JP2022533625A - 縁部強度試験方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

脆性材料のシートを試験するための装置が開示される。上記装置は:上記装置の試験領域内の上記材料のシートの縁部に対して3点曲げ荷重を選択的に印加するよう構成された、複数のアセンブリ;上記領域内の上記材料のシート内の歪みを光学的に測定する、検出機構;及び上記材料のシート内の測定された上記歪みを生成するために必要となる応力を計算することによって、測定された上記歪みに基づいて、上記シート内の応力を決定する、プロセッサを含むことができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条の下で、2019年5月15日出願の米国仮特許出願第62/848091号、2019年5月24日出願の米国仮特許出願第62/852677号、及び2020年1月10日出願の米国仮特許出願第62/959559号の優先権の利益を主張するものであり、各上記仮特許出願の内容は依拠され、参照によりその全体が本出願に援用される。
本開示は一般に、ガラス及び/又はガラスセラミックを試験するための装置、並びにガラス及び/又はガラスセラミックを試験する方法に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)及びプラズマディスプレイ等の高性能ディスプレイデバイスは、携帯電話、ラップトップ、電子タブレット、テレビ、及びコンピュータモニタ等の様々な電子機器に一般に使用されている。現在市販されているディスプレイデバイスは、1つ以上の高精度ガラスシートを、例えばいくつかの用途を挙げると電子回路構成部品として、又は色フィルタとして、採用できる。このような高精度ガラス基板を作製するための主要な技術は、Corning Incorporated社によって開発され、例えば参照によりその全体が本出願に援用される特許文献1及び2に記載されている、フュージョンドロープロセスであるが、本明細書に記載の実施形態は、スロットドロー、リドロー、フロート等を含むいずれの成形プロセスに適用可能である。
これらの用途それぞれについて、ガラスシートは典型的には、あるサイズにカットされ、その後、結果として生じるガラスシートの鋭利な縁部は、研削及び/又は研磨によって面取り加工される。切断、縁部機械加工、研削、及び他の処理ステップは、欠け又は割れ等のきずをガラスシートの表面及び縁部に導入する可能性がある。これらのきずは、特に上記きずが引張応力を受けるようにガラスが曲げられている場合に、破砕の原因として機能して、シートの強度を低下させる場合がある。ディスプレイデバイスは何らかの曲げを受けるため、これらのきずの存在が懸念される場合がある。可撓性ディスプレイデバイスはその性質上、製造プロセス中又は使用中に、1つ以上のディスプレイ基板内に大きな応力を生成する場合がある。従ってガラスシート内に存在し得る残留したきずは、ガラスシートが十分に大きな応力を受けたときにガラスシートに割れを生じさせる可能性がある。典型的なディスプレイ製造は、個々のディスプレイを形成するためのガラスの切断を伴い、切断は切断縁部に沿ってガラス内に多数のきずを形成することが知られているため、ガラス基板ベースの可撓性ディスプレイデバイスは、ガラスシートが最終製品となった後に、許容できないほど高い破砕の蓋然性を有する可能性がある。
ガラスシートの縁部のきずを軽減するための試みとしては、レーザ切断、研削、研磨等が挙げられ、これらの試みは全て、ガラスシートをあるサイズに切断する際に形成されるきずを除去する、又は最小限に抑えるためのものである。しかしながら、これらのアプローチの多くは、該技法が予想される応力に対してきずを必要なサイズまで除去できないため、又は該技法をこのような薄いガラスシート(厚さ約0.4mm未満)に適用するのが困難であるため、満足できないものである。ガラス縁部の酸エッチングも使用できるが、これは基板上に配置されたディスプレイデバイスを劣化させる恐れがある。よって、製造後のガラスシートの、特にシートの縁部には、ある程度のきずが存在し続けることになり、所望の縁部強度未満のガラスシートをふるい落とすために、当該業界では、このようなガラスシート及びこのようなガラスシートを用いたパネル又は積層構造体の縁部強度を正確に試験することが必要である。
米国特許第3,338,696号明細書 米国特許第3,682,609号明細書
従来の検査方法では、100名を超える常勤の従業員が、ガラス縁部サンプルに対するV4PTB測定の実施に専念する。このように多大なマンパワーを費やしても、総生産のごく一部しか試験できない。これは、試験の頻度の低さに由来する、顧客に届く不良製品の形態での品質漏れにつながる。また、割り当てられるリソースの略全てが品質要件の維持に注がれるため、製品の品質の改善に役立つプロセス最適化の研究を行う機会はほとんど又は全くない。よって従来の方法は、不良製品が製造される可能性があるものの、その出荷前にこの製品を取り除くための、又は問題を解決する方法を確認するための余裕がないという、不安定な状況を生み出す。しかしながら、例示的実施形態は、縁部品質の制御に費やされる時間量の劇的な削減、製造されるガラスに対する試験されるガラスの合計の劇的な増加、試験される周縁部のパーセンテージの劇的な上昇、及び製品の改善の追求に使用するための同時プロセスフィードバックのための手段をもたらす。
ガラス縁部の破壊強度を、上記縁部から離間した位置の応力が各位置における破壊強度より大幅に低くなるように上記縁部を応力下に置くことによって連続測定するための方法を対象とする、例示的実施形態を説明する。更に、例示的実施形態を用いて、測定中に1つの縁部の両側に略同一の引張応力を印加できる。更に、例示的実施形態は、処理速度を少なくとも30倍上昇させ、試験対象のサンプル縁部の個数、及び試験対象の縁部のサンプルで囲まれるガラスシートの集団のサイズの大きさを、少なくとも3倍増加させる、連続的な高速の性質を提供する。このようにして、このような統計的サンプリングの増加により、顧客への欠陥の漏れの減少を保証でき、またこれはオンライン構成で処理できる。
いくつかの実施形態では、材料のシートの縁部強度を試験するための装置が開示される。上記装置は:上記装置の試験領域内の上記材料のシートの縁部に沿って、3点曲げ荷重を選択的に印加するよう構成された、複数のアセンブリを備え、上記複数のアセンブリは、上記3点曲げ荷重を印加することによって、上記試験領域内の上記材料のシート上で荷重印加状態を確立でき、また上記3点曲げ荷重を印加しないことによって、上記試験領域内の上記材料のシート上で無荷重状態を確立できる。上記装置はまた、上記材料のシートが上記無荷重状態である場合及び上記材料のシートが上記荷重印加状態である場合に、上記試験領域内の上記材料のシートの歪みを光学測定するよう構成された、検出機構を含む。上記荷重印加状態は、上記3点曲げ荷重によって生成される。上記装置はまた、測定された上記歪みに基づいて上記材料のシート内の応力を決定するよう構成された、プロセッサを含む。
材料のシートを試験するための上記装置の別の実施形態では、上記装置は、上記材料のシートを、上記装置の試験領域を通して連続的に前進させるよう構成された、複数のアセンブリを、上記シートの縁部に沿って含むことができる。上記複数のアセンブリは更に、上記試験領域を通過する上記材料のシートの上記縁部に3点曲げ荷重を選択的に印加するよう構成される。上記装置はまた、上記試験領域を通過する上記シートの表面上の歪みを光学測定するよう構成された、検出機構を含み、上記試験領域では、印加された上記荷重によって上記歪みが生成される。上記装置はまた、印加された上記荷重に起因する、上記試験領域を通過する上記シート内の応力を決定するための、プロセッサを含み、上記試験領域では、測定された上記歪みに基づいて上記応力が決定される。上記試験領域に対して印加される上記荷重は、この荷重が上記材料のシートの上記試験領域を曲げるため、上記試験領域の上記表面に歪みを生成する。
材料のシートの縁部強度を、上記シートの縁部に沿って試験する方法も開示される。上記方法は:上記シートの上記縁部に沿った関心対象領域において、上記シートの表面上に視覚的マーカーの表面パターンを適用するステップ;上記関心対象領域に3点曲げ荷重を全く印加することなく、上記関心対象領域における上記シートの上記表面の第1の光学画像を取得するステップ;3点曲げ荷重を、上記シートの上記縁部に沿った上記関心対象領域に印加するステップ;上記3点曲げ荷重を上記関心対象領域に印加している間に、上記関心対象領域における上記シートの上記表面の第2の光学画像を取得するステップ;並びに上記第1の光学画像及び上記第2の光学画像に基づいて、上記3点曲げ荷重の印加に起因する、上記シートの上記縁部に沿った上記関心対象領域の上記表面に対する応力を決定するステップを含む。
いくつかの実施形態によると、試験領域を備えた試験装置を用いて、材料のシートの縁部強度を、上記シートの縁部に沿って試験する、別の方法が開示される。上記方法は:上記シートの上記縁部に沿った関心対象領域において、上記シートの表面上に視覚的マーカーの表面パターンを適用するステップ;上記試験装置を通して上記材料のシートを連続的に前進させるステップであって、上記シートの上記縁部は、上記試験領域を通過する上記シートの部分に対して3点曲げ荷重が印加されている間に、上記試験領域を通って前進する、ステップ;上記シートの上記縁部が上記試験領域を通って連続的に前進する間に、ただし上記関心対象領域が上記試験領域に到達する前に、上記関心対象領域における上記シートの上記表面の第1の光学画像を取得するステップ;上記3点曲げ荷重を印加している間に上記関心対象領域が上記試験領域内へと前進したときに、上記関心対象領域における上記シートの上記表面の第2の光学画像を取得するステップ;並びに上記第1の光学画像及び上記第2の光学画像に基づいて、上記3点曲げ荷重の印加に起因する、上記シートの上記縁部に沿った上記関心対象領域の上記表面に対する応力を決定するステップを含む。
本開示の更なる特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」に記載され、その一部は、当業者には「発明を実施するための形態」から容易に明らかになるか、又は以下の「発明を実施するための形態」、特許請求の範囲及び添付の図面を含む本明細書に記載の方法を実行することによって認識されるだろう。
上述の「発明の概要」及び以下の「発明を実施するための形態」はいずれも、本開示の様々な実施形態を提示しており、請求対象の主題の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。添付の図面は、本開示の更なる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。これらの図面は、本開示の様々な実施形態を図示しており、本記載と併せて、本開示の原理及び動作を説明する役割を果たす。
以下の「発明を実施するための形態」は、以下の図面と併せて読むと最もよく理解でき、以下の図面では、同様の構造は可能であれば同様の参照符号で示す。
縁部強度に関してガラスシートの縁部に対する3点曲げ試験を実施するための、標準的な縁部強度測定システム(edge strength measurement system:ESMS)のハードウェア構成の概略図 縁部強度に関してガラスシートの縁部に対する3点曲げ試験を実施するための、標準的な縁部強度測定システム(edge strength measurement system:ESMS)のハードウェア構成の概略図 縁部強度に関してガラスシートの縁部に対する4点曲げ試験を実施するための、標準的な縁部強度測定システム(edge strength measurement system:ESMS)のハードウェア構成の概略図 縁部強度に関してガラスシートの縁部に対する4点曲げ試験を実施するための、標準的な縁部強度測定システム(edge strength measurement system:ESMS)のハードウェア構成の概略図 試験サンプルの縁部強度を試験するための3点曲げ試験装置の概略図 パネル間の接着位置の変化による、試験パネルの張力側における荷重‐応力の変動のプロット ローラ係合位置の変化による、試験パネルの張力側における荷重‐応力の変動のプロット 本明細書に記載の縁部強度試験方法で使用されるデジタル画像相関(digital image correlation:DIC)プロセスの基本原理の概略図 荷重サイクル実行中の、同一位置におけるDICに関する再現性の研究を示す、応力対時間のプロット 3点曲げ中の上縁部に沿った応力分布 DICに関する再現性の研究における、試験サンプルの全体的な荷重‐応力曲線 本明細書で開示されるESMSの実施形態の等角図 図4のESMSの側面図 試験されているシートに係合している、図5Aの装置のアーチ状部材の拡大図 図4及び5Aに示されている装置の上面図 本開示のある実施形態による、縁部強度を試験するために、3点を試験シートの縁部と接触させて試験シートを曲げるためのアセンブリの、1つの構成の拡大図 6Nの荷重で得られるサンプルの歪み場 静的モードでの試験による最大応力を示すチャート 本明細書で開示されるデジタル画像相関(DIC)装置を用いて生成された応力場と、有限要素解析(finite element analysis:FEA)を用いて生成された応力場の結果との比較 本明細書で開示されるデジタル画像相関装置を用いて、及び有限要素解析を用いて算出される、最大応力対変位のチャート 本明細書で開示される装置の動的モードを示す概略図 材料のシートが荷重なしで複数のアセンブリを通って前進する際に撮像される一連の領域を示す概略図 材料のシートが荷重を印加された状態で複数のアセンブリを通って前進する際に撮像される一連の領域を示す概略図 試験シートの応力測定のためにDICを使用する2つの方法:試験シートの上面上の応力の測定、及び垂直端面上の応力の測定を示す概略図 ガラス試験シートの端面及び上面上の3D応力プロット 間に60のステップを有する11Nの荷重の、デジタル画像相関歪みマップ ステップが1つだけの同一の試験から得られる歪みマップであり、これにより、これらの歪みマップが同一となることが確認される 図面の上部では、ESMSの較正に使用するためのサンプルの配置の第1の概略図を示し、下部では、上記概略図に示されている試験シートの上面図を示す 図面の上部では、ESMSの較正に使用するためのサンプルの配置の第2の概略図を示し、下部では、上記概略図に示されている斜めのシートの上面図を示す 図面の上部では、ESMSの較正に使用するための傾斜したサンプルの配置の第3の概略図を示し、下部では、上記概略図に示されているシートの上面図を示す 図面の上部では、ESMSの較正に使用するための傾斜したサンプルの配置の第4の概略図を示し、下部では、上記概略図に示されている斜めのシートの上面図を示す 本明細書で開示される実施形態で使用できるベルトローラの概略図 本明細書で開示される実施形態で使用できるボールローラの概略図 本開示のDICシステムの別の実施形態による、縁部に沿った試験シートの水平上面と、試験シートの垂直端面との両方を監視するためのカメラの構成の概略側面図及び上面図 アーチ状部材に対するロードセルの位置、及び試験シート204の位置を示す概略図 本明細書で開示されるESMSに対する改良の総計によって達成される荷重の制御の改善を示す、サンプルの縁部の位置に対する印加される荷重のプロット 試験サンプルシート204がローラ上を移動する速度が比較的速い10mm/秒の状態で、10個のサンプルシートに対して測定された、時間に対する荷重のプロット 試験サンプルシート204がローラ上を移動する速度が比較的遅い1mm/秒の状態で、10個のサンプルシートに対して測定された、時間に対する荷重のプロット サンプルステージ上に設置された試験シートを示す、ある実施形態によるESMS試験システムの図 下部ローラ218の縁部Eから距離Dにある試験シート204の縁部に沿った、所望のローラ係合位置の詳細な拡大図 試験シートの前縁部Eが下部ローラ218の頂点の上に静置されるような、ESMSを用いた試験手順の開始時の試験シート204の位置決めを示す図 到着(fly‐in)ゾーン、測定長、及び離脱(fly‐out)ゾーンを特定する、試験シート204の一例の図 上側ローラ220a、220bの下降中の初期期間から始まり、到着ゾーン、測定長、及び離脱ゾーンへと続く、荷重プロファイルの一例を示すプロット 検出された新たな割れの位置を特定する、試験シート204の一例の概略図 本開示のある実施形態による、ESMSでの荷重の制御を改善するために適用されるファントムモータ(Phantom Motor)技法を示す概略図 ファントムモータ技法による修正を行わずに得られた、測定された荷重の読み取り値のプロット ファントムモータ技法を用いて得られた、測定された荷重の読み取り値のプロット 有限要素解析によって解析された荷重‐応力相関に対するローラ直径/ポリマー厚さの影響を示すグラフ DICによって測定され、FEAによってモデル化された、0.2mm及び0.3mmという2つの異なる厚さのパネルの2つのグループを比較する、荷重(N)に対する応力(MPa)のプロット 異なる合計厚さを有するパネルに関するモデル化された荷重‐応力相関を示す、荷重(N)に対する応力(MPa)のプロット パネルの厚さの変動に対する、正規化された応力の変化を示す、正規化された荷重(N)に対する応力変化のプロット 0.1、0.15、0.2、及び0.5mm厚のガラスシートに関して動的ESMSで測定された経時的な力のプロット 0.1、0.15、0.2、及び0.5mm厚のガラスシートに関して動的ESMSで測定された経時的な変位のプロット 試験パネル/シートの縁部の中央から試験位置までの距離dを示す、試験パネル/シートの概略図 FEA及びDIC測定によって決定された、荷重‐応力相関に対するローラ係合の影響を示すプロット 30Aは、縁部強度試験中の試験パネル/シートの頂点外破壊(off‐apex breakage)の一例を示す写真;30Bは、試験パネル/シートの頂点外破壊(off‐apex break)に関する、ローラ頂点からの距離に対する正規化された応力のプロット ESMS応力プロファイルのプロット 「簡略化された方法(Simplified method)」又は「正しい(Right)」方法で分析されたパネルのバッチの強度分布を示す、応力に対する確率のプロット 異なる複数のパネル表面の命名法を示す概略図 短縁部の測定を妨害した、長縁部上の既存の割れの伝播の概略図 シーラントとガラス縁部との間の空隙が0mmである場合の、表面1及び表面3上の応力プロファイル シーラントとガラス縁部との間の距離が2mmである場合の、表面1及び表面3上の応力プロファイル 試験パネル/シート内の割れを識別するための機械学習ニューラルネットワークの概略図 パネル及びその設計パラメータの概略図 本開示のESMS内のローラと係合したパネルの終端縁部及び非終端縁部の概略図 本開示のある実施形態による方法のフローチャート 本開示の別の実施形態による方法のフローチャート
