JP2022528150A - 半硬質の医療用インプラントを埋め込むための外科用器具 - Google Patents

Abstract

インプラント本体、雄係合機構、雌係合機構、及びロック機構を有する、半硬質の外科用インプラント。インプラント本体は、その中に形成された開口部を有する。インプラント本体は、上部表面及び下部表面を有する。インプラント本体は、半硬質の材料から作製される。雄係合機構は、インプラント本体の上部表面から延在する。雌係合機構は、インプラント本体の下部表面に形成される。雄係合機構の形状は、雌係合機構に対して少なくとも部分的に相補的である。ロック機構は、少なくとも部分的に開口部内に位置する。ロック機構は、未偏向構成から偏向構成に偏向可能である。

Description

本発明は、広く言えば、外科用器具、及びその器具を使用する方法に関するものである。より詳細には、本発明は、半硬質（ｓｅｍｉ-ｒｉｇｉｄ）の医療用インプラントを埋め込むための外科用器具に係るものである。

身体内の様々な部位における医療用インプラントのアクセス、取扱い、及び設置のための外科用器具が、例えば、とりわけ米国特許第７，５４９，９９５号、米国特許第５，４９６，３２３号、米国特許第８，０８０，００４号、米国特許第８，１９６，７９６号、及び米国特許第９，１８６，１４３号から知られている。そのような器具は、アクセスするのが難しい部位に医療用インプラントが設置される必要がある場合に外科医にとって特に有用であることが証明された。例えば、脊椎固定手術において、腰椎前方固定術の場合には外科医が内臓器官や脈管構造などの複雑な生体構造を通り抜けなければならず、また、腰椎後方固定術の場合には外科医が神経、脊髄、及び脈管構造を通り抜ければならないが、そのような脊椎固定手術では、適切にサイズ決めされた制御可能で頑丈なインプラント設置器具が、外科手術の成功に不可欠である。

低侵襲手術手技が開発されるにつれて、とりわけ整形外科、脊柱、神経学、形成外科、心血管、及び内科学の外科的な専門分科はみな、特にそれが医療用デバイスを埋め込むのに必須である場合、ロボット支援手術を含む外科用器具類の進歩から恩恵を受けてきた。これらの器具の有用性にとって重要なことは、制御された態様で外科医が医療用インプラントを身体内に首尾良く設置することを可能にする、それらの能力であった。

一般に、そのような器具の設計は、インプラントと挿入器具との強固な接続を可能にする。この構成は、インプラントが設置されているときの外科医からインプラントへの指向性エネルギーの補足及び遠隔伝達の両方に役立つ。典型的には、そのような外科用器具は、少なくとも、典型的にはインプラントを遠位端部に取り付ける外科用器具の機能に関してインプラントを配向するように適合された手段（１）と、インプラントと外科用器具とが互いに強固にしかし取外し可能に接続することを可能にする手段（２）とを有する。例えば、インプラントに接続するように設計された器具は、器具がインプラントと係合してインプラントを外科用器具に強固に固着することを可能にする手段を有し得る。例えば、米国特許第７，５４９，９９５号、米国特許第６，８３０，５７４号、及び米国特許第６，７４６，４５４号を参照されたい。

しかし、材料科学の進歩とともに、特に数ある中でもポリマー、ポリウレタン、ポリイミド、シリコーン樹脂、リグニン、トリマー、コポリマーなどの柔軟で耐久性がある埋込み可能な化合物又は物質、及び様々な金属については、これまで治療不可能であった状態を治療すること又は現在知られているインプラント設計の機能を改善することを目標にする新規な形態のインプラント設計が出現してきた。そのような改善されたインプラント設計は、それらの材料組成の結果として構造的剛性に乏しい場合があり、したがって、「半硬質の」である場合がある。

半硬質のインプラントは、変形すること、回転すること、又はその意図された埋込み経路から偏向することなしに外科的な埋込み中にインプラントに及ぼされる力に耐えるのに十分な構造的剛性に不足しているインプラントとして定義され得る。そのような変形、回転、及び偏向は、外科的に最適ではなく、インプラントの紛失、破損、軟組織の断裂、静脈、動脈、及び神経の締め付けなどの合併症をもたらす虞があり、また、特に１つ又は複数のインプラント・サブ組立体が互いに接続するように意図されている場合には、デバイスの故障又は外科的な失敗をもたらす虞がある。この問題は、正確且つ予測可能なインプラント制御がインプラントの設置にとって不可欠であるロボット及びナビゲーション支援外科手術（ｒｏｂｏｔｉｃ ａｎｄ ｎａｖｉｇａｔｉｏｎ ａｓｓｉｓｔｅｄ ｓｕｒｇｅｒｙ）の場合に深刻化する。

