本明細書では、以下の定義が用いられる。細長い医療デバイス(EMD:elongated medical device)という用語は、カテーテル(例えば、ガイド・カテーテル、マイクロ・カテーテル、バルーン/ステント・カテーテル)、ワイヤ・ベース(ワイヤ状)のデバイス(ガイド・ワイヤ、塞栓コイル、ステント・レトリーバー等)、及びこれらの組合せを有するデバイス(装置)を指すが、これらに限定されない。ワイヤ・ベースのEMDには、ガイド・ワイヤ、マイクロ・ワイヤ、塞栓コイル用の近位プッシャー、ステント・レトリーバー、自己拡張型ステント、及びフロー・ダイバーターが含まれるが、これらに限定されない。典型的には、ワイヤ・ベースのEMDは、その近位端末にハブ又はハンドルを有しない。一実施形態では、EMDはカテーテルであって、カテーテルの近位端にハブを有するとともに、ハブからカテーテルの遠位端に向かって伸びるフレキシブルなシャフト(可撓性の軸)を有し、そのシャフトはハブよりも可撓性が高い。一実施形態では、カテーテルはハブとシャフトとの間で変わる中間部分を含むが、そこでは、ハブより剛性が低く、シャフトより剛性が高い中間の可撓性を有する。一実施形態では、中間部分は歪軽減(緩衝)部である。
遠位と近位という用語は、2つの異なる特徴の相対的位置を定義する。ロボット駆動部(ロボット・ドライブ)に関して、遠位及び近位という用語は、患者に対して意図された使用におけるロボット駆動部の位置により定義される。相対的な位置を定義するために使用する場合、遠位の特徴とは、ロボット駆動部が意図された使用の位置にあるとき、近位の特徴よりも患者に対してより近接したロボット駆動部の特徴のことである。患者内で、経路に沿ってアクセスポイントからさらに離れた任意の血管系(脈管構造)のランドマークとは、アクセスポイントに対してより近接したランドマークよりも遠位と考えることができ、この際、アクセスポイントとは、EMDが患者内に入る位置である。同様に、近位の特徴とは、ロボット駆動部が意図された使用の位置にあるとき、遠位の特徴よりも患者からより遠方の特徴である。方向を定義する際、遠位方向とは、ロボット駆動部が意図された使用の位置にあるとき、近位特徴から遠位特徴及び/又は患者に向かって何かが移動しているか、移動することが予定されているか、又は、何かが向っているか、面している経路を指している。近位方向は、遠位方向の反対方向である。
メンバ又は部材(例えば、カテーテル・ベースで処置を行うシステム中のEMD又は他の構成要素)の縦軸(長手方向軸)という用語は、メンバの近位部分からメンバの遠位部分に向かう方向のことである。一例として、ガイド・ワイヤの長軸とは、ガイド・ワイヤの近位部からガイド・ワイヤの遠位部に向かう方向のことであるが、その際、ガイド・ワイヤが該当部分で非線形であっても構わないものとする。メンバの軸方向移動という用語とは、メンバの縦軸に沿ったメンバの変化を意味する。EMDの遠位端を、その長軸に沿って遠位方向に移動させ、又はさらに患者内又に移動させると、EMDは進行中となる。EMDの遠位端を、その長軸に沿って近位方向に移動して、患者から出るか、さらに外に移動させると、EMDは引き抜かれることになる。メンバの回転移動という用語は、メンバの局所的な縦軸を中心としたメンバの角度方向の変化を指す。EMDの回転移動は、加えられたトルクに基づいた縦軸を中心としたEMDの時計回り又は反時計回りの回転に相当する。
軸方向挿入という用語は、第1のメンバを、第2のメンバの縦軸線に沿って第2のメンバ内に挿入することを言う。横方向挿入という用語は、第1のメンバを、第2のメンバの縦軸に対して垂直な平面上の方向に沿って第2のメンバ内に挿入することを指す。このことは、ラジアル荷重又はサイド荷重とも呼ばれ得る。ピンチ(挟む)という用語は、メンバに対してEMDを取り外し可能に固定することであって、その結果、メンバが移動するときにEMDとメンバとが一緒に移動することを指す。非ピンチ(挟みの解除)という用語は、メンバが動くときにEMDとメンバとが独立して移動するように、メンバからEMDを解放することを意味する。クランプ(締め付ける)という用語は、メンバに対してEMDを取り外し可能に固定することであって、その結果、EMDの動きがメンバに対して拘束されるようにすることを指す。メンバは、グローバル座標又はローカル座標に関して固定することができる。非クランプ(締め付けの解除)という用語は、EMDが独立して移動することができるように、メンバからEMDを解放することを意味する。
グリップ(把持する)という用語は、駆動機構によるEMDに対する力又はトルクの適用であって、その結果、少なくとも1つの自由度でスリップを伴うことなくEMDの移動を生じさせることを指す。非グリップ(把持の解除)という用語は、EMDの位置がもはや制約されないように、駆動機構によるEMDに対する力又はトルクの適用の解除を意味する。1つの例では、2つのタイヤの間で把持されたEMDは、タイヤが互いに対して縦軸方向に移動するとき、その縦軸を中心として回転する。EMDの回転移動は、2つのタイヤの移動とは相違する。把持されるEMDの位置は、駆動機構によって制約される。バックル(座屈)という用語は、軸方向圧縮下で可撓性EMDの傾向であって、それが進行中の意図された経路又は縦軸から離れて曲げられることを指す。一実施形態では、軸方向の圧縮は、血管系内で案内(ナビゲーション)されるときの抵抗に応じて生じる。EMDがバックルする前に、EMDがサポートを伴わずに縦軸に沿って駆動され得る距離とは、本明細書では、デバイスがバックルする距離のことである。デバイスがバックルする距離とは、デバイスの剛性、ジオメトリ又は幾何学(直径を含むが、これに限定されない)、及びEMDに加えられる力の関数である。バックルすることによって、EMDは、意図された経路とは異なって、弓状部を形成する可能性がある。よじること(キンクする)とは、バックルの原因であって、その際、EMDの変形が非弾性的で、永久設定となることである。
頂部(トップ)、上部(アップ)、上方(アッパー)という用語は、一般的な方向のことであって、その方向は重力の方向とは逆であり得る。さらに、底部(ボトム)、下部(ダウン)、下方(ロワー)という用語は、一般的な方向のことであって、その方向は重力の方向であり得る。内側又は内向きという用語は、特徴の内側部分を意味する。さらに、外側又は外向きという用語は、機能の外側部分を意味する。滅菌インターフェースという用語は、滅菌ユニットと非滅菌ユニットとの間のインターフェース又は境界を意味する。例えば、カセットは、ロボット駆動部と少なくとも1つのEMDとの間の滅菌インターフェースであり得る。滅菌可能ユニットという用語は、(病原微生物が存在しない)滅菌可能な装置のことである。これには、カセット、消耗品ユニット、ドレープ、デバイス・アダプタ、及び滅菌可能な駆動モジュール/ユニット(電気機械的な構成要素を含むことがある)が含まれるが、これらに限定されない。滅菌可能なユニットは、患者、他の滅菌機器、又は医療処置の滅菌技術分野で用いられ得る他の任意のものと接触し得る。
オン・デバイス・アダプタ(on-device adapter)という用語は、駆動インターフェースを提供するためにMEDを解除可能に挟むことができる滅菌装置を指す。例えば、オン・デバイス・アダプタは、エンド・エフェクタ又はEMD捕捉装置(キャプチャ・デバイス)としても知られている。非限定的な一実施形態では、オン・デバイス・アダプタは、操作上ロボット制御されるコレットであって、EMDをその縦軸の周りに回転させて、EMDをコレットに対してピンチ及び/又は非ピンチさせて、及び/又はEMDをその縦軸に沿って移動させる。一実施形態では、オン・デバイス・アダプタは、ハブ駆動機構であって、例えば、EMDのハブ上に配置された従動ギヤ(ギア又は歯車ともいう)である。
図1は、一実施形態に係る例示的なカテーテル・ベースの処置システム10の斜視図である。カテーテル・ベースの処置システム10は、カテーテル・ベースの医療処置を操作するために用いることができ、例えば、経皮的冠状動脈インターベンション又は経皮冠動脈介入(PCI)(例えば、STEMIを治療するもの)、神経血管インターベンション処置(NVI)(例えば、緊急の大きな血管の閉塞(ELVO)を治療するもの)、末梢血管インターベンション処置(PVI)(例えば、重症の下肢虚血(CLI)用のもの)を行うために用いることができる。カテーテル・ベースの医療処置には、患者の疾患の診断を補助するために、1つ又は複数のカテーテル又は他の細長い医療デバイス(EMD)が使用される際に、診断用カテーテル法の処置が含まれ得る。例えば、カテーテル・ベースの診断手順の一実施形態の最中に、カテーテルを通して、1つ又は複数の動脈内に造影剤(コントラスト・メディア)を注入して、患者の血管系の画像を撮影する。また、カテーテル・ベースの医療処置は、カテーテル・ベースの治療処置(例えば、血管形成術、ステント留置、末梢血管疾患の治療、血餅除去、動脈静脈奇形治療、動脈瘤の治療等)を含み、その最中に疾患を治療するためにカテーテル(又は他のEMD)が用いられる。治療処置は、付加デバイス又は補助装置54(図2を参照)を含めることによって増強され得るが、例えば、血管内超音波(IVUS)、光干渉断層撮影(OCT)、フラクショナル・フロー・リザーブ(FFR)等を含み得る。なお、当業者であれば、特定の経皮的インターベンション・デバイス(介入装置)又はコンポーネント(部品)(例えば、ガイド・ワイヤの種類、カテーテルの種類等)が、実施対象の処置の種類に基づいて選択され得ることを認識できるであろう。カテーテル・ベースの処置システム10は、その処置で用いられる特定の経皮的インターベンション・デバイスに対応するために、微調整を行って、カテーテル・ベースの医療処置を任意の数で行うことができる。
カテーテル・ベースの処置システム10は、他の構成要素の中のうち、ベッドサイド(床側)ユニット20と制御装置(制御ステーション)26とを含む。ベッドサイド20は、患者12に隣接して配置されるロボット駆動部24と、位置決めシステム22とを備える。患者12は患者用の台(テーブル)18上で支持される。位置決めシステム22は、ロボット駆動部24の位置決め及び支持に用いられる。位置決めシステム22は、例えば、ロボットアーム、多関節アーム、ホルダ等でもよい。位置決めシステム22は、患者用の台18、ベース又はカートの一端に取り付けることができ、例えば、それらのレール上に取り付けることができる。位置決めシステム22の他端は、ロボット駆動部24に取り付けられる。患者用の台18の上に患者12が置かれるようにするため、位置決めシステム22は、(ロボット駆動部24とともに)外に移動されてもよい。患者用の台18の上に患者12が配置されると、位置決めシステム22は、処置のために、患者12に対してロボット駆動部24を配置又は位置決めするために使用され得る。一実施形態では、患者用の台18は、床及び/又は地面に対して固定されている台座17によって操作可能に支持される。患者用の台18は、台座17に対して、複数の自由度で移動することができ、例えば、ロール、ピッチ、ヨーに関して移動することができる。また、ベッドサイド20は、コントロール(制御部)及びディスプレイ(表示部)46を含み得る(図2を参照)。例えば、コントロール及びディスプレイは、ロボット駆動部24のハウジング上に配置することができる。
一般に、ロボット駆動部24は、適当な経皮的インターベンション装置及び付属品48(図2を参照)(例えば、ガイド・ワイヤ、カテーテルの様々な種類であって、バルーン・カテーテル、ステント・デリバリー・システム、ステント・リトリーバー、塞栓コイル、液体塞栓、吸引ポンプ、造影剤、薬剤、止血弁アダプタ、シリンジ、活栓、膨張装置を移送するための装置等を含むもの)を備えて、使用者又は操作者11が、制御ステーション26に配置されたコントロール及び入力等の様々な制御を操作することにより、ロボット・システムを介して、カテーテル・ベースの医療処置を行うことを可能にしてもよい。ベッドサイド・ユニット20と、特にロボット駆動部24は、本明細書に記載の機能をベッドサイド・ユニット20に備えるために、任意の数及び/又は組合せの部品を含み得る。制御ステーション26の使用者又は操作者11は、制御ステーションの使用者又は制御ステーションの操作者として参照することができ、本明細書では、使用者又は操作者と呼ぶ。ベッドサイド・ユニット20の使用者又は操作者は、ベッドサイド・ユニットの使用者又はベッドサイド・ユニットの操作者として参照することができる。ロボット駆動部24は、レール又は線形メンバ(線形部材、リニア・メンバともいう)60に取り付けられた複数のデバイス・モジュール32a-32dを含む(図3を参照)。レール又は線形メンバ60は、デバイス・モジュールを案内して、支持する。デバイス・モジュール32a-32dの各々は、カテーテル又はガイド・ワイヤ等のEMDを駆動するために用いられ得る。例えば、ロボット駆動部24を用いて、患者12の動脈内で、ガイド・カテーテル内と、診断用カテーテル内に、ガイド・ワイヤを自動的に供給するために用いることができる。EMD等の1つ又は複数の装置は、挿入点16にて患者12の身体(例えば、脈管)内に挿入されるが、例えば、イントロデューサー・シース(introducer sheath)(案内用鞘)を介して挿入される。
ベッドサイド・ユニット20は、制御ステーション26と通信しており、制御ステーション26の使用者の入力によって生成された信号を、無線又は有線で、ベッドサイド・ユニット20に送信して、ベッドサイド・ユニット20の様々な機能の制御を可能にする。後述するように、制御ステーション26は、制御コンピュータ・システム34(図2を参照)を含むか、又は制御コンピュータ・システム34を介してベッドサイド・ユニット20と接続されることができる。また、ベッドサイド・ユニット20は、制御ステーション26、制御コンピュータ・システム34(図2を参照)、又はその双方に対してフィードバック信号(例えば、ロード又は装填、速度、操作条件、警告信号、エラーコード等)を提供することができる。制御コンピュータ・システム34とカテーテル・ベース処理システム10の様々な部品との間の通信は、通信リンクを介して提供され得るが、それは、例えば、無線(ワイヤレス)接続、有線(ケーブル)接続、又は部品間で通信を可能にする任意の他の手段であり得る。制御ステーション26又は他の類似の制御システムは、ローカル(局部的)サイト(例えば、図2に示したローカル(局所的)制御ステーション38)又はリモート(遠隔的)サイト(例えば、図2に示したリモート(遠隔的)制御ステーション及びコンピュータ・システム42)のいずれかに配置されてもよい。カテーテル処置システム10は、同時に、局所的サイトの制御ステーション、局部的サイトの制御ステーション、又は遠隔的制御ステーションと遠隔的制御ステーションの双方によって操作され得る。局部的サイトでは、使用者又は操作者11及び制御ステーション26は、患者12及びベッドサイド・ユニット20が置かれる同じ部屋又はそれと隣接する部屋に配置される。本明細書では、局部的サイトとは、ベッドサイド・ユニット20と患者12又は被験体(例えば、動物又は死体)の位置であり、遠隔的サイトとは、ベッドサイド・ユニット20を遠隔的に制御するために用いられる制御ステーション26及び使用者又は操作者11の位置である。遠隔的サイトでの制御ステーション26(及び制御コンピュータ・システム)及び局所的サイトでのベッドサイド・ユニット20及び/又は制御コンピュータ・システムは、例えば、インターネットを介して、通信システム及びサービス36(図2を参照)を用いて通信されていてもよい。一実施形態では、遠隔的サイトと局所的サイト(患者)とは互いに離れており、例えば、同じ建物の中の異なる部屋に分かれたり、同じ都市の異なる建物に分かれていたり、異なる都市に分かれていたり、又は他の異なる場所に分かれていて、その際、遠隔的サイトは、局所的サイトでのベッドサイド・ユニット20及び/又は患者12に対して物理的なアクセスを有していないものとする。
制御ステーション26は、概して、カテーテル・ベースの処置システム10の様々な部品又はシステムを操作するために、使用者の入力を受信するように構成された1つ以上の入力モジュール28を含む。図示した実施形態では、制御ステーション26によって、使用者又は操作者11がベッドサイド・ユニット20を制御して、カテーテル・ベースの医療処置を行うことが可能になる。例えば、入力モジュール28は、ロボット駆動部24と接する経皮的介入装置又はインターベンション・デバイス(例えばEMD)を用いて、様々な作業をベッドサイド・ユニット20が行えるように構成されていてもよい(例えば、ガイド・ワイヤの前進、後退、又は回転、カテーテルの前進、後退又は回転、カテーテル上に位置するバルーンの膨張又は収縮、ステントの位置決め及び/又は展開、ステント・リトリーバ(回収装置)の位置決め及び/又は展開、コイルの位置決め及び/又は展開、カテーテル内への造影剤の注入、カテーテル内への液体塞栓の注入、カテーテル内への薬剤又は生理食塩水の注入、カテーテル上での吸引、又はカテーテル・ベースの医療処置の一部として実施され得る他の機能の任意のものを行う)。ロボット駆動部24は、経皮的介入装置を含むベッドサイド・ユニット20の部品の動き(例えば、軸方向移動及び回転方向移動)を生じさせるための様々な駆動機構を含む。
一実施形態では、入力モジュール28は、1つ又は複数のタッチ・スクリーン、ジョイスティック、スクロール・ホイール、及び/又はボタンを含むことができる。入力モジュール28に加えて、制御ステーション26は、追加のユーザ制御部(コントロール)44(図2を参照)を用いることができ、例えば、フット(足の)スイッチや音声指令用のマイクロホン等を用いることができる。入力モジュール28は、様々な部品及び経皮的介入デバイスを前進、後退、又は回転させるように構成されてもよく、例えば、ガイド・ワイヤ、1つ又は複数のカテーテル又はマイクロ・カテーテル等を操作する。ボタンには、例えば、緊急停止ボタン、乗算ボタン、装置選択ボタン及び自動移動ボタンが含まれ得る。緊急停止ボタンが押されると、電源(例えば、電力)が遮断されるか、又はベッドサイド・ユニット20に移される。速度制御モードでは、乗算ボタンの作用によって、入力モジュール28の操作に応じて、関連する部品の移動の速度を増減させる。位置制御モードでは、乗算ボタンによって、入力距離と出力指示距離との間でマッピングが変更される。装置選択ボタンによって、使用者又は操作者11が、ロボット駆動部24に装填された経皮的介入装置のうちのどれが、入力モジュール28によって制御されるのかを選択することを可能にする。自動移動ボタンによって、使用者又は操作者11からの直接的な指令を用いることなく、カテーテル・ベースの処置システム10が、経皮的介入装置に対してアルゴリズム的な動きを行うことを可能にする。一実施形態では、入力モジュール28は、タッチ・スクリーン(ディスプレイ30の一部でもよく、そうでなくてもよい)上に表示される1つ又は複数のコントロール又はアイコン(図示略)を含むことができ、作動すると、カテーテル・ベースの処置システム10の部品の操作を行えるようにする。また、入力モジュール28は、バルーン又はステントの制御を含むことができ、それによって、バルーンを膨張又は収縮させ、及び/又は、ステントを展開させてもよい。入力モジュール28の各々は、1つ又は複数のボタン、スクロール・ホイール、ジョイスティック、タッチ・スクリーン等を含むことができ、それによって、専用の制御が割り当てられた特定の1つ又は複数の部品を制御してもよい。さらに、1つ又は複数のタッチ・スクリーンには、1つ又は複数のアイコン(図示略)を表示することができ、それらは、入力モジュール28の様々な部分、又はカテーテル・ベースの処置システム10の様々な部品に関連し得る。
制御ステーション26は、ディスプレイ(表示装置)30を含むことができる。他の実施形態では、制御ステーション26は、2つ又は複数のディスプレイ30を含むことができる。ディスプレイ30は、制御ステーション26に位置する使用者又は操作者11に対して、情報又は患者特有のデータを表示するように構成されていてもよい。例えば、ディスプレイ30は、画像データ(例えば、X線画像、MRI画像、CT画像、超音波画像等)、血行動態データ(例えば、血圧、心拍数等)、患者記録情報(例えば、病歴、年齢、体重等)、病変又は処置の評価データ(例えば、IVUS、OCT、FFR等)を表示するように構成されていてもよい。さらに、ディスプレイ30は、処置に特有の情報(例えば、処置のチェックリスト、レコメンデーション、処置の期間、カテーテル又はガイド・ワイヤの位置、送られた薬剤又は造影剤の容量等)を表示するように構成されていてもよい。さらに、ディスプレイ30は、制御コンピュータ・システム34(図2を参照)と関連する機能を提供するために情報を表示するように構成されていてもよい。また、ディスプレイ30は、システムのユーザ入力性能の幾つかを提供するために、タッチ・スクリーン能力を含むことができる。
また、カテーテル・ベースの処置システム10は、撮像(イメージング)システム14を含む。撮像システム14は、カテーテル・ベースの医療処置(例えば、非デジタルX線、デジタルX線、CT、MRI、超音波等)と組み合わせて使用され得る任意の医療撮像システムでもよい。例示的な実施形態では、撮像システム14は、制御ステーション26と通信しているデジタルX線撮像装置である。一実施形態では、撮像システム14は、患者12に対して異なる角度位置で画像を得るために、患者12の周りで撮像システム14が部分的に又は完全に回転することを可能にする略C字状アーム(図1を参照)を含むことができる(例えば、矢状断像、尾側像、前後像等)。一実施形態では、撮像システム14は、X線源13と、イメージ増強装置としても知られる検出器(デテクタ)15とを有する略C字状アームを含む透視システムである。
撮像システム14は、処置中に患者12の適当な領域のX線画像を撮影するように構成することができる。例えば、撮像システム14は、神経血管状態を診断するために、頭部の1つ又は複数のX線画像を撮影するように構成することができる。また、撮像システム14は、カテーテル・ベースの医療処置中に1つ又は複数のX線画像(例えば、リアルタイム画像)を撮影するように構成することができ、それによって、制御ステーション26の使用者又は操作者11を支援して、処置中に、ガイド・ワイヤ、ガイド・カテーテル、マイクロ・カテーテル、ステント・レトリーバー、コイル、ステント、バルーン等を適切に位置決めできるようにしてもよい。1つの画像又は複数の画像は、ディスプレイ30上に表示することができる。例えば、画像をディスプレイ30上に表示して、使用者又は操作者11が、ガイド・カテーテル又はガイド・ワイヤを適切な位置まで正確に移動できるようにしてもよい。
方向を明確にするために、X軸、Y軸及びZ軸を有する直交座標系が導入されている。正のX軸は縦軸方向(軸方向)に向いている。即ち、近位端から遠位端への方向で、又は近位方向から遠位方向へ向いている。Y軸とZ軸は、X軸に対して横断面にあり、その際、正のZ軸は上向き、つまり重力とは反対方向に向いており、かつ、Y軸は、右手の法則(座標系の右手系)によって自動的に決定される。
図2は、例示的な実施形態に係るカテーテル・ベースの処置システム10のブロック図である。カテーテルの処置システム10は、制御コンピュータ・システム34を含み得る。制御コンピュータ・システム34は、物理的には、例えば、制御ステーション26の一部であってもよい(図1を参照)。制御コンピュータ・システム34は、概して、本明細書に記載の様々な機能を備えたカテーテル・ベースの処置システム10を提供するのに適した電子制御ユニットであってもよい。例えば、制御コンピュータ・システム34は、埋込型システム、専用回路、本明細書に記載の機能等を有するようにプログラムされた汎用システムであってもよい。制御コンピュータ・システム34は、ベッドサイド・ユニット20、通信システム及びサービス36(例えば、インターネット、ファイヤーウォール、クラウドサービス、セッション・マネージャ、病院ネットワーク等)、ローカル(局所的)制御ステーション38、追加の通信システム40(例えば、テレプレゼンス・システム)、リモート(遠隔的)制御ステーション及びコンピュータ・システム42、並びに患者センサ56(例えば、心電図(ECG)装置、脳波(EEG)装置、血圧計、体温モニタ、心拍モニタ、呼吸モニタ等)と通信している。また、制御コンピュータ・システムは、撮像システム14、患者用の台18、追加の医療システム50、造影剤(コントラスト)注入システム52、及び追加デバイス(補助装置)54(例えば、IVUS、OCT、FFR等)と通信している。ベッドサイド・ユニット20は、ロボット駆動部24、位置決めシステム22を含み、さらに、追加の制御装置とディスプレイ46とを含んでいてもよい。上述のように、追加の制御装置とディスプレイとは、ロボット駆動部24のハウジング上に配置することができる。介入デバイス及び付属品48(例えば、ガイド・ワイヤ、カテーテル等)は、ベッドサイド・システム20と接続する。一実施形態では、介入デバイスと付属品48とは、それぞれの追加デバイス54、即ちIVUSシステム、OCTシステム、及びFFRシステム等と接続する特殊なデバイス(例えば、IVUSカテーテル、OCTカテーテル、FFRワイヤ、造影剤用診断カテーテル等)を含むことができる。
様々な実施形態では、制御コンピュータ・システム34は、使用者の入力モジュール28(例えば、局所的制御ステーション38又は遠隔的制御ステーション42等の制御ステーション26(図1を参照))との相互作用に基づいて制御信号を生成するように構成され、及び/又は、制御コンピュータ・システム34に対してアクセス可能な情報に基づいて構成されて、それによって、カテーテル・ベースの処置システム10を用いて医療処置が行われるようにしている。局所的制御ステーション38は、1つ又は複数のディスプレイ30、1つ又は複数の入力モジュール28、及び追加のユーザーコントロール44を含む。遠隔的制御ステーションとコンピュータ・システム42とは、局所的制御ステーション38と同様の構成要素を含むことができる。遠隔的制御ステーション42と局所的制御ステーション38とは、それらに必要とされる機能に基づいて、相違していてもよく、かつ、調整されていてもよい。追加のユーザーコントロール44は、例えば、1つ又は複数の足入力コントロールを含むことができる。足入力制御によって、使用者は撮像システム14の機能を選択することができ、その際、X線のスイッチのオンとオフとを変えたり、異なる保存画像をスクロールしたりすることができる。他の実施形態では、足入力デバイスは、使用者が入力モジュール28に含まれるホイールをスクロールするようにマッピングされるデバイスを選択できるように構成されていてもよい。追加の通信システム40(例えば、音声会議、ビデオ(映像)会議、テレプレゼンス等)を用いて、操作者が、患者、医療スタッフ(例えば、血管撮影用部屋のスタッフ)、及び/又はベッドサイド近傍の機器と相互作用することを助けることも可能である。
カテーテル・ベースの処置システム10は、ここで明示されていない他のシステム及び/又は装置と接続されていたり、または、それらを含むように構成されていてもよい。例えば、カテーテル・ベースの処置システム10は、画像処理エンジン、データ保存及び記録システム、自動的なバルーン及び/又はステントの膨張システム、薬剤注入システム、薬剤の追跡及び/又はログのシステム、使用者ログ、暗号化システム、カテーテル・ベースの処置システム10に対するアクセス又は使用を制限するシステム等を含み得る。