ディスプレイ用途のガラスシートの製造では例えば、あるサイズに切断されたガラスシートを仕上げ加工に供し、研削及び/又は研磨によって鋭利な縁部を除去し、面取りされた縁部を作製する。これらの仕上げ加工、取り扱い、又は他の操作ステップの間、残留応力がガラスシートの縁部に残る場合がある。このような残留応力、及び不適切な取り扱いによって、後にガラスシートが破壊される恐れがある。ガラスシートを顧客へと出荷する前に破壊が発生すると、ガラスの製造歩留まりが低下し、ガラス製造プロセスが中断される。典型的には上記ガラスシートを用いたディスプレイデバイスの製造元である顧客の所有下で破壊が発生すると、これらの破壊によって、顧客の製造プロセスに歩留まりの損失及び中断が発生することになる。このような後の時点での破壊がいつ発生するかにかかわらず、これは望ましくない。
そのため、ガラスシートを顧客へと出荷する前に、ガラス製造プラントにおいてガラスシートの縁部強度を試験する。従来の縁部強度試験方法は、垂直4点曲げ(vertical four point bending:V4PTB)法である。V4PTB試験は、製造の終端においてガラスシートから切断されたガラスの小さな試験片サンプルに対して実施される。これらの試験片の寸法はおよそ150mm×10mmであり、これらの試験片は個別に試験される。試験片を切り出すためにガラスシートを破壊するため、ごく少数のガラスシートしか試験されず、このごく少数のガラスシートが、製造されたガラスシートの集合の統計的代表であると仮定する。
V4PTBによるサンプル試験片の試験は、1つのガラスシートからの複数のサンプルを処理するために約1日を要する、手動での集中的なプロセスであるため、例えば製造されるシート22000枚毎に約3枚のシートといったオーダーの、ごく少数のガラスシートしか試験されない。更にこのような方法は、積層構造体又はパネルを評価できない。これらの欠点は、不良品が顧客に届くという形の、重大な漏れを発生させる恐れがある。
Corning社の米国特許出願第15/557,991号明細書(米国公開特許第2018/0073967号明細書として公開)では、試験片を切り出すことなくガラスシートの縁部強度を非破壊試験する、縁部強度測定システム(ESMS)及び関連する方法が開示されている。上記ESMSシステムは、3点曲げ試験又は4点曲げ試験をガラスシートの縁部に対して直接実施するため、ガラスシートを切断する必要なしに製造時に試験でき、従って、製造されたガラスシートの集合のうちの更に大部分を試験できる。
図1A~1Dは、縁部強度についてガラスシートの縁部に対する3点又は4点曲げ試験を実施するための既存のESMSシステムのハードウェア構成のいくつかの例の概略図である。図1A及び1Bはそれぞれ、ガラスシート204の縁部205に対する3点曲げ試験を可能とした例示的構成の斜視図及び平面図である。関連付けられた3つのローラ215、即ちガラスシート204の上側面226(図1Eを参照)上の1つのローラ、及びガラスシート204の下側面上の2つのローラによる、ローラアセンブリ207b及び213bは、3点曲げ試験構成を提供する。関連付けられた3つのローラ215、即ちガラスシート204の上側面上の2つのローラ、及びガラスシート204の下側面上の1つのローラによる、ローラアセンブリ207c及び213cは、3点曲げ試験構成を提供する。図1Bに示されているように、ガラスシート204を曲げる垂直荷重が、ローラを用いて上記上側面に印加される。図1Dに示されているように、ローラ215及びガラスシート204は、ローラ215が上部ローラと下部ローラとの間にガラスシート204の縁部205を受け止めて、垂直荷重力を縁部205に印加するように、位置決めされる。
図1Cは、ガラスシート204の縁部205に対する4点曲げ試験を可能とした例示的構成の側面図である。関連付けられた4つのローラ215、即ちガラスシート204の上側面上の2つのローラ、及びガラスシート204の下側面上の2つのローラによる、ローラアセンブリ207d及び213dは、4点曲げ試験構成を提供する。ガラスシート204を曲げる垂直荷重が、ローラアセンブリ207dを用いて上記上側面に印加される。
ESMSシステムは、フラットパネルディスプレイの製造に使用されるガラスの試験に有用となり得る。というのは、このようなガラスシートは、縁部から離れたガラスシートの中央部分であることが多いディスプレイエリアにおいて、厳格な表面品質要件を満たさなければならないためである。ガラスシートの実用可能な、又は「クオリティ(quality)」エリアとの接触は、表面の欠陥を生じさせる可能性があり、これによりガラスシートが使用不可能になる。図1A~1Dに示されている例示的構成のローラ215の配置により、ガラスシート204の両側の表面品質が保持される。
ESMSシステムは、図示されている例で示されているガラスシート204以外の試験シート材料を利用できる。例えばESMSシステムを用いて、他の剛性又は半剛性材料の積層構造体(パネルとも呼ばれる)の強度を試験できる。積層構造体又はパネルは、1つ以上の中間ポリマー層と積層された複数のガラスシートを含むことができ、あるいは代替実施形態では、薄膜トランジスタガラス基板及び色フィルタガラス基板を有する構造体も含むことができ、上記基板は、これらの間に、又はこれらの基板のうちの一方若しくは両方に隣接して、1つ以上のフィルムを有する。ESMSシステム及びESMSシステムの使用方法に関する本開示の目的のために、用語「(1つ以上の)シート」及び「(1つ以上の)パネル」は相互交換可能なものとして使用される。特に区別されていない限り、1つ以上のシート又は1つ以上のパネルのいずれがESMSシステムによって試験されているかは、ESMSシステムを用いた縁部強度試験方法を根本的に変化させない。
ESMSで試験できるパネルの一例の構造について説明する。異なる複数の設計を有するパネルの試験が可能である。図38はパネルの概略図を示し、これはいくつかの設計パラメータを特定している。W及びLはそれぞれパネルの幅及び長さである。(1)は終端縁部の突出長さであり、(2)はシーラントとパネル縁部との距離であり、(3)はシーラント幅であり、(4)及び(5)はそれぞれCFガラス厚さ及びTFTガラス厚さである。
ESMSで試験を行うために、パネルの寸法及びシーラント特性についていくつかの優先事項がある。それは以下の通りである:長さ(L)及び/又は幅(W)が600mm以下の、サイズが小さな長方形のパネルを試験できる。より大きなサイズのパネルも測定できる。好ましくは、終端縁部の突出長さ(1)は、0.5~2mmであり得るローラ係合よりも長い。好ましくは、シーラントとパネル縁部との間の距離(2)は1mm未満である。好ましくは、シーラント幅(3)は500μm以上である。好ましくは、シーラントは厚さが≦10μmであり、ヤング率が1Gpa以上である。好ましくは、脆性材料とシールとの間の界面結合強度は、縁部強度試験中に層間剥離が発生しないよう、十分なものである必要がある。好ましくは、CFガラス厚さ(4)+TFTガラス厚さ(5)の合計の厚さは、≧0.2mmであり、ただし≦0.5mmである。CFガラス厚さ(4)とTFTガラス厚さ(5)とは、同一であっても異なっていてもよい。好ましくは、TFT表面上に堆積したディスプレイ層の機械的剛性は無視できる。
パネルの非終端縁部及び終端縁部をいずれも試験できる。図39は、非終端側縁部及び終端側縁部の両方においてローラと係合しているパネルの側面図及び上面図を示す。パネルの終端縁部とは、TFTガラスがCFガラス縁部に対して突出している箇所である。
上で参照した米国公開特許第2018/0073967号明細書に記載のESMSシステムの欠点のうちの1つは、縁部強度試験中の応力測定が、ガラスシートに試験荷重を印加するために使用される上側ローラアセンブリ207b、207cに取り付けられたロードセルを用いて実施される点である。これは縁部の応力を検出する間接的な方法である。試験対象のガラスシートが受ける応力を測定する、より直接的な方法が望まれている。
3点曲げ構成を用いて超薄型ガラスシートの縁部応力及び強度を測定するための過去の技法は、極めて変動性の高い結果を生成するものであった。これらの結果は、特に以下を含むがこれらに限定されない様々な因子に基づいて、相当なレベルの変動性を有していた:(a)試験前の破損;(b)システム内の残渣又は塵芥;(c)製品のばらつき(例えばパネル厚さ、接着特性/位置の変化)、及び(d)位置合わせ。変動性のこれらの要因は、不正確な強度測定をもたらし、また現場での予想外の製品の破損をもたらした。図2及び図3は、接着位置及びローラ係合の変化が応力値の変動性にどのようにつながるかを示す。図2は、パネル間の接着位置の変化による、試験パネルの張力側における荷重‐応力の変動のプロットである。図3は、ローラ係合位置の変化による、試験パネルの張力側における荷重‐応力の変動のプロットである。変動性の更なる要因は、従来の3点曲げ構成が、問題となっているガラスシートの領域の表面上の歪みの直接的な測定ではなく、ガラスシートのモデルに基づく結果を得るものであったことである。
対照的に、本開示の測定装置及び方法は、デジタル画像相関(DIC)全視野撮像技法を用いて試験されているシート204内の応力分布に関するリアルタイムの情報を提供する。DICを使用すると、シート204の表面上の歪みを、時間の関数として、両方の面内直交方向において同時に測定できる。そして、測定された歪みから応力を決定でき、この応力はシートの応力場マップを生成できる。本明細書で開示される直接測定技法は、従来の技法よりも正確であり、ガラスシート/パネルの再設計又は再構成毎に新たな較正用等式及びモデルを導出する必要を回避する。
本明細書に記載のESMSの使用の例としては、限定するものではないが:(a)DIC性能を有しない既存の縁部強度テスターを較正すること;(b)試験システムが、ローラ係合、シート/パネル角度、ローラ直径、荷重印加速度等の様々な試験パラメータを変化させる柔軟性を有する際に、新たなガラスシート/パネル設計の破損モードを調査すること;及び(c)製造プラントに好適な動的かつ連続的な縁部強度試験中に、直接歪測定を光学的に実施することが挙げられる。
本明細書に記載のデバイスの利益及び利点の例としては、限定するものではないが:
・超薄型ガラスパネルに対する直接全視野(光学)歪み測定;
・全視野応力マッピングと共に検出を行うための光学撮像により、破損モードへの洞察を提供する;
・製造プラントでの展開に好適な、動的かつ連続的な縁部試験中のリアルタイムでの応力の可視化;
・測定された歪みから応力を取得するための、改善された解析方程式;
・上述の応力測定を可能にする強化された光学的可視性を提供する、新たな材料取り扱い用アセンブリ;
・既存の縁部強度試験デバイスのための較正ベンチとして動作する機能;
・新たなパネル設計を開発するために、ローラ直径、係合面積、ローラ厚さ等といった試験パラメータを変更する機能;
・測定された応力に対して±10%の精度での、正確な応力測定
が挙げられる。
図4~7、9B、及び9Cを参照すると、材料のシート204の縁部強度を試験するための装置200が開示される。本明細書に記載の装置200の構造は、シートが無荷重状態のとき及びシート204が荷重印加状態のときにシート204の歪みを光学的に測定するよう構成された、例示的実施形態である。荷重印加状態は3点曲げ荷重によって生成される。
装置200は、試験領域208内の材料のシート204の縁部に沿って、3点曲げ荷重を選択的に印加するよう構成された、複数のアセンブリ206a、206bを備える。「3点曲げ荷重を選択的に印加する」とは、複数のアセンブリ206a、206bが、3点曲げ荷重を必要に応じて印加したり印加しなかったりし、また印加される荷重の量を制御するように構成されることを意味する。装置200はまた、材料のシート204が無荷重状態である場合及び材料のシート204が荷重印加状態である場合に、試験領域208内のシート204の歪みを光学測定するよう構成された、検出機構を含む。荷重印加状態における歪みは、印加された3点曲げ荷重によって生成される。装置200はまた、測定された歪みに基づいてシート204内の応力を決定するためのプロセッサ214(図9Cを参照)を含む。印加された3点曲げ荷重がシート204を曲げるため、シート204に印加された3点曲げ荷重はシート204の表面上に歪みを生成する。
複数のアセンブリ206a、206b(図7を参照)は、2つの対向するアセンブリ206a及び206bで構成され、これら2つの対向するアセンブリのうちの第1のもの206aは、シート204の第1の側面と係合するための単一のアーチ状部材218を備える。これら2つの対向するアセンブリのうちの第2のもの206bは、上記第1の側面の反対側のシート204の第2の側面226と係合するための、2つの離間したアーチ状部材220a、220bを備える。2つの離間したアーチ状部材220a、220bは、これら2つの離間したアーチ状部材の間に、試験領域208を画定する。
アーチ状部材218、220a、及び220bは、図9Aに示されているような、回転可能に設置されたローラ、ベルトローラ、ベアリングローラ、又は固定ブッシュであってよい。固定ブッシュ(例えば非回転)構造体が図4及び5Bに示されている。固定ブッシュは、摩擦係数が低い材料(例えばフルオロポリマー樹脂)から形成されたアーチ状表面を有するように構成される。DIC機能が組み込まれた本開示の試験装置200のある好ましい実施形態では、2つの離間したアーチ状部材220a及び220bは、図4及び5Bに示されているようにシート204の第2の側面226に係合するための固定ブッシュ構造体である。これらの非回転ブッシュ構造体は、回転ローラの実施形態よりも狭い幅を有するように構成されるため、ブッシュ構造体は、試験シート204の表面上の2つの接点を同一の距離だけ離間させた状態で、2つのアーチ状部材の間により広い空間を提供する。
いくつかの実施形態では、検出機構は、試験領域208内の試験シート204の表面上の歪みを決定するための第1の光学系222を備える。第1の光学系222は、DIC技法を用いて歪みを決定する。DIC技法については以下で詳述するが、基本的には、DICは、試験シート204の関心対象領域の2つの画像、即ち無荷重状態で得られる第1の画像と、荷重印加状態の、即ち本開示の文脈における3点曲げ荷重下の、試験シートの関心対象領域を用いて得られる第2の画像とを取得することによって、歪みを決定する。関心対象領域の表面にはいくつかの視覚的マーカーが設けられ、これにより、上記2つの画像を比較する際に、歪み(変形)によって生じた、荷重印加状態の画像における視覚的マーカーのいずれの変位を検出できる。
上述のように、シート204は、ガラス又はガラスセラミック等の脆性材料であってよい。3点曲げ荷重は、材料のシート204を変形させるために十分なものである。図4~5B及び7に示されているように、いくつかの実施形態では、複数のアセンブリ206a、206bは:シート204の第1の側面(下側面)に係合するための単一のアーチ状部材218を備える、シート204の下方に位置決めされた第1のアセンブリ206a;及び第1の側面の反対側のシート204の第2の側面(上面/上側面)226(図11A、11Bを参照)に係合するための2つのアーチ状部材220a、220bを備える、シート204の上方に位置決めされた第2のアセンブリ206bで構成される。2つのアーチ状部材220a、220bは、試験領域208の明瞭な視野を光学系に提供するための最小間隔Sによって隔てられる。最小間隔Sの実際の寸法は、カメラの特定のタイプと、アーチ状部材220a、220b、及び218の特定の配置によって決定される試験領域208のサイズとに左右されることになる。