埋込み型医療用デバイスは良く知られており、様々な患者の疾患を治すために種々の外科専門医によって使用される。全ての埋込み型医療用デバイスのタイプにわたって、外科医は、彼らの患者の問題を解決しながらも生来の生体構造及び組織に悪影響を及ぼすのを可能な限り最小限に抑えるという困難に直面している。

幾つかのタイプの埋込み型医療用デバイスの場合、埋込み型医療用デバイスが低侵襲性の外科的埋込み術に理想的であるのよりも大きなサイズのものであること必要とする、形態又は機能における制限が存在する。埋込み型医療用デバイスのサイズと理想的な侵襲性とをより良く調整するために使用される方策は、埋込み型医療用デバイスをモジュール式にすることである。

埋込み型医療用デバイスをモジュール式にすることにより、埋込み型医療用デバイスは、他の方法で可能とされるよりも小さな切り口／経路を通じて１モジュールずつ埋め込まれ得る。したがって、モジュール式埋込み型医療用デバイスは、身体内のその最終的な所望の部位において、しかし望ましくない外科的な外傷／生来の生体構造及び組織の破壊を最小限に抑える外科的アクセス経路を通じて、埋め込まれ且つ組み立てられる。

幾つかのモジュール式埋込み型医療用デバイスが知られている。１つのそのようなデバイスが、外側被覆（ｏｖｅｒ－ｍｏｌｄ）を有する埋込み型医療用デバイスのための位置調整及びロック機構を示す米国特許第７，３９２，０８９号で開示されている。米国特許出願公開第２００８／０１３３０１７号、米国特許第１０，１９５，０４８号、及び米国特許第９，５１０，９５３号は、脊髄手術用途で使用するためのモジュール式埋込み型医療用デバイスを開示している。

別のモジュール式埋込み型医療用デバイスが、米国特許第７，０９７，６６３号で開示されており、且つ、関連するロック機構を含むモジュール式球窩人工関節を示す。上記の実例では、開示されたロック機構は、ロックを促進するために材料を変位させるか曲げるかさもなければ変形させることを通じて機能する。それらはまた、ロックを促進するために、材料強度及び／又は材料抵抗に依存する。

埋込み型医療用デバイスは、厳しい公差及び厳格な仕様を要求する。これらの要求は、モジュール式埋込み型医療用デバイスに対して増幅される。上記の実例において参照される埋込み型医療用デバイスは、モジュール連結及び配向を提供するが、予測不可能な／制御が難しい位置調整、不確かな連結／接合、及び破損に起因する完全な失敗などの問題を招く態様でそれを行う。これらの欠点は、半硬質のモジュール式埋込み型医療用デバイスでは悪化する。そのような問題は、望ましくない。

米国特許第７，５４９，９９５号明細書 米国特許第５，４９６，３２３号明細書 米国特許第８，０８０，００４号明細書 米国特許第８，１９６，７９６号明細書 米国特許第９，１８６，１４３号明細書 米国特許第６，８３０，５７４号明細書 米国特許第６，７４６，４５４号明細書 米国特許第７，３９２，０８９号明細書 米国特許出願公開第２００８／０１３３０１７号明細書 米国特許第１０，１９５，０４８号明細書 米国特許第９，５１０，９５３号明細書 米国特許第７，０９７，６６３号明細書

したがって、患者の便益及び医療用インプラントの革新のために、半硬質のインプラントの埋込みを促進するための改善された外科的取扱い器具が必要とされている。

本発明の一実施例は、インプラント本体、雄係合機構、雌係合機構、及びロック機構を含む、半硬質の外科用インプラントを対象とする。インプラント本体は、その中に形成された開口部を有する。インプラント本体は、上部表面及び下部表面を有する。インプラント本体は、半硬質の材料から作製される。雄係合機構は、インプラント本体の上部表面から延在する。雌係合機構は、インプラント本体の下部表面に形成される。雄係合機構の形状は、雌係合機構に対して少なくとも部分的に相補的である。ロック機構は、少なくとも部分的に開口部内に位置する。ロック機構は、未偏向構成から偏向構成に偏向可能である。