上述のように、制御コンピュータ・システム34は、ベッドサイド・ユニット20と通信しているが、これは、ロボット駆動部24、位置決めシステム22を含み、さらに追加の制御装置とディスプレイ46とを含み、制御コンピュータ・システム34は、制御信号を、ベッドサイド・ユニット20に対して送信して、モーターと駆動機構との操作を制御して、経皮的介入装置(例えば、ガイド・ワイヤ、カテーテル等)を駆動させることができる。様々な駆動機構を、ロボット駆動部24の一部として設けることができる。図3では、一実施形態に係るカテーテル・ベースの処置システム10用のロボット駆動部の斜視図が例示されている。図3では、ロボット駆動部24は、線形メンバ60と連結された複数のデバイス・モジュール32a-32dを含む。各デバイス・モジュール32a-32dは、線形メンバ60に対して移動可能に取り付けられたステージ62a-62dを介して、線形メンバ60と結合されている。デバイス・モジュール32a-32dは、オフセット・ブラケット78a-78d等のコネクタを用いて、ステージ62a-62dと接続されていてもよい。他の実施形態では、デバイス・モジュール32a-32dは、ステージ62a-62dに対して直接的に取り付けられる。各ステージ62a-62dは、独立して駆動されて、線形メンバ60に沿って直線的に移動してもよい。従って、各ステージ62a-62d(及びステージ62a-62dと結合された対応するデバイス・モジュール32a-32d)は、互いに対して、かつ線形メンバ60に対して、独立して移動してもよい。駆動機構は、各ステージ62a-62dを作動させるために使用される。図3に示した実施形態では、駆動機構は、各ステージ62a-62dに連結された独立したステージ並進モーター64a-64dと、ステージ駆動機構76とを含み、例えば、回転型ナットを介したリード・スクリュー、ピニオンを介したラック、ピニオン又はプーリを介したベルト、スプロケットを介したチェーン、又はステージ並進モーター64a-64dは、線形モーター自体であってもよい。幾つかの実施形態では、ステージ駆動機構76は、これらの機構の組合せであってよく、例えば、各ステージ62a-62dは、異なる種類のステージ駆動機構を用いることができる。ステージ駆動機構がリード・スクリューと回転型ナットである一実施形態では、リード・スクリューを回転させて、各ステージ62a-62dをリード・スクリューと係合と解除とを行って、前進又は後退等の移動を可能にしてもよい。図3に示した実施形態では、ステージ62a-62dとデバイス・モジュール32a-32dとは、連続的な駆動構成である。
各デバイス・モジュール32a-32dは、駆動モジュール68a-68dと、カセット66a-66dとを含み、カセット66a-66dは、駆動モジュール68a-68dに対して取付けられて、結合されている。図3に示した実施形態では、各カセット66a-66dは、垂直方向で、駆動モジュール68a-68dに対して取り付けられている。他の実施形態では、各カセット66a-66dは、異なる取り付け方向で、駆動モジュール68a-68dに対して取り付けられていてもよい。各カセット66a-66dは、EMD(図示略)の近位部分と接して、支持するように構成されている。さらに、各カセット66a-66dは、線形メンバ60に沿って直線的に移動する対応するステージ62a-62dの作動から提供される線形移動に加えて、1つ又は複数の自由度を提供する構成要素を含んでいてもよい。例えば、カセット66a-66dは、それらカセットが駆動モジュール68a-68dと結合されたときにEMDを回転させるために使用され得る構成要素を含んでいてもよい。各駆動モジュール68a-68dは、追加の自由度を提供するために、各カセット66a-66d内の機構に対して駆動インターフェースを提供する少なくとも1つの連結器ー(連結器)を含む。また、各カセット66a-66dは、デバイス支持体79a-79dが配置されたチャンネルを含み、各デバイス支持体79a-79dは、EMDをねじれ(座屈)から防ぐように使用される。支持アーム77a、77b及び77cは、それぞれ、各デバイス・モジュール32a、32b及び32cに対して取り付けられていて、それぞれ、デバイス支持体79b、79c及び79dの近位端を支持するための定点を提供している。また、ロボット駆動部24は、デバイス支持体79、遠位支持アーム70及び支持アーム770に対して接続された装置支持接続部72を備えることができる。支持アーム770は、最も遠位のデバイス・モジュール32a内に収容された最も遠位のデバイス支持体79aの近位端を支持するための固定点を提供するために使用される。さらに、イントロデューサー・インターフェース支持体(リダイレクタ)74を、装置支持接続部72及びEMD(例えば、イントロデューサー・シース)に対して接続してもよい。ロボット駆動部24の構成は、単一の線形メンバ上でアクチュエーターを用いることによって、ロボット駆動部24の体積と重量とを減少させるという利点を有する。
患者が病原体で汚染されるのを防ぐために、医療スタッフは、ベッドサイド・ユニット20と、患者12又は被検者とを収容する部屋内で、無菌技術を用いる(図1を参照)。ベッドサイド・ユニット20と患者12とを収容する部屋は、例えば、カテーテル用ラボ又は血管撮影用部屋であってよい。無菌操作は、滅菌バリア、滅菌機器、適切な患者の準備、環境管理と接触ガイドラインの使用から成る。従って、すべてのEMD及び介入用付属品は滅菌されており、滅菌バリア又は滅菌装置とのみ接触可能となっている。一実施形態では、滅菌ドレープ(図示略)が、非滅菌ロボット駆動部24の上に配置される。各カセット66a-66dは滅菌されていて、ドレープされたロボット駆動部24と少なくとも1つのEMDとの間で滅菌インターフェースとして作用する。各カセット66a-66dは、一度だけの使用のために滅菌されるように構成されてもよく、又は、全体的又は部分的に、再度滅菌されるように構成されてもよく、それによって、カセット66a-66d又はその部品が複数の処置で使用できるようにしてもよい。
上記のように、レール又は線形メンバ60に沿った各デバイス・モジュール32a-32dの線形移動は、独立して制御されてもよい。一実施形態では、レール60に沿った異なるデバイス・モジュールの各々の線形移動の範囲は、重なり合うことができる。換言すると、異なるデバイス・モジュールが重なり合うようにレール60に沿って配置され得る位置の範囲は、異なるデバイス・モジュールが、同時にではないものの、異なる時間で同じ空間を占有できるようにされてもよい。一実施形態では、2つの連続したデバイス・モジュール(例えば、32a及び32b、32b及び32c、32c及び32d)は、線形移動の重複範囲を有することができる。他の実施形態では、非連続モジュール(例えば、32a及び32c又は32b及び32d)は、線形移動の重複範囲を有することができる。
上述のように、各デバイス・モジュール32a-32dの各カセット66a-66dは、EMDの近位部分とインターフェース(当接)して、支持するように構成される。様々な実施形態では、異なる数と種類のEMDをロボット駆動部24に利用することができ、その際、例えば、ロボット駆動部24を用いて実行される処置の種類に基づく。例えば、EMDは、第1のデバイス・モジュール32aの中に位置することができるが、第2のデバイス・モジュール32b、第3のデバイス・モジュール32c、及び第4のデバイス・モジュール32dは、埋め込まれない。様々な他の実施形態では、ロボット駆動部24を用いて、装着されるデバイス・モジュールの任意の組合せを実装することができ、例えば、第1のデバイス・モジュール32a及び第2のデバイス・モジュール32bにEMDを装着してもよく、第1のデバイス・モジュール32a及び第4のデバイス・モジュール32dにEMDを装着してもよく、第1のデバイス・モジュール32a、第2のデバイス・モジュール32b及び第3のデバイス・モジュール32cEMDを装着してもよく、第1のデバイス・モジュール32a、第3のデバイス・モジュール32c及び第4のデバイス・モジュール32dにEMDを装着してもよく、第1のデバイス・モジュール32a、第2のデバイス・モジュール32b及び第4のデバイス・モジュール32dにEMDを装着してもよく、第1のデバイス・モジュール32a、第2のデバイス・モジュール32b及び第4のデバイス・モジュール32dにEMDを装着してもよい。加えて、各デバイス・モジュール32a-32dは、異なる種類のEMDを受け取ることができるが、これには、シース(長いシースとも呼ばれる)、ガイド・カテーテル、バルーン・ガイド・カテーテル、ガイド・シース、診断用ガイド・ワイヤ(血管造影ガイド・ワイヤとしても知られる)、中間カテーテル、サポート・カテーテル、デジタル・アクセス・カテーテル、吸引カテーテル、マイクロ・カテーテル、デリバリー・カテーテル、ワイヤ・ベースEMD (例えば、ガイド・ワイヤ、マイクロ・ワイヤ、ステント・レトリーバー、塞栓コイル)等が含まれるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、組み込まれたデバイス・モジュールの特定の構成とEMDの特定の種類とは、処置の間中に変更されることができ、即ち、処置では、複数の構成を利用することができる。
ハブ駆動又は近位駆動とは、EMDを近位位置から保持し、操作することをいう(例えば、カテーテル・ハブ上のギヤ式アダプタ)。一実施形態では、ハブ駆動は、カテーテルを移動及び/又は回転させるために、カテーテルのハブに力又はトルクを伝えることを意味する。ハブ運転では、しばしば、典型的な医療用付加が加えられて、EMDをねじらせることがある。このため、ハブ駆動では、しばしば、EMD又は駆動機構の中に組み込まれる、追加のねじれ(バックリング)防止機能が必要とされることがある。ハブ又は他のインターフェース(例えば、ガイド・ワイヤ)を持たないEMDでは、一時的ハブとして作用するように装置に対して装置アダプタを追加してもよい。シャフト駆動とは、シャフト(軸)に沿ってEMDを保持し、操作することを指す。例えば、オン・デバイス・アダプタを、デバイスが挿入されるY型コネクタ又はハブのちょうど近位に配置することができる。オン・デバイス・アダプタの位置が(本体、又は他のカテーテル、又は弁に対する)挿入点の近くにある場合、シャフト駆動は、典型的には、ねじれ防止機能を必要としない(ただし、駆動能力を向上するためにねじれ防止機能を含むことは可能である)。この種類のシャフト駆動は、遠位駆動と呼ぶことができる。図3では、各駆動モジュール32a-32dは、EMDを駆動するように構成されている。しかしながら、後述する様々な実施形態では、ロボット駆動部24又は1つ/又は複数のデバイス・モジュール32a-32dは、シャフト駆動される1つ又は複数のEMDを提供するように構成することができる。上述のように、図3では、駆動モジュール32a-32dは、連続的な(シリアル)駆動構成(例えば、オーバーザワイヤ(OTW:over the wire))となっている。連続的な駆動構成又はレイアウトでは、アクチュエーター(又は駆動装置)を用いて、EMDをより遠位のEMDハブ内に駆動する。EMDは並列的な(パラレル)構成又はレイアウトで駆動することも可能である。並列的な構成又はレイアウトでは、連続的なアクチュエーター(又は駆動装置)を用いて、2つ又は複数のEMDを共通のEMDハブ内に駆動する。連続的な構成と並列的な構成とは、異なる組合せでまとめることができる。後述する様々な実施形態では、ロボット駆動部24及び/又は1つ又は複数の駆動モジュール32a-32dは、並列的な駆動構成(例えば、急速交換)中に、1つ又は複数の駆動モジュール32a-32d又はEMDを提供するように構成することもできる。
代替の実施形態では、各ステージ62a-62d及びデバイス・モジュール32a-32dを支持して、移動させるために、別々のレール又は線形メンバを使用してもよい。図4では、一実施形態に係るカテーテル処置システム用のロボット駆動部の一部の斜視図が示されている。ロボット駆動部25は、ステージ62aを用いて第1のレール又は線形メンバ80と結合されたデバイス・モジュール32a、ステージ62bを用いて第2のレール又は線形メンバ82と結合されたデバイス・モジュール32b、及びステージ62cを用いて第3のレール又は線形メンバ84と結合されたデバイス・モジュール32cを含む。第1のレール60、第2のレール82及び第3のレール84は、互いに対して平行である。第1のステージ移動モーター86は、第1のレール80に沿ってステージ62aを移動させるために使用され、第2のステージ移動モーター88は、第2のレール82に沿ってステージ62bを移動させるために使用され、第3のステージ移動モーター90は、第3のレール84に沿ってステージ62bを移動させるために使用される。図4に示した構成の1つの利点として、線形移動に使用されるステージ移動モーターが固定されている。従って、移動する駆動モジュール32a-32c及びステージ62a-62cの体積は減り、より有益な点へと位置を変える(即ち、モーメント負荷に反応するのを助けるために、レールの後方に向かう)。図71-図77を参照して後述する様々な他の実施形態では、複数の平行レールを有するロボット駆動部は、デバイス・モジュールが互いに対して通過することを可能にするように構成できる。
上述のように、各デバイス・モジュール32a-32dは、駆動モジュール68a-68dと、カセット66a-66dとを含むが、これらカセット66a-66dは、対応する駆動モジュール68a-68dに取り付けられて、結合されている。各カセット66a-66dは、駆動モジュール68a-68dに対して解放可能に結合されている。図5は、一実施形態に係るステージに取り付けられた駆動モジュールの斜視図であり、図6は一実施形態に係る駆動モジュールの側断面図である。図5及び図6を参照すると、駆動モジュールは、取り付け面92及び連結器(連結器ー)98を含む。モーター94は、例えばベルト96を介して連結器98と接続されている。モーター94及びベルト96は、連結器98の回転位置を変えるために使用されている。一実施形態では、連結器98は連結器の軸99の周りを回転する。駆動モジュール68は、装置位置フィードバック用のエンコーダー(図示略)を含んでいてもよい。図5及び図6に示した駆動モジュール68は、1つの連結器98を有するが、駆動モジュール68は、後述のように、1つ又は複数の連結器98と、1つ又は複数のモーター94とを有し得ることを理解されたい。連結器98の回転は、連結器98とインターフェース(当接)するように取付面92上に取付けられたカセット内に配置された細長い医療デバイスに対して別の自由度を付与するために使用されてもよい。例えば、連結器98は、カセット内の細長い医療デバイスを回転させるために使用されてもよい。代わりに、連結器98は、細長い医療デバイスを移動(進行、並進)させるために使用されてもよい。駆動モジュール68が、2つ又は複数の連結器98を有する場合、各連結器は、1つの細長い医療デバイス、又は同じ駆動モジュールに結合された複数の細長い医療デバイスに対して、異なる自由度を付与するために使用されてもよい。上述のように、カセット66(図3を参照)は、駆動モジュール68の取付面92上に配置することができ、カセット内に配置された細長い医療デバイスとインターフェース(当接)するために使用されてもよい。図100を参照して後述されているように、一実施形態では、駆動モジュール68は、取付面92上に1つ又は複数の追加の部品(図示略)を含むことができ、例えば、位置決めピン、位置合わせピン、係合ピン等を含ませて、駆動モジュール68上に取り付けられたカセット66上の部品と相互作用させて、駆動モジュール68に対するカセット66の解除可能な取り付けを可能にしてもよい。
図7は、一実施形態に係る例示的なカセットの斜視図である。図7では、カセット91はハウジング93を含む。ハウジングは、細長い医療デバイスを受け入れるように構成されたクレードル(受け台)95を含む。ベベルギヤ97は、駆動モジュールの連結器98(図5参照)とインターフェース(当接)して、細長い医療デバイスを回転させるために細長い医療デバイスとインターフェース(当接)するために使用される。他の実施形態では、線形自由度を提供するようにカセットを構成してもよいし、2つ又は複数の自由度を提供するようにカセットを構成してもよい。図8は、一実施形態に従って、駆動モジュールに取り付けられた例示的なカセットの上面図である。図8では、カセット101は、駆動モジュールの連結器98(図示略)に対して接続することができる一対のタイヤ103、105を含む。一対のタイヤ103、105は、チャネル107内に配置された細長い医療デバイスに対して線形移動を提供するために使用され得る。カセット101を含むデバイス・モジュールの一実施形態は、図66-図69を参照して後述される。図9は、一実施形態に従って、ステージに接続された駆動モジュールに取り付けられた例示的なカセットの上面図である。図9では、カセット111は、組立体(アセンブリ)の移動に加えて、2つの自由度を提供するように構成されている。例えば、カセット111は、回転を提供して、チャネル115内に配置された細長い医療デバイス113をつまむことと、つまみを解除することを提供するように構成されていてもよい。カセットのようなものは、例えば、2つ又は複数の連結器を有する駆動モジュールに対して取り付けることができる。カセット111と、2つ又は複数の連結器を含む駆動モジュールとを有するデバイス・モジュールの実施形態は、図43-図47を参照して後述される。図48及び図49を参照して後述される他の実施形態では、2つの個々の駆動モジュールが、互いに対して機械的又は電気的に結合されていても、カセット111に2つの自由度を提供することができる。
図1に示すように、例えば、導入器(イントロデューサー)及び導入器の鞘(シース)を用いて、1つ又は複数のEMDを、挿入点16で患者(例えば、容器)の体内に入れることができる。導入器の鞘は、典型的には、患者120(図10-図12を参照)内の血管の軸に対して、通常、45度未満の角度で配向されている。EMDが体内に入る場所(図10に示した導入器の鞘の近位開口部126)とロボット駆動部124の長手方向の駆動軸との間の任意の高さの差は、細長い医療デバイスの作用長さについて直接的に影響を及ぼし得る。配置又は角度の相違を補償するために、細長い医療デバイスが必要になるほど、ロボット駆動部が最大の遠位(前方)の位置にあるときに、細長い医療デバイスが体内に入り込むことがよりできなくなる。導入器の鞘と同じ高さと角度とで、ロボット駆動部を用いることが有益である。図10は、操作上の細長い医療デバイス軸と患者内への導入点とを示す略図である。図10では、導入器の鞘122の近位端126と長手方向の装置の軸との間の高さの差(d)123と、導入器の鞘122とロボット駆動部124の長手方向の装置の軸125との間の角度の差(θ)128とが示されている。細長い医療デバイス121は、各軸上で制約されて、接線方向に並んだ終点を有する曲線を作成する。この曲線の長さは、細長い医療デバイス121の長さを表すが、その際、ロボット駆動部124によってそれ以上前方へ駆動することができず、非整合(ミスアライメント)のために導入器の鞘122内に入ることができない。また、より高い角度(θ)128は、より高い装置の摩擦を導き得る。一般に、より低い角度の非整合(θ)128と、線形の非整合d123は、摩擦の減少と作動長さの損失の減少とをもたらし得る。図10は、1つの線形及び1つの回転のオフセットについて簡略化して例示しているが、この問題は3次元的に生じ、即ち、3つの線形のオフセットと、3つの回転のオフセットとが生じ得ることを理解されたい。また、ロボット駆動部124の厚さは、導入器の鞘122に対する長手方向の装置の軸125の位置を決定する際に役割を果たす。
図11a及び図11bは、駆動モジュール、又はロボット駆動部の厚さが、全体的に、作業長の損失に対して及ぼす影響を例示する図である。図11aは、ロボット駆動部124の上面と底面との間の距離(X)129によって示されるように、ロボット駆動部124が厚い場合の、符号d123によって示される、導入器の鞘122に対するロボット駆動部124の長手方向の装置の軸125の位置を示している。図11bは、ロボット駆動部124の上面と底面との間の距離(X)129によって示されるように、ロボット駆動部124が浅いとき、より短い符号d123によって示される、導入器の鞘122に対するロボット駆動部124の長手方向の装置の軸125の位置を示している。患者と導入器の鞘とに対して近づくためにロボット駆動部124の厚さを減少させると、導入器の鞘の軸と装置の軸との間の距離123を減少させて、細長い医療デバイスの作用長さの損失を減少させる。図12では、作用長さの損失を最小化するための例示的な方向が示されている。図12では、ロボット駆動部は、ロボット駆動部124の長手方向の装置の軸125を導入器の鞘122の軸に対して整合させるように位置決めされている。これにより、細長い医療デバイスの角度及び線形方向での非整合による作用長さの損失を解消することが可能になる。しかしながら、ロボット駆動部124のこの位置は、ロボット駆動部124の長さ及び大きさのために実用的でない場合が起こり得る。また、ロボット駆動部を鋭角に配向することは、その使い勝手に影響を及ぼして、細長い医療デバイスの装填と解除とを困難にするとともに、ロボット駆動部の調整及び取り扱いを困難にすることになり得る。
ロボット駆動部と患者との間の距離と、ロボット駆動部の長手方向の装置の軸と導入器の鞘との間の距離とを減少させるために、デバイス・モジュール3(図3を参照)のカセットを水平方向で駆動モジュールに取り付けることができる。図13は、一実施形態に従って水平に取り付けられたカセットを備えたデバイス・モジュールの斜視図であり、図14は、一実施形態に従って水平に取り付けられたカセットを備えたデバイス・モジュールの後方からの斜視図である。図13及び図14では、デバイス・モジュール132は、駆動モジュール140に対して水平に取り付けられたカセット138を含む。デバイス・モジュール132は、レール又は線形メンバ134に対して移動可能に取り付けられたステージ136に接続されている。駆動モジュール140は、カセット138に対して電力インターフェースを提供するために用いられる連結器142を含み、例えば、カセット内に配置された細長い医療デバイス(図示略)を回転させるために用いる。連結器142は、軸143を中心に回転する。カセット138を水平方向に取り付けることにより、カセット138が取り付けられる駆動モジュール140は、側部で離れて位置して、もはやカセット138と患者との間に位置しなくなる。図15は、一実施形態に従って、水平に取り付けられたカセットを有するデバイス・モジュールの遠位端部の正面図である。図15では、細長い医療デバイス144の装置の軸とデバイス・モジュール132の底面との間の距離146が示されている。カセット138の水平の装着によって、装置の軸の下で、かつ細長い医療デバイス144と患者との間に、駆動モジュール140を配置する必要性をなくすことができる。むしろ、カセット138の一部だけが、細長い医療デバイス138と患者との間に配置されている。また、カセット138を水平に装着することにより、細長い医療デバイスとデバイス・モジュール132の底面との間の距離146が短縮され、これによりロボット駆動部が患者に対してより近づくことが可能となり、細長い医療デバイスの作用長さの損失を減少できる。比較のため、図16では、一実施形態に係る垂直に取り付けられたカセットを備えたデバイス・モジュールの遠位端部の正面図が示されている。図16では、デバイス・モジュール132が示されているが、この際、カセット138は駆動モジュール140に対して垂直に取り付けられている。駆動モジュール140は、カセット138の下方にあり、細長い医療デバイス144の装置の軸とデバイス・モジュール132の底面との間の距離148を増大させる。これにより、装置の軸が導入器(図示略)に対して可能な限り近づくことを防止できる。また、カセット138の下方に配置された駆動モジュール140は、患者と干渉する可能性がある。様々な他の実施形態では、カセットは、任意の角度で駆動モジュールに対して取り付けることができる。さらに他の実施形態では、駆動モジュールの下側にカセットを垂直に取り付けることで、装置の軸と患者との間での駆動モジュールの必要性をなくすことができる。
ロボット駆動システム24(図3参照)のレール又は線形メンバ60(図3参照)の長さを減少させるために、オフセット・ブラケット78(図3参照)を使用して、ステージとデバイス・モジュールとの間にオフセットを生じさせてもよく、それによって、カセットが一緒に運ばれるときに線状メンバ上で複数のステージ間のギャップを減少させてもよい。図17は、一実施形態に従ったデバイス・モジュールとステージとの間にオフセットがない、線形メンバ上の占有長を例示したブロック図である。上述のように、一実施形態では、デバイス・モジュールとステージとの間にオフセットがないステージに対して、デバイス・モジュールが直接的に取付けられていてもよい。図17では、4つのデバイス・モジュール150が示されており、各デバイス・モジュール150は、駆動モジュール154に取り付けられたカセット152を含む。各デバイス・モジュール150は、レール又は線形メンバ158に対して結合されたステージ156に対して直接的に接続されている。デバイス・モジュール150がレール158に沿って互いに近づけられると、各デバイス・モジュール150のステージ156もまた互いに近づけられる。しかしながら、図17に示すように、各デバイス・モジュール150の各カセット152の長さは、各ステージ156をレール上の別のステージ156に対してどれだけ近づけることができるのかについて制限できる。4つのステージ156(各側面に安全クッションを加えたもの)は、レール158に必要な全長に影響を及ぼす占有レール長さ160を定める。占有レール長さとレール158の全長とは、図18A-図21に示すようにオフセットとオフセット・ブラケットとを用いることで短くすることができる。
図18Aは、一実施形態に従って、デバイス・モジュールとステージとの間のオフセットを有する線形メンバ上の占有長さについて例示したブロック図である。図18Aでは、4つのデバイス・モジュール150が示されており、各デバイス・モジュール150は、駆動モジュール154に取り付けられたカセット152を含む。各デバイス・モジュール150は、オフセット・ブラケット168、170、172、174に対して接続されており、これらは、デバイス・モジュール150をステージ156に対して接続するために使用されている。各ステージは、レール又は線形メンバ158に対して連結されている。上述のように、4つのステージ156は、互いに近づけられると、占有レール長さ162を定めるが、これは、レール158に必要な全長に影響を及ぼす。各オフセット・ブラケット168、170、172、174は、対応するステージ156の中心からのオフセット距離を定めるが、ステージ156に取り付けられるデバイス・モジュール150のカセット152の中心に対して取り付けられる。例えば、第1のオフセット・ブラケット168は、関連するステージ156の中心と関連するカセット152の中心との間に第1のオフセット164を定める。第4のオフセット・ブラケット174は、第1のオフセット164の距離と同じオフセットを定めてもよく、又は異なるオフセット距離を定めてもよい。第3のオフセット・ブラケット172は、関連するステージ156の中心と関連するカセット152の中心との間に第2のオフセット166を定める。第2のオフセット・ブラケット170は、第2のオフセット166の距離と同じオフセットを定めてもよく、又は異なるオフセット距離を定めてもよい。これらオフセットにより、ステージ156をレール158の中心に向かわせることができ、このため、ロボット駆動部の全長を短くできる。図18Aは、オフセット・ブラケットの構成の一実施形態を示しているが、他の実施形態では、例えば図18B及び図18Cに示しているように、異なるオフセット・ブラケット構成を用いてもよい。図18Bでは、線形メンバ又はレール159に沿って配置された各オフセット・ブラケット171、173、175、177は、線形メンバ159の遠位端から、患者に向かって遠位方向(即ち前向き)に延在している。この構成によって、線形メンバ159(及びロボット駆動部の他の構成要素)を、患者内のアクセス部位と、カテーテル処置システムの画像化システムとからより遠く離すことができる。図18Cでは、線形メンバ159に沿って配置された各オフセット・ブラケット181、183、185、187は、患者から離れた近位方向(即ち後向き)に線形メンバ又はレール159の近位端に向かって延在している。図19は、一実施形態に係るオフセット・ブラケットを備えたロボット駆動部の側面図である。図20は一実施形態に係るオフセット・ブラケットを備えたロボット駆動部の斜視図である。図21は、一実施形態に係るオフセット・ブラケットを備えたロボット駆動部の上面図である。図19-図21では、複数のステージ156間でのデッドスペースをなくすようにカセット152の長さを補償するために、オフセット・ブラケット168、170、172及び174が用いられている。オフセット・ブラケット168、170、172及び174によって生じるオフセットは、複数のステージ156間のデッドスペースをなくすことで、レール又は線形メンバ158の長さを最小化するために用いられている。さらに、ステージ156の長さが、デバイス・モジュール150の長さよりも大きい場合、ステージ156とデバイス・モジュール150との間の長さの差を補償するためにオフセットを用いることができる。