アーチ状部材218、220a、及び220bは好ましくは、アーチ状部材及びシートが互いに対して移動している間に、接触面に低い摩擦を付与しながらシート204に接触する、構造体である。このようなアーチ状部材のいくつかの例は、図7、9A~9C、及び11A~11Dに示されているような円筒状のローラ、並びに図13に示されているようなベアリングローラである。
図12に示されているもののようなベルトローラの実施形態では、アーチ状部材218、220a、220bはベルトローラ240c、240a、240bであってよい。このベルトローラの実施形態では、ベルト240a、240b、240cは、駆動シャフト242a、242b、242c及びアーチ状テンショナー244a、244b、244cの周りに延在する。いくつかの実施形態では、アーチ状テンショナーは、円筒状のローラ、又は静的なアーチ状テンショナー(例えばベルトに接触するアーチ状部分を備えた、研磨された金属製指状部材)であってよい。図13に示されているもののようなベアリングローラの実施形態では、アーチ状部材218、220a、220bはベアリングローラ246a、246b、246cである。このような実施形態では、ベアリングローラ246a、246b、246cは、ソケット250a、250b、250c内に配置されて保持されたローラボール248a、248b、248cから形成される。
いくつかの実施形態では、図9Aに示されているように、単一のアーチ状部材218が、2つの離間したアーチ状部材220a、220bの間に垂直に整列される。本明細書中で使用される場合、「長手方向に(longitudinally)」は、試験装置200を通過するシート204の運動の方向(例えば機械方向)を指す。
図9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、光学系222は、2つの離間したアーチ状部材220a、220bの間の試験領域208内のシート204の表面を検査するために、シート204の第2の側面226の上方に位置決めされた、ステレオ(即ち対になった)CCDカメラ222a、222bの第1のセットを備える。試験領域208は、2つのカメラ222a、222bの下の、アーチ状部材220a、220bの間の領域であり、ここで2つのカメラ222a、222bは、光学測定を行うためにデジタル画像を撮影することを目的としている。換言すれば、試験領域208は2つのカメラ222a、222bの視野を表す。また試験領域208は、3つのアーチ状部材220a、220b、及び218が3点曲げ試験荷重を印加できる領域である。よって試験領域208は、試験サンプルに3点曲げ試験を適用するための試験装置の標的エリアを表す。試験対象の試験シート204を、縁部強度試験のために、試験領域208に持ち込む必要がある。カメラ222a、222bのペア。
いくつかの実施形態では、試験装置200を動的モードで動作させることができる。動的モードでは、試験装置200の試験領域208にシート204を通すことによって、シート204の縁部強度試験を実施する。あるいは、シート204を静止状態に維持し、試験装置をシート204上で横断させることによって、シート204の縁部強度試験を実施するように、試験装置200を構成できる。
装置200は、材料のシートを、試験領域208を通して連続的に前進させるよう構成された、複数のアセンブリ206a、206bを、シート204の縁部に沿って含むことができる。複数のアセンブリ206a、206bは更に、試験領域208を通過する材料のシートの縁部に3点曲げ荷重を印加するよう構成される。装置200はまた、試験領域208を通過するシートの表面上の歪みを光学測定するよう構成された、検出機構を含み、上記試験領域では、印加された3点曲げ荷重によって歪みが生成される。装置200はまた、印加された荷重に起因する、試験領域208を通過するシート204内の応力を決定するための、プロセッサ214を含む。応力は、測定された上記歪みに基づいて決定される。試験領域208に対して印加される荷重は、印加された3点曲げ荷重が試験領域208内のシート204を曲げるため、試験領域208の表面に歪みを生成する。
[デジタル画像相関(DIC)]
これより、図9B及び9Cを参照して、試験装置200のDIC機能について更に詳細に説明する。DICは点の追跡を含む。これは、変位を取得し、それによって歪みを取得するための、全視野光学技法である。いくつかの実施形態では、第2の側面226の表面に、無荷重状態及び荷重印加状態の両方における歪み測定を容易にするための視覚的マーカーとして表面パターン230を適用する。荷重印加状態測定モードでは、試験領域208内のシート204に加えられた荷重は、シート204の第2の側面226の表面を変形させ、この変形は、シート204の第2の側面226上の表面パターン230を歪ませて変位させる。表面パターン230は、監視されている表面上に適用される複数のドット又は点のアレイとすることができ、これは、シート204の歪みを測定するための視覚的マーカーとして作用することになる。このドット又は点のアレイは、規則的又はランダムないずれのパターンとすることができる。無荷重状態で撮影されるシート204上の表面パターン230の画像は、基準点として作用し、これら基準点は、後に3点曲げ荷重を印加することによる表面パターン230の歪みによって引き起こされるこれらの基準点の変位を決定するためのものである。光学系222内のステレオカメラ222a、222bの第1のセットは、表面パターン230の歪みを観察し、画像データを用いてシート204の歪みの量を決定できる。
表面パターン230の歪みから、シート204の歪みの量を決定するために、歪みの量を定量化する必要がある。これは、シート204の上面226上に歪んだ表面パターン230を有する画像を、表面パターン230が歪んでいない無荷重状態の第2の側面226の基準/登録画像と比較することによって達成される。
装置200が静的モード又は動的モードのいずれで動作しているかにかかわらず、無荷重状態の表面パターン230の画像は、光学系222を用いて、基準又はベースライン状態として記録される。基準画像は、表面パターン230の様々な点の原位置を登録するために使用される。そして、登録された点の新しい位置を、荷重印加状態画像において追跡する。印加された荷重応力によって上面226が歪んでいる場合、上面226上の登録された点の多くが、その原位置から変位することになる。2つの画像データ内の登録された点を相関させることにより、プロセッサ214は、変形、即ち歪みを決定して定量化できる。このようなデジタル画像相関を実施するためのアルゴリズムは当該技術分野で公知であり、更に詳細な議論はここでは不要である。
表面パターン230は、上面226上に印刷してもよく、又は上面226上に画像として投影してもよく、又は上面226上にランダムパターンとして噴霧してもよく、又は上面226上に化学処理を用いてエッチングしてもよく、又は上面226上にパターンを有する製造済み薄膜を用いて貼り付けてもよい。エアブラシを用いて上面226上にナノ粒子を噴霧できる。パターン230は、スペックルパターン又はグリッドパターンであってよい。
いくつかの実施形態では、表面パターン230は、スペックルパターンを形成するための黒色ドットと白色ドットとの混合物、即ちブレンドのコーティングで構成できる。適切なレンズを備えたステレオカメラ222a、222b及び/又は224a、224bを用いて、試験中に表面パターン230の画像を記録する。スペックルパターン230のコーティングは、各スペックルが5~7μmをカバーするスペックルをもたらす微細な霧を生成する、油系黒色及び白色スプレーを用いて作製できる。この塗料層は確実に数マイクロメートル未満であり、従って結果に影響しない。白色光LEDランプを用いて、ステレオカメラでの光学検査のために関心対象領域を照明する。
DICを用いた縁部強度測定には2つの方法が存在する。一方は、サンプルの上面上の歪みを測定するものであり、もう一方は、端面上の歪みを測定するものである。図9Dの図は、試験シート204上の上面226及び端面204eを特定している。両方のアプローチで測定される縁部強度は同一になるはずである。というのは、応力は縁部境界において連続しているためである。これは、試験シートの端面及び上面上の3D応力プロットを示す図9Eに図示されている。陰影の暗さの違いによって表される画像内の勾配は、上面及び端面上の応力が連続していることを示している。勾配の陰影の暗さは、異なる複数の応力レベルを表しているが、本開示の目的にとって実際の応力値は重要ではない。
[スペックルコーティングの別の方法と、その動的DICを実施する方法]
試験シート204を視認可能なスペックルドット表面パターン230でコーティングすると、このガラスシートは、仮に縁部強度試験スクリーニングに合格したとしても、消費者向け用途に使用できなくなる。これを回避するためには、装置が採用している専用の光学系(例えば紫外光、蛍光撮像、赤外光、又は電磁スペクトルの別の不可視部分)のみにとって視認可能な、不可視スペックルを使用してよい。あるいは、レーザを用いて試験シート204上にスペックルドットを投影でき、試験中にはカメラでこれらのスペックルドットを追跡できる。ドットパターンはランダムであってよい。
ガラス縁部の破壊強度を、上記縁部から離間した位置の応力が各位置における破壊強度より大幅に低くなるように縁部のみを応力下に置くことによって連続測定するための方法を対象とする、例示的実施形態を説明した。更に、例示的実施形態を用いて、測定中に1つの縁部の両側に略同一の引張応力を印加できる。この連続的な応力を提供するための1つの方法を詳述した(例えば対向するオフセットされたローラ)が、本明細書に添付された特許請求の範囲は、そのように限定されないものとする。というのは、音響エネルギ及び/又は赤外エネルギ(コヒーレント及びインコヒーレントの両方)も、ガラスシートの縁部に応力を誘発するという同一の目的のために使用できるためである。例えば、集束させた超音波を用いてガラス縁部に応力を誘発でき、そこから本開示の装置及び方法を用いて測定値を得ることができる。更に、レーザ又は他の手段を用いた(各ガラス材料によるかなりの吸収が可能なスペクトルの)IR照射も、ガラス縁部に応力を誘発するために使用でき、そこから本開示の装置及び方法を用いて例示的な測定値を得ることができる。更に、例示的実施形態は、処理速度を少なくとも30倍上昇させ、試験対象の縁部の量、並びに処理及び試験対象のシートの大きさを、従来の方法よりも少なくとも3倍増加させる、連続的な高速の性質を提供する。このようにして、このような統計的サンプリングの増加により、顧客への欠陥の漏れの減少を保証でき、またこれはオンライン構成で処理できる。
[上面DIC]
DICの光学的方法論の基礎を図3Aに示す。(荷重の増大中、又は荷重の印加前及び印加中の)各時間間隔における画像を比較することによって、スペックルドットの変位を追跡できる。これは変位マップを提供し、この変位マップを微分することによって歪みを得ることができる。この3D DIC技法を用いて、3D歪み場を得ることができる。2つの(x方向及びy方向)面内歪み場を用いると、曲げ応力を、式(1):
Figure 2022533625000002
を用いて決定でき、ここでEは弾性率であり、Εxxは曲げ方向(x)に沿った歪みであり、Εyyは他の面内主軸(y)に沿った歪みであり、νはポアソン比である。従来の応力変換の慣行では、応力状態の2軸性が無視され、1軸応力条件に関するフックの法則が使用される。これは、提供される情報が本明細書中で説明されるDIC技法より少なく、結果が過剰に簡略化される。
[垂直端面DIC]
図14を参照すると、DICを用いて各試験シート204の垂直端面204eを監視しながら、一連の3点曲げ試験が試験シート204に対して実施されている。これらの試験では、試験シート204はディスプレイパネル等の積層構造を有していた。試験シートの厚さは約200μmであった。スペックルパターン230を、試験シート204の垂直端面204e上に作製した。積層構造を有するもの等の特定のタイプの試験シート204を試験する際、試験シート204の上面(水平面)ではなく垂直端面204eに対する光学的監視を実施することが、より望ましい場合がある。
図14は、ある実施形態による3点曲げ試験中に、垂直端面204eに沿って歪みを光学的に測定できるDICを可能とする、試験装置200の光学系222のためにカメラ構成のある実施形態の概略図を示す。試験装置200のこの実施形態では、試験シート204の垂直端面204eを目標とする少なくとも1つのカメラ222c、222dの第2のセットが設けられている。少なくとも1つのカメラ222c、222dは、2つの離間したアーチ状部材220a、220bの間の試験領域208の垂直端面204eを目標としている。試験装置200の静的動作モードでは、少なくとも1つのカメラ222c、222dを用いて、無荷重状態及び荷重印加状態の両方の垂直端面204eの光学画像を取得できる。試験領域208の垂直端面204eを観察するカメラ222c、222dのペアが図14に示されているが、3点曲げ荷重が印加されていても垂直端面204eは平坦であるため、垂直端面204eを観察する際には単一のカメラを使用できる。垂直端面204eが平坦であるため、2つのカメラを用いた3Dビューは不要である。
図14はまた、垂直端面204eではあるものの試験領域208から離れた位置を目標としている、少なくとも1つのカメラ224c、224dの第2のセットを示す。カメラ224a、224bのペアと同様、少なくとも1つのカメラ224c、224dの第2のセットを用いて、試験装置200が動的モードで動作しているときに、無荷重状態の垂直端面204eの光学画像を得ることができる。ここでもまた、カメラ224c、224dのペアが図14に示されているが、垂直端面204eの観察には単一のカメラを使用できる。プロセッサ214はカメラ222c、222d、224c、及び224dに接続され、プロセッサ214はカメラを制御でき、またカメラから光学画像を受け取ってこれらを処理できる。
本発明者らは、微細なスペックルパターンを作製する2つの方法を開発した。第1の方法では、本発明者らは、端面上に塗料の層を作製するために、微細なブラシを液体塗料と共に使用した。続いてレンズ用紙を用いて端面上にパターンを作製した。上記レンズ用紙はマイクロスケールの微細なランダムパターンを有し、繊維を有するエリアが塗料を吸収し、繊維を有しないエリアが端面上に塗料を残す。この技法は、撮像のための良好なスペックルパターンを提供する。微細なスペックルパターンを作製するための別の技法は、スペックルパターンの製造にナノ粒子を使用するものである。しかしながら、凝集がスペックルパターンの品質に影響を及ぼす。品質はあまり信頼できるものでなく、またあまり安定したものでもない。
図3Bは、荷重サイクル中の同一位置におけるDICの再現性の研究を示す。これは、縁部に対するDICの再現性が安定していることを示している。無荷重状態で確認できるように、DICの精度は±10MPaである。端面DICを用いて、パネルの破損モードは大半が応力の集中を原因とすることが観察された。図3Cは、3点曲げ中の上縁部に沿った応力分布を示す。個々の曲線は、異なる荷重における上縁部に沿った応力分布である。図3Cは、荷重印加から試験シート204が破壊される点までの応力分布を示している。これらの曲線から、縁部に沿った欠陥が応力分布に影響を及ぼすことを確認できる。図3Dは、試験サンプルの全体的な荷重‐応力曲線を示す。なお、端面DICは高倍率で行われる。1ピクセルの解像度は約0.5μmであり、応力は頂点の位置に局在する。変動は、縁部の欠陥、頂点位置の精度、並びに厚さ、侵入、層の差異、封止の段階等といったサンプルのばらつきによるものである。
いくつかの実施形態では、従来のアクリル系塗料を用いて、ガラスシート204上に超薄型(数マイクロメートル)のスペックル表面パターン230のコーティングを形成できる。塗料の弾性率はガラスシート204より少なくとも1桁低く、その厚さはガラスシート204より2桁小さいため、測定値に対するパターンの影響は無視できる。デジタル画像相関におけるこのような表面パターンの使用は当該技術分野で公知であり、更に詳細な議論はここでは不要である。
上面及び端面DICは、静的又は動的に実施できる。静的DICは、試験シート204の縁部に沿ったある固定位置における荷重‐応力相関を測定する。動的DICは、試験シート204の縁部の長さ全体に沿った荷重‐応力相関を測定する。静的DICは実施が容易であるが、一度に1つの位置しか測定できない。動的DICは実施が比較的複雑であるが、試験シート204の縁部の全長を測定できる。静的DICは、相関が縁部位置に関して変化しないモノリシックガラス等のサンプルについて最も良好に機能する。動的DICは、相関が変化し得る、積層構造を有するパネル等のサンプルについて最も良好に機能する。
[ESMS静的モード‐リアルタイム応力測定を伴う縁部強度テスター]