本発明の別の実施例は、半硬質の外科用インプラントを埋め込む方法を対象とする。インプラント本体、雄係合機構、雌係合機構、及びロック機構をそれぞれが備える第１の半硬質の外科用インプラント及び第２の半硬質の外科用インプラントが提供される。インプラント本体は、その中に形成された開口部を有する。インプラント本体は、半硬質の材料から作製される。雄係合機構は、インプラント本体の上部表面から延在する。雌係合機構は、インプラント本体の下部表面に形成される。雄係合体の形状は、雌係合体に対して少なくとも部分的に相補的である。ロック機構は、少なくとも部分的に開口部内に位置する。第１の半硬質の外科用インプラントは、第１の半硬質の外科用インプラント上の雄係合機構が第２の半硬質の外科用インプラント上の雌係合機構内に延在するように、第２の半硬質の外科用インプラントに対して摺動する。ロック機構は、第１の半硬質の外科用インプラント上の雄係合機構が第２の半硬質の上の雌係合機構内に延在するにつれて、未偏向構成から偏向構成に偏向する。ロック機構は、第１の半硬質の外科用インプラントが第２の半硬質の外科用インプラントに対する係合位置に達すると、未偏向構成に戻る。いったん未偏向構成に戻ったロック機構は、第１の半硬質の外科用インプラントを第２の半硬質の外科用インプラントに対する係合位置に保持する。

本発明の別の実施例は、半硬質の外科用インプラントを埋め込むための外科用器具を対象とする。外科用器具は、シャフト、アクセサリ・シャフト、作動機構、及びインプラント係合機構を含む。シャフトは、その中に形成されたチャネルを有する。シャフトは、近位端部及び遠位端部を有する。アクセサリ・シャフトは、チャネル内に摺動可能に取り付けられる。アクセサリ・シャフトは、近位端部及び遠位端部を有する。作動機構は、シャフトの近位端部の近くでシャフトに取り付けられる。作動機構は、アクセサリ・シャフトをシャフトに対して摺動させることができる。インプラント係合機構は、アクセサリ・シャフトの遠位端部に取り付けられる。インプラント係合機構は、半硬質の外科用インプラントを係合させることができる。

添付の図面は、実施例のさらなる理解を提供するために含まれており、また、本明細書に援用されてその一部を構成する。図面は実施例を示し、また、本明細書と一緒に実施例の原理を説明する働きをする。他の実施例、及び、実施例の意図された利点の多くは、以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるので、容易に認識されるであろう。図面の要素は、必ずしも互いに縮尺を合わせられているわけではない。同様の参照番号は、対応する類似の部品を示す。

半硬質の外科用インプラントの斜視図である。 半硬質の外科用インプラントの代替的な実施例の斜視図である。 図１の半硬質の外科用インプラントの上面図である。 図１の半硬質の外科用インプラントの側面図である。 図１の半硬質の外科用インプラントのためのロック機構の斜視図である。 図５のロック機構の側面図である。 図５のロック機構の正面図である。 半硬質の外科用インプラントの分解組立図である。 未偏向構成におけるロック機構の側面図である。 偏向構成におけるロック機構の側面図である。 半硬質の外科用インプラントを取り扱うための外科用器具の斜視図である。 図１１に示された外科用器具の遠位端部の拡大斜視図である。 半硬質の外科用インプラントが遠位端部に取り付けられている外科用器具の斜視図である。 半硬質の外科用インプラントが取り付けられている図１３に示された外科用器具の遠位端部の拡大斜視図である。 外科用器具によって係合された半硬質の外科用インプラントの上面図である。 ２つの半硬質の医療用インプラントを一緒に摺動させるためのディストラクタとして適合されたアクセサリ・シャフトを含む半硬質の外科用インプラントの拡大斜視図である。 第２の外科用器具によって係合される第１の半硬質の外科用インプラントと係合させられている、第２の外科用器具によって係合される第２の半硬質の外科用インプラントの側面図である。 互いに係合している半硬質の医療用インプラントのうちの４つの半硬質の医療用インプラントの側面図である。

半硬質の外科用インプラント４００の一実施例が、図１、３及び４に示されている。幾つかの実施例では、半硬質の外科用インプラント４００は、細長い構造を有する。

半硬質の外科用インプラント４００の前部表面４０４は、半硬質の外科用インプラント４００が挿入されるときに半硬質の外科用インプラント４００が組織を切るか又は他の方法で組織に損傷を与える可能性を最小限に抑えるために、その上部、下部、及び側部の縁部に沿って曲線状の領域を有し得る。

同様に、側部表面４０６は、半硬質の外科用インプラント４００が挿入されるときに半硬質の外科用インプラント４００が組織を切るか又は他の方法で組織に損傷を与える可能性を最小限に抑えるために、その上部及び下部の縁部に沿って曲線状の領域を有し得る。

