材料は、さらなる二酸化シリコン層などの誘電体層を含み、これは、装飾コーティングの視覚的外観を変更することなく、所望の応力範囲を提供するように(例えば、厚さおよび堆積条件を変更することによって)調整され得る。
保護ハードコート
[0082]カバー要素、特にレドームの本質的な機能は、環境からの、システム、特にレーダ設備に対する保護を提供することである。そのようなものとして、当該要素、特にレドームは、劣化、摩耗、および損傷の影響を受けやすい。この暴露は、当該要素、特にレドームが、比較的高い速度、研磨、飛んでくる物体、ならびに洗浄に使用される化学物質に日常的に暴露される車両の前部に位置付けられるときにさらに増幅される。
[0083]結果として、本発明の好ましい実施形態において、装飾コーティング(5)の最外層は、保護ハードコート(9)である。この点に関して、「ハードコート」であると言われるコーティングは、下にある層よりも硬く、より強靭性のある(例えば、化学的強靭性のある)コーティングであり、これにより、当該要素、特にレドームの耐摩耗性、環境損傷に対する耐性、または耐化学性を増大させる。
[0084]上で論じられるように、装飾コーティング(5)の中間層もまた、ハードコート層(7)を含み得る。これは、保護ハードコート(9)と同じ材料または異なる材料のハードコートであり得る。
[0085]いくつかの実施形態において、ハードコートは、表面の耐摩耗性を増大させる。耐摩耗性は、ASTM F735「振動砂法を用いた透明プラスチックと被膜の耐摩耗性の標準試験法」、テーバー摩耗試験機による、または既知のスチールウール試験を用いることによる、ASTM D4060「有機被膜の耐摩耗性のための標準試験法」などの標準試験を通じて測定され得る。
[0086]装飾要素、特にレドームなどの多くの自動車外装部品の要件は、「耐化学性」であることであり、これは、ディーゼル油、石油、電池酸、ブレーキ液、不凍剤、アセトン、アルコール、自動変速機油、作動油、およびアンモニアベースの窓クリーナなどの通常の溶剤への暴露に耐える能力への言及である。この点に関して、ハードコート(7、9)は、理想的には、当該要素、特にレドームの少なくとも第1表面にそのような耐化学性を提供すると理解されるものとする。
[0087]ハードコート(7、9)は、好ましくは、1つまたは複数の耐摩耗層から形成され、下にある層にしっかりと結合して後続の上層のために好ましい表面を形成する下塗層を含み得る。下塗層は、任意の好適な材料によって提供され得、例えば、アクリルポリマー、アクリルモノマーおよびメタクリロキシシランのコポリマー、またはメタクリルモノマーおよびベンゾトリアゾール基もしくはベンゾフェノン基を有するアクリルモノマーのコポリマーなどの有機樹脂であり得る。これらの有機樹脂は、単独で、または2つ以上の組み合わせで使用され得る。
[0088]ハードコート層(7、9)は、好ましくは、有機シリコン、アクリル、ウレタン、メラミン、またはアモルファスSiOかなる群から選択される1つまたは複数の材料から形成される。
[0089]市販のハードコーティングは、Momentive製品:PHC-587B、PHC-587C2、PHCXH100P、AS4700F、UVHC 5000(UV硬化される)、および、PR660(SDC Technologies)の下塗を含み、続いてMP101(SDC Technologies)でコーティングされる二部製品を含む。
[0090]最も好ましくは、ハードコート層(7、9)は、有機シリコン層であるが、それは、その優れた耐摩耗性、および物理蒸着膜との適合性に起因する。例えば、有機シリコンポリマーを含むハードコート層は、以下の化合物:メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトラセトキシシラン(vinyltracetoxysilane)、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、ガンマ-クロロプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-クロロプロピルトリエトキシシラン、ガンマ-クロロプロピルトリプロポキシシラン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマ-(ベータ-グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、ベータ-(26,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ベータ-(26,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ガンマ-メタクリルオキシプロピルトリメソシキシラン(gamma-methacryloxypropyltrimethyoxysilane)、ガンマ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-アミノプロピルトリエトキシシラン、ガンマ-メラプトプロピルトリメトキシシラン(gamma-meraptopropyltrimethoxysilane)、ガンマ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N-ベータ(アミノエチル)-ガンマ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ベータ-シアノエチルトリエトキシシラン、および同様のものなどのトリアルコキシシランまたはトリアシロキシシラン、ならびに、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラン、ガンマ-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ-クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ガンマ-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、ガンマ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ガンマ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、および同様のものなどのジアルコキシシランまたはジアシルオキシシランから選択される化合物で形成され得る。
[0091]ハードコート層(7、9)は、液体内での浸漬コーティングに続く溶剤蒸発によって、または好適なモノマーによるプラズマ強化化学蒸着(PECVD)、フローコーティング、またはスプレーコーティングによって被覆され得る。ハードコート(7、9)の耐摩耗性を向上させるため、ハードコートの後続コーティングが、先のコーティングの経年劣化および汚染を回避するように好ましくは48時間以内に、追加され得る。
[0092]ハードコート層(7、9)の厚さは、好ましくは、適切な耐摩耗性を提供することを支援するように、または好ましくは電波透過性の基板(2)への後続層の結合を向上させるように選択される。適切な耐摩耗性は、要求される用途およびユーザの要望によって決定されることになる。いくつかの用途において、適切な耐摩耗性は、コーティングされていない好ましくは電波透過性の基板(2)(ポリカーボネートなど)に対して5のバイエル摩耗率であるか、または代替的に、500サイクルでの500g荷重およびCS10Fホイールによる試験後に15%未満のデルタヘイズ(%ヘイズはASTM D1003により測定される)でのテーバー摩耗試験による、と見なされ得る。これらの要件が満たされると、有機シリコンがハードコート層(7、9)として使用されるとき、ハードコートの厚さは、好ましくは、平均で最小少なくとも1μm厚であり、および/または25μm厚の最大厚さを有する。いくつかの実施形態において、第1表面(3)に提供されるハードコート層(7)の厚さは、1μm~15μmである。いくつかの実施形態において、第1表面(3)に提供されるハードコート層(7)の厚さは、2μm~10μm、または2μm~9μmである。いくつかの実施形態において、保護ハードコート層(9)の厚さは、5μm~25μmである。いくつかの実施形態において、保護ハードコート層(9)の厚さは、8μm~20μm、または8μm~16μmである。
[0093]保護ハードコート(9)はまた、装飾層(6)の外観を修正し得る。図2に例証されるように、保護ハードコート(9)は、反射可視光を散乱させるために添加剤を含む。結果として、装飾層(6)は、外面上の「サテン」外観を有する。
[0094]上で論じられるものへのさらなるコーティングが、当該要素、特にレドーム(1)の表面性質を修正するために装飾コーティング(5)の第1表面に適用され得る。例えば、キャップ層も、疎水性、親水性、疎油性、脂溶性、および撥油性、またはそれらの組み合わせを含む特性を有する材料によって提供され得る。
コーティング残留応力
[0095]残留応力の重要性、残留応力を制御することにおける界面層の使用、および残留応力パラメータの決定は、各々「PLASTIC AUTOMOTIVE MIRRORS」と表題の付いた、WO2011/075796および米国特許第US9,176,256 B2号に説明され、これらの各々は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0096]装飾コーティング(5)の層間、および装飾コーティング(5)と基板(2)との間の高応力下の界面は、理想的には、故障の地点になる高い応力領域を防ぐために回避されなければならない。例えば、圧縮層は、反対方向に引く引張層に対抗する一方向へ引き、界面応力を生成する。この界面応力を制御すること(それを低減すること)によって、装飾コーティング(5)の強靭性が向上され得るということが見出されている。