静的モードの実施形態では、ステレオカメラ222a、222bの第1のセットを用いて、無荷重状態の測定と荷重印加状態の測定との両方を段階的に得る。視覚的マーカーの表面パターン230を、試験シート204の上面226上に設ける。試験シート204は試験装置の試験領域208を通って段階的に移動し、試験対象のシート204の特定の領域が試験領域208に入ると停止して、無荷重状態の測定及び荷重印加状態の測定を実施できる。
この例では、シート204を図9Bに示されているような右から左への運動で移動させることによって、シート204の縁部に沿った4つの異なる試験対象領域(領域1、2、3、及び4)が試験領域208に入れられる。シート204の下縁部の最も左側の部分にある試験対象領域1を試験するために、この試験対象領域1が試験領域208に入れられる。領域1よりもわずかに右にある試験対象領域2を試験するためには、シート204を、図9Bの矢印の方向に、左に移動させる。同様のステップを試験対象領域3及び4に対して繰り返す。この初期ステップは、上側アーチ状部材220a、220bによる垂直荷重が全く印加されない状態で実施される。3点曲げ試験のために、印加される荷重を、所定の荷重に到達するまで、又はシート204の破損が検出されるまで、増大させる。第1の光学系222は、無荷重状態の測定及び荷重印加状態の測定におけるシートの変形を光学的に検査して検出するために、少なくとも2つのカメラ222a、222bを含む。
各試験対象領域1~4に関する試験装置の荷重印加状態が、図9Cに示されている。荷重印加状態では、2つの上側アーチ状部材220a、220bによって、又は1つの下側アーチ状部材218によって、垂直荷重が印加される。いずれの方法でも、印加された荷重は、アーチ状部材の間のシートを曲げる。領域1~4に対応する4つの荷重印加状態はそれぞれ、変形1、2、3、及び4として標識される。
静的モードでは、無荷重状態の測定及び荷重印加状態の測定を、4つの試験対象領域それぞれにおいて連続して実施できる。あるいは、4つの領域1~4に関する無荷重状態の測定を初めに実施でき、続いてシート204を初期位置に戻すことができ、その後、試験領域208を通してシート204を移動させることによって、変形1、2、3、4の状態それぞれについて荷重印加状態の測定を実施できる。
3点曲げをベースとした縁部強度試験技法、及びDICの光学的方法を、適切な設計修正と組み合わせることにより、超薄型モノリシック又は積層ガラス構造体(例えば材料のシート)の縁部の強度を試験しながら、リアルタイムの応力測定を行うことができる。
DIC機能を含むいずれの形態の光学的測定は、測定のために、試験領域208内の試験シート204上の関心対象領域の、明瞭で直接的な光学的ビューを必要とする。以前のシステム(例えば米国特許出願第2018‐0073967号明細書)では、直接的な応力測定はなく、またこれらの設計では、ローラが経路を遮断するため、関心対象領域への明瞭な光経路が不可能であった。DICが実装された試験装置200の実施形態に関する本開示によると、アーチ状部材220a、220bを修正して、カメラのための関心対象領域への明瞭な光経路を可能としている。図4~7、9A~9C、及び11A~11Dを参照されたい。この修正、及び結果として得られる改善はまた、装置が静的DICモードで動作するか動的DICモードで動作するかに関わらず、試験装置200に存在する。主な設計上の考慮事項は以下の通りであった:
・上部ローラ(アーチ状部材)220a、220bを、ホイールから部分的セクションへと変更した。具体的には、ガラスシート204に対するローラ全体の必要な接触面積を維持しながら、最大の光経路を得るために、上記部分的セクションの幅を最小化した。図5A及び5Bを参照。
・係合の効果を研究するために、ローラ/上側部分的セクションに対するガラスの正確な整列を可能とするためのx、y、z軸の制御のための、微小マイクロメートルレベルアジャスタ232を組み込んだ。図5A及び5Bを参照。
・斜行の効果を研究するために、ローラ/上側部分的セクションに対するガラスの正確な整列を可能とするための軸の制御のための、微小マイクロメートルレベルアジャスタ234を組み込んだ。図5A及び5Bを参照。
・初期の試験の整列を保証するために、取付具の2つの半体と部分的セクションとを、全てダボ236a、236bで固定した。図5A及び5Bを参照。
試験領域208への明瞭な光経路が利用可能となったことにより、リアルタイムでの直接的な応力測定を行うためのDICの技法を採用した光学系が設計された。専用のレンズ系が取り付けられた、2つの4メガピクセルの市販のモノクロカメラを用いて、ガラスシート204の縁部付近の7mm×7mmの試験領域208を観察した。ドットのサイズが約5~7ピクセルとなり、コーティングの厚さが数マイクロメートルを超えないように、サンプルをランダムな黒色及び白色のドット表面パターン230でコーティングした。ステレオカメラシステムを用いて、縁部試験実験中に一連の画像(1秒あたり4つのフレームで150~200ペアの画像)を記録した。上記一連の画像を相関させて歪み場を得た後、式(1)を用いて応力を得た。6Nの荷重ステップで得られた応力場の一例を、試験全体を通しての最大応力の履歴と共に、図8Cに示す。この種の応力の可視化/測定は過去に行われていないと考えられる。これらの結果を数的シミュレーション(例えば有限要素解析)と相関させると、図8Cに示されているように良好な一致が確認される。
図40のフローチャート500を参照して、材料のシート204の縁部に沿った材料のシートの縁部強度を試験する方法の例を、以下のように概説できる:上記方法は:(a)視覚的マーカーの表面パターン230を、シート204の縁部に沿った関心対象領域内のシート204の表面226(第2の側面)に適用するステップ(ボックス510を参照);(b)関心対象領域に3点曲げ荷重を全く印加することなく、シートの縁部に沿った関心対象領域内のシート204の表面の第1の光学画像を取得するステップ(ボックス520を参照);(c)3点曲げ荷重を、シートの縁部に沿った関心対象領域に印加するステップ(ボックス530を参照);(d)関心対象領域に3点曲げ荷重を印加しながら、シートの縁部に沿った関心対象領域の表面の第2の光学画像を取得するステップ(ボックス540を参照);並びに(e)第1の光学画像及び第2の光学画像に基づいて、3点曲げ荷重の印加に起因する、シートの縁部に沿った関心対象領域の表面上の応力を決定するステップ(ボックス550を参照)を含む。
フローチャート500の方法のいくつかの実施形態では、シートの縁部に沿った関心対象領域の表面上の応力を決定するステップ(e)は:第1の光学画像に基づいて、無荷重状態の関心対象領域内の材料のシート204の歪みを測定するステップ;第2の光学画像に基づいて、3点曲げ荷重が印加されている荷重印加状態の関心対象領域内の材料のシートの歪みを測定するステップ;及び無荷重状態での測定された歪みを、荷重印加状態での測定された歪みと比較することによって、印加された3点曲げ荷重によって誘発されたシートの歪みを決定するステップを含む。
上記方法のいくつかの実施形態では、第2の光学画像に基づいて、荷重印加状態の関心対象領域内の材料のシートの歪みを測定する上記ステップは、第1の光学画像内の視覚的マーカーの位置と比較した、第2の光学画像内の視覚的マーカー230の変位を決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、シートの縁部に沿った関心対象領域の表面上の応力を決定する上記ステップは、関心対象領域内の材料のシートの測定された歪みを生成するために必要となる応力を計算するステップを含む。
上記方法のいくつかの実施形態では、視覚的マーカーの表面パターンを印加する上記ステップは、シートの表面上に画像を印刷、コーティング、噴霧、エッチング、貼付、又は投影するステップを含む。
上記方法のいくつかの実施形態では、第1の光学画像及び第2の光学画像は、少なくとも1つのカメラ222a、222bを備える光学系を用いて取得される。
[動的モード‐リアルタイム応力測定を伴う縁部強度テスター]
図9Cを参照すると、いくつかの実施形態では、装置200は動的モードで動作でき、上記動的モードでは、装置200は、試験装置200を通して試験シート204を一時停止させることなく連続的に移動させながら、無荷重状態の測定及び荷重印加状態の測定の両方を得ることができる。好ましい実施形態では、無荷重状態の測定及び荷重印加状態の測定はいずれも、試験シート204を試験装置200に1回通す間に実施される。これを達成するために、光学系222は更に、3点曲げ荷重が全く印加されていない試験シート204の画像を記録することによって無荷重状態の測定を得るために、試験領域208の前方に位置決めされたステレオカメラ224a、224bの第2のセットを備えることができる。
ステレオカメラ224a、224bの第2のセットは、試験シート204の第2の(上)側面226の上方に位置決めされ、これらは、試験領域208の前方の試験シート204のセクションを、試験シート204が試験領域208内へと移動する前に通過する際に視認しているため、カメラ224a、224bの第2のセットは、無荷重状態の試験シート204の上記セクションの画像を記録できる。これは、図9Cの最も左側の図である変形1の場合によって示されている。
アーチ状部材220a、220b、及び218によって付与される、図示されている3点曲げ試験構成では、試験シート204の第2の側面226は、シートが上側のアーチ状部材220a、220bの下かつ下側のアーチ状部材218の上を通過する際に張力を受ける。いくつかの実施形態では、図9A、9B、及び9Cに示されているように、アーチ状部材218、220a、220bはローラである。
動的モードで動作する試験装置200を用いて、材料のシート204の縁部強度をシートの縁部に沿って試験する方法は、図41のフローチャート600を用いて要約できる。上記方法は:(a)視覚的マーカーの表面パターン230を、シート204の縁部に沿った関心対象領域内のシートの表面に適用するステップ(ボックス610を参照);(b)試験装置200を通して材料のシートを連続的に前進させるステップであって、試験領域208を通過するシートの部分に3点曲げ荷重を印加しながら、試験領域を通してシートの縁部を前進させる、ステップ(ボックス620を参照);(c)試験領域208を通してシートの縁部を連続的に前進させながら、ただし関心対象領域が試験領域に到達する前に、関心対象領域内のシートの表面の第1の光学画像を取得するステップ(ボックス630を参照);(d)3点曲げ荷重を印加しながら、関心対象領域が試験領域内へと前進するときの、シートの関心対象領域の表面の第2の光学画像を取得するステップ(ボックス640を参照);並びに(e)第1の光学画像及び第2の光学画像に基づいて、3点曲げ荷重の印加に起因する、シートの縁部に沿った関心対象領域の表面上の応力を決定するステップ(ボックス650を参照)を含む。
フローチャート600に要約されている方法のいくつかの実施形態では、シート204の縁部に沿った関心対象領域の表面上の応力を決定する上記ステップは:第1の光学画像に基づいて、無荷重状態の関心対象領域内の材料のシートの歪みを測定するステップ;第2の光学画像に基づいて、3点曲げ荷重が印加されている荷重印加状態の関心対象領域内の材料のシートの歪みを測定するステップ;及び無荷重状態での測定された歪みを、荷重印加状態での測定された歪みと比較することによって、印加された3点曲げ荷重によって誘発されたシートの歪みを決定するステップを含む。
フローチャート600の方法のいくつかの実施形態では、第2の光学画像に基づいて、荷重印加状態の関心対象領域内の材料のシートの歪みを測定する上記ステップは、第1の光学画像内の視覚的マーカーの位置と比較した、第2の光学画像内の視覚的マーカー230の変位を決定するステップを含む。
上記方法のいくつかの実施形態では、シートの縁部に沿った関心対象領域の表面上の応力を決定する上記ステップは、関心対象領域内の材料のシートの測定された歪みを生成するために必要となる応力を計算するステップを含む。
フローチャート600の方法のいくつかの実施形態では、第1の光学画像及び第2の光学画像は、少なくとも2つのカメラ222a、222b、224a、224bを備える光学系によって取得される。いくつかの実施形態では、視覚的マーカーの表面パターン230を印加する上記ステップは、シートの表面上に画像を印刷、コーティング、噴霧、エッチング、貼付、又は投影するステップを含む。
上述の方法のいくつかの実施形態では、応力は少なくとも2次元で決定される。2次元応力は表面プロットとして表示される。図8Aは、3点接触によって荷重が印加されたときの、シート上の2次元表面歪みを示す。216は、応力が高いピーク歪み位置を指し、217は、応力が低い遠方場位置を指す。図8Bは、複数回測定された、試験シート上の最大応力に対する印加された応力を示す例示的なプロットである。また図8Cは、3点接触によって荷重が印加されたときの、シート上の2次元表面応力場である。左側の図はDICによって測定されたものであり、右側の図はFEAによってモデル化されたものである。図8Dは、ピーク応力位置から(黒色の矢印で示されている)シート内側方向への垂直方向距離の関数としての、正規化された応力値を示す。応力は、印加された果汁の関数として増大する。
このシステムのある実施形態は、静的状態の較正ユニットであることは別として、動的モードで連続的な縁部試験を行う製造環境(又はその他)で使用することもできる。本明細書全体を通して記載されているように、試験される材料の表面に対する直接の光経路により、本発明が依存する、より正確な歪みの直接的測定が容易になる。
動的モードでの測定を実施する能力は、既存の縁部測定技法に対する設計上の改善であり、またこれはリアルタイムでの直接的な応力測定の能力も付与するものである。いくつかの実施形態では、上述の構成は、部分ローラ(例えばアーチ状部材)を、図9A~9C及び11A~11Dに示されているように連続的に供給されるサンプルを取り込むことができる3つの完全に機能するローラと切り替えることによって、修正できる。このようなシステムは、入ってくるガラス縁部が必要な曲げ/荷重を連続的に受けることになるような位置に、ローラを有することになる。このようなシステムでは、ローラ間の間隔及びローラの直径は、カメラが検査を行うための明瞭な光経路が存在するよう、2つのローラ220a、220bの間に最小間隔Sが設けられるように制御される。
図9B~9Cは、上述のような動的タイプの縁部強度試験構成でのリアルタイム応力測定を達成するための方法論を説明している。縁部強度テスターは、既存の破壊を検出できるように、試験前に縁部を予備検査する(荷重/曲げが全く存在しない状態で、サンプルがローラを通過する)必要がある。このような破壊が検出されない場合、システムが誤動作しているか、又は縁部強度を過大に推定している。このような検査の間に、ステレオカメラ222a、222bは、図9Bに示されているように、縁部の長さに沿った一連の写真を撮影できる。そして、サンプル縁部に対して荷重が印加されているときの2回目の通過において、カメラは、図9Cに示されているように、第1の一連の画像と全く同じ縁部上の位置において、別の画像のセットを撮影し、同一位置からの対応する画像をペアリングして相関させることによって(即ち図9B及び9Cの同じ番号の画像を相関させることによって)、歪み場を得ることができ、またこれによって上述のように応力を得ることができる。
あるいは、2セットのステレオカメラ222a、222b及び224a、224bを備える試験装置200の実施形態を用いて、1回の通過で動的測定を実施できる。このような実施形態の一例が、図9Cの最も左側の概略図に示されている。上記システムは、ステレオカメラ222a、222bの第1のセットと、ステレオカメラ224a、224bの第2のセットとを含む。このようなシステムでは、ステレオカメラの両方のセットがプロセッサ214に接続され、このプロセッサ214は、カメラ222a、222b、224a、224bを制御し、またこれらのカメラからの画像データを処理する。上記システムはまた、シート204内の測定された応力に関するいずれの分析情報を表示し、またカメラが視認した対象の画像を表示するための、ディスプレイ228を含むことができる。
ここで生じる明らかな疑問は、アルゴリズム及び画像相関が、中間画像(静的試験のための150~200個の画像)を用いることなく、ゼロ応力からピーク応力までの歪みを得ることができるかどうかである。図10A及び10Bは、この概念のプルーフテストから得られた結果を示しており、これらは、中間画像を用いずに正確な結果を得ることができることを確認するものである。11Nの荷重での静的試験中に撮影された150~200個の画像を相関させることにより、図10Aに示されている応力分布マップが得られた。その一方で図10Bは、いずれの中間画像を用いずに、1個目の画像を200個目の画像と相関させることによって得られた応力分布マップを示す。これら2つの応力分布マップは同一であり、これは、中間ステップの不在が結果に影響しないことを示している。よって本実施形態は、リアルタイムでの応力可視化による、超薄型モノリシック及び積層ガラスサンプルに関する縁部強度測定の動的システムを説明している。