雄係合セクション４１０が、半硬質の外科用インプラント４００の上部表面４０８から延在する。幾つかの実施例では、雄係合セクション４１０は一般に、基部係合セクション４１２及び拡張部係合セクション４１４を含む。

基部係合セクション４１２は、半硬質の外科用インプラント４００に取り付けられ、且つ、上部表面４０８から延在する。拡張部係合セクション４１４は、半硬質の外科用インプラント４００とは反対の基部係合セクション４１２の側に取り付けられる。幾つかの実施例では、拡張部係合セクション４１４は、基部係合セクション４１２に対してほぼ直角に配向される。

拡張部係合セクション４１４は、基部係合セクション４１２の幅を上回る幅を有する。前部表面４０４に向かって配向される拡張部係合セクション４１４の端部は、半硬質の外科用インプラント４００が挿入されるときに雄拡張セクション４１０が組織を切るか又は他の方法で組織に損傷を与える可能性を最小限に収めるために、曲線状とされ得る。

図４に示されるように、雌係合セクション４２０が下部表面４１８に形成される。幾つかの実施例では、雌係合セクション４２０は一般に、第１のチャネル・セクション４２２及び第２のチャネル・セクション４２４を含む。

第１のチャネル・セクション４２２は、下部表面４１８内に延在する。第１のチャネル・セクション４２２は、基部係合セクション４１２の幅よりも僅かに大きい幅を有する。第１のチャネル・セクション４２２は、前部表面４０４の近くで閉じられており、且つ、後部表面４２６の近くで開かれている。

第２のチャネル・セクション４２４は、下部表面４１８とは反対の第１のチャネル・セクション４２２の端部において半硬質の外科用インプラント４００に形成される。第２のチャネル・セクション４２４は、拡張部係合セクション４１４の幅よりも僅かに大きい幅を有する。第２のチャネル・セクション４２４は、前部表面４０４の近くで閉じられており、且つ、後部表面４２６の近くで開かれている。

雄係合セクション４１０及び雌係合セクション４２０の構造は、隣り合った半硬質の外科用インプラント４００が摺動して互いに係合することを可能にする。

半硬質の外科用インプラント４００は、半硬質の外科用インプラント４００と外科用インプラント挿入器５００との係合を促進するために、後部表面４２６の近くに外科用器具係合領域４３０を含む。

幾つかの実施例では、外科用器具係合領域４３０は、中央領域４３２、及び２つのタブ領域４３４を含み得る。中央領域４３２は、後部表面４２６から延在する。タブ領域４３４は、半硬質の外科用インプラント４００とは反対の中央領域４３２の端部の近くで中央領域４３２から延在する。幾つかの実施例では、タブ領域４３４は、中央領域４３２の両側から延在する。幾つかの実施例では、タブ領域４３４は、中央領域４３２に対してほぼ直角に配向される。

側部表面４０６同士の中間部において、開口部４３６が上部表面４０８に形成される。幾つかの実施例では、開口部４３６は、図３に示されるように下部表面４１８を貫通して延在する。開口部４３６は、本明細書においてより詳細に説明されるように、ロック機構４５０の少なくとも一部分を受け入れるように適合される。

図２に示される半硬質の外科用インプラント４００の代替的な一実施例では、半硬質の外科用インプラント４００は、その側面に少なくとも１つの開口４３８を含む。幾つかの実施例では、開口４３８のそれぞれは、対向する側部表面４０６間に延在する。開口４３８は、側部表面４０６に対してほぼ直角に配向され得る。

ロック機構４５０は、図１５～図１７に示されるように、主セクション４５２を含む。主セクション４５２は、第１の側面４５４、第２の側面４５６、及び第３の側面４５８を含む、ほぼ３角形の形状を有し得る。幾つかの実施例では、第１の側面４５４は、第２の側面４５６に対してほぼ直角であり、また、第１の側面４５４の長さは、第２の側面４５６の長さにおおよそ等しい。

図９に示される余蘊、ロック機構４５０が未偏向構成にあるときに、第１の側面４５４は、上部表面４０８に対してほぼ直角に配向され、第２の側面４５４は、上部表面４０８に対してほぼ平行に配向される。

図６に最も明瞭に示されるように、主セクション４５２は、それを貫通して延在する開口４６０を有する。幾つかの実施例では、開口４６０は、その両端の中間部よりもその両端に近い方がより幅広である。開口４６０は、第１の線４６２及び第２の線４６４によって画定される。