図22は、一実施形態に係る4つの細長い医療デバイスを駆動するように構成されたロボット駆動部の一部の上面図である。図22では、ロボット駆動部200の部分は、4つのデバイス・モジュールを含み、特に、第1のカセット210を備えた第1のデバイス・モジュール202と、第2のカセット212を備えた第2のデバイス・モジュール204と、第3のカセット214を備えた第3のデバイス・モジュール206と、第4のカセット216を備えた第4のデバイス・モジュール208とを含む。ロボット駆動部200は、4つの細長い医療デバイスを駆動するように構成されており、従って、各カセット210、212、214及び216は、細長い医療デバイスとともに存在する。例えば、第1の細長い医療デバイス218は、第1のカセット210内に配置することができ、例えば、ガイド・カテーテルのルーメン(管腔)内に3つの近位の細長い医療デバイスを受け入れるように構成されたガイド・カテーテルであってもよい。第2の細長い医療デバイス220は、第2のカセット212内に配置することができ、例えば、遠位アクセス・カテーテルのルーメン内に2つの近位の細長い医療デバイスを受け入れるように構成された診断用カテーテル又は遠位アクセスであってもよい。第3の細長い医療デバイス222は、第3のカセット214内に配置することができ、例えば、細長い医療デバイス222のルーメン内に最も近位の細長い医療デバイスを受け入れるように構成されたマイクロ・カテーテル又はオーバー・ワイヤ・バルーン・カテーテルであってもよい。第4の細長い医療デバイス224は、第4のカセット216内に配置することができ、例えばガイド・ワイヤであってもよい。異なる処置のための細長い医療デバイスの異なる数と構成とを支持するために、一実施形態では、各カセットは類似していてもよく、細長い医療デバイスをカセットに対してインターフェースさせるためにオン・デバイス・アダプタを使用してもよい。例えば、血管内処置の複数のステップでは、異なる数の細長い医療デバイスが必要とされることがある。ある処置では、2つの同軸のカテーテル(2つの同軸のカテーテル又は2つの軸構成)とガイド・ワイヤとを用いて開始されて、次に、3つの同軸のカテーテル(3つの同軸のカテーテル又は3つの軸構成)とガイド・ワイヤとを用いた構成に交換し、その後、2つの軸カテーテル・システムとガイド・ワイヤとに戻すことができる。本明細書中で使用される用語「3つの軸」、「2つの軸」及び「1つの軸(単軸)」は、連続的に同心上のカテーテルの数を意味するが、ワイヤ・ベースのEMDは含まないものとする。ある処置で、より少ない細長い医療デバイスが使用される場合、細長い医療デバイスが配置されるデバイス・モジュールは変更されてもよく、その際、位置を変更するためにカセットの除去を必要とせず、かつ配置されていないカセットは、ロボット駆動部から除去されなくてもよい。むしろ、細長い医療デバイスと、細長い医療デバイスとカセットとの間のオン・デバイス・アダプタとを、配置されていない複数のカセット間で移動させてもよい。
図23は、一実施形態に係るオン・デバイス・アダプタを備えたカテーテルの斜視図であり、図24は、一実施形態に係るオン・デバイス・アダプタを備えたガイド・ワイヤの斜視図である。本明細書中で使用されるように、オン・デバイス・アダプタは滅菌装置でって、EMDに解除可能にクランプして、駆動インターフェースを提供することができる。図23では、カテーテル230は、そのカテーテル230の近位端236上に止血弁又はハブ(例えば、回転型止血弁)234を含む。オン・デバイス・アダプタ232は、カテーテルの近位端236上の止血弁234から遠位のカテーテル230上に位置する。図23の実施形態では、オン・デバイス・アダプタ232の外面は、ギヤ(歯車)として形成されている。装オン・デバイス・アダプタ232の歯車の特徴は、カセットのギヤ97(図7参照)と相互作用するように構成され、例えば、図7に示すカセット91のものと相互作用する。デバイス・モジュール(図示略)からカセット内のギヤまで力が伝達されると(例えば、連結器を介する)、カセット内のギヤは、カテーテル230上のギヤ232と相互作用して、カテーテルを回転させる。他の実施形態では、オン・デバイス・アダプタ232の回転は、カテーテル230をつまむ/つまみを解除するように構成されてもよい。一実施形態では、オン・デバイス・アダプタ232の内面は、細長い医療デバイス(例えば、カテーテル230)の標準のルアー部分に対してしっかりと取り付けられる。他の実施形態では、オン・デバイス・アダプタの内面は、細長い医療デバイスの近位端である側面にクランプされる。他の実施形態では、オン・デバイス・アダプタは、EMDの円筒部分(シャフト)に対して取り付けられる。さらに他の実施形態では、オン・デバイス・アダプタは、EMDに対して直接的には取り付けられず、インターフェースを介してEMDに対して取り付けられる。カセットからオン・デバイス・アダプタまで力を異なる仕方で伝達することができ、例えば、(上述の)ギヤ、又は摩擦面(例えば、タイヤ及びローラ)、ベルト、空圧、又は磁気/電磁結合等を用いることができる。
図24では、ガイド・ワイヤ240が、オン・デバイス・アダプタ(on-device adapter)242とともに示されている。図24の実施形態では、オン・デバイス・アダプタ242はコレットであって、そのコレットの近位端246上にギヤ244を備えている。コレット242は、ガイド・ワイヤ240を把持できるように構成されている。本明細書中で使用される「コレット」という用語は、それに対してEMDの一部を解除可能な形でそれに固定する装置のことである。一実施形態では、コレットは、互いに相対的に移動できる少なくとも2つのメンバを含み、2つのメンバのうちの少なくとも1つに対してEMDを解除可能に固定できるようにする。固定とは、動作パラメータ中に、コレットとEMDの意図的な相対移動がないことを意味する。ギヤ244は、カセットのギヤ97(図7参照)と相互作用するように構成され、例えば、図7に示したカセット91のものと相互作用する。デバイス・モジュール(図示略)からカセット内のギヤまで力が伝達されると(例えば、連結器を介する)、カセット内のギヤは、ガイド・ワイヤ240上のギヤ244と相互作用して、ガイド・ワイヤ240を回転させる。他の実施形態では、ギヤ244を介したオン・デバイス・アダプタ242の回転は、ガイド・ワイヤ240をつまむ/つまみを解除するように構成されていてもよい。細長い医療デバイスとオン・デバイス・アダプタとは、図25に示すようにカセット内に配置することができる。図25では、ガイド・ワイヤ240とコレット242とが、カセット250のクレードル252内に配置されている。
上述のように、細長い医療デバイスとオン・デバイス・アダプタとは、あるカセットから取り除かれて、別の配置されていないカセットまで移動することができる。図26は、カセット250から取り外された、ギヤ244を有するコレット244とガイド・ワイヤ240とを示している。上述のように、カセットが類似しており、かつ、細長い医療デバイスをカセットに対してインターフェースさせるためにオン・デバイス・アダプタが使用される場合、そのデバイスとオン・デバイス・アダプタとは、配置されていない複数のカセット間で移動することができ、それによって、デバイスの数とロボット駆動部の構成とを変更可能にしてもよい。例えば、図22に例示したロボット駆動部200内の装置の数は、図27に示しているように、3つのデバイスに変更してもよい。図27では、第1のカセット210、第2のカセット212及び第3のカセット214は、それぞれ、第1の細長い医療デバイス218(例えば、ガイド・カテーテル)、第2の細長い医療デバイス220(例えば、遠位アクセス・カテーテル)及び第3の細長い医療デバイス222(例えば、ガイド・ワイヤ)を備える。第4のカセット216は、配置されておらず、ロボット駆動部内のその駆動モジュールに対して取り付けられたままでもよい。従って、ロボット駆動部内のより近位のカセットは、処置のために、より少ない細長い医療デバイスを作動させる必要がある場合、配置されずに残されてもよい。一例では、使用者は、事例のはじめに、ロボット駆動部内に全てのカセットを設置してもよく、デバイスを移動させるために全てのカセットをアンインストールする必要がない。デバイス(及び対応するオン・デバイス・アダプタ)は、異なるカセットで行き交う(往復する)ことがある。これにより、使いやすさと交換速度が大幅に向上し得る。さらに、これにより、デバイスサイズの変更を容易にすることができる。例えば、0.035のワイヤと0.014のワイヤとでは、通常、手動での事例では、異なるコレットのサイズを有する。図22-図27を参照して説明したシステムでは、異なるオン・デバイス・アダプタは、同じカセット内で異なるサイズのデバイスを駆動することを可能にする。例えば、0.035のワイヤ又は0.014のワイヤに相当する異なるサイズのコレットを使用してもよく、それによって、各サイズのデバイスを変化させて、任意のカセットで使用させてもよい。
上述のように、ロボット駆動部中のデバイス・モジュールの線形移動は、レール又は線形メンバと、ステージ移動モーターとに対して接続されているステージに対して、デバイス・モジュールを結合することで提供することができる。次いで、ステージをレールに沿って移動するように作動させるステージ移動モータを使用することによって、デバイス・モジュールを直線的に移動させることができる。他の実施形態では、第1のデバイス・モジュールの線形移動は、第1のデバイス・モジュールをレールに結合するのではなく、第1のデバイス・モジュールをロボット駆動部内の第2のデバイス・モジュールに対して直接的に取り付けることによって提供されてもよい。図28Aでは、一実施形態に従って、第1のデバイス・モジュールの線形移動を共有するために、第2のデバイス・モジュールに対して機械的に結合された第1のデバイス・モジュールの略図である。図28Aでは、第1の駆動モジュール262を有する第1のデバイス・モジュール260が例示されている。第1のデバイス・モジュール260用のカセットは、簡単化して示されていないが、第1のデバイス・モジュール260は、駆動モジュール262に取り付けられたカセットを含むことができる。一実施形態では、第1の駆動モジュール262は、複数の連結器271を含み、それによって、第1の駆動モジュール262に取り付けられたカセット(図示略)内に配置された細長い医療デバイスに対して複数の自由度を提供する。第2のデバイス・モジュール264は、第2の駆動モジュール268と、その第2の駆動モジュール268に取り付けられたカセット266とを含む。一実施形態では、第1のデバイス・モジュール260は、第2のデバイス・モジュール264に対して機械的に取り付けられてもよい。他の実施形態では、第1のデバイス・モジュール260は、第2のデバイス・モジュール264に対して電気的に結合されてもよい。第1のデバイス・モジュール260を第2のデバイス・モジュール264に対して機械的に結合するために、マウント(取付部)270を使用してもよい。マウント270は、動的なマウントであってもよく、例えば、図28Bに例示している動的マウント272でもよい。マウントは、第1のデバイス・モジュール260の取り外しを可能にするように構成することができ、それによって、ロボット駆動部内の異なるデバイス・モジュールへと移動されたり、解除可能に取付けられるようにして、細長い医療デバイスの様々な構成を容易にしてもよい。例えば、第1のデバイス・モジュール260は、使用者によって手動で再配置されて、ロボット駆動部内でその前で駆動されるカテーテルの数を変更させてもよい。図29は、一実施形態に従って、デバイス・モジュールが他のデバイス・モジュールに機械的に結合されている間の、ロボット駆動部内のデバイス・モジュールの位置の変更を例示するブロック図である。図29では、ロボット駆動部274は、第2のデバイス・モジュール280に対して取り付けられている第1のデバイス・モジュール278を含む。第2のデバイス・モジュール280は、レール又は線形メンバ276に取り付けられている。第1のデバイス・モジュール278と第2のデバイス・モジュールとは、レール276に沿って一体に直線的に移動することができる。また、ロボット駆動部274は、それぞれレール276に取り付けられている第3のデバイス・モジュール282と第4のデバイス・モジュール284とを含む。第1のデバイス・モジュール278は、第2のデバイス・モジュール280から離されて、第1のデバイス・モジュール278を第3のデバイス・モジュール282に取付けることで、異なる位置に移動することができる。次いで、第1のデバイス・モジュール278は、第3のデバイス・モジュール282がレール276に沿って直線的に移動するにつれて、直線的に移動する。
図30は、一実施形態に従って、デバイス・モジュールが他のデバイス・モジュールに機械的に結合されている、ロボット駆動部内のデバイス・モジュールの異なる位置を例示するブロック図である。第1の構成286では、第1のデバイス・モジュール278が第2のデバイス・モジュール280に取り付けられていて、4つのデバイス・モジュール278、280、282、284のそれぞれが、細長い医療デバイスと共に配置されている。第2の構成288では、第1のデバイス・モジュール278が第3のデバイス・モジュール282に取り付けられていて、4つのデバイス・モジュール278、280、282、284のそれぞれが、細長い医療デバイスと共に配置されている。第3の構成290では、第1のデバイス・モジュール278が第3のデバイス・モジュール282に取り付けられていて、第1のデバイス・モジュール278、第3のデバイス・モジュール282及び第4のデバイス・モジュール284に細長い医療デバイスが共に配置されている。第3の構成では、第2のデバイス・モジュール280は、細長い医療デバイスと共に配置されていない。第4の構成292では、第1のデバイス・モジュール278が第4のデバイス・モジュール284に取付けられていて、第1のデバイス・モジュール278、第3のデバイス・モジュール282及び第4のデバイス・モジュール284に細長い医療デバイスが共に配置されている。第4の構成では、第2のデバイス・モジュール280は、細長い医療デバイスと共に配置されていない。第5の構成294では、第1のデバイス・モジュール278は、第4のデバイス・モジュール284に取り付けられていて、第1のデバイス・モジュール278及び第4のデバイス・モジュール284は、細長い医療デバイスと共に配置されている。第5の構成では、第2のデバイス・モジュール280と第3のデバイス・モジュール282とは、細長い医療デバイスと共に配置されていない。
他の実施形態では、1つより多い数の細長い医療デバイスと共に配置されているデバイス・モジュールは、ロボット駆動部中で、レール上又は線形メンバ上の複数のステージ間を移動することができる。図31は、一実施形態に従って、ロボット駆動部内のデバイス・モジュールの位置の変化を例示したブロック図であって、その際、デバイス・モジュールは、1つより多い数の細長い医療デバイスと共に配置されるように構成されている。第1の構成281では、第1のデバイス・モジュール(MOD:module)285は、レール又は線形メンバ297に対して移動可能に取り付けられた第1のステージ291に結合されている。第2のデバイス・モジュール(MOD:module)287は、レール297に対して移動可能に取り付けられた第2のステージ293に結合されている。第3のデバイス・モジュール(MOD:module)289は、レール297に対して移動可能に取り付けられた第3のステージ295に結合されている。第1のデバイス・モジュール285と第2のデバイス・モジュール287とは、それぞれが、例えばカテーテル等の単一の細長い医療デバイスと共に配置されている。第3のデバイス・モジュール289は、2つの細長い医療デバイスと共に配置されている。図31の実施形態では、第3のデバイス・モジュール289は、ガイド・ワイヤ(GW:guide wire)277とガイド・カテーテル(GC:guide catheter)279と共に配置されている。上述のように、第3のデバイス・モジュール289は、第3のステージ295から取り外されて、レール297に対して取り付けられた異なるステージまで移動することができる。第2の構成283では、第2のデバイス・モジュール287が第2のステージ293から取り外されている。さらに、第3のデバイス・モジュール289は、第3のステージ295から取り出されて、第2のステージ293と結合されて、第1のデバイス・モジュール285の後ろの位置にある。第2の構成283では、デバイス・モジュールは、第3のステージ295とは結合されていない。
ロボット駆動部の様々な実施形態(例えば、図3に示したロボット駆動部24)では、特定の処置のためのデバイスの重なり(スタック・アップ)は、所定のデバイス・モジュール(例えば、ガイド・ワイヤ用のデバイス・モジュール)が特定の位置に置かれることを必要とし、例えば、レール又は線形メンバ上の最も近位のステージに対して接続された位置に置かれることを必要とする。しかしながら、デバイスの重なりは、最も近位のステージの前方で、全ての位置の使用を必要としなくてもよい。より少ないデバイスを用いた構成を容易にするために、ロボット駆動部は、配置されていない駆動モジュールの遠位又は近位のいずれかのカセットの下で、未使用体積中、配置されていない駆動モジュールの群れ(ネスト)を可能にするように構成されてもよい。図32は、一実施形態に従って、3つのデバイス・モジュールと、ネスト化され配置されていない駆動モジュールとを含むロボット駆動部のブロック図である。図32では、ロボット駆動部300は、レール又は線形メンバ302と、第1のステージ324に接続された第1のデバイス・モジュール304と、第2のステージ326に接続された第2のデバイス・モジュール306と、第3のステージ328に接続された配置されていない駆動モジュール(MOD:module)310と、第4のステージ330に接続された第3のデバイス・モジュール308とを含む。第1のデバイス・モジュール304は、駆動モジュール(MOD:module)318に取り付けられたカセット312を含み、第2のデバイス・モジュール306は、駆動モジュール(MOD:module)320に取り付けられたカセット314を含み、第3デバイス・モジュール308は、駆動モジュール(MOD:module)322に取り付けられたカセット316を含む。配置されていない駆動モジュール310は、第2のデバイス・モジュール306のカセット314の近位端と重なる領域内に配置され(又は重なり)、例えば、カセット314の下の未使用体積中に配置される。これにより、配置されていない駆動モジュール310は、デバイスの重なりの中でスキップされることができ、かつ、第3のデバイス・モジュール308のカセット316の中に配置された細長い医療デバイスは、第2のデバイス・モジュール306に直接的に供給されることができる。さらに、第3のデバイス・モジュール308は、第2のデバイス・モジュール306の近くに移動されることができる。他の実施形態では、第2の駆動モジュールは、配置されず、カセットの近位端との重さなる領域内、例えば、カセット下方の使用されない体積中に重なることができる。図33は、一実施形態に従って2つのデバイス・モジュールと、2つの重なって、配置されていない駆動モジュールとを含むロボット駆動部のブロック図である。図33では、第2のデバイス・モジュール306(図32参照)から、カセットが取り外されて、第2の配置されていない駆動モジュール(MOD:module)348を残している。この実施形態では、第2の配置されていない駆動モジュール348は、カセット312の近位端と重なる領域内に配置され、例えば、第1のデバイス・モジュール304のカセット312の下方の未使用体積中で配置されてもよい。第1の配置されていない駆動モジュール310は、カセット316の近位端部と重なる領域内で、例えば、第2のデバイス・モジュール346のカセット316の下方の未使用体積内に配置される。これにより、配置されていない駆動モジュール310及び348は、デバイスの重なりの中でスキップされることができ、かつ、第2のデバイス・モジュール308のカセット316内に配置された細長い医療デバイスが、第1のデバイス・モジュール344に直接的に供給されることが可能になる。さらに、第2のデバイス・モジュール346は、第1のデバイス・モジュール344の近くに移動されることができる。
配置されていない駆動モジュールを重ねるために、駆動モジュールの長さを最小限にしてもよいが、駆動モジュールは互いに非常に近づけられるようにする。複数のデバイス・モジュール間の配置されていない駆動モジュールの重なり(ネスト化)を容易にするために、オフセット・ブラケットを使用して、デバイス・モジュール又は配置されていない駆動モジュールをステージに対して接続してもよい。オフセット・ブラケットによって生じるオフセットにより、駆動モジュールは、適当に重なるように十分に近づくことができ、その際、
駆動モジュールが取り付けられるステージの長さは変更されなくてもよい。図32及び図33を参照すると、第1のステージ324の中心と第1のデバイス・モジュール304の駆動モジュール318の中心との間で第1のオフセット332を定める第1のオフセット・ブラケット336に対して、第1のデバイス・モジュール304が接続されている。第3のデバイス・モジュール308又は第2のデバイス・モジュール346は、第1のオフセット332を定めるために、同様の第4のオフセット・ブラケット342に対して接続することができる。第3のステージ328の中心と配置されていない駆動モジュール310の中心との間で第2のオフセット334を定める第3のオフセット・ブラケット340に対して、第1の配置されていない駆動モジュール310が接続されている。第2のデバイス・モジュール306又は第2の配置されていない駆動モジュール348は、第2のオフセット334を定めるために、同様の第2のオフセット・ブラケット338に対して接続されていてもよい。図34は、一実施形態に係る、3つの配置されていない駆動モジュールと、オフセット・ブラケットとの側面図であり、図35は、一実施形態に係る、3つの配置されていない駆動モジュールと、オフセット・ブラケットとの後方からの側面図である。図34及び図35では、第1の駆動モジュール356が第1のオフセット・ブラケット350に対して接続されていて、第2の駆動モジュール358が第2のオフセット・ブラケット352に対して接続されていて、第3の駆動モジュール360が第3のオフセット・ブラケット354に対して接続されている。
図36は、一実施形態に係る2つのデバイス・モジュールと、2つの重なった配置されていない駆動モジュールとの側面図であり、図37は、一実施形態に係る2つのデバイス・モジュールと、2つの重なった配置されていない駆動モジュールとを有するロボット駆動部の斜視図である。図36及び図37では、第1のデバイス・モジュール362は、駆動モジュール371に取り付けられたカセット378を含み、第2のデバイス・モジュール364は、駆動モジュール373に取り付けられたカセット379を含む。第1のデバイス・モジュール362は、第1のステージ370に接続され、第2のデバイス・モジュール364は第4のステージ376に接続されている。第1の配置されていない駆動モジュール366と第2の配置されていない駆動モジュール368とは、それぞれ第2のステージ372と第3のステージ374とに対して接続され、かつ、レール又は線形メンバに沿って、第1の駆動モジュール362と第2の駆動モジュール364との間に配置されている。図36及び37の実施形態では、第1の配置されていない駆動モジュール366及び第2の配置されていない駆動モジュール368は、第1のデバイス・モジュール362のカセット378の下方で、未使用の体積中に配置(又はネスト化)されている。配置されていない駆動モジュールのネスト化を容易にするために、各駆動モジュール366、368及び371は、駆動モジュール上に取り付けられ得るカセット(例えば、カセット378)の少なくとも1つの次元と比べて、より小さい又はより劣る少なくとも1つの次元を有する。例えば、デバイス・モジュール366、368、371が線形メンバ又はレールに連結されているときに、近位から遠位まで測定される駆動モジュール366、368、371の長さは、カセットの縦軸に沿ったカセット(例えば、カセット378)の長さよりも小さいか又は劣る。幾つかの実施形態では、駆動モジュール366、368及び371のサイズ及び寸法は最小化され、例えば、カセットと共に配置されていないときに、駆動モジュールが、ロボット駆動部の線形メンバ又はレール(例えば、図3に示した線形メンバ又はレール60)に沿って、最小量の空間を占めるようにする。一実施形態では、カセット378の下方の未使用体積は、カセット378と、そのカセット378が取り付けられる駆動モジュール371との間の長さの差によって定められる。図36及び図37に示しているように、重なって配置されていない駆動モジュール36及び37は、第2のデバイス・モジュール364が第1のデバイス・モジュール362に対して近づくようにし、そして一実施形態では、第2のデバイス・モジュール364と第1のデバイス・モジュール362との間でデバイス支持体の必要性をなくすことができる。