本明細書に記載の試験装置200を用いて、上記方法を実施できる。これは動的DIC方法を指している。動的DICとは、3つの点が縁部に沿って「転がる(roll)」間に歪み測定をリアルタイムで得ることを指している。このようなシナリオでは、無荷重状態の測定の後に歪みを取得する必要がある。
試験領域208を備える試験装置200を用いて、材料のシート204の縁部強度をシートの縁部に沿って試験する、動的な方法の一例は、以下のように概説できる。上記方法は:視覚的マーカーの表面パターン230を、シートの縁部を含むシート204の表面226上に設けるステップ;試験装置を通して材料のシートを連続的に前進させるステップであって、試験領域を通過するシートの部分に3点曲げ荷重を印加しながら、試験装置の試験領域208を通してシートの縁部を前進させる、ステップ;試験装置の試験領域208を通してシートの縁部を連続的に前進させながら、ただし関心対象領域が試験領域208に到達する前に、シートの縁部に沿った関心対象領域内の表面の第1の光学画像を取得するステップ;3点曲げ荷重を印加しながら、関心対象領域が試験領域208内で前進したときの、シートの関心対象領域の表面226の第2の光学画像を取得するステップ;並びに第1の光学画像と第2の光学画像とを比較することによって、3点曲げ荷重の印加に起因する、シートの縁部に沿った関心対象領域の表面上の応力を決定するステップを含む。
いくつかの実施形態では、応力は時間分解ドメインで決定でき、即ち応力の進展の履歴が得られる。これは、試験シート204が静止している間に、試験シート204の縁部に沿ったある位置において測定を行う静的モードにも、また所定の荷重を印加しながら、試験シート204が試験装置200を通して連続的に供給されている間に試験シート204の縁部の長さに沿って測定を行う動的モードにも、当てはまり得る。
いくつかの実施形態が、ガラスで形成されたシート204に関して説明されているが、本明細書に添付されている特許請求の範囲はそのように限定されないことに留意されたい。というのは、本明細書に記載の試験装置200は、積層構造体又はパネルを受承又は収容して分析するために使用できるためである。好適な積層構造体としては、1つ以上の中間ポリマー層を有する複数のガラスシートが挙げられ、あるいは代替実施形態では薄膜トランジスタガラス基板及び色フィルタガラス基板を有し、またこれらの間に、又はこれらの基板のうちの一方若しくは両方に隣接して、1つ以上のフィルムを有する構造体も挙げられる。よって、本明細書中でシート204又はガラスシートに言及する場合、この言及は、ガラス、ガラスセラミック、プラスチック、並びに積層構造体及び他のパネルについても当てはまり得る。簡潔にするために、本明細書中ではシート204のみに言及する。
試験装置200は、様々なサイズのシートを試験できる。例えば試験シート204は、約5mm/5mmから約100mm/100mmまで、約600mm/600mmまで、約1000mm/1000mmまで、約2300mm/2600mmまで、約4000mm/4000mmまで、及びこれらの間の全ての部分範囲内の、長さ/幅寸法を有することができる。パネル又は積層構造体内のガラスシートはまた、約5mm/5mmから約100mm/100mmまで、約600mm/600mmまで、約2300mm/2600mmまで、約4000mm/4000mmまで、及びこれらの間の全ての部分範囲内の、長さ/幅寸法を有してよい。更に、パネル又は積層構造体内の隣接するガラスシートは異なる長さ/幅寸法を有してよく、これにより、一方のシートがもう一方のシートの上に、及びこれらのシートの1つ以上の側面上に、重なることができる。単一のガラスシートの試験、又はパネル若しくは積層構造体に含まれる個々のガラスシートに関する、例示的なガラスの厚さは、0.1mm未満(例えばわずか10マイクロメートル)から5mm超、0.1mm~3mm、0.4mm~2mm、0.5mm~1mm、0.5mm~0.7mmの厚さとすることができる。
テーブル202は、測定サイクルを開始するための、又は動的モード試験のために試験領域208を通してガラスシート204を連続的に前進させるための、所定の位置へとガラスシート204を移動させるよう構成された、複数の駆動機構を含んでよい。
ガラスシート204の縁部の所定の部分を試験できる。この所定の部分の幅は、約1mm~約5mm、約1.5mm~約3.5mm、約2mm~約3mm、及びこれらの間の全ての部分範囲内とすることができる。ガラスシート204を試験する主な目的は、シート材料の、その縁部に沿った強度を試験することであるため、一般的には縁部に可能な限り近いエリアを試験することが望ましい。この目的のために、上述の寸法を有するガラスシートについて、ガラスシート204のその縁部に沿った表面の最後の2mmをアーチ状部材220a、220b、及び218と係合させることにより、応力の集中がガラスシート縁部にあることが全体として保証される。この構成は、望ましくない表面の割れを導入する恐れがあるガラスシート204とアーチ状部材220a、220b、及び218との間の外来粒子(例えば塵芥)を補足してしまういずれの機会を最小限に抑えるという点でも有益である。シート204が縁部強度を測定されるパネル又は積層構造体であり、またこれらのパネル又は積層構造体内の隣接するガラスシートが異なるものである(例えば上記構造体の1つ以上の縁部が重なり合った特徴部分を有する)実施形態では、上記所定の部分は、上記構造体内のガラスシートのうちの小さい方(即ち重なり合っていないシート)について測定される。
いくつかの実施形態では、各アセンブリ206内又はいずれのアセンブリ206内のアーチ状部材220a、220b、及び218は、(例えば最大応力を評価しない)非破壊試験中にガラスシート204の破壊を引き起こすリスクを最小限に抑えるために、順応性のある材料で作製できる。アーチ状部材又はローラは、十分な順応性を有しながら、保守及びダウンタイムを最小限に抑えるための長寿命と、ローラがガラス表面上を自由に転がることができるようにするための十分な摩擦とを提供できるように、選択できる。例示的なアーチ状部材の材料としては、硬化鋼製ローラ、鋼鉄製ローラ、ウレタン製ローラ、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)製ローラ、ショア80硬度ウレタン製ローラ、ポリカーボネート(PC)製ローラ(例えばLexan等)、高密度ポリエチレン(HPDE)製ローラ、ショア90硬度ウレタン製ローラ、ウレタンコーティングローラ等を挙げることができる。例示的なウレタン製ローラを採用することによって、システムが使用するいずれの信号、フィードバック等を汚染する可能性がある転がりのノイズを低減することもできる。更に、ウレタン製又はウレタンコーティングローラを用いて、ローラの経路内の破片に適応でき、またy方向の応力プロファイルに、内部応力の集中が存在しないようにすることができる。パネル及び積層構造体の縁部強度を測定するために使用される実施形態では、十分な縁部強度試験結果を達成するためには、順応性が比較的低いローラ(例えばPC、HPDE等)が必要とされることが分かった。
各アーチ状部材又はローラに関する例示的な寸法は、本発明の主題の特定の実施形態に応じて様々であってよい。例えばローラの寸法は、5mm~15mmの外径(outside diameter:OD)、7mm~12mmのOD、9mm~10mmのODとすることができる。いくつかの実施形態では、例示的なローラの寸法は、応力をほとんど全てガラスシートの隅(顧客の多くの問題はこのエリアで発生するため、これは重要である)に印加できるよう、約9mmのODとすることができる。例示的なシステムは、5mm/秒から500mm/秒以上、又は2mm/秒から400mm/秒以上の速度でガラス縁部を横断することもできる。例示的なシステムは堅牢であり、ローラに使用されるポリマー材料の耐久性に応じて、わずか0.1mmから1mmもの厚さを有するガラスに対して使用できる。
いくつかの実施形態では、高速閉ループ応力制御機構を採用して、割れを検出でき、また印加される応力が所定の目標値、例えば2MPaの目標以内となることを保証できる。例えば、単一のアーチ状部材218を用いて荷重をガラスシート204に印加でき、これにより、ロードセル信号を、連続的に割れを監視する高速コントローラ(図示せず)に送信できる。このロードセル信号を用いて、所定の速度(例えば5mm/秒から100mm/秒以上)で縁部を横断する間に印加される荷重を制御することもできる。
縁部強度試験装置200の使用は、縁部の特徴部分だけの調査に限定されない。複数の実施形態が、製造ラインでの欠陥のスクリーニングを実施するために、表面の特徴部分も同様に調査することも想定できる。例えば、ガラスシートの表面上の何らかの特徴部分、例えば粒子による汚染及び/又はくぼみ、欠け、若しくは擦傷といった視認可能なタイプの表面欠陥を、本発明の主題の実施形態と共に採用できる。しかしながらこのような実施形態では、強度分布を提供するのではなく、これらの実施形態は上記表面欠陥のサイズ、形状、及び/又は深さの分布、即ち寸法に関する計量を利用することになる。例示的かつ非限定的な表面特徴部分としては、表面近接領域(例えば縁部から約20mm内側)及び境界領域(表面が縁部と出会う場所)、並びに表面欠陥のいずれのサイズ、形状、又は深さの特徴が挙げられる。 このような寸法に関する計量は、単独で使用することも、縁部特徴部分から得られた強度の計量と共に使用することもできる。
いくつかの実施形態では、試験される長さはガラスシートの縁部全体に及んでもよく、又はガラスシートの縁部の1つ以上の部分に対して試験を実施してもよい。よって試験される長さは、ガラス縁部の長さに応じて、わずか約1mm~5mmから約2600mm、3000mm、4000mm以上もの大きさにまで及んでよい。
3点曲げをベースとした縁部強度試験
図4~7B、9A~9C、及び11A~11Dは、3点曲げ法を用いる縁部強度試験装置200の概略図を示す。破壊的な破損試験モードでは、試験サンプルガラスパネル204を、破損まで増大する荷重下に置き、破損点のピーク荷重を記録する。このピーク荷重を、歪みゲージから事前に経験的に作成された較正曲線に基づいて、応力に対してマッピングする。この技法は、2次元(x軸及びy軸)に沿った歪み/応力を提供し、これは、歪みゲージによって曲げ方向に沿った歪みのみを使用する現在の慣行に対する大幅な改善である。
[光学系(カメラ)の較正]
図11A~11Dを参照すると、システムの較正は、ガラスパネルに対して実際の試験を実施する前に完了する。この作業を実施することによって、画像相関ソフトウェアは、試験サンプルに対してカメラが位置決めされる角度及び距離を把握する。これは、画像ピクセルに関するドットパターンの移動を3D空間内の物理的寸法に変換するのに役立つ。この較正ステップが、図11A~11Dに概略的に説明されている。図11Aは、カメラ(222a、222b)、ローラ、及び試験パネルの相対位置を示す。試験がまだ開始されていないため、上部ローラはパネルから比較的離間している。そして試験パネルを、平坦な面に印刷された所定の(画像相関ソフトウェアが把握している)パターンと切り替える。カメラはこのパターンの一連の写真を撮影し、ここで上記パターンは、図11B~11Dに示されているように、カメラの焦点範囲内にあるまま、3D空間内で旋回している。一連の画像と、適切なソフトウェアとを用いて較正ファイルを作成でき、これを、歪みを得るためのパネルに対する実際の試験中に使用する。
[静的試験構成の能力]
静的モードは、他のパラメータ研究と共にパネル/積層シートの設計を研究するための較正デバイス(又はベンチマークデバイス)として静的モードを機能させるのに役立つ、以下の設計上の特徴を有する。
a)交換可能なローラ(ローラの材料及び直径)。
b)供給角度を変更する能力。これは、長方形でないディスプレイパネルの縁部試験に対処するのに役立つ。
c)試験される縁部に近づくような、又は試験される縁部から離れるような、ローラアセンブリの調整。これにより、比較的小さなパネル(モバイルデバイス)の試験と共に、縁部の特定の領域を検査できる。
d)ローラを部分的なローラプロファイルと交換できる。これは、特に接触点の付近において、視認可能なエリアを増大させ、またローラからの追加の応力を用いずに、その領域の応力分布の研究を可能とする。
これには、様々な構成部品を正確に整列させる整列ピン236a、236b等の整列技法が組み込まれ、上記整列は、試験を正確なものとするために非常に重要である。
[非DIC ESMS試験における応力測定精度の改善]
[ロードセルの位置]既存のESMSでは、ロードセルは、上側のローラアセンブリと隣接して位置決めされる。本発明者らは、ロードセルを下側のローラ218の下方に移動させることによって、荷重の制御の改善を達成できることを発見した。図15は、ロードセルの新たな位置を示す概略図である。この新たな構成では、ロードセルのドリフトは観察されなかった。
[速度の制御]シート204上の応力は、シート204に印加される荷重の関数である。よって応力の測定の精度は、荷重の測定の精度に左右される。試験サンプルシート204がテスターの試験領域208に連続的に供給される非DIC ESMS試験における、精度の改善の1つの因子は、試験領域208を通して試験シート204を移動させる速度である。試験シート204の搬送は、アーチ状部材218、220a、220bにローラを使用することによって達成される。よって、ローラの材料は、ローラと試験シートとの間の摩擦に影響を及ぼす可能性があり、この摩擦は、試験シート204を移動させるローラの能力に影響を及ぼす可能性がある。順応性のあるローラは、試験シート204に対して回転する際に伸縮し、下部ローラ218によって印加される荷重の変動を引き起こす場合がある。試験シートがローラを通って迅速に移動しているとき、ESMS試験システム200には、荷重の変動を調整する時間がほとんどない。本発明者らは、試験シート204がローラ上を移動する速度の、荷重制御に対する影響を、市販の荷重フレームInstronを用いて調査した。結果を、図17及び18のプロットに示す。このデータは、10個の試験片を用いて生成された。図17のプロットは、10mm/秒の速度で測定された荷重を経時的に示す。図18のプロットは、1mm/秒の速度で測定された荷重を経時的に示す。速度を10mm/秒から1mm/秒に低下させると、荷重の制御は有意に改善された。荷重の制御は、ESMS試験システムのソフトウェアを荷重の変動に対して調整できる速度及び精度にも左右される。よって、最適な速度は、これらの因子を考慮して選択する必要がある。本発明の改善されたESMS構成を用いて、本発明者らは、1mm/秒~40mm/秒の速度で、良好な荷重制御を達成できた。5mm/秒の速度を用いると、0.2mmのモノリシックガラスの場合、本発明者らは、2Nの目標に対して±0.1N以下の荷重の変動を達成できた。これは100±5MPaの応力変動に相当する。速度が速いほど試験時間は短くなるが、荷重を制御する能力を損なわないよう、何らかの最大値の制限が必要である。
[ローラに対するポリマーコーティング]アーチ状部材218、220a、220bがローラである実施形態では、ローラは好ましくは、試験シート204の移動を支援するために、試験シート204と接触する転がり面上にポリマーコーティングを有する。ポリマーは粘弾性であるため、この材料は転がる間に伸縮し得る。従って本発明者らは、ローラ上のポリマーコーティングが薄いほど、試験シート204に印加される圧力の制御が良好になると予想した。しかしながら予想外にも、本発明者らは、厚いポリマーコーティングほど、良好な荷重の制御を提供し、印加される荷重の変動が小さくなることを発見した。ローラ全体の直径(ローラのベアリング+ポリマーコーティング)は9mmであった。ポリマーコーティングの厚さは1.32mmであった。
本発明者らは更に、動的測定における潜在的な変動性を理解するために、ローラの直径及びポリマーコーティングの厚さの、荷重‐応力相関に対する影響を調査した。モデル化の結果により、所与のローラ内径L2及び外径L1に関して、ローラ内径を4mmから14mmまで変化させ、ポリマー厚さを0.5mmから2.5mmまで変化させたときに、相関の変化を400MPaまで無視できることが示された。図24は、FEAによって決定された、ローラ外径L1/ローラ内径L2の関数としての荷重‐応力相関のプロットである。相関は、広範囲のL1及びL2に関して、400MPaまで変動しない。この研究から、本発明者らは、荷重‐応力相関の潜在的な変動が動的測定について最小限であることを理解できた。
[ソフトウェアの改良]
ESMSシステム200の制御ソフトウェアに対して改良を行い、試験作業をより信頼できるものにするために、システムの動作を完全に自動化した。上記システムは、小型の、即ち~200×130×0.2mmの試験シート/パネルを標的としている。厚さわずか0.2mmの試験サンプルは、応力を正確に測定するために、極めて正確な荷重の制御を必要とする。というのは、荷重のわずかな変化でさえ、比較的大きな応力の変化を誘発するためである。従って、より良好な荷重の制御を維持するために、制御ループを改善することによって、制御ソフトウェアに対する改良を行う必要があった。この制御ソフトウェアにより、ESMSは、以下の自動化された手順を実施できるようになった。縁部強度試験手順の初期ステップのうちの1つは、試験シート204の整列である。望ましいローラ係合は、試験シート204の縁部Eから距離Dにおける(典型的には約2mmにおける)ものである。このローラ係合位置を図19Bに示す。