[0097]故に、本発明者らは、差応力が最小限にされるように、装飾コーティング(5)の内部応力パラメータを制御することが好ましいということを見出した。本発明者らは、正味残留応力が-120MPaを上回るように、装飾コーティング(5)の内部応力パラメータを制御することが好ましいということもさらに見出した。いくつかの実施形態において、正味残留応力は、-70Mpaを上回る、または-50Mpaを上回る、または-40MPaを上回る。いくつかの好ましい実施形態において、正味残留応力は、中立であるか、または引張である(すなわち、0MPaを上回る)。特に、アルミニウムおよびゲルマニウムの装飾層(6)を含む装飾コーティング(5)に関しては、正味残留応力は、-120MPaを上回る、または-50Mpaを上回る、または-40MPaを上回る。装飾層(6)がクロムおよびゲルマニウムである装飾コーティング(5)の実施形態において、正味残留応力は、-70Mpaを上回る、好ましくは最大+170Mpaであることが好ましい。
[0098]内部応力パラメータを制御することができるということに関して、理想的には、コーティング系全体の応力が、大きさおよびモードの両方において制御されることになる。用語「残留応力」は、保護ハードコート(9)を含む場合とそうでない場合とがある装飾コーティング(5)を形成する複数の層の組み合わせた応力を意味するととられるものとする。好ましい実施形態において、残留応力は、保護ハードコート(9)を伴って測定または計算される。
[0099]装飾コーティング(5)内の測定した残留応力の制御を可能にする様式で装飾要素、特にレドームを製造するために、本発明者らは、個々の層の応力範囲を知ることが有益であり、その結果として、それらが組み合わされるとき、所望の測定された残留応力を結果としてもたらすということを決定した。
レドーム減衰および技術特性
[0100]本発明の装飾レドームは、10MHz~3000GHzの電磁周波数を実質的に減衰しない。具体的には、いくつかの実施形態において、レドームは、信号経路にわたって一方向に2dB(双方向に4dB)未満、好ましくは、信号経路にわたって一方向に1dB(双方向に2dB)未満のレーダ減衰を有する。さらに、金属または金属および半金属の合金を含む装飾層(6)は、原位置で10オーム/スクエア(Ω/□)より大きいシート抵抗を有する。装飾層(6)の表面抵抗率は、JIS K7194に従った4点プローブを使用した4点法を使用して決定され得る。
[0101]レーダ信号がレドーム(1)を通過する際に、レーダ信号の屈折を最小限にするため、前面および後面は、平行または実質的に平行でなければならない。さらに、レドーム(1)の内側は、隙間、気泡、または水侵入などの材料密度における著しい変化が存在してはならず、装飾層(5)は、均一の厚さのものでなければならない。
[0102]電波減衰および反射率は、ユーザの要件、用途、使用される周波数、および使用されている設備によって決定されることになる。しかしながら、いくつかの実施形態において、1.575GHz、2.0Ghz、および/または76~81GHzの特定の動作周波数で、最大で一方向に2dB(双方向に4dB)減衰が存在することになる。いくつかの実施形態において、1.575GHz、2.0GHz、24GHz、77GHz、または79GHzで、2dB未満、好ましくは一方向に1.5dB未満の減衰が存在することになる。いくつかの実施形態において、76~81GHzの特定の動作周波数で、最大で一方向に1dB(双方向に4dB)減衰が存在することになる。いくつかの実施形態において、1.575GHz、2.0GHz、24GHz、77GHz、または79GHzで、一方向に1dB未満の減衰が存在することになる。
レーダシステム
[0103]いくつかの実施形態において、本発明は、電波送信機(10)、電波受信機(10)、および本明細書に説明されるような装飾レドーム(1)を含む、図7に例証されるようなレーダシステムを提供する。
[0104]レドーム(1)は、電波受信機および送信機の両方(1つのデバイスへと統合され得る)の電波経路内に存在し得るか、または、送信機と関連付けられたレドーム、および受信機と関連付けられた別のレドームが存在し得る。
[0105]基板は、電波信号がレドーム(1)を通過する際に、電波信号を減衰する。この減衰の一部分は、送信機から発する電波がレドームを通過するときの基板(2)の第1表面(3)からの電波信号の反射の産物である。結果的に、反射の結果としての減衰は、電波信号の波長に関連した基板(2)(およびコーティング)の厚さによって決定される。基板を通る電波の波長は、基板の誘電体実誘電率により様々である。したがって、最小減衰を提供する基板厚は、式
Figure 2022552516000003
によって決定され、式中、mは整数であり、λiは、電波送信機から送信される電波の、基板を通る波長であり、この電波送信機に合わせてレドームが設計される。結果的に、いくつかの実施形態において、レドーム基板の厚さは、
Figure 2022552516000004
の倍数である。