ロボット駆動部は、カセットと駆動モジュールとが、当接することなく、どのように互いに接近するのかを制御するための衝突防止(クラッシュ・ストップ)制御システムを備えることができる。図32-図37を参照して上述のように、配置されていない駆動モジュールを重ねる能力を有するロボット駆動部の実施形態では、衝突防止制御システムは、カセットが取り付けられた駆動モジュール用の第1のパラメータの組と、カセットが取り付けられていない(即ち駆動モジュールは配置されていない)駆動モジュール用の第2のパラメータの組とを有するように構成されてもよい。図38は、一実施形態に従うカセット衝突防止装置及び方法を示すブロック図である。図38では、第1のデバイス・モジュール(MOD)381は、第1の駆動モジュール385に取り付けられた第1のカセット383を含む。第1のデバイス・モジュール381は、レール又は線形メンバ380に取り付けられた第1のステージ387に結合されている。また、第1のデバイス・モジュール381は、カセット近接センサ389と駆動モジュール近接センサ390とを含んでいる。図面では、これらセンサ389、390は、駆動モジュール385上に配置されている。他の実施形態では、これらセンサ389、390は、ステージや、カセット等に配置されることができる。第2のデバイス・モジュール(MOD)382は、第2の駆動モジュール386に取り付けられた第2のカセット384を含む。第2のデバイス・モジュール382は、レール380に取り付けられた第2のステージ388に結合されている。カセット衝突停止フラグ(カセット・クラッシュ・ストップ・フラグ)393とモジュール衝突停止フラグ(MODクラッシュ・ストップ・フラグ)395とは、ステージ388中に位置している。あるいは、衝突停止フラグ393、395は、駆動モジュール386上に位置していてもよい。一実施形態では、衝突停止フラグ393、395は、金属を用いて形成されて、近接センサの前方に移動したときに、対応する近接センサ389、390をそれぞれトリップさせる。また、第2のデバイス・モジュール382は、カセット有無センサ391を含むが、これは、例えば、第2の駆動モジュール386上に配置されていてもよい。カセット有無センサ391は、例えば、磁石を備えたリードスイッチセンサであってもよい。第2のカセット384が第2の駆動モジュール386上に存在する場合、カセット有無センサ391は、第2のカセット384が第2の駆動モジュール386上に取り付けられていることを示す信号を提供することができる。この場合、第2のカセット384が第1のカセット383に近づきすぎているかどうかを判断するため、カセット近接センサ389が使用されてる。一実施形態では、第2のカセット384が第1のカセット383の閾値距離内にあるとき、例えば、カセット衝突停止フラグ393が近接センサ389の前方に移動するとき、カセット近接センサ389は制御信号を提供して、使用者に対して警告を提供することができ、又は第2のカセットの移動を停止することができる。
第2のカセット384が第2のデバイス・モジュール386に取り付けられていない場合は、駆動モジュール近接センサ390が使用されて、第1の駆動モジュール385に対する第2の駆動モジュール386の位置を決定する。図39は、一実施形態に係る、配置されていない駆動モジュール衝突防止装置及び方法を示すブロック図である。図39では、第1のデバイス・モジュール381は、第1の駆動モジュール385に取り付けられた第1のカセット383を含む。第1のデバイス・モジュール381は、レール又は線形メンバ380に取り付けられた第1のステージ387に対して結合されている。また、第1の駆動モジュール381は、カセット近接センサ389と駆動モジュール近接センサ390とを含んでいる。図面では、これらセンサ389、390は、駆動モジュール385上に配置されている。他の実施形態では、これらセンサ389、390は、ステージや、カセット等に配置されていてもよい。第2の駆動モジュール386は、カセットと共に配置されておらず、レール380に取り付けられている第2のステージ388に対して連結されている。カセット衝突停止フラグ393とモジュール衝突停止フラグ395とは、ステージ388内に位置している。あるいは、衝突停止フラグ393、395は、駆動モジュール386上に位置していてもよい。一実施形態では、衝突停止フラグ393、395は、金属を用いて形成されて、近接センサの前方に移動したときに、対応する近接センサ389、390をそれぞれトリップさせる。また、第2の駆動モジュール386は、カセット存在(検出)センサ391を含む。カセット有無センサ391は、例えば、磁石を備えたリードスイッチセンサであってもよい。カセットが第2の駆動モジュール386上に存在しない場合、カセット有無センサ391は、第2の駆動モジュール386上にカセットが取り付けられていないことを示す信号を提供することができる。この事例では、第2の駆動モジュール386が第1の駆動モジュール385に近づきすぎているかどうかを決定するために、駆動モジュール近接センサ390が使用されている。一実施形態では、第1の駆動モジュール385の閾値距離内に第2の駆動モジュール386が存在するとき、例えば、モジュール衝突停止フラグ395が近接センサ390の前方で移動するとき、駆動モジュール近接センサ390は制御信号を提供して、使用者に対して警告を提供するか、第2の駆動モジュールの動きを停止させることができる。他の実施形態では、駆動モジュールの重なりを許容するようにロボット駆動部が構成されている場合、重なった駆動モジュールが下方に配置されているカセットを有するデバイス・モジュールの線形運動に対して、重なった駆動モジュールの線形運動を結合するように、制御コンピュータ・システムを構成することができる。
他の実施形態では、患者に向かって、又は患者から遠ざかるように、線形メンバに沿って異なる位置まで、配置されていない駆動モジュールを越えて、所定のデバイス・モジュールを移動させることを可能にするように、2つのスライドを有するレール又は線形メンバを提供することができる。図40は、一実施形態に従って、2つのスライドを有する線形メンバを備えたロボット駆動部の正面図であり、図41は、一実施形態に従って、図40のロボット駆動部の斜視図である。図40及び図41を参照すると、レール又は線形メンバ400は、第1のスライド402と第2のスライド404とを有するが、これらは、ステージと対応するデバイス・モジュール又は配置されていない駆動モジュールとに接続されるように構成されている。図40及び図41は、レールの上面に第1のスライド402を備え、レールの底面に第2のスライドを備えるレールを示しているが、スライドはレールの他の対向面であってもよいことを理解されたい。他の実施形態では、2つのスライドを有するレールではなく、2つの別々のレールを使用してもよい。第1のデバイス・モジュール406は、ステージ416を用いて、レール400の第1のスライド402に対して接続されている。第2のデバイス・モジュール424は、第2のステージ418を用いて、レール400の第2のスライド404に対して接続されている。第1の配置されていない駆動モジュール408は、第3のステージ426を用いて、レール400の第1のスライド402に対して接続されている。第2の配置されていない駆動モジュール422は、第4のステージ428を用いて、レール400の第1のスライド402に対して接続されている。配置されていない駆動モジュール408、422は、垂直位置から水平位置まで移動するように構成することができる(例えば、「跳ね上げ式に移動する」)。図40及び図41に示しているように、第1の配置されていない駆動モジュール408は、第1の配置されていない駆動モジュール408の第一端412上に位置するピボット410を含む。ピボットを中心に回転するとき、連結器420を備えた第1の配置されていない駆動モジュールの第2の端部414が垂直位置から水平位置まで移動する。この位置では、第2の駆動モジュール424は、第2のスライド404に沿って、第2のステージ418を「跳ね上げられた」駆動モジュール408を越えて移動させることで、直線的に移動され得る。例えば、第2のスライド404上のデバイス・モジュール424は、専用のガイド・ワイヤモジュールであってよく、第2のスライド(又はレール)は、ロボット駆動を再構成することを可能にするが、例えば、ガイド・ワイヤモジュールの前方にあるカテーテル・デバイス・モジュール等の数を変更することによって、ロボット駆動を再構成してもよい。
他の実施形態では、デバイス・モジュールは、レール又は第2のレール上の第2のスライドに対して接続することができ、そして、デバイス・モジュールを、他のデバイス・モジュール又は配置されていない駆動モジュールを越えて、他の位置まで移動させるように移行可能に構成することができる。図42A-図42Dでは、一実施形態に従って、ロボット駆動部内のレールに沿って再配置され得る、移行するデバイス・モジュールが示されている。図42Aは、ロボット駆動部430を示しているが、これは、第1のステージ440を用いてレール又は線形メンバ438の第1のスライド(例えば、図40に示した第1のスライド402)に対して接続された第1のデバイス・モジュール432と、第2のステージ442を用いてレール438の第1のスライドに対して接続された第2のデバイス・モジュール434と、第3のステージ443を用いてレール438の第2のスライド(例えば、図40に示した第2のスライド404)に対して接続された第3のデバイス・モジュール436と、を含む。第3のデバイス・モジュール436は、レール438から引き離すことができる、図42Bに示したような、延長部材444を含み、その結果、デバイス・モジュール436は、レール438の第1のスライド上の他のデバイス・モジュール432及び434(又は代替的に、配置されていないドライブ・モジュール)を通過することができる。次いで、第3の駆動モジュール436は、図42Cに示すように、第3のステージを、レール438の第2のスライドに沿って、第2のデバイス・モジュール434を通過する位置まで移動させることにで、直線的に移動することができる。図42Dでは、第3デバイス・モジュール436が所望の位置にあるとき、延長部材444は、レール438に向かって後方に移動されていてもよい。
上述のように、一実施形態では、デバイス・モジュール(例えば、図7に示したカセット91)に使用されるカセットは、1つの自由度(例えば回転)を提供するように構成することができる。従って、単一の連結器を有する駆動モジュール(例えば、図5に示した駆動モジュール68)を用いて、カセットの単一自由度を駆動することができる。他の実施形態では、デバイス・モジュール中で使用されるカセット(例えば、図9に示したカセット111)は、2つ又は複数の自由度(例えば、ガイド・ワイヤの回転と、つまみ/つまみの解除)を提供するように構成することができる。従って、駆動モジュールは、1つ又は複数の自由度を提供するカセットを支持するために、2つ又は複数の連結器を含むように構成することができる。一実施形態では、2つ又は複数の連結器を備えた駆動モジュールは、各連結器のために別々のモーターを含む。図43は、三軸構成でのロボット駆動部の一部の上面図であって、一実施形態に係る1つよりも多い数の連結器を有する駆動モジュールを含んでいる。上述のように、本明細書中で使用される「3軸」、「2軸」及び「1軸(単軸)」の用語は、連続的に同心円状のカテーテルの数を意味するが、ワイヤ・ベースのEMDは含まれない。図43では、第1の駆動モジュール450、第2の駆動モジュール452、第3の駆動モジュール454、及び第4の駆動モジュール456が示されている。各駆動モジュール450、452、454及び456には、それぞれ、カセット458、460、462及び464が取り付けられている。カセット458、460、462は、1つの自由度を提供するように構成されていて、第4のカセット464は、2つの自由度を提供するように構成されている。4つの駆動モジュールの各々は、図44及び図45に示すように2つの連結器を含む。図44は、二軸構成でのロボット駆動部の一部の上面図であり、一実施形態に従って1つよりも多い数の連結器を有する駆動モジュールを含み、図45は、単軸構成でのロボット駆動部の一部の上面図であり、一実施形態に従って1つよりも多い数の連結器を有する駆動モジュールを含む。図44では、第4の駆動モジュール456は配置されておらず、図45では、第3の駆動モジュール454と第4の駆動モジュール456とは、配置されていない。図44では、配置されていない駆動モジュール456は、第1の連結器466と第2の連結器468とを含む。各連結器466、468を駆動するために、駆動モジュール456内に別々のモータ(図示略)を設けることができる。第1の連結器466と第2の連結器468とは、グリッド/マトリクス(行列)内に置かれ得るデバイスの軸(図示略)に沿って整列されている。各駆動モジュール450、452、454及び456は、1つ又は2つの自由度で、カセットと結合されるために使用され得る。例えば、図44では、第2の駆動モジュール452は、単一の自由度を有するカセット460に対して結合され、図45では、第2の駆動モジュール452は、2つの自由度を有するカセットに対して結合されている。各駆動モジュール450、452、454及び456は、レール又は線形メンバに沿って、それぞれの駆動モジュールの線形移動を駆動させるために、別々のステージ移動モーターを使用している。
図46は、一実施形態に従って、1つより多い数の連結器を備えた駆動モジュールに対して取り付けられた、1つの自由度を有するカセットの側面図である。図46では、単一自由度を有するカセット476は、第1の連結器(図示略)を使用して駆動モジュール470に対して取り付けられ、第2の連結器474は、配置されておらず、カセット476と係合されていない。一実施形態では、ロボット駆動部の制御コンピュータ・システムは、未使用の連結器474を自動的に閉ざす(ロック・アウトする)ように構成されていてもよい。一実施例では、駆動モジュール470に対してセンサを設けて、どのような種類のカセットが駆動モジュールに取り付けられているのかを検出してもよい。別の実施例では、使用者が、使用されているカセットの種類を入力してもよく、例えば、制御ステーションを用いて入力する。他の実施形態では、ロボット駆動部は、単一の連結器を備えた駆動モジュールと、2つ又は複数の連結器を備えた駆動モジュールとの組合せを含んでいてもよい。図47は、三軸構成でのロボット駆動部の一部分の上面図であって、一実施形態に従って1つより多い数の連結器を備えた駆動モジュールと単一の連結器を備えた駆動モジュールとの双方を含んでいる。図47は、単一の連結器を有する3つの駆動モジュール478、480及び482と、2つの連結器を有する1つの駆動モジュール484とを示している。単一自由度を有するカセット486、488及び490は、それぞれ、駆動モジュール478、480及び482に取り付けられている。2つの自由度を有するカセット492は、2つの連結器を有する駆動モジュール484に取り付けられている。2つ又は複数の連結器を有する駆動モジュールを含むロボット駆動システムを設けることによって、複数の駆動モジュールの間でカセットを移動させることのみによって、ロボット駆動部を再構成することを可能にする。
他の実施形態では、2つ又は複数の自由度(例えば、ガイド・ワイヤの回転と、つまみ/つまみの解除)を提供するように構成されたカセットを、2つの独立して駆動される駆動モジュール上に取り付けることができ、換言すると、カセットは、各駆動モジュール上で連結器を係合する2つの駆動モジュール間をまたぐことができる。従って、より複雑な自由度を必要とする細長い医療デバイスを操作するために、2つの駆動モジュールを使用することができる。図48は、2軸構成でのロボット駆動部の一部分の上面図であって、一実施形態に従って2つの駆動モジュールに取り付けられたカセットを含み、図49は、単軸構成でのるロボット駆動部の一部分の上面図であって、一実施形態に従って2つの駆動モジュールに取り付けられたカセットを含む。図48では、第1の駆動モジュール500、第2の駆動モジュール502及び第3の駆動モジュール504は、それぞれ、単一の連結器を有し、それぞれ、第1のステージ510、第2のステージ512及び第3のステージ514に接続されている。第4の駆動モジュール506は、図43-図47に関して上述した2つの連結器を含むとともに、第4のステージ516に対して接続されている。第4の駆動モジュール506が2つの連結器を有すると示されているが、第4の駆動モジュールは、モジュール500-504を駆動するために同様の単一の連結器の駆動モジュールでもあってもよい。2つの自由度を提供するように構成されたカセット508は、第3の駆動モジュール504の連結器と第4の駆動モジュール506の連結器のうちの1つの双方と係合するように取り付けられている。例えば、カセット508は、細長い医療デバイスに関して、回転と、つまみ/つまみの解除とを提供するように構成されてもよい。細長い医療デバイスの線形移動は、レール又は線形メンバに沿って、第3のステージ514及び第4のステージ516を介して、第3の駆動モジュール504及び第4の駆動モジュール506を線形移動させることで提供される。各連結器は、カセット508について1つの自由度を駆動するための力を提供できる。第3の駆動モジュール504及び第4の駆動モジュールは、互いに対して所定の距離で配置され、それによって、各駆動モジュール504、506上にカセットを取り付けることを可能にする。ロボット駆動部の制御コンピュータ・システム(図示略)は、第3駆動モジュール504と第4駆動モジュール506とを一つ(ユニット)として線形移動させるように構成することができ、それによって、各駆動モジュール504、506上の連結器間の相対距離を同一のまま維持させてもよい。例えば、第3の駆動モジュール504及び第4の駆動モジュール506は、単一の駆動モジュールを効果的に形成するように、電子的に結合されていてもよい。他の実施形態では、カセットは、2つの単一の連結器の駆動モジュールに取り付けられてもよい。図49では、カセット508は、第2の駆動モジュール502の連結器と、第3の駆動モジュール504の連結器とを係合させるように取り付けられている。他の実施形態では、2つの独立した駆動モジュールを互いに機械的に連結して、単一のステージに接続してもよく、それによって、機械的に連結された一対の駆動モジュールを駆動するために、単一のステージの移動モーターを使用してもよい。このことは、例えば、2つ又は複数の自由度を提供するカセットを有するデバイス・モジュールの前方でカテーテルの数を減少させるために使用できる。また、相対的な直線移動が必要な単一のデバイスのために、またぐ駆動部を使用できる。例えば、一部の自己拡張型ステント又はコイルは、展開のために、ワイヤ又はシャフトを引っ張ることが必要とされ得る。一方のモジュールが展開デバイスの本体又はシース(鞘)上に保持される一方で、他方のモジュールが展開ワイヤ又はシャフトを取り扱う場合には、2つのモジュールを使用してもよい。
上述のように、ロボット駆動部は、様々な連続的なデバイスの構成を提供するために再構成され得る。他の実施形態では、連続的及び並列的なデバイスの構成の双方をロボット駆動部に提供するために、様々な装置及び方法を使用することができる。図50は、一実施形態に従って、ロボット駆動部内の細長い形医療デバイス用の並列的な構成のブロック図である。ロボット駆動部の構成520は、第1のステージ530と、第2のステージ532と、第3のステージ534とをそれぞれ使用して、レール又は線形駆動モジュール528に対して接続された、第1のデバイス・モジュール522と、第2のデバイス・モジュール524と、第3のデバイス・モジュール526とを含む。第1のデバイス・モジュール522は、第1の細長い医療デバイス(EMD)536を含み、第2のデバイス・モジュール524は、第2のEMD538を含み、第3のデバイス・モジュール526は、第3のEMD540を含む。第1のEMD536は、第1のサポート・トラック542によって支持され、第2のEMD538及び第3のEMD540を並列的な構成で受け取るように構成されている。第2のEMD538及び第3のEMD540は、第2のサポート・トラック544を使用する第1のデバイス・モジュール522と第2のデバイス・モジュール524との間で支持されている。第3のEMD540は、と第3のサポート・トラック546を有する第2のデバイス・モジュール524と第3のデバイス・モジュール526との間で支持されている。一実施形態では、第1のサポート・トラック542、第2のサポート・トラック544、及び第3のサポート・トラック546は、図79-図107を参照して後述されるデバイス支持体(デバイス・サポート)であってもよい。第3のEMD540は、第2のデバイス・モジュール524のハブに入って、連続的な構成で第2のEMD538を通過するのではなく、第2のデバイス・モジュール524のカセット上のバイパス・チャネル(図51及び図52参照)内に配置されて、ハブをバイパスして、第2のEMD538と平行に第2のサポート・トラック544に入る。次いで、第2のEMD538及び第3のEMD540は、第1のデバイス・モジュール522上の第1のEMD536のハブ548に入る。次に、第2のEMD538及び第3のEMD540は、並列的な配置で第1のEMD536に入って通過することができる。上述のように、第2のデバイス・モジュール524内のカセットは、第2のEMD538をバイパスするときに、第3のEMD540を支持するバイパス・チャネルを含む。図51は、一実施形態に係る直列的な構成のバイパス・チャネル及び細長い医療デバイスを備えたカセットの上面図であり、図52は一実施形態に係る並列的な構成のバイパス・チャネル及び細長い医療デバイスを備えたカセットの上面図である。図51及び図52を参照すると、カセット550は、バイパス・チャネル554及びバイパス・チャネル接続点564を含む。カセット550は、第1のEMD558と第1のサポート・トラック552とを含む。図51では、第2のEMD560は、ハブ562とつながる第2のサポート・トラック556によって支持されることが示されており、それによって、第2のEMDがハブ562に入り、連続的な構成で、第1のEMD558を通過することができる。一実施形態では、第1のサポート・トラック552及び第2のサポート・トラック556は、図79-図107を参照して後述されるデバイス支持体であってもよい。図52では、並列的なデバイス構成を提供するために、第2のサポート・トラック556は接続点564と接続しており、それによって、第2のEMD560がバイパス・チャネル554内に配置されて、それに沿って移動することができる。第1のサポート・トラック552は、バイパス・チャネル554の遠位端で第2のEMD560を受け取るように構成されていて、それによって、第2のEMD560が第1のEMD558と平行に第2のサポート・トラック552を通って移動することができる。図52に示した実施形態では、第1のEMD558はカセット550の中心軸に沿って配置されるカテーテルであり、第2のEMD560はワイヤ・ベースのデバイス(例えば、ガイド・ワイヤ)である。他の実施形態では、第1のEMD558は、カセット550の中心軸に沿って配置されるワイヤ・ベースのデバイスであり、第2のEMD560はカテーテル(例えば、急速交換用のカテーテル)であってもよい。
他の実施形態では、サポート・トラックは、並列的なデバイス構成を提供するために、ハブをバイパスする際に、細長い医療デバイスを支持するために使用され得る。図53は、一実施形態に従って、ロボット駆動部中の細長い医療デバイス用の並列的な構成のブロック図である。ロボット駆動構成521は、第1のステージ531、第2のステージ533、及び第3のステージ535をそれぞれ用いて、レール又は線形メンバ529に対して接続された、第1のデバイス・モジュール523、第2のデバイス・モジュール525、及び第3のデバイス・モジュール527を含む。第1のデバイス・モジュール523は、第1の細長い医療デバイス(EMD)537を含み、第2のデバイス・モジュール525は、第2のEMD539を含み、第3のデバイス・モジュール527は、第3のEMD541を含む。第1のEMD537は、第1のサポート・トラック543によって支持され、第2のEMD539及び第3のEMD541を並列的な構成で受け取るように構成されている。第2のEMD539は、第2のサポート・トラック545を有する第1のデバイス・モジュール523と第2のデバイス・モジュール525との間で支持されている。一実施形態では、第1のサポート・トラック542及び第2のサポート・トラック545は、図79-図107を参照して後述されるデバイス支持体であってもよい。第2のサポート・トラックは、第1のデバイス・モジュール523内のハブ・アダプタ549と接続する。第3のEMD541は、第3のサポート・トラック547を使用する第1のデバイス・モジュール523と第3のデバイス・モジュール527との間で支持される。第3のEMD541と第3のサポート・トラック547とは、第2のデバイス・モジュール525のハブに入り、連続的な構成で第2のEMD539を通過するのではなく、ハブをバイパスするように配置される。第3のサポート・トラック547は、ハブ・アダプタ549に接続される。第2のEMD539及び第3のEMD541は、並列的な構成で、ハブ・アダプタ549に入り、次いで、第1のEMD537のハブ551に入る。次に、第2のEMD539及び第3のEMD541は、互いに対して並列的に、第1のEMD537に入り、通過してもよい。ハブ・アダプタ549は、2つ又は複数のサポート・トラックと接続して、受け取るように構成されている。図54は、一実施形態に従った、並列的な構成で、2つの細長い医療デバイスを受け入れるように構成されたカセットの上面図である。カセット553は、第1のEMD561及び第1のサポート・トラック555を含む。第2のEMD563は、ハブ・アダプタ567と接続する第2のサポート・トラック557によって支持されることが示されている。第3のEMD565は、ハブ・アダプタ567と接続する第3のサポート・トラック559によって支持されることが示されている。従って、ハブ・アダプタ567は、第2のサポート・トラック557と第3のサポート・トラック559とを接続するように構成されており、それによって、第2のEMD563と第3のEMD565とが、並列的な構成で、ハブ569に入り、第1のEMD555を通過することができる。
他の実施形態では、ロボット駆動部内に複数のデバイス軸を提供するように、各駆動モジュール上に複数の連結器を提供することによって、並列的なデバイス構成を容易にすることができる。図55は、一実施形態に従って、複数のデバイス軸を有するロボット駆動部構成のブロック図である。第1の駆動モジュール570、第2の駆動モジュール572、第3の駆動モジュール574、第4の駆動モジュール576及び第5の駆動モジュール578は、それぞれ、第1のステージ582、第2のステージ584、第3のステージ586、第4のステージ588、及び第5のステージ589を用いて、レール又は線形メンバ580に対して接続されている。各駆動モジュールは、2つの連結器593を含む。各駆動モジュール570、572、574、576、578上の2つの連結器593は、互いに平行に配置されていて、それによって、各連結器がデバイス軸を定めるようにしている。第1のデバイス軸591は、各駆動モジュール570、572、574、576、587上の第1の連結器によって定められ、第2のデバイス軸592は、各駆動モジュール570、572、574、576、587上の第2の連結器によって定められている。図55では、第4の駆動モジュール576及び第5の駆動モジュール578上の連結器は、配置されていない。第1のカセット590は、第1の駆動モジュール570に取り付けられ、第1のサポート・トラック596内で支持されている第1のEMD(図示略)を含んでいる。第2のカセット594は、第1のデバイス軸591上の連結器593に取り付けられ、第2のEMD 597を含むが、それは、第2の駆動モジュール572と第1の駆動モジュール570との間で、第2のサポート・トラック571によって支持されている。第2のデバイス軸592上にある第2の駆動モジュール572上の第2の連結器は、配置されていない。第3のカセット595は、第2のデバイス軸592上の連結器593に取り付けられ、第3のEMD599を含むが、それは、第2の駆動モジュール572と第1の駆動モジュール570との間で、第3のサポート・トラック573によって支持されている。一実施形態では、第1のサポート・トラック596、第2のサポート・トラック571及び第3のサポート・トラック573は、図79-図107を参照して後述されるデバイスデバイス支持体であってもよい。第1のデバイス軸591上にある第3の駆動モジュール574上の第2の連結器は、配置されていない。第2のサポート・トラック571及び第3のサポート・トラック573は、それぞれハブ・アダプタ598(例えば、図54に関して上述したハブ・アダプタ)を接続する。第2のEMD597及び第3のEMD599は、並列的な構成で、ハブ・アダプタ598に入り、及び次に第1のEMDのハブ575に入る。他の実施形態では、第4の駆動モジュール576及び第5の駆動モジュール578内にある追加のカセット及びEMDが、連続的な構成又は並列的な構成で提供されてもよい。