縁部強度試験を開始できる前に、いくつかの予備スキャンルーチンを実行する。このようなルーチンは、試験対象の試験シート204の縁部の厚さプロファイルを生成するステップを含む。図19Aを参照すると、試験シート204の長さを、厚さセンサ410a、410bのペアを通ってゆっくりと移動させ、この厚さセンサ410a、410bのペアは、試験シート204の厚さを測定して、試験対象の試験シート204の縁部の厚さプロファイルを生成する。この厚さデータにより、試験シート204が割れている場合に、破損応力の正確な測定後分析が可能になる。このルーチンはまた、試験シート204の前縁部E及び後縁部E、並びにサンプルシートの長さを明らかにするため、縁部強度試験中に仕様書の寸法ではなく実際の寸法を使用できる。試験シート204は、縁部強度試験手順の開始時に前縁部Eが下部ローラ218の頂点の上方に位置決めされるように、配置される。図19Cはこの構成を示す。
次にESMSは、下部ローラ218の頂点が開始オフセット位置と整列するまで、矢印Mで示されている方向に試験シート204を駆動する。上記開始オフセット位置は、図19Cに示されているような、水平な縁部の整列を指す。図20は、到着ゾーン、測定長、及び離脱ゾーンを特定する、試験シート204の一例の図である。縁部強度試験手順を開始するために、ESMSは、上部ローラ220a、220bが試験シート204と接触したことを意味する小さな力が検出されるまで、上部ローラアセンブリ220a、220bを、試験シート204の上面に向かってゆっくりと下向きに駆動する。
次に、荷重印加力及びガラス試験シートの速度は、指定された時間枠内で、指定された到着距離にわたる到着ゾーンを通して、同期して上昇する。荷重印加力は、離脱ゾーンに到達するまで、測定長に沿って維持される。離脱ゾーンの長さは離脱距離によって画定され、荷重印加力及びガラス試験シートの速度が低下して試験手順を完了する。図21は、上側ローラ220a、220bの下降中の初期期間から始まり、到着ゾーン、測定長、及び離脱ゾーンへと続く、荷重プロファイルの一例を示すプロットである。
[割れの検出]アップデートされた制御ソフトウェアの下で、ESMSは、以下の割れ検出手順を実行する。ユーザは、目標荷重付近の閾値を指定する。閾値が突破されると、ESMSは即座にローラ218、220a、220bの係合を解除し、試験シート204を停止させる。試験シート204が印加された応力下となる下側ローラ218の位置(即ちローラ218の頂点)が、新たな割れの位置として定義される。ユーザが定義した割れオフセットを考慮して、試験シート204の縁部に沿って十分な空間が残されている場合は、縁部強度試験は続行される。図22は、検出された新たな割れの位置を示す、試験シート204の概略図である。割れオフセット(crack offset)とは、動的試験を再開するためにローラが試験シートの縁部と再係合できる前に、検出された割れの位置からローラを離すように移動させる距離を指す。割れオフセットが短すぎると、割れが伝播して測定を妨害することになる。割れオフセットが大きすぎると、物的資産としての試験可能な縁部が無駄になる可能性がある。応力場のモデル化された大きさ及び形状に従って、本発明者らは、割れオフセットとして最小25mmの距離を使用した。
試験シート204を再係合した後、十分な長さの試験シートの縁部領域が試験対象として残っている限り、ESMSは、ユーザが定義した荷重印加力の全てについてループする。ESMSは、縁部に沿って横断する際に一定の力を印加する。破壊が発生したとき、試験シート204の強度は、0と、印加された力に対応する応力との間となり得る。従って、シートの強度を正確に決定するためには、強度の下限をより良好に理解するために、多段階の荷重を漸増させながら印加しなければならない。ユーザはこれらの段階的な力を、ユーザが望む測定精度のレベルに基づいて定義できる。システムは、破壊が発生するまで、ユーザが定義した段階的な荷重の全てについてループしなければならない。
[荷重の制御]ローラ218、220a、220bによって試験シート204に印加される3点曲げ応力荷重を制御するために、ファントムモータ技法(カスケードサーボループ(Cascading Servo Loop)としても公知)をESMS制御ソフトウェアに組み込んだ。ファントムモータ技法は、ロードセルのアナログ入力に適用された。この技法によって、ESMSは、ロードセルの入力信号を読み取り、移動するサンプルステージ202に変更を加えて、試験シート204に印加されている荷重をリアルタイムで制御することが可能となった。
図23Aは、ファントムモータ技法を示す概略図である。Delta Tau製Power PMACモーションコントローラは、ある独立したサーボループの出力を別のサーボループの入力として使用できるように構成できる。これによりシステムは、両方のループの機能を単一のアクチュエータにおいて結合でき、またエンジニアは、運動の制御を特に意図していなかったデバイスに関して、コントローラの微調整パラメータを最大限活用できる。この場合、ロードセルの出力を、そのアナログ出力がコントローラ内のサーボループの出力に向けられるように、上記モーションシステムに統合した。これは「内部ループ(inner loop)」として公知である。次に、アクチュエータの物理的なモーションを実際に制御するサーボループに物理的な運動を命令するための内部ループの出力が供給される。2つのループと、Delta Tau製のシステムによって供給されるモータ微調整パラメータとの間の関係をスケーリングすることにより、モーションコントローラが目標荷重からのリアルタイムの偏差に応答して必要な補正を適用できるようにする最適なバランスが達成され、これはサンプルにわたる安定した荷重の印加に役立つ。
図23B及び23Cは、1回の試験実行からのロードセルの読み取り値を比較する時間に対する、ロードセルからの測定された荷重の読み取り値のプロットを示す。図23Bのプロットは、ファントムモータ技法による修正を行わずに得られた、測定された荷重の読み取り値に関するものであり、図23Cのプロットは、ファントムモータ技法を用いて得られた、測定された荷重の読み取り値に関するものである。図23Cのプロットは、ファントムモータ技法を実装した場合のロードセルの読み取り値の変動が大幅に小さくなることを示している。
[パネルのバッチの強度を推定する方法]
いくつかの実施形態によると、同一の設計を有するが製造公差を有する個別に製造された複数のパネルの平均強度を測定する方法が開示される。複数のパネルの強度を測定してバッチの平均強度を得るには、以下の2つの方法が存在し得る:
・本発明で開示されている光学歪み測定技法を用いて、個々のパネル全ての強度を直接測定する;
・上記光学歪み測定技法を用いていくつかのサンプルを測定することによって決定された、公称荷重‐応力相関を用いて、バッチを構成する残りの全てのパネルの強度を推定する。
第1の方法は、第2の方法よりも精度が高いという利点を有するが、複数のプロセスステップを有し比較的長い時間がかかる可能性がある光学歪み測定技法を用いて全てのサンプルを測定しなければならないため、時間がかかる可能性がある。第2の方法は、荷重を用いて強度を直接推定できるため、処理時間は比較的短いが、特定の製造公差を有するパネルに対して同一の公称相関が採用されるため、推定にエラーバーが生じる。それでも実際には、第1の方法の利用によって得られる更なる精度よりも、試験時間が短いことが利点となるため、第2の方法が好まれる。ここでは第2の方法について更に詳述する。
公称荷重‐応力相関は、静的又は動的DICアプローチを用いて、複数回の光学歪み測定(即ちDIC)を複数のパネルに対して実施することによって、得ることができる。測定の回数が多いほど、公称相関のより正確な推定が提供されることになる。測定の回数が増大すると、パネルの製造公差により、エラーバーもまた増大する。
例えば図25は、DICによって測定され、FEAによってモデル化された、0.2mm及び0.3mmの平均厚さを有するパネルの2つの異なるバッチに関する、応力に対する荷重のプロットを示す。DIC測定結果には、パネルの製造公差によるばらつきがあるが、FEAモデルは公称のパネル設計パラメータを計算に用いたため、単一の結果しか示さない。
全てのパネルに公称荷重‐応力相関を用いることによる誤差を最小限に抑えるため、各パネルの測定された変動性に基づいて、補正係数を各パネルの公称荷重‐応力相関に適用できる。
[パネル補正係数]
厚さ‐例えば、平均厚さが0.3mmのパネルのバッチから導出された公称荷重‐応力相関を、厚さ0.29mmのパネルに適用する場合、応力は過小に推定される可能性がある。従って、測定された厚さである0.29mmに基づいて、補正係数を適用できる。この場合補正係数は、測定されたパネル厚さ、及びパネルバッチの平均厚さの関数である。補正係数の数学的形式は、DIC及び/又はFEAモデル化によって実施される感度の研究から導出できる。
パネルの製造公差の影響を、上記公差が小さい場合にDIC等の実験方法を用いて特性決定するのは、困難である場合がある。このような場合、FEAモデル化を用いて感度を理解し、補正係数を導出できる。図26Aは、0.1、0.2、0.21、0.22、及び0.25mmという異なる厚さを有するパネルに関する、モデル化された荷重‐応力相関を示し、図26Bは、これらの異なる厚さに関する、荷重(N)に対する応力の正規化された変化を示す。これらのグラフを使用し、各パネルの厚さの変動を測定することにより、適切な補正係数を公称荷重‐応力相関に適用できる。
同様に、補正係数を、特定の製造公差を有する他のパネル設計パラメータに適用してよい。
[測定プロセス補正係数]
測定位置‐測定プロセスもまた、補正係数として考慮されるべき測定の変動性を伴う場合がある。例えば図27A及び27Bは、一定の荷重で動的ESMSで試験した場合の、0.1、0.15、0.2、及び0.5mm厚のガラスシートに関する、時間に対する力及び変位の曲線を示す。力は全ての厚さに関して一定に維持されていたが、変位曲線は、時間が経過するに従って上昇する挙動によって示されているように、ローラが隅に近づくにつれて大幅に異なる挙動を示した。これは、ガラスの厚さが薄くなるにつれて隅における剛性が低くなることを示し、これは、縁部に沿った測定位置について、荷重‐応力相関を補正しなければならないことを暗示している。図28を参照すると、パネルの縁部の中央Cから、図28に「X」の印が付けられている試験領域208の中央までの、パネル204の縁部に沿った測定位置dが測定されている。
ローラ係合‐ローラ係合の変動性も、補正係数として考慮できる。ローラ係合(roller engagement)とは、ローラとパネル縁部との間の係合長さを指す。ローラ係合は典型的には公称値に設定されるが、縁部の直線性及び整列プロセスに応じて変動し得る。図29は、荷重‐応力相関に対するローラ係合の影響の一例を示す。上記係合が0.7mmと1.7mmとの間で変動する場合、これは、荷重‐応力相関に対して10%の影響を有していた。
頂点外破損(静的ESMSのみ)‐静的ESMSに関して、正確な応力測定のために、頂点外破損位置を補正係数として考慮しなければならない。というのは、応力はローラの頂点から離れるにつれて急激に降下するためである。図30Aは、試験パネルの頂点外破壊の一例の写真であり、図30Bは、頂点外破壊位置に関する応力プロファイルのプロットである。
数学的には、補正係数は例えば以下のように公称荷重‐応力相関に適用できる:
応力=F(N)×C1(t)×C2(x)×C3(R)×C4(L)×…
ここで、Fは公称荷重‐応力相関であり、C1~C4は、個々の変数、即ち厚さ(t)、測定位置(x)、ローラ係合(R)、及び頂点外破壊位置(L)のそれぞれを考慮する補正係数である。
エラーバー‐実際的な理由で容易に測定できない特定のパネル設計パラメータ又は測定プロセスにおける変動性は、エラーバーとして考慮できる。例えば、シーラント幅、位置、又はパネルを構成する個々のガラスの厚さの変動性を、エラーバーとして考慮できる。更に、ロードセル、オペレータ等からの誤差といった測定プロセスの変動性もまた、エラーバーとして考慮できる。補正係数及びエラーバーの両方を考慮した最終的な荷重‐応力相関を以下に示す:
応力=F(N)×C1(t)×C2(x)×C3(R)×C4(L)×…±エラーバー
[パネルの破損確率を推定する方法]
[1.ESMSに基づく強度分布の導出及び製品の信頼性の予測]
特定の用途におけるガラスの信頼性を予測する従来の方法は、強度試験に基づいて強度分布を導出するステップ、及びそれに続いて破損の確率を所与の基準サイズから生産サイズ全体へとスケーリングするステップを含む。このアプローチは長年にわたって良好に使用されてきたが、これは、所与のサイズを基準にした強度分布に依存するものである。十分な厚さを有するガラス試験片に対して実施される、4点曲げ及びリング・オン・リングのような、ガラス強度を試験する従来の手段は、試験されるエリアの応力場が一定であるという利点を有する。従って、このデータから強度分布を得る場合、結果として得られる分布は、試験されたエリア(リング・オン・リング試験の内側リングの内側、及び4点曲げ試験の内側ナイフの内側)を基準にしたものとなる。信頼性の予測のためにこれらの分布を使用するのは、この場合正しい。というのは、製品サイズに対する強度分布の基準サイズが分かっており、従って、ワイブルスケーリング(又はクロージャー)特性を利用して破損の確率を製品サイズへと容易にスケーリングできるためである。このアプローチを利用するためには、ワイブル強度分布を適用する基準サイズを把握する必要がある。
ESMS等の様々な新しい試験アプローチは、薄型ガラスの強度測定に使用されている。ESMSは薄型ガラス縁部強度の評価に好適であるが、これは一定の応力場を有しない。静的ESMS試験では、応力場は中央のローラの周りで対称であり、パネル/シートの縁部に沿った応力を示す図31に示されている。ここでは、破損部位の位置及び応力が星型で示されている。一般的な誤りは、破損位置の応力のみに基づいて強度分布を生成するというものである。このアプローチによる問題は、以下のようなものである:
・応力は中央のローラの位置において最大となり、この位置から離れると単調減少するため、結果として得られる強度は、「中央±破損部位から中央までの距離」の位置の中の最も弱い部位によって決まる。従って上記分布は、破損の部位の中の最も弱いきずのものとなる。この最も弱いきずの位置は変動するため、上記分布が得られる試験される長さも変動する。従って、分布は特定の長さを基準としないものとなる。
・破損応力より高い応力に耐える縁部の長さは、強度分布に劇的な影響を及ぼす場合があるため、考慮する必要がある。
結果として、破損部位の応力のみに基づく分布は、製品の信頼性の予測には使用できない。従って、確実な強度分布を導出するために、特別な方法が必要である。ESMSについて強度分布を適切に決定するためには、長さ及び応力の影響をデコンボリューションしなければならず、また分布は特定の単位長を基準としなければならない。これを達成するための方法論が開発された。この方法論は:短い基準長(又は表面の信頼性の場合は基準面積)を定義するステップ;並びに破損した特定の基準長(又は面積)、破損時の応力、及び残存した特定の基準長(又は面積)が受けた応力を特定するステップを含む。次に、結果として得られたデータを統計的に分析して、既知の長さ(又は面積)に関する確実な強度分布を導出する。続いてこの分布を、信頼性を予測する目的で使用できる。このアプローチの詳細は本明細書では提供しない。
[動的ESMSのデータ分析のための「簡略化された方法(Simplified method)」]
動的ESMSに関して、本発明者らは、第1の破損データを用いることによって強度分布を導出するための簡略化された方法も実装した。この簡略化された方法は、応力プロファイルが全試験エリアにわたる動的ESMSに関して一定であると仮定する。図32は、「簡略化された方法」又は上述のセクションで概説した「特別な(Special)」方法によって分析された、パネルのバッチの強度分布を示す、応力に対する確率のプロットを示す。両方の方法からの結果には有意差がない。というのは、各段階的荷重において、全試験長における計測エリアの応力が略同一であり、段階的応力が小さいためである。これにより本発明者らは、動的ESMSデータ分析において「特別な」方法に依存せず、従来のワイブル統計を使用できた。
[パネル破損モード]
パネル破損モードは、ESMSで試験した場合にパネルが破壊され得る様々な様式又は位置を指す。一般的には、破壊を分類するために、パネル上に一定の又は予測可能な破壊位置を有することが好ましい。しかしながら、パネル構造及びきずの集合の複雑さにより、破壊位置の特定、及び正確な破損応力の理解が困難である場合がある。ここでは、パネルに見られる破損モード、及びパネルの破損応力を推定する方法の例を提供する。