幾つかの実施例では、第１の線４６２は、第２の側面４５４に対してほぼ平行であり、第２の線４６４は、第１の線４６２に対して約１０度から約４０度の間の角度αに配向される。したがって、開口４６０は、ロック機構４５０が半硬質の外科用インプラント４００に対して枢動することを可能にする。

開口４６０の最小部において、開口４６０は、半硬質の外科用インプラント４００と係合しているロック機構４５０を保持するためにロック・ピン４７０が開口４６０を通って延在可能であるように、ロック・ピン４７０の直径よりも僅かに大きい直径を持つほぼ円形の輪郭を有する。

主セクション４５２は、第２の側面４５６から延在する２つの脚４７２を有する。脚４７２は、第１の側面４５４と実質的に位置合わせされて配向され得る。脚４７２は、半硬質の外科用インプラント４００にある取付開口４７４内に延在する。

半硬質の外科用インプラント４００は、ロック機構４５０を開口部４３６内へ延在させ、次いでロック・ピン４７０が開口４６０を通って延在してロック機構４５０を半硬質の外科用インプラント４００に動作可能に取り付けるまでロック・ピン４７０を後部表面４２６にある開口４８０内へ延在させることによって、組み立てられる。図８は、ロック機構４５０、ロック・ピン４７０、及び半硬質の外科用インプラント４００の分解組立図である。

したがって、ロック・ピン４７０は、ロック機構４５０が未偏向構成と偏向構成との間で枢動することを可能にする枢支点としての役割を果たす。幾つかの実施例では、ロック機構４５０が未偏向構成から偏向構成へ移動するときに、ロック機構４５０の少なくとも一部分が変形する。変形過程は、エネルギーを再分配する。

図９は、半硬質の外科用インプラント４００に対して未偏向構成にあるロック機構４５０を示す。図１０は、半硬質の外科用インプラント４００に対して偏向構成にあるロック機構４５０を示す。本明細書においてより詳細に説明されるように、ロック機構４５０は、２つの半硬質の外科用インプラント４００を取り付ける過程中に半硬質の外科用インプラント４００のうちの２つが互いに対して摺動されるときに、未偏向構成から偏向構成へ付勢される。

半硬質の外科用インプラント４００は、本発明の概念を使用して様々な材料から形成され得る。全長、幅、直径、周囲などの寸法、及び形状を含む他の類似の測定値は、本発明の外科用器具が使用され得る外科的使用設定に明白に適応可能である。

本明細書において、半硬質は、比較的低い硬度を有する軟質材料又はコンプライアント材料を意味する。軟質材料又はコンプライアント材料の非限定的な実例は、生体適合性ポリウレタンなどのポリマーである。軟質材料又はコンプライアント材料の硬度の非限定的な実例は、約ショア１８Ａから約ショア５５Ｄに及ぶデュロメータ硬度を有する材料である。軟質材料又はコンプライアント材料のさらなる非限定的な実例は、約２から約１００ＭＰａの間の圧縮率を有する材料である。好ましい実施例では、圧縮率は、約６から約２０ＭＰａの間である。

外科用インプラント挿入器５００は、身体内に埋め込むために半硬質の外科用インプラント４００を取外し可能に固着するように適合される。外科用インプラント挿入器５００は一般に、近位端部及び遠位端部を有するシャフト５０２を含む。シャフト５０２は、近位端部から遠位端部まで延在する少なくとも１つのチャネル５１０を有する。

チャネル５１０は、近位端部及び遠位端部を有するアクセサリ・シャフト５１２を受け入れるように適合される。アクセサリ・シャフト５１２は、シャフト５０２に対して摺動可能に取り付けられる。

作動機構が、アクセサリ・シャフト５１２の近位端部に取り付けられる。作動機構は、アクセサリ・シャフト５１２をシャフト５０２に対して摺動させることができる。２つ以上のアクセサリ・シャフト５１２が存在する幾つかの実施例では、作動機構は、アクセサリ・シャフト５１２を一斉に作動させることができ、又は、作動機構は、アクセサリ・シャフト５１２が独立に作動されることを可能にし得る。

作動機構は、シャフト５０２に対して動作可能に取り付けられる少なくとも１つのアーム５２４を含み得る。幾つかの実施例では、作動機構は、シャフト５０２に対して枢動可能に取り付けられる２つのアーム５２４を含む。

アーム５２４は、開いた構成に付勢され得る。アーム５２４が開いた構成にあるときに、半硬質の外科用インプラント４００は、外科用インプラント挿入器５００と係合して保持される。アーム５２４が閉じた構成に移動されると、半硬質の外科用インプラント４００は、外科用インプラント挿入器５００から解放される。