他の実施形態では、展開可能部を含むEMDは、2つのデバイス・モジュールにわたって配置することができ、デバイス・モジュールの独立した線形移動がEMDを展開するために使用され得る。例えば、自己拡張型ステント又はコイルは、展開するために、ワイヤ又はシャフト又はノブを引張っることが必要とされ得る。図56は、一実施形態に従って、第1の位置における2つのデバイス・モジュールを横切って配置された細長い医療デバイスの上面図である。第1のデバイス・モジュール600は、第1のステージ606を使用してレール又は線形メンバ604に接続され、第2のデバイス・モジュール602は、第2のステージ608を使用してレール604に接続されている。第1の線形移動用モーター624は、第1のステージ606に結合されていて、レール604に沿って第1のステージ606及び第1のデバイス・モジュール600を直線的に移動させるように構成されている。第2の線形移動用モーター626は、第2のステージ608に結合されていて、レール604に沿って第2のステージ608及び第2のデバイス・モジュール602を直線的に移動させるように構成されている。線形的に展開可能なEMDは、第1のデバイス・モジュール600内に位置決めされた第1のセクション(部分)610と、第2のデバイス・モジュール604内に位置決めされた第2のセクション612とを含む。第1の部分610は、例えば、線形的に展開可能なEMDの本体又はシース(sheath)であってもよく、第2の部分612は、例えば、展開ワイヤ及び/又は展開シャフト又はノブであってもよい。第1のデバイス・モジュール600及び第2のデバイス・モジュール602の、例えば、矢印616によって示された線形移動は、互いに結合されてもよく、それによって、2つのモジュールが一体に、第1の位置614(図57参照)から第2の位置618(図58参照)まで移動して、展開可能EMDを直線的に平行移動させてもよい。図57は、一実施形態に係る第2の位置での、2つのデバイス・モジュールを横切って配置された細長い医療デバイスの上面図である。図57では、第1の駆動モジュール600及び第2の駆動モジュール602は、レール又は線形メンバ604に沿って第1のステージ606及び第2のステージ608の線形移動を結合することによって、遠位方向に一体に移動されている。線形的に展開可能なEMDを展開するために、第2のステージ608及び第2のデバイス・モジュール602は、第2のステージ移動用モーター626を用いて、独立して移動することができる。図58は、一実施形態に係る第3の位置での、2つのデバイス・モジュールを横切って配置された細長い医療デバイスの上面図である。図58では、第2のステージ608及び第2のデバイス・モジュール602は、矢印620で示すように、近位方向に第1のステージ606及び第1のデバイス・モジュール600から離れるように移動している。EMDの第2の部分612を有する第2のデバイス・モジュール602は、第3の位置622に示されている。第2のデバイス・モジュール602の線形移動は、デバイスを展開するために、EMDの第2の部分612に必要な線形移動(例えば、引っ張り)を提供する。
他の実施形態では、回転式に展開可能なEMDを展開させるために、デバイス・モジュールの駆動モジュール内に連結器を用いることができる。例えば、ステント・システムは、自己拡張型ステント上でシースを引き込むためのシャフト又はノブを含むことができる。回転運動は、シースの取り外しを行うために使用することができる。図59は、一実施形態に従って、オン・デバイス・アダプタを有する例示的な回転式に展開可能な細長い医療デバイスの斜視図である。回転式に展開可能なEMD630は、例えばステント等を展開するために回転できるシャフト又はノブ632を含む。ロボット駆動部のデバイス・モジュール内のカセットとインターフェースするため、例えばギヤ等の、オン・デバイス・アダプタ634が、シャフトの周囲に設けられる。図60は、一実施形態に従って、展開されていない状態での図59に示した回転式の展開可能EMDの断面図であり、図61は、一実施形態に従って、展開状態での図59に示した回転式に展開可能なEMDの断面図であり、そして、図62は、一実施形態に従って、駆動モジュール上のカセット内で、図59に示した回転式に展開可能なEMDの断面図である。シャフト632は、装置630が展開されていない第1の位置638において、図60に示した展開要素636を含む。展開要素636は、例えばスクリュー機構であってもよい。オン・デバイス・アダプタ634は、図62に示した、カセット646内のベベルギヤ(かさ歯車)648とインターフェースするために使用されてもよい。ベベルギヤは、カセット646が取り付けられる駆動モジュール644内の連結器642に対して結合される。連結器642の回転は、ベベルギヤ648を回転させ、次いで、オン・デバイス・アダプタ634を回転させる。オン・デバイス・アダプタ634の回転は、シャフト632を回転させ、これによって、図61に示した第2の位置640まで直線的に展開要素636を移動させて、装置630の展開(例えば、シース解除)を引き起こすことができる。
他の実施形態では、ロボット駆動部のフレームに対して取付けられるか、又はロボット駆動部のレール又は線形メンバに対して移動可能に取付けられるパーキング・クランプを用いることで、平行なデバイスのレイアウトを提供してもよい。図63は、一実施形態に従って、グローバル・パーキング・クランプを使用した平行なデバイスのレイアウトのブロック図である。グローバル・パーキング・クランプ662は、ロボット駆動部のフレーム652に取り付けられているが、ロボット駆動部は、第1のデバイス・モジュール654と、第2のデバイス・モジュール656とを含む。第1のデバイス・モジュール654は、第1のステージ658を使用してレール又は線形メンバ650に対して接続され、第2のデバイス・モジュールは、第2のステージ660を使用してレール650に対して接続されている。第1のデバイス・モジュールは、第2のデバイス・モジュール656内に含まれる第2のEMD666と、グローバル・パーキング・クランプ662によって保持される第3のEMD668とを受け取るように構成された第1のEMD664を含む。グローバル・パーキング・クランプ662は、例えば、患者(図示略)に対して第3のEMD668を固定するように構成されていてもよい。クランプ662によって、他のモジュール654、656を線形に移動させ、その際、患者に対して固定された第3のEMD668をクランプされた状態で保持する。第2のEMD666及び第3のEMD668は、互いに平行して第1のEMD664に入る。他の実施形態では、グローバル・パーキング・クランプは移動することができる。図64は、一実施形態に係る移動可能なグローバル・パーキング・クランプの斜視図である。図64では、デバイス・モジュール672は、第1のステージ678を使用して、第1のレール又は線形メンバ670に対して接続されている。第2のレール682に取り付けられた第2のステージ680に対して接続された取り付けブラケット676を使用して、グローバル・パーキング・クランプ674は、第2のレール682に対して結合されている。従って、ステージ移動モーター(図示略)を用いてロボット駆動により、又は手動で、第2のレール682に沿って第2のステージ680を直線的に移動させることによって、グローバル・パーキング・クランプ674は移動することができる。上述のように、並列的な構成で提供できるEMD(図示略)を保持するために、グローバル・パーキング・クランプ674を使用することができる。
また、並列的なデバイスの構成を容易にするために、カセット上にパーキング・クランプを直接的に設けてもよい。図65は、一実施形態に係る、モジュール・パーキング・クランプを備えるカセットを含む、デバイス・モジュールの上面図である。図65では、デバイス・モジュール690は、駆動モジュール694に取り付けられたカセット692を含む。モジュール・パーキング・クランプ698は、カセット692の近位端696に取り付けられている。従って、クランプ698内に挿入されて、クランプ698によって保持されているEMD(図示略)に対して、パーキング・クランプ698が固定される。ハブ691と直列的な構成にある他のEMDに対して並列的にカセット内に配置されたEMDがあれば、ハブ691に入るように、クランプ7698によって保持されるEMDが配置されてもよい。クランプされたEMDの位置を調整するために、クランプ698が活性(アクティブ)であるときに、クランプ698内のEMDを移動させるために、デバイス・モジュール690の線形移動を使用してもよい。クランプ698は、手動で作動されてもよいし、ロボット駆動で作動されてもよい。一実施形態では、クランプ698は、自己展開型ステント用の展開ワイヤを保持するために使用されることができる。他の実施形態では、バルーン補助コイル形成用のバルーンを留めるために、クランプを用いることができる。
他の実施形態では、急速交換用の細長い医療デバイス、例えば急速交換バルーン等に対して線形の自由度を提供するように構成されたカセットを用いることで、平行なデバイスの構成を提供することができる。図66は、一実施形態に係る、急速交換のタイヤ駆動部を備えるカセットを含むデバイス・モジュールの上面図である。デバイス・モジュール700は、駆動モジュール704に取り付けられたカセット702を含む。一実施形態では、駆動モジュール704は、EMDの動きを測定するために使用され得る補助エンコーダー(図示略)を含んでいてもよい。カセット702は、チャンネル710の両側に第1のタイヤ706と第2のタイヤ708とを含む。チャネル710内に、EMD(図示略)を配置することは可能である。一対のタイヤ706、708は、チャネル710内に配置されたEMDに対して線形移動を提供するために使用されてもよい。チャネル710は、タイヤ706、708によって駆動され始めるEMDを、駆動されている遠位EMD(図示略)のより遠位のハブ内に向けるために使用される。タイヤ706及び708は、EMDを駆動するための力を受け取るために、駆動モジュール704の連結器(図67及び図68参照)に接続されていてもよい。従って、カセット702は、連結器を再利用するように構成されていて、通常は、連結器は回転用の自由度のために使用されるが、それを、一対のタイヤ706及び708によって形成されるタイヤ駆動に線形の自由度に与えてもよい。
図67は、一実施形態に従った、駆動モジュールと急速交換タイヤ駆動部との間での駆動機構とインターフェースの斜視図であり、図68は、一実施形態に従った、駆動モジュールと急速交換タイヤ駆動部との間での駆動機構とインターフェースの斜視図である。図67及び図68を参照すると、カセット702は、駆動モジュール704の連結器712(即ち、回転式のパワー・インターフェース)とインターフェースして、タイヤ駆動部(例えば、図66及び図68に示したタイヤ706及び708)を介して、回転運動を並進運動に変換するように構成されている。カセット702は、連結器712とインターフェースするためのギヤ・アセンブリ714を含む。カセット702が駆動モジュール704に対して取付けられると、連結器712は、カセット702の底面内のギヤ・アセンブリ714の第1のギヤ716に対して結合される。第1のギヤは、第2のタイヤ708を回転させるために使用される第2のギヤ718と接触しており、第2のギヤは、第1のタイヤ706を回転させるために使用される第3のギヤ720と接触している。第1のタイヤ706及び第2のタイヤ708は、連結器712の回転軸からオフセットされてカセット702上に配置されており、中央のデバイスの縦軸からタイヤ706、708が離れることを可能にしている。また、ギヤ・アセンブリ714は、手動アンピンチ・アーム(つまみを解除するアーム)を含むが、これは、EMDの積み下ろしを容易にするためにタイヤ706及び708をクランプ解除するために使用され得る。手動アンピンチ・アーム722は、タイヤ706,708を全てのEMDに対して分離させて、駆動装置からアンロードするために使用される。アンピンチ・レバー722が作動していないときには、ばね(図示略)を用いて、タイヤ706、708の間で所定の力でEMDをクランプしてもよい。一実施形態では、クランプされた駆動力を増減させるように力を調節することができる。例えば、調整機構は、ばねの圧縮長さを変化させるねじであってもよい。連結器712の回転によって、第1のギヤ716を回転させて、次に、第2のギヤ718を回転させて、次に、第3のギヤ720を回転させる。従って、第1のタイヤ706及び第2のタイヤ708は回転することができ、それによって、チャンネル710(図66参照)内でEMDの線形移動が行われる。一実施形態では、チャネル710内に位置し、タイヤ706及び708によって駆動されるEMDは、急速交換用のEMDであって、例えば、急速交換カテーテル又は急速交換バルーンである。一実施形態では、急速交換カセット702が駆動モジュールに取り付けられたときを検出するためのセンサが、駆動モジュール704に含まれていてもよい。
図69は、一実施形態に係る、急速交換タイヤ駆動部を含む、ロボット駆動部のデバイス・モジュール構成の例示である。図69に示した構成は、第1のデバイス・モジュール724、第2のデバイス・モジュール726、第3のデバイス・モジュール728及び第4のデバイス・モジュール730を含む。第一のデバイス・モジュール724、第2のデバイス・モジュール726及び第4のデバイス・モジュール730の中で連続的に提供され得るEMDに加えて、平行的にEMDを提供するために、急速交換カセット732(例えば、図66を参照して上述したカセット702)が、第3のデバイス・モジュール728に含まれている。急速交換カセット732(タイヤ駆動部を含む)を備えた第3のデバイス・モジュール728は、第2のデバイス・モジュール726の真後ろに配置されていてもよく、従って、第2の駆動モジュール726上のY型コネクタ(Y-コネクタ)の真後ろに配置されていてもよい。従って、タイヤ駆動部は、より近位のEMDとは干渉しない。加えて、この構成によって、より近位のEMDがより遠位のハブに近づくことを可能にすることにより、作業長さのより近位のEMDの損失を減少させることを可能にする。第3のデバイス・モジュール728を第2のデバイス・モジュール726のすぐ後ろに配置することによって、第2のデバイス・モジュール726と第3のデバイス・モジュール728との間のサポート・トラック(又はデバイス・サポート)の必要性をなくすことができる。第2のデバイス・モジュール726及び第3のデバイス・モジュール728は、それらが一体に直線的に移動するように、機械的に又は電子的に結合されていてもよい。他の実施形態では、急速交換カセット732は、ロボット駆動部中のデバイス・モジュールの順序の異なる位置で提供されてもよく、例えば、急速交換カセットは、第2のデバイス・モジュール726上で利用されて、非急速交換カセットは、第3のデバイス・モジュール728内で利用されてもよい。この実施例では、第4のデバイス・モジュール730は、配置されていなくてもよい。また、急速交換カセット732は、特定の事案のために必要とされない場合には、ロボット駆動部から取り出すことができる。単一自由度でEMDを駆動するハブではなく、線形の自由度のみを必要とするEMDの線形移動のためにタイヤ駆動部(即ち、シャフト駆動)を用いることには幾つもの利点があるが、例えば、一旦Y型コネクタの内側に全EMD範囲にわたって完全な操作を行うことや、リセットすることなくより速い逆の速度を可能にすること(連続移動)や、デバイス・サポート・トラックの必要性をなくすことができること等がある。
図70は、一実施形態に係る、専用のガイド・ワイヤと、急速交換カテーテル・デバイス・モジュールとを含む、ロボット駆動部の構成のブロック図である。図70に示した構成は、第1のステージ748と第2のステージ750とをそれぞれ用いて、レール又は線形メンバ746に対して結合された第1のデバイス・モジュール740と第2のデバイス・モジュール742とを含む。さらに、最も近位のデバイス・モジュール744は、専用のガイド・ワイヤと急速交換カテーテル・デバイス・モジュールである。ガイド・ワイヤ及び急速交換カテーテル・デバイス・モジュール744は、第3ステージ752を使用して、レール746と接続されている。ガイド・ワイヤ及び急速交換カテーテル・デバイス・モジュール744は、カセット745を含むが、これは、急速交換カテーテル758に線形移動を提供するように構成され、この際、例えばタイヤ754を使用し、そして、ガイド・ワイヤ756に対して回転及び線形移動を提供することができる。ガイド・ワイヤ756及び急速交換カテーテル758は、ガイド・ワイヤ及び急速交換カテーテル・デバイス・モジュール744まで、遠位のEMDを通って、平行に移動する。図70では、第1のデバイス・モジュール740と第2のデバイス・モジュール742とは、ガイド・ワイヤ756と急速交換カテーテル758とを受け取るように構成されたカテーテルを含むことができる。従って、この構成では、ガイド・ワイヤ及び急速交換カテーテル駆動部の前方(即ち、遠位)に複数のカテーテルが提供され得る。
他の実施形態では、ロボット駆動部は、複数の並列レール又は線形メンバを含むことができ、それによって、デバイス・モジュールが互いを通過してもよく、また、ロボット駆動部は、直列的な構成と並列的な構成との間で再構成を容易にしてもよい。図71は、一実施形態に係る、複数の並列レールを有するロボット駆動部の上面図である。ロボット駆動部760は、第1のレール又は線形メンバ762、第2のレール又は線形メンバ764、及び第3のレール又は線形メンバ766を含み、これらは互いに平行に配置されている。第1のデバイス・モジュール768は、第1のステージ780を用いて、第1のレール762と結合されている。第1のステージ780を第1のレール762に沿って直線的に駆動するために第1のステージ移動モーター774が使用されている。第2のデバイス・モジュール770は、第2のステージ784を用いて、第2のレール764と結合されている。第2のレール764に沿って第2のステージ784を直線的に駆動するために第2のステージ並進モータ776が使用されている。第3のデバイス・モジュール772は、第3のステージ785(図75及び図77参照)を用いて、第3のレール766と結合されている。第3レール766に沿って第3ステージ785を直線的に駆動するために第3ステージ翻訳モーター778が使用されている。第1の位置オフセット・スライド782を第1のステージ780に取り付けて、第1のレール762、第2のレール764、及び第3のレール766に対する第1のデバイス・モジュール768の位置を調整するために使用してもよい。第2の位置オフセット・スライド786を第2のステージ784に取り付けて、第1のレール762、第2のレール764、及び第3のレールに対する第2のデバイス・モジュール770の位置を調整するために使用してもよい。また、第3の位置オフセット・スライド(図示略)を第3のステージ785(図75及び図77参照)に取り付けて、第3のデバイス・モジュール772の位置を調整してもよい。各デバイス・モジュール768、770、772が、それらが取り付けられる各レール762、764、766の上で整列した位置にあるとき、各デバイス・モジュール768、770、772は直線的に移動することができ、その際、それぞれのレールに沿って互いに通過して移動することができる。加えて、第1のデバイス・モジュール768、第2のデバイス・モジュール770及び第3のデバイス・モジュール772の位置は調整することができ、それによって、EMD(EMDは図面では省略されている)を駆動するために、直列的な構成又は並列的な構成で、様々なデバイス・モジュールを整列することができる。図71では、第1のデバイス・モジュール768は、第1の位置オフセット・スライド782に沿って、第1のレール762と第3のレール766との間の第1のギャップ788上の位置に移動されている。第2のデバイス・モジュール770は、第2の位置オフセット・スライド786に沿って、第2のレール764と第3のレール766との間の第2のギャップ790上の位置に移動されている。デバイス・モジュールは、手動又はロボット駆動のいずれかによって、位置オフセット・スライドに沿って移動することができる。
図72は、位置オフセット・スライドを備えたデバイス・モジュールの断面図であり、デバイス・モジュールは、一実施形態に係る第1の位置にあり、図73は、位置オフセット・スライドを備えたデバイス・モジュールの断面図であり、デバイス・モジュールは、一実施形態に係る第2の位置にある。第1のデバイス・モジュール768は、駆動モジュール771に取り付けられたカセット769を含む。駆動モジュール771は、第1の位置オフセット・スライド782に取り付けられており、それは、第1のレール762に接続されている第1のステージ780に取り付けられている。第1のデバイス・モジュール768は、第1の位置761に示されているが、そこでは、第1のデバイス・モジュール768が第1のレール762の上に配置されている。第1のデバイス・モジュール768は、第1位置オフセット・スライド782に沿って、第1位置から図73に示す第2位置763まで移動することができる。第1のデバイス・モジュール768は、第3のレール766に向かう方向(矢印765で示される)に移動されている。第2の位置763では、第1のデバイス・モジュール768は、第3のレール766の上の位置にある。一実施形態では、駆動モジュールは、バネ付きプランジャ773を含んでもよく、そのバネ付きプランジャ773は、第1位置オフセット・スライド782に沿って、デバイス・モジュール768の位置をロック(係止)するために使用することができる。例えば、バネ付きプランジャ773は、第1の位置オフセット・スライド782内の複数の孔781の1つ内に位置することができ、それによって、自身を定位置に確保して、デバイス・モジュール768の移動を防ぎ、例えば、第2の位置763から移動しないようにしてもよい。他の実施形態では、第1のデバイス・モジュール768は、第2レール764上の位置になるまで、第1位置オフセット・スライド782に沿って移動することができる。他のデバイス・モジュールの位置は、後述のように、複数の構成を提供するように調整してもよい。
図74は、一実施形態に従って、複数レールのロボット駆動部における、例示的な直列的な構成中のデバイス・モジュールの上面図である。第1のデバイス・モジュール768、第2のデバイス・モジュール770及び第3のデバイス・モジュール772は、第3のレール766上に配置された各デバイス・モジュールと共に直列的な構成となっている。第1のデバイス・モジュール768は、第1のレール762に沿うとともに、第1の位置オフセット・スライド782に沿って配置されていて、第3のデバイス・モジュール772の後ろに位置している。第2のデバイス・モジュール770は、第2のレール764に沿うとともに第2の位置オフセット・スライド786に沿って配置されていて、第1のデバイス・モジュール768の後ろに位置している。図74の直列的な構成では、各デバイス・モジュール768、770、772のデバイス軸は整列している。図75は、一実施形態に係る、複数レールのロボット駆動部中の、例示的な直列的な構成中のデバイス・モジュールの斜視図である。図75では、第1のデバイス・モジュール768、第2のデバイス・モジュール770及び第3のデバイス・モジュール770は、直列的な構成となっており、各デバイス・モジュールは、第1の762レールと第3の766レールとの間のギャップ788の上に配置されている。第1のデバイス・モジュール768は、第1のレール762に沿うとともに第1の位置オフセット・スライド782に沿って配置されて、第3のデバイス・モジュール772の後ろに位置している。第2のデバイス・モジュール772は、第2のレール764に沿うとともに第2の位置オフセット・スライド786に沿って配置されて、第1のデバイス・モジュール768の後ろに位置している。図75の直列的な構成では、各デバイス・モジュール768、770、772のデバイス軸は整列している。
図76は、一実施形態に係る、複数レールのロボット駆動部中の、例示的な並列的な構成中のデバイス・モジュールの上面図である。第1のデバイス・モジュール768及び第2のデバイス・モジュール770は、並列的な構成となっている。第1のデバイス・モジュール768は、第1の762レールと第3の766レールとの間のギャップ788上に配置されていて、第2のデバイス・モジュール770は、第2の764レールと第3の766レールとの間のギャップ790上に配置されている。第3のデバイス・モジュール772は、第3のレール766の上に配置されていて、第3のレール766に沿って、第1のデバイス・モジュール768及び第2のデバイス・モジュール770前方の位置にある。第1のデバイス・モジュール768は、第1のレール762に沿うとともに第1の位置オフセット・スライド782に沿って配置されて、第3のデバイス・モジュール772の後ろで、ギャップ788の上に位置している。第2のデバイス・モジュール770は、第2のレール764に沿うとともに第2の位置オフセット・スライド786に沿って配置されて、第1のデバイス・モジュール768の後ろで、ギャップ790の上に位置している。図76の構成では、第1のデバイス・モジュール768内のEMD(図示略)と第2のデバイス・モジュール770内のEMD(図示略)が、並列的に、第3のデバイス・モジュール772のハブ内に入ることができる。図77は、一実施形態に従って、複数レールのロボット駆動部中の、例示的な並列的な構成中のデバイス・モジュールの斜視図である。第1のデバイス・モジュール768及び第2のデバイス・モジュール770は、並列的な構成となっている。第1のデバイス・モジュール768は第1のレール762上に配置され、第2のデバイス・モジュール770は第3のレール766上に配置されている。第3のデバイス・モジュール772は、第1のレール762と第3のレール766との間のギャップ788の上に配置されていて、第3のレール766に沿って、第1のデバイス・モジュール768及び第2のデバイス・モジュール770の前方に位置している。第1のデバイス・モジュール768は、第1のレール762に沿うとともに第1の位置オフセット・スライド782に沿って配置されていて、第3のデバイス・モジュール772の後方で、第1のレール762の上に位置している。第2のデバイス・モジュール770は、第2のレール764に沿うとともに第2の位置オフセット・スライド786に沿って配置されて、第1のデバイス・モジュール768の後方で、第3のレール766の上に位置している。図77の構成では、第1のデバイス・モジュール768内のEMD(図示略)と、第2のデバイス・モジュール770内のEMD(図示略)とが、並列的に第3のデバイス・モジュール772のハブ内に入ることができる。