[0106]車両内のレーダシステムは、典型的には、物体の視線検出を提供するためにマイクロ波を使用する。自動車のために現在多くの場合に使用されている3つの周波数は、24GHz、77GHz、および79GHzである。近年、77GHzおよび79GHzが、使用される優位周波数になっており、それは、これらの周波数が、24GHz周波数と比較して向上した範囲および分解能を提供するためである。具体的には、77GHzは、高さおよび幅が3倍小さい(たった9分の1の面積を有する)アンテナサイズを使用しながら、24GHzよりも3倍高い分解能で物体を識別することができる。しかしながら、1.575GHzおよび/または2.0GHzの周波数を使用したレーダシステムも、ますます一般的になってきている。
[0107]24GHzを使用するレーダシステムは、24.05GHz~24.25GHzの200MHzにわたる狭帯域(NB)、21.65GHz~26.65GHzの5GHzにわたる超広帯域(UWB)の両方を利用し得る。
[0108]ヨーロッパ電気通信標準化協会(ETSI)および米国連邦通信委員会(FCC)によって開発されたスペクトル規制および規格が理由で、UWB帯域の使用は、欧州および米国の両方において、2022年までに廃止されることになる(「停止日」)。
[0109]24GHz NBおよびUWBは、71~81GHzの周波数で置き換えられており、76~77GHz範囲は、長距離レーダ(LRR)を表し、77~81GHzは、短距離レーダ(SRR)を表す。77~81GHz範囲は、最大4GHzの掃引帯域幅を提供し、これは、24GHz NBで利用可能な200MHzよりもはるかに大きい。
[0110]いくつかの実施形態において、レドームは、電波送信機(10)が20GHz~81GHzの周波数にある電波を送信するレーダシステムにおける使用のために設計される、またはこれにおいて使用される。いくつかの実施形態において、レドームは、電波送信機が76~81GHzもしくは76~77GHzの周波数にある電波を送信するか、または約77GHzであるか、または約79GHzであるレーダシステムにおける使用のために設計される、またはこれにおいて使用される。
[0111]減衰を最小限にするため、装飾レドームのいくつかの実施形態において、基板は、2mm~2.6mm厚である。いくつかの実施形態において、基板は、約1.15mm、2.3mm、または2.45mm厚である。
加熱された要素、特にレドーム
[0112]電波は、典型的には、水によって減衰され、特に、氷によって減衰される。さらには、装飾要素の表面への水および氷の堆積は、他の理由のために、例えば安全性および外観のために、望ましくない。したがって、当該要素、特にレドームの表面への氷形成を防ぐことが望ましい。結果的に、図6に例証されるように、本発明の装飾要素、特にレドーム(1)は、加熱素子(11)を含む層を含む。
[0113]当該要素、特にレドームとの使用に準拠した好適な加熱素子は、DE102014002438A1、DE10156699A1、US20180269569A1に開示され、これらは、あらゆる目的のためにそれらの全体がこの参照により本明細書に組み込まれる。
[0114]好ましい実施形態において、加熱素子(11)は、当該要素、特にレドームを実質的に網羅するネットワークを形成するために加熱素子基板(11)内に、埋め込まれ得る、または成形され得る埋め込み式抵抗線回路(12)を伴う、レーダ透過性ポリマーを備える。
[0115]加熱素子(11)は、好ましくは電波透過性の基板(2)と装飾コーティング(5)との間に提供され得る回路(12)を含むポリマー膜によって提供され得る。そのようなものとして、ポリマー膜(11)もまた、好ましくは電波透過性である必要がある。結果的に、ポリマー膜(11)は、好ましくは電波透過性の基板(2)について開示される任意の好適なポリマーで作製され得る。したがって、ポリマー膜(11)は、アクリロニトリル・エチレン・スチレン(AES)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート(ASA)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、高流量AES、アクリルニトリル-(エチレン-プロピレン-ジエン)-スチレン(AEPDS)、熱可塑性プラスチックの混合物、またはPC-ABS混合熱可塑性プラスチックを含む(しかしながら、これらに限定されない)群から選択されるポリマーで作製され得る。いくつかの実施形態において、回路(12)を含むポリマー膜(11)は、ポリカーボネートまたはポリプロピレンで形成されることになる。
[0116]代替的に、回路は、回路(12)が追加の層の必要なしに好ましくは電波透過性の基板(2)内に提供されるように、当該要素、特にレドーム(1)の好ましくは電波透過性の基板(2)内に埋め込まれ得るか、またはその中に成形され得る。
基板減衰
基板厚さ
[0117]76~77GHz帯域での電波の減衰に対する基板の影響を査定するため、およそ2、2.3、3、4.5、および6mm(実際の厚さ2.0、2.33、2.92、4.42、および5.84mm)にある裸の(コーティングされていない)ポリカーボネート試料を得て、Rohde-Schwartz(R&S(登録商標))QARシステム内で10度の傾斜角で、製造業者の指示通りに査定した。データを分析し、次いで、最良適合の線を、生成した結果に適用した。77Ghzでのポリカーボネートの仮定される誘電率は2.8である。