図示されたようなアクセサリ・シャフト５１２を手動で操作することの代案として、アクセサリ・シャフト５１２は、外科用ロボット（図示せず）に取り付けることなどにより、遠隔的に操作され得る。

インプラント係合機構５２２が、アクセサリ・シャフト５１２の遠位端部に取り付けられる。インプラント係合機構５２２は、内方に向けられた２つのタブ５３０を含み得る。作動機構が作動されると、内方に向けられたタブ５３０は、互いに向かって付勢されてタブ領域４３４に係合し、それにより、外科用インプラント挿入器５００と係合している半硬質の外科用インプラント４００を保持する。

半硬質の外科用インプラント４００が外科用インプラント挿入器５００に取り付けられるときに半硬質の外科用インプラント４００をシャフト５０２に対してほぼ平行な配置に保持するために、延長部５３２がシャフト５０２の遠位端部から延在し得る。

幾つかの実施例では、延長部５３２は、半硬質の外科用インプラント４００の長さに似るがそれに満たない長さを有することができ、また、延長部５３２は、半硬質の外科用インプラント４００の幅に似るがそれに満たない幅を有することができる。

図１３～１５は、閉じた構成に移動されたアーム５２４と、半硬質の外科用インプラント４００を外科用インプラント挿入器５００に固着するためにタブ領域４３４に係合している内方に向けられたタブ５３０とを示す。

図１６は、外科用インプラント挿入器５００から延在するアクセサリ・シャフト５６２を示す。アクセサリ・シャフト５６２は、半硬質の外科用インプラント４００が挿入され得る開口部を設けるために骨又は軟組織を逸らす又は拡張させることを促進する。

図１７は、外科用インプラント挿入器５００にそれぞれ取り付けられた半硬質の外科用インプラント４００のうちの２つを示し、ここで、半硬質の外科用インプラント４００は、２つの半硬質の外科用インプラント４００を互いに摺動可能に係合させる過程において矢印５６０によって示されるように互いに対して摺動している。

２つの半硬質の外科用インプラント４００が互いに位置合わせされると、図８に示されるように、ロック機構４５０は、２つの半硬質の外科用インプラント４００が互いに対して摺動するのを防ぐために、半硬質の外科用インプラント４００の下部表面上の開口部４７６内へ延在する。ロック機構５６０は、隣り合った２つの半硬質の外科用インプラント４００の係合を可能にするように偏向可能であるが、ロック機構５６０は、隣り合った２つの半硬質の外科用インプラント４００の分離を可能にする方向には偏向不可能である。この過程は、半硬質の外科用インプラント４００の組み合わせられた厚さが所望の量に達するまで繰り返される。

外科用インプラント挿入器５００の使用を助けるために、外科的ナビゲーション目的に適したセンサ又はビーコンが外科用インプラント挿入器５００上に設置され得ることを、当業者は理解するであろう。

前述の詳細な説明では、その一部を形成する添付の図面が参照され、また、添付の図面では、本発明が実践され得る特定の実施例が例示として示されている。この点において、「頂部」、「底部」、「前部」、「後部」、「進み側」、「追従側」、等のような方向に関する専門用語は、説明されている図の配向に関連して使用される。実施例の構成要素は、多くの異なる配向に位置決めされ得るので、方向に関する専門用語は、例示の目的のために使用されるものであり、決して限定する目的のために使用されるものではない。本発明の範囲から逸脱することなしに他の実施例が利用されてよくまた構造的又は論理的な変更がなされてもよいことが、理解されるべきである。したがって、前述の詳細な説明は、限定的な意味にとられるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められる。

本出願において開示された特徴、及び参照により援用される上記出願において説明された特徴は、個々の状況に適するように混合され且つ適合され得ることが、意図されている。様々な他の修正及び変更が、当業者には明らかになるであろう。

Claims (20)