他の実施形態では、デバイス・モジュールの位置は、位置決めシステムを使用して実行することができ、例えば、ロボットアームを用いて実行してもよい。図78A-図78Cでは、一実施形態に従って、位置決めシステムを用いたデバイス・モジュールの位置の再構成が例示されている。図78Aでは、第1のデバイス・モジュール794は固定位置にある。位置決めシステム792、例えば、ロボットアームは、第2のデバイス・モジュール796に接続されていて、並列的な構成で、第2のデバイス・モジュール796を移動して、保持するように動作される。図78Bに示すように、直列的な構成で、第2のデバイス・モジュール796を移動させるように、ロボットアーム792を用いることができる。図78Cでは、第2のデバイス・モジュール796を線形に移動させるために、ロボットアーム792をさらに用いることができる。他の実施形態では、2つ以上のロボットアームを提供してもよく、この際、それぞれが各デバイス・モジュールに接続されて、それぞれの駆動モジュールの位置を他の駆動モジュールに関して移動させて、再構成させてもよい。この実施形態では、デバイス・モジュールは、レール又は線形メンバに対して取り付けられておらず、代わりに、アームのエンド・エフェクタとして作用している。直列的な構成のため、アームは、線又は他の軌道に従うようにデバイス・モジュールを整列させるが、この際、他の軌道には、患者との干渉を回避するように湾曲した経路を含むことができる。並列的な構成では、アームは。選択されたモジュールを並列的な構成で並べて、近位ハブが互いに通過できるようにしてもよい。
図3を参照して上述のように、ロボット駆動部24は、各デバイス・モジュール32a-32dの間と、最も遠位のデバイス・モジュール32aとデバイス支持接続部72との間に、デバイス支持体79a-79dを含むことができる。細長い医療デバイスが患者の外側で進められて、より遠位のEMDまで進められる前に、ねじれが生じることを防ぐように、各デバイス支持体79a-79dは構成されている。一実施形態では、各デバイス支持体79a-79dは、長手方向スリットを有する可撓性(フレキシブル)チューブ(管)であって、カセット上のスプリッターと共に使用される。各デバイス支持体79a-79dは、両端で固定又は拘束されて、デバイス支持体が張力を保つようにして、可撓性チューブが所定の変位量で限定されて、圧縮荷重を受けてねじれが可能となるようにする。EMDをねじると、適用可能な力の量を制限して、細長い医療デバイスが永続的に損傷を受ける可能性がある。圧縮荷重は、様々な要因によって引き起こされ得るが、例えば、EMDとデバイス支持体との間の摩擦、デバイス支持体とカセット(例えば、カセット内のスプリッタ(図102-図104を参照して後述される))との間の摩擦等が含まれる。張力下でデバイス支持体を維持すると、余分なカラム強度の必要性がなくなり、より小型で、より柔軟なデバイス支持体が可能になる。一実施形態では、デバイス支持体が可撓性チューブであって、その可撓性チューブの前方(又は遠位)の点と、後方(又は近位)の点とを固定することで、張力が提供され得る。図3に示した装置79a-79dでは、固定された前方(又は遠位)の点と、後方(又は近位)の点を有するデバイス支持体の1つの実施形態に係る。他の実施形態では、デバイス支持体は、アコーディオン又はスプリング型支持体であって、適切な張力を提供してもよい。デバイス支持体のこれら異なる実施形態は、以下で詳述される。
図79は、一実施形態に従って適切な張力を提供するために、固定された前方(又は遠位)の点と、後方(又は近位)の点とを有するデバイス支持体の斜視図である。図79は、図3に示したデバイス支持体の実施形態を例示している。図79では、第1のデバイス・モジュール802は、第1のデバイス支持体828を有する第1のカセット806を含むが、それ(第1のデバイス支持体828)は、例えば、カセット802のチャネル824に配置された可撓性チューブでもよい。第1のカセット806及び第1のデバイス支持体828は、互いに対して移動可能である。図79では、第1のデバイス支持体828は、第1のカセット806の遠位端から外へと伸び出し、第1のデバイス支持体828の第1の端部は、第1の前方(又は遠位)の固定点810における第2のデバイス・モジュール804の近位端に対して接続されている。第2のデバイス・モジュール804は、第1のデバイス・モジュール802の遠位に位置している。第2のデバイス・モジュール804は、第2カセット808と、第2のデバイス・モジュール804から第1カセット806に向かって近位方向に延びる支持アーム816とを含む。第1のデバイス支持体828の第2の端部は、第1のカセット806の近位端から伸び出し、第2のデバイス・モジュールの支持アーム816の近位端上の第1の後方(又は近位)の固定点812に対して接続されている。第1のデバイス支持体828は、固定された第1の前方810及び第1の後方812の点によって適所に保持される。第1の前方の固定点810及び後方の固定点812は、互いに一定の距離に保たれる。第1の前方の固定点810及び後方の固定点812は、剛性であってもよく、又は製造公差及び組立公差を考慮して適当な弾力性を有していてもよい。また、第1のデバイス・モジュール802は、支持アーム814を含むが、それは、第1のカセット806の近位に位置するカセット(図示略)のためにデバイス支持体の後方(又は近位)の固定点を提供するために使用されてもよい。
第2のデバイス・モジュール804は、最も遠位のモジュールであって、患者に対して最も近い(図示略)。第2のデバイス・モジュール804の第2のカセット808は、第2のデバイス支持体830を含むが、それは、例えば、第2のカセット808のチャネル826に配置された可撓性チューブでもよい。第2のカセット808と第2のデバイス支持体830は、互いに相対的に移動可能である。第2のデバイス・モジュール804の前方はデバイス・モジュール又はカセットがないため、遠位支持アーム834に取り付けられた遠位支持接続部832が、第2のデバイス支持体830の遠位端のための第2の前方(又は遠位)の固定点820を提供するために使用される。遠位支持接続部832及び遠位支持器アーム834は、図108-図116を参照して後述される。第2のデバイス支持体828の第2の端部は、第2のカセット808の近位端から伸び出して、遠位支持アーム834に接続された支持アーム818の近位端上の第2の後方(又は近位)の固定点822に対して接続されている。第2のデバイス支持体830は、固定された第2の前方の点820及び後方の点822によって張力を受けて保持される。固定された第2の前方の点820及び後方の点822は、互いに一定の距離に保たれる。固定された第2の前方の点820及び後方の点822は、剛性であってもよく、又は製造公差及び組立公差を考慮して適当な弾力性を有していてもよい。
一実施形態では、第1の前方の固定点810に接続された第1デバイス支持体828の遠位端と、第2の前方の固定点820に接続された第2デバイス支持体830の遠位端とは、後述するように、分離又は接続解除することができ、それによって、処置の前、処置の最中及び処置の後で、EMDの装填と解除とを容易にしてもよい。図80は、一実施形態に係る細長い医療デバイスの交換を容易にするために、引き抜かれた位置にデバイス支持体を有するカセットの上面図である。図80では、カセット840のデバイス支持体842は、前方(又は遠位)の固定点850から離れてて、EMD 848を露出させる退縮した位置にあるため、EMDの装填と解除とを容易にしている。上述のように、前方の固定点850は、カセット840の遠位側のデバイス・モジュール上に位置する。デバイス支持体842は、明確となるように、図80のカセット840カバーの上に示されている。デバイス支持体842の第1の(又は遠位の)端部844は、カセット840の遠位端に位置する。デバイス支持体842の第2の(又は近位の)端部846は、後方(又は近位の)固定点852を越えて移動している。上述のように、後方の固定点852は、例えば、カセット、駆動モジュール又はステージの支持アーム上に位置し、カセット840の遠位側にある、加えて、後方の固定点852は、ロボット駆動部のフレームに取り付けられていてもよい。図81は、一実施形態に係る、2つの端部で拘束された拡張位置にある、デバイス支持体を有するカセットの上面図である。デバイス支持体842がEMD848の上に引っ張られると、第1の端部844が前方の固定点850に取り付けられて、第2の端部846が後方の固定点852によって拘束される。上述のように、前方の固定点850及び後方の固定点852は、デバイス・モジュールに対して固定され、EMD848の遠位端が入る。デバイス支持体842は、明確となるように、図81のカセット840カバーの上に示されている。
双方の端部で各デバイス支持体を拘束(固定)することにより、ロボット駆動部中のデバイス・モジュールのすべての間での相対的な動きが可能となる。図82は、一実施形態に係る、デバイス支持体を有する2つのデバイス・モジュールの上面図である。第1のデバイス・モジュール860は、第1のデバイス支持体868を備えるが、それは、第2のデバイス・モジュール862の支持アーム871の近位端に位置する第1の後方(又は近位)の固定点874と、第2のデバイス・モジュール862の近位端の第1の前方(又は遠位)の固定点872とで拘束されている。第2のデバイス・モジュール862は、第2のデバイス支持体870を備えるが、それは、第2のデバイス・モジュール862より遠位のデバイス・モジュール(図示略)の支持アーム873の近位端に位置する第2の後方(又は近位)の固定点875と、第2の前方(又は遠位)の固定点(図示略)とで拘束されている。第1のデバイス・モジュール860は、第1の位置864から前方に移動することができる。第2のデバイス・モジュール862は、第1の位置876にある。図83は、一実施形態に従って、デバイス支持体に対して直線的に直線的なデバイス・モジュールの前方の移動を例示する上面図である。第1のデバイス・モジュール860が、第1の位置864から第2の位置866まで(矢印877参照)患者に向かって前方に移動すると、第1の後方(又は近位)固定点874は、第1のデバイス・モジュール860のカセット(及びデバイス・モジュール)が第1のデバイス支持体868に沿って移動するときに生じる負荷(例えば、カセットと第1のデバイス支持体868との間の摩擦)を受け取る。従って、第1デバイス支持体868は、第1のデバイス・モジュール860上のカセットの遠位端と、第2のデバイス・モジュール862上のカセットの近位端又は後方との間でねじれない(座屈しない)。第1のデバイス・モジュール860が、第2のデバイス・モジュール862(この例では1の位置876に静止している)に向かって遠位に進むにつれて、第1のデバイス支持体868の長さに沿って位置する基準点A及びBによって示されるように、第1のデバイス支持体868に対して移動する。第1のデバイス・モジュール860が第1の位置864にあるとき、基準点A及び基準点Bは、第1のデバイス・モジュール860の遠位端に近接して位置する。第1のデバイス・モジュール860が第1のデバイス支持体868に沿って進む際、第1のデバイス支持体868は、静止したままであるが、その理由は、第1の遠位固定点872と第1の近位固定点874とを介してそれが結合される第2のデバイス・モジュール862が静止しているためである。第1のデバイス・モジュール860が第2位置866に位置する場合、基準点A及び基準点Bは、軸外に位置し、第1のデバイス・モジュール860の近位に位置する。また、第1のデバイス・モジュール860は、第2の位置866から第1の位置864まで後方に移動することができる。
図84は、一実施形態に係る、デバイス支持体に対して、直線的に、デバイス・モジュールが逆方向に移動することを示す上面図である。第1のデバイス・モジュール860が、第2の位置866から第1の位置864まで(矢印879参照)、患者から離れるように後方に移動(後退)すると、第1の前方(又は遠位)の固定点872は、第1のデバイス・モジュール860のカセット(及びデバイス・モジュール)が第1デバイス支持体868に沿って移動する際、生じる負荷(例えば、カセットと第1デバイス支持体868との間の摩擦)を受け取る。従って、第1のデバイス支持体868は、第1のデバイス・モジュール860上のカセットと第1の後方の固定点874との間でねじれない。第1のデバイス・モジュール860が、第2のデバイス・モジュール862(この例では第1の位置876で静止している)から離れるように近位に移動するとき、第1のデバイス支持体868の長さに沿って位置する基準点A及びBで示されるように、第1のデバイス支持体868に対して移動する。第1のデバイス・モジュール860が第2の位置866にあるとき、基準点A及び基準点Bは、軸外に位置し、第1のデバイス・モジュール860の近位に位置する。第1のデバイス・モジュール860が第1のデバイス支持体868に沿って近位(後退)に移動する際、第1のデバイス支持体868は静止したままであるが、その理由は、第1の遠位固定点872と第1の近位固定点874とを介して結合される第2のデバイス・モジュール862がまた静止しているためである。第1のデバイス・モジュール860が第1の位置864にあるとき、基準点A及び基準点Bは、第1のデバイス・モジュール860の遠位端の近位に位置する。
図85は、一実施形態に係る、デバイス・モジュールに対して、直線的に、デバイス支持体が逆方向に移動するときの上面図である。第2のデバイス・モジュール862が、患者から離れるように、第1の位置876から第2の位置878まで(矢印869参照)移動するとき、第2のデバイス・モジュール862の遠位側にある第2の前方(又は遠位)の固定点(図示略)は、第2のデバイス・モジュール862のカセット(及びデバイス・モジュール)が第2のデバイス支持体870に沿って移動する際に生じる負荷(例えば、カセットと第2のデバイス支持体870との間の摩擦)を受け取る。従って、第2のデバイス支持体870は、第2のデバイス・モジュール162上のカセットと第2の後方の固定点875との間でねじれない。デバイス支持体868及び870は、それぞれ2つの既知の点の間で支持されているため、各デバイス支持体の長さは変化しない。第2のデバイス・モジュール862が、第1のデバイス・モジュール860(この例では第1の位置864に静止している)に向かって近位に移動するとき、第2のデバイス・モジュール862は、第2のデバイス支持体870に対して移動する。さらに、第1のデバイス支持体868(第1の遠位の固定点872及び第1の近位の固定点874を介して第2のデバイス・モジュール862に結合されている)は、第1のデバイス支持体868の長さに沿って位置する基準点A及びBで示されるように、第1のデバイス・モジュール860に対して移動する。第2のデバイス・モジュール862が第1の位置876にあるとき、基準点A及び基準点Bは、図82に示すように、第1のデバイス・モジュール860の遠位端の近くに位置する。第2のデバイス・モジュール862が第2のデバイス支持体870に沿って近位(後退)に移動するとき、第2のデバイス支持体870は静止したままであるが、その理由は、それが、この例では静止しているより遠位のデバイス・モジュール(図示略)に対して結合されているためである。しかしながら、第1のデバイス支持体868は、第1の遠位の固定点872と第1の近位の固定点874とを介して結合されている第2のデバイス・モジュール862とともに近位に移動する。第2のデバイス・モジュール862の第2の位置878では、第1のデバイス・モジュール860の遠位端の近位に基準点A及び基準点Bが位置する。
図86は、一実施形態に係る、ロボット駆動部用の4つのデバイス支持体と、4つのデバイス・モジュールとの簡略化された上面図を示す。第一のデバイス・モジュール902は、第一のデバイス支持体904を含むが、これは、一端部を支持アーム918に接続させ、一端部を遠位の支持点に接続させている。第2のデバイス・モジュール906は、第2のデバイス支持体908を備えるが、これは、一端部を支持アーム920に接続させ、一端部を第一のデバイス・モジュール902に接続させている。第3のデバイス・モジュール910は、第3のデバイス支持体912を含むが、これは、一端部を第2のデバイス・モジュール906上の第1の前方(又は遠位)の固定点926に接続させ、他の端部を支持アーム922上の第1の後方(又は近位)の固定点928に接続させている。第4のデバイス・モジュール914は、第4のデバイス支持体916を含むが、これは、一端を第3のデバイス・モジュール910上の第2の前方(又は遠位)の固定点930に接続させ、他端部を支持アーム924上の第2の後方(又は近位)の固定点932に接続されている。様々な実施形態では、支持アーム918、920、922、924は、駆動モジュール又はデバイス・モジュールのカセットに接続されていてもよい。他の実施形態では、支持アーム918、920、922、924は、処置に用いられていない場合には、それら支持アームの長さを短縮するために、折りたたみ可能であってもよく、伸縮可能であってもよく(テレスコーピングする)、又は他の方法を使用することができる。図87は、一実施形態に従って、デバイス支持体に対するデバイス・モジュールの移動を簡略化して例示した上面図である。第3のデバイス・モジュール910は、第1の位置934(点線で示されている)から開始して、(矢印946参照)第2の位置936まで移動する。第3のデバイス・モジュール910が前方(患者の方へ)に移動するとき、第3のデバイス支持体912に沿って移動し、それは、第1の前方(又は遠位)の固定点926で第2のデバイス・モジュール906に固定されているとともに、第1の後方(又は近位)の固定点928で第2のデバイス・モジュール906から伸びる支持アーム922に固定されている。第3のデバイス・モジュールが移動するにつれて、第3のデバイス・モジュール910を移動するデバイス支持体912の部分は変化するが、その際、第1の前方の固定点926及び後方の固定点928は移動しない。第2のデバイス・モジュール906と第3のデバイス・モジュール910との間に及ぶデバイス支持体912の第1の部分942の長さは減少するが、その際、第3のデバイス・モジュール910と後方の固定点928との間に及ぶデバイス支持体912の第2のセクション944の長さは増大する。これにより、第3のデバイス・モジュール910(及び関連するEMD)は、線形移動中に、第3のデバイス・モジュール910と第2のデバイス・モジュール906との間に広がる間で完全に支持されたままにすることができる。第1の位置934と第2の位置936との間での第3のデバイス・モジュール910の移動中に生じる別の相対的な移動は、第4のデバイス・モジュール914の第4のデバイス支持体916と、第4のデバイス支持体916の第2の前方(又は遠位)の固定点930及び第2の後方(又は近位)の固定点932とを含む。第4のデバイス支持体916は、第2の前方の固定点930にて第3のデバイス・モジュール910に対して固定されるとともに、第2の後方の固定点932にて第3のデバイス・モジュール910から延びる支持アーム924に対して固定されている。第3のデバイス・モジュール910は移動するため、第2の前方の固定点930及び後方の固定点932も同様に移動する。第4のデバイス支持体916の第1の部分938は、第4のデバイス・モジュール914を通って滑動(スライド)して、第4のデバイス・モジュール914と第3のデバイス・モジュール910との間の広がりにおいて長さを増大させるとともに、第4のデバイス支持体916の第2のセクション940は、第4のデバイス・モジュール914と後方の固定点932との間の広がりにおいて長さを減少させる。
図88は、一実施形態に係る、図86の4つのデバイス・モジュールを、それぞれのデバイス支持体に対する前方位置で、簡略化して示した上面図でらる。図88では、第1のデバイス・モジュール902、第2のデバイス・モジュール906、第3のデバイス・モジュール910及び第4のデバイス・モジュール914は、それぞれのデバイス支持体904、908、912及び916に沿った最大前方位置で示されている。図89は、一実施形態に係る、図86の4つのデバイス・モジュールを、それぞれのデバイス支持体に対する引き抜かれた位置で、簡略化して示した上面図である。図89では、第1のデバイス・モジュール902、第2のデバイス・モジュール906、第3のデバイス・モジュール910及び第4のデバイス・モジュール914は、それぞれのデバイス支持体904、908、912及び916に沿った最大伸長(後方)位置で示されている。一実施形態では、デバイス支持体の長さは、デバイス支持体の直線長さと、S字形状のスプラインとによって決定されるが、後者は、デバイス・モジュールのデバイス長手方向軸からデバイス支持体を外して、支持アームの長手方向軸の方へ向ける。一実施形態では、各デバイス支持体904、908、912及び914は、前方方向と逆方向との間で移行する場合にたるみを補うため、デバイス支持体に予めテンションを付与することができる。
上述のように、各デバイス支持体は、後方(又は近位)の固定点に拘束されるが、そこでは、デバイス支持体と関連するデバイス・モジュールの前方(例えば、遠位)で、デバイス・モジュールから伸びる支持アームに対して接続されている。一実施形態では、後方の固定点は、後方の拘束を含むが、それは、引張力のみに反応するように構成されてもよい。図90は、延長されているデバイス支持体の近位端の側面図であり、一実施形態に従って、後方の拘束は、デバイス支持体が接続される後方(又は近位)の固定点に対し、図91は、部分的に退縮されるデバイス支持体の近位端の側面図であり、一実施形態に従って、後方の拘束は、デバイス支持体が接続される後方(又は近位)の固定点に対する。支持アームの近位端952は、デバイス支持体950の近位端を保持する保持クリップ954を備える。ハード・ストップ956は、デバイス支持体の端部に位置し、デバイス支持体が前方に移動するときに、張力を付与してデバイス支持体を支持するように構成されていて、デバイスの装填のためにデバイス支持体が収縮することを可能にしている(図80及び図81を参照して上述)。デバイス支持体950の前方への移動及び退縮は、矢印958で示されている。操作者は、クリップ954からデバイス支持体950を取り出すことなく、デバイス支持体950を引き戻すことができる。保持クリップ954とハード・ストップ956とから形成される後方の拘束は、引張力にのみ反応する。保持クリップ954は、圧縮力に対して反応できないため、デバイス支持体はバックルしない(ねじれない)。
他の実施形態では、デバイス支持体上の張力は、デバイス支持体をより遠位のデバイス・モジュールに接続する前方(又は遠位)の固定点と、デバイス支持体の近位端を各カセットでリール又はスプール上に保つことで生じる後方(又は近位)の固定点から提供される。この実施形態では、デバイス支持体の近位端上の固定点を提供するために、支持アームは必要とされなくてもよい。図92は、一実施形態に係る、リール上に保たれたデバイス支持体を有するデバイス・モジュールの簡略化された上面図を示し、図93は、一実施形態に係る、例示的なスプール式テンショナを示す。図92では、各デバイス・モジュール960は、その上にデバイス支持体を巻くことができるリール又はスプール962を含む。図93には例示的なスプール状テンショナが示されているが、その上には、デバイス支持体964の可撓性チューブが巻きついているスプール962が含まれている。デバイス支持体の近位端は、スプール962に固定されている。デバイス支持体の遠位端又は「自由」端は、操作者によって引かれてもよく、又はロボット駆動部によってロボット式に駆動されてもよく、遠位カセット上の前方固定点に取り付けられてもよい。デバイス支持体964に張力を付与するために、スプールにトルクを付与してもよい。そのトルクは、一定トルクバネ又はラック・アンド・ピニオンのような機械的装置のみによって加えることができる。他の実施形態では、トルクは、例えば、制御コンピュータ・システム34(図2参照)で制御されているモータ(図示略)によって加えられてもよい。図94は、一実施形態に係る、駆動されているデバイス支持体を有するデバイス・モジュールの簡略化された上面図を示し、図95は、一実施形態に係る、例示的なギヤード(歯車式)テンショナを示す。図94では、各デバイス・モジュール970は、デバイス支持体に張力を与えて、デバイス支持体972が前方及び後方に移動できるようにするために、デバイス支持体972と相互作用又は係合する駆動機構974を含む。駆動機構は、例えば、ホイール又はギヤであってもよい。一実施形態では、駆動機構974は、デバイス支持体972の可撓性チューブの壁上の摩擦を介してデバイス支持体と係合してもよい。他の実施形態では、デバイス支持体は、側面に沿って半径方向の穴を有していてもよく、この穴は、次いで、トラクタ供給部とも呼ばれるピン駆動歯車と係合される。他の実施形態では、デバイス支持体は、リブ付き又はコンボリュート・チューブであり、駆動機構は、リブ付き又はコンボリュート・チューブに係合して張力をかける歯付歯車である。図95に例示したギヤ付きテンショナ976は、コンボリュート・可撓性チューブに係合している。
他の実施形態では、デバイス支持体はアコーディオン又はスプリングであってもよい。図96は、一実施形態に係る、アコーディオン又はバネによって形成されるデバイス支持体を備える、デバイス・モジュールの簡略化された上面図を示す。図96では、複数のデバイス・モジュール980間のデバイス支持体は、アコーディオン要素986と、アコーディオン要素986の両側に互いに平行に配置された2つの線形ガイド984とから形成される。EMD982は、アコーディオン要素986の各部分994(図98参照)の開口部992(図98に示す)を通って配置されている。アコーディオンに基づくデバイス支持体は、常に張力を受けている。一実施形態では、アコーディオン・デバイス支持体は、2つのデバイス・モジュール980間の相対的移動を取り扱うことができるように構成されている。アコーディオン部材は、引っ張りばね(テンシル・スプリング)として作用し、典型的には張力を受けているが、軸方向の荷重が加えられると、デバイス軸から偏向することができる。図96に示される線形ガイド(又はガイドレール)984は、アコーディオンを制約するため、デバイス軸から離れる偏向が制限されている。一実施形態では、より遠位の第2のデバイス・モジュールの近位端部に取り付けられた第1のデバイス・モジュールの線形ガイド984と、線形ガイド984の他端部とは、アコーディオン及び第1のデバイス・モジュールを通ってスライドすることができる。4つのデバイス・モジュールを支持するために4つのアコーディオンが用いられる実施形態では、アコーディオン線形ガイドのオフセットを備えることができ、それによって、デバイス・モジュールが近いときに線形ガイドが互いに干渉しないようにすることができる。図97は、アコーディオン要素986の圧縮状態988を例示している。線形ガイドは、明瞭化のため、図97には示されていない。図98は、アコーディオン要素986の伸張状態990を示している。線形ガイドは、明瞭化のため、示されていない。アコーディオン要素986は、複数の部分(セグメント)994を含み、各部分は、EMDが配置され得る開口部992を含む。離散した部分994間で支持されていない距離により、処置中に生じる最大負荷でEMDがねじれないように、部分994の数及び部分994の長さを最適化することができる。アコーディオン・デバイス支持体は、全体的な張力にかかわらず等しい間隔を与えるように自動バランスを有する複数の屈曲を有し、それによって、部分994の長さを横切るギャップが、ねじれ(バックリング)のために十分な大きさにならないようにする。換言すれば、各部分994の長さを横切るギャップは、全ての部分994にわたって同じであるのが望ましい。このことは、EMDが移動する必要がある支持されていない距離を最小限に抑えるのに役立ち、アコーディオン素子996は、ねじれる前に、より高い負荷に達することができる。