[0118]異なる誘電性基板は、異なる誘電率を有し、これが、基板にわたる電波の波長の変動を結果としてもたらす。ポリカーボネートは、77GHzで2.8の比誘電率(εr)を有し、したがって、基板を通る計算された波長は、2.328mmである。
[0119]図8に見られるように、減衰は、傾斜した正弦曲線の後に続き、減衰は、半波長の整数倍(すなわち、基板を通る電波の波長の0.5、1、1.5、2、2.5倍など)である基板厚さで周期的に最小にあり、最大減衰は、最小値からオフセットされた(すなわち、基板を通る電波の波長の0.75、1.25、1.75倍など)四分の一波長であった。さらに、正弦曲線にわたる平均減衰は、シートの厚さが増大するにつれて増大した。
[0120]車両におけるレドーム使用の他の設計要件の観点において、最適な厚さは、最小減衰、ならびに自動車車体部品としての使用のための適切なロバスト性、剛性、および重量を提供した2.3mmで選択された。
77GHz電波対79GHz電波の減衰
[0121]自動車レーダシステムにおいて使用される共通電波周波数での減衰を測定するため、2mm(図9A)および2.3mm(図9B)のポリカーボネート基板を、R&S(登録商標)QARシステムを使用して76-81GHz周波数にわたって、製造業者の指示通りに査定した。
[0122]図9Aに見られるように、76~77GHz周波数にわたる平均減衰は、ポリカーボネート基板が2mmであったとき、76~81GHz周波数にわたる平均減衰のおよそ117%であった。比較により、また図9Bに示されるように、76~77GHz周波数にわたる平均減衰は、ポリカーボネート基板が2.3mmであったとき、76~81GHz周波数にわたる平均減衰のおよそ83%であった。そのようなものとして、2mm基板と2.3mm基板との間の百分率変動は、76~77GHz周波数にわたる平均減衰が76~81GHz周波数にわたる平均減衰と比較されるとき、対立する方向であるとしても、17%であった。
[0123]しかしながら、実際の減衰における差は、基板が2mmであるときの0.14dBと比較して、基板が2.3mmであるときは、ほんの0.06dBであった。したがって、2.3mmは、77GHzおよび79GHz帯域の両方を使用するレーダシステムとの使用のための最も好適な選択のようである。
光沢メタリックの見た目
[0124]好ましくは電波透過性の装飾ポリマーシートを、以下のプロトコル通りに光沢メタリックの見た目を伴って準備した。
基板準備
[0125]洗剤洗浄、粗い洗い流し、細かい洗い流し、さらなる細かい洗い流し、乾燥、冷却、ならびに次いで浸漬コーティングおよびフラッシュオフからなる自動浸漬コーティングプロセスを使用して、Momentive PHC587Bのベースハードコート層を適用することによって、ポリカーボネート基板を準備した。浸漬コーティングプロセスは、ハードコートの厚さを制御するために精密な除去速度でロボット制御された。第1表面がハードコーティングされた基板を、10分間放置して、表面が実質的にタックフリーになるまで溶媒を蒸発させる。続いて、第1表面がコーティングされた基板を、硬化オーブン内で71分間130℃で硬化して、ハードコーティングされた基板を提供した。
装飾コーティング
[0126]アルミニウムおよびゲルマニウム合金またはインジウムの層、ならびに二酸化シリコン(SiO)の上側層を含む装飾コーティングを、以下のパラメータに従って堆積した。
Figure 2022552516000005
保護表面コーティング-透き通ったハードコート
[0127]光沢仕上げを提供するため、および装飾コーティングを保護するため、Momentive PHC587Bの保護表面ハードコート層を、装飾コーティングの上(保護ハードコート)層として適用した。これは、専用の薄膜コーティングスプレーブース内での自動スプレーコーティングプロセスによって完了された。第1表面がコーティングされた基板を、10分間放置して、表面が実質的にタックフリーになるまで溶媒を蒸発させる。続いて、第1表面がコーティングされた基板を、硬化オーブン内で71分間130℃で硬化して、保護ハードコーティングされた表面を提供した。
明るいサテンメタリックの見た目
[0128]好ましくは電波透過性の装飾的なポリマーシートを、以下のプロトコル通りのサテンメタリックの見た目を伴って準備した。
基板準備および装飾コーティング
[0129]第1表面ハードコーティングと、上に提示された「光沢メタリックの見た目」のために提示されるようなアルミニウムおよびゲルマニウムの合金またはインジウムの層ならびに二酸化シリコン層を備える装飾コーティングとをポリカーボネート基板に提供した。
保護表面コーティング-サテンハードコート
[0130]サテンメタリックの見た目を提供するため、可視光の拡散を結果としてもたらす添加剤を含んだ保護ハードコートを適用した。具体的には、以下のパラメータを使用した。
Figure 2022552516000006
機械試験