1. 中に形成された開口部を有するインプラント本体であって、上部表面、及び下部表面を有し、且つ、半硬質の材料から作製された、インプラント本体と、
   前記インプラント本体の前記上部表面から延在する雄係合機構と、
   前記インプラント本体の前記下部表面に形成された雌係合機構であって、前記雄係合機構の形状が前記雌係合機構に対して少なくとも部分的に相補的である、雌係合機構と、
   少なくとも部分的に前記開口部内に位置するロック機構であって、未偏向構成から偏向構成に偏向可能である、ロック機構と、
   を備える、半硬質の外科用インプラント。
2. 前記雄係合機構が、前記半硬質の外科用インプラントの２つが互いに或る位置に保持され得るように前記雌係合機構と係合可能である、請求項１に記載の外科用器具インプラント。
3. 前記雄係合機構が、
   前記インプラント本体の上部表面に取り付けられた基部係合セクションと、
   インプラント本体の反対側で前記基部係合セクションに取り付けられた拡張部係合セクションであって、前記基部係合セクションの幅を上回る幅を有する、拡張部係合セクションと、
   を備える、請求項１に記載の半硬質の外科用インプラント。
4. 前記雌係合機構が、
   前記インプラント本体の下部表面に形成された第１のチャネル・セクションと、
   前記第１のチャネル・セクションの前記下部表面に対向する前記第１のチャネル・セクションの端部において前記インプラント本体に形成された第２のチャネル・セクションであって、前記第１のチャネル・セクションが前記第２のチャネル・セクションを上回る幅を有する、第２のチャネル・セクションと、
   を備える、請求項１に記載の半硬質の外科用インプラント。
5. 前記インプラント本体が、前部表面及び後部表面を有し、前記第１のチャネル・セクション及び前記第２のチャネル・セクションが、それぞれ、前記前部表面に近いその第１の端部において閉じられており、
   前記第１のチャネル・セクション及び前記第２のチャネル・セクションが、それぞれ、前記後部表面に近いその第２の端部において開かれている、請求項４に記載の半硬質の外科用インプラント。
6. 前記ロック機構が、
   それを貫通して延在する開口を有する主セクションであって、前記開口が、前記開口の両端の中間部よりも前記開口の前記両端に近い方がより幅広であり、前記開口が、第１の線及び第２の線によって画定され、前記第１の線及び前記第２の線が、前記開口の前記両端の中間部で交差し、前記第１の線が、約１０度～約４０度の角度に配向され、前記開口が、前記インプラント本体と係合している前記ロック機構を保持するロック・ピンを受け入れるように適合されている、主セクションと、
   前記主セクションから延在する少なくとも１つの脚であって、前記インプラント本体にある取付開口内に延在可能である、少なくとも１つの脚と、
   を備える、請求項１に記載の半硬質の外科用インプラント。
7. 前記ロック機構の少なくとも一部分が、可撓性材料から作製される、請求項６に記載の半硬質の外科用インプラント。
8. 前記主セクションが、３角形の形状を有する、請求項６に記載の半硬質の外科用インプラント。
9. 前記開口部が、前記インプラント本体の前記上部表面に形成され、前記ロック機構の一部分が、前記開口部から前記インプラント本体の前記上部表面の上方に延在する、請求項１に記載の半硬質の外科用インプラント。
10. 前記インプラント本体に取り付けられ且つ前記インプラント本体から延在する中央領域と前記中央領域から延在する少なくとも１つのタブ領域とを含む外科用器具係合領域をさらに備える、請求項１に記載の半硬質の外科用インプラント。
11. 前記インプラント本体が、約ショア１８Ａ～約ショア５５Ｄのデュロメータ硬度を有し、また、前記インプラント本体が、約２ＭＰａ～約１００ＭＰａの圧縮率を有する、請求項１に記載の半硬質の外科用インプラント。
12. 半硬質の外科用インプラントを埋め込む方法であって、
    インプラント本体、雄係合機構、雌係合機構、及びロック機構をそれぞれが備える第１の半硬質の外科用インプラント及び第２の半硬質の外科用インプラントを用意するステップであて、前記インプラント本体が、その中に形成された開口部を有し、前記インプラント本体が、半硬質の材料から作製され、前記雄係合機構が、前記インプラント本体の上部表面から延在し、前記雌係合機構が、前記インプラント本体の下部表面に形成され、前記雄係合体の形状が、前記雌係合体に対して少なくとも部分的に相補的であり、前記ロック機構が、少なくとも部分的に前記開口部内に位置する、ステップと、
    前記第１の半硬質の外科用インプラント上の前記雄係合機構が前記第２の半硬質の外科用インプラント上の雌係合機構内に延在するように前記第１の半硬質の外科用インプラントを前記第２の半硬質の外科用インプラントに対して摺動させるステップと、
    前記第１の半硬質の外科用インプラント上の前記雄係合機構が前記第２の半硬質の上の前記雌係合機構内に延在するときに前記ロック機構を未偏向構成から偏向構成に偏向させるステップと、