開放及び閉鎖される、可撓性チューブから形成されるデバイス支持体の外形(プロファイル)は、例えば、デバイス支持体内へのEMDの装填を可能にする。デバイス支持体の可撓性チューブの遠位端のスリットが強制的に離されると(例えば、後述するスプリッターを使用)、EMDを収容するためにデバイス支持体を進めることができ、そして、閉鎖されると、EMDは適当に支持及び保持されて、飛び出したり、ねじれないようにすることができる。図99A-図99Cは、一実施形態に従った、デバイス支持体の可撓性チューブのための例示的なスリット形状の図である。図99Aでは、デバイス支持体の可撓性チューブ1000が、チューブに沿って長さ方向に直線状のスリット1002を伴って示されている。別の例では、デバイス支持体の可撓性チューブ1000は、図99Bに示されるように、チューブに沿って長さ方向に鋸歯状形状のスリット1004を有していてもよい。さらに別の例では、デバイス支持体の可撓性チューブ1000は、図99Cに示されるように、チューブに沿って長さ方向に正弦波に類似した波形スリット1006を有していてもよい。デバイス支持体1000のスリットは、ウェッジ又はスプリッター(図102-図104を参照して後述される)によって開かれてもよく、それは、デバイス支持体に対してEMDを入れるための入口点の近くに配置される。ウェッジ又はスプリッターは、EMDのために、十分な幅で開口部を広げる。可撓性チューブの弾力性により、EMDの反対側でスリットが回復して閉鎖し、EMDを封入して、保持する。デバイス支持体内のEMDの保持を向上するため、スリットの領域では材料が重なるように、鋸歯状の形状や、正弦波に類似した波形を用いることができる。
介入的(インターベンション)処置用にロボット駆動に用いられるEMDのサイズは、様々であって、例えば、使用可能なEMDは、9FRから2FRまで、又は、010″ガイド・ワイヤまで様々である。例えば、急性虚血性脳卒中を治療するための血管内治療処置のために構成された多軸ロボット駆動部では、デバイスの重なり(スタック・アップ)中の1番目のEMDは、6から9FRの間であることが期待できる。デバイスの重なりの2番目のEMDと3番目のEMDは、2.5から6FRの間であり得る。4番目のEMDは、直径が0.010から0.038までの間のワイヤ・ベースのEMDであり得る。異なるサイズのEMDを適切にサポートし保持するように、各EMDのデバイス支持体が対応するサイズのEMDで機能するように設計されているため、各EMDに対して異なるデバイス支持体を提供することができる。例えば、EMDとデバイス支持管との間の直径方向の間隙を最小にすることによって、管内のいかなるデバイスのねじり(座屈)も、より少ないエネルギーを蓄積し、より少ない線形移動ヒステリシスを有するようにする。一実施形態では、各カセットのデバイス支持体は、モジュール式に設計することができ、それによって、カセットによって支持されているEMDに基づいて、カセットに対して正しい寸法のデバイス支持体が加えられるようにしてもよい。さらに、特定のサイズのEMDとともに動作するように設計されたスプリッター及びデバイス支持体コネクタ(双方とも、図102-図107を参照して後述される)は、モジュール式であってもよく、カセットによって支持される特定のサイズのEMDに基づいて取り換えられてもよい。他の実施形態では、装置サイズのサブセットごとに異なるバージョンのカセットを用意してもよく、この際、カセットは、あらかじめ設置された、適切なサイズのデバイス支持体を有する。EMDの特定のサイズ又はサイズの範囲について適切なカセット設計が、ロボット駆動部の駆動装置に取り付けてもよく、EMDの異なるサイズの又は異なるサイズの範囲について異なる設計が求められるときには、取り除かれてもよい。例えば、カセットは、0.010″から0.038″までの間で変化し得る、ワイヤ・ベースEMDのサイズの範囲をサポートするように設計されてもよい。
図3を参照して上述のように、ロボット駆動部24のデバイス・モジュール32は、駆動モジュール68と、カセット66とを含み、後者は、駆動モジュール68に対して取り付けられ、解除可能に連結される。図100は、一実施形態に係るデバイス・モジュールと、細長い医療デバイスの展開図である。駆動モジュール1010は、取り付け面1012と、連結器1014とを含む。モーター及び駆動ベルト(図示略)は、駆動モジュール1010内に収容され、連結器1014に接続されていてもよい。モーター及びベルトは、連結器1014の回転位置を制御するために使用される。駆動モジュール1010は、デバイス位置フィードバック用のエンコーダー(図示略)を含んでいてもよい。図100に示した駆動モジュール1010は、1つの連結器1014を有する。しかしながら、駆動モジュール1010は、複数の連結器1014と、複数のモーターとを有することができることを理解されたい(例えば、各連結器のモーターや、複数の連結器を駆動する1つのモーター)。連結器1014の回転は、カセット1016に配置されたEMDに別の自由度を提供するために使用することができ、後者は、連結器1014とインターフェースするように装着面1012に取り付けることができる。例えば、EMDがカセット1016内に配置されているときに、EMD 1024を回転させるために、連結器1014が使用されてもよい。駆動モジュール1010が、2つ又は複数の連結器1014を有する場合、各連結器を使用して、EMDの自由度を提供することができる。
上述のように、カセット1016は、駆動モジュール1010の取り付け面1012上に配置することができ、カセット1016内に配置されたEMD1024とインターフェースするために使用することができる。上述のように、駆動モジュール1010は、図100に示したように、カセット1016の少なくとも1つの寸法よりも小さい又は劣る少なくとも1つの寸法を有することができる。例えば、デバイス・モジュール1010が線形メンバ又はレールと結合されているときに、近位側から遠位側へと測定される際の駆動モジュール1010の長さが、カセットの長軸に沿ったカセット1016の長さよりも小さい又は劣ることがある。幾つかの実施形態では、駆動モジュール1010のサイズ及び寸法を最小化することができ、それによって、例えば、カセット1016が配置されていない場合に、ロボット駆動部の線形メンバ又はレール(例えば、図2に示した線形メンバ又はレール60)に沿って、駆動モジュール1010が最小量の空間を占めるようにしてもよい。カセット1016は、ハウジング1018を含む。一実施形態では、カセット・ハウジング1018は、駆動モジュール1010に対して取り外し可能に取り付けられていてもよい。また、駆動モジュール1010は、取付け面1012上に1つ又は複数の追加要素1013を含むことができ、例えば、位置決めピン、整合用ピン等を含み、カセット1016上の要素(例えば、接続点、スロット、チャネル等)と相互作用させて、駆動モジュール1010に対するカセット1016の解除可能な取付けを可能にしてもよい。一実施形態では、急速解除(クイック・リリース)機構1021を用いて、駆動モジュール1010に対してカセット・ハウジング1018を解放可能に接続させる。一実施形態では、急速解除機構1021は、ラッチリリース1023によって作動する、カセット・ハウジング1018内のスプリング付勢部材を含み、ラッチリリース1023は、駆動モジュール1010に固定された急速解除係止ピン(ロックピン)1015と解放可能に係合する。
カセット・ハウジング1018は、EMD1024を受け取るように構成されたクレードル(架台)1020を含む。ベルギヤ1022を用いて、駆動モジュール1010の連結器1014とインターフェースさせ、かつ、EMD1024を回転させるように、EMD1024とインターフェースさせる。一実施形態では、EMD1024は、カセット1016に対してEMD1024をインターフェースさせるために、オン・デバイス・アダプタ1026(図23-図25を参照して上述)を備ており、例えば、ベベルギヤ1022とインターフェースさせる。図100に示した例では、EMDはガイド・ワイヤであって、オン・デバイス・アダプタ1026はギヤ1027を備えたコレットである。デバイス・モジュール1010からカセット1016内のギヤ1022まで(例えば、連結器1014を介して)力が伝達されると、カセット内のギヤ1022は、コレット上のギヤ1027と相互作用して、ガイド・ワイヤ1024を回転させる。デバイス支持体1028は、チャネル1042内のカセット内に配置されているが、そこはハウジング1018によって覆われ得る。上述のように、デバイス支持体1028とカセット1016は、互いに相対的に動くように構成されている。デバイス支持体1028は、コネクタ1030を含むが、それは、デバイス・モジュール(例えば、カセット、デバイス・モジュールの他の要素、又はデバイス・モジュール内に配置された要素)を、ロボット駆動部内のカセット1016の遠位(又は前方)で接続するために用いられる。コネクタ1030は、凹状部(陥没部)1032を含む。引っ込められた位置又は退縮した位置では、コネクタ1030は、カセット1016の遠位端1034上のハウジング1018内の凹状部1036内に配置される。上述のように、コネクタ1030及びデバイス支持体1028は、カセット1016から外側に引っ張られることができ、その結果、コネクタは、ロボット駆動部内のより遠位のカセットに取り付けられてもよい。カセット1016の近位端1038上には前方の拘束1040が設けられ、ロボット駆動部内のカセット1016に対して近位(又は後方)の別のカセット上のデバイス支持体のコネクタに接続するために使用されてもよい。図101Aは、一実施形態に係る、設置されて、引き戻し位置にあるデバイス支持体を備えたカセットの斜視図である。引き戻し位置では、コネクタ1030は、カセット1016の遠位端1034のハウジング1018内の凹状部1036内に配置される。図101Bは、一実施形態に係る、設置されて、引き戻し位置にあるデバイス支持体を備えたカセットの斜視図である。デバイス支持体1028は、カセットのチャネル1042内に配置されている。カセット1016は、カセット1016の近位端1038上に位置する近位支持部材1031を含む。近位支持部材1031は開口部を含み、デバイス支持体102に対する支持を提供するように構成されている。デバイス支持体1028は、開放1033内に配置され、そこを通過する。デバイス支持体1028が前進及び後退する際、デバイス支持体が開口部1033を通って移動することができるように開口部1033の大きさが決められている。
図102は、一実施形態に係る、EMD入口点(進入点)の前方のカセットから延出するコネクタとデバイス支持体との上面図である。デバイス支持体1028とコネクタ1030とは、カセット・ハウジングの遠位端1034の凹状部から延出している。ガイド1044及びスプリッター1048は、凹状部1036及びチャネル1042の内外に移動される際に、デバイス支持体1028の経路の反対側の凹状部1036に配置される。伸長位置では、デバイス支持体は、EMD1024を収容する。EMDは、EMD入口点1046でデバイス支持体1028に入るが、その位置は、スプリッター1048の近位部と遠位部との間に位置する。スプリッターの近位部と遠位部とは、点線で示されている。上述のように、デバイス支持体1028は、長さ方向のスリットを備えて、デバイス支持体の遠位端が強制的に離れて(例えば、後述のスプリッターを使用する)、閉じるようにして、デバイス支持体が進むにつれて、デバイス支持体がEMDを収容できるようにする。図104に示すように、コネクタ1030は、デバイス支持体チューブの開放端部を支持して、スプリッター1048の上を通過できるようにする。図102及び図104を参照すると、スプリッター1048は、デバイス支持部1028内のスリットを開いた状態で保持して、コネクタ1030とデバイス支持部1028とがスプリッター1048とEMD入口点1046とを通過すると、デバイス支持部1028によってEMD1024が収容されるようにする。デバイス支持管1028の端部は、コネクタの凹状部1032内に位置決めされている。スプリッター1048を用いて、EMD進入点1046の両側面でデバイス支持体1028を開いたままにして、EMD1024上の摩擦力を減少又は消失させる。例えば、このことは、デバイス支持体1028管の壁が、EMD1024を擦ることを防止するが、それによって、入口点でEMD1024の損傷を引き起こす可能性や、EMDが受ける力又はトルクを読み取るために使用される負荷感知システム(図示略)にノイズが入り込むことを防止できる。EMD1024は、スプリッター1048の中心で、キャビティ(空洞)1052を通過する。デバイス支持体1028が、スプリッター1048の近位部と遠位部との間のギャップ(間隙)を通過する際に、開いたまま保持されるように、コネクタ1030とスプリッター1048が設計されている。また、EMD1024の支持されていない長さが、任意の点で、破滅的にねじれないように、スプリッター1048が設計されている。ギャップ上にデバイス支持体1028を案内して、スプリッター1048上にデバイス支持体1028を保持するように、ガイド1044が構成されている。上述のように、スプリッター1048は、特定のEMDと、デバイス支持体のサイズ範囲とに合わせて設計されていてもよい。図103は、一実施形態に従って、EMD進入点の後方で引き出されたコネクタとデバイス支持体との上面図であり、図105は、一実施形態に従って、EMDの装填を容易にするために、デバイス軸から外れて、装置支持コネクタが引き出された状態のカセットの上面図である。カセット1016(図100参照)内でのEMD 1024の装填を容易にするため、EMD1024が装填される前に、デバイス支持体1028及びコネクタ1030が凹状部1036内に引き込まれる。図103及び図105に示すように、コネクタ1030は、EMD進入点1046の後方(又はその近位)で、スプリッター1048及びガイド1044上に引き込まれてもよい。さらに、コネクタ1030の後退(又は引き出された)位置は、長手方向のEMD軸1050から外れている。このことは、カセット1016内へのEMD配置を可能にし、例えば、側面でEMDを装填する。また、EMD進入点の後方にコネクタ1030を引き込むことは、支持されていないEMDの長さを減少させて、作用長さの損失を減少させる。
上述のように、コネクタ1030及びデバイス支持体1028は、カセット1016から外側に引っ張られてもよく、それによって、コネクタは、ロボット駆動部内でより遠位のデバイス・モジュール(例えば、デバイス・モジュールのカセット)に取り付けられてもよい。一実施形態では、第1のカセットの近位端1038上に前方拘束1040(図100参照)が提供されて、ロボット駆動部内の第1のカセットの近位(又は後方)に対して第2のカセット上のデバイス支持体の接続部(コネクタ)を接続するために使用してもよい。図106は、一実施形態に従った前方拘束とコネクタとの斜視図である。前方拘束1040は、ラッチ機構1054を含み、例えば、スプリング・ラッチを含む。近位カセット(図示略)からのデバイス支持体1028のコネクタ1030が、スプリング・ラッチ1052に対して取り付けられる。一実施形態では、コネクタ1030は、前方拘束1040内へとコネクタ1030を押し込むことによって、ラッチ機構1054に対して接続される。一実施形態では、ラッチ機構1054を係合させるために、ラッチ機構1054には、軸方向の移動を除き、二次的動作が必要とされない。しかしながら、ラッチ機構1054を係合解除して、前方拘束1040からコネクタを取り外すために、1つ又は複数の追加動作が必要とされてもよい。例えば、ボタン、レバー又はノブが用いられて、コネクタ1030の解除の前に解放されてもよい。コネクタ1030は、制御コンピュータ・システム34(図2参照)を用いて解除されてもよく、又は手動で解除されてもよい。コネクタ1030は、デバイス支持体1028に含まれるEMD(図示略)の長手方向EMD軸1050にほぼ沿って、前方拘束1040に対して取り付けられる。このことは、ラッチ機構1054に対して垂直に移動することによって、EMDの剪断を防止する。他の実施形態では、一層コネクタ1030を固定して、遊びを減少させるために、二次ラッチ又は締め付け機構を設けることは可能である。図107は、一実施形態に従って、蓋を用いた前方制約の斜視図である。図107では、蓋1056は、例えば、ピボットを使用して、前方拘束1040に対して接続されている。蓋1056は、コネクタ1030の上方で閉ざされて、係止されることで、
前方拘束1040内のコネクタ1030をさらに拘束してもよい。
図3を参照して上述のように、患者に対して最も近いデバイスである、ロボット駆動部内の最も遠位のデバイス・モジュールのカセット内で、デバイス支持体の遠位端を支持するための前方(又は遠位)固定点を提供するために、遠位支持アームに取り付けられた遠位支持結合を用いることができる。図108は、一実施形態に係る、遠位支持アームと遠位支持結合との斜視図である。オフセット・ブラケット1068を用いてステージ1066に対して接続されている駆動モジュール1064に対して、カセット1062が取り付けられている。ステージ1066は、レール又は線形メンバ1060に対して移動可能に取り付けられていて、レール1060に沿って直線的に移動することができる。遠位支持アーム1070は、ロボット駆動部のフレーム取り付けることができ、例えば、レール1060のフレームに取り付けられていてもよい。一実施形態では、遠位支持アーム1070は、フレームに対して硬く取り付けられてもよい。他の実施形態では、遠位支持アーム1070は、患者用の台又は患者に対して取り付けることができる。遠位支持アーム1070は、ロボット駆動部から離れて延在し、デバイス支持接続部1072に対して接続されて、デバイス支持体のための遠位固定点を提供する。一実施形態では、遠位支持アーム1070は、カセット1062及び駆動モジュール1064の遠位の定義を提供するために用いることができる。遠位の定義は、ロボット駆動部の最も遠位のデバイス(例えば、カセット1062及び駆動モジュール1064)の最も遠位の態様を定義するために使用できる。他の実施形態では、遠位の定義は、例えばロボット駆動のフレームに結合可能な別個の遠位定義アーム(図示略)を用いて提供されてもよい。また、導入器の鞘のハブに遠位支持結合1072を連結してもよい。デバイス支持接続部部1072に対して、導入器インターフェース支持体1076を接続してもよい。コネクタ1074、例えば、図102-図105を参照して上述したデバイス支持体の遠位端上のコネクタをデバイス支持接続部1072に対して取付けて、デバイス支持体の遠位端用の支持と遠位固定点とを提供してもよい。図108ではデバイス支持体は示されていないが、図109に示すように、カセット1062内に配置してもよい。図109は、一実施形態に従ったデバイス支持体とコネクタとに結合された、遠位支持接続部の斜視図である。デバイス支持体1078は、EMD1079を収容して、カセット1062とデバイス支持接続部1072との間に延在する点線として示される。コネクタ1074は、デバイス支持接続部1072に対して取り付けられている。デバイス支持接続部1072は、例えば、図106及び図107を参照して上述した前方拘束であってもよい。デバイス支持接続部1072は、遠位支持器アーム1070に対して取り付けられ、導入器インターフェース支持体1076に対して接続されていてもよい。図110は、一実施形態に従った、遠位支持アーム、遠位支持接続部、及び導入器(イントロデューサー)インターフェース支持体の側面図である。後述のように、導入器インターフェース支持体1076は、EMD1079(図109参照)を、デバイス支持体1078(図109参照)と、導入器の鞘1075との間で支持するように構成されており、後者は、導入器インターフェース支持体1076の遠位端に接続されている。導入器インターフェース支持体1076によって、デバイス支持体1078の遠位端と導入器の鞘1075のハブとの間で、EMD1079がねじれたり、逸脱することが起こらないように確保している。一実施形態では、導入器インターフェース支持体1076は、EMDを方向転換するために使用することができ、この際、ロボット駆動部のデバイス軸1065と軸方向に整列した位置から、導入器の鞘(イントロデューサー・シース)1075又は他の支持部材と軸方向に整列した位置までEMDを方向転換してもよい。
導入器の鞘1075は、患者内の標的位置(例えば、病変)までEMDを導くように、患者の血管系内までアクセスポイント(例えば、大腿動脈)で挿入される。導入器の鞘1075は、患者から外れないように適所で保持されなくてはならない。一実施形態では、導入器の鞘1075の位置を固定するために、遠位支持アーム1070とデバイス支持接続部1072とを用いることができ、そして、導入器の鞘1075の内側で移動するEMDと導入器の鞘1075との間の摩擦から生じる導入器の鞘1075上の力と反応させてもよい。他の実施形態では、導入器の鞘1075は、遠位支持アーム1070及びデバイス支持接続部1072とは別の構造によって支持することができ、例えば、導入器の鞘は、既知の方法を用いて、患者又は患者用の台に取り付けることができる。
図111は、一実施形態に係る、導入器の鞘に対して接続された導入器インターフェース支持体の斜視図である。導入器インターフェース支持体1076は、その近位端1080において、デバイス支持接続部1072と接続されているが、後者は、遠位支持アーム1070と接続されている。導入器の鞘1075は、導入器インターフェース支持体1076の遠位端1082に対して接続されている。導入器インターフェース支持体1076は、サイド・ポート(図示略)を備えた導入器の鞘1075を受け取るように構成することができる。サイド・ポートとその管(図示略)は、薬剤、造影剤又は生理食塩水の注入、又は血液サンプルの採取を可能にする。EMD(図示略)は、導管(典型的には動脈)内に挿入される導入器の鞘1075を通って、患者の身体内に入る。一実施形態では、導入器インターフェース支持体1076内にEMDを配置するために、導入器インターフェース支持体1076は開口する。他の実施形態では、EMDを導入器インターフェース支持体1076内に軸方向に挿入することができる。他の実施形態では、EMD及び導入器インターフェース支持体1076は、摩擦的に適合することができ、それによって、導入器インターフェース支持体1076が開口する必要性をなくしたり、又はEMDを軸方向に挿入する必要性をなくしてもよい。上述のように、導入器インターフェース支持体1076は、コネクタ1072と導入器の鞘1075との間の距離で、EMDの支持を提供する。導入器インターフェース支持体1076は、剛性(図111参照)であってもよく、又は可撓性であってもよい。例えば、導入器インターフェース支持体1076は、可撓性材料を用いて作成することができ、又は、導入器インターフェース支持体1076は、装置支持結合1072の近くに関節を有していてもよく、それによって、遠位端1082(ここでは、導入器の鞘1075が保持されている)の限定的な可動域を可能にして、制限を可能にするいてもよい。ロボット駆動部又は患者の移動の乱れ(揺れ)に対処させてもよい。
他の実施形態では、遠位支持アーム1070は、ロボット駆動部に対して移動可能に接続されていてもよい。移動可能な遠位支持アーム1070は、1つ又は複数の自由度を有することができ、それによって、作動される必要のない過剰な露出されたEMD長さに対処してもよい。例えば、患者が短く、及び/又は、曲がりくねっていると、第1のガイド・カテーテルの多くは、患者内に入ることができないため、露出することが起こり得る。遠位支持アーム(及び、デバイス支持接続部1072)が前方に移動できる場合、作動される必要のないガイド・カテーテルの過剰な長さに対処することができる。これはまた、レール又は線形メンバ1061(及び図108及び図110に示したレール1060)の全長を減少させるのに役立つ可能性がある。図112は、一実施形態に係る、第1の位置での移動可能な遠位支持アームの斜視図である。遠位支持アーム1070は、ステージ1090を用いて、レール1061に対して移動可能に接続することができる。図112では、遠位支持アーム1070は、第1の位置1094にあるが、そこでは、遠位支持結合部1072がデバイス・モジュール1092の遠位端の近位にある。ステージ1090は、遠位支持アーム1070の位置を変更するために、レール1061に沿って手動又はロボット駆動で移動されてもよい。図113は、一実施形態に係る、第2の位置での移動可能な遠位支持アームの斜視図である。図113では、ステージ1090と遠位支持アーム1070は、デバイス・モジュール1092から2番目のより遠位の位置1096まで直線的に移動している。従って、デバイス支持接続部1072とデバイス・モジュール1092とは、距離1095で分離している。図112及び図113に示した実施形態では、遠位支持アーム1070は1つの自由度を有する。他の実施形態では、遠位支持アーム1070は、複数の自由度を有するように、関節的アーム又は駆動アームであってもよい。
上述のように、デバイス支持体の各端部は、固定点(前方(又は遠位)及び後方(又は近位))に接続することができ、それによって、MDがねじれるのを防ぐために、適当な張力を、複数のデバイス・モジュール間で付与してもよく、又は最も遠位のデバイス・モジュールとデバイス支持接続部間で付与してもよい。上記のデバイス支持接続部1072は、ロボット駆動部内の最も遠位のカセットのデバイス支持体のための前方(又は遠位)の固定点を提供する。最も遠位のカセットのデバイス支持体は、遠位支持アーム1070に接続されている支持アーム(例えば、図3に示した支持アーム77)を用いて、後方(又は近位)の固定点を備えていてもよい。移動可能な遠位支持アームのため、支持アームもまた移動可能である。図114は、一実施形態に係る、第1の位置での移動可能な遠位支持アームと移動可能な支持アームの上面図である。図114では、遠位支持アーム1110が第1の位置1114にある。デバイス・モジュール1106は、第1のステージ1102を用いて、レール又は線形メンバ1100に対して接続されている。デバイス支持体1108は、デバイス・モジュール1106内に配置されて(例えば、デバイス・モジュールのカセット内に配置される)、デバイス支持体1108の遠位端が、遠位支持アーム1110に接続されたデバイス接続点1111(前方(又は遠位)の固定点)に接続されている。デバイス支持体1108の近位端は、後部(又は近位)の固定点1109にて、支持アーム1112の近位端に接続されている。第2のステージ1103は、レール1100(又はシステム内の異なるレール(図示略))に対して接続されていて、レール1100に沿って手動又はロボット駆動で移動することにより、遠位支持アーム1110及び支持アーム1112の位置を変更することができる。図115は、一実施形態に係る、第2の位置での移動可能な遠位定義アーム及び移動可能な支持アームの上面図である。図115では、第2のステージ1103、遠位支持アーム1110及び支持アーム1112は、デバイス・モジュール1106から第2のより遠位の位置1116まで直線的に移動している。支持アーム1112は、デバイス支持接続部1111とともに移動することにより、デバイス支持接続部1111と後方の固定点1109との間には、常にデバイス支持体1108の同じ長さが存在する。図116は、一実施形態に従った、第2位置から第1位置までの遠位支持アーム及び支持アームの移動を示す上図である。図116では、デバイス支持接続部1111、支持アーム1112、遠位支持アーム1110及び第2ステージ1103は、第2位置1116から開始する(点線を参照)。第2のステージ403は、矢印1118で示すように、レール1100に沿って第1の位置1114まで直線的に移動するように作動することができる。デバイス支持接続部の第1位置、支持アーム、遠位支持アーム、後方の固定点、及び第2ステージは、それぞれ、参照番号1111’、1112’、1110’、1109’、及び1103’で示されている。