[0131]装飾コーティングされた要素、特にレドームが自動車目的での使用のために十分にロバストであるかどうかを査定するため、上で説明されるように準備された光沢メタリックの見た目およびサテンメタリックの見た目の試料に対して一連の耐久性試験を実施した。
[0132]実施された試験および結果は、以下の表3にまとめられる。
Figure 2022552516000007
コーティングされた基板の減衰
[0133]2.0、2.3、2.92、4.42、および5.84mmのポリカーボネートシートを、上に説明されるような光沢メタリックコーティングまたはサテンメタリックコーティングのいずれかでコートした。76~77GHz帯域内のレーダシングルの反射および減衰における基板厚さの効果を評価するため、コーティングされたポリカーボネートシートを、Rohde-Schwartz(R&S(登録商標))QARシステム内で10度の傾斜角で査定した。適用された装飾コーティングの厚さは、最大0.03mm厚であり得、2.03、2.33、2.95、4.45、および5.87mmの合計厚さを提供する。結果は、以下の表4に示される。
Figure 2022552516000008
[0134]上を見て分かるように、コーティングされた2.33mmポリカーボネートの一方向減衰および反射は、適用されたコーティングに基づいて著しく変化しなかった。さらに、最良の厚さは、1.1dBおよび1.18dB(光沢、サテン)の減衰、ならびに10%および9%(光沢、サテン)の反射で2.33mmであった。インジウムは、アルミニウムゲルマニウムよりも著しく良好である。
[0135]コーティングされた基板およびコーティングされていない基板の比較的な減衰は、図10に例証される(最良適合の正弦曲線を含むデータを生成した)。見て分かるように、コーティング(光沢またはサテン)の追加が、減衰を増大させる。しかしながら、2.33mmでの減衰は、依然として、自動車レーダシステムに必要とされるものに準拠したレベルにある。
視覚的特性
[0136]2ミリメートルおよび2.3mmポリカーボネート基板は、上に説明されるような光沢メタリックの見た目またはサテンメタリックの見た目を提供するためにコーティングされ、コーティングされた基板の中心における視覚的特性を、発光体A/2により測定した。
[0137]発光体A/2を用いて測定されるCIELAB色チャートは、図11に示され、反射の測定値(鏡面反射を含んだ「Rsin」および鏡面反射を除外した「Rsex」)は、以下の表5に提供される。
Figure 2022552516000009
[0138]鏡面反射および拡散反射光(Rsin)を含む反射性は、光沢メタリックの見た目の試料およびサテンメタリックの見た目の試料の両方について同等であった。しかしながら、2.3mm試料における反射性は、典型的には、2mm試料よりも高かった。これは、A4サイズの2mm試料と比較して、小さい刻板からなる2.3mm試料としてのコーティングプロセスのアーチファクトである可能性が高く、そのようなものとして、2.3mm試料は、堆積中、スプラッタ標的により近かった。
[0139]本明細書に説明されるすべての方法は、本明細書に別途示されるか、文脈により明白に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施され得る。任意およびすべての例の使用、または本明細書に提供される例示的言語(例えば、「など」)は、例となる実施形態をより明らかにすることだけを目的とし、特許請求された発明の範囲に対して本質的に制限を課さない。しかしながら、そのような実施形態は、特許請求された制限の対象であり得るか、またはそれが特許請求の範囲に含まれる場合には、追加の特徴と見なされ得る。本明細書内の言語は、いかなる特許請求されていない要素も必須として示すと解釈されるべきではない。
[0140]本明細書に提供される説明は、共通の特性および特徴を共有し得るいくつかの実施形態に関連する。1つの実施形態の1つまたは複数の特徴は、他の実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わせ可能であり得るということを理解されたい。加えて、実施形態の単一の特徴または特徴の組み合わせが、追加の実施形態を構成し得る。
[0141]本明細書で使用される見出し語は、読者の参照を容易にするためだけに含まれ、本開示または特許請求全体を通して見られる主題を限定するために使用されるべきではない。見出し語は、特許請求の範囲または特許請求制限を解釈することに使用されるべきではない。
[0142]当業者は、本明細書に説明される発明が、具体的に説明されるもの以外の変形および修正の影響を受けるということを理解するものとする。本発明は、すべてのそのような変形および修正を含むということを理解されたい。本発明はまた、本明細書内で言及される、または示される、ステップ、特徴、および/または機能のすべてを個々にまたは集合的に、ならびにステップまたは特徴のうちの任意の2つ以上の任意およびすべての組み合わせを含む。