    を含み、
    前記第１の半硬質の外科用インプラントが前記第２の半硬質の外科用インプラントに対する係合位置に達すると、前記ロック機構が前記未偏向構成に戻り、
    いったん前記未偏向構成に戻ったロック機構が、前記第１の半硬質の外科用インプラントを前記第２の半硬質の外科用インプラントに対する前記係合位置に保持する、方法。
13. シャフト、アクセサリ・シャフト、作動機構、及びインプラント係合機構を備える外科用器具を用意するステップであって、前記シャフトが、その中に形成されたチャネルを有し、前記シャフトが、近位端部及び遠位端部を有し、前記アクセサリ・シャフトが、前記チャネル内に摺動可能に取り付けられ、前記アクセサリ・シャフトが、近位端部及び遠位端部を有し、前記作動機構が、前記シャフトの前記近位端部の近くで前記シャフトに取り付けられ、前記インプラント係合機構が、前記アクセサリ・シャフトの前記遠位端部に取り付けられる、ステップと、
    前記第１の半硬質の外科用インプラントを前記インプラント係合機構の近くに位置決めするステップと、
    前記作動機構を使用して前記アクセサリ・シャフトを前記シャフトに対して摺動させ且つ前記インプラント係合機構を前記第１の半硬質の外科用インプラントに係合させるステップと、
    前記外科用器具を操作して前記半硬質の外科用器具を少なくとも部分的に第１の骨と第２の骨との間に位置決めするステップと、
    前記作動機構を使用して前記アクセサリ・シャフトを前記シャフトに対して摺動させ且つ前記インプラント係合機構を前記第１の半硬質の外科用インプラントから係合解除するステップと、
    をさらに含む、請求項１２に記載の方法。
14. 前記ロック機構が、主セクション及び少なくとも１つの脚を備え、前記主セクションが、それを貫通して延在する開口を有し、前記開口が、前記開口の両端の中間部よりも前記開口の前記両端に近い方がより幅広であり、前記開口が、第１の線及び第２の線によって画定され、前記第１の線及び前記第２の線が、前記開口の前記両端の中間部で交差し、前記第１の線が、約１０度～約４０度の角度に配向され、前記開口が、前記インプラント本体と係合している前記ロック機構を保持するロック・ピンを受け入れるように適合され、前記少なくとも１つの脚が、前記主セクションから延在し、前記少なくとも１つの脚が、前記インプラント本体にある取付開口内に延在し、前記開口が、前記ロック・ピンが前記開口を貫通して延在している状態で前記主セクションが前記未偏向構成から前記未偏向構成へ枢動することを可能にする、請求項１２に記載の方法。
15. 前記インプラント本体が、約ショア１８Ａ～約ショア５５Ｄのデュロメータ硬度を有し、前記インプラント本体が、約２ＭＰａ～約１００ＭＰａの圧縮率を有する、請求項１２に記載の方法。
16. 半硬質の外科用インプラントを埋め込むための外科用器具であって、
    中に形成されたチャネルを有するシャフトであって、近位端部及び遠位端部を有するシャフトと、
    前記チャネル内に摺動可能に取り付けられたアクセサリ・シャフトであって、近位端部及び遠位端部を有するアクセサリ・シャフトと、
    前記シャフトの前記近位端部の近くで前記シャフトに取り付けられた作動機構であって、前記アクセサリ・シャフトを前記シャフトに対して摺動させることができる作動機構と、
    前記アクセサリ・シャフトの前記遠位端部に取り付けられたインプラント係合機構であって、半硬質の外科用インプラントを係合させることができるインプラント係合機構と、
    を備える、外科用器具。
17. 前記作動機構が、少なくとも１つのアームを備え、前記少なくとも１つのアームを枢動させることにより、前記アクセサリ・シャフトが前記シャフトに対して摺動するようになっている、請求項１６に記載の外科用器具。
18. 前記半硬質の外科用インプラントが、外科用器具係合領域を含み、前記インプラント係合機構が、
    開いた構成に付勢される２つの係合アームと、
    互い向けられるように前記アクセサリ・シャフトの反対側のそれぞれの前記係合アームの端部から延在する、内方に向けられた係合タブであって、前記外科用器具係合領域に係合することができるようになっている、内方に向けられた係合タブと、
    を備える、請求項１６に記載の外科用器具。
19. 前記インプラント係合機構の遠位端部から延在する延長部をさらに備え、前記延長部が、前記半硬質の外科用インプラントが前記インプラント係合機構に係合されるときに半硬質の外科用インプラントを支持する、請求項１６に記載の外科用器具。
20. 前記外科用インプラント本体が、約ショア１８Ａ～約ショア５５Ｄのデュロメータ硬度を有し、前記外科用インプラントが、約２ＭＰａ～約１００ＭＰａの圧縮率を有する、請求項１６に記載の外科用器具。

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