ロボット駆動部を備えたカテーテル・ベースの処置システムを用いて処置を行うことは、システムの内外へのデバイスの装填(ロード)と解除と、デバイスの交換とが含まれ得る。デバイスの装填/解除のために、装填/解除されるデバイスは、留置(内在)部分を有するより近位のデバイス(例えば、マイクロ・ワイヤ)と共に次の遠位のEMDの内側にある。デバイスの交換は、留置部分を有するより近位のデバイス(例えば、マイクロ・ワイヤ)を有することを含み、そして、解除されるデバイスは、留置の位置を乱すことなく、近位のデバイスから外される必要がある。交換の速度、安全性及び効率は、様々な要因から影響を受け得るが、それらには、使用者又は操作者の経験レベル、処置の種類の時間制限の厳しい性質(例えば、急性虚血性脳卒中の血管内治療)等が含まれ、そして、システムのロボットから、さらなる制約、ステップ又は課題がもたらされることがある。これらの要因の各々は、手動の処置と比較して、ロボット駆動の処置では、交換の時間を増大させ得る。後述の方法、装置及びプロセスを用いて、その交換をより速く、より安全で、より一貫性があるようにすることができる。
EMDを完全に駆動することは、より遠位のEMD内に少し装着されたEMDの遠位先端を伴う開始位置から、EMDを最初に作動させるように定めることができ、そのため、EMDは、より遠位のEMDから遠方に突出せず、できる限り遠くにEMDを進ませることが求められるが、それは、全作業全長に及ぶことがある。EMDをハブ駆動するように構成されたロボット駆動部に必要な長さは、オーバー・ワイヤEMDを完全に駆動することができ、作動長さは、端から端まで追加して使用することができる全てのEMDの長さでもよい。作動長さは、デバイスのハブの長さ、止血バルブy-コネクタ及びギヤ・アダプタの長さ、及び複数のデバイス・モジュール間の距離を考慮してもよい。例えば、ガイド・カテーテル(例えば、95cmの長さを有する)、吸引カテーテル(例えば、135cmの長さを有する)、マイクロ・カテーテル(例えば、165cmの長さを有する)及びマイクロ・ワイヤ(例えば、180~200cmの長さを有する)を含む急性虚血性脳卒中の血管内治療のために構成されたロボット駆動部では、距離を作動させるロボット駆動部は、約7メートルの長さを必要とすることがある。長さを減らすために、手動による装填の処置を用いてもよく、それによって、少なくとも最小の経験を備えたベッドサイドの操作者が、患者に対して危険な血管損傷を与えることなく、EMDの装填と解除とを可能にしてもよい。
図117は、一実施形態に係る、安全な装填(ロード)距離を有する、ロボット駆動部内のEMDの装填又は解除を例示したブロック図である。操作者は、EMDを装填するために、第2のEMD1126(又は他の実施形態では1つ以上のEMD)を用いて、第2のEMD1126をより遠位の第1のEMD1124のハブ内に挿入する。例えば、第1のEMD1124は、ガイド・カテーテルであって、第2のEMD1126は、遠位アクセス・カテーテルであってもよい。ロボット駆動部(例えば、制御コンピュータ・システム)は、第1のデバイス・モジュール1120(レール1132に結合されるもの)から離れて第2のデバイス・モジュール1122(レール又は線形メンバ1132に結合されるもの)を自動的に位置決めするように構成されていてもよく、そのことは、ここでは、装填(ローディング)オフセット1130として参照される。操作者が第2のデバイス・モジュール1122内に第2の(近位の)EMD1126を配置するとき、より遠位の第1のEMD1124の遠位端1134から第2のEMD1126が出ないように、上記装填オフセットが選択されている。従って、第2のEMD1126は、血管系に対して露出されない。第2の(近位の)デバイス・モジュール1122を適切に配置するためには、第1の(より遠位の)デバイス・モジュール1120からの相対的な距離が知られていなければならない。装填オフセット1130は、第2のEMD1126が装填されるときには、第2のEMD1126の遠位端1136と、第1のEMD1124の遠位端1134との間の所望のギャップ1128(例えば5cm)と、第1の(遠位の)EMD1124の長さと第2の(近位の)EMD1126の長さとに基づくことができる。他の実施形態では、例えばハブの長さやギヤ付きアダプタの長さ等、ロボット駆動部の様々なパラメータが、装填オフセット1130に対して影響を及ぼす可能性がある。様々な実施形態では、EMDの長さの差(最小遠位デバイス・モジュールEMD長さ、最大装填EMD長さ)、異なる使用ケース、用いられたEMDの長さに基づく操作者による入力によって、装填オフセット1130を定めることができるが、又は、事例中に開けられたEMDをスキャンすることで、カテーテル・ベースの処置システムによって、装填オフセット1130を定めることができる。カテーテル・ベースの処置システム(例えば、制御コンピュータ・システム)は、例えば、操作者から入力されるユーザ入力に応じて、正しい装填オフセット1130を用いて、レール1132に沿った正しい位置まで、第2のデバイス・モジュール1122(例えば、ロボット駆動のレール1132に沿う)を自動的に駆動してもよい。他の実施形態では、第2のデバイス・モジュール1122は、正しい装填オフセット1130を用いて、レール1132に沿って正しい位置まで操作者によってジョグ(進行)されてもよい。さらに他の実施形態では、第2のデバイス・モジュール1122は、正しい装填オフセット1130を用いて、レール1132に沿った正しい位置まで、操作者によって手動で戻すように駆動されてもよい。患者の体内にあるEMDを解除するために、ロボット駆動部又は医師は、レール1132に沿って、第1のデバイス・モジュール1120から、装填オフセット1130の距離の位置まで、第2のデバイス・モジュール1122を駆動してもよい。このことは、患者の脈管構造に直接囲まれているEMDを、ベッドサイドの操作者が操作していないことを保証する。装填オフセット1130について、1つだけが、図117を参照して説明されているが、他の実施形態では、1つ以上の装填オフセットが使用することができ、その際、各装填オフセットは、EMDの安全な装填と解除とのための領域を提供する。
装填オフセット1130を計算する際には、様々な追加の要因を用いることができる。計算に使用される要因は、カテーテル・ベースの処置システムの所望のワークフローに基づくことができる。追加の要因としては、交換対象のEMDを有するデバイス・モジュールがレールに沿って現在配置されている場所、ロボット駆動部内のデバイスの現在の積み重ね、及びロボット駆動部中に積み込まれるデバイスの積み重ねが挙げられる。他の要因として、デバイス・モジュールがまだ近位にあり、追加のカセットが遠位に追加される場合(例えば、二軸構成から三軸構成まで進む)、追加のカセットがロボット駆動部に追加できるようにするため、デバイス・モジュールが遠位に移動することがある。
EMDの長さを知ることが重要となる1つの例として、医師が遠位の凝塊(固まり)に到達しようとするときが挙げられる。遠位吸引用のEMDの典型的な重なり(スタック)は、ガイド・カテーテル(95cm)、吸引カテーテル(135cm)、マイクロ・カテーテル(165cm)、ガイド・ワイヤ(300cm)である。165cmのマイクロ・カテーテルが、吸引カテーテルとガイド・カテーテルとの後方で「ハブ・アウト(hubbed out)」するために、そのマイクロ・カテーテルが凝塊に到達できない場合(デバイスが最大前方位にある)、医師は、吸引カテーテルを抜去して、ガイド・カテーテル内に直接的にマイクロ・カテーテルを挿入することがある。これにより、吸引カテーテルの裏側の止血弁と吸引カテーテルのハブの長さとをなくすため、医師は、体内に挿入されるマイクロ・カテーテルの量を増やすことができる。この変化の影響は、ガイド・カテーテルの後方にマイクロ・カテーテルを装填する場合に実現する。95cmのガイド・カテーテルの後方に装填されていた135cmの吸引カテーテルは、このため、95cmガイド・カテーテルの後方に装填される165cmマイクロ・カテーテルとなる。同じ装填位置が用いられるとき、マイクロ・カテーテルの先端は、30cmより前方になり、患者の血管系内に十分に入ることが可能になる。装填されているEMDの長さと、新たに装填されるEMDの長さとを知り、かつ、安全な装填オフセットを決定して、実行するための本明細書に記載の方法を用いることにより、本カテーテル・ベースの処置システム/ロボット駆動部によって、全ての事例について、安全な装填距離を保証することが可能となる。
デバイス・モジュール内のEMDの長さを決定するために、カテーテル・ベースの処置システム/ロボット駆動部を用いて、様々な方法が使用され得る。例えば、カテーテル・ベースの処置システム/ロボット駆動部は、各デバイス・モジュールについてEMD長さを決定できるが、その際、電気的又は光学的に識別したり(RFID、バーコード、QR等)、操作者がEMD長さのデータ又は所望のEMD長さの範囲を手動で入力したり、長さの組み合わせを選択して、可能な限り後方に(最悪、即ち、最も安全な条件)デバイス・モジュールを駆動させてもよい。案全な装填オフセットの使用を可能にするため、デバイス・モジュールが配置されないとき(カセット内にEMDが装填されない)を検出して、装填オフセットに到達する必要のあるデバイス・モジュールの妨げとならないように配置されていないデバイス・モジュールを移動するように、ロボット駆動部を構成することができる。使用中、デバイス・モジュールは他のデバイス・モジュールの計画された経路と干渉する可能性があるため、そのような衝突状態を回避する性能が重要となる。他の実施形態では、使用者がデバイス・モジュールを後方に移動(ジョグ)させて、荷重位置に到達させると、それが別のデバイス・モジュールへと進むことで、双方のデバイス・モジュールが不能となる「衝突」状態になる替わりに、移動されるデバイス・モジュールへの指令がその経路の障害となっているデバイス・モジュールにも送信されることで、双方のデバイス・モジュールを同一方向に移動させてもよい。
EMDの前方移動を制限しながら複数のEMDを挿入するには、複数の方法が存在する。一例では、EMDハブは、それが装填されるデバイス・モジュール中に投下(ドロップ)されて、操作者は、EMDハブが固定されることを保証してもよい(即ち、デバイスが挿入されるとき、EMDは前方に進むことができない)。次に、EMD、即ちEMDのセットは、より遠位のEMD内に挿入される。挿入されたEMDが装填オフセット距離に近づくと、張り詰めて、それ以上患者内に挿入されることができなくなる。別の例では、装填されるEMDは、それが装填されるカセットを通って軸方向に挿入されてもよい。カセットはハード・ストップ(剛性の停止部)として作用して、EMDハブが患者内にさらに挿入されることを防止する。別の例では、機械的クリップをEMDシャフトに取り付けて、より遠位のEMDハブ内に挿入するとき、ハード・ストップとして作用させてもよい。
一実施形態では、指定された量の投与を可能にするために、ワイヤ・ベースのデバイス上にオン・デバイス・アダプタを正しく配置するように、ロボット駆動部(例えば、ロボット駆動部の制御コンピュータ・システム)を構成してもよい。他の実施形態では、ロボット駆動部(例えば、ロボット駆動部の制御コンピュータ・システム)は、ロボット駆動部中のレールに沿ったデバイス・モジュールの現在の位置のため、例えばEMDの長さに基づいて全てのEMDを装填できないことを示すために、アラート(例えば、視覚的又は音響的な警告)を発生させて、提供するように構成されてもよい。他の実施形態では、ロボット駆動部(例えば、ロボット駆動部の制御コンピュータ・システム)は、1つ又は複数のデバイス・モジュールを駆動するために、どこ(即ち、レールに沿った位置)の通知を提供する(例えば、ディスプレイ上)ように構成されていてもよい。例えば、使用者は、次いで、ロボット駆動部から提供される位置情報に基づいて、1つ又は複数のデバイス・モジュールを駆動するために、ロボット駆動部を指令することができる(例えば、制御ステーションを使用する)。この実施形態では、ロボット駆動部は、デバイス・モジュールが安全な位置にある場合に通知を提供する(例えば、ディスプレイ上)ように構成されていてもよい。
手動による神経処置では、技術者は、カテーテル処置システムのテーブルの後方で、別々の滅菌テーブル上に複数のEMDを用意することがある。これらのEMDは、しばしば互いに装填されて、次いで、患者内に挿入されているEMD内に装填される。例えば、遠位アクセス・カテーテル、マイクロ・カテーテル、及び0.014ガイド・ワイヤを一緒に組み付けることができ、次いで、頸動脈へのアクセスが得られたとき、用意されたEMDのセットを、全てガイド・カテーテル内に装填する。例えば、図3に示したロボット駆動部24である、ロボット駆動部は、ロボット駆動部のデバイス・モジュールの2つ以上内に、EMDの用意された(又は予め組み付けられた)「サブアセンブリ」(又はセット)が、側面で装填されるように構成されてもよい。一実施形態では、用意されたEMDのセットは、実質的に同時に、2つ以上のデバイス・モジュール内に装填される。他の実施形態では、EMDの予め組み立てられたセット内の各EMDは、デバイス・モジュール内に連続して装填することができる。図118は、一実施形態に従って、装填位置にあるロボット駆動部のデバイス・モジュールの上面図である。第1のデバイス・モジュール1140は、最も遠位のデバイス・モジュール位置にあり、第1のデバイス支持体1148を有するが、それは、延出して、第1のデバイス・モジュール1140によって支持されている第1のEMD1156を収容する。第2のデバイス・モジュール1142、第3のデバイス・モジュール1144及び第4のデバイス・モジュール1146は、第1のデバイス・モジュール1140の近位に位置する。第2のデバイス・モジュール1142、第3のデバイス・モジュール1144及び第4のデバイス・モジュール1146は、それぞれ、第2のデバイス支持体1150、第3のデバイス支持体1152及び第4の氷サポート1154を有する。第2のデバイス支持体1150、第3のデバイス支持体1152、及び第4のデバイス支持体1154のそれぞれは、最も近位位置まで引っ張られて、各デバイス・モジュール1142、1144、及び146に装填されたカセット(図示略)のカセットカバーが開かれて、それぞれのデバイス・モジュールへのEMDの装填を容易にする。一実施形態では、ロボット駆動部は、スプリング部材を含むことができ、それによって、カセットカバーを開けて、装填を可能にするためにデバイス支持体を引っ込めるときに、使い勝手を助けてもよい。他の実施形態では、ロボット駆動部は、カセットカバーを開けて、装填を可能にするためにデバイス支持体を引っ込めるときに、使い勝手を助けるために、作動される部材を含むことができる。この実施形態では、ロボット駆動部は、作動する部材をロボット制御するように構成することができる。
図119は、装填位置における図118に示したデバイス・モジュールと、一実施形態に係る用意されたEMDのセットの上面図である。第2のEMD1158、第3のEMD1160及び第4のEMD1162を含む複数のEMD1164のサブアセンブリ又はセットが用意されている(又は予め組み立てられる)。第2のEMD1158の先端は、第1のデバイス・モジュール1140上に装着されたy-コネクタ内に挿入される。カセットカバーを開いて、デバイス支持体1150、1152、1154を最も近位の位置まで後退させると、矢印1166で示すように、EMD1164のセットをそれぞれのデバイス・モジュールに一度で装填することができる。即ち、第2のEMD1158、第3のEMD1160及び第4のEMD1162は、同時に第2のデバイス・モジュール1142、第3のデバイス・モジュール1144及び第4のデバイス・モジュール1146にそれぞれ装填されることができる。図120は、それぞれのデバイス・モジュールに装填された、用意されたEMD1164のサブアセンブリ中の各EMD1158、1160、1162を示している。
一実施形態では、オン・デバイス・アダプタ(図23-図25を参照して上述)を、準備テーブルにて、複数のEMDのサブアセンブリ(又はデバイスの重なり)内の複数のEMDの1つ又は複数に対して加えることができ、それによって、特殊なカセットの追加又は除去を必要とすることなく、システム内での複数のEMDの交換を可能にしてもよい。加えて、図118-図120を参照して上述した構成は、ロボット駆動部内に複数の同軸デバイスを装填することを可能にする。また、この構成では、操作者がロボット駆動の処置を手動の処置へと安全に切り替えることを助けるが、その際、EMDを全て取り除いて、EMDに取り付けられた大型のカセット又はデバイス支持体を伴うことなく、事案を続けることができる。複数のEMDには、オン・デバイス・アダプタ(例:ギヤ・アダプタ又はコレット等)の小型の装置のみが取り付けられたままにされる。デバイス・モジュールのカセットから装置の重なりの全体(例えば、用意された複数のEMDのサブアセンブリ)を取り外すことができ、側部での装填/解除の構成によって、ロボット駆動の処置から手動の処置への切り替えを可能にする。
上述のように、様々な実施形態では、EMD(例えば、ワイヤ・ベースのEMD)のシャフト上に配置されるオン・デバイス・アダプタを利用する。1つ又は複数のEMD上のオン・デバイス・アダプタの位置は、図117を参照して上述した安全なオフセットを用いたEMDの装填/解除又は交換と、図118-図120を参照して上述した複数のEMDの予め組み立てられたセットの装填とのために重要であり得る。例えば、オン・デバイス・アダプタがEMD上であまりにも近位に位置する場合、装填/解除時や、安全な装填オフセットを用いた交換を試みる時、血管損傷を引き起こす可能性があるように、遠位先端がカテーテル先端から延出し得る。オン・デバイス・アダプタがEMD上にあまりに遠位に配置されている場合、例えば、MDが内部に配置されるカテーテルの遠位先端を超えて延出するように、EMDが十分に前方に移動できないことが起こり得る。オン・デバイス・アダプタをEMDに沿って既知の位置に設定することで、安全で効果的なワークフローを可能にしてもよい。
様々な実施形態では、ギャップ(隙間)ツールを使用して、EMD上の特定の位置にオン・デバイス・アダプタを設定することができる。ギャップツールは、オン・デバイス・アダプタがロボット駆動部内に装填されるときに、その移動の大きさについて正しいオフセットを指定できるように、構成されている。ギャップツールは、EMDが用意される時、又はEMDがロボット・システム内に装填される時に、カテーテル処置システムテーブルの後方で別の滅菌テーブル上で、双方で使用されてもよい。一実施形態では、ギャップツールは、EMDの遠位チップとEMDが配置されるカテーテルの遠位チップとの整合に基づいて、オン・デバイス・アダプタを位置決めするように構成されてもよい。図121は、一実施形態に係る、細長い医療デバイス、ギャップツール及びオン・デバイス・アダプタの概略図である。図121では、カテーテル1176のy-コネクタ(又はハブ)1182とオン・デバイス・アダプタ1172との間のEMD1174(例えば、ワイヤ・ベースEMD)の隣で、かつそれに沿って、ギャップツール1170が配置されている。ロボット駆動部内に装填されるときにオン・デバイス・アダプタが有するべき移動(投げ出し)量を提供するように、y-コネクタ1182とオン・デバイス・アダプタ1182との間の所望のオフセットに基づく距離1184を定めるように、ギャップツール1170が構成されている。最初に、図121に示すように、EMD1173の遠位チップ1178は、カテーテル1176の遠位チップ1180と実質的に整列される。EMD1174の遠位チップ1178と、カテーテル1176の遠位チップ1180とが、整合されると、ギャップツール1170は、EMD1174の隣に配置されて、カテーテル1176のy-コネクタ1182からEMD1174上のオン・デバイス・アダプタ1182の適当な位置又はオフセットを示すようにしてもよい(即ち、作動しているEMD1174内のデバイス)。一実施形態では、ギャップツール1170は、調節可能であって、それによって、例えばロボット駆動部のパラメータ等の、カテーテル・ベースの処置システムのパラメータに基づいて距離1184(又はギャップ)が調節されてもよい。
他の実施形態では、EMD及び他のデバイスの長さ(例えば、y-コネクタの長さ)に基づいて、オン-デバイス・アダプタを位置決め又は整合させるように、ギャップツールが構成されていてもよい。図122は、一実施形態に係る、細長い医療デバイス、ギャップツール及びオン・デバイス・アダプタの概略図である。この実施形態では、EMD1192(例えばワイヤ・ベースEMD)のいずれかの端部(近位端又は遠位端)からのオン・デバイス・アダプタの位置は、EMDがその中に位置するカテーテル(図示略)の長さ、EMD1192の長さ、及び例えばカテーテルのy-コネクタの長さの等の他のパラメータに基づいて計算され得る。図122では、ギャップツール1190は、EMD1192の隣で、かつそれに沿って配置されており、EMD1192の近位端1196からのオン・デバイス・アダプタ1194の位置を決めるために使用されることが示されている。ギャップツール1190は、オン・デバイス用の所望のオフセットを変化させるように調整可能に構成されており、例えば、ロボット駆動部のパラメータ等のカテーテル・ベースの処置システムのパラメータに基づいて調整されてもよい。例えば、ギャップツール1190は、ギャップツール1180によって定められる距離(又はギャップ)1195を調整するために移動可能なスライド1197と、スケール1198とを含むことができる。ギャップツール1190は、複数のEMDの既知の長さに基づいて、オン・デバイス・アダプタを位置決め又は整合させるように構成されているため、血管系内のカテーテル内にEMDが配置される前に、EMD1192上のオン・デバイス・アダプタ1194を位置決めするためにギャップツール1190を使用することができる。他の実施形態では、ギャップツールは、カスタム(特注)テープ・メジャー(巻尺)に似せて構成されてもよい。図123は、一実施形態に係るギャップツールの例示である。ギャップツール1200は、スケール1202を含む。スケール1202は、所望の投射、ハブ及びy-コネクタ等の所望の移動の長さに合わせて、シフトされてもよい。一実施形態では、スケール1202は、cm単位で、カテーテル長さを読み取ることができる。図123では、ギャップツール1200が、オン・デバイス・アダプタ1206を備えたEMD1204の隣に配置されて示されている。他の実施形態では、図124に示すようにギャップツールのテープ・メジャー形態は、螺旋形状で構成されてもよい。スケール1212を備えたギャップツール12010の螺旋形状は、ギャップツール1210の使い勝手を改善し得る。ギャップツール1210は、EMD上にオン・デバイス・アダプタを配置するために、EMDに沿って位置決められる必要がある場合には解放されてもよい。
上記の方法に従った、ロボット式の介入(インターベンション)処置用のコンピュータ実行可能な指示は、コンピュータ可読媒体の形態で保存することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータのような情報の記憶のための任意の方法又は技術で実施される揮発性及び不揮発性、リムーバブルメディア、及び非リムーバブルメディア媒体を含む。コンピュータ可読媒体には、ランダムアクセス記憶(RAM)、読取りのみの記憶(ROM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュ記憶又は他の記憶技術、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、デジタル汎用ディスク(DVD)又は他の光学保存、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク保存又は他の磁気記憶デバイス、又は所望の命令を保存するために使用することができ、システム10(図1参照)によってアクセスすることができる任意の他の媒体が含まれ、インターネット又は他のコンピュータネットワーク形態のアクセスによるものが含まれる。
本明細書に記載の制御コンピュータ・システムは、処理回路を有するプロセッサを含むことができる。このプロセッサは、中央目的プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上のプロセッサ要素を含む回路、分散プロセッサ要素のグループ、処理用に構成された分散コンピュータのグループ等を含み、本内容に係るモジュール又はサブシステム構成要素の機能を提供するように構成される。メモリ(例えば、記憶装置、保存装置など)は、本開示に記載の様々なプロセスを実行及び/又は容易にするためのデータ及び/又はコンピュータコードを保存する装置である。メモリには、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含み得る。メモリは、様々な活動を支援するデータベース構成要素、オブジェクトコード構成要素、テキスト構成要素、及び/又は任意の他の種類の情報の構造を含むことができる。例示的な実施形態では、本明細書中で記述されたシステム及び方法のために、過去、現在、又は将来で利用可能な任意の分散及び/又は局所記憶装置を利用することができる。例示的な実施形態では、メモリは、1つ以上の関連する処理回路に通信用に接続される。この接続では、回路又は他の何らかの有線、無線又はネットワーク接続を介して、本明細書中で記述された1つ又は複数のプロセスを実行するためのコンピュータコードを利用できる。単一メモリは、様々な個々のメモリデバイス、チップ、ディスク、及び/又は他の記憶構造又はシステムを含むことができる。モジュール又はサブシステムの構成要素は、各モジュールのそれぞれの機能を実行するためのコンピュータコード(例えば、オブジェクトコード、プログラムコード、コンパイルされたコード、スクリプトコード、実行可能コード、又はそれらの任意の組合せ)であってもよい。
本明細書では、最良の形態を含む実施例を用いて、本発明を開示したが、当業者であれば、それに基づいて本発明を作成し、使用することができるであろう。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定められているが、その中には、当業者であれば想定可能な他の例が含まれ得る。このような他の例に含まれる構造的な構成要素が、特許請求の範囲に記載のものと比べて文言上の相違がなく、又は特許請求の範囲に記載のものとは実質的な相違がないように均等な構造的な構成要素に該当する場合、このような他の例は、特許請求の範囲に含まれるものとする。任意のプロセス又は方法ステップの順序や順番は、代替の実施形態では、変化又は変更され得るものとする。
本発明には、その技術思想から逸脱することなく、他にも多くの変更及び修正を加えることができる。これら変更及び修正の範囲は、添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。