[0143]本明細書全体を通して、文脈が別途要求しない限り、用語「備える(comprise)」、または「備える(comprises)」もしくは「備えること(comprising)」などの変形は、述べられた要素もしくは整数または要素もしくは整数の群の包含を示唆するが、任意の他の要素もしくは整数または要素もしくは整数の群の除外は示唆しないということを理解されたい。
[0144]また、本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が逆のことを既に述べていない限り、複数態様を含むということに留意されたい。
将来の特許出願は、本出願からの優先権に基づいて、またはこれを主張して、オーストラリアまたは海外において提出され得る。以下の暫定的な特許請求の範囲は、単に例を用いて提供され、いかなるそのような将来の出願において特許請求され得る範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。また、特徴は、本発明をさらに規定または再規定するように、後の日付において暫定的な特許請求の範囲に追加され得るか、またはそこから省略され得る。

Claims (40)

  1. 第1側面に第1表面および第2側面に第2表面を有する、好ましくは電波透過性の基板と、
    前記基板上の好ましくは電波透過性の第1表面装飾コーティングであって、前記装飾コーティングは、金属からなる、または、金属を含む合金からなる、装飾層を含む、第1表面装飾コーティングと
    を含む、装飾車両要素。
  2. 前記装飾コーティングの全体的な残留応力は、-120MPa以上、または-70Mpa以上、または-50Mpa以上、または-40MPa以上である、請求項1に記載の装飾要素。
  3. 前記装飾コーティングの前記全体的な残留応力は、中立または引張である、請求項1に記載の装飾要素。
  4. 金属を含む前記合金は、半金属をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装飾要素。
  5. 半金属は、ゲルマニウムまたはシリコンである、請求項4に記載の装飾要素。
  6. 前記金属合金は、ゲルマニウムを含み、ゲルマニウムの濃度は、少なくとも25重量%ゲルマニウム、または少なくとも40重量%ゲルマニウム、または少なくとも45重量%ゲルマニウム、または少なくとも50重量%ゲルマニウム、または少なくとも55重量%ゲルマニウムである、請求項5に記載の装飾要素。
  7. 前記装飾層は、最大100nm厚、または最大50nm厚、または最大40nm厚、または10nm~40nm厚、または20nm~40nm厚、または25nm~35nm厚、または約30nm厚である、請求項1~6のいずれか一項に記載の装飾要素。
  8. 前記装飾層は、アルミニウム、スズ、インジウム、銀、またはクロムの群から選択される金属を含む合金からなる、請求項1~7のいずれか一項に記載の装飾要素。
  9. 前記装飾層は、インジウムまたはスズの群から選択される金属からなる、請求項1~7のいずれか一項に記載の装飾要素。
  10. 前記装飾コーティングは、複数の層を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の装飾要素。
  11. 前記装飾コーティングの前記複数の層は、応力制御層および/または結合層を含み、前記応力制御層および/または結合層は、少なくとも1つの金属、少なくとも1つの金属合金、および/または少なくとも1つの誘電体層を含む、請求項10に記載の装飾要素。
  12. 前記応力制御層は、前記基板と前記装飾層との間にあるか、または前記応力制御層は、前記装飾層の前記第1側面上にある、請求項11に記載の装飾要素。
  13. 前記装飾コーティングの前記複数の層は、少なくとも1つの誘電体層を含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の装飾要素。
  14. 前記装飾コーティングの前記複数の層は、少なくとも2つの誘電体層の間に少なくとも1つの装飾層を含む、請求項10~13のいずれか一項に記載の装飾要素。
  15. 前記装飾コーティングは、少なくとも1つの保護ハードコート層を含み、好ましくは、前記保護ハードコート層は少なくとも部分的に、少なくとも1つの光散乱添加剤を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の装飾要素。
  16. 前記保護ハードコートを含む前記装飾コーティングの全体的な残留応力は、-120MPa以上、または-70Mpa以上、または-50Mpa以上、または-40MPa以上である、または0MPa以上である、請求項15に記載の装飾要素。
  17. 前記装飾コーティングは、前記基板の前記第1表面上に提供される、ハードコート層、特にベースハードコート層を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の装飾要素。
  18. 誘電体層が、金属または金属を含む合金からなる前記装飾層と前記基板との間に提供される、請求項1~17のいずれか一項に記載の装飾要素。