縁部破損‐縁部破損は、表面1の縁部が張力下で破壊される場合のものである(図33)。張力下での表面1の縁部破損は、ESMS試験から得ることを意図された破損モードである。しかしながら、この破損モードを得るためには、パネルを構成する2枚のガラスが、単一のガラスのように集合的に挙動することが必要となる。パネルを構成する2枚のガラスが2枚の別個のガラスのように挙動する場合、縁部破損が表面3の縁部にも発生する可能性があり、破壊位置の特定が複雑になる。単一のガラスとしてのパネルの挙動は、2枚のガラスを接着するシーラントが十分に硬化しており、また十分な幅を有し、測定されるパネル縁部に十分に近接していることを保証することによって、達成できる。例えばシーラントは、試験によって印加されるせん断応力による層間剥離を起こしてはならず、シーラントの弾性率は十分高い、典型的には1GPaを超える必要があり、またシーラントは、荷重が印加される縁部の周りのエリアを十分に接着しなければならない。
シーラントの特性に対するパネルのこのような挙動は、シーラント‐縁部間の距離の変動に対する表面1及び3上の応力プロファイルの変化によって、より良好に説明できる。図35は、シーラントとガラス縁部との間の空隙が0mmである場合の、表面1及び表面3上の応力プロファイルを示す。シーラントの幅は約1mmであり、剛性は3Gpaである。ピーク応力は表面1の縁部にあり、表面3上の縁部応力は半分未満である。これは破壊が表面1のみに発生することになることを暗示している。図36は、シーラントとガラス縁部との間の距離が2mmに増大した場合の、表面1及び表面3上の応力プロファイルを示す。シーラントが荷重印加エリアから離れるように移動しているため、ピーク応力はこの場合、表面1及び3の縁部両方に存在する。表面3の縁部で破損が起きる確率はこの場合、表面1と同一である。
場合によっては、表面1及び3の縁部両方を同時に試験することが好ましいことがある。そのような場合、シーラントが上述の特性を有しないパネルを設計してよい。図36に示されているように、ガラスが2枚の同一のガラスのように挙動するため、両方の縁部に関する破損応力は同一の相関に基づいて計算されることになる。
表面破損‐表面破損(surface failure)は、縁部付近、典型的には縁部の3mm以内において、張力下で表面1の表面に発生する破壊である(図33)。パネルが2枚の別個のガラスのように挙動する場合、破損は表面3の表面にも発生し得る。縁部破損と同様、表面1及び3の両方を同時に試験することが好ましい場合、シーラントが上述の特性を有しないパネルを設計して、同一の相関を用いて応力を推定してよい。
圧縮側表面からの破損‐圧縮側表面からの破損(failure from compressive side surface)は、2つの外側ローラによって小さな引張応力が印加されていることによって、表面4の縁部又は表面に発生する破損を指す(図33)。力の平衡により、各外側ローラの下の引張応力は、中央のローラが印加する応力の半分である。表面4上の応力は比較的小さいにもかかわらず、大きなきずが存在すれば、依然として表面4の縁部又は表面で破壊が発生し得る。一般的には表面1のみで破壊が起こることが依然として望ましいものの、これを利用して、表面1及び4の両方のきずを同時に試験することもできる。これは潜在的に、A側及びB側の両方を試験するために2セットのローラを用いる必要を排除する。
隣接割れ‐隣接割れ(adjacent crack)とは、既存の割れが荷重印加エリアへと伸長した場合に発生するものである(図34)。実際において、既存の割れは隣接する試験領域内へと伝播し、後に破損の起点となる。この破損モードは多くの場合、試験領域間の距離が近すぎる場合に発生する。この破損モードを緩和する方法は、隣接する破壊の間及び試験位置の間に十分な距離が設けられていることを保証することである。
[計測器故障モード]計測器故障モード(gauge failure mode)は、計測器がパネル上の破壊の検出に失敗する、又はパネル上の破壊を誤って検出する可能性がある様式を説明する。
破壊検出漏れ‐破壊検出漏れ(missed break detection)は、ESMSがパネル上の破壊の検出に失敗した場合を指す。本発明者らは、これが多くの場合、割れからの破壊エネルギがロードセルの感度に対して小さい場合に発生することを発見した。場合によっては、2枚のガラスを一体に接着する下層のシーラントによって、割れが接着されたままとなることがある。
破壊誤検出‐破壊誤検出(false break detection)は、実際に破壊が発生していないときにESMSが破壊を検出する場合を指す。本発明者らは、これが多くの場合、ロードセルの感度が環境からのノイズに対して高すぎる場合に発生することを発見した。
破壊を識別するための機械学習
ESMSでの割れの検出において、パネルサンプルを、異なる複数の照明及び倍率で、カメラを用いてキャプチャする。画像フレームからパネルの割れを画定するために、手作業で形成された特徴を識別するのは困難である。キャプチャされたビデオサンプルは、大半の画像フレームを、割れの無いガラスとして有している。収集したデータからは、割れたガラスの画像フレームはごく限られた数しかない。この問題は、教師なし学習を用いた異常検出として処理される。換言すれば、機械学習モデルは、正常な画像を用いて訓練され、共通の特徴を発見する。次にエンコーダ及びデコーダを用いて外れ値を検出し、外れ値の画像を異常画像として扱う。この場合では、割れを有する画像が異常画像として検出されることになる。図37は機械学習モデルを示す。
3つの畳み込みニューラルネットワークが存在する。ネットワークのうちの2つ、G及びDは、訓練データを用いた敵対的な教師なし学習であり、上記訓練データは標的クラスのみで構成される。具体的には、Gは正のサンプルを再構築することを学習し、特徴重み付けz及びG(z)を用いて検出器Dを騙そうとする。一方でDは、オリジナルの(正の)サンプルを再構築されたサンプルから区別することを学習する。このように、Dは、全ての正のサンプルの空間によって特徴づけられる概念のみを学習するため、正のクラスと新規のクラスとの区別に使用できる。別のニューラルネットワークEも存在し、これは、画像から正確な特徴重み付けを抽出できるGの挙動をミラーリングするように訓練されたものである。その一方でGは、正のサンプルを効率的に再構築することを学習し、負の(即ち新規の)サンプルについては入力を正確に再構築できないため、負のサンプルに関してデシメータ(又は非公式にはディストータ)として機能する。試験段階では、Dは実際の新規性検出器として動作し、その一方でGは、正の、即ち目標のサンプルを十分に再構築して、いずれの所与の負の、即ち新規のサンプルを間引く(又は歪める)ことにより、検出器の性能を向上させる。
本発明者らのESMSの場合について、入力画像がx(画像)である場合、これはニューラルネットワークEに入り、特徴重み付けE(x)を生成することになる。E(x)に等しいZを定義すると、ZはニューラルネットワークGを通過してG(z)(画像)となる。(G(z),z)及び(x,E(x))がニューラルネットワークDを通って同様のスコアを達成し、(G(z),z)がDを通って高いスコアを達成する場合、入力xは正常/正の場合である。それ以外の場合は異常/負の場合である。
本明細書に記載の実施形態及び機能的動作は、本明細書で開示されている構造及びその構造的均等物を含む、デジタル電子回路、又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア若しくはハードウェア、又はこれらのうちの1つ以上の組み合わせに実装できる。本明細書に記載の実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラム製品、即ちデータ処理装置による実行又はデータ処理装置の動作の制御のために有形プログラムキャリア上でエンコードされるコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして、実装できる。有形プログラムキャリアは、コンピュータ可読媒体とすることができる。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、又はこれらのうちの1つ以上の組み合わせとすることができる。
用語「プロセッサ(processor)」又は「コントローラ(controller)」は、例えばプログラマブルプロセッサ、コンピュータ又は複数のプロセッサ若しくはコンピュータを含む、データを処理するための全ての装置、デバイス及び機械を包含できる。プロセッサとしては、ハードウェアに加えて、問題となっているコンピュータプログラムのための実行環境を構築するコード、例えばプロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又はこれらのうちの1つ以上の組み合わせを構成するコードが挙げられる。
(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト又はコードとしても知られる)コンピュータプログラムは、コンパイラ型言語又はインタープリタ型言語を含む任意の形式のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラムとして、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン若しくは計算環境での使用に適した他のユニットとして展開できる。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内の1つのファイルに必ずしも対応しない。プログラムは、他のプログラム若しくはデータ(例えばマークアップ言語文書中に格納された1つ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部分に、又は複数の協調したファイル(例えば1つ以上のモジュール、サブプログラム若しくはコードの一部分を格納したファイル)に、格納できる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は、1箇所にある、若しくは複数の場所に分散され通信ネットワークによって相互接続された、複数のコンピュータ上で、実行されるように展開できる。
本明細書に記載のプロセスは、入力データを操作して出力を生成することによって機能を実行するために1つ以上のコンピュータプログラムを実行する、1つ以上のプログラム可能なプロセッサによって実行できる。プロセス及び論理フローは、専用の論理回路、一例を挙げるとFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によって実行することもでき、装置は、そのような専用の論理回路として実装してよい。
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用及び専用のマイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み出し専用メモリ又はランダムアクセスメモリ又はその両方から、命令及びデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するための少なくとも1つのプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶するための1つ以上のデータメモリデバイスである。一般に、コンピュータは、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶装置(例えば磁気ディスク、光磁気ディスク若しくは光ディスク)を含むことになるか、又は大容量記憶装置に対してデータを送受信するために動作可能に結合することになるか、又はその両方となる。しかしながら、コンピュータはこれらのデバイスを有する必要はない。更にコンピュータは、別のデバイス、一例を挙げると携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)に、埋め込むこともできる。
コンピュータプログラム命令及びデータの記憶に好適なコンピュータ可読媒体は、不揮発性メモリ、媒体及びメモリデバイスを含む全ての形態のデータメモリ、例えば半導体メモリデバイス(例えばEPROM、EEPROM及びフラッシュメモリデバイス)、磁気ディスク(例えば内蔵ハードディスク又は取り外し可能なディスク)、光磁気ディスク、並びにCD‐ROMディスク及びDVD‐ROMディスク等を含む。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完でき、又は専用論理回路に組み込むことができる。
ユーザとの対話を提供するために、本明細書に含まれる図面に示されているように、本明細書に記載の実施形態は、情報をユーザに表示するための表示装置(例えばCRT(ブラウン管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ等)と、ユーザがコンピュータに入力するための手段であるキーボード及びポインティングデバイス(例えばマウス又はトラックボール又はタッチスクリーン)とを有するコンピュータ上で実装できる。他の種類のデバイスを用いて、ユーザとの対話を提供することもできる。例えばユーザからの入力は、音響入力、音声入力又は触覚入力を含むいずれの形態で受信できる。
本明細書に記載の実施形態は、バックエンドコンポーネント(例えばデータサーバ)を含む、又はミドルウェアコンポーネント(例えばアプリケーションサーバ)を含む、又はフロントエンドコンポーネント(例えば、それを通してユーザが本明細書に記載の主題の実装形態と対話できるグラフィカルユーザインターフェース若しくはウェブブラウザを有する、クライアントコンピュータ)を含む、又は1つ以上の上述のバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、若しくはフロントエンドコンポーネントのいずれの組み合わせを含む、計算システム内で実装できる。システムのコンポーネントは、デジタルデータ通信のいずれの形態又は媒体(例えば通信ネットワーク)によって相互接続できる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(LAN)及び広域ネットワーク(WAN)(例えばインターネット)が挙げられる。
計算システムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアント及びサーバは一般に、互いから離れており、典型的には通信ネットワークを介して対話する。クライアントとサーバとの関係は、各コンピュータ上で実行される、互いに対してクライアント‐サーバ関係を有する複数のコンピュータプログラムによって生成される。
本開示の様々な実施形態は、当該特定の実施形態に関連して記載されている特定の特徴、要素又はステップを伴い得ることが理解されるだろう。また、ある特定の特徴、要素又はステップは、ある特定の実施形態に関連して記載されていても、例示されていない組み合わせ又は順列で、相互交換してよく、又は代替実施形態と組み合わせてよいことが理解されるだろう。
また本明細書中で使用される場合、用語「上記(the)」、「ある(a又はan)」は「少なくとも1つの(少なくとも1つの)」を意味し、そうでないことが明示されていない限り、「唯一の(only one)」に限定されてはならないことも理解されたい。従って例えば「ある構成部品(a component)」に関する言及は、文脈によってそうでないことが明示されていない限り、2つ以上のこのような構成部品を有する例を含む。
本明細書において、範囲は、「約(about)」ある特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表現され得る。このような範囲が表現されている場合、その例は、上記ある特定の値から、及び/又は上記別の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」を用いることにより、値が概数として表現されている場合、上記特定の値は別の態様を形成することが理解されるだろう。更に、各範囲の端点は、他方の端点との関連でも、他方の端点とは独立しても、重要であることが理解されるだろう。
本明細書中で使用される場合、用語「略(substantial)」、「実質的に、略(substantially)」及びこれらの変形形態は、記載されている特徴が、ある値又は記載と等しいか又はおおよそ等しいことを記述することを意図している。更に、「略同様の(substantially similar)」は、2つの値が等しいか又はおおよそ等しいことを指すことを意図している。いくつかの実施形態では、「略同様の」は、互いの約10%以内、例えば互いの約5%以内又は互いの約2%以内の値を指すことができる。
そうでないことが言明されていない限り、本明細書に記載のいずれの方法が、そのステップを特定の順序で実施することを必要とするものとして解釈されることは、全く意図されていない。従って、ある方法クレームが、そのステップが従うべき順序を実際に列挙していない場合、又はステップをある特定の順序に限定するべきであることが、特許請求の範囲若しくは説明中で具体的に言明されていない場合、いずれの特定の順序が推定されることは全く意図されていない。