  19. ハードコート層が、前記装飾層と前記基板との間に提供される、請求項18に記載の装飾要素。
  20. 誘電体層が、前記装飾層と前記保護ハードコートとの間に提供される、請求項15または16に記載の装飾要素。
  21. 前記ハードコートは、有機シリコン、アクリル、ウレタン、メラミン、およびアモルファスSiOxCyHzからなる群から選択される材料を備える1つまたは複数の耐摩耗層を備える、請求項15~17、19または20のいずれか一項に記載の装飾要素。
  22. 前記誘電体層は、式SiOによって表されるか、または二酸化シリコンである、請求項13、14、18、および20のいずれか一項に記載の装飾要素。
  23. 前記装飾コーティングは、金属からなる、または金属を含む合金からなる、複数の誘電体層および/または複数の装飾層を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の装飾要素。
  24. 前記基板は、アクリロニトリル・エチレン・スチレン(AES)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート(ASA)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、高流量AES、アクリルニトリル-(エチレン-プロピレン-ジエン)-スチレン(AEPDS)、熱可塑性プラスチックの混合物、またはPC-ABS混合熱可塑性プラスチックからなる群から選択される、請求項1~23のいずれか一項に記載の装飾要素。
  25. 前記装飾要素は、加熱素子を含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の装飾要素。
  26. 前記加熱素子は、抵抗線を含む、請求項25に記載の装飾要素。
  27. 前記抵抗線は、ポリマー内に成形される、請求項25または26に記載の装飾要素。
  28. 前記抵抗線は、前記基板と前記装飾コーティングとの間に提供され得るポリマー膜内に成形される、請求項27に記載の装飾要素。
  29. 前記加熱素子は、アクリロニトリル・エチレン・スチレン(AES)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、アクリロニトリル・スチレン・アクリレート(ASA)、ポリアミド(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、高流量AES、アクリルニトリル-(エチレン-プロピレン-ジエン)-スチレン(AEPDS)、熱可塑性プラスチックの混合物、またはPC-ABS混合熱可塑性プラスチックからなる群から選択されるポリマー内にある、請求項27または28に記載の装飾要素。
  30. 前記加熱素子は、前記基板内に提供される、請求項25~27のいずれか一項に記載の装飾要素。
  31. 前記装飾要素は、信号経路にわたって4dB(双方向)未満および/または1.5dB(一方向)未満の電波信号減衰を有する、請求項1~30のいずれか一項に記載の装飾要素。
  32. 前記装飾要素は、信号経路にわたって2dB(双方向)未満および/または1dB(一方向)未満の電波信号減衰を有する、請求項1~30のいずれか一項に記載の装飾要素。
  33. 前記装飾層は、10オーム/スクエア(Ω/□)よりも大きいシート抵抗を有する、請求項1~32のいずれか一項に記載の装飾要素。
  34. 前記基板は、2mm~2.6mm厚である、請求項1~33のいずれか一項に記載の装飾要素。
  35. 前記基板は、約1.15mm、2.3mm、または2.45mm厚である、請求項1~33のいずれか一項に記載の装飾要素。
  36. 前記基板は、2mm~2.6mm厚である、請求項1~33のいずれか一項に記載の装飾要素。
  37. 前記要素は、少なくとも部分的に、少なくとも1つのレドーム、少なくとも1つのハンドル、少なくとも1つの制御パネル、少なくとも1つのドアハンドル、少なくとも1つのトリム、少なくとも1つの装飾用細長片、少なくとも1つの装飾パネル、少なくとも1つの装飾カバー、少なくとも1つの鏡面、少なくとも1つのドア波要素を形成する、請求項1~36のいずれか一項に記載の装飾要素。
  38. 電波送信機、電波受信機、および請求項1~37のいずれか一項に記載の装飾要素、特にレドームを含む、レーダシステム。
  39. 前記要素の基板の厚さは、
    Figure 2022552516000010
    の倍数であり、λiは、前記電波送信機から送信される電波の、前記基板を通る波長である、請求項38に記載のレーダシステム。
  40. 前記電波送信機は、1.575GHz±200MHz、2.0GHz±200MHz、20~81GHz、または76~81GHz、または76~77GHzの周波数にある電波を送信するか、または約77GHzであるか、または約79GHzであるか、または約81GHzである、請求項38または39に記載のレーダシステム。
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