特定の実施形態の様々な特徴、要素又はステップが、移行句「…を含む/備える(comprising)」を用いて開示される場合があるが、移行句「…からなる(consisting of)」又は「…から本質的になる(consisting essentially of)」を用いて記載され得るものを含む代替実施形態も含意されていることを理解されたい。従って例えば、A+B+Cを含む装置に対して含意されている代替実施形態は、装置がA+B+Cからなる実施形態、及び装置がA+B+Cから本質的になる実施形態を含む。
本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変形を本開示に対して実施できることは、当業者には理解されるだろう。本開示の精神及び内容を組み込んだ、本開示の実施形態の修正、組み合わせ、部分的組み合わせ及び変形が、当業者には想起され得るため、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある全てを含むものとして解釈されるものとする。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
材料のシートの縁部強度を試験するための装置であって、上記装置は:
上記装置の試験領域内の上記材料のシートの縁部に沿って、3点曲げ荷重を選択的に印加するよう構成された、複数のアセンブリであって、上記複数のアセンブリは、上記3点曲げ荷重を印加することによって、上記試験領域内の上記材料のシート上で荷重印加状態を確立でき、また上記3点曲げ荷重を印加しないことによって、上記試験領域内の上記材料のシート上で無荷重状態を確立できる、複数のアセンブリ;
上記材料のシートが上記無荷重状態である場合及び上記材料のシートが上記荷重印加状態である場合に、上記試験領域内の上記材料のシートの歪みを光学測定するよう構成された、検出機構であって、上記荷重印加状態における歪みは、上記3点曲げ荷重によって生成される、検出機構;並びに
測定された上記歪みに基づいて上記材料のシート内の応力を決定するよう構成された、プロセッサ
を備える、装置。
実施形態2
上記複数のアセンブリは、2つの対向するアセンブリを備え、上記2つの対向するアセンブリのうちの第1のアセンブリは、上記シートの第1の側面に係合するための単一のアーチ状部材を備え、上記2つの対向するアセンブリのうちの第2のアセンブリは、上記第1の側面と対向する上記シートの第2の側面に係合するための2つの離間したアーチ状部材を備え、
上記2つの離間したアーチ状部材は、上記2つの離間したアーチ状部材の間に上記試験領域を画定する、実施形態1に記載の装置。
実施形態3
上記単一のアーチ状部材は、上記2つの離間したアーチ状部材の間で垂直に整列される、実施形態2に記載の装置。
実施形態4
上記検出機構は、上記2つの離間したアーチ状部材の間の上記試験領域内の上記シートの上記第2の側面の表面の1つ以上の画像を取得するように位置決めされた、カメラの第1のペアを備え、
上記検出機構は、上記カメラの第1のペアを用いて取得された、上記シートの上記第2の側面の上記表面の上記画像から、上記材料のシート内の上記歪みを光学的に測定する、実施形態1に記載の装置。
実施形態5
上記アーチ状部材は、非回転式ブッシュ、円筒状ローラ、ベルトローラ、又はベアリングローラである、実施形態2に記載の装置。
実施形態6
上記試験領域内の上記シートの上記表面上に設けられたパターンは、上記材料のシート内の上記歪みの光学的な測定を促進する、実施形態1に記載の装置。
実施形態7
上記検出機構は、上記試験領域以外の領域の上記シートの上記第2の側面の上記表面の画像を取得するように位置決めされた、カメラの第2のペアを更に備える、実施形態4に記載の装置。
実施形態8
上記検出機構は、上記2つの離間したアーチ状部材の間の上記試験領域内の上記シートの垂直端面の1つ以上の画像を取得するように位置決めされた、少なくとも1つのカメラを備え、
上記検出機構は、上記少なくとも1つのカメラを用いて取得された、上記シートの上記垂直端面の上記画像から、上記材料のシート内の上記歪みを光学的に測定する、実施形態1に記載の装置。
実施形態9
上記検出機構は、上記試験領域以外の領域の上記シートの垂直端面の画像を取得するように位置決めされた、少なくとも1つの追加のカメラを更に備える、実施形態8に記載の装置。
実施形態10
材料のシートの縁部強度を、上記シートの縁部に沿って試験する方法であって、上記方法は:
上記シートの上記縁部に沿った関心対象領域において、上記シートの表面上に視覚的マーカーの表面パターンを適用するステップ;
上記関心対象領域に3点曲げ荷重を全く印加することなく、上記関心対象領域における上記シートの上記表面の第1の光学画像を取得するステップ;
3点曲げ荷重を、上記シートの上記縁部に沿った上記関心対象領域に印加するステップ;
上記3点曲げ荷重を上記関心対象領域に印加している間に、上記関心対象領域における上記シートの上記表面の第2の光学画像を取得するステップ;並びに
上記第1の光学画像及び上記第2の光学画像に基づいて、上記3点曲げ荷重の印加に起因する、上記シートの上記縁部に沿った上記関心対象領域の上記表面に対する応力を決定するステップ
を含む、方法。
実施形態11
上記シートの上記縁部に沿った上記関心対象領域の上記表面上の応力を決定する上記ステップは:
上記第1の光学画像に基づいて、無荷重状態の上記関心対象領域内の上記材料のシートの歪みを測定するステップ;
上記第2の光学画像に基づいて、上記3点曲げ荷重が印加されている荷重印加状態の上記関心対象領域内の上記材料のシートの歪みを測定するステップ;及び
上記無荷重状態での測定された上記歪みを、上記荷重印加状態での測定された上記歪みと比較することによって、印加された上記3点曲げ荷重によって誘発された上記シートの上記歪みを決定するステップ
を含む、実施形態10に記載の方法。
実施形態12
上記第2の光学画像に基づいて、上記荷重印加状態の上記関心対象領域内の上記材料のシートの上記歪みを測定する上記ステップは:
上記第1の光学画像内の上記視覚的マーカーの位置と比較した、上記第2の光学画像内の上記視覚的マーカーの変位を決定するステップ
を含む、実施形態11に記載の方法。
実施形態13
上記シートの上記縁部に沿った上記関心対象領域の上記表面上の上記応力を決定する上記ステップは:
上記関心対象領域内の上記材料のシートの測定された上記歪みを生成するために必要となる応力を計算するステップ
を含む、実施形態12に記載の方法。
実施形態14
上記視覚的マーカーの上記表面パターンを印加する上記ステップは、上記シートの上記表面上に画像を印刷、コーティング、噴霧、エッチング、貼付、又は投影するステップを含む、実施形態10に記載の方法。
実施形態15
上記第1の光学画像及び上記第2の光学画像は、少なくとも1つのカメラを備える光学系を用いて取得される、実施形態10に記載の方法。
実施形態16
試験領域を備えた試験装置を用いて、材料のシートの縁部強度を、上記シートの縁部に沿って試験する方法であって、上記方法は:
上記シートの上記縁部に沿った関心対象領域において、上記シートの表面上に視覚的マーカーの表面パターンを適用するステップ;
上記試験装置を通して上記材料のシートを連続的に前進させるステップであって、上記シートの上記縁部は、上記試験領域を通過する上記シートの部分に対して3点曲げ荷重が印加されている間に、上記試験領域を通って前進する、ステップ;
上記シートの上記縁部が上記試験領域を通って連続的に前進する間に、ただし上記関心対象領域が上記試験領域に到達する前に、上記関心対象領域における上記シートの上記表面の第1の光学画像を取得するステップ;
上記3点曲げ荷重を印加している間に上記関心対象領域が上記試験領域内へと前進したときに、上記シートの上記関心対象領域の上記表面の第2の光学画像を取得するステップ;並びに
上記第1の光学画像及び上記第2の光学画像に基づいて、上記3点曲げ荷重の印加に起因する、上記シートの上記縁部に沿った上記関心対象領域の上記表面に対する応力を決定するステップ
を含む、方法。
実施形態17
上記シートの上記縁部に沿った上記関心対象領域の上記表面上の応力を決定する上記ステップは:
上記第1の光学画像に基づいて、無荷重状態の上記関心対象領域内の上記材料のシートの歪みを測定するステップ;
上記第2の光学画像に基づいて、上記3点曲げ荷重が印加されている荷重印加状態の上記関心対象領域内の上記材料のシートの歪みを測定するステップ;及び
上記無荷重状態での測定された上記歪みを、上記荷重印加状態での測定された上記歪みと比較することによって、印加された上記3点曲げ荷重によって誘発された上記シートの上記歪みを決定するステップ
を含む、実施形態16に記載の方法。
実施形態18
上記第2の光学画像に基づいて、上記荷重印加状態の上記関心対象領域内の上記材料のシートの歪みを測定する上記ステップは:
上記第1の光学画像内の上記視覚的マーカーの位置と比較した、上記第2の光学画像内の上記視覚的マーカーの変位を決定するステップ
を含む、実施形態17に記載の方法。
実施形態19
上記シートの上記縁部に沿った上記関心対象領域の上記表面上の応力を決定する上記ステップは、上記関心対象領域内の上記材料のシートの測定された上記歪みを生成するために必要となる応力を計算するステップを含む、実施形態18に記載の方法。
実施形態20
上記第1の光学画像及び上記第2の光学画像は、ステレオカメラのペアを備える光学系によって取得される、実施形態16に記載の方法。
実施形態21
上記視覚的マーカーの上記表面パターンを印加する上記ステップは、上記シートの上記表面上に画像を印刷、コーティング、噴霧、エッチング、貼付、又は投影するステップを含む、実施形態16に記載の方法。
200 装置、試験装置
202 テーブル、サンプルステージ
204 試験シート、試験サンプルシート、ガラスシート、シート、材料のシート
204e 端面、垂直端面
205 縁部
206 アセンブリ
206a アセンブリ、第1のアセンブリ
206b アセンブリ、第2のアセンブリ
207b、207c、207d、213b、213c、213d ローラアセンブリ
208 試験領域
214 プロセッサ
215 ローラ
216 ピーク歪み位置
217 遠方場位置
218 下部ローラ、下側のローラ、アーチ状部材、ローラ
220a、220b 上側ローラ、上部ローラ、アーチ状部材、ローラ
222 第1の光学系、光学系
222a、222b CCDカメラ、カメラ、ステレオカメラ
222c、222d カメラ
224a、224b ステレオカメラ、カメラ
224c、224d カメラ
226 シート204の上側面、第2の側面、上面、表面
228 ディスプレイ
230 表面パターン、スペックルドット表面パターン、スペックルパターン
232、234 微小マイクロメートルレベルアジャスタ
236a、236b ダボ、整列ピン
240a、240b、240c ベルトローラ、ベルト
242a、242b、242c 駆動シャフト
244a、244b、244c アーチ状テンショナー
246a、246b、246c ベアリングローラ
248a、248b、248c ローラボール
250a、250b、250c ソケット
410a、410b 厚さセンサ

Claims (15)

  1. 材料のシートの縁部強度を試験するための装置であって、前記装置は:
    前記装置の試験領域内の前記材料のシートの縁部に沿って、3点曲げ荷重を選択的に印加するよう構成された、複数のアセンブリであって、前記複数のアセンブリは、前記3点曲げ荷重を印加することによって、前記試験領域内の前記材料のシート上で荷重印加状態を確立でき、また前記3点曲げ荷重を印加しないことによって、前記試験領域内の前記材料のシート上で無荷重状態を確立できる、複数のアセンブリ;
    前記材料のシートが前記無荷重状態である場合及び前記材料のシートが前記荷重印加状態である場合に、前記試験領域内の前記材料のシートの歪みを光学測定するよう構成された、検出機構であって、前記荷重印加状態における歪みは、前記3点曲げ荷重によって生成される、検出機構;並びに
    測定された前記歪みに基づいて前記材料のシート内の応力を決定するよう構成された、プロセッサ
    を備える、装置。
  2. 前記複数のアセンブリは、2つの対向するアセンブリを備え、前記2つの対向するアセンブリのうちの第1のアセンブリは、前記シートの第1の側面に係合するための単一のアーチ状部材を備え、前記2つの対向するアセンブリのうちの第2のアセンブリは、前記第1の側面と対向する前記シートの第2の側面に係合するための2つの離間したアーチ状部材を備え、
    前記2つの離間したアーチ状部材は、前記2つの離間したアーチ状部材の間に前記試験領域を画定する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記単一のアーチ状部材は、前記2つの離間したアーチ状部材の間で垂直に整列される、請求項2に記載の装置。
  4. 前記検出機構は、前記2つの離間したアーチ状部材の間の前記試験領域内の前記シートの前記第2の側面の表面の1つ以上の画像を取得するように位置決めされた、カメラの第1のペアを備え、
    前記検出機構は、前記カメラの第1のペアを用いて取得された、前記シートの前記第2の側面の前記表面の前記画像から、前記材料のシート内の前記歪みを光学的に測定する、請求項1に記載の装置。
  5. 前記アーチ状部材は、非回転式ブッシュ、円筒状ローラ、ベルトローラ、又はベアリングローラである、請求項2に記載の装置。
  6. 前記試験領域内の前記シートの前記表面上に設けられたパターンは、前記材料のシート内の前記歪みの光学的な測定を促進する、請求項1に記載の装置。
  7. 前記検出機構は、前記試験領域以外の領域の前記シートの前記第2の側面の前記表面の画像を取得するように位置決めされた、カメラの第2のペアを更に備える、請求項4に記載の装置。
  8. 前記検出機構は、前記2つの離間したアーチ状部材の間の前記試験領域内の前記シートの垂直端面の1つ以上の画像を取得するように位置決めされた、少なくとも1つのカメラを備え、
    前記検出機構は、前記少なくとも1つのカメラを用いて取得された、前記シートの前記垂直端面の前記画像から、前記材料のシート内の前記歪みを光学的に測定する、請求項1に記載の装置。
  9. 前記検出機構は、前記試験領域以外の領域の前記シートの垂直端面の画像を取得するように位置決めされた、少なくとも1つの追加のカメラを更に備える、請求項8に記載の装置。
  10. 材料のシートの縁部強度を、前記シートの縁部に沿って試験する方法であって、前記方法は:
    前記シートの前記縁部に沿った関心対象領域において、前記シートの表面上に視覚的マーカーの表面パターンを適用するステップ;
    前記関心対象領域に3点曲げ荷重を全く印加することなく、前記関心対象領域における前記シートの前記表面の第1の光学画像を取得するステップ;
    3点曲げ荷重を、前記シートの前記縁部に沿った前記関心対象領域に印加するステップ;
    前記3点曲げ荷重を前記関心対象領域に印加している間に、前記関心対象領域における前記シートの前記表面の第2の光学画像を取得するステップ;並びに
    前記第1の光学画像及び前記第2の光学画像に基づいて、前記3点曲げ荷重の印加に起因する、前記シートの前記縁部に沿った前記関心対象領域の前記表面に対する応力を決定するステップ
    を含む、方法。
  11. 前記シートの前記縁部に沿った前記関心対象領域の前記表面上の応力を決定する前記ステップは:
    前記第1の光学画像に基づいて、無荷重状態の前記関心対象領域内の前記材料のシートの歪みを測定するステップ;
    前記第2の光学画像に基づいて、前記3点曲げ荷重が印加されている荷重印加状態の前記関心対象領域内の前記材料のシートの歪みを測定するステップ;及び
    前記無荷重状態での測定された前記歪みを、前記荷重印加状態での測定された前記歪みと比較することによって、印加された前記3点曲げ荷重によって誘発された前記シートの前記歪みを決定するステップ
    を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記第2の光学画像に基づいて、前記荷重印加状態の前記関心対象領域内の前記材料のシートの前記歪みを測定する前記ステップは:
    前記第1の光学画像内の前記視覚的マーカーの位置と比較した、前記第2の光学画像内の前記視覚的マーカーの変位を決定するステップ
    を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記シートの前記縁部に沿った前記関心対象領域の前記表面上の前記応力を決定する前記ステップは:
    前記関心対象領域内の前記材料のシートの測定された前記歪みを生成するために必要となる応力を計算するステップ
    を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記視覚的マーカーの前記表面パターンを印加する前記ステップは、前記シートの前記表面上に画像を印刷、コーティング、噴霧、エッチング、貼付、又は投影するステップを含む、請求項10に記載の方法。
  15. 前記第1の光学画像及び前記第2の光学画像は、少なくとも1つのカメラを備える光学系を用いて取得される、請求項10に記載の方法